(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】ユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム、それが適用されたユーザ端末に用いるイベントシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220817BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220817BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20220817BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/35
A63F13/533
(21)【出願番号】P 2019155023
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】北野 豊文
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-037670(JP,A)
【文献】特開2018-158046(JP,A)
【文献】特開2013-004322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A63F 13/35
A63F 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出機器を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末が、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステムであって、
前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手段と、
を備え
、
前記機器制御手段は、前記付加選択肢の選択を通じて前記ユーザ演出が所定の受付期間に指示された場合に、当該所定の受付期間に対応する時期として前記イベントの進行に応じて当該イベントで予定される演出との競合を避けて予め設定された演出予定時期に前記ユーザ演出が付加されるように前記演出機器を制御する、イベントシステム。
【請求項2】
前記ユーザ演出として複数のユーザ演出が指示される場合の前記所定の受付期間における前記複数のユーザ演出の指示数を累積した累積数、及び前記ユーザ演出の付加が所定の対価と引き換えに指示される場合の前記所定の受付期間における前記対価の額を累積した累積額の少なくもいずれか一方の累積値が大きくなるほど価値が高くなるように前記ユーザ演出を前記累積値に応じて調整後演出に調整する演出調整手段を備え、
前記機器制御手段は、前記ユーザ演出として前記調整後演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する、請求項
1に記載のイベントシステム。
【請求項3】
前記機器制御手段は、前記イベントを撮影した撮影動画が前記ユーザ端末に配信され、前記撮影動画の視聴者が前記ユーザとして機能する場合に、前記撮影動画の前記イベントに含まれる前記演出として前記ユーザ演出が付加されるように、前記撮影動画の前記イベントにおいて前記演出機器を制御する、請求項
1又は2に記載のイベントシステム。
【請求項4】
前記ユーザ端末に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータを、請求項
1~
3のいずれか一項に記載のイベントシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項5】
演出機器を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末が、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手順と、
前記情報取得手順の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、
を実行させ
、
前記機器制御手順は、前記付加選択肢の選択を通じて前記ユーザ演出が所定の受付期間に指示された場合に、当該所定の受付期間に対応する時期として前記イベントの進行に応じて当該イベントで予定される演出との競合を避けて予め設定された演出予定時期に前記ユーザ演出が付加されるように前記演出機器を制御する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出機器を通じた演出を含むイベントのその演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末のコンピュータプログラム、及びそのようなコンピュータプログラムが適用されたユーザ端末のシステムとして機能するイベントシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
演出機器を通じた演出を含むイベントのその演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末のコンピュータプログラム、及びそのようなコンピュータプログラムが適用されたユーザ端末のシステムとして機能するイベントシステムが存在する。例えば、このようなイベントシステムと同種のシステムとして、演出機器の代わりに、イベント会場に設置された大型表示装置に表示されるキャラクタを利用し、そのような大型表示装置のキャラクタを観覧させるイベントを実現するコンテンツ上映システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、キャラクタの動作を制御するためのコマンドの候補が提示され、その候補から選択されたコメントに対応する動作を大型表示装置のキャラクタが実際に実行する。これにより、イベント会場の観客の特性に応じた動作をより簡便にキャラクタに実行させ、ひいては満足度の高いイベントの実現が図られている。一方で、このようなコマンドを介したキャラクタの動作の制御は操作者に限定されており、観客の希望が反映されるわけではない。このため、観客の満足度を向上させる余地がある。また、イベント会場では演出機器を通じた演出が実行される場合も多いが、このような演出機器は、演出時期等が記述された所定のデータを通じて制御されるのが一般的である。しかし、引用文献1のシステムは、このような一般的なイベントにおける演出機器の制御には比較的向いていない。
【0005】
そこで、本発明は、演出機器を通じた演出を含むイベントにおいてそのイベントの参加者の参加意識を向上させることができるイベントシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラムは、演出機器を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末に組み込まれるコンピュータを、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供する選択肢提供手段、及び前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供する結果提供手段として機能させるように構成されたものである。
【0007】
一方、本発明のイベントシステムは、演出機器を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末が、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステムであって、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手段と、前記情報取得手段の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のイベントシステムに用いられるコンピュータプログラムは、前記ユーザ端末に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータを、上述のイベントシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明のイベントシステムに用いられる制御方法は、演出機器を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末が、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステムに組み込まれるコンピュータに、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手順と、前記情報取得手順の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態に係るイベントシステムの概略構成を示す図。
【
図2】イベントシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図4】イベント関連サービスの概要を説明するための説明図。
【
図5】イベント関連サービスの流れの一例を説明するための説明図。
【
図10】選択肢提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】演出付加処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るイベントシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るイベントシステムの全体構成を説明する。イベントシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のネットワーク機器3と、を含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してネットワーク機器3を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びネットワーク機器3のそれぞれをインターネットに接続するLANとによって構築されてよい。なお、ネットワーク機器3とLANとの間には、ネットワーク機器3を制御するローカルサーバ等の各種のコンピュータ装置が適宜に介在してもよい。この場合、このようなコンピュータ装置を通じて制御可能な各種の機器がネットワーク機器3として機能してよい。
【0013】
ネットワーク機器3は、ネットワークNTに接続可能な機器である。ネットワーク機器3は適宜の場所に設置されてよいが、
図1の例ではいずれもイベント会場EFに設置されている。同様に、ネットワーク機器3として各種の機器が利用されてよいが、
図1の例ではカメラ3A及び演出機器3Bが示されている。これらのカメラ3A及び演出機器3Bは、いずれもいわゆるIOT(Internet of Things)機器として構成されたネットワーク機器3である。これらのカメラ3A及び演出機器3Bは、いずれもネットワークNTを介してセンターサーバ2によって動作が制御される。なお、ネットワーク機器3がコンピュータ装置を介してネットワークNTに接続される場合、これらのカメラ3A及び演出機器3Bの動作はコンピュータ装置を介してセンターサーバ2に制御されてもよい。この場合、このようなコンピュータ装置、及びネットワーク機器3は、イベント会場EFにおけるイベントを管理するためのシステムとして構築されてもよい。
【0014】
カメラ3Aは、周知の光学機器である。カメラ3Aは、イベント会場EFにそこで開催されるイベントの状況を撮影するように設置される。演出機器3Bは、各種の演出を実現する周知の出力機器である。演出機器3Bは、イベント会場EFにおいてイベントに適宜の演出を付加するように設置される。演出機器3Bとして適宜の機器が利用されてよいが、
図1の例ではライト3B1、スピーカ3B2、及びスモーク装置3B3が示されている。ライト3B1は、点灯、点滅、消灯、或いは適宜の発色等の照明(光)による各種の視覚的な演出を実行する周知の照明機器である。スピーカ3B2は、各種の音声を再生(出力)することにより聴覚的な演出を実行する周知の音声出力装置である。スモーク装置3B3は、適宜の量のスモーク(煙)を発生させることにより視覚的な演出を実行する周知の装置である。
【0015】
イベントシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末4が接続される場合がある。ユーザ端末4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。例えば、ユーザ端末4は、所定のアプリケーション(ソフトウエア)の実行に伴いカメラ3Aの撮影した撮影動画を表示可能な表示用端末として機能する。ユーザ端末4として適宜のコンピュータ装置が利用されてよいが、
図1の例では携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、及びブック型(据置型でもよい)のパーソナルコンピュータ4Cといったユーザ端末装置が示されている。これらは、例えばアクセスポイントAP等を通じて適宜にネットワークNTに接続される。なお、その他にも、例えば据置型の家庭用ゲーム機、或いは携帯型ゲーム機といったネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末4として利用されてよい。
【0016】
センターサーバ2は、ネットワーク機器3に対して各種の機器用サービスを提供する。機器用サービスは、カメラ3A及び演出機器3Bを制御する制御サービスを含む。また、ネットワーク機器3(あるいはイベントシステム)がプログラム或いはデータを記憶可能に構成される場合、機器用サービスは、ネットワークNTを介して、このようなプログラム或いはデータを配信し、更新するデータ配信サービスを含んでもよい。
【0017】
同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、カメラ3Aの撮影結果に対応する動画を配信する動画配信サービス、及びそのような動画に関連するイベント関連サービスを含んでいる。動画配信サービスは、カメラ3Aの撮影結果を動画としてパケット通信を利用して随時配信するためのサービスである。つまり、カメラ3Aの撮影結果(イベント会場EFの状況)は、動画配信サービスを通じて随時ストリーミング配信される。イベント関連サービスの詳細は後述する。なお、Webサービスは、例えばその他にも、各ユーザ端末4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)するデータ配信サービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するID付与サービス、ユーザ端末4からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、或いは周知の決済処理を通じてユーザ端末4の各ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
【0018】
次に、
図2を参照してイベントシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0019】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データ23が記憶される。そのようなサーバ用データ23は、機器用サービス、或いはWebサービスの提供に必要な各種のデータを含んでいるが、
図2の例ではそのような各種のデータの一種として、演出データADイベントデータED、、実績データRD、及び動画データMDが示されている。
【0020】
動画データMDは、カメラ3Aの撮影結果に対応する動画をユーザ端末4に表示させるための周知の動画データである。演出データADは、イベントが演出機器3Bを通じた演出として運営側によって予め用意された演出を含む場合にその演出に対応する演出機器3Bの制御を管理するためのデータである。イベントデータEDは、イベント内容(換言すれば、ストリーミング配信中の動画の内容)を管理するためのデータである。実績データRDは、動画の視聴実績等の各種の活動実績をユーザ毎に管理するためのデータである。演出データAD、実績データRD、イベントデータED、及び動画データMDの詳細は更に後述する。なお、サーバ用データ23は、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、ユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ、或いは動画に関連する各種の要素が販売される場合にはそれらの販売実績を管理する販売データ等が含まれてよい。しかし、それらの図示は省略した。
【0021】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、機器用サービス管理部24、及び端末用サービス管理部25が設けられる。機器用サービス管理部24は、ネットワーク機器3に対して上述の機器用サービスを実現するための各種処理を実行する。このような処理には、制御サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、機器用サービス管理部24は、このような処理として、例えば演出付加処理を実行する。一方、端末用サービス管理部25は、ユーザ端末4に対して各種のWebサービスを実現するための各種の処理を実行する。このような処理には、動画配信サービス、及びイベント関連サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、端末用サービス管理部25は、動画配信サービスを実現するための処理として、ストリーミング配信を実現する周知の処理を実行する。また、端末用サービス管理部25は、イベント関連サービスを実現するための処理として、例えば選択肢提供処理を実行する。演出付加処理、及び選択肢提供処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0022】
一方、ユーザ端末4には、コンピュータとしての制御ユニット41と、記憶手段としての記憶部42とが設けられる。制御ユニット41は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0023】
記憶部42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット41に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部42には、動画の表示、或いはWebサービスの享受に必要な端末データTDが記録される。そのような端末データTDには各種のデータが含まれるが、
図2の例ではその一種として演出データAD、実績データRD、イベントデータED、及び動画データMDが示されている。これらの演出データAD、実績データRD、イベントデータED、及び動画データMDは、イベント関連サービス、或いは動画配信サービス(又はデータ配信サービス)の一部としてセンターサーバ2から提供される。なお、端末データTDには、センターサーバ2から適宜に提供されるID管理データ、及び販売データ等が含まれ得る。また、端末データTDには、例えば、その他にも動画配信に関連する各種の画像を表示するための画像データ、或いは各種のBGMを再生するためのBGMデータ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0024】
制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてWebサービスの享受に必要な各種の処理が実行されるが、これらに関連する論理的装置として、
図2の例では画像制御部43、及びデータ管理部44が示されている。画像制御部43は、各種の画像(動画を含む)を表示するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、動画を表示するための処理(動画配信サービスを享受するための処理)、及びイベント関連サービスの享受のために動画に関連する各種の画像を表示するための処理が含まれる。具体的には、画像制御部43は、このような処理として、例えば選択肢提供処理をセンターサーバ2と協働で実現する。
【0025】
一方、データ管理部44は、記憶部42に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、演出データAD、実績データRD、イベントデータED、及び動画データMDをセンターサーバ2から取得する処理、それらを適宜に更新する処理、或いは更新後のデータをセンターサーバ2に提供(送信)する処理が含まれる。
【0026】
また、ユーザ端末4には、モバイル端末装置4A等のユーザ端末装置等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、
図2の例ではモニタ47、及びスピーカSPがユーザ端末4に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれ動画等の各種の画像を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、
図2の例では、ユーザ端末4に設けられる入力装置として、ユーザのタッチ操作を入力するためのタッチパネル46が示されている。タッチパネルは、ユーザのタッチ操作の位置を検出し、その位置に応じた信号を出力する周知の入力装置(検出装置)である。このようなタッチパネルへのタッチ操作を通じて、ユーザ端末4には動画配信サービス、或いはイベント関連サービスを利用するための適宜のタッチ操作が入力される。
【0027】
次に、
図3を参照して、イベント、及びそのイベントを撮影した動画としてのイベント動画について説明する。
図3は、イベント動画の一例を模式的に示す図である。イベント会場EFでは適宜のイベントが開催されてよいが、以下では複数のプレイヤがゲームのプレイ結果を競う大会がイベントとして開催される場合について説明する。この場合、イベント会場には、例えば、大会が開催されるステージ、そのステージに設置されるゲーム機、そのステージの上方に配置される大型モニタ、及びその大会の様子を解説するための解説ブースが設けられる。イベント会場EFには適宜の数のカメラ3Aが各所に配置され、イベント動画60はそれら各所のカメラ3Aの撮影結果として構成され得るが、
図3の例は解説者、ステージ、及びその上方の大型モニタを撮影範囲に含むように解説ブースに設置されたカメラCAが撮影した撮影結果としてイベント動画60が構成される場合を示している。この場合、
図3に示すように、イベント動画60は、ステージ画像61、大型モニタ画像62、及び解説者画像63を含んでいる。
【0028】
ステージ画像61は、イベント会場EFに設置されたステージに対応する撮影画像である。このようなステージには、ゲーム機が配置され、そのゲーム機を介して複数のプレイヤがゲームをプレイする。また、ステージには、そのようなイベントを進行する司会者(いわゆるMC)が登壇する場合もある。このため、ステージ画像61は、これらのゲーム機、プレイヤ、及び司会者にそれぞれ対応するゲーム機画像61A、プレイヤ画像61B、及び司会者画像61Cを含んでいる。大型モニタ画像62は、イベント会場EFに設置された大型モニタに対応する撮影画像である。イベント会場EFでは、例えば、ステージを撮影した撮影結果、或いはプレイヤがプレイ中のゲームのゲーム画面(ゲーム機が提供中のゲーム画面)等が適宜に映し出される。このため、大型モニタ画像62にも、このようなゲーム画面等に対応する画像が適宜に含まれる。また、解説者画像63は、解説ブースにおいてゲームのプレイ状況(対戦状況)を適宜解説する解説者に対応する撮影画像である。一例として、このようなイベントが開催され、それに対応するイベント動画60が動画配信サービスを通じてユーザ端末4に配信される。なお、イベント会場EFは適宜に構成されてよい。例えば、解説ブースはイベント会場EFから離れた場所(イベント会場EFと異なる場所)に設置されてもよい。つまり、イベント会場EFは解説ブースを含んでいなくてもよい。このような場合、解説者は別途専用モニタ等を通じてイベント状況を把握してよい。また、例えば解説時のイベント動画60には、解説者画像63の背景にステージ画像61A等のイベント会場EFの画像が合成されてもよい。つまり、あたかもイベント会場EFにおいて解説者が解説しているかのようにイベンド動画60が構成されてもよい。
【0029】
次に、
図4~
図5を参照して、モバイル端末装置4Aがユーザ端末4として利用される場合を例に、イベント関連サービスの詳細について説明する。動画配信サービスは、ストリーミング配信を通じてカメラ3Aの撮影結果(イベントの状況)をほぼリアルタイムにユーザ端末4に配信する周知のサービスである。一方、イベント関連サービスは、このような動画配信サービスを通じて配信される動画、或いはその動画によってほぼリアルタイムに表示されるイベントに関連する各種の情報、若しくは選択肢をユーザに提供するサービスである。これらのサービスには説明の便宜のために別々の名称が使用されているが、動画配信サービス及びイベント関連サービスの一方は他方の一部として構成されてもよい。
【0030】
図4は、イベント関連サービスの概要を説明するための説明図である。
図4に示すように、イベント関連サービスの一部として、モバイル端末装置4Aのモニタ47には、チケット画面50が表示される。また、チケット画面50は、情報領域51、及び各種の選択肢OPを含んでいる。例えば、動画配信サービスを通じてイベントを撮影したイベント動画60が配信される場合に、チケット画面50にはそのイベントに関連する各種の要素に対応する選択肢OPが表示される。このような要素として、イベントの出演者やイベント会場EFの演出機器3Bといったイベントに含まれる各種の要素、或いはイベント動画60自体が利用されてよい。このため、選択肢OPには、例えばイベント動画60、或いはそこに表示される実際のイベントに影響を与えるための選択肢OPが含まれる。そして、そのような選択肢OPが選択された場合には、実際にイベント動画60、或いはイベントに選択肢OPに応じた影響が付与される。このため、これらの選択肢OPは、イベント動画60、或いはイベントに影響を与えるための権利(もしくは特典)として機能する。
【0031】
具体的には、チケット画面50は、例えば“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、“サイネージMSG券”用選択肢OP3、及び“関連グッズ購入券”用選択肢OP4の4つの選択肢OPを含んでいる。“スモーク演出券”用選択肢OP1、及び“ライティング演出券”用選択肢OP2は、実際のイベントに影響を与える選択肢OPとして機能し、いずれもそのような影響として演出機器3Bの制御を通じた所定の演出を付加するために使用される。より具体的には、“スモーク演出券”用選択肢OP1は、イベント会場EF(イベント)にスモークの演出を付加するための選択肢OPである。同様に、“ライティング演出券”用選択肢OP2は、イベント会場EF(イベント)にライティング(照明)の演出を付加するための選択肢OPである。これらの選択肢OPが選択された場合、その選択結果を示す情報がセンターサーバ2に送信され、センターサーバ2を介して実際にスモーク装置3B3等が所定の演出を付加するように制御される。具体的には、“スモーク演出券”用選択肢OP1が選択された場合には所定量(あるいは時間)のスモークを発生させるようにスモーク装置3B3が制御され、“ライティング演出券”用選択肢OP2が選択された場合には所定の点灯等を実行するようにライト3B1が制御される。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1の選択に伴いスモーク演出が、“ライティング演出券”用選択肢OP2の選択に伴いライティング演出が、それぞれイベントに実際に付加される。
【0032】
一方、“サイネージMSG券”用選択肢OP3は、イベント動画60に影響を与える選択肢OPとして機能し、そのような影響としてイベント動画60に広告、コメント、或いはメッセージといった情報を付加するために使用される。このような広告等の情報は、固定(例えば支払った対価の額等)、任意(自由入力)、指定(複数の候補からの選択)といった適宜の手法で設定されてよいが、一例として視聴者P3の自由入力(文章、或いは記号等)によって任意に設定される。そして、“サイネージMSG券”用選択肢OP3が選択された場合には、その選択結果を示す情報がセンターサーバ2に送信され、そのような選択に伴う適宜の広告等がセンターサーバ2を介して実際にイベント動画60に付加される。つまり、“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択に伴い、そのような広告等の付加されたイベント動画60が実際に配信される。なお、上述のとおり演出機器3B(あるいはネットワーク機器3)は各種の機器を含んでよいが、例えば大型モニタ等の電子看板を含んでいてもよい。そして、このような電子看板がイベント会場EFに設置され、演出機器3Bの一種として利用される場合、“サイネージMSG券”用選択肢OP3(あるいはそれに対応するチケット)は、そのような電子看板に広告等の情報を表示させるための選択肢OP(あるいは権利)として機能してもよい。つまり、“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択(チケットの使用)に伴い自由入力された文章等がイベント会場EFの電子看板に表示されてもよい。あるいは、“サイネージMSG券”用選択肢OP3は、そのような電子看板、及びイベント動画60の両方に広告等の情報を表示させる(それぞれに少なくとも一部が相違する情報を表示させる場合を含む)選択肢OPとして機能してもよい。さらに、イベント動画60用のサイネージMGS券と電子看板用のサイネージMSG券とが別々に選択肢OPとして用意されてもよい。
【0033】
また、“関連グッズ購入券”用選択肢OP4は、イベントに関連する各種の要素を購入するための選択肢OPである。このような要素として、イベントに関連する各種のグッズ(例えば、イベントの参加者或いは出演者が使用するためのグッズ、郵送等により送付されるグッズ、及び電子的なグッズを含む)、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択が有料の場合にはそれらの選択肢OPを選択するための権利、或いはイベントの出演者への払い込み(いわゆるおひねり、或いは投げ銭)といった適宜の要素が利用されてよい。“関連グッズ購入券”用選択肢OP4が選択された場合、その選択結果を示す情報がセンターサーバ2に送信され、その選択に対応する各種の要素が実際に付与される。
【0034】
これらの選択肢OPに対応する対価は各選択肢OPの提供後に別途徴収される等、適宜に徴収されてよいが、一例として各選択肢OPに対応する権利(チケット)が事前(チケット画面50の提供前)に購入(徴収)され、そのような権利に対応する選択肢OPが選択可能なようにチケット画面50に提示される。具体的には、“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応するスモーク演出券、“ライティング演出券”用選択肢OP2に対応するライティング演出券、“サイネージMSG券”用選択肢OP3に対応するサイネージMSG券、及び“関連グッズ購入券”用選択肢OP4に対応する関連グッズ購入券が事前に購入されている場合、これらにそれぞれ対応する選択肢OPが提示される。これらのチケットはWebサービス、或いはチケット購入画面(不図示)等の適宜の手法で適宜の時期に事前購入されてよい。また、そのような購入に伴う所定の対価の徴収は、各種の電子通貨(各種のアプリケーション、或いは物理的なカードを介して決済される場合を含む)等を通じて適宜に実行されてよいが、
図4の例ではクレジットカードCDが利用されている。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、“サイネージMSG券”用選択肢OP3、及び“関連グッズ購入券”用選択肢OP4のいずれに対応するチケット(権利)も対価の徴収と引き換えに購入され、それらにそれぞれ対応する演出或いはグッズ等の要素が各選択肢OPの選択に伴い特典として実際に付与される。
【0035】
より具体的には、例えば、クレジットカードCDによる所定の対価の徴収と引き換えにライティング演出券が事前に購入されている場合には、“ライティング演出券”用選択肢OP2がチケット画面50に表示される。そして、この選択肢OP2が選択された場合には、その選択結果(徴収結果を含んでよい)がセンターサーバ2に提供され、センターサーバ2は“ライティング演出券”用選択肢OP2に対応する所定の演出(ライティング)を実行するようにライト3B1の動作を制御し、イベント会場EFのイベントに実際にそのようなライティング演出が付加される。また、イベントは演出機器3Bを通じた演出を含み、そのような演出はイベント動画60を通じて配信されるが、“ライティング演出券”用選択肢OP2の選択に伴うライティング演出の付加も、イベント動画60を通じて各モバイル端末装置4Aに配信される。つまり、イベント動画60を通じて、“ライティング演出券”用選択肢OP2の選択の選択結果がその選択を行ったユーザに届けられる。
図3の例において、イベント動画60が本発明の撮影動画として機能する。また、各選択肢OPが本発明の付加選択肢として機能する。
【0036】
一方、情報領域51は、配信中のイベント動画60のイベントに関する各種の情報を表示するための領域である。情報領域51には、このような情報として、例えばイベント名(“Aイベント”)、及び残時間(“30:00”)が表示される。残時間は、“スモーク演出券”用選択肢OP1等に対応する演出、或いは“サイネージMSG券”用選択肢OP3に対応するコメント等の情報の付加が実行されるまで残り時間を示す情報である。各選択肢OPに対応する演出(以下、ユーザ演出としての視聴者演出と呼ぶ場合がある)等は、選択後すぐ(各種所定の処理に要する時間を考慮した所定時間)に付与されてもよいし、バッチ処理等を通じて適宜の固定時期に付与されてもよいが、一例として予めイベントの運営者が適宜の固定時期に付与される。このような固定時期(以下、演出予定時期と呼ぶ場合がある)には、それに対応する受付期間が設定される。受付期間は開始時期(運営者等により適宜に設定されてよい)から演出予定時期、或いはそれよりも所定時間手前等の終了時期まで適宜に設定されてよいが、一例として複数の演出予定時期が設定される場合における前回の演出予定時期から次回の演出予定時期のまでの期間が受付期間として設定される。残時間を通じて、このような次回の演出予定時期までの残り時間が示される。結果として、このような次回の演出予定時期までに各選択肢OPの選択を通じて一人の視聴者、或いは複数の視聴者による複数の視聴者演出等の指示が実行される。このような複数の視聴者演出等の指示は、互いに独立的に個別に実行されてもよいし、少なくとも一部が統合(集約)される等により適宜に調整されてもよいが、一例としてそのような指示の数、或いは対価の額の累計に応じて価値(効果、或いは演出の場合、豪華になる等の演出の度合い)が大きくなるように調整される。また、このような演出予定時期は一つのイベントに複数用意され、指示の数等に応じた調整は演出予定時期毎に実行される。
【0037】
図4の例では、情報領域51に残時間として30分を示す“30:00”が表示されている。つまり、残時間の情報(適宜に更新されてよいが、一例としてチケット画面50の表示毎に更新)は、次回の演出予定時期に対応する受付時間の残り時間が30分であり、30分後に次回の演出予定時期が到来することを示している。このため、各選択肢OPに対応する視聴者演出等の指示は、30分後まで累積され、30分後にまとめて付与される。具体的には、視聴者演出等の指示の数、或いは対価の額が30分後まで累積され、その累積数、或いは累積額に応じて調整後演出に調整される。そして、各視聴者演出等の代わりに、この調整後演出が実際のイベント(或いはイベント動画60)に付与される。つまり、受付期間の指示数を累積した累積数、或いはそれらの各指示に対応する対価の額を累積した累積額に応じて価値が大きくなる調整後演出が次回の演出予定時期に付加される。
【0038】
このような調整後演出は、指示数等に応じて価値が大きくなる限り、適宜に設定されてよいが、一例として所定の累積数、或いは所定の累積額毎に段階的に複数の候補が予め用意され、30分後に累積数等が到達した段階(候補)に対応する演出が調整後演出として決定される。例えば、ライティング演出の候補として累積額が壱萬円に到達した場合にはレインボーライティング、或いは八千円に到達した場合に三色ライティング(一つ、或いは複数のライト3B1を順に七色、或いは三色に発光させる演出)等が各段階の候補として用意され、これらの候補から実際の累積額に応じて調整後演出が決定される。なお、累積額等の累積実績として適宜の実績が利用されてよく、例えばその他にも累積人数(視聴者演出等の指示を行った人数の累積値)が利用されてもよい。
【0039】
図5は、イベント関連サービスの流れの一例を説明するための説明図である。以下では、ユーザ端末4のユーザのうちイベント動画60を視聴するユーザを視聴者と、イベント(大会)においてゲーム機を介してゲームをプレイするプレイヤを出演者と、それぞれ呼ぶ場合がある。
図5に示すように、イベント関連サービスは、例えばF1~F5までの五つの手順を含んでいる。具体的には、まずイベント会場EFのイベント状況がイベント動画60として、各モバイル端末装置4Aに動画配信サービスを通じて配信される(F1)。イベントは出演者P1を含み、この出演者P1がイベント会場EFにおいて実際にイベントを実現しているが、このような動画配信サービスを通じてイベント動画60の視聴者P3もイベントの実現に寄与する。
【0040】
また、イベント動画60の視聴中、各モバイル端末装置4Aには、所定の時期、或いはユーザの選択等の適宜の条件に基づいてチケット画面50が表示される。チケット画面50は、イベント動画60と同時に表示されてもよいし、イベント動画60とは別々の時期に時差的に表示されてもよい。上述のとおり各選択肢OPに対応するスモーク演出券等の各チケット(権利)は事前に購入され、その所有数は適宜に管理されてよいが、一例としてそれらの所有数は実績データRDによって管理される。また、このような実績データRDは、イベント動画60の配信開始と同時等の適宜の時期にセンターサーバ2からユーザ端末4に提供されてよいが、未取得の場合、ユーザ端末4はセンターサーバ2に実績データRDを要求する。この要求には、各視聴者P3を識別するために視聴者P3毎にユニークなユーザIDの情報が含まれる。センターサーバ2は、このような要求に伴い、その要求に対応する視聴者P3の実績データRDをユーザ端末4に送信する(F2)。そして、ユーザ端末4は、そのような実績データRDを参照しつつ、視聴者P3が所有するチケットに対応する選択肢OPを含むようにチケット画面50を提示する。そして、このようなチケット画面50における選択結果の情報(使用情報)はセンターサーバ2に送信される(F3)。
【0041】
センターサーバ2は、ユーザ端末4から選択結果を取得すると、その選択結果を演出予定時期まで蓄積する。このような蓄積は、適宜の手法によって実現されてよいが、一例として演出データADを介して累積数等の累積実績(値)を管理することにより実現される。そして、センターサーバ2は、演出予定時期の到来に伴い、蓄積された選択結果(累積値)に応じて適宜の特典を付与する。具体的には、チケット画面50における選択結果が、例えば“スモーク演出券”用選択肢OP1、或いは“ライティング演出券”用選択肢OP2に対応する場合、センターサーバ2は、蓄積された累積値が対応する演出(例えば、累積額が壱萬円であればレインボーライティング、八千円であれば三色ライティング)を視聴者演出に対応する調整後演出として決定する。そして、センターサーバ2は、イベント会場EFに設置されたスモーク装置3B3、或いはライト3B1といった演出機器3Bをそのような調整後演出を実現するように制御する(F4)。結果として、チケット画面50における選択結果が実際にイベント会場EFのイベントに反映され、イベント状況と連動する(F5)。
【0042】
同様に、チケット画面50における選択結果が、“サイネージMSG券”用選択肢OP3に対応する場合、センターサーバ2は広告等の所定の情報をイベント動画60に付加する。この場合も累積額等に応じたコメント、位置、範囲、或いは大きさ等が用意され、それらに応じて付加対象のコメント等が調整される。結果として、チケット画面50における選択結果が実際にイベント動画60に反映され、イベント動画60の配信と連動する。“関連グッズ購入券”用選択肢OP4に対応するチケットとしてイベント、或いはイベント動画60に影響を与える要素が販売されている場合には、“関連グッズ購入券”用選択肢OP4が選択された場合も同様である。一例として、このような流れでイベント関連サービスは実現される。
【0043】
次に、演出データAD、実績データRD、イベントデータED、及び動画データMDの詳細について説明する。演出データADは、上述のとおり予め用意された演出を実現するためのデータである。
図6は、演出データADの構成の一例を示す図である。予め用意された演出には、累積額等に応じた段階毎の調整後演出も含まれる。
図6の例は、このような調整後演出を管理する部分に対応する演出データADを示している。この場合、
図6に示すように、演出データADは、調整後演出の候補及びその演出予定時期をイベント毎に関連づけて管理する演出レコードADRを含んでいる。このような管理を実現するために、演出レコードADRは、例えば“イベントID”、“機器ID”、“演出候補”、“時期”、及び“累積実績”の情報を含んでいる。
【0044】
“イベントID”は、複数のイベントが演出データADを通じて管理される場合に、各イベントを識別するためにイベント毎にユニークなイベントIDを示す情報である。イベント毎に演出データADが用意される場合、“イベントID”の情報は省略されてもよい。“機器ID”は、各演出機器3Bを識別するために演出機器3B毎にユニーク(同じライト3B1間でもユニーク)な機器IDを示す情報である。例えば、このような機器IDとして、ネットワークNTにおいて演出機器3B毎に固有に割り当てられるアドレス(例えばIPアドレス)が利用されてよい。
【0045】
また、“演出候補”は、各演出機器3Bが実行すべき演出(各演出機器3Bに実行させるべき制御内容)としての調整後演出の候補を示す情報である。例えば、レインボーライティング、或いは三色ライティングといった段階毎の調整後演出の候補(種類)が“演出候補”の情報として記述される。また、“演出候補”の情報は、レインボーライティングを実現するためのライト3B1の制御内容等、各候補の演出を実現するための演出機器3Bの制御内容の情報を含んでいてもよい。“時期”は、演出予定時期を示す情報である。例えば、“時期”には、特定の基準時期(例えば、演出開始時期、或いはイベントの運営者等によって適宜の時期に実行される特定の操作の時期等)からの経過時間が演出予定時期の情報として記述される。“累積実績”は、演出予定時期毎の視聴者演出の指示数、或いは対価の額の累積実績を示す情報である。つまり、累積額等の演出予定時期毎の指示実績の情報が“累積実績”に記述され、この情報により管理される。演出レコードADRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、演出データADは、これらの情報に限定されず、演出機器3Bの特性、或いはイベントの特性等に応じて演出機器3Bの制御により各種の演出を実現するための適宜の情報を管理してよい。
【0046】
図7は、実績データRDの構成の一例を示す図である。
図7の例は、各視聴者P3の実績として各選択肢OPに対応するチケットの所有数を管理する部分の実績データRDを示している。この場合、
図7に示すように、実績データRDは、各チケットの所有数を視聴者P3毎に管理する実績レコードRDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、実績レコードRDRは、“ユーザID”、“イベントID”、“チケットID”、及び“数量”の情報を含んでいる。
【0047】
“ユーザID”は、各視聴者P3に対応するユーザIDを示す情報である。“イベントID”は、演出データADの“イベントID”の情報と同様である。“チケットID”は、イベント毎に販売される各チケット(権利、或いは特典)を識別するためにチケット毎にユニークなチケットIDを示す情報である。例えば、ライティング演出券(“ライティング演出券”用選択肢OP2)、スモーク演出券(“スモーク演出券”用選択肢OP1)、広告情報等を付加するサイネージMSG券(“サイネージMSG券”用選択肢OP3)、或いは関連グッズ券(“関連グッズ購入券”用選択肢OP4)といったチケット(特典)毎にユニークなチケットIDの情報が“チケットID”に記述される。“数量”は、各チケットの所有数を示す情報である。実績レコードRDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、実績データRDは、これらの情報に限定されず、イベント、或いはイベント動画の特性等に応じて適宜の情報を管理してよい。
【0048】
図8は、イベントデータEDの構成の一例を示す図である。
図8の例は、イベントの内容としてイベントに出演する出演者P1及びその出演時間が管理される場合を示している。また、このようなイベントデータEDは、例えばチケット画面50における各選択肢OPがイベントの出演者P1と関連付けられる場合に、各選択肢OPの選択とそれに対応する出演者P1とを特定するため、或いは出演者P1に固有のチケットが存在する場合はそのようなチケットの販売の可否を判別するために使用される。
図8に示すように、このようなイベントデータEDは、出演者P1及びその出演時期をイベント毎に関連づけて管理するイベントレコードEDRを含んでいる。このような管理を実現するために、イベントレコードEDRは、例えば“イベントID”、“出演者ID”、及び“出演時間”の情報を含んでいる。
【0049】
“イベントID”は、演出データAD等の“イベントID”の情報と同様である。“出演者”は、各イベントに出演する各出演者P1を識別するために出演者P1毎にユニークな出演者IDの情報である。“出演時間”は、各出演者P1の出演時間を示す情報である。“出演時間”には、演出データADの“時期”の情報と同様に、特定の基準時期からの経過時間が演出時期の情報として記述される。イベントレコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、イベントデータEDは、これらの情報に限定されず、イベントの特性等に応じて適宜の情報を管理してよい。あるいは、例えばイベントの出演者P1が一人の場合、若しくは出演者P1の管理が不要な場合等、このようなイベントデータEDは適宜に省略されてもよい。
【0050】
図9は、動画データMDの構成の一例を示す図である。動画配信サービスでは、各種の動画が適宜に配信されてよいが、
図9の例はイベント動画60に対応する動画データMDの構成の一例を示している。
図9に示すように、この場合、動画データMDは、イベント動画60を表示するための映像データ等をイベント動画60毎に管理するための動画レコードMDRを含んでいる。このような管理を実現するために、動画レコードMDRは、例えば“動画ID”、“イベントID”、“映像データ”、及び“音声データ”の情報を含んでいる。
【0051】
“動画ID”は、各動画を識別するために動画毎にユニークな動画IDを示す情報である。また、“イベントID”は、演出データAD等の“イベントID”の情報と同様である。一方、“映像データ”、及び“音声データ”は、イベント動画60の映像部分、或いは音声部分をそれぞれ表示或いは再生するために所定のフォーマットに従って構成されたデータである。動画レコードMDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、動画データMDは、これらの情報に限定されず、各動画の特性、或いはイベントの特性等に応じて適宜の情報を管理してよい。
【0052】
次に、
図10~
図11を参照して、選択肢提供処理、及び演出付加処理について説明する。選択肢提供処理は、チケット画面50を通じて選択肢OPを提供するための処理である。各チケットは選択肢OPの選択後等の適宜の時期に購入されてよく、このような購入時期等に応じてチケット画面50には各選択肢OPが適宜に提示されてよいが、一例として上述のとおり事前に購入され、各視聴者P3の所有するチケットに対応する選択肢OPが表示される。
図10の例は、このような場合の選択肢提供処理の手順の一例を示している。なお、
図10の例では、ユーザ端末4の制御ユニット41によって主として実行される処理がユーザ端末4として、センターサーバ2の制御ユニット21によって主として実行される処理がセンターサーバ2として、それぞれ示されている。
【0053】
ユーザ端末4は、チケット画面50の表示が要求されると
図10の選択肢提供処理を開始し、まずそのユーザ端末4がチケット画面50の提示に必要なデータをセンターサーバ2に要求する(ステップS201)。上述のとおりチケット画面50には、各視聴者P3の所有するチケットに対応する選択肢OPが表示されるため、ユーザ端末4は、このようなデータとして例えば実績データRDをセンターサーバ2に要求する。このため、ユーザ端末4は、各視聴者P3を特定するための情報として各視聴者P3に対応するユーザIDが含まれるように、この要求を実行する。また、チケット画面50には、演出予定時期を示す残時間も表示される。このため、ユーザ端末4は、チケット画面50の提示に必要なデータとして演出データADをセンターサーバ2に要求してもよい。さらに、複数のイベント動画が用意されている場合、視聴者P3が視聴中のイベント動画60に対応するイベントを特定するための情報として、ユーザ端末4は提供中のイベント動画60に対応する動画IDの情報を含むようにセンターサーバ2にデータを要求してもよい。
【0054】
一方、センターサーバ2は、ユーザ端末4からデータが要求されると
図10の選択肢提供処理を開始し、まずユーザ端末4の要求に対応するデータを特定する(ステップS301)。具体的には、センターサーバ2は、まずユーザ端末4の要求に動画IDの情報が含まれる場合には、動画データMDを参照しつつ、その動画IDに対応する“イベントID”を特定する。あるいは、センターサーバ2は、ユーザ端末4から要求があった場合に、動画データMDを参照しつつ、そのユーザ端末4に配信中のイベント動画60に対応する“イベントID”の情報を特定してもよい。次に、センターサーバ2は、その特定した“イベントID”に対応するレコードを含むように、例えば演出データAD及び実績データRDを特定する。続いて、センターサーバ2は、その特定した演出データAD及び実績データRDを要求に対応するデータとしてユーザ端末4に提供(送信)する(ステップS302)。なお、イベント動画60の配信に伴い、既に演出データAD等の必要なデータがユーザ端末4に提供されている場合は、ステップS301~S302の処理は省略されてもよい。
【0055】
また、ユーザ端末4は、センターサーバ2から演出データAD及び実績データRDを取得すると、その演出データAD及び実績データRDに基づいてチケット画面50を介して提供可能な選択肢OP(換言すれば各選択肢OPの提供の可否)を判別する(ステップS202)。具体的には、ユーザ端末4は、まず実績データRDの“チケットID”の情報に基づいてそこに記述されたチケットIDに対応する選択肢OPを提供可能な選択肢OPとして判別する。また、ユーザ端末4は、演出データADの“演出予定時期”の情報を参照し、次回の演出予定時期までの残り時間を残時間として算出してもよい。
【0056】
続いてユーザ端末4は、ステップS202で判別した選択肢OPをチケット画面50に提示することによりユーザに提供する(ステップS203)。この場合において、ユーザ端末4は、提供可能な選択肢OPのみに限定して各選択肢OPを提供してもよいし、選択不可の状態ながら提供不可な選択肢OP(チケットとしては用意されているものの、視聴者P3が未所有のチケットに対応する選択肢OP)も含むように各選択肢OPを提供してもよい。また、ユーザ端末4は、算出した次回の演出予定時期までの残時間を情報領域51に提示してもよい。なお、提供可能な選択肢OPの判別(例えばステップS202の処理)はセンターサーバ2側で実行され、ユーザ端末4はその判別結果を単に提示するだけでもよい。つまり、選択肢提供処理のうちステップS202の処理は省略されてもよい。この場合、その処理の代わりに同様の処理がセンターサーバ2によって実行され、その処理結果(判別結果)の情報がユーザ端末4に提供されてよい。
【0057】
次にユーザ端末4は、終了条件が満たされるか否か判別する(ステップS204)。終了条件は、例えば、チケット画面50においていずれかの選択肢OPが選択された場合、チケット画面50の提供時間が所定時間に到達した場合、或いはチケット画面50に終了ボタン等の終了を示す選択肢が設けられている場合はそのような選択肢が選択された場合に満たされる。終了条件が満たされない場合、ユーザ端末4は、終了条件が満たされるまで所定の間隔毎に繰り返しステップS204の処理を実行する。一方、終了条件が満たされる場合、ユーザ端末4は、終了結果をセンターサーバ2に送信する(ステップS205)。この終了結果には、各選択肢OPが選択された場合にはその選択結果の情報が、各選択肢OPが選択されずに終了条件が満たされた場合にはその未選択の終了を示す情報が、それぞれ含まれる。そして、このような送信の後、ユーザ端末4は今回の選択肢提供処理を終了する。
【0058】
一方、センターサーバ2は、ユーザ端末4から終了結果が送信されると、その結果を取得する(ステップS303)。また、センターサーバ2は、終了結果として各選択肢OPの選択を示す選択結果が送信された場合には、その取得に伴い今回の演出予定時期に対応する演出データADの“累積実績”の情報を更新する。つまり、その選択結果を“累積実績”に反映する。そして、このような取得及びデータの更新の後に、センターサーバ2は今回の選択肢提供処理を終了する。これにより、各視聴者P3が所有するチケットに応じて、チケット画面50に実際のイベント、或いはイベント動画60に影響を与えるための選択肢OPが提示される。また、チケット画面50において各選択肢OPが選択された場合には、その選択結果が“累積実績”として演出データADに反映される。
【0059】
演出付加処理は、選択肢OPに応じた視聴者演出を実際のイベントに付加するための処理である。このような視聴者演出として適宜の演出が実行されてよいが、
図12の例は前回の演出予定時期から次回の演出予定時期までの間における視聴者演出の指示数等の累積実績に応じて視聴者演出の種類が調整される場合の演出付加処理の手順の一例を示している。機器用サービス管理部24は、次回の演出予定時期が到来すると
図11の演出付加処理を開始し、まず演出データADの“累積実績”の情報を参照し、前回の演出予定時期から次回の演出予定時期までの累積実績を特定する(ステップS601)。
【0060】
続いて機器用サービス管理部24は、その取得した累積実績に基づいて各視聴者P3から指示された視聴者演出を調整後演出に調整する(ステップS602)。具体的には、機器用サービス管理部24は、まず演出データADの“演出候補”の情報を参照し、ステップS601で特定した累積実績に応じた候補を特定する。具体的には、例えば視聴者演出としてライティング演出が指示されている場合に、そのライティング演出の指示に対応する累積額が壱万円であればレインボーライティングを、八千円であれば三色ライティングを、累積実績に応じた候補として特定する。そして、機器用サービス管理部24は、視聴者演出に対応するライティング演出をその特定した候補の演出に決定する。一例として、機器用サービス管理部24は、このように視聴者演出を調整する。
【0061】
次に、機器用サービス管理部24は、次回の演出予定時期に付与されるべき視聴者演出として調整後演出(調整後の視聴者演出)を実際にイベントに付加する(ステップS603)。つまり、機器用サービス管理部24は、次回の演出予定時期において調整後演出が実現されるように、イベント会場EFの演出機器3Bを実際に制御する。そして、このような付加(制御)の後に、機器用サービス管理部24は今回の演出付加処理を終了する。
【0062】
図11の手順により、各選択肢OPに対応する視聴者演出が実際にイベントに反映される。また、このような視聴者演出は、演出予定時期毎に蓄積され、その蓄積された累積実績に応じて調整後演出に調整され、反映される。具体的には、視聴者演出は、累積額、或いは累積数に応じて価値が高くなる(演出の度合いが大きくなる)ように調整され、そのような調整後の演出が実際にイベントに付加される。
【0063】
以上に説明したように、この形態によれば、視聴者演出として演出機器3Bを制御するための“ライティング演出券”用選択肢OP2、或いは“スモーク演出券”用選択肢OP1といった選択肢OPがイベント動画60の視聴者P3にチケット画面50を介して提供され、その選択結果(購入結果)に応じて視聴者選出が実際のイベントに付加されるようにイベント会場EFの演出機器3Bが制御される。このため、イベント動画60を視聴する視聴者P3は、そのイベントに視聴者演出として実際に影響を与えることができる。これにより、イベント動画60が単に視聴されるだけの場合に比べて、そのような視聴者P3のイベントへの臨場感を向上させることができる。また、このような視聴者演出の付加は、イベントの盛り上げにも寄与する。結果として、イベント動画60の視聴者P3の満足度はもちろん、そのような視聴者P3の関与を通じてイベントの参加者の満足度も向上させることができる。
【0064】
また、視聴者演出の指示は受付期間毎に累積され、その累積結果(累積実績)がその受付期間に対応する演出予定時期に付加される。このため、演出予定時期を利用して、視聴者演出の付加時期を調整することができる。結果として、視聴者演出の時期をより好ましい時期に設定することができる。例えば、イベントの運営者が予め用意した運営側演出が存在する場合、そのような運営側演出と視聴者演出との競合は好ましくない場合が多い。同様に、イベントの盛り上がりやイベント会場EFの都合(特定時間における特定の演出が規制される等)により視聴者演出が好ましくない場合もある。一方、視聴者演出が演出予定時期に付加される場合には、これらの好ましくない時期を避けるように視聴者演出を実現することができる。さらに、演出予定時期に付加される視聴者演出は、その受付期間における累積実績に応じて調整される。具体的には、累積実績が大きくなるほど価値が大きくなるように視聴者演出が調整される。このため、視聴者演出の指示の数、或いは各視聴者P3の支払う対価の額の増加を促進することができる。また、価値の高い演出の付加によりイベントの盛り上がり等への視聴者P3の関与を高めることができる。さらに、視聴者P3の参加意識の度合い、或いはイベントに対する意識を、そのような指示数、或いは対価の額の大きさを通じてイベントの演出に反映することができるので、イベント動画60の視聴者P3のそのイベントへの参加意識を向上させることができる。
【0065】
以上の形態において、ユーザ端末4の画像制御部43が、
図10のステップS203の処理、及びステップS205の処理を実行することにより本発明の選択肢提供手段、及び結果提供手段としてそれぞれ機能する。一方、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、
図10のステップS303の処理を実行することにより本発明の情報取得手段として機能する。同様に、センターサーバ2の機器用サービス管理部24が、
図11のステップS602の処理、及びステップS605の処理を実行することにより本発明の演出調整手段、及び機器制御手段としてそれぞれ機能する。
【0066】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPの効果は選択時期、或いは購入時期等によって変化せず、一律に生じている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPに対応する特典の効果は、運営側演出の時期と重複する時期(例えば“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応する視聴者演出の時期が運営側演出のスモーク演出の時期と重なる場合)、運営者が設定する特定の時期、或いは特定の出演者P1が出演している時期等の適宜の時期条件に応じて変化してよい。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPには、その効果がそれ以外の時期に比べて高くなる特定時期が設定されていてもよい。そして、端末用サービス管理部25、或いは端末用サービス管理部25は、このような特定時期に“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPに対応する効果(例えば視聴者演出等)が付加される場合に、その特定時期以外の時期に比べて高い効果を付与してもよい。また、このような特定期間として、例えば各チケットに出演者P1が対応付けられる場合にその出演者P1の出演時期が機能してもよい。つまり、各チケットがそれに対応付けられる出演者P1の出演時期に使用された場合に、その出演時期以外の時期よりも高い効果(例えば累積実績に与える影響が通常よりも高く補正される等)が付与されてもよい。
【0067】
上述の形態では、受付期間における指示数の累積数、或いは対価の額の累積額に応じて価値が高くなるように視聴者演出が調整されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、累積数、及び累積額の両方に基準が設定され、両方が基準を満たした場合に視聴者演出が調整されてもよい。この場合の調整は、累積数、及び累積額の両方に応じて実行されてもよいし、いずれか一方に応じ実行されてもよい。
【0068】
上述の形態では、ユーザ端末4を介してイベント動画60を視聴する視聴者P3にチケット画面50が提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。イベントシステム1では、イベント動画60の視聴とは無関係にチケット画面50が提供されてもよい。つまり、イベント関連サービス(チケット画面50の提供、及びそこで選択された選択肢OPに対応する特典の付与)は、イベント動画60、或いは動画配信サービスと無関係に提供されてもよい。この場合、例えば、イベントの参加者P2がイベント会場EFにおいてユーザ端末4を介してイベント関連サービスを享受してもよい。つまり、各種チケットの販売、或いはそれらに対応する特典(演出機器3Bを通じた演出等)は、イベント会場EFの参加者P2に提供されてもよい。この場合において、チケットの使用(あるいは各選択肢OPの選択に伴う特典の付加対象、若しくは各選択肢OPの提供の可否)とそれに対応するイベントとの間の対応関係は、適宜に特定されてよい。例えば、イベント一覧からユーザ(参加者P2)が対象のイベントを選択することにより、これらの間の対応関係が特定されてもよい。もしくは、各チケットは、各イベントに関連づけられて販売されてもよい。つまり、各チケットは、特定のイベントに固有のものとして販売されてよい。そして、例えばユーザ端末4のユーザがイベントに参加しているか否かにかかわらず、そのようなチケットの使用はそのチケットに対応するイベントへの特典の付与指示として機能してよい。もしくは、例えば、イベントの会場EF内に設置されたWi-Fi等の無線設備を利用して通信を行うユーザ(参加者P2)はイベント会場にいると判断され、イベント関連サービスが提供されてもよい。つまり、設備固有の識別情報を利用したりロケーション情報を利用したりしてユーザとイベントとの対応関係が特定されてもよい。そして、これらの場合、動画配信サービスは省略されてもよい。
【0069】
また、チケットの種類は、イベントの出演者ごとに用意されてもよい。つまり、イベントに複数の出演者、あるいは配信される動画に解説者がいる場合、出演者や解説者を特定する属性が設定されたチケットが販売されてもよい。このように人の属性が設定されたチケットはさらに、演出の種類ごとに用意されてもよい。例えば、ある出演者の属性が設定されたサイネージMSG用のチケットが選択肢OPとしてユーザ端末4に表示されてもよい。このように予め出演者や解説者等のイベントまたはイベント動画60の登場者を特定するチケットが用意される場合、購入するユーザは自身が応援したい出演者や解説者をより直接的に応援することができ、自身がイベントにより積極的に参加しているような感覚を持たせることができる。
【0070】
また、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をイベントシステム等の他のシステムが実行してもよい。つまり、本発明のイベントシステムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。一方で、センターサーバ2のみが本発明のイベントシステムとして機能してもよい。
【0071】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0072】
本発明のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム(PG2)は、演出機器(3B)を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)に組み込まれるコンピュータ(41)を、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供する選択肢提供手段(43)、及び前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供する結果提供手段(43)として機能させるように構成されたものである。
【0073】
一方、本発明のイベントシステムは、演出機器(3B)を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)が、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステム(1)であって、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手段(25)と、前記情報取得手段の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手段(24)と、を備えるものである。
【0074】
本発明のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム、及びイベントシステムによれば、ユーザ演出として演出機器を制御するための選択肢がユーザ端末のユーザに提供され、その選択結果に応じてユーザ演出が実際のイベントに付加されるように演出機器が制御される。このため、ユーザ端末のユーザは、そのイベントにユーザ演出として実際に影響を与えることができる。これにより、例えばそのようなユーザ端末のユーザがそのイベントに参加者として参加している場合において、そのイベントの参加者の参加意識を向上させることができる。また、ユーザ端末は適宜のユーザによって使用されてよいが、例えばそのようなユーザはイベントの参加者だけでなく、配信等を通じてイベントの撮影動画を視聴する視聴者(撮影動画を介したイベントの参加者)に該当する場合がある。それらのいずれの場合でもイベントへの参加者意識の向上を図ることができるが、特にユーザが後者に該当するのであれば、イベントの撮影動画が単に視聴されるだけの場合に比べて、そのような撮影動画の視聴者の臨場感を向上させることができる。また、ユーザ演出の付加はイベントの盛り上げにも寄与する。結果として、撮影動画の視聴者の満足度はもちろん、そのような視聴者の関与を通じてイベントの参加者の満足度も向上させることができる。
【0075】
付加選択肢の選択を通じたユーザ演出の指示は適宜に実行されてよい。例えば、そのような指示は随時受け付けられ、随時(各種の通信、及び処理の時間が考慮された即時)に付加されてもよい。あるいは、ユーザ演出は、バッチ処理等を通じて予め設定された固定的時期に付加されてもよい。この場合、固定時期に対応する受付期間が設定され、その受付期間の指示は固定時期まで保留されてよい。つまり、ユーザ演出の指示は所定の受付期間に受付られ、そこで受付された指示に対応するユーザ演出がその受付期間に対応する固定時期に付加されてもよい。具体的には、例えば、本発明のイベントシステムの一態様において、前記付加選択肢の選択を通じて前記ユーザ演出が所定の受付期間に指示された場合に、当該所定の受付期間に対応する時期として予め設定された演出予定時期に前記ユーザ演出が付加されるように前記演出機器を制御してもよい。この場合、演出予定時期を利用して、ユーザ演出の付加時期を調整することができる。このため、ユーザ演出の時期をより好ましい時期に設定することができる。例えば、イベントの運営者が予め用意した運営側演出と競合する時期はユーザ演出の時期として好ましくない場合が多いし、イベントの盛り上がりやイベント会場の都合等によりユーザ演出が好ましくない時期が生じる場合もあるが、これらの好ましくない時期を避けるようにユーザ演出を実現することができる。
【0076】
受付期間、及びそれに対応する演出予定時期が設定される場合において、ユーザ演出の指示は適宜に受けつけられ、適宜に実行されてよい。例えば、受付期間に複数のユーザ演出が指示され、それらにそれぞれ対応する複数のユーザ演出が演出予定時期に実現されてもよい。あるいは、それらの複数のユーザ演出の指示は、一つに集約され、指示数に応じて価値が変化する一つのユーザ演出が実現されてもよい。所定の対価の徴収と引き換えにユーザ演出が指示される場合も同様である。例えば、ユーザ演出の対価は予め固定的であってもよいし、適宜に変化してもよい。対価が変化する場合、ユーザによって任意に設定(入力)されてもよいし、複数の候補が用意され、それらか選択された候補が対価として徴収されてもよい。そして、このような対価の額の変化に応じて、ユーザ演出は演出予定時期に対価の額が大きくなるほど価値が高くなるように付与されてよい。あるいは、複数のユーザ演出が指示される場合、それらは個別に付加されてもよいし、それらの複数の指示に対応する固定的対価(可変的対価を含んでいてよい)の累計額が大きくなるほど価値が高くなるように付加されてもよい。具体的には、例えば、受付期間、及びそれに対応する演出予定時期が設定される態様として、前記ユーザ演出として複数のユーザ演出が指示される場合の前記所定の受付期間における前記複数のユーザ演出の指示数を累積した累積数、及び前記ユーザ演出の付加が所定の対価と引き換えに指示される場合の前記所定の受付期間における前記対価の額を累積した累積額の少なくもいずれか一方の累積値が大きくなるほど価値が高くなるように前記ユーザ演出を前記累積値に応じて調整後演出に調整する演出調整手段(24)を備え、前記機器制御手段は、前記ユーザ演出として前記調整後演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する態様が採用されてもよい。
【0077】
ユーザ端末は適宜のユーザによって使用されてよい。例えば、上述のとおりユーザ端末のユーザはイベントの参加者であってもよいし、そのイベントに対応する撮影動画の視聴者(参加者である場合を含む)であってもよい。このため、本発明のイベントシステムの一態様において、前記機器制御手段は、前記イベントを撮影した撮影動画が前記ユーザ端末に配信され、前記撮影動画の視聴者が前記ユーザとして機能する場合に、前記撮影動画の前記イベントに含まれる前記演出として前記ユーザ演出が付加されるように、前記撮影動画の前記イベントにおいて前記演出機器を制御してもよい。
【0078】
一方、本発明のイベントシステムに用いられるコンピュータプログラム(PG1)は、前記ユーザ端末に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(21)を、上述のイベントシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0079】
また、本発明のイベントシステムに用いられる制御方法は、演出機器(3B)を通じた演出を含むイベントの前記演出機器を制御するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)が、前記演出としてユーザ演出を前記イベントに付加するための付加選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手順と、前記情報取得手順の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のイベントシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 イベントシステム
2 センターサーバ(サーバ装置)
4 ユーザ端末
21 制御ユニット(コンピュータ)
24 機器用サービス管理部(機器制御手段、演出調整手段)
25 端末用サービス管理部(情報取得手段)
41 制御ユニット(コンピュータ)
43 画像制御部(選択肢提供手段、結果提供手段)
OP 選択肢(付加選択肢)
NT ネットワーク
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)
PG2 プログラム(コンピュータプログラム)