IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特許7135575画像処理装置、画像読取装置及びプログラム
<>
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図1
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図2
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図3
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図4
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図5
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図6
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図7
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図8
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図9
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図10
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図11
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図12
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図13
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図14
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図15
  • 特許-画像処理装置、画像読取装置及びプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像読取装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20220906BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H04N1/60
G06T1/00 510
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018153362
(22)【出願日】2018-08-17
(65)【公開番号】P2020028088
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】高濱 英一
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-264409(JP,A)
【文献】特開2004-357010(JP,A)
【文献】特開2016-127350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/60
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
を備え、
前記蛍光色特定手段は、前記画像データを複数のブロックに分割して得られるブロック毎に蛍光色の画像領域であるか否かを特定し、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
を備え、
前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出手段を更に備え、
前記彩度算出手段は、前記画像データを構成する画素毎に彩度を算出し、注目画素について算出された彩度と、当該注目画素の周囲に位置する複数の画素のそれぞれについて算出された彩度との平均値を当該注目画素の彩度として採用し、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
を備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、
前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定し、
前記明度補正係数決定手段は、前記画像データの彩度が前記所定値よりも高くなる程、前記明度補正係数による明度の上昇率を低下させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
を備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、
前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出手段を更に備え、
前記明度補正係数決定手段は、
彩度と明度の補正係数とを対応付けた補正係数決定テーブルを管理する管理手段と、
前記彩度算出手段から出力される前記画像データの彩度に基づいて前記補正係数決定テーブルを参照することにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を決定するテーブル参照手段と、
を更に備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
を備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、
前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出手段を更に備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記彩度算出手段から出力される前記画像データの彩度に基づいて所定の演算を行うことにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を算出する演算手段、
を更に備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に文字が含まれるか否かを判別する文字判別手段と、
を備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記文字判別手段によって文字が含まれると判別された場合に、当該蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として明度の上昇率を高く設定変更することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
ユーザーによる入力操作を受け付ける操作入力手段と、
を備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記操作入力手段に対して行われるユーザーの操作に基づいて前記明度補正係数を変化させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像データを取得する画像取得手段と、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、
前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、
を備え、
前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、出力画像としてモノクロ画像が指定されている場合には前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
原稿を読み取って画像データを生成する画像読取手段と、
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理装置と、
を備え、
前記画像取得手段は、前記画像読取手段によって生成される画像データを取得することを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記蛍光色特定ステップは、前記画像データを複数のブロックに分割して得られるブロック毎に蛍光色の画像領域であるか否かを特定し、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出ステップを有し、
前記彩度算出ステップは、前記画像データを構成する画素毎に彩度を算出し、注目画素について算出された彩度と、当該注目画素の周囲に位置する複数の画素のそれぞれについて算出された彩度との平均値を当該注目画素の彩度として採用し、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定し、
前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定し、
前記明度補正係数決定ステップは、前記画像データの彩度が前記所定値よりも高くなる程、前記明度補正係数による明度の上昇率を低下させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、
前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出ステップを有し、
前記明度補正係数決定ステップは、
彩度と明度の補正係数とを対応付けた補正係数決定テーブルを管理する管理ステップと、
前記彩度算出ステップによって出力される前記画像データの彩度に基づいて前記補正係数決定テーブルを参照することにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を決定するテーブル参照ステップと、
を更に有することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、
前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出ステップを有し、
前記明度補正係数決定ステップは、前記彩度算出ステップによって出力される前記画像データの彩度に基づいて所定の演算を行うことにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を算出する演算ステップ、
を更に有することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に文字が含まれるか否かを判別する文字判別ステップと、
を実行させ、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、前記文字判別ステップにおいて文字が含まれると判別された場合に、当該蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として明度の上昇率を高く設定変更することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、ユーザーの入力操作に基づいて前記明度補正係数を変化させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
画像データを取得する画像取得ステップと、
前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、
前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、
前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、
を実行させ、
前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、出力画像としてモノクロ画像が指定されている場合には前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数を決定することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像読取装置及びプログラムに関し、特に画像データの明度を調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripherals)などのスキャナ機能やプリンタ機能を備える複合機は、種々の原稿を読み取って再生出力することが可能である。このような複合機は、セットされた原稿に光を照射し、原稿の読取面からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子で読み取る。撮像素子は、反射光に含まれるR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の各色成分の光量に応じた濃度レベルを検出して画像信号を生成するように構成されており、複合機は、撮像素子により生成される画像信号をA/D変換して画像データを生成する。
【0003】
このような複合機に読み取られる種々の原稿のうちには、蛍光色を含む原稿がある。このような蛍光色は蛍光成分を含んでいる。蛍光成分は、紫外光のように短波長かつ非可視の光を吸収すると、このような非可視光の吸収によって得られるエネルギーを可視光として放射する(蛍光を発する)特性を示す。蛍光成分を含まない通常色は、照射された光の反射光のみで色が定まるのに対し、蛍光成分を含む蛍光色は、照射された光の反射光と、自ら発する蛍光とを加えた光によって色が定まるという点が異なっている。蛍光成分を含む蛍光色は、ある波長域において、原稿を照射する光と、原稿からの反射光との強度の比で表される反射率が非常に高い値となる。標準白色の光の反射率を100%とした場合、蛍光成分を含まない非蛍光色の反射率は必ず100%以下の値となるのに対して、蛍光成分を含む蛍光色の反射率は、ある波長域において100%以上の値となることがある。蛍光成分を含まない通常のトナーは、どの波長域においても100%以下の反射率となるため、原稿に含まれる蛍光色を忠実に再現することは困難である。
【0004】
ここで、原稿に含まれる蛍光色の再現性を高めるために、蛍光色再現用のトナーを使用する複合機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-271347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような蛍光色再現用のトナーを使用する複合機は、読み取った原稿画像に蛍光色が含まれるか否かを判断し、蛍光色が含まれている場合には、蛍光色再現用トナーを使用して画像形成を行うことで蛍光色の再現性を高めている。
【0007】
しかし、このような複合機は、読み取った画像データを出力用の画像データに変換する際に必要となる蛍光色再現用の色変換部や、蛍光色再現用トナーを使用するためのプリンタ構成などを備える必要がある。そのため、複合機が備える回路や構成が増加するという問題がある。
【0008】
また、蛍光色の再現性を低下させる原因の1つとして、読み取った画像データに対して行われる明度調整(いわゆる下地飛ばし)によって蛍光色のR,G,Bの各色成分値の比率が変化してしまうことが挙げられる。ここで、明度調整とは、原稿を読み取る際に発生する原稿の裏写りを消去するためや、新聞や色紙など下地が白くない原稿の下地の色を白くするために、画像データの明度を高くする処理である。このような明度調整は、画像データにおけるR,G,Bの各色成分値に所定の補正係数を乗算することで行われている。従来はこのような明度調整を、蛍光色と非蛍光色とを区別せず、同じ所定の補正係数を使用して明度調整を行っていた。
【0009】
蛍光色は、蛍光を発することにより、その蛍光の波長に応じてR,G,Bの各色成分のうちに値が極端に大きくなる色成分が存在する。そのため、明度調整前のR,G,Bの各色成分値のうちに、処理最大値(例えば8bitであれば255)に近い値、又は、処理最大値に達する値がある。ある蛍光色のR,G,Bの各色成分値が(255,200,100)であった場合に、例えば所定の補正係数の値が1.2であったとする。すると、Rの値は処理最大値に達しているため、明度調整後もRの値は255のままであるのに対して、明度調整によってGの値は200から240に変化し、Bの値は100から120に変化する。すなわち、明度調整後もRの値は変わらないのに対して、Gの値及びBの値は1.2倍の値に変化する。そのため、明度調整前におけるR,G,Bの各色成分値の比率と、明度調整後におけるR,G,Bの各色成分値の比率が大きく変化する。明度調整によって、R,G,Bの各色成分値の比率が大きく変化することにより、明度調整によって蛍光色の再現性が低下してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、蛍光色の再現性を高めることができる画像処理装置、画像読取装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、を備え、前記蛍光色特定手段は、前記画像データを複数のブロックに分割して得られるブロック毎に蛍光色の画像領域であるか否かを特定し、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、を備え、前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出手段を更に備え、前記彩度算出手段は、前記画像データを構成する画素毎に彩度を算出し、注目画素について算出された彩度と、当該注目画素の周囲に位置する複数の画素のそれぞれについて算出された彩度との平均値を当該注目画素の彩度として採用し、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、を備え、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定し、前記明度補正係数決定手段は、前記画像データの彩度が前記所定値よりも高くなる程、前記明度補正係数による明度の上昇率を低下させることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、を備え、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出手段を更に備え、前記明度補正係数決定手段は、彩度と明度の補正係数とを対応付けた補正係数決定テーブルを管理する管理手段と、前記彩度算出手段から出力される前記画像データの彩度に基づいて前記補正係数決定テーブルを参照することにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を決定するテーブル参照手段と、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、を備え、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記蛍光色特定手段は、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出手段を更に備え、前記明度補正係数決定手段は、前記彩度算出手段から出力される前記画像データの彩度に基づいて所定の演算を行うことにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を算出する演算手段、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に文字が含まれるか否かを判別する文字判別手段と、を備え、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記文字判別手段によって文字が含まれると判別された場合に、当該蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として明度の上昇率を高く設定変更することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、ユーザーによる入力操作を受け付ける操作入力手段と、を備え、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、前記操作入力手段に対して行われるユーザーの操作に基づいて前記明度補正係数を変化させることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項に係る発明は、画像処理装置であって、画像データを取得する画像取得手段と、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定手段と、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定手段と、前記明度補正係数決定手段によって決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整手段と、を備え、前記明度補正係数決定手段は、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定するように構成され、出力画像としてモノクロ画像が指定されている場合には前記蛍光色特定手段によって特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数を決定することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項に係る発明は、画像読取装置であって、原稿を読み取って画像データを生成する画像読取手段と、請求項1乃至のいずれかに記載の画像処理装置と、を備え、前記画像取得手段は、前記画像読取手段によって生成される画像データを取得することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項10に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記蛍光色特定ステップは、前記画像データを複数のブロックに分割して得られるブロック毎に蛍光色の画像領域であるか否かを特定し、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とする構成である。
【0029】
請求項11に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出ステップを有し、前記彩度算出ステップは、前記画像データを構成する画素毎に彩度を算出し、注目画素について算出された彩度と、当該注目画素の周囲に位置する複数の画素のそれぞれについて算出された彩度との平均値を当該注目画素の彩度として採用し、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定することを特徴とする構成である。
【0030】
請求項12に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定し、前記明度補正係数決定ステップは、前記画像データの彩度が前記所定値よりも高くなる程、前記明度補正係数による明度の上昇率を低下させることを特徴とする構成である。
【0031】
請求項13に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出ステップを有し、前記明度補正係数決定ステップは、彩度と明度の補正係数とを対応付けた補正係数決定テーブルを管理する管理ステップと、前記彩度算出ステップによって出力される前記画像データの彩度に基づいて前記補正係数決定テーブルを参照することにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を決定するテーブル参照ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0032】
請求項14に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、前記蛍光色特定ステップは、前記画像データの彩度を算出し、前記画像データの彩度が所定値よりも高い画像領域を蛍光色の画像領域として特定する彩度算出ステップを有し、前記明度補正係数決定ステップは、前記彩度算出ステップによって出力される前記画像データの彩度に基づいて所定の演算を行うことにより、前記画像データの彩度に応じた前記明度補正係数を算出する演算ステップ、を有することを特徴とする構成である。
【0033】
請求項15に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に文字が含まれるか否かを判別する文字判別ステップと、を実行させ、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、前記文字判別ステップにおいて文字が含まれると判別された場合に、当該蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として明度の上昇率を高く設定変更することを特徴とする構成である。
【0034】
請求項16に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、ユーザーの入力操作に基づいて前記明度補正係数を変化させることを特徴とする構成である。
【0035】
請求項17に係る発明は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、コンピュータに、画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データにおける蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定ステップと、前記画像データに対する明度補正係数を決定する明度補正係数決定ステップと、前記明度補正係数決定ステップにおいて決定される前記明度補正係数に基づき、前記画像データの明度を上昇させる明度補正を行う明度調整ステップと、を実行させ、前記明度補正係数決定ステップは、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する前記明度補正係数として所定の補正係数を決定し、前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定する処理を行い、出力画像としてモノクロ画像が指定されている場合には前記蛍光色特定ステップにおいて特定される蛍光色の画像領域に対する前記明度補正係数として前記所定の補正係数を決定することを特徴とする
構成である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、蛍光色の画像領域に対する明度調整に使用される補正係数を、蛍光色の画像領域とは異なる画像領域に対する明度調整に使用される所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数とし、明度調整後の画像データのR,G,Bの各色成分の値の比率が大きく変化することを抑制することができるので、蛍光色の再現性を高めることができる
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】複合機の外観構成の一例を示す斜視図である。
図2】蛍光色に対する明度調整によるR,G,Bの各色成分の値の変化の一例を示す図である。
図3】第1実施形態における複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態における明度調整部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】補正係数テーブルの一例を示す図である。
図6】第1実施形態における明度調整部の構成の一例を示す図である。
図7】明度調整の対象となる画像データの一例を示す図である。
図8】第2実施形態における明度調整部の構成の一例を示す図である。
図9】第3実施形態における明度調整部の構成の一例を示す図である。
図10】文字を含んだ蛍光色の画像領域の一例を示す図である。
図11】文字を含んだ蛍光色の画像領域の一例を示す図である。
図12】第4実施形態における明度調整部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図13】複数の補正係数テーブルの一例を示す図である。
図14】第5実施形態における明度調整部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図15】第6実施形態における複合機のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である
図16】第6実施形態における複合機において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における複合機1の外観構成の一例を示す図である。複合機1は、例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、FAX機能などの複数の機能を有しており、これら各機能に関するジョブを実行するように構成される。複合機1は、その内部に、原稿などの画像を光学的に読み取る画像読取装置2と、用紙などのシート状の印刷媒体に画像形成を行って印刷出力するプリンタ部5を備えている。更に、複合機1の前面側にはユーザーが操作可能な操作パネル7が設けられており、ユーザーはこの操作パネル7を操作することにより画像読取装置2を動作させて原稿などの画像を読み取ってカラー画像を出力させることができるようになっている。
【0040】
画像読取装置2は、セットされる原稿に光を照射し、原稿の読取り面から反射される反射光を、複数の画素を有するCCDラインセンサなどの撮像素子で読み取る。画像読取装置2は、撮像素子によって画素毎に読み取られるR,G,Bの各色成分の光量に応じた画像信号を、例えば0~255などの多階調濃度レベルのデジタルデータに変換して画像データを生成する。その後、画像読取装置2は、画像データに対して画像の下地を白色などの予め定められた色に調整する明度調整などの画像処理を行う。尚、本実施形態では、画像データに含まれるR,G,Bの各色成分値が8bitで表現される256階調である場合を例示する。
【0041】
図2は、蛍光色の画像データに対する明度調整が行われることによって生じるR,G,Bの各色成分値の変化の具体的な一例を示す図である。図2に示す例では、明度調整前におけるR,G,Bの各色成分の値は、(250,200,100)となっており、Rの値R1が処理最大値に近い値の250となっている。このような画像データに対して、非蛍光色に対する明度調整で使用する所定の補正係数を使用して明度調整を行うと、R,G,Bの各色成分値の比率が大きく変化してしまう。例えば、所定の補正係数が1.2である場合、明度調整後のRの値R2は、明度調整前のRの値R1に所定の補正係数1.2を乗じた値となる。このRの値R1(250)に所定の補正係数1.2を乗じた値は、処理最大値(255)を超える数値となる。しかし、明度調整後におけるRの値R2は、処理最大値で頭打ちとなり、明度調整前のRの値R1を1.02倍した値に留まる。一方、明度調整前のGの値G1及びBの値B1については、これらの値に所定の補正係数1.2を乗じても処理最大値には達しない。そのため、明度調整後のGの値G2及びBの値B2は、それぞれ明度調整前の値G1,B1を1.2倍した値となる。図2に示す例では、明度調整前は、250:200:100であったR,G,Bの各色成分値の比率が、明度調整後は、255:240:120となり、明度調整の前後で大きく比率が変化する。明度調整の前後で大きく比率が変化することにより、明度調整によって蛍光色の再現性が低下することとなる。すなわち、蛍光色は、R,G,Bのうち、特定の色成分の濃度レベルが他の色成分の濃度レベルよりも比較的高い値として表されることにより、蛍光色特有の色を再現しているにもかかわらず、非蛍光色と同様の所定の補正係数を用いて明度調整を行うと、特定の色成分と他の色成分との濃度差の割合が変化してしまい、蛍光色特有の色の再現性を低下させるのである。
【0042】
そこで、本実施形態の画像読取装置2は、蛍光色の画像データに対する明度調整を行う場合、非蛍光色において使用される所定の補正係数より明度の上昇率を低下させた補正係数を使用する。図2では、非蛍光色において使用される所定の補正係数が1.2であるのに対し、蛍光色の画像データに対して使用される補正係数として、所定の補正係数よりも小さい値である1.1を採用する場合を例示している。この場合、明度調整後におけるRの値R3は処理最大値である255となり、Gの値G3は220となり、Bの値B3は110となる。明度調整後のR,G,Bの各色成分値の比率は、255:220:110となり、明度調整前のR,G,Bの各色成分値の比率(250:200:100)から変化する。しかし、所定の補正係数1.2を使用した場合ほど、明度調整後のR,G,Bの各色成分それぞれの値の比率は変化しない。すなわち、蛍光色の画像データに対して明度調整を行う際に、所定の補正係数より明度の上昇率を低下させた補正係数を使用することで、所定の補正係数を使用した場合と比べて、蛍光色の再現性が向上するのである。以下、このような画像読取装置2を備える複合機1について更に詳しく説明する。
【0043】
図3は、複合機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。複合機1は、上述した画像読取装置2、プリンタ部5、操作パネル7の他に、記憶部9、ジョブ制御部11、印刷データ生成部16を備えている。
【0044】
画像読取装置2は、スキャナ部4と、画像メモリ12と、画像処理装置3とを備えている。
【0045】
スキャナ部4は、上述したCCDラインセンサなどの撮像素子を駆動し、読取対象となる原稿の画像を主走査方向に読み取る。またスキャナ部4は、原稿に対し、撮像素子を相対的に副走査方向へ移動させつつ、主走査方向の読み取りを繰り返し行うことにより、原稿全体の画像を読み取る。このスキャナ部4は、例えば原稿に光を照射する光源、原稿からの反射光を受光するCCDラインセンサなどの撮像素子、原稿からの反射光を撮像素子に導く光学系等を備えている。このスキャナ部4は、原稿画像を、撮像素子が有する複数の画素毎に読み取り、反射光に含まれるR,G,Bの各色成分の光量に応じた濃度レベルを検出して画像信号を生成する。その後、スキャナ部4は、この画像信号をA/D変換し、画素毎のR,G,Bの各色成分値をデジタルデータで表現した画像データD1を生成する。そしてスキャナ部4は、画素毎のR,G,Bの値をデジタルデータで表現した画像データD1を画像メモリ12へ出力する。
【0046】
画像メモリ12は、スキャナ部4から出力される画像データD1を一時的に記憶するメモリである。この画像メモリ12は、スキャナ部4から出力される最大解像度の画像を少なくとも1ページ分記憶することが可能な記憶容量を有している。
【0047】
画像処理装置3は、画像メモリ12から画像データD1を読み出し、読み出した画像データD1に対して明度調整などの画像処理を行って、出力用の画像データD3を生成する。本実施形態の画像処理装置3は、画像メモリ12から画像データD1を読み出して明度調整を行う際、蛍光色の画像領域と非蛍光色の画像領域とを区別し、非蛍光色の画像領域に対しては、上述した所定の補正係数を用いて明度調整を行う。これに対し、蛍光色の画像領域に対して明度調整を行う場合、画像処理装置3は、上述した所定の補正係数よりも明度の上昇率を低下させた補正係数を決定し、その決定した補正係数を用いて明度調整を行う。すなわち、画像処理装置3は、蛍光色の画像領域に明度調整を行うときには蛍光色の画像データD1のR,G,Bの各色成分値の比率が大きく変化しない明度調整を行うことで、従来よりも蛍光色の再現性を高めるのである。このような画像処理装置3は、そのハードウェア構成として画像取得部13と、明度調整部14と、画像出力部15とを備えている。
【0048】
画像取得部13は、画像メモリ12に格納される画像データD1を読み出して明度調整部14に出力する処理部である。例えば画像取得部13は、画像メモリ12に格納される画像データD1から画素毎の画素データ(R,G,Bの各色成分値)を読み出して明度調整部14に出力することが可能である。
【0049】
明度調整部14は、画像取得部13から入力する画像データD1の明度を上昇させる明度調整を行う処理部である。明度調整は、上述したように原稿の裏写りを消去したり、下地が白くない原稿の下地の色を白くしたりする処理である。そのため、一般的には画像データD1に含まれるR,G,Bの各色成分値に対して一定の補正係数を乗ずることによって明度調整が行われる。しかし、本実施形態における明度調整部14は、上述したように非蛍光色の画像領域と蛍光色の画像領域とを区別し、非蛍光色の画像領域と蛍光色の画像領域とで異なる補正係数を採用して明度調整を行うように構成される。尚、明度調整部14の詳細については後述する。また、明度調整部14は、明度調整を行った後の画像データD2を画像出力部15に出力する。
【0050】
画像出力部15は、明度調整部14から出力される画像データD2を取得して出力用の画像データD3を生成し、印刷データ生成部16又は記憶部9に対して画像データD3を出力する。例えば、スキャナ部4によって複数ページからなる原稿の連続読み取りが行われる場合、明度調整部14から画像出力部15に対して同一原稿に含まれる複数の画像データD2が順次出力される。画像出力部15は、それら複数の画像データD2を1つに統合して複数ページからなる画像データD3を生成し、印刷データ生成部16又は記憶部9に出力する。尚、スキャナ部4によって1ページ分の原稿しか読み取られない場合、画像出力部15から出力される画像データD3は、明度調整部14から出力される画像データD2と同じデータとなる。また画像出力部15は、ユーザーによって指定されたジョブがコピージョブである場合、画像データD3を印刷データ生成部16へ出力する。これに対し、ユーザーによって指定されたジョブがスキャンジョブである場合、画像データD3を記憶部9へ出力して保存する。尚、この場合の保存先は、記憶部9とは異なる保存先であっても良い。
【0051】
印刷データ生成部16は、画像出力部15から入力する画像データD3に基づいて、プリンタ部5に出力するための印刷データD4を生成する処理部である。印刷データ生成部16は、画像データD3に含まれるRGB表色系の色データを、プリンタ部5が印刷出力を行うためのYMCK表色系の色データに変換した印刷データD4を生成する。印刷データ生成部16は生成した印刷データD4をプリンタ部5に出力する。
【0052】
プリンタ部5は、印刷データ生成部16から入力する印刷データD4に基づいて用紙などのシート状の印刷媒体に画像形成を行って印刷出力する処理部である。プリンタ部5は、例えばYMCKの4色のトナーを使用してカラー印刷を行うことが可能なカラー印刷機などで構成される。
【0053】
記憶部9は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部9は、例えばスキャンジョブが実行される場合、画像出力部15によって生成される画像データD3を記憶する。尚、この記憶部9には、後述する補正係数テーブル42を予め記憶しておくことが可能である。
【0054】
ジョブ制御部11は、画像読取装置2、印刷データ生成部16及びプリンタ部5のそれぞれを駆動することにより、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御するものである。例えば、ユーザーによりコピージョブを実行する指示がなされた場合、ジョブ制御部11は、画像読取装置2と、印刷データ生成部16と、プリンタ部5とを駆動することにより、ユーザーによって指定されたコピージョブの実行を制御する。また、ユーザーによりスキャンジョブを実行する指示がなされた場合、ジョブ制御部11は、画像読取装置2を駆動させることにより、ユーザーによって指定されたスキャンジョブの実行を制御する。
【0055】
次に、明度調整部14について説明する。本実施形態の明度調整部14は、画像データD1に含まれる画素毎の画素データを処理対象とし、その画素データに対して明度調整を行う。図4は、明度調整部14のハードウェア構成の一例を示す図である。明度調整部14は、蛍光色特定部21と、補正係数決定部23と、調整部26とを備えている。
【0056】
蛍光色特定部21は、処理対象である画素が蛍光色の画像領域に含まれるか否かを特定する処理部である。蛍光色は、色の鮮やかさを示す彩度が通常の非蛍光色と比べて高いという特徴がある。そこで、蛍光色特定部21は、明度調整の対象となる画素データの彩度を算出することで、当該画素が蛍光色であるか非蛍光色であるかを判定する。例えば、蛍光色特定部21は、画素データに含まれるR,G,Bの各色成分値の最大値と最小値との差分を算出することにより当該画素の彩度を算出する。図2の例であれば、Rの値R1(250)とBの値B1(100)との差分を算出することにより彩度(150)を算出する。算出した彩度が所定の基準値より高い場合、蛍光色特定部21は、当該画素が蛍光色の画像領域に含まれていると判断する。これに対し、算出した彩度が所定の基準値以下の場合、蛍光色特定部21は、当該画素が非蛍光色の画像領域に含まれていると判断する。蛍光色特定部21は、当該画素について算出した彩度を補正係数決定部23に出力する。このように本実施形態の蛍光色特定部21は、画像データD1を構成する画素毎に彩度を算出し、各画素の含まれる画像領域が、蛍光色と非蛍光色とのいずれの画像領域であるかを特定する。
【0057】
補正係数決定部23は、画像データD1に対する明度調整で使用する補正係数を決定する処理部である。この補正係数決定部23は、処理対象である画素データの彩度に基づいて補正係数を決定するように構成される。すなわち、補正係数決定部23は、補正係数テーブル42と、蛍光色特定部21から入力する画素データの彩度とに基づいて補正係数を決定する。補正係数決定部23は、画素データの彩度を入力すると、記憶部9に記憶される補正係数テーブル42を参照する。図5は、補正係数テーブル42の一例を示す図である。図5に示すように、補正係数テーブル42は、画素データの彩度Sと補正係数αとを関連付けたテーブル情報である。補正係数決定部23において決定される補正係数αは、彩度Sに応じて1≦α≦βの範囲内の値をとる。ここで、補正係数αは、その値が大きくなる程、明度調整時における明度の上昇率を高くなり、反対にその値が小さくなる程、明度調整時における明度の上昇率が低下する、という性質を有する係数である。
【0058】
補正係数αは、彩度Sが基準値S1以下のとき、所定の補正係数βに決定される。ここで、基準値S1とは、蛍光色と非蛍光色とを区別するための境界を示す基準値であり、蛍光色特定部21が算出した彩度Sに基づいて画素データが蛍光色と非蛍光色とのいずれの画像領域であるかを特定するための基準となる値である。
【0059】
一方、彩度Sが基準値S1より高いとき、補正係数αは、所定の補正係数βより明度の上昇率を低下させた値に決定される。すなわち、彩度Sが基準値S1よりも高くなる程、補正係数αの値が小さくなり、明度調整時の明度の上昇率が低下する。また、彩度Sが所定値S2以上のとき、補正係数αは1となる。ここで、所定値S2とは、補正係数αを1とする彩度Sの基準値であり、彩度Sの最大値(本実施形態では255)以下の値となる。ただし、補正係数αの範囲は、1<α≦βとしても良い。
【0060】
補正係数決定部23は、補正係数テーブル42を参照して補正係数αを決定した後、決定した補正係数αを調整部26に出力する。補正係数決定部23は、彩度Sが高くなる程、補正係数αを所定の補正係数βよりも明度の上昇率を低下させた値に決定することで、彩度Sが非蛍光色とは異なる蛍光色を示す画像領域に対する明度の調整量(上昇量)を小さくすることができる。そのため、明度調整によって、蛍光色のR,G,Bの各色成分の比率が大きく変化することを防止することが可能となる。
【0061】
調整部26は、補正係数決定部23によって決定される補正係数αに基づいて画像データD1の明度を上昇させる明度調整を行う処理部である。具体的には、調整部26は、画像データD1のR,G,B各色成分値に補正係数αを乗算する明度調整を行う。明度調整前の画像データD1のR,G,B各色成分値を(R,G,B)すると、明度調整後の画像データD2のR,G,B各色成分値は処理最大値を超えない限り(αR,αG,αB)となる。調整部26は、画像データD1に対する明度調整を行った後、明度調整後の画像データD2を画像出力部15に出力する。
【0062】
次に、明度調整部14における具体的な回路構成について説明する。図6は、明度調整部14の回路構成の一例を示す図である。明度調整部14は、画素データに基づいて彩度Sを算出する彩度算出回路22kと、補正係数テーブル42に基づいて補正係数αを決定するテーブル参照回路24kと、補正係数αに基づいて画素データの明度調整を行う明度調整回路26kとを備えている。
【0063】
彩度算出回路22kは、画素データに基づいて彩度Sを算出する構成として、最大値抽出回路K1と、最小値抽出回路K2と、減算器K3とを備えている。彩度算出回路22kは、R,G,Bの各色成分値を含む画素データを入力し、その画素データを最大値抽出回路K1及び最小値抽出回路K2のそれぞれに導く。最大値抽出回路K1は、画素データに含まれるR,G,Bの各色成分値から最大値N1を抽出し、減算器K3に出力する。例えば、R,G,Bの各色成分値が(250,200,100)である場合、最大値抽出回路K1は、最大値N1として250を抽出する。最小値抽出回路K2は、画素データにおけるR,G,Bの各色成分値から最小値N2を抽出し、減算器K3に出力する。例えば、R,G,Bの各色成分値が(250,200,100)である場合、最小値抽出回路K2は、最小値N2として100を抽出する。減算器K3は、最大値N1から最小値N2を減算して彩度Sを算出し、算出した彩度Sを補正係数テーブル42に出力する。例えば、最大値N1が250で、最小値N2が100である場合、減算器K3は、250から100を減算して、彩度Sを算出する。この場合、彩度Sは150となる。
【0064】
テーブル参照回路24kは、彩度Sに応じた補正係数αを出力する構成として、例えば補正係数テーブル42を記憶したメモリによって構成される。テーブル参照回路24kは、補正係数テーブル42に基づいて、彩度算出回路22kから入力する彩度Sに対応する補正係数αを決定し、その補正係数αを乗算器K4に出力する。
【0065】
明度調整回路26kは、画素データに対して明度調整を行う構成として、乗算器K4を備えている。乗算器K4は、補正係数αを、画素データに含まれるR,G,Bの各色成分値に乗算し明度調整を行う。この明度調整により、画素データに含まれるR,G,Bの各色成分値はα(=1~β)倍される。明度調整前のR,G,B各色成分値を(R,G,B)とすると、明度調整後のR,G,B各色成分値は、処理最大値を超過しない限り(αR,αG,αB)となる。乗算器K4は、明度調整後の画素データを上述した画像出力部15に出力する。
【0066】
本実施形態の明度調整部14は、上述の明度調整を、基本的には画像データD1を構成する画素毎に行うようにしている。ところが、例えば、蛍光色の画像領域を構成する複数の画素の中に、ノイズやムラなどの影響により、彩度Sが他の隣接する複数の画素に比べて低い値を示す画素が含まれることがある。このような場合に上述した基本的な処理を適用すると、明度調整部14は、当該画素に対して、他の隣接する複数の画素と比べて大きい補正係数αを使用して明度調整を行うことになる。そうすると、彩度Sの低い画素は、他の近隣の彩度Sの高い画素に比べて、明度調整後は白色に近い色になりやすい。その結果、ノイズやムラの影響により彩度Sが他の画素より低い画素は余計に目立ってしまう。これを防止するため、明度調整部14は、上述した基本的な処理とは異なり、例えば画像データD1を複数のブロックに分割して得られるブロックデータ毎に明度調整を行うものであっても構わない。この場合、ブロックデータは互いに近接する複数の画素の集合によって構成される。明度調整部14がブロックデータ毎に明度調整を行う場合、画像取得部13は、画像メモリ12に格納される画像データD1を、画像データD1を複数のブロックに分割して得られるブロックデータ毎に読み出して明度調整部14に出力する。以下、ブロックデータ毎に明度調整が行われる場合の処理について説明する。
【0067】
図7(a)は、ブロックデータD5の一例を示す図である。図7(a)に示すように、ブロックデータD5は、画像データD1を分割して得られる複数のブロックに含まれる1つのブロックデータであり、例えばM画素×N画素(M,Nはいずれも任意の自然数)の矩形領域に含まれる複数の画素から成る。ブロックデータD5毎に明度調整が行われる場合、明度調整部14は、ブロックデータD5に対する明度調整が終了すると、次に図中矢印F1の方向にある隣接するブロックデータD5に対して明度調整を行う。明度調整部14は、ブロックデータD5毎に彩度Sを算出し、蛍光色の画像領域であるか非蛍光色の画像領域であるかを特定する。具体的には、ブロックデータD5に含まれる全ての画素の彩度Sを算出し、それらの彩度Sの平均値をブロックデータD5の彩度Sとして算出する。次に明度調整部14は、補正係数テーブル42を参照して、ブロックデータD5の彩度Sに基づく補正係数αを決定する。そして明度調整部14は、ブロックデータD5を構成する全ての画素に、ブロックデータD5の彩度Sに基づく補正係数αを使用した明度調整を行う。このようにブロック毎に彩度Sを算出し、その算出した彩度Sに基づいた補正係数αを使用する明度調整を行うことで、画素毎に明度調整が行われる場合と比べて、ノイズやムラを目立たないようにすることが可能となる。
【0068】
また、明度調整部14は、画像データD1を構成する複数の画素毎に明度調整を行う場合であっても、明度調整の対象となる画素(以下、「注目画素」と称することがある。)の周辺の複数の画素の彩度Sを考慮して補正係数αを決定するようにしてもよい。図7(b)は、画像データD1を構成する画素の一例を示す図である。画像取得部13は、明度調整の対象となる注目画素データCGを取得する。明度調整部14は、注目画素データCGに対する明度調整を行い、次に図中矢印F2の方向に隣接する画素を注目画素データCGとして明度調整を行う。明度調整部14は、注目画素データCGの彩度Sを算出するだけでなく、注目画素データCGの周囲に位置する複数の画素(図7(b)の場合は周囲8画素)のそれぞれの彩度Sも算出する。そして明度調整部14は、注目画素データCGについて算出した彩度Sと、注目画素データCGの周囲に位置する複数の画素のそれぞれについて算出した彩度Sとの平均値を、注目画素データCGの彩度Sとする。この際、注目画素データCGについて算出した彩度Sと、注目画素データCGの周囲に位置する複数の画素のそれぞれについて算出した彩度Sとの平均値の算出方法は、単純平均でもよいし、各画素の位置に応じて彩度Sに重みをつけた加重平均であっても構わない。尚、注目画素データCGの周囲に位置する複数の画素のそれぞれの彩度Sを算出した際に、非蛍光色の画素があると特定される場合がある。このような場合には、当該画素を除外して注目画素データCGの彩度Sを算出するようにしても構わない。以上のような方法で注目画素データCGの彩度Sを算出することにより、明度調整が行われる際には周辺の複数の蛍光色の画素と同じ補正係数αが使用されるようになる。そのため、ノイズやムラを目立たせないようにすることが可能となる。
【0069】
上述したように、本実施形態における複合機1は、画像データD1の彩度Sが高くなる程、所定の補正係数βより明度の上昇率を低下させた補正係数αを決定し、補正係数αに基づいて画像データD1の明度を上昇させる明度調整を行う構成である。そのため、彩度Sが大きい値となる蛍光色のR,G,Bの各色成分値の比率を大きく変化させることなく明度調整を行うことが可能であり、蛍光色の再現性を高めることが可能である。
【0070】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、補正係数テーブル42を備えることなく、画素データの彩度Sに基づいて所定の演算を行うことにより、彩度Sに応じた補正係数αを算出する複合機1について説明する。
【0071】
図8は、本実施形態の明度調整部14の構成の一例を示す図である。明度調整部14は、画像データD1に基づいて彩度Sを算出する彩度算出回路22kと、彩度Sに基づいて所定の演算を行うことにより、画像データD1の彩度Sに応じた補正係数αを算出する補正係数演算回路27kと、図8では図示しない明度調整回路26kとを備えている。尚、本実施形態の明度調整部14は、テーブル参照回路24kの代わりに補正係数演算回路27kを備える点で第1実施形態の明度調整部14と異なる。
【0072】
彩度算出回路22kは第1実施形態で説明したように彩度Sを算出する。彩度Sを算出した後、彩度算出回路22kは彩度Sを減算器K5に出力する。補正係数演算回路27kは、彩度Sに基づいて補正係数αを演算により決定するための構成として、減算器K5と、乗算器K6と、加算器K7とによって構成される。減算器K5は、彩度Sから基準値S1を減算して超過彩度ESを算出し、超過彩度ESを乗算器K6に出力する。例えば、彩度Sが200で、基準値S1が100である場合、超過彩度ESは100である。ここで、超過彩度ESとは、画素データの彩度Sが基準値S1よりどれだけ高いかを示す値である。尚、算出した超過彩度ESが負の値となる場合、減算器K5は超過彩度ESの値を0として出力する。例えば、彩度Sが50で、基準値S1が100である場合などである。乗算器K6は、超過彩度ESと、傾き係数N3とを乗算して修正値N4を算出し、修正値N4を加算器K7に出力する。修正値N4は、所定の補正係数βに加算されることで、所定の補正係数βより明度の上昇率が低い補正係数αを算出するための値である。傾き係数N3は、超過彩度ESが大きくなるに従って、補正係数αを小さくするために乗算される係数である。そのため、本実施形態における傾き係数N3は負の数である。傾き係数N3は、図5で説明した第1実施形態の補正係数テーブル42に含まれる基準値S1~所定値S2の領域における補正係数αの傾き係数に相当する値である。例えば、超過彩度ESが100で、傾き係数N3が-0.01である場合、乗算器K6が出力する修正値N4は-0.1となる。加算器K7は、修正値N4と所定の補正係数βとを加算して補正係数αを算出し、補正係数αを図示しない明度調整回路26kに出力する。例えば、所定の補正係数βが1.2で、修正値N4が-0.1である場合、加算器K7が出力する補正係数αの値は1.1となる。ここで、補正係数αが1.0より小さい値になる場合、加算器K7は補正係数αの値を1.0として出力する。
【0073】
上述のように、本実施形態における複合機1は、補正係数テーブル42を備えることなく、画素データの彩度Sに基づいて所定の演算を行うことにより、その彩度Sに応じた補正係数αを算出する構成である。補正係数テーブル42を備える必要がないため、第1実施形態の複合機1と比べて、記憶部9の記憶領域を圧迫しないといった利点がある。
【0074】
尚、画像データD1を構成する画素データの彩度Sに基づいて補正係数αを算出する補正係数演算回路27kの回路構成は、上述した構成に限られるものではなく、画素データの彩度Sが高くなる程、所定の補正係数βより明度の上昇率を低下させた補正係数αを算出する回路であればよい。
【0075】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。そのため、本実施形態の複合機1は、第1実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0076】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、蛍光色に対して明度調整を行う場合に、明度調整前後でR,G,Bの各色成分値の比率が変化しない補正係数αを使用する複合機1について説明する。
【0077】
図9は、本実施形態の明度調整部14の回路構成の一例を示す図である。明度調整部14は、画素データに基づいて彩度Sを算出する彩度算出回路22kと、補正係数テーブル42に基づいて補正係数αを決定するテーブル参照回路24kと、所定の演算を行うことにより、明度調整前後でR,G,Bの各色成分値の比率が変化しない補正係数αを算出する補正係数演算回路27kと、図9では図示しない明度調整回路26kとを備えている。
【0078】
本実施形態の彩度算出回路22kは、第1実施形態で説明した、最大値抽出回路K1、最小値抽出回路K2及び減算器K3の他に、コンパレータK8を備えている。彩度算出回路22kは、R,G,Bの各色成分値を含む画素データを入力し、その画素データを最大値抽出回路K1及び最小値抽出回路K2のそれぞれに導く。最大値抽出回路K1は画素データに含まれるR,G,Bの各色成分値から最大値N1を抽出し、減算器K3及び補正係数演算回路27kに出力する。最小値抽出回路K2は画素データに含まれるR,G,Bの各色成分値から最小値N2を抽出し、減算器K3に出力する。減算器K3は、最大値N1から最小値N2を減算して彩度Sを算出し、算出した彩度Sをテーブル参照回路24k及びコンパレータK8に出力する。
【0079】
コンパレータK8は、入力する彩度Sと基準値S1とを比較して画素データが蛍光色であるか非蛍光色であるかを判断する。彩度Sが基準値S1より大きい値である場合、コンパレータK8は画素データが蛍光色であると判断する。一方、彩度Sが基準値S1以下の値である場合、コンパレータK8は画素データが非蛍光色であると判断する。コンパレータK8は、彩度Sが基準値S1より大きい値である場合、つまり画素データが蛍光色である場合に、補正係数演算回路27kをオンし、テーブル参照回路24kをオフする信号Cを補正係数演算回路27k及びテーブル参照回路24kに出力する。一方、コンパレータK8は、彩度Sが基準値S1以下の値である場合、つまり画素データが非蛍光色である場合に、補正係数演算回路27kをオフし、テーブル参照回路24kをオンする信号Cを補正係数演算回路27k及びテーブル参照回路24kに出力する。
【0080】
テーブル参照回路24kは、彩度Sに応じた補正係数αを出力する構成として、例えば補正係数テーブル42を記憶したメモリによって構成される。テーブル参照回路24kは、補正係数テーブル42に基づいて、彩度算出回路22kから入力する彩度Sに対応する補正係数αを決定し、その補正係数αを、図9に図示しない明度調整回路26kに出力する。尚、テーブル参照回路24kがオンする場合、画素データは非蛍光色である。そのため、テーブル参照回路24kは、補正係数αを所定の補正係数βに決定する。
【0081】
補正係数演算回路27kは、R,G,Bの各色成分値の比率が変化しない補正係数αを出力する構成として、例えば除算器K9によって構成される。除算器K9は、処理最大値N5を最大値N1で除算して補正係数αを算出する。例えば、処理最大値N5が255で、最大値N1が250の場合、補正係数αの値は1.02となる。このような補正係数αを使用して明度調整を行うと、最大値N1が処理最大値N5を超過することがない。そのため、明度調整前のR,G,B各色成分値を(R,G,B)とすると、R,G,B各色成分値は、確実に(αR,αG,αB)となり、明度調整の前後でR,G,B各色成分値の比率が変化しない。したがって、本実施形態における複合機1は、蛍光色のR,G,Bの各色成分値の比率を変化させることなく明度調整を行うことが可能であり、蛍光色の再現性を高めることが可能である。
【0082】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態又は第2実施形態で説明したものと同様である。そのため、本実施形態の複合機1は、第1実施形態又は第2実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0083】
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。図10及び11は明度調整後の蛍光色の画像領域の一例を示す図である。図11に示す蛍光色の画像領域の方が、図10に示す蛍光色の画像領域より、大きい補正係数αが使用された明度調整が行われている。本発明は、蛍光色の再現性を高めるために、画素データの彩度Sが高くなる程、補正係数αを小さくする。そのため、蛍光色の画像領域に対する明度の上昇率は小さくなり、本発明の明度調整後の蛍光色は、従来の明度調整後の蛍光色と比べて濃い色(暗い色)となる。図10に示すように、濃い蛍光色の画像領域に文字が含まれていると文字の可読性が低くなることがある。そこで、本実施形態では、蛍光色の画像領域に文字が含まれている場合には、補正係数αを高く設定変更することで明度の上昇率を高め、文字の可読性を高めることを可能とする複合機1について説明する。
【0084】
図12は、本実施形態の複合機1のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の明度調整部14は、第1実施形態で説明した各処理部の他に、文字判別部28を備えている。また、本実施形態の複合機1は、彩度Sに対する補正係数αの値として、それぞれ異なった値を取り得る複数の補正係数テーブル42を備えている。複数の補正係数テーブル42は、例えば、デフォルトで使用される補正係数テーブル42aと、彩度Sに対する補正係数αの値が補正係数テーブル42aよりも大きい値となる補正係数テーブル42bと、彩度Sの値に関わらず補正係数αの値が一定である補正係数テーブル42cとを含む。以後、補正係数テーブル42a,42b,42cを特に区別しないときは、複数の補正係数テーブル42のうちの一つの補正係数テーブルを指して補正係数テーブル42と呼ぶことがある。
【0085】
図13は、複数の補正係数テーブル42の一例を示す図である。図13に示すように、補正係数テーブル42a,42b,42cでは、彩度Sが基準値S1以下のとき、いずれも補正係数αが所定の補正係数βとなる。補正係数テーブル42aでは、彩度Sが基準値S1より高いとき、補正係数αは、所定の補正係数βより明度の上昇率を低下させた値に決定される。尚、彩度Sが基準値S1よりも高くなる程、補正係数αの値が小さくなり、明度調整時の明度の上昇率が低下する。また彩度Sが所定値S2以上のとき、補正係数αは1となる。
【0086】
補正係数テーブル42bでは、彩度Sが基準値S1より高いとき、補正係数αは、所定の補正係数βより明度の上昇率を低下させた値に決定される。また、彩度Sが所定値S2より高い所定値S3以上のとき、補正係数αの値は1となる。すなわち補正係数テーブル42bでは、補正係数テーブル42aより、彩度Sの上昇に伴う補正係数αの低下の度合い(傾き)は小さくなる。ここで、所定値S3とは、補正係数αを1とする彩度Sの基準値であり、所定値S2より高く、処理最大値(本実施形態では255)以下の値となる。ただし、補正係数αの範囲は1<α≦βとしても良い。
【0087】
補正係数テーブル42cでは、彩度Sが基準値S1より高いとき、彩度Sが高くなっても補正係数αは低下しない。従って、補正係数テーブル42cでは彩度Sの上昇に関わらず補正係数αが常に所定の補正係数βとなる。このような補正係数テーブル42cは、従来の明度調整において使用されるテーブルである。このような補正係数テーブル42b,42cは、蛍光色の画像領域に文字が含まれる場合などに、ジョブ制御部11又は文字判別部28によって選択される。ジョブ制御部11又は文字判別部28によって選択された補正係数テーブル42は、補正係数決定部23に接続される。
【0088】
文字判別部28は、蛍光色特定部21によって特定される蛍光色の画像領域に文字が含まれるか否かを判別する処理部である。文字判別部28は、蛍光色特定部21によって蛍光色の画像領域が特定されると、画像取得部13から画像データD1を取得する。文字判別部28は、画像データD1に対してOCR(Optical Character Recognition)やICR(Intelligent Character Recognition)などの文字認識処理を行い、蛍光色の画像領域に文字が含まれているか否かを判断する。文字認識処理の結果、蛍光色の画像領域に文字が含まれていると判断した場合、文字判別部28は、複数の補正係数テーブル42のうちから、補正係数テーブル42b又は42cを選択する。文字判別部28は、選択した補正係数テーブル42が補正係数決定部23に参照されるように、スイッチSWを切り替えて、選択した補正係数テーブル42を補正係数決定部23に接続する。尚、本実施形態において、文字判別部28がスイッチSWを切り換えていない場合、すなわちデフォルトの状態では、補正係数テーブル42aが補正係数決定部23に接続されている。
【0089】
補正係数テーブル42b,42cが参照される場合、補正係数αは、補正係数テーブル42aが参照される場合と比べて大きい値となる。そして調整部26は、文字を含む蛍光色の画像領域を構成する複数の画素対して明度の上昇率が高くなるよう設定変更された明度調整を行う。したがって、本実施形態の複合機1は、蛍光色の画像領域に文字が含まれる場合に、明度の上昇率を高い値に設定変更することで、蛍光色の画像領域に含まれる文字の可読性を向上させることが可能である。
【0090】
また、コピージョブを実行する際の設定として、モノクロ画像の出力が指定されることがある。この場合、ジョブ制御部11は、複数の補正係数テーブル42のうちから、補正係数テーブル42cを選択してスイッチSWを切り替えることが望ましい。モノクロ画像の場合には、R,G,B各色成分値が全て等しい値で色が表現されるため、蛍光色のR,G,B各色成分の比率を保持することは不可能である。そのため、蛍光色のR,G,B各色成分の比率を保持するために、明度調整量を小さくする必要がない。出力がモノクロ画像の場合には、蛍光色の画像領域に含まれる文字の可読性を低下させないために、所定の補正係数βを使用して明度調整を行うのである。尚、FAXジョブにおいて、原稿を読み取って画像データD3をFAXデータとして送信する際も同様にしてもよい。FAXデータの通信において送信される画像データは、通常、モノクロ画像に変換されて送信されるからである。
【0091】
また、操作パネル7を介してユーザーに、複数の補正係数テーブル42のうちのいずれを使用するかを予め選択させるようにしてもよい。また、いずれかの補正係数テーブル42を使用して明度調整を行い、画像処理装置3が生成する画像データD3に基づく画像を操作パネル7に表示した後、ユーザーに他の補正係数テーブル42に変更して再度明度調整を行うかを選択させるようにしてもよい。
【0092】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1乃至第3実施形態のいずれかで説明したものと同様である。そのため、本実施形態の複合機1は、第1乃至第3実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0093】
(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、画素データに含まれる色データを所定の表色系の色データに変換することで、画素データに含まれるRGB表色系の色データを用いた簡易的な彩度算出方法を適用していた上述の実施形態よりも、精度よく彩度を算出することが可能な複合機1について説明する。
【0094】
図14は、本実施形態の明度調整部14のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の明度調整部14は、第1実施形態で説明した各処理部の他、色変換部29を備えている。色変換部29は、画素データに含まれる色データを所定の表色系の色データに変換する処理部である。本実施形態では、画素データに含まれるRGB表色系の色データをL表色系の色データに変換する場合について説明する。尚、所定の表色系はL表色系に限られるものではなく、L表色系やマンセル表色系であっても構わない。また、本実施形態では、画素データ毎に表色系の色変換を行う場合を例示するが、これに限られるものではなく、画像データD1毎に表色系の色変換を行うものであっても構わない。色変換部29は、画素データを入力すると、画素データに含まれるRGB表色系の色データをL表色系の色データに変換して蛍光色特定部21へ出力する。尚、L表色系では、色の明るさを示す明度をLで表し、色相と彩度を示す色度をa,bで表す。
【0095】
蛍光色特定部21は、画素データを入力すると、画素データの彩度を算出する。L表色系では、彩度をCで表し、彩度Cは次式1で表すことができる。
【0096】
【数1】
【0097】
蛍光色特定部21は、算出した彩度Cを補正係数決定部23に出力する。これ以降の明度調整の処理は第1実施形態で説明したものと同様である。
【0098】
本実施形態の複合機1は、画素データに含まれる色データを所定の表色系の色データに変換したうえで、画素データの彩度を算出して補正係数αを決定する。RGB表色系の色データを用いる簡易的な彩度算出方法で彩度Sを算出する場合よりも、L表色系の色データに基づいて彩度Cを算出した場合のほうが精度の高い値を算出することができる。精度の高い彩度Cに基づいて補正係数αを決定することで、より適切な値の補正係数αを決定することが可能となり、蛍光色の再現性を更に高めることが可能となるのである。
【0099】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1乃至第4実施形態のいずれかで説明したものと同様である。そのため、本実施形態の複合機1は、第1乃至第4実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0100】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。上述の実施形態では、明度調整部14における蛍光色特定部21、補正係数決定部23及び調整部26のそれぞれがハードウェアで構成される場合を例示した。本実施形態では、画像処理部における上述の各処理がソフトウェア処理により実現される場合を例示する。
【0101】
図15は本実施形態における複合機1のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。複合機1はその構成として、スキャナ部4と、プリンタ部5と、FAX部6と、操作パネル7と、ネットワークインタフェース8と、記憶部9と、制御部10とを備えている。
【0102】
ネットワークインタフェース8は、複合機1をLANなどのネットワークに接続するためのインタフェースである。複合機1は、このネットワークインタフェース8を介して、ユーザーが所持するコンピュータなどと通信を行う。
【0103】
FAX部6は、図示を省略する公衆電話回線を介してFAXデータの送受信を行う処理部である。
【0104】
スキャナ部4、プリンタ部5及び操作パネル7は第1実施形態において説明した通りである。
【0105】
記憶部9は、第1実施形態において説明したように、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部9は、様々なプログラムやデータなどが記憶され、例えば図15に示すように、プログラム41、上述した補正係数テーブル42などが記憶される。
【0106】
制御部10は、画像メモリ12と、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成される。CPUは、プログラム41を実行するためのものであり、メモリは、CPUがプログラム41を実行する際に発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。
【0107】
制御部10のCPUは、複合機1に電源が投入されることにより、記憶部9からプログラム41を読み出して実行する。これにより、制御部10は、ジョブ制御部11と、印刷データ生成部16と、第1乃至第5実施形態のいずれかにおいて説明した画像処理装置3と同様の処理を行う画像処理部3aとして機能する。第1乃至第5実施形態のいずれかにおいて説明したように、これら各部は、画像データD1の彩度Sに応じて明度調整の補正係数αを決定し、蛍光色のR,G,Bの各色成分の比率が大きく変化しない明度調整を行うように機能する。以下、画像処理部3aの詳細について説明する。
【0108】
画像処理部3aは、画像メモリ12から画像データD1を読み出し、読み出した画像データD1に対して明度調整などの画像処理を行って、画像処理が施された複数の画素で構成される出力用の画像データD3を生成する処理部である。画像処理部3aは、画像取得部13と、明度調整部14と、画像出力部15とを備えており、これら各部の動作は第1乃至第5実施形態のいずれかにおいて説明したものと同様である。
【0109】
画像取得部13は、画像メモリ12に格納される画像データD1を読み出して明度調整部14に出力する処理部である。例えば画像取得部13は、画像メモリ12に格納される画像データD1から画素毎の画素データ(R,G,Bの各色成分値)を読み出して明度調整部14に出力することが可能である。
【0110】
明度調整部14は、画像取得部13から入力する画像データD1の明度を上昇させるための明度調整を行う処理部である。明度調整部14は、明度調整を行った後の画像データD2を画像出力部15に出力する。明度調整部14は、蛍光色特定部21と、補正係数決定部23と、調整部26とを備えており、これら各部の動作は第1乃至第5実施形態のいずれかにおいて説明したものと同様である。尚、本実施形態の明度調整部14は、画像データD1に含まれる画素毎の画素データを処理対象とし、その画素データに対して明度調整を行う。
【0111】
蛍光色特定部21は、処理対象である画素が蛍光色の画像領域に含まれるか否かを特定する処理部である。蛍光色特定部21は、明度調整の対象となる画素データの彩度Sを算出することで、当該画素が蛍光色であるか非蛍光色であるかを判定する。この蛍光色特定部21は、第1乃至第5実施形態のいずれかにおいて説明した蛍光色特定部21と同様の処理を行う。
【0112】
補正係数決定部23は、画像データD1に対する明度調整に用いる補正係数αを決定する処理部である。この補正係数決定部23は、処理対象である画素データの彩度に基づいて補正係数αを決定するように構成される。すなわち、補正係数決定部23は、補正係数テーブル42と、蛍光色特定部21から入力する画素の彩度とに基づいて補正係数αを決定する。この補正係数決定部23は、第1乃至第5実施形態のいずれかにおいて説明した補正係数決定部23と同様の処理を行う。
【0113】
調整部26は、補正係数決定部23によって決定される補正係数αに基づいて画像データD1の明度を上昇させる明度調整を行う処理部である。この調整部26は、処理対象である画素データ毎に明度調整を行う。調整部26は、画素データのR,G,B各色成分値に補正係数αを乗算して明度調整を行う。調整部26は明度調整後の画像データD2を画像出力部15に出力する。
【0114】
画像出力部15は、明度調整部14から出力される画像データD2を取得して出力用の画像データD3を生成し、印刷データ生成部16又は記憶部9に対して画像データD3を出力する処理部である。
【0115】
印刷データ生成部16は、画像出力部15から入力する画像データD3に基づいて、プリンタ部5に出力するための印刷データD4を生成する処理部である。印刷データ生成部16は、画像データD3に含まれるRGB表色系の色データを、プリンタ部5が印刷出力を行うためのYMCK表色系の色データに変換した印刷データD4を生成する。印刷データ生成部16は生成した印刷データD4をプリンタ部5に出力する。
【0116】
ジョブ制御部11は、スキャナ部4、プリンタ部5、FAX部6、画像処理部3a、印刷データ生成部16のそれぞれを駆動することにより、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する処理部である。
【0117】
次に複合機1における具体的な動作の一例について説明する。図16は、複合機1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、コピージョブ又はスキャンジョブが実行され、複合機1が原稿を読み取ることによって開始される。複合機1は、ユーザーによってセットされた原稿を読み取ると(ステップS10)、読み取った画像データD1の彩度Sを算出する(ステップS11)。尚、この彩度算出処理は、画像データD1に含まれる画素毎の画素データを対象として行われる。複合機1は、算出した彩度Sが基準値S1より高いか否かを確認することで、処理対象である画素が蛍光色の画像領域に含まれるか否かを特定する(ステップS12)。特定の結果、処理対象である画素が蛍光色の画像領域に含まれない場合(ステップS12でNO)、複合機1は、補正係数αを所定の補正係数βに決定する(ステップS14)。一方、確認の結果、処理対象である画素が蛍光色の画像領域に含まれる場合(ステップS12でYES)、複合機1は、補正係数αを所定の補正係数βより明度の上昇率を低下させた補正係数αに決定する(ステップS13)。補正係数αを決定した後、複合機1は、決定した補正係数αに基づき画像データD1の明度を上昇させるための明度調整を行う(ステップS15)。尚、この明度調整処理は、画像データD1に含まれる画素毎の画素データを対象として行われる。明度調整を行った後、複合機1は、明度調整後の画像データD2に基づいて出力用の画像データD3を生成して、画像データD3を印刷データ生成部16又は記憶部9に出力する(ステップS16)。そして複合機1は処理を終了する。
【0118】
上述のように、本実施形態の複合機1は、制御部10が記憶部9に記憶されるプログラム41を実行することにより、明度調整部14における蛍光色特定部21、補正係数決定部23及び調整部26のそれぞれがハードウェアで構成されない場合であっても、第1乃至第5実施形態のいずれかで説明した複合機1として機能する。
【0119】
本実施形態では、プログラム41が複合機1に予めインストールされている場合を例示した。しかし、プログラム41は、複合機1に予めインストールされているものに限られず、それ単独で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム41は、インターネットなどを介してユーザー自身がダウンロードする形態で複合機1に提供されるものであってもよいし、CD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で複合機1に提供されるものであっても構わない。
【0120】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1乃至第5実施形態のいずれかで説明したものと同様である。そのため、本実施形態の複合機1は、第1乃至第5実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0121】
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記各実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0122】
例えば、上記第1乃至第6実施形態のそれぞれにおいて説明した構成及び動作は、他の実施形態においても適用することが可能である。
【0123】
また、上記実施形態では、全ての画像データD1に明度調整を行ったが、これに限られるものではない。画像データD1の明度を算出し、明度が所定値以上の画像データD1にのみ明度調整を行うものであってもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、画像データD1の彩度Sが基準値S1より高いか否かで蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定部21を備える複合機1である場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、画像データD1の明度が所定値より高いか否かで蛍光色の画像領域を特定する蛍光色特定部21を備える複合機1であっても構わない。例えば、画像データD1のR,G,Bの各色成分値のいずれかが処理最大値(255)である場合に、蛍光色の画像領域であると特定するようにしてもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、スキャナ部4と共にプリンタ部5を備える複合機1である場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、プリンタ部5を備えない画像読取装置2であっても構わない。更に、スキャナ部4を備えない画像処理装置3であっても構わない。このような画像処理装置は、デジタルカメラ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)などに含まれるものであってもよい。
【0126】
また、上記実施形態で例示した数字は例示した値に限られない。例えば処理最大値N5は、8bit(255)に限られるものではなく、4bit(15)や、16bit(65535)などであっても構わない。
【符号の説明】
【0127】
1 複合機
2 画像読取装置
3 画像処理装置
3a 画像読取部
4 スキャナ部(画像読取手段)
7 操作パネル(操作入力手段)
9 記憶部(管理手段)
10 制御部
11 ジョブ制御部
12 画像メモリ(管理手段)
13 画像取得部(画像取得手段)
14 明度調整部(明度調整手段)
21 蛍光色特定部(蛍光色特定手段)
22 彩度算出部(彩度算出手段)
23 補正係数決定部(明度補正係数決定手段)(演算手段)
24 テーブル参照部(テーブル参照手段)
26 調整部(明度調整手段)
27k 補正係数演算回路(演算手段)
28 文字判別部(文字判別手段)
29 色変換部(色変換手段)
41 プログラム
42 補正係数テーブル
α 補正係数
β 所定の補正係数
D1,D2,D3 画像データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16