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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/50 20160101AFI20220906BHJP
   F02D 17/00 20060101ALI20220906BHJP
   F02D 21/08 20060101ALI20220906BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F02M26/50 321
F02D17/00 B
F02D21/08 301A
F02D43/00 301H
F02D43/00 301V
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019095842
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020190228
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 謙次郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 譲
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-61157(JP,A)
【文献】特開2010-65572(JP,A)
【文献】特開2011-144782(JP,A)
【文献】特開2015-121156(JP,A)
【文献】特開2015-209814(JP,A)
【文献】特開2016-200033(JP,A)
【文献】特開2018-44497(JP,A)
【文献】特開2019-44752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 17/00
F02D 21/00
F02D 43/00
F02M 26/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気の一部をEGRガスとして吸気に戻すEGRシステムを有する内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関は、燃料噴射を停止させてもクランクシャフトを回転させることが可能なクランク駆動手段を備えており、
前記制御装置は、
前記内燃機関の運転状態を検出可能であり、
運転中の前記内燃機関に対して停止要求が入力されたか否かを判定する停止要求判定部と、
前記停止要求が入力されたと判定した場合に前記燃料噴射の動作を停止させる燃料噴射停止部にて前記燃料噴射の動作を停止させた後に前記クランク駆動手段を用いて前記クランクシャフトを回転させる、あるいは、前記停止要求が入力されたと判定した場合に前記EGRシステムの動作を停止するとともに前記燃料噴射の動作を継続させて前記クランクシャフトを回転させる、クランク回転部と、
前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時における前記内燃機関のシリンダ内のガス量である筒内ガス量を少なくとも含む残留ガス量を算出する残留ガス量算出部と、
前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時からの新気の流入累積量である新気累積量を算出する新気累積量算出部と、
前記新気累積量が、前記残留ガス量に基づいて求めた被置換ガス量以上となった場合、前記クランク回転部からの前記クランクシャフトの回転を停止させて前記内燃機関を停止させる停止実行部と、
を有する、
内燃機関の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記残留ガス量算出部にて、前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時における前記残留ガス量に含まれている前記EGRガスの量である残留EGRガス量を算出し、算出した前記残留EGRガス量が、前記シリンダ内で凝縮水を発生させるガス量の閾値である残留許容EGRガス量よりも少ない場合、前記クランク回転部によるクランクシャフトの回転を実行することなく前記内燃機関を停止させる、
内燃機関の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記残留ガス量から前記残留許容EGRガス量を減算して前記被置換ガス量を求める、
内燃機関の制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記クランク回転部にて前記クランクシャフトを回転させている場合における新気の流入量と、前記被置換ガス量と、に基づいて、前記新気累積量が前記被置換ガス量以上となるまでの時間である掃気時間を算出する掃気時間算出部を有し、
前記停止実行部にて、前記停止要求の入力時から前記掃気時間が経過した場合に、前記クランク回転部からの前記クランクシャフトの回転を停止させて前記内燃機関を停止させる、
内燃機関の制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置であって、
前記EGRシステムは、一方端が排気管に接続され、他方端が吸気管に接続されたEGR配管を有し、
前記制御装置は、
前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時における、前記EGR配管の前記他方端が接続されている前記吸気管の個所から前記シリンダまでの吸気途中経路中のガス量である吸気途中残留ガス量を算出する吸気途中残留ガス量算出部を有し、
前記残留ガス量算出部にて前記残留ガス量を算出する際、前記筒内ガス量に前記吸気途中残留ガス量を加算したガス量を前記残留ガス量とする、
内燃機関の制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation:EGR)システムを有する内燃機関の制御装置において、運転中の内燃機関を停止する際、掃気制御を行った後に停止する、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、内燃機関を搭載した車両には、燃焼温度を低下させて、排気ガス中の窒素酸化物の発生量を抑制する等の目的にて、排気ガス再循環システム(以下、EGRシステムと記載する)が搭載されている。EGRシステムは、内燃機関の排気経路内の排気ガスの一部を、内燃機関の吸気経路内に戻して新気と混合させるものであり、排気ガス中の二酸化炭素と水蒸気を新気に混合することで、燃焼温度を低下させるシステムである。EGRシステムは、排気経路から吸気経路に排気ガスの一部を戻すEGR経路と、当該EGR経路の開度を調整するEGR弁と、を有している。EGR弁は、酸素不足による不完全燃焼や黒煙の発生等を防止するために、内燃機関の運転状態に応じて開度が調整される。
【0003】
EGRガスは排気経路中の排気ガスの一部であるので、非常に高温であるとともに燃焼によって生成された多量の水蒸気を含んでいる。運転中の内燃機関を停止させると、シリンダ内には、当該EGRガスや燃焼後の排気ガスが残留ガスとして残っている。そして内燃機関を停止させた後、徐々にシリンダの温度が低下していくと、残留ガスによって凝縮水が発生する場合がある。当該凝縮水は、シリンダ内に露出しているインジェクタ等の腐食につながる可能性があるので、凝縮水の発生の防止が望まれている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の内燃機関の制御システムでは、内燃機関の停止要求時に、燃焼室内に腐食性凝縮水が生じ易い条件か否かを判定し、腐食性凝縮水が生じ易い条件であると判定された場合に、一定時間(5秒)の間、スターターモータを作動させてクランキングして燃焼室内を掃気した後、内燃機関を停止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-44497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の内燃機関の制御システムでは、内燃機関を停止させる際、腐食性凝縮水が生じ易い条件が成立しているか否か、という比較的単純な判定をしているのみであり、腐食性凝縮水が発生し易いと判定した場合では、一定時間(5秒)のクランキングをして掃気を行った後、内燃機関を停止させている。このため、必要以上に長い時間の掃気を行う場合があり、バッテリの電力を無駄に消費して燃費の低下等を招く可能性がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、内燃機関の停止後の残留ガスによってシリンダ内で凝縮水が発生することを防止するための掃気制御を、より短く適切な掃気時間にて実行することができる、内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、排気の一部をEGRガスとして吸気に戻すEGRシステムを有する内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関は、燃料噴射を停止させてもクランクシャフトを回転させることが可能なクランク駆動手段を備えており、前記制御装置は、前記内燃機関の運転状態を検出可能であり、運転中の前記内燃機関に対して停止要求が入力されたか否かを判定する停止要求判定部と、前記停止要求が入力されたと判定した場合に前記燃料噴射の動作を停止させる燃料噴射停止部にて前記燃料噴射の動作を停止させた後に前記クランク駆動手段を用いて前記クランクシャフトを回転させる、あるいは、前記停止要求が入力されたと判定した場合に前記EGRシステムの動作を停止するとともに前記燃料噴射の動作を継続させて前記クランクシャフトを回転させる、クランク回転部と、前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時における前記内燃機関のシリンダ内のガス量である筒内ガス量を少なくとも含む残留ガス量を算出する残留ガス量算出部と、前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時からの新気の流入累積量である新気累積量を算出する新気累積量算出部と、前記新気累積量が、前記残留ガス量に基づいて求めた被置換ガス量以上となった場合、前記クランク回転部からの前記クランクシャフトの回転を停止させて前記内燃機関を停止させる停止実行部と、を有する、内燃機関の制御装置である。
【0009】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、前記残留ガス量算出部にて、前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時における前記残留ガス量に含まれている前記EGRガスの量である残留EGRガス量を算出し、算出した前記残留EGRガス量が、前記シリンダ内で凝縮水を発生させるガス量の閾値である残留許容EGRガス量よりも少ない場合、前記クランク回転部によるクランクシャフトの回転を実行することなく前記内燃機関を停止させる、内燃機関の制御装置である。
【0010】
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、前記残留ガス量から前記残留許容EGRガス量を減算して前記被置換ガス量を求める、内燃機関の制御装置である。
【0011】
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明~第3の発明のいずれか1つに係る内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、前記クランク回転部にて前記クランクシャフトを回転させている場合における新気の流入量と、前記被置換ガス量と、に基づいて、前記新気累積量が前記被置換ガス量以上となるまでの時間である掃気時間を算出する掃気時間算出部を有し、前記停止実行部にて、前記停止要求の入力時から前記掃気時間が経過した場合に、前記クランク回転部からの前記クランクシャフトの回転を停止させて前記内燃機関を停止させる、内燃機関の制御装置である。
【0012】
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明~第4の発明のいずれか1つに係る内燃機関の制御装置であって、前記EGRシステムは、一方端が排気管に接続され、他方端が吸気管に接続されたEGR配管を有し、前記制御装置は、前記運転状態に基づいて、前記停止要求の入力時における、前記EGR配管の前記他方端が接続されている前記吸気管の個所から前記シリンダまでの吸気途中経路中のガス量である吸気途中残留ガス量を算出する吸気途中残留ガス量算出部を有し、前記残留ガス量算出部にて前記残留ガス量を算出する際、前記筒内ガス量に前記吸気途中残留ガス量を加算したガス量を前記残留ガス量とする、内燃機関の制御装置である。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、内燃機関の停止要求が入力された場合、まず燃料噴射の動作を停止して(あるいは、EGRシステムの動作を停止するとともに燃料噴射を継続して)、シリンダ内のガス量である筒内ガス量を少なくとも含む残留ガス量を算出し、当該残留ガス量に基づいた被置換ガス量が新気で置換されるまでクランクシャフトを回転させた後、内燃機関を停止させる。従って掃気期間は、シリンダ内の被置換ガス量が新気で置換されるまで、となるので、内燃機関の停止後のシリンダ内での凝縮水の発生を防止するための掃気制御を、より短く適切な掃気時間にて実行することができる。
【0014】
第2の発明によれば、内燃機関の停止要求が入力された場合、シリンダ内の残留ガス量中の残留EGRガス量が、シリンダ内で凝縮水を発生させる残留許容ガス量に達していない場合、掃気制御(クランク回転部によるクランクシャフトの回転)を行わずに内燃機関を停止させる。つまり、凝縮水が発生しないと予測された場合では、不要な掃気制御を行うことなく内燃機関を速やかに停止させる。従って、無駄なエネルギーの消費を防止することができる。
【0015】
第3の発明によれば、被置換ガス量を適切に求めることができる。
【0016】
第4の発明によれば、新気累積量が残留ガス量に基づいた被置換ガス量に達した場合に掃気完了と判定するのでなく、新気累積量が被置換ガス量に達するまでの掃気時間を算出し、当該掃気時間が経過した場合に掃気完了と判定する。この場合、掃気の完了を時間で判定することができるので、掃気完了の判定を、より容易にかつシンプルに判定することができる。
【0017】
第5の発明によれば、シリンダ内の筒内ガス量に、吸気途中経路に残っている吸気途中残留ガス量(EGRガスを含んだ吸気途中経路のガス)を加算して残留ガス量とする。従って、掃気制御にて新気と交換するべき被置換ガス量を、より正確に算出するので、内燃機関の停止後のシリンダ内での凝縮水の発生を防止するための掃気制御を、より適切な掃気時間にて実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】EGRシステムを有する内燃機関システムの全体構成の例を説明する図である。
図2】第1の実施の形態の、制御装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。
図3】第2の実施の形態の、制御装置の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。まず図1を用いて、EGRシステムを有する内燃機関システムの全体構成について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関の例として、車両に搭載された内燃機関10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。
【0020】
●[EGRシステムを有する内燃機関システムの全体構成の例(図1)]
図1を用いて、排気の一部をEGRガスとして吸気に戻すEGRシステムを有する内燃機関システム1の全体構成について、吸気側から排気側に向かって順に説明する。
【0021】
吸気管11Aの流入側には、吸気流量検出手段21(例えば、吸気流量センサ)が設けられている。吸気流量検出手段21は、内燃機関10が吸入した新気の流量に応じた検出信号を制御装置50に出力する。また吸気流量検出手段21には、吸気温度検出手段28A(例えば、温度センサ)が設けられている。吸気温度検出手段28Aは、吸気流量検出手段21を通過する新気の温度(外気温度)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0022】
吸気管11Aの流出側は、スロットル装置47の流入側に接続されている。そしてスロットル装置47の流出側は、吸気管11Bの流入側に接続されている。
【0023】
スロットル装置47は、制御装置50からの制御信号に基づいて吸気管11B(吸気管11A)の開度を調整するスロットルバルブ47Vを駆動し、吸気流量を調整可能である。制御装置50は、スロットル開度検出手段47S(例えば、スロットル開度センサ)からの検出信号と目標スロットル開度に基づいて、スロットル装置47に制御信号を出力して吸気管11B(吸気管11A)に設けられたスロットルバルブ47Vの開度を調整可能である。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて検出したアクセルペダルの踏込量と内燃機関10の運転状態とに基づいて目標スロットル開度を求める。
【0024】
アクセルペダル踏込量検出手段25は、例えばアクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。制御装置50は、アクセルペダル踏込量検出手段25からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出することが可能である。
【0025】
吸気管11Bの下流側は、吸気マニホルド11Cの流入側に接続されている。また吸気管11BにはEGR配管13の流出側が接続されている。EGR弁14が開状態の場合、EGR配管13の流出側(吸気管11Bとの接続部)からは、EGR配管13の流入側(排気管12Bとの接続部)から流入してきたEGRガスが、吸気管11B内に吐出される。
【0026】
吸気マニホルド11Cの流出側は内燃機関10の流入側に接続されている。また吸気マニホルド11Cには、圧力検出手段24A、吸気温度検出手段28Bが設けられている。圧力検出手段24Aは、例えば圧力センサであり、吸気マニホルド11C内の吸気の圧力に応じた検出信号を制御装置50に出力する。吸気温度検出手段28Bは、例えば吸気温度センサであり、吸気マニホルド11C内の吸気の温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0027】
内燃機関10は複数のシリンダ45Aを有しており、インジェクタ43Aが、それぞれのシリンダに設けられている。インジェクタ43Aには、コモンレール(図示省略)を介して燃料が供給されており、インジェクタ43Aは、制御装置50からの制御信号によって駆動され、それぞれのシリンダ45A内に燃料を噴射する。
【0028】
内燃機関10には、回転検出手段22、クーラント温度検出手段28C等が設けられている。回転検出手段22は、例えば回転センサであり、内燃機関10のクランクシャフトの回転数(すなわち、エンジン回転数)に応じた検出信号を制御装置50に出力する。クーラント温度検出手段28Cは、例えば温度センサであり、内燃機関10内に循環されている冷却用クーラントの温度を検出し、検出した温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0029】
内燃機関10の排気側には排気マニホルド12Aの流入側が接続され、排気マニホルド12Aの流出側には排気管12Bの流入側が接続されている。排気管12Bの流出側は排気浄化装置60の流入側に接続されている。図示省略するが、例えば内燃機関10がディーゼルエンジンの場合、排気浄化装置60には、酸化触媒、微粒子捕集フィルタ(Diesel Particulate Filter)、選択式還元触媒等が含まれている。
【0030】
排気管12Bには、EGR配管13の流入側(一方端)が接続されている。また、EGR配管13の流出側(他方端)は、吸気管11Bに接続されている。EGR配管13は、排気管12Bと吸気管11Bとを連通し、排気管12B(排気経路に相当)の排気ガスの一部を吸気管11B(吸気経路に相当)に還流させることが可能である。またEGR配管13には、EGRクーラ15、EGR弁14が設けられている。
【0031】
EGR弁14(EGRバルブ)は、EGR配管13におけるEGRクーラ15の下流側に設けられている。そしてEGR弁14は、制御装置50からの制御信号に基づいて、EGR配管13の開度を調整することで、EGR配管13内を流れるEGRガスの流量を調整する。
【0032】
EGRクーラ15は、EGR弁14の上流側に設けられている。EGRクーラ15は、いわゆる熱交換器であり、冷却用のクーラントが供給され、流入されたEGRガスを冷却して吐出する。
【0033】
排気管12Bには、排気温度検出手段29Aが設けられている。排気温度検出手段29Aは、例えば排気温度センサであり、排気温度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。制御装置50は、排気温度検出手段29Aを用いて検出した排気温度とEGR弁14の制御状態と内燃機関10の運転状態等に基づいて、EGR配管13及びEGRクーラ15及びEGR弁14を経由して吸気管11Bに流入されるEGRガスの温度や流量、吸気管11Bに流入されるEGRガスが含んでいる水蒸気量等を推定可能である。
【0034】
大気圧検出手段23は、例えば大気圧センサであり、制御装置50に設けられている。大気圧検出手段23は、制御装置50の周囲の大気圧に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0035】
車速検出手段27は、例えば車両速度検出センサであり、車両の車輪等に設けられている。車速検出手段27は、車両の車輪の回転速度に応じた検出信号を制御装置50に出力する。
【0036】
クランク駆動手段48は、例えば、スタータの持つ始動機能とオルタネータの持つ発電機能を備えたモータジェネレータである。モータジェネレータは、スタータとして用いられる場合、制御装置50からの制御信号に基づいて内燃機関10のクランクシャフトを回転駆動する。またモータジェネレータは、オルタネータとして用いられる場合、クランクシャフトから回転駆動され、発電した電力をバッテリ(図示省略)に充電する。またクランク駆動手段48は、燃料噴射が停止されている場合にスタータとして用いられると、クランクシャフトの回転を維持可能、及び回転が停止しているクランクシャフトを回転させることも可能であり、後述する掃気に利用される。
【0037】
制御装置50は、CPUや記憶手段53を有している。制御装置50は、図1に示す各検出手段や各アクチュエータに限定されず、上記の検出手段を含めた各種の検出手段からの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出可能である。また、制御装置50は、上記のインジェクタ43AやEGR弁14、スロットル装置47、クランク駆動手段48を含めた各種のアクチュエータを制御する。記憶手段53は、例えばFlash-ROM等の記憶装置であり、後述する処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。
【0038】
また制御装置50は、停止要求判定部51A、燃料噴射停止部51B、クランク回転部51C、吸気途中残留ガス量算出部51D、残留ガス量算出部51E、新気累積量算出部51F、掃気時間算出部51G、停止実行部51Hを有しており、これらについては後述する。以下、内燃機関を停止する際、掃気が必要な場合、シリンダ内に残留しているEGRガス(排気ガス)が新気と置換されるように、内燃機関を掃気動作させる。
【0039】
●[第1の実施の形態における制御装置50の処理手順(図2)]
以下、第1の実施の形態における制御装置50の処理手順について説明する。第1の実施の形態では、運転状態の内燃機関10の停止要求時にシリンダ内等に残留する残留ガス量を求め、残留ガス量に含まれている残留EGRガス量が、凝縮水を発生させるガス量の閾値となる残留許容EGRガス量よりも少なくなるまで、掃気を実行する。また、残留EGRガス量が、残留許容EGRガス量よりも少なくなるまで、の判定を、新気流入量に基づいて判定する。制御装置50は、所定時間間隔(例えば数[ms]~数10[ms]間隔)にて、図2に示す処理を起動し、ステップS010に処理を進める。
【0040】
ステップS010にて制御装置50は、内燃機関が運転中であるか否かを判定し、内燃機関が運転中である場合(Yes)はステップS015に処理を進め、内燃機関がすでに停止状態である場合(No)はステップS140に処理を進める。
【0041】
ステップS015に処理を進めた場合、制御装置50は、上述した種々の検出手段からの検出信号等に基づいて、内燃機関10の運転状態を検出してステップS020に処理を進める。なお、制御装置50は、インジェクタやEGR弁等のアクチュエータの動作状態も、内燃機関10の運転状態として検出する。運転状態には、吸気流量検出手段21を用いて検出した新気の流入量である新気流入量も含まれている。
【0042】
ステップS020にて制御装置50は、掃気フラグがONであるか否かを判定し、掃気フラグがONである場合(Yes)はステップS110に処理を進め、掃気フラグがOFFである場合(No)はステップS025に処理を進める。
【0043】
ステップS025に処理を進めた場合、制御装置50は、停止要求入力(内燃機関のイグニションキーOFF、停止スイッチが操作された、アイドリングストップ要求など)があるか否かを判定し、停止要求入力がある場合(Yes)はステップS030に処理を進め、停止要求入力が無い場合(No)はステップS140に処理を進める。
【0044】
ステップS010、S025の処理を実行している制御装置50は、運転中の内燃機関に対して停止要求が入力されたか否かを判定する停止要求判定部51A(図1参照)に相当している。
【0045】
ステップS030に処理を進めた場合、制御装置50は、掃気フラグをONに設定してステップS035に処理を進める。なお、掃気フラグがONの間は、掃気制御が実行されていることを示している。
【0046】
ステップS035にて制御装置50は、燃料噴射の動作を停止させ、ステップS040に処理を進める。制御装置50は、図1に示すインジェクタ43Aの駆動を停止して燃料噴射の動作を停止させる。なお、EGR配管13中に残留しているEGRガスは、無視できる量であるが、EGR弁14を全閉状態に制御してEGRシステムの動作を停止させてもよい。
【0047】
ステップS035の処理を実行している制御装置50は、停止要求が入力されたと判定した場合、燃料噴射の動作を停止させる、燃料噴射停止部51B(図1参照)に相当している。
【0048】
ステップS040にて制御装置50は、EGRガス量を算出(推定)してステップS045に処理を進める。制御装置50は、停止要求入力時における、新気流入量とEGR率等に基づいて、EGRガス量を算出する。なおEGR率は、制御装置50が、別の処理にて算出したEGR率であって、例えばステップS035にてEGRシステムを停止する直前のEGR率である。また、ステップS040とS045を入れ替え、筒内ガス量とEGR率からEGRガス量を求めるようにしてもよい。
【0049】
ステップS045にて制御装置50は、筒内ガス量を算出(推定)してステップS050に処理を進める。制御装置50は、停止要求入力時における、新気流入量とEGRガス量等に基づいて(さらに、内燃機関の運転状態を含むシリンダ内の状態量に応じて)、内燃機関のシリンダ内に残留しているガス量である筒内ガス量G1(図1参照)を算出する。
【0050】
ステップS050にて制御装置50は、吸気途中残留ガス量を算出(推定)してステップS055に処理を進める。制御装置50は、停止要求入力時における、吸気管11BとEGR配管13との接続個所13A(図1参照)からシリンダまでの吸気途中経路中のガス量である吸気途中残留ガス量G2(図1参照)を算出する。制御装置50は、新気流入量とEGRガス量と対象車両に対して実験等にて求めたパラメータ等に基づいて、吸気途中残留ガス量を算出する。
【0051】
ステップS055にて制御装置50は、残留ガス量を算出(推定)してステップS060に処理を進める。制御装置50は、筒内ガス量と吸気途中残留ガス量を加算して残留ガス量を算出する。
【0052】
ステップS050の処理を実行している制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて、停止要求入力時におけるEGR配管と吸気管との接続個所からシリンダまでの吸気途中経路中のガス量である吸気途中残留ガス量を算出する、吸気途中残留ガス量算出部51D(図1参照)に相当している。また、ステップS055の処理を実行している制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて、停止要求入力時における内燃機関のシリンダ内のガス量である筒内ガス量を少なくとも含む残留ガス量を算出する、残留ガス量算出部51E(図1参照)に相当している。また残留ガス量算出部51Eは、次のステップS060~S070を含んでもよい。
【0053】
ステップS060にて制御装置50は、残留EGRガス量を算出してステップS065に処理を進める。制御装置50は、EGRガス量に基づいて、残留EGRガス量を算出する。
【0054】
ステップS065にて制御装置50は、残留許容EGRガス量を算出してステップS070に処理を進める。制御装置50は、内燃機関の運転状態と、温度に応じた飽和水蒸気量が記された飽和水蒸気量特性(図示省略)と、に基づいて、その時点の温度における最大許容水蒸気量を算出する。そして制御装置50は、最大許容水蒸気量に対応するEGRガス量である残留許容EGRガス量を算出する。
【0055】
ステップS070にて制御装置50は、被置換ガス量を算出してステップS075に処理を進める。制御装置50は、残留ガス量から残留許容EGRガス量を減算して被置換ガス量を算出する。
【0056】
ステップS075にて制御装置50は、残留EGRガス量が、残留許容EGRガス量未満であるか否かを判定し、残留EGRガス量が残留許容EGRガス量未満である場合(Yes)はステップS130Aに処理を進め、残留EGRガス量が残留許容EGRガス量以上である場合(No)はステップS110に処理を進める。ステップS075からステップS130Aに処理を進めた場合では、制御装置50は、停止実行部51H(図1参照)にて、クランク回転部51C(図1参照)からのクランクシャフトの回転を実行することなく内燃機関を停止させる。
【0057】
ステップS110にて制御装置50は、(前回の)新気累積量に、(今回の)新気流入量を加算して(今回の)新気累積量を算出して記憶し、ステップS120に処理を進める。
【0058】
ステップS110の処理を実行している制御装置50は、内燃機関の運転状態に基づいて、停止要求の入力時からの新気の流入累積量である新気累積量を算出する、新気累積量算出部51F(図1参照)に相当している。
【0059】
ステップS120にて制御装置50は、新気累積量が被置換ガス量以上であるか否かを判定し、新気累積量が被置換ガス量以上である場合(Yes)はステップS130Aに処理を進め、新気累積量が被置換ガス量未満である場合(No)はステップS130Bに処理を進める。
【0060】
ステップS130Aに処理を進めた場合、制御装置50は、クランク駆動手段48の動作を停止させることでクランクシャフトの回転を停止させ(内燃機関の回転を停止させ)、ステップS140に処理を進める。
【0061】
ステップS140に処理を進めた場合、制御装置50は、掃気フラグをOFFに設定し、新気累積量を初期化(ゼロ)にして、処理を終了する。
【0062】
ステップS130Bに処理を進めた場合、制御装置50は、クランク駆動手段48を動作させてクランクシャフトを回転させて(掃気を維持して)、処理を終了する。
【0063】
ステップS130Bの処理を実行している制御装置50は、燃料噴射停止部51B(図1参照)にて燃料噴射の動作を停止させた後に、クランク駆動手段48を用いてクランクシャフトを回転させるクランク回転部51C(図1参照)に相当している。
【0064】
ステップS120、S130Aの処理を実行している制御装置50は、新気累積量が、残留ガス量に基づいて求めた被置換ガス量以上となった場合、クランク回転部51C(図1参照)からのクランクシャフトの回転を停止させる、停止実行部51H(図1参照)に相当している。
【0065】
なお、図2に示すフローチャートからステップS075を省略してもよい。また、筒内ガス量に吸気途中残留ガス量を加算した残留ガス量から残留許容EGRガス量を減算して被置換ガス量としたが、筒内ガス量を残留ガス量として、当該残留ガス量から残留許容EGRガス量を減算して被置換ガス量としてもよい。また、残留許容EGRガス量の減算を省略して、筒内ガス量に吸気途中残留ガス量を加算したガス量を被置換ガス量としてもよいし、筒内ガス量を被置換ガス量としてもよい。
【0066】
●[第2の実施の形態における制御装置50の処理手順(図3)]
以下、第2の実施の形態における制御装置50の処理手順について説明する。第1の実施の形態では種々のガス量に応じて、クランク駆動手段の動作/停止を行ったが、第2の実施の形態では、種々のガス量に基づいた時間に応じて、クランク駆動手段の動作/停止を行う点が異なる。
【0067】
図2のフローチャートにて示す第1の実施の形態に対して、図3のフローチャートにて示す第2の実施の形態は、ステップS105が追加された点と、ステップS030、S110、S120、S140のそれぞれが、太枠にて示したステップS030N、S110N、S120N、S140Nに変更された点と、ステップS020の分岐先が異なる点が相違している。以下、これらの相違点について主に説明する。
【0068】
ステップS010にて制御装置50は、内燃機関が運転中であるか否かを判定し、内燃機関が運転中である場合(Yes)はステップS015に処理を進め、内燃機関がすでに停止状態である場合(No)はステップS140Nに処理を進める。
【0069】
ステップS020にて制御装置50は、掃気フラグがONであるか否かを判定し、掃気フラグがONである場合(Yes)はステップS105に処理を進め、掃気フラグがOFFである場合(No)はステップS025に処理を進める。
【0070】
ステップS025に処理を進めた場合、制御装置50は、停止要求入力(内燃機関のイグニションキーOFF、停止スイッチが操作された、アイドリングストップ要求等)があるか否かを判定し、停止要求入力がある場合(Yes)はステップS030Nに処理を進め、停止要求入力が無い場合(No)はステップS140Nに処理を進める。
【0071】
ステップS010、S025の処理を実行している制御装置50は、運転中の内燃機関に対して停止要求が入力されたか否かを判定する停止要求判定部51A(図1参照)に相当している。
【0072】
ステップS030Nに処理を進めた場合、制御装置50は、掃気フラグをONに設定し、タイマを初期化して(ゼロにして)、ステップS035に処理を進める。なお、掃気フラグがONの間は、掃気制御が実行されていることを示している。
【0073】
ステップS105に処理を進めた場合、制御装置50は、タイマをカウントしてステップS110Nに処理を進める。
【0074】
ステップS110Nにて制御装置50は、新気流入量と、被置換ガス量と、に基づいて、新気累積量が被置換ガス量に達するまでの時間である掃気時間を算出(予測)して記憶し、ステップS120Nに処理を進める。
【0075】
ステップS110Nの処理を実行している制御装置50は、(クランク回転部51Cにてクランクシャフトを回転させている場合における)新気流入量と、被置換ガス量と、に基づいて、新気累積量が被置換ガス量以上となるまでの時間である掃気時間を算出(予測)する、掃気時間算出部51G(図1参照)に相当している。
【0076】
ステップS120Nにて制御装置50は、タイマにて計測した時間が掃気時間以上であるか否かを判定し、掃気時間以上である場合(Yes)はステップS130Aに処理を進め、掃気時間未満である場合はステップS130Bに処理を進める。
【0077】
ステップS130Aに処理を進めた場合、制御装置50は、クランク駆動手段48の動作を停止させることでクランクシャフトの回転を停止させ(内燃機関の回転を停止させ)、ステップS140Nに処理を進める。
【0078】
ステップS140Nに処理を進めた場合、制御装置50は、掃気フラグをOFFに設定して、処理を終了する。
【0079】
ステップS130Bに処理を進めた場合、制御装置50は、クランク駆動手段48を動作させてクランクシャフトを回転させて(掃気を維持して)、処理を終了する。
【0080】
ステップS130Bの処理を実行している制御装置50は、燃料噴射停止部51B(図1参照)にて燃料噴射の動作を停止させた後に、クランク駆動手段48を用いてクランクシャフトを回転させるクランク回転部51C(図1参照)に相当している。
【0081】
ステップS120N、S130Aの処理を実行している制御装置50は、停止要求の入力時から掃気時間が経過した場合に、クランク回転部51C(図1参照)からのクランクシャフトの回転を停止させる、停止実行部51H(図1参照)に相当している。
【0082】
なお、図3に示すフローチャートからステップS075を省略してもよい。また、筒内ガス量に吸気途中残留ガス量を加算した残留ガス量から残留許容EGRガス量を減算して被置換ガス量としたが、筒内ガス量を残留ガス量として、当該残留ガス量から残留許容EGRガス量を減算して被置換ガス量としてもよい。また、残留許容EGRガス量の減算を省略して、筒内ガス量に吸気途中残留ガス量を加算したガス量を被置換ガス量としてもよいし、筒内ガス量を被置換ガス量としてもよい。
【0083】
また、図2図3に示すフローチャートのステップS035にて燃料噴射を停止する代わりに、EGRシステムの動作を停止(EGR弁14を全閉状態に制御)して、ステップS130Bにてクランク駆動手段を用いてクランクシャフトを回転させる代わりに、燃料噴射を継続してクランクシャフトを回転させてもよい。そしてステップS130Aにてクランク駆動手段を停止する代わりに、燃料噴射を停止させてもよい。凝縮水が発生しなくなる閾値まで掃気できればよいので、筒内ガスの全てを新気に置換する必要は無く、EGRシステムを停止して燃料噴射してクランクシャフトを回転させてもよい。
【0084】
ステップS130Bの処理を実行している制御装置50は、燃料噴射停止部51B(図1参照)にて燃料噴射の動作を停止させた後にクランク駆動手段48を用いてクランクシャフトを回転させる、あるいは、停止要求が入力されたと判定した場合にEGRシステムの動作を停止するとともに燃料噴射の動作を継続させてクランクシャフトを回転させる、クランク回転部51C(図1参照)に相当している。
【0085】
第1、第2の実施の形態にて説明した掃気制御(図2図3)は、例えばスロットル装置47の異常時であっても被置換ガス量を新気で置換するまでクランクシャフトを回転させるため、ロバスト性が高い掃気制御である。このように、スロットル装置の異常時等、種々の環境下であっても、実施することができる。また、第1、第2の実施の形態にて説明した掃気制御(図2図3)は、内燃機関10内の残留ガス量を推定し、当該残留ガス量に基づいた被置換ガス量を新気に置換するまで掃気を行うので、必要以上に無駄な掃気を行わず、信頼性も高く、凝縮水の発生を適切に防止できる。例えば600[rpm]で掃気を行った場合、クランクシャフトを約2回転させるだけで掃気がほぼ完了するので、この場合、0.2[秒]程度で掃気を完了させることができると予測される。
【0086】
本発明の内燃機関の制御装置は、本実施の形態で説明した構成、処理手順、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、本実施の形態の説明では、クランク駆動手段としてモータジェネレータを用いた例を説明したが、燃料噴射を停止させた後もクランクシャフトを回転させることができるものであればよい。クランク駆動手段は、クランクシャフトの回転を維持できるものや、一旦内燃機関の回転を停止させた後でもクランクシャフトを回転させることができるものであればよい。
【0087】
また、本発明の内燃機関の制御装置50は、図1の例に示す内燃機関システム1への適用に限定されず、種々の内燃機関システムに適用することが可能である。
【0088】
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 内燃機関システム
10 内燃機関
11A、11B 吸気管
11C 吸気マニホルド
12A 排気マニホルド
12B 排気管
13 EGR配管
13A 接続個所
14 EGR弁
15 EGRクーラ
21 吸気流量検出手段
22 回転検出手段
23 大気圧検出手段
24A 圧力検出手段
25 アクセルペダル踏込量検出手段
27 車速検出手段
28A、28B 吸気温度検出手段
28C クーラント温度検出手段
29A 排気温度検出手段
43A インジェクタ
45A シリンダ
47 スロットル装置
47S スロットル開度検出手段
47V スロットルバルブ
48 クランク駆動手段
50 制御装置
51A 停止要求判定部
51B 燃料噴射停止部
51C クランク回転部
51D 吸気途中残留ガス量算出部
51E 残留ガス量算出部
51F 新気累積量算出部
51G 掃気時間算出部
51H 停止実行部
53 記憶手段
60 排気浄化装置
G1 筒内ガス量
G2 吸気途中残留ガス量

図1
図2
図3