(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220823BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220823BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220823BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220823BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220823BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/00 T
B41J29/42 F
G03G21/00 380
G06F3/12 305
G06F3/12 356
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2018155361
(22)【出願日】2018-08-22
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】チッパソン ブンター
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-333365(JP,A)
【文献】特開2007-028423(JP,A)
【文献】特開2018-114735(JP,A)
【文献】特開2006-095984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0097453(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
B41J 29/00
H04N 1/00
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え
、
発話対象の設定項目はジョブの種類毎に記憶されており、
前記受付手段は、音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を受け付け、
前記抽出手段は、前記受付手段により受け付けられたジョブの種類に対応する発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
前記受付手段により受け付けられた動作条件の中から、発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が、前記抽出手段により抽出されなかった場合、前記制御手段は、ジョブ実行の問い合わせか、発話対象の全ての設定項目のデフォルト値を含むメッセージか、前記受付手段により受け付けられた動作条件を含むメッセージ、のうちのいずれかを音声出力装置から音声出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記音声出力装置から音声出力されるジョブの種類の問い合わせに対する返答として、音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力に基づいてジョブの種類を受け付ける請求項
2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件についても確認するかどうかの問い合わせを、前記音声出力装置から出力させ、前記受付手段により、確認することを示すユーザーの音声が受け付けられたときは、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件も、前記音声出力装置から音声出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
前記音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目が予め決定されて前記記憶手段に記憶され、
ジョブの種類を特定できないときは、前記抽出手段は、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、ジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、発話対象の設定項目のうち、前記抽出手段により対応付けられた動作条件が抽出されなかった設定項目のデフォルトの動作条件も、音声出力装置から音声出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目を変更する変更手段を備えている請求項1~
6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
前記音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付手段が音声出力の停止を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、音声出力を停止して次の処理に移行する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力の開始後に、前記受付手段が少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、確認を求められた動作条件を音声出力装置から音声出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、
自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、
前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、
を備え、
音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付手段がユーザーによる複数の動作条件を包含するキーワードの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、受け付けられたキーワードに包含される動作条件のみを音声出力装置から音声出力させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
前記キーワードに包含される動作条件の音声出力中に、前記受付手段が少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、確認を求められた動作条件を音声出力装置から音声出力させる請求項
10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ
、
発話対象の設定項目はジョブの種類毎に記憶されており、
前記受付ステップでは、音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を受け付け、
前記抽出ステップでは、前記受付ステップにより受け付けられたジョブの種類に対応する発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する処理を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件の中から、発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が、前記抽出ステップにより抽出されなかった場合、前記制御ステップでは、ジョブ実行の問い合わせか、発話対象の全ての設定項目のデフォルト値を含むメッセージか、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件を含むメッセージ、のうちのいずれかを音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
前記制御ステップでは、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件についても確認するかどうかの問い合わせを、前記音声出力装置から出力させ、前記受付ステップにより、確認することを示すユーザーの音声が受け付けられたときは、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件も、前記音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
前記音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目が予め決定されて前記記憶手段に記憶され、
ジョブの種類を特定できないときは、前記抽出ステップでは、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、ジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する処理を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
前記制御ステップでは、発話対象の設定項目のうち、前記抽出ステップにより対応付けられた動作条件が抽出されなかった設定項目のデフォルトの動作条件も、音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
前記音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付ステップで音声出力の停止を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御ステップでは、音声出力を停止して次の処理に移行する処理を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力の開始後に、前記受付ステップで少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御ステップでは、確認を求められた動作条件を音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、
音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、
前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、
を実行させ、
音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付ステップでユーザーによる複数の動作条件を包含するキーワードの音声入力を受け付けた場合、前記制御ステップでは、受け付けられたキーワードに包含される動作条件のみを音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタあるいはMFP(Multi Function Peripheral)と称される多機能デジタル複合機等の画像処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような画像処理装置として、音声を入力可能なマイク等の音声入力装置を介してユーザーの音声によりジョブの動作条件の設定指示が可能な装置が、従来より知られている。
【0003】
音声入力によりジョブの動作条件の設定指示を行う場合、全ての設定項目について動作条件を指示するのではなく、一部の設定項目についての動作条件のみを音声入力し、音声入力されなかった設定項目についてはデフォルト値が採用されるのが通常である。
【0004】
また、音声入力による設定指示に従って画像処理装置が動作条件を設定したときは、ジョブの実行の前に、音声入力された動作条件を繰り返して提示する確認用メッセージをスピーカー等の音声出力装置を介して音声出力することも行われている(例えば特許文献1)。このメッセージにより、音声入力された動作条件が繰り返して発話されることになり、ユーザーは音声入力した設定値が正しいかどうかを確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-23637号公報
【文献】特開2017-290240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、音声入力された全ての動作条件を繰り返して発話させると確認用メッセージが長くなり、周囲の人にとっての雑音となる場合がある。特に、複数台の画像処理装置が設置されている環境下では、同時に音声が出力されていると騒々しくなり、周りのユーザーにとって集中力を欠く原因となり迷惑であるという問題がある。例えば、音声操作でコピー操作やスキャン操作をしようとするとき、音声入力された動作条件が多いと、確認対象の動作条件も多くなって確認用メッセージの音声出力時間が長くなり、騒々しい。
【0007】
逆に、騒々しさを抑えるために、確認用メッセージの音声出力をなくす(無音にする)と、上記の問題は解決できるが、音声入力した動作条件の確認ができなくなりミスコピー等に繋がる恐れがある。
【0008】
なお、用紙ジャム等が発生した場合に、必要なときにのみ音声出力することで、ユーザーにとって音声ガイダンスが耳障りになることを防止する技術も提案されている(例えば特許文献2)。
【0009】
しかしこの技術は、音声入力によりジョブの動作条件の設定指示を行う技術ではなく、このため、音声入力された動作条件が多いと、入力された動作条件を発話してユーザーに確認させるための確認用メッセージの音声出力時間が長くなり騒々しくなる、といった問題に対して解決策を提供しうるものではなかった。
【0010】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、音声入力によりジョブの動作条件の設定指示を行う画像処理装置において、音声入力された動作条件が多いと、入力された動作条件を発話してユーザーに確認させるための確認用メッセージの音声出力時間が長くなり騒々しくなる、といった問題を解消できる画像処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、以下の手段によって達成される。
(1)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、発話対象の設定項目はジョブの種類毎に記憶されており、前記受付手段は、音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を受け付け、前記抽出手段は、前記受付手段により受け付けられたジョブの種類に対応する発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出することを特徴とする画像処理装置。
(2)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、前記受付手段により受け付けられた動作条件の中から、発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が、前記抽出手段により抽出されなかった場合、前記制御手段は、ジョブ実行の問い合わせか、発話対象の全ての設定項目のデフォルト値を含むメッセージか、前記受付手段により受け付けられた動作条件を含むメッセージ、のうちのいずれかを音声出力装置から音声出力させることを特徴とする画像処理装置。
(3)前記受付手段は、前記音声出力装置から音声出力されるジョブの種類の問い合わせに対する返答として、音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力に基づいてジョブの種類を受け付ける前項2に記載の画像処理装置。
(4)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件についても確認するかどうかの問い合わせを、前記音声出力装置から出力させ、前記受付手段により、確認することを示すユーザーの音声が受け付けられたときは、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件も、前記音声出力装置から音声出力させることを特徴とする画像処理装置。
(5)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、前記音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目が予め決定されて前記記憶手段に記憶され、ジョブの種類を特定できないときは、前記抽出手段は、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、ジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出することを特徴とする画像処理装置。
(6)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、発話対象の設定項目のうち、前記抽出手段により対応付けられた動作条件が抽出されなかった設定項目のデフォルトの動作条件も、音声出力装置から音声出力させることを特徴とする画像処理装置。
(7)前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目を変更する変更手段を備えている前項1~6のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、前記音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付手段が音声出力の停止を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、音声出力を停止して次の処理に移行することを特徴とする画像処理装置。
(9)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力の開始後に、前記受付手段が少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、確認を求められた動作条件を音声出力装置から音声出力させることを特徴とする画像処理装置。
(10)音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付手段と、自装置または外部に備えられ、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出手段と、前記受付手段により受け付けられた動作条件のうち、前記抽出手段により抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御手段と、を備え、音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付手段がユーザーによる複数の動作条件を包含するキーワードの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、受け付けられたキーワードに包含される動作条件のみを音声出力装置から音声出力させることを特徴とする画像処理装置。
(11)前記キーワードに包含される動作条件の音声出力中に、前記受付手段が少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御手段は、確認を求められた動作条件を音声出力装置から音声出力させる前項10に記載の画像処理装置。
(12)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、発話対象の設定項目はジョブの種類毎に記憶されており、前記受付ステップでは、音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を受け付け、前記抽出ステップでは、前記受付ステップにより受け付けられたジョブの種類に対応する発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する処理を実行させるためのプログラム。
(13)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件の中から、発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が、前記抽出ステップにより抽出されなかった場合、前記制御ステップでは、ジョブ実行の問い合わせか、発話対象の全ての設定項目のデフォルト値を含むメッセージか、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件を含むメッセージ、のうちのいずれかを音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
(14)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、前記制御ステップでは、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件についても確認するかどうかの問い合わせを、前記音声出力装置から出力させ、前記受付ステップにより、確認することを示すユーザーの音声が受け付けられたときは、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件も、前記音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
(15)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、前記音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目が予め決定されて前記記憶手段に記憶され、ジョブの種類を特定できないときは、前記抽出ステップでは、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、ジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する処理を実行させるためのプログラム。
(16)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、前記制御ステップでは、発話対象の設定項目のうち、前記抽出ステップにより対応付けられた動作条件が抽出されなかった設定項目のデフォルトの動作条件も、音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
(17)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、前記音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付ステップで音声出力の停止を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御ステップでは、音声出力を停止して次の処理に移行する処理を実行させるためのプログラム。
(18)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力の開始後に、前記受付ステップで少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、前記制御ステップでは、確認を求められた動作条件を音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
(19)自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件を対応付けて記憶するとともに、予め決定された発話対象の設定項目を記憶する記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する抽出ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた動作条件のうち、前記抽出ステップにより抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージを、音声出力装置から音声出力させる制御ステップと、を実行させ、音声出力装置による前記確認用メッセージの音声出力中に、前記受付ステップでユーザーによる複数の動作条件を包含するキーワードの音声入力を受け付けた場合、前記制御ステップでは、受け付けられたキーワードに包含される動作条件のみを音声出力装置から音声出力させる処理を実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示が受け付けられる。一方、記憶手段に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件が対応付けて記憶されるとともに、予め決定された発話対象の設定項目が記憶されており、受付手段により受け付けられた動作条件のうち、記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が抽出され、この抽出された動作条件のみを含む確認用メッセージが音声出力装置から音声出力される。
【0013】
つまり、音声出力される確認用のメッセージには、ユーザーにより音声入力された動作条件のうち、予め決定されている発話対象の設定項目に対応付けられた動作条件のみが含まれるから、音声入力された動作条件の全てが音声出力される場合に較べて、音声出力時間を短くすることができる。このため、音声入力された動作条件が多いと、入力された動作条件を発話してユーザーに確認させるための確認用メッセージの音声出力時間が長くなり騒々しい、といった問題を解消できる。
【0014】
また、発話対象の設定項目はジョブの種類毎に記憶されており、音声入力されたジョブの種類に対応する発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が抽出され、抽出された動作条件を含む確認用メッセージが音声出力されるから、音声入力されたジョブの種類と関係の無い動作条件が音声出力されるのを防止でき、確認用メッセージの音声出力時間をさらに短縮できる。
【0015】
前項(2)に記載の発明によれば、受け付けられた動作条件の中から、発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が抽出されなかった場合、ジョブ実行の問い合わせか、発話対象の全ての設定項目のデフォルト値を含むメッセージか、受け付けられた動作条件を含むメッセージ、のうちのいずれかが音声出力される。
【0016】
前項(3)に記載の発明によれば、音声出力されるジョブの種類の問い合わせに対する返答として、ユーザーはジョブの種類を確実に音声入力することができる。
【0017】
前項(4)に記載の発明によれば、受け付けられた動作条件のうち、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件についても確認するかどうかの問い合わせが音声で出力されるから、確認を希望するユーザーはその旨を音声入力することにより、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている動作条件も音声出力させることができる。このため、ユーザーは必要に応じて音声入力された全ての動作条件を確認することができる。
【0018】
前項(5)に記載の発明によれば、音声入力装置を介してユーザーの音声により入力されるジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目が予め決定されて記憶手段に記憶されており、ジョブの種類を特定できないときは、音声入力された動作条件のうち、ジョブの種類を特定できないときの発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件が音声出力されるから、ジョブの種類を特定できないときは音声入力された動作条件を全く確認できない事態の発生を回避できる。
【0019】
前項(6)に記載の発明によれば、発話対象の設定項目のうち、対応付けられた動作条件が抽出されなかった設定項目のデフォルトの動作条件も音声出力されるから、ユーザーは音声入力した動作条件以外のデフォルト値も確認することができる。
【0020】
前項(7)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目を変更することができる。
【0021】
前項(8)に記載の発明によれば、確認用メッセージの音声出力中に、ユーザーが音声出力の停止を求める音声入力を行うと、音声出力が停止して次の処理に移行するから、動作条件の確認が不要なユーザーの意思を反映して、次の処理に早期に移行させることができる。
【0022】
前項(9)に記載の発明によれば、確認用メッセージの音声出力の開始後に、少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力が行われると、確認を求められた動作条件が音声出力されるから、ユーザーは必要な動作条件のみを確認することができる。
【0023】
前項(10)に記載の発明によれば、確認用メッセージの音声出力中に、複数の動作条件を包含するキーワードが音声入力されると、受け付けられたキーワードに包含される動作条件のみが音声出力されるから、ユーザーは複数の動作条件を包含するキーワードを音声入力することで、必要な動作条件のみを確認することができる。
【0024】
前項(11)に記載の発明によれば、前項(11)において、キーワードに包含される動作条件の音声出力中に、少なくとも1個の動作条件の確認を求めるユーザーの音声入力が行われると、確認を求められた動作条件が音声出力されるから、キーワードに包含される動作条件の音声出力中であっても、ユーザーは必要な動作条件を確認することができる。
【0025】
前項(12)に記載の発明によれば、自装置または外部に、設定項目ごとに1個又は複数個の動作条件が対応付けて記憶されるとともに、予め決定された発話対象の設定項目が記憶されている記憶手段を備えた画像処理装置のコンピュータに、音声を入力可能な音声入力装置を介してユーザーの音声により行われるジョブの動作条件の設定指示を受け付け、受け付けられた動作条件のうち、記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出し、抽出された動作条件を示すメッセージを音声出力装置から音声出力させる処理を、実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられた画像処理システムの構成図である。
【
図2】
図1に示した画像処理システムにおける画像処理装置と音声端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶手段に記憶されている、ジョブの種類毎に発話対象の設定項目が規定されたテーブルを示す図である。
【
図4】第1の実施形態を説明するための図で、ユーザーがジョブの種類として報告書コピーと発話した状態を示す図である。
【
図5】第1の実施形態において、ユーザーが複数の動作条件を連続的に発話した状態を示す図である。
【
図6】第1の実施形態において、受け付けられた動作条件のうち、記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する処理を説明するための図である。
【
図7】第1の実施形態において、ジョブを実行していいかどうかの最終確認をユーザーに対して行った状態を示す図である。
【
図8】ユーザーにより発話された設定値の受け付けからジョブが開始されるまでの画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態を説明するための図で、抽出された動作条件を含む確認用メッセージが音声出力されている途中の状態を示す図である。
【
図10】第2の実施形態において、最終確認のメッセージを音声出力させた状態を示す図である。
【
図11】第3の実施形態を説明するための図で、抽出された動作条件を含む確認用メッセージが音声出力されている途中に、ユーザーが確認したい設定項目を発話したときの状態を示す図である。
【
図12】第4の実施形態を説明するための図で、ユーザーがジョブの種類として報告書スキャンと発話した状態を示す図である。
【
図13】第4の実施形態において、ユーザーが複数の動作条件を連続的に発話した状態を示す図である。
【
図14】第4の実施形態において、受け付けられた動作条件のうち、記憶手段に記憶されている発話対象の設定項目に対応付けられている動作条件を抽出する処理を説明するための図である。
【
図15】第4の実施形態において、確認用メッセージが音声出力された状態を示す図である。
【
図16】第4の実施形態において、ジョブを実行していいかどうかの最終確認をユーザーに対して行った状態を示す図である。
【
図17】第5の実施形態を説明するための図で、抽出された動作条件を含む確認用メッセージが音声出力されている途中に、ユーザーが複数の動作条件を包含するキーワードを発話したときの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置としての画像形成装置1が用いられた画像処理システムの構成図である。この画像処理システムは、画像形成装置1の他に音声端末装置2を備えており、これらの画像形成装置1と音声端末装置2がネットワーク3を介して相互に接続されている。
【0029】
図2は、
図1に示した画像処理システムにおける画像形成装置1と音声端末装置2の構成を示すブロック図である。この実施形態では、画像形成装置1として、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャン機能等を備えた多機能デジタル複合機である前述したMFPが用いられている。以下、画像形成装置をMFPともいう。
【0030】
図2に示すように、MFP1は、制御部100、記憶装置110、画像読取装置120、操作パネル130、画像出力装置140、プリンタコントローラ150、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)160、無線通信インターフェース(無線通信I/F)170、認証部180等を備え、互いにシステムバス175を介して接続されている。
【0031】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、S-RAM(Static Random Access Memory)103、NV-RAM(Non Volatile RAM)104及び時計IC105等を備えている。
【0032】
CPU101は、ROM102等に保存されている動作プログラムを実行することにより、MFP1の全体を統括的に制御する。例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能に制御する。更にこの実施形態では、音声端末装置2から入力されたユーザーの音声入力データをネットワークインターフェース160を介して受け付けると共に、この音声入力データを解析することにより、ユーザーによって設定指示されたジョブの動作条件である設定値を設定したり、設定値が正しいかどうかをジョブの実行前にユーザーに確認させるための音声を音声端末装置2から出力させるための音声出力データをネットワークインターフェース160を介して音声端末装置2に送信したり、音声出力を行う設定値を抽出・決定する等の処理を行うが、詳細は後述する。
【0033】
ROM102は、CPU101が実行するプログラムやその他のデータを格納する。
【0034】
S-RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に保存する。
【0035】
NV-RAM104は、バッテリでバックアップされた不揮発メモリであり、画像形成に係わる各種の設定等を記憶するものである。
【0036】
時計IC105は、時刻を計時すると共に、内部タイマーとして機能し処理時間の計測等を行う。
【0037】
記憶装置110は、ハードディスク等からなり、プログラムや各種データ等を保存する。特にこの実施形態では、
図3のテーブルT1に示すように、報告書コピー、週報印刷、請求書印刷、報告書スキャン、請求書ファックス等のジョブの種類毎に、予め管理者等により決定された発話対象の設定項目が登録され記憶されている。なお、管理者等は登録されている発話対象の設定項目を操作パネル130等を用いて削除したり変更したり、さらには新たにジョブの種類と発話対象の設定項目を追加登録することができるようになっている。
【0038】
図3の例では、報告書コピーのジョブについては、用紙サイズ、部数、カラー/白黒、出力(片面/両面)、ステープルの場所、の各設定項目が発話対象の設定項目として登録・記憶さており、通報印刷のジョブについては用紙サイズ、部数の各設定項目が発話対象の設定項目として登録・記憶されている。同様に、請求書印刷のジョブについては、用紙サイズ、部数、出力(片面/両面)の各設定項目が、報告書スキャンのジョブについてはカラー/白黒、保存先/送信先の各設定項目が、請求書ファックスのジョブについてはカラー/白黒、送信先の各設定項目が、それぞれ発話対象の設定項目として登録・記憶されている。
【0039】
なお、
図3のテーブルT1に示す「指定なし」は、ユーザーによるジョブの種類が指定されなかった場合や、指定されても判別できなかった場合等、具体的なジョブの種類を特定できない場合に適用されるジョブの種類であり、発話対象として用紙サイズ、部数の各設定項目が登録・記憶されている。
【0040】
また、各設定項目には、その設定項目で設定可能な動作条件である1個又は複数個の設定値が対応付けられて記憶されている。例えば用紙サイズの設定項目には、A4、A3、B4、B5・・・といった設定値が、部数の設定項目には1部、2部・・・といった設定値が、カラー/白黒の設定項目にはカラー、白黒といった設定値が、出力(片面/両面)の設定項目には片面、両面といった設定値が、ステープルの場所には左上、右上・・・といった設定値が、保存先/送信先の設定項目には1個または複数個の保存先あるいは送信先が、それぞれ対応付けて記憶されている。
【0041】
さらに、ジョブの種類毎に各設定項目にはデフォルトの設定値(デフォルト値)が予め設定されている。例えば、報告書コピーのジョブについては、用紙サイズはA4、部数は1部、カラー/白黒はカラー、出力(片面/両面)は片面、ステープルの場所は左上が、それぞれデフォルト値として設定されている。
【0042】
図2に戻って、画像読取装置120は、スキャナ等を備え、ADF(自動原稿搬送装置)やプラテンガラス上にセットされた原稿を走査することによって読み取り画像データに変換する。
【0043】
操作パネル130は、ユーザーがMFP1へジョブ等の指示や各種設定を行う際に用いられるものであり、リセットキー131、スタートキー132、ストップキー133、表示部134及びタッチパネル135等を備えている。
【0044】
リセットキー131は、設定をリセットする際に使用されるものであり、スタートキー132はスキャン等の開始操作に使用されるものであり、ストップキー133は動作を中断する場合等に押下されるものである。
【0045】
表示部134は、例えば液晶表示装置からなりメッセージや各種の操作画面等を表示するものであり、タッチパネル135は表示部134の画面上に形成され、ユーザーのタッチ操作を検出する。
【0046】
画像出力装置140は、画像読取装置120で読み取られた原稿の画像データや、端末装置3から送信されたプリントデータから生成された複写画像を用紙上に印字し印刷物として出力するものである。
【0047】
プリンタコントローラ150は、ネットワークインターフェース160によって受信されたプリントデータから複写画像を生成するものである。
【0048】
ネットワークI/F160は、前述した音声端末装置2等の外部装置との間でネットワーク3を介してデータの送受信を行う通信手段として機能し、無線通信I/F170は近距離無線通信により外部装置と通信を行うためのインターフェースである。
【0049】
認証部180はログインするユーザーの認証用情報を取得し、この認証用情報を予め記憶装置110等に保存されている照合用の情報と比較照合して認証を行うものである。なお、ユーザーの認証用情報と照合用の情報との比較照合は、外部の認証サーバーにより行い、認証部180が認証サーバーから認証結果を受信することにより認証が行われても良い。
【0050】
音声端末装置2は音声入力装置として機能するマイク部21と、音声出力装置として機能するスピーカー部22を備えている。マイク部21は、入力された音声データをネットワーク3を介してMFP1に送信し、スピーカー部22はMFP1からネットワーク3を介して送信されてきた音声データを音声として出力(発話)させる。
【0051】
なお、音声端末装置2のマイク部21に入力されたユーザーの音声は、MFP1で解析されるものとしたが、図示しない解析サーバー等の外部装置でキーワード等に解析されて、MFP1は解析サーバーから解析結果のデータを受信して受け付ける構成としても良い。
[第1の実施形態]
次に、この発明の第1の実施形態として、ユーザーが音声端末装置2を介して音声によりMFP1に対してジョブの動作条件を設定指示した時のMFP1の動作を説明する。
【0052】
前述したように、記憶装置110には、ジョブの種類毎に発話対象の設定項目が規定された
図3のテーブルT1が、予め記憶されている。
【0053】
この状態で、ユーザーが例えば報告書コピーのジョブを実行するために、原稿を画像読取装置120にセットすると、ユーザーの実行したいジョブの種類を問い合わせる音声が音声端末装置2から出力される。この音声出力に対して、
図4に示すように、ユーザーUが例えば報告書コピーと発話して返答すると、この音声が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられ解析されて、ジョブの種類は報告書コピーであることが特定される。
【0054】
このように、ジョブの種類を問い合わせる音声出力に対する返答として、ユーザーによるジョブの種類が入力されるから、ユーザーはジョブの種類を確実に音声入力することができる。なお、ユーザーの実行したいジョブの種類の問い合わせに対する返答ではなく、ユーザーが自発的に実行したいジョブの種類を音声入力しても良い。
【0055】
図5に示すように、続けてユーザーUがA3、2部、等倍、白黒、濃度4、右開き、黄ばみのマニュアルのレベル:-3、・・・等の設定値(動作条件)を連続的に発話指示すると、この音声入力が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられて解析され、入力された各設定値が認識される。
【0056】
従来では、確認のために、音声入力された全ての設定値を含むメッセージが音声端末装置2から音声出力されるが、音声入力された設定値の数が多いと、音声出力される設定値の数も多くなり、このためメッセージの音声出力時間が長くなり、騒々しくなる。逆に、確認用の音声出力を全く行わないと(無音にすると)、変更した設定値の確認ができず、ミスコピー等に繋がる。
【0057】
そこで、この実施形態では、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、発話対象の設定項目に該当する設定値のみが、音声出力されるようになっている。具体的には、MFP1は、音声入力された設定値がどの設定項目に対応付けられているかを調べ、設定値が対応付けられている設定項目が、ジョブの種類である報告書コピーの発話対象の設定項目と一致するかどうかを、
図3のテーブルT1を参照して調べる。換言すれば、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、報告書コピーというジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値を抽出する。そして、受け付けられた設定値のうち、抽出した設定値のみを含むメッセージが音声端末装置2から音声出力される。
【0058】
例えば、
図6のテーブルT1及びテーブルT2に示すように、報告書コピーというジョブについて、発話対象の設定項目として、用紙サイズ、部数、カラー/白黒、出力(片面/両面)、ステープルの場所、の各設定項目が登録されている状態で、ユーザーUが同図のテーブルT3に示されるように、A3、15部、等倍、濃度4、右開き、黄ばみのマニュアルのレベル:-3の設定値(動作条件)を連続的に発話指示したとする。なお、ユーザーUが音声により入力した設定値は、報告書コピーの各設定値で設定されているデフォルト値を変更する設定値であっても良いし、デフォルト値と同じ設定値であっても良い。
【0059】
MFP1の制御部100は、音声入力された各設定値がどの設定項目に対応付けられるかを調べ、
図6のテーブルT3に示すように、A3は用紙サイズ、15部は部数、等倍は倍率、濃度4は濃度・・・の各設定項目に対応付けられることを特定する。さらに、テーブルT3に示される設定項目のうち、テーブルT2の発話対象の設定項目と一致する設定項目が用紙サイズ及び部数の各設定項目であり、音声入力された各設定値のうち、発話対象の設定項目である用紙サイズ及び部数にそれぞれ対応付けられる設定値として、A3及び15部を抽出する。
【0060】
そして、抽出されたA4及び15部のみを含むメッセージを音声端末装置2から音声出力させる。
図6の例では、「A3/15部でコピーする設定となっています。他の設定値も確認しますか?」というメッセージM1を音声出力させて、ユーザーに確認させる。
【0061】
このメッセージM1に対するユーザーから返答を音声入力により取得し、
図7に示すように「はい」の場合は、ユーザーが音声入力した設定値であるが、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられた設定値、例えば等倍、濃度4、右開き等の設定値を示すメッセージも音声出力させて、ユーザーに確認させる。一方、ユーザーから返答が「いいえ」の場合は、
図7に示すように、「このままコピーしていいですか?」というメッセージM2を音声端末装置2から音声出力させて、ユーザーに最終確認をし、「はい」の返答によりコピーを開始する。
【0062】
なお、
図6の例では、「他の設定値も確認しますか?」という問い合わせをメッセージM1に含めたが、「A3/15部でコピーする設定となっています。コピーしますか?」というメッセージであっても良い。この場合は、ユーザーの「はい」の返答によりコピーが開始される。
【0063】
このようにこの実施形態では、記憶装置110に、設定項目ごとに1個又は複数個の設定値が対応付けて記憶されるとともに、ジョブの種類毎に、予め決定された発話対象の設定項目が記憶されている。MFP1は、音声端末装置2を介してユーザーの音声によるジョブの設定値(動作条件)の設定指示を受け付けると、受け付けた設定値のうち、記憶装置110に記憶されている、ユーザーが実行しようとするジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値が抽出され、この抽出された動作条件を含むメッセージが音声端末装置2から音声出力される。つまり、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、予め決定された発話対象の設定項目に対応付けられた設定値のみを含むメッセージが確認のために音声出力されるから、音声入力された設定値の全てを音声出力させる場合に較べて、メッセージの音声出力時間を短くすることができる。このため、音声入力された設定値が多いと、入力された動作条件を発話してユーザーに確認させるための確認用メッセージの音声出力時間が長くなり騒々しい、といった問題を解消できる。
【0064】
しかも、発話対象の設定項目はジョブの種類毎に記憶されており、音声入力されたジョブの種類に対応する設定項目に対応付けられている動作条件が抽出され、抽出された動作条件を含む確認用メッセージが音声出力されるから、音声入力されたジョブの種類と関係の無い動作条件が音声出力されるのを防止でき、確認用メッセージの音声出力時間をさらに短縮できる。
【0065】
また、画像読取装置120に原稿をセットした時に、ジョブの種類の問い合わせが音声出力され、その問い合わせに対する返答として行われたユーザーの音声入力に基づいてジョブの種類が受け付けられるから、ユーザーはジョブの種類を確実に音声入力することができる。
【0066】
さらに、この実施形態では、音声入力された設定値のうち、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている設定値についても確認するかどうかの問い合わせが音声出力されるから、確認を希望するユーザーはその旨を示す例えば「はい」という音声を入力することにより、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられている設定値も音声出力させることができる。このため、ユーザーは音声入力された全ての設定値を確認することができる。
【0067】
なお、「他の設定値も確認しますか?」というメッセージM1を音声出力させて、ユーザーから「はい」の返答を受け付けた場合に、ユーザーが音声入力した設定値であるが、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられた設定値を示すメッセージも音声出力する構成とした。しかし、この構成に加えて、あるいはこの構成とは別に、発話対象の設定項目のうち、対応付けられた設定値が抽出されなかった設定項目のデフォルトの設定値を確認するかどうかのメッセージを音声出力させて、ユーザーから「はい」の返答を受け付けた場合に、発話対象の設定項目のうち、対応付けられた設定値が抽出されなかった設定項目のデフォルトの設定値を音声出力させる構成としても良い。
【0068】
また、音声入力された設定値の中から、発話対象の設定項目に対応付けられている設定値が抽出されなかった場合は、ジョブ実行の問い合わせか、発話対象の全ての設定項目のデフォルト値を含むメッセージか、受け付けられた設定値を含むメッセージ、のうちのいずれかを音声出力させる構成としても良い。
【0069】
図8は、ユーザーにより発話された設定値の受け付けからジョブが開始されるまでのMFP1の動作を示すフローチャートである。この動作は、MFP1の制御部100におけるCPU101がROM102等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0070】
ステップS01で、画像読取装置120に原稿がセットされたことを検知すると、ステップS02で、ユーザーによる実行したいジョブの種類の音声入力を音声端末装置2を介して受け付けて、ジョブの種類を特定する。
【0071】
次にステップS03で、設定値の音声入力を受け付けた後、ステップS04で、音声入力された設定値のうち、特定されたジョブの種類に対応する発話対象の設定項目に一致する(対応付けられた)設定値を抽出し、次いでステップS05で、音声入力により受け付けられた設定値のうち、一致する設定値のみを含むメッセージの音声データを音声端末装置2に出力し、音声端末装置2から音声を出力させる。
【0072】
ステップS06では、音声出力されたメッセージに含まれる、他の設定値も確認するかどうかの問い合わせに対して音声入力されたユーザーの返答を解析し、他の設定値も確認するかどうかを判断する。他の設定値も確認する場合は(ステップS06でYES)、ステップS07で他の設定値を示す音声データを音声端末装置2に出力し、音声出力させたのち、ステップS08に進む。ステップS06で他の設定値を確認しない場合は(ステップS06でNO)、そのままステップS08に進む。
【0073】
ステップS08では、ジョブを実行していいかどうかを、その旨の音声出力に対して音声入力されたユーザーの返答に基づいて確認する。ジョブを実行してよければ(ステップS08でYES)、ステップS09で、受け付けた設定値を設定しジョブを開始する。ジョブを実行しない場合は(ステップS08でNO)、ステップS03に戻り、設定値の音声入力を受け付ける。
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態は、設定値の確認用メッセージが音声出力されている途中に、音声出力の停止を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、音声出力を停止して次の処理に移行するというものである。
【0074】
この実施形態では、設定値の確認用メッセージが音声出力されるまでの処理は、
図4~
図6で説明した第1の実施形態における処理と同様である。即ち、ユーザーが例えば報告書コピーのジョブを実行するために、原稿を画像読取装置120にセットすると、ユーザーの実行したいジョブの種類を質問する音声が音声端末装置2から出力される。
図4に示すように、ユーザーUが報告書コピーと発話すると、この音声入力が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられ解析されて、ジョブの種類は報告書コピーであることが特定される。
【0075】
続けてユーザーUがA3、2部、等倍、白黒、両面、濃度4、右開き、黄ばみのマニュアルのレベル:-3、・・・等の設定値(動作条件)を連続的に発話指示すると、この音声入力が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられて解析され、入力された各設定値が認識される。
【0076】
次に、MFP1は、音声入力された設定値がどの設定項目に対応付けられているかを調べ、設定値が対応付けられている設定項目が、ジョブの種類である報告書コピーの発話対象の設定項目と一致するかどうかを、
図3のテーブルT1を参照して調べる。換言すれば、ユーザーUにより音声入力された設定値のうち、報告書コピーというジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値を抽出する。そして、受け付けられた設定値のうち抽出された設定値のみを含むメッセージが音声端末装置2から音声出力される。
【0077】
ここで、抽出された設定値がA3、2部、白黒、両面・・・である場合、
図9に示すように、A3、2部、白黒、両面・・・を含む確認用メッセージM3が音声端末装置2から音声出力されるが、音声出力中に、MFP1の制御部100が音声出力の停止を求めるユーザーUの音声入力、例えば
図9に示すような「いいです。コピー」というユーザーUのメッセージを音声端末装置2を介して受け付けた場合、確認用メッセージM3の音声出力を停止させる。そして
図10に示すように、次の処理に移行し、「このままコピーしていいですか?」という最終確認のメッセージM4を音声出力させ、ユーザーUに確認させる。ユーザーUによる肯定的な「はい」という返答を受け付けると、コピーを開始する。
【0078】
このようにこの実施形態では、設定値を示すメッセージの音声出力中に、ユーザーが音声出力の停止を求める音声入力を行うと、音声出力が停止して次の処理であるコピー処理に移行するから、設定値の確認が不要で早期に次のコピー処理に移行させたいユーザーの意思を反映することができる。
[第3の実施形態]
次に、この発明の第3の実施形態を説明する。この実施形態は、設定値の確認用メッセージの音声出力開始後に、少なくとも1個の設定値の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、確認を求められた設定値が音声出力されるというものである。
【0079】
この実施形態では、設定値の確認のためのメッセージが音声出力されるまでの処理は、
図9で説明した第2の実施形態における処理と同様である。即ち、ユーザーが例えば報告書コピーのジョブを実行するために、原稿を画像読取装置120にセットすると、ユーザーの実行したいジョブの種類を質問する音声が音声端末装置2から出力される。
図4に示すように、ユーザーUが報告書コピーと発話すると、この音声入力が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられ解析されて、ジョブの種類は報告書コピーであることが特定される。
【0080】
続けてユーザーUがA3、2部、等倍、白黒、両面、濃度4、右開き、黄ばみのマニュアルのレベル:-3、・・・等の設定値(動作条件)を連続的に発話指示すると、この音声入力が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられて解析され、入力された各設定値が特定される。
【0081】
次に、MFP1は、音声入力された設定値がどの設定項目に対応付けられているかを調べ、設定値が対応付けられている設定項目が、ジョブの種類である報告書コピーの発話対象の設定項目と一致するかどうかを、
図3のテーブルT1を参照して調べる。換言すれば、ユーザーUにより音声入力された設定値のうち、報告書コピーというジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値を抽出する。そして、受け付けられた設定値のうち抽出された設定値のみを含むメッセージが音声端末装置2から音声出力される。
【0082】
ここで、抽出された設定値がA3、2部、白黒、両面・・・である場合、
図9に示すように、A3、2部、白黒、両面・・・を含む確認用メッセージM3を音声端末装置2から音声出力されるが、音声出力開始後に、MFP1の制御部100が、少なくとも1個の設定値の確認を求めるユーザーの音声入力を受け付けた場合、確認用メッセージM3の音声出力を停止させる。例えば、
図11に示すように、「用紙サイズ」「部数」という設定項目の設定値を確認するために、ユーザーUが「用紙」「部数」という設定項目を発話すると、MFP1の制御部100は用紙サイズの設定値がA3、部数の設定値が2部であることを判別し、「A3」「2部」を音声出力させる。確認したい設定項目の設定値が複数ある場合、ユーザーは連続的に設定項目を音声入力しても良いし、間を区切って音声入力しても良い。連続的に音声入力された場合は、音声出力も連続して行われ、間を区切って音声入力された場合は、1つの音声入力後に対応する1つの音声出力が行われる。
【0083】
音声出力後に、
図11に示すように、ユーザーUが次のコピー処理への移行を示す例えば「OK!コピー」と音声入力すると、
図10と同様に「このままコピーしていいですか?」という最終確認のメッセージM4を音声出力させ、ユーザーUに確認させる。ユーザーUによる肯定的な「はい」という返答を受け付けると、コピーを開始する。
【0084】
このようにこの実施形態では、確認用メッセージの音声出力の開始後に、少なくとも1個の設定値の確認を求める音声入力が行われると、確認を求められた設定値が音声出力されるから、ユーザーは必要な設定値のみを確認することができる。
[第4の実施形態]
次に、この発明の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態では、ユーザーがジョブとして報告書コピーを指示したが、この実施形態では、ジョブとして、報告書を画像読取装置120により読み取ることにより得られた画像データを所定宛先に保存する「報告書スキャン」を指示した場合を示すものである。
【0085】
前述したように、記憶装置110には、ジョブの種類毎に発話対象の設定項目が規定された
図3のテーブルT1が、予め記憶されている。
【0086】
この状態で、ユーザーが報告書スキャンのジョブを実行するために、原稿を画像読取装置120にセットすると、ユーザーの実行したいジョブの種類を質問する音声が音声端末装置2から出力される。
図12に示すように、ユーザーUが報告書スキャンと発話すると、この音声が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられ解析されて、ジョブの種類は報告書スキャンであることが特定される。なお、ユーザーの実行したいジョブの種類の問い合わせに対する返答ではなく、ユーザーが自発的に実行したいジョブの種類を音声入力しても良い。
【0087】
図13に示すように、続けてユーザーUが等倍、2部、濃度3、白黒、左開き、・・・スキャン、ボックス保存等の設定値(動作条件)を連続的に発話すると、この音声が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられて解析され、入力された各設定値が特定される。なお、ボックス保存は保存先(送信先)を指定する設定値であり、ユーザーUに割り当てられた記憶領域であるボックス(BOX)に保存することを指定する設定値である。
【0088】
そして、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、発話対象の設定項目に該当する設定値のみを含む確認用メッセージが、音声出力される。具体的には、MFP1は、音声入力された設定値がどの設定項目に対応付けられているかを調べ、設定値が対応付けられている設定項目が、ジョブの種類である報告書スキャンの発話対象の設定項目と一致するかどうかを、
図3のテーブルT1を参照して調べる。換言すれば、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、報告書スキャンというジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値を抽出する。そして、受け付けられた設定値のうち抽出された設定値のみを含む確認用メッセージが音声端末装置2から音声出力される。
【0089】
例えば、
図14のテーブルT1及びテーブルT4に示すように、報告書スキャンというジョブについて、発話対象の設定項目として、カラー/白黒、保存先/送信先の各設定項目が登録されている状態で、ユーザーUが上述の
図13で示した設定値を発話したとする。
【0090】
MFP1の制御部100は、音声入力された各設定値がどの設定項目に対応付けられるかを調べ、等倍は倍率、2部は部数、濃度3は濃度、白黒はカラー/白黒、ボックス保存は保存先/送信先・・・の各設定項目に対応付けられることを特定する。さらに、特定された設定項目のうち、テーブルT4の発話対象の設定項目と一致する設定項目が、カラー/白黒、保存先/送信先の各設定項目であり、音声入力された各設定値のうち、発話対象の設定項目であるカラー/白黒、保存先/送信先にそれぞれ対応付けられる設定値として、テーブルT5で示されるように、白黒及びボックスを抽出する。
【0091】
そして、受け付けられた設定値のうち白黒及びボックスのみを含むメッセージを、
図15に示すように音声端末装置2から音声出力させる。
図15の例では、「白黒/スキャンToボックスでスキャンの設定となっています。他の設定値も確認しますか?」というメッセージM6を音声出力させて、ユーザーに確認させる。
【0092】
ユーザーから返答を音声入力により取得し、「はい」の場合は、ユーザーが音声入力した設定値であるが、発話対象の設定項目以外の設定項目に対応付けられた設定値、例えば等倍、濃度3、左開き等の設定値を示すメッセージも音声出力させて、ユーザーに確認させる。一方、
図15に示すように、ユーザーから返答が「いいえ」の場合は、
図16に示すように、「このままスキャンしていいですか?」というメッセージM7を音声端末装置2から音声出力させて、ユーザーに最終確認をし、「はい」の返答によりスキャンを開始する。
【0093】
なお、
図15の例では、「他の設定値も確認しますか?」という問い合わせをメッセージM6に含めたが、「白黒/スキャンToボックスでスキャンの設定となっています。スキャンしますか?」というメッセージであっても良い。この場合は、ユーザーの「はい」の返答によりスキャンが開始される。
【0094】
このようにこの実施形態によっても、記憶装置110に、設定項目ごとに1個又は複数個の設定値が対応付けて記憶されるとともに、ジョブの種類毎に、予め決定された発話対象の設定項目が記憶されている。MFP1は、音声端末装置2を介してユーザーの音声により行われるジョブの設定値(動作条件)の設定指示を受け付けると、受け付けた設定値のうち、記憶装置110に記憶されている、ユーザーが実行しようとするジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値が抽出され、この抽出された設定値のみを含む確認用メッセージが音声端末装置2から音声出力される。つまり、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、予め決定された発話対象の設定項目に対応付けられた設定値のみを含むメッセージが確認のために音声出力されるから、音声入力された設定値の全てが音声出力される場合に較べて、確認用メッセージの音声出力時間を短くすることができる。このため、音声入力された設定値が多いと確認用メッセージの音声出力時間が長くなり騒々しいといった問題を解消できる。
[第5の実施形態]
次に、この発明の第5の実施形態を説明する。この実施形態では、音声端末装置2による確認用メッセージの音声出力中に、ユーザーによる複数の設定値を包含するキーワードの音声入力を受け付けた場合、制御部100は、受け付けられたワードに包含される動作条件のみを音声出力させるものである。
【0095】
この実施形態では、設定値の確認用メッセージが音声出力されるまでの処理は、
図9で説明した第2の実施形態における処理と同様である。即ち、ユーザーが例えば報告書コピーのジョブを実行するために、原稿を画像読取装置120にセットすると、ユーザーの実行したいジョブの種類を質問する音声が音声端末装置2から出力される。
図4に示すように、ユーザーUが報告書コピーと発話すると、この音声が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられ解析されて、ジョブの種類は報告書コピーであることが特定される。
【0096】
続けてユーザーUがA3、2部、等倍、白黒、両面、濃度4、右開き、黄ばみのマニュアルのレベル:-3、・・・等の設定値(動作条件)を連続的に発話すると、この音声が音声端末装置2に入力され、MFP1で受け付けられて解析され、入力された各設定値が特定される。
【0097】
次に、MFP1は、音声入力された設定値がどの設定項目に対応付けられているかを調べ、設定値が対応付けられている設定項目が、ジョブの種類である報告書コピーの発話対象の設定項目と一致するかどうかを、
図3のテーブルT1を参照して調べる。換言すれば、ユーザーUにより音声入力された設定値のうち、報告書コピーというジョブにおける発話対象の設定項目に対応付けられている設定値を抽出する。そして、抽出した設定値のみを含むメッセージが音声端末装置2から音声出力される。
【0098】
ここで、抽出された設定値がA3、2部、白黒、両面・・・である場合、
図9に示すように、A3、2部、白黒、両面・・・を示す確認用メッセージM3を音声端末装置2から音声出力されるが、音声出力中に、MFP1の制御部100が、ユーザーによる複数の設定値を包含するキーワードの音声入力を受け付けた場合、確認用メッセージM3の音声出力を停止させる。例えば、
図17に示すように、複数の設定値を包含するキーワードとして「原稿系だけ」を音声入力すると、MFP1の制御部100は
図17に示すように、ユーザーにより音声入力された各設定値のうち、「原稿系」のキーワードに包含される設定値である用紙サイズ、カラー/白黒等の各設定値であるA3、白黒、等の設定値をメッセージM8として音声出力させる。
【0099】
なお、複数の設定値を包含するキーワードと、そのキーワードに包含される設定項目は、予め決定されており、記憶装置110等に記憶・登録されている。キーワードの一例としては上述の「原稿系」の他、「仕上がり系」等を挙示できる。「仕上がり系」のキーワードには、ステープル、集約印刷(Nin1)等の設定値が包含される。
【0100】
確認メッセージM8の音声出力後は、
図10と同様に「このままコピーしていいですか?」という最終確認のメッセージM4を音声出力させ、ユーザーUに確認させる。ユーザーUによる肯定的な「はい」という返答を受け付けると、コピーを開始する。
【0101】
このように、この実施形態では、確認用メッセージの音声出力中に、複数の設定値を包含するキーワードが音声入力されると、キーワードに包含される設定値のみが音声出力されるから、ユーザーは複数の設定値を包含するキーワードを音声入力することで、必要な設定値のみを確認することができる。
【0102】
なお、キーワードが音声入力され、そのキーワードに包含される設定値のみが音声出力されている途中で、第2の実施形態のように、ユーザーが音声出力の停止を求める音声入力を行うと、音声出力が停止して次の処理に移行する構成としても良い。あるいはまた、キーワードに包含される設定値の音声出力の開始後に、第3の実施形態のように、少なくとも1個の設定値の確認を求めるユーザーの音声入力が行われると、確認を求められた設定値が音声出力される構成としても良い。
【0103】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0104】
例えば、ユーザーにより指定されたジョブの種類が、
図3のテーブルT1に示す報告書コピー、請求書印刷等の具体的なジョブの種類に該当しない場合は、ジョブの種類は
図3のテーブルの「指定なし」であると判断して、報告書コピー等の場合と同様に、ユーザーにより音声入力された設定値のうち、「指定なし」のジョブの発話対象の設定項目に対応する設定値を抽出して、音声出力すれば良い。
【0105】
また、記憶装置110はMFP1に備えられているものとしたが、MFP1の外部のサーバー等に備えられ、MFP1がネットワークを介して記憶装置110から必要な情報を取得する構成であっても良い。
【0106】
また、音声端末装置2がMFP1とは別の外部装置により構成されている例を示したが、音声端末装置2のマイク部21またはスピーカー部22の少なくとも一方は、MFP1に備えられていても良い。
【0107】
また、画像処理装置がMFPである場合を示したが、ユーザーの音声による設定指示によって動作条件を設定できるものであれば他の画像処理装置であっても良い。
【符号の説明】
【0108】
1 画像処理装置
2 音声端末装置
3 ネットワーク
21 マイク部
22 スピーカー部
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110 記憶装置
140 画像出力装置
160 ネットワークインターフェース