(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】加熱装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/36 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
A61M1/36 175
(21)【出願番号】P 2017512366
(86)(22)【出願日】2015-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2015001811
(87)【国際公開番号】W WO2016037699
(87)【国際公開日】2016-03-17
【審査請求日】2018-09-07
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】102014013537.3
(32)【優先日】2014-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ペテルス アルネ
(72)【発明者】
【氏名】オルター ギョクハン
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】宮部 愛子
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-103480(JP,A)
【文献】登録実用新案第3028012(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0145273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M1/36
A61M5/44
A61F7/00-7/12
A61M1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液処理装置の体外回路を構成する複数の構成要素のうちの少なくとも1つ、具体的には、ダイアライザー、フィルタ及び吸着器のうち少なくとも1つを加熱する装置であって、
前記複数の構成要素の少なくとも1つを保持する少なくとも1つの保持部を有すると共に、該保持部内に保持された
前記構成要素を加熱する少なくとも1つの発熱体をも有する加熱装置において、
複数の層を有し、該複数の層のうち少なくとも1つの層が可撓性層であるか、又は弾性変形可能層であり、
前記加熱装置は、
前記ダイアライザー、フィルタ及び吸着器の保持具としても機能し、さらに、
前記
加熱装置の外側面を構成する少なくとも1つの剛性層と、
前記剛性層に隣接した少なくとも1つの弾性変形可能層と、
前記弾性変形可能層の内側に設けられ前記構成要素に接触する少なくとも1つの内側可撓性層と、を備え、
前記発熱体は、
前記内側可撓性層によって構成され、
前記弾性変形可能層は、25%圧縮時における圧縮力が0.01N/mm
2
~0.7N/mm
2
の範囲内にあり、
前記可撓性層は、厚さに対する最大曲げ抵抗が6.75Nmm
2
/mm以下である、
ことを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記剛性層は、700N/mm
2以上のヤング率を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記弾性変形可能層は、
前記剛性層と、
前記可撓性層との間に配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記弾性変形可能層は、
前記剛性層及び/又は
前記可撓性層よりも大きな厚さを有することを特徴とする、請求項1~
3のいずれか1
項に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記可撓性層はシリコーン、ポリイミド、炭素、若しくは典型的にはアルミニウム膜として実現されるアルミニウムからなるか、又はこれらの材料を複数含む、
請求項1~
4のいずれか1
項に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記弾性変形可能層はゴム若しくは典型的にはシリコーン発泡体として実現される発泡体からなるか、又はこれらの材料の一方若しくは両方を含む、
請求項1~
5のいずれか1
項記載の加熱装置。
【請求項7】
前記剛性層は、プラスチック具体的にはPP、PET、アルミニウム、若しくは硬質発泡体からなるか、又はこれらの材料を複数含む、
請求項1~
6のいずれか1
項に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記保持部の壁が、
前記可撓性層、
前記剛性層、又は
前記弾性変形可能層により形成され
ている、
請求項1~
7のいずれか1
項に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記構成要素の外寸が
前記保持部の内寸と一致するか、又は該内寸を上回る、
請求項1~8のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1
項に記載の加熱装置を少なくとも1つ備え、
具体的には透析装置として実現されることを特徴とする血液処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液処理装置の体外回路を構成する複数の構成要素のうちの少なくとも1つ、具体的には、ダイアライザー、フィルタ及び吸着器のうち少なくとも1つを加熱する装置に関する。この加熱装置は、上記複数の構成要素の少なくとも1つを保持する少なくとも1つの保持部(reception region)を有すると共に、その保持部(receiver)内に保持された上記構成要素を加熱する少なくとも1つの発熱体をも有する。
【背景技術】
【0002】
体外血液処理中、例えば透析処理中には、患者の血液の一部が患者の体内から体外回路へと導かれ、その回路内で例えば透析による浄化処理を施される。
【0003】
この処理を行う際に、患者の血液の温度や患者自身の体温が極端に低下することは避けなければならないので、その体外回路の構成要素を加熱することにより、その中で処理されている血液の加熱をも行う加熱装置を設ける技術が知られている。
【0004】
例えば、ドラムチューブヒータが知られている。ドラムチューブヒータにおいては、加熱されたドラムの周囲に数回にわたってプラスチックのチューブが巻き付けられる。しかしながら、このような加熱装置には、使用時に大きなスペースが必要となり、チューブの挿入が難しく、かつ多くの材料が必要になる、といった問題がある。
【0005】
また、ジャケットチューブヒータも知られている。このタイプのヒータでは、プラスチックのチューブが加熱されたジャケット内に挿入されることになるが、その挿入はやはり比較的困難であるという問題がここでも付きまとう。
【0006】
さらに別のタイプの加熱装置としては、フィルムヒーティングも公知である。このタイプの加熱装置では、加熱する対象物の表面にプラスチックのフィルムが貼り付けられる。しかしこのような加熱装置には、貼付処理が難しく、また(後述する理由で)大きなスペースが必要となるといった問題がやはりある。
【0007】
特許文献1には、温度制御が可能な加熱装置を備えたダイアライザー用のホルダが開示されている。このホルダは、温度センサを備えた加熱可能な内部表面を有しており、適切な締結手段によってスタンドに締結され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これら従来の技術によれば、取扱いが容易で加熱効率が良いという効果が得られる場合も確かにあるが、貼付装置による自動貼付等の場合には、貼付装置の機械的構成が複雑であるという欠点がある。また他の従来の技術によれば、例えばチューブドラムヒーティングの場合に見られるように、機械的構成は単純だが、加熱効率が低くて取扱いが難しく、かつ大きなスペースが必要となるという問題がある。さらに別の従来技術、例えば、手動でフィルムを貼り付ける、加熱装置保持部のフィルム構成においては、加熱効率が良くなるという効果は得られるものの、大きなスペースが必要になり、取扱いが難しく、機械的構成が複雑である、という問題がある。
【0010】
これら従来の技術において大きなスペースが必要になる原因としては、プラスチックの入れ物内の液体を加熱することを目的として、システム内に追加の要素を導入しなければならないことが挙げられる。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、加熱対象である構成要素を簡単に結合でき、効率の良い加熱を可能にする、冒頭に述べたタイプの加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は請求項1の記載の特徴を有する加熱装置により達成される。その加熱装置は、複数の層を有するものとし、それら複数の層のうち少なくとも1つの層が可撓性層であるか、又は弾性変形可能層であるものとする。このような層を用いることにより、加熱対象である構成要素の外側表面が凹凸を有する場合でも、そのような凹凸面に加熱装置を容易に適合させることが可能になり、また、その構成要素を加熱装置に結合することも容易になる。その理由は、結合の際に要求される許容誤差は、そのような弾性変形可能層又は可撓性層により補償され得るからである。
【0013】
本発明の好適な実施の形態においては、既存の表面を利用するため、省スペース化、設計の簡素化による効率の良い構成、及び取扱いの容易化のすべてを同時に達成することができる。また、上記加熱装置は、ダイアライザー、フィルタ又は吸着器のホルダとしても機能可能であり、それにより省スペース及びコスト節減効果が得られることも本発明の顕著な効果の1つである。
【0014】
本発明のある好適な実施の形態において、上記加熱装置は、少なくとも1つの弾性変形可能層と、少なくとも1つの可撓性層とを備える、としても良い。これら2つの層は、好ましくは互いに直接接触する。この場合、この可撓性層は、上記構成要素に対して、上記保持部の加熱可能な内側表面を構成し得る。
【0015】
また上記加熱装置は、少なくとも1つの剛性層を備える、としても良い。この剛性層は、例えば、上記加熱装置の外側の層を形成し得る(外側の面となり得る)。一方で、この剛性層が、上記構成要素に対して、上記保持部の加熱可能な内側表面を形成する形態も考えられる。
【0016】
また、上記剛性層は700N/mm2以上のヤング率を有する、としても良い。ヤング率が高ければ、それだけ保持部の安定度が増す。
【0017】
また、上記加熱装置は、少なくとも1つの剛性層と、少なくとも1つの弾性変形可能層と、少なくとも1つの可撓性層と、を備える、としても良い。
【0018】
上記弾性変形可能層の25%圧縮時における圧縮力は、0.01N/mm2~0.7N/mm2の範囲内にある。この層の弾性が高ければ高いほど、上記加熱装置にとっての効果が増すことになる。上記ダイアライザー、フィルタ又は吸着器を極めて狭い許容誤差範囲内で構成した場合には、硬質ゴムを使用したり、それ相応の弾性を有する材料を使用したりすることも考えられる。
【0019】
上記可撓性層の厚さに対する最大曲げ抵抗は6.75Nmm2/mm以下である。この可撓性層は、できるだけ低い曲げ抵抗を有するべきである。
【0020】
上記弾性変形可能層は、上記剛性層と、上記可撓性層との間に配置され得る。
【0021】
好ましい層の設計によれば、上記加熱装置の外側の面は上記剛性層により構成され、上記弾性変形可能層はこの剛性層に隣接し、内側の層、すなわち、上記構成要素に接触する層は、上記可撓性層により構成される。
【0022】
十分な変形可能性を実現するためには、上記弾性変形可能層は比較的厚く、好適には、上記剛性層及び/又は上記可撓性層を上回る厚みを有する、としても良い。
【0023】
上記可撓性層は、例えばシリコーン、ポリイミド、炭素、若しくはアルミニウムからなるか(典型的にはアルミニウム膜として実現される)、又はこれらの材料を複数組み合わせても良い。
【0024】
上記弾性変形可能層はゴム若しくは発泡体からなるか(典型的にはシリコーン発泡体として実現される)、又はこれらの材料の一方若しくは両方を含んでいても良い。
【0025】
上記剛性層は、プラスチック(具体的にはPP)、PET、アルミニウム、若しくは硬質発泡体からなるか、又はこれらの材料を複数組み合わせても良い。
【0026】
上記保持部の壁(上記構成要素に接続される上記加熱装置の内側表面)は、上記可撓性層、上記剛性層、又は上記弾性変形可能層により構成され得る。特に好適な実施の形態においては、上記弾性変形可能層及び/又は上記可撓性層が上記保持部の内側表面を構成する。その場合、上記加熱装置を上記構成要素に良好に接触させることができるからである。
【0027】
上記弾性変形可能層又は上記可撓性層は浮動支持体(floating support)により形成される、としても良い。この場合、剛性層は、浮動支持体により支持されることにより、その剛性層が、加熱対象の構成要素に対する保持部を形成することになる。このような実施の形態においては、結合の際の許容誤差を補償可能であるという効果が結果として得られる。その理由は、この保持部は処理装置(具体的には透析機)に動かないように固定されるのではなく、ある程度の可動性を持つことになるからである。
【0028】
本発明は、加熱装置そのものに関するのみならず、上記保持部に配置され、具体的にはダイアライザー、フィルタ又はチューブであり得る、体外回路の構成要素と、上記加熱装置との組み合わせにも関する。
【0029】
上記構成要素を、上記加熱装置の加熱された内側表面に良好に接触させるためには、上記構成要素が上記保持部に配置される以前に、外寸(具体的には上記構成要素の外寸)が上記保持部の内寸と一致するか、又はそれを上回る、としても良い。
【0030】
上記発熱体は、上記複数の層のうちの2つの間に配置されるか、又は上記加熱装置の上記複数の層のうちの少なくとも1つの層の内部に配置され得る。例えば、上記可撓性層が上記発熱体であることも考えられる。したがって、上記発熱体は、シリコーン発熱体として構成され得る。
【0031】
また、本発明は、本発明による加熱装置を少なくとも1つ備える血液処理装置(具体的には透析機)にも関する。
【0032】
上記加熱装置は、好ましくは凹状の保持部を有する。
【0033】
また広く言うと、上記加熱装置は、好適には加熱対象である構成要素に対する保持部材(holder element)として機能する。
【0034】
この加熱装置は、加熱対象の構成要素の全表面を覆うか、又はその周縁の一部(例えば約150°以上に及ぶ領域)を覆うように配置される。また、50%を超える領域が利用可能であることが好ましい。換言すれば、上記構成要素の加熱可能表面の半分超を加熱することが好ましい。この加熱装置は、好ましくは、背面に向かって(すなわち上記保持部から離れた側において)熱的に絶縁される。
【0035】
上記加熱装置が、上記構成要素を挿入するために開放された後に、閉鎖され得る複数の部材を備える形態も考えられる。それらの部材の閉鎖は、上記構成要素を上記保持部内に押し込むように行われ得る。
【0036】
上記保持部内に配置されるか、その中に保持された構成要素は、例えばダイアライザー、吸着器、滅菌フィルタ等のフィルタ、マイクロフィルタ又はチューブのような、剛性又は可撓性の外側表面を有する構成要素であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明による加熱装置のある断面を示す図である。
【
図2】本発明による加熱装置の別の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明のその他の細部及び効果について、以上の図面に示された実施の形態を参照しながら、より詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明による加熱装置の外側表面又は後側表面を参照番号10で示し、この表面は、保持部Aからは離間しており、例えばシェル形状を有する金属板又はプラスチック板である板を備える。
【0040】
保持部Aは、好適には、加熱対象である血液処理装置の使い捨て器具(具体的にはフィルタ、ダイアライザー又は吸着器)を保持する機能を果たす。
【0041】
この剛性層10に隣接して、例えばシリコーン発泡体を有する弾性変形可能層20が設けられる。この弾性変形可能層20は、例えば5mm~15mmの範囲内の厚さを有し得、好適には10mmの厚さを有し得る。
【0042】
この弾性変形可能層20の内側には、発熱体を構成し、この加熱装置の加熱される内側表面を構成する可撓性層30が配置される。この可撓性層30は、電熱線が一体化されたシリコーン又は加熱可能な炭素膜を備え、弾性変形可能層20よりも低い熱抵抗を有する。
【0043】
また、電気的絶縁を達成し、表面の機械的強度を増強する目的で、さらなる可撓性層を設けても良い。
【0044】
図1から明らかなように、これらの層10、20、30は、図示されている保持部Aのレベルにおける詳細図において、互いに同心円状となるように配置される。
【0045】
またこれも
図1から明らかなように、弾性変形可能層20の厚さは層10の厚さよりも大きく、層30の厚さよりも大きい。
【0046】
剛性層10が、この加熱装置の機械的安定性を実現しており、かつ弾性変形可能層20を介して間接的に、可撓性層30を保持部Aに保持される構成要素へと(例えばダイアライザーへと)押し込んでいる。一方では弾性変形可能層20、他方では可撓性層30が、可撓性層30の形態をとる発熱体を、表面及びそこに存在するあらゆる凹凸の形状に合わせて容易に変形させることにより、加熱装置から上記構成要素へと特に効率良く熱伝達することを可能にし、最終的には、上記構成要素に流れる血液を特に効率良く加熱することを可能にする。
【0047】
図2は、その詳細が
図1の保持部Aに示されている、加熱装置の全体を示す図である。
【0048】
参照番号10は、弾性変形可能層20と可撓性層30とが配置される凹部12を有する筐体を示す。この凹部12は、上端及び下端において直線部14に接する。これらの直線部14は、層20、30無しで設けられており、例えば、この加熱装置を透析機に締結可能とする締結部を構成する。
【0049】
図面に示された実施の形態において、この加熱装置は、例えばダイアライザーを保持及び固定し、定着させ、許容誤差を補償する保持部を表す。
【0050】
図示された実施の形態による加熱装置は、ダイアライザー等に結合する、可撓性を有する平坦な要素を備えており、弾性を有する、より厚みの大きい層も備える。上記可撓性を有する平坦な要素は、例えば、シリコーン、ポリイミド、炭素、又はアルミニウム膜を備え、上記弾性を有し、変形可能であり、より厚みの大きい要素(例えばシリコーン発泡体のような発泡体として設計され得る)よりも低い熱抵抗を有する。
【0051】
剛性を有する筐体が、この加熱装置を十分機械的に安定なものとしている。この筐体は、例えばPPやPETからなるもので良く、アルミニウムのような金属、あるいは硬質の発泡体からなるものでも良い。この筐体は、上記変形可能な発熱体(例えば上記可撓性層)を、上記加熱対象の構成要素(例えばダイアライザーやフィルタの表面など)へと押し込む。
【0052】
この構成要素は、例えば、低い熱伝導率を有するプラスチック製の筐体であり得、熱伝導性プラスチックあるいはその他の材料からなる筐体のような高い熱伝導率を有する筐体でもあり得る。この構成要素の筐体、例えばフィルタ筐体やダイアライザー筐体は、好ましくは剛性を有する。
【0053】
また本発明の別の実施の形態においては、上記加熱装置は、上記加熱対象構成要素への結合部として作用する剛性要素と、弾性要素とから構成される、としても良い。例えばアルミニウムやプラスチックからなっていても良い上記剛性要素は、例えばゴムや発泡体からなっていても良い上記弾性要素よりも低い熱抵抗を有し得る。
【0054】
また本発明の別の実施の形態において、加熱対象構成要素用の保持部は剛性を有する。この保持部は、弾性要素内又は可撓性要素内に浮動支持される。この要素は、例えば、上記筐体内に位置していても良く、具体的には透析機のフレームに位置していても良い。
【0055】
この加熱装置は、好ましくは、温度センサと、温度を特定の値又は特定範囲内に維持する温度調整装置と、を備える。
【0056】
本発明によれば、良好な結合が可能になり、加熱対象構成要素が容易に挿入可能となり、かつ所与の面積を効率良く利用することが可能になる。