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特許7135345情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20220906BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
G06F8/65
H04N1/00 C
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2018039418
(22)【出願日】2018-03-06
(65)【公開番号】P2019153202
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】藤井 将
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151915(JP,A)
【文献】特開2016-132106(JP,A)
【文献】特開2013-143660(JP,A)
【文献】特開2017-187889(JP,A)
【文献】特開2018-026087(JP,A)
【文献】特開2017-076857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
8/00-8/38
8/60-8/77
9/44-9/445
9/451
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、本情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントは、本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱である、
情報処理装置。
【請求項2】
本情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、本情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)管理者の権限に関する設定変更であることを含む、
情報処理装置。
【請求項3】
他の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該他の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段
をさらに有する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記イベントを検知した場合に変更が必要な設定は、着脱されたハードウェアオプション又は増設ユニットの運用設定である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記イベントを検知した場合に変更が必要な設定として、前記(2)である場合は管理者の権限の設定変更である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変更が必要な設定として、請求項4で変更の対象となった設定に関連して変更が必要となる設定を含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記変更が必要な設定として、請求項5で変更の対象となった設定に関連して変更が必要となる設定を含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記要求手段は、前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置が複数ある場合は、本情報処理装置と該他の情報処理装置との構成に基づいて、要求を行う対象である情報処理装置を選定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記要求手段は、前記抽出手段によって抽出された複数の設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置が存在しない場合は、個々の設定を有している複数の他の情報処理装置を選定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記要求手段は、前記他の情報処理装置が複製されている場合は、該他の情報処理装置に対して、複製の要求を行わない、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記要求手段による要求ができない場合は、設定同期法による複製処理又は手動による複製処理を促すためユーザーに対して通知を行う、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記要求ができない場合として、対象となる設定を保有する他の情報処理装置が存在しない場合である、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
複製にふさわしくない設定が存在する場合、該設定に関する通知をユーザーに対して行う通知手段
をさらに有する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項14】
本第1の情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の第2の情報処理装置に、本第1の情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントは、本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱である、
第1の情報処理装置と、
前記第1の情報処理装置と通信回線を介して接続されており、
前記第1の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該第1の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段
を有する第2の情報処理装置
を有する情報処理システム。
【請求項15】
本第1の情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の第2の情報処理装置に、本第1の情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)管理者の権限に関する設定変更であることを含む、
第1の情報処理装置と、
前記第1の情報処理装置と通信回線を介して接続されており、
前記第1の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該第1の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段
を有する第2の情報処理装置
を有する情報処理システム。
【請求項16】
情報処理装置であるコンピュータを、
前記情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、前記情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
として機能させ、
前記イベントは、本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱である、
情報処理プログラム。
【請求項17】
情報処理装置であるコンピュータを、
前記情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、前記情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
として機能させ、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)管理者の権限に関する設定変更であることを含む、
情報処理プログラム。
【請求項18】
本情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、本情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)ファームウェア又はアプリケーションのセットアップ又は変更であることを含む、
情報処理装置。
【請求項19】
本情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、本情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)ユーザーごとの設定の変更であることを含む、
情報処理装置。
【請求項20】
本第1の情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の第2の情報処理装置に、本第1の情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)ファームウェア又はアプリケーションのセットアップ又は変更であることを含む、
第1の情報処理装置と、
前記第1の情報処理装置と通信回線を介して接続されており、
前記第1の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該第1の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段
を有する第2の情報処理装置
を有する情報処理システム。
【請求項21】
本第1の情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の第2の情報処理装置に、本第1の情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
を有し、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)ユーザーごとの設定の変更であることを含む、
第1の情報処理装置と、
前記第1の情報処理装置と通信回線を介して接続されており、
前記第1の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該第1の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段
を有する第2の情報処理装置
を有する情報処理システム。
【請求項22】
情報処理装置であるコンピュータを、
前記情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、前記情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
として機能させ、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)ファームウェア又はアプリケーションのセットアップ又は変更であることを含む、
情報処理プログラム。
【請求項23】
情報処理装置であるコンピュータを、
前記情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、前記情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段
として機能させ、
前記イベントとして、少なくとも(1)本情報処理装置のハードウェアオプション又は増設ユニットの着脱であることを含み、さらに(2)ユーザーごとの設定の変更であることを含む、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、設定情報をインポートする際に他の設定項目に影響を及ぼすことが無い設定項目であれば、自装置において未だ有効化されていない機能であってもインポートすることができる画像形成装置を提供することを課題とし、画像形成装置の依存関係テーブル格納部には、自装置の設定情報に含まれる一の設定項目が他の一の設定項目に及ぼす影響の有無を設定項目間の依存関係として規定したデータが格納され、インポートレベル決定部は、他装置の識別情報と、自装置の識別情報と比較し、その結果に基づき他装置の設定情報を自装置の設定情報に反映する際のインポートレベルを決定し、設定項目反映部は、決定されたインポートレベルに応じて他装置の設定情報を自装置の設定情報に反映することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、アドレス情報の登録件数が多いアドレス帳を登録件数の少ない異機種へのアドレス帳へ配信するときの重要なアドレス情報の欠落を防止することを課題とし、第1処理装置がアドレス帳をサーバ装置へエクスポートし、サーバ装置は、アドレス帳に登録されたアドレス情報の種別タグごとに優先順位を設定するとともに、優先順位に従う順番で種別タグが設定されているアドレス情報を順次選択し、選択した順にアドレス情報を記録したアドレス帳を生成し、その後、第2処理装置のアドレス帳に、このアドレス帳をインポートさせ、これにより、アドレス帳におけるアドレス情報の登録件数がアドレス帳より少ない場合であっても、優先順位の高いアドレス情報がアドレス帳において欠落することがないことが開示されている。
【0004】
特許文献3には、複数のアプリケーションを制御する画像形成装置であって、接続された機器から入力される設定情報をテンポラリ領域に保存する保存手段と、前記テンポラリ領域に保存された設定情報から、機種管理番号及び機体管理番号を少なくとも含む機器識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された機器識別情報と自装置の機種管理番号及び機体管理番号との比較の結果として、(1)前記取得手段により取得された機器識別情報に含まれる機種管理番号及び機体管理番号が、自装置の機種管理番号及び機体管理番号と一致する場合と、(2)前記取得手段により取得された機器識別情報に含まれる機種管理番号が自装置の機種管理番号と一致し、機器識別情報に含まれる機体管理番号が自装置の機体管理番号と一致しない場合と、(3)前記取得手段により取得された機器識別情報に含まれる機種管理番号が自装置の機種管理番号と一致しない場合と、でそれぞれ異なる1つのインポートレベルを、3つのインポートレベルの中から決定する決定手段と、前記決定されたインポートレベルと、前記テンポラリ領域に保存された設定情報に含まれる複数の設定値のそれぞれに対応する属性に応じて、該設定情報から自装置に対して反映すべき1以上の設定値を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された1以上の設定値を各アプリケーションでの制御に利用するためのストレージに格納する格納手段と、を有し、前記設定値に対応する属性には、(一)インポート対象外、(二)前記取得手段により取得された機器識別情報に含まれる機種管理番号及び機体管理番号が、自装置の機種管理番号及び機体管理番号と一致する場合のみインポート可、(三)前記取得手段により取得された機器識別情報に含まれる機種管理番号が自装置の機種管理番号と一致し、機器識別情報に含まれる機体管理番号が自装置の機体管理番号と一致しない場合にもインポート可、及び、(四)前記取得手段により取得された機器識別情報に含まれる機種管理番号が自装置の機種管理番号と一致しない場合にもインポート可の4つの属性が存在し、前記抽出手段は、前記決定手段が決定した前記インポートレベルにおいてインポート可能な設定値であることを示す属性に対応する設定値を抽出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-153350号公報
【文献】特開2015-176480号公報
【文献】特許第5939742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、ある情報処理装置においてアプリケーションの設定を行い、他の情報処理装置でも同様のアプリケーションの設定を行いたい場合がある。他の情報処理装置での再度設定という労力を軽減するために、従来より複製処理(クローニングともいわれる)による設定同期法が利用されている。
ただし、情報処理装置のハードウェアオプション等の構成によって、設定項目が異なる。その結果、現状は使用していない設定項目も含めて、複製処理が行われている。そのため、使用していない設定項目について記憶領域が余分に必要となってしまう。
本発明は、情報処理装置の構成が変更された場合に、余分な記憶領域を消費してしまうことを抑制して、他の情報処理装置に対して、設定の複製を要求することができる情報処理装置、情報処理システム及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、本情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、本情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段を有する情報処理装置である。
【0008】
請求項2の発明は、他の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該他の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記イベントとして、本情報処理装置のハードウェアオプション若しくは増設ユニットの着脱、ファームウェア若しくはアプリケーションのセットアップ若しくは変更、管理者の権限に関する設定変更、又は、ユーザーごとの設定の変更を含む、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記イベントを検知した場合に変更が必要な設定として、着脱されたハードウェアオプション若しくは増設ユニットの運用設定、セットアップ若しくは変更されたファームウェア若しくはアプリケーションの運用設定、管理者の権限の設定変更、又は、ユーザーごとの設定の変更を含む、請求項3に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記変更が必要な設定として、請求項4で変更の対象となった設定に関連して変更が必要となる設定を含む、請求項4に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項6の発明は、前記要求手段は、前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置が複数ある場合は、本情報処理装置と該他の情報処理装置との構成に基づいて、要求を行う対象である情報処理装置を選定する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項7の発明は、前記要求手段は、前記抽出手段によって抽出された複数の設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置が存在しない場合は、個々の設定を有している複数の他の情報処理装置を選定する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項8の発明は、前記要求手段は、前記他の情報処理装置が複製されている場合は、該他の情報処理装置に対して、複製の要求を行わない、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項9の発明は、前記要求手段による要求ができない場合は、既存の複製処理又は手動による複製処理を促すためユーザーに対して通知を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項10の発明は、前記要求ができない場合として、対象となる設定を保有する他の情報処理装置が存在しない場合である、請求項9に記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項11の発明は、複製にふさわしくない設定が存在する場合、該設定に関する通知をユーザーに対して行う通知手段をさらに有する請求項2に記載の情報処理装置である。
【0018】
請求項12の発明は、本第1の情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の第2の情報処理装置に、本第1の情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段を有する第1の情報処理装置と、前記第1の情報処理装置と通信回線を介して接続されており、前記第1の情報処理装置の要求手段から複製の要求を受け付けた場合は、該第1の情報処理装置に対し、該要求にしたがった設定の複製を行う複製手段を有する第2の情報処理装置を有する情報処理システムである。
【0019】
請求項13の発明は、情報処理装置であるコンピュータを、前記情報処理装置に関する構成を変更するイベントが発生した場合、変更が必要な設定を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置に、前記情報処理装置へ該設定を複製するよう要求する要求手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の情報処理装置によれば、情報処理装置の構成が変更された場合に、余分な記憶領域を消費してしまうことを抑制して、他の情報処理装置に対して、設定の複製を要求することができる。
【0021】
請求項2の情報処理装置によれば、他の情報処理装置から複製の要求を受け付けた場合は、他の情報処理装置に対し、その要求にしたがった設定の複製を行うことができる。
【0022】
請求項3の情報処理装置によれば、本情報処理装置のハードウェアオプション若しくは増設ユニットの着脱、ファームウェア若しくはアプリケーションのセットアップ若しくは変更、管理者の権限に関する設定変更、又は、ユーザーごとの設定の変更をイベントとして検知することができる。
【0023】
請求項4の情報処理装置によれば、イベントを検知した場合に変更が必要な設定として、着脱されたハードウェアオプション若しくは増設ユニットの運用設定、セットアップ若しくは変更されたファームウェア若しくはアプリケーションの運用設定、管理者の権限の設定変更、又は、ユーザーごとの設定の変更を含むことができる。
【0024】
請求項5の情報処理装置によれば、変更の対象となった設定に関連して変更が必要となる設定を含むことができる。
【0025】
請求項6の情報処理装置によれば、設定を保有する他の情報処理装置が複数ある場合は、本情報処理装置と他の情報処理装置との構成に基づいて、要求を行う対象である情報処理装置を選定することができる。
【0026】
請求項7の情報処理装置によれば、複数の設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置が存在しない場合は、個々の設定を有している複数の他の情報処理装置を選定することができる。
【0027】
請求項8の情報処理装置によれば、複製されている他の情報処理装置に対して、複製の要求を行わないようにすることができる。
【0028】
請求項9の情報処理装置によれば、要求できない場合は、既存の複製処理又は手動による複製処理を促すためユーザーに対して通知を行うことができる。
【0029】
請求項10の情報処理装置によれば、対象となる設定を保有する他の情報処理装置が存在しない場合を要求ができない場合とすることができる。
【0030】
請求項11の情報処理装置によれば、複製にふさわしくない設定が存在する場合、その設定に関する通知をユーザーに対して行うことができる。
【0031】
請求項12の情報処理システムによれば、情報処理装置の構成が変更された場合に、余分な記憶領域を消費してしまうことを抑制して、他の情報処理装置に対して、設定の複製を要求することができる。
【0032】
請求項13の情報処理プログラムによれば、情報処理装置の構成が変更された場合に、余分な記憶領域を消費してしまうことを抑制して、他の情報処理装置に対して、設定の複製を要求することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図5】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図6】検知対象イベント・変更対象設定テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図7】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図8】選定テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図9】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図10】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図11】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図12】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図13】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理ごとに又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理ごとに、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0035】
本実施の形態である情報処理装置100(デバイスともいわれる)は、他の情報処理装置100に対して、設定の複製を要求するものであって、図1の例に示すように、アプリケーション管理モジュール105、フィニッシャー管理モジュール140、ICカードリーダー管理モジュール150、クローニング処理モジュール160、構成変更処理モジュール175を有している。
情報処理装置100は、構成変更のイベントを起点とするクローニングの実行処理を行う。なお、クローニング(以下、複製ともいう)とは、他の情報処理装置100からデータ(アプリケーションプログラム、設定情報等を含む)を複製すること、又は、自情報処理装置100のデータを他の情報処理装置100に複製することをいう。
なお、情報処理装置100は、クローニング対象であればよい。例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、画像処理装置等がある。以下、例示する場合は、画像処理装置を用いる。
【0036】
本実施の形態は、例えば、以下のような処理を行う。特に、この説明(本段落内の説明)は、本実施の形態の理解を容易にすることを目的とするものであり、この説明を用いて限定解釈することは意図していない。そして、この説明部分のみを用いて、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること(特許法第36条第6項第1号)の判断を行うべきではないことは当然である。
ある機器にてアプリケーションの設定を行い、アプリケーションのその設定を他の機器にて流用したい場合、操作者による再度の設定(1台目の機器での設定、さらに2台目の機器での設定)という手間を防止するため、従来よりクローニング(複製処理)による設定同期法が利用されている。
なお、一般的には、クローニング手法として、(1)ユーザーやシステムの指示に基づき、自機器の設定情報を他の機器へそのままストア(上書き)すること、(2)ユーザーが任意のタイミングで設定等のデータを中央処理装置等に1度バックアップしておき、その後、任意のタイミング、かつ、任意の他の機器へバックアップしたデータのリストアを行うことが行われている。
しかし、機器間で、ハードウェアオプション等の構成が異なると、そのアプリケーション又はその設定をクローニングの対象とすることができない。又は、クローニングを行ったとしても、ハードウェアオプション等の構成が一致した後に、再度クローニングが発生することになる。
特許文献1に記載の技術として、機器の構成変更した後に将来必要となる設定に関し、現状は使わない設定群も含めてクローニングしてしまうという手段がある。
この手段を適用することにより、操作者による再度のクローニング操作を不要とすることは可能である。
しかし、下記ケースでは前記手段の適用は好ましくなく、実用性の面で課題となる。つまり、構成変更が行われる前の時点で行う将来予測に依存する手段であり、将来予測されない突発的な構成変更による影響を予測、吸収しきれないものである。
(ケース1)
構成が変更されるまでの間は、設定についての記憶領域を必要以上に消費してしまうこととなる。例えば、外部機器を接続した場合に備えて、その外部機器に関する各種設定を、設定領域又は一次記憶領域に保存しておく。しかし、外部機器を接続するまでは、それは利用されないものであり(無駄であり)、リソース活用率の観点から好ましくない。
(ケース2)
構成が変更されるまでの間は、設定行為そのものが許可されないことがある。例えば、外部機器を接続するまでは安全装置が働いて設定すること自体が不可能であること、又は、設定先オブジェクトがまだ利用可能状態にはなっていない(いわゆる未デプロイ状態)であること等がある。
(ケース3)
その他にも、前記手段は当該ハードウェアオプションのどのバージョンまでの設定情報をクローニングするかが実用的な課題となる。例えば、旧バージョン(例えば、Ver1)のデータを包含したクローニングデータは、新バージョン(例えば、Ver3)の外部機器が接続された場合に、有効ではない可能性がある。つまり、対象ハードウェアオプションの設定情報において、前方互換関係上の陳腐化が生じる。
そこで、情報処理装置100は、機器内の構成が変更されたことを検知し、それをトリガにして、本機器と通信可能な他の機器(一般的には、複数の機器)の構成、そして、その他の機器が保有している設定をもとに複製元となる機器を決定し、イベント駆動型でクローニングを実行する。つまり、将来予測に頼る手段ではなく、設定更新がされたときの状況に基づきクローニングを行う。これによって、前述の3種のケースにも対応でき、突然の構成変更に対してもフレキシブルに応対するクローニングを実現する。
【0037】
情報処理装置100内の変更可能な構成として、例えば、アプリケーション管理モジュール105内のアプリケーション、フィニッシャー管理モジュール140、ICカードリーダー管理モジュール150等の外部機器(ハードウェアオプション)がある。したがって、アプリケーション管理モジュール105内のアプリケーションA110がセットアップ(インストール)、アップグレード等された場合、フィニッシャー管理モジュール140等が新たに設置された場合(情報処理装置100とフィニッシャー管理モジュール140等が接続された場合)、フィニッシャー管理モジュール140等の交換が行われた場合等が、構成変更検知モジュール180によって、構成変更のイベントとして検知され得る。
【0038】
アプリケーション管理モジュール105は、アプリケーションA110、アプリケーションX130を有しており、構成変更処理モジュール175の構成変更検知モジュール180と接続されている。アプリケーションA110、アプリケーションX130がインストールされた状態(又は、これからインストールされる状態)を示している。
【0039】
アプリケーションA110は、UI/操作モジュール115、アプリ制御モジュール120、運用設定モジュール125を有している。アプリケーションA110として、例えば、情報処理装置100が画像処理装置である場合は、プリント処理のアドオンソフト等が該当する。
UI/操作モジュール115は、アプリ制御モジュール120と接続されている。UI/操作モジュール115は、ユーザーインタフェースの機能を有しており、例えば、タッチパネルを兼ねる液晶ディスプレイを制御して、ユーザーの操作を受け付け、ユーザーに対してメッセージ等を提示する。この他、マウス、キーボード、カメラ、マイク等を用いたユーザーの操作(視線、ジェスチャ、音声等も含む)を受け付けるようにしてもよいし、スピーカーによる音声出力、触覚デバイスを用いた触感によって、ユーザーへのメッセージを提示するようにしてもよい。
アプリ制御モジュール120は、UI/操作モジュール115、運用設定モジュール125と接続されている。アプリ制御モジュール120は、アプリケーションそのものの処理を制御する。その際に、本情報処理装置100における設定を運用設定モジュール125から取得(Get)して、アプリケーションの処理を行う。
運用設定モジュール125は、アプリ制御モジュール120、クローニング処理モジュール160と接続されている。運用設定モジュール125は、クローニング処理モジュール160によって取得された設定情報を設定、管理する。例えば、設定情報として、本情報処理装置100では、両面印刷をデフォルト(初期設定)とする設定等が該当する。
【0040】
アプリケーションX130は、運用設定モジュール135を有している。アプリケーションX130として、例えば、情報処理装置100が画像処理装置である場合は、スキャン処理のアドオンソフト等が該当する。
運用設定モジュール135は、クローニング処理モジュール160と接続されている。運用設定モジュール135は、クローニング処理モジュール160によって取得された設定情報を設定、管理する。例えば、設定情報として、本情報処理装置100では、白黒データ(2値データ)の読み取りをデフォルトとする設定等が該当する。
【0041】
フィニッシャー管理モジュール140は、運用設定モジュール145を有しており、構成変更処理モジュール175の構成変更検知モジュール180と接続されている。フィニッシャー管理モジュール140は、情報処理装置100に備え付けられた状態(又は、これから接続される状態)を示している。
運用設定モジュール145は、クローニング処理モジュール160と接続されている。運用設定モジュール145は、クローニング処理モジュール160によって取得された設定情報(運用設定)を設定する。そして、穴あけ(パンチ)、ステープラー等の機能を有するフィニッシャーにおける運用設定を管理する。例えば、運用設定として、穴あけは2穴をデフォルトとする運用設定等が該当する。
ICカードリーダー管理モジュール150は、運用設定モジュール155を有しており、構成変更処理モジュール175の構成変更検知モジュール180と接続されている。ICカードリーダー管理モジュール150は、情報処理装置100に備え付けられた(又は、これから接続される状態)を示している。
運用設定モジュール155は、クローニング処理モジュール160と接続されている。運用設定モジュール155は、クローニング処理モジュール160によって取得された設定情報(運用設定)を設定する。そして、ICカードリーダーにおける運用設定を管理する。例えば、運用設定として、予め定められた通信プロトコル(ブロック伝送プロトコル)をデフォルトとする運用設定等が該当する。
【0042】
クローニング処理モジュール160は、複製要求モジュール165、複製処理モジュール170を有しており、アプリケーションA110の運用設定モジュール125、アプリケーションX130の運用設定モジュール135、フィニッシャー管理モジュール140の運用設定モジュール145、ICカードリーダー管理モジュール150の運用設定モジュール155、構成変更処理モジュール175、情報処理装置100Aのクローニング処理モジュール160Aと接続されている。クローニング処理モジュール160は、複製要求モジュール165による要求の返信として受け取った設定を、その設定が必要なモジュール(アプリケーション管理モジュール105内のアプリケーション、クローニング処理モジュール160、ICカードリーダー管理モジュール150等)に設定(Set)する。
【0043】
複製要求モジュール165は、変更対象設定抽出モジュール185によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置100(他情報処理装置の保有設定把握モジュール190で対象とされた情報処理装置100)に、本情報処理装置100へ、その設定を複製するよう要求する(その設定を送信するよう要求する)。
また、複製要求モジュール165は、変更対象設定抽出モジュール185によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置100が複数ある場合は、本情報処理装置100とその他の情報処理装置100との構成に基づいて、要求を行う対象である情報処理装置100を選定するようにしてもよい。ここで「本情報処理装置100とその他の情報処理装置100との構成に基づいて」として、例えば、本情報処理装置100とその他の情報処理装置100との構成差がないこと、その構成差が最も少ないこと、同じ構成が最も多いこと等を含む。ここで比較対象となる構成は、予め定められた構成項目であってもよい。
また、複製要求モジュール165は、変更対象設定抽出モジュール185によって抽出された複数の設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置100が存在しない場合は、個々の設定を有している複数の他の情報処理装置100を選定するようにしてもよい。ここで「複数の設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置100」として、複数の設定と同じ設定を全て保有する他の情報処理装置100がある。
【0044】
また、複製要求モジュール165は、他の情報処理装置100が複製されている場合は、その他の情報処理装置100に対して、複製の要求を行わないようにしてもよい。ここで「他の情報処理装置100が複製されている場合」とは、他の情報処理装置100Bがさらに他の情報処理装置100C(本情報処理装置100ではなく、さらに、情報処理装置100Bでもない情報処理装置100)から、複製処理を受けている場合(被複製されている場合)である。つまり、他の情報処理装置100Bが他の情報処理装置100Cに対して、複製するよう要求している場合である。この場合は、情報処理装置100Bへの複製が行われることによって、情報処理装置100Bの設定自体が変更されることになるため、複製処理の安全性、安定性を確保するためである。
なお、「他の情報処理装置100が複製されている場合」を検知するタイミングとして、例えば、他の情報処理装置100の構成を確認しているときがある。その場合、そのときに「他の情報処理装置100が複製されている」状況である場合が、「他の情報処理装置100が複製されている場合」に該当することになる。
また、「複製の要求を行わない」として、複数の要求を送信しないこと、複数の要求を禁止すること等を含む。
また、複製要求モジュール165は、複製要求モジュール165による要求ができない場合は、既存の複製処理又は手動による複製処理を促すためユーザーに対して通知を行うようにしてもよい。ここで「要求ができない場合」として、対象となる設定を保有する他の情報処理装置100が存在しない場合を含めてもよい。
また、複製要求モジュール165は、複製にふさわしくない設定が存在する場合、その設定に関する通知をユーザーに対して行うようにしてもよい。ここで「複製にふさわしくない設定」として、例えば、親展ボックスの設定、複製を要求する情報処理装置100が白黒機であるにもかかわらず、複製を行う情報処理装置100がフルカラー機である場合に、フルカラー機の出力設定等が該当する。
【0045】
複製処理モジュール170は、他の情報処理装置100(情報処理装置100A)の複製要求モジュール165(複製要求モジュール165A)から複製の要求を受け付けた場合は、その他の情報処理装置100(情報処理装置100A)に対し、その要求にしたがった設定の複製を行う。具体的には、自情報処理装置100内の設定を抽出し、要求を行ったその他の情報処理装置100(情報処理装置100A)にその設定を送信する。
ここでの「他の情報処理装置100」は、複製要求元の情報処理装置100Aである。したがって、要求を受けた情報処理装置100は、設定に関し複製要求元の情報処理装置100Aに対し指定の設定の複製を行う。なお、「他の情報処理装置100」には、「クラウド上にある複製処理を管理する装置」も含まれる。特に、クラウドで処理をする場合(つまり、クラウド上の装置で実施する場合)は、ファイアーウォール越え等の処理が必要である。
また、各情報処理装置100は複製要求モジュール165と複製処理モジュール170を有している場合、各情報処理装置100は、非同期で複製処理が可能となる。
【0046】
構成変更処理モジュール175は、構成変更検知モジュール180、変更対象設定抽出モジュール185、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190を有しており、クローニング処理モジュール160と接続されている。
構成変更検知モジュール180は、アプリケーション管理モジュール105、フィニッシャー管理モジュール140、ICカードリーダー管理モジュール150、変更対象設定抽出モジュール185と接続されている。構成変更検知モジュール180は、本情報処理装置100に関する構成を変更するイベントが発生したことを検知する。ここで「イベントが発生した場合」とは、イベントを待機し、起こったイベント(又は検知したイベント)にしたがって処理を行うものである。いわゆるイベント駆動型を指している。
検知対象であるイベントとして、本情報処理装置100のハードウェアオプション若しくは増設ユニットの着脱、ファームウェア若しくはアプリケーションのセットアップ若しくは変更、管理者の権限に関する設定変更、又は、ユーザーごとの設定の変更を含む。ここで「ファームウェア若しくはアプリケーションのセットアップ若しくは変更」には、そのファームウェア若しくはアプリケーションのバージョン変更(アップデート、ダウングレードと含む)を含む。
【0047】
変更対象設定抽出モジュール185は、構成変更検知モジュール180、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190と接続されている。変更対象設定抽出モジュール185は、構成変更検知モジュール180によって、本情報処理装置100に関する構成を変更するイベントが発生したことを検知した場合、現在の状態から変更が必要な設定を抽出する。ここで「イベントを検知した場合に変更が必要な設定」として、着脱されたハードウェアオプション若しくは増設ユニットの運用設定、セットアップ若しくは変更されたファームウェア若しくはアプリケーションの運用設定、管理者の権限の設定変更、又は、ユーザーごとの設定の変更を含むようにしてもよい。さらに、「変更が必要な設定」として、ここで変更の対象となった設定に関連して変更が必要となる設定を含むようにしてもよい。ここで「設定に関連して変更が必要となる設定」とは、いわゆる芋づる式で設定の変更の必要性が発生しうる他の設定のことである。例えば、管理者による設定で、画像処理装置においてコピー(複写)禁止とした場合、アドオンソフトであるコピーアプリケーションにおいてもコピー禁止とすること等が該当する。
【0048】
他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、変更対象設定抽出モジュール185、情報処理装置100Aと接続されている。他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、他の情報処理装置100(情報処理装置100A等)と通信を行い、他の情報処理装置100の構成、保有している設定等を取得する。そして、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、変更対象設定抽出モジュール185によって抽出された設定を保有する他の情報処理装置100を複製要求先の対象とする選定を行う。
【0049】
情報処理装置100Aは、他の情報処理装置100であって、情報処理装置100と同様に、クローニング処理モジュール160A、構成変更処理モジュール175Aを有している。情報処理装置100Aは、情報処理装置100内の構成変更処理モジュール175の他情報処理装置の保有設定把握モジュール190と接続されている。
クローニング処理モジュール160Aは、複製要求モジュール165A、複製処理モジュール170Aを有しており、情報処理装置100のクローニング処理モジュール160と接続されている。
情報処理装置100A内のモジュールは、情報処理装置100と同等のものである。なお、アプリケーション管理モジュール105、フィニッシャー管理モジュール140、ICカードリーダー管理モジュール150等を有していてもよいし、他のアプリケーション、他のハードウェアオプション等を有していてもよい。
【0050】
なお、複製を要求する情報処理装置100は、複製処理モジュール170を有していなくてもよい。複製処理モジュール170は、複製の要求を受けるモジュールだからである。一方、複製の要求を受ける情報処理装置100(例えば、情報処理装置100A)は、複製要求モジュール165、構成変更処理モジュール175を有していなくてもよい。複製要求モジュール165、構成変更処理モジュール175は、複製の要求を行うモジュールだからである。ただし、いずれの情報処理装置100においても、複製の要求を行うこと、複製の要求を受けて複製処理を行うことの両方を行うことが望ましいので、1つの情報処理装置100内に、複製要求モジュール165、複製処理モジュール170、構成変更処理モジュール175を有することが好ましい。
【0051】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
情報処理装置100、情報処理装置100A、情報処理装置100B、情報処理装置100Cは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。そして、相互に通信可能な2台以上の情報処理装置100に関し、各情報処理装置100は自情報処理装置100の設定を相手の情報処理装置100へ複製するためのインタフェース(クローニング処理モジュール160、構成変更処理モジュール175)を相互に要する。
例えば、情報処理装置100が新たにアプリケーションをインストールした場合、情報処理装置100と同等の構成を有している情報処理装置100Aから、そのアプリケーションに必要な運用設定を取得し、その運用設定をそのアプリケーションに設定する。以後、情報処理装置100では、情報処理装置100Aと同じ運用設定で情報処理装置100を使用することができるようになる。
【0052】
図3は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、構成変更検知モジュール180は、構成の変更のイベントを検知したか否かを判断し、検知した場合はステップS304へ進み、それ以外の場合は検知するまで待機する。
ステップS304では、変更対象設定抽出モジュール185は、そのイベントによって、変更が必要となる(又は、新たに必要となる)設定内容を抽出する。
ステップS306では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、他の情報処理装置100に対して、構成情報と保有している設定を取得するためのリクエストを発行する。
【0053】
ステップS308では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、リクエストの返信を受信する。
ステップS310では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、ステップS304で抽出した設定内容を有している情報処理装置100を抽出する。
ステップS312では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、ステップS310で抽出した情報処理装置100は複数あるか否かを判断し、複数ある場合はステップS314へ進み、それ以外の場合はステップS316へ進む。
【0054】
ステップS314では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、自情報処理装置100の構成との差が最も少ない情報処理装置100を選定する。
ステップS316では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、ステップS310で抽出した情報処理装置100を選定する。
ステップS318では、複製要求モジュール165は、ステップS314又はステップS316で選定した情報処理装置100に変更された構成の設定(ステップS304で抽出した設定)を要求する。
【0055】
ステップS320では、複製要求モジュール165は、ステップS318での要求の返信を受信する。
ステップS322では、クローニング処理モジュール160は、ステップS320で受信した構成の設定を自情報処理装置100内に設定する。
なお、ステップS304で、必要な設定情報が複数ある場合は、ステップS310で、その必要な設定情報の全てを有している情報処理装置100を抽出する。ただし、必要な設定情報の全てを有している情報処理装置100がない場合(つまり、必要とする複数の設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置100が存在しない場合)は、設定情報ごとに、その設定情報を有している情報処理装置100(複数の情報処理装置100になる)を抽出する。そして、それらの情報処理装置100から個々の設定情報を送信してもらうようにすればよい。
【0056】
図4から図10の例を用いて、図3に示したフローチャートの具体的な処理例を示す。
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
前提として、相互に通信可能な2台以上の情報処理装置100に関し、それらの各情報処理装置100は自情報処理装置100の設定を相手の情報処理装置100へ複製するためのインタフェースを相互に要している。
図4の例では、情報処理装置100、情報処理装置100A、情報処理装置100Bは、通信回線290を介して、相互に通信可能であって、互いに設定の複製が可能な状態である。
なお、情報処理装置100は、アプリケーションA:410、アプリケーションB:420を有している。アプリケーションA:410は、設定情報412を有している。アプリケーションB:420は、設定情報422を有している。
また、情報処理装置100Aは、アプリケーションA:410A、アプリケーションB:420A、アプリケーションC:430A、フィニッシャー440Aを有している。アプリケーションA:410Aは、設定情報412Aを有している。アプリケーションB:420Aは、設定情報422Aを有している。アプリケーションC:430Aは、設定情報432Aを有している。フィニッシャー440Aは、設定情報442Aを有している。
また、情報処理装置100Bは、アプリケーションA:410B、アプリケーションB:420B、アプリケーションC:430Bを有している。アプリケーションA:410Bは、設定情報412Bを有している。アプリケーションB:420Bは、設定情報422Bを有している。アプリケーションC:430Bは、設定情報432Bを有している。
【0057】
図5は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図4の例に示す状態から、ユーザー510が情報処理装置100にアプリケーションC:430をインストールしたとする。したがって、アプリケーションC:430の設定情報を取得して設定する必要がある。ここでは、図3の例に示すフローチャート内のステップS302、ステップS304の処理が行われる。つまり、ステップS302では、アプリケーションC:430がインストールされたことを検知し、ステップS304の処理に進む。
【0058】
ステップS304の処理では、アプリケーションC:430がインストールされたことによって必要となる設定情報を、例えば、検知対象イベント・変更対象設定テーブル600から抽出する。図6は、検知対象イベント・変更対象設定テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。検知対象イベント・変更対象設定テーブル600は、ID欄610、検知対象イベント欄620、変更対象設定欄630を有している。ID欄610は、イベントを本実施の形態で一意に識別するための情報であるID(IDentification)を記憶している。検知対象イベント欄620は、検知対象となっているイベントを記憶している。変更対象設定欄630は、そのイベントを検知した場合の変更対象の設定情報を記憶している。
例えば、IDが「1」の検知対象イベントが「AddOnアプリケーションインストール」である場合は、変更対象の設定として「当該アプリケーション設定」の必要があり、IDが「2」の検知対象イベントが「AddOnアプリケーションアップデート」である場合は、変更対象の設定として「当該アプリケーション設定」の必要があり、IDが「4」の検知対象イベントが「フィニッシャー装着」である場合は、変更対象の設定として「フィニッシャー管理者設定」、「フィニッシャー利用プリント系アプリケーション設定」、「フィニッシャー利用コピー系アプリケーション設定」の必要があり、IDが「5」の検知対象イベントが「フィニッシャー脱着」である場合は、変更対象の設定として「フィニッシャー管理者設定」の必要がある。
図5の例の場合は、アプリケーションC:430がインストールされたので、検知対象イベント・変更対象設定テーブル600の1行目(IDが「1」)から「当該アプリケーション設定」を変更対象となる設定として抽出する。
なお、検知対象イベント・変更対象設定テーブル600の3行目のように、フィニッシャーの装着を検知した場合は、「フィニッシャーの管理者設定」という設定の他に、その設定にともなって(いわゆる芋づる式に)、「フィニッシャー利用プリント系アプリケーション設定」、「フィニッシャー利用コピー系アプリケーション設定」という2つの設定が必要であることを抽出できる。
また、検知したイベントが、検知対象イベント・変更対象設定テーブル600の検知対象イベント欄620にあるか否かによって、検知対象とすべきイベントである(設定を変更すべきイベントである)か否かを照合していることになる。
【0059】
図7は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
ステップS702では、ステップS304の処理によって、要件として、アプリケーションC:430には設定情報が必要であることが判明する。
そして、通信可能な他の情報処理装置100(図7の例では、情報処理装置100A、情報処理装置100B)の内、自情報処理装置100が必要とする設定情報を保有する情報処理装置100を検出する。つまり、ここでは、図3の例に示すフローチャート内のステップS306の処理が行われる。
ステップS704Aでは、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、情報処理装置100Aに対し、構成情報/保有設定を取得するためのリクエストを発行する。
ステップS704Bでは、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、情報処理装置100Bに対し、構成情報/保有設定を取得するためのリクエストを発行する。
【0060】
ステップS704A、ステップS704Bの処理結果として、情報処理装置100A、情報処理装置100Bからリクエストの返信を受信する。その返信から、選定テーブル800を生成する。ここでは、図3の例に示すフローチャート内のステップS308からステップS314の処理が行われる。
図8は、選定テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。選定テーブル800は、列方向に自情報処理装置100欄810、情報処理装置100B欄820、情報処理装置100A欄830を有しており、行方向に構成情報欄840、構成差が最も小さい情報処理装置欄850を有している。自情報処理装置100欄810は、自情報処理装置100についての構成情報等を記憶している。情報処理装置100B欄820は、情報処理装置100Bについての構成情報等を記憶している。情報処理装置100A欄830は、情報処理装置100Aについての構成情報等を記憶している。構成情報欄840は、構成情報を記憶している。構成差が最も小さい情報処理装置欄850は、自情報処理装置100との構成差が最も小さい情報処理装置であるか否かの情報を記憶している。
【0061】
ステップS304で抽出した設定(アプリケーションC:430の設定情報)を有している情報処理装置として、情報処理装置100A、情報処理装置100Bがある。つまり、対象としている設定と同じ設定を保有する他の情報処理装置が2台以上存在した場合である。その内、自情報処理装置100との構成差が最も少ない情報処理装置を選定する。
図8の例では、情報処理装置100はアプリケーションA:410、アプリケーションB:420、アプリケーションC:430を有しており、情報処理装置100BはアプリケーションA:410B、アプリケーションB:420B、アプリケーションC:430Bを有しており、情報処理装置100AはアプリケーションA:410A、アプリケーションB:420A、アプリケーションC:430A、フィニッシャー440Aを有している。
したがって、情報処理装置100Bが情報処理装置100との構成差が最も小さいものであるので、情報処理装置100Bを選定する。
なお、構成差が最も小さいものは、構成差がある情報処理装置の場合、取得してくる設定に構成差の影響を受けた値がセットされている可能性があるからである。例えば、情報処理装置100AのアプリケーションCの設定情報にはフィニッシャーを利用した運用設定がセットされており、それは自情報処理装置100と相容れない設定である。つまり、フィニッシャーによって、アプリケーションCが影響を受けるからである。
【0062】
図9は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。図8の例で説明したように、選定した情報処理装置100Bに対し、複製要求を発行する。つまり、ここでは、図3の例に示すフローチャート内のステップS318の処理が行われる。
ステップS702は、図7で説明した通りである。
ステップS706では、情報処理装置100Bに対し、アプリケーションC:430の設定情報を複製する要求を発行する。
【0063】
図10は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
複製要求に対し、情報処理装置100Bは自情報処理装置100に対して複製処理(設定情報432Bの送信)を行う。つまり、ここでは、図3の例に示すフローチャート内のステップS320、ステップS322の処理が行われる。
ステップS708では、アプリケーションC:430Bの設定情報である設定情報432Bを抽出し、情報処理装置100に複製(送信)する。
そして、情報処理装置100は、アプリケーションC:430に設定情報432B(図10では、設定情報1010)を設定する。
【0064】
図11は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。つまり、複製の要求を受けた情報処理装置100(前述の例では、情報処理装置100B)の処理例を示すものである。
ステップS1102では、他の情報処理装置100から複製の要求を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合はステップS1104へ進み、それ以外の場合は複製の要求を受け付けるまで待機する。
ステップS1104では、要求された設定情報を抽出する。
ステップS1106では、要求を行った情報処理装置100に対して、設定情報を送信する。
【0065】
図12は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1202では、構成変更検知モジュール180は、構成の変更のイベントを検知したか否かを判断し、検知した場合はステップS1204へ進み、それ以外の場合は検知するまで待機する。
ステップS1204では、変更対象設定抽出モジュール185は、そのイベントによって、変更が必要となる(又は、新たに必要となる)設定内容を抽出する。
ステップS1206では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、他の情報処理装置100に対して、構成情報と保有している設定を取得するためのリクエストを発行する。
【0066】
ステップS1208では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、リクエストの返信を受信する。
ステップS1210では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、返信内に被複製中であることを示す情報が含まれている情報処理装置100を除外する。前述したように、対象となっている設定情報が複製によって変更されてしまうことがあるからである。なお、もちろんのことながら、リクエストを受けた他の情報処理装置100は、現在、被複製中であるか否かを示す情報を返信する。
ステップS1212では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、ステップS1204で抽出した設定内容を有している情報処理装置100を抽出する。
【0067】
ステップS1214では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、ステップS1212で抽出した情報処理装置100は複数あるか否かを判断し、複数ある場合はステップS1216へ進み、それ以外の場合はステップS1218へ進む。
ステップS1216では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、自情報処理装置100の構成との差が最も少ない情報処理装置100を選定する。
ステップS1218では、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190は、ステップS1212で抽出した情報処理装置100を選定する。
【0068】
ステップS1220では、複製要求モジュール165は、ステップS1216又はステップS1218で選定した情報処理装置100に変更された構成の設定を要求する。
ステップS1222では、複製要求モジュール165は、ステップS1220での要求の返信を受信する。
ステップS1224では、クローニング処理モジュール160は、ステップS1222で受信した構成の設定を自情報処理装置100内に設定する。
【0069】
図13を参照して、本実施の形態の情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。図13に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1317と、プリンタ等のデータ出力部1318を備えたハードウェア構成例を示している。
【0070】
CPU(Central Processing Unit)1301は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、アプリケーション管理モジュール105、アプリケーションA110、UI/操作モジュール115、アプリ制御モジュール120、運用設定モジュール125、アプリケーションX130、運用設定モジュール135、フィニッシャー管理モジュール140、運用設定モジュール145、ICカードリーダー管理モジュール150、運用設定モジュール155、クローニング処理モジュール160、複製要求モジュール165、複製処理モジュール170、構成変更処理モジュール175、構成変更検知モジュール180、変更対象設定抽出モジュール185、他情報処理装置の保有設定把握モジュール190等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0071】
ROM(Read Only Memory)1302は、CPU1301が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1303は、CPU1301の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1304により相互に接続されている。
【0072】
ホストバス1304は、ブリッジ1305を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス1306に接続されている。
【0073】
キーボード1308、マウス等のポインティングデバイス1309は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1310は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1309とディスプレイ1310の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1308のように物理的に接続しなくても、画面(タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0074】
HDD(Hard Disk Drive)1311は、ハードディスク(フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1301によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、アプリケーションプログラム、設定情報等が格納される。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0075】
ドライブ1312は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1313に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1307、外部バス1306、ブリッジ1305、及びホストバス1304を介して接続されているRAM1303に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1313も、データ記録領域として利用可能である。
【0076】
接続ポート1314は、外部接続機器1315を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1314は、インタフェース1307、及び外部バス1306、ブリッジ1305、ホストバス1304等を介してCPU1301等に接続されている。通信部1316は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1317は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1318は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0077】
なお、図13に示す情報処理装置100のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図13に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図13に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0078】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
100…情報処理装置
105…アプリケーション管理モジュール
110…アプリケーションA
115…UI/操作モジュール
120…アプリ制御モジュール
125…運用設定モジュール
130…アプリケーションX
135…運用設定モジュール
140…フィニッシャー管理モジュール
145…運用設定モジュール
150…ICカードリーダー管理モジュール
155…運用設定モジュール
160…クローニング処理モジュール
165…複製要求モジュール
170…複製処理モジュール
175…構成変更処理モジュール
180…構成変更検知モジュール
185…変更対象設定抽出モジュール
190…他情報処理装置の保有設定把握モジュール
290…通信回線
図1
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