(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】運転評価画面の表示方法、プログラム、運転評価システム、及び運転評価画面
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20220906BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20220906BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220906BHJP
G09B 19/16 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G07C5/00 Z
G08G1/00 D
G09B19/16
(21)【出願番号】P 2019022347
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096080
【氏名又は名称】井内 龍二
(74)【代理人】
【識別番号】100194098
【氏名又は名称】高田 一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尚良
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 早映子
(72)【発明者】
【氏名】竹中 美加
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-196066(JP,A)
【文献】特開2012-207998(JP,A)
【文献】特開2014-131312(JP,A)
【文献】特開2009-294250(JP,A)
【文献】特開2010-003126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 19/00-19/16
G07C 5/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面の表示方法であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像と、
前記検出データの経時変化を示すグラフと、
前記車両の走行経路を示す地図と、を一画面上に表示する第1表示ステップと、
前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、
前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、
前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップと
、
前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第3表示ステップとを含んでいることを特徴とする運転評価画面の表示方法。
【請求項2】
車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面の表示方法であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像と、
前記検出データの経時変化を示すグラフと、
前記車両の走行経路を示す地図と、を一画面上に表示する第1表示ステップと、
前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、
前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、
前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップと、
前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第4表示ステップとを含んでいることを特徴とす
る運転評価画面の表示方法。
【請求項3】
前記第2表示ステップは、
前記時刻指定バーの移動操作に同期させて、
前記運転者の再生画像を表示するとともに、
前記地図上における前記車両の位置マークを移動させて表示することを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項4】
前記第2表示ステップは、
前記車両の位置マークの移動操作に同期させて、
前記運転者の再生画像を表示するとともに、
前記グラフ上に表示される前記時刻指定バーを移動させて表示することを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項5】
前記第2表示ステップは、
前記運転者の再生画像の再生に同期させて、
前記グラフ上に表示される前記時刻指定バーを移動させるとともに、
前記地図上における前記車両の位置マークを移動させて表示することを特徴とする請求項1
又は請求項2記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項6】
前記第3表示ステップは、
前記時刻指定バーが、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻を通過するタイミングで、前記評価コメントをポップアップ表示することを特徴とする請求項
1記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項7】
前記第4表示ステップは、
前記車両の位置マークが、前記地図上における前記評価イベントの発生した位置を通過するタイミングで、前記評価コメントをポップアップ表示することを特徴とする請求項
2記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項8】
前記評価コメントには、前記評価イベントの発生時を含む所定期間の前記運転者の安全確認動作に対する評価コメントが含まれていることを特徴とする請求項1~7のいずれかの項に記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項9】
前記評価イベントに、前記車両の交差点進入、急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つは含まれていることを特徴とする請求項1~8のいずれかの項に記載の運転評価画面の表示方法。
【請求項10】
車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面を表示する処理を少なくとも1つのコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
前記少なくとも1つのコンピュータに、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像と、
前記検出データの経時変化を示すグラフと、
前記車両の走行経路を示す地図とを、一画面上に表示する第1表示ステップと、
前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、
前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、
前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップと
、
前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第3表示ステップとを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面を表示する処理を少なくとも1つのコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
前記少なくとも1つのコンピュータに、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像と、
前記検出データの経時変化を示すグラフと、
前記車両の走行経路を示す地図とを、一画面上に表示する第1表示ステップと、
前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、
前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、
前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップと、
前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第4表示ステップ
とを実行させることを特徴とす
るプログラム。
【請求項12】
前記評価コメントには、前記評価イベントの発生時を含む所定期間の前記運転者の安全確認動作に対する評価コメントが含まれていることを特徴とする請求項10又は請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて、各運転者の運転評価を行い、該運転評価の情報を外部装置に出力するサーバ装置を備えた運転評価システムであって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
前記サーバ装置が、
前記データ群を時系列に同期させて記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された前記データ群を所定の表示画面形態に加工して、前記外部装置に出力する出力部とを備え、
前記所定の表示画面形態に、
前記運転者の再生画像と、前記検出データの経時変化を示すグラフと、前記車両の走行経路を示す地図とが一画面表示される形態を含み、
さらに、前記グラフ上に表示させる時刻指定バーと、前記地図上に表示させる前記車両の位置マークと、前記運転者の再生画像とが、時系列に同期させて表示される形態
と、
前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近、及び/又は前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントが表示される形態とを含むことを特徴とする運転評価システム。
【請求項14】
前記評価コメントには、前記評価イベントの発生時を含む所定期間の前記運転者の安全確認動作に対する評価コメントが含まれていることを特徴とする請求項13記載の運転評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転評価画面の表示方法、プログラム、運転評価システム、及び運転評価画面に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、運行データの解析結果を含むレポートを種々の機器で閲覧可能に出力できる運行記録装置が開示され、文献1の
図4には、運行記録に基づく安全運転日報の形式が開示されている。係る日報においては、時刻の経過とともに変化する、速度、走行状態、道路の状況等を表すチャートと、複数の運転項目(最高速度、速度オーバー回数等)における安全運転評価を示すテーブルとが含まれている。
【0003】
[発明が解決しようとする課題]
特許文献1記載の運行記録装置で作成される安全運転日報では、時刻の経過とともに変化する、速度、走行状態、道路の状況等が、チャートで単純に表示されるだけであり、また、チャートとテーブルとの関係性も非常に分かりにくいものとなっている。そのため、例えば、物流業者の運転者管理部門の人達が、毎朝の朝礼時など、運転者を送り出す限られた時間に、このようなチャート及びテーブルを運転者に見せただけでは、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを各運転者に直感的に理解させることが難しく、また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への説明を要領よく簡単に行うことができないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、各運転者に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを、より直感的に理解させることができ、また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への説明を要領よく簡単に行うことができる運転評価画面の表示方法、プログラム、運転評価システム、及び運転評価画面を提供することを目的としている。
【0006】
上記目的を達成するために本開示に係る運転評価画面の表示方法(1)は、
車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面の表示方法であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像と、
前記検出データの経時変化を示すグラフと、
前記車両の走行経路を示す地図と、を一画面上に表示する第1表示ステップと、
前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、
前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、
前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップとを含んでいることを特徴としている。
【0007】
上記運転評価画面の表示方法(1)によれば、前記運転者の再生画像と、前記検出データの経時変化を示すグラフと、前記車両の走行経路を示す地図とを一画面上に表示させることができる。また、前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示させることができる。したがって、例えば、運転者管理部門の人達が、かかる運転評価画面を各運転者に見せることによって、各運転者に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを、より直感的に理解させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転状況の説明を要領よく簡単に行うことが可能となり、各運転者への安全教育が容易となる。
【0008】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(2)は、上記運転評価画面の表示方法(1)において、前記第2表示ステップは、前記時刻指定バーの移動操作に同期させて、前記運転者の再生画像を表示するとともに、前記地図上における前記車両の位置マークを移動させて表示することを特徴としている。
【0009】
上記運転評価画面の表示方法(2)によれば、前記時刻指定バーが表示された時刻における、前記地図上における前記車両の位置と、前記運転者の状態(例えば、顔の向き、運転姿勢など)を示す画像とを同期させて表示することにより、車両及び運転者の運転状況の変化をより分かり易く表示することができる。
【0010】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(3)は、上記運転評価画面の表示方法(1)において、前記第2表示ステップは、前記車両の位置マークの移動操作に同期させて、前記運転者の再生画像を表示するとともに、前記グラフ上に表示される前記時刻指定バーを移動させて表示することを特徴としている。
【0011】
上記運転評価画面の表示方法(3)によれば、前記車両の位置マークが表示された位置における、前記検出データの状態と、前記運転者の状態(例えば、顔の向き、運転姿勢など)を示す画像とを同期させて表示することにより、車両及び運転者の運転状況の変化をより分かりやすく表示することができる。
【0012】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(4)は、上記運転評価画面の表示方法(1)において、前記第2表示ステップは、前記運転者の再生画像の再生に同期させて、前記グラフ上に表示される前記時刻指定バーを移動させるとともに、前記地図上における前記車両の位置マークを移動させて表示することを特徴としている。
【0013】
上記運転評価画面の表示方法(4)によれば、前記運転者の再生画像の再生に同期させて、前記グラフ上に表示される前記時刻指定バーと、前記地図上における前記車両の位置マークとを移動させて表示することにより、車両及び運転者の運転状況の変化をより分かりやすく表示することができる。
【0014】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(5)は、上記運転評価画面の表示方法(1)~(4)のいずれかにおいて、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第3表示ステップを含んでいることを特徴としている。
【0015】
上記運転評価画面の表示方法(5)によれば、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示することにより、各運転者に、どのタイミングで、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となる。
【0016】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(6)は、上記運転評価画面の表示方法(5)において、前記第3表示ステップは、前記時刻指定バーが、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻を通過するタイミングで、前記評価コメントをポップアップ表示することを特徴としている。
【0017】
上記運転評価画面の表示方法(6)によれば、上記運転評価画面の表示方法(5)と同様の効果を得ることができるとともに、画面に表示される情報が過多になることを避けることができ、また、前記評価コメントを、運転者に確実に意識させることが可能となる。
【0018】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(7)は、上記運転評価画面の表示方法(1)~(6)のいずれかにおいて、前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第4表示ステップを含んでいることを特徴としている。
【0019】
上記運転評価画面の表示方法(7)によれば、前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示することにより、各運転者に、どの位置で、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となる。
【0020】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(8)は、上記運転評価画面の表示方法(7)において、前記第4表示ステップは、前記車両の位置マークが、前記地図上における前記評価イベントの発生した位置を通過するタイミングで、前記評価コメントをポップアップ表示することを特徴としている。
【0021】
上記運転評価画面の表示方法(8)によれば、上記運転評価画面の表示方法(7)と同様の効果を得ることができるとともに、画面に表示される情報が過多になることを避けることができ、また、前記評価コメントを、運転者に確実に意識させることが可能となる。
【0022】
また本開示に係る運転評価画面の表示方法(9)は、上記運転評価画面の表示方法(1)~(8)のいずれかにおいて、前記評価イベントに、前記車両の交差点進入、急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つは含まれていることを特徴としている。
【0023】
上記運転評価画面の表示方法(9)によれば、前記評価イベントに、前記車両の交差点進入、急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つは含まれているので、事故に繋がる恐れのある、これらの評価イベントが発生したときの運転状況を、各運転者に把握させることができ、事故の発生を未然に防ぐための意識改革を促進させることができ、各運転者への安全教育をより有益なものとすることができる。
【0024】
また本開示に係るプログラム(1)は、車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面を表示する処理を少なくとも1つのコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
前記少なくとも1つのコンピュータに、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像と、
前記検出データの経時変化を示すグラフと、
前記車両の走行経路を示す地図とを、一画面上に表示する第1表示ステップと、
前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、
前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、
前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップとを実行させることを特徴としている。
【0025】
上記プログラム(1)によれば、前記コンピュータに、前記運転者の再生画像と、前記検出データの経時変化を示すグラフと、前記車両の走行経路を示す地図とを一画面上に表示させる処理を実行させることができる。また、前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示させる処理を実行させることができる。したがって、例えば、運転者管理部門の人達が、かかる運転評価画面を各運転者に見せることによって、各運転者に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを、より直感的に理解させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転状況の説明を要領よく簡単に行うことが可能となり、各運転者への安全教育が容易となる。なお、上記プログラムは、記憶媒体に保存されたプログラムであってもよいし、通信ネットワークを介して転送可能なプログラムであってもよいし、通信ネットワークを介して実行されるプログラムであってもよい。
【0026】
また本開示に係るプログラム(2)は、上記プログラム(1)において、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第3表示ステップをさらに実行させることを特徴としている。
【0027】
上記プログラム(2)によれば、前記コンピュータに、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示させる処理を実行させることにより、各運転者に、どのタイミングで、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができる画面を表示させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となる。
【0028】
また本開示に係るプログラム(3)は、上記プログラム(1)又は(2)において、前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示する第4表示ステップをさらに実行させることを特徴としている。
【0029】
上記プログラム(3)によれば、前記コンピュータに、前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示させる処理を実行させることにより、各運転者に、どの位置で、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができる画面を表示することができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となる。
【0030】
また本開示に係る運転評価システム(1)は、車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて、各運転者の運転評価を行い、該運転評価の情報を外部装置に出力するサーバ装置を備えた運転評価システムであって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
前記サーバ装置が、
前記データ群を時系列に同期させて記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された前記データ群を所定の表示画面形態に加工して、前記外部装置に出力する出力部とを備え、
前記所定の表示画面形態に、
前記運転者の再生画像と、前記検出データの経時変化を示すグラフと、前記車両の走行経路を示す地図とが一画面表示される形態を含み、
さらに、前記グラフ上に表示させる時刻指定バーと、前記地図上に表示させる前記車両の位置マークと、前記運転者の再生画像とが、時系列に同期させて表示される形態を含むことを特徴としている。
【0031】
上記運転評価システム(1)によれば、前記外部装置に、前記運転者の再生画像と、前記検出データの経時変化を示すグラフと、前記車両の走行経路を示す地図とを一画面表示させることができる。また、前記グラフ上に表示される時刻指定バーと、前記地図上に表示される前記車両の位置マークと、前記運転者の再生画像とを、時系列に同期させた態様で表示させることができる。したがって、例えば、運転者管理部門の人達が、前記外部装置を用いて、かかる運転評価画面を各運転者に見せることによって、各運転者に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを、より直感的に理解させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転状況の説明を要領よく簡単に行うことが可能となり、各運転者への安全教育が容易となる。
【0032】
また本開示に係る運転評価システム(2)は、上記運転評価システム(1)において、前記所定の表示画面形態に、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近、又は前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントが表示される形態をさらに含むことを特徴としている。
【0033】
上記運転評価システム(2)によれば、前記外部装置に表示させた運転評価画面の前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近、又は前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示させることができる。これにより、各運転者に、どのタイミングで、どのような運転評価がされたのか、又はどの位置で、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となる。
【0034】
また本開示に係る運転評価画面(1)は、車載機から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいてコンピュータ画面上に作成される運転評価画面であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
一画面上に、
前記運転者の再生画像を表示する再生画像表示領域と、
前記検出データの経時変化を示すグラフを表示するグラフ表示領域と、
前記車両の走行経路を示す地図を表示する地図表示領域とを備え、
前記グラフ表示領域に表示される前記グラフ上における時刻指定バーと、
前記地図表示領域に表示される前記地図上における前記車両の位置マークと、
前記再生画像表示領域に表示させる前記運転者の再生画像とが、時系列に同期させた態様で表示されることを特徴としている。
【0035】
上記運転評価画面(1)によれば、一画面上に、前記再生画像表示領域と、前記グラフ表示領域と、前記地図表示領域とを備え、前記グラフ表示領域に表示される前記グラフ上における時刻指定バーと、前記地図表示領域に表示される前記地図上における前記車両の位置マークと、前記再生画像表示領域に表示させる前記運転者の再生画像とが、時系列に同期させた態様で表示される。したがって、例えば、運転者管理部門の人達が、かかる運転評価画面を各運転者に見せることによって、各運転者に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを、より直感的に理解させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転状況の説明を要領よく簡単に行うことが可能となり、各運転者への安全教育が容易となる。
【0036】
また本開示に係る運転評価画面(2)は、上記運転評価画面(1)において、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近、又は前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントがさらに表示されることを特徴としている。
【0037】
上記運転評価画面(2)によれば、前記グラフ上における前記評価イベントの発生時刻付近、又は前記地図上における前記評価イベントが発生した前記車両の位置付近に、前記評価イベントに関する評価コメントを表示させることができる。これにより、各運転者に、どのタイミングで、どのような運転評価がされたのか、又はどの位置で、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】実施の形態に係る運転評価画面の表示方法が適用された運転評価システムの概略構成図である。
【
図2】運転評価システムで用いられる車載機の要部を概略的に示すブロック図である。
【
図3】車載機からサーバ装置に送信されるデータ群の構造の一例を示す図である。
【
図4】運転評価システムで用いられるサーバ装置の要部を概略的に示すブロック図である。
【
図5】サーバ装置のデータ蓄積部に蓄積されるデータ群ファイルの構造の一例を示す図である。
【
図6】運転評価システムで用いられるサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図7】事業者端末の画面に表示される運転評価画面の一例を示す図である。
【
図8】車載機のドライバモニタリング部が行う処理動作を示すフローチャートである。
【
図9】車載機の制御部が行う処理動作を示すフローチャートである。
【
図10】サーバ装置の中央処理装置が行う処理動作を示すフローチャートである。
【
図11】事業者端末とサーバ装置とが行う処理動作を示すフローチャートである。
【
図12】事業者端末が行う運転評価画面の表示処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る運転評価画面の表示方法、プログラム、運転評価システム、及び運転評価画面の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
[適用例]
図1は、実施の形態に係る運転評価画面の表示方法が適用された運転評価システムの概略構成図である。
運転評価システム1は、少なくとも1台以上の車両2に搭載される車載機10と、少なくとも1つ以上のサーバ装置40とを含んで構成されている。
サーバ装置40は、車載機10から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて、各運転者3の安全確認動作などの運転評価を行い、これら運転評価の情報を外部装置(以下、事業者端末という)80に出力する機能を備えている。
【0041】
車載機10が搭載される車両2は、特に限定されない。本適用例では、各種の事業を営む事業者が管理する車両が対象とされ得る。例えば、運送事業者が管理するトラック、バス事業者が管理するバス、タクシー事業者が管理するタクシー、カーシェアリング事業者が管理するカーシェア車両、レンタカー事業者が管理するレンタカー、会社が所有している社有車、又はカーリース事業者からリースして使用する社有車などが対象とされ得る。また、車載機10が搭載される車両2は、一般の車両であってもよい。例えば、サーバ装置40を、保険会社又は自動車教習所などの安全評価・運転訓練機関により管理又は運営されるものとして構成し、安全評価・運転訓練機関において、各車両の運転者の運転評価を実行するシステムとして適用することも可能である。
【0042】
車載機10とサーバ装置40とは、通信ネットワーク4を介して通信可能に構成されている。通信ネットワーク4は、基地局を含む携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)などの無線通信網を含んでもよいし、公衆電話網などの有線通信網、インターネット、又は専用網などの電気通信回線を含んでもよい。
【0043】
また、車両2を管理する事業者端末80が、通信ネットワーク4を介してサーバ装置40と通信可能に構成されている。事業者端末80は、通信機能を備えたパーソナルコンピュータでもよいし、携帯電話、スマートフォン、又はタブレット装置などの携帯情報端末などでもよい。また、事業者端末80が、通信ネットワーク4を介して車載機10と通信可能に構成されてもよい。
【0044】
サーバ装置40は、通信ユニット41、サーバコンピュータ50、及び記憶ユニット60を含んで構成されている。
【0045】
運転評価システム1では、サーバ装置40が、各車載機10から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群を蓄積し、蓄積された各車載機10のデータ群を用いて、各運転者3の運転評価を行う。
【0046】
データ群には、運転評価を行う評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者3の画像データと、所定期間に検出された運転者3の状態、又は車両2の走行状態の検出データと、所定期間に検出された車両2の位置データとが含まれ、これらデータが時系列に同期させて記憶されるようになっている。これらデータの検出時刻、撮像時刻が同じであれば、時刻同期させて記憶される。
【0047】
また、評価イベントには、車両2の交差点進入、急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つが含まれ、例えば、車両2の交差点進入時については、交差点における運転者3の安全確認動作の評価が行われる。
【0048】
サーバ装置40は、各車載機10から取得したデータ群を用いて、例えば、各車両2の一日の運転が終了した後に、その日の走行中に発生した各評価イベントに対する評価処理を実行する。運転評価処理の実行タイミングは特に限定されない。例えば、一定期間毎に、該一定期間内に発生した各評価イベントに対する評価処理を実行してもよい。
【0049】
また、サーバ装置40は、事業者端末80から通信ネットワーク4を介して要求された各種リクエストを処理し、例えば、ブラウザ上の専用ホームページなどを通じて、事業者端末80の画面81に各種リクエストに対応する処理結果(運転評価画面など)を提示する処理を行う。
【0050】
サーバ装置40は、例えば、事業者端末80から各運転者3の運転評価結果の送信リクエストを受け付けた場合、記憶ユニット60に記憶された各運転者3の運転評価データ及びデータ群を所定の表示画面形態に加工して、所定の運転評価画面を作成し、事業者端末80の画面81に運転評価画面を表示する処理などを実行する。後に説明する
図7に、事業者端末80の画面81に表示される運転評価画面82の一例を示している。
【0051】
所定の表示画面形態には、
図7に例示するように、評価イベント発生時を含む所定期間の運転者3の再生画像83aと、運転者3の状態(例えば、顔の向き、又は視線の方向など)、又は車両2の走行状態(例えば、車速、角速度など)の検出データの経時変化を示すグラフ84aと、車両2の走行経路85aを示す地
図85bとが一画面表示される形態が含まれている。
【0052】
さらに、この一画面表示形態において、グラフ上に表示させる時刻指定バー84bと、地図の走行経路85a上に表示させる車両2の位置マーク85cと、運転者3の再生画像83aとが、時系列に同期させて表示される形態となっている。すなわち、時刻指定バー84bの移動に同期させて、車両2の位置マーク85cが移動するとともに、運転者3の再生画像83aが切り替わる表示形態になっている。
【0053】
また、所定の表示画面形態には、グラフ上における評価イベントの発生時刻付近、又は地図上における評価イベントが発生した車両2の位置付近に、評価イベントに関する評価コメント86が表示される形態がさらに含まれている。例えば、評価イベントが、交差点進入であった場合、評価コメント86として、交差点への進入速度、進入前の左右確認状況(確認時間、顔の角度など)、進入中の左右確認状況(確認時間、顔の角度など)などに関するコメントが吹き出し表示、又はポップアップ表示されるようになっている。
【0054】
このような事業者端末80を用いた運転評価情報の提供は、例えば、運送事業者の運転者管理部門の人達が、毎朝の朝礼時など、各運転者3を送り出す前に、各運転者3の当日の運行予定を基に、運転上の注意点などを各運転者3と共有し、安全運転指導を行う目的で実行される。したがって、上記した表示画面形態を有する運転評価画面82を各運転者3に見せることによって、各運転者3に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのか(すなわち、運転上注意すべきポイントなど)を、より直感的に理解させることが可能となり、また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者3への運転状況の説明を要領よく簡単に行うことが可能となり、各運転者への安全教育が容易となる。
【0055】
[構成例]
図2は、実施の形態に係る運転評価システム1で用いられる車載機10の要部を概略的に示すブロック図である。
車載機10は、プラットフォーム部11及びドライバモニタリング部20を含んで構成されている。また、車載機10にドライブレコーダ部30が接続されている。
【0056】
プラットフォーム部11には、車両2の加速度を測定する加速度センサ12、車両2の回転角速度を検出する角速度センサ13、車両2の位置を検出するGPS(Global Positioning System)受信部14が装備されている。また、プラットフォーム部11には、通信ネットワーク4を介して外部機器と通信処理を行う通信部15、ビープ音などの警告するための音、又は警告メッセージなどの音声を出力する報知部16、記憶部17、及び外部インターフェース(外部I/F)18が装備されている。さらにプラットフォーム部11には、各部の処理動作を制御する制御部19が装備されている。
【0057】
加速度センサ12は、例えば、XYZ軸の3方向の加速度を測定する3軸加速度センサで構成されている。なお、加速度センサ12には、2軸、1軸の加速度センサを用いてもよい。加速度センサ12で測定された加速度データが、検出時刻と対応付けて制御部19のRAM19bに記憶される。
【0058】
角速度センサ13は、少なくとも鉛直軸回り(ヨー方向)の回転に応じた角速度、すなわち、車両2の左右方向への回転(旋回)に応じた角速度データを検出可能なセンサ、例えば、ジャイロセンサ(ヨーレートセンサともいう)で構成されている。角速度センサ13では、所定の周期(例えば、数十ms周期)で角速度が検出され、検出された角速度データが、例えば、検出時刻と対応付けて制御部19のRAM19bに記憶される。
【0059】
GPS受信部14は、アンテナ14aを介して人工衛星からのGPS信号を所定周期で受信して、現在地の位置データ(緯度、及び経度)を検出する。GPS受信部14で検出された位置データは、検出時刻と対応付けて制御部19のRAM19bに記憶される。なお、車両2の位置を検出する装置は、GPS受信部14に限定されるものではない。例えば、日本の準天頂衛星、ロシアのグロナス(GLONASS)、欧州のガリレオ(Galileo)、又は中国のコンパス(Compass)等の他の衛星測位システムに対応した測位装置を用いてもよい。
【0060】
通信部15は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置40にデータ出力処理などを行う通信モジュールを含んで構成されている。
【0061】
記憶部17は、例えば、メモリーカードなどの着脱可能な記憶装置、又はハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの1つ以上の記憶装置で構成されている。記憶部17には、ドライバモニタリング部20、又はドライブレコーダ部30から取得したデータの他、加速度センサ12、角速度センサ13、GPS受信部14などで検出されたデータが記憶されてもよい。
【0062】
外部I/F18は、ドライブレコーダ部30などの車載機器との間でデータや信号の授受を行うためのインターフェース回路や接続コネクタなどを含んで構成されている。
【0063】
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)19a、RAM(Random Access Memory)19b、及びROM(Read Only Memory)19cを含むマイクロコンピュータで構成されている。制御部19は、取得した各種データをRAM19b又は記憶部17に記憶する処理を行う。また、制御部19は、ROM19cに記憶されたプログラムの他、必要に応じてRAM19b又は記憶部17に記憶された各種データを読み出して、プログラムを実行する。
【0064】
ドライバモニタリング部20は、ドライバカメラ21、画像解析部22、及びインターフェース(I/F)23を含んで構成されている。
ドライバカメラ21は、例えば、図示しないレンズ部、撮像素子部、光照射部、及びこれら各部を制御するカメラ制御部などを含んで構成されている。
【0065】
前記撮像素子部は、例えば、可視光線波長域、又は近赤外線波長域に感度を有するCCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、フィルタ、及びマイクロレンズなどを含んで構成されている。前記光照射部は、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含み、また、昼夜を問わず運転者の状態を撮像できるように近赤外線を照射する発光素子などを用いてもよい。ドライバカメラ21は、単眼カメラでもよいし、ステレオカメラであってもよい。
【0066】
前記カメラ制御部は、例えば、プロセッサなどを含んで構成されている。前記カメラ制御部が、前記撮像素子部や前記光照射部を制御して、該光照射部から光(例えば、近赤外線など)を照射し、前記撮像素子部でその反射光を撮像する制御などを行う。ドライバカメラ21は所定のフレームレート(例えば、毎秒30~60フレーム)で画像を撮像し、ドライバカメラ21で撮像された画像のデータが画像解析部22へ出力される。
【0067】
画像解析部22は、例えば、画像処理プロセッサなどを含んで構成され、ドライバカメラ21で撮像された画像から運転者3の顔の向き、視線の方向、及び目開度のうちの少なくともいずれかの情報(運転者の状態)を検出する処理などを行う。画像解析部22で検出された運転者3の状態を示すデータ、画像データ、及び撮像日時(時刻)データが、インターフェース(I/F)23を介してプラットフォーム部11に送出され、プラットフォーム部11のRAM19b又は記憶部17に記憶される。
【0068】
画像解析部22で検出される運転者3の顔の向きは、例えば、運転者の顔のX軸(左右軸)回りの角度(上下の向き)であるピッチ(Pitch)角、顔のY軸(上下軸)回りの角度(左右の向き)であるヨー(Yaw)角、及び顔のZ軸(前後軸)回りの角度(左右傾き)であるロール(Roll)角で示してよく、少なくとも左右の向きを示すヨー角が含まれる。またこれらの角度は、所定の基準方向に対する角度で示すことができ、例えば、前記基準方向が、運転者3の正面方向に設定されてもよい。
【0069】
また、画像解析部22で検出される運転者3の視線の方向は、例えば、画像から検出された、運転者の顔の向きと、目領域の情報(目頭、眼尻、又は瞳孔の位置など)との関係から推定され、3次元座標上における視線ベクトルV(3次元ベクトル)などで示すことができる。視線ベクトルVは、例えば、運転者の顔のピッチ角、ヨー角、及びロール角のうち、少なくとも1つと、前記目領域の情報とから推定されたものでもよい。
【0070】
また、画像解析部22で検出される運転者3の目開度は、例えば、画像から検出された、運転者の目領域の情報(目頭、眼尻、上下のまぶたの位置、又は瞳孔の位置など)を基に推定される。
【0071】
プラットフォーム部11の外部I/F18には、ドライブレコーダ部30が接続可能に構成されている。ドライブレコーダ部30は、車外カメラ31と車内カメラ32とを含んで構成されている。車外カメラ31は、車両2の前方の画像を撮像するカメラであり、車内カメラ32は、車両2の室内の画像を撮像するカメラである。車外カメラ31と車内カメラ32は、例えば、可視光カメラで構成され得るが、近赤外線カメラなどで構成してもよい。車外カメラ31と車内カメラ32は、それぞれ所定のフレームレート(例えば、毎秒30~60フレーム)で画像を撮像し、車外カメラ31と車内カメラ32で撮像された画像と撮像日時などのデータがプラットフォーム部11へ送出され、プラットフォーム部11のRAM19b又は記憶部17に記憶される。なお、ドライブレコーダ部30は車外カメラ31のみ備えた構成であってもよい。
【0072】
車載機10は、プラットフォーム部11とドライバモニタリング部20とが1つの筐体内に収納された、コンパクトな構成にすることが可能である。その場合における車載機10の車内設置箇所は、ドライバカメラ21で少なくとも運転者3の顔を含む視野を撮像できる位置であれば、特に限定されない。例えば車両2のダッシュボード中央付近の他、ハンドルコラム部分、メーターパネル付近、ルームミラー近傍位置、又はAピラー部分などに設置してもよい。また、ドライバカメラ21の仕様(例えば、画角や画素数(縦×横)など)及び位置姿勢(例えば、取付角度や所定の原点(ハンドル中央位置など)からの距離など)を含む情報がドライバモニタリング部20又はプラットフォーム部11に記憶されてもよい。また、ドライバモニタリング部20は、プラットフォーム部11と一体に構成される形態の他、プラットフォーム部11と別体で構成されてもよい。
【0073】
図3は、車載機10からサーバ装置40に送信されるデータ群の構造の一例を示す図である。
データ群には、車載機10の識別情報(シリアルナンバー等)、送信日時の他、評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者3の画像データが含まれている。また、データ群には、所定期間に検出された、運転者3の状態を示す検出データとして、運転者3の顔の向き(ピッチ、ヨー、及びロール)、視線の方向(ピッチ、及びヨー)、及び目開度(右目、及び左目)のデータが含まれている。また、データ群には、所定期間に検出された、車両2の走行状態を示す検出データとして、車両2の走行速度、加速度(前後、左右、及び上下)、及び角速度(ヨー)のデータが含まれている。また、データ群には、所定期間に検出された、車両2の位置データ(緯度、及び経度)が含まれている。さらに、データ群には、車外画像が含まれていてもよい。これらデータは時系列に同期されている。なお、サーバ装置40に送信される検出データの構造は、
図3に示した構造に限定されるものではない。
【0074】
これらデータを含むデータ群は、例えば、運転評価を行う評価イベントの発生が検出された場合に送信される。評価イベントには、車両2の交差点進入、急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つが含まれている。車両2が交差点に進入したイベントが発生したかどうかは、例えば、角速度センサ13で検出された回転角速度の値が所定の閾値(交差点進入を推定する閾値)を超えてから所定時間が経過したことを検出することにより判断することが可能となっている。
【0075】
図4は、実施の形態に係る運転評価システム1で用いられるサーバ装置40の要部を概略的に示すブロック図である。
サーバ装置40は、通信ユニット41、サーバコンピュータ50、及び記憶ユニット60を含んで構成され、これらは通信バス42を介して接続されている。
【0076】
通信ユニット41は、通信ネットワーク4を介して、車載機10や事業者端末80などとの間で各種のデータや信号の送受信を実現するための通信装置で構成されている。
【0077】
サーバコンピュータ50は、1つ以上のCPUを含んで構成される中央処理装置51と、制御プログラム52が記憶されたメインメモリ53とを含んで構成されている。中央処理装置51は、メインメモリ53中の制御プログラム52に従って、各種処理を実行するようになっている。
【0078】
記憶ユニット60は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブなど、1つ以上の大容量記憶装置で構成され、データ蓄積部61、地図データ記憶部62、評価テーブル記憶部63、評価データ記憶部64、及び運転者情報記憶部65を含んで構成されている。
【0079】
データ蓄積部61には、車載機10から送信されてくるデータ群が、各車載機10の識別情報に対応付けて蓄積される。
図5は、データ蓄積部61に蓄積されるデータ群ファイルの構造の一例を示す図である。
データ群ファイルには、車載機10の識別情報(シリアルナンバー等)に対応付けて、車載機10からデータ群が送信されてきた日時、運転者画像(撮像日時、フレーム番号、及び画像データ)、運転者の顔の向き(ピッチ、ヨー、及びロール)、視線の方向(ピッチ、及びヨー)、目開度(右目、及び左目)、車両の走行速度、加速度(前後、左右、及び上下)、角速度(ヨー)、車両の位置データ(緯度、及び経度)、車外画像(撮像日時、フレーム番号、及び画像データ)などの情報が蓄積される。これらデータ群は、評価イベント毎に、時系列に同期させて蓄積されるようになっている。
【0080】
地図データ記憶部62には、地図データが記憶されている。地図データは、事業者端末80の画面81に、車両2の走行経路と位置マークとを地図上に表示させることができる地図データであり、交差点を含む道路の形状が認識できる地図データであれば、その種類は特に限定されない。例えば、平面地図画像データでもよいし、航空写真による地図画像データでもよい。また、カラー地図画像データでもよいし、道路部分と他の部分とが2値化処理された地図画像データでもよい。
【0081】
評価テーブル記憶部63には、各評価イベントの評価条件を示すテーブルが記憶されている。例えば、交差点において、運転者が行うべき安全確認動作の評価条件が設定された評価テーブルが含まれている。
【0082】
交差点進入の評価テーブルには、例えば、交差点の形状毎、交差点で曲がる方向毎に、交差点を通過する際(進入前、又は進入中)に、運転者が安全確認すべき方向(右又は左)、その確認角度、確認時間などの評価条件が1つ以上記憶されている。確認角度は、例えば、車両2の正面方向に対する運転者3の顔の向き、又は視線の方向を示している。
【0083】
評価データ記憶部64には、サーバコンピュータ50で実行される各運転者3の運転評価結果のデータが記憶される。運転評価結果のデータには、例えば、車載機10毎、又は運転者3毎に、通過した各交差点における運転者3の安全確認動作の評価結果に関する情報が記憶される。また、運転者情報記憶部65には、事業者が管理する運転者3に関する各種情報が記憶されている。
【0084】
図6は、実施の形態に係るサーバ装置40の機能構成ブロック図である。
サーバコンピュータ50の中央処理装置51は、運転評価部54、表示出力受付部55、表示加工処理部56、及び表示出力処理部57を含んで構成されている。
【0085】
運転評価部54は、データ蓄積部61に蓄積されたデータ群と、評価テーブル記憶部63に記憶された評価条件とに基づいて、各運転者3の運転評価処理を行う。以下では、評価イベントの一つである、交差点進入時における運転者の安全確認動作を評価する処理の一例について説明する。
【0086】
運転評価部54は、まず、車両2の交差点への進入時刻を推定する処理を行う。例えば、運転評価部54は、データ蓄積部61に記憶された角速度データ(車載機10から交差点通過時に送信されてきた角速度データ)の積分値を演算し、演算された積分値が所定の積分比率に到達した時刻を検出し、この検出時刻を交差点への進入時刻として推定する。
【0087】
そして、運転評価部54は、評価テーブル記憶部63に記憶された評価条件に基づいて、交差点への進入時刻の前後所定時間内における運転者の安全確認動作を評価する処理を行う。運転評価部54は、まず、データ蓄積部61に蓄積されたデータ群に基づいて、進入時刻の前後所定時間内における運転者の顔の向き又は視線の方向の少なくともいずれかの振り角度及び振り時間を検出する。
【0088】
次に運転評価部54は、評価テーブル記憶部63に記憶された評価条件と、進入時刻より前の所定時間(進入前)における、振り角度及び振り時間とに基づいて、交差点への進入前の安全確認動作を評価する処理を行う。なお、前記評価条件に左右の各方向の確認行動が含まれている場合、左右の各方向の検出順序は問わない。
【0089】
例えば、右方向の安全確認については、(1)右方向の確認タイミングが適切であるか否か、(2)右方向への振り角度が所定角度以上であるか否か、(3)前記所定角度以上の状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。上記(1)右方向の確認タイミングが適切であるか否かは、例えば、進入時刻の所定時間前までに、右方向への振り角度が所定角度以上になったか否かにより判定することができる。
【0090】
同様に、左方向の安全確認については、(4)左方向の確認タイミングが適切であるか否か、(5)左方向への振り角度が所定角度以上であるか否か、(6)前記所定角度以上の状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。上記(4)左方向の確認タイミングが適切であるか否かは、例えば、進入時刻の所定時間前までに、左方向への振り角度が所定角度以上になったか否かにより判定することができる。
【0091】
また、運転評価部54は、評価テーブル記憶部63に記憶された評価条件と、進入時刻より後の所定時間(進入中)における、振り角度及び振り時間とに基づいて、交差点での進路変更方向、例えば、右折先又は左折先の安全確認動作を評価する処理を行う。
【0092】
例えば、進路変更方向の安全確認については、(7)進路変更方向の確認タイミングが適切であるか否か、(8)右折又は左折する進路変更方向への振り角度が所定角度以上であるか否か、(9)前記所定角度以上の状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。上記(7)進路変更方向の確認タイミングが適切であるか否かは、例えば、進入時刻より後の所定時間までに、進路変更方向への振り角度が所定角度以上になったか否かにより判定することができる。
【0093】
さらに、運転評価部54は、進入時刻の前後所定時間における車両2の走行速度に基づいて、運転者の減速意識を評価する処理を行ってもよい。例えば、(10)進入時刻の前後所定時間における車両2の走行速度の最高値が、所定の速度(たとえば、交差点を安全に曲がって通過できる上限速度)以下であるかを判定することにより、減速意識の有無を評価してもよい。
【0094】
運転評価部54は、評価テーブル記憶部63に記憶された評価条件に設定された各確認行動について、上記項目(1)~(10)の判定方法に基づいて評価を行い、通過した交差点毎の評価点を算出する処理を行う。例えば、評価条件に設定された各確認行動について、確認タイミング、確認角度、及び確認時間の評価結果を合計し、必要な統計処理(平均化、又は正規化処理など)を施して、交差点毎の点数又はランク付けによるスコアを算出する。そして、運転評価部54は、通過した交差点毎の評価の点数や判定内容などを記憶ユニット60の評価データ記憶部64に記憶する処理を行う。
【0095】
表示出力受付部55は、通信ネットワーク4を介して事業者端末80から各運転者の運転評価結果の送信リクエストを受け付ける処理を行う。例えば、運送事業者等の運転者管理部門の人達が、事業者端末80を操作して、ブラウザ上の専用ホームページにアクセスし、ログイン完了後、各運転者の運転評価結果の送信リクエスト操作が行われることにより、表示出力受付部55での受付処理が行われる。
【0096】
表示加工処理部56は、表示出力受付部55において、事業者端末80から運転評価結果の送信リクエストの受付処理が行われると、リクエストされた運転者の運転評価データ及びデータ群を、データ蓄積部61と評価データ記憶部64から読み出し、所定の表示画面形態に加工する処理を行い、所定の運転評価画面を表示させるために必要な処理を行う。
【0097】
所定の表示画面形態には、
図7に例示するように、評価イベント発生時を含む所定期間の運転者3の再生画像83aと、運転者3の状態(例えば、顔の向き、又は視線の方向など)、又は車両2の走行状態(例えば、車速、角速度など)の検出データの経時変化を示すグラフ84aと、車両2の走行経路85aを示す地
図85bとが一画面表示される形態が含まれている。
【0098】
さらに、この一画面表示形態において、グラフ上に表示させる時刻指定バー84bと、地図上に表示させる車両2の位置マーク85cと、運転者3の再生画像83aとが、時系列に同期させて表示される形態となっている。すなわち、時刻指定バー84bの移動に同期させて、車両2の位置マーク85cが移動するとともに、運転者3の再生画像83aが切り替わる表示形態になっている。
【0099】
また、所定の表示画面形態には、グラフ上における評価イベントの発生時刻付近、又は地図上における評価イベントが発生した車両2の位置付近に、評価イベントに関する評価コメント86が表示される形態がさらに含まれている。例えば、評価イベントが、交差点進入であった場合、評価コメント86として、交差点への進入速度、進入前の左右確認状況(確認時間、顔の角度など)、進入中の左右確認状況(確認時間、顔の角度など)などに関するコメントが吹き出し表示、又はポップアップ表示されるようになっている。
【0100】
表示出力処理部57は、表示加工処理部56において作成された所定の形式の運転評価画面を表示させるためのデータを、通信ネットワーク4を介して事業者端末80に出力し、事業者端末80の画面81に表示された、例えば専用ホームページ内に運転評価画面82を表示させる処理などを実行する。
【0101】
図7は、事業者端末80の画面81に表示される運転評価画面82の一例を示しており、一画面上に、運転者の再生画像83aを表示する再生画像表示領域83と、検出データの経時変化を示すグラフ84aを表示するグラフ表示領域84と、車両の走行経路85aを示す地
図85bを表示する地図表示領域85とを備えている。なお、一画面上における、再生画像表示領域83、グラフ表示領域84、及び地図表示領域85の表示位置は、
図7に示した例に限定されない。表示させる画面81のサイズや形状に合わせて適宜変更することが可能である。
【0102】
そして、グラフ表示領域84に表示されるグラフ上における時刻指定バー84bと、地図表示領域85に表示される地図上における車両の位置マーク85cと、再生画像表示領域83に表示させる運転者の再生画像83aとが、時系列に同期させた態様で表示されるようになっている。
【0103】
時刻指定バー84bの移動操作に同期させて、運転者の再生画像83aが表示(再生)されるとともに、地図上における車両の位置マーク85cが移動しながら表示されるようになっている。時刻指定バー84bの形態は、
図7に示した形態に限定されない。時刻の指定された位置が認識できる表示形態であればよい。車両の位置マーク85cの形態も
図7に示した形態に限定されない。車両の位置が認識できる表示形態であればよい。
【0104】
また、車両の位置マーク85cの移動操作に同期させて、運転者の再生画像83aが表示(再生)されるとともに、グラフ上に表示される時刻指定バー84bが移動しながら表示されるようにしてもよい。
【0105】
また、運転者の再生画像83aの再生(連続再生)に同期させて、グラフ上に表示される時刻指定バー84bが移動しながら表示されるとともに、地図上における車両の位置マーク85cが移動しながら表示されるようにしてもよい。
【0106】
また、グラフ上における評価イベントの発生時刻付近に、評価イベントに関する評価コメント86(進入速度〇、右確認時間〇、左確認時間×など)が表示されるようになっている。なお、評価コメント86は、画面上にグラフとともに吹き出し表示されていてもよいし、時刻指定バー84bがグラフ上における評価イベントの発生時刻を通過するタイミングでポップアップ表示されるようにしてもよい。
【0107】
また、地図上における評価イベントが発生した車両の位置付近(走行経路上)に、評価イベントに関する評価コメント86(交差点5点評価など)が表示されるようになっている。交差点5点評価とは、交差点進入前の左右確認、進入中の左右確認、進入速度を評価した結果である。なお、評価コメント86の表示形態及び表示内容は、
図7に示した形態及び内容に限定されない。
【0108】
例えば、評価コメント86は、画面上に地図とともに吹き出し表示されてもよいし、車両の位置マーク85cが、地図上における評価イベントの発生した位置を通過するタイミングでポップアップ表示されるようにしてもよい。なお、評価コメント86のポップアップ表示は、一定時間表示される形態でもよいし、画面が切り替えられるまで表示が継続される形態でもよい。
【0109】
また、運転評価画面82は、次の評価イベントへの切替ボタン87a、前の評価イベントへの切替ボタン87bを備えていてもよい。この場合、次の評価イベントへの切替ボタン87aが選択されると、次に発生した評価イベントの運転評価結果が表示され、前の評価イベントへの切替ボタン87bが選択されると、前に発生した評価イベントの運転評価結果が表示されることとなり、運転評価結果の表示切替操作が容易となる。
【0110】
[動作例]
図8は、車載機10におけるドライバモニタリング部20が行う処理動作を示すフローチャートである。本処理動作は、例えば、ドライバカメラ21で画像が撮像されるタイミング(例えば、毎フレーム、又は所定間隔のフレーム毎)で実行される。
【0111】
まず、ステップS1では、画像解析部22は、ドライバカメラ21で撮像された画像を取得し、ステップS2に処理を進める。
【0112】
ステップS2では、画像解析部22は、取得した画像から運転者の顔、又は顔の領域を検出する処理を行い、ステップS3に処理を進める。画像から顔を検出する手法は特に限定されないが、高速で高精度に顔を検出する手法を採用することが好ましい。
【0113】
ステップS3では、画像解析部22は、ステップS2で検出した顔の領域から、目、鼻、口、眉などの顔器官の位置や形状を検出する処理を行い、ステップS4に処理を進める。
画像中の顔の領域から顔器官を検出する手法は特に限定されないが、高速で高精度に顔器官を検出できる手法を採用することが好ましい。例えば、画像解析部22が、3次元顔形状モデルを作成し、これを2次元画像上の顔の領域にフィッティングさせ、顔の各器官の位置と形状を検出する手法が採用され得る。
【0114】
ステップS4では、画像解析部22は、ステップS3で求めた顔の各器官の位置や形状のデータに基づいて、運転者の顔の向きを検出する処理を行い、ステップS5に処理を進める。例えば、上記3次元顔形状モデルのパラメータに含まれている、上下回転(X軸回り)のピッチ角、左右回転(Y軸回り)のヨー角、及び全体回転(Z軸回り)のロール角を運転者の顔の向きに関する情報として検出してもよい。
【0115】
ステップS5では、画像解析部22は、ステップS4で求めた運転者の顔の向き、及びステップS3で求めた運転者の顔器官の位置や形状、特に目の特徴点(目尻、目頭、及び瞳孔)の位置や形状に基づいて、視線の方向を検出する処理を行い、ステップS6に処理を進める。視線の方向は、例えば、様々な顔の向きと視線方向の目の画像の特徴量(目尻、目頭、瞳孔の相対位置、又は強膜(いわゆる白目)部分と虹彩(いわゆる黒目)部分の相対位置、濃淡、テクスチャーなど)とを予め学習器を用いて学習し、これら学習した特徴量データとの類似度を評価することで検出してもよい。または、前記3次元顔形状モデルのフィッティング結果などを用いて、顔の大きさや向きと目の位置などから眼球の大きさと中心位置とを推定するとともに、瞳孔の位置を検出し、眼球の中心と瞳孔の中心とを結ぶベクトルを視線方向として検出してもよい。
【0116】
ステップS6では、画像解析部22は、ステップS3で求めた運転者の顔器官の位置や形状、特に目の特徴点(目尻、目頭、瞳孔、及びまぶた)の位置や形状に基づいて、目開度を検出する処理を行い、ステップS7に処理を進める。
【0117】
ステップS7では、画像解析部22は、ステップS4で検出した運転者の顔の向きと、ステップS5で検出した運転者の視線の方向と、ステップS6で検出した運転者の目開度と、運転者の画像と、撮像時刻とを対応付けて、画像情報としてプラットフォーム部11に送信し、その後、画像解析部22は、ステップS1に戻り、処理を繰り返す。
【0118】
図9は、車載機10における制御部19が行う処理動作を示すフローチャートである。本処理動作は、例えば、数十ms~数秒の所定周期で実行される。
【0119】
ステップS11では、制御部19は、加速度センサ12で測定された加速度データを取得してRAM19bに記憶する処理を行い、ステップS12に処理を進める。
【0120】
ステップS12では、制御部19は、角速度センサ13で検出された角速度データを取得してRAM19bに記憶する処理を行い、ステップS13に処理を進める。
【0121】
ステップS13では、制御部19は、ドライバモニタリング部20から送信されてきた画像情報を取得してRAM19bに記憶する処理を行い、ステップS14に処理を進める。
【0122】
ステップS14では、制御部19は、ドライブレコーダ部30から送出されてきたデータ(車外画像と車内画像のデータ)を取得してRAM19bに記憶する処理を行い、ステップS15に処理を進める。
【0123】
ステップS15では、制御部19は、GPS受信部14で検出された位置データを取得する処理を行い、ステップS16に処理を進める。なお、ステップS11~S15の処理の順番は、これに限定されない。また、ステップS14の処理を省略してもよい。
【0124】
ステップS16では、制御部19は、位置データの単位時間変化に基づいて走行速度を算出し、位置データと走行速度とをRAM19bに記憶する処理を行い、ステップS17に処理を進める。
【0125】
ステップS17では、制御部19は、車両2が交差点に進入したか否かを判断する。例えば、制御部19は、角速度の積分値が車両の交差点への進入を示す閾値以上であり、かつ走行速度が交差点への進入を示す所定の上限速度以下であるか否かを判断する。
【0126】
ステップS17において、制御部19は、車両2が交差点に進入したと判断すれば、ステップS18に処理を進め、制御部19は、車両2が交差点を通過したか否かを判断する。例えば、角速度の積分値が、車両が交差点を通過したことを示す閾値以下になり、かつ走行速度が、交差点の通過を示す所定の下限速度以上になったか否かを判断する。
【0127】
ステップS18において、制御部19が、車両2が交差点を通過したと判断すれば、ステップS19に処理を進め、制御部19は、車両2が交差点に進入した前後所定期間(数十秒程度)に取得した検出データを含むデータ群をRAM19bから読み出し、通信部15を制御してデータ群をサーバ装置40へ送信する処理を実行する。その後、制御部19は、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。車載機10からサーバ装置40へ送信されるデータ群の構造の一例は
図3に示している。
【0128】
なお、制御部19は、ステップS17、S18の処理に加えて、又はステップS17、S18の処理の代わりに、ステップS11~S16の少なくともいずれかの処理で取得したデータに基づいて、車両2の急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つを検出する処理を行ってもよい。そして、これらを検出した場合、ステップS19において、これらが検出された前後所定期間に取得した検出データを含むデータ群をRAM19bから読み出し、通信部15を制御してデータ群をサーバ装置40へ送信する処理を実行するようにしてもよい。
【0129】
なお、制御部19は、ステップS19の処理に代えて、RAM19bから読み出したデータ群を記憶部17(例えば、着脱式記憶媒体)に記憶してもよい。そして、一日の走行終了後、運転者3が車載機10から記憶部17を取り外し、記憶部17に記憶されたデータ群を事業者端末80に読み込ませて、事業者端末80がサーバ装置40に送信するようにしてもよい。
【0130】
図10は、サーバ装置40における中央処理装置51が行う処理動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS21では、中央処理装置51は、車載機10から送信されてきたデータ群を受信したか否かを判断し、車載機10からデータ群を受信したと判断すれば、ステップS22に処理を進める。
ステップS22では、中央処理装置51は、車載機10から受信したデータ群を、車載機10の識別情報と対応付けてデータ蓄積部61に記憶する処理を行い、ステップS23に処理を進める。
【0131】
ステップS23では、中央処理装置51は、運転者の運転評価(安全運転行動などの評価)を実行するタイミングか否かを判断し、運転評価を実行するタイミングではないと判断すればステップS21に戻る。運転評価を実行するタイミングか否かは、例えば、車載機10から車両2の運転終了を示す信号を受信したか否かで判断してもよい。
【0132】
一方ステップS23において、中央処理装置51は、運転評価を実行するタイミングになったと判断すれば、ステップS24に処理を進め、評価イベントに対する運転評価の処理、例えば、車載機10が搭載された車両2の運転者3の交差点における安全確認動作などの運転評価の処理を行い、ステップS25に処理を進める。
【0133】
ステップS25では、中央処理装置51は、運転評価処理の結果を、車載機10又は運転者3の情報と対応付けて評価データ記憶部64に記憶する処理を行い、その後、処理を終える。
【0134】
図11は、事業者端末80とサーバ装置40とが行う処理動作の一例を示すフローチャートである。本処理動作は、例えば、事業者端末80からの要求に基づいて実行される。
まず、ステップS31では、事業者端末80は、運転者管理部門の人達などによる入力操作に基づいて、通信ネットワーク4を介してログインデータをサーバ装置40に送信する処理を行う。ログインデータは、運転評価画面を表示させることのできる専用ホームページにログインするためのデータ(例えば、ログインID、及びパスワードなど)である。
【0135】
ステップS32では、サーバ装置40は、事業者端末80から送信されてきたログインデータを受信して、ログインデータの認証処理を行い、次にステップS33では、認証OK、又は認証NGなどのデータを含む認証結果を事業者端末80に送信する処理を行う。
【0136】
ステップS34では、事業者端末80は、サーバ装置40から送信されてきた認証結果を受信して、認証結果に基づく表示処理を行う。例えば、認証OKの結果であれば、運転評価情報などを提供可能な専用ホームページ画面を表示する。また、認証NGの結果であれば、正しいログインデータの再送信を要求する画面を表示する。
【0137】
ステップS34において、事業者端末80が、認証OKのデータを受信した場合は、その後ステップS35に処理を進める。ステップS35では、事業者端末80は、運転者管理部門の人達などによる、専用ホームページ画面への入力操作に基づいて、運転者の運転評価情報の要求信号をサーバ装置40に送信する処理を行う。
【0138】
ステップS36では、サーバ装置40は、事業者端末80から送信されてきた運転評価情報の要求信号を受信して、要求された運転者の運転状況が記憶されたデータ群を、データ蓄積部61、評価データ記憶部64から読み出す処理を行い、ステップS37に処理を進める。
【0139】
ステップS37では、サーバ装置40は、データ蓄積部61、評価データ記憶部64から読み出したデータ群を所定の表示画面形態となるように加工する処理を行い、ステップS38に処理を進める。
【0140】
データ群には、評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者3の画像データと、所定期間に検出された、運転者3の状態、車両2の走行状態の検出データと、所定期間に検出された、車両2の位置データとが含まれ、これらデータが時系列に同期されている。さらに、データ群には、評価イベントに対する評価コメント(評価内容、評価結果、又は注意する事項など)のデータが、時系列に同期されている。
【0141】
また、所定の表示画面形態には、
図7に例示したように、運転者の再生画像83aと、検出データの経時変化を示すグラフ84aと、車両の走行経路85aを示す地
図85bとが一画面表示される形態が含まれ、さらに、グラフ上に表示させる時刻指定バー84bと、地図上に表示させる車両の位置マーク85cと、運転者の再生画像83aとが、時系列に同期させて表示される形態が含まれている。
【0142】
ステップS38では、サーバ装置40は、ステップS37において、所定の表示画面形態となるように加工されたデータを、運転評価画面の表示用データとして事業者端末80に送信する処理を行う。
【0143】
ステップS39では、事業者端末80は、ステップS39において、サーバ装置40から送信されてきた運転評価画面の表示用データを受信し、次にステップS40に処理を進め、ステップS40では、運転評価画面の表示用データに基づいて、
図7に例示した運転評価画面の表示処理を行う。運転評価画面の表示処理動作の具体例については、
図12を用いて説明する。
【0144】
その後、事業者端末80において、ステップS40における運転評価画面の表示処理を終え、運転者管理部門の人達などによるログオフ操作を検出すると、ステップS41に処理を進め、ステップS41では、ログオフ信号をサーバ装置40に送信する処理を行う。
【0145】
ステップS42では、サーバ装置40は、事業者端末80から送信されてきたログオフ信号を受信すると、通信終了処理を行い、その後処理を終える。
【0146】
図12は、事業者端末80が行う運転評価画面の表示処理動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図7に運転評価画面の一例を示している。
まず、ステップS51では、事業者端末80は、受信した運転評価画面の表示用データを記憶する処理を行い、次にステップS52に処理を進める。
【0147】
ステップS52では、運転評価画面の表示用データに基づいて、運転者の再生画像83aを表示する再生画像表示領域83と、検出データの経時変化を示すグラフ84aを表示するグラフ表示領域84と、車両の走行経路85aを示す地
図85bを表示する地図表示領域85とを一画面に備えた運転評価画面を表示する処理を行い(第1表示ステップ)、ステップS53に処理を進める。
【0148】
ステップS53では、事業者端末80は、グラフ上に時刻指定バー84b、地図の走行経路85a上に車両の位置マーク85c、及び運転者の再生画像83aを、時系列(換言すれば、時刻)に同期させて表示する処理を行い(第2表示ステップ)、その後ステップS54に処理を進める。例えば、初期画面においては、評価イベントの発生時を含む所定期間の開始時刻の位置に、時刻指定バー84b、車両の位置マーク85cを表示させ、また、開始時刻の運転者の再生画像83aを表示する。
【0149】
ステップS54では、事業者端末80は、時刻指定バー84b、又は車両の位置マーク85cの移動操作、若しくは、運転者画像の再生操作があったか否かを判断し、移動操作、及び再生操作ともになかったと判断すれば、その後表示処理を終える。一方、ステップS54において、移動操作、又は再生操作があったと判断すれば、ステップS55に処理を進める。
【0150】
ステップS55では、事業者端末80は、移動操作、又は再生操作に同期させて、時刻指定バー84b、及び車両の位置マーク85cを移動させながら表示するとともに、運転者の再生画像83aを表示する処理を行い(第2表示ステップ)、ステップS56に処理を進める。
【0151】
ステップS56では、事業者端末80は、時刻指定バー84b、又は車両の位置マーク85cの表示位置に対応する時刻が、評価イベントの発生時刻であるか否かを判断し、評価イベントの発生時刻ではないと判断すれば、ステップS55の処理を継続する一方、評価イベントの発生時刻であると判断すればステップS57に処理を進める。
【0152】
ステップS57では、事業者端末80は、グラフ上の評価イベントの発生時刻の位置、又は車両の走行経路上の評価イベントの発生時刻の位置に、評価コメント86を吹き出し表示の形態でポップアップ表示する処理を行い(第3表示ステップ、第4表示ステップ)、その後表示処理を終える。評価コメント86は、次の画面に切り替えられるまで表示され続けてもよいし、一定時間後、ポップアップ表示が消えるようにしてもよい。
【0153】
なお、本表示処理では、時刻指定バー84b、又は車両の位置マーク85cの表示位置に対応する時刻が、評価イベントの発生時刻となった場合に、評価コメント86がポップアップ表示されるようになっているが、別の表示処理例では、ステップS53における同期表示の際に、評価イベントの発生時刻に対応する位置に、評価コメント86を吹き出し表示するようにしてもよい。
【0154】
[作用・効果]
上記実施の形態に係る運転評価画面の表示方法が適用された運転評価システム1によれば、事業者端末80に、運転者3の再生画像83aと、検出データの経時変化を示すグラフ84aと、車両2の走行経路85aを示す地
図85bとを一画面表示させることができる。また、グラフ上に表示される時刻指定バー84bと、地図上に表示される車両の位置マーク85cと、運転者3の再生画像83aとを、時系列に同期させた態様で表示させることができる。したがって、例えば、運転者管理部門の人達が、事業者端末80を用いて、かかる運転評価画面82を各運転者に見せることによって、各運転者に、いつ、どこで、どのような運転状況であったのかを、より直感的に理解させることができる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転状況の説明を要領よく簡単に行うことが可能となり、各運転者への安全教育が容易となる。
【0155】
また、上記運転評価システム1によれば、事業者端末80に表示させた運転評価画面のグラフ上における評価イベントの発生時刻付近、又は地図上における評価イベントが発生した車両2の位置付近に、評価イベントに関する評価コメント86を吹き出し表示させたり、ポップアップ表示させたりすることができる。これにより、各運転者に、どのタイミングで、どのような運転評価がされたのか、又はどの位置で、どのような運転評価がされたのかを、分かり易く把握させることができ、評価コメント86を運転者に確実に意識させることが可能となる。また、運転者管理部門の人達にとっても各運転者への運転評価の説明を要領よく簡単に行うことができ、各運転者への安全教育が容易となり、安全運転指導の効果を高めることができる。
【0156】
また、評価イベントには、車両2の交差点進入、急発進、急加速、急減速、急停止、急ハンドル、及び速度超過のうち、少なくとも1つが含まれているので、事故に繋がる恐れのある、これらの評価イベントが発生したときの運転状況や運転評価の内容を、各運転者に把握させることができ、事故の発生を未然に防ぐための意識改革を促進させることができ、各運転者への安全教育をより有益なものとすることができる。
【0157】
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明したが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく、種々の改良や変更を行うことができることは言うまでもない。
例えば、別の実施の形態では、運転評価システム1を、保険会社又は自動車教習所などの安全評価・運転訓練機関における運転者の運転評価に適用し、
図7に示すような運転評価画面を、保険料査定等のための分析評価レポート、高齢者講習などを含む運転講習結果の分析評価レポートなどとして活用することも可能である。
【0158】
[付記]
本発明の実施の形態は、以下の付記の様にも記載され得るが、これらに限定されない。
(付記1)
車載機(10)から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて作成される運転評価画面の表示方法であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
時系列に同期されている前記データ群を用いて、
前記運転者の再生画像(83a)と、
前記検出データの経時変化を示すグラフ(84a)と、
前記車両の走行経路(85a)を示す地図(85b)と、を一画面上に表示する第1表示ステップ(S52)と、
前記グラフ上に表示される時刻指定バー(84b)と、
前記地図上に表示される前記車両の位置マーク(85c)と、
前記運転者の再生画像(83a)とを、時系列に同期させた態様で表示する第2表示ステップ(S53)とを含んでいることを特徴とする表示方法。
【0159】
(付記2)
車載機(10)から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいて、各運転者の運転評価を行い、該運転評価の情報を外部装置(80)に出力するサーバ装置(40)を備えた運転評価システム(1)であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
前記サーバ装置(40)が、
前記データ群を時系列に同期させて記憶する記憶部(61)と、
該記憶部(61)に記憶された前記データ群を所定の表示画面形態に加工して、前記外部装置に出力する出力部(57)とを備え、
前記所定の表示画面形態に、
前記運転者の再生画像(83a)と、前記検出データの経時変化を示すグラフ(84a)と、前記車両の走行経路(85a)を示す地図(85b)とが一画面表示される形態を含み、
さらに、前記グラフ上に表示させる時刻指定バー(84b)と、前記地図上に表示させる前記車両の位置マーク(85c)と、前記運転者の再生画像(83a)とが、時系列に同期させて表示される形態を含むことを特徴とする運転評価システム。
【0160】
(付記3)
車載機(10)から送信されてくる車両運転者の運転状況が記録されたデータ群に基づいてコンピュータ画面上に作成される運転評価画面(82)であって、
前記データ群に、
評価イベントの発生時を含む所定期間に撮像された運転者の画像データと、
前記所定期間に検出された、前記運転者の状態、又は車両の走行状態の検出データと、
前記所定期間に検出された、前記車両の位置データとが含まれ、
これらデータは時系列に同期されており、
一画面上に、
前記運転者の再生画像を表示する再生画像表示領域(83)と、
前記検出データの経時変化を示すグラフを表示するグラフ表示領域(84)と、
前記車両の走行経路を示す地図を表示する地図表示領域(85)とを備え、
前記グラフ表示領域(84)に表示される前記グラフ上における時刻指定バー(84b)と、
前記地図表示領域(85)に表示される前記地図上における前記車両の位置マーク(85c)と、
前記再生画像表示領域(83)に表示させる前記運転者の再生画像(83a)とが、時系列に同期させた態様で表示されることを特徴とする運転評価画面。
【符号の説明】
【0161】
1 運転評価システム
2 車両
3 運転者
4 通信ネットワーク
10 車載機
11 プラットフォーム部
12 加速度センサ
13 角速度センサ
14 GPS受信部
15 通信部
16 報知部
17 記憶部
18 外部インターフェース(外部I/F)
19 制御部
19a CPU
19b RAM
19c ROM
20 ドライバモニタリング部
21 ドライバカメラ
22 画像解析部
23 インターフェース(I/F)
30 ドライブレコーダ部
31 車外カメラ
32 車内カメラ
40 サーバ装置
41 通信ユニット
50 サーバコンピュータ
51 中央処理装置
52 メインメモリ
53 制御プログラム
54 運転評価部
55 表示受付処理部
56 表示加工処理部
57 表示出力処理部
60 記憶ユニット
61 データ蓄積部
62 地図データ記憶部
63 評価テーブル記憶部
64 評価データ記憶部
65 運転者情報記憶部
80 事業者端末(外部装置)
81 画面
82 運転評価画面
83 再生画像表示領域
83a 再生画像
84 グラフ表示領域
84a グラフ
84b 時刻指定バー
85 地図表示領域
85a 走行経路
85b 地図
85c 車両の位置マーク
86 評価コメント