IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOTO株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図1
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図2
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図3
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図4
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図5
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図6
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図7
  • 特許-便座装置遠隔操作プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-07
(45)【発行日】2022-09-15
(54)【発明の名称】便座装置遠隔操作プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20220908BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220908BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H04Q9/00 331A
H04M1/00 U
E03D9/08 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018178994
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020053758
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】原 知弘
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-023914(JP,A)
【文献】特開2000-144847(JP,A)
【文献】特開2014-190055(JP,A)
【文献】特開2002-294835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 1/00
E03D 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座装置と無線通信を行う無線通信部と、操作画面を表示するための表示部と、操作指示を入力するための操作部と、前記操作部から入力された操作指示に応じて前記無線通信部及び前記表示部を制御する制御部と、を備えた携帯情報端末にインストール可能に構成され、使用者の局部を洗浄するための洗浄水を吐水する局部洗浄ノズルを有するとともに前記洗浄水の前後又は/及び左右の位置を調整可能な前記便座装置を前記携帯情報端末によって遠隔操作するための便座装置遠隔操作プログラムであって、
前記洗浄水の位置を調整するための位置調整画面を前記表示部に表示する表示工程と、
前記操作部の操作により、前記洗浄水の位置を表す複数の座標情報を入力可能とし、入力された前記複数の座標情報の軌跡を前記位置調整画面に表示するとともに、前記無線通信部を介して前記複数の座標情報を前記便座装置に送信することにより、前記位置調整画面に表示された複数の前記座標情報の軌跡に連動させて前記洗浄水の位置を連続的に移動させる位置調整工程と、
前記複数の座標情報を記憶し、記憶した前記複数の座標情報を前記無線通信部から前記便座装置に再送信する再送信工程と、
を、前記携帯情報端末に実行させることを特徴とする便座装置遠隔操作プログラム。
【請求項2】
前記操作部の操作に応じて前記局部洗浄ノズルからの前記洗浄水の吐水を停止させる停止信号を前記無線通信部から前記便座装置に複数回送信する停止工程を、さらに前記携帯情報端末に実行させ、
前記位置調整工程における1つの前記座標情報の送信回数は、前記停止工程における前記停止信号の送信回数よりも少ないことを特徴とする請求項1記載の便座装置遠隔操作プログラム。
【請求項3】
前記操作部の操作に応じて前記局部洗浄ノズルからの前記洗浄水の吐水を停止させる停止信号を前記無線通信部から前記便座装置に複数回送信する停止工程を、さらに前記携帯情報端末に実行させ、
前記位置調整工程における前記複数の座標情報の送信間隔は、前記停止工程における複数回の前記停止信号の送信間隔よりも短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の便座装置遠隔操作プログラム。
【請求項4】
前記再送信工程は、前記複数の座標情報を前記便座装置に再送信するか否かを選択させるための選択画面を前記表示部に表示することを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の便座装置遠隔操作プログラム。
【請求項5】
前記再送信工程は、前記複数の座標情報の軌跡の終点と始点とが一致していない場合に、前記終点と前記始点との間を補間する補間処理を行い、前記補間処理によって取得した補間座標情報を、前記終点と前記始点との間において前記無線通信部から前記便座装置に送信することを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の便座装置遠隔操作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、便座装置遠隔操作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯情報端末を使って便座装置を遠隔操作する技術が知られている(例えば、特許文献1)。携帯情報端末は、便座装置と無線通信を行うことにより、便座装置を遠隔操作する。
【0003】
便座装置は、使用者の局部を洗浄するための洗浄水を吐水する局部洗浄ノズルを有する。また、便座装置では、使用者の所望の位置に洗浄水を吐水するため、局部洗浄ノズルから吐水される洗浄水の前後又は/及び左右の位置を調整可能にすることが提案されている。このような便座装置を携帯情報端末で遠隔操作する際に、より利便性を向上させることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5889461号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、スマートフォンなどの携帯情報端末にインストールして使用され、便座装置を遠隔操作するための便座装置遠隔操作プログラムにおいて、高い利便性の便座装置遠隔操作プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、便座装置と無線通信を行う無線通信部と、操作画面を表示するための表示部と、操作指示を入力するための操作部と、前記操作部から入力された操作指示に応じて前記無線通信部及び前記表示部を制御する制御部と、を備えた携帯情報端末にインストール可能に構成され、使用者の局部を洗浄するための洗浄水を吐水する局部洗浄ノズルを有するとともに前記洗浄水の前後又は/及び左右の位置を調整可能な前記便座装置を前記携帯情報端末によって遠隔操作するための便座装置遠隔操作プログラムであって、前記洗浄水の位置を調整するための位置調整画面を前記表示部に表示する表示工程と、前記操作部の操作により、前記洗浄水の位置を表す複数の座標情報を入力可能とし、入力された前記複数の座標情報の軌跡を前記位置調整画面に表示するとともに、前記無線通信部を介して前記複数の座標情報を前記便座装置に送信することにより、前記位置調整画面に表示された複数の前記座標情報の軌跡に連動させて前記洗浄水の位置を連続的に移動させる位置調整工程と、を、前記携帯情報端末に実行させることを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0007】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、簡単な操作で使用者の好みの軌跡で洗浄水を移動させることができる。また、洗浄水の位置を連続的に移動させることにより、使用者の好みの位置に洗浄水を配置し易くすることもできる。これにより、高い利便性の便座装置遠隔操作プログラムを提供することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記操作部の操作に応じて前記局部洗浄ノズルからの前記洗浄水の吐水を停止させる停止信号を前記無線通信部から前記便座装置に複数回送信する停止工程を、さらに前記携帯情報端末に実行させ、前記位置調整工程における1つの前記座標情報の送信回数は、前記停止工程における前記停止信号の送信回数よりも少ないことを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0009】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、1つの座標情報の送信回数が少ないため、次の座標情報を早期に送信することができ、操作に対する洗浄水の移動の応答性を高めることができる。一方、高い送信精度が要求される停止信号は、送信回数が多いため、より確実に停止信号を便座装置に受信させることができる。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記操作部の操作に応じて前記局部洗浄ノズルからの前記洗浄水の吐水を停止させる停止信号を前記無線通信部から前記便座装置に複数回送信する停止工程を、さらに前記携帯情報端末に実行させ、前記位置調整工程における前記複数の座標情報の送信間隔は、前記停止工程における複数回の前記停止信号の送信間隔よりも短いことを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0011】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、1つの座標情報の送信間隔が短いため、次の座標情報を早期に送信することができ、操作に対する洗浄水の移動の応答性を高めることができる。一方、高い送信精度が要求される停止信号は、送信間隔が長いため、携帯情報端末と便座装置との位置関係が悪く、停止信号を受信できなかった場合でも、次の停止信号の送信までに位置関係が改善される可能性を高めることができる。これにより、より確実に停止信号を便座装置に受信させることができる。
【0012】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記複数の座標情報を記憶し、記憶した前記複数の座標情報を前記無線通信部から前記便座装置に再送信する再送信工程を、さらに前記携帯情報端末に実行させることを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0013】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、好みの軌跡を設定した後は、操作せずにその軌跡を継続させることができ、操作の手間を省き、より利便性を向上させることができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記再送信工程は、前記複数の座標情報を前記便座装置に再送信するか否かを選択させるための選択画面を前記表示部に表示することを含むことを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0015】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、好みの軌跡で洗浄水を移動させ続けるか否かを使用者に選択させることができ、より利便性を向上させることができる。
【0016】
第6の発明は、第4又は第5の発明において、前記再送信工程は、前記複数の座標情報の軌跡の終点と始点とが一致していない場合に、前記終点と前記始点との間を補間する補間処理を行い、前記補間処理によって取得した補間座標情報を、前記終点と前記始点との間において前記無線通信部から前記便座装置に送信することを含むことを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0017】
この便座装置遠隔操作プログラムによれば、補間処理を行うことで、使用者が操作する際に始点と終点とを揃える操作をしなくても良いため、操作の制約を軽減することができる。これにより、より利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、高い利便性の便座装置遠隔操作プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
図2】実施形態に係る便座装置を模式的に表すブロック図である。
図3】実施形態に係る携帯情報端末を模式的に表すブロック図である。
図4】操作画面の一例を模式的に表す説明図である。
図5】位置調整画面に関する動作の一例を模式的に表す説明図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図7】実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図8図8(a)~図8(f)は、表示画面の一例を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
図1は、実施形態に係るトイレシステムを模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレシステム2は、トイレ装置10と、携帯情報端末100と、を備える。トイレ装置10は、住宅や公共施設のトイレ室TRに設置される。住宅では、例えば、1階と2階など複数のトイレ室TRが設置される場合がある。また、公共施設では、例えば、間仕切りなどでトイレ空間を仕切ることにより、1つのトイレ空間内に複数のトイレ室TRが設置される場合がある。公共施設のトイレ室TRは、換言すれば、トイレブースである。トイレ装置10は、例えば、こうした複数のトイレ室TRのそれぞれに設置される。
【0022】
トイレ装置10は、腰掛け大便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)12と、便座装置20と、を備える。便座装置20は、便器12の上部に設置される。便座装置20は、便器12に対して一体的に取り付けてもよいし、便器12に対して着脱可能に取り付けてもよい。
【0023】
便座装置20は、本体部22と、便座24と、便蓋26と、リモコン28と、局部洗浄ノズル30と、を備える。便蓋26は、便座装置20に必要に応じて設けられ、省略可能である。便座24と便蓋26とは、本体部22に対して回転可能に軸支されている。
【0024】
なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋26に背を向けて便座24に座った使用者から見た方向である。
【0025】
便器12は、ボウル部12aを有する。ボウル部12aは、下方に凹む凹状である。便器12は、ボウル部12aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。便座装置20の本体部22は、便器12のボウル部12aよりも後方の部分の上に取り付けられる。
【0026】
使用者が着座するための便座24は、ボウル部12aを露呈させる開口部24aを有する。便座24は、下げた状態において、ボウル部12aの外縁を囲むように便器12の上に設けられ、開口部24aを介してボウル部12aを露呈させる。これにより、使用者は、便座24に座った状態でボウル部12aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部24aが形成された、いわゆるO型の便座24を示している。便座24は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。開口部24aは、貫通孔状に限ることなく、切り欠き状でもよい。使用状態(使用者が着座可能な状態)の便座24を上方から見た形状は、環状又はU字状である。
【0027】
リモコン28は、例えば、複数のスイッチやセンサなどを有し、使用者からの操作指示を受け付ける。また、リモコン28は、有線又は無線を介して本体部22と接続され、使用者から入力された操作指示を本体部22に送信する。本体部22は、リモコン28から入力された操作指示に応じて所定の動作を実行する。なお、本体部22への操作指示の入力は、例えば、本体部22に設けられた操作パネルなどを介して行ってもよい。すなわち、リモコン28は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0028】
局部洗浄ノズル30(以下、ノズル30と称す)は、本体部22に設けられている。ノズル30は、本体部22内に収納された位置と、本体部22から前方に突出し、ボウル部12a内に進出した位置と、に進退移動する。なお、図1は、ノズル30がボウル部12a内に進出した状態を表している。
【0029】
便座装置20は、ノズル30をボウル部12a内に進出させた状態で、使用者の「おしり」などの局部に向けてノズル30から洗浄水を吐水することにより、使用者の局部を洗浄する局部洗浄機能を有する。便座装置20は、換言すれば、局部洗浄機能を有する衛生洗浄装置である。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0030】
リモコン28は、例えば、洗浄ボタンや停止ボタンなど、局部洗浄機能の動作を操作するための複数の操作部材を有する。便座装置20は、例えば、リモコン28から入力される操作指示に基づいて、局部洗浄機能の動作を実行する。これにより、使用者は、リモコン28の操作に応じて、局部の洗浄を行うことができる。
【0031】
携帯情報端末100は、例えば、使用者の所有するスマートフォンやタブレット端末などである。但し、携帯情報端末100は、これらに限ることなく、使用者が携帯可能な任意の端末でよい。
【0032】
携帯情報端末100には、便座装置20を遠隔操作するための遠隔操作プログラム(アプリケーションソフトウェア)が予めインストールされている。トイレシステム2では、携帯情報端末100において上記の遠隔操作プログラムを起動させることにより、携帯情報端末100によって便座装置20の動作を遠隔操作することができる。トイレシステム2では、例えば、携帯情報端末100によって便座装置20の局部洗浄機能の動作を遠隔操作することができる。すなわち、トイレシステム2では、リモコン28及び携帯情報端末100のいずれかを操作することにより、便座装置20の局部洗浄機能の動作を遠隔操作することができる。
【0033】
図2は、実施形態に係る便座装置を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、便座装置20は、制御部40と、記憶部42と、第1人体検知センサ51と、第2人体検知センサ52と、着座検知センサ53と、第1無線通信部61と、第2無線通信部62と、便蓋開閉装置70と、便座開閉装置71と、便座ヒータ72と、電磁弁73と、温水ヒータ74と、ノズル駆動装置75と、脱臭装置76と、室内暖房装置77と、照明装置78と、便器洗浄装置79と、温風送風機80と、を備える。
【0034】
記憶部42は、便座装置20の各部の動作を制御するための各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。制御部40は、記憶部42に記憶された各種のプログラムやデータを読み出し、逐次処理することにより、便座装置20の各部の動作を統括的に制御する。
【0035】
第1人体検知センサ51は、便座装置20に近づく人体を検知する。換言すれば、第1人体検知センサ51は、トイレ室TRに入室した人体を検知する。第1人体検知センサ51には、例えば、焦電センサや電波センサなどが用いられる。第1人体検知センサ51は、制御部40と接続されている。第1人体検知センサ51は、人体の検知結果を制御部40に入力する。
【0036】
第2人体検知センサ52は、便座装置20(便器12)の前に立つ人体を検知する。第2人体検知センサ52には、例えば、赤外線測距センサなどが用いられる。第2人体検知センサ52は、制御部40と接続されている。第2人体検知センサ52は、人体の検知結果を制御部40に入力する。
【0037】
着座検知センサ53は、便座24への着座を検知する。着座検知センサ53は、便座24への着座を検知した検知状態と、便座24への着座を検知していない非検知状態と、を有する。着座検知センサ53には、例えば、機械的なスイッチや静電センサなどが用いられる。着座検知センサ53は、制御部40と接続されている。着座検知センサ53は、人体の検知結果を制御部40に入力する。
【0038】
第1無線通信部61は、リモコン28との無線通信を行う。第1無線通信部61は、例えば、リモコン28から送信された赤外線信号を受光する赤外線受光装置である。第1無線通信部61は、制御部40と接続されている。第1無線通信部61は、リモコン28から受信した受信信号を制御部40に入力する。
【0039】
第2無線通信部62は、携帯情報端末100との無線通信を行う。第2無線通信部62は、例えば、携帯情報端末100と双方向の無線通信を行う。第2無線通信部62には、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fiなどの通信規格に準拠した無線通信装置が用いられる。第2無線通信部62は、制御部40と接続されている。第2無線通信部62は、携帯情報端末100から受信した受信信号を制御部40に入力するとともに、制御部40から入力された送信信号を携帯情報端末100に送信する。
【0040】
便蓋開閉装置70は、制御部40と接続されており、制御部40の制御に基づいて便蓋26を自動的に開閉する。制御部40は、例えば、第1人体検知センサ51又は第2人体検知センサ52による人体の検知に基づいて便蓋26を開き、第1人体検知センサ51又は第2人体検知センサ52による人体の非検知に基づいて便蓋26を閉じる。また、制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作に応じて便蓋開閉装置70を駆動することにより、便蓋26を開閉する。
【0041】
便座開閉装置71は、制御部40と接続されており、制御部40の制御に基づいて便座24を自動的に開閉する。制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作に応じて便座開閉装置71を駆動することにより、便座24を開閉する。
【0042】
便座ヒータ72は、便座24の内部に設けられ、便座24の座面を内側から温める。便座ヒータ72は、制御部40と接続され、制御部40の制御に基づいて便座24の座面を温める。制御部40は、例えば、便座24の座面の温度が、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって設定された温度となるように、便座ヒータ72の駆動を制御する。
【0043】
電磁弁73は、給水源とノズル30との間に設けられる。電磁弁73を開くことにより、ノズル30に洗浄水が供給される。電磁弁73を閉じることにより、ノズル30への洗浄水の供給が停止される。電磁弁73は、制御部40と接続されている。電磁弁73は、制御部40の制御に基づいて、ノズル30への洗浄水の供給及びノズル30への洗浄水の供給の停止を切り替える。
【0044】
温水ヒータ74は、電磁弁73の下流に設けられている。温水ヒータ74は、制御部40と接続されている。温水ヒータ74は、制御部40の制御に基づいて、給水源から供給された洗浄水を加熱し、例えば規定の温度まで昇温させる。温水ヒータ74は、給水源から供給された洗浄水を、設定された温度の温水に変換する。温水ヒータ74は、例えばセラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式(瞬間式)の熱交換器でもよいし、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式の熱交換器でもよい。
【0045】
また、制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって、温水温度を設定可能とする。使用者は、リモコン28又は携帯情報端末100を操作することにより、温水温度を所望の温度に設定することができる。
【0046】
ノズル駆動装置75は、本体部22内に収納された位置と、本体部22から前方に突出し、ボウル部12a内に進出した位置と、にノズル30を進退移動させる。ノズル駆動装置75は、制御部40と接続されている。ノズル駆動装置75は、制御部40の制御に基づいて、ノズル30を進退移動させる。
【0047】
また、制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって、ボウル部12a内に進出した状態におけるノズル30の位置を調整可能とする。使用者は、ノズル30がボウル部12a内に進出した状態において、リモコン28又は携帯情報端末100を操作することにより、ノズル30の前後方向の位置を所望の位置に調整することができる。
【0048】
ノズル駆動装置75は、例えば、ノズル30の位置や傾きなどを調整することにより、ノズル30から吐水される洗浄水の前後又は/及び左右の位置を調整する。便座装置20は、ノズル30から吐水される洗浄水の前後又は/及び左右の位置を調整可能である。換言すれば、便座装置20は、洗浄水の前後及び左右の少なくとも一方の位置を調整可能である。ノズル駆動装置75は、例えば、ノズル30を進退移動させることにより、洗浄水の前後方向の位置を調整する。ノズル駆動装置75は、例えば、ノズル30を軸周りに回転させ、吐水口の左右方向の傾きを変化させることにより、洗浄水の左右方向の位置を調整する。ノズル駆動装置75は、例えば、ノズル30を左右方向に平行移動させることにより、洗浄水の左右方向の位置を調整してもよい。ノズル駆動装置75は、例えば、ノズル30の根本部分を軸に先端側を左右方向に回動させることにより、洗浄水の左右方向の位置を調整してもよい。
【0049】
脱臭装置76は、便器12のボウル部12a内の空気を吸引し、吸引した空気に含まれる悪臭成分などを低減させた後、本体部22の外に排出することにより、ボウル部12a内の空気を脱臭する。脱臭装置76は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、ボウル部12a内の空気の脱臭を行う。制御部40は、例えば、使用者が便座24から離れたことを着座検知センサ53が検知した際に、脱臭装置76を所定時間動作させる。
【0050】
室内暖房装置77は、本体部22の外に温風を吹き出すことにより、トイレ室TR内の暖房を行う。室内暖房装置77は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、トイレ室TR内の暖房を行う。制御部40は、例えば、リモコン28又は携帯情報端末100の操作によって、室内温度を設定可能とする。使用者は、リモコン28又は携帯情報端末100を操作することにより、トイレ室TR内の設定温度を所望の温度に設定することができる。
【0051】
照明装置78は、便器12のボウル部12a内を照明する。照明装置78は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいてボウル部12a内の照明を行う。制御部40は、例えば、第1人体検知センサ51又は第2人体検知センサ52による人体の検知に基づいて照明装置78を点灯させることにより、夜間などにボウル部12aを見易くする。
【0052】
便器洗浄装置79は、便器12に洗浄水を供給して便器12を洗浄する。便器洗浄装置79は、例えば、便器12への給水タンクや便器12への給水管などに設けられ、便器12の洗浄を自動的に行えるようにする。便器洗浄装置79は、制御部40に接続され、制御部40の制御に基づいて、便器12の洗浄を行う。制御部40は、例えば、第1人体検知センサ51、第2人体検知センサ52、あるいは着座検知センサ53によって、便座24から使用者が離れたことが検知されたことに応じて、便器洗浄装置79を動作させることにより、便器12の洗浄を行う。
【0053】
温風送風機80は、使用者の局部に向けて温風を送風する。温風送風機80は、例えば、局部洗浄などで濡れた使用者の局部に温風を送風することにより、使用者の局部を乾燥させる。温風送風機80は、制御部40と接続されている。温風送風機80は、制御部40の制御に基づいて、使用者の局部への温風の送風及び送風の停止を切り替える。
【0054】
このように、便座装置20は、例えば、便蓋開閉装置70、便座開閉装置71、便座ヒータ72、電磁弁73、温水ヒータ74、ノズル駆動装置75、脱臭装置76、室内暖房装置77、照明装置78、便器洗浄装置79、及び温風送風機80など、便器12の利用に関連する所定の動作を行う動作部を有する。便座装置20は、例えば、複数の動作部を有する。なお、動作部は、上記のものに限ることなく、便器12の利用に関連する所定の動作を行う任意の動作部でよい。便座装置20に設けられる動作部の数は、任意の数でよい。便座装置20に設けられる動作部の数は、例えば、1つでもよい。
【0055】
前述のように、トイレシステム2では、リモコン28及び携帯情報端末100のいずれかを操作することにより、便座装置20の動作を遠隔操作することができる。便座装置20の制御部40は、第1無線通信部61を介してリモコン28から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御するとともに、第2無線通信部62を介して携帯情報端末100から受信した信号に基づいて複数の動作部の動作を制御する。
【0056】
図3は、実施形態に係る携帯情報端末を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、携帯情報端末100は、制御部110と、記憶部112と、無線通信部114と、操作部116と、表示部118と、スピーカ120と、マイクロフォン122と、を備える。
【0057】
記憶部112は、携帯情報端末100の各部の動作を制御するための各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。制御部110は、記憶部42に記憶された各種のプログラムやデータを読み出し、逐次処理することにより、携帯情報端末100の各部の動作を統括的に制御する。
【0058】
無線通信部114は、便座装置20の第2無線通信部62との無線通信を行う。無線通信部114には、第2無線通信部62と同じ通信規格に準拠した無線通信装置が用いられる。無線通信部114は、制御部110と接続されている。無線通信部114は、便座装置20の第2無線通信部62から受信した受信信号を制御部110に入力するとともに、制御部110から入力された送信信号を便座装置20の第2無線通信部62に送信する。
【0059】
操作部116は、使用者などからの操作指示の入力を受け付ける。操作部116には、例えば、タッチパネルが用いられる。操作部116は、例えば、機械式のスイッチや他のセンサなどでもよいし、これらを組み合わせて構成してもよい。操作部116は、制御部110と接続されている。操作部116は、入力された操作指示を制御部110に入力する。制御部110は、例えば、操作部116から入力された操作指示に応じて、無線通信部114などの各部の動作を制御する。
【0060】
表示部118は、種々の操作画面などの表示を行う。表示部118には、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置が用いられる。表示部118は、制御部110と接続され、制御部110の制御に基づいて、各種の表示を行う。例えば、操作部116がタッチパネルである場合には、操作部116は、表示部118の上に重ねて設けられる。
【0061】
スピーカ120は、種々の音の出力を行う。スピーカ120は、制御部110と接続され、制御部110の制御に基づいて、各種の音の出力を行う。
【0062】
マイクロフォン122は、入力された音を電気信号に変換する。マイクロフォン122は、制御部110と接続され、変換した電気信号を制御部110に入力する。
【0063】
記憶部112には、携帯情報端末100によって便座装置20を遠隔操作するための便座装置遠隔操作プログラム200が記憶されている。換言すれば、携帯情報端末100には、便座装置遠隔操作プログラム200がインストールされている。
【0064】
制御部110は、例えば、操作部116から便座装置遠隔操作プログラム200の起動を指示されることにより、記憶部112から便座装置遠隔操作プログラム200を読み出し、便座装置遠隔操作プログラム200に基づく制御を実行することにより、便座装置20の遠隔操作を可能にする。
【0065】
携帯情報端末100で便座装置20を遠隔操作するためには、携帯情報端末100と便座装置20との間で予めペアリングを行わなければならない場合がある。ペアリングが行われていない場合には、例えば、便座装置遠隔操作プログラム200の起動後、ペアリング可能な便座装置20の情報が表示部118に表示される。例えば、無線通信部114の通信圏内にペアリング可能な便座装置20が複数存在する場合には、複数の便座装置20の情報が、表示部118に表示される。
【0066】
使用者は、表示部118に表示された便座装置20の情報の中から、ペアリングを所望する便座装置20を選択し、操作部116を介して選択結果を制御部110に入力する。制御部110は、操作部116から選択結果が入力されると、選択された便座装置20とのペアリングを行う。制御部110は、便座装置20とのペアリングが完了した後、その便座装置20との通信接続を開始する。これにより、携帯情報端末100による便座装置20の遠隔操作が可能となる。
【0067】
便座装置20とのペアリングを一度行うと、例えば、その便座装置20を表すID情報などが記憶部112に記憶され、以降のペアリングは不要となる。従って、便座装置遠隔操作プログラム200を起動した際に、ペアリング済みの便座装置20が無線通信部114の通信圏内に存在する場合には、その便座装置20との通信接続が開始され、ペアリングを行うことなく、その便座装置20を遠隔操作することができる。
【0068】
図4は、操作画面の一例を模式的に表す説明図である。
図4は、表示部118に表示される操作画面300の一例を模式的に表す。制御部110は、操作部116において所定の操作が行われたことに応答して、操作画面300を表示部118に表示する。制御部110は、例えば、局部洗浄の実行を指示された際に、操作画面300を表示する。
【0069】
操作画面300には、例えば、局部洗浄の停止を指示するための停止ボタン300a、洗浄水の位置を調整するための位置調整画面300b、洗浄水の吐水の勢いを弱くするための水勢弱ボタン300c、洗浄水の吐水の勢いを強くするための水勢強ボタン300d、及び予め記憶させた軌跡で洗浄水を移動させるマイ洗浄ボタン300eなどが設けられている。
【0070】
図5は、位置調整画面に関する動作の一例を模式的に表す説明図である。
図5に表したように、制御部110は、操作部116の操作により、洗浄水の位置を表す複数の座標情報CIを入力可能とする。図5では、座標情報CI1~CI7の7つの座標情報CIを入力した場合を例示している。複数の座標情報CIは、例えば、位置調整画面300bの画面上において、線を描くようにタッチパネルである操作部116を操作(以下、タッチ操作と称す)することによって入力される。制御部110は、例えば、所定の周期でタッチ操作の入力結果をサンプリングすることにより、タッチ操作の入力座標を座標情報CIとして取得する。
【0071】
図5に表したように、制御部110は、入力された複数の座標情報CIの軌跡を位置調整画面300bに表示する。また、制御部110は、これとともに、無線通信部114を介して複数の座標情報CIを便座装置20に送信する。便座装置20の制御部40は、複数の座標情報CIを受信すると、受信した複数の座標情報CIに基づいてノズル駆動装置75を動作させることにより、時系列に並ぶ複数の座標情報CIに応じた位置に洗浄水を連続的に移動させる。これにより、携帯情報端末100の制御部110は、位置調整画面300bに表示された複数の座標情報CIの軌跡に連動させて洗浄水の位置を連続的に移動させる。
【0072】
制御部110は、例えば、タッチ操作によって入力される座標情報CIを所定の周期で取得するとともに、取得する毎に座標情報CIを便座装置20に順次送信する。換言すれば、制御部110は、取得と同じ周期で座標情報CIを便座装置20に送信する。便座装置20の制御部40は、座標情報CIを受信する毎に、その座標情報CIに基づく位置に洗浄水を移動させる。これにより、使用者のタッチ操作に連動させてリアルタイムに洗浄水を移動させることができる。
【0073】
上記のようなリアルタイムに洗浄水を移動させる構成に限ることなく、例えば、複数の座標情報CIをまとめて取得した後、操作部116からの送信指示などに応じて複数の座標情報CIを時系列順に便座装置20に順次送信するようにしてもよい。この場合、例えば、複数の座標情報CIを送信する前に、複数の座標情報CIの軌跡をタッチ操作などで修正できるようにしてもよい。これにより、例えば、複数の座標情報CIの軌跡(洗浄水の動き)を、より使用者の好みに合わせやすくすることができる。
【0074】
図5に表したように、制御部110は、例えば、0.1秒周期で座標情報CIの取得を行う。そして、制御部110は、例えば、座標情報CIの取得後、取得した座標情報CIを0.05秒間送信し、0.05秒間送信を停止する。制御部110は、座標情報CIの入力(位置調整画面300bのタッチ操作)が行われた場合、この処理を繰り返す。従って、制御部110は、座標情報CIの送信においては、1つの座標情報CIを1回だけ送信し、次に送信を行う場合には、次に取得された座標情報CIを送信する。
【0075】
制御部110は、停止ボタン300aが操作された場合、ノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる停止信号を無線通信部114から便座装置20に送信し、便座装置20にノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる。
【0076】
図5に表したように、制御部110は、停止ボタン300aが操作され、ノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる停止信号を無線通信部114から便座装置20に送信する場合、停止信号を便座装置20に複数回送信する。制御部110は、例えば、所定の周期で停止信号を便座装置20に複数回送信する。制御部110は、例えば、停止信号を便座装置20に0.1秒間送信した後、0.1秒間送信を停止する。すなわち、制御部110は、停止信号を便座装置20に0.2秒周期で複数回送信する。
【0077】
このように、制御部110は、1つの座標情報CIの送信回数を、停止信号の送信回数よりも少なくする。また、制御部110は、複数の座標情報CIの送信間隔を、複数回の停止信号の送信間隔よりも短くする。
【0078】
この例では、停止信号の複数回の送信回数に対し、1つの座標情報CIの送信回数は、1回である。但し、1つの座標情報CIの送信回数は、2回以上でもよい。また、1つの座標情報CIの送信回数は、停止信号の送信回数と同じでもよいし、停止信号の送信回数よりも多くてもよい。
【0079】
この例では、停止信号の0.2秒の送信間隔に対し、複数の座標情報CIの送信間隔は、0.1秒である。但し、複数の座標情報CIの送信間隔及び停止信号の送信間隔は、これに限定されるものではない。複数の座標情報CIの送信間隔は、複数回の停止信号の送信間隔と同じでもよい。複数の座標情報CIの送信間隔は、複数回の停止信号の送信間隔より長くてもよい。
【0080】
制御部110は、例えば、座標情報CIの入力の終了に応答して、入力された複数の座標情報CIを記憶部112に記憶させる。すなわち、制御部110は、使用者による位置調整画面300bの画面上へのタッチ操作が終了した際に、入力された複数の座標情報CIを記憶部112に記憶させる。但し、複数の座標情報CIの記憶部112への記憶は、座標情報CIの入力の終了に限ることなく、例えば、操作部116からの記憶の操作指示などに基づいて行ってもよい。
【0081】
操作画面300に設けられたマイ洗浄ボタン300eは、記憶部112に予め複数の座標情報CIが記憶されている場合に、記憶部112に記憶された複数の座標情報CIを便座装置20に再送信することを指示するためのボタンである。マイ洗浄ボタン300eは、換言すれば、複数の座標情報CIを便座装置20に再送信するか否かを使用者などに選択させるための選択画面である。但し、選択画面の態様は、マイ洗浄ボタン300eに限ることなく、複数の座標情報CIを便座装置20に再送信するか否かを使用者などに選択させることが可能な任意の態様でよい。
【0082】
制御部110は、マイ洗浄ボタン300eをタッチ操作された場合に、記憶部112に記憶された複数の座標情報CIを読み出し、読み出した複数の座標情報CIを便座装置20に再送信する。これにより、使用者は、複数の座標情報CIを一度入力するだけで、使用者の好みの動きで繰り返し洗浄水を移動させることができる。これにより、トイレシステム2の利便性をより向上させることができる。
【0083】
一方で、座標情報CIの入力を終了した後、マイ洗浄ボタン300eのタッチ操作が行われなかった場合には、最後に送信した座標情報CIの位置に、洗浄水の位置を止めることができる。例えば、使用者が位置調整画面300bをタッチ操作して洗浄水を移動させながら好みの位置を探している場合などには、好みの位置でタッチ操作を終了した後、再送信を行わないことにより、洗浄水を好みの位置で吐水させ続けることができる。
【0084】
制御部110は、マイ洗浄ボタン300eをタッチ操作された場合、例えば、停止ボタン302aの操作などによって局部洗浄の停止が指示されるまで、あるいは、マイ洗浄ボタン300eの再度のタッチ操作などによって再送信の停止が指示されるまで、複数の座標情報CIの再送信を繰り返す。但し、マイ洗浄ボタン300eをタッチ操作された場合には、例えば、マイ洗浄ボタン300eのタッチ操作に応じて複数の座標情報CIを一度だけ再送信してもよい。
【0085】
なお、複数の座標情報CIは、例えば、記憶部112に複数記憶できるようにし、記憶部112から選択的に読み出せるようにしてもよい。複数の座標情報CIは、換言すれば、洗浄水の動きの軌跡を表す動き情報である。記憶部112は、複数の動き情報を記憶し、複数の動き情報を選択的に読み出せるようにしてもよい。すなわち、使用者の好みの洗浄水の動きを記憶部112に複数種類記憶させられるようにしてもよい。これにより、トイレシステム2の利便性をさらに向上させることができる。
【0086】
図6(a)及び図6(b)は、制御部の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図6(a)に表したように、使用者がタッチ操作などによって複数の座標情報CIの入力を行った場合、複数の座標情報CIの軌跡の終点と始点とが一致していない可能性がある。図6(a)では、始点である座標情報CI1と、終点である座標情報CI7と、が一致していない状態を模式的に表している。
【0087】
制御部110は、マイ洗浄ボタン300eがタッチ操作された場合(操作部116から再送信することの操作指示を入力された場合)に、複数の座標情報CIの軌跡の終点と始点とが一致しているか否かを判定する。制御部110は、終点と始点とが一致していないと判定した場合、終点と始点との間を補間する補間処理を行う。制御部110は、例えば、終点と始点とが一致しておらず、かつ終点と始点との離間量がノズル30の移動可能な距離よりも大きい場合に、補間処理を行う。ノズル30の移動可能な距離とは、より具体的には、複数の座標情報CIの送信間隔においてノズル30の移動可能な最大の距離である。
【0088】
図6(b)に表したように、制御部110は、補間処理により、補間座標情報VIを取得する。制御部110は、例えば、終点と始点との離間量と、ノズル30の移動可能な距離と、に基づいて、補間座標情報VIを設定する。制御部110は、例えば、終点と始点との離間量をノズル30の移動可能な距離で割ることにより、必要な補間座標情報VIの数を求める。そして、制御部110は、例えば、終点と始点とを結ぶ直線状に必要な数の補間座標情報VIを均等に配置することにより、補間座標情報VIを設定する。例えば、複数の座標情報CIの軌跡に基づく曲線近似演算などにより、より適切な位置に補間座標情報VIを設定できるようにしてもよい。図6(b)では、終点と始点との間に2つの補間座標情報VIを設定した例を示している。補間座標情報VIの数は、上記のように、終点と始点との離間量に応じて設定され、離間量に応じて1つあるいは複数設けられる。
【0089】
制御部110は、補間処理によって補間座標情報VIを取得した後、取得した補間座標情報VIを、終点と始点との間において無線通信部114から便座装置20に送信する。制御部110は、複数の座標情報CIの終点の座標情報CIを送信した後、補間座標情報VIを送信し、次の複数の座標情報CIの始点の座標情報CIを送信する。これにより、複数の座標情報CIを便座装置20に再送信する際に、終点と始点とが一致していない場合でも、終点と始点との間において洗浄水の移動が追従できなくなってしまうことを抑制することができる。換言すれば、複数の座標情報CIの送信のタイミングと、実際の洗浄水の動きと、の間に、ズレが生じてしまうことを抑制することができる。
【0090】
図7は、実施形態に係るトイレシステムの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図8(a)~図8(f)は、表示画面の一例を模式的に表す説明図である。
トイレシステム2において、携帯情報端末100で便座装置20を遠隔操作する場合には、まず、携帯情報端末100の操作部116を操作し、便座装置遠隔操作プログラム200を起動させる(図7のステップS101)。便座装置遠隔操作プログラム200を起動させると、携帯情報端末100の制御部110は、便座装置遠隔操作プログラム200に基づく処理を開始する。
【0091】
制御部110は、処理を開始すると、例えば図8(a)に表したように、初期操作画面310を表示部118に表示する。初期操作画面310には、例えば、通信接続可能な便座装置20の検索を指示するための接続先検索ボタン310aが設けられる。使用者は、携帯情報端末100で便座装置20を遠隔操作する場合には、便座装置遠隔操作プログラム200を起動させて初期操作画面310を表示部118に表示させた後、操作部116を操作して接続先検索ボタン310aを操作し、通信接続可能な便座装置20の検索を制御部110に指示する。
【0092】
制御部110は、通信接続可能な便座装置20の検索を指示されると、無線通信部114の通信結果に基づいて、無線通信部114の通信圏内に通信接続可能な便座装置20が存在するか否かを判定する。通信接続可能な便座装置20とは、例えば、無線通信部114の通信圏内が、便座装置20の第2無線通信部62の通信圏内と重なり、かつペアリング済みの便座装置20である。
【0093】
制御部110は、通信接続可能な便座装置20が存在しないと判定した場合、例えば、接続先の便座装置20がないことを表す表示画面を表示部118に表示する。この場合、制御部110は、例えば、定期的に又は使用者からの指示に応じて通信接続可能な便座装置20の再検出を行う。
【0094】
制御部110は、通信圏内に通信接続可能な便座装置20が存在すると判定した場合、該当する便座装置20を接続対象として検出し、接続対象の便座装置20との通信接続を開始する。これにより、携帯情報端末100と便座装置20とが、互いに通信接続された接続状態となる(図7のステップS102)。携帯情報端末100の制御部110は、便座装置20との通信接続を完了すると、例えば、図8(b)に表したように、通信接続された便座装置20の情報を表示部118に表示する。
【0095】
携帯情報端末100の制御部110は、通信接続された便座装置20の情報を表示部118に表示した後、使用者からの操作指示の入力を待機する。また、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100からの操作指示の入力を待機する(図7のステップS103)。
【0096】
携帯情報端末100の制御部110は、待機状態において、例えば、図8(c)に表したように、便座装置20を操作するための操作画面312を表示部118に表示する。操作画面312には、例えば、おしり洗浄の実行を指示するためのおしり洗浄ボタン312a、おしりソフト洗浄の実行を指示するためのおしりソフト洗浄ボタン312b、ビデ洗浄の実行を指示するためのビデ洗浄ボタン312c、ワイドビデ洗浄の実行を指示するためのワイドビデ洗浄ボタン312d、温水温度や便座温度などを設定するための設定ボタン312e、及び便座装置20との通信接続を切断するための切断ボタン312fなどの、各種のボタンが設けられる。使用者は、操作部116を介して各種のボタン312a~312fを操作することにより、所望の操作指示を制御部110に入力する。
【0097】
制御部110は、操作部116から操作指示が入力されると、入力された操作指示が、通信接続の切断の操作指示か、設定変更の操作指示か、あるいは局部洗浄の操作指示かを判定する(図7のステップS104~S106)。
【0098】
制御部110は、通信接続の切断の操作指示であると判定した場合、便座装置20との通信接続を切断する処理を実行する。これにより、携帯情報端末100の制御部110及び便座装置20の制御部40は、互いに通信接続を切断する(図7のステップS107)。
【0099】
このように、便座装置20の制御部40は、携帯情報端末100から通信接続の切断を指示する信号を受信した場合、携帯情報端末100からの指示に応答して携帯情報端末100との通信接続を切断する。また、制御部40は、第2無線通信部62の通信範囲から携帯情報端末100が出た場合にも、携帯情報端末100との通信接続を切断する。
【0100】
携帯情報端末100の制御部110は、便座装置20との通信接続の切断を完了すると、例えば、図8(d)に表したように、便座装置20との通信接続の切断の完了を表示部118に表示する。この後、制御部110は、便座装置遠隔操作プログラム200を停止させ、便座装置遠隔操作プログラム200に基づく処理を終了する。
【0101】
制御部110は、設定変更の操作指示であると判定した場合、例えば、温水温度や便座温度などの設定を変更するための設定変更画面を表示部118に表示させる。そして、制御部110は、操作部116の操作に応じて、設定変更に関する設定変更信号を無線通信部114から便座装置20に送信することにより、便座装置20に各種の設定を変更させる(図7のステップS108)。制御部110は、例えば、操作部116からの設定変更の終了の指示に応じてステップS103の処理に戻り、再び使用者からの操作指示の入力を待機する。
【0102】
制御部110は、局部洗浄に関する操作指示であると判定した場合、無線通信部114から便座装置20に信号を送信し、局部洗浄の実行を便座装置20に指示する(図7のステップS109)。すなわち、制御部110は、おしり洗浄ボタン312a、おしりソフト洗浄ボタン312b、ビデ洗浄ボタン312c、及びワイドビデ洗浄ボタン312dのいずれかが操作された場合に、おしり洗浄、おしりソフト洗浄、ビデ洗浄、及びワイドビデ洗浄のいずれかの実行を便座装置20に指示する。
【0103】
また、制御部110は、局部洗浄に関する操作指示であると判定した場合、例えば、図8(e)に表したように、待機時の操作画面312から局部洗浄の動作を操作するための操作画面314に、表示部118の表示を切り替える。
【0104】
操作画面314には、例えば、局部洗浄の停止を指示するための停止ボタン314a、洗浄水の吐水位置を前方に移動させるための位置前ボタン314b、洗浄水の吐水位置を後方に移動させるための位置後ボタン314c、洗浄水の吐水の勢いを弱くするための水勢弱ボタン314d、洗浄水の吐水の勢いを強くするための水勢強ボタン314e、及び洗浄水の位置を自在に変化させながら局部洗浄を行う自在洗浄の実行を指示するための自在洗浄ボタン314fなどが設けられる。
【0105】
制御部110は、停止ボタン314aが操作された場合、ノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる停止信号を無線通信部114から便座装置20に送信し、便座装置20にノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる(図7のステップS110、S111)。この後、制御部110は、ステップS103の処理に戻り、再び使用者からの操作指示の入力を待機する。
【0106】
制御部110は、位置前ボタン314b、位置後ボタン314c、水勢弱ボタン314d、及び水勢強ボタン314eのいずれかが操作された場合、対応する設定変更信号を無線通信部114から便座装置20に送信することにより、便座装置20に洗浄水の位置又は洗浄水の勢いの設定を変更させる(図7のステップS112、S113)。制御部110は、対応する設定変更信号の送信を行った後、ステップS110の処理に戻り、洗浄時の操作画面314に関する処理を繰り返す。
【0107】
制御部110は、自在洗浄ボタン314fが操作された場合、図8(f)に表したように、図4(a)に関して説明した操作画面300を自在洗浄の動作を操作するための操作画面として表示部118に表示する(図7のステップS114、S115)。
【0108】
制御部110は、操作画面300を表示すると、記憶部112に複数の座標情報CIが記憶されているか否かを判定する(図7のステップS116)。制御部110は、複数の座標情報CIが記憶部112に記憶されていると判定した場合、マイ洗浄ボタン300eの操作を有効にする(図7のステップS117)。一方、制御部110は、複数の座標情報CIが記憶部112に記憶されていないと判定した場合、マイ洗浄ボタン300eの操作を無効にする(図7のステップS118)。
【0109】
制御部110は、マイ洗浄ボタン300eの有効又は無効の設定を判定した後、続いて、位置調整画面300bのタッチ操作による複数の座標情報CIの入力が開始されたか否かを判定する(図7のステップS119)。制御部110は、複数の座標情報CIの入力が開始されたと判定すると、マイ洗浄ボタン300eの操作を無効にする(図7のステップS120)。また、制御部110は、例えば、記憶部112に複数の座標情報CIが既に記憶されている場合には、複数の座標情報CIの入力に応答して、記憶部112に記憶されている複数の座標情報CIを消去する(図7のステップS121)。但し、前述のように、複数の座標情報CIは、記憶部112に複数記憶できるようにしてもよい。
【0110】
制御部110は、マイ洗浄ボタン300eの無効化や既存の座標情報CIの消去などを行った後、位置調整画面300bのタッチ操作に基づいて、座標情報CIの取得を開始する(図7のステップS122)。
【0111】
制御部110は、座標情報CIを取得すると、取得した座標情報CIを便座装置20に送信する(図7のステップS123)。便座装置20の制御部40は、座標情報CIを受信すると、受信した座標情報CIに基づいてノズル駆動装置75を動作させることにより、座標情報CIに応じた位置に洗浄水を移動させる。
【0112】
また、制御部110は、座標情報CIを取得すると、取得した座標情報CIを位置調整画面300bに表示する。制御部110は、例えば、座標情報CIを取得する毎に、取得した座標情報CIを位置調整画面300bに表示するとともに、隣接する2つの座標情報CI同士を接続する線分を位置調整画面300bに表示する(図6参照)。これにより、制御部110は、入力された複数の座標情報CIの軌跡を位置調整画面300bに表示する。
【0113】
制御部110は、座標情報CIの入力(位置調整画面300bのタッチ操作)が継続されている間は、所定の周期で座標情報CIを取得するとともに、所定の周期で取得した座標情報CIを便座装置20に順次送信する(図7のステップS124、S125)。これにより、使用者による位置調整画面300bのタッチ操作に連動させて、洗浄水の位置を連続的に移動させることができる。
【0114】
一方、制御部110は、座標情報CIの入力が終了したと判定すると、位置調整画面300bのタッチ操作によって連続的に入力された一連の複数の座標情報CIを記憶部112に記憶する(図7のステップS126)。この後、制御部110は、ステップS117の処理に移行し、マイ洗浄ボタン300eの操作を有効にする。この際、使用者の好みの位置で位置調整画面300bのタッチ操作を終了することにより、使用者の好みの位置で洗浄水を吐水させ続けることができる。
【0115】
制御部110は、操作画面300を表示部118に表示させた後、マイ洗浄ボタン300eが操作されたと判定すると、マイ洗浄ボタン300eの操作を一時的に無効にした後、複数の座標情報CIの軌跡の終点と始点とが一致しているか否かを判定する(図7のステップS128、S129)。
【0116】
制御部110は、一致していると判定した場合には、記憶部112に記憶された複数の座標情報CIを記憶部112から読み出し、読み出した複数の座標情報CIを時系列順に便座装置20に順次再送信する(図7のステップS130)。
【0117】
一方、制御部110は、終点と始点とが一致していないと判定した場合、終点と始点との間を補間する補間処理を行って補間座標情報VIを取得し、取得した補間座標情報VIを無線通信部114から便座装置20に送信する(図7のステップS131)。そして、制御部110は、補間座標情報VIを送信した後、複数の座標情報CIの再送信を行う。
【0118】
制御部110は、複数の座標情報CIの再送信を行っている途中で、位置調整画面300bのタッチ操作による複数の座標情報CIの入力が開始された場合、ステップS121の処理に移行し、記憶部112に記憶されている複数の座標情報CIの消去を行う(図7のステップS132)。
【0119】
また、制御部110は、複数の座標情報CIの再送信を行っている途中で、停止ボタン300aが操作された場合、ノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる停止信号を無線通信部114から便座装置20に送信し、便座装置20にノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる(図7のステップS133、S134)。制御部110は、洗浄水の吐水を停止させた場合、ステップS103の処理に戻り、再び使用者からの操作指示の入力を待機する。
【0120】
制御部110は、複数の座標情報CIの再送信が終了したと判定すると、ステップS117の処理に移行し、一時的に無効としたマイ洗浄ボタン300eの操作を再び有効にする(図7のステップS135)。複数の座標情報CIの再送信は、使用者の好みの動きで洗浄水を移動させる(例えば円を描くように移動させるなど)用途で用いてもよいし、使用者の好みの位置に洗浄水を移動させる用途で用いてもよい。
【0121】
制御部110は、操作画面300を表示部118に表示させた後、停止ボタン300aが操作された場合、停止信号を便座装置20に送信してノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる(図7のステップS136)。そして、制御部110は、ステップS103の処理に戻り、再び使用者からの操作指示の入力を待機する。
【0122】
このように、便座装置遠隔操作プログラム200は、洗浄水の位置を調整するための位置調整画面300bを表示部118に表示する表示工程(例えば、図7のステップS114、S115)を有する。
【0123】
また、便座装置遠隔操作プログラム200は、操作部116の操作により、洗浄水の位置を表す複数の座標情報CIを入力可能とし、入力された複数の座標情報CIの軌跡を位置調整画面300bに表示するとともに、無線通信部114を介して複数の座標情報CIを便座装置20に送信することにより、位置調整画面300bに表示された複数の座標情報CIの軌跡に連動させて洗浄水の位置を連続的に移動させる位置調整工程(例えば、図7のステップS119~S126)を有する。
【0124】
便座装置遠隔操作プログラム200は、少なくとも表示工程と位置調整工程とを携帯情報端末100に実行させる。
【0125】
便座装置遠隔操作プログラム200は、操作部116の操作に応じてノズル30からの洗浄水の吐水を停止させる停止信号を無線通信部114から便座装置20に複数回送信する停止工程(例えば、図7のステップS111、S134)を、さらに含んでもよい。
【0126】
便座装置遠隔操作プログラム200は、複数の座標情報CIを記憶部112に記憶し、記憶した複数の座標情報CIを無線通信部114から便座装置20に再送信する再送信工程(例えば、図7のステップS127~S135)を、さらに含んでもよい。
【0127】
再送信工程は、複数の座標情報CIを便座装置20に再送信するか否かを選択させるための選択画面(例えばマイ洗浄ボタン300e)を表示部118に表示する工程(例えば、図7のステップS115~S118)を含んでもよい。
【0128】
また、再送信工程は、複数の座標情報CIの軌跡の終点と始点とが一致していない場合に、終点と始点との間を補間する補間処理を行い、補間処理によって取得した補間座標情報VIを、終点と始点との間において無線通信部114から便座装置20に送信する工程(例えば、図7のステップS129~S131)を含んでもよい。
【0129】
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置遠隔操作プログラム200では、操作部116の操作により、洗浄水の位置を表す複数の座標情報CIを入力可能とし、入力された複数の座標情報CIの軌跡を位置調整画面300bに表示するとともに、無線通信部114を介して複数の座標情報CIを便座装置20に送信することにより、位置調整画面300bに表示された複数の座標情報CIの軌跡に連動させて洗浄水の位置を連続的に移動させる。これにより、簡単な操作で使用者の好みの軌跡で洗浄水を移動させることができる。また、洗浄水の位置を連続的に移動させることにより、使用者の好みの位置に洗浄水を配置し易くすることもできる。これにより、高い利便性の便座装置遠隔操作プログラム200を提供することができる。
【0130】
また、便座装置遠隔操作プログラム200では、1つの座標情報CIの送信回数が、停止信号の送信回数よりも少ないため、次の座標情報CIを早期に送信することができ、操作に対する洗浄水の移動の応答性を高めることができる。一方、高い送信精度が要求される停止信号は、送信回数が多いため、より確実に停止信号を便座装置20に受信させることができる。
【0131】
また、便座装置遠隔操作プログラム200では、1つの座標情報CIの送信間隔が、停止信号の送信間隔よりも短いため、次の座標情報CIを早期に送信することができ、操作に対する洗浄水の移動の応答性を高めることができる。一方、高い送信精度が要求される停止信号は、送信間隔が長いため、携帯情報端末100と便座装置20との位置関係が悪く、停止信号を受信できなかった場合でも、次の停止信号の送信までに位置関係が改善される可能性を高めることができる。これにより、より確実に停止信号を便座装置20に受信させることができる。
【0132】
また、便座装置遠隔操作プログラム200では、複数の座標情報CIを記憶部112に記憶し、記憶した複数の座標情報CIを無線通信部114から便座装置20に再送信することができる。これにより、好みの軌跡を設定した後は、操作せずにその軌跡を継続させることができ、操作の手間を省き、より利便性を向上させることができる。
【0133】
また、便座装置遠隔操作プログラム200では、複数の座標情報CIを便座装置20に再送信するか否かを選択させるための選択画面(マイ洗浄ボタン300e)を表示部118に表示することにより、好みの軌跡で洗浄水を移動させ続けるか否かを使用者に選択させることができ、より利便性を向上させることができる。
【0134】
第6の発明は、第4又は第5の発明において、前記再送信工程は、前記複数の座標情報の軌跡の終点と始点とが一致していない場合に、前記終点と前記始点との間を補間する補間処理を行い、前記補間処理によって取得した補間座標情報を、前記終点と前記始点との間において前記無線通信部から前記便座装置に送信することを含むことを特徴とする便座装置遠隔操作プログラムである。
【0135】
また、便座装置遠隔操作プログラム200では、複数の座標情報CIの軌跡の終点と始点とが一致していない場合に、終点と始点との間を補間する補間処理を行い、補間処理によって取得した補間座標情報VIを、終点と始点との間において無線通信部114から便座装置20に送信する。これにより、使用者が操作する際に始点と終点とを揃える操作をしなくても良いため、操作の制約を軽減することができる。これにより、より利便性を向上させることができる。
【0136】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレシステム2、携帯情報端末100、便座装置遠隔操作プログラム200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0137】
2 トイレシステム、 10 トイレ装置、 12 便器、 12a ボウル部、 20 便座装置、 22 本体部、 24 便座、 24a 開口部、 26 便蓋、 28 リモコン、 30 ノズル、 40 制御部、 42 記憶部、 51 第1人体検知センサ、 52 第2人体検知センサ、 53 着座検知センサ、 61 第1無線通信部、 62 第2無線通信部、 70 便蓋開閉装置、 71 便座開閉装置、 72 便座ヒータ、 73 電磁弁、 74 温水ヒータ、 75 ノズル駆動装置、 76 脱臭装置、 77 室内暖房装置、 78 照明装置、 79 便器洗浄装置、 80 温風送風機、 100 携帯情報端末、 110 制御部、 112 記憶部、 114 無線通信部、 116 操作部、 118 表示部、 120 スピーカ、 122 マイクロフォン、 200 便座装置遠隔操作プログラム、 300 操作画面、 300a 停止ボタン、 300b 位置調整画面、 300c 水勢弱ボタン、 300d 水勢強ボタン、 300e マイ洗浄ボタン(選択画面)、 310 初期操作画面、 312、314 操作画面、 CI 座標情報、 VI 補間座標情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8