(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】盤温度検出装置および盤の検出領域の温度を検出する方法
(51)【国際特許分類】
G01J 5/00 20220101AFI20220906BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
G01J5/00 101Z
H02B3/00 M
(21)【出願番号】P 2018205691
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】小川 伊彦
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-315930(JP,A)
【文献】実開平05-071995(JP,U)
【文献】特開2006-112910(JP,A)
【文献】特開2005-269848(JP,A)
【文献】特開平11-150818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 5/00- 5/90
G01J 1/02- 1/06
G01J 1/42
G01M 11/00
G01N 25/00- 25/72
G01R 31/00
G08B 17/00
G08B 17/12
G08B 21/00- 21/24
H02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筺体と、前記開口部を開閉可能な蓋体と、前記筺体の内部に配置された機器とを備える盤の前記機器の前記蓋体に対向する対向面に設けられた検出領域の温度を検出する盤温度検出装置であって、
前記検出領域の温度を検出可能な温度センサと、
前記対向面に光を照射可能な光照射装置と、
前記温度センサおよび前記光照射装置のいずれか一方を保持した状態で、前記蓋体に対して前記対向面の延在方向に沿って移動可能に取り付けられた位置決定部材と
を備え、
前記光照射装置から前記対向面に照射された光の照射領域と前記検出領域とが重なる検出位置に配置した前記位置決定部材に前記温度センサを保持させて、前記検出領域の温度を検出する
と共に、
前記位置決定部材が、
前記蓋体に取り外し可能に固定される固定部と、前記光照射装置および前記温度センサのいずれか一方を取り外し可能に保持する保持部と、前記固定部および前記保持部に接続されて前記保持部を前記対向面の延在方向に沿って移動可能な接続部とを有する、盤温度検出装置。
【請求項2】
前記保持部が、並列に延びる一対のレール部を有し、
前記光照射装置および前記温度センサの各々が、前記一対のレール部に係合可能な係合部を有し、
前記係合部が前記一対のレール部に係合することにより、前記光照射装置および前記温度センサの各々が、前記保持部に保持される、請求項
1の盤温度検出装置。
【請求項3】
前記光照射装置および前記温度センサの各々が、四角形の頂点にそれぞれ位置する4つの前記係合部を有し、隣接する前記係合部の間に前記一対のレール部が位置可能に構成されている、請求項2の盤温度検出装置。
【請求項4】
前記温度センサの前記検出位置に対する位置ずれを検出する位置ずれ検出センサと、前記温度センサの前記検出位置に対する位置ずれが検出されたことを表示する表示部とを有する位置ずれ表示装置をさらに備える、請求項1から3のいずれか1つの盤温度検出装置。
【請求項5】
開口部を有する筺体と、前記開口部を開閉可能な蓋体と、前記筺体の内部に配置された機器とを備える盤の前記機器の前記蓋体に対向する対向面に設けられた検出領域の温度を検出する方法であって、
前記蓋体に対して前記対向面の延在方向に沿って移動可能に取り付けられた位置決定部材に、前記対向面に光を照射可能な光照射装置を保持させ、
前記光照射装置から前記対向面に照射された光の照射領域と前記検出領域とが重なる検出位置に、前記位置決定部材を移動させて固定し、
前記位置決定部材から前記光照射装置を取り外すと共に、前記検出領域の温度を検出可能な温度センサを前記位置決定部材に保持させて、
前記温度センサで前記検出領域の温度を検出する
と共に、
前記位置決定部材が、
前記蓋体に取り外し可能に固定される固定部と、前記光照射装置および前記温度センサのいずれか一方を取り外し可能に保持する保持部と、前記固定部および前記保持部に接続されて前記保持部を前記対向面の延在方向に沿って移動可能な接続部とを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、盤温度検出装置、および、盤の機器に設けられた検出領域の温度を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、盤筺体と、盤筺体の内部に収納された収納機器とを備える配電盤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、収納機器の一部の領域の温度を検出可能な温度センサを用いて前記配電盤内の収納機器の温度を監視する場合、配電盤の内部を撮影可能なカメラにより温度センサを位置決めして、配電盤の所定の領域の温度を監視することが考えられる。しかし、通常、カメラは高価であるため、製造コストの増加を招くおそれがある。
【0005】
本開示は、製造コストを抑制可能な盤温度検出装置、および、製造コストを抑制しつつ盤の機器に設けられた検出領域の温度を検出可能な方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例の盤温度検出装置は、
開口部を有する筺体と、前記開口部を開閉可能な蓋体と、前記筺体の内部に配置された機器とを備える盤の前記機器の前記蓋体に対向する対向面に設けられた検出領域の温度を検出する盤温度検出装置であって、
前記検出領域の温度を検出可能な温度センサと、
前記対向面に光を照射可能な光照射装置と、
前記温度センサおよび前記光照射装置のいずれか一方を保持した状態で、前記蓋体に対して前記対向面の延在方向に沿って移動可能に取り付けられた位置決定部材と
を備え、
前記光照射装置から前記対向面に照射された光の照射領域と前記検出領域とが重なる検出位置に配置した前記位置決定部材に前記温度センサを保持させて、前記検出領域の温度を検出する。
【0007】
また、本開示の一例の方法は、
開口部を有する筺体と、前記開口部を開閉可能な蓋体と、前記筺体の内部に配置された機器とを備える盤の前記機器の前記蓋体に対向する対向面に設けられた検出領域の温度を検出する方法であって、
前記蓋体に対して前記対向面の延在方向に沿って移動可能に取り付けられた位置決定部材に、前記対向面に光を照射可能な光照射装置を保持させ、
前記光照射装置から前記対向面に照射された光の照射領域と前記検出領域とが重なる検出位置に、前記位置決定部材を移動させて固定し、
前記位置決定部材から前記光照射装置を取り外すと共に、前記検出領域の温度を検出可能な温度センサを前記位置決定部材に保持させて、
前記温度センサで前記検出領域の温度を検出する。
【発明の効果】
【0008】
前記盤温度検出装置によれば、検出領域の温度を検出可能な温度センサと、機器に光を照射可能な光照射装置と、温度センサおよび光照射装置のいずれか一方を保持した状態で移動可能に取り付けられた位置決定部材とを備えている。このような構成により、カメラなどの高価な機器を用いることなく、検出領域の温度を検出することが可能な盤温度検出装置を実現できる。
【0009】
また、前記方法によれば、蓋体に対して移動可能に取り付けられた位置決定部材に光照射装置を保持させ、光照射装置から機器に照射された光の照射領域と検出領域とが重なる検出位置に位置決定部材を移動させて固定し、位置決定部材から光照射装置を取り外すと共に温度センサを位置決定部材に保持させて、温度センサで検出領域の温度を検出する。このような構成により、カメラなどの高価な機器を用いることなく盤の機器に設けられた検出領域の温度を検出することができる。すなわち、製造コストを抑制しつつ、盤の機器に設けられた検出領域の温度を検出可能な方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態の盤温度検出装置の適用例を示す盤の正面図。
【
図3】本開示の一実施形態の盤温度検出装置の温度センサおよび光照射装置の平面図。
【
図4】本開示の一実施形態の盤温度検出装置の位置決定部材を示す斜視図。
【
図5】本開示の一実施形態の盤温度検出装置を用いた検出領域の温度の検出方法を説明するためのフローチャート。
【
図6】本開示の一実施形態の盤温度検出装置を用いた検出領域の温度の検出方法を説明するための第1の断面図。
【
図7】本開示の一実施形態の盤温度検出装置を用いた検出領域の温度の検出方法を説明するための第2の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0012】
本開示の一実施形態の盤温度検出装置10は、例えば、
図1に示す盤1に適用できる。この盤1は、
図2に示すように、開口部5を有する筺体2と、開口部5を開閉可能な蓋体3と、筺体2の内部に配置された機器4とを備える。なお、
図1では、蓋体3を省略している。
【0013】
筺体2は、一例として、略直方体状を有し、開口部5は、略矩形状を有している。
図2に示すように、筺体2の内部に収容されている機器4と蓋体3との間には、隙間6が形成されている。この隙間6に、盤温度検出装置10が配置されている。また、筺体2および蓋体3は、一例として、磁性体で構成されている。
【0014】
盤温度検出装置10は、
図2に示すように、温度センサ11と、光照射装置12(
図6および
図7に示す)と、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方を保持可能な位置決定部材20とを備えている。
【0015】
温度センサ11は、例えば、熱画像センサであり、
図2に示すように、機器4の蓋体3に対向する対向面7に設けられた検出領域30の温度を検出可能に配置されている。検出領域30は、例えば、機器4の設計などにより予め定められた対向面7上の略円形状の領域であり、温度を検出したい対向面7上の領域を含むように(例えば、温度を検出したい対向面7上の領域と略同等の大きさに)設定される。この検出領域30は、1つに限らず、複数設けることもできる。
【0016】
光照射装置12は、LEDなどの可視光を照射可能な発光素子(図示せず)を有し、
図6および
図7に示すように、機器4の対向面7に光を照射可能に配置されている。光照射装置12から対向面7に照射された光は、照射領域50を形成する(
図6および
図7参照)。この照射領域50は、例えば、検出領域30と略同等の大きさの略円形状を有している。
【0017】
また、温度センサ11および光照射装置12の各々には、
図3に示すように、後述する位置決定部材20の一対のレール部221、222に係合可能な係合部40が設けられている。この実施形態では、温度センサ11および光照射装置12の各々における略直方体状のハウジング111、121の一面における4つの角部に、4つの係合部40がそれぞれ配置されている。
【0018】
各係合部40は、ハウジング111、121の厚さ方向(すなわち、
図3の紙面貫通方向)から見て、略L字状を有し、一対のレール部221、222に係合された温度センサ11および光照射装置12の各々が、ハウジング111、121の厚さ方向において係止されるように構成されている。
【0019】
位置決定部材20は、
図2に示すように、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方を保持した状態で、蓋体3に対して対向面7の延在方向に沿って移動可能に取り付けられている。
【0020】
詳しくは、位置決定部材20は、
図4に示すように、蓋体3に取り外し可能に固定される固定部21と、光照射装置12および温度センサ11のいずれか一方を取り外し可能に保持する保持部22と、固定部21および保持部22に接続されて保持部22を対向面7に沿って移動可能な接続部23とを有している。
【0021】
固定部21は、一例として、略矩形の板状を有し、その内部に永久磁石(図示せず)が設けられている。すなわち、固定部21は、永久磁石を介して磁性体の蓋体3に固定される。
【0022】
保持部22は、並列に延びる一対のレール部221、222を有している。この一対のレール部221、222は、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方の係合部40が係合されて、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方を保持可能に構成されている。
【0023】
なお、相互に直交する2つの方向(
図3の矢印A方向および矢印B方向)のいずれか一方から、一対のレール部221、222を係合部40に対してスライド移動させることで、各係合部40を一対のレール部221、222に係合させ、また、各係合部40の一対のレール部221に対する係合を解除させることができる。
【0024】
接続部23は、一例として、略円柱状で、その延在方向の両端部の各々が、ボールジョイントを介して固定部21および保持部22に接続されている。この接続部23により、ある程度の範囲であれば、位置決定部材20全体を移動させることなく保持部22を移動させることができる。
【0025】
次に、盤温度検出装置10を用いた検出領域30の温度の検出方法について、
図5~
図7を参照して説明する。
【0026】
図5に示すように、まず、位置決定部材20に光照射装置12を保持させて、光照射装置12から機器4の対向面7に光を照射して照射領域50(
図6参照)を形成し(ステップS1)、形成された照射領域50と検出領域30とが重なっているか否かを判定する(ステップS2)。照射領域50と検出領域30とが重なっているか否かは、例えば、ユーザの目視により、照射領域50と検出領域30とが概ね重なっていることが確認できれば、「照射領域50と検出領域30とが重なっている」と判定する。
【0027】
照射領域50と検出領域30とが重なっていないと判定された場合、位置決定部材20全体あるいは保持部22のみを移動させることで光照射装置12を移動させて(ステップS3)、照射領域50と検出領域30とが重なっていると判定されるまで、ステップS2およびステップS3を繰り返す。位置決定部材20の移動は、例えば、ユーザにより手動で行われる。
【0028】
照射領域50と検出領域30とが重なっていると判定された場合、照射領域50と検出領域30とが重なっていると判定された検出位置P(
図7参照)に位置決定部材20を固定する(ステップS4)。そして、位置決定部材20から光照射装置12を取り外すと共に、温度センサ11を位置決定部材20に保持させる(ステップS5)。これにより、温度センサ11が検出領域30の温度を検出する(ステップS6)。なお、ステップS4およびステップS6は、例えば、ユーザにより手動で行われる。
【0029】
このように、盤温度検出装置10によれば、検出領域30の温度を検出可能な温度センサ11と、機器4に光を照射可能な光照射装置12と、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方を保持した状態で移動可能に取り付けられた位置決定部材20とを備えている。このような構成により、カメラなどの高価な機器を用いることなく、検出領域30の温度を検出することが可能な盤温度検出装置10を実現できる。
【0030】
また、盤温度検出装置10を用いることで、カメラなどの高価な機器を用いることなく盤1の機器4に設けられた検出領域30の温度を検出することができる。すなわち、製造コストを抑制しつつ、盤1の機器4に設けられた検出領域30の温度を検出可能な方法を実現できる。
【0031】
また、位置決定部材20が、蓋体3に取り外し可能に固定される固定部21と、光照射装置12および温度センサ11のいずれか一方を取り外し可能に保持する保持部22と、固定部21および保持部22に接続されて保持部22を機器4の対向面7に沿って移動可能な接続部23とを有している。このような構成により、位置決定部材20全体を移動させることなく、照射領域50を検出領域30に重ならせることができる。その結果、位置決定部材20を検出位置Pに容易に移動させることができる。
【0032】
また、保持部22が、並列に延びる一対のレール部221、222を有し、光照射装置12および温度センサ11の各々が、一対のレール部221、222に係合可能な係合部40を有している。これにより、簡単な構成で、温度センサ11および光照射装置12の各々を位置決定部材20に容易に保持させることができる。
【0033】
なお、位置決定部材20は、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方を保持した状態で、蓋体3に対して機器4の対向面7の延在方向に沿って移動可能に取り付けることができればよく、前記実施形態に限らない。
【0034】
例えば、固定部21は、繰り返し使用可能な接着剤あるいは両面テープを用いて、蓋体3に固定してもよい。また、保持部22は、磁石あるいは雲台を用いて、温度センサ11および光照射装置12のいずれか一方を保持するように構成してもよい。また、接続部23は、保持部22を移動不可能に固定部21に接続するように構成してもよい。
【0035】
また、盤温度検出装置10が、温度センサ11の検出位置Pに対する位置ずれを検出する位置ずれ検出センサと、温度センサ11の検出位置Pに対する位置ずれが検出されたことを表示する表示部とを有する位置ずれ表示装置をさらに備えてもよい。このような構成により、検出領域30の温度をより正確に検出することができる。
【0036】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0037】
本開示の第1態様の盤温度検出装置10は、
開口部5を有する筺体2と、前記開口部5を開閉可能な蓋体3と、前記筺体2の内部に配置された機器4とを備える盤1の前記機器4の前記蓋体3に対向する対向面7に設けられた検出領域30の温度を検出する盤温度検出装置10であって、
前記検出領域30の温度を検出可能な温度センサ11と、
前記対向面7に光を照射可能な光照射装置12と、
前記温度センサ11および前記光照射装置12のいずれか一方を保持した状態で、前記蓋体3に対して前記対向面7の延在方向に沿って移動可能に取り付けられた位置決定部材20と
を備え、
前記光照射装置12から前記対向面7に照射された光の照射領域50と前記検出領域30とが重なる検出位置Pに配置した前記位置決定部材20に前記温度センサ11を保持させて、前記検出領域30の温度を検出する。
【0038】
第1態様の盤温度検出装置10によれば、カメラなどの高価な機器を用いることなく、検出領域30の温度を検出することが可能な盤温度検出装置10を実現できる。
【0039】
本開示の第2態様の盤温度検出装置10は、
前記位置決定部材20が、
前記蓋体3に取り外し可能に固定される固定部21と、前記光照射装置12および前記温度センサ11のいずれか一方を取り外し可能に保持する保持部22と、前記固定部21および前記保持部22に接続されて前記保持部22を前記対向面7の延在方向に沿って移動可能な接続部23とを有する。
【0040】
第2態様の盤温度検出装置10によれば、位置決定部材20全体を移動させることなく、照射領域50を検出領域30に重ならせることができる。その結果、位置決定部材20を検出位置Pに容易に移動させることができる。
【0041】
本開示の第3態様の盤温度検出装置10は、
前記保持部22が、並列に延びる一対のレール部221、222を有し、
前記光照射装置12および前記温度センサ11の各々が、前記一対のレール部221、222に係合可能な係合部40を有し、
前記係合部40が前記一対のレール部221、222に係合することにより、前記光照射装置12および前記温度センサ11の各々が、前記保持部22に保持される。
【0042】
第3態様の盤温度検出装置10によれば、簡単な構成で、温度センサ11および光照射装置12の各々を位置決定部材20に容易に保持させることができる。
【0043】
本開示の第4態様の盤温度検出装置10は、
前記温度センサ11の前記検出位置Pに対する位置ずれを検出する位置ずれ検出センサと、前記温度センサ11の前記検出位置Pに対する位置ずれが検出されたことを表示する表示部とを有する位置ずれ表示装置をさらに備える。
【0044】
第4態様の盤温度検出装置10によれば、検出領域30の温度をより正確に検出することができる。
【0045】
本開示の第5態様の方法は、
開口部5を有する筺体2と、前記開口部5を開閉可能な蓋体3と、前記筺体2の内部に配置された機器4とを備える盤1の前記機器4の前記蓋体3に対向する対向面7に設けられた検出領域30の温度を検出する方法であって、
前記蓋体3に対して前記対向面7の延在方向に沿って移動可能に取り付けられた位置決定部材20に、前記対向面7に光を照射可能な光照射装置12を保持させ、
前記光照射装置12から前記対向面7に照射された光の照射領域50と前記検出領域30とが重なる検出位置Pに、前記位置決定部材20を移動させて固定し、
前記位置決定部材20から前記光照射装置12を取り外すと共に、前記検出領域30の温度を検出可能な温度センサ11を前記位置決定部材20に保持させて、
前記温度センサ11で前記検出領域30の温度を検出する。
【0046】
第5態様の方法によれば、カメラなどの高価な機器を用いることなく盤1の機器4に設けられた検出領域30の温度を検出することができる。すなわち、製造コストを抑制しつつ、盤1の機器4に設けられた検出領域30の温度を検出可能な方法を実現できる。
【0047】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本開示の盤温度検出装置は、例えば、配電盤に適用できる。
【0049】
本開示の方法は、例えば、配電盤の温度検出に適用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 盤
2 筺体
3 蓋体
4 機器
5 開口部
6 隙間
7 対向面
10 盤温度検出装置
11 温度センサ
111 ハウジング
12 光照射装置
121 ハウジング
20 位置決定部材
21 固定部
22 保持部
221、222 レール部
23 接続部
30 検出領域
40 係合部
50 照射領域
P 検出領域