(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】バックアップ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 11/14 20060101AFI20220901BHJP
G06F 16/11 20190101ALI20220901BHJP
【FI】
G06F11/14 656
G06F11/14 651
G06F11/14 664
G06F16/11
(21)【出願番号】P 2018211994
(22)【出願日】2018-11-12
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】宮本 嘉雄
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170496(JP,A)
【文献】特開2014-217996(JP,A)
【文献】特開2012-181689(JP,A)
【文献】特開2007-089158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/14
G06F 16/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、外付け記憶装置を接続するための接続I/F部を備える、互いに通信可能に接続された複数の機器の中の1つを選択する選択部と、
前記選択部が選択した機器の前記接続I/F部に接続された外付け記憶装置に前記複数の機器が保持するバックアップ対象データを一括してバックアップするバックアップ実行部と、
を有し、
前記選択部は、前記複数の機器の中の1つを、それぞれの機器が保持しているバックアップ対象データのデータ量を含む所定の選択条件に基づいて選択する
ことを特徴とするバックアップ装置。
【請求項2】
前記選択部は、保持しているバックアップ対象データのデータ量が最も多い機器を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のバックアップ装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数の機器が保持するバックアップ対象データを一の機器に集約するためのデータ転送時間と、前記一の機器に集約したバックアップ対象データを該一の機器から該一の機器の前記接続I/F部に接続された外付け記憶装置に転送して格納するための時間の合計が最小となる機器を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のバックアップ装置。
【請求項4】
前記複数の機器の指定を受ける機器指定部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のバックアップ装置。
【請求項5】
前記バックアップ対象データの指定を受けるデータ指定部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のバックアップ装置。
【請求項6】
前記選択部が選択した機器を、外付け記憶装置の接続先として表示する表示部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のバックアップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機器に保持されているデータを1つの記憶装置に集約してバックアップするバックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機とプリンタコントローラのように複数の機器が連動して動作するシステムにおけるデータのバックアップ方法としては、ハードディスク等の記憶装置を機器毎に設けて個別にバックアップする方法と、複数の機器に保持されているデータを1つの記憶装置に集約してバックアップする方法がある。また、バックアップ用の記憶装置として、機器が備える記憶装置を使用する方法と、外付け記憶装置を用いる方法がある。
【0003】
下記特許文献1には、機器毎にバックアップ用の外付け記憶装置を使用するとコストが嵩むことに鑑みて、複数の機器に保持されているデータを、最小限(1台)の外付け記憶装置に一括してバックアップするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示のシステムでは、外付け記憶装置の台数を削減できるものの、最小限(1台)の外付け記憶装置が最適な機器に接続されているかについては考量されていない。そのため、たとえば、バックアップ対象データのデータ量が多い機器と少ない機器がある場合に、外付け記憶装置を後者の機器に接続すると、前者の機器に接続する場合に比べて、機器間のデータ転送量が増えるので、バックアップ処理に長い時間を要してしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、複数の機器に保持されているバックアップ対象データを、それらの中で最適な機器に接続した外付け記憶装置に一括してバックアップすることのできるバックアップ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0008】
[1]記憶装置と、外付け記憶装置を接続するための接続I/F部を備える、互いに通信可能に接続された複数の機器の中の1つを選択する選択部と、
前記選択部が選択した機器の前記接続I/F部に接続された外付け記憶装置に前記複数の機器が保持するバックアップ対象データを一括してバックアップするバックアップ実行部と、
を有し、
前記選択部は、前記複数の機器の中の1つを、それぞれの機器が保持しているバックアップ対象データのデータ量を含む所定の選択条件に基づいて選択する
ことを特徴とするバックアップ装置。
【0009】
上記発明では、選択部は、複数の機器の中の1つを、それぞれの機器が保持しているバックアップ対象データのデータ量を含む所定の選択条件に基づいて選択し、バックアップ実行部は、選択部が選択した機器に接続された外付け記憶装置に複数の機器が保持するバックアップ対象データを一括してバックアップする。
【0010】
[2]前記選択部は、保持しているバックアップ対象データのデータ量が最も多い機器を選択する
ことを特徴とする[1]に記載のバックアップ装置。
【0011】
[3]前記選択部は、前記複数の機器が保持するバックアップ対象データを一の機器に集約するためのデータ転送時間と、前記一の機器に集約したバックアップ対象データを該一の機器から該一の機器の前記接続I/F部に接続された外付け記憶装置に転送して格納するための時間の合計が最小となる機器を選択する
ことを特徴とする[1]に記載のバックアップ装置。
【0012】
上記発明では、各機器が保持しているバックアップ対象データのデータ量と、機器間の転送時間、機器から外付け記憶装置への転送時間を考慮して、バックアップ所要時間が最小になる機器を外付け記憶装置の接続先に選択する。
【0013】
[4]前記複数の機器の指定を受ける機器指定部をさらに有する
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のバックアップ装置。
【0014】
[5]前記バックアップ対象データの指定を受けるデータ指定部をさらに有する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のバックアップ装置。
【0015】
[6]前記選択部が選択した機器を、外付け記憶装置の接続先として表示する表示部をさらに有する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のバックアップ装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るバックアップ装置によれば、複数の機器に保持されているバックアップ対象データを、それらの中で最適な機器に接続した外付け記憶装置に一括してバックアップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係るバックアップ装置とバックアップ対象データを保持する複数の機器を通信可能に接続したバックアップシステムの一例を示す図である。
【
図2】バックアップ装置が行う処理を示す流れ図である。
【
図3】バックアップ装置の機能を有するプリンタコントローラと、バックアップ装置の機能を有するMFPが相互通信可能に接続された画像形成システムの構成例を示す図である。
【
図4】画像形成システムの第1態様におけるバックアップ処理手順を示す流れ図である。
【
図5】バックアップ対象機器の指定をユーザから受け付ける機器指定画面の一例を示す図である。
【
図6】集約機器をユーザに通知する接続先案内画面の一例を示す図である。
【
図7】接続先変更問い合わせ画面の一例を示す図である。
【
図8】画像形成システムの第2態様におけるバックアップ処理手順を示す流れ図である。
【
図9】バックアップ対象機器とバックアップ対象データの指定をユーザから受け付ける機器・データ指定画面の一例を示す図である。
【
図10】各機器が保持する指定された種類のバックアップ対象データのデータ量の一例を示す図である。
【
図11】画像形成システムの第3態様におけるバックアップ処理手順を示す流れ図である。
【
図12】プリンタコントローラとMFPをバックアップ対象機器とした場合に、
図11のステップSS402~S404で取得した情報を一覧にして示す図である。
【
図13】
図12に示す情報に基づいて算出した、外付け記憶装置をMFPに接続した場合のバックアップ所要時間と、外付け記憶装置をプリンタコントローラに接続した場合のバックアップ所要時間を示す図である。
【
図14】画像形成システムの第4態様におけるバックアップ処理手順を示す流れ図である。
【
図15】プリンタコントローラに、MFP-Aと、MFP-Bが接続されている場合のシステム構成を示す図である。
【
図16】
図15のシステム構成において、
図11のステップSS402~S404で取得した情報を一覧にして示す図である。
【
図17】
図16に示す情報に基づいて算出した、外付け記憶装置をMFP-Aに接続した場合のバックアップ所要時間と、外付け記憶装置をMFP-Bに接続した場合のバックアップ所要時間と、外付け記憶装置をプリンタコントローラに接続した場合のバックアップ所要時間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るバックアップ装置10とバックアップ対象データを保持する複数の機器20を通信可能に接続したバックアップシステム3の一例を示す図である。この例では機器20を、機器(1)と機器(2)の2台とする。
【0020】
各機器20は、ハードディスク装置などの大容量で不揮発性の記憶装置21と、ハードディスク装置などの外付け記憶装置5を着脱可能に接続するための接続I/F部22を有する。このほか、機器20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有して各種の処理を実行し、保持しておくべきデータを記憶装置21に保存する。
【0021】
バックアップ装置10は、管理対象の複数の機器20に保持されているバックアップ対象データをこれらの中の1つの機器20に接続された外付け記憶装置5に一括してバックアップする動作を制御する機能を果たす。
【0022】
バックアップ装置10は、ユーザからバックアップ対象機器の指定を受ける機器指定部11、ユーザからバックアップ対象データの指定(データの種類等の指定)を受けるデータ指定部12、外付け記憶装置5を接続すべき1つの機器20を選択する選択部13、複数の機器20が保持しているバックアップ対象データを、選択部13が選択した機器20に転送し、該機器の接続I/F部22に接続された外付け記憶装置5に一括してバックアップするバックアップ実行部14等を有する。
【0023】
選択部13は、バックアップ対象機器が保持するバックアップ対象データのデータ量を算出する機能、機器間や外付け記憶装置5へのデータの転送速度を取得する機能を有し、算出したデータ量や転送速度に基づいて外付け記憶装置5を接続すべき機器を選択する。
【0024】
バックアップ装置10は、各種の画面を表示する液晶ディスプレイ等の表示部15、ユーザから各種の操作を受ける操作部16を有する。表示部15には、たとえば、外付け記憶装置5を接続すべき機器(選択部13が選択した機器)をユーザに通知するメッセージ等が表示される。機器指定部11やデータ指定部12は、表示部15、操作部16を使用してバックアップ対象機器の指定やバックアップ対象データの指定を受け付ける。
【0025】
なお、機器指定部11を設けずに、予め設定された複数の機器、もしくは、通信可能に接続されている全ての機器をバックアップ対象機器としてもよい。また、データ指定部12を設けずに、予め設定された種類のデータ、もしくは、各機器が不揮発に保持している全てのデータをバックアップ対象データとしてもよい。
【0026】
図2は、バックアップ装置10が行う処理の流れを示している。ユーザから、バックアップ対象機器、バックアップ対象データの指定を受ける(ステップS101)。たとえば、バックアップ装置10に接続されている機器の一覧を表示し、該一覧の中からバックアップ対象機器を指定する操作を受ける。バックアップ対象データの指定は、バックアップ対象機器毎に受ける、もしくは、全ての機器について一括して指定を受ける。バックアップ対象データの指定方法は、たとえば、データの属性(データの種類、更新日付範囲、フォルダ指定など)で受けるほか、任意の方法でよい。
【0027】
次に、バックアップ装置10の選択部13は、各バックアップ対象機器が保持するバックアップ対象データのデータ量を算出する(ステップS102)。たとえば、バックアップ装置10から各機器20に、バックアップ対象データのデータ量を問い合わせることで、各バックアップ対象機器が保持するバックアップ対象データのデータ量を取得してもよい。
【0028】
また、バックアップ装置10は、機器間の転送速度、各機器の接続I/F部22とこれに接続された外付け記憶装置5との間の転送速度を取得する(ステップS103)。これらの転送速度の情報は、たとえば、バックアップ装置10から各機器20に使用可能な通信規格等を問い合わせて取得する、バックアップ装置10に予め登録しておきこれを参照して取得する、といった方法で取得するが、これに限定されず任意の方法でよい。
【0029】
次に、バックアップ装置10の選択部13は、各機器が保持しているバックアップ対象データのデータ量や上記の転送速度に基づいて、外付け記憶装置5を接続すべきいずれか1つの機器を選択し、その選択された機器を表示部15に表示する(ステップS104)。選択された機器を集約機器とする。
【0030】
選択基準の例を以下に示す。
(選択基準1)保持しているバックアップ対象データのデータ量が最も多い機器を集約機器に選択する。
(選択基準2)バックアップ完了までの所要時間が最短となる機器を集約機器に選択する。
【0031】
ユーザは、選択された集約機器の表示を参考に、いずれか1つの機器に外付け記憶装置5を接続する。
【0032】
バックアップ装置10は、外付け記憶装置5の接続状況を監視し、いずれか1つの機器に外付け記憶装置5が接続されたら(ステップS105;Yes)、外付け記憶装置5の接続された機器が集約機器であるか否かを確認する(ステップS106)。
【0033】
外付け記憶装置5の接続された機器が、ステップS104で選択した集約機器でない場合は(ステップS106;No)、そのままバックアップを実行するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS107)。
【0034】
ユーザの回答が、「接続先の変更」である場合は(ステップS107;No)、ステップS105に戻って、別の機器に外付け記憶装置5が接続されるのを待つ。
【0035】
ユーザの回答が、「そのままバックアップを実行」である場合は(ステップS107;Yes)、外付け記憶装置5が接続されている機器以外のバックアップ対象機器が保持しているバックアップ対象データを、外付け記憶装置5が接続されている機器に転送して全てのバックアップ対象データを該機器に集約し、集約したバックアップ対象データを該機器の接続I/F部22に接続されている外付け記憶装置5に転送して一括バックアップする(ステップS108)。
【0036】
外付け記憶装置5の接続された機器が、ステップS104で選択した集約機器である場合は(ステップS106;Yes)、集約機器以外のバックアップ対象機器が保持しているバックアップ対象データを、集約機器に転送して全てのバックアップ対象データを集約機器に集約し、集約したバックアップ対象データを該集約機器の接続I/F部22に接続されている外付け記憶装置5に転送して一括バックアップする(ステップS108)。
【0037】
次に、機器(1)をプリンタコントローラとし、機器(2)を該プリンタコントローラが接続された複合機(MFP)とし、バックアップ装置10の機能をプリンタコントローラとMFPの双方が備える構成を例に、本発明をより詳細に説明する。
【0038】
図3は、バックアップ装置10の機能を有するプリンタコントローラ40と、バックアップ装置10の機能を有するMFP60が相互通信可能に接続された画像形成システム8の構成例を示している。
【0039】
プリンタコントローラ40は、外部から受信したPDL等で記述された印刷データをラスタライズしてイメージデータに展開してMFP60へ出力する機能を果たす。MFP60は、プリンタコントローラ40から受信したデータに基づいて記録紙に画像を形成する印刷機能、原稿を光学的に読み取り、その読み取り画像の複製を記録紙に画像形成するコピー機能、ファクシミリ機能などを備えた、所謂、複合機である。
【0040】
プリンタコントローラ40は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、ハードディスク装置(HDD)44と、外部データ送受信部45と、RIP部46と、データ送受信部47と、表示部48と、操作部49と、接続I/F部51とを共通バス52に接続して備える。CPU41は、ROM42に格納されているプログラムを実行することでプリンタコントローラ40および前述のバックアップ装置10の機器指定部11、データ指定部12、選択部13、バックアップ実行部14等の機能を果たす。
【0041】
外部データ送受信部45は、ネットワークポートを介してネットワークと当該プリンタコントローラ40との間で印刷データ等を送受信する機能を果たす。RIP部46は、受信した印刷データをラスタライズしてイメージデータに展開する機能(RIP機能)を果たす。
【0042】
データ送受信部47は、RIP部46で展開して生成したデータをMFP60へ送信したり、MFP60との間でバックアップ対象データを転送したりする機能を果たす。表示部48は、選択部の選択結果(どの機器にバックアップ用の外付け記憶装置5を接続すれば良いかを示す情報)や各種の設定画面、操作画面等を表示する。操作部49は、ユーザからバックアップ対象機器の指定、バックアップ対象データの指定などの操作を受け付ける。
【0043】
MFP60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、ハードディスク装置(HDD)64と、印字部65と、読取部66と、データ送受信部67と、表示部68と、操作部69と、接続I/F部71とを共通バス72に接続して備える。CPU61はROM62に格納されているプログラムを実行することでMFP60の動作を統括制御するほか、前述したバックアップ装置10の機器指定部11、データ指定部12、選択部13、バックアップ実行部14等の機能を果たす。
【0044】
データ送受信部67は、プリンタコントローラ40との間でRIP後のデータやバックアップ対象データなどのデータを送受信する機能を果たす。
【0045】
読取部66は、原稿を光学的に読み取って対応する画像データを出力する機能を果たす。印字部65は、プリンタコントローラ40から受信したデータに基づく画像や、読取部66が原稿を読み取って得た読み取り画像を記録紙上に印字して出力する機能を果たす。
【0046】
表示部68は、選択部13の選択結果(どの機器にバックアップ用の外付け記憶装置5を接続すれば良いかを示す情報)や各種の設定画面、操作画面等を表示する。操作部69は、ユーザからバックアップ対象機器の指定、バックアップ対象データの指定など各種の操作を受け付ける。
【0047】
図3に示すプリンタコントローラ40、MFP60では、ハードディスク装置(HDD)44、64をそれぞれ1つ備えているが、複数個具備してもよい。複数個のHDDを備える場合には、各々に別の種類のデータの保管に使用したり、複数個をRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)構成で1つのHDDとして使用しても良い。
【0048】
次に、画像形成システム8におけるバックアップ処理の各種態様について説明する。
【0049】
<第1態様:バックアップ対象機器のみ指定する場合>
図4は、第1態様における処理手順を示す流れ図である。ユーザは、プリンタコントローラ40またはMFP60のいずれかの機器の操作部49、69でバックアップに関する指示の入力操作を行う。該入力操作を受けた機器(操作機器とする)の機器指定部11は、ユーザからバックアップ対象機器の指定を受け付ける(ステップS201)。
【0050】
図5は、バックアップ対象機器の指定をユーザから受け付ける機器指定画面80の一例を示す。機器指定画面80は、プリンタコントローラ40で機器指定の操作を受ける場合にはプリンタコントローラ40の表示部48に、MFP60で機器指定の操作を受ける場合はMFP60の表示部68に表示される。
【0051】
機器指定画面80に表示されたMFP指定釦81を押すと、MFP60がバックアップ対象機器に指定され、指定状態で再度、MFP指定釦81を押すと指定が解除される。同様に、機器指定画面80に表示されたプリンタコントローラ指定釦82を押すと、プリンタコントローラ40がバックアップ対象機器に指定され、指定状態で再度、プリンタコントローラ指定釦82を押すと指定が解除される。OK釦83を押すと、そのときの指定状態が確定する。
【0052】
図4に戻って説明を続ける。バックアップ対象機器の指定をユーザから受け付けた機器(操作機器)の選択部13は、指定されたバックアップ対象機器の中にプリンタコントローラ40が含まれているか否かを確認する(ステップS202)。バックアップ対象機器にプリンタコントローラ40が含まれている場合は(ステップS202;Yes)、プリンタコントローラ40が保持しているバックアップ対象データのデータ量を算出して(ステップS203)、ステップS204に移行する。バックアップ対象機器にプリンタコントローラ40が含まれていなければ(ステップS202;No)、ステップS204に移行する。
【0053】
ステップS204では、バックアップ対象機器の指定をユーザから受け付けた機器(操作機器)の選択部13は、指定されたバックアップ対象機器の中にMFP60が含まれているか否かを確認する。バックアップ対象機器にMFP60が含まれている場合は(ステップS204;Yes)、MFP60が保持しているバックアップ対象データのデータ量を算出して(ステップS205)、ステップS206に移行する。バックアップ対象機器にMFP60が含まれていなければ(ステップS204;No)、ステップS206に移行する。
【0054】
ステップS206では、操作機器の選択部13は、先に算出したバックアップデータ量が最も多い機器を集約機器に選択し、その選択した集約機器を操作機器の表示部に表示する。
図6は、集約機器をユーザに通知する接続先案内画面85の一例である。
【0055】
ユーザは、上記の表示を参考にして外付け記憶装置5をプリンタコントローラ40とMFP60のいずれかの機器に接続(装着)する。操作機器の選択部13は、外付け記憶装置5の接続状況を監視し、いずれかの機器に外付け記憶装置5が接続されたら(ステップS207)、外付け記憶装置5の接続された機器が、ステップ206で定めた集約機器であるか否かを確認する(ステップS208)。
【0056】
外付け記憶装置5の接続された機器が集約機器である場合は(ステップS208;Yes)、ステップS210に移行する。外付け記憶装置5が集約機器と異なる機器に接続されている合は(ステップS208;No)、操作機器の表示部に、接続先変更問い合わせ画面87を表示して、今の接続先のままでバックアップを実行するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS209)。
【0057】
図7は、接続先変更問い合わせ画面87の一例を示す。接続先変更問い合わせ画面87には、外付け記憶装置の接続先として推奨する集約機器、現在の接続先が集約機器と異なる旨、接続先を変更するか否かを問い合わせる旨、を含むメッセージが表示される。さらに、接続先を変更する場合に押下される接続先変更釦88、そのままバックアップを実行する場合に押下される、そのまま実行釦89が表示され、これらの選択釦でユーザの回答を受け付ける。
【0058】
ユーザから現在の接続先のままでバックアップを実行する旨の回答を受けた場合は(
図4、ステップS209;Yes)、ステップS210へ移行する。接続先を変更する旨の回答をユーザから受けた場合は(ステップS209;No)、ステップS207に戻って別の機器に外付け記憶装置5が接続されるのを待つ。ユーザは外付け記憶装置5を別の機器に装着し直す。
【0059】
ステップS210では、バックアップを実行する。具体的には、外付け記憶装置5が接続されている機器以外のバックアップ対象機器が保持しているバックアップ対象データを、外付け記憶装置5が接続されている機器に転送して全てのバックアップ対象データを該機器に集約し、集約したバックアップ対象データを該機器の接続I/F部22に接続されている外付け記憶装置5に転送して一括バックアップする(ステップS210)。
【0060】
すなわち、外付け記憶装置5がプリンタコントローラ40に接続されている場合は、MFP60が保持しているバックアップ対象データをプリンタコントローラ40に転送し、プリンタコントローラ40は、自機が保持しているバックアップ対象データとMFP60から転送されてきたバックアップ対象データの双方を、自機に接続されている外付け記憶装置5に転送してバックアップする。一方、外付け記憶装置5がMFP60に接続されている場合は、プリンタコントローラ40が保持しているバックアップ対象データをMFP60に転送し、MFP60は、自機が保持しているバックアップ対象データとプリンタコントローラ40から転送されてきたバックアップ対象データの双方を、自機に接続されている外付け記憶装置5に転送してバックアップする。
【0061】
バックアップ実行時の制御の具体例は、たとえば、次にようになるがこれに限定されるものではない。操作機器に外付け記憶装置5が接続されている場合は、操作機器のバックアップ実行部14が、他の機器のバックアップ実行部14に対してバックアップ対象データの転送要求を送信し、これを受けた他の機器のバックアップ実行部14は自機が保持するバックアップ対象データを転送要求の送信元の機器に転送する。操作機器のバックアップ実行部14は自機が保持するバックアップ対象データおよび他の機器から転送されてきたバックアップデータの双方を自機に接続された外付け記憶装置5に転送してバックアップする。
【0062】
一方、操作機器以外の機器に外付け記憶装置5が接続されている場合、操作機器のバックアップ実行部14は、外付け記憶装置5が接続されている機器のバックアップ実行部14にバックアップの制御の移管要求を送信する。該移管要求を受けた機器のバックアップ実行部14は、他の機器のバックアップ実行部14に対してバックアップ対象データの転送要求を送信し、これを受けた他の機器のバックアップ実行部14は自機が保持するバックアップ対象データを転送要求の送信元の機器に転送する。移管要求を受けた機器のバックアップ実行部14は自機が保持するバックアップ対象データおよび他の機器から転送されてきたバックアップデータの双方を自機に接続された外付け記憶装置5に転送してバックアップする。
【0063】
なお、上記の制御は一例でありこれに限定されるものではない。また、この例では、バックアップ対象の機器を、プリンタコントローラ40とMFP60の2つとする例を示したが、3以上の機器でも同様である。
【0064】
<第2態様:バックアップ対象機器とバックアップ対象データを指定する場合>
図8は、第2態様における処理手順を示す流れ図である。ユーザは、プリンタコントローラ40またはMFP60のいずれかの機器の操作部49、69でバックアップに関する指示の入力操作を行う。該入力操作を受けた機器(操作機器とする)の機器指定部11とデータ指定部12はバックアップ対象機器の指定およびバックアップ対象データの指定を受け付ける(ステップS301)。
【0065】
バックアップ対象データの指定は、データの属性、たとえば、データの種類(画像データ、設定データなど)、作成・変更された日時の範囲、保存先のフォルダ等に基づいて行われるが、これに限定されるものではない。
【0066】
図9は、バックアップ対象機器とバックアップ対象データの指定をユーザから受け付ける機器・データ指定画面90の一例を示す。機器・データ指定画面90は、プリンタコントローラ40で機器等の指定操作を受ける場合にはプリンタコントローラ40の表示部48に、MFP60で機器等の指定操作を受ける場合はMFP60の表示部68に表示される。
【0067】
機器・データ指定画面90のMFP欄に表示された画像データ釦91を押下すると、MFP60に保持されている画像データがバックアップ対象データに指定され、MFP欄に表示された設定データ釦92を押下すると、MFP60に保持されている設定データがバックアップ対象データに指定される。双方を選択してもよい。指定状態で再度、各釦を押下するとその釦に対応する指定が解除される。MFP60が保持する画像データと設定データのうちの少なくとも一方がバックアップ対象データに指定されると、自動的にMFP60がバックアップ対象機器に指定される。
【0068】
機器・データ指定画面90プリンタコントローラ欄に表示された画像データ釦93を押下すると、プリンタコントローラ40に保持されている画像データがバックアップ対象データに指定され、プリンタコントローラ欄に表示された設定データ釦94を押下すると、プリンタコントローラ40に保持されている設定データがバックアップ対象データに指定される。双方を選択してもよい。指定状態で再度、各釦を押下するとその釦に対応する指定が解除される。プリンタコントローラ40が保持する画像データと設定データのうちの少なくとも一方がバックアップ対象データに指定されると、自動的にプリンタコントローラ40がバックアップ対象機器に指定される。
【0069】
ここでは、画像データは、プリンタコントローラ40においてはRIP済みデータであり、MFP60ではRIP済みデータをビットマップデータに変換したものであるとする。設定データは、プリンタコントローラ40においては印刷ジョブのチケット情報、MFP60では画像処理の各種パラメータ等を指すものとする。なお、画像データ、設定データはこれらに限定されるものでない。
【0070】
図8に戻って説明を続ける。バックアップ対象機器等の指定をユーザから受け付けた機器(操作機器)の選択部13は、指定されたバックアップ対象機器の中にプリンタコントローラ40が含まれているか否かを確認する(ステップS302)。バックアップ対象機器にプリンタコントローラ40が含まれている場合は(ステップS302;Yes)、プリンタコントローラ40が保持しているデータのうち、ステップS301で指定された種類のバックアップ対象データのデータ量を算出して(ステップS303)、ステップS304に移行する。バックアップ対象機器にプリンタコントローラ40が含まれていなければ(ステップS302;No)、ステップS304に移行する。
【0071】
ステップS304では、指定されたバックアップ対象機器の中にMFP60が含まれているか否かを確認する(ステップS204)。バックアップ対象機器にMFP60が含まれている場合は(ステップS304;Yes)、MFP60が保持しているデータのうち、ステップS301で指定された種類のバックアップ対象データのデータ量を算出して(ステップS305)、ステップS306に移行する。バックアップ対象機器にMFP60が含まれていなければ(ステップS304;No)、ステップS306に移行する。
【0072】
ステップS306では、操作機器の選択部13は、先に算出したバックアップデータ量が最も多い機器を集約機器に選択し、その選択した集約機器を操作機器の表示部に表示する。
図10は、各機器が保持する指定された種類のバックアップ対象データのデータ量の一例を示している。この例では、MFP60については、画像データはバックアップ対象データに指定されず、設定データのみバックアップ対象データに指定されている。プリンタコントローラ40については、設定データはバックアップ対象データに指定されず、画像データのみバックアップ対象データに指定されている。指定された種類のバックアップ対象データのデータ量の合計の最も多い機器が集約機器に選択される。
図10の例では、プリンタコントローラ40が集約機器に選択される。選択結果は、第2態様においても、
図6と同様の接続先案内画面85に表示される。
【0073】
ユーザは、上記の表示を参考にして外付け記憶装置5をプリンタコントローラ40とMFP60のいずれかの機器に接続(装着)する。操作機器の選択部13は、外付け記憶装置5の接続状況を監視し、いずれかの機器に外付け記憶装置5が接続されたことを確認できたら(ステップS307)、外付け記憶装置5の接続された機器が、ステップ306で定めた集約機器であるか否かを確認する(ステップS308)。
【0074】
外付け記憶装置5の接続された機器が集約機器である場合は(ステップS308;Yes)、ステップS310に移行する。外付け記憶装置5が集約機器と異なる機器に接続されている合は(ステップS308;No)、操作機器の表示部に、第1態様と同様に、
図7に示すような接続先変更問い合わせ画面87を表示して、今の接続先のままでバックアップを実行するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS309)。
【0075】
ユーザから、現在の接続先のままでバックアップを実行する旨の回答を受けた場合は(ステップS309;Yes)、ステップS310へ移行する。接続先を変更する旨の回答をユーザから受けた場合は(ステップS309;No)、ステップS307に戻って別の機器に外付け記憶装置5が接続されるのを待つ。ユーザは外付け記憶装置5を別の機器に装着し直す。
【0076】
ステップS310では、バックアップを実行する。具体的には、外付け記憶装置5が接続されている機器以外のバックアップ対象機器が保持している、指定された種類のバックアップ対象データを、外付け記憶装置5が接続されている機器に転送して指定された種類の全てのバックアップ対象データを該機器に集約し、集約したバックアップ対象データを該機器の接続I/F部22に接続されている外付け記憶装置5に転送して一括バックアップする(ステップS310)。
【0077】
なお、この例では、バックアップ対象の機器を、プリンタコントローラ40とMFP60の2つとする例を示したが、3以上の機器でも同様である。
【0078】
<第3態様:機器間および機器から外付け記憶装置へのデータ転送速度を考慮しかつバックアップ対象機器のみ指定する場合>
図11は、第3態様における処理手順を示す流れ図である。ユーザは、プリンタコントローラ40またはMFP60のいずれかの機器の操作部49、69でバックアップに関する指示の入力操作を行う。該入力操作を受けた機器(操作機器とする)の機器指定部11はバックアップ対象機器の指定を受け付ける(ステップS401)。
【0079】
バックアップ対象機器の指定をユーザから受け付けた機器(操作機器)の選択部13は、指定された各バックアップ対象機器が保持しているバックアップ対象データのデータ量を算出する(ステップS402)。次に、各バックアップ対象機器における外付け記憶装置5へのデータ転送速度を取得し(ステップS403)、さらに、バックアップ対象機器間のデータ転送速度を取得する(ステップS404)。機器から外付け記憶装置5へのデータ転送速度は、機器に搭載されている接続I/F部(22、51、71)のデータ転送速度と、外付け記憶装置5自体のデータ転送速度(受信速度)とから判断する。一般には、遅い方のデータ転送速度を採用する。たとえば、USB接続の場合、それぞれの規格(USB2.0、USB3.0など)から判断すればよいが、これに限定されるものではない。
【0080】
次に、操作機器の選択部13は、ステップS402~S404で取得した情報に基づいて、各機器を集約機器とした場合のバックアップ実行に係る所要時間を算出し(ステップS405)、バックアップ実行に係る所要時間が最も短くなる機器を集約機器に選択し、その選択した集約機器を操作機器の表示部に表示する(ステップS406)。その後の動作(ステップS407~S410)は、
図4に示すステップS207~S210と同一でありその説明は省略する。
【0081】
図12は、プリンタコントローラ40とMFP60をバックアップ対象機器とした場合に、
図11のステップSS402~S404で取得した情報を一覧にして示したものである。この例では、MFP60が保持するバックアップ対象データのデータ量は1200MB、MFP60からこれに接続された外付け記憶装置5へのデータ転送速度は30MB、プリンタコントローラ40が保持するバックアップ対象データのデータ量は600MB、プリンタコントローラ40からこれに接続された外付け記憶装置5へのデータ転送速度は150MB、プリンタコントローラ40とMFP60との間(機器間)のデータ転送速度は60MBである。
【0082】
図13は、
図12に示す情報に基づいて算出した、外付け記憶装置5をMFP60に接続した場合のバックアップ所要時間と、外付け記憶装置5をプリンタコントローラ40に接続した場合のバックアップ所要時間を示している。
【0083】
MFP60に外付け記憶装置5を接続した場合(
図13(a)参照)、MFP60から外付け記憶装置5へ転送するデータ量は1800MB、これを外付け記憶装置5に転送するのに要する時間は、転送速度が30MBなので60秒である。また、プリンタコントローラ40からMFP60に転送するデータ量は600MBで、その転送に要する時間は、機器間のデータ転送速度が60MBなので10秒である。従って、バックアップ所要時間は60秒+10秒の70秒となる。
【0084】
一方、プリンタコントローラ40に外付け記憶装置5を接続した場合(
図13(b)参照)、プリンタコントローラ40から外付け記憶装置5へ転送するデータ量は1800MB、これを外付け記憶装置5に転送するのに要する時間は、転送速度が150MBなので12秒である。また、MFP60からプリンタコントローラ40に転送するデータ量は1200MBで、その転送に要する時間は、機器間のデータ転送速度が60MBなので20秒である。従って、バックアップ所要時間は12秒+20秒の32秒となる。
【0085】
その結果、
図11のステップS406では、バックアップ所要時間が最小となる、プリンタコントローラ40が集約機器に選択される。
【0086】
<第4態様:機器間および機器から外付け記憶装置へのデータ転送速度を考慮しかつバックアップ対象機器とバックアップ対象データを指定する場合>
図14は、第4態様におけるバックアップ処理手順を示す流れ図である。ユーザは、プリンタコントローラ40またはMFP60のいずれかの機器の操作部49、69でバックアップに関する指示の入力操作を行う。該入力操作を受けた機器(操作機器とする)の機器指定部11、データ指定部12はバックアップ対象機器およびバックアップ対象データの指定を受け付ける(ステップS501)。
【0087】
バックアップ対象機器および対象データの指定をユーザから受け付けた機器(操作機器)の選択部13は、指定された各バックアップ対象機器についてその機器が保持している、指定された種類のバックアップ対象データのデータ量を算出する(ステップS502)。次に、各バックアップ対象機器における外付け記憶装置5へのデータ転送速度を取得し(ステップS503)、さらに、バックアップ対象機器間のデータ転送速度を取得する(ステップS504)。
【0088】
次に、操作機器の選択部13は、ステップS502~S504で取得した情報に基づいて、各機器を集約機器とした場合のバックアップ実行に係る所要時間を算出する(ステップS505)。そして、バックアップ実行に係る所要時間が最も短くなる機器を集約機器に選択し、その選択した集約機器を操作機器の表示部に表示する(ステップS506)。その後の動作(ステップS507~S510)は、
図8に示すステップS307~S310と同一でありその説明は省略する。
【0089】
<第5態様:3以上の機器間のデータ転送速度および各機器から外付け記憶装置へのデータ転送速度を考慮しかつバックアップ対象機器を指定する場合>
図15は、プリンタコントローラ40に、MFP-A60aと、MFP-B60bが接続されている場合のシステム構成を示している。このシステムでのバックアップに関する処理の流れは
図11と同一である。
【0090】
図16は、
図15に示すシステム構成において、
図11のステップSS402~S404で取得した情報を一覧にして示したものである。MFP-A60aが保持するバックアップ対象データのデータ量は1200MB、MFP-A60aからこれに接続された外付け記憶装置5へのデータ転送速度は30MB、MFP-B60bが保持するバックアップ対象データのデータ量は2400MB、MFP-B60bからこれに接続された外付け記憶装置5へのデータ転送速度は150MB、プリンタコントローラ40が保持するバックアップ対象データのデータ量は600MB、プリンタコントローラ40からこれに接続された外付け記憶装置5へのデータ転送速度は100MB、MFP-A60aとプリンタコントローラ40との間のデータ転送速度は100MB、MFP-B60bとプリンタコントローラ40との間のデータ転送速度は100MBである。
【0091】
図17は、
図16に示す情報に基づいて算出した、外付け記憶装置5をMFP-A60aに接続した場合のバックアップ所要時間(
図17(a))と、外付け記憶装置5をプリンタコントローラ40に接続した場合のバックアップ所要時間(
図17(b))と、外付け記憶装置5をMFP-B60bに接続した場合のバックアップ所要時間(
図17(c))とを示している。
【0092】
MFP-A60aに外付け記憶装置5を接続した場合、MFP-A60aから外付け記憶装置5へ転送するデータ量は4200MB、これを外付け記憶装置5に転送するのに要する時間は、転送速度が30MBなので140秒である。また、プリンタコントローラ40からMFP-A60aに転送するデータ量は600MBで、その転送に要する時間は、これらの機器間のデータ転送速度が100MBなので6秒である。MFP-B60bからプリンタコントローラ40に転送するデータ量は2400MBで、その転送に要する時間は、これらの機器間のデータ転送速度が60MBなので40秒であり、このデータをさらにプリンタコントローラ40からMFP-A60aに転送するのに要する時間は、データ量が2400MB、機器間のデータ転送速度が100MBなので24秒である。従って、バックアップ所要時間は140秒+6秒+40秒+24秒の210秒となる。
【0093】
プリンタコントローラ40に外付け記憶装置5を接続した場合、プリンタコントローラ40から外付け記憶装置5へ転送するデータ量は4200MB、これを外付け記憶装置5に転送するのに要する時間は、転送速度が100MBなので42秒である。また、MFP-A60aからプリンタコントローラ40に転送するデータ量は1200MBで、その転送に要する時間は、これらの機器間のデータ転送速度が100MBなので12秒である。MFP-B60bからプリンタコントローラ40に転送するデータ量は2400MBで、その転送に要する時間は、これらの機器間のデータ転送速度が60MBなので40秒である。従って、バックアップ所要時間は42秒+12秒+40秒の94秒となる。
【0094】
MFP-B60aに外付け記憶装置5を接続した場合、MFP-B60bから外付け記憶装置5へ転送するデータ量は4200MB、これを外付け記憶装置5に転送するのに要する時間は、転送速度が150MBなので28秒である。また、プリンタコントローラ40からMFP-B60bに転送するデータ量は600MBで、その転送に要する時間は、これらの機器間のデータ転送速度が60MBなので10秒である。MFP-A60aからプリンタコントローラ40に転送するデータ量は2400MBで、その転送に要する時間は、これらの機器間のデータ転送速度が100MBなので24秒であり、このデータをさらにプリンタコントローラ40からMFP-B60bに転送するのに要する時間は、データ量が2400MB、機器間のデータ転送速度が60MBなので40秒である。従って、バックアップ所要時間は28秒+10秒+24秒+40秒の102秒となる。
【0095】
その結果、
図11のステップS406では、バックアップ所要時間が最小となる、プリンタコントローラ40が集約機器に選択される。
【0096】
このように3以上の機器を対象とし、機器間の転送速度を考慮してバックアップ所要時間を算出する場合には、機器間の接続状態やデータの転送ルートを考慮して各機器に外付け記憶装置5を接続した場合のバックアップ所要時間を算出し、該所要時間が最小となる機器を集約機器に選択することになる。バックアップ対象データを指定する場合についても同様である。
【0097】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0098】
機器の種類は、実施の形態で例示したプリンタコントローラ40やMFP60に限定されるものではなく、情報を保持する記憶装置を備えた機器であれば任意の機器でよい。
【0099】
また、バックアップ装置10は、機器の中に設けられても良いし、機器とは別体に設けられても良い。また、機器の中にバックアップ装置10の機能を設ける場合、必ずしもすべての機器にバックアップ装置10の機能のすべてを設ける必要はなく、1つの機器のみに設けられても良い。
【符号の説明】
【0100】
3…バックアップシステム
5…外付け記憶装置
8…画像形成システム
10…バックアップ装置
11…機器指定部
12…データ指定部
13…選択部
14…バックアップ実行部
15…表示部
16…操作部
20…機器
21…記憶装置
22…接続I/F部
40…プリンタコントローラ
41…CPU
42…ROM
43…RAM
44…ハードディスク装置(HDD)
45…外部データ送受信部
46…RIP部
47…データ送受信部
48…表示部
49…操作部
51…接続I/F部
52…共通バス
60…MFP
61…CPU
62…ROM
63…RAM
64…ハードディスク装置(HDD)
65…印字部
66…読取部
67…データ送受信部
68…表示部
69…操作部
71…接続I/F部
72…共通バス
80…機器指定画面
81…MFP指定釦
82…プリンタコントローラ指定釦
85…接続先案内画面
87…接続先変更問い合わせ画面
88…接続先変更釦
89…そのまま実行釦
90…機器・データ指定画面
91…画像データ釦
92…設定データ釦
93…画像データ釦
94…設定データ釦