(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
B29D 30/30 20060101AFI20220817BHJP
B29D 30/02 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B29D30/30
B29D30/02
(21)【出願番号】P 2018149649
(22)【出願日】2018-08-08
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】種元 健二
(72)【発明者】
【氏名】矢野 俊祐
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-136420(JP,A)
【文献】特開2011-126252(JP,A)
【文献】特開平08-071981(JP,A)
【文献】特開2000-033656(JP,A)
【文献】特開昭62-205965(JP,A)
【文献】特開2015-157403(JP,A)
【文献】米国特許第04608890(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00-30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ成形ドラムに帯状材料を搬送するための搬送システムであって、
前記帯状材料をその上に載せて前記タイヤ成形ドラムへと搬送する搬送装置と、前記搬送装置に前記帯状材料を供給する複数の供給装置と、前記帯状材料を搬送方向に対して斜めに切断する切断装置とを含み、
前記搬送装置は、前記タイヤ成形ドラム側に位置する1系統の主搬送部と、前記主搬送部と前記複数の供給装置との間で、前記複数の供給装置のそれぞれに連結された複数系統の副搬送部とを含み、
前記切断装置は、前記主搬送部の上を搬送される前記帯状材料を切断
し、
前記主搬送部は、前記帯状材料を搬送する主コンベアと、平滑な上面を有するテーブルとを含み、
前記テーブルは、主テーブルと、前記搬送方向で前記主テーブルと区分された副テーブルと、前記副テーブルを上下方向に移動させるテーブル駆動部とを含み、
前記テーブル駆動部は、前記副テーブルを、前記主テーブルと同じ高さの第1位置と、前記主テーブルよりも下方に位置する第2位置とに移動させ、
前記切断装置は、前記副テーブルの上方に位置し、
前記主テーブルは、前記搬送方向の上流側の第1主テーブルと下流側の第2主テーブルとを含み、
前記第1主テーブルは、第1主端部で前記副テーブルと区分され、
前記第2主テーブルは、第2主端部で前記副テーブルと区分され、
前記切断装置は、前記第1主端部又は前記第2主端部に沿って切断方向に走行するカッターを含む、
搬送システム。
【請求項2】
前記カッターは、前記副テーブルを前記第2位置に移動させた状態で、その先端を前記主テーブルの上面よりも下方に位置させて前記帯状材料を切断する、請求項
1に記載の搬送システム。
【請求項3】
タイヤ成形ドラムに帯状材料を搬送するための搬送システムであって、
前記帯状材料をその上に載せて前記タイヤ成形ドラムへと搬送する搬送装置と、前記搬送装置に前記帯状材料を供給する複数の供給装置と、前記帯状材料を搬送方向に対して斜めに切断する切断装置とを含み、
前記搬送装置は、前記タイヤ成形ドラム側に位置する1系統の主搬送部と、前記主搬送部と前記複数の供給装置との間で、前記複数の供給装置のそれぞれに連結された複数系統の副搬送部とを含み、
前記切断装置は、前記主搬送部の上を搬送される前記帯状材料を切断し、
前記主搬送部は、前記帯状材料を搬送する主コンベアと、平滑な上面を有するテーブルとを含み、
前記テーブルは、主テーブルと、前記搬送方向で前記主テーブルと区分された副テーブルと、前記副テーブルを上下方向に移動させるテーブル駆動部とを含み、
前記テーブル駆動部は、前記副テーブルを、前記主テーブルと同じ高さの第1位置と、前記主テーブルよりも下方に位置する第2位置とに移動させ、
前記切断装置は、前記副テーブルの上方に位置し、
前記副テーブルは、前記搬送方向の上流側の第1副端部及び下流側の第2副端部で前記主テーブルと区分され、
前記第1副端部は、前記搬送方向に対して傾斜して直線状に延びる第1直線部を含み、
前記第2副端部は、前記搬送方向において前記第1直線部に対向する位置で、前記搬送方向に対して傾斜して直線状に延びる第2直線部を含み、
前記第1直線部の前記搬送方向に対する角度は、前記第2直線部の前記搬送方向に対する角度と異なる、
搬送システム。
【請求項4】
前記搬送装置は、前記複数系統の副搬送部を前記搬送方向に対して交差する方向に移動させる搬送駆動部をさらに含み、
前記搬送駆動部は、前記複数系統の副搬送部のいずれかを前記主搬送部に連結させる、請求項
1ないし3のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項5】
前記複数の供給装置は、それぞれ、前記帯状材料を巻き付けておくための少なくとも1つのリールを含む、請求項
1ないし4のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項6】
前記主コンベアは、前記副テーブルを前記第1位置に移動させた状態で前記帯状材料を搬送する、請求項
1ないし5のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項7】
前記切断装置は、前記帯状材料の前記搬送方向に対する切断角度を変更させる角度変更部を含む、請求項
1ないし6のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項8】
前記帯状材料は、エアレスタイヤのトレッドリングを成形するためのゴムストリップである、請求項
1ないし7のいずれかに記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ成形ドラムに帯状材料を搬送するための搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤ成形ドラムに帯状材料を搬送するための搬送システム、いわゆるサービサーが知られている。例えば、下記特許文献1は、帯状タイヤ材料をその上に載せてタイヤ成形ドラムへと搬送するタイヤ材料搬送装置と、タイヤ材料搬送装置に帯状タイヤ材料を供給する複数の材料供給機と、前記帯状材料を定寸に切断する切断手段とを含むサービサーを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の搬送システムは、システム全体の設置スペースが大きく、複数種類の帯状材料を供給可能な搬送システムにおいて、設置スペースを小さくすることが求められていた。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、複数種類の帯状材料を供給可能な設置スペースの小さい搬送システムを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、タイヤ成形ドラムに帯状材料を搬送するための搬送システムであって、前記帯状材料をその上に載せて前記タイヤ成形ドラムへと搬送する搬送装置と、前記搬送装置に前記帯状材料を供給する複数の供給装置と、前記帯状材料を搬送方向に対して斜めに切断する切断装置とを含み、前記搬送装置は、前記タイヤ成形ドラム側に位置する1系統の主搬送部と、前記主搬送部と前記複数の供給装置との間で、前記複数の供給装置のそれぞれに連結された複数系統の副搬送部とを含み、前記切断装置は、前記主搬送部の上を搬送される前記帯状材料を切断することを特徴とする。
【0007】
本発明の搬送システムにおいて、前記搬送装置は、前記複数系統の副搬送部を前記搬送方向に対して交差する方向に移動させる搬送駆動部をさらに含み、前記搬送駆動部は、前記複数系統の副搬送部のいずれかを前記主搬送部に連結させるのが望ましい。
【0008】
本発明の搬送システムにおいて、前記複数の供給装置は、それぞれ、前記帯状材料を巻き付けておくための少なくとも1つのリールを含むのが望ましい。
【0009】
本発明の搬送システムにおいて、前記主搬送部は、前記帯状材料を搬送する主コンベアと、平滑な上面を有するテーブルとを含み、前記テーブルは、主テーブルと、前記搬送方向で前記主テーブルと区分された副テーブルと、前記副テーブルを上下方向に移動させるテーブル駆動部とを含み、前記テーブル駆動部は、前記副テーブルを、前記主テーブルと同じ高さの第1位置と、前記主テーブルよりも下方に位置する第2位置とに移動させるのが望ましい。
【0010】
本発明の搬送システムにおいて、前記主コンベアは、前記副テーブルを前記第1位置に移動させた状態で前記帯状材料を搬送するのが望ましい。
【0011】
本発明の搬送システムにおいて、前記切断装置は、前記副テーブルの上方に位置するのが望ましい。
【0012】
本発明の搬送システムにおいて、前記切断装置は、切断方向に走行するカッターを含み、前記カッターは、前記副テーブルを前記第2位置に移動させた状態で、その先端を前記主テーブルの上面よりも下方に位置させて前記帯状材料を切断するのが望ましい。
【0013】
本発明の搬送システムにおいて、前記主テーブルは、前記搬送方向の上流側の第1主テーブルと下流側の第2主テーブルとを含み、前記第1主テーブルは、第1主端部で前記副テーブルと区分され、前記第2主テーブルは、第2主端部で前記副テーブルと区分され、前記カッターは、前記第1主端部又は前記第2主端部に沿って走行するのが望ましい。
【0014】
本発明の搬送システムにおいて、前記副テーブルは、前記搬送方向の上流側の第1副端部及び下流側の第2副端部で前記主テーブルと区分され、前記第1副端部は、前記搬送方向に対して傾斜して直線状に延びる第1直線部を含み、前記第2副端部は、前記搬送方向において前記第1直線部に対向する位置で、前記搬送方向に対して傾斜して直線状に延びる第2直線部を含み、前記第1直線部の前記搬送方向に対する角度は、前記第2直線部の前記搬送方向に対する角度と異なるのが望ましい。
【0015】
本発明の搬送システムにおいて、前記切断装置は、前記帯状材料の前記搬送方向に対する切断角度を変更させる角度変更部を含むのが望ましい。
【0016】
本発明の搬送システムにおいて、前記帯状材料は、エアレスタイヤのトレッドリングを成形するためのゴムストリップであるのが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の搬送システムにおいて、搬送装置は、タイヤ成形ドラム側に位置する1系統の主搬送部と、前記主搬送部と複数の供給装置との間で、前記複数の供給装置のそれぞれに連結された複数系統の副搬送部とを含んでいる。このような搬送装置は、主搬送部と副搬送部とをコンパクトに配することができ、搬送システムの設置スペースを小さくすることができる。
【0018】
本発明の搬送システムにおいて、切断装置は、主搬送部の上を搬送される帯状材料を切断している。このような切断装置は、主搬送部の上に配することができ、搬送システムの設置スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の搬送システムの一実施形態を模式的に示す側面図である。
【
図4】搬送装置及び切断装置を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図4の搬送装置及び切断装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の搬送システム1を模式的に示す側面図であり、
図2は、
図1の搬送システム1の平面図である。
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の搬送システム1は、タイヤ成形ドラム2に帯状材料Gを搬送するためのものである。帯状材料Gは、例えば、エアレスタイヤのトレッドリングを成形するためのゴムストリップである。帯状材料Gは、空気入りタイヤのトレッドゴムを成形するためのゴムストリップであってもよい。
【0021】
本実施形態の搬送システム1は、帯状材料Gを搬送する搬送装置3と、搬送装置3に帯状材料Gを供給する複数の供給装置4と、帯状材料Gを切断する切断装置5とを含んでいる。
【0022】
本実施形態のタイヤ成形ドラム2は、その回転軸2a回りに回転させて、その外周に帯状材料Gを巻回させることで、タイヤを成形するためのものである。タイヤ成形ドラム2は、例えば、剛性中子を含んでいてもよい。タイヤ成形ドラム2は、軸方向a及び上下方向bに移動自在に支持されるのが望ましい。このようなタイヤ成形ドラム2は、帯状材料Gの巻回位置を軸方向aに移動させながら、巻き重ねていくことで、予め定められたタイヤの形状に帯状材料Gを巻回することができる。
【0023】
ここで、軸方向aは、タイヤ成形ドラム2の回転軸2aの延びる方向であって、
図2の矢印(a)で示される方向である。上下方向bは、軸方向a及び搬送方向cに直交する方向であって、
図1の矢印(b)で示される方向である。搬送方向cは、搬送装置3の上に位置する帯状材料Gの移動方向であって、
図1及び
図2の矢印(c)で示される方向である。
【0024】
本実施形態の搬送装置3は、帯状材料Gをその上に載せてタイヤ成形ドラム2へと搬送するためのものである。搬送装置3は、1系統の主搬送部6と、複数系統の副搬送部7とを含むのが望ましい。このような搬送装置3は、主搬送部6と副搬送部7とをコンパクトに配することができ、搬送システム1の設置スペースを小さくすることができる。
【0025】
本実施形態の主搬送部6は、タイヤ成形ドラム2側に位置している。主搬送部6は、例えば、タイヤ成形ドラム2へ帯状材料Gを送出する送出部6aを含んでいる。このような主搬送部6は、単純な構成でタイヤ成形ドラム2への帯状材料Gをスムーズに送り出すことができ、製造コストを抑制することができる。
【0026】
本実施形態の副搬送部7は、主搬送部6と複数の供給装置4との間に位置している。副搬送部7は、複数の供給装置4のそれぞれに連結されるのが望ましい。このような副搬送部7は、複数の供給装置4からの複数種類の帯状材料Gをスムーズに受け入れ、主搬送部6へ搬送することができる。
【0027】
本実施形態の切断装置5は、主搬送部6の上を搬送される帯状材料Gを切断する。このような切断装置5は、主搬送部6の上に配することができ、搬送システム1の設置スペースを小さくすることができる。また、この切断装置5は、1系統の主搬送部6の上に配されるので、複数の供給装置4から供給される複数種類の帯状材料Gを、1つの切断装置5で切断することができる。このため、切断装置5は、1つの搬送システム1に1つ設けられればよく、製造コストを抑制することができる。また、このような切断装置5は、そのメンテナンスも容易である。
【0028】
次に、本実施形態の搬送システム1のより好ましい態様が説明される。
本実施形態の複数の供給装置4は、第1供給装置8と第2供給装置9とを含んでいる。第1供給装置8及び第2供給装置9は、それぞれ、帯状材料Gを巻き付けておくための少なくとも1つのリール10を含むのが望ましい。
図1及び
図2では、供給装置4に取り付けられたリール10の他に、交換用の予備のリール10が二点鎖線で示されている。このような供給装置4は、リール10を交換することで、新しい帯状材料Gを容易に供給することができる。
【0029】
帯状材料Gは、例えば、第1供給装置8から供給される第1帯状材料G1と、第2供給装置9から供給される第2帯状材料G2とを含んでいる。各帯状材料Gは、台紙Mと共にリール10に巻き付けられるのが望ましい。本実施形態の帯状材料Gは、供給装置4で台紙Mから剥離されて副搬送部7に供給される。このような帯状材料Gは、リール10に巻き付けられたときに互いに粘着することがなく、搬送装置3にスムーズに供給され得る。
【0030】
本実施形態の複数系統の副搬送部7は、第1供給装置8に連結された第1副搬送部11と、第2供給装置9に連結された第2副搬送部12とを含んでいる。第1副搬送部11は、例えば、第1副コンベア13を含んでいる。第2副搬送部12は、例えば、第2副コンベア14を含んでいる。第1副コンベア13及び第2副コンベア14は、例えば、互いに同じ軸方向aの幅を有するベルトコンベアで構成されている。第1副コンベア13及び第2副コンベア14は、それぞれ、軸方向aに分割された複数のベルトコンベアから構成されてもよい。
【0031】
本実施形態の第2副コンベア14は、第1副コンベア13の上方に位置している。第2副コンベア14は、第1副コンベア13よりも搬送方向cの長さが大きいのが望ましい。このような副搬送部7は、コンパクトに配することができ、搬送システム1の設置スペースを小さくすることができる。また、副搬送部7は、複数種類の帯状材料Gを、スムーズに主搬送部6に搬送することができる。
【0032】
図3は、
図1の部分拡大図である。
図3に示されるように、搬送装置3は、複数系統の副搬送部7を搬送方向cに対して交差する方向に移動させる搬送駆動部15をさらに含むのが望ましい。本実施形態の搬送駆動部15は、副搬送部7を上下方向bに移動させる。搬送駆動部15は、第1副搬送部11と第2副搬送部12とを同調させて、上下方向bに移動させるのが望ましい。
【0033】
搬送駆動部15は、例えば、複数系統の副搬送部7のいずれかを主搬送部6に連結させる。
図3は、第1副搬送部11が主搬送部6に連結された状態を示す。なお、
図1は、第2副搬送部12が主搬送部6に連結された状態を示す。このような搬送駆動部15は、単純な構成で主搬送部6に連結される副搬送部7を変更することができ、製造コストを抑制することができる。
【0034】
図4は、搬送装置3及び切断装置5を模式的に示す平面図である。
図3及び
図4に示されるように、本実施形態の搬送装置3の主搬送部6は、帯状材料Gを搬送する主コンベア16と、平滑な上面を有するテーブル17とを含んでいる。主コンベア16は、例えば、ベルトコンベアで構成されている。
【0035】
主コンベア16は、例えば、送出部6aを含む第1主コンベア18と、テーブル17に軸方向aに隣接して位置に配される第2主コンベア19とを含んでいる。本実施形態の主コンベア16は、1つの第1主コンベア18と2つの第2主コンベア19とを含んでいる。
【0036】
第1主コンベア18の軸方向aの幅は、第1副コンベア13及び第2副コンベア14の軸方向aの幅に等しいのが望ましい。第2主コンベア19の軸方向aの幅は、第1主コンベア18の軸方向aの幅よりも小さいのが望ましい。このような主コンベア16は、全体としてコンパクトに設置可能である。また、第2主コンベア19は、テーブル17の上の帯状材料Gに部分的に接触して、その帯状材料Gをスムーズに搬送することができる。
【0037】
図5は、
図4の搬送装置3及び切断装置5の斜視図である。
図3~
図5に示されるように、テーブル17は、例えば、主テーブル20と、搬送方向cで主テーブル20と区分された副テーブル21とを含んでいる。主テーブル20は、搬送方向cの上流側の第1主テーブル20Aと下流側の第2主テーブル20Bとを含むのが望ましい。なお、理解を容易にするために、各図において、副テーブル21は、薄く着色されている。
【0038】
図4及び
図5に示されるように、第1主テーブル20Aは、例えば、第1主端部20aで副テーブル21と区分されている。第2主テーブル20Bは、例えば、第2主端部20bで副テーブル21と区分されている。このような主テーブル20は、搬送方向cにおいて、副テーブル21を挟ん
だ位置に配されており、後で詳しく述べる帯状材料Gの切断を精度よく行うことができる。
【0039】
本実施形態の主テーブル20は、搬送方向cにおいて、第1主コンベア18と副搬送部7との間に位置している。主テーブル20は、例えば、その上面形状が略クランク状に形成されている。本実施形態の主テーブル20は、第2主コンベア19に軸方向a及び搬送方向cで隣接している。すなわち、2つの第2主コンベア19は、略クランク状の主テーブル20が形成されてない部分に位置している。
【0040】
このため、主テーブル20は、2つの第2主コンベア19と合わせて、平面視において、略矩形状に形成されている。このような主テーブル20は、第1主コンベア18及び副搬送部7との連結が滑らかであり、帯状材料Gをスムーズに搬送することができる。また、主テーブル20の上の帯状材料Gは、第2主コンベア19により搬送されるので、主テーブル20の上に帯状材料Gが滞留するおそれがない。
【0041】
図3及び
図5に示されるように、本実施形態の副テーブル21は、上下方向bに移動自在に構成されている。テーブル17は、副テーブル21を上下方向bに移動させるテーブル駆動部22を含むのが望ましい。本実施形態のテーブル駆動部22は、副テーブル21を、主テーブル20と同じ高さの第1位置(
図3に示す)と、主テーブル20よりも下方に位置する第2位置(
図5に示す)とに移動させる。
【0042】
図4に示されるように、副テーブル21は、例えば、搬送方向cの上流側の第1副端部21a及び下流側の第2副端部21bで主テーブル20と区分されている。第1副端部21aは、第1主端部20aに略等しい形状を有するのが望ましい。第2副端部21bは、第2主端部20bに略等しい形状を有するのが望ましい。このようなテーブル17は、主テーブル20と副テーブル21との間の隙間が小さく、帯状材料Gが引っかかるおそれがない。
【0043】
本実施形態の第1副端部21aは、搬送方向cに対して傾斜して直線状に延びる第1直線部21cを含んでいる。また、第2副端部21bは、搬送方向cにおいて第1直線部21cに対向する位置で、搬送方向cに対して傾斜して直線状に延びる第2直線部21dを含んでいる。
【0044】
第1直線部21cの搬送方向cに対する角度θ1は、第2直線部21dの搬送方向cに対する角度θ2と異なるのが望ましい。このような副テーブル21は、後で詳しく述べる切断装置5による切断角度の変更を許容し、帯状材料Gを、それに適した角度で切断することができる。
【0045】
本実施形態の第1副端部21aは、搬送方向cに対して第1直線部21cとは異なる角度で傾斜して直線状に延びる第3直線部21eを含んでいる。第3直線部21eは、第1直線部21cに連続して延びるのが望ましい。また、第2副端部21bは、搬送方向cにおいて第3直線部21eに対向する位置で、搬送方向cに対して第2直線部21dとは異なる角度で傾斜して直線状に延びる第4直線部21fを含んでいる。
【0046】
第3直線部21eの搬送方向cに対する角度θ3は、第2直線部21dの搬送方向cに対する角度θ2に等しいのが望ましい。第4直線部21fの搬送方向cに対する角度θ4は、第1直線部21cの搬送方向cに対する角度θ1に等しいのが望ましい。このような副テーブル21は、切断装置5による異なる切断角度での切断を、よりスムーズに行うことができる。
【0047】
なお、第1副端部21aは、第1直線部21cのみで構成されていてもよい。同様に、第2副端部21bは、第2直線部21dのみで構成されていてもよい。この場合、副テーブル21の上面は、略台形状に形成されるのが望ましい。このような副テーブル21は、その形状が単純であり、製造コストを抑制することができる。
【0048】
図3~
図5に示されるように、本実施形態の切断装置5は、副テーブル21の上方に位置している。切断装置5は、上下位置変更部(図示省略)により、上下方向bに移動自在であるのが望ましい。このような切断装置5は、帯状材料Gを切断するときに下降させ、帯状材料Gを搬送するときに上昇させることができる。
【0049】
切断装置5は、例えば、上下方向bに移動させることなく、帯状材料Gを切断可能な高さで固定されていてもよい。この場合、切断装置5のカッター23は、主搬送部6の軸方向aの外側まで移動可能であるのが望ましい。
【0050】
本実施形態の切断装置5は、切断方向に走行するカッター23を含んでいる。カッター23は、副テーブル21を第2位置(
図5に示す)に移動させた状態で、その先端を主テーブル20の上面よりも下方に位置させて帯状材料Gを切断するのが望ましい。カッター23は、第1主端部20a又は第2主端部20bに沿って走行するのが望ましい。このようなカッター23は、帯状材料Gを確実に精度よく切断することができる。
【0051】
本実施形態では、帯状材料Gが、第1主テーブル20A及び第2主テーブル20Bにより、切断位置の搬送方向cの両側が支持されているので、切断されるときに帯状材料Gが動きにくく、切断精度をより向上させることができる。
【0052】
本実施形態の切断装置5は、帯状材料Gの搬送方向cに対する切断角度を変更させる角度変更部24を含んでいる。角度変更部24は、例えば、カッター23が、第1直線部21c及び第4直線部21fの上方を走行する第1角度と、第2直線部21d及び第3直線部21eの上方を走行する第2角度とに切断角度を変更可能である。角度変更部24は、副テーブル21の搬送方向cの長さが最も小さい位置を中心に、切断装置5を回転させるのが望ましい。このような切断装置5は、帯状材料Gを、それに適した角度で切断することができる。
【0053】
次に、
図1~
図5を参酌して、帯状材料Gを搬送して切断するときの本実施形態の搬送システム1の動作が説明される。
本実施形態の搬送システム1では、まず、帯状材料Gが予めリール10に巻き付けられた状態で供給装置4に取り付けられる。第1供給装置8は、例えば、リール10が、軸方向aに移動されて取り付けられる。第2供給装置9は、例えば、リール10が、搬送方向cに移動されて取り付けられる。このような供給装置4は、帯状材料Gの補給が容易であり、作業時間を短縮することができる。
【0054】
次に、帯状材料Gは、例えば、第1供給装置8又は第2供給装置9から、副搬送部7の第1副搬送部11又は第2副搬送部12に供給される。このとき、搬送駆動部15は、第1副搬送部11又は第2副搬送部12のいずれかを主搬送部6に連結させるのが望ましい。主搬送部6に連結された方の第1副搬送部11又は第2副搬送部12は、帯状材料Gを主搬送部6に搬送することができる。このような副搬送部7は、複数種類の帯状材料Gの中から任意の帯状材料Gを、スムーズに搬送することができる。
【0055】
次に、本実施形態の主搬送部6の主コンベア16は、副テーブル21を第1位置(
図3に示す)に移動させた状態で帯状材料Gを予め定められた長さだけ搬送する。主コンベア16は、第1副搬送部11の第1副コンベア13又は第2副搬送部12の第2副コンベア14と同調して、帯状材料Gを搬送するのが望ましい。
【0056】
このとき、主搬送部6の送出部6aから送出された帯状材料Gは、主コンベア16と同調して回転するタイヤ成形ドラム2に巻回されて、タイヤが成形される。このような主搬送部6は、帯状材料Gがテーブル17に引っかかることなく、スムーズに搬送することができる。
【0057】
主コンベア16は、例えば、帯状材料Gを予め定められた長さだけ搬送すると、搬送を停止する。本実施形態では、搬送が停止された帯状材料Gは、切断装置5及び副テーブル21が、それぞれ、下方に移動した後、切断される。このとき、切断装置5のカッター23は、第1主端部20a又は第2主端部20bに沿って走行するのが望ましい。このような切断装置5は、切断位置の近傍が第1主端部20a又は第2主端部20bにより支持されるので、切断制度を向上させることができる。
【0058】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
【符号の説明】
【0059】
1 搬送システム
2 タイヤ成形ドラム
3 搬送装置
4 供給装置
5 切断装置
6 主搬送部
7 副搬送部