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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】電子機器収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20220809BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220809BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20220809BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20220809BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A45C11/00 E
H05K5/02 C
A45C11/00 T
H04M1/02 C
G06F3/02 450
G06F3/02 520
G06F3/02 400
G06F1/16 312Q
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019002921
(22)【出願日】2019-01-10
(65)【公開番号】P2020110305
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛腸 克己
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-192083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0001079(US,A1)
【文献】特開2010-268413(JP,A)
【文献】特許第4727609(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3168384(JP,U)
【文献】特開2005-284999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0219220(US,A1)
【文献】中国実用新案第207612285(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
H05K 5/02
H04M 1/02
G06F 3/02
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を、当該電子機器が備える表示画面を露出させた状態で着脱自在に保持する箱型の本体部と、前記表示画面を覆う位置と前記表示画面と横並びに位置する位置とに移動可能に前記本体部に連結されたカバー部と、を備える電子機器収納ケースであって、
前記本体部は、
前記電子機器の少なくとも両側部を保持する部材であって、当該電子機器が、前記表示画面を表裏に返す2つの向きに着脱可能である保持部と、
前記カバー部と連結された部材であって、前記保持部が保持する前記電子機器の前記表示画面の反対側の面を覆い、前記保持部が、前記表示画面と前記カバー部との横並び方向を軸に反転する2つの向きに着脱自在である底部と、
を備え、
前記保持部の、前記カバー部から遠い側の側部における前記表示画面の上部寄りの位置に、前記電子機器に対する操作を受け付けるための操作子を、さらに備えている
電子機器収納ケース。
【請求項2】
前記保持部は、前記電子機器を少なくとも三方から囲む
請求項1に記載の電子機器収納ケース。
【請求項3】
前記カバー部は、ユーザから受け付けた操作に応じた電気信号を前記電子機器に入力するキーパッドを、前記表示画面を覆う位置にあるときに前記表示画面に対向する側の面に備える
請求項1または2に記載の電子機器収納ケース。
【請求項4】
前記キーパッドは、ユーザによる操作を受け付けるための複数の操作キーを備え、
前記電子機器は、前記操作キーが受け付ける機能を割り付けるキーセットとして、前記底部に対する前記保持部の取り付け向きに応じて、右利き用と左利き用との2種類から適する方を適用する
請求項3に記載の電子機器収納ケース。
【請求項5】
ユーザによる操作を受け付けるための操作キーを備え、当該操作キーが受けた操作に応じた電気信号を前記電子機器に入力する補助操作部を、さらに備える
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
レストラン等の飲食店では、注文に関する情報を入力するための専用端末が用いられている。当該端末は携帯型であって、ハンディターミナル等と呼ばれる。ハンディターミナルは、例えば、表示部を有する本体部と、この本体部にヒンジを介して開閉自在に設けられたカバー部とからなり、カバー部を開くことでオーダーエントリ業務に係る各種の操作キーが露出する。また、本体部の側面に、オーダーエントリ業務に係る操作キーを設けたものも存在している。
【0003】
上記のハンディターミナルは、一般的に、右利き用にデザインされている。具体的には、ハンディターミナルは、本体部を左手で持った状態でカバー部を右方向に開くように設計されている。また、本体部の側面の操作キーは、左手の親指で操作することが可能な位置に設けられている。
【0004】
そこで、従来、左利きの操作者に対応するため、本体部の左側にカバー部を開いた状態で使用することが可能なハンディターミナルが提案されている。係るハンディターミナルでは、本体部の側面の操作キーを操作者の利き手に関係なく操作できるよう、側面の長手方向の中央に操作キーを設ける等の工夫が行われている。
【0005】
しかしながら、長手方向の中央に操作キーを設けた構成では、この操作キーの設置位置に親指を合わせると、本体部の長手方向の半分以下の部分で本体部を保持することになる。そのため、操作者は、不安定な状態でハンディターミナルを操作することとなり、操作性が低下する可能性がある。
【0006】
一方、近年では、スマートフォン等の汎用の携帯型電子機器に、オーダーエントリ業務用のアプリケーションを導入したものを、ハンディターミナルとして用いることがある。この場合、操作受付がタッチパネルのみである上に、表示部が従来のハンディターミナルより小さく一度に表示可能なキー数が限られる。このため、メニュー表示が多階層化し、従来に比べて画面の切り替えが多く操作が煩雑となり、接客所要時間が長くなりがちである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、汎用の電子機器をオーダーエントリ業務に用いる場合の、操作性の向上を図ることが可能な電子機器収納ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の電子機器収納ケースは、電子機器を、当該電子機器が備える表示画面を露出させた状態で着脱自在に保持する箱型の本体部と、前記表示画面を覆う位置と前記表示画面と横並びに位置する位置とに移動可能に前記本体部に連結されたカバー部と、を備えるものであって、前記本体部は、前記電子機器の少なくとも両側部を保持する部材であって、当該電子機器が、前記表示画面を表裏に返す2つの向きに着脱可能である保持部と、前記カバー部と連結された部材であって、前記保持部が保持する前記電子機器の前記表示画面の反対側の面を覆い、前記保持部が、前記表示画面と前記カバー部との横並び方向を軸に反転する2つの向きに着脱自在である底部と、を備え、前記保持部の、前記カバー部から遠い側の側部における前記表示画面の上部寄りの位置に、前記電子機器に対する操作を受け付けるための操作子を、さらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るハンディターミナルの外観を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るケースの構成例を示す図である。
図3図3は、保持部に電子機器および補助操作部を取り付けた状態の斜視図である。
図4図4は、保持部に電子機器および補助操作部を取り付けた状態の斜視図である。
図5図5は、ハンディターミナルの外観を示す斜視図であって、図1に示す状態からカバー部を閉じた状態を示す。
図6図6は、図1に示すカバー部が開いたハンディターミナルの、裏側からの外観を示す斜視図である。
図7図7は、バッテリパックを取り外した状態のハンディターミナルの外観を示す斜視図である。
図8図8は、保持部に対する補助操作部の取り付け方を示す図である。
図9図9は、ケースを左利き用に組み替える際の様子を示す斜視図である。
図10図10は、ケースが左利き用に組み替えられたハンディターミナルの斜視図である。
図11図11は、カバーを閉じた状態のハンディターミナルの外観を示す斜視図である。
図12図12は、カバーを開いた状態のハンディターミナルを、表示画面の裏側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る電子機器収納ケースについて、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、電子機器収納ケースを、飲食店でのオーダーエントリ業務に用いる例について説明するが、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
図1は、ハンディターミナル100の外観を示す図である。ハンディターミナル100は、本実施形態に係るケース10と電子機器20とを組み合わせて構成される。図2は、ケース10の構成例を示す図である。
【0012】
説明の便宜上、図面に3軸(座標軸)を併せて示す。X軸方向は、ハンディターミナル100の縦方向(上下方向とも言う)である。Y軸方向は、ハンディターミナル100の幅方向(横方向、或いは左右方向とも言う)である。Z軸方向は、ハンディターミナル100の厚さ方向(高さ方向とも言う)である。なお、ハンディターミナル100は、概形が薄い直方体であって、使用時には縦長に把持される。よって、X軸方向は長手方向でもあり、Y軸方向は短手方向でもある。
【0013】
図に例示した電子機器20は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型の電子機器である。電子機器20は、店舗の従業員が私用で所持するものであってもよいし、店舗から各従業員に配布されるものであってもよい。
【0014】
電子機器20は、薄い直方体に近い形状の筐体21、表示部22、タッチパッド23及び外部接続端子24を備えている。表示部22は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等であって、電子機器20の前面側に配置されて、各種の情報を表示する。タッチパッド23は、例えば静電容量式のタッチセンサで構成されたタッチパネルであって、表示部22の面上に重ねて配置されて、表示部22の表示画面上に対する指の操作位置を検知する。
【0015】
外部接続端子24は、例えばmicroUSB(Universal Serial Bus)等であって、電子機器20の側面に設けられている。電子機器20は、外部接続端子24を介して、外部装置(例えばケース10)と電気的に接続される。
【0016】
ケース10は、電子機器20を収納する電子機器収納ケースの一例である。ケース10は、補助操作部11と、本体部12と、カバー部13と、を備える。本体部12は薄い箱型であって、図2に示すように底部121と保持部122とに分かれる。
【0017】
保持部122は、電子機器20の少なくとも両側部211,212を保持する部材である。保持部122は、例えば略長方形状の枠状の部材であり、電子機器20の表示画面を露出する状態で電子機器20の外周を囲む。
【0018】
底部121は、平面部1211と、回動支持部1212と、把持部1213とを有する。平面部1211は、保持部122が保持する電子機器20の表示部22の、反対側の面の大部分を、覆う。回動支持部1212は、平面部1211の一側部に設けられ、平面部1211とカバー部13とを互いに回動可能に連結する。把持部1213は、平面部1211の他側部に設けられ、回動支持部1212との間に、保持部122を着脱自在に把持する。なお、保持部122は、把持部1213に対応する形状の凹部1220を有している。底部121に保持部122が取り付けられた状態では、凹部1220に把持部1213が嵌り込んでいる。把持部1213はおよび凹部1220は、ケース10の縦方向(X軸方向)の中央に、配置されている。
【0019】
カバー部13は、概ね平板状で略長方形状を有し、回動支持部1212を介して本体部12に対して回動可能に連結される。より詳細には、カバー部13は、本体部12の前面を覆う位置(第1位置)と、本体部12と横並びに位置する位置(第2位置)との間を移動可能に、本体部12に連結される。つまり、カバー部13は、本体部12(補助操作部11、電子機器20)の前面を開閉可能に構成されている。
【0020】
カバー部13は、本体部12の前面に対向する面(内側面)側に、データ入力用のキーパッド131を備える。キーパッド131は、例えば、数値を入力するためのテンキー、メニューを選択するためのメニューキー、トッピング等を選択するためのオプションキー等の、オーダーエントリ業務に係る各種操作キーを含む。キーパッド131は、ユーザ操作に応じた電気信号(操作信号)を電子機器20に入力する。
【0021】
また、キーパッド131は、機能シートと、透明カバーとを備える。機能シートは、各操作キーの機能を表す名称等が、操作キーの配列に合わせて、表記されたものである。透明カバーは、操作キーとの間に機能シートを挟むものである。透明カバーは開閉自在であり、透明カバーを開くことにより機能シートの入れ替えが可能である。
【0022】
カバー部13は、閉状態のとき、補助操作部11および電子機器20の前面を覆う。ユーザは、カバー部13を開状態とすることで、キーパッド131に対する操作を行うことができる。
【0023】
図3および図4は、保持部122に電子機器20および補助操作部11を取り付けた状態の斜視図である。ケース10はさらに、保持部122の一側部にサイドキー(操作子の一例)14を備え(図3参照)、保持部122の他側部にコネクタ15を備えている(図4参照)。また、ケース10はさらに、底部121の回動支持部1212の近傍に、コネクタ16,17を備えている(図2参照)。
【0024】
サイドキー14は、例えば上下方向を指示するための方向キー141,142や確定キー143等の、オーダーエントリ業務に係る各種の操作キーを含む。サイドキー14は、ユーザ操作に応じた電気信号(操作信号)を電子機器20に入力する。サイドキー14は、図1に示すように、ケース10の上下方向の中央から一方の端部方向に寄った位置に設けられている。
【0025】
キーパッド131とコネクタ16,17とは、図示しない配線や電気回路を介して、電気的に接続されている。コネクタ15がコネクタ16またはコネクタ17と接続されることで、電子機器20とカバー部13とが電気信号のやり取り可能に接続される。なお、図1に示す組み立て状態では、コネクタ15はコネクタ16と接続されている。
【0026】
補助操作部11は、電子機器20の厚みと同程度の高さを有し、保持部122に保持される。補助操作部11は、前面に、フロントキー11aを備えている。フロントキー11aは、テンキー等の操作キーを有し、操作キーにより受け付けた操作に応じた電気信号(操作信号)を電子機器20に入力する。
【0027】
図示のように、補助操作部11と電子機器20とは、X軸方向(上下方向)に沿って並んで保持部122に保持される。これにより、補助操作部11は、ユーザがハンディターミナル100を把持して電子機器20の表示画面を眼前にかざした状態で電子機器20の下になる位置に配置される。
【0028】
ここで、サイドキー14の位置は、「ケース10の上下方向の中央から一方の端部方向に寄った位置に設けられている」と上述したが、当該「一方の端部方向に寄った位置」は、ユーザがハンディターミナル100を把持して電子機器20の表示画面を眼前にかざした状態で電子機器20の上部寄りの位置である。つまり、サイドキー14は、補助操作部11から遠い側に配置されている。
【0029】
図5は、ハンディターミナル100の外観を示す斜視図であって、図1に示す状態からカバー部13を閉じた状態を示す。図6は、図1に示すカバー部13が開いたハンディターミナル100の、裏側からの外観を示す斜視図である。そして、図7は、次に説明するバッテリパック11bを取り外した状態のハンディターミナル100の外観を示す斜視図である。
【0030】
バッテリパック11bは、ケース10又は電子機器20の補助的な電源である。電子機器20は、例えば、自身に内蔵されたバッテリーが保持する電力量が所定の閾値を下回ると、バッテリパック11bが保持する電力を、保持部122を介して取得して稼働に使用する。
【0031】
補助操作部11の裏面側には、バッテリパック11bを装着可能な凹部11cが設けられている。バッテリパック11bは、凹部11cに嵌め込まれることで、当該凹部11cに設けられた端子(図示せず)と電気的に接続する。なお、底部121には、本体部12から補助操作部11を取り外すことなしにバッテリパック11bを着脱可能とするための孔1214,1215が設けられている。
【0032】
さて、本実施形態のハンディターミナル100は、左利きのユーザにも、右利きのユーザと同様の使い勝手を提供するものである。そのために、保持部122は、電子機器20を、表示画面を表裏に返す2つの向きに着脱可能である。また、保持部122は、補助操作部11を、フロントキー11aを表裏に返す2つの向きに着脱可能である。そして、底部121は、保持部122を、保持部122が保持する電子機器20の表示画面を表裏に返す2つの向きに着脱可能である。
【0033】
上述を実現する構造の一例について以下に詳細に説明する。図8は、保持部122に対する補助操作部11の取り付け方を示す図である。図8(a)は、保持部122から補助操作部11を取り外した状態を示す。まず、本例における保持部122の構造を詳細に説明する。
【0034】
保持部122は、電子機器20の外周を囲む枠状の部分122aの内側で、電子機器20の下端部の外部接続端子24に対応する位置に、端子1221を備えている。また保持部122は、端子1221が設けられた位置の裏側(枠状の部分の外側)に、端子1222を備えている。さらに保持部122は、電子機器20の外周を囲む枠状の部分122aの両側部から電子機器20の上下方向(X軸方向)に沿って伸びた形状の、補助操作部11の両側部を保持する部分122bを有している。
【0035】
端子1221,1222、サイドキー14およびコネクタ15は、図示しない配線や電気回路を介して、電気的に接続されている。
【0036】
端子1222は、補助操作部11が備える外部接続端子(不図示)の接続を受け付ける。端子1222と補助操作部11の外部接続端子とが接続されることにより、ケース10と補助操作部11とが、電気信号の受送信可能に接続される。
【0037】
また、端子1222は、保持部122の幅方向(Y軸方向)中央部に位置し、端子1222および補助操作部11の外部接続端子は、例えばUSBのType-Cのコネクタである。これにより、補助操作部11は、保持部122に対し、X軸方向を回転軸として半回転させて(図8(b)参照)表裏を返して接続可能である(図8(c)参照)。
【0038】
同様に、端子1221は、外部接続端子24の接続を受け付ける。端子1221と外部接続端子24とが接続されることにより、ケース10と電子機器20とが、電気信号の受送信可能に接続される。また、端子1221は、保持部122の幅方向(Y軸方向)中央部に位置し、端子1221および外部接続端子24は、例えばUSBのType-Cのコネクタである。これにより、保持部122に対し、電子機器20は、X軸方向を回転軸として半回転させて表裏を返して接続可能である。
【0039】
なお、図面では表現を省略しているが、電子機器20は、例えば、表面(表示画面がある側の面)および裏面の周縁を面取りしたような形状であって、保持部122は、例えば、そのような電子機器20を外周から抱えるように、電子機器20の外周面および面取り部分に対応する内周面形状を有している。このような形状の対応関係により、保持部122の内側に、電子機器20が保持される。また、保持部122は、補助操作部11を保持するためにも、同様の形状の対応関係を有している。
【0040】
図9は、ケース10を左利き用に組み替える際の様子を示す斜視図である。この図における保持部122は、図8(c)の保持部122を、表示画面とカバー部13との横並び方向(Y軸方向)を回転軸として半回転させて反転させた状態のものである。この状態で、保持部122を底部121に取り付けると、反転前と同様に、保持部122の凹部1220に底部121の把持部1213が嵌り込んで、把持部1213は回動支持部1212との間に保持部122を把持する。
【0041】
図10は、ケース10が左利き用に組み替えられたハンディターミナル101の斜視図である。図11は、カバー部13を閉じた状態のハンディターミナル101の外観を示す斜視図である。図12は、カバー部13を開いた状態のハンディターミナル101を、表示画面の裏側から見た斜視図である。ハンディターミナル101のバッテリパック11bは、孔1215から着脱可能である。
【0042】
ここで、キーパッド131が備える複数の操作キーは、マトリクス状に配置されていて、カバー部13および電子機器20の長手方向中央で対称である。上述のような配置により、右利き用から左利き用に組み替えたためにカバー部13の上下が逆になっても、透明カバーと操作キーとの間の機能シートを180°回転させ、各キーに割り当てられた機能(キーセット)を変更することで、対応可能である。キーセットは、右利き用と左利き用との2種類を準備しておき、ケース10が右利き用に組まれている場合には右利き用のキーセットを用い、ケース10が左利き用に組まれている場合には左利き用のキーセットを用いることで、各種操作キーの配置を右利き用と左利き用とで同様にすることができる。
【0043】
なお、キースイッチの配置は、マトリクス状に限らず、例えば、キーパッド131の中央を中心とする点対称であってもよい。この場合にも、機能シートは、180°回転させた状態で透明カバーとキースイッチ群との間に入れ直すことによって、右利き用および左利き用の両方で使用することができる。
【0044】
なお、サイドキー14やキーパッド131に対する操作は、カバー部13が開状態であることを条件に、有効化する構成としてもよい。この場合、例えば、カバー部13の開閉状態を検知する開閉センサを本体部12に設け、開閉センサの検知結果に応じて操作の有効/無効を切り替える構成としてもよい。
【0045】
このような構成において、ユーザは、利き手に応じた向きにケース10の各部を組み替えて、ハンディターミナル100(101)を使用することができる。
【0046】
なお、このような構成において、ハンディターミナル100(101)に組み込まれた電子機器20は、所定のプログラムの実行により、自身の無線通信部を店舗内ネットワークに接続させるとともにオーダーエントリ業務に不要なモバイル通信等の機能を停止し、オーダーエントリ用のGUIを表示部22に表示させる。
【0047】
右利きのユーザには、図1に示す状態のハンディターミナル100が好適である。つまり、本体部12を、表示画面の裏側となる位置に左の掌を当てて左手で把持し、右手でキーパッド131やフロントキー11a、タッチパッド23を操作する。
【0048】
一方、左利きのユーザには、図10に示す状態のハンディターミナル101が好適である。つまり、本体部12を、表示画面の裏側となる位置に右の掌を当てて右手で把持し、左手でキーパッド131やフロントキー11a、タッチパッド23を操作する。
【0049】
利き手が左右どちらのユーザに適したハンディターミナル100,101でも、サイドキー14は、本体部12を把持する手の親指が触れる位置に、配置されている。当該位置とは、電子機器20と補助操作部11との位置関係を電子機器20が上で補助操作部11が下と表した場合、本体部12の上下方向中央よりも上の位置であって、補助操作部11から遠い側で電子機器20の表示画面の上部寄りの位置である。
【0050】
右利き用にケース10が組まれたハンディターミナル100においては、保持部122のコネクタ15は、底部121のコネクタ16に接続されている。また、左利き用にケース10が組まれたハンディターミナル101においては、保持部122のコネクタ15は、底部121のコネクタ17に接続されている。つまり、右利き用に組まれたハンディターミナル100と、左利き用に組まれたハンディターミナル101とでは、コネクタ15が接続されるコネクタ16,17が異なる。
【0051】
コネクタ16とコネクタ17とのどちらがコネクタ15との接続に使用されているかを検知することで、ケース10が右利き用と左利き用とのどちらに組まれているのかを判断可能である。この判断結果を、キーパッド131に適用するキーセットの選択(右利き用か左利き用かの選択)に用いる。当該選択は、電子機器20において行う。電子機器20は、コネクタ15とコネクタ16,17との接続状態に応じたキーセットにより、キーパッド131に対して行われた操作に対応する機能を実行する。
【0052】
キーセットは、キーパッド131が備える各種操作キーに機能をマッピングするものであって、キーセットを参照することで、電子機器20は、キーパッド131のどの操作キーが操作を受けたときにどの機能を実行すべきかを知ることができる。
【0053】
キーパッド131が備える各操作キーは、操作を受けると、各々異なる電気信号を電子機器20に対して送信する。当該電気信号を受信した電子機器20は、どの操作キーが操作を受けたのかを判断し、適用中のキーセットを参照して当該操作キーに割り当てられた機能を認識し、当該機能を実行する。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、右利き用及び左利き用の何れの場合においても、ユーザは、本体部12を把持した手の親指でサイドキー14を操作するため、このサイドキー14の位置に親指を合わせて本体部12を把持することになる。仮に、本体部12の上下方向の中央にサイドキー14が配置されていると、右利き用と左利き用とでサイドキー14の位置を共通にすることができる。しかしながらこの場合、ユーザは、本体部12の長手方向の半分以下の位置で本体部12を把持することになってしまう。するとこの場合、ユーザは、不安定な状態で本体部12を保持することになるため、電子機器20や各種キーの操作性が低下するおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態のケース10においては、右利き用及び左利き用の何れの場合においても、サイドキー14を、本体部12の長手方向の中心よりも上方に位置付けることができる。この構成により、本実施形態のケース10では、本体部12の上下方向の中央にサイドキー14を設ける構成と比較し、本体部12を把持する部分(領域)を大きく確保することができる。したがって、ユーザは、本体部12を安定した状態で保持することができるため、操作性の向上を図ることができる。
【0056】
なお、本実施形態のような構成のハンディターミナル100(101)によれば、客から受け付けたメニュー等の入力を、フロントキー11a、サイドキー14及びキーパッド131のキー操作で行うことができるため、電子機器20単体をハンディターミナルとして用いる運用(メニュー画面を切り替えながらメニューを入力する)に比べて、オーダーエントリ業務を容易かつ効率的に行うことができる。すなわち、ケース10に電子機器20を取り付けることで、当該ケース10及び電子機器20を、オーダーエントリ用の専用端末(ハンディターミナル)と同様に使用することができる。
【0057】
また、ケース10を構成する補助操作部11や本体部12等に、オーダーエントリ業務に係るプログラムや設定情報を格納した記憶部を備える構成とし、電子機器20に対し読み取り可能に提供することで、電子機器20において、オーダーエントリ業務用の準備を容易かつ効率的に行うことができる。また、この場合、ケース10からの働きかけで、電子機器20が具備する機能のうち、オーダーエントリ業務に不要な機能を無効化することができるため、例えば、従業員が所持するスマートフォン等の汎用の電子機器20を、有効に活用することができる。
【0058】
また、ケース10では、メニュー等のGUIの表示機能や店舗内ネットワークとの通信機能を、電子機器20を用いて実現できるため、オーダーエントリ業務用の専用端末と比較し、製造コストを削減することができる。
【0059】
また、ケース10は、本体部12に対するキーパッド131の配置位置やキー配列を、右利き用と左利き用とに切り替えることができるため、右利きのユーザだけでなく、左利きのユーザにも使いやすいハンディターミナルとして用いることができる。更に、ケース10は、右利き用及び左利き用の何れの場合においても、サイドキー14を、ケース10の長手方向の中心よりも上方に位置させることができるため、ユーザが本体部12を把持する部分を大きく確保することができる。これにより、ユーザは電子機器20や各種操作キーを安定した状態で操作することができるため、操作性の向上を図ることができる。
【0060】
以上、本実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
例えば、上記実施形態では、ケース10が補助操作部11を備える構成としたが、ケース10が補助操作部11を除いて構成されていてもよい。
【0062】
また、電子機器20において実行するプログラム等をケース10が備える記憶部から読み出して実行する構成について上で触れたが、実施にあたってはこの構成に限らない。
【0063】
また、上記実施形態では、キーパッド131をハードウェアキーとしたが、これに限らず、例えばタッチパネル技術等を用いることで、ソフトウェアキーで構成してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、補助操作部11と電子機器20とは、ケース10を介して電気的に接続される構成であるが、実施にあたってはこれに限らない。例えば、電子機器20の外部接続端子24には、補助操作部11が備える端子が接続されていてもよい。またその場合、補助操作部11は、保持部122と、互いが備える端子で接続されていてもよいし、或いは、電子機器20と補助操作部11との少なくともいずれかが、ケース10と、近距離無線通信により通信可能に接続されていてもよい。
【0065】
また、補助操作部11から電子機器20への電力供給は、上記実施形態では物理的な接続によっているが、実施にあたってはこれに限らず、例えば、非接触給電(ワイヤレス電力伝送)による電力供給であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 …ハンディターミナル(右利き用)
101 …ハンディターミナル(左利き用)
10 …ケース
11 …補助操作部、11a…フロントキー、11b…バッテリパック、11c…凹部
12 …本体部
121 …底部
1211…平面部、1212…回動支持部、1213…把持部、1214,1215…孔
122 …保持部、1220…凹部、1221,1222…端子
13 …カバー部、131…キーパッド
14 …サイドキー(操作子)、141,142…方向キー、143…確定キー
15~17…コネクタ
20 …電子機器
21 …筐体、211,212…両側部
22 …表示部
23 …タッチパッド
24 …外部接続端子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【文献】特許第4727609号公報
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