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特許7135671画像形成装置および画像形成装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220906BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220906BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20220906BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
B41J29/38
B41J29/393 105
B41J29/42 F
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018182479
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020053885
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川崎 哲
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-230047(JP,A)
【文献】特開2010-210572(JP,A)
【文献】特開2014-146859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/393
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、
検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、
第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け
前記所定の条件は、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けて記憶されていないという第1条件を含む、画像形成装置。
【請求項2】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、
検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、
第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、
前記所定の条件は、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件を含む、画像形成装置。
【請求項3】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、
検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、
第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、
前記所定の条件は、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件を含む、画像形成装置。
【請求項4】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、
検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、
第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、
前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含む、画像形成装置。
【請求項5】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、
検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、
第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、
前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含み、
前記所定の出力モードは、リプリントができないモードである、画像形成装置。
【請求項6】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、
検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、
第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、
前記基準画像が再生成されたときに、前記既存の基準画像を削除するかどうかの選択をユーザーから受け付ける選択画面を表示する表示部をさらに有し、
前記所定の条件は、前記選択画面で、前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件を含む、画像形成装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記所定の条件の設定をユーザーから受け付ける設定画面をさらに表示し、
前記制御部は、前記設定画面において受け付けた設定に基づいて、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けされていないという第1条件、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件、および、前記選択画面で前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件から選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またはOR条件を前記所定の条件として設定する請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記選択画面を表示するかどうかの設定をユーザーから受け付ける設定画面をさらに表示し、
前記制御部は、前記設定画面において受け付けた設定に基づいて、前記選択画面を表示する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、
前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、
前記所定の条件は、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けされていないという第1条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【請求項10】
印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、
前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、
前記所定の条件は、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【請求項11】
印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、
前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、
前記所定の条件は、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【請求項12】
印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、
前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、
前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【請求項13】
印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、
前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、
前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含み、
前記所定の出力モードは、リプリントができないモードである、画像形成装置用プログラム。
【請求項14】
印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、表示部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、
前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)と、
記既存の基準画像を削除するかどうかの選択をユーザーから受け付ける選択画面を前記表示部に表示する手順(b)と、を有し、
前記所定の条件は、前記手順(b)において、前記選択画面で、前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【請求項15】
前記処理は、
前記表示部に、前記所定の条件の設定をユーザーから受け付ける設定画面を表示する手順(c)と、
前記設定画面において受け付けられた設定に基づいて、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けされていないという第1条件、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件、および、前記選択画面で、前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件から選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またはOR条件を前記所定の条件として設定する手順(d)と、をさらに有する請求項14に記載の画像形成装置用プログラム。
【請求項16】
前記処理は、
前記表示部に、前記選択画面を表示するかどうかの設定をユーザーから受け付ける設定画面を表示する手順(e)と、
前記設定画面において受け付けた設定に基づいて、前記選択画面を表示する手順(f)と、をさらに有する、請求項14に記載の画像形成装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置により用紙に画像を形成した後、用紙に形成された画像を読み取ることで生成されたスキャン画像を、正常な画像として検査の基準となる基準画像と比較することで、汚れ、角折れ、しわ、傾き等の異常を生じた印刷物をヤレ紙として検出している。検出されたヤレ紙は、良品の印刷物と区分けされて出力される。
【0003】
このような技術に関連し、下記特許文献1には、画像形成装置により画像が形成された複数の用紙の中からユーザーが検品して異常がないと判断した用紙を、ラインセンサー等で読み取ることで生成されたスキャン画像を基準画像として用いることが開示されている。
【0004】
検査対象の印刷物を出力するための印刷ジョブと基準画像とを予め関連付け、当該印刷ジョブに基づいて用紙に形成された画像のスキャン画像と、当該印刷ジョブに関連付けられた基準画像とを比較することでヤレ紙を検出する機能は自動検品機能と称される。自動検品機能においては、検査対象の印刷物を出力する印刷ジョブの印刷設定において印刷部数が例えば1部とされた基準画像生成ジョブを実行することで、基準画像の生成と、生成された基準画像の当該印刷ジョブへの関連付けとが行われる。また、基準画像生成ジョブの実行において、(1)印刷不良や印刷設定ミスがあった場合、(2)基準画像を生成してから長時間経過している場合等に、最新の装置状態で生成した基準画像を使用したい場合、および(3)既に実行した印刷ジョブに対し印刷設定等を変更してリプリントしたい場合等は、再度、基準画像生成ジョブを実行することで、印刷ジョブに関連付けられる基準画像を再生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-146514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、印刷ジョブに関連付けられる基準画像が再生成されても、元々印刷ジョブに関連付けられていた基準画像は、その後使用される可能性が比較的低いにもかかわらず、記憶装置に記憶されたままとなるため、記憶装置の容量を圧迫する。また、同じ印刷ジョブから派生した複数の基準画像生成ジョブの実行によりそれぞれ生成された複数の基準画像が存在することで、手動で基準画像を印刷ジョブに関連付ける際、ユーザーの基準画像の選択の操作が煩雑になる。上記特許文献1に開示された技術等では、これらの問題に対応できない。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。すなわち、自動検品機能を実行する際に生成された、不要な基準画像による記憶装置の容量の圧迫を防止するとともに、手動で基準画像を印刷ジョブに関連付ける場合等におけるユーザーの操作の煩雑化を抑止できる画像形成装置、および画像形成装置用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0009】
(1)印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、前記所定の条件は、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けて記憶されていないという第1条件を含む、画像形成装置。
【0012】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、前記所定の条件は、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件を含む、画像形成装置。
【0013】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け前記所定の条件は、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件を含む、画像形成装置。
【0014】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含む、画像形成装置。
【0015】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含み、所定の出力モードは、リプリントができないモードである、画像形成装置。
【0016】
印刷ジョブに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付け、前記基準画像が再生成されたときに、前記既存の基準画像を削除するかどうか選択をユーザーから受け付ける選択画面を表示する表示部をさらに有し、前記所定の条件は、前記選択画面で、前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件を含む、画像形成装置。
【0017】
)前記表示部は、前記所定の条件の設定をユーザーから受け付ける設定画面をさらに表示し、前記制御部は、前記設定画面において受け付けた設定に基づいて、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けされていないという第1条件、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件、および、前記選択画面で前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件から選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またはOR条件を前記所定の条件として設定する上記()に記載の画像形成装置。
【0018】
)前記表示部は、前記選択画面を表示するかどうかの設定をユーザーから受け付ける設定画面をさらに表示し、前記制御部は、前記設定画面において受け付けた設定に基づいて、前記選択画面を表示する、上記()に記載の画像形成装置。
【0019】
)印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、前記所定の条件は、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けされていないという第1条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【0022】
10印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、前記所定の条件は、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【0023】
11印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、前記所定の条件は、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【0024】
12印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【0025】
13印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)を有し、前記所定の条件は、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含み、前記所定の出力モードは、リプリントができないモードである、画像形成装置用プログラム。
【0026】
14印刷ジョブに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により記録媒体に形成された画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する画像読取部と、検査において基準となる基準画像を記憶する記憶部と、第1印刷ジョブに基づいて前記画像形成部により形成された検査対象画像を、検査対象として前記画像読取部により読み取り、生成したスキャン画像を前記基準画像と比較することで検査を行う制御部と、表示部と、を有する画像形成装置の前記制御部により実行されるプログラムであって、前記基準画像を生成するための第2印刷ジョブに基づいて、前記画像形成部により形成された画像を前記画像読取部により読み取ることで生成した前記スキャン画像を再生成された前記基準画像として前記記憶部に記憶させるとともに、既に生成され、前記第1印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を、所定の条件を満たす場合に前記記憶部から削除して、再生成された前記基準画像を前記第1印刷ジョブに関連付ける手順(a)と、前記既存の基準画像を削除するかどうかの選択をユーザーから受け付ける選択画面を前記表示部に表示する手順(b)と、を有し、前記所定の条件は、前記手順(b)において、前記選択画面で、前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件を含む、処理をコンピューターに実行させるための画像形成装置用プログラム。
【0027】
15)前記処理は、前記表示部に、前記所定の条件の設定をユーザーから受け付ける設定画面を表示する手順(c)と、前記設定画面において受け付けられた設定に基づいて、前記既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けされていないという第1条件、前記既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件、前記既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、前記基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件、前記基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件、および、前記選択画面で、前記既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件から選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またはOR条件を前記所定の条件として設定する手順(d)と、をさらに有する上記(14)に記載の画像形成装置用プログラム。
【0028】
(20)前記処理は、前記表示部に、前記選択画面を表示するかどうかの設定をユーザーから受け付ける設定画面を表示する手順(e)と、前記設定画面において受け付けた設定に基づいて、前記選択画面を表示する手順(f)とをさらに有する、上記(14)に記載の画像形成装置用プログラム。
【発明の効果】
【0029】
基準画像を再生成して記憶部に記憶させる際、既に生成され、印刷ジョブに関連付けされている既存の基準画像を記憶部から削除し、再生成された基準画像を印刷ジョブに関連付ける。これにより、自動検品機能を実行する際に生成された、不要な基準画像による記憶装置の容量の圧迫を防止するとともに、手動で基準画像を印刷ジョブに関連付ける場合等におけるユーザーの操作の煩雑化を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成システムの構成を示す概略図である。
図2】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図3】所定の条件を設定するための、基準画像削除条件設定画面を示す図である。
図4A】画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
図4B】画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0032】
(画像形成システム)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す概略図である。図2は、画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0033】
画像形成システム100は、画像形成装置101、読取装置102、後処理装置103、給紙装置104を有する。画像形成装置101は記録媒体(たとえば用紙)に画像形成(印刷)を行う。以下、記録媒体として用紙Sを例示して説明する。読取装置102は、用紙Sに形成された画像を読み取る。後処理装置103は画像形成された用紙を後処理する。給紙装置104は給紙トレイ41と共に、収納している用紙Sを画像形成部30へ供給する。なお、これらの装置は、それぞれ他の装置を含んで構成されてもよい。従って、例えば、画像形成装置101は、読取装置102を含んで構成され得る。画像形成システム100は、プロダクションプリント機であり得る。
【0034】
図2に示すように、画像形成システム100は、制御部10、記憶部20、画像形成部30、給紙搬送部40、操作表示部50、読取部60、後処理部70、および通信部80を有する。これらは、各部の間で信号をやり取りするためのバスを介して相互に接続されている。読取部60は画像読取部を構成する。
【0035】
制御部10は、CPUであり、プログラムに従って各部の制御や各種の演算処理を行う。制御部10は、画像形成装置101が備える制御部12と、読取装置102が備える制御部11とを含み、これらが協働して画像形成システム100全体を制御する。制御部10の具体的な制御については後述する。
【0036】
記憶部20は、画像形成装置101が備える記憶部22と、読取装置102が備える記憶部21とを含む。記憶部20は、各種プログラムや各種データを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、および各種プログラムや各種データを格納するハードディスク等から構成される。
【0037】
画像形成部30は、中間転写ベルト31、感光体ドラム32、現像部33、書込部34、および2次転写部35を備える。
【0038】
感光体ドラム32、現像部33、および書込部34は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各基本色に対応した構成をそれぞれ備える。図1では、感光体ドラム32、現像部33については、符号32(Y)、33(Y)以外の符号の表記を省略している。
【0039】
画像形成部30の書込部34は、画像データに基づいて、帯電された感光体ドラム32の表面を露光し、静電潜像を形成する。現像部33では、形成された静電潜像を現像部33のトナーにより現像して、各感光体ドラム32の表面に各色のトナー画像を形成する。これを各色の1次転写部(図示せず)で中間転写ベルト31上に順次重ねてゆき、フルカラーのトナー画像を形成する。このトナー画像は、2次転写部35で用紙S上に転写される。その後、トナー画像が形成された用紙Sは、定着部36へ搬送されて、定着部36で加熱・加圧処理することで用紙S上にフルカラーの画像を定着する。
【0040】
給紙搬送部40は、給紙トレイ41、搬送路42(42a~42d)、複数の搬送ローラー、これを駆動する駆動モーター(図示せず)、および給紙装置104を備える。
【0041】
給紙搬送部40は、駆動モーターの駆動によってそれぞれの搬送ローラーを所定のタイミングで回転させ、給紙トレイ41または給紙装置104から供給される用紙Sを画像形成部30へ搬送する。
【0042】
給紙トレイ41は、ここでは上トレイ41aと下トレイ41bの2段の引き出し式トレイとなっていて、それぞれ個別に用紙を収納し、画像形成装置101へ用紙を供給する。
【0043】
給紙装置104は、画像形成装置101内部の上トレイ41aおよび下トレイ41bよりも多くの用紙を収納し、画像形成装置101へ用紙Sを供給する。
【0044】
搬送路42は、画像形成部30内の搬送路42a、42d、読取装置102内の搬送路42b、後処理部70内の搬送路42cから構成される。
【0045】
給紙装置104または給紙トレイ41から給紙された用紙Sは、搬送路42aを搬送される。搬送路42aには、クラッチにより回転、停止することで用紙の搬送タイミングを調整するレジストローラー431が配置されている。
【0046】
搬送路42aを搬送され画像形成部30により画像形成された用紙Sは、下流側の搬送路42b、42cを経由して、印刷ジョブの印刷設定に応じた各処理を施されたのち機外に排出され排紙トレイ44上に載置される。印刷設定には、例えば、Nin1(ページ割付)、印刷部数の設定、ステープル、パンチ、折り、ウォーターマーク、原稿の向き、用紙サイズ、およびグレースケール化の設定が含まれる。
【0047】
印刷ジョブの印刷設定が、両面印刷の設定であれば、片面(第1面、通常は表面)に画像形成された用紙Sを画像形成部30の下部にあるADU搬送路42dに搬送する。このADU搬送路42dに搬送された用紙Sは、スイッチバック経路で表裏を反転された後、搬送路42aに合流し、再び画像形成部30で用紙Sのもう一方の面(第2面、通常は裏面)に画像形成される。
【0048】
操作表示部50はタッチパネル付きディスプレイ、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種指示を入力するための入力画面および装置の状態等を表示するとともに、印刷設定等の各種設定および各種指示の入力を受け付ける。
【0049】
読取部60は、搬送路42b上に、この搬送路42bを通過する、画像形成された用紙Sの画像を読み取ることで、スキャン画像を生成する。スキャン画像は、例えば、ビットマップ形式のデータであり得る。
【0050】
読取部60は、ラインイメージセンサー、レンズ光学系、LED(Light Emitting Diode)光源およびこれらを収納する筐体等を備え、搬送される用紙Sに形成された画像を読み取る。画像の読み取りは、LED光源からの光が、搬送路42b上の読取位置を通過する用紙Sの表面を照射し、読取位置の像がレンズ光学系により導かれ、ラインイメージセンサー上に結像することでなされる。
【0051】
後処理部70は、搬送路42cに設けられている。後処理部70では、たとえば綴じ処理を行い、用紙をスタックするスタック部とステープル部を有し、複数枚の用紙Sをこのスタック部で重ねた後、ステープル部でステープルを用いた平綴じ処理を行う。平綴じされた用紙Sの束は、排紙トレイ44上に排出される。また平綴じしない用紙Sは、そのまま搬送路42cを経由して排出される。
【0052】
通信インターフェース95には、SATA、PCI Expres、USB、イーサネット(登録商標)、IEEE1394などの規格によるネットワークインターフェース、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11などの無線通信インターフェース、などの各種ローカル接続インターフェースが用いられる。通信インターフェース95を通じてPC等の外部の端末からの印刷データおよび印刷設定で構成される印刷ジョブが受信される。
【0053】
制御部10は、印刷ジョブに基づいて、画像形成部30により用紙Sに画像形成し、画像形成された用紙Sを読取部60により読み取ることでスキャン画像を生成する。制御部10は、生成したスキャン画像と、当該印刷ジョブに関連付けられた(紐付けられた)基準画像とを比較することで、用紙Sに形成された画像を検査する。基準画像は、正常な画像として、検査の基準となる画像である。これにより、自動検品機能が実行される。制御部10は、検査の結果、用紙Sに形成された画像に異常があると判断した場合は、異常があると判断した画像が形成された用紙Sをヤレ紙と判定し、排紙トレイ44とは別に設けられた、ヤレ紙排出用のトレイ(図示せず)へ排出する。ヤレ紙として判定される、用紙S上の画像の異常には、汚れ、角折れ、しわ、傾き等が含まれる。以下、検査対象となる画像(検査対象画像)を用紙S上に形成するための印刷ジョブを検査ジョブと称する。この検査ジョブでは、商品の印刷物を出力する。また、検査ジョブは第1印刷ジョブを構成する。
【0054】
制御部10は、基準画像を生成するための印刷ジョブに基づいて、画像形成部30により用紙Sに画像形成し、画像形成された用紙Sを読取部60により読み取ることで、基準画像として使用するスキャン画像を生成する。生成されたスキャン画像は、ユーザーによる目視検査等により正常と判断された後、基準画像として、当該基準画像を検査に使用する検査ジョブに関連付けられるとともに、記憶部20に記憶される。なお、基準画像は、読取装置102が備える記憶部21に記憶され得る。以下、基準画像を生成するための印刷ジョブを基準画像生成ジョブと称する。基準画像生成ジョブは第2印刷ジョブを構成する。
【0055】
基準画像生成ジョブは、検査ジョブの印刷部数を複数部から例えば1部に変更することで生成した印刷ジョブであり得る。また、基準画像生成ジョブは、必要に応じて、検査ジョブに対し印刷設定が変更され得る。基準画像生成ジョブを生成するときの出力モードとしては、例えば、プルーフ出力モードおよびサンプル出力モードがある。プルーフ出力モードは、検査ジョブを実行する前に、印刷物を1部印刷し、目視検査で正常と判断された場合に、当該印刷物のスキャン画像を基準画像として記憶し、検査ジョブに対応付けて検査を行った後、検査ジョブを記憶部20から削除(または記憶部20に保存しない)モードであり得る。サンプル出力モードは、記憶されている検査ジョブのうちいずれかについて、印刷物を1部印刷するとともに、当該印刷物のスキャン画像を基準画像として前記検査ジョブに関連付けて検査ジョブとともに記憶するモードであり得る。以下、説明を簡単にするために、特記しない限り、基準画像生成ジョブは、プルーフ出力モードで実行されるものとして説明する。
【0056】
制御部10は、基準画像生成ジョブを実行することで生成された基準画像を再生成する際、次の制御を行う。プルーフ出力モードによる基準画像生成ジョブは、通常、検査ジョブの実行前に実行される。制御部10は、基準画像生成ジョブを実行することで既に生成された基準画像を記憶部21に記憶させるとともに、実行待ちの検査ジョブと関連付ける。制御部10は、基準画像を再生成するための基準画像生成ジョブを実行して基準画像を再生成し、記憶部21に記憶させるとともに、記憶部21に記憶されている既存の基準画像(以下、単に「既存の基準画像」と称する)を記憶部21から削除して、再生成された基準画像を検査ジョブと関連付ける。これにより、1つの検査ジョブに使用される基準画像は1つのみが記憶部21に記憶されることになる。所定の条件には、例えば、次の条件が含まれる。(1)既存の基準画像が、当該検査ジョブ以外の他の検査ジョブに関連付けて記憶されていないこと(第1条件)。(2)既存の基準画像が、その作成時から所定の時間が経過していること(第2条件)。(3)既存の基準画像が生成されたときの印刷設定と、基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なること(第3条件)。(4)基準画像を生成した基準画像生成ジョブの出力モードが所定のモードであること(第4条件)。所定のモードは、例えば、リプリントができないモードであり、検査ジョブを記憶部20に記憶しないために検査ジョブを使用したリプリントができないプルーフ出力モードが該当する。(5)既存の基準画像を削除するかどうかの選択を受け付ける選択画面(操作表示部50に表示される)において、削除するとの選択を受け付けたこと(第5条件)。
【0057】
所定の条件は、上記第1条件~第5条件からユーザーにより選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またOR条件であり得る。
【0058】
図3は、所定の条件を設定するための、基準画像削除条件設定画面を示す図である。基準画像削除条件設定画面は、選択画面および設定画面を構成する。図3においては、選択されたボタンを、グレーの色を付して示している。
【0059】
図3の例においては、既存の基準画像を削除(自動削除)するかどうかを選択するためのボタンが3つ表示されている。ユーザーは、これらの、「実施しない」ボタン、「実施する(毎回)」ボタン、および、「実施する(条件一致時)」ボタンのうちいずれかを選択できる。「実施しない」ボタンは、既存の基準画像を削除しないことを選択するためのボタンである。「実施する(毎回)」ボタンは、既存の基準画像を、基準画像生成ジョブの実行毎に必ず削除することを選択するためのボタンである。「実施する(条件一致時)」ボタンは、所定の条件を満たす場合に、既存の基準画像を削除することを選択するためのボタンである。なお、既存の基準画像が削除された場合は、上述したように、基準画像生成ジョブの実行により再生成された基準画像が、当該印刷ジョブと関連付けされて記憶される。
【0060】
図3において、角丸四角形内に表示されたボタンは、所定の条件に含まれる削除条件を設定するためのボタンが表示されている。基準画像作成日に関する設定ボタンは、「指定しない」ボタンと、「50日以上前」ボタンの2つである。「指定しない」ボタンは、基準画像作成日にかかわらず全ての既存の基準画像を削除対象とすることを設定するためのボタンである。「50日以上前」ボタンは、基準画像作成日から50日以上経過した、既存の基準画像を削除することを設定するためのボタンである。なお、「50日以上前」ボタンに代えて、プルダウンメニューにより日数を選択することで、選択された日数以上経過した基準画像を削除することを設定するようにしてもよい。
【0061】
出力モードに関する設定ボタンは、「指定しない」ボタンと、「プルーフ出力のみ」ボタンと、「サンプル出力のみ」ボタンの3つである。「指定しない」ボタンは、出力モードにかかわらず全ての既存の基準画像を削除対象とすることを設定するためのボタンである。「プルーフ出力のみ」ボタンは、基準画像を生成した基準画像生成ジョブの出力モードがプルーフ出力モードである場合に、既存の基準画像を削除することを設定するためのボタンである。プルーフ出力モードにより生成された基準画像以外の基準画像は今後使用しない場合が多いことから本ボタンが設けられている。「サンプル出力のみ」ボタンは、基準画像を生成した基準画像生成ジョブの出力モードがサンプル出力モードである場合に、既存の基準画像を削除することを設定するためのボタンである。サンプル出力モードにより最後に生成された基準画像以外の基準画像を今後使用しないような場合に対応するために本ボタンが設けられている。
【0062】
設定変更に関する設定ボタンは、「指定しない」ボタンと、「設定変更時のみ」ボタンと、「同一設定時のみ」ボタンの3つである。「指定しない」ボタンは、既存の基準画像が生成されたときの印刷設定と、再生成された基準画像が生成されたときの印刷設定とが異なるかどうかにかかわらず全ての基準画像を削除対象とすることを設定するためのボタンである。基準画像が生成されたときの印刷設定は、基準画像のファイルのヘッダーにおいて記憶され得る。「設定変更時のみ」ボタンは、既存の基準画像が生成されたときの印刷設定と、再生成された基準画像が生成されたときの印刷設定とが異なる場合に、既存の基準画像を削除することを設定するためのボタンである。設定ミスにより本来出力すべき印刷設定と異なる設定で基準画像を生成したい場合や、正しい印刷設定でそれぞれ生成した複数の基準画像を残しておき、後で使用する基準画像を手動で切り替えたい場合に対応するために本ボタンが設けられている。「同一設定時のみ」ボタンは、既存の基準画像が生成されたときの印刷設定と、再生成された基準画像が生成されたときの印刷設定とが同一である場合に、既存の基準画像を削除することを設定するためのボタンである。異なる印刷設定で生成された複数の基準画像を残しておきたい場合や、同じ設定で生成された基準画像は最新の基準画像を残したい場合に対応するために本ボタンが設けられている。
【0063】
基準画像削除確認画面の表示に関する設定ボタンは、「表示しない」ボタンと、「表示する」ボタンの2つである。基準画像削除確認画面は、基準画像が再生成されたときに表示され、既存の基準画像を削除するかどうかの択一の選択を最終的な確認のためにユーザーから受付けるための画面である。「表示しない」ボタンは、基準画像削除確認画面を表示しないことを設定するためのボタンである。「表示する」ボタンは、基準画像削除確認画面を表示することを設定するためのボタンである。
【0064】
画像形成システムの動作について説明する。
【0065】
図4Aおよび図4Bは、画像形成システムの動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、読取装置102が備える制御部11により、記憶部21に記憶されたプログラムに従って実行され得る。なお、本フローチャートの一部は、画像形成装置101が備える制御部12により実行されてもよく、制御部11および制御部12が協働することで実行されてもよい。
【0066】
本フローチャートは、既存の基準画像が検査ジョブに関連付けられている状態を前提としている。
【0067】
制御部11は、基準画像生成ジョブを実行し(S101)、出力された画像を読取部60で読み取ることで基準画像を再生成する(S102)。
【0068】
制御部11は、既存の基準画像が存在するかどうか判断する(S103)。制御部11は、既存の基準画像が存在しないと判断した場合は(S103:NO)、ステップS109へ移行する。
【0069】
制御部11は、既存の基準画像が存在すると判断した場合は(S103:YES)、既存の基準画像が、他の検査ジョブにも関連付けされているかどうか判断する(S104)。既存の基準画像が、他の検査ジョブにも関連付けされているかどうかは、例えば、サンプル出力モードの基準画像生成ジョブが実行されることで記憶部20に記憶された基準画像生成ジョブに記載された基準画像ファイルのIDが既存の基準画像のファイルIDと一致していることで判断できる。また、手動で検査に使用される基準画像が設定された検査ジョブが実行待ちの状態にある場合に、実行待ちの検査ジョブに記載された基準画像ファイルのIDが既存の基準画像のファイルIDと一致していることで判断できる。制御部11は、既存の基準画像が、他の検査ジョブにも関連付けされていると判断した場合は(S104:YES)、ステップS109へ移行する。
【0070】
制御部11は、既存の基準画像が、他の検査ジョブには関連付けされていないと判断した場合は(S104:NO)、自動削除の設定(図3参照)が、「実施しない」になっているかどうか判断する(S105)。制御部11は、自動削除の設定が、「実施しない」になっていると判断した場合は(S105:YES)、ステップS109へ移行する。
【0071】
制御部11は、自動削除の設定が、「実施しない」になっていないと判断した場合は(S105:NO)、自動削除の設定が、「実施する(条件一致時)」になっているかどうか判断する(S106)。制御部11は、自動削除の設定が、「実施する(条件一致時)」になっていると判断した場合は(S106:YES)、削除条件に一致するかどうか判断する(S110)。制御部11は、削除条件に一致しないと判断した場合は(S110:NO)、ステップS109へ移行する。
【0072】
制御部11は、削除条件に一致すると判断した場合は(S110:YES)、基準画像削除確認表示が「表示する」の設定になっているかどうか判断する(S107)。制御部11は、基準画像削除確認表示が「表示する」の設定になっていると判断した場合は(S107:YES)、削除実施選択画面を操作表示部50に表示し(S111)、削除実施選択画面で削除の選択がされたかどうか判断する(S112)。制御部11は、削除の選択がされていないと判断した場合は(S112:NO)、ステップS109へ移行する。制御部11は、削除の選択がされていると判断した場合は(S112:YES)、既存の基準画像を削除し(S108)、再生成した基準画像を検査ジョブに関連付けて記憶部21に記憶させる(S109)。
【0073】
ステップS107において、基準画像削除確認表示が「表示する」の設定になっていないと判断した場合も(S107:NO)、制御部11は、既存の基準画像を削除し(S108)、再生成した基準画像を検査ジョブに関連付けて記憶部21に記憶させる(S109)。
【0074】
本実施形態は以下の効果を奏する。
【0075】
基準画像を再生成して記憶部に記憶させる際、既に生成され、検査ジョブに関連付けされている既存の基準画像を記憶部から削除し、再生成された基準画像を検査ジョブに関連付ける。これにより、自動検品機能を実行する際に生成された、不要な基準画像による記憶装置の容量の圧迫を防止するとともに、手動で基準画像を印刷ジョブに関連付ける場合等におけるユーザーの操作の煩雑化を抑止できる。
【0076】
さらに、所定の条件を満たす場合に、既存の基準画像を記憶部から削除する。これにより、適切に不要な基準画像を削除できる。
【0077】
さらに、所定の条件に、既存の基準画像が他の第3印刷ジョブに関連付けて記憶されていないという第1条件を含める。これにより、基準画像の削除により他の印刷ジョブが実行不能になるような事態を回避できる。
【0078】
さらに、所定の条件に、既存の基準画像の作成時から所定の時間が経過しているという第2条件を含める。これにより、既存の基準画像の要不要を適切に判断できる。
【0079】
さらに、所定の条件に、既存の基準画像を生成したときの印刷設定と、基準画像を再生成したときの印刷設定とが異なるという第3条件を含める。これにより、印刷設定ミス等により生成された不要な基準画像を適切に削除できる。
【0080】
さらに、所定の条件に、基準画像を再生成したときの出力モードが所定の出力モードであるという第4条件を含める。これにより、基準画像作成ジョブの出力モードに応じて適切に不要な基準画像を削除できる。
【0081】
さらに、所定の出力モードを、リプリントができないモードとする。これにより、検査ジョブを記憶部に記憶させずに、検査ジョブを1回のみ実行する場合に、当該検査ジョブに使用される基準画像を1つに削減して記憶部に記憶させることができる。
【0082】
さらに、基準画像が再生成されたときに、既存の基準画像を削除するかどうかの選択をユーザーから受け付ける選択画面を表示し、所定の条件に、選択画面で、既存の基準画像を削除するとの選択を受け付けたという第5条件を含める。これにより、既存の基準画像の削除前に、ユーザーへの当該既存の基準画像の削除の最終確認を行うことができる。
【0083】
さらに、所定の条件の設定をユーザーから受け付ける設定画面を表示し、設定画面において受け付けた設定に基づいて、上記第1条件~第5条件から選択された、いずれか1つの条件、または複数の条件のAND条件またはOR条件を所定の条件として設定する。これにより、より適切に不要な基準画像を削除できる。
【0084】
さらに、選択画面を表示するかどうかの設定をユーザーから受け付ける設定画面を表示し、設定画面において受け付けた設定に基づいて、選択画面を表示する。これにより、ユーザーの意思に基づいて、手続が煩雑となることを適切に回避できる。
【0085】
以上に説明した画像形成装置および画像形成装置用プログラムの構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的な画像形成装置等が備える構成を排除するものではない。
【0086】
例えば、上述した実施形態においては、削除条件を満たす場合に、基準画像削除確認画面を表示する構成になっている。しかし、削除条件を満たす場合は、基準画像削除確認画面を表示せずに基準画像を削除し、削除条件を満たさない基準画像の削除を、基準画像削除確認画面を表示することでユーザーに確認してもよい。
【0087】
また、上述した実施形態に係る画像形成システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検出部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10、11、12 制御部、
20、21、22 記憶部、
30 画像形成部、
40 給紙搬送部、
50 操作表示部、
60 読取部、
70 後処理部、
80 通信部、
100 画像形成システム、
101 画像形成装置、
102 読取装置、
103 後処理装置、
104 給紙装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B