IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラレノリタケデンタル株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】被加工ユニット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/003 20060101AFI20220906BHJP
   A61C 13/083 20060101ALI20220906BHJP
   A61C 5/77 20170101ALI20220906BHJP
【FI】
A61C13/003
A61C13/083
A61C5/77
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020124678
(22)【出願日】2020-07-21
(62)【分割の表示】P 2017506222の分割
【原出願日】2016-03-18
(65)【公開番号】P2020179225
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】P 2015056570
(32)【優先日】2015-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301069384
【氏名又は名称】クラレノリタケデンタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 承央
(72)【発明者】
【氏名】山田 鉄夫
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/117540(WO,A1)
【文献】特開2013-119485(JP,A)
【文献】特開2007-054651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/003
A61C 13/083
A61C 5/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工体と、
前記被加工体の外周部に沿って連続的に配され、前記外周部の少なくとも一部に全周にわたって直接接するリング形状の保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、前記保持部材が膨張した状態において、前記被加工体を前記保持部材にはめ込み、前記保持部材と前記被加工体とを位置合わせして、前記保持部材を冷却することで、前記保持部材と前記被加工体とが着することなく、前記被加工体に取り付けられた状態であり
前記保持部材は、前記被加工体の厚さ方向の中央に配される、
被加工ユニット。
【請求項2】
前記保持部材の厚さは、前記被加工体の厚さよりも薄い、請求項1に記載の被加工ユニット。
【請求項3】
前記保持部材は、2以上の部品から構成される、請求項1又は2に記載の被加工ユニット。
【請求項4】
前記保持部材の各部品は、それぞれ、凹部又は凸部を有し、
前記各部品は、前記凹部と前記凸部とを嵌合するように配される、請求項3に記載の被加工ユニット。
【請求項5】
前記被加工体はセラミック、金属又は樹脂である、請求項1~4のいずれか一項に記載の被加工ユニット。
【請求項6】
前記被加工体は、ジルコニア結晶粒子が完全に焼結するに至っていない仮焼体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の被加工ユニット。
【請求項7】
前記保持部材はプラスチックである、請求項1~6のいずれか一項に記載の被加工ユニット。
【請求項8】
前記被加工体は、前記被加工体の加工によって形成され、前記被加工体の外縁部に接続された加工物を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の被加工ユニット。
【請求項9】
被加工体を準備する工程と、
リング形状を有する保持部材を準備する工程と、
前記保持部材を加熱して膨張させる工程と、
前記保持部材のリングに前記被加工体をはめ込む工程と、
前記保持部材を冷却して収縮させて、前記被加工体の外周部に前記保持部材を取り付ける工程と、
を含み、
前記保持部材は、前記外周部に沿って連続的に配され、前記外周部の少なくとも一部に直接接し、
前記保持部材は、前記保持部材と前記被加工体とが着することなく、前記被加工体に取り付けられており、
前記保持部材は、前記被加工体の厚さ方向の中央に配される、
被加工ユニットの製造方法。
【請求項10】
前記保持部材を膨張させる工程において、前記保持部材を60℃~150℃に加熱する、請求項9に記載の被加工ユニットの製造方法。
【請求項11】
前記保持部材はエンジニアリングプラスチックを含む、請求項9又は10に記載の被加工ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2015-056570号(2015年 3月19日出願)に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、機械加工処理するための被加工体を有する被加工ユニット、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック、金属などの被加工体を三次元形状に機械加工する場合、被加工ユニットの端部を保持して加工処理が行われる。なお、この被加工体は「ブランク」とも呼ばれる。例えば、歯科業界においては、被加工体である円板(ディスク)形状のジルコニアの外縁領域を加工装置で保持して、補綴物の削り出しが行われる。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の歯科補綴材の製造方法においては、ブランクの外縁に接着剤でリングを取り付け、リングを加工装置のチャックに固定することによって、ブランクを加工装置に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開WO95/30382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
【0006】
特許文献1に記載のような円板形状の被加工体(ブランク)の加工においては、被加工体の外縁部を枠状に残存させながら、目的とする加工物を外縁部に連結させた状態で削り出す。被加工体を無駄なく利用するためには、被加工体は、その外縁の直近まで加工されることになる。すなわち、加工後の被加工体の残存させた外縁部は薄くなり、その強度は弱くなる。特許文献1に記載の歯科補綴材の製造方法においては、保持部材(リング)は、被加工体に接着材を介して取り付けられている。通常、保持部材の熱膨張係数は被加工体の熱膨張係数よりも大きい。このため、保持部材の高温膨張時における応力が接着材を介して被加工体に伝達される。これによって、被加工体における強度が弱くなった部分が破損してしまうことがある。例えば、加工処理後の被加工ユニットは、輸送中の車内などにおいて高温に晒されてしまうことがあり、このとき、被加工体が破損してしまうことがあった。
【0007】
さらに、加工後に被加工体から保持部材を取り外したい場合であっても、接着材が存在すると保持部材を被加工体から取り外すことは困難である。
【0008】
そこで、保持部材を被加工体に接着材を用いずに取り付けることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1視点によれば、被加工ユニットは、被加工体と、被加工体の外周部の少なくとも一部に配され、外周部の少なくとも一部に直接接する保持部材と、を備える。
前記第1視点の変形として、被加工ユニットは、被加工体と、被加工体の外周部に沿って連続的に配され、外周部の少なくとも一部に直接接する保持部材と、を備える。
前記第1視点のさらなる変形として、被加工ユニットは、被加工体と、前記被加工体の外周部に沿って連続的に配され、前記外周部の少なくとも一部に全周にわたって直接接するリング形状の保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記保持部材が膨張した状態において、前記被加工体を前記保持部材にはめ込み、前記保持部材と前記被加工体とを位置合わせして、前記保持部材を冷却することで、前記保持部材と前記被加工体とが着することなく、前記被加工体に取り付けられた状態であり、前記保持部材は、前記被加工体の厚さ方向の中央に配される。
【0010】
本発明の第2視点によれば、被加工ユニットの製造方法は、被加工体を準備する工程と、リング形状を有する保持部材を準備する工程と、保持部材を加熱して膨張させる工程と、保持部材のリングに被加工体をはめ込む工程と、保持部材を冷却して収縮させて、被加工体の外周部に保持部材を取り付ける工程と、を含む。
前記第2視点の変形として、被加工ユニットの製造方法は、被加工体を準備する工程と、リング形状を有する保持部材を準備する工程と、保持部材を加熱して膨張させる工程と、保持部材のリングに被加工体をはめ込む工程と、保持部材を冷却して収縮させて、被加工体の外周部に保持部材を取り付ける工程と、を含み、前記保持部材は、前記外周部に沿って連続的に配される。
前記第2視点のさらなる変形として、被加工ユニットの製造方法は、被加工体を準備する工程と、リング形状を有する保持部材を準備する工程と、前記保持部材を加熱して膨張させる工程と、前記保持部材のリングに前記被加工体をはめ込む工程と、前記保持部材を冷却して収縮させて、前記被加工体の外周部に前記保持部材を取り付ける工程と、を含み、前記保持部材は、前記外周部に沿って連続的に配され、前記外周部の少なくとも一部に直接接し、前記保持部材は、接着材を使用することなく、前記被加工体に取り付けられており、前記保持部材は、前記被加工体の厚さ方向の中央に配される。
【発明の効果】
【0011】
被加工体と保持部材の熱膨張度が異なる条件においても、熱膨張の伸長差に伴う応力が接着材を介して被加工体に伝達することを防止することができる。これによって、被加工体の破損を防止することができる。
【0012】
また、被加工体から保持部材を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第1実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図。
図2図1のII-II線における被加工ユニットの概略断面図。
図3】本開示の第1実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図4】本開示の第1実施形態に係る被加工ユニットの加工後の概略断面図。
図5】本開示の第1実施形態に係る被加工ユニットの加工後の概略部分断面図。
図6】本開示の第2実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図7】本開示の第2実施形態に係る被加工ユニットの概略分解図。
図8】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略平面図。
図9】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略平面図。
図10】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略平面図。
図11】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略平面図。
図12】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略断面図。
図13】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略断面図。
図14】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略断面図。
図15】第1位置決め部及び第2位置決め部の例を示す概略断面図。
図16】本開示の第3実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図17】本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図。
図18図17のXVII-XVII線における被加工ユニットの概略断面図。
図19】本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図20】本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図21】本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図22】本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図23】本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットの概略部分平面図
図24】本開示の第5実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図25】本開示の第5実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図26】本開示の第5実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図27】本開示の第5実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図。
図28】本開示の第6実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図。
図29図28のXXVIII-XXVIII線における被加工ユニットの概略断面図。
図30】区画の平面形状の例を示す被加工体の概略平面図。
図31】区画の平面形状の例を示す被加工体の概略平面図。
図32】区画の平面形状の例を示す被加工体の概略平面図。
図33】区画の平面形状の例を示す被加工体の概略平面図。
図34】本開示の第6実施形態に係る被加工体の別の形態を示す被加工体の概略平面図。
図35】本開示の第6実施形態に係る被加工体の別の形態を示す被加工体の概略側面図。
図36】本開示の第7実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図。
図37】本開示の第7実施形態に係る区画ユニットの概略平面図。
図38図37に示す形態とは別の形態の区画ユニットの概略平面図。
図39】本開示の第8実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図。
図40】本開示の第8実施形態に係るダミー被加工体の概略平面図。
図41】本開示の第8実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明において、図面参照符号は発明の理解のために付記しているものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。各実施形態において、同じ要素には同じ符号を付してある。図面の寸法及び寸法比率は、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0015】
上記各視点の好ましい形態を以下に記載する。
【0016】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材は、外周部に沿って連続的に配される。
【0017】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材は、リング形状を有する。
【0018】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材の厚さは、被加工体の厚さよりも薄い。
【0019】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材は、被加工体の厚さ方向の中央に配される。
【0020】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材は、2以上の部品から構成される。
【0021】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材の各部品は、それぞれ、凹部又は凸部を有する。各部品は、凹部と凸部とを嵌合するように配される。
【0022】
上記第1視点の好ましい形態によれば、被加工体はセラミック、金属又は樹脂である。
【0023】
上記第1視点の好ましい形態によれば、被加工体は、ジルコニア結晶粒子が完全に焼結するに至っていない仮焼体である。
【0024】
上記第1視点の好ましい形態によれば、保持部材はプラスチックである。
【0025】
上記第1視点の好ましい形態によれば、被加工体は、被加工体の加工によって形成され、外縁部に接続された加工物を有する。
【0026】
上記第2視点の好ましい形態によれば、保持部材を膨張させる工程において、保持部材を60℃~120℃に加熱する。
【0027】
上記第2視点の好ましい形態によれば、保持部材はエンジニアリングプラスチックを含む。
【0028】
本開示の第1実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。図1に、被加工ユニットの概略平面図を示す。図2に、図1のII-II線における被加工ユニットの概略断面図を示す。図3に、保持部材部分の概略部分断面図を示す。
【0029】
被加工ユニット10は、被加工体1と、被加工体1の側壁の少なくとも一部に配された保持部材2と、を備える。被加工体1は、例えば、加工装置によって加工されるものである。例えば、歯科分野である場合、被加工体1から歯科用製品が作製される。歯科用製品としては、例えば、セラミックフレーム、フルカントゥアークラウン等の補綴材を挙げることができる。歯科用補綴材は、歯冠形状を有すると好ましい。また、歯科用製品として、例えば、歯列矯正用製品(例えば、歯列矯正用ブラケット)、歯科インプラント用製品(例えば、歯科インプラント用アバットメント)を挙げることができる。保持部材2は、被加工ユニット10を加工装置に保持又は固定することを補助するものである。例えば、被加工ユニットを加工装置に保持又は固定するとき、被加工ユニット10のうち少なくとも保持部材2が加工装置によって保持される。
【0030】
被加工体1は、被加工面となる第1面1a、第1面1aとは反対側の第2面1b、及び第1面1aと第2面1bとの間に配された外周部1cを有する。第1面1aと第2面1bは平行又は略平行であると好ましい。被加工体1は、平板形状を有すると好ましい。図1に示す形態においては、被加工ユニット10及び被加工体1は、円形の平面形状を有しているが、円形に限定されることなく、楕円形、多角形などの平面形状を有してもよい。
【0031】
保持部材2は、被加工体1の側面に相当する外周部1cの少なくとも一部に配される。保持部材2は、接着材を介さずに、被加工体1の外周部1cの少なくとも一部を覆うことができる。保持部材2の内周部2cと被加工体1の外周部1cとは、少なくとも一部が直接接する。保持部材2は、外周部1cに沿って連続的に配されると好ましい。保持部材2は、被加工体1の平面形状に応じた形状を有すると好ましい。保持部材2は、例えば、輪状、環状、管状又はリング状形状を有することができる。保持部材2は、被加工体1の側壁の全周にわたって配されると好ましい。保持部材2と被加工体1との間には、間隙が存在してもよい。
【0032】
保持部材2は、被加工体1の第1面1aと同じ方向に面する第1面2a、被加工体1の第2面1bと同じ方向に面する第2面2b、及び第1面2aと第2面2bの間に配され、被加工体1の外周部1c方向に面する内周部2cを有することができる。保持部材2の第1面2aと被加工体1の第1面1aとは、平行又は略平行であると好ましい。保持部材2の第2面2bと被加工体1の第2面1bとは、平行又は略平行であると好ましい。保持部材2の第1面2aは、被加工体1の第1面1aよりも被加工体1の第2面1b側に存在することができる。同様に、保持部材2の第2面2bは、被加工体1の第2面1bよりも被加工体1の第1面1a側に存在することができる。すなわち、被加工体1の第1面1aと保持部材2の第1面2aとは段差を形成すると好ましい。被加工体1の第2面1bと保持部材2の第2面2bとは段差を形成すると好ましい。保持部材の厚さt2は、被加工体1の全体の厚さt1よりも薄いと好ましい。これにより、被加工ユニット10を加工装置に固定する場合に、位置合わせが容易になる。
【0033】
保持部材2は、被加工体1の厚さ方向において、被加工体1の中央に配されると好ましい。すなわち、保持部材2の厚さ方向の中心が被加工体1の厚さ方向の中心と重複すると好ましい。これにより、被加工ユニット10を加工装置にセットした場合の位置合わせが容易になる。
【0034】
被加工ユニット10は、被加工体1の第1面1a及び第2面1bの延在方向に対して対称であると好ましい。例えば、被加工体1の第1面1aと第2面1bのいずれも加工具(通常上側)に向けて加工装置にセットできると好ましい。
【0035】
保持部材2の厚さt2は、被加工体1の加工に支障がない厚さであればいずれの厚さでもよい。保持部材2の厚さt2、被加工体1の厚さt1よりも薄いと好ましい。被加工ユニット10を加工装置に保持しやすくするためである。保持部材2の厚さt2は、1mm以上であると好ましく、2mm以上であるとより好ましく、4mm以上であるとさらに好ましい。加工装置による保持の強度を保つためである。
【0036】
保持部材2の幅w1は、被加工ユニット10を加工装置に保持し得る幅があればよい。
【0037】
被加工体1の材料は、例えば、セラミック、金属、樹脂等を用いることができる。セラミックの例としては、ジルコニア、アルミナ、結晶化ガラスのうちの少なくとも1つを含む材料を挙げることができる。金属の例としては、チタン、チタン合金等を挙げることができる。樹脂の例としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテルケトン、テフロン(登録商標)等を挙げることが出来る。さらに、これらの樹脂中に無機充填材が充填された複合材料(コンポジットレジン)も樹脂の例として挙げることができる。
【0038】
被加工体1が、例えば、歯科用製品の削り出しに使用される場合、被加工体1は、ジルコニア結晶粒子が完全に焼結するに至らない状態に焼成されたジルコニア仮焼体とすることができる。ジルコニア仮焼体は、ジルコニア及びジルコニアの結晶相の相転移を抑制する安定化剤を含有する。例えば、安定化剤は、焼結体となったとき、焼結体の結晶相が正方晶から単斜晶へ相転移することを抑制する。安定化剤としては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y)、酸化セリウム(CeO)等の酸化物が挙げられる。安定化剤は、正方晶系ジルコニア粒子が部分安定化できるような量を添加すると好ましい。例えば、安定化剤としてイットリアを使用する場合、イットリアの含有率は、ジルコニアとイットリアの合計mol数に対して、2mol%~8mol%であると好ましく、2.5mol%~6.5mol%であるとより好ましい。安定化剤の含有率を高めすぎると、相転移を抑制できても、曲げ強度及び破壊靭性が低下してしまう。一方、安定化剤の含有率が低すぎると、曲げ強度及び破壊靭性の低下を抑制できても、相転移の進行の抑制が不十分となる。なお、安定化剤を添加して部分的に安定化させたジルコニアは、部分安定化ジルコニアと呼ばれている。ジルコニア焼結体中の安定化剤の含有率は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)発光分光分析、蛍光X線分析等によって測定することができる。
【0039】
被加工体1の全体の大きさd1、及び被加工体1の厚さt1は、目的に応じて適宜設定することができる。
【0040】
保持部材2の材料は、加工装置に固定した場合に、固定時の圧力によって大きく変形しないような材料であると好ましい。また、保持部材2の材料は、以下において説明するような方法で被加工体1に取り付け可能となるような材料であると好ましい。保持部材2の材料としては、例えば、エンジニアリングプラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルケトン、テフロン(登録商標)、金属、木材等を利用することができる。さらに、上記樹脂の例には、樹脂中に無機充填材が充填された複合材料(コンポジットレジン)も含むことができる。
【0041】
保持部材2には、情報を付与することができる。例えば、保持部材2の視認可能な位置に、印字、刻印、シール等によって、文字やバーコード等の記号で情報を設けることができる。情報には、例えば、ロット番号、色調(シェード)、収縮率(割り掛け)、上下の区別等が含まれる。
【0042】
第1実施形態に係る被加工ユニットの製造方法について説明する。
【0043】
まず、被加工体1を作製する。安定化剤を含有するジルコニア粒子である部分安定化ジルコニア粉末を準備する。安定化剤の種類及び濃度は適宜選択することができる。ジルコニア結晶粒子の粒径及び粒径分布は、適宜好適なものを選択する。ジルコニア粒子への安定化剤の添加方法としては、加水分解法、中和共沈法、アルコキシド法、固相法等、適宜好適な方法を選択することができる。準備した部分安定化ジルコニア粉末に、必要であれば、添加物を添加して混合する。湿式混合を用いた場合には、組成物を乾燥させる。
【0044】
次に、所定の形状に、組成物を加圧成形する。例えば、組成物を被加工体1の形状に加圧成形する。加圧成形方法は、適宜好適な方法を選択することができる。加圧圧力は、例えば20MPa以上とすることができる。加圧成形後、焼結用組成物に、例えば150MPa以上の圧力で、CIP(Cold Isostatic Pressing;冷間静水等方圧プレス)をさらに施してもよい。加圧成形後に、切削や研削等により、成形体を所望の形状に加工してもよい。
【0045】
次に、成形体を、ジルコニア粒子が焼結しない温度で焼成して仮焼体を成形する。仮焼条件は、例えば、仮焼温度800℃~1200℃で、その保持時間を1時間~12時間とすることができる。仮焼体は、切削や研削等により、所望の形状に加工してもよい。例えば、成形時に被加工体1の形状に成形するのではなく、仮焼体を作製後に、仮焼体を被加工体1の形状に成形(突出部を成形)してもよい。これにより、被加工体1が作製される。
【0046】
次に、保持部材2を準備する。保持部材2の作製方法は特に限定されない。例えば、保持部材2は、射出成形、押し出し成形、切削加工(削り出し成形)等を用いて作製することができる。リング状の保持部材2である場合、例えば、保持部材2を加熱して膨張させる。保持部材2の加熱温度は、保持部材2の材料に応じて適宜設定することができる。例えば、保持部材2がエンジニアリングプラスチックである場合、保持部材2の加熱温度は、60℃以上であると好ましく、80℃以上であるとより好ましい。また、保持部材2の加熱温度は、150℃以下であると好ましく、例えば、120℃以下又は100℃以下とすることができる。次に、保持部材2が膨張した状態において、被加工体1を保持部材2にはめ込む。そして、保持部材2と被加工体1とを位置合わせして、保持部材2を冷却する。保持部材2は冷却されると収縮する。これにより、保持部材2が被加工体1に装着される(いわゆる焼き嵌め方式)。この方法によれば、接着材を使用することなく、保持部材2を被加工体1に取り付けることができる。
【0047】
図4及び図5に、被加工体1を加工後の被加工ユニットの一例を示す被加工ユニットの概略断面図を示す。図4は、保持部材部分における概略部分断面図である。被加工ユニット10を加工装置に装着して被加工体1を切削等の加工により加工物4が形成される。加工物4は、被加工体1の外縁部1eを枠状に残存させながら、外縁部1eに連結させた状態で削り出すことができる。加工物4は、例えば、上記に記載したような歯科用製品である。加工物4の形成によって、被加工体1には、削られた切削部5が形成される。外縁部1eは、加工物4及び切削部5の形成によって外周部1cに沿って形成される。外縁部1eは、加工代であり、加工物4の枠として作用する。加工物4は、接続部4aによって外縁部1eに連結される。後述の第1位置決め部の形態は、加工後に、加工物4の脱落等の悪影響が出ないような形態にすると好ましい。
【0048】
第1実施形態によれば、接着材を用いることなく、保持部材2が被加工体1に取り付けられている。これにより、保持部材2の熱膨張による力が接着材を介して被加工体1に伝わることがないので、加工後に高温に晒された場合であっても、被加工体1と保持部材2の熱膨張係数の差に起因する不具合(例えば、被加工体1や加工物の破損)の発生を抑制することができる。また、加工後に被加工体1から保持部材2を取り外したい場合には、保持部材2を被加工体1から容易に取り外すことができる。
【0049】
さらに、加工装置に保持される保持部を被加工体1自体で形成するのではなく、保持部材2で代用することによって、保持部材2の幅の分だけ被加工体1を作製するための型を小さくできるので、被加工体1の原料の使用量を削減することができる。被加工体1の原価が保持部材2の原価よりも高い場合には、被加工ユニット10及び加工物4の製造コストを低減することができる。
【0050】
本開示の第2実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。図6に、第2実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図を示す。図7に、被加工体及び保持部材の概略分解断面図を示す。
【0051】
第2実施形態に係る被加工ユニット20においては、被加工体21は、外周部1cのうち、保持部材22に対向する部分に、少なくとも1つの第1位置決め部21dを有する。保持部材22は、内周部22cのうち、被加工体21に対向する部分に、少なくとも1つの第2位置決め部22dを有する。第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、被加工体21に対する保持部材22の位置を決めるための部分である。第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、被加工体21に対して保持部材22が位置ずれを起こすことも抑制することができる。
【0052】
第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、相互に対応する位置に配することができる。第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、相互に対応する形状を有することができる。例えば、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、一方の少なくとも一部が他方に嵌合するような位置及び形状を有すると好ましい。図6及び図7に示す形態においては、第1位置決め部21dは凹部として形成されている。第2位置決め部22dは、第1位置決め部21dの凹部に嵌合する凸部として形成されている。第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dの位置は、被加工体21の外周部21cと保持部材22の内周部22cとが対向する部分であればいずれでもよい。
【0053】
凸部は、その先端の少なくとも一部が凹部に挿入可能であると好ましい。凸部は、凹部に挿入したときに、凹部の開口及び/又は内壁と当接する形状及び大きさを有すると好ましい。例えば、凸部の幅(例えば、被加工体21の第1面21aと第2面21bを結ぶ方向(上下方向)の大きさ)は、凹部の幅(上下方向の大きさ)よりも大きいと好ましい。これにより、第1位置決め部21dと第2位置決め部22dとを嵌合又は係合させることによって、被加工体21に対する保持部材22の位置ずれを抑制することができる。
【0054】
図8図11に、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dの例を示す概略平面図を示す。図8図11においては、第1位置決め部21dの平面図を図示してあるが、第2位置決め部22dも第1位置決め部21dの形状に対応する平面形状を有する。第2位置決め部22dの図示及び説明は省略する。第1位置決め部21dは、例えば、図8及び図9に示すように連続的な溝部として形成することができる。第1位置決め部21dは、図8に示すように直線的な溝部であってもよいし、図9に示すようにジグザグ状又はミアンダ状の溝部であってもよい。第1位置決め部21dは、例えば、図10及び図11に示すように少なくとも1つの部分的な若しくは不連続的な点状の凹部(例えば、錘状もしくは柱状)又は断片的な溝部として形成することができる。第1位置決め部21dによる点線は、図10に示すように直線的であってもよいし、図11に示すようにジグザグ状又はミアンダ状であってもよい。図8図11には規則的な形状を有する第1位置決め部21dを示したが、第1位置決め部21dは、不規則的な形状を有してもよい。
【0055】
図6及び図7に示す形態においては、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは1つの三角形状の断面を有しているが、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、その他の断面形状を有することができる。図12図15に、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dの例を示す概略部分断面図を示す。例えば、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、図12に示すように、四角形等の多角形状の断面を有することができる。図13に示すように、第1位置決め部21dは、半円状、半楕円状等の断面形状(半球状)を有することができる。これに対し、第2位置決め部22dは、第1位置決め部21dと同様の半円状、半楕円状等の断面形状(半球状)を有してもよいし、図13に示すように第1位置決め部21dとは異なる形状(図13においては三角形状)を有してもよい。図14に示すように、第2位置決め部22dの一部が、第1位置決め部21dに係合してもよい。図14に示す形態においては、第2位置決め部22dの幅w22は、第1位置決め部21dの幅w21以上となっている。第2位置決め部22dの一部が、第1位置決め部21dに挿入され、第1位置決め部21dと第2位置決め部22dとは第1位置決め部21dの上下端で部分的に接触している。この場合、被加工体21の外周部21cと保持部材22の内周部22cとは接触しなくてもよい。あるいは、図14に示すように、保持部材22は、例えば、その収縮により変形して、内周部22cの上下端で被加工体21の外周部21cと部分的に接触してもよい。また、図15に示すように、1つの断面において、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dは、複数の凹部又は凸部を有することができる。
【0056】
第1位置決め部21d及び/又は第2位置決め部22dの深さ及び/又は高さは、第1位置決め部21dと第2位置決め部22dとが係合し得る深さ及び/又は高さであると好ましい。第1位置決め部21d及び/又は第2位置決め部22dの深さ及び/又は及び高さは、例えば、0.5mm以上とすることができる。
【0057】
被加工ユニット20の製造方法は第1実施形態に係る製造方法と同様とすることができる。
【0058】
第2実施形態における上記以外の形態は第1実施形態と同様とすることができる。第2実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0059】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
第2実施形態によれば、第1位置決め部21dと第2位置決め部22dとを合わせることにより、保持部材22を被加工体21に対して適切な位置に取り付けることができる。また、保持部材22を被加工体21に取り付けた後においても、第1位置決め部21d及び第2位置決め部22dが滑り止めの役割を果たし、保持部材22の被加工体21に対する位置ずれを抑制することができる。
【0061】
本開示の第3実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。図16に、第3実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図を示す。
【0062】
第2実施形態においては、被加工体の第1位置決め部が凹部であり、保持部材の第2位置決め部が凸部であった。第3実施形態に係る被加工ユニット30においては、被加工体21と保持部材22との間において凹部と凸部が逆転している。すなわち、被加工体21の外周面21cに配された第1位置決め部21fは凸部である。保持部材22の内周部22cに配された第2位置決め部22fは、第1位置決め部21fに対応する凹部である。
【0063】
被加工ユニット30の製造方法は第1実施形態に係る製造方法と同様とすることができる。
【0064】
第3実施形態における上記以外の形態は第1及び第2実施形態と同様とすることができる。第3実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0065】
第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
本開示の第4実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。図17に、被加工ユニットの概略平面図を示す。図18に、図17のXVII-XVII線における被加工ユニットの概略断面図を示す。図19に、保持部材部分の概略部分断面図を示す。
【0067】
第4実施形態に係る被加工ユニット40においては、第1実施形態の構成に加えて、被加工体41が突出部41cをさらに有する。保持部材2は、突出部41cの少なくとも一部に配される。
【0068】
被加工体41は、被加工面となる第1面41a及び第1面41aとは反対側の第2面41bを有する。第1面41aと第2面41bは平行又は略平行であると好ましい。被加工体41は、平板形状を有すると好ましい。図17に示す形態においては、被加工ユニット40及び被加工体41は、円形の平面形状を有しているが、円形に限定されることなく、楕円形、多角形などの平面形状を有してもよい。
【0069】
被加工体41は、側壁の少なくとも一部に沿って、すなわち、第1面41a及び第2面41bの外縁又は第1面41a及び第2面41bとの間の外周部41gに、突出部41cを有する。突出部41cは、被加工ユニット40を加工装置に保持するための部分であると好ましい。突出部41cは、加工装置によって加工されない領域にあると好ましい。突出部41cは、被加工体41の外周部41gの全周にわたって連続的に配されると好ましい。すなわち、突出部41cは、リング状又は環状形状を有すると好ましい。突出部41cは、被加工体41の側面から突出するような形態を有することができる。例えば、突出部41cは、被加工体41の第1面41a及び第2面41bの間において、第1面41a及び第2面41bに対して略垂直方向に突出する。また、突出部41cは、被加工体41の外周部41gにあり、被加工体41の端部を他の部分よりも薄くしたような形態を有する。
【0070】
突出部41cは、第1面41aと同じ方向に面する第3面41d、及び第2面41bと同じ方向に面する第4面41eを有することができる。突出部41cは、第3面41dと第4面41eとを結ぶ第5面41fを有することができる。第3面41dと第4面41eは、平行又は略平行であると好ましい。第3面41dと第1面41aは、平行又は略平行であると好ましい。第4面41eと第2面41bは、平行又は略平行であると好ましい。第3面41dと第5面41fは、垂直又は略垂直であると好ましい。第4面41eと第5面41fは、垂直又は略垂直であると好ましい。第1面41a及び第2面41bと第5面41fは、垂直又は略垂直であると好ましい。突出部41cの厚さt12は、被加工体41の全体の厚さt11よりも薄いと好ましい。すなわち、第1面41aと第3面41dとは段差を形成すると好ましい。第2面41bと第4面41eとは段差を形成すると好ましい。これにより、被加工ユニット40を加工装置に固定する場合に、位置合わせが容易になる。なお、第1面41aと第3面41dとは同一面を形成してもよい。また、第2面41bと第4面41eとは同一面を形成してもよい。
【0071】
突出部41cの厚さt12は、1mm以上であると好ましく、2mm以上であるとより好ましく、4mm以上であるとさらに好ましい。加工時に被加工ユニット40を保持するため、及び加工後の被加工体41を補強するためである。
【0072】
突出部41cの幅w11は、2mm以下であると好ましく、1.7mm以下であるとより好ましく、1.5mm以下であるとさらに好ましい。突出部41cの幅w11が大きすぎると、被加工体41のうち無駄となる部分が大きくなってしまうからである。また、突出部41cの幅w11は、0.3mm以上であると好ましく、0.4mm以上であると好ましく、0.6mm以上であるとより好ましく、0.8mm以上であるとさらに好ましい。突出部41cは、加工後、被加工体41を補強する作用を有する。このため、加工後の被加工体41を補強するためには突出部41cに一定の幅が必要となるためである。
【0073】
突出部41cは、被加工体41の厚さ方向において、被加工体41の中央に配されると好ましい。すなわち、突出部41cの厚さ方向の中心が被加工体41の厚さ方向の中心と重複すると好ましい。これにより、被加工ユニット40を加工装置にセットした場合の位置合わせが容易になる。
【0074】
被加工体41の全体の大きさd12は、及び被加工体41の被加工面となる第1面41a及び第2面41bの大きさd13は、目的に応じて適宜設定することができる。
【0075】
保持部材2は、突出部41cの外側の少なくとも一部に配される。保持部材2は、少なくとも突出部41cの突出方向に配されると好ましい。保持部材2は、突出部41cの側面に相当する第5面41fに沿って連続的に配されると好ましい。すなわち、保持部材2は、突出部41cの第5面41fの少なくとも一部を覆うことができる。突出部41cの第5面41fと保持部材2の内周部2cとは対向する。突出部41cの第5面41fと保持部材2の内周部2cとは少なくとも一部が直接接する。保持部材2の第1面2aと被加工体41の第3面41dとは、平行又は略平行であると好ましい。保持部材2の第2面2bと被加工体41の第4面41eとは、平行又は略平行であると好ましい。
【0076】
突出部41cの第3面41dと保持部材2の第1面2aとは同一面を形成することができる。同様に、突出部41cの第4面41eと保持部材2の第2面2bとは同一面を形成することができる。保持部材2と突出部41cとが完全に重複するようにするためである。この場合、保持部材2の厚さt13は、突出部41cの厚さt12と同じとなる。あるいは、保持部材2の第1面2aは、突出部41cの第3面41dよりも被加工体41の第1面41a側に存在することができる。同様に、保持部材2の第2面2bは、突出部41cの第4面41eよりも被加工体41の第2面41b側に存在することができる。被加工ユニット40を加工装置に保持しやすくするためである。この場合、保持部材2の厚さt13は、突出部41cの厚さt12よりも厚くなる。
【0077】
保持部材2の厚さt13は、被加工体41の加工に支障がない厚さであればいずれの厚さでもよい。保持部材2の厚さt13は、被加工体41の厚さt1よりも薄いと好ましく、突出部41cの厚さt12と同等であるとより好ましい。被加工ユニットを加工装置に保持しやすくするためである。保持部材2の厚さt13は、1mm以上であると好ましく、2mm以上であるとより好ましく、4mm以上であるとさらに好ましい。加工装置による保持の強度を保つためである。
【0078】
突出部41c及び保持部材2を合わせた部分をもって加工装置に保持されると好ましい。このため、保持部材2の幅w12は、突出部41cの幅w11と合わせて加工装置に保持し得る幅を有すると好ましい。
【0079】
被加工ユニット40の製造方法は第1実施形態に係る製造方法と同様とすることができる。
【0080】
突出部及び保持部材の形態は、図17図19に示す形態とは別の形態を採ることができる。図20図23に、突出部及び保持部材の別の例を示す。
【0081】
図20に示す被加工ユニット50においては、保持部材52は、突出部41cの第5面41fのみならず、第3面41d及び第4面41eの少なくとも一部を覆うように配される。すなわち、保持部材52は、被加工体41側に突出部41cを収容する溝部を有することができる。保持部材52は、溝部に突出部41cを嵌合するように配することができる。
【0082】
突出部41cの幅w14は、図18に示す幅w11と同様であると好ましい。保持部材52の幅(w14+w15)は、図18に示す幅(w11+w12)と同様であると好ましい。突出部41cの厚さt14は、強度を確保するため、1mm以上であると好ましい。保持部材52の厚さt15は、加工装置に保持するため、被加工体41の厚さ以下であると好ましい。
【0083】
図21に示す被加工ユニット60においては、保持部材62は、突出部41cの第5面41f、並びに第3面41d及び第4面41eのうちの一方の面を覆うように配することができる。図21に示す形態においては、保持部材62は、突出部41cの第3面41d及び第5面41fを被覆するように配される。
【0084】
保持部材62は、被加工体41の第2面41b及び第4面41eと同じ方向に面する第1面62aを有する。保持部材62は、第1面62aが突出部41cの第4面41eと同一面を形成するか、又は突出部41cの第4面41eよりも第2面41b側に存在するように配されると好ましい。被加工ユニット60の加工装置への取り付けを安定化させるためである。保持部材62は、被加工体41の厚さ方向において中央に配されると好ましい。この場合、突出部41cの位置は、被加工体41の厚さ方向の中央からずらすことができる。
【0085】
突出部41cの幅w16は、図18に示す幅w11と同様であると好ましい。保持部材62の幅(w16+w17)は、図18に示す幅(w1+w2)と同様であると好ましい。突出部41cの厚さt16は、強度を確保するため、1mm以上であると好ましい。保持部材62の厚さt17は、加工装置に保持するため、被加工体41の厚さ以下であると好ましい。
【0086】
図22及び図23に示す被加工ユニット70においては、保持部材72は2以上の部品から構成される。図23は、保持部材72の側面側からみた平面図である。図22及び図23に示す形態においては、保持部材72は、突出部41cの第3面41dを覆う第1部72aと、突出部41cの第4面41eを覆う第2部72bと、を有する。突出部41cの第5面41fは、第1部72a及び第2部72bに覆われる。第1部72a及び第2部72bは、突出部41cの第5面41fに面する側に、それぞれ、少なくとも1つの係合部を有する。例えば、第1部72a及び第2部72bは、突出部41cの第5面41f面側において、凹部と凸部が嵌合するように配されている。図23に示す形態においては、第1部72aと第2部72bとの境界線はミアンダ状になっている。
【0087】
第1部72a及び第2部72bは、凹部及び凸部が形成された領域が同じ形状を有すると好ましい。第1部72a及び第2部72bは、全体として同じ形状を有するとより好ましい。第1部72a及び第2部72bは、同じ部品であるとより好ましい。この場合、保持部材72の製造及び管理を簡易にすることができる。
【0088】
図22及び図23に示す形態によれば、保持部材72の各部に係合部を設けることにより、各部の位置ずれを防止することができる。保持部材72を複数の部品にすることにより、保持部材72の被加工体41への取り付けを容易にすることができる。
【0089】
図22に示す形態においては、突出部が存在する形態を示したが、突出部が存在しない形態においても保持部材を2以上の部品から構成することができる。
【0090】
第4実施形態における上記以外の形態は第1実施形態と同様とすることができる。第4実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0091】
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
被加工体41の加工後の形態は、図4及び図5と同様であるが、加工後の被加工体41は外縁部1eに突出部41cをさらに有することになる。加工物4は、外縁部1e及び突出部41cのうちの少なくとも一方に連結される。加工後、図4及び図5に示すように、被加工体41の外縁部の幅が薄くなり、外縁部のみでは十分な強度が得られない場合であっても、本開示の被加工ユニット40によれば、突出部41cをもって被加工体41の外縁部を補強することができる。すなわち、突出部41cによって被加工体41の外縁部の厚さを部分的に確保することができる。これにより、加工後に被加工体41に衝撃が加わった場合でも被加工体41の破損を抑制することができる。また、突出部41cを設けることによって、加工装置への被加工ユニット40の取り付けにおける位置ずれの許容範囲を大きくすることができる。
【0093】
本開示の第5実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。第5実施形態においては、第2及び第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせている。図24図27に、第5実施形態に係る被加工ユニットの概略部分断面図を示す。図24図27は、それぞれ、第5実施形態の一例を示す。
【0094】
図24に示す被加工ユニット80においては、第4実施形態に係る図19に示す形態に、第2及び第3実施形態に示す第1位置決め部及び第2位置決め部を適用している。被加工体41の第1位置決め部41hは、突出部41cの第5面41fに配することができる。保持部材22の第2位置決め部22dは、第1位置決め部41hに対応する位置に配することができる。第1位置決め部41h及び第2位置決め部22dの形態は第2及び第3実施形態と同様とすることができる。
【0095】
図25に示す被加工ユニット90においては、第4実施形態に係る図20に示す形態に、第2及び第3実施形態に示す第1位置決め部及び第2位置決め部を適用している。被加工体41の第1位置決め部41hは、突出部41cの第5面41fに配することができる。保持部材52の第2位置決め部52aは、第1位置決め部41hに対応する位置に配することができる。第1位置決め部41h及び第2位置決め部52aの形態は第2及び第3実施形態と同様とすることができる。
【0096】
図26に示す被加工ユニット100においては、第4実施形態に係る図21に示す形態に、第2及び第3実施形態に示す第1位置決め部及び第2位置決め部を適用している。被加工体41の第1位置決め部41hは、突出部41cの第5面41fに配することができる。保持部材62の第2位置決め部62bは、第1位置決め部41hに対応する位置に配することができる。第1位置決め部41h及び第2位置決め部62bの形態は第2及び第3実施形態と同様とすることができる。
【0097】
図27に示す被加工ユニット110においては、第4実施形態に係る図22に示す形態に、第2及び第3実施形態に示す第1位置決め部及び第2位置決め部を適用している。被加工体41の第1位置決め部41hは、突出部41cの第5面41fに配することができる。保持部材72の第2位置決め部72cは、第1位置決め部41hに対応する位置に配することができる。第1位置決め部41h及び第2位置決め部72cの形態は第2及び第3実施形態と同様とすることができる。
【0098】
第5実施形態における各形態においては、被加工体の第1位置決め部が凹部であり、保持部材の第2位置決め部が凸部である形態を示した。第5実施形態における各形態においても、第3実施形態と同様にして、被加工体と保持部材との間において凹部と凸部を逆転することができる。すなわち、被加工体の突出部に配された第1位置決め部が凸部を有し、保持部材の内周部に配された第2位置決め部が凹部を有することができる(図示は省略する)。
【0099】
第5実施形態における各形態においては、被加工体の第1位置決め部が突出部の第5面にある形態を示したが、第1位置決め部は突出面の第3面及び第4面のうちの少なくとも1つに配することもできる。第2位置決め部は第1位置決め部と対応する位置に配することができる。
【0100】
第5実施形態に係る被加工ユニットの製造方法は第1実施形態に係る製造方法と同様とすることができる。
【0101】
第5実施形態における上記以外の形態は第1~第4実施形態と同様とすることができる。第5実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0102】
第5実施形態によれば、第1~第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0103】
本開示の第6実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。第6実施形態においては、被加工体は複数の構成要素を有する。図28に、第6実施形態に係る被加工ユニットの概略平面図を示す。図29に、図28のXXVIII-XXVIII線における被加工ユニットの概略断面図を示す。
【0104】
被加工ユニット140において、被加工体141は、複数の区画142に物理的に分割されている。1つの被加工体141は、複数の区画142を組み合わせて構成される。複数の区画142のうち、少なくとも2つの区画142は、それぞれ異なる組成を有することができる。例えば、各区画142は、それぞれ異なる着色材を含有することができる。複数の区画142のうち、少なくとも2つの区画142は同じ組成を有することができ、すべての区画142が同じ組成を有してもよい。各区画142の主材料は同じでもよいし、異なっていてもよい。1つの区画142は、加工装置に保持又は固定可能な大きさよりも小さいと好ましい。
【0105】
複数の区画142のうち、少なくとも1つは、加工装置によって加工される部分とすることができる。複数の区画142のうち、少なくとも1つは、加工装置によって加工されない部分とすることができる。複数の区画142のうち、少なくとも1つは、被加工体141の大きさを補てんし、被加工体141を加工装置に保持可能な大きさにするためのダミー被加工体とすることができる。
【0106】
被加工体141は、被加工体141の第1面141a及び第2面141bを分割するように、各区画142によって分割されると好ましい。1つの被加工体141に対する区画142の数は、適宜設定することができる。1つの区画142の大きさは、各組成等の需要等に応じて適宜調整することができる。複数の区画142は、それぞれ異なる大きさにしてもよいし、同じ大きさにしてもよい。
【0107】
少なくとも1つの区画142は、被加工体141の突出部141cの少なくとも一部を有することができる。突出部141cの形態は上記実施形態と同様とすることができる。複数の区画142を組み合わせることによって突出部141cを連続させることができる。
【0108】
各区画142の形状は、どのような形状であってもよい。複数の区画142は、それぞれ異なる形状を有してもよいし、同じ形状を有してもよい。被加工体141の平面形状が円形である場合、区画142は円形の中心を通るように被加工体141を分割すると好ましい。例えば、区画142は、扇形の平面形状を有することができる。区画142が扇形を有する場合、扇形の半径は同じであると好ましい。これにより、各円弧が連続するように複数の区画142を放射状に組み合わせて、円形又は楕円形状を有する被加工体141を構成することができる。複数の区画142の中心角の合計は360°であると好ましい。各扇形の中心角の大きさはいずれであってもよく、例えば、45°、60°、90°、120°、180°(すなわち、半円、半楕円等)、240°、270°、300°、315°等とすることができる。
【0109】
複数の区画142は、それぞれ同じ厚さを有すると好ましい。これにより、第1面141a及び第2面141bの両方を平面に形成することができる。また、被加工ユニット140を加工装置に固定するときの厚さ方向の位置合わせが容易になる。
【0110】
図28及び図29に示す形態においては、被加工体141は、第1区画142a、第2区画142b、及び第3区画142cを有する。第1区画142a、第2区画142b、及び第3区画142cは、同一形状を有する。第1区画142a、第2区画142b、及び第3区画142cは、同じ大きさを有する。第1区画142a、第2区画142b、及び第3区画142cは、両面が扇形の平面形状を有する。扇形の中心角は120°である。第1区画142a、第2区画142b、及び第3区画142cは放射状に配され、円形の被加工体141を構成する。第1区画142a、第2区画142b、及び第3区画142cの両面はそれぞれ同一面上に配され、第1面141a及び第2面141bは平面に構成されている。
【0111】
図30図33に、区画の平面形状の例を示す被加工体の概略平面図を示す。図30図33は、1つの被加工体を構成する区画を分離させた状態を示す。図30に示す形態においては、区画142a,142b,142cは、中心角120°の扇形の平面形状を有する。図31に示す形態においては、区画142a,142bは、半円形の平面形状を有する。図32に示す形態においては、区画142aは半円形の平面形状を有し、区画142b,142cは中心角90°の扇形の平面形状を有する。図30図32に示す形態において、各区画の半径はいずれも同じ大きさとなっている。図33に示す形態においては、区画142a~fは扇形の平面形状を有していないが、組み合わせて円形をなすように構成されている。
【0112】
図34に、被加工体の別の形態を示す被加工体の概略平面図を示す。隣接する区画142において、区画142同士は直接接していてもよい。あるいは、図34に示すように、被加工体141は、隣接する区画142間の少なくとも一部に、緩衝材143をさらに有してもよい。緩衝材143は、区画142の端面の凹凸を吸収できるような材料であると好ましい。緩衝材143は、区画142同士を接合する接着材であってもよい。緩衝材143には、例えば、樹脂シートを用いることもできる。図34に示す形態においては、区画142間に全体的に配された緩衝材143を示したが、緩衝材143は、区画142間に部分的に配してもよい。緩衝材143を用いることにより、区画142の端面の凹凸による組み合わせの不整合を抑制することができる。また、接着材を緩衝材143として用いることにより、区画142同士の接合強度を高めることができる。
【0113】
図35に、被加工体の別の形態を示す被加工体の概略側面図を示す。区画142は、隣接する区画142に対向する端面に、隣接する区画142と係合する係合部を有することができる。係合部は、図35に示すように、例えば、区画142aの端面に形成された凹部142g、及び区画142bの端面に形成され、凹部142gと嵌合する凸部142hとすることができる。被加工体141は、係合部に加えて、図34に示すような緩衝材143をさらに有してもよい。係合部を設けることにより、区画142同士の接合強度を高めることができる。
【0114】
区画142を加工されない区画(ダミー被加工体)とする場合には、加工されない区画142の材料としては、上記材料の他に、加工装置に被加工ユニット140を保持可能とすると共に、加工する区画142を加工可能とする強度を有する材料であれば使用することができる。
【0115】
第6実施形態における上記以外の形態は第1~第5実施形態と同様とすることができる。第6実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0116】
第6実施形態によれば、第1~第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0117】
第6実施形態によれば、被加工体は、異なる組成を有する複数の区画を備えることができる。各区画は、需要に応じて、その大きさ及び形状を調整することができる。これにより、被加工体の利用効率を高め、無駄となる被加工体を削減することができる。また、区画単位で被加工体を製造販売することも可能となる。さらに、加工装置による1回の加工で、異なる組成の加工物を作製することができる。
【0118】
本開示の第7実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。図36に、第7実施形態における被加工ユニットの概略平面図を示す。図37に、第7実施形態における区画ユニットの概略平面図を示す。第6実施形態においては、区画に対して1つの保持部材が適用されている。第7実施形態においては、区画毎に保持部材の一部が配されている。
【0119】
第7実施形態に係る被加工ユニット150は、複数の区画ユニット151を備える。各区画ユニット151は、区画142と、区画142の側面の少なくとも一部に配された被覆部材152と、を有する。区画142は、第6実施形態の区画と同様とすることができる。1つの区画ユニット151の大きさは、加工装置に保持可能な大きさよりも小さくすることができる。
【0120】
図37に示す形態においては、被覆部材152は、区画142の外周部(側面)を取り囲んでいる。被覆部材152は、1つの区画を取り囲んでいること以外は、第1~第6実施形態における保持部材と同様とすることができる。被覆部材152は、複数の区画ユニット151を組み合わせて被加工ユニット150を構成したときに、加工装置によって保持される保持部材を形成する。1つの被覆部材152の一部が保持部材の一部を構成する。複数の区画ユニット151を組み合わせることによって、被覆部材152の一部が連続して区画142の組み合わせを取り囲む保持部材が形成される。例えば、区画142が扇形である場合、被覆部材152のうち区画142の円弧部分に配された部分が保持部材を構成する。被覆部材152のうち保持部材を構成しない部分は、隣接する区画との接合をスムーズにする緩衝部として作用することができる。
【0121】
区画ユニット151同士は接着材(不図示)で接合することができる。あるいは、被覆部材152同士が対向する部分に被覆部材152同士を係合させる係合部を設けてもよい。
【0122】
図38に、図37に示す形態とは別の形態の区画ユニットの概略平面図を示す。図37に示す形態においては、被覆部材は区画の全周にわたって配されている。図38に示す形態に係る区画ユニット153においては、被覆部材154は、区画142の側面の一部のみに配されている。区画ユニット153は、図36に示す組み合わせと同様に組み合わせることによって、図28に示すような被加工ユニットを構成することができる。被覆部材154は、区画ユニットを組み合わせたときに、保持部材として作用する部分に配されている。図38に示す形態においては、被覆部材154は、区画142の円弧部分に沿って配されている。区画142の側面のうち、区画ユニット153の組み合わせ時に、隣接する区画142と対向する部分には被覆部材154は設けられていない。図38に示す区画ユニット153は、被覆部材154の配置箇所が異なる以外は、図37に示す区画ユニットの形態と同様である。
【0123】
区画ユニット153同士は接着材(不図示)で接合することができる。あるいは、区画142同士が対向する部分に区画142同士を係合させる係合部を設けてもよい。
【0124】
第7実施形態における上記以外の形態は第1~第6実施形態と同様とすることができる。第7実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0125】
第7実施形態によれば、第1~第6実施形態と同様の効果を得ることができる。区画ユニット毎に製造又は販売することができるので、使用者は、需要に応じた区画ユニットを製造又は購入して、被加工ユニットにおける組成の組み合わせを任意に設定することができる。
【0126】
本開示の第8実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。図39に、第8実施形態における被加工ユニットの概略平面図を示す。図40に、第8実施形態におけるダミー被加工体の概略平面図を示す。第7実施形態においては、複数の区画ユニットを組み合わせて被加工ユニットを構成した。第8実施形態においては、1つの区画ユニットを用いて被加工ユニット160を構成している。
【0127】
被加工ユニット160は、区画ユニット151と、ダミー被加工体161と、を備える。区画ユニット151は、第7実施形態に係る区画ユニット151と同様である。ダミー被加工体161は、区画ユニット151の大きさを補てんして区画ユニット151を加工装置に保持可能にするものである。ダミー被加工体161は、加工装置に保持するための保持部161aを有することができる。保持部161aは、保持部材と同様の機能を有する。保持部161aは、ダミー被加工体161の一部として一体的に形成してもよいし、別部材で構成してもよい。図39及び図40に示す形態においては、ダミー被加工体161は、区画ユニット151を3つ組み合わせたような平面形状を有する。図39及び図40に示す形態においては、ダミー被加工体161は、区画ユニット151と組み合わせて円形状をなすような平面形状を有する。
【0128】
ダミー被加工体161の形状及び大きさは、区画ユニット151の形状及び大きさに合わせて設計することができる。ダミー被加工体161は、加工装置に保持可能な厚さを有する。ダミー被加工体161の材料は、加工装置に保持して、区画の加工が可能となるものであればいずれの材料であってもよい。ダミー被加工体161の材料としては、例えば、保持部材と同じ材料を用いることができる。
【0129】
ダミー被加工体161と区画ユニット151とは、例えば、接着材(不図示)で接合することができる。あるいは、ダミー被加工体161と区画ユニット151とが対向する部分に、ダミー被加工体161と区画ユニット151とを係合させる係合部を設けてもよい。
【0130】
ダミー被加工体161は、繰り返し使用可能であると好ましい。区画ユニット151は、ダミー被加工体161から着脱可能であると好ましい。
【0131】
図41に、図39に示す形態とは別の形態の被加工ユニットの概略平面図を示す。被加工ユニット163は、区画(被加工体)144と、区画144を保持するダミー被加工体164と、区画144とダミー被加工体164とを接合する接着材145と、を備える。ダミー被加工体164は、区画144の大きさにくり抜かれた開口を有する環状又は管状構造を有する。ダミー被加工体164は、加工装置に保持するための保持部164aを有することができる。図41に示す形態においては、区画144は、ダミー被加工体164の開口に同心円状に嵌め込まれ、接着材145によって接合されている。区画144の大きさ(例えば半径)は、加工装置に保持可能な大きさ(例えば半径)の80%以下、60%以下、50%以下、又は40%以下とすることができる。
【0132】
ダミー被加工体164は、加工装置による加工時に変形しないような強度を有すると好ましい。
【0133】
第8実施形態における上記以外の形態は、第1~第7実施形態と同様とすることができる。第8実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0134】
第8実施形態によれば、第1~第7実施形態と同様の効果を得ることができる。被加工体を加工装置に保持可能な大きさまで大きくする必要はない。これにより、需要の少ない組成であっても、他の組成の被加工体を要することなく、加工することができる。
【0135】
本開示の第9実施形態に係る被加工ユニットについて説明する。第6実施形態においては、区画同士が物理的に分離されている。第9実施形態においては、被加工体における少なくとも2つの区画は、物理的に分離されておらず、一体的に形成することができる。第9実施形態における被加工ユニットの概略平面図及び概略断面図は、図28及び図29と同様とすることができる。
【0136】
隣接する区画142は、結合されていると好ましい。このため、隣接する区画142の材料は、焼成によって結合可能な材料であると好ましく、主材料が同じであるとより好ましい。例えば、隣接する区画142は、着色剤等の添加材の種類及び/又は含有率が異なるジルコニアとすることができる。
【0137】
第9実施形態に係る被加工ユニットの製造方法は、複数の区画を一体的に成形する以外は、上記実施形態において説明した製造方法と同様である。被加工体の成形については、まず、型に取り外し可能な仕切りを設け、所望の形状の区画の型を形成する。仕切りは区画の境界に位置することになる。次に、各区画の領域に組成物を供給した後、仕切りを取り外す。次に、組成物を加圧成形して、複数の組成が一体となった成形体を形成することができる。成形体の焼結以後の方法については、上記実施形態と同様である。
【0138】
第9実施形態における上記以外の形態は、第1~第8実施形態と同様とすることができる。第9実施形態は、可能な範囲で上記実施形態の少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0139】
第9実施形態によれば、第1~第8実施形態と同様の効果を得ることができる。また、保持部材や接着材等、複数の区画を保持する部材が不要となる。
【0140】
上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の被加工ユニット及びその製造方法は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0141】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0142】
本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0143】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の記載には限定されない。
【0144】
[付記1]
突出部を有する被加工体と、
前記突出部の外側の少なくとも一部に配された保持部材と、を備える、被加工ユニット。
[付記2]
前記被加工体は板状形状を有し、
前記突出部は、前記被加工体の側面から突出し、
前記保持部材は、少なくとも前記突出部の突出方向に配される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記3]
前記被加工体は、第1面、前記第1面とは反対側に配された第2面、及び前記第1面と前記第2面との間の外周部を有し、
前記突出部は、前記外周部に配されている、付記に記載の被加工ユニット。
[付記4]
前記突出部は前記被加工体の前記外周部に沿って連続的に配され、
前記保持部材はリング形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記5]
前記突出部は、前記第1面と同じ方向に面する第3面と、前記第2面と同じ方向に面する第4面と、前記第3面と前記第4面とを結ぶ第5面と、を有し、
前記保持部材は、前記第5面の少なくとも一部を覆う、付記に記載の被加工ユニット。
[付記6]
前記保持部材は、前記突出部の前記第3面と同じ方向に面する第1面と、前記突出部の前記第4面と同じ方向に面する第2面と、を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記7]
前記保持部材の前記第1面は、前記突出部の前記第3面と同一面を形成するか、又は前記突出部の前記第3面よりも前記被加工体の前記第1面側に存在する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記8]
前記保持部材の前記第2面は、前記突出部の前記第4面と同一面を形成するか、又は前記突出部の前記第4面よりも前記被加工体の前記第2面側に存在する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記9]
前記保持部材は、前記突出部の前記第3面及び前記第4面の少なくとも一部をさらに覆う、付記に記載の被加工ユニット。
[付記10]
前記被加工体は、前記突出部のうち前記保持部材と対向する部分に、少なくとも1つの第1位置決め部を有し、
前記保持部材は、前記第1位置決め部の少なくとも一部と係合する第2位置決め部を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記11]
被加工体と、
前記被加工体の外周部の少なくとも一部に配された保持部材と、を備え、
前記被加工体は、前記保持部材と対向する部分に、少なくとも1つの第1位置決め部を有し、
前記保持部材は、前記第1位置決め部の少なくとも一部と係合する第2位置決め部を有する、被加工ユニット。
[付記12]
前記第1位置決め部は、凹部又は凸部形状を有し、
前記第2位置決め部は、前記第1位置決め部と嵌合又は係合する形状を有し、
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部のうち、一方の少なくとも一部が他方の少なくとも一部と嵌合又は係合する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記13]
前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部のうち、一方が凹部形状を有し、他方が凸部形状を有し、
前記凸部形状の幅は、前記凹部形状の幅以上であり、
前記凸部形状の一部が前記凹部形状に挿入されている、付記に記載の被加工ユニット。
[付記14]
前記第1位置決め部は、前記被加工体の全周にわたって配される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記15]
前記第1位置決め部又は前記第2位置決め部は、溝形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記16]
前記第1位置決め部又は前記第2位置決め部は、錐状又は柱状形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記17]
前記被加工体は、前記外周部から突出する突出部を有し、
前記第1位置決め部は前記突出部に配され、
前記保持部材は、少なくとも前記突出部の突出方向に配される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記18]
前記突出部は前記被加工体の前記外周部に沿って連続的に配され、
前記保持部材はリング形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記19]
前記被加工体は、第1面、前記第1面とは反対側に配された第2面を有し、
前記外周部は、前記第1面と前記第2面との間に配され、
前記突出部は、前記第1面と同じ方向に面する第3面と、前記第2面と同じ方向に面する第4面と、前記第3面と前記第4面とを結ぶ第5面と、を有し、
前記保持部材は、前記第5面の少なくとも一部を覆う、付記に記載の被加工ユニット。
[付記20]
前記保持部材は、前記突出部の前記第3面と同じ方向に面する第1面と、前記突出部の前記第4面と同じ方向に面する第2面と、を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記21]
前記保持部材の前記第1面は、前記突出部の前記第3面と同一面を形成するか、又は前記突出部の前記第3面よりも前記被加工体の前記第1面側に存在する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記22]
前記保持部材の前記第2面は、前記突出部の前記第4面と同一面を形成するか、又は前記突出部の前記第4面よりも前記被加工体の前記第2面側に存在する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記23]
前記保持部材は、前記突出部の前記第3面及び前記第4面の少なくとも一部をさらに覆う、付記に記載の被加工ユニット。
[付記24]
前記保持部材は、2以上の部品から構成される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記25]
前記保持部材の各部品は、それぞれ、凹部又は凸部を有し、
前記各部品は、前記凹部と前記凸部とを嵌合するように配される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記26]
前記被加工体はセラミック、金属又は樹脂である、付記に記載の被加工ユニット。
[付記27]
前記被加工体は、ジルコニア結晶粒子が完全に焼結するに至っていない仮焼体である、付記に記載の被加工ユニット。
[付記28]
前記突出部は前記仮焼体の一部である、付記に記載の被加工ユニット。
[付記29]
前記保持部材は前記被加工体に接着材をもって接合される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記30]
前記保持部材と前記被加工体は直接接している、付記に記載の被加工ユニット。
[付記31]
前記保持部材はプラスチックである、付記に記載の被加工ユニット。
[付記32]
前記突出部の厚さと前記保持部材の厚さは略同じである、付記に記載の被加工ユニット。
[付記33]
前記突出部の突出方向の幅は、0.3mm~2mmである、付記に記載の被加工ユニット。
[付記34]
前記突出部は、前記被加工体の厚さ方向の中央に配される、付記に記載の被加工ユニット。
[付記35]
前記被加工体は、前記被加工体の加工によって形成され、前記被加工体の前記突出部又は外縁部に接続された加工物を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記36]
複数の区画を有する被加工体を備え、
前記区画は、前記被加工体の被加工面を区分けする、被加工ユニット。
[付記37]
複数の前記区画は一体的に形成されている、付記に記載の被加工ユニット。
[付記38]
複数の前記区画はそれぞれ異なる組成を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記39]
前記被加工体の少なくとも外周部を取り囲む保持部材をさらに備える、付記に記載の被加工ユニット。
[付記40]
前記被加工体は、前記区画毎に分割されている、付記に記載の被加工ユニット。
[付記41]
複数の前記区画のうち、少なくとも2つの区画は、異なる組成を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記42]
前記区画は、隣接する区画と係合する形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記43]
隣接する区画間に配された緩衝材をさらに備える、付記に記載の被加工ユニット。
[付記44]
前記緩衝材は樹脂を含有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記45]
前記被加工体の少なくとも外周部を取り囲む保持部材をさらに備える、付記に記載の被加工ユニット。
[付記46]
前記保持部材は、複数の前記区画の組み合わせを維持する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記47]
前記保持部材は、複数の部分から構成され、
前記保持部材の前記部分は、それぞれ、前記被加工体の各区画に配されている、付記に記載の被加工ユニット。
[付記48]
前記区画の外周部を取り囲む被覆部材をさらに備える、付記に記載の被加工ユニット。
[付記49]
前記保持部材の前記部分は、前記被覆部材の少なくとも一部である、付記に記載の被加工ユニット。
[付記50]
前記被覆部材は、隣接する区画を取り囲む被覆部材と係合する形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記51]
前記区画の平面形状は扇形を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記52]
複数の前記区画は組み合わされ、円形の平面形状を有する前記被加工体を構成する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記53]
複数の前記区画は、それぞれ同じ形状を有する、付記に記載の被加工ユニット。
[付記54]
複数の前記区画のうち、1つの区画は、加工装置によって加工されない部分である、付記に記載の被加工ユニット。
[付記55]
1つの前記区画は、加工装置に固定可能な大きさよりも小さい、付記に記載の被加工ユニット。
[付記56]
外周部に第1位置決め部を有する被加工体を準備する工程と、
第2位置決め部を有する保持部材を準備する工程と、
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とを対応させるように、前記被加工体の前記外周部に前記保持部材を取り付ける工程と、を含む、被加工ユニットの製造方法。
[付記57]
被加工体の構成要素となる複数の区画を準備する工程と、
複数の前記区画を組み合わせて、第1面、前記第1面とは反対側に配された第2面、及び前記第1面と前記第2面との間の外周部を有する前記被加工体を形成する工程と、
リング形状を有する保持部材を準備する工程と、
前記保持部材を加熱して膨張させる工程と、
前記保持部材のリングに前記被加工体をはめ込む工程と、
前記保持部材を冷却して収縮させて、前記被加工体の前記外周部に前記保持部材を取り付ける工程と、
を含む、被加工ユニットの製造方法。
[付記58]
前記第1位置決め部は、凹部又は凸部であり、
前記保持部材を取り付ける工程において、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とを嵌合させる、付記に記載の被加工ユニットの製造方法。
[付記59]
前記保持部材を取り付ける工程は、
リング形状を有する前記保持部材を加熱して膨張させる工程と、
前記保持部材のリングに前記被加工体をはめ込む工程と、
前記保持部材を冷却して収縮させる工程と、
を含む、付記に記載の被加工ユニットの製造方法。
[付記60]
前記被加工体は、前記外周部から突出する突出部を有し、
前記第1位置決め部は前記突出部に配される、付記に記載の被加工ユニットの製造方法。
[付記61]
前記保持体を膨張させる工程において、前記保持体を60℃~150℃に加熱する、付記に記載の被加工ユニットの製造方法。
[付記62]
前記保持部材はエンジニアリングプラスチックを含む、付記に記載の被加工ユニットの製造方法。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本開示は、例えば、歯科用補綴材の作製に適用することができる。
【符号の説明】
【0146】
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,140,150,160,163 被加工ユニット
1,21,41,141 被加工体
1a,21a,41a,141a 第1面
1b,21b,41b,141b 第2面
1c,21c,41g 外周部
1d,21d,21f,41h 第1位置決め部
1e 外縁部
2,22,52,62,72 保持部材
2a,22a,62a 第1面
2b,22b 第2面
2c,22c 内周部
2d,22d,22f,52a,62b,72c 第2位置決め部
4 加工物
4a 接続部
5 切削部
41c,141c 突出部
41d 第3面
41e 第4面
41f 第5面
72a 第1部
72b 第2部
142,144 区画
142a~142f 第1~第6区画
142g 凹部
142h 凸部
143 緩衝材
145 接着材
151,153 区画ユニット
152,154 被覆部材
161,164 ダミー被加工体
161a,164a 保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41