(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 50/54 20060101AFI20220817BHJP
H01H 50/20 20060101ALI20220817BHJP
H01H 50/64 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H01H50/54 B
H01H50/20 B
H01H50/64 A
(21)【出願番号】P 2019028887
(22)【出願日】2019-02-20
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】三宅 彩加
(72)【発明者】
【氏名】松島 弘一郎
(72)【発明者】
【氏名】小材 裕二
(72)【発明者】
【氏名】南崎 平
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-071512(JP,A)
【文献】特開2010-257923(JP,A)
【文献】実開昭54-001169(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0026427(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/00-50/92
H01H 45/00-45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースを覆うケースと、
上下方向に延び、前記ベースに支持される第1固定端子と、
前記第1固定端子に接続された第1固定接点と、
前記第1固定端子に接続された第3固定接点と、
上下方向に延び、前記ベースに支持され、前記第1固定端子に対して左右方向に離れて配置される第2固定端子と、
前記第2固定端子に接続された第2固定接点と、
前記第2固定端子に接続された第4固定接点と、
左右方向に延びる第1可動接触片と、
前記第1可動接触片に接続され、前記第1固定接点と向かい合う第1可動接点と、
前記第1可動接触片に接続され、前記第2固定接点と向かい合う第2可動接点と、
左右方向に延び、前記第1可動接触片に対して上下方向に離れて配置され、前記第1可動接触片と別体の第2可動接触片と、
前記第2可動接触片に接続され、前記第3固定接点と向かい合う第3可動接点と、
前記第2可動接触片に接続され、前記第4固定接点と向かい合う第4可動接点と、
前記第1可動接触片と前記第2可動接触片とに接続され
、上下方向において前記ベースに支持される連結部材と、
コイルと、前記連結部材に接続された可動鉄心とを含み、前記コイルから発生する磁力によって可動鉄心が移動することで、前記第1可動接触片と前記第2可動接触片とを
前後方向に移動させる駆動装置と、
を備え、
前記第1~第4可動接点が、それぞれ前記第1~第4固定接点に接触している状態で、前記第1可動接触片と前記第2可動接触片とは、前記第1固定端子と前記第2固定端子に対して、電気的に互いに並列に接続され
、
前記連結部材は、
前記可動鉄心に接続された連結部と、
前記連結部から下方に延び、前記第1可動接触片を支持する第1支持部と、
前記連結部から上方に延び、前記第2可動接触片を支持する第2支持部と、
を含み、
前記連結部材の下端は、前記ベース上に配置され、
前記連結部材の上端は、前記ケースに近接して配置される、
リレー。
【請求項2】
前記第1可動接触片は、前記第1可動接点と前記第2可動接点との間において、前記連結部材に接続されており、
前記第2可動接触片は、前記第3可動接点と前記第4可動接点との間において、前記連結部材に接続されている、
請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記第1固定接点と前記第3固定接点とは、前記第1固定端子において前記
上下方向に互いに離れて配置され、
前記第2固定接点と前記第4固定接点とは、前記第2固定端子において前記
上下方向に互いに離れて配置される、
請求項1
又は2に記載のリレー。
【請求項4】
前記第1可動接点が前記第1固定接点に接触し、且つ、前記第2可動接点が前記第2固定接点に接触している状態で、前記第1可動接触片を前記第1固定端子及び前記第2固定端子に向けて押圧する第1接点バネと、
前記第3可動接点が前記第3固定接点に接触し、且つ、前記第4可動接点が前記第4固定接点に接触している状態で、前記第2可動接触片を前記第1固定端子及び前記第2固定端子に向けて押圧する第2接点バネと、
をさらに備える、
請求項1から
3のいずれかに記載のリレー。
【請求項5】
前記駆動装置は、前記コイルが巻回されたスプールをさらに含み、
前記可動鉄心の少なくとも一部は、前記スプール内に配置される、
請求項1から
4のいずれかに記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーには、一対の固定接点と1つの可動接触片とを備えるものがある。例えば、特許文献1のリレーでは、可動接触片は1対の可動接点を有している。一対の可動接点は、可動接触片の長手方向に互いに離れて配置されている。一対の可動接点は、それぞれ、一対の固定接点に向かい合って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リレーでは、固定接点と可動接点との間において接触抵抗が生じる。従って、上記のリレーのように、固定接点と可動接点との組が2つある構造では、リレーにおける接触抵抗が高くなる。特に、高電流を開閉する高容量型のリレーでは、電流の二乗に比例して、発熱が多くなる。そのため、発熱を抑制するために、低接触抵抗が要求される。
【0005】
本発明の目的は、リレーにおいて、接触抵抗を低減し、温度上昇を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るリレーは、第1固定端子と、第1固定接点と、第3固定接点と、第2固定端子と、第2固定接点と、第4固定接点と、第1可動接触片と、第1可動接点と、第2可動接点と、第2可動接触片と、第3可動接点と、第4可動接点と、連結部材と、駆動装置とを備える。第1固定接点と第3固定接点とは、第1固定端子に接続される。第2固定接点と第4固定接点とは、第2固定端子に接続される。第1可動接点は、第1可動接触片に接続され、第1固定接点と向かい合う。第2可動接点は、第1可動接触片に接続され、第2固定接点と向かい合う。第2可動接触片は、第1可動接触片と別体である。第3可動接点は、第2可動接触片に接続され、第3固定接点と向かい合う。第4可動接点は、第2可動接触片に接続され、第4固定接点と向かい合う。連結部材は、第1可動接触片と第2可動接触片とに接続される。駆動装置は、コイルと可動鉄心とを含む。可動鉄心63は、連結部材に接続される。駆動装置は、コイルから発生する磁力によって可動鉄心63が移動することで、第1可動接触片と第2可動接触片とを移動させる。第1~第4可動接点が、それぞれ第1~第4固定接点に接触している状態で、第1可動接触片と第2可動接触片とは、第1固定端子と第2固定端子に対して、電気的に互いに並列に接続される。
【0007】
本態様に係るリレーでは、第1可動接触片と第2可動接触片とは、第1固定端子と第2固定端子に対して、電気的に互いに並列に接続される。従って、第1可動接点と第3可動接点とにおいて、電流が分流される。第2可動接点と第4可動接点とにおいて、電流が分流される。それにより、リレーの接触抵抗を低減し、温度上昇を抑えることができる。
【0008】
また、第1可動接触片と第2可動接触片とは、互いに別体である。そのため、一体の可動接触片に第1~第4可動接点が設けられる場合と比べて、第1~第4可動接点を、それぞれ第1~第4固定接点に安定的に接触させることができる。
【0009】
第1可動接触片は、第1可動接点と第2可動接点との間において、連結部材に接続されてもよい。第2可動接触片は、第3可動接点と第4可動接点との間において、連結部材に接続されてもよい。この場合、第1固定端子と第2固定端子との間の距離を大きくすることができる。
【0010】
連結部材は、連結部と、第1支持部と、第2支持部とを含んでもよい。連結部は、可動鉄心に接続されてもよい。第1支持部は、連結部から第1可動接触片に向かって延びていてもよい。第1支持部は、第1可動接触片を支持してもよい。第2支持部は、連結部から第2可動接触片に向かって延びていてもよい。第2支持部は、第2可動接触片を支持してもよい。この場合、連結部材によって、第1可動接触片と第2可動接触片とを安定的に支持することができる。
【0011】
第1可動接触片及び第2可動接触片は、第1方向に延びていてもよい。第1方向は、第1可動接触片及び第2可動接触片の移動方向に交差する方向であってもよい。第1固定端子と第2固定端子とは、第1方向に互いに離れて配置されていてもよい。第1可動接触片及び第2可動接触片は、第2方向に互いに離れて配置されてもよい。第2方向は、移動方向及び第1方向に交差する方向であってもよい。
【0012】
第1固定接点と第3固定接点とは、第1固定端子において第2方向に互いに離れて配置されてもよい。第2固定接点と第4固定接点とは、第2固定端子において第2方向に互いに離れて配置されてもよい。第1固定端子と第2固定端子とは、それぞれ第2方向に延びていてもよい。
【0013】
リレーは、ハウジングをさらに備えてもよい。ハウジングは、第2方向において、第1固定端子と第2固定端子とを支持してもよい。第1固定端子と第2固定端子とは、第2方向において、リレーの外方へハウジングから突出していてもよい。
【0014】
連結部材は、第2方向においてハウジングに支持されてもよい。この場合、別体の第1可動接触片と第2可動接触片とが設けられることで、連結部材への負荷が大きくなっても、連結部材の動作を安定させることができる。
【0015】
リレーは、第1接点バネと第2接点バネとをさらに備えてもよい。第1可動接点が第1固定接点に接触し、且つ、第2可動接点が第2固定接点に接触している状態で、第1接点バネは、第1可動接触片を第1固定端子及び第2固定端子に向けて押圧してもよい。第3可動接点が第3固定接点に接触し、且つ、第4可動接点が第4固定接点に接触している状態で、第2接点バネは、第2可動接触片を第1固定端子及び第2固定端子に向けて押圧してもよい。この場合、各接点での接触圧を増大させることができる。
【0016】
駆動装置は、コイルが巻回されたスプールをさらに含んでもよい。可動鉄心の少なくとも一部は、スプール内に配置されてもよい。この場合、駆動装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リレーにおいて、接触抵抗を低減し、温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図11】第2変形例に係る連結部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して実施形態に係るリレー1について説明する。
図1及び
図2は、実施形態に係るリレー1の斜視図である。
図3は、リレー1の分解斜視図である。
図4は、リレー1の側面図である。
図5は、リレー1の正面図である。
【0020】
図1から
図5に示すように、リレー1は、接点装置2と、ハウジング3と、駆動装置4とを備える。接点装置2と駆動装置4とは、ハウジング3内に配置されている。ハウジング3は、ベース11と、
図4に示すケース12とを含む。なお、
図4では、ベース11及びケース12が断面で示されている。
図1から
図3及び
図5では、ケース12は省略されている。
【0021】
なお、以下の説明において、ベース11に対して接点装置2及び駆動装置4が配置される方向が上方と定義され、その反対の方向が下方と定義される。また、上下方向(Z)に対して交差する所定の方向が、前後方向(Y)と定義される。上下方向(Z)及び前後方向(Y)に対して交差する所定の方向が、左右方向(X)と定義される。左右方向(X)は、第1方向の一例である。上下方向(Z)は、第2方向の一例である。ただし、これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、リレー1の配置方向を限定するものではない。
【0022】
接点装置2は、第1固定端子13と、第2固定端子14と、第1固定接点21と、第2固定接点22と、第3固定接点23と、第4固定接点24とを含む。第1固定端子13と第2固定端子14とは、例えば銅などの導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子13と第2固定端子14とは、それぞれ上下方向(Z)に延びている。第1固定端子13と第2固定端子14とは、左右方向(X)に互いに離れて配置されている。第1固定端子13と第2固定端子14とは、ベース11に支持されている。
【0023】
第1固定端子13は、第1接点支持部131と第1外端子部132とを含む。第2固定端子14は、第2接点支持部141と第2外端子部142とを含む。第1接点支持部131と第2接点支持部141とは、ハウジング3内に配置されている。第1外端子部132と第2外端子部142とは、ハウジング3の外方に突出している。第1外端子部132と第2外端子部142とは、ベース11から下方に突出している。
【0024】
第1固定接点21と第3固定接点23とは、第1接点支持部131に接続されている。第1固定接点21と第3固定接点23とは、第1固定端子13と別体である。第1固定接点21と第3固定接点23とは、第1固定端子13において上下方向(Z)に互いに離れて配置されている。
【0025】
第2固定接点22と第4固定接点24とは、第1固定接点21と第3固定接点23とから、左右方向(X)に離れて配置されている。第2固定接点22と第4固定接点24とは、第2接点支持部141に接続されている。第2固定接点22と第4固定接点24とは、第2固定端子14と別体である。第2固定接点22と第4固定接点24とは、第2固定端子14において上下方向(Z)に互いに離れて配置されている。第1~第4固定接点21-24は、例えば銀、或いは銅などの導電性を有する材料で形成されている。
【0026】
接点装置2は、第1可動接触片15と、第2可動接触片16と、第1可動接点31と、第2可動接点32と、第3可動接点33と、第4可動接点34とを含む。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、左右方向(X)に延びている。第1可動接触片15及び第2可動接触片16の長手方向は、左右方向(X)に一致する。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、互いに別体である。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、上下方向(Z)に互いに離れて配置されている。
【0027】
第2可動接触片16は、第1可動接触片15の上方に配置されている。第1可動接触片15は、上下方向において、第2可動接触片16とベース11との間に配置されている。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、前後方向(Y)において、第1固定端子13の第1接点支持部131と、第2固定端子14の第2接点支持部141とに向かい合って配置されている。第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、例えば銅などの導電性を有する材料で形成されている。
【0028】
第1可動接点31と第2可動接点32とは、第1可動接触片15と別体である。第1可動接点31と第2可動接点32とは、第1可動接触片15に接続されている。第1可動接点31と第2可動接点32とは、左右方向(X)に離れて配置されている。第1可動接点31は、第1固定接点21と向かい合って配置されている。第2可動接点32は、第2固定接点22と向かい合って配置されている。
【0029】
第3可動接点33と第4可動接点34とは、第2可動接触片16と別体である。第3可動接点33と第4可動接点34とは、第2可動接触片16に接続されている。第3可動接点33と第4可動接点34とは、左右方向(X)に離れて配置されている。第3可動接点33は、第1可動接点31から上下方向(Z)に離れて配置されている。第4可動接点34は、第2可動接点32から上下方向(Z)に離れて配置されている。第3可動接点33は、第3固定接点23と向かい合って配置されている。第4可動接点34は、第4固定接点24と向かい合って配置されている。第1~第4可動接点31-34は、例えば銀、或いは銅などの導電性を有する材料で形成されている。
【0030】
接点装置2は、連結部材17を含む。連結部材17は、第1可動接触片15と第2可動接触片16とに接続されている。第1可動接触片15は、第1可動接点31と第2可動接点32との間において、連結部材17に接続されている。第2可動接触片16は、第3可動接点33と第4可動接点34との間において、連結部材17に接続されている。連結部材17は、樹脂などの絶縁材製である。
【0031】
詳細には、
図6は、連結部材17の拡大図である。
図6に示すように、連結部材17は、連結部25と、第1支持部41と、第2支持部42と、第1接続部43と、第2接続部44とを含む。連結部25は、前後方向(Y)に延びている。第1支持部41は、連結部25から下方に向かって延びている。第1支持部41は、第1可動接触片15を支持する。第1支持部41は、第1支持孔411を含む。第1可動接触片15は、第1支持孔411内に配置されている。
【0032】
第2支持部42は、連結部25から上方に向かって延びている。第2支持部42は、第2可動接触片16を支持する。第2支持部42は、第2支持孔421を含む。第2可動接触片16は、第2支持孔421内に配置されている。
【0033】
図4に示すように、連結部材17の上端は、ケース12に近接して配置されている。連結部材17の下端は、ベース11上に配置されている。連結部材17は、上下方向(Z)においてベース11に支持されている。
【0034】
接点装置2は、第1接点バネ51と第2接点バネ52とを含む。第1接点バネ51は、第1可動接触片15と第1支持部41との間に配置されている。第1接点バネ51は、第1支持孔411内に配置されている。第1可動接点31が第1固定接点21に接触し、且つ、第2可動接点32が第2固定接点22に接触している状態で、第1接点バネ51は、第1可動接触片15を第1固定端子13及び第2固定端子14に向けて押圧する。
【0035】
第2接点バネ52は、第2可動接触片16と第2支持部42との間に配置されている。第2接点バネ52は、第2支持孔421内に配置されている。第3可動接点33が第3固定接点23に接触し、且つ、第4可動接点34が第4固定接点24に接触している状態で、第2接点バネ52は、第2可動接触片16を第1固定端子13及び第2固定端子14に向けて押圧する。
【0036】
図7及び
図8は、リレー1の上面断面図である。駆動装置4は、電磁力によって第1可動接触片15と第2可動接触片16とを動作させる。駆動装置4は、接触方向及び開離方向に第1可動接触片15と第2可動接触片16とを動作させる。接触方向は、前後方向(Y)において可動接点31-34が固定接点21-24に近づく方向である。開離方向は、前後方向(Y)において可動接点31-34が固定接点21-24から離れる方向である。駆動装置4は、コイル61と、スプール62と、可動鉄心63と、固定鉄心64と、ヨーク65とを含む。
【0037】
コイル61は、スプール62に巻回されている。コイル61の軸線は、前後方向(Y)に延びている。スプール62は、コイル61の軸線方向に延びる孔621を含む。可動鉄心63の少なくとも一部は、スプール62の孔621内に配置されている。可動鉄心63は、連結部材17に接続されている。可動鉄心63は、接触方向及び開離方向に移動可能に設けられている。固定鉄心64は、スプール62の孔621内に配置されている。固定鉄心64は、前後方向(Y)において、可動鉄心63と向かい合って配置されている。コイル61は、通電されることで可動鉄心63を接触方向に移動させる電磁力を発生させる。ヨーク65は、コイル61を囲むように配置されている。ヨーク65は、コイル61によって構成される磁気回路上に配置されている。ヨーク65は、コイル61の前方、後方、左方、及び右方に配置されている。
【0038】
リレー1は、第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とを含む。第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とは、連結部材17と駆動装置4との間に配置されている。第1復帰バネ53は、連結部材17の第1接続部43に接続される。第2復帰バネ54は、連結部材17の第2接続部44に接続される。第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とは、可動鉄心63を開離方向に付勢している。
【0039】
次に、リレー1の動作について説明する。コイル61に通電されていないときには、駆動装置4は励磁されていない。この場合、連結部材17は、可動鉄心63と共に、復帰バネ53,54の弾性力によって開離方向に押圧されている。そのため、連結部材17は、
図7に示す開位置に位置している。この状態で、連結部材17を介して、第1可動接触片15及び第2可動接触片16も開離方向に押圧されている。従って、連結部材17が開位置で、第1可動接点31及び第2可動接点32は、第1固定接点21及び第2固定接点22から開離している。同様に、連結部材17が開位置で、第3可動接点33及び第4可動接点34は、第3固定接点23及び第4固定接点24から開離している。
【0040】
コイル61に通電されると、駆動装置4が励磁される。この場合、コイル61の電磁力により、可動鉄心63が、復帰バネ53,54の弾性力に抗して、接触方向に移動する。それにより、連結部材17と第1可動接触片15と第2可動接触片16とが共に接触方向に移動する。従って、
図8に示すように、連結部材17は、閉位置へ移動する。その結果、連結部材17が閉位置で、第1可動接点31及び第2可動接点32は、第1固定接点21及び第2固定接点22にそれぞれ接触する。同様に、連結部材17が閉位置で、第3可動接点33及び第4可動接点34は、第3固定接点23及び第4固定接点24にそれぞれ接触する。それにより、第1可動接触片15及び第2可動接触片16とは、第1固定端子13と第2固定端子14に対して、電気的に互いに並列に接続される。
【0041】
コイル61への電流が停止され消磁されると、可動鉄心63は、復帰バネ53,54の弾性力によって開離方向に押圧される。それにより、連結部材17と第1可動接触片15と第2可動接触片16とが共に開離方向に移動する。従って、
図7に示すように、連結部材17は、開位置へ移動する。その結果、連結部材17が開位置で、第1可動接点31及び第2可動接点32は、第1固定接点21及び第2固定接点22から開離する。同様に、連結部材17が開位置で、第3可動接点33及び第4可動接点34は、第3固定接点23及び第4固定接点24から開離する。
【0042】
以上説明した本実施形態に係るリレー1では、第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、第1固定端子13と第2固定端子14に対して、電気的に互いに並列に接続される。従って、第1可動接点31と第3可動接点33とにおいて、電流が分流される。第2可動接点32と第4可動接点34とにおいて、電流が分流される。それにより、リレー1の接触抵抗を低減することができる。
【0043】
また、第1可動接触片15と第2可動接触片16とは、互いに別体である。そのため、一体の可動接触片に第1~第4可動接点31-34が設けられる場合と比べて、第1~第4可動接点31-34を、それぞれ第1~第4固定接点21-24に安定的に接触させることができる。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
上記の実施形態では、駆動装置4が、連結部材17を駆動装置4側から接点装置2側へ押し出すことで、第1可動接触片15及び第2可動接触片16が開離方向に移動する。また、駆動装置4が連結部材17を接点装置2側から駆動装置4側に引き込むことで、第1可動接触片15及び第2可動接触片16が接触方向に移動する。しかし、接点を開閉するための連結部材17の動作方向は、上記の実施形態と逆であってもよい。すなわち、駆動装置4が連結部材17を駆動装置4側から接点装置2側に押し出すことで、第1可動接触片15及び第2可動接触片16が接触方向に移動してもよい。駆動装置4が連結部材17を接点装置2側から駆動装置4側に引き込むことで、第1可動接触片15及び第2可動接触片16が開離方向に移動してもよい。すなわち、接触方向と開離方向とは、上記の実施形態とは逆であってもよい。
【0046】
第1固定端子13、第2固定端子14、第1可動接触片15、及び第2可動接触片16の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えば、第1外端子部132と第2外端子部142とは、上記の実施形態と異なる方向にベース11から突出してもよい。第1~第4固定接点21-24の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えば、第1固定接点21と第2固定接点23とは、左右方向(X)に離れて配置されてもよい。第2固定接点22と第4固定接点24とは、左右方向(X)に離れて配置されてもよい。第1~第4可動接点31-34についても同様である。
【0047】
コイル61、スプール62、可動鉄心63、固定鉄心64、或いはヨーク65の形状、或いは配置が変更されてもよい。第1~第4固定接点21-24の形状、或いは配置が変更されてもよい。第1~第4可動接点31-34の形状、或いは配置が変更されてもよい。上記の実施形態では、リレー1は、第1復帰バネ53と第2復帰バネ54とを含む。しかし、復帰バネの数は、1つであってもよく、或いは2つより多くてもよい。
【0048】
第1固定接点21、及び/又は、第3固定接点23は、第1固定端子13と一体であってもよい。第1固定接点21、及び/又は、第3固定接点23は、第1固定端子13の一部であって、第1固定端子13の他の部分と面一であってもよい。第2固定接点22、及び/又は、第4固定接点24は、第2固定端子14と一体であってもよい。第2固定接点22、及び/又は、第4固定接点24は、第2固定端子14の一部であって、第2固定端子14の他の部分と面一であってもよい。
【0049】
第1可動接点31、及び/又は、第2可動接点32は、第1可動接触片15と一体であってもよい。第1可動接点31、及び/又は、第2可動接点32は、第1可動接触片15の一部であって、第1可動接触片15の他の部分と面一であってもよい。第3可動接点33、及び/又は、第4可動接点34は、第2可動接触片16と一体であってもよい。第3可動接点33、及び/又は、第4可動接点34は、第2可動接触片16の一部であって、第2可動接触片16の他の部分と面一であってもよい。
【0050】
上記の実施形態では、第1可動接点31と第1固定接点21との間の距離と、第3可動接点33と第3固定接点23との間の距離とは概ね同じである。従って、第1可動接点31と第1固定接点21との接触と概ね同時に、第3可動接点33と第3固定接点23とが接触する。しかし、
図9に示す第1変形例のように、第1可動接点31と第1固定接点21との間の距離D1と、第3可動接点33と第3固定接点23との間の距離D3とは異なってもよい。それにより、アークを発生させる開閉用接点と、通電用接点とを分けることができる。第2、第4可動接点32,34及び第2、第4固定接点22,24についても同様である。
【0051】
連結部材17は、ハウジング3に支持されていなくてもよい。連結部材17は、導電性を有する材料製であってもよい。連結部材17は、金属製であってもよい。連結部材17の形状、或いは配置が変更されてもよい。例えば、
図10は、第2変形例に係るリレー1を示す図である。
図11は、第2変形例に係る連結部材17を示す図である。
【0052】
図10及び
図11に示すように、第1支持部41及び第2支持部42の形状が変更されてもよい。第1支持部41は、第1可動接触片15を貫通するように設けられてもよい。第1支持部41は、ストッパ71,72を含んでもよい。第1可動接触片15と第1接点バネ51とは、ストッパ71,72の間に配置されてもよい。
【0053】
第2支持部42は、第2可動接触片16を貫通するように設けられてもよい。第2支持部42は、ストッパ73,74を含んでもよい。第2可動接触片16と第2接点バネ52とは、ストッパ73,74の間に配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、リレーにおいて、接触抵抗を低減し、温度上昇を抑えることができる。
【符号の説明】
【0055】
3・・・ハウジング、 4・・・駆動装置、 13・・・第1固定端子、 14・・・第2固定端子、 15・・・第1可動接触片、 16・・・第2可動接触片、 17・・・連結部材、 21・・・第1固定接点、 22・・・第2固定接点、 23・・・第3固定接点、 24・・・第4固定接点、 25・・・連結部、 31・・・第1可動接点、 32・・・第2可動接点、 33・・・第3可動接点、 34・・・第4可動接点、 41・・・第1支持部、 42・・・第2支持部、 51・・・第1接点バネ、 52・・・第2接点バネ、 61・・・コイル、 62・・・スプール、 63・・・可動鉄心