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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-12
(45)【発行日】2022-08-22
(54)【発明の名称】回転調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/044 20060101AFI20220815BHJP
   A47J 19/00 20060101ALI20220815BHJP
   B02C 18/08 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
A47J43/044
A47J19/00 E
A47J19/00 C
B02C18/08 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018215248
(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公開番号】P2020080950
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591251430
【氏名又は名称】株式会社ゼンケン
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】越智 大倫
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-008779(JP,A)
【文献】特開2007-143950(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2944236(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第102727086(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/044
A47J 19/00
B02C 18/08
F16D 11/00-23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部側蓋部と、
本体部側蓋部に内蔵されていて上下方向に伸びている回転軸を備えているモータと、
前記回転軸の下端側に備えられている本体部側連結具とを備えている本体部と、
前記本体部の前記本体部側蓋部の下側に前記上下方向に直交する左右方向である水平方向から着脱可能な調理部と
からなる回転調理器であって、
前記調理部は、
上端に上部開口部を備えていて当該上部開口部から内部に調理用素材が投入される容器部と、
前記上部開口部に着脱可能な調理部側蓋体であって、前記上下方向に伸びていて下端側に切断刃を備えている刃軸と、当該刃軸の上端側に配備されていて前記本体部側連結具と連結可能な調理部側連結具を備えている調理部側蓋体とを有し、
前記本体部側蓋部が、前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結及び、当該連結の解除をワンタッチで切り替えるカム機構を備えており、
前記カム機構は、
前記本体部側蓋部の側壁に形成されていて上側に位置する一方の端部から下側に位置する他方の端部に向けて斜め下り方向に伸びる操作溝を介して前記本体部側蓋部の内部側から前記本体部側蓋部の外側に向かって突出する操作ロッドと、
前記操作ロッドの前記本体部側蓋部の内部側に連結しているカム軸と、
前記水平方向で前記本体部側蓋部内に位置固定されている平坦な接触面に対して外周面を接触させながら前記カム軸の回転に応じて回転するカム板と、
前記モータを前記本体部側蓋部内で常に上側方向に向かって付勢する付勢手段とを備えていて、
前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の前記一方の端部から前記他方の端部に向かって斜め下り方向に移動することに応じて、前記カム板が、前記水平方向で位置固定されている平坦な前記接触面に対して前記外周面を接触させながら回転し、前記モータが前記付勢手段の付勢力に抗して下方向に向かって移動して前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が行われ、
前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の前記他方の端部から前記一方の端部に向かって斜め上り方向に移動することに応じて、前記カム板が、前記水平方向で位置固定されている平坦な前記接触面に対して前記外周面を接触させながら回転し、前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が解除されて前記モータが前記付勢手段の付勢力によって上方向に向かって移動する
回転調理器。
【請求項2】
前記カム板外周面は、前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の前記一方の端部から前記他方の端部に向かって移動することで前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が行われた状態及び、前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の前記他方の端部から前記一方の端部に向かって移動することで前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が解除されて前記モータが前記付勢手段の付勢力によって上方向に向かって移動した状態が維持されるカムプロフィールを備えている
請求項1記載の回転調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は回転調理器に関する。特に、モータを内蔵している本体部と、本体部に対して着脱可能な調理部とからなり、野菜、果物、等の調理用素材が投入されている調理部を本体部に装着し、本体部のモータの回転軸と、調理部内の刃軸とを連結し、モータを回転させることで前記刃軸を回転させて前記調理用素材を切削、等して所定の調理を行う回転調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
モータを内蔵している本体部と、本体部に対して着脱可能な調理部とからなり、野菜、果物、等の調理用素材が投入されている調理部を本体部に装着し、本体部のモータの回転軸と、調理部内の刃軸とを連結し、モータを回転させることで前記刃軸を回転させて前記調理用素材を切削、等して所定の調理を行う回転調理器に関しては従来から種々の提案が行われている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-121440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、モータを内蔵している本体部と、本体部に対して着脱可能な調理部とからなり、野菜、果物、等の調理用素材が投入されている調理部を本体部に装着し、本体部のモータの回転軸と、調理部内の刃軸とを連結し、モータを回転させることで前記刃軸を回転させて前記調理用素材を切削、等して所定の調理を行う回転調理器において、モータの回転軸と、刃軸との間の連結をワンタッチで簡単に行うことができる回転調理器を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]
本体部側蓋部と、
本体部側蓋部に内蔵されていて上下方向に伸びている回転軸を備えているモータと、
前記回転軸の下端側に備えられている本体部側連結具とを備えている本体部と、
前記本体部の前記本体部側蓋部の下側に前記上下方向に直交する左右方向から着脱可能な調理部と
からなる回転調理器であって、
前記調理部は、
上端に上部開口部を備えていて当該上部開口部から内部に調理用素材が投入される容器部と、
前記上部開口部に着脱可能な調理部側蓋体であって、前記上下方向に伸びていて下端側に切断刃を備えている刃軸と、当該刃軸の上端側に配備されていて前記本体部側連結具と連結可能な調理部側連結具を備えている調理部側蓋体とを有し、
前記本体部側蓋部が、前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結及び、当該連結の解除をワンタッチで切り替えるカム機構を備えている
回転調理器。
【0006】
[2]
前記カム機構は、
前記本体部側蓋部の側壁に形成されている操作溝を介して前記本体部側蓋部の内部側から前記本体部側蓋部の外側に向かって突出する操作ロッドと、
前記操作ロッドの前記本体部側蓋部の内部側に連結しているカム軸と、
前記本体部側蓋部内で位置固定されている平坦な接触面に対して外周面を接触させながら前記カム軸の回転に応じて回転するカム板とを備えていて、
前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の一方の端部から他方の端部に向かって移動し、前記操作溝の前記他方の端部から前記一方の端部に向かって移動することに応じて前記カム軸及び前記カム板が回転することで前記切り換えが行われる
[1]の回転調理器。
【0007】
[3]
前記カム機構は、
前記モータを前記本体部側蓋部内で常に上側方向に向かって付勢する付勢手段を備えており、
前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の一方の端部から他方の端部に向かって移動することで前記モータが前記付勢手段の付勢力に抗して下方向に向かって移動して前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が行われ、前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の他方の端部から一方の端部に向かって移動することで前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が解除されて前記モータが前記付勢手段の付勢力によって上方向に向かって移動する
[2]の回転調理器。
【0008】
[4]
前記カム板外周面は、前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の一方の端部から他方の端部に向かって移動することで前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が行われた状態及び、前記操作ロッドが前記操作溝に沿って前記操作溝の他方の端部から一方の端部に向かって移動することで前記本体部側連結具と前記調理部側連結具との間の連結が解除されて前記モータが前記付勢手段の付勢力によって上方向に向かって移動した状態が維持されるカムプロフィールを備えている
[3]の回転調理器。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、モータを内蔵している本体部と、本体部に対して着脱可能な調理部とからなり、野菜、果物、等の調理用素材が投入されている調理部を本体部に装着し、本体部のモータの回転軸と、調理部内の刃軸とを連結し、モータを回転させることで前記刃軸を回転させて前記調理用素材を切削、等して所定の調理を行う回転調理器において、モータの回転軸と、刃軸との間の連結をワンタッチで簡単に行うことができる回転調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の一実施形態に係る回転調理器の一例を表す側面図。
図2図1の平面図。
図3】この発明の一実施形態に係る回転調理器における本体部の内部構造を説明する一部を省略した概略断面図であって、モータの回転軸に備えられている本体部側連結具が調理部側連結具との間で連結されていない高さ位置にあるときのカム構造及びモータ側の状態を説明する一部を省略した概略断面図。
図4】この発明の一実施形態に係る回転調理器で調理部が本体部に装着されている状態における内部構造を説明する一部を省略した概略断面図であって、モータの回転軸に備えられている本体部側連結具が調理部側連結具との間で連結されない高さ位置にあるときの一部を省略した概略断面図。
図5】この発明の一実施形態に係る回転調理器における本体部の内部構造を説明する一部を省略した概略断面図であって、モータの回転軸に備えられている本体部側連結具が調理部側連結具との間で連結される高さ位置にあるときのカム構造及びモータ側の状態を説明する一部を省略した概略断面図。
図6】この発明の一実施形態に係る回転調理器で調理部が本体部に装着されている状態における内部構造を説明する一部を省略した概略断面図であって、モータの回転軸に備えられている本体部側連結具が調理部側連結具との間で連結される高さ位置にあるときの一部を省略した概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この実施形態の回転調理器1は、本体部2と、調理部3とを備えている。
【0012】
本体部2は、本体部側蓋部4と、モータ5と、本体部側連結具7とを備えている。
【0013】
モータ5は、本体部側蓋部4に内蔵されていて上下方向(図3の上下方向)に伸びている回転軸6を備えている。
【0014】
本体部側連結具7は、回転軸6の下端側に備えられている。
【0015】
調理部3は、本体部2の本体部側蓋部4の下側に上下方向に直交する左右方向から着脱可能になっている。
【0016】
調理部3は、容器部8と、調理部側蓋体9とを備えている。
【0017】
容器部8は、上端に上部開口部(不図示)を備えている。野菜、果物、調味料、水、等の調理用素材が容器部8の上端の上部開口部(不図示)から容器部8の内部に投入される。
【0018】
調理部側蓋体9は、容器部8の上端の上部開口部(不図示)に着脱可能になっている。調理部側蓋体9は、刃軸11と、調理部側連結具13を備えている。刃軸11は、上下方向に伸びている。上下方向に伸びている刃軸11の下端側に切断刃12を備えている。連結可能な調理部側連結具13は、刃軸11の上端側に配備されていて本体部側連結具7と連結可能になっている。
【0019】
このように、本実施形態の回転調理器1は、モータ5を内蔵している本体部2と、本体部2に対して着脱可能な調理部3とからなり、野菜、果物、等の調理用素材が投入されている調理部3を本体部2に装着し、本体部2のモータ5の回転軸6と、調理部3内の刃軸11とを連結し、モータ5を回転させることで刃軸11を回転させて調理用素材を切削、等して所定の調理を行うものである。
【0020】
この実施形態の回転調理器1においては、本体部側蓋部4が、本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結及び、当該連結の解除をワンタッチで切り替えるカム機構を備えている。
【0021】
そこで、この実施形態の回転調理器1によれば、モータ5の回転軸6と、刃軸11との間の連結をワンタッチで簡単に行うことができる。
【0022】
この実施形態における上述したカム機構は、操作ロッド24と、カム軸20と、カム板21とを備えている。
【0023】
操作ロッド24は、本体部側蓋部4の側壁に形成されている操作溝23を介して本体部側蓋部4の内部側から本体部側蓋部4の外側に向かって突出している。
【0024】
カム軸20は、操作ロッド24の本体部側蓋部4の内部側に連結している。
【0025】
カム板21は、本体部側蓋部4内で位置固定されている平坦な接触面19に対して外周面を接触させながらカム軸20の回転に応じて回転する。
【0026】
このように、操作ロッド24と、カム軸20と、カム板21とを備えている上述したカム機構では、操作ロッド24が、操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって移動し、操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって移動することに応じてカム軸20及びカム板21が回転することで上述した本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結及び、当該連結の解除という切り換えが行われる。
【0027】
この実施形態における上述したカム機構は、スプリング16を備えている。スプリング16は、モータ5を本体部側蓋部4内で常に上側方向に向かって付勢する付勢手段である。
【0028】
この実施形態における上述したカム機構では、操作ロッド24が操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって移動することでモータ5がスプリング16の付勢力に抗して下方向に向かって移動して本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が行われる。また、操作ロッド24が操作溝23に沿って操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって移動することで本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が解除されてモータ5がスプリング16の付勢力によって上方向に向かって移動する。
【0029】
この実施形態における上述したカム機構において、カム板21の外周面は次のようなカムプロフィールを備えている。すなわち、操作ロッド24が操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって移動することで本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が行われた状態及び、操作ロッド24が操作溝23に沿って操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって移動することで本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が解除されてモータ6がスプリング16の付勢力によって上方向に向かって移動した状態が維持されるカムプロフィールをカム板21の外周面が備えている。
【実施例
【0030】
図1図6図示の回転調理器1は、本体部2と、調理部3とを備えている。
【0031】
本体部2は、本体部側蓋部4を備えている。本体部側蓋部4の内部にはモータ5が配備されている。モータ5の回転軸6は図1中の上下方向に伸びている。回転軸6の下端側には本体部側連結具7が備えられている。
【0032】
調理部3は、本体部2の本体部側蓋部4の下側に着脱可能になっている。本体部側蓋部4の下側に調理部3着脱する方向は、モータ5の回転軸6が伸びている上下方向に直交する左右方向である。図1は、調理部3が、図1中の左側から右側に向けて移動させられることで、調理部3が本体部側蓋部4の下側に装着された状態を表している。
【0033】
調理部3は、容器部8と、容器部8の外周に取り付けられている取手部10とを備えている。容器部8は上端に上部開口部(不図示)を備えており、この上部開口部から容器部8の内部に野菜、果物、水、調味料などの調理用素材が投入される。
【0034】
調理部3は、容器部8の上部開口部に着脱可能な調理部側蓋体9を備えている。調理部側蓋体9は図3の上下方向に伸びている刃軸11を備えている。
【0035】
刃軸11の下端側には切断刃12が備えられている。また、刃軸11の上端側には、本体部側連結具7と連結可能な調理部側連結具13が配備されている。
【0036】
容器部8の上部開口部から調理部側蓋体9を外し、容器部8の内部に上部開口部を介して野菜、果物、水、調味料などの調理用素材を投入した上で、調理部側蓋体9を容器部8の上部開口部に装着する。
【0037】
この状態の調理部3を、取手部10で持って、図1図示のように、本体部2の本体部側蓋部4の下側に水平方向から装着する。
【0038】
次に、モータ5の回転軸6の下端側に配備されている本体部側連結具7と、刃軸11の上端側に配備されている調理部側連結具13とを連結し、モータ5の駆動を開始させ、回転軸6、刃軸11を回転させ、切断刃12によって容器部8内に収容されていた野菜、果物、等を切断、等して調理を行う。
【0039】
この実施例では、モータ5の回転軸6の下端側に配備されている本体部側連結具7と、刃軸11の上端側に配備されている調理部側連結具13との間の連結及び、その解除という切り換えは、以下に説明するように、本体部側蓋部2が備えているカム機構によってワンタッチで行われる。
【0040】
このカム機構は、操作ロッド24と、カム軸20と、カム板21とを備えている。カム板21は、矢印31、矢印32で示す方向へのカム軸20の回転に応じて矢印31、32で示す方向へ、本体部側蓋部4内で位置固定されている平坦な接触面19に対してその外周面を接触させながら回転する。図3図6図示の実施形態では、モータ5の軸6が伸びる上下方向に直交する左右方向である水平方向で本体部側蓋部4内に位置固定されている平坦な接触面19に対してカム板21がその外周面を接触させながらカム軸20の回転に応じて矢印31、32で示す方向へ回転する。
【0041】
操作ロッド24は、本体部側蓋部4の側壁に形成されている操作溝23を介して本体部側蓋部4の内部側から本体部側蓋部4の外側に向かって突出している。
【0042】
操作溝23は、図1において、その一端23aから、一端23aに対して図1中で斜め右下側に位置している他端23bに向かって、下側におだやかに湾曲しつつ連続している。
【0043】
操作ロッド24は、操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって矢印31(図1)で示すように移動し、操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって矢印32(図1)で示すように移動可能になっている。
【0044】
操作ロッド24の本体部側蓋部4の内部側はカム軸20に連結されている。そこで、操作ロッド24が、操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって矢印31(図1)で示すように移動し、操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって矢印32(図1)で示すように移動可能することに対応して、カム軸20も、矢印31、矢印32で示す方向へ回転する。
【0045】
本体部側蓋部2内に、位置固定的に上下方向に向かって伸びる複数本の支持ロッド14が配備されている。図3図6では2本の支持ロッド14a、14bしか図示していないが、平面図(図2)の状態で、三角形の頂点の位置にそれぞれ1本で合計3本、あるいは、平面図(図2)の状態で、方形の頂点の位置にそれぞれ1本で合計4本の支持ロッド14が配備される構造などにすることが出来る。
【0046】
支持ロッド14にモータ5を支持しているモータベース15が上下方向にスライド可能に装着されている。
【0047】
各支持ロッド14a、14bにそれぞれスプリング16が装着されており、スプリング16の付勢力によってモータベース15及び、これに支持されているモータ5が図3図6中の上側方向に向かって矢印30で示すように常に付勢されている。
【0048】
各支持ロッド14a、14bの上端側にはストッパ17a、17bが配備されており、モータベース15はその上側面がストッパ17a、17bに当接する高さ位置までスプリング16に付勢されて上昇する。
【0049】
このように、モータ5の回転軸6の下端側に配備されている本体部側連結具7と、刃軸11の上端側に配備されている調理部側連結具13との間の連結及び、その解除という切り換えをワンタッチで行う上述のカム機構が備えているスプリング16は、モータ5を本体部側蓋部4内で常に上側方向に向かって付勢する付勢手段になっている。
【0050】
カム板21の外周面は、操作ロッド24が操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって移動することで本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が行われた状態及び、操作ロッド24が操作溝23に沿って操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって移動することで本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が解除されてモータ6がスプリング16の付勢力によって上方向に向かって移動した状態が維持されるカムプロフィールを備えている。
【0051】
図5に示すように、カム板21の外周面には滑らかな湾曲面から内側方向に向かって窪む凹部25と、凹部26が形成されている。
【0052】
操作ロッド24が操作溝23に沿って矢印31で示すように、操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって移動すると、カム軸20及び、カム板21が矢印31で示す方向に回転し、モータベース15及びこれに支持されているモータ5がスプリング16の付勢力に抗して矢印30で示す方向と反対方向に下降する。そして、最終的に、カム板21外周に形成されている凹部26が、水平方向で本体部側蓋部4内に位置固定されている平坦な接触面19に対向した時点(図5)で、矢印31で示す方向への回転が止まり、本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が行われ、この状態が維持される。
【0053】
一方、操作ロッド24が操作溝23に沿って矢印32で示すように、操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって移動すると、カム軸20及び、カム板21が矢印32で示す方向に回転し、本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が解除され、モータベース15及びこれに支持されているモータ5がスプリング16の付勢力によって矢印30方向に上昇する。そして、最終的に、カム板21外周に形成されている凹部25が、水平方向で本体部側蓋部4内に位置固定されている平坦な接触面19に対向した時点(図3)で、矢印32で示す方向への回転が止まり、本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結が解除された状態が維持される。
【0054】
このように、スプリング16、操作ロッド24、カム軸20、カム板21を備えている上述したカム機構により、操作ロッド24が、操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって移動し、操作溝23の他方の端部23bから一方の端部23aに向かって移動することに応じてカム軸20及びカム板21が回転して上述した本体部側連結具7と調理部側連結具13との間の連結及び、当該連結の解除という切り換えがワンタッチで行われる。
【0055】
この実施例の回転調理器1は、本体部2と、調理部3とを備えている。本体部2は、本体部側蓋部4を備えており、本体部側蓋部4にモータ5が内蔵されている。モータ5は上下方向に伸びている回転軸6を備えており、回転軸6の下端側に本体部側連結具が備えられている。一方、調理部3は、本体部2の本体部側蓋部4の下側に上下方向に直交する左右方向から着脱される。
【0056】
この実施例の回転調理器1は、このような構造からなるものであるが、上下方向のサイズを比較的小さく、コンパクトなものにすることができる。
【0057】
また、調理に使用している際に発生する音が抑制された、小さなものになっている。
【0058】
(調理例)
上述した実施例の回転調理器1を使用して野菜を材料に用いたポタージュスープを調理した。
【0059】
調理部3における容器部8の上部開口部から調理部側蓋体9を外し、容器部8の内部に上部開口部を介してサイの目に切断した食材(野菜)と、水、スープの素を投入した後、調理部側蓋体9を容器部8の上部開口部に装着した。
【0060】
この状態の調理部3を、取手部10で持って、図1図示のように、本体部2の本体部側蓋部4の下側に水平方向から装着した。
【0061】
本体部側蓋部4の側壁に形成されている操作溝23を介して本体部側蓋部4の内部側から本体部側蓋部4の外側に向かって突出している操作ロッド24を、操作溝23に沿って操作溝23の一方の端部23aから他方の端部23bに向かって矢印31(図1)で示すように移動させることで、ワンタッチで、本体部側蓋部4に内蔵されているモータ5の回転軸6の下端側に配備されている本体部側連結具7と、調理部3における容器部8の上部開口部に装着されている調理部側蓋体9が備えている刃軸11の上端側の調理部側連結具13とを連結した。
【0062】
本体部側蓋部4の上側に配備されている操作パネル27で「スープ」をメニュー選択し、操作を開始させた。
【0063】
調理部3における容器部8の底面が搭載されている本体部2の底面に配備されているヒータ機構により十分な加温が行われた後、モータ5の駆動が始まり、刃軸11が回転し、刃軸11の下端側に配備されている切断刃12によって容器部8内に収容されていた食材(野菜)が切断され、一緒に投入されていた水、スープの素と混合が開始された。30分程度でポタージュスープが調製され、モータ5の駆動が止まり、刃軸11の回転が終了した。
【0064】
以上、本発明の実施形態、実施例を説明したが本発明は上述した実施形態、実施例に限定されることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 回転調理器
2 本体部
3 調理部
4 本体部側蓋部
5 モータ
6 回転軸
7 本体部側連結具
8 容器部
9 調理部側蓋体
11 刃軸
13 調理部側連結具
15 モータベース
16 スプリング
20 カム軸
21 カム板
23 操作溝
24 操作ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6