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  • 特許-酸化鉱石の製錬方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】酸化鉱石の製錬方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 23/02 20060101AFI20220809BHJP
   C22C 33/04 20060101ALI20220809BHJP
   C22B 5/02 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
C22B23/02
C22C33/04 H
C22B5/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018185662
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020056052
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】井関 隆士
(72)【発明者】
【氏名】小林 純一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 修二
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-156140(JP,A)
【文献】特開2018-127695(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103812(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-61/00
C21B 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル酸化鉱石と第1の還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、
得られた混合物に第1の還元処理を施す還元第1工程と、
前記第1の還元処理を施した混合物に、前記第1の還元剤とは異なる第2の還元剤を供給することにより第2の還元処理を施す還元第2工程と、
を含むニッケル酸化鉱石の製錬方法。
【請求項2】
前記還元第2工程では、還元処理前の前記混合物に含まれる酸化物に還元するのに必要な化学当量の合計値を100質量%としたときに、0.5質量%以上20質量%以下の割合で前記第2の還元剤を供給する
請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
【請求項3】
前記還元第2工程では、処理空間の酸素濃度が500ppm以下となるように前記第2の還元処理を行う
請求項1又は2に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
【請求項4】
前記還元第1工程では、還元温度を1200℃以上1500℃以下として前記第1の還元処理を施し、
前記還元第2工程では、還元温度を900℃以上1200℃未満として前記第2の還元処理を施す
請求項1から3のいずれかに記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化鉱石の製錬方法に関するものであり、例えば、ニッケル酸化鉱石等の酸化鉱石を原料として炭素質還元剤により還元することで還元物を得る製錬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化鉱石の一種であるリモナイトあるいはサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱石の製錬方法として、熔錬炉を使用してニッケルマットを製造する乾式製錬方法、ロータリーキルンあるいは移動炉床炉を使用して鉄とニッケルの合金(以下、鉄とニッケルの合金を「フェロニッケル」ともいう)を製造する乾式製錬方法、オートクレーブを使用して高温高圧で酸浸出し、ニッケルやコバルトが混在した混合硫化物(ミックスサルファイド)を製造する湿式製錬方法等が知られている。
【0003】
上述した様々な方法の中で、特に乾式製錬法を用いてニッケル酸化鉱石を還元して製錬する場合、反応を進めるために原料のニッケル酸化鉱石を適度な大きさに破砕する等して塊状物化する処理が前処理として行われる。
【0004】
具体的に、ニッケル酸化鉱石を塊状物化する、すなわち粉状や微粒状の鉱石を塊状にする際には、そのニッケル酸化鉱石と、それ以外の成分、例えばバインダーやコークス等の還元剤とを混合して混合物とし、さらに水分調整等を行った後に塊状物製造機に装入して、例えば一辺あるいは直径が10mm以上30mm以下程度の成形物(ペレット、ブリケット等を指す。以下、単に「ペレット」ということもある)とするのが一般的である。
【0005】
塊状物化して得られるペレットには、含有する水分を「飛ばす」ために、ある程度の通気性が必要となる。さらに、その後の還元処理においてペレット内で均一に還元が進まないと、得られる還元物の組成が不均一になり、メタルが分散したり偏在したりする等の不都合が生じる。そのため、ペレットを作製する際には混合物を均一に混合したり、得られたペレットを還元する際には可能な限り均一な温度を維持することが重要となる。
【0006】
加えて、還元処理により生成するメタル(フェロニッケル)を粗大化させることも非常に重要な技術である。生成したフェロニッケルが、例えば数10μm以上数100μm以下の細かな大きさであった場合、同時に生成するスラグと分離することが困難となり、フェロニッケルとしての回収率(収率)が大きく低下してしまう。そのため、還元後のフェロニッケルを粗大化する処理が必要となる。
【0007】
例えば、特許文献1には、金属酸化物と炭素質還元剤とを含む塊成物を、移動床型還元溶融炉の炉床上に供給して加熱し、金属酸化物を還元溶融させる粒状金属の製造方法において、塊成物同士の距離を0としたときの塊成物の炉床への最大投影面積率に対する、塊成物の炉床への投影面積率の相対値を敷密度としたとき、平均直径が19.5mm以上32mm以下の塊成物を、敷密度が0.5以上0.8以下になるように炉床上に供給して加熱する方法が開示されている。この方法では、塊成物の敷密度と平均直径とを併せて制御することで、粒状金属鉄の生産性を高められることが記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1にあるような、特定の直径を有するものを塊成物として用いる方法では、特定の直径を有しないものを取り除く必要があるため、塊成物を作製する際に収率が低いという問題があった。また、特許文献1の方法では、塊成物の敷密度を0.5以上0.8以下に調整する必要があり、塊成物を積層させることもできないため、生産性が低く、しかも製造コストが高いものであった。
【0009】
このように、酸化鉱石を混合及び還元して金属や合金を製造する技術には、生産性を高め、製造コストを低減させ、メタルの品質を高める点で、多くの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2011-256414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ニッケル酸化鉱石等の酸化鉱石を含む混合物を還元することでメタルを製造する製錬方法において、得られるメタルの品位を高めることができ、高品質のメタルを効率的に製造することができる酸化鉱石の製錬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、酸化鉱石と第1の還元剤とを含む混合物に還元処理を施した後に、混合物を第2の還元剤によりさらに還元処理を施すことによって上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
(1)本発明の第1は、酸化鉱石と第1の還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、得られた混合物に第1の還元処理を施す還元第1工程と、前記第1の還元処理を施した混合物に、第2の還元剤により第2の還元処理を施す還元第2工程と、を含む酸化鉱石の製錬方法である。
【0014】
(2)本発明の第2は、第1の発明において、前記還元第2工程では、第2の還元処理を施す処理空間の酸素濃度が500ppm以下となるように第2の還元処理を施して、メタルとスラグとを含む還元物を得る酸化鉱石の製錬方法である。
【0015】
(3)本発明の第3は、第1又は2の発明において、前記還元第1工程では、還元温度を1200℃以上1500℃以下として前記第1の還元処理を施し、前記還元第2工程では、還元温度を900℃以上1200℃未満として前記第2の還元処理を施す酸化鉱石の製錬方法である。
【0016】
(4)本発明の第4は、第1から第3のいずれかの発明において、前記酸化鉱石はニッケル酸化鉱石である酸化鉱石の製錬方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る酸化鉱石の製錬方法によれば、高品質なメタルを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ニッケル酸化鉱石の製錬方法の流れの一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
【0020】
≪1.酸化鉱石の製錬方法の概要≫
本実施の形態に係る酸化鉱石の製錬方法は、原料鉱石である酸化鉱石(酸化物)を炭素質還元剤と混合し、その混合物(ペレット)に対して製錬炉(還元炉)内で還元処理を施すことによって、メタルとスラグとを生成させるものである。
【0021】
例えば、酸化鉱石として、酸化ニッケルや酸化鉄等を含有するニッケル酸化鉱石を原料とし、そのニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して混合物を得て、混合物に含まれるニッケルを優先的に還元し、また鉄を部分的に還元することで、鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルを製造する方法が挙げられる。
【0022】
そして、本実施の形態に係る酸化鉱石の製錬方法においては、酸化鉱石と第1の還元剤とを含む混合物に還元処理(第1の還元処理)を施した後に、処理後の混合物に対して第2の還元剤により再度還元処理(第2の還元処理)を施すことを特徴としている。
【0023】
このような方法によれば、例えば還元炉内に残存する酸素等により酸化されたメタルを再還元することができ、得られるメタルの品位を高めることができる。
【0024】
≪2.ニッケル酸化鉱石を用いてフェロニッケルの製造する製錬方法≫
以下では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれるニッケル(酸化ニッケル)と鉄(酸化鉄)を還元することで、鉄-ニッケル合金のメタルを生成させ、さらに、そのメタルを分離することによってフェロニッケルを製造する製錬方法を例に挙げて説明する。
【0025】
具体的に、本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、図1に示すように、ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して混合物を得る混合工程S1と、得られた混合物に第1の還元処理を施す還元第1工程S2と、第1の還元処理を施した混合物に第2の還元処理を施す還元第2工程S3と、得られた還元物からメタルとスラグを分離する分離工程S4と、を含む。
【0026】
<2-1.混合工程>
混合工程S1は、ニッケル酸化鉱石と還元剤である炭素質還元剤とを混合して混合物を得る工程である。ここで、混合工程S1にてニッケル酸化鉱石と混合して混合物を構成する炭素質還元剤を「第1の還元剤」として、後述する還元第2工程S3にて別途用いる還元剤(第2の還元剤)とは区別する。
【0027】
具体的に、混合工程S1では、まず、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に、第1の還元剤である炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.1mm以上0.8mm以下程度の粉末を添加して混合し、混合物を得る。なお、混合処理は、混合機等を用いて行うことができる。
【0028】
原料鉱石であるニッケル酸化鉱石としては、特に限定されないが、リモナイト鉱、サプロライト鉱等を用いることができる。なお、ニッケル酸化鉱石は、酸化ニッケル(NiO)と、酸化鉄(Fe)とを少なくとも含有する。
【0029】
第1の還元剤である炭素質還元剤としては、特に限定されないが、例えば、石炭粉、コークス粉等が挙げられる。なお、この炭素質還元剤は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石の粒度や粒度分布と同等の大きさのものであると、均一に混合し易く、還元反応も均一に進みやすくなるため好ましい。
【0030】
炭素質還元剤の含有量(混合物中に含まれる炭素質還元剤の含有量)としては、ニッケル酸化鉱石を構成する酸化ニッケルの全量をニッケルメタル還元するのに必要な化学当量と、酸化鉄(酸化第二鉄)を金属鉄に還元するのに必要な化学当量との両者合計値(便宜的に「化学当量の合計値」ともいう)を100質量%としたときに、50質量%以下の割合とすることが好ましく、40質量%以下の割合とすることがより好ましい。鉄の還元量を抑えて、ニッケル品位を高めることができ、高品質のフェロニッケルを製造することができる。また、炭素質還元剤の混合量は、化学当量の合計値を100質量%としたときに、10質量%以上の割合とすることが好ましく、15質量%以上の割合とすることがより好ましい。ニッケルの還元を効率的に進行させることができ生産性が向上する。
【0031】
任意成分の添加剤である鉄鉱石としては、例えば、鉄品位が50質量%程度以上の鉄鉱石、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬により得られるヘマタイト等を用いることができる。また、フラックス成分としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素等を挙げることができる。また、バインダーとしては、例えば、ベントナイト、多糖類、樹脂、水ガラス、脱水ケーキ等を挙げることができる。
【0032】
混合工程S1では、ニッケル酸化鉱石を含む原料粉末を均一に混合することによって混合物を得る。下記表1に、混合工程S1にて混合する、一部の原料粉末の組成(質量%)の一例を示すが、原料粉末の組成としてはこれに限定されない。
【0033】
【表1】
【0034】
混合に際しては、混合性を高めるために混練を同時に行ってもよく、混合後に混練を行ってもよい。混練は、ブラベンダー等のバッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ヘリカルローター、ロール、一軸混練機、二軸混練機等を用いて行うことができる。混合物を混練することによって、その混合物にせん断力を加え、炭素質還元剤や原料粉末等の凝集を解いて均一に混合できるとともに、各々の粒子の密着性を向上させ、また空隙を減少させることができる。これにより、その混合物において還元反応が起りやすくなるとともに均一に反応させることができ、還元反応の反応時間を短縮することができる。また、品質のばらつきを抑えることができる。
【0035】
また、混合を行った後、あるいは混合及び混練を行った後、押出機を用いて押出してもよい。これにより、混合物に対して圧力(せん断力)が加えられ、炭素質還元剤や原料粉末等の凝集を解いてその混合物をより均一に混合させた状態とすることができる。さらに、混合物内の空隙を減少させることができる。これらのことから、後述する還元第1工程S2において混合物の還元反応が均一に起りやすくなり、得られるメタルの品位を高めることができ、高品質なメタルを製造することができる。
【0036】
押出機は、高圧、高せん断力で混合物を混練して成形できるものであることが好ましく、一軸押出機、二軸押出機等を挙げることができる。特に、二軸押出機を備えたものであることが好ましい。高圧、高せん断で混合物を混練することにより、原料粉の混合物の凝集を解くことができ、また効果的に混練することができるうえ、混合物の強度を高めることができる。また、二軸押出機を備えたものを用いることにより、連続的に高い生産性を保ちながら混合物を得ることができる。
【0037】
また、混合物を所定形状の成形物(ペレット)に成形してもよい。成形物の形状としては、例えば、球状、直方体状、立方体状、円柱状等とすることができる。このような形状は、簡易な形状であって複雑なものではないため、成形コストを抑制しつつ不良品の発生を抑制することができ、得られる成形物の品質も均一となり、歩留り低下を抑制することができる。
【0038】
成形物の形状は、特に球状であることが好ましい。球状の成形物であることにより還元処理が均一に施され、ばらつきが少なく、かつ生産性の高い製錬を行うことができる。成形物の形状を球状とする場合には、直径が10mm以上30mm以下程度となるように成形することができる。また、直方体状、立方体状、円柱状等とする場合には、概ね、縦、横の内寸が500mm以下程度となるように成形することができる。
【0039】
成形物の大きさとしては、特に限定されないが、成形物の体積が8000mm以上であることが好ましい。成形物の体積が8000mm以上であることにより、成形コストが抑制され、さらに、成形物全体に占める表面積の割合が低くなるため、還元処理が均一に施され、ばらつきが少なく、かつ生産性の高い製錬を行うことができる。
【0040】
また、得られた混合物を所定の還元用の容器に充填してもよい。容器に充填された混合物が容器に充填された状態のまま還元処理が施されることにより、後述する分離工程S4において還元されたメタルが磁選等の処理によりメタルを分離回収し易くなり、ロスを抑制することができる。
【0041】
混合工程S1では、得られた混合物に乾燥処理を施してもよい。混合物は、混練や成形物の成形等において上記混合物を多量の水と共に混合する。本実施の形態におい乾燥処理を施すことは必須の態様ではないが、多量の水を含む混合物に乾燥処理を施すことにより、後述する還元処理において水分の気化に伴う混合物の膨張を防ぐことができる。
【0042】
さらに、混合物に乾燥処理を施すことで、還元炉内における混合物に起因する水分混入を抑制することができる。これにより、還元炉内の雰囲気気体に含まれる水分量をより効果的に減らすことができ、還元物に含まれるメタルの酸化をより効果的に抑制することができる。
【0043】
混合物を乾燥する方法は、特に限定されず、混合物を所定の乾燥温度(例えば、300℃以上400℃以下)に保持する方法や所定の乾燥温度の熱風を混合物に対して吹き付けて乾燥させる方法等、従来公知の手段を用いることができる。このような乾燥処理により、例えば、混合物の固形分が70質量%程度で、水分が30質量%程度となるようにする。なお、この乾燥処理時における混合物自身の温度としては、100℃未満とすることが好ましく、これにより水分の突沸等による混合物の破裂を抑制することができる。
【0044】
また、乾燥処理は連続して一度に行ってもよいし複数回に分けて行ってもよい。乾燥処理を複数回に分けて行うことにより混合物の破裂をより効果的に抑制することができる。なお、乾燥処理を複数回に分けて行った場合において、2回目以降の乾燥温度としては、150℃以上400℃以下が好ましい。この範囲で乾燥することにより、還元反応が進むことなく乾燥することが可能となる。
【0045】
下記表2に、乾燥処理後の混合物における固形分中組成(質量部)の一例を示す。なお、成形物の組成としては、これに限定されるものではない。
【0046】
【表2】
【0047】
<2-2.還元第1工程>
還元第1工程S2は、得られた混合物に第1の還元処理を施す工程である。具体的には、混合物を還元炉等の処理空間(以下、「第1の処理空間」と称する)に装入して、混合物に加熱還元処理を施す。第1の還元処理では、混合物中の炭素質還元剤(第1の還元剤)に基づいて製錬反応(還元反応)が進行して、混合物中では、フェロニッケルメタル(以下、単に「メタル」という)と、フェロニッケルスラグ(以下、単に「スラグ」という)とが分かれて生成する。
【0048】
なお、本明細書では、還元第1工程S2における還元処理を「第1の還元処理」と定義し、後述する還元第2工程S3における「第2の還元処理」とは区別される。
【0049】
第1の還元処理では、例えば1分程度のわずかな時間で、先ず還元反応の進みやすい混合物の表面近傍において混合物中のニッケル酸化鉱石及び鉄酸化物が還元されメタル化してフェロニッケルとなり、殻(シェル)を形成する。一方で、殻の中では、その殻の形成に伴ってスラグ成分が徐々に熔融して液相のスラグが生成する。これにより、混合物中では、メタルと、スラグとが分かれて生成する。
【0050】
そして、処理時間が10分程度経過すると、還元反応に関与しない余剰の炭素質還元剤がメタルに取り込まれて融点を低下させて、メタルも液相となる。
【0051】
還元第1工程S2における還元炉は、バーナーを有する還元炉であっても電気等を用いた加熱手段を有する還元炉であってもよいが、短時間で混合物に有効に加熱還元処理を施すことができることからバーナーを有する還元炉であることが好ましい。また、バーナーを有する還元炉を用いる場合、燃料としては、例えばLPGガス、LNGガス、石炭、コークス、微粉炭等が用いられる。これらの燃料のコストは非常に安価であり、設備費やメンテナンス費に関しても電気炉等と比較して格段に安価に抑えることができる。
【0052】
ここで、燃焼ガスが還元炉内に混入するバーナーを有する還元炉を用いる場合、第1の還元処理後の第1の処理空間内に酸素が残存してメタルの一部が酸化されることがある。この点、本実施の形態においては、後述する第2の還元工程において再度の還元処理(第2の還元処理)を施すようにしていることから、残存した酸素により酸化された一部のメタルが再び還元されるようになり、これにより高品質なメタルを製造することができる。
【0053】
第1の還元処理における温度(還元温度)としては、特に限定されないが、1200℃以上1450℃以下の範囲とすることが好ましく、1300℃以上1400℃以下の範囲とすることがより好ましい。このような温度範囲で還元することによって、均一に還元反応を生じさせることができ、品質のばらつきを抑制したフェロニッケルを生成させることができる。また、より好ましくは1300℃以上1400℃以下の範囲の還元温度で還元することで、比較的短時間で所望の還元反応を生じさせることができる。
【0054】
第1の還元処理における時間(処理時間)としては、還元炉の温度に応じて設定されるが、10分以上であることが好ましく、15分以上であることがより好ましい。
【0055】
なお、還元温度(℃)と還元時間(分)の数値を乗じた値を還元に要した熱量は、20000(℃×分)以上40000(℃×分)以下の範囲であることが好ましい。高品質なメタルを効率的に製造することができる。
【0056】
還元炉としては、特に限定されないが、単一の炉を用いても、移動炉床炉等の炉床が回転移動等して連続的に処理可能となる炉を用いてもよい。移動炉床炉を使用して一つの設備内の異なる処理空間で各工程での処理を行うことで、ヒートロスが低減されるとともに炉内雰囲気も的確に制御できるため、反応をより効果的に進行させることができる。
【0057】
移動炉床炉としては、特に限定されず、例えば、円形状であって複数の処理領域に区分けされた回転炉床炉を用いることができる。回転炉床炉では、所定の方向に回転しながら、各領域においてそれぞれの処理を行う。この回転炉床炉では、各領域を通過する際の時間(移動時間、回転時間)を制御することで、それぞれの領域での処理温度を調整することができ、回転炉床炉が1回転する毎に混合物が製錬処理される。また、移動炉床炉としては、ローラーハースキルン等であってもよい。
【0058】
第1の還元処理では、混合工程S1から得られた混合物を還元炉に装入するにあたって、予めその還元炉内の炉床に炭素質還元剤(以下、「炉床炭素質還元剤」ともいう)を敷き詰めて、その敷き詰められた炉床炭素質還元剤の上に混合物を載置するようにしてもよい。また、炉床に、酸化物を主成分とする床敷材を敷いて、その上に混合物を載置してもよい。このように、炉床に炭素質還元剤や床敷材等を敷いて、その上に混合物を載置することによって、炉床と混合物の反応を抑制することができ、延いては炉床の寿命を延ばすことができる。
【0059】
<2-3.還元第2工程>
還元第2工程S3は、還元第1工程S1での第1の還元処理後の混合物に対し、第2の還元剤により第2の還元処理を施す工程である。
【0060】
従来の酸化鉱石の製錬方法では、例えば、還元炉の内部温度を上昇させるバーナーの不完全燃焼を避けるために燃料とともに空気を過剰に供給してバーナーにより還元処理が施されることがあった。しかしながら、そのような場合には、未反応の酸素が燃焼ガス中に含まれており、それにより還元処理後の雰囲気気体中に酸素が残存することとなる。すると、生成したメタルの一部がその酸素によって酸化されることとなる。
【0061】
そこで、本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法では、第2の還元剤を還元炉内に新たに供給して、第1の還元処理後の混合物に対してその第2の還元剤により再度の還元処理(第2の還元処理)を施すことを特徴としている。混合物に対して新たに供給された第2の還元剤によって第2の還元処理を施すことで、第1の還元処理後にその処理空間内に残存する酸素によって酸化された一部のメタルを再還元することができ、また、その酸素によって酸化されてしまうことを防ぐことができる。このような処理により、高品質なメタルを製造することができる。
【0062】
具体的に、還元第2工程S3では、まず、第2の還元剤を還元炉内に供給する。第2の還元剤は、混合物に還元処理を施すことができるものであれば特に制限はされず、例えば、COガス(一酸化炭素)等のような還元性ガスであってもよいし、石炭粉、コークス粉等のような炭素質還元剤であってもよい。
【0063】
例えば、第2の還元剤として還元性ガスを用いる場合には、その還元性ガスを還元炉に供給して還元炉内を還元性ガスで充満させるようにする。また、第2の還元剤として石炭粉、コークス粉等のような炭素質還元剤を用いる場合には、還元炉の所定の装入口から投入する。
【0064】
また、第2の還元処理を、還元第1工程S2における第1の還元処理で使用した還元炉とは異なる還元炉にて行う場合には、予めその還元炉の炉床に炭素質還元剤(炉床炭素質還元剤)を敷き詰め、その炉床炭素質還元剤の上に第1の還元処理後の混合物を載置して還元処理を施すようにしてもよい。
【0065】
第2の還元剤の添加量は、還元処理前の混合物における化学当量の合計値を100質量%としたときに、0.5質量%以上20質量%以下の割合とすることが好ましく、1.0質量%以上15質量%以下の割合とすることがより好ましい。0.5質量%以上であることにより、還元炉内に残存する酸素により還元物に含まれるメタルが酸化されることを効果的に抑制することができる。20質量%以下であることにより、鉄の還元量を抑えて、ニッケル品位を高めることができる。
【0066】
第2の還元処理では、還元第1工程S2における還元炉と同一の還元炉で還元処理を施してもよい。すなわち、第1の還元処理後の混合物をその還元炉内に保持したままの状態で、第2の還元剤を供給して引き続き第2の還元処理を施すようにすることができる。あるいは、第1の還元処理後に還元炉内に残存している酸素との接触を極力防ぐ還元から、第1の還元処理で使用した還元炉とは別の還元炉にて還元処理を施してもよい。
【0067】
第2の還元処理における還元炉は、バーナーを有する還元炉であっても、電気等を用いた加熱手段を有する還元炉であってもよい。
【0068】
ここで、第2の還元処理は、例えば、還元炉の処理空間(第2の処理空間)内の酸素濃度が500ppm以下の状態に保持されるように行うことが好ましく、200ppm以下の状態に保持されるようにすることがより好ましい。このように、酸素濃度が500ppm以下の状態に保持されるように処理することで、さらに再びメタルの一部が酸化されることを効果的に抑制することができ、高品質なメタルを製造することができる。
【0069】
還元炉内の酸素濃度が500ppm以下の状態を保持するには、例えば、還元炉内に燃焼ガスが混入しないような加熱手段を用いることが好ましい。具体的には、電気ヒーターやラジアントチューブバーナー等を挙げることができ、これらの加熱手段を備えた還元炉を使用して還元処理することが好ましい。
【0070】
第2の還元処理における温度(還元温度)としては、特に限定されないが、900℃以上1200℃未満の範囲とすることが好ましい。このような温度範囲で還元することによって、鉄酸化物の過剰な還元を抑制しつつ、高品質なメタルを製造することができる。
【0071】
第2の還元処理における時間(処理時間)としては、還元炉の温度に応じて設定されるが、10分以上であることが好ましく、15分以上であることがより好ましい。
【0072】
なお、第2の還元処理の後、得られたメタルとスラグとからなる還元物を、同一の還元炉内において所定の温度で保持する温度保持処理を施すようにしてもよい。より具体的には、温度保持処理では、還元処理により得られた還元物を、還元炉から取り出さずに、同一の還元炉内で所定の温度で一定時間保持する。温度保持処理を施す場合、メタルの一部が酸化されることを抑制する観点から、還元炉内の酸素濃度を500ppm以下に保持することが好ましく、200ppm以下に保持することがより好ましい。
【0073】
このように、同一の還元炉において還元物に対して温度保持処理を施すことにより、半溶融状態の還元物中でメタルを有効に沈降させてメタル相とスラグ相との分離を促進させることができる。これにより、高品質なメタルを得ることができる。
【0074】
<2-4.分離工程>
分離工程S4は、還元第2工程S3より得られた還元物からメタルとスラグを分離する工程である。具体的には、容器に充填させた状態の混合物に対する還元加熱処理によって得られた、メタル相とスラグ相とを含む混在物(混合物)からメタル相を分離して回収する。
【0075】
固体として得られたメタル相とスラグ相との混在物からメタル相とスラグ相とを分離する方法としては、例えば、篩い分けによる不要物の除去に加えて、比重による分離や、磁力による分離等の方法を利用することができる。
【0076】
また、得られたメタル相とスラグ相は、濡れ性が悪いことから容易に分離することができ、還元処理で得られた、大きな混在物に対して、例えば、所定の落差を設けて落下させる、あるいは篩い分けの際に所定の振動を与える等の衝撃を与えることで、その混在物からメタル相とスラグ相とを容易に分離することができる。
【0077】
このようにしてメタル相とスラグ相とを分離することによって、メタルを回収する。
【実施例
【0078】
以下、本発明の実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0079】
<実施例1、比較例1>
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85質量%、平均粒径:約75μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤(石炭粉)は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量を100質量%としたときに29質量%の割合となる量で含有させた。
【0080】
次に、得られた混合物に適宜水分を添加してパン型造粒機を使うことにより、球状に成形された直径16.0±0.5mmの混合物(試料)を20個(実施例1-1~1-18、比較例1-1、1-2)得た。
【0081】
次に、実施例1-1~1-18の試料を、第1の還元処理及び第2の還元処理に供した。具体的には、実施例1-1~1-18の試料を還元炉に装入して、表3に示す温度で第1の還元処理を施した。なおこのとき、予め還元炉の炉床に炉床保護剤(主成分はSiOであり、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き詰め、その上に試料を載置した。還元炉の加熱には、重油を用いたバーナーを使用した。なお、燃焼時のガスには、Oが0.5%以上3%以下程度含まれていた。還元時間については第1の還元処理の時間を10分とした。
【0082】
次に、第1の還元処理後の試料を、還元炉の炉床に載置した状態のまま、第2の還元剤により第2の還元処理を施した。具体的には、第1の還元処理後の還元炉内に下記表3に記載する第2の還元剤を供給し、還元温度1350℃に加熱して還元処理を施した。第1の還元処理と第2の還元処理との合計時間を下記表3に示した。
【0083】
なお、第2の還元剤としてCOガス(一酸化炭素)を用いるときには、COガスを供給して還元炉内に充満させた。また、第2の還元剤として石炭又はコークスを用いるときには、還元炉の所定の装入口から第2の還元剤を投入した。
【0084】
一方、比較例1-1、1-2の試料については、実施例1-1~1-18の試料と同様に第1の還元処理及び第2の還元処理を施したが、第2の還元処理におけるその還元炉内には第2の還元剤を供給しなかった。第1の還元処理と第2の還元処理との合計時間を下記表3に示した。
【0085】
その後、実施例及び比較例のそれぞれの還元処理により得られた還元物からメタルとスラグを分離した。具体的には、還元物を湿式処理よる粉砕後、磁力選別によってメタルを回収した。
【0086】
≪評価≫
ニッケルメタル化率(Niメタル化率)、メタル中ニッケル含有率(メタル中Ni含有率)、及びニッケルメタル回収率(Niメタル回収率)をそれぞれ算出した。具体的には、還元処理後の還元物及び分離処理後のメタルに含まれるニッケル又は鉄の含有量をICP発光分光分析器(SHIMAZU S-8100型)により求めて、下記(1)式~(3)式を用いて算出した。下記表3に、分析結果から算出した値を併せて示す。
【0087】
Niメタル化率=メタル中のNiの質量÷(還元物中の全てのNiの質量)×100(%) ・・・(1)式
メタル中Ni含有率=メタル中のNiの質量÷(メタル中のNiとFeの合計質量)×100(%) ・・・(2)式
【0088】
そして、投入したニッケル酸化鉱石のNi含有率と投入量、及び回収したNiの量から、Niメタル回収率を算出した。Niメタルの回収率は(3)式のとおりである。
Niメタル回収率=メタル中のNiの質量÷(投入した酸化鉱石の質量×酸化鉱石中のNi含有質量割合)×100 ・・・・・(3)式
【0089】
下記表3に、Niメタル率、メタル中にNi含有率、及びNiメタル回収率の結果を示す。
【0090】
【表3】
【0091】
表3の結果からわかるように、第1の還元処理後の混合物に対して第2の還元剤により第2の還元処理を施した実施例では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも高くなった。
【0092】
<実施例2、比較例2>
上記実施例1、比較例1と同様に、ニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85質量%、平均粒径:約75μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤(石炭粉)は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量を100質量%としたときに28質量%の割合となる量で含有させた。
【0093】
次に、得られた混合物に適宜水分を添加してパン型造粒機を使うことにより、球状に成形された直径15.0±0.5mmの混合物(試料)を20個(実施例2-1~2-18、比較例2-1、2-2)得た。
【0094】
次に、実施例2-1~2-18の試料を、第1の還元処理及び第2の還元処理に供した。具体的には、実施例2-1~2-18の試料を還元炉に装入して、表4に示す温度で第1の還元処理を施した。なおこのとき、予め還元炉の炉床に炉床保護剤(主成分はSiOであり、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き詰め、その上に試料を載置した。還元炉の加熱には、LPGを燃焼としたバーナーを使用した。なお、燃焼時のガスには、Oが1%以上2%以下程度含まれていた。還元時間については第1の還元処理の時間を15分とした。
【0095】
次に、第1の還元処理後の試料を、電気ヒーターを備える還元炉に移送して、その還元炉内に下記表4に記載する第2の還元剤を供給し、還元温度1350℃に加熱して還元処理を施した。第1の還元処理と第2の還元処理との合計時間を下記表4に示した。
【0096】
一方、比較例2-1、2-2の試料については、実施例2-1~2-18の試料と同様に第1の還元処理を施し、第1の還元処理後の試料を、バーナーを備える還元炉に移送して、LPGを燃焼としたバーナーを使用して還元炉を加熱した。その還元炉内に第2の還元剤を供給しなかった。第1の還元処理と第2の還元処理との合計時間を下記表4に示した。
【0097】
その後、実施例及び比較例のそれぞれの還元処理により得られた還元物からメタルとスラグを分離した。具体的には、還元物を湿式処理よる粉砕後、磁力選別によってメタルを回収した。
【0098】
≪評価≫
上記実施例1、比較例1と同様に、ニッケルメタル化率(Niメタル化率)、メタル中ニッケル含有率(メタル中Ni含有率)、及びニッケルメタル回収率(Niメタル回収率)を求めた。下記表4に、Niメタル率、メタル中Ni含有率、及びNiメタル回収率の結果を示す。
【0099】
【表4】
【0100】
表4の結果からわかるように、実施例2では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも高くなった。また、表3に示した実施例1の結果と比べてもより高い値となった。このことは、第2の還元処理を、電気ヒーターを加熱源とした還元炉にて行ったことにより、炉内に燃焼ガスが混入することを抑えることができ、メタルの酸化を防ぐことができたためと考えられる。
【0101】
<実施例3、比較例3>
第2の還元処理で使用する還元炉の加熱に、ラジアントチューブバーナーを使用したことを除き、上記実施例2、比較例2と同様に還元物を得た。
【0102】
下記表5に、Niメタル率、メタル中にNi含有率、及びNiメタル回収率の結果を示す。
【0103】
【表5】
【0104】
表5の結果からわかるように、実施例では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも高くなった。また、表3に示した実施例1の結果と比べてもより高い値となった。このことは、第2の還元処理において、ラジアントチューブバーナーを用いて加熱したことにより、炉内に燃焼ガスが混入することを抑えることができ、メタルの酸化を防ぐことができたためと考えられる。
図1