(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】蓄電パワーコンディショナー
(51)【国際特許分類】
H02J 7/35 20060101AFI20220830BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220830BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/38 130
H02J3/32
(21)【出願番号】P 2017229668
(22)【出願日】2017-11-29
【審査請求日】2020-09-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青野 邦生
(72)【発明者】
【氏名】土道 和美
(72)【発明者】
【氏名】中村 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】湊 惇朗
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135889(JP,A)
【文献】特開2015-211551(JP,A)
【文献】特開2015-122906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42-10/48
H02J 3/00-7/12
7/34-7/36
H02M 7/42-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電パワーコンディショナーであって、
第1所定電圧の直流電力が入力される入力部と、
前記入力部に入力された直流電力の前記第1所定電圧を第2所定電圧に変圧する変圧部と、
前記第2所定電圧に変圧された直流電力を蓄電池ユニットに出力し、かつ、前記蓄電池ユニットから直流電力が入力される第1入出力部と、
前記入力部に入力された直流電力を交流電力に変換する変換部と、
交流電力を電力系統又は負荷に出力し、かつ、前記電力系統から交流電力が入力される第2入出力部と、
前記変圧部及び前記変換部を制御する制御部と、
を備え、
前記変換部は、前記第2入出力部に入力された交流電力を直流電力に変換し、
前記変圧部は、前記変換部によって変換された直流電力の電圧を前記第2所定電圧に変圧し、かつ、前記第1入出力部に入力された直流電力の電圧を第3所定電圧に変圧し、
前記変換部は、前記変圧部によって前記第3所定電圧に変圧された直流電力を交流電力に変換し、
前記制御部は、発電装置から入力された直流電力の電圧を前記第1所定電圧に変圧して出力する変圧装置が前記蓄電パワーコンディショナーに接続されていない場合、前記変圧装置と独立して前記変圧部及び前記変換
部を制御し、前記変圧装置が前記蓄電パワーコンディショナーに接続されている場合、前記入力部に入力された直流電力に応じて前記変圧部及び前記変換
部を制御する、
蓄電パワーコンディショナー。
【請求項2】
前記変圧装置との間で通信を行う通信部を備え、
前記制御部は、前記通信部と変圧装置との間で通信が確立しているか否かを判定し、前記通信部と変圧装置との間で通信が確立していない場合、前記変圧装置が前記蓄電パワーコンディショナーに接続されていないと判定し、前記通信部と変圧装置との間で通信が確
立している場合、前記変圧装置が前記蓄電パワーコンディショナーに接続されていると判定する、
請求項1に記載の蓄電パワーコンディショナー。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力部に入力された直流電力に応じて
、前記変換部を制御し、前記変換部が前記入力部に入力された直流電力を交流電力に変換して交流電力を出力し、かつ、前記変圧部を制御し、前記変圧部が前記第1所定電圧を前記第2所定電圧に変圧して直流電力を出力するという制
御を行う、
請求項1又は2に記載の蓄電パワーコンディショナー。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力部に入力された直流電力と所定電力との大小関係を判定し、判定結果に基づいて前記変換部の出力及び前記変圧部の出
力を制御する、
請求項3に記載の蓄電パワーコンディショナー。
【請求項5】
蓄電パワーコンディショナーであって、
第1所定電圧の直流電力が入力される入力部と、
前記入力部に入力された直流電力の前記第1所定電圧を第2所定電圧に変圧する変圧部と、
前記第2所定電圧に変圧された直流電力を蓄電池ユニットに出力し、かつ、前記蓄電池ユニットから直流電力が入力される第1入出力部と、
前記入力部に入力された直流電力を交流電力に変換する変換部と、
交流電力を電力系統又は負荷に出力し、かつ、前記電力系統から交流電力が入力される第2入出力部と、
前記変圧部及び前記変換部を制御する制御部と、
発電装置から入力された直流電力の電圧を前記第1所定電圧に変圧して出力する変圧装置との間で通信を行う通信部と、
を備え、
前記変換部は、前記第2入出力部に入力された交流電力を直流電力に変換し、
前記変圧部は、前記変換部によって変換された直流電力の電圧を前記第2所定電圧に変圧し、かつ、前記第1入出力部に入力された直流電力の電圧を第3所定電圧に変圧し、
前記変換部は、前記変圧部によって前記第3所定電圧に変圧された直流電力を交流電力に変換し、
前記制御部は、前記通信部と前記変圧装置との間で通信が確立しているか否かを判定し、前記通信部と前記変圧装置との間で通信が確立していない場合、前記変圧装置が前記蓄電パワーコンディショナーに接続されていないと判定して、前記変圧装置と独立して前記変圧部及び前記変換
部を制御し、前記通信部と前記変圧装置との間で通信が確立している場合、前記変圧装置が前記蓄電パワーコンディショナーに接続されていると判定して、前記入力部に入力された直流電力に応じて前記変圧部及び前記変換
部を制御する、
蓄電パワーコンディショナー。
【請求項6】
前記通信部は、前記変圧装置の運転開始指令、運転停止指令及び出力開始指令のうちの少なくとも一つを含む制御信号を前記変圧装置に送信し、
前記通信部が、前記制御信号を前記変圧装置に送信した後、一定期間内に前記変圧装置から応答信号を受信した場合、前記制御部は、前記通信部と前記変圧装置との間で通信が確立していると判定し、
前記通信部が、前記制御信号を前記変圧装置に送信した後、一定期間内に前記変圧装置から応答信号を受信していない場合、前記制御部は、前記通信部と前記変圧装置との間で通信が確立していないと判定する、
請求項5に記載の蓄電パワーコンディショナー。
【請求項7】
前記制御部は、前記入力部に入力された直流電力に応じて
、前記変換部を制御し、前記変換部が前記入力部に入力された直流電力を交流電力に変換して交流電力を出力し、かつ、前記変圧部を制御し、前記変圧部が前記第1所定電圧を前記第2所定電圧に変圧して直流電力を出力するという制
御を行う、
請求項5又は6に記載の蓄電パワーコンディショナー。
【請求項8】
前記制御部は、前記入力部に入力された直流電力と所定電力との大小関係を判定し、判定結果に基づいて前記変換部の出力及び前記変圧部の出
力を制御する、
請求項7に記載の蓄電パワーコンディショナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電パワーコンディショナーに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池により得られた直流(DC)電力の電圧をDC/DCコンバータによって昇圧し、直流電力を交流(AC)電力に変換してから電力系統に出力するパワーコンディショナーが知られている(例えば、特許文献1参照)。太陽電池アレイにより得られた電力を交流に変換して交流負荷(電気製品)及び/又は電力系統に供給できると共に、余剰電力を蓄電池に充電できるハイブリッド型のパワーコンディショナー(例えば、特許文献2参照)が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-089541号公報
【文献】特開2012-222908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5は、従来の蓄電システムの構成図である。蓄電パワーコンディショナー101に蓄電池ユニット102及び電力系統103が接続されている。PV(太陽光発電)パワーコンディショナー104に複数のPVユニット105及び電力系統103が接続されている。蓄電パワーコンディショナー101は、蓄電池ユニット102から出力される直流電力の電圧を昇圧するDC/DCコンバータ111と、DC/DCコンバータ111から入力された直流電力を交流電力に変換して電力系統103に出力するDC/ACインバータ112とを備える。PVパワーコンディショナー104は、PVユニット105から出力される直流電力の電圧を昇圧するDC/DCコンバータ121と、DC/DCコンバータ121から入力された直流電力を交流電力に変換して電力系統103に出力するDC/ACインバータ122とを備える。
【0005】
既存のPVパワーコンディショナー104に蓄電パワーコンディショナー101を後付するニーズが高まっている。また、既存の蓄電パワーコンディショナー101にPVパワーコンディショナー104を後付するニーズがある。蓄電パワーコンディショナー101とPVパワーコンディショナー104とを併設すると、蓄電パワーコンディショナー101のDC/ACインバータ112とPVパワーコンディショナー104のDC/ACインバータ122とが重複することになる。そのため、コストが高くなると共に、蓄電パワーコンディショナー101及びPVパワーコンディショナー104の設置領域が大きくなる。このような状況に鑑み、本発明は、蓄電システムの低コスト化、小型化及び高変換効率化を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、第1所定電圧の直流電力が入力される入力部と、入力部に入力された直流電力の第1所定電圧を第2所定電圧に変圧する変圧部と、第2所定電圧に変圧された直流電力を蓄電池ユニットに出力し、かつ、蓄電池ユニットから直流電力が入力される第1入出力部と、入力部に入力された直流電力を交流電力に変換する変換部と、交流電力を電力系統又は負荷に出力し、かつ、電力系統から交流電力が入力される第2入出力部と、を備え、変換部は、第2入出力部に入力された交流電力を直流電力に変換し、変圧部は、変換部によって変
換された直流電力の電圧を第2所定電圧に変圧し、かつ、第1入出力部に入力された直流電力の電圧を第3所定電圧に変圧し、変換部は、変圧部によって第3所定電圧に変圧された直流電力を交流電力に変換する、蓄電パワーコンディショナーである。
【0007】
蓄電パワーコンディショナーの変換部が、変圧装置から蓄電パワーコンディショナーに入力された直流電力を交流電力に変換する。そのため、変圧装置は、直流電力を交流電力に変換する変換装置を有していない。したがって、変圧装置に変換装置を設けないことにより、変圧装置の小型化及び低コスト化が図られ、蓄電システムの小型化、低コスト化及び高変換効率化を促進することができる。
【0008】
蓄電パワーコンディショナーは、変圧部及び変換部を制御する制御部を備え、制御部は、発電装置から入力された直流電力の電圧を第1所定電圧に変圧して出力する変圧装置が蓄電パワーコンディショナーに接続されていない場合、変圧装置と独立して変圧部及び変換部を制御し、変圧装置が蓄電パワーコンディショナーに接続されている場合、入力部に入力された直流電力に応じて変圧部及び変換部を制御してもよい。
【0009】
蓄電パワーコンディショナーは、変圧装置との間で通信を行う通信部を備え、制御部は、通信部と変圧装置との間で通信が確立しているか否かを判定し、通信部と変圧装置との間で通信が確立していない場合、変圧装置が蓄電パワーコンディショナーに接続されていないと判定し、通信部と変圧装置との間で通信が確立している場合、変圧装置が蓄電パワーコンディショナーに接続されていると判定してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓄電システムの低コスト化、小型化及び高変換効率化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る蓄電システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る蓄電システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る変圧装置の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る蓄電パワーコンディショナーの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、従来の蓄電システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は、本願の一態様であり、本願の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
<適用例>
図1は、実施形態に係る蓄電システム1の一例を示す図である。蓄電システム1は、発電装置2と、変圧装置3と、蓄電パワーコンディショナー4と、蓄電池ユニット5と、を備える。発電装置2は、発電可能な装置であり、例えば、太陽電池(PV)ユニット、燃料電池(FC)ユニット及び風力発電ユニット等である。発電装置2は、発電した直流電力を変圧装置3に入力する。変圧装置3は、入力部31と、変圧部32と、出力部33とを有する。発電装置2から出力された直流電力が入力部31に入力される。入力部31は、第1入力部の一例である。変圧部32は、入力部31に入力された直流電力の電圧を第1所定電圧に変圧する。変圧部32は、例えば、非絶縁型のDC/DCコンバータ又は絶縁型のDC/DCコンバータである。出力部33は、第1所定電圧に変圧された直流電力を蓄電パワーコンディショナー4に入力する。蓄電システム1は、複数の発電装置2を備えてもよい。変圧装置3は、複数の発電装置2のそれぞれに接続された複数の入力部31
と、複数の変圧部32と、複数の出力部33とを有してもよい。
【0014】
蓄電パワーコンディショナー4は、入力部41と、変圧部42と、入出力部43と、変換部44と、入出力部45とを有する。変圧装置3の出力部33から出力された第1所定電圧の直流電力が、入力部41に入力される。変圧部42は、入力部41に入力された直流電力の第1所定電圧を第2所定電圧に変圧する。変圧部42は、例えば、非絶縁型のDC/DCコンバータ又は絶縁型のDC/DCコンバータである。入出力部43は、第2所定電圧に変圧された直流電力を蓄電池ユニット5に入力する。また、蓄電池ユニット5から出力された直流電力が、入出力部43に入力される。入出力部43は、第1入出力部の一例である。変圧部42は、入出力部43に入力された直流電力の電圧を第1所定電圧に変圧し、直流電力を出力する。変換部44は、入力部41に入力された直流電力を交流電力に変換する。変換部44は、例えば、DC/ACインバータである。変換部44は、変圧部42から出力された直流電力を交流電力に変換する。入出力部45は、交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する。入出力部45は、第2入出力部の一例である。また、電力系統6から出力された交流電力が、入出力部45に入力される。変換部44は、入出力部45に入力された交流電力を直流電力に変換して、直流電力を出力する。変圧部42は、変換部44から出力された直流電力の電圧を第2所定電圧に変圧する。
【0015】
蓄電池ユニット5は、充放電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池やその他各種の二次電池を適用可能である。第1所定電圧及び第3所定電圧は、交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する際に適した電圧である。第2所定電圧は、直流電力を蓄電池ユニット5に出力する際に適した電圧である。第1所定電圧と第2所定電圧とは異なる値である。第1所定電圧と第3所定電圧とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。蓄電パワーコンディショナー4の変換部44が、変圧装置3から蓄電パワーコンディショナー4に入力された直流電力を交流電力に変換する。そのため、変圧装置3は、直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータを有していない。したがって、蓄電システム1によれば、変圧装置3にDC/ACインバータを設けないことにより、変圧装置3の小型化及び低コスト化が図られ、蓄電システム1の小型化、低コスト化及び高変換効率化を促進することができる。
【0016】
<実施例>
図2は、実施形態に係る蓄電システム1の全体構成の一例を示す図である。蓄電システム1は、発電装置2と、変圧装置3と、蓄電パワーコンディショナー4と、蓄電池ユニット5と、操作部8と、表示部9と、通信部10と、特定負荷分電盤11とを備える。発電装置2は、発電可能な装置であり、例えば、PVユニット、FCユニット及び風力発電ユニット等である。発電装置2は、複数のPVユニット、複数のFCユニット及び複数の風力発電ユニット等を有してもよい。発電装置2は、発電した直流電力を変圧装置3に入力する。発電装置2と変圧装置3とは、ケーブル等によって相互に接続される。変圧装置3は、非絶縁型のDC/DCコンバータ又は絶縁型のDC/DCコンバータを有する。変圧装置3は、複数のDC/DCコンバータを有してもよい。変圧装置3は、発電装置2から入力された直流電力の電圧を変圧し、変圧された直流電力を蓄電パワーコンディショナー4に入力する。変圧装置3と蓄電パワーコンディショナー4とは、ケーブル等によって相互に接続される。変圧装置3は、蓄電パワーコンディショナー4に着脱可能である。蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3を取り付けていない場合であっても、蓄電パワーコンディショナー4は単独で動作可能である。
図2の例では、変圧装置3の個数は1つであるが、
図2の例に限定されない。変圧装置3は複数であってもよく、変圧装置3の個数は増減可能である。
【0017】
蓄電パワーコンディショナー4は、非絶縁型のDC/DCコンバータ又は絶縁型のDC/DCコンバータと、DC/ACインバータとを有する。蓄電パワーコンディショナー4
は、変圧装置3から入力された直流電力の電圧を変圧し、変圧された直流電力を蓄電池ユニット5に入力する。蓄電池ユニット5は、充放電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池やその他各種の二次電池を適用可能である。蓄電パワーコンディショナー4から蓄電池ユニット5に直流電力が入力されることにより、蓄電池ユニット5が充電される。蓄電池ユニット5が放電することにより、蓄電池ユニット5から蓄電パワーコンディショナー4に直流電力が入力される。蓄電パワーコンディショナー4は、蓄電池ユニット5から入力された直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する。
【0018】
また、蓄電パワーコンディショナー4は、変圧装置3から入力された直流電力の電圧を変圧すると共に、変圧された直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する。蓄電パワーコンディショナー4は、電力系統6から入力された交流電力を直流電力に変換すると共に、直流電力の電圧を変圧し、変圧された直流電力を蓄電池ユニット5に入力する。
【0019】
操作部8は、蓄電パワーコンディショナー4に指示信号を入力し、蓄電パワーコンディショナー4を操作するリモートコントローラである。操作部8は、キーボード、マウス、キーパッド及び操作ボタン等の入力機器で構成されてもよい。操作部8は、HEMS(Home Energy Management System)コントローラを有してもよい。HEMSは、家庭の消費
電力を管理するシステムである。VPPは、複数の小規模発電設備をネットワークにより一括管理するシステムである。表示部9は、各種の情報を表示する。表示部9は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。通信部10は、ネットワーク12に接続されたサーバ13との間で通信を行うインターフェースである。通信部10には、例えば、ルータやモデムが含まれる。ネットワーク12には、例えば、インターネット等の公衆ネットワークやLAN(Local Area Network)が含まれる。特定負荷分電盤11を設けることにより、停電時に、特定負荷分電盤11に接続された電気製品(特定負荷)へ発電装置2及び蓄電池ユニット5から自動で電力を供給できる。
図2に示す蓄電システム1の構成要素の全てが必須という訳ではなく、蓄電システム1を実現する上で、適宜、蓄電システム1の構成要素の追加又は削除がされてもよい。
【0020】
図3は、実施形態に係る変圧装置3の一例を示す図である。
図3の例では、変圧装置3に複数のPVユニット21が接続されている。
図3の例に限らず、複数のPVユニット21に替えて、複数のFCユニット及び複数の風力発電ユニット等を変圧装置3に接続してもよい。変圧装置3は、複数の入力部31と、複数の変圧部32と、複数の出力部33と、制御部34と、通信部35とを有する。複数の出力部33に替えて、共通の出力部33としてもよい。入力部31は、PVユニット21との接続に用いられる接続端子を有する。PVユニット21から出力された直流電力が入力部31に入力される。変圧部32は、直流電力の電圧を変圧(昇圧又は降圧)する変圧回路である。変圧部32は、例えば、非絶縁型のDC/DCコンバータ又は絶縁型のDC/DCコンバータである。変圧部32は、入力部31に入力された直流電力の電圧を第1所定電圧に変圧する。第1所定電圧は、例えば、PVユニット21から出力された直流電力の電圧に10Vを足した値又は電力系統6の系統電圧のピーク値に所定係数を掛けた値のうちの大きい値である。なお、変圧装置3にFCユニット又は風力発電ユニットが接続されている場合、第1所定電圧の値を適宜変更してもよい。
【0021】
出力部33は、蓄電パワーコンディショナー4との接続に用いられる接続端子を有する。出力部33は、第1所定電圧に変圧された直流電力を蓄電パワーコンディショナー4に入力する。複数のPVユニット21の各々と複数の入力部31の各々と相互に接続されている。複数の入力部31の各々と複数の変圧部32の各々とが相互に接続されている。複
数の変圧部32の各々と複数の出力部33の各々とが相互に接続されている。複数の出力部33が、蓄電パワーコンディショナー4の入力部41に接続されている。複数のPVユニット21は、変圧装置3から取り外し可能である。複数のPVユニット21を取り外して、複数のFCユニット及び複数の風力発電ユニット等を変圧装置3に接続してもよい。
【0022】
制御部34は、複数の変圧部32を制御する。制御部34は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing Unit)等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリを有する。制御部34は、1つのCPU又はMPUで構成されてもよいし、複数のCPU及び複数のMPUが組み合わされて構成されてもよい。CPU及びMPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。制御部34は、メモリに実行可能に展開されたコンピュータプログラムにしたがって、各種の処理を実行する。通信部35は、有線又は無線を介して蓄電パワーコンディショナー4との間で通信を行う。通信部35は、蓄電パワーコンディショナー4に各種の情報を送信し、蓄電パワーコンディショナー4から各種の情報を受信する。蓄電パワーコンディショナー4から受信した情報は、制御部34に伝わる。
【0023】
通信部35は、制御信号を蓄電パワーコンディショナー4から受信する。通信部35は、制御信号を受信した場合、蓄電パワーコンディショナー4に応答信号を送信する。制御信号は、運転開始指令、運転停止指令及び出力開始指令のうちの少なくとも一つを含む。制御部34は、制御信号に基づいて、変圧部32の運転開始、運転停止及び出力開始を制御する。出力開始指令は、所定の電圧値を含む。制御部34は、出力開始指令に含まれる所定の電圧値に基づいて、変圧部32の変圧動作を制御する。制御部34の制御の下、変圧部32は、入力部31に入力された直流電力の電圧を第1所定電圧に変圧する。制御部34は、複数の変圧部32を一括して制御してもよいし、複数の変圧部32を独立して制御してもよい。例えば、複数の変圧部32が同時に運転を開始するように、制御部34は、複数の変圧部32を制御してもよい。例えば、複数の変圧部32のうちの一部が運転を開始し、複数の変圧部32のうちの他の一部が運転を停止するように、制御部34は、複数の変圧部32を制御してもよい。出力部33は、第1所定電圧に変圧された直流電力を蓄電パワーコンディショナー4に入力する。
【0024】
図4は、実施形態に係る蓄電パワーコンディショナー4の一例を示す図である。蓄電パワーコンディショナー4は、入力部41と、変圧部42と、入出力部43と、変換部44と、入出力部45と、制御部46と、通信部47とを有する。入力部41は、変圧装置3との接続に用いられる接続端子を有する。変圧部42は、直流電力の電圧を変圧する変圧回路である。変圧部42は、例えば、非絶縁型のDC/DCコンバータ又は絶縁型のDC/DCコンバータである。入出力部43は、蓄電池ユニット5との接続に用いられる接続端子を有する。変換部44は、直流電力を交流電力に変換又は交流電力を直流電力に変換する回路である。変換部44は、例えば、DC/ACインバータである。入出力部45は、分電盤(図示せず)との接続に用いられる端子を有する。分電盤は、蓄電パワーコンディショナー4と電力系統6及び負荷7との間に配置されている。蓄電パワーコンディショナー4は、複数の入力部41を有していてもよく、複数の変圧装置3を蓄電パワーコンディショナー4に接続してもよい。
【0025】
制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。制御部46は、CPU、MPU等のプロセッサ及びRAM、ROM等のメモリを有する。制御部46は、1つのCPU又はMPUで構成されてもよいし、複数のCPU及び複数のMPUが組み合わされて構成されてもよい。CPU及びMPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。制御部46は、メモリに実行可能に展開されたコンピュータプログラムにしたがって、各種の処理を実行する。通信部47は、有線又は無線を介し
て変圧装置3との間で通信を行う。通信部47は、変圧装置3に各種の情報を送信し、変圧装置3から各種の情報を受信する。変圧装置3から受信した情報は、制御部46に伝わる。通信部47は、運転開始指令、運転停止指令及び出力開始指令のうちの少なくとも一つを含む制御信号を変圧装置3に送信する。出力開始指令は、所定の電圧値を含む。通信部47は、応答信号を変圧装置3から受信する。
【0026】
制御部46は、変圧部42の運転及び出力を制御すると共に、変換部44の運転及び出力を制御する。
〈第1制御〉
第1制御は、直流電力が入力部41に入力された場合の制御である。制御部46の制御の下、変圧部42は、入力部41に入力された直流電力の第1所定電圧を第2所定電圧に変圧し、直流電力を出力する。入出力部43は、第2所定電圧に変圧された直流電力を蓄電池ユニット5に入力する。直流電力が蓄電池ユニット5に入力されることにより、蓄電池ユニット5が充電される。
【0027】
〈第2制御〉
第2制御は、直流電力が入力部41に入力された場合の制御である。制御部46の制御の下、変換部44は、入力部41に入力された直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する。入出力部45は、交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する。
【0028】
〈第3制御〉
第3制御は、直流電力が入出力部43に入力された場合の制御である。蓄電池ユニット5が放電することにより、直流電力が蓄電池ユニット5から入出力部43に入力される。制御部46の制御の下、変圧部42は、入出力部43に入力された直流電力の電圧を第3所定電圧に変圧し、直流電力を出力する。制御部46の制御の下、変換部44は、変圧部42から出力された直流電力を交流電力に変換し、交流電力を出力する。入出力部45は、交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する。第3所定電圧は、例えば、電力系統6の系統電圧のピーク値に所定係数を掛けた値である。第1所定電圧が、電力系統6の系統電圧のピーク値に所定係数を掛けた値である場合、第1所定電圧と第3所定電圧とが同じ値である。第1所定電圧が、PVユニット21から出力された直流電力の電圧に10Vを足した値である場合、第1所定電圧と第3所定電圧とが異なる値である。
【0029】
〈第4制御〉
第4制御は、電力系統6から交流電力が入出力部45に入力された場合の制御である。制御部46の制御の下、変換部44は、入出力部45に入力された交流電力を直流電力に変換し、直流電力を出力する。制御部46の制御の下、変圧部42は、変換部44から出力された直流電力の電圧を第2所定電圧に変圧し、直流電力を出力する。入出力部43は、第2所定電圧に変圧された直流電力を蓄電池ユニット5に入力する。直流電力が蓄電池ユニット5に入力されることにより、蓄電池ユニット5が充電される。
【0030】
停電の有無によって、蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、連系運転モード又は自立運転モードが選択される。また、ユーザは、蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、例えば、連系運転モード又は自立運転モードを選択してもよい。蓄電パワーコンディショナー4の運転モードの選択は、操作部8を用いて行われてもよい。蓄電パワーコンディショナー4は、操作部8からの入力を受け付けることにより、蓄電パワーコンディショナー4の運転モードを切り替えてもよい。
【0031】
蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、連系運転モードが選択された場合について説明する。以下では、変圧装置3は、変圧部32の運転開始指令及び変圧部32の出力指令を含む制御信号を受信しており、変圧部32の出力が開始されていることを前
提とする。制御部46は、入力部41に直流電力が入力されているか否かを判定する。入力部41に直流電力が入力されていない場合(入力電力=0kW)、制御部46は、通信部47を介して、変圧部32の運転停止指令を含む制御信号を変圧装置3に送信する。この場合、変圧装置3の制御部34は、変圧部32の運転停止指令に基づいて、変圧部32の運転を停止する。蓄電池ユニット5の充電状況に応じて、蓄電池ユニット5の充電又は放電が行われてもよい。入力部41に直流電力が入力されていない場合、入出力部45に入力された交流電力から変換された直流電力を用いて、蓄電池ユニット5の充電が行われてもよい。
【0032】
連系運転モードが選択され、入力部41に直流電力が入力されている場合、制御部46は、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下であるか否かを判定する。入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下である場合、変換部44の出力が開始され、入出力部45から電力系統6又は負荷7に交流電力が出力される。また、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下である場合、変換部44の出力が開始され、入出力部45から電力系統6及び負荷7に交流電力が出力されてもよい。蓄電池ユニット5の充電状況に応じて、蓄電池ユニット5の充電又は放電が行われてもよい。入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下である場合、入力部41に入力された直流電力及び入出力部45に入力された交流電力から変換された直流電力を用いて、蓄電池ユニット5の充電が行われてもよい。
【0033】
連系運転モードが選択され、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量よりも大きい場合、変圧部42の出力及び変換部44の出力が開始される。これにより、入出力部43から蓄電池ユニット5に直流電力が出力されると共に、入出力部45から電力系統6又は負荷7に交流電力が出力される。したがって、入力部41に入力された直流電力を用いて、蓄電池ユニット5の充電が行われる。また、変圧部42及び変換部44の出力が開始され、入出力部43から蓄電池ユニット5に直流電力が出力されると共に、入出力部45から電力系統6及び負荷7に交流電力が出力されてもよい。
【0034】
蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、自立運転モードが選択された場合について説明する。以下では、変圧装置3は、変圧部32の運転開始指令及び変圧部32の出力指令を含む制御信号を受信しており、変圧部32の出力が開始されていることを前提とする。制御部46は、入力部41に直流電力が入力されているか否かを判定する。入力部41に直流電力が入力されていない場合(入力電力=0kW)、制御部46は、通信部47を介して、変圧部32の運転停止指令を含む制御信号を変圧装置3に送信する。この場合、変圧装置3の制御部34は、変圧部32の運転停止指令に基づいて、変圧部32の運転を停止する。
【0035】
自立運転モードが選択され、入力部41に直流電力が入力されている場合、制御部46は、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下であるか否かを判定する。入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下である場合、変換部44の出力が開始され、入出力部45から負荷7に交流電力が出力される。また、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下である場合、変換部44の出力が開始され、入出力部45から負荷7のうちの特定負荷に交流電力が出力されてもよい。蓄電池ユニット5の充電状況に応じて、蓄電池ユニット5の充電又は放電が行われてもよい。
【0036】
自立運転モードが選択され、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量よりも大きい場合、変換部44の出力が開始され、入出力部45から
負荷7に交流電力が出力される。また、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量よりも大きい場合、変換部44の出力が開始され、入出力部45から負荷7のうちの特定負荷に交流電力が出力されてもよい。蓄電池ユニット5の充電状況に応じて、蓄電池ユニット5の充電又は放電が行われてもよい。
【0037】
蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されているか否かによって、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが自動的に切り替わる。蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されていない場合、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、蓄電専用モード(第1制御モード)に切り替わる。蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されている場合、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、ハイブリッドモード(第2制御モード)に切り替わる。蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、蓄電専用モードに切り替わった場合、制御部46は、変圧装置3と独立して変圧部42及び変換部44を制御する。蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されていない場合、変圧装置3から蓄電パワーコンディショナー4への直流電力の入力がないため、制御部46は、変圧装置3と独立して変圧部42及び変換部44を制御する。蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、ハイブリッドモードに切り替わった場合、制御部46は、入力部41に入力された直流電力に応じて変圧部42及び変換部44を制御する。蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されている場合、変圧装置3から蓄電パワーコンディショナー4に直流電力が入力される可能性があるため、制御部46は、入力部41に入力された直流電力に応じて変圧部42及び変換部44を制御する。また、制御部46は、変圧装置3における直流電力の出力状況に応じて変圧部42及び変換部44を制御してもよい。
【0038】
制御部46は、通信部47と変圧装置3との間で通信が確立しているか否かを判定してもよい。例えば、通信部47が、制御信号を変圧装置3に送信した後、一定期間内に変圧装置3から応答信号をしていない場合、制御部46は、通信部47と変圧装置3との間で通信が確立していないと判定する。例えば、通信部47が、制御信号を変圧装置3に送信した後、一定期間内に変圧装置3から応答信号をした場合、制御部46は、通信部47と変圧装置3との間で通信が確立していると判定する。通信部47と変圧装置3との間で通信が確立していない場合、制御部46は、蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されていないと判定する。通信部47と変圧装置3との間で通信が確立している場合、制御部46は、蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されていると判定する。
【0039】
連系運転モード及び自立運転モードと、蓄電専用モード及びハイブリッドモードとの組み合わせについて説明する。まず、第1の組み合わせについて説明する。第1の組み合せは、蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、連系運転モードが選択され、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、蓄電専用モードに切り替わった場合である。第1の組み合せでは、蓄電パワーコンディショナー4の定格容量まで蓄電池ユニット5の放電が行われるように、制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。表示部9には、蓄電池ユニット5の放電に関する情報が表示される。
【0040】
第2の組み合わせについて説明する。第2の組み合せは、蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、自立運転モードが選択され、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、蓄電専用モードに切り替わった場合である。第2の組み合わせでは、負荷7の消費電力に応じて蓄電池ユニット5の放電が行われるように、制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。表示部9には、蓄電池ユニット5の放電に関する情報が表示される。
【0041】
第3の組み合わせについて説明する。第3の組み合せは、蓄電パワーコンディショナー
4の運転モードとして、連系運転モードが選択され、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、ハイブリッドモードに切り替わった場合である。第3の組み合せでは、制御部46は、入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下であるか否かを判定する。入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量以下である場合、蓄電池ユニット5の放電が行われるように、制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。表示部9には、入力部41に入力された直流電力と蓄電池ユニット5の放電電力との合算値が表示される。また、表示部9には、入力部41に入力された直流電力と蓄電池ユニット5の放電電力とが表示されてもよい。入力部41に入力された直流電力が蓄電パワーコンディショナー4の定格容量よりも大きい場合、蓄電池ユニット5の充電が行われるように、制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。表示部9には、入力部41に入力された直流電力と蓄電池ユニット5の充電電力とが表示される。
【0042】
第4の組み合わせについて説明する。第4の組み合せは、蓄電パワーコンディショナー4の運転モードとして、自立運転モードが選択され、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードが、ハイブリッドモードに切り替わった場合である。第4の組み合せでは、制御部46は、入力部41に入力された直流電力が負荷7の消費電力以下であるか否かを判定する。入力部41に入力された直流電力が負荷7の消費電力以下である場合、蓄電池ユニット5の放電が行われるように、制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。表示部9には、入力部41に入力された直流電力と蓄電池ユニット5の放電電力との合算値が表示される。表示部9には、入力部41に入力された直流電力と蓄電池ユニット5の放電電力とが表示されてもよい。入力部41に入力された直流電力が負荷7の消費電力よりも大きい場合、蓄電池ユニット5の充電が行われるように、制御部46は、変圧部42及び変換部44を制御する。表示部9には、入力部41に入力された直流電力と蓄電池ユニット5の充電電力とが表示される。
【0043】
蓄電システム1によれば、蓄電パワーコンディショナー4の変換部44が、変圧装置3から蓄電パワーコンディショナー4に入力された直流電力を交流電力に変換する。そのため、変圧装置3は、直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータを有していない。したがって、蓄電システム1によれば、変圧装置3にDC/ACインバータを設けないことにより、変圧装置3の小型化及び低コスト化が図られ、蓄電システム1の小型化、低コスト化及び高変換効率化を促進することができる。
【0044】
蓄電パワーコンディショナー4によれば、蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3が接続されているか否かによって、蓄電パワーコンディショナー4の制御モードを自動的に切り替えることができる。これにより、蓄電パワーコンディショナー4に変圧装置3を容易に後付けすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 蓄電システム
2 発電装置
3 変圧装置
4 蓄電パワーコンディショナー
5 蓄電池ユニット
6 電力系統
7 負荷
21 PVユニット
31、41 入力部
32、42 変圧部
33 出力部
34、46 制御部
35、47 通信部
43、45 入出力部
44 変換部