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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】自律走行型清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/02 20060101AFI20220817BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20220817BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20220817BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220817BHJP
【FI】
A47L9/02 Z
A47L9/28 E
A47L9/04 A
G05D1/02 H
G05D1/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018182578
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020048980
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】溝口 敦士
(72)【発明者】
【氏名】杉田 幸治
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-292125(JP,A)
【文献】特開2015-000210(JP,A)
【文献】特開平02-164327(JP,A)
【文献】特開平06-105783(JP,A)
【文献】特開2000-051128(JP,A)
【文献】特開2005-040577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/02
A47L 9/28
A47L 9/04
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被清掃面を自律走行しつつ前記被清掃面を清掃する自律走行型清掃装置であって、
幅方向に対して高さ方向に長い装置本体と、
前記装置本体の下部に設けられ、前記自律走行型清掃装置の走行姿勢を維持しつつ前記自律走行型清掃装置の進行方向の搬送力を前記被清掃面に伝達する駆動伝達部と、
前記駆動伝達部に駆動力を出力するモーターと、
前記装置本体において前記駆動伝達部よりも上側であって前記装置本体の中心部に設けられ、前記モーターに駆動用の電力を供給するバッテリーと、
前記被清掃面から所定の間隔を隔てた清掃位置に配置され、前記装置本体の前記幅方向に長い形状の吸入口を有する吸気ノズルと、
前記吸気ノズルに回転可能に設けられ、前記幅方向に延びる回転軸を有する回転ブラシと、
前記吸気ノズルの前記吸入口から吸引された吸引物を収集する収集ボックスと、
下端部に前記吸気ノズルが設けられ、前記吸気ノズルの上側で前記収集ボックスを支持するとともに上下方向へ移動可能なように前記装置本体の背面に支持された支持ホルダと、
前記支持ホルダの前記回転軸に回転可能に支持され、外周面が前記吸入口の周縁部と前記被清掃面との間に位置するように前記回転軸の両端部それぞれに設けられた車輪状の回転体と、を備え、
前記支持ホルダは、前記回転体に上方の外力が加えられたことに応じて上方へ移動して、前記吸気ノズルを前記清掃位置から上方へ退避させるように構成されており、
前記回転軸は、前記吸気ノズルにおける前記幅方向の両端の側板に貫通して回転可能に支持されており、
前記回転体は、前記側板から前記幅方向の外側に突出した前記回転軸の前記両端部それぞれに回転自在に支持されている自律走行型清掃装置。
【請求項2】
少なくとも2つの前記回転ブラシが前記進行方向に並んで設けられており、
前記回転体は、前記進行方向側の前記回転ブラシの前記回転軸に回転可能に支持されている、請求項に記載の自律走行型清掃装置。
【請求項3】
前記吸気ノズル、前記収集ボックス、及び前記支持ホルダの総重量による下方の力よりも小さいバネ力で前記支持ホルダを上方向へ付勢する弾性部材を更に備える、請求項1又は2に記載の自律走行型清掃装置。
【請求項4】
前記支持ホルダに上方向の駆動力を付与して、前記吸気ノズルを前記清掃位置から前記吸気ノズルをメンテナンス可能なメンテナンス位置まで上昇させる駆動部を更に備える、請求項1からのいずれかに記載の自律走行型清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行可能な自律走行型清掃装置に関し、特に、吸い込んだ塵埃などの吸引物を収集する収集ボックスを備える自律走行型清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる清掃ロボットと称される自律走行型の清掃装置が知られている。この清掃装置は、床面などの被清掃面を自律走行しながら、被清掃面に向けられた吸気ノズルの吸引口から吸気するとともに被清掃面上の塵埃を吸い込むことにより、被清掃面を掃除する。吸い込まれた塵埃(吸引物)は、清掃装置に取り付けられた集塵ボックスに収集される。
【0003】
近年、労働力不足や人件費の高騰などにより、駅や空港などにおけるコンコースや、ショッピングモールなどの広範囲なスペースを清掃する清掃要員が不足している。そのため、自律走行を行うように設計され、高い清掃能力と高い安全性を有する産業用の自律走行型清掃装置(特許文献1参照)の導入が進んでいる。この種の自律走行型清掃装置は、通行人や障害物、壁などに衝突しないように、安全に移動することが可能な衝突回避機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-112917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の産業用の自律走行型清掃装置は、産業用として高い性能を備える必要性から、大型で重量のある構造を有している。そのため、例えば、床面などの被清掃面に起伏がある場合に、吸気ノズルの幅方向の一方端だけが前記起伏に接触すると、接触部に進行方向に対する大きな負荷が生じ、接触している側に清掃装置が旋回し、場合によっては清掃装置が転倒するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、清掃対象である被清掃面に起伏がある場合でも、吸気ノズルと起伏との接触を防止することにより、異常旋回や転倒を防止することが可能な自律走行型清掃装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、吸気ノズルに吸引不能な異物が混入したり、吸気ノズルにゴミが詰まったりした場合に、吸気ノズルを容易にメンテナンスすることが可能な自律走行型清掃装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明は、被清掃面を自律走行しつつ前記被清掃面を清掃する自律走行型清掃装置である。前記自律走行型清掃装置は、装置本体の走行姿勢を維持しつつ前記自律走行型清掃装置の進行方向の搬送力を前記被清掃面に伝達する駆動伝達部と、前記被清掃面から所定の間隔を隔てた清掃位置に配置された吸気ノズルと、前記吸気ノズルの吸入口から吸引された吸引物を収集する収集ボックスと、下端部に前記吸気ノズルが設けられ、前記吸気ノズルの上側で前記収集ボックスを支持するとともに上下方向へ移動可能なように装置本体に支持された支持ホルダと、前記支持ホルダに回転可能に支持され、外周面が前記吸入口の周縁部と前記被清掃面との間に位置するように前記支持ホルダに設けられた回転体と、を備える。前記支持ホルダは、前記回転体に上方の外力が加えられたことに応じて上方へ移動して、前記吸気ノズルを前記清掃位置から上方へ退避させるように構成されている。
【0009】
このように構成されているため、自律走行型清掃装置の走行時に、被清掃面上の凸状の起伏が吸気ノズルに近づいてくると、回転体が起伏に乗り上げることによって、回転体は起伏から上方向の外力を受ける。この外力によって、支持ホルダは、装置本体に対し上方へ上昇し、吸気ノズルを清掃可能な清掃位置から上方へ退避させる。その結果、吸気ノズルが起伏に接触することが回避され、吸気ノズルと起伏との接触に起因する異常旋回や転倒を防止することが可能となる。
【0010】
(2) 本発明の自律走行型清掃装置において、前記吸気ノズルに回転ブラシが設けられている。前記回転体は、前記回転ブラシの回転軸に回転自在に支持されている。
【0011】
このように構成されているため、回転体を支持する構成を別途設けることなく、回転体を吸気ノズルとともに支持ホルダに設けることができる。
【0012】
(3) 前記吸入口は、前記進行方向に交差する前記装置本体の幅方向に長い形状である。 前記回転軸は、前記吸気ノズルにおける前記幅方向の両端の側板に貫通して回転可能に支持されている。前記回転体は、前記側板から前記幅方向の外側に突出した前記回転軸の両端部それぞれに回転自在に支持されている。
【0013】
このように回転体が回転軸の両端部それぞれに設けられているため、幅方向の一方側の側板が起伏に接触したことに起因する急な旋回を防止することができる。
【0014】
(4) 少なくとも2つの前記回転ブラシが前記進行方向に並んで設けられている。この場合、前記回転体は、前記進行方向側の前記回転ブラシの前記回転軸に回転可能に支持されている。
【0015】
このように構成されているため、自律走行型清掃装置が進行方向に走行している場合に、吸気ノズルが被清掃面上の起伏に当接するよりも先に確実に回転体が起伏に接触する。これにより、異常旋回や転倒を防止することができ、かつ、吸気ノズルの破損を防止することができる。
【0016】
(5) 本発明の自律走行型清掃装置は、前記吸気ノズル、前記収集ボックス、及び前記支持ホルダの総重量による下方の力よりも小さいバネ力で前記支持ホルダを上方向へ付勢する弾性部材を更に備える。
【0017】
このように構成されているため、回転体が起伏に接触したときに受ける上方向の外力が、支持ホルダ等の総重量による重力方向の力よりも小さい場合であっても、前記弾性部材のバネ力の補助を得て、支持ホルダを上方へ円滑に移動させることができる。
【0018】
(6) 本発明の自律走行型清掃装置は、前記支持ホルダに上方向の駆動力を付与して、前記吸気ノズルを前記清掃位置から前記吸気ノズルをメンテナンス可能なメンテナンス位置まで上昇させる駆動部を更に備える。
【0019】
このように構成されているため、吸気ノズルに吸引不能な異物が混入したり、吸気ノズルにゴミが詰まったりした場合に、メンテナンス位置まで上昇させることができる。これにより、吸気ノズルを容易にメンテナンスすることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、清掃対象である被清掃面に起伏がある場合でも、吸気ノズルと起伏との接触を防止することにより、異常旋回や転倒を防止することが可能である。
【0021】
また、本発明によれば、吸気ノズルに吸引不能な異物が混入したり、吸気ノズルにゴミが詰まったりした場合に、吸気ノズルを容易にメンテナンスすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態に係る床面清掃装置の前方側の外観を示す斜視図である。
図2図2は、床面清掃装置の構成を示す模式図である。
図3図3は、床面清掃装置の後方側の外観を示す斜視図であり、拡張ノズルが収容姿勢に配置された状態を示す。
図4図4は、床面清掃装置の後方側の外観を示す斜視図であり、拡張ノズルが側方清掃姿勢に配置された状態を示す。
図5図5は、床面清掃装置の内部構造を示す斜視図である。
図6図6は、図5における要部VIの拡大図である。
図7図7は、床面清掃装置が備える支持ホルダの構成を示す斜視図である。
図8図8は、床面清掃装置の後方部の側面図であり、(A)は、床面清掃装置の収集ボックスが装着された状態を示す図であり、(B)は、収集ボックスが床面清掃装置から取り外された状態を示す図である。
図9図9は、支持ホルダを支持するスライド支持機構を示す斜視図である。
図10図10は、支持ホルダがメンテナンス位置に配置された状態を示す図である。
図11図11は、支持ホルダ単体を前方側から見た図である。
図12図12は、図2における切断線XII-XIIの断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、以下の説明では、各図に示される上下方向D1、前後方向D2、左右方向又は幅方向D3を用いる。
【0024】
[床面清掃装置10]
図1は、本発明の実施形態に係る床面清掃装置10の前方側の外観を示す斜視図である。床面清掃装置10(本発明の自律走行型清掃装置の一例)は、空港や駅、ショッピングモールなどのコンコースの床面23(被清掃面)を前方(進行方向)へ自律走行しながら、床面23を自動的に清掃する自律走行型の清掃装置であり、送風機などによって空気を吸い込む吸引力を発生させて、その吸引力によって空気とともに床面の塵や埃などのゴミ類を吸い込み、フィルターによってゴミ類を分離し、収集ボックス16(図2参照)に収集する装置である。床面清掃装置10は、予め入力された走行ルートや清掃エリア、清掃する時間帯、充電のために戻る帰還位置などの各種清掃情報に基づいて、床面23を走行しながら自動的に清掃する。
【0025】
なお、床面清掃装置10は、本発明の自律走行型清掃装置の単なる一例であって、本発明は、例えば、屋外の歩行路や車道路などの路面を自律走行しながら前記路面を清掃する清掃装置にも適用可能である。
【0026】
図2は、床面清掃装置10の構成を示す模式図である。図1及び図2に示すように、床面清掃装置10は、装置本体11と、装置本体11に設けられた各機能部とにより構成されている。具体的には、装置本体11には、走行部12(本発明の駆動伝達部の一例)、モーター13、バッテリー14、吸気ユニット15、収集ボックス16(本発明の収集ボックスの一例)、支持ホルダ17(本発明の支持ホルダの一例)、吸気ノズル18、拡張ノズル19、操作部20、表示パネル21、ホルダ移動機構50(本発明の駆動部の一例)、及び制御ユニット40などが設けられている。
【0027】
図1に示すように、装置本体11は、その外装を構成する外装カバー11Aを有する。また、図2に示すように、装置本体11は、その下部にシャーシ11Bを有する。シャーシ11Bは、床面23に対して概ね平行に設けられている。また、装置本体11の内部には、上述の各機能部を支持するための支持フレームが適宜設けられている。
【0028】
図2に示すように、走行部12は、装置本体11の下部に設けられている。走行部12は、装置本体11の走行姿勢を維持しつつ進行方向の搬送力を床面23に伝達するものであり、シャーシ11Bに取り付けられている。走行部12は、走行用の一対の車輪121と、4つのキャスター122とを有する。
【0029】
車輪121は、シャーシ11Bの前後方向の中央であって、幅方向D3の両端部それぞれに回転可能に支持されている。4つのキャスター122は、装置本体11の走行姿勢を維持するためのものであり、シャーシ11Bの前方端の両端部、及びシャーシ11Bの後方端の両端部に回転可能に支持されている。床面清掃装置10が床面23に置かれた状態で、車輪121及びキャスター122の各外周面は床面23によって支持される。これにより、装置本体11が、図1図2に示される走行姿勢に維持される。
【0030】
車輪121の回転軸には、モーター13の出力軸が減速ギヤなどの伝達機構を介して連結されている。このため、モーター13が駆動されて、その回転駆動力が出力軸から出力されると、モーター13の回転駆動力が車輪121に伝達される。本実施形態では、一対の車輪121のそれぞれに対して、個別にモーター13が設けられている。したがって、各モーター13が個別に駆動制御されることによって、各車輪121の回転速度が制御される。例えば、各車輪121の回転速度が等速に制御されると、床面清掃装置10は真っ直ぐに進行し、各車輪121の回転速度が異なる速度に制御されると、回転速度の遅い車輪121側に床面清掃装置10が旋回する。
【0031】
吸気ユニット15は、装置本体11の内部において、後述のバッテリー14の上側に設けられている。吸気ユニット15は、後述の吸気ノズル18から空気を吸い込む吸引力を発生させるものであり、複数の吸気ファン151(送風機)と、吸気マニホールド152と、排気マニホールド153とを有する。吸気マニホールド152は、幅方向D3に並んで設けられた3つの吸気ポート154を有しており、各吸気ポート154それぞれに吸気用のフレキシブルホース24が接続されている。また、排気マニホールド153には排気管(不図示)の一方側が接続されている。なお、前記排気管の他方側はシャーシ11Bに接続されており、その排気口はシャーシ11Bと床面23との間の空間に配置されている。これにより、吸気ファン151が駆動されると、各フレキシブルホース24の先端の吸気口から空気が吸い込まれ、その空気は、フレキシブルホース24、吸気マニホールド152、吸気ファン151、排気マニホールド153、前記排気管を通って、前記排気口から外部に排出される。
【0032】
バッテリー14は、装置本体11の中心部に設けられている。バッテリー14は、モーター13及び吸気ファン151に駆動用の電力を供給する。また、バッテリー14は、後述するホルダ移動機構50の昇降用のモーター56(図12参照)に駆動用の電力を供給する。
【0033】
図2に示すように、収集ボックス16は、装置本体11の背面に設けられている。収集ボックス16は、装置本体11に装着された状態で、カバー161によって覆われている。装置本体11の背面側には、収集ボックス16を着脱可能に支持するための支持ホルダ17が設けられており、この支持ホルダ17に収集ボックス16が取り外し可能に装着されている。なお、カバー161は、支持ホルダ17に取り付けられている。
【0034】
支持ホルダ17には、3つの吸気ポート174が設けられている。吸気ポート174は、支持ホルダ17の前側の側面を貫通して、収集ボックス16の排出口に至っている。各吸気ポート174それぞれにフレキシブルホース24の端部が接続されている。また、支持ホルダ17の下部には吸気ノズル18が設けられており、支持ホルダ17の側部には拡張ノズル19が設けられている。各ノズル18,19は、収集ボックス16に連通している。これにより、吸気ユニット15が駆動されると、吸気ノズル18及び拡張ノズル19から吸い込まれた空気が収集ボックス16を通ってフレキシブルホース24に流入する。なお、収集ボックス16、支持ホルダ17、吸気ノズル18の詳細については後述する。
【0035】
図3及び図4は、床面清掃装置10の後方側の外観を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、拡張ノズル19は、支持ホルダ17の左側に設けられている。支持ホルダ17の左側には、後述する収容部176が設けられており、収容部176に拡張ノズル19を収容可能である。拡張ノズル19は、支持ホルダ17に支持されている。具体的には、拡張ノズル19は、収容部176に収容される収容姿勢(図1及び図3に示される姿勢)と、収容部176から左側へ倒されて装置本体11の左側の床面23を清掃可能な側方清掃姿勢(図4及び図8に示される姿勢)との間で姿勢変化可能なように、支持ホルダ17に支持されている。本実施形態では、拡張ノズル19は、支持ホルダ17の下端部付近を回動中心として前記収容姿勢と前記側方清掃姿勢との間で回動可能に支持されている。なお、図3では、拡張ノズル19が前記収容姿勢に配置された状態が示されており、図4では、拡張ノズル19が前記側方清掃姿勢に配置された状態が示されている。
【0036】
操作部20は、装置本体11の背面の上部に設けられている。操作部20は、外装カバー11Aに取り付けられている。操作部20は、オペレータよって操作される装置であり、例えば、タッチ操作が可能なタッチパネルを有する端末装置である。床面清掃装置10に対する各種の清掃情報(走行ルート、清掃エリア、清掃時間帯、帰還位置などの情報)は、操作部20から入力することができる。入力された清掃情報は、制御ユニット40に転送され、制御ユニット40による走行制御に用いられる。
【0037】
表示パネル21は、装置本体11の前面に設けられている。表示パネル21は、例えば液晶パネルである。表示パネル21には、清掃中に各種のアナウンス情報が制御ユニット40によって表示される。前記アナウンス情報は、例えば、清掃中であることを示す情報、清掃しているフロアに関する案内情報などである。
【0038】
ホルダ移動機構50は、装置本体11の内部に設けられており、図2に示すように、装置本体11の背面側に設けられている。ホルダ移動機構50は、支持ホルダ17を上下方向D1へ移動可能に支持するとともに、上下方向D1の駆動力を支持ホルダ17に伝達して、支持ホルダ17を上下方向D1へ移動させる。なお、ホルダ移動機構50の詳細については後述する。
【0039】
制御ユニット40は、装置本体11の上部に設けられている。制御ユニット40は、床面清掃装置10の走行、吸気ユニット15の吸気ファン151の駆動、ホルダ移動機構50による支持ホルダ17の昇降、表示パネル21の画面表示などを制御する。制御ユニット40は、例えば、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器、HDDやフラッシュメモリなどの記憶媒体又は記憶装置などを有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。制御ユニット40は、前記ROM又は記憶装置に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより、床面清掃装置10の走行、吸気ファン151の駆動、支持ホルダ17の昇降などを制御する。
【0040】
[支持ホルダ17]
図5及び図6は、外装カバー11Aが取り外された床面清掃装置10を示す斜視図である。図5及び図6に示すように、床面清掃装置10の背面側に支持ホルダ17が設けられている。装置本体11の内部には、シャーシ11Bの後端部から上方へ延びる板状の縦フレーム11Cが設けられている。縦フレーム11Cに支持ホルダ17が取り付けられている。本実施形態では、後述するように、支持ホルダ17は、装置本体11の縦フレーム11Cに上下方向D1へ移動可能なように支持されている。
【0041】
図7は、支持ホルダ17の構成を示す斜視図である。図7に示すように、支持ホルダ17は、上下方向D1に延びるベース部171と、ベース部171に固定されたボックス収容部172と、を有する。
【0042】
ベース部171は、板金を屈曲加工して形成されたものであり、縦フレーム11Cに取り付けられるベース板171Aと、ベース板171Aの幅方向D3の両端それぞれから後方へ突出する側板171B,171Cとにより構成されている。ベース板171Aの上端には、フレキシブルホース24の端部を接続するための3つの吸気ポート174が取り付けられている。吸気ポート174は、ベース板171Aから前方へ突出する筒形状に形成されている。
【0043】
ベース板171Aの後方側の面の上端部には、3つの連通穴175が形成されている。連通穴175は、吸気ポート174に対応する位置に形成されている。収集ボックス16がボックス収容部172に装着された状態で、収集ボックス16の側面に設けられた排出ポート167(図11参照)が連通穴175に接続される。これにより、収集ボックス16から吸引可能なように、フレキシブルホース24と収集ボックス16とが接続される。
【0044】
なお、収集ボックス16の内部には、排出ポート167から排出される空気から塵埃などのゴミ類を捕集して取り除き、清浄な空気にするエアーフィルター169(図12参照)が設けられている。エアーフィルター169として、例えば、ケミカルフィルターや、HEPAフィルター、ULPAフィルターなどを用いることができる。
【0045】
ボックス収容部172は、収集ボックス16を着脱可能に支持する。ボックス収容部172は、ベース部171の後方側の面に固定されており、ベース部171において幅方向D3の中央に配置されている。ボックス収容部172は、板金を屈曲加工して形成されたものであり、ベース部171に固定される取付板172Aと、取付板172Aの幅方向D3の両端それぞれから後方へ突出する側板172B,172Cとにより構成されている。ボックス収容部172は、ベース部171よりも、幅方向D3の長さが短いため、図7に示すように、ボックス収容部172は、ベース部171における側板171Bと側板171Cとにより囲まれたスペースに収容される。
【0046】
図7に示すように、ボックス収容部172の後方側は開放されており、上方側も開放されている。したがって、図8に示すように、収集ボックス16は、カバー161に設けられた不図示の扉を開けた状態で、このボックス収容部172に対して後方の斜め上方へ引き上げることができ、ボックス収容部172から収集ボックス16を容易に取り外すことができる。ここで、図8は、床面清掃装置10の後方部の側面図であり、図8(A)は、収集ボックス16がボックス収容部172に装着された状態を示し、図8(B)は、収集ボックス16がボックス収容部172から取り外された状態を示す。
【0047】
図7に示すように、ボックス収容部172の底面172Dに幅方向D3に長い長方形状の開口177が形成されている。開口177は、後述する吸気ノズル18に連通している。ボックス収容部172に収集ボックス16が装着された状態で、収集ボックス16の底面16Aに設けられた吸気口168(図8(B)参照)が開口177に位置合わせされる。これにより、吸気ノズル18と収集ボックス16とが連通し、吸気ノズル18から空気とともに吸い上げられた塵埃が吸気口168を通じて収集ボックス16に収集可能となる。
【0048】
また、ボックス収容部172の左側の側板172Bの下部には、拡張ノズル19に連通する開口178が形成されている。ボックス収容部172に収集ボックス16が装着された状態で、収集ボックス16の側面に設けられた他の吸気口(不図示)が開口178に位置合わせされる。これにより、拡張ノズル19と収集ボックス16とが連通し、拡張ノズル19から空気とともに吸い上げられた塵埃が前記吸気口を通じて収集ボックス16に収集可能となる。
【0049】
[収集ボックス16]
収集ボックス16は、後述の吸気ノズル18の吸入口181(図8参照)から吸引された塵埃などのゴミ類(吸引物)を収集するものであり、内部が空洞のボックス形状に形成されている。図6に示すように、収集ボックス16は、前後方向D2に薄い長方形状に形成されている。図8に示すように、収集ボックス16の内部には、吸気口168を開閉するためのシート状のフラップ163が設けられている。フラップ163は、弾性を有するPET樹脂などの合成樹脂で構成されている。
【0050】
フラップ163の前方側の端部は収集ボックス16の底面16Aに固定されており、この固定端から後方斜め上方へ向けて延出している。フラップ163の延出端は、収集ボックス16の後方側の側面16Bに当接している。フラップ163の前記延出端は自由端であり、フラップ163の前記固定端を中心に揺動可能である。
【0051】
このようなフラップ163が設けられているため、吸気が行われていない場合は、フラップ163は、その弾性によって側面16B側へ付勢している。このため、フラップ163の前記延出端は側面16Bに当接しており、吸気口168はフラップ163によって覆われている。したがって、収集ボックス16に収集されたゴミ類は吸気口168から外部へ漏れ出ることはない。また、収集ボックス16がボックス収容部172から取り外された場合も、フラップ163によって吸気口168が覆われているため、ゴミ類は吸気口168から外部へ漏れ出ない。
【0052】
一方、吸気ファン151が駆動されて吸気が行われると、収集ボックス16の内部が負圧となり、これにより、吸気口168から空気が内部に流入してくる。このときの空気の流入によって、フラップ163は側面16B側への付勢力に抗して、前方側へ撓まされる。これにより、吸気口168がフラップ163によって覆われなくなり、吸気口168から内部に円滑に吸気が吸い込まれる。なお、吸気ファン151の駆動が停止すると、フラップ163は元の状態に戻されて、吸気口168を再び覆う。
【0053】
[吸気ノズル18]
図8に示すように、吸気ノズル18は、吸気ファン151が作動した場合に、床面23から空気とともに塵埃などのゴミ類を吸い上げる部分である。吸気ノズル18は、床面23から上方へ所定の隙間ΔTを隔てた位置に吸入口181を有する。つまり、吸入口181は、床面23から上方へ隙間ΔTを隔てた位置に配置されている。吸気ノズル18は、支持ホルダ17の下端部に設けられている。本実施形態では、吸気ノズル18は、支持ホルダ17のボックス収容部172と一体に形成されている。
【0054】
吸気ノズル18は、幅方向D3に長い形状であり、ボックス収容部172の底面172Dの外周から下方へ突出する四角筒状の外周壁182によって構成されている。つまり、吸気ノズル18とボックス収容部172とは、底面172D(図7参照)によって上下に隔てられている。言い換えると、吸気ノズル18の上側に、収集ボックス16と、収集ボックス16を支持するボックス収容部172とが設けられている。外周壁182の下方側は開放されており、上述の吸入口181を形成している。
【0055】
吸気ノズル18の吸入口181の後方側の縁部には、床面23へ延びる弾性を有するシート状のシール部材185が設けられている。シール部材185は、幅方向D3に長い長方形状であり、吸入口181の幅方向D3の全域に接合されている。シール部材185によって、吸入口181の後方側の縁部と床面23との隙間ΔTが塞がれている。
【0056】
吸気ノズル18には、一対の回転ブラシ26(26A,26B)が回転可能に設けられている。回転ブラシ26は、前後方向D2に並んで配置されている。各回転ブラシ26の回転軸261(図11図12参照)は、吸気ノズル18における幅方向D3の両端の側板184(図12参照)に貫通して回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、一対の回転ブラシ26が吸気ノズル18に設けられた例について説明するが、回転ブラシ26の数は一対(2本)に限定されず、1本でも、3本以上であってもよい。
【0057】
図12に示すように、支持ホルダ17には、回転ブラシ26に駆動力を供給するモーター62が設けられている。ここで、図12は、図2における切断線XII-XIIの断面を示す模式図である。モーター62は、側板172Cと側板171Cとの間に設けられた収容部179に設けられている。モーター62の回転駆動力は、複数のギヤで構成された伝達機構64を経て、回転軸261に伝達される。床面清掃装置10の走行時にモーター62が制御ユニット40によって駆動されると、回転ブラシ26が回転されて、床面23のゴミ類の回収が良好に行われる。
【0058】
一対の回転ブラシ26のうち、前方側に位置する回転ブラシ26Aの回転軸261に回転コロ60(本発明の回転体の一例)が回転自在に支持されている。回転コロ60は、回転軸261の両端それぞれに取り付けられている。より詳細には、図12に示すように、回転コロ60は、吸気ノズル18の側板184から幅方向D3の外側に突出した回転軸261の両端部それぞれに取り付けられている。
【0059】
回転コロ60は、その外周面が吸入口181の周縁部と床面23との間に位置するように、支持ホルダ17に設けられている。つまり、図12に示すように、床面清掃装置10が図1に示す走行姿勢にある場合に、回転コロ60は吸入口181の縁部から下方へ突出しているが、床面23には接触していない。
【0060】
図9は、支持ホルダ17を上下方向D1へ移動可能に支持するスライド支持機構を示す斜視図である。
【0061】
支持ホルダ17は、前記スライド支持機構によって、装置本体11の縦フレーム11Cに上下方向D1へ移動可能に支持されている。前記スライド支持機構は、幅方向D3に隔てて配置された一対のスライドレール67である。図9に示すように、支持ホルダ17のベース部171に上下方向D1へ延びる板状の支持片171Dが設けられており、縦フレーム11Cにも上下方向D1へ延びる板状の支持片11C1が設けられており、これらに周知のスライドレール67が取り付けられている。詳細には、スライドレール67のアウターメンバーが支持片11C1に固定されており、スライドレール67のインナーメンバーが支持片171Dに固定されている。
【0062】
なお、支持ホルダ17のスライド支持機構は、上述のスライドレール67に限られない。上下方向D1へ移動可能に支持ホルダ17を支持するものであれば、如何なる構成の支持機構であっても適用可能である。
【0063】
本実施形態では、スライドレール67は、吸気ノズル18を後述の清掃位置(図8(A)に示す位置)と後述のメンテナンス位置(図10に示す位置)との間で移動可能なように支持ホルダ17を支持する。ここで、前記清掃位置は、吸入口181が床面23から上方へ前記隙間ΔTを隔てた位置であり、床面清掃装置10の走行時に十分な吸引力で床面23を清掃可能な位置である。前記隙間ΔTは、例えば、10mmから20mm程度である。また、前記メンテナンス位置は、吸気ノズル18に吸引不能な異物が混入したり、吸気ノズル18にゴミ類が詰まったり、回転ブラシ26にゴミ類が付着した場合に、これらの異物やゴミ類を除去可能な高さ位置であり、例えば、床面23から吸入口181までの高さが100mm程度の位置である。
【0064】
図9に示すように、支持ホルダ17には、コイルバネ70(本発明の弾性部材の一例)が設けられている。コイルバネ70は、その身長方向に長い形状であり、その一方端が支持片171Dの下端部に固定されており、他方端は縦フレーム11Cの下端部に固定されている。また、縦フレーム11Cの上端部には、滑車72が取り付けられており、コイルバネ70が滑車72に掛けられている。このように支持されたコイルバネ70は、支持ホルダ17の幅方向D3の両端部それぞれに設けられている。なお、本実施形態では、弾性部材の一例としてコイルバネ70を例示したが、例えば、コイルバネ70に替えて、ゴムなどで構成された弾性を有するゴム紐を適用することも可能である。
【0065】
コイルバネ70は、例えば、吸気ノズル18、収集ボックス16、及び支持ホルダ17の総重量による下方(重力方向)の力よりも小さいバネ力で支持ホルダ17を上方向へ付勢する。本実施形態では、コイルバネ70によって支持ホルダ17が上方へ付勢された状態で、吸気ノズル18、収集ボックス16、及び支持ホルダ17による下方への荷重が1kgf(≒9.8N)となるようにコイルバネ70のバネ力が定められている。
【0066】
[ホルダ移動機構50]
図11は、支持ホルダ17単体を前方側から見た図であり、ホルダ移動機構50が示されている。ホルダ移動機構50は、大径プーリー51と、小径プーリー52と、環状のベルト53と、ピニオンギヤ54と、ラックギヤ55と、昇降用のモーター56(図12参照)とにより構成されている。
【0067】
大径プーリー51及び小径プーリー52は、ベース板171Aに回転可能に支持されている。大径プーリー51と小径プーリー52とにベルト53が巻回されている。大径プーリー51の側面の中心には、ピニオンギヤ54が一体に形成されている。このピニオンギヤ54は、縦フレーム11Cに設けられた上下方向D1に延びるラックギヤ55に噛み合わされている。ピニオンギヤ54は、ベース板171Aにおいて幅方向D3の中心に配置されている。小径プーリー52にモーター56の出力軸が連結されている。
【0068】
図12に示すように、モーター56は収容部179に設けられている。モーター56の回転駆動力は、その出力軸に連結された小径プーリー52、ベルト53、大径プーリー51、ピニオンギヤ54、ラックギヤ55を経て、上下方向D1の力に変換される。この力を受けることにより、支持ホルダ17は重力に逆らって上方へ移動することができる。
【0069】
モーター56は、ステッピングモーターである。モーター56は、制御ユニット40によって駆動制御される。本実施形態では、操作部20からメンテナンス指示が入力されると、制御ユニット40は、モーター56を制御して、初期位置として前記清掃位置に配置されていた支持ホルダ17をカバー161と共に上昇させて、前記メンテナンス位置に配置させる。そして、前記メンテナンス位置に支持ホルダ17を保持させる。その後、メンテナンス終了の信号が入力されると、制御ユニット40は、モーター56を制御して、支持ホルダ17を下降させて、前記清掃位置に配置させる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態では、回転コロ60が支持ホルダ17に設けられているため、清掃対象である床面23に凸凹や段差、起伏などがある場合に、床面清掃装置10の自律走行中において、吸気ノズル18が起伏等に接触する前に、回転コロ60が起伏等に接触する。回転コロ60が起伏等に接触すると、回転コロ60には、上方向の外力が加えられる。この外力を受けることによって、支持ホルダ17は装置本体11に対して上方へ移動する。つまり、初期位置の前記清掃位置から上方へ移動して、吸気ノズル18を前記清掃位置から上方へ退避させる。その結果、吸気ノズル18が起伏等に接触することが回避され、吸気ノズル18と起伏等との接触に起因する異常旋回や転倒を防止することが可能となる。
【0071】
また、吸気ノズル18に回転ブラシ26が設けられており、回転コロ60が回転ブラシ26の回転軸261に回転自在に支持されているため、回転コロ60を支持する構成を別途設けることなく、回転コロ60を吸気ノズル18とともに支持ホルダ17に設けることができる。
【0072】
また、回転コロ60が回転軸261の両端部それぞれに設けられているため、幅方向の一方側の側板が起伏に接触したことに起因する急な旋回を防止することができる。
【0073】
また、2つの回転ブラシ26が床面清掃装置10の進行方向(前後方向D2)に並んで設けられている場合に、回転コロ60は、前方側の回転ブラシ26Aの回転軸261に回転可能に支持されているため、床面清掃装置10が進行方向に走行している場合に、吸気ノズル18が床面23の起伏等に当接するよりも先に確実に回転コロ60が起伏に接触する。これにより、異常旋回や転倒を防止することができ、かつ、吸気ノズル18の破損を防止することができる。
【0074】
また、床面清掃装置10にはコイルバネ70が設けられているため、回転コロ60が起伏等に接触したときに受ける上方向の外力が、支持ホルダ17等の総重量による重力方向の力よりも小さい場合であっても、コイルバネ70のバネ力の補助を得て、支持ホルダ17を軽い外力で上方へ円滑に移動させることができる。
【0075】
また、床面清掃装置10には、ホルダ移動機構50が設けられているため、吸気ノズル18に吸引不能な異物が混入したり、吸気ノズル18や回転ブラシ26にゴミ類が詰まったりした場合に、支持ホルダ17を清掃位置からメンテナンス位置まで上昇させることができる。これにより、吸気ノズル18を容易にメンテナンスすることが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
10 :床面清掃装置
11 :装置本体
11A :外装カバー
11B :シャーシ
11C :縦フレーム
11C1 :支持片
12 :走行部
13 :モーター
14 :バッテリー
16 :収集ボックス
17 :支持ホルダ
18 :吸気ノズル
19 :拡張ノズル
24 :フレキシブルホース
26,26A :回転ブラシ
40 :制御ユニット
50 :ホルダ移動機構
51 :大径プーリー
52 :小径プーリー
53 :ベルト
54 :ピニオンギヤ
55 :ラックギヤ
56 :モーター
60 :回転コロ
62 :モーター
67 :スライドレール
70 :コイルバネ
72 :滑車
121 :車輪
122 :キャスター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12