(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】センサ装置および異常監視装置
(51)【国際特許分類】
B65G 43/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
B65G43/02
(21)【出願番号】P 2020068311
(22)【出願日】2020-04-06
【審査請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】P 2019112876
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099944
【氏名又は名称】高山 宏志
(72)【発明者】
【氏名】安藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】石垣 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】明智 吉弘
(72)【発明者】
【氏名】四辻 淳一
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-335920(JP,A)
【文献】特開平05-319611(JP,A)
【文献】特開昭58-216811(JP,A)
【文献】特開2013-032211(JP,A)
【文献】特開2015-051832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアにおける異常監視を行うセンサ装置であって、
前記ベルトコンベアの設備異常または操業異常を検知するセンサと、
前記センサで取得されたデータを送信するデータ送信部と、
前記センサによるデータ取得、およびデータ送信のための電力を供給する、振動発電による発電装置と、
を有
し、
前記センサと、前記データ送信部と、前記発電装置とは、ユニット化されてセンサユニットを構成し、前記センサユニットは、前記ベルトコンベアのローラの枠の外側部分であって前記ローラの回転軸の近傍に設けられることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記発電装置は、圧電素子を有する発電部と、発電した電力を蓄える充電部とを有することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサは、前記ベルトコンベアの温度、前記ベルトコンベアの振動、前記ベルトコンベアのベルトの蛇行、および前記ベルトコンベア上の水分量の一つ以上を計測するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサは振動センサであり、前記センサユニットは、前記枠の前記回転軸が取り付けられている部分の裏側、前記枠の前記回転軸が取り付けられている部分に隣接した位置、および/または、前記枠の脚部に設けられていることを特徴とする請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサは、タッチプーリと検出部とを有し、前記ベルトコンベアのベルトの蛇行を検知する蛇行センサであり、前記センサユニットは、前記ベルトコンベアのベルトの蛇行が生じた際に、前記タッチプーリに前記ベルトが接触する位置になるように設置されることを特徴とする請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のセンサ装置と、前記センサ装置の前記データ送信部から伝送されたデータを受信するデータ受信部とを有することを特徴とする異常監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアにおける異常監視を行うセンサ装置および異常監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原料の搬送、例えば原料ヤード内の原料の搬送にはベルトコンベアが用いられている。原料ヤードには、バラ積み船で輸入された、製鉄プロセスで必要となる主原料の鉄鉱石、石炭などがスタッカーで積み付けられる。スタッカーは原料ヤードに敷設されたレール上で走行が可能であり、起伏と旋回が可能なブーム上の機内ベルトコンベアから原料をヤードに落して原料山として積み付ける。原料ヤードからの払い出しはリクレーマで行われる。リクレーマはバケットホイールを回転して山から原料を切出す。切り出された原料は、ブーム上の機内ベルトコンベアで払い出され、ベルトコンベアにより搬送される。
【0003】
ベルトコンベアの異常には、例えばベルトの損耗に起因する穴明きや縦裂きなどのベルト自体の形状不良や電動機、減速機、プーリ等の故障、ローラの回転不良などがある。原料の搬送を行うベルトコンベアの異常は、製鉄所での安定生産に直接影響を与えるため、このようなベルトコンベアの点検管理は非常に重要である。
【0004】
ベルトコンベアを点検管理するための方法として、特許文献1では、ベルトコンベア下面から照射した際の光切断像をカメラにて撮像後、画像処理によりベルトコンベアの縦裂きを検知する方法が提案されている。また特許文献2では、ベルトコンベアの側面に取り付けられた加速度センサにより、不回転のローラや落下物の引っ掛かりや噛み込みがある箇所では、通常とは違う振動・加速度が検知できるため、少なくとも1周分の加速度を測定することで、異常値を検知する技術が提案されている。
【0005】
いずれの手法においても、カメラや加速度センサなどのセンサによりデータが取得され、そのデータが管理部にあるデータ受信部に伝送されて解析される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-230706号公報
【文献】特開2016-060556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようにベルトコンベアを点検管理するためには、ベルトコンベアのまわりに多数のセンサを設置し、センサにより取得したデータを収集して解析する必要がある。しかしながら、原料ヤードは広大な敷地を有し、ベルトコンベアの駆動部など一部の場所を除き、電源は存在しない。このため、ベルトコンベアのローラなど電源が存在しない部分にセンサを取り付ける場合、従来は、配線の引き回しの困難性を回避する観点から、バッテリーで駆動するタイプのセンサを取り付けるしかなかった。
【0008】
しかし、ベルトコンベアとしては、長大なものが広い場所に設けられていることが多い。特に、原料ヤードのベルトコンベアは長大であり、このような長大なベルトコンベアが広大な原料ヤードに多数設けられている。このため、バッテリーの消耗にともなう交換作業に多大な負荷がかかる。
【0009】
したがって、本発明の課題は、ベルトコンベアにおける異常監視を行う際に、センサで取得したデータの伝送に、従来のようなバッテリーを用いる必要がなく、バッテリーの交換作業が不要である技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の[1]~[7]を提供する。
【0011】
[1]ベルトコンベアにおける異常監視を行うセンサ装置であって、
前記ベルトコンベアの設備異常または操業異常を検知するセンサと、
前記センサで取得されたデータを送信するデータ送信部と、
前記ベルトコンベアのローラの枠に取り付けられ、前記センサによるデータ取得、およびデータ送信のための電力を供給する、振動発電による発電装置と
を有することを特徴とするセンサ装置。
【0012】
[2]前記発電装置は、圧電素子を有する発電部と、発電した電力を蓄える充電部とを有することを特徴とする上記[1]に記載のセンサ装置。
【0013】
[3]前記センサは、前記ベルトコンベアの温度、前記ベルトコンベアの振動、前記ベルトコンベアのベルトの蛇行、および前記ベルトコンベア上の水分量の一つ以上を計測するものである上記[1]または[2]に記載のセンサ装置。
【0014】
[4]前記センサと、前記データ送信部と、前記発電装置とは、ユニット化されてセンサユニットを構成し、前記センサユニットは、前記枠の前記ローラの回転軸の近傍に設けられていることを特徴とする上記{1}から[3]のいずれかに記載のセンサ装置。
【0015】
[5]前記センサは振動センサであり、前記センサユニットは、前記枠の前記回転軸が取り付けられている部分の裏側、前記枠の前記回転軸が取り付けられている部分に隣接した位置、および/または、前記枠の脚部に設けられていることを特徴とする上記[4]に記載のセンサ装置。
【0016】
[6]前記センサは、タッチプーリと検出部とを有し、前記ベルトコンベアのベルトの蛇行を検知する蛇行センサであり、前記センサユニットは、前記ベルトコンベアのベルトの蛇行が生じた際に、前記タッチプーリに前記ベルトが接触する位置になるように設置されることを特徴とする上記[4]に記載のセンサ装置。
【0017】
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載のセンサ装置と、前記センサ装置の前記データ送信部から伝送されたデータを受信するデータ受信部とを有することを特徴とする異常監視装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ベルトコンベアにおける異常監視を行う際に、センサで取得したデータの伝送に、従来のようなバッテリーを用いる必要がなく、バッテリーの交換作業が不要である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るセンサ装置(センサユニット)を、ベルトコンベアを管理するための異常監視装置に用いた例を示す概略図である。
【
図2】センサユニットの構造を示すブロック図である。
【
図3】センサユニットの配置位置の一例を示す断面図である。
【
図4】センサユニットの配置位置の他の例を示す断面図である。
【
図5】センサユニットの配置位置のさらに他の例を示す断面図である。
【
図6】センサとして蛇行センサを用いた場合のセンサユニットの配置位置を示す斜視図である。
【
図8】センサユニットでの実際の温度計測結果の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るセンサ装置(センサユニット)を、ベルトコンベアを管理するための異常監視装置に用いた例を示す概略図、
図2はセンサユニットの構造の一例を示すブロック図、
図3~6はベルトコンベアの配置位置の例を示す図、
図7は発電装置の構造を示すブロック図である。
【0021】
異常監視装置10は、原料ヤードにおいてベルトコンベア1の異常を検知し管理する。ベルトコンベア1は駆動部2を有し、電源から駆動部2に給電されることにより駆動される。ベルトコンベア1のベルト7は、ローラ3にガイドされ、鉄鉱石、石炭などの原料を搬送する。ローラ3はベルトの動きに追随して回転するものであり、電源は存在しない。データ伝送装置10は、駆動部2以外の電源が存在しない部分、例えばローラ3の部分におけるデータ伝送に用いられる。
【0022】
異常監視装置10は、例えば
図2に示すように、データ送信部11、センサ12、発電装置13が一体となったセンサユニット6と、データ受信装置4とを有する。センサユニット6がセンサ装置を構成する。
【0023】
センサユニット6は、ベルトコンベア1に取り付けられている。具体的には、例えば、ベルトコンベア1のベルト7をガイドするローラ3の回転軸8を支える枠9に取り付けられている。センサユニット6は、枠9のうち、ローラ3の回転軸8に近接した位置に設置することがよく、
図3に示すように、センサ12の種類によっては、回転軸8の枠9への取り付け部のすぐ裏側に設置することがより望ましい。構造上、センサユニット6を回転軸8の取り付け部のすぐ裏側に設置困難である場合には、
図4に示すように、取り付け部に隣接する位置(取り付け部の横の位置)に設置してもよい。また、センサユニット6は、センサ12の種類によっては、
図5に示すように、枠9のうち中央のローラ3を支持する脚部9aに設けてもよい。また、センサユニット6をこれらのうち複数の位置に設けてもよい。これにより、より精度の高い検出を行うことができる。
【0024】
このようにセンサユニット6を回転軸8に近接した位置に設置するのは、ローラ3の回転に伴う振動を確実に拾い、振動による発電を確実に行うためである。回転軸8の振動を確実に拾うためには、例えば回転軸8にセンサユニット6を直接取り付ける、あるいは、ローラ3の内部に内蔵させることも考えられるが、ローラ3の外径は一般的に90~165mm程度の大きさしかないため、回転軸8にセンサユニットを直接取り付けたりローラ3にセンサユニットを内蔵させたりすることが困難な場合も多い。むしろ、本実施形態のように、枠9にセンサユニット6を設けることにより、センサが比較的大きい場合にも対応することができ、センサユニット6の設置の自由度が高くなる。
【0025】
センサ12は、所定のデータを取得してベルトコンベア1の設備異常または操業異常を検知するものである。センサ12としては、例えば温度センサ(温度計)、振動センサ(振動計)、蛇行検知センサを好適に用いることができる。
【0026】
振動センサ(振動計)は、速度、加速度、あるいは変位を測定するものが一般的であるが、例えばロール3の空転を検知する目的であれば、速度を測定するものが好ましい。センサ12が振動センサである場合、上述したように、センサユニット6は取り付け部のすぐ裏側に設置することが望ましく、取り付け部のすぐ裏側に設置困難である場合には,取り付け部に隣接するように設置してもよい。また、中央のローラ3を支持する脚部9aに設けてもよい。脚部9aに設けることにより、中央のローラ3の振動をより正確に検出することができる。
【0027】
蛇行検知センサ(蛇行検知スイッチ)の場合は、
図6に示すように、センサ12は、タッチプーリ15と検出部16とを有し、ベルト7が蛇行し、本来の走行位置から外れるとベルト7がタッチプーリ15に接触し、蛇行を検知する。具体的には、ベルト7がタッチプーリ15に接触し、タッチプーリ15が回動した際の軸の回転を検出部が検出することによりベルト7の蛇行を検出する。したがって、センサ12が蛇行センサである場合には、ベルト7に蛇行が生じた際に、タッチプーリ15にベルト7が接触する位置になるようにセンサユニット6を設置するとよい。
【0028】
センサ12としては、水分計、可視カメラ、赤外線カメラ、加速度センサ、異音を検出するマイク等の他のセンサであってもよい。
【0029】
データ送信部11は、センサ12で取得されたデータを送信するためのものである。また、データ受信部4は、ベルトコンベア1から離れた場所に設けられた操作室(管理部)5に設けられている。操作室5は、ベルトコンベア1に設けられた多数のセンサ12からデータ送信部11を介してデータ受信部4に伝送されたデータが集約され解析される。データ送信部11とデータ受信部4との間のデータの伝送は、無線通信により行われるようになっている。
【0030】
発電装置13は、振動発電により発電を行うものであり、例えば圧電素子が用いられる。発電装置13は、圧電素子等の振動発電を行う素子を有する発電部21と、発電した電力を蓄える充電部22とを有する(
図7参照)。発電装置13は、ベルトコンベア1に取り付けられ、ベルトコンベア1の振動で発電する。具体的には、本例では、発電装置13を内蔵したセンサユニット6がベルトコンベア1のローラ3の枠9に取り付けられていることから、発電装置13はローラ3の振動で発電する。
【0031】
次に、このように構成された異常監視装置10の動作について説明する。
原料ヤードに設けられたベルトコンベア1は、鉄鉱石や石炭などの原料を搬送する。ベルトコンベア1には種々のセンサが存在し、原料搬送の際に所定のデータを取得し、そのデータをデータ送信部11から操作室(管理部)5に設けられたデータ受信部4に伝送する。そして、そのデータからベルトコンベア1の設備異常または操業異常を検知する。例えば、センサ12として温度センサや振動センサを設け、ベルトコンベア1のローラの温度や振動を計測して、これらが所定値以上(あるいは、所定値以下や、所定範囲など)となったときに設備異常とされる。また、センサ12として蛇行検知センサ(蛇行検知スイッチ)を設けることによりベルトコンベア1のベルト7の蛇行を検知し、蛇行が検知されたときに設備異常とすることができる。また、センサ12として光電センサ、リミットスイッチ、可視カメラや加速度センサなどを設け、ベルトコンベア1のベルト7の蛇行を計測して、これらが所定値以上となったとき、あるいはベルトのエッジ位置などを測定して、エッジ位置が許容範囲外となったときに設備異常とすることもできる。また、センサ12として水分計を設け、ベルトコンベア上の鉄鉱石などの原料などの水分量などを計測してこれらが所定値以上(あるいは、所定値以下や、所定範囲など)になったときに操業異常とされる。センサと異常の組み合わせの例を表1に示す。
【0032】
【0033】
センサ12による計測やデータ送信には電力が必要であるが、原料ヤードは広大であり、ベルトコンベアのローラなど電源が存在しない部分にセンサを取り付ける場合、従来はバッテリーで駆動するタイプのセンサを取り付けるしかなかった。このため、バッテリーの消耗にともなう交換作業に多大な負荷がかかっていた。
【0034】
これに対し、本実施形態では、センサ12やデータ送信部11とともに、振動発電により発電する発電装置13を設け、例えば、ベルトコンベア1の振動、本例の場合はベルトコンベア1のローラ3の振動により発電し、振動発電により発電した電力を使用して、センサ12の駆動およびデータの送信を行う。より具体的には、発電装置13の発電部21に備えられた圧電素子等の振動発電を行う素子により発電し、その発電した電力を充電部22に蓄える。そして、充電部22に蓄えられた電力を用いて、センサ12の駆動およびデータの送信を行う。
【0035】
このように振動発電による発電装置13を用いることにより、原料ヤードの電源が存在しない部分に設けられたセンサによりデータを取得してデータ送信する場合であっても、従来のようなバッテリーを用いる必要がなく、バッテリーの交換作業が不要である。このため、長期にわたりメンテナンスフリーでセンサを使用することができる。
【0036】
また、データ送信部11と、センサ12と、発電装置13とは、一体となったセンサユニット6として構成されているので、設置が容易である。そして、センサユニット6がベルトコンベア1のローラ3を支持する枠9に設けられていることから、ローラ3の振動が発電装置13に容易に伝わり効率良く発電することができる。さらに、センサユニット6を枠9に設けることから、センサ12が大きくても対応可能であり、また設置位置も選択することができ、センサユニット6の設置の自由度が高い。
【0037】
さらにまた、データ送信部11とデータ受信部4との間のデータの伝送を無線送信で行うことにより、長距離のケーブル配線が不要となる。
【実施例】
【0038】
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、本発明の効果を確認するために、原料ヤードにおいて上記実施形態に係るセンサ装置(センサユニット)の検証実験を行った。原料ヤードに設けられたベルトコンベアにおけるローラの枠部分にセンサとして温度センサを有するセンサユニットを設け、センサユニット内の振動発電装置により発電した電力により、実際に温度を測定し、データ送信部からデータ受信部へ温度測定データを伝送した。
【0039】
温度計は、原料ヤードでの使用を考慮し、防塵・防水性能がIP66であるものを使用した。温度測定可能範囲は-40~85℃までの範囲である。データの伝送は、2.4GHz体を使用した。ただし、5.0GHz帯を使用することも可能である。
【0040】
図8は、その際の、データ送信部からデータ受信部へ伝送した温度データを示す図である。
図8に示すように、ローラの振動によって発電装置で発電された電力により、およそ6時間に1回の間隔で温度測定とデータ送信することができた。このことから、ベルトコンベアの温度(本例ではベルトコンベアのローラ部分の温度)を常に監視することができ、ベルトの火災などベルトコンベアに発生した異常をデータ受信部で検知することができることが確認された。
【0041】
センサとして温度計の代わりに振動計や蛇行検知センサ(蛇行検知スイッチ)を使用した場合にも、ローラの振動によって発電装置で発電された電力により測定データを送信することができ、ベルトコンベアの振動やベルトの蛇行を常に監視できることが確認された。
【0042】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、これらはあくまで例示に過ぎず、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0043】
例えば、上記実施形態では、原料ヤードから原料を搬送するベルトコンベアに異常監視を行うセンサ装置を設けた場合について示したが、これに限るものではない。また、上記実施の形態では、データ送信部、センサ、発電装置を一体的に設けユニット化したセンサユニットを用いた場合を例示したが、これらは別個に設けられていてもよい。また、上記実施形態では、ベルトコンベアのローラの枠にデータ送信装置、センサ、発電装置を設けた例について示したが、これらの設置位置はこれに限らず、ベルトコンベアの他の部分であってもよい。また、上記実施形態では、ベルトコンベア(ベルトコンベアのローラ)の振動を直接振動発電により発電した例を示したが、例えば、ベルトコンベアの回転を振動に変換する等して振動発電してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 ベルトコンベア
2 駆動部
3 ローラ
4 データ受信部
5 操作室(管理部)
6 センサユニット(センサ装置)
7 ベルト
8 回転軸
9 枠
9a 脚部
10 異常監視装置
11 データ送信部
12 センサ
13 発電装置
15 タッチロール(蛇行検知スイッチ)
16 検知部
21 発電部
22 充電部