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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】手持型空気圧駆動医療機器
(51)【国際特許分類】
   F01D 15/06 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
F01D15/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021006143
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2021195946
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】202010550154.3
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010942583.5
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521027696
【氏名又は名称】ベイズ デンタル カナダ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beyes Dental Canada Inc.
【住所又は居所原語表記】595 Middlefield Road, Unit 23, Toronto, Ontario M1V 3S2, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 敏
(72)【発明者】
【氏名】楊 華
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-325546(JP,A)
【文献】特開平06-181934(JP,A)
【文献】国際公開第2004/056279(WO,A2)
【文献】特開2000-060870(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第4338243(DE,A1)
【文献】実開昭56-081712(JP,U)
【文献】特開2001-173407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/05
F01D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に設けられたローターと、を備えたヘッド部を含む手持型空気圧駆動医療機器であって、前記ハウジング内に前記ローターを収容するための収容空洞が形成され、前記ハウジングに前記収容空洞に連通する主給気孔および排気孔が形成され、前記主給気孔は、圧縮空気が前記収容空洞に流入されて、前記収容空洞内に前記ローターを駆動して回転させる回転気流を形成し、前記排気孔は、前記回転気流を前記収容空洞から流出させ、前記ハウジングの前記収容空洞を取り囲む壁面に複数の凹溝が設けられ、前記凹溝は前記ハウジングの周方向に沿って間隔を置いて配置され、前記収容空洞の壁面に対して前記凹溝の半径方向における凹み深さは、1.0mm未満であることを特徴とする手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項2】
前記回転気流の方向において、前記凹溝は前記主給気孔から前記排気孔まで間隔を置いて配置され、前記凹溝全体と前記主給気孔との間の隔が前記凹溝全体と前記排気孔との間の隔よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項3】
前記凹溝の数は、3~150であることを特徴とする請求項1に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項4】
任意の隣り合う2つの前記凹溝の中心間の前記回転気流の方向における間隔に対応する弧長は、半円周より小さいことを特徴とする請求項1に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項5】
前記凹溝の軸方向の長さは、10mm未満であり、各前記凹溝が前記ハウジングの軸線に対して平行な連続的または断続的な直溝であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項6】
前記凹溝の軸方向の長さは、10mm未満であり、各前記凹溝が前記ハウジングの軸線に対して一定の角度で傾斜した連続的または断続的な斜溝であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項7】
前記凹溝の軸方向の長さは、10mm未満であり、各前記凹溝が前記収容空洞の壁面に沿って螺旋状に延びる螺旋溝であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項8】
前記凹溝の半径方向横断面は、円弧形、放物線状、三角形、台形または不規則な形状であることを特徴とする請求項1に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【請求項9】
前記凹溝の壁面は、円弧形であり、対応する円弧半径が前記凹溝の半径方向の深さよりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の手持型空気圧駆動医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に関し、特に、手持型空気圧駆動医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タービンハンドピースは、圧縮空気をローターに吹き付けることによって動力が発生し、歯を削るためによく使用されている。通常、タービンハンドピースのヘッド部の切削回転数は、20万回転/分程度であり、歯を削るときにヘッド部が十分なトルクを発生できるようにすることで、ヘッド部のスタックまたは回転数が低くなりすぎて作業効率に影響を与えないようにする。
【0003】
ただしタービンハンドピースの切削回転数を確保するため、ヘッド部の空転回転数が30~45万回転/分以上に達していたことで、ヘッド部ベアリングの寿命が大幅に短縮していた。このため業界では高品質の高速ベアリングを用いてヘッド部の高回転数に耐え、ベアリングの寿命を延ばしているが、高速ベアリングは、高価であるためコストが大幅に増加する。またヘッド部の主給気孔への圧力制限により、主給気孔での圧縮空気の流速を制限してヘッド部の回転数の低下、ベアリングの寿命の延長という目的を達成するが、ヘッド部のトルクが不十分になり、歯医者の作業に影響を及ぼしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、上記問題点を効果的に解決できる手持型空気圧駆動医療機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ヘッド部を備えた手持型空気圧駆動医療機器であって、前記ヘッド部は、ハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に設けられたローターと、を備え、前記ハウジング内に前記ローターを収容するための収容空洞が形成され、前記ハウジングに前記収容空洞に連通する主給気孔および排気孔が形成され、前記ハウジングの収容空洞を取り囲む壁面に複数の凹溝が設けられ、前記凹溝はハウジングの周方向に沿って間隔を置いて配置される。
【0006】
一実施例では、前記収容空洞の壁面の周方向において、前記凹溝は主給気孔と排気孔との間に配置され、前記凹溝全体と主給気孔との間の周方向における間隔が前記凹溝全体と排気孔との間の周方向における間隔よりも大きい。
【0007】
一実施例において、前記凹溝の数は、3~150である。任意の隣り合う2つの凹溝の中心間の周方向における間隔に対応する弧長は、半円周より小さい。
【0008】
一実施例において、収容空洞の壁面に対して前記凹溝の半径方向における凹み深さは、1.0mm未満である。
【0009】
一実施例において、前記凹溝の軸方向の長さは、10mm未満であり、各凹溝がハウジングの軸線に対して平行な連続的または断続的な直溝である。もしくは、各凹溝は、ハウジングの軸線に対して一定の角度で傾斜した連続的または断続的な斜溝である。各凹溝は、収容空洞の壁面に沿って螺旋状に延びる螺旋溝である。
【0010】
一実施例において、前記凹溝の半径方向横断面は、円弧形、放物線状、三角形、台形または不規則な形状である。
【0011】
一実施例において、前記凹溝の壁面は、円弧形であり、対応する円弧半径が前記凹溝の半径方向の深さよりも大きい。
【発明の効果】
【0012】
従来技術と比較して、本発明の手持型空気圧駆動医療機器は、ローターを取り囲むハウジングの壁面に溝を形成するように凹んでおり、凹溝に吹き付けられる回転気流を反射し、気流の方向および速度の変更を引き起こして干渉気流を形成すると、ヘッド部の空転時の回転数を効果的に下げ、歯を削る時のヘッド部のトルク出力を効果的に保証でき、かつ全体的な構造も単純で成形し易く、コストも抑えることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る手持型空気圧駆動医療機器の構造模式図である。
図2図1に示される手持型空気圧駆動医療機器の半径方向断面図である(図内の矢印は、内部気流の流れ方向を模式的に示している)。
図3図1に示す手持型空気圧駆動医療機器の軸方向断面図である。
図4図1に示す手持型空気圧駆動医療機器のヘッド部ハウジングの軸方向断面図である。
図5図4に示すハウジングのA-A線に沿った断面図である。
図6図5に示すハウジングのB-O-B線に沿った断面展開図である。
図7A-9B】様々な形態の凹溝を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の理解を容易にするため、以下は関連の添付図面を参照しつつ本発明をより完全に描写する。本発明に開示された技術的手段の理解をより正確かつ完全にするように、本発明の1つまたは複数の実施例が例示的に添付図面に示されている。ただし、本発明は多種多様な形態で実施することができ、以下に描写される実施例に限定されないことを理解されたい。
【0015】
図1に示すように、本発明の一実施例に係る手持型空気圧駆動医療機器は、ヘッド部10と、ヘッド部10に接続されたグリップ部20と、を含む。前記グリップ部20は、歯医者などの使用者が握るのに便利である。図2および図3を同時に参照すると、前記ヘッド部10は、ハウジング12と、前記ハウジング12に接続された背面カバー14と、前記ハウジング12内に回転可能に設けられた中間シャフト16と、前記中間シャフト16を外嵌するローター18と、を備える。図4に示すように、前記ハウジング12は、全体として円筒状の構造であり、内部に貫通の軸孔120を形成している。前記背面カバー14は、ハウジング12の軸方向の一側端部を覆い被せ、前記中間シャフト16が軸孔120内に回転可能に設けられ、中間シャフト16の一端が前記背面カバー14を支持し、他端が前記ハウジング12の軸線の他方の一側端部を挿通して外側に延在する。前記ローター18は、中間シャフト16を外嵌し、中間シャフト16を同期回転させ、両者が締まりばめ、ボンディング、スナップフィット等であり得る。
【0016】
前記ハウジング12の内壁面の軸方向中央部分は、半径方向に沿って凹んで前記軸孔120を取り囲み、前記ローター18を設けるための収容空洞122を形成している。図2を同時に参照すると、前記ローター18の直径は、前記収容空洞122の直径よりもわずかに小さく、ローター18が前記ハウジング12内に取付けられた後、その外縁部と前記収容空洞122を取り囲むハウジング12の壁面123との間が半径方向に間隔を置き、両者の間に前記ローター18を取り囲む流路125を形成する。好ましくは、前記ハウジング12の内壁面は、収容空洞122の軸方向両側端で半径方向に沿って凹んで前記軸孔120を取り囲む収容空間124を形成し、前記各収容空間124内に前記中間シャフト16の高速回転を支持するためのベアリング19が設けられる。前記ベアリング19は、好ましくはボールベアリングであり、ベアリング19の半径方向外壁面129と前記ハウジング12の内壁面との間にシールリング11が設けられる。
【0017】
図4乃至図6を同時に参照すると、前記ハウジング12には、前記収容空洞122と連通し、各々圧縮空気の流入と流出のための主給気孔126および排気孔127が形成される。本実施例において、前記主給気孔126および排気孔127は、前記ハウジング12とグリップ部20との接続位置に形成され、ハウジング12内のローター18に面する。圧縮空気は、前記主給気孔126からハウジング12の収容空洞122内に入り、ローター18と収容空洞122を取り囲む壁面123との間の流路125に沿って前記排気孔127に流れて(図2に示すのは、時計回りに流れる)回転気流30を形成し、最終的に排気孔127から外部に排出される。前記回転気流30は、ハウジング12を通って流れるとき、前記ローター18に枢着された中間シャフト16を時計回り方向に回転させるよう前記ローター18を駆動する。その他の実施例において、前記圧縮空気は、反時計回り方向に回転する回転気流を形成し、そしてローター18および中間シャフト16を反時計回り方向に回転するよう駆動することもでき、本実施例に限定されない。
【0018】
図2図3に示すように、収容空洞122を取り囲む前記ハウジング12の壁面123に複数の凹溝128が設けられる。示される実施例において、これらの凹溝128は、壁面123を半径方向に凹ませることによって形成される。壁面123に対して前記凹溝128の半径方向における凹み深さTは、ハウジング12の半径方向の厚さよりもはるかに小さく、すなわち凹溝128はハウジング12を貫通しない盲溝であり、その半径方向の深さが1.0mm未満であり、好ましくは0.1~0.5mmである。前記凹溝128の形状は、様々な構造を有することができ、例えばその半径方向の横断面が円弧形、台形、三角形、不規則な形状等であり得る。本実施例において、前記各凹溝128の断面は、円弧形であり、前記円弧の半径Rが0.5mmで、壁面123に対して凹溝128の凹み深さTがその半径Rよりも小さく、最大で0.3mmである。
【0019】
前記各凹溝128は、前記ハウジング12の軸方向に平行に延在し、その軸方向の長さが前記ローター18の軸方向の高さに近く、軸方向に前記ローター18に面している。好ましくは、前記凹溝128の軸方向の長さLは、10mm未満である。本実施例において、前記凹溝128は、ハウジング12の軸方向に平行な連続した直溝であり、その軸方向の長さLが3mm程度である。その他の実施例において、前記凹溝128もハウジング12の軸線に対し一定の角度で傾斜した斜溝であり得るか(図7Aおよび図7B)、または収容空洞122の壁面123に沿って螺旋状に延びる螺旋溝であり得る(図8Aおよび8B)。なお、いくつかの実施例において、前記各凹溝128は、断続的であり得る(図9Aおよび9B)。
【0020】
前記凹溝128は、ハウジング12の内壁面の周方向に沿って、主給気孔126から排気孔127へ順に配置され、その数が好ましくは3~150である。圧縮空気への干渉作用を高めるため、任意の隣り合う2つの凹溝128の中心間の周方向における間隔に対応する弧長は、半円周より小さい。図5に示すように、本実施例において、前記凹溝128の数は、10であり、それらは互いに等間隔に配置され、気流方向に沿った先頭の凹溝128は、周方向において前記主給気孔126から一定の距離を離れ、末尾の凹溝128が周方向において前記排気孔127に比較的近い。換言すれば、先頭の凹溝128と主給気孔126との間の周方向距離は、前記末尾の凹溝128と排気孔127との間の周方向距離よりも大きい。すなわち、前記凹溝128全体と主給気孔126との間の周方向距離は、前記凹溝128全体と排気孔127との間の周方向距離よりも大きい。本実施例において、ハウジング12の周方向において前記10つの凹溝128が占める弧長は、約半円周であり、すなわち180度の中心角に相当する。隣り合う2つの凹溝128の中心の周方向における間隔に対応する弧長は、円周の約1/18で、すなわち20度の中心角に相当する。
【0021】
前記凹溝128は、収容空洞122を取り囲むハウジング12の壁面123が凹んでから成り、凹溝128を取り囲む壁面129および収容空洞122を取り囲む壁面123は、異なる曲率を有するため、壁面129の各部位の接線方向が壁面123の接線方向と異なり、本実施例のように前記凹溝128の壁面129と収容空洞122の壁面123の接合部において、壁面129の接線方向と壁面123の接線方向との間で夾角αを形成し、前記夾角αが約52度である。前記圧縮空気がハウジング12内において流路125に沿って流れるとき、前記収容空洞122を取り囲む壁面123に沿って流れ、一部気流が凹溝128内に吹き付けられ、凹溝128の壁面129で反射され、図2に示すように、凹溝128によって反射された気流は、方向が変わるだけでなく、エネルギーも損失することで、速度が低下し、干渉気流32となる。
【0022】
本発明の手持型空気圧駆動医療機器が使用されているとき、圧縮空気は前記主給気孔126を経由してヘッド部10の収容空洞122内に入り、前記ローター18と収容空洞122を取り囲む壁面123との間の流路125に沿って高速に流動し、回転気流30を形成してローター18を駆動することで、中間シャフト16を高速回転させる。ローター18を取り囲む壁面123に凹溝128が形成されるため、一部の回転気流30が壁面123に沿って流れながら凹溝128に入ると共に凹溝128によって反射され、方向および速度が一貫しない干渉気流32を形成し、前記干渉気流32は、ローター18の高速回転を妨害し、ローター18の回転数を低下させる。前記凹溝128の数が多いほど、より多くの干渉気流32が形成され、ローター18の回転数低下が益々明確となる。なお、前記回転気流30の速度が速いほど、干渉気流32を受ける影響が大きくなり、ローター18の回転数低下も明確になる。
【0023】
本発明の手持型空気圧駆動医療機器が歯を削るときに十分なトルクを発生できるよう確保するため、主給気孔126を通過する圧縮空気の流速または気圧をできる限り増加させ、ローター18により大きな駆動力を得させることができる。前記手持型空気圧駆動医療機器が空転しているとき、ローター18は、負荷がかからず、回転数は比較的高く、理論的には30~45万回転/分以上に達することができる。凹溝128によって形成された干渉気流32が回転気流30に影響を与えるため、それはローター18を妨害し、前記手持型空気圧駆動医療機器の実際の空転速度が明らかに下がらせ、これにより前記ベアリング19により長い寿命を持たせることができる。前記手持型空気圧駆動医療機器が歯を削るとき、ローター18の回転数は負荷の影響のため20万回転/分程度に下がり、この時ローター18の回転数が回転気流30の回転速度よりはるかに遅い。ローター18の回転数が負荷によって20万回転/分程度に低下したとき、凹溝128の作用で形成された干渉気流32がローター18に及ぼす影響は、基本的に無視できるものであり、前記手持型空気圧駆動医療機器が十分なトルクを出力するよう確保し、ヘッド部10のスタックまたは回転数が低くなりすぎることを防ぎ、本発明の手持型空気圧駆動医療機器の作業効率を確保する。
【0024】
本発明の手持型空気圧駆動医療機器は、ローター18を取り囲むハウジング12の壁面123に凹溝128が設けられ、凹溝128に吹き付けられる回転気流30が反射され、方向および速度の変化を引き起こして干渉気流32を形成し、前記干渉気流32はヘッド部10が空転しているときにローター18に明らかな干渉を引き起こし、ローター18の回転数を効果的に低下させ、ベアリング19の寿命を延ばす。同時にヘッド部10は、歯を削るときに負荷の影響を受けてローター18の回転数は大幅に低下し、歯を削るときの干渉気流32がローター18に及ぼす影響は、負荷の影響よりもはるかに小さいため、干渉気流32が基本的に歯を削るときのヘッド部10の回転数に応答せず、十分なトルク出力を確保する。本発明は、凹溝128の設置を通じて削るときのトルク出力を確保すると同時に、無負荷時の回転数を効果的に低下し、ベアリング19の寿命を延ばすことができる。前記凹溝128は、NC旋盤で成形スロッティングツールを往復運動させてスロッティングしてから成ることができ、ミーリング機能付きのNC旋盤で切削バイト付き刃物台を駆動して加工されることもでき、製造工程が単純であり、基本的に全体的なコストに影響を及ぼさない。
【0025】
言及すべき点では、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の創造的精神によれば、当業者は他の変化も行うことができ、本発明の創造的精神に従ってなされたこれらの変更は、すべて本発明によって主張される保護の範囲内に網羅される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B