(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】画像形成システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220906BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220906BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220906BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220906BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/00 H
B41J29/38 206
B41J29/42 F
G03G21/00 384
G03G21/00 386
G06F3/12 303
G06F3/12 360
(21)【出願番号】P 2018160455
(22)【出願日】2018-08-29
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 裕之
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168587(JP,A)
【文献】特開2007-076316(JP,A)
【文献】特開2015-155174(JP,A)
【文献】特開2007-111935(JP,A)
【文献】特開2002-137500(JP,A)
【文献】特開2012-146019(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0103645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
B41J 29/42
B41J 29/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対して行う処理内容を示す複数のジョブからなるジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、
前記ジョブ情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記ジョブ情報における前記複数のジョブ毎の前記画像形成部での画像形成工程の後に、前記画像形成部から搬送されて行われる次工程に基づいて、前記複数のジョブにおける前記画像形成部での実行順序を決定する制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記ジョブ情報に基づいて、前記複数のジョブのうち同じ積載部に上積み積載され、かつ前記次工程での工程の内容が同じジョブにおける前記画像形成部での実行順序を、前記次工程での実行順序に基づいて、決定する
画像形成システム。
【請求項2】
前記複数のジョブは、第1ジョブと、前記第1ジョブよりも前記次工程において後に行われる第2ジョブと、を少なくとも有し、
前記制御部は、
前記第1ジョブにおける前記画像形成部での実行順序を、前記第2ジョブよりも後に実行するように決定する
請求項
1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部により決定された実行順序を表示する表示部を備えた
請求項
1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置により画像が形成された用紙を積載する用紙積載装置と、
前記画像形成装置に前記ジョブ情報を出力する情報処理装置と、を備え、
前記制御部は、前記画像形成装置又は前記情報処理装置に設けられる
請求項
1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記次工程において前記用紙の後処理を行う後処理装置を備え、
前記情報処理装置は、前記画像形成装置及び前記後処理装置に前記ジョブ情報を出力する
請求項
4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数のジョブのうち前記用紙積載装置に積載される最後のジョブの
画像形成部での画像形成処理が完了した際に、前記用紙積載装置から前記用紙の取り出しが可能なことを告知する
請求項
4に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記用紙積載装置は、前記用紙が積載される積載部をロックするロック機構を有し、前記制御部が前記用紙積載装置から前記用紙の取り出しが可能なことを告知した際に、前記ロック機構を解錠する
請求項
6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
用紙に対して行う処理内容を示す複数のジョブからなるジョブ情報をジョブ情報取得部で取得させる手順と、
前記ジョブ情報に基づいて前記用紙に画像を画像形成部により形成させる手順と、
前記ジョブ情報における前記複数のジョブ毎の前記画像形成部での画像形成工程の後に、前記画像形成部から搬送されて行われる次工程に基づいて、前記複数のジョブにおける前記画像形成部での実行順序を制御部に決定させる手順と、
前記制御部に、前記ジョブ情報に基づいて、前記複数のジョブのうち同じ積載部に上積み積載され、かつ前記次工程での工程の内容が同じジョブにおける前記画像形成部での実行順序を、前記次工程での実行順序に基づいて、決定させる手順を
コンピューターに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置によって画像が形成された用紙を積載する積載装置とを備えている。そして、画像形成装置では、画像処理装置が出力されたジョブ情報に基づいて、用紙に画像を形成する。さらに、画像形成システムでは、積載装置に積載された用紙に対して、後工程として、後処理装置により後処理を行うことがある。
【0003】
また、画像形成システムとしては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、画像形成装置のCPUが、大容量スタッカに積載される用紙に対して、後処理装置へと手動で搬送されて後処理が実施される場合には、大容量スタッカの最大積載枚数と、後処理装置の最大後処理枚数とに基づいて、上限積載枚数を設定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、画像形成システムでは、複数のジョブが行われ、積載装置には複数のジョブの用紙が積載される場合があり、積載装置では、画像形成装置での実行順序の順に用紙が積載される。そのため、画像形成装置で先に実行されたジョブの用紙は、後に実行されたジョブの用紙の下側に積載される。また、後処理装置に用紙にセットする際には、後処理装置で行う実行順序に基づいて、用紙をセットする必要がある。そのため、後処理装置において先に実行するジョブの用紙が、後に実行するジョブの用紙の下側に積載されている場合、実行順序が後のジョブの用紙を一旦別の場所に置き直す必要があった。その結果、用紙を後処理装置にセットする作業が繁雑なものとなり、ユーザーへの負担となっていた。
【0006】
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑み、画像が形成された用紙を次工程にセットする作業にかかるユーザーへの負担を軽減することができる画像形成システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、画像形成システムは、ジョブ情報取得部と、画像形成部と、制御部と、を備えている。ジョブ情報取得部は、用紙に対して行う処理内容を示す複数のジョブからなるジョブ情報を取得する。画像形成部は、ジョブ情報に基づいて用紙に画像を形成する。制御部は、ジョブ情報における複数のジョブ毎の画像形成部での画像形成工程の後に、画像形成部から搬送されて行われる次工程に基づいて、複数のジョブにおける画像形成部での実行順序を決定する。
【0008】
また、本発明の他の画像形成システムは、ジョブ情報取得部と、画像形成部と、制御部と、を備えている。ジョブ情報取得部は、用紙に対して行う処理内容を示す複数のジョブからなるジョブ情報を取得する。画像形成部は、ジョブ情報に基づいて用紙に画像を形成する。制御部は、ジョブ情報における複数のジョブ毎の用紙の処理枚数に基づいて、複数のジョブにおける画像形成部での実行順序を決定する。
【0009】
本発明のプログラムは、次の手順をコンピューターに実行させる。
用紙に対して行う処理内容を示す複数のジョブからなるジョブ情報をジョブ情報取得部で取得させる手順。
ジョブ情報に基づいて用紙に画像を画像形成部により形成させる手順。
ジョブ情報における複数のジョブ毎の画像形成部での画像形成工程の後に、画像形成部から搬送されて行われる次工程に基づいて、複数のジョブにおける画像形成部での実行順序を制御部に決定させる手順。
【0010】
また、本発明の他のプログラムは、次の手順をコンピューターに実行させる。
用紙に対して行う処理内容を示す複数のジョブからなるジョブ情報をジョブ情報取得部で取得させる手順。
ジョブ情報に基づいて用紙に画像を画像形成部により形成する手順。
ジョブ情報における複数のジョブ毎の用紙の処理枚数に基づいて、複数のジョブにおける画像形成部での実行順序を制御部に決定させる手順。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の画像形成システム及びプログラムによれば、画像が形成された用紙を次工程にセットする作業にかかるユーザーへの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムの全体構成を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムにおけるジョブ情報の一例を示す説明図である。
【
図4】従来の画像形成システムの動作例を示す説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態例に係る画像形成システムの動作例を示す説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムにおけるスケジューリング処理及びジョブの実行処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムにおけるジョブ情報を示す説明図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける実行順序決定処理を示すフローチャートである。
【
図9】実行順序決定処理で決定された予約リストを示す説明図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける最後のジョブ検索処理を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第2の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける実行順序決定処理を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第2の実施の形態例にかかる画像形成システムにおけるジョブ情報を示す説明図である。
【
図13】実行順序決定処理で決定された予約リストを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の画像形成システム及びプログラムを実施するための形態について、
図1~
図13を参照しながら説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
【0014】
1.第1の実施の形態例
1-1.画像形成システムの構成
まず、本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる画像形成システムの全体構成について説明する。
図1は、本例の画像形成システム1の概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成サーバーを構成する情報処理装置2と、画像形成装置3と、用紙積載装置を示す大容量スタッカ4と、後処理装置の一例を示すくるみ製本機5とを備えている。情報処理装置2、画像形成装置3、大容量スタッカ4及びくるみ製本機5は、それぞれLAN等のネットワーク6に接続され、ネットワーク7を介して相互に接続されている。
【0016】
情報処理装置2としては、パーソナルコンピューターが適用される。情報処理装置2は、は、ユーザーの入力操作に基づいて、文書作成又は画像形成アプリケーションにより画像形成を行う画像データを生成する。また、情報処理装置2は、画像データと、用紙Sに対して行う処理内容を示すジョブ情報を、画像形成装置3やくるみ製本機5へネットワーク6を介して出力する。なお、ジョブ情報は、JDF(Job Definition Format)に変換して、画像形成装置3やくるみ製本機5に出力される。
【0017】
画像形成装置3は、情報処理装置2から出力されたジョブ情報及び画像データを、ネットワーク6を介して受信し、ジョブ情報の画像形成設定及び画像データに基づいて用紙Sに画像を形成する。画像形成装置3は、例えば電子写真方式により用紙Sに画像を形成する装置である。画像形成装置3は、画像形成を行う用紙Sが収容された給紙部31と、用紙Sに画像形成を行う画像形成部32と、操作表示部33とを備えている。
【0018】
画像形成部32は、例えば、複数色(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等)の画像形成ユニットを備え、用紙にカラーのトナー画像を形成することができる。画像形成部32の用紙搬送方向の下流側(単に「下流側」と称する)には、トナー画像が形成された用紙が搬送される不図示の定着部が配置される。この定着部により、用紙が加圧及び加熱されて、転写されたトナー画像が用紙に定着する。
【0019】
画像形成装置3の用紙Sの搬送方向の下流側には、大容量スタッカ4が配置されている。すなわち、画像形成装置3と大容量スタッカ4は、直列に並べられている。大容量スタッカ4には、画像形成装置3によって画像が形成された用紙Sが搬送される。
【0020】
大容量スタッカ4は、用紙搬送部41と、用紙Sが積載される積載部の一例を示すスタッカ部43と、スタッカ部43が配置された台車42とを有している。用紙搬送部41は、画像形成装置3から搬送された用紙Sをスタッカ部43に向けて搬送する。スタッカ部43は、台車42ごと大容量スタッカ4の筐体から取り出し可能に構成されている。
【0021】
くるみ製本機5は、画像形成装置3及び大容量スタッカ4から物理的に離れた位置に配置されている。スタッカ部43に積載された用紙Sは、台車42によってくるみ製本機5まで搬送される。
【0022】
くるみ製本機5は、給紙部51の給紙トレイに積載された用紙Sに対して後処理を行う。くるみ製本機5は、用紙Sを複数枚束ねて表紙でくるんで冊子を作成する、いわゆるくるみ製本を行う。
【0023】
なお、本例では、後処理装置としてくるみ製本機5を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。後処理装置としては、例えば、用紙Sに箔押しを行う箔押し機、用紙Sを断裁する断裁機や用紙Sにステープル処理を行うステープル処理機等その他各種の後処理装置が適用される。
【0024】
1-2.各装置のハードウエア構成
次に、
図2を参照して各装置のハードウエア構成について説明する。
図2は、画像形成システムの各装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0025】
まず、情報処理装置2のハードウエア構成について説明する。
図2に示すように、情報処理装置2は、表示部21と、入力操作部22と、画像処理部23と、画像回転/圧縮部24と、を備えている。また、情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、を有する。さらに、情報処理装置2は、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)204と、ネットワークI/F205とを備えている。なお、ROM202としては、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。また、制御部の一例を示すCPU201は、情報処理装置2全体を制御する。
【0026】
また、表示部21、入力操作部22、画像処理部23、画像回転/圧縮部24、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204及びネットワークI/F205は、それぞれシステムバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
表示部21は、例えば、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイモニタであり、情報処理装置2で行われる処理の結果等を表示する。入力操作部22には、例えば、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネル等が用いられる。そして、入力操作部22は、ユーザーが所定の操作入力、指示を行うことが可能である。また、入力操作部22として適用したタッチパネルと、表示部21として適用したフラットパネルディスプレイを積層して一体化し、操作表示パネルを構成してもよい。
【0028】
画像処理部23は、A/D変換によって作成された画像データにシェーディング補正やディザ処理等の処理を施して、RAM203に格納する。画像回転/圧縮部24は、画像データの回転処理や、圧縮処理等を行い、RAM203に格納する。
【0029】
ネットワークI/F205は、例えば、NIC等が用いられ、ネットワーク6を介して各装置間で各種のデータを送受信することが可能な構成とされている。
【0030】
次に、画像形成装置3のハードウエア構成について説明する。画像形成装置3は、給紙部31と、画像形成部32と、操作表示部33と、画像処理部34と、画像読取部35とを備えている。また、画像形成装置3は、CPU301と、CPU301が実行するプログラム等を記憶するためのROM302と、CPU301の作業領域として使用されるRAM303と、を有する。さらに、画像形成装置3は、ジョブ情報取得部の一例を示すネットワークI/F305と、後段I/F306とを有している。制御部の一例を示すCPU301は、画像形成装置3全体を制御する。
【0031】
また、給紙部31、画像形成部32、操作表示部33、画像処理部34、画像読取部35、CPU301、ROM302、RAM303、ネットワークI/F305及び後段I/F306は、それぞれシステムバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0032】
画像読取部35は、原稿画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの輝度情報をもつ画像データを生成する。画像読取部35によって生成された画像データや、情報処理装置2から送信される画像データは、画像処理部34に送られ、画像処理される。画像処理部34は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。また、画像形成部32は、画像処理部34によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙S上に画像を形成する。
【0033】
操作表示部33は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部33は、出力部の一例であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部33は、複数のキーを備え、ユーザーのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号をCPU301に出力する。
【0034】
ネットワークI/F305は、例えば、NIC等が用いられ、ネットワーク6を介して各装置間で各種のデータを送受信することが可能な構成とされている。また、後段I/F306は、例えば、NIC等が用いられ、画像形成装置3の後段に接続する大容量スタッカ4との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0035】
次に、大容量スタッカ4のハードウエア構成について説明する。大容量スタッカ4は、用紙搬送部41と、スタッカ部43と、ロック機構44と、センサ45と、を備えている。また、大容量スタッカ4は、大容量スタッカ4全体を制御するCPU401と、CPU401が実行するプログラム等を記憶するためのROM402と、CPU401の作業領域として使用されるRAM403と、を有する。さらに、大容量スタッカ4は、前段I/F405と、後段I/F406とを有している。
【0036】
また、用紙搬送部41、スタッカ部43、ロック機構44、センサ45、CPU401、ROM402、RAM403、前段I/F405及び後段I/F406は、それぞれシステムバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
ロック機構44は、スタッカ部43が配置された台車42(
図1参照)を大容量スタッカ4の筐体にロックする。また、ロック機構44は、出力部44aを介してシステムバスに接続されている。そして、ロック機構44は、出力部44aを介してCPU401から出力された出力信号に基づいて、ロック及び解錠を行う。ロック機構44が解錠されることで、スタッカ部43を台車42ごと筐体から取り出すことができる。
【0038】
センサ45は、用紙搬送部41や、スタッカ部43に配置されている。センサ45は、用紙搬送部41により搬送された用紙Sや、スタッカ部43に積載された用紙Sを検出する。また、センサ45は、入力部45aを介してシステムバスに接続されている。センサ45が検出した検出信号は、入力部45aを介してCPU401に入力される。
【0039】
前段I/F405は、例えば、NIC等が用いられ、大容量スタッカ4の前段に接続する画像形成装置3との接続を確立し、データの送受信を実行する。また、後段I/F406は、例えば、NIC等が用いられ、大容量スタッカ4の後段に何らかの装置が接続された場合に、当該装置との接続を確立し、データの送受信を実行する。
【0040】
次に、くるみ製本機5のハードウエア構成について説明する。くるみ製本機5は、給紙部51と、操作部52と、断裁部53と、表紙搬送部54と、くるみ製本部55と、用紙搬送部56と、束積載部57と、を備えている。また、くるみ製本機5は、くるみ製本機5全体を制御するCPU501と、CPU501が実行するプログラム等を記憶するためのROM502と、CPU501の作業領域として使用されるRAM503と、を有する。さらに、くるみ製本機5は、ネットワークI/F505を有している。
【0041】
給紙部51は、給紙トレイを有しており、他の装置(本例では、大容量スタッカ4)から搬送された用紙Sが給紙トレイに載置される。そして、給紙部51は、給紙トレイに載置された用紙Sを用紙搬送部56に給紙する。用紙搬送部56は、給紙部51から給紙された用紙Sをくるみ製本機5の各部に搬送し、最終的に束積載部57へ搬送する。
【0042】
操作部52、例えば、表示部であるディスプレイパネル上に表示される情報に従い、入力操作を行うことが可能なタッチパネルである。操作部52は、ユーザーのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号をCPU501に出力する。
【0043】
断裁部53は、例えば、回転刃と固定刃とからなるローラ駆ったユニットであり、表紙や用紙Sを所定の長さに断裁する。くるみ製本部55は、用紙Sを複数枚束ねて綴じ処理を行うと共に、束ねられた用紙に表紙を貼り付ける。これにより、くるみ製本部55は、用紙Sに対してくるみ処理を行い、冊子を作成する。表紙搬送部54は、くるみ製本部55に冊子を作成する際に用いられる表紙を搬送する。束積載部57は、くるみ製本部55により作成された冊子をスタッカに積載する。
【0044】
なお、情報処理装置2、画像形成装置3、大容量スタッカ4及びくるみ製本機5は、CPU201、301、401、501の代わりに、MPU(Micro Processing Unit)等の処理装置を備えるようにしてもよい。
【0045】
1-3.ジョブ情報の一例
次に、情報処理装置2から出力されるジョブ情報の一例について
図3を参照して説明する。
図3は、ジョブ情報の一例を示す説明図である。
【0046】
情報処理装置2から出力されるジョブ情報、すなわちJDFには、例えば、
図3に示すような情報が記載されている。
図3に示すように、JDFには、例えば、ジョブ毎に作業工程の内容が記載されている。また、基本情報としては、例えば、用紙サイズ、紙種、ページ数、部数、両面印刷又は片面印刷、後処理、実行順序、出荷期限が記載される。また、第1工程には、工程の内容、モード、出力先、その他として上積みの可否情報等の情報が記載される。また、第2工程には、工程の内容、表紙、実行順序等の情報が記載される。そして、第3コツ栄には、工程の内容、包装紙の種類等の情報が記載される。
【0047】
1-4.動作例
次に、上述した構成を有する画像形成システム1の動作例について
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、従来の動作例を示す説明図、
図5は、本例の動作例を示す説明図である。なお、
図4及び
図5の動作例は、
図3に示すジョブ情報に基づいた動作例について説明する。
【0048】
図4に示すように、従来の動作例では、画像形成装置3は、情報処理装置2からジョブ情報(JDF)が入力されると、当該ジョブ情報に基づいて、用紙Sに対して画像を形成する。
図3に示すように、ジョブ1の実行順序が1番に設定されており、ジョブ2の実行順序が2番に設定されている。そのため、情報処理装置2は、まず実行順序が1番のジョブ1を実行し、次に実行順序が2番のジョブ2を実行する。その結果、大容量スタッカ4のスタッカ部43には、まずジョブ1の用紙束J1が積載され、ジョブ1の用紙束J1の上にジョブ2の用紙束J2が積載される。
【0049】
次に、ユーザーは、ジョブ1の用紙束J1とジョブ2の用紙束J2が積載された台車42を大容量スタッカ4から後処理装置であるくるみ製本機5に搬送する。なお、
図3に示すジョブ情報では、第2工程であるくるみ製本機5の実行順序は、ジョブ1が1番であり、ジョブ2が2番に設定されている。そのため、ユーザーは、くるみ製本機5に用紙束J1、J2をセットする際に、台車42の上側に積載されているジョブ2の用紙束J2を一度、別の場所に載置させて、実行順序が1番であるジョブ1の用紙束J1をくるみ製本機5にセットする必要があった。
【0050】
これに対して、本例の画像形成システム1では、
図5に示すように、画像形成装置3は、情報処理装置2からジョブ情報(JDF)が入力されると、当該ジョブ情報から次工程である第2工程の実行順序を読み取る。そして、画像形成装置3は、第2工程の実行順序に基づいて、画像形成装置3で行う実行順序を変更する。
【0051】
図3に示すジョブ情報が入力された場合、画像形成装置3は、第2工程の実行順序が2番目のジョブ2を、画像形成装置3での実行順序の予約順を1番に変更する。そして、第2工程の実行順序が1番目である第1ジョブを示すジョブ1を、画像形成装置3での実行順序の予約順を2番に変更する。そして、画像形成装置3は、変更した予約順に従って画像形成処理を行う。そのため、画像形成装置3では、第2ジョブを示すジョブ2が1番目に実行され、ジョブ1が2番目に実行される。その結果、大容量スタッカ4のスタッカ部43には、ジョブ2の用紙束J2が積載され、ジョブ1の用紙束J1は、ジョブ2の用紙束J2の上に積載される。
【0052】
次に、ユーザーは、ジョブ1の用紙束J1とジョブ2の用紙束J2が積載された台車42をくるみ製本機5まで搬送する。上述したように、ジョブ1の用紙束J1は、ジョブ2の用紙束J2の上に積載されているため、ユーザーは、ジョブ2の用紙束J2を一度別の場所に載置させることなく、ジョブ1の用紙束J1をくるみ製本機5にセットすることができる。その結果、用紙を後処理装置であるくるみ製本機5にセットする作業を容易に行うことができ、ユーザーへの負担を軽減することができる。
【0053】
1-5.スケジューリング処理及び実行処理の動作例
次に、上述した構成を有する画像形成システム1におけるジョブの実行順序を調整するスケジューリング処理及びジョブの実行処理の動作例について
図6~
図10を参照して説明する。
図6は、画像形成装置3におけるジョブのスケジューリング処理とジョブの実行処理を示すフローチャートである。
図7は、ジョブ情報の一例を示す説明図である。
図8は、実行順序決定処理を示すフローチャートである。
図9は、実行順序決定処理で決定された予約リストを示す説明図である。
図10は、最後のジョブ検索処理を示すフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、画像形成装置3のネットワークI/F305は、ネットワーク6を介して情報処理装置2のネットワークI/F205から
図7に示すジョブ情報を受信し、受信したジョブ情報をプリントキューであるROM302にセットする(ステップS11)。次に、画像形成装置3のCPU301は、スケジューリングを開始するか否かを判断する(ステップS12)。ステップS12の処理では、所定数のジョブを受信した場合、画像形成装置3のウォームアップ動作が完了した場合、や処理する用紙Sの枚数の合計がスタッカ部43の積載上限に達した場合等の判定条件によってCPU301は、スケジューリングを開始する。
【0055】
次に、ステップS12の処理において、CPU301がスケジューリングを開始すると判断した場合(ステップS12のYES判定)、CPU301は、ジョブNを1にセット(N=1)する(ステップS13)。そして、CPU301は、ジョブNの実行順序を決定する(ステップS14)。なお、ステップS14のジョブNの実行順序決定処理については、後述する。次に、CPU301は、受信したすべてのジョブの実行順序を決定したか否かを判断する(ステップS15)。
【0056】
ステップS15の処理において、CPU301が受信したすべてのジョブの実行順序を決定していないと判断した場合(ステップS15のNO判定)、CPU301は、Nに1を加算(N=N+1)する(ステップS16)。そして、CPU301は、ステップS14の処理に戻り、ジョブNの実行順序を決定する。
【0057】
また、ステップS15の処理において、CPU301が受信したすべてのジョブの実行順序を決定したと判断した場合(ステップS15のYES判定)、実行順序順に予約ジョブとして操作表示部33に表示する(ステップS17)。これにより、ジョブの実行順序が変更した場合、ユーザーに変更したことを知らせることができる。
【0058】
次に、CPU301は、大容量スタッカ4へ積載する最後のジョブを検索する(ステップS18)。なお、ステップS18の最後のジョブ検索処理については、後述する。また、CPU301は、ジョブの実行順序Jを1にセット(J=1)する(ステップS19)。
【0059】
次に、CPU301は、実行順序J番目のジョブをプリント、すなわち画像形成処理を実行する(ステップS20)。また、CPU301がステップS20の処理を行ったジョブが大容量スタッカ4へ積載する最後のジョブか否かを判断する(ステップS21)。なお、ステップS21の処理では、ステップS18の処理で最後のジョブフラグがセットされたジョブか否かをCPU301が判断することで、最後のジョブを判断している。
【0060】
ステップS21の処理において、CPU301が大容量スタッカ4へ積載する最後のジョブであると判断した場合(ステップS21のYES判定)、CPU301は、大容量スタッカ4からの取り出し許可を操作表示部33に表示する(ステップS22)。これにより、ユーザーに対して大容量スタッカ4から用紙束を取り出すことが可能であることを告知することができる。
【0061】
また、ステップS22の処理では、後段I/F306から大容量スタッカ4の前段I/F405に取り出し許可情報を出力する。そして、大容量スタッカ4のCPU401は、取り出し許可情報を受信すると、ロック機構44を操作し、ロック機構44を解錠する。これにより、大容量スタッカ4から用紙束を台車42ごと取り出すことができる。
【0062】
ステップS22の処理が完了すると、CPU301は、ステップS23の処理を行う。また、ステップS21の処理において、CPU301が大容量スタッカ4へ積載する最後のジョブでないと判断した場合(ステップS21のNO判定)、CPU301は、ステップS22の処理を行うことなく、ステップS23の処理を行う。
【0063】
ステップS23の処理では、CPU301は、すべてのジョブのプリントが完了したか否かを判断する。ステップS23の処理において、CPU301は、すべてのジョブのプリントが完了していないと判断した場合(ステップS23のNO判定)、ジョブの実行順序Jに1を加算(J=J+1)する(ステップS24)。そして、CPU301は、再びステップS20の処理に戻る。
【0064】
また、ステップS23の処理において、CPU301は、すべてのジョブのプリントが完了したと判断した場合(ステップS23のYES判定)、CPU301は、画像形成装置3での実行処理を完了する。
【0065】
なお、本例では、ステップS21の処理をステップS23の処理の前に行っている。これにより、すべてのジョブのプリントが完了する前に、大容量スタッカ4へ積載するジョブが完了した際には、大容量スタッカ4から用紙束を取り出すことができる。
【0066】
[実行順序決定処理]
次に、上述したステップS14の処理にかかる実行順序決定処理について
図7~
図9を参照して説明する。
【0067】
図8に示すように、画像形成装置3のCPU301は、実行順序Mに1をセット(M=1)し、積載枚数をクリアにする(ステップS31)。なお、積載枚数のクリア処理は、最初に実行順序を決定するジョブのときにのみ行われる。
【0068】
次に、CPU301は、M番目の実行順序のジョブがあるか否かを判断する(ステップS32)。そして、ステップS32の処理において、CPU301は、M番目の実行順序のジョブがないと判断した場合(ステップS32のNO判定)、後述するステップS40の処理を行う。
【0069】
また、ステップS32の処理において、CPU301は、M番目の実行順序のジョブがあると判断した場合(ステップS32のYES判定)、実行順序のジョブがあると判断されたM番目のジョブの情報を取得する(ステップS33)。ステップS33の処理でCPU301が取得するジョブの情報は、例えば、
図7に示す情報(JDF)である。
【0070】
次に、実行順序を決定するジョブの次工程が、M番目のジョブの次工程と同じか否かを判断する(ステップS34)。なお、本例では、ここで、画像形成装置3での画像形成処理が第1工程、後処理装置(例えば、くるみ製本機5)での処理が第2工程となる。ステップS34の処理において、次工程が同じではないとCPU301が判断した場合(ステップS34のNO判定)、CPU301は、後述するステップS42の処理を行う。
【0071】
また、ステップS34の処理において、次工程が同じであるとCPU301が判断した場合(ステップS34のYES判定)、実行順序を決定するジョブの排出先が、M番目のジョブの排出先と同じであるか否かを判断する(ステップS35)。ステップS35の処理における排出先の比較は、画像形成装置3での排出先を比較する。
図7に示す例では、第1工程の「出力先」の内容を比較する。
【0072】
ステップS35の処理において排出先が異なるとCPU301が判断した場合(ステップS35のNO判定)、CPU301は、後述するステップS42の処理を行う。また、ステップS35の処理において排出先が同じであるとCPU301が判断した場合(ステップS35のYES判定)、CPU301は、実行順序を決定するジョブとM番目のジョブが上積みを許可しているか否かを判断する(ステップS36)。
【0073】
上積み許可とは、画像形成装置3から排出先の1つである大容量スタッカ4のスタッカ部43において、上積みでの排出及び積載の許可又は禁止情報である。
図7に示す例では、第1工程の「その他」の内容により判定する。なお、
図7に示すジョブ情報から判定する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像形成装置3の設定情報により判定してもよい。
【0074】
ステップS36の処理において、上積みを許可していないとCPU301が判断した場合(ステップS36のNO判定)、CPU301は、後述するステップS42の処理を行う。また、ステップS36の処理において、上積みを許可しているとCPU301が判断した場合(ステップS36のYES判定)、積載上限内か否かを判断する(ステップS37)。
【0075】
ステップS37の処理は、ジョブを実行することにより、画像形成装置3の排出先の1つのである大容量スタッカ4のメインと例における積載上限を超えないか否かを判断する。ステップS37の処理を行うため、CPU301は、後述するステップS40の処理において積載枚数を加算する。積載枚数は、
図7に示すジョブ情報の基本情報であるページ数と、部数を掛け合わした数となる。より詳細には、枚数だけでなく、用紙Sの坪量や紙厚等の情報を考慮してもよい。
【0076】
ステップS37の処理において、ジョブを実行すると積載上限を超えるとCPU301が判断した場合(ステップS37のNO判定)、CPU301は、後述するステップS42の処理を行う。また、ステップS37の処理において、ジョブを実行しても積載上限内であるとCPU301が判断した場合(ステップS37のYES判定)、CPU301は、実行順序を決定するジョブの次工程の実行順序と、M番目のジョブの次工程の実行順序を比較する(ステップS38)。
【0077】
ステップS38の処理で比較する実行順序は、
図7に示すジョブの第2工程(次工程)での「実行順序」である。ステップS38の処理において、CPU301は、実行順序を決定するジョブの次工程の「実行順序」が、M番目のジョブの次工程の「実行順序」よりも後であると判断した場合、ステップS39の処理を行う。また、ステップS38の処理において、CPU301は、実行順序を決定するジョブの次工程の実行順序が、M番目のジョブの次工程よりも先であると判断した場合、ステップS42の処理を行う。
【0078】
ステップS39の処理では、CPU301は、既に予約済みの実行順序M番目を含むM番目以下のジョブの実行順序を1つずつ増やす。すなわち、既に予約済みのジョブの画像形成装置3での実行順序が1つずつ後ろに変更される。
【0079】
次に、ステップS39の処理が終了又は、ステップS32の処理でNO判定が行われると、CPU301は、積載枚数に実行順序を決定するジョブNの積載枚数を加算する(ステップS40)。なお、ステップS40における積載枚数の加算処理は、用紙を積載するトレイ毎に行われる。次に、CPU301は、ジョブNの実行順序をMに決定する(ステップS41)。これにより、実行順序決定処理が終了する。
【0080】
また、ステップS42の処理では、CPU301は、実行順序Mに1を加算(M=M+1)する。そして、CPU301は、再びステップS32の処理に戻る。
【0081】
次に、
図7に示すジョブ情報のジョブ1、ジョブ2、ジョブ3実行順序の決定処理について説明する。
まず、ジョブ1の実行順序の決定処理について説明する。CPU301は、ステップS31の処理において、ジョブ1の実行順序Mを1に設定し、積載枚数をクリアにする。M番目、すなわち1番目の実行順序のジョブは、まだ決定されていないため、ステップS32の処理において、CPU301は、NO判定を行う。
【0082】
次に、CPU301は、ステップS40の処理において、ジョブ1の積載枚数を加算する。
図7に示すように、ジョブ1の「ページ数」が「50枚」、「部数」が「20部」であるため、ジョブ1での出力先である大容量スタッカ4のメイントレイには、積載枚数が「1000」として加算される。
【0083】
次に、CPU301は、ステップS41の処理において、ジョブ1の実行順序をM番目、すなわち1番目に決定する。この時点でのジョブの予約リストには、ジョブ1が1番目の実行順序として予約される。
【0084】
次に、ジョブ2の実行順序を決定する。まず、CPU301は、ステップS31の処理においてジョブ2の実行順序Mを1に設定する。なお、M番目である1番目の実行順序には、ジョブ1が既に決定されているため、ステップS32の処理において、CPU301は、M番目に実行順序のジョブがあると判断(ステップS32のYES判定)する。次に、CPU301は、ステップS33の処理において、M番目のジョブであるジョブ1の情報を取得する。
【0085】
次に、CPU301は、ステップS34からステップS38の処理を行い、実行順序を決定するジョブ2の情報と、M番目のジョブ1の情報とを比較する。なお、
図7に示すように、ジョブ1の第2工程とジョブ2の第2工程は、いずれも「くるみ製本機」であるため、ステップS34の処理は、YES判定となる。また、ジョブ1とジョブ2の排出先は、いずれも「大容量スタッカ メイントレイ」であるため、ステップS35の処理は、YES判定となる。さらに、ジョブ1及びジョブ2の第1工程における「その他」の内容は、「上積み許可」であるため、ステップS36の処理は、YES判定となる。
【0086】
さらに、
図7に示す基本情報からジョブ2の「ページ数」は、「30枚」、ジョブ2の「部数」は、「50部」であるため、ジョブ2の積載枚数は、「1500」となる。そして、ジョブ1の積載枚数である「1000」にジョブ2の積載枚数である「1500」を加えた累積積載枚数「2500」が積載上限内であれば、ステップS37の処理では、CPU301は、YES判定を行う。ここでは、ステップS37の処理がYES判定、すなわち累積積載枚数が積載上限内である場合について説明する。
【0087】
また、
図7に示すように、ジョブ2の第2工程での「実行順序」が「2」に設定されており、ジョブ1の第2工程での「実行順序」が「1」に設定されている。そのため、ステップS38の処理において、CPU301は、ジョブ2の第2工程での「実行順序」が、M番目であるジョブ1の第2工程での「実行順序」よりも後であると判断する。そして、CPU301は、ステップS39の処理において、実行順序がM番目(1番目)以下のジョブ、すなわちジョブ1の実行順序を1つずつ増やす。そのため、ジョブ1の実行順序は、2番目に変更される。
【0088】
そして、CPU301は、ステップS40においてジョブ2の出力先である大容量スタッカ4のメイントレイに、ジョブ2の積載枚数である「1500」を加算する(1000+1500=2500)。次に、CPU301は、ステップS41の処理において、ジョブ2の実行順序をM番目、すなわち1番目に決定する。この時点でのジョブの予約リストには、ジョブ2が1番目の実行順序として予約され、ジョブ1が2番目の実行順序として予約される。
【0089】
次に、ジョブ3の実行順序を決定する。まず、CPU301は、ステップS31の処理においてジョブ3の実行順序Mを1に設定する。なお、M番目である1番目の実行順序には、ジョブ2が既に決定されているため、ステップS32の処理において、CPU301は、M番目に実行順序のジョブがあると判断(ステップS32のYES判定)する。次に、CPU301は、ステップS33の処理において、M番目のジョブであるジョブ2の情報を取得する。
【0090】
次に、CPU301は、ステップS34からステップS38の処理を行い、実行順序を決定するジョブ3の情報と、M番目のジョブ2の情報とを比較する。
図7に示すように、ジョブ2の第2工程は、「くるみ製本機」であるのに対して、ジョブ3の第2工程は、「なし」である。そのため、ステップS34の処理は、NO判定となり、CPU301は、ステップS42の処理を行い、実行順序Mに1を加算(M=M+1)する。すなわち、ジョブ3の実行順序Mは、2になる。そして、CPU301は、ステップS32の処理に戻る。
【0091】
また、M番目、すなわち2番目の実行順序には、ジョブ1が既に決定されているため、ステップS32の処理では、CPU301は、M番目に実行順序のジョブがあると判断(ステップS32のYES判定)する。次に、CPU301は、ステップS33の処理において、M番目のジョブであるジョブ1の情報を取得する。
【0092】
次に、CPU301は、ステップS34からステップS38の処理を行い、実行順序を決定するジョブ3の情報と、M番目のジョブ1の情報とを比較する。
図7に示すように、ジョブ1の第2工程は、「くるみ製本機」であるのに対して、ジョブ3の第2工程は、「なし」である。そのため、ステップS34の処理は、NO判定となり、CPU301は、ステップS42の処理を行い、実行順序Mに1を加算(M=M+1)する。すなわち、ジョブ3の実行順序Mは、3になる。そして、CPU301は、ステップS32の処理に戻る。
【0093】
なお、3番目の実行順序は、まだ決定されていないため、ステップS32の処理において、CPU301は、NO判定を行う。次に、CPU301は、ステップS40の処理において、ジョブ3の積載枚数を加算する。
図7に示すように、ジョブ3の「ページ数」が「20枚」、「部数」が「1部」であるため、ジョブ3での出力先である大容量スタッカ4のサブトレイには、積載枚数が「20」として加算される。
【0094】
次に、CPU301は、ステップS41の処理において、ジョブ3の実行順序をM番目、すなわち3番目に決定する。そして、
図9に示すように、予約リストには、ジョブ2が実行順序の1番目に予約され、ジョブ1が実行順序の2番目に予約される。そして、ジョブ3が実行順序の3番目に予約される。これにより、
図7に示すジョブ1、ジョブ2、ジョブ3における画像形成装置3での実行順序が決定される。
【0095】
このように、画像形成装置3の後に行われる次工程での実行順序に基づいて、画像形成装置3での実行順序を変更することで、後処理装置に用紙をセットする際の作業を容易に行うことができ、ユーザーへの負担を軽減することができる。
【0096】
[最後のジョブ検索処理]
次に、上述したステップS18の処理にかかる最後のジョブ検索処理について
図10を参照して説明する。
【0097】
図10に示すように、CPU301は、情報処理装置2から入力されたジョブ情報に基づいて、予約ジョブ数をカントPにセットする(ステップS51)。次に、P番目のジョブが大容量スタッカ4へ積載するジョブであるか否かをCPU301が判断する(ステップS52)。ステップS52において、P番目のジョブが大容量スタッカ4へ積載するジョブではないとCPU301が判断した場合(ステップS52のNO判定)、CPU301は、カウントPの値から1を減算(P=P-1)する(ステップS54)。次に、CPU301は、P=0であるか否かを判断する(ステップS55)。
【0098】
ステップS55の処理において、P=0ではないとCPU301が判断した場合(ステップS55のNO判定)、CPU301は、ステップS52の処理に戻る。
【0099】
また、ステップS52の処理において、CPU301は、P番目のジョブが大容量スタッカ4へ積載するジョブであると判断した場合(ステップS52のYES判定)、P番目のジョブに大容量スタッカ4へ積載する最後のジョブであることを示すジョブフラグをセットする(ステップS53)。これにより、ジョブ検索処理が終了する。
【0100】
また、ステップS55の処理において、CPU301は、P=0であると判断した場合(ステップS55のYES判定)、ジョブ検索処理が終了する。このように、ジョブ検索処理では、複数のジョブのうち最後のジョブから順番に大容量スタッカへ積載するジョブであるか否かを検索している。
【0101】
2.第2の実施の形態例
次に、第2の実施の形態例にかかる画像形成システムについて
図11~
図13を参照して説明する。
図11は、実行順序決定処理を示すフローチャートである。
図12は、ジョブ情報の一例を示す説明図である。
図13は、実行順序決定処理で決定された予約リストを示す説明図である。
【0102】
この第2の実施の形態例にかかる画像形成システムが第1の実施の形態例にかかる画像形成システム1と異なる点は、実行順序決定処理である。そのため、ここでは、実行順序決定処理について説明し、第1の実施の形態例にかかる画像形成システム1と共通する構成には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0103】
図11に示すように、画像形成装置3のCPU301は、実行順序Mに1をセット(M=1)し、積載枚数をクリアにする(ステップS71)。なお、積載枚数のクリア処理は、最初に実行順序を決定するジョブのときにのみ行われる。
【0104】
次に、CPU301は、M番目の実行順序のジョブがあるか否かを判断する(ステップS72)。そして、ステップS72の処理において、CPU301は、M番目の実行順序のジョブがないと判断した場合(ステップS72のNO判定)、後述するステップS79の処理を行う。
【0105】
また、ステップS72の処理において、CPU301は、M番目の実行順序のジョブがあると判断した場合(ステップS72のYES判定)、実行順序のジョブがあると判断されたM番目のジョブの情報を取得する(ステップS73)。ステップS73の処理でCPU301が取得するジョブの情報は、例えば、
図12に示す情報(JDF)である。
【0106】
次に、CPU301は、実行順序を決定するジョブの排出先が、M番目のジョブの排出先と同じであるか否かを判断する(ステップS74)。ステップS74の処理における排出先の比較は、画像形成装置3での排出先を比較する。
【0107】
ステップS74の処理において排出先が異なるとCPU301が判断した場合(ステップS74のNO判定)、CPU301は、後述するステップS81の処理を行う。また、ステップS74の処理において排出先が同じであるとCPU301が判断した場合(ステップS74のYES判定)、CPU301は、実行順序を決定するジョブとM番目のジョブが上積みを許可しているか否かを判断する(ステップS75)。
【0108】
ステップS75の処理において、上積みを許可していないとCPU301が判断した場合(ステップS75のNO判定)、CPU301は、後述するステップS81の処理を行う。また、ステップS75の処理において、上積みを許可しているとCPU301が判断した場合(ステップS75のYES判定)、積載上限内か否かを判断する(ステップS76)。
【0109】
ステップS76の処理において、ジョブを実行すると積載上限を超えるとCPU301が判断した場合(ステップS76のNO判定)、CPU301は、後述するステップS81の処理を行う。また、ステップS76の処理において、ジョブを実行しても積載上限内であるとCPU301が判断した場合(ステップS76のYES判定)、CPU301は、実行順序を決定するジョブNの積載枚数と、M番目のジョブの積載枚数を比較する(ステップS77)。ステップS77の処理では、実行順序を決定するジョブNの積載枚数がM番目のジョブの積載枚数よりも多いか否かを判断する(ジョブNの枚数×部数>M番目のジョブの枚数×部数)。
【0110】
ステップS77の処理において、CPU301は、実行順序を決定するジョブNの積載枚数がM番目のジョブの積載枚数よりも少ないと判断した場合(ステップS77のNO判定)、CPU301は、ステップS81の処理を行う。また、ステップS77の処理において、CPU301は、実行順序を決定するジョブNの積載枚数がM番目のジョブの積載枚数よりも多いと判断した場合(ステップS77のYES判定)、ステップS78の処理を行う。
【0111】
ステップS78の処理では、CPU301は、既に予約済みの実行順序M番目を含むM番目以下のジョブの実行順序を1つずつ増やす。すなわち、既に予約済みのジョブの画像形成装置3での実行順序が1つずつ後ろに変更される。
【0112】
次に、ステップS78の処理が終了又は、ステップS72の処理でNO判定が行われると、CPU301は、積載枚数に実行順序を決定するジョブNの積載枚数を加算する(ステップS79)。次に、CPU301は、ジョブNの実行順序をMに決定する(ステップS80)。これにより、実行順序決定処理が終了する。
【0113】
また、ステップS81の処理では、CPU301は、実行順序Mに1を加算(M=M+1)する。そして、CPU301は、再びステップS72の処理に戻る。
【0114】
次に、
図12に示すジョブ情報のジョブ1、ジョブ2、ジョブ3実行順序の決定処理について説明する。
まず、ジョブ1の実行順序の決定処理について説明する。CPU301は、ステップS71の処理において、ジョブ1の実行順序Mを1に設定し、積載枚数をクリアにする。M番目、すなわち1番目の実行順序のジョブは、まだ決定されていないため、ステップS72の処理において、CPU301は、NO判定を行う。
【0115】
次に、CPU301は、ステップS79の処理において、ジョブ1の積載枚数を加算する。
図12に示すように、ジョブ1の「ページ数」が「20枚」、「部数」が「50部」であるため、ジョブ1での出力先である大容量スタッカ4のメイントレイには、積載枚数が「1000」として加算される。
【0116】
次に、CPU301は、ステップS80の処理において、ジョブ1の実行順序をM番目、すなわち1番目に決定する。この時点でのジョブの予約リストには、ジョブ1が1番目の実行順序として予約される。
【0117】
次に、ジョブ2の実行順序を決定する。まず、CPU301は、ステップS71の処理においてジョブ2の実行順序Mを1に設定する。なお、M番目である1番目の実行順序には、ジョブ1が既に決定されているため、ステップS72の処理において、CPU301は、M番目に実行順序のジョブがあると判断(ステップS72のYES判定)する。次に、CPU301は、ステップS73の処理において、M番目のジョブであるジョブ1の情報を取得する。
【0118】
次に、CPU301は、ステップS74からステップS77の処理を行い、実行順序を決定するジョブ2の情報と、M番目のジョブ1の情報とを比較する。ジョブ1とジョブ2の排出先は、いずれも「大容量スタッカ メイントレイ」であるため、ステップS74の処理は、YES判定となる。さらに、ジョブ1及びジョブ2の第1工程における「その他」の内容は、「上積み許可」であるため、ステップS75の処理は、YES判定となる。
【0119】
さらに、
図12に示す基本情報からジョブ2の「ページ数」は、「50枚」、ジョブ2の「部数」は、「40部」であるため、ジョブ2の積載枚数は、「2000」となる。そして、ジョブ1の積載枚数である「1000」にジョブ2の積載枚数である「2000」を加えた累積積載枚数「3000」が積載上限内であれば、ステップS76の処理では、CPU301は、YES判定を行う。ここでは、ステップS76の処理がYES判定、すなわち累積積載枚数が積載上限内である場合について説明する。
【0120】
また、ジョブ2の積載枚数は「2000」であり、ジョブ1の積載枚数は「1000」であるため、ステップS77の処理において、CPU301は、ジョブ2の積載枚数が、M番目であるジョブ1の積載枚数よりも多いと判断する(ステップS77のYES判定)。そして、CPU301は、ステップS78の処理において、実行順序がM番目(1番目)以下のジョブ、すなわちジョブ1の実行順序を1つずつ増やす。そのため、ジョブ1の実行順序は、2番目に変更される。
【0121】
そして、CPU301は、ステップS79においてジョブ2の出力先である大容量スタッカ4のメイントレイに、ジョブ2の積載枚数である「2000」を加算する(1000+2000=3000)。次に、CPU301は、ステップS80の処理において、ジョブ2の実行順序をM番目、すなわち1番目に決定する。この時点でのジョブの予約リストには、ジョブ2が1番目の実行順序として予約され、ジョブ1が2番目の実行順序として予約される。
【0122】
次に、ジョブ3の実行順序を決定する。まず、CPU301は、ステップS71の処理においてジョブ3の実行順序Mを1に設定する。なお、M番目である1番目の実行順序には、ジョブ2が既に決定されているため、ステップS72の処理において、CPU301は、M番目に実行順序のジョブがあると判断(ステップS72のYES判定)する。次に、CPU301は、ステップS73の処理において、M番目のジョブであるジョブ2の情報を取得する。
【0123】
次に、CPU301は、ステップS74からステップS77の処理を行い、実行順序を決定するジョブ3の情報と、M番目のジョブ2の情報とを比較する。ジョブ2とジョブ3の排出先は、いずれも「大容量スタッカ メイントレイ」であるため、ステップS74の処理は、YES判定となる。さらに、ジョブ2及びジョブ3の第1工程における「その他」の内容は、「上積み許可」であるため、ステップS75の処理は、YES判定となる。
【0124】
さらに、
図12に示す基本情報からジョブ3の「ページ数」は、「30枚」、ジョブ3の「部数」は、「50部」であるため、ジョブ3の積載枚数は、「1500」となる。そして、累積積載枚数である「3000」にジョブ3の積載枚数である「1500」を加えた累積積載枚数「4500」が積載上限内であれば、ステップS76の処理では、CPU301は、YES判定を行う。ここでは、ステップS76の処理がYES判定、すなわち累積積載枚数が積載上限内である場合について説明する。
【0125】
また、ジョブ3の積載枚数は「1500」であり、ジョブ2の積載枚数は「2000」であるため、ステップS77の処理において、CPU301は、ジョブ3の積載枚数が、M番目であるジョブ2の積載枚数よりも少ないと判断する(ステップS77のNO判定)。次に、CPU301は、ステップS81の処理を行い、実行順序Mに1を加算(M=M+1)する。すなわち、ジョブ3の実行順序Mは、2になる。そして、CPU301は、ステップS72の処理に戻る。
【0126】
また、M番目、すなわち2番目の実行順序には、ジョブ1が既に決定されているため、ステップS72の処理では、CPU301は、M番目に実行順序のジョブがあると判断(ステップS72のYES判定)する。次に、CPU301は、ステップS73の処理において、M番目のジョブであるジョブ1の情報を取得する。
【0127】
次に、CPU301は、ステップS74からステップS77の処理を行い、実行順序を決定するジョブ3の情報と、M番目のジョブ1の情報とを比較する。ジョブ1とジョブ3の排出先は、いずれも「大容量スタッカ メイントレイ」であるため、ステップS74の処理は、YES判定となる。さらに、ジョブ1及びジョブ3の第1工程における「その他」の内容は、「上積み許可」であるため、ステップS75の処理は、YES判定となる。
【0128】
また、ステップS76における積載上限の判定処理は、上述したように、YES判定である。
【0129】
また、ジョブ3の積載枚数は「1500」であり、ジョブ1の積載枚数は「1000」であるため、ステップS77の処理において、CPU301は、ジョブ3の積載枚数が、M番目であるジョブ1の積載枚数よりも多いと判断する(ステップS77のYES判定)。そして、CPU301は、ステップS78の処理において、実行順序がM番目(2番目)以下のジョブ、すなわちジョブ1の実行順序を1つずつ増やす。そのため、ジョブ1の実行順序は、3番目に変更される。
【0130】
そして、CPU301は、ステップS79においてジョブ3の出力先である大容量スタッカ4のメイントレイに、ジョブ3の積載枚数である「1500」を加算する(3000+1500=4500)。次に、CPU301は、ステップS80の処理において、ジョブ3の実行順序をM番目、すなわち2番目に決定する。
【0131】
そして、
図13に示すように、予約リストには、ジョブ2が実行順序の1番目に予約され、ジョブ3が実行順序の2番目に予約される。そして、ジョブ1が実行順序の3番目に予約される。これにより、
図12に示すジョブ1、ジョブ2、ジョブ3における画像形成装置3での実行順序の決定処理が終了する。
【0132】
第2の実施の形態例にかかる画像形成システムの実行順序決定処理では、ジョブ毎の積載枚数(処理枚数)に応じて画像形成装置3での実行順序を決定している。具体的には、積載枚数が少ないジョブを後に行うことで、大容量スタッカ4のスタッカ部43には、積載枚数の多いジョブが下側に積載され、積載枚数の少ないジョブが上側に積載される。これにより、後処理装置での実行順序に合わせてジョブ毎の用紙束の順番を変更する場合でも、積載枚数が少ないジョブの用紙束、すなわち他のジョブよりも軽いジョブの用紙束が上側に積載されるため、用紙束の取り出しや、移動を容易に行うことができる。その結果、後処理装置に用紙をセットする際の作業を容易に行うことができ、ユーザーへの負担を軽減することができる。
【0133】
以上、画像形成システム及び画像形成サーバーの実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の画像形成システム及び画像形成サーバーは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0134】
上述した実施の形態例では、4組の画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成する構成としたが、本発明にかかる画像形成装置としては、1つの画像形成ユニットを用いて単色画像を形成する構成としてもよい。
【0135】
さらに、実行順序を決定する制御部として画像形成装置3のCPU301を適用し、画像形成装置3のCPU301によって実行順序決定処理やジョブ検索処理を行う例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部として情報処理装置2のCPU201を適用し、入力されたジョブ情報に基づいて情報処理装置2のCPU201によって画像形成装置3での実行順序決定処理を行ってもよい。そして、情報処理装置2によって決定された画像形成装置3での実行順序を、画像データやジョブ情報と共に画像形成装置3に出力してもよい。この場合、情報処理装置2のネットワークI/F205や入力操作部22がジョブ情報取得部となる。
【符号の説明】
【0136】
1…画像形成システム、 2…情報処理装置、 3…画像形成装置、 4…大容量スタッカ(用紙積載装置)、 5…くるみ製本機(後処理装置)、 32…画像形成部、 33…操作表示部、 42…台車、 43…スタッカ部、 44…ロック機構、 201、301…CPU(制御部) ネットワークI/F…305(ジョブ情報取得部)