(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20220913BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20220913BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20220913BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20220913BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J2/525
B41J21/00 Z
G01N21/88 J
G06T1/00 310A
(21)【出願番号】P 2018151128
(22)【出願日】2018-08-10
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】P 2017199477
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東井 満男
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-096835(JP,A)
【文献】特開2015-153086(JP,A)
【文献】特表2013-502194(JP,A)
【文献】特開2014-199244(JP,A)
【文献】特開2017-034298(JP,A)
【文献】特開2017-159600(JP,A)
【文献】特開2013-111946(JP,A)
【文献】特開2003-226062(JP,A)
【文献】特開2005-205687(JP,A)
【文献】特開2007-152731(JP,A)
【文献】特開2002-354251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0053154(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/393
B41J 21/00
B41J 2/525
G01N 21/88
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置であって、
前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部と、
前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部と、を有
し、
前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する、
ことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置であって、
前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部と、
前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部と、
前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部と、を有し、
前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する、
ことを特徴とする検査装置。
【請求項3】
前記参照画像生成部は、前記PWM信号を所定の周期でサンプリングし、前記読み取り画像データと等しい解像度の前記参照画像データを生成する、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記参照画像データと前記読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、前記参照画像データの色表現と前記読み取り画像データの色表現のいずれか一方を他方の色表現に一致させるように色表現の変換を行う色変換部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記色変換部は、前記参照画像データと前記読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、前記参照画像データの色表現を前記読み取り画像データの色表現に一致させるように色表現の変換を行う、
ことを特徴とする請求項
4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記印刷物の表面と裏面とで検査を行う際に、
表面もしくは裏面のいずれかにおいて、前記参照画像データの方向と前記読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、前記参照画像データと前記読み取り画像データのいずれか一方の方向を他方の方向に一致させるように方向の変換を行う回転処理部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項
5のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記回転処理部は、前記参照画像データの方向と前記読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、前記参照画像データの方向を前記読み取り画像データの方向に一致させるように方向の変換を行う、
ことを特徴とする請求項
6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記検査部は、画像データにおける特徴点を予め定め、前記読み取り画像データと前記参照画像データとで対応する前記特徴点を抽出し、前記読み取り画像データと前記参照画像データとの前記特徴点の位置又は前記特徴間の距離を比較して前記印刷物を検査する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項
6のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を1回サンプリングし、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の2値データとして前記参照画像データを生成する、
ことを特徴とする請求項
2乃至請求項
8のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記PWM信号を生成する際に使用されるクロック信号を参照して、前記参照画像生成部が前記PWM信号をサンプリングする際のクロック信号を生成するクロック生成部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記タイミング調整部は、前記読み取り画像データを生成するタイミング信号を利用し、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させる、
ことを特徴とする請求項
2に記載の検査装置。
【請求項12】
前記PWM信号に基づいて主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して前記画像が形成され、主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して前記印刷物が読み取られて前記読み取り画像データが生成される場合に、
前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとをライン毎に比較して検査する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の検査装置。
【請求項13】
元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部と、
前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部と、
請求項1乃至請求項1
2のいずれか一項に記載の検査装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置を制御する検査プログラムであって、
前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、
前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、
として検査装置のコンピュータを制御
し、
前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する、
検査プログラム。
【請求項15】
元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置を制御する検査プログラムであって、
前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、
前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、
前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部、
として検査装置のコンピュータを制御し、
前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する、
検査プログラム。
【請求項16】
元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する画像形成装置を制御する検査プログラムであって、
元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部、
前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部、
前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、
前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、
として画像形成装置のコンピュータを制御
し、
前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する、
検査プログラム。
【請求項17】
元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する画像形成装置を制御する検査プログラムであって、
元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部、
前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部、
前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、
前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、
前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部、
として画像形成装置のコンピュータを制御し、
前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する、
検査プログラム。
【請求項18】
前記参照画像生成部は、前記PWM信号を所定の周期でサンプリングし、前記読み取り画像データと等しい解像度の前記参照画像データを生成する、
ようにコンピュータを制御することを特徴とする請求項1
4乃至請求項1
7のいずれか一項に記載の検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成の際に読み取り画像データと参照画像データとを比較して迅速かつ適切に検査することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、印刷物に対しての安定性が求められており、印刷物の欠陥や異常や不良を早期かつ正確に発見し、市場に流出しない仕組みが求められている。
これに対応するため、印刷物の画像を読み取り、読み取った画像を参照画像と比較し、印刷物の画像を検査する技術がある。
【0003】
特に、バリアブル印刷のように、用紙1枚毎に異なる文字や画像を形成する場合には、この検査を迅速に実行し、異常印刷物を特定する必要がある。
なお、このような印刷物の異常を検査する問題について、以下の特許文献にも各種の提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の特許文献1では、元画像データを用いて画像形成して印刷物を作成し、この印刷物をスキャナで読み取って読み取り画像データを生成し、元画像データから作成した参照画像データと読み取り画像データとを比較して検査する。
ここで、元画像データに比べて読み取り画像データの解像度は一般的に低いことが多い。これは、画像の画素単位の比較には時間を要するため、あえて解像度を低減させることで、画素単位の比較回数を減らし、処理時間を削減するためである。
【0006】
そのため、元画像データから参照画像データを生成する際に、解像度変換の画像処理が必要になる。例えば、元画像データが600dpiであり、スキャナの読み取り解像度が300dpiである場合、参照画像データを生成する際に600dpiを300dpiに変換する解像度変換処理が必要になる。
【0007】
この解像度変換の画像処理は、2次元の画像処理であるため、ハードウエアで実行すれば高速であるがコストが掛かる問題があり、一方、ソフトウエアで実行すればコストは満足できるものの処理時間が掛かる問題がある。
なお、解像度変換の画像処理は一般的にはソフトウエア処理が多いが、この場合には、処理時間が掛かることにより、参照用画像データの生成が遅れるため、検査(読み取り画像データと参照用画像データとの比較)をリアルタイムで実現できない問題が新たに生じる。この結果、異常な印刷物の早期発見が難しくなる問題がある。
【0008】
また、検査結果で異常が見付かった場合に、印刷物を生成する露光や転写などの画像形成部に問題があるのか、それとも、参照用画像データを生成するための解像度変換の画像処理に問題があるのか、その特定が難しいという問題もある。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、画像形成の際に読み取り画像データと参照画像データとを比較して迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、前記した課題を解決すべく、本発明の一側面が反映された検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムは、以下に説明するものである。
(1)本発明の一側面が反映された検査装置は、元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置であって、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部と、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部と、を有し、前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する、ことを特徴とする。
また、本発明の一側面が反映された検査装置は、元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置であって、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部と、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部と、前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部と、を有し、前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一側面が反映された画像形成装置は、元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部と、前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部と、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部と、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部と、を有し、前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する、ことを特徴とする。
また、本発明の一側面が反映された画像形成装置は、元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部と、前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部と、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部と、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部と、前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部と、を有し、前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一側面が反映された検査プログラムは、元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置を制御する検査プログラムであって、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、として検査装置のコンピュータを制御し、前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する。
また、本発明の一側面が反映された検査プログラムは、元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する検査装置を制御する検査プログラムであって、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部、として検査装置のコンピュータを制御し、前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する。
【0012】
また、本発明の一側面が反映された検査プログラムは、元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する画像形成装置を制御する検査プログラムであって、元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部、前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、として画像形成装置のコンピュータを制御し、前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして前記参照画像データを生成する。
また、本発明の一側面が反映された検査プログラムは、元画像データの各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号によって用紙上に画像が形成された印刷物について、前記印刷物を読み取って得られる読み取り画像データと、検査の比較対象として基準になる参照画像データとを比較して、前記印刷物を検査する画像形成装置を制御する検査プログラムであって、元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、前記PWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成する画像形成部、前記印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する読み取り部、前記PWM信号をサンプリングし、前記参照画像データを生成する参照画像生成部、前記読み取り画像データと前記参照画像データとを比較して前記印刷物を検査する検査部、前記参照画像生成部により生成される前記参照画像データの前記検査部への到達タイミングを遅らせることで、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部、として画像形成装置のコンピュータを制御し、前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとを比較して検査する。
【0013】
(2)以上の(1)において、前記参照画像生成部は、前記PWM信号を所定の周期でサンプリングし、前記読み取り画像データと等しい解像度の前記参照画像データを生成する、ことを特徴とする。
(3)以上の(1)~(2)において、前記参照画像データと前記読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、前記参照画像データの色表現と前記読み取り画像データの色表現のいずれか一方を他方の色表現に一致させるように色表現の変換を行う色変換部を備える、ことを特徴とする。
【0014】
(4)以上の(3)において、前記色変換部は、前記参照画像データと前記読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、前記参照画像データの色表現を前記読み取り画像データの色表現に一致させるように色表現の変換を行う、ことを特徴とする。
(5)以上の(1)~(4)において、前記印刷物の表面と裏面とで検査を行う際に、表面もしくは裏面のいずれかにおいて、前記参照画像データの方向と前記読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、前記参照画像データと前記読み取り画像データのいずれか一方の方向を他方の方向に一致させるように方向の変換を行う回転処理部を備える、ことを特徴とする。
【0015】
(6)以上の(5)において、前記回転処理部は、前記参照画像データの方向と前記読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、前記参照画像データの方向を前記読み取り画像データの方向に一致させるように方向の変換を行う、ことを特徴とする。
(7)以上の(1)~(5)において、前記検査部は、画像データにおける特徴点を予め定め、前記読み取り画像データと前記参照画像データとで対応する前記特徴点を抽出し、前記読み取り画像データと前記参照画像データとの前記特徴点の位置又は前記特徴間の距離を比較して前記印刷物を検査する、ことを特徴とする。
【0016】
(8)以上の(1)~(7)において、前記参照画像生成部は、オンとオフとの2値である前記PWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を1回サンプリングし、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の2値データとして前記参照画像データを生成する、ことを特徴とする。
【0018】
(10)以上の(1)~(9)において、前記PWM信号を生成する際に使用されるクロック信号を参照して、前記参照画像生成部が前記PWM信号をサンプリングする際のクロック信号を生成するクロック生成部を有する、ことを特徴とする。
【0019】
(11)以上の(2)において、前記タイミング調整部は、前記読み取り画像データを生成するタイミング信号を利用し、前記読み取り画像データと前記参照画像データのタイミングを一致させる、ことを特徴とする。
(12)以上の(2)において、前記PWM信号に基づいて主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して前記画像が形成され、主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して前記印刷物が読み取られて前記読み取り画像データが生成される場合に、前記検査部は、前記読み取り画像データと、前記タイミング調整部によってタイミングが調整された前記参照画像データとをライン毎に比較して検査する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面が反映された検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムでは、以下のような効果を奏することができる。
(1)本発明の一側面が反映された検査装置、画像形成装置、検査プログラムでは、元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成してPWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成し、印刷物を読み取って読み取り画像データを生成し、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データと所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成し、読み取り画像データと参照画像データとを比較して印刷物を検査する。
【0021】
ここで、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データと所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成する。なお、読み取り画像データと所定の関係を有する解像度の参照画像データとは、解像度が等しい場合、解像度が整数倍や整数分の一等の場合が該当する。このために、解像度変換の画像処理の場合よりも高速に、読み取り画像データの生成よりも先に参照画像データを生成できる。また、2次元の画像処理とは異なり、2値信号であるPWM信号の単純なサンプリングであり、参照画像データにエラーが含まれることがないため、検査の異常は画像形成の異常であると特定することが可能になる。このため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。
【0022】
(2)以上の(1)において、元画像データから各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成してPWM信号を用いて用紙上に画像が形成された印刷物を生成し、印刷物を読み取って読み取り画像データを生成し、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データと等しい解像度の参照画像データを生成し、読み取り画像データと参照画像データとを比較して印刷物を検査する。ここで、PWM信号を所定の周期でサンプリングすることで参照画像データを読み取り画像データと等しい解像度で生成するために、解像度変換の画像処理の場合よりも高速に、読み取り画像データの生成よりも先に参照画像データを生成できる。また、2次元の画像処理とは異なり、2値信号であるPWM信号の単純なサンプリングであり、参照画像データにエラーが含まれることがないため、検査の異常は画像形成の異常であると特定することが可能になる。このため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。
【0023】
(3)以上の(1)~(2)において、参照画像データと読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、参照画像データの色表現と読み取り画像データの色表現のいずれか一方を他方の色表現に一致させることにより、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を適切に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0024】
(4)以上の(3)において、参照画像データと読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、参照画像データの色表現を読み取り画像データの色表現に一致させるように色表現の変換を行うため、読み取りよりも処理時間に余裕が生じるサンプリングの側で色表現の変換を行うことになり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0025】
(5)以上の(1)~(4)において、印刷物の表面と裏面とで検査を行う際に、表面もしくは裏面のいずれかにおいて、参照画像データの方向と読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、参照画像データと読み取り画像データのいずれか一方の方向を他方の方向に一致させるように方向の変換を行うことにより、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を適切に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0026】
(6)以上の(5)において、参照画像データの方向と読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、参照画像データの方向を読み取り画像データの方向に一致させるように方向の変換を行うことにより、読み取りよりも処理時間に余裕が生じるサンプリングの側で方向一致の回転処理を行うことになり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0027】
(7)以上の(1)~(5)において、画像データ端部(外枠)や画像端部(画像輪郭)を特徴点として、画像データにおける特徴点を予め定め、読み取り画像データと参照画像データとで対応する特徴点を抽出し、読み取り画像データと参照画像データとの特徴点の位置又は特徴間の距離を比較して印刷物を検査することにより、読み取り画像データと参照画像データとの間で全画素について画素単位の検査が不要になり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0028】
(8)以上の(1)~(7)において、オンとオフとの2値であるPWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を1回サンプリングし、参照画像データを2値データとして生成することにより、高速にエラーの無い状態で、前記読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の2値データとして前記参照画像データを生成でき、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。
【0029】
(9)以上の(1)~(8)において、オンとオフとの2値であるPWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、参照画像データを読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして生成することにより、高速にエラーの無い状態で多値の参照画像データを生成でき、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。
【0030】
(10)以上の(1)~(9)において、PWM信号を生成する際に使用されるクロック信号を参照して、参照画像生成部がPWM信号をサンプリングする際のクロック信号を生成することで、適切なサンプリングにより適切な参照画像データを生成して検査できるようになるため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。
【0031】
(11)以上の(1)~(10)において、参照画像データの検査部への到達タイミングをタイミング調整部が遅らせることで、読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させることで、画像形成後の読み取りに遅れることなく参照画像データを生成して検査できるようになるため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。従って、主走査方向のライン毎に画像が形成され、ライン毎に読み取り画像データが生成される場合に、読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させることで、特定の領域毎の比較や、ライン単位の比較が可能となり、異常な印刷物を早期発見することが可能になる。
【0032】
(12)以上の(11)において、タイミング調整部は、読み取り画像データを生成するタイミング信号を利用し、読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させることにより、画像形成後の読み取りに遅れることなく参照画像データを確実に生成して検査できるようになるため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。従って、主走査方向のライン毎に画像が形成され、ライン毎に読み取り画像データが生成される場合に、読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させることで、特定の領域毎の比較や、ライン単位の比較が可能となり、異常な印刷物を早期発見することが可能になる。
【0033】
(13)以上の(11)~(12)において、PWM信号に基づいて主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して画像が形成され、主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して印刷物が読み取られて読み取り画像データが生成される場合に、参照画像データのタイミングを調整し、読み取り画像データと参照画像データとを主走査方向のライン毎に比較して検査することにより、画像形成後の読み取りに遅れることなくリアルタイムで検査できるようになり、迅速かつ適切に検査して問題点を早期発見して特定することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【
図3】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【
図4】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【
図5】本発明の実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態における処理タイミングの一例を示す説明図である。
【
図7】本発明の実施形態における処理タイミングの一例を示す説明図である。
【
図8】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【
図9】本発明の実施形態の他の処理例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態の他の構成を示す構成図である。
【
図11】本発明の実施形態の他の構成で使用される用紙束を示す説明図である。
【
図12】本発明の実施形態の他の処理例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態の処理の様子の他の例を示す説明図である。
【
図14】本発明の実施形態の処理の様子の他の例を示す説明図である。
【
図15】比較例としての検査装置の構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、印刷物上の欠陥や異常が継続する場合であっても、最終的に不良印刷物を出すことを回避し、画像形成のダウンタイムを抑制することが可能な、検査装置及び画像形成装置並びに検査プログラムの実施形態を詳細に説明する。
〔構成(1)〕
検査装置を含む画像形成装置100の第1構成例を、
図1と
図2に基づいて詳細に説明する。なお、
図1は画像形成装置100に含まれる各装置の各部の機能を示す機能ブロック図、
図2は画像形成装置100に含まれる各装置の各部の機械的構成要素を示す説明図
である。
【0036】
ここで、画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御する制御部101と、各部での処理に必要とされるタイミング信号やクロック信号を生成するクロック生成部102と、利用者による操作入力と画像形成装置100の状態表示とを行う操作表示部103と、各種設定を記憶する記憶部104と、給紙トレイに収容された用紙を給紙可能な給紙部105と、画像形成装置内で用紙を搬送する搬送部107と、画像形成する際の元画像データを記憶する画像データ記憶部110と、元画像データを画像形成に必要な解像度を有する出力画像データに変換する解像度変換部120、出力データを画像形成部で利用可能な状態の各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号に変換する解像度変換部130、PWM信号に基づいて用紙上に画像を形成して印刷物を作成する画像形成部140と、生成された印刷物を搬送中に読み取る出力物読み取り部150と、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成する参照画像生成部170と、参照画像データの検査部への到達タイミングを遅らせて読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させるタイミング調整部180と、読み取り画像データと参照画像データとを比較して印刷物を検査して検査結果を制御部101に通知する検査部190と、を備えて構成されている。
【0037】
なお、画像形成部140は、
図2に示されるように、帯電された像担持体に形成される静電潜像が現像されてトナー像となり、中間転写体上で各色のトナー像が重ね合わされてから用紙に転写される、いわゆる電子写真方式の画像形成部である。但し、画像形成部140の具体的構成は、
図2に示すものに限られない。また、出力物読み取り部150は、
図2に示されるように、画像形成部140の下流側に配置されており、印刷物の両面を一度に読み取っても良いし、印刷物を片面ずつ読み取っても良い。また、参照画像生成部170により生成される、読み取り画像データと所定の関係を有する解像度の参照画像データとは、解像度が等しい場合、解像度が整数倍や整数分の一等の場合が該当する。
【0038】
〔構成(2)〕
検査装置を含む画像形成装置100の第2構成例を、
図3に基づいて詳細に説明する。なお、
図3は画像形成装置100に含まれる各装置の各部の機能を示す機能ブロック図である。また、この画像形成装置100の第2構成例において、
図1に示した第1構成例と同一物には同一番号を付すことで重複した説明を省略する。
【0039】
図3において、PWM処理部130において、PWM処理に加え、固有画像処理を実行している。この固有画像処理とは、画像形成部140での電子写真方式の画像形成において、細線が更に細くなるなどの現象に対処するため、予め細線を太くしておく処理である。これにより、印刷物上では細線が細くなる現象が生じない。
【0040】
そして、参照画像生成部170では、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成するサンプリング部171に加え、PWM処理部130における固有画像処理の影響を除去して本来の状態の参照画像データを生成するための固有処理除去部172を有して構成されている。これにより、参照画像としては固有画像処理が施されていないノーマルの状態になり、読み取り画像と参照画像とで適切な比較が可能になる。
【0041】
〔構成(3)〕
検査装置を含む画像形成装置100の第3構成例を、
図4に基づいて詳細に説明する。なお、
図4は画像形成装置100に含まれる各装置の各部の機能を示す機能ブロック図である。また、この画像形成装置100の第3構成例において、
図1に示した第1構成例と同一物には同一番号を付すことで重複した説明を省略する。
【0042】
参照画像生成部170では、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成するサンプリング部171に加え、サンプリングにより得られたデータを所定数単位で平均化する平均化部173を有して構成されている。
【0043】
ここで、サンプリング部171は、オンとオフとの2値であるPWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして参照画像データを生成するものである。なお、この際も、構成(2)と同様に、固有画像処理の影響を除去する構成を兼ね備えていても良い。
【0044】
〔動作〕
以下、
図5のフローチャートを参照し、基本となる実施形態の動作説明を行う。なお、以下の動作は、制御部101における制御プログラム(検査プログラム)により実現される。
【0045】
画像形成装置100において制御部101は、画像形成に関する指示を、操作表示部103を介してユーザから受け付けるか、あるいは、通信部102を介して外部機器から受け付ける(
図5中のステップS100)。この画像形成に関する指示としては、画像形成の開始の指示と、画像形成する画像データの指定、断裁予定領域と画像形成領域との指定、後処理の指定、などである。
【0046】
なお、検査装置として、制御部101は、画像形成開始とは別に明確な検査開始の指示を受け付けても良いし、画像形成開始と同時に検査開始の指示を受け付けても良いし、画像形成の開始の指示を検査開始の指示と解釈しても良い。
画像形成する画像データが指定されると、制御部101は、指定された画像データについて画像形成するための元画像データを画像データ記憶部110から呼び出す(
図5中のステップS101)。制御部101は、元画像データを解像度変換部120において画像形成に必要な解像度に変換して出力画像データを生成する(
図5中のステップS102)。
【0047】
例えば、元画像データの解像度が600dpiであり、画像形成部140で1200dpiで画像形成する場合には、解像度変換部120において600dpiの元画像データを解像度変換処理し、1200dpiの出力画像データを生成する。
更に、制御部101は、出力画像データをPWM処理部130でPWM処理して、オン/オフ2値のパルスであって各画素の画素値に応じたパルス幅を有するPWM信号を生成する(
図5中のステップS103)。
【0048】
制御部101は、PWM信号を用いて露光して感光体に潜像を形成し、現像部で潜像をトナー像に変換し、給紙部105から用紙を画像形成部140に向けて給紙させ、感光体上のトナー像を搬送された用紙に転写し、用紙上のトナー像を定着ローラで定着して印刷物を作成するように、給紙部105、搬送部107、画像形成部140を制御する(
図5中のステップS104)。
【0049】
そして、制御部101は、このように画像形成部140の画像形成により作成された印刷物を、出力物読み取り部150に向けて搬送するように、搬送部107を制御する(
図5中のステップS105)。
印刷物が搬送部107により出力物読み取り部150に搬送されると、制御部101からのリード信号により制御される出力物読み取り部150は、搬送中の印刷物を読み取って読み取り画像データを生成する(
図5中のステップS106)。
【0050】
なお、制御部101により制御される出力物読み取り部150は、生成したRGB形式の読み取り画像データをYMCK形式に変換する入力画像処理を施して検査用の読み取り画像データとして、この検査用の読み取り画像データを検査部190に送る(
図5中のステップS107)。
【0051】
一方、参照画像生成部170は、PWM処理部130で生成された2値のPWM信号を所定の周期でサンプリングし、読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成する(
図5中のステップS108)。なお、読み取り画像データと所定の関係を有する解像度の参照画像データとは、解像度が等しい場合、解像度が整数倍や整数分の一等の場合が該当する。
【0052】
例えば、上述した1200dpiの出力画像データから1200dpiのPWM信号が生成されており、出力物読み取り部150において300dpiの読み取り画像データが生成されている場合を想定する。この場合には、主走査方向及び副走査方向で、1200dpiのPWM信号を4倍の周期でサンプリングすることで300dpiの参照画像データを生成する
ことができる。
【0053】
この場合、クロック生成部102は、PWM処理部130には1200dpiの処理のための出力クロックを供給すると共に、この出力クロックを4分周することで300dpiのサンプリング処理のために参照画像クロックを生成して参照画像生成部170に供給する。なお、この300dpiの参照画像クロックとしては、主走査方向に4分周すると共に、副走査方向にも1200dpiの4ラインに対して1ラインの割合で参照画像データを生成する。
【0054】
すなわち、参照画像生成部170は、オンとオフとの2値であるPWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を1回サンプリングし、読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の2値データとして参照画像データを生成する。
なお、参照画像生成部170は、参照画像データを2値ではなく多値にすることも可能である。この場合には、参照画像生成部170は、オンとオフとの2値であるPWM信号について、所定の周期毎に当該PWM信号を複数回サンプリングし、複数のサンプリング結果を用いて、読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の多値データとして参照画像データを生成する。
【0055】
例えば、上述した300dpiの読み取り画像データと同じ解像度とした場合、その300dpiを得るための1周期において、サンプリング部171(
図4参照)がPWM信号を4回サンプリングし、主走査方向に4回・副走査方向に4回の合計16回のサンプリング結果を平均化部173(
図4参照)が平均化して1画素を生成する。これにより、300dpiの解像度であって、0~15の16値(4ビット相当)の参照画像データを生成することができる。
【0056】
この場合、クロック生成部102は、PWM処理部130には1200dpiの処理のための出力クロックを供給すると共に、この出力クロックと同じクロックを、300dpi・4サンプリング処理のために参照画像クロックとして参照画像生成部170に供給する。
なお、クロック生成部102は、PWM処理部130のPWM信号の解像度に合わせて出力クロックを生成すると共に、更に、出力クロックを利用して、参照画像生成部170の参照画像データの解像度(読み取り画像データと同じ)と参照画像データの階調数に合わせて参照画像クロックを生成すれば良い。
【0057】
また、参照画像生成部170は、PWM信号をサンプリングして参照画像データを生成する際に、必要な所定の画像処理を施す(
図5中のステップS109)。なお、所定の画像処理としては、参照画像データを読み取り画像データと近い状態にして、読み取り画像データに汚れや欠損などの異常が無い場合に参照画像データを読み取り画像データとを一致した状態にする画像処理が考えられる。また、所定の画像処理としては、PWM処理部130においてPWM処理に加えて細線対策の固有画像処理を実行している場合に、固有処理除去部172(
図3参照)により、PWM処理部130における固有画像処理の影響を除去して本来の状態の参照画像データを生成することなどが該当する。
【0058】
そして、制御部101により制御されるタイミング調整部180は、検査部190での検査に際して、出力物読み取り部150で生成された読み取り画像データと、参照画像生成部170で生成された参照画像データとのタイミングが一致するようにする(
図5中のステップS110)。
【0059】
この実施形態では、参照画像生成部170においてPWM信号をサンプリングすることで参照画像データを生成しているため、参照画像データを生成する際に従来のような解像度変換処理が不要になっていて、参照画像データを従来より短時間で生成することが可能になっている。実際には、画像形成部140の画像形成や印刷物の出力物読み取り部150への搬送よりも、参照画像生成部170における参照画像データの生成が早い。このため、タイミング調整部180は、タイミング調整部180内のデータバッファや画像データ記憶部110などに参照画像データを一時的に記憶させることで、検査部190に到達する読み取り画像データと参照画像データとのタイミングが一致するようにする。
【0060】
なお、タイミング調整部180は、参照画像生成部170で参照画像データと共に生成されるライト信号により、参照画像データが書き込まれる。そして、タイミング調整部180には、出力物読み取り部150に供給されるリード信号が供給されており、このリード信号により参照画像データが読み出される。すなわち、同じリード信号を使用するため、読み取り画像データと参照画像データとはタイミングが一致した状態になる。なお、このリード信号については、制御部101が生成しても良いし、他の信号発生部が発生しても良い。
【0061】
ここで、制御部101から検査実行の指示を受けた検査部190は、タイミング調整された読み取り画像データと参照画像データとを比較して一致しているかを検査する(
図5中のステップS111)。なお、画像形成部140での画像形成や出力物読み取り部150での読み取りが主走査方向のライン毎に実行されることにあわせ、検査部190では、主走査方向のライン毎に検査を実行する。なお、この検査としては、画像の汚れ付着や画像の欠けなどによる不一致(異常)が発生していないかを確認する。なお、検査部190は、検査結果(一致/不一致)を制御部101に通知する。
【0062】
制御部101は、検査部190からの検査結果を受け、不一致が検知された画素数やライン数をカウントし、カウント値が所定の予め定められた閾値以上のときに画像が異常であると判断し、カウント値が所定の予め定められた閾値未満のときに画像が正常であると判断する(
図5中のステップS112)。なお、この閾値はユーザが定めても良いし、製造時に予めプリセットされた値でも良い。また、画像の用途や用紙種類に応じて閾値を切り替えるようにしても良い。
【0063】
制御部101は、画像が正常であると判断された場合に(
図5中のステップS112でYES)、指定された画像形成を最終ページまで繰り返し実行する(
図5中のステップS113でNO~S101、S113でYES~エンド)。
また、制御部101は、読み取り画像データと参照画像データとの検査で不一致のカウント数が閾値を超えて異常と判断した場合(
図5中のステップS112でNO)、異常発生によるエラー処理を実行する(
図5中のステップS114)。制御部101は、このエラー処理として、画像形成を停止するように、給紙部105、搬送部107、画像データ記憶部110、解像度変換部120、PWM処理部130、画像形成部140の各部を停止させるよう制御する。また、制御部101は、異常により画像形成を停止する旨を操作表示部103に表示し、必要に応じて外部機器に停止を報知する。また、制御部101は画像形成を停止させるのではなく、異常が検出された元画像データについて再び画像形成を実行するように、給紙部105、搬送部107、画像データ記憶部110、解像度変換部120、PWM処理部130、画像形成部140の各部を制御しても良い。この場合も、制御部101は、異常により画像形成を再実行する旨を操作表示部103に表示し、必要に応じて外部機器に報知する。なお、エラー処理としては各種の対処が存在するため、ここに示す以外の制御を実行しても良い。
【0064】
なお、
図6は、
図1や
図2に示した、2値の参照画像データを生成する場合の画像形成装置における各部の信号タイミングを示すタイムチャートである。まず、制御部101に動作の開始を意味する開始信号(
図6(a))が与えられる。この開始信号を受けて、制御部101は、リード信号を生成し、画像データ記憶部110から元画像データを読み出す。このリード信号として、画像の副走査方向の有効タイミングを示す垂直有効信号VV(
図6(b)と、画像の主走査方向の有効タイミングを示す水平有効信号HV(
図6(c)とを生成する。ここで、クロック生成部102は、PWM信号を生成するための出力用クロック(
図6(d):例えば、出力画像データと同じ1200dpi)をPWM処理部130に供給する。
図6(e)は1200dpiのPWM信号を模式的に示している。また、クロック生成部102は、参照画像データが300dpi・2値であれば、出力用クロック(
図6(d):例えば、1200dpi)を利用して、参照画像クロック(
図6(f):例えば、1200dpiを4分周して300dpi)を参照画像生成部170に供給する。
図6(g)は、300dpi・2値の参照画像データを模式的に示している。この参照画像データは、出力物読み取り部150における読み取り画像データと同時にリード信号に応じて読み出し、読み取り画像データと参照画像データとは検査部190に供給される。
【0065】
また、
図7は、
図3に示した多値(例えば16値)の参照画像データを生成する場合の画像形成装置における各部の信号タイミングを示すタイムチャートである。まず、制御部101に動作の開始を意味する開始信号(
図7(a))が与えられる。この開始信号を受けて、制御部101は、リード信号を生成し、画像データ記憶部110から元画像データを読み出す。このリード信号として、画像の副走査方向の有効タイミングを示す垂直有効信号VV(
図7(b)と、画像の主走査方向の有効タイミングを示す水平有効信号HV(
図7(c)とを生成する。ここで、クロック生成部102は、PWM信号を生成するための出力用クロック(
図7(d):例えば、出力画像データと同じ1200dpi)をPWM処理部130に供給する。
図7(e)は1200dpiのPWM信号を模式的に示している。また、クロック生成部102は、参照画像データが300dpi・16値であれば、出力用クロック(
図7(d):例えば、1200dpi)を利用して、参照画像クロック(
図7(f):例えば、1200dpi)を参照画像生成部170に供給する。
図7(g)は、300dpi・16値の参照画像データを模式的に示している。この参照画像データは、出力物読み取り部150における読み取り画像データと同時にリード信号に応じて読み出し、読み取り画像データと参照画像データとは検査部190に供給される。
【0066】
〔検査の具体例〕
以下、検査部190における検査の具体例を示す。
既に説明したように、検査部190は、タイミング調整された読み取り画像データと参照画像データとについて主走査方向のライン毎に、画像の汚れ付着や画像の欠けなどによる不一致(異常)が発生していないかを確認する。
【0067】
・多値と2値との検査:
この検査としては、
図1の構成の場合に、検査部190は、多値の読み取り画像データと、2値の参照画像データとの比較を行う。
例えば、読み取り画像データ:((0~255)/255)と、参照画像データ(0~1/1)との差
分を画素毎に取得し、その差分の絶対値の総和をライン毎又は特定領域(特定の数ライン)又は画像全体で求めることが可能である。
【0068】
例えば4つの画素で考えて、
・読み取り画像データ:「16/255, 30/255, 211/255, 232/255」と、参照画像データ:「0/1, 0/1, 1/1, 1/1」との比較であれば、
| 16/255 - 0/1 | = 0.063,
| 30/255 - 0/1 | = 0.118,
| 211/255 - 1/1 | = 0.173,
| 232/255 - 1/1 | = 0.090,
についての総和を求める。
【0069】
また、別の手法としては、読み取り画像データ:((0-127),(128-255))/255と、参照画像データ:(0,1) /1を比較して、不一致の画素数をライン毎又は特定領域(特定の数ライン)又は画像全体でカウントすることが可能である。
実際には、検査部190として各種手法を実験して、好ましいアルゴリズムを適用することになる。
【0070】
・階調性の異なる多値同士の検査:
この検査としては、
図3の構成の場合に、検査部190は、多値の読み取り画像データと、読み取り画像データとは異なる階調の多値の参照画像データとの比較を行う。
例えば、
読み取り画像データ:((0~255) /255)と、参照画像データ:(( 0~15)/15)の差分を画素毎に取得し、その差分の絶対値の総和をライン毎又は特定領域(特定の数ライン)又は画像全体で求めることが可能である。
【0071】
例えば4つの画素で考えて、
読み取り画像データ:「16/255, 30/255, 211/255, 232/255」と、参照画像データ:「1/16, 2/16, 14/16, 15/16」との比較であれば、
| 16/255 - 1/16 | = 0.000,
| 30/255 - 2/16 | = 0.007,
| 211/255 - 14/16 | = 0.110,
| 232/255 - 15/16 | = 0.028,
についての総和を求める。
【0072】
また、別の手法としては、256値の読み取り画像データ:((0-15),(16-31),…,(240-255))/255 と、16値の参照画像データ:((0,1,…,15)/15)を比較して、不一致の画素数をライン毎又は特定領域(特定の数ライン)又は画像全体でカウントすることが可能である。
【0073】
差分については、例えば、(16-31)/255と1/15の対応であれば、一致なので差分は0、(16-31)/255と2/15の対応であれば、不一致であり差分は1、これを累積することが可能である。
この場合にも、実際には、検査部190として各種手法を実験して、各種の好ましいアルゴリズムを適用することになる。
【0074】
〔構成(4)〕
検査装置を含む画像形成装置100の第4構成例を、
図8に基づいて詳細に説明する。なお、
図8は画像形成装置100に含まれる各装置の各部の機能を示す機能ブロック図である。また、この画像形成装置100の第4構成例において、
図1~
図4に示した第1構成例~第3構成例と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
【0075】
また、この第4構成例の動作について、
図9のフローチャートを参照して説明する。なお、
図9のフローチャートにおいて、第1構成例~第3構成例の動作として既に説明した処理ステップと同一な処理ステップについては、同一ステップ番号を付すことで、重複した説明を省略する。
【0076】
図8において、参照画像生成部170で生成される参照画像データに色変換を施す色変換部175が、参照画像生成部170とタイミング調整部180との間に配置されている。
参照画像生成部170で生成される参照画像データと、出力物読み取り部150で生成された前記読み取り画像データとで、異なる色表現で構成される場合がある。例えば、参照画像生成部170で生成される参照画像データはRGB形式の色表現で構成され、出力物読み取り部150で生成される読み取り画像データはYMCK形式の色表現で構成される。
【0077】
この場合、参照画像データの色表現と読み取り画像データの色表現のいずれか一方を、他方の色表現に一致させるように、色表現の変換を行う色変換部を備えることが必要である。
ここで、既に
図5のフローチャートで説明したように、出力物読み取り部150が、生成したRGB形式の読み取り画像データをYMCK形式に変換する入力画像処理を施すことも可能である。
【0078】
ところで、既に説明したように、以上の各実施形態においては解像度変換の画像処理ではなくサンプリングにより高速に参照画像データを生成しているため、検査部190の比較までに参照画像データ側では時間の余裕が生じている。
そこで、参照画像生成部170が参照画像データを生成する(
図9中のステップS108)と共に、必要な所定の画像処理を施した(
図9中のステップS109a)後に、参照画像生成部170で生成された参照画像データの色表現(例えば、YMCK)について、出力物読み取り部150で生成された読み取り画像データの色表現(例えば、RGB)に一致させるように、色変換部175が色変換処理を実行する(
図9中のステップS109b)。
【0079】
この場合の色変換はルックアップテーブル等を参照した一般的なものを採用することができる。また、色変換部175は、上述した時間の余裕の範囲で、検査部190の比較までに参照画像データ側の色変換を実行することが可能である。
〔構成(5)〕
検査装置を含む画像形成装置100の第5構成例を、
図10に基づいて詳細に説明する。なお、
図10は画像形成装置100に含まれる各装置の各部の機能を示す機能ブロック図である。また、この画像形成装置100の第5構成例において、第1構成例~第4構成例と同一物には同一番号を付すことで、重複した説明を省略する。
【0080】
参照画像生成部170で生成される参照画像データの表面もしくは裏面のいずれかにおいて、参照画像データの方向と読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、参照画像データと読み取り画像データのいずれか一方の方向を他方の方向に一致させるように方向の変換を行う回転処理部を備える必要がある。
図10の第5構成例では、参照画像データと読み取り画像データのいずれか一方の方向を他方の方向に一致させるように方向の変換を行う回転処理部177が、参照画像生成部170とタイミング調整部180との間に配置されている。
【0081】
図11は画像回転を必要とする画像形成と綴じられた冊子の説明図であり、用紙上に縦長の画像(ポートレート画像)が形成される場合を示している。この本実施形態では、表紙を表にした場合に用紙の画像上側位置の短辺が綴じられているものであり、複数枚の用紙からなる冊子を読み進める際に用紙を上に開いていく形式のものを意味する。なお、ここでは図示しないが、用紙上に横長の画像(ランドスケープ画像)を形成し、表紙を表にした場合に用紙の画像上側位置の長辺が綴じられ、複数枚の用紙からなる冊子を読み進める際に用紙を上に開いていく形式のものであっても良い。
【0082】
図11(a1)は用紙1枚目第1面P1-1に形成される第1ページ目の画像、
図11(a2)は用紙1枚目第2面P1-2に形成される第2ページ目の画像、
図11(b1)は用紙2枚目第1面P2-1に形成される第3ページ目の画像、
図11(b2)は用紙2枚目第2面P2-2に形成される第4ページ目の画像、である。
【0083】
ここでは、縦長用紙の各ページの上側中央位置にページ番号が付された様子を示している。縦長用紙の画像形成に上綴じが指定された場合には、縦長用紙の画像上側短辺において綴じられた状態で各ページの見え方が適切な状態になるよう、用紙1枚目第2面P1-2に形成される第2ページ目の画像(
図11(a2))と用紙2枚目第2面P2-2に形成される第4ページ目の画像(
図11(b2))とは、用紙1枚目第1面P1-1に形成される第1ページ目の画像(
図11(a1))と用紙2枚目第1面P2-1に形成される第3ページ目の画像(
図11(b1))に比較して、180°回転された状態で画像形成される。
【0084】
図11(d)は、表紙を表にした場合に縦長用紙の表紙画像上側(表紙(用紙1枚目第1面P1-1)の画像上側短辺に相当する各用紙の同位置)d1にて接着やステープル等で綴じられ、上綴じされた用紙束を示す。ここで、用紙1枚目第1面P1-1に形成される第1ページ目は綴じ位置側が上になるような画像が形成され、用紙1枚目第2面P1-2に形成される第2ページ目は綴じ位置と反対が上になるような画像が形成されている。これにより、用紙1枚目第2面P1-2を綴じ位置に向かってめくった状態で、第2ページ目の画像の天地が正常な状態で視認されるようになる。以下、
図11(d)では示されていないが、第3ページ目・第4ページ目、第5ページ目・第6ページ目、…、と同様である。
【0085】
図11(c)は用紙1枚目について、出力物読み取り部150での用紙両面読み取りの様子を模式的に示している。用紙1枚目第1面P1-1に形成された画像(実線)については、用紙表側において、主走査X1方向のライン状の読み取りを、用紙搬送に合わせて副走査方向Y1方向に繰り返す。同様に、用紙1枚目第2面P1-2に形成された裏面の画像(破線)については、以上の用紙1枚目第1面P1-1の読み取りと同時に並行して、用紙裏側において、主走査X2方向のライン状の読み取りを、用紙搬送に合わせて副走査方向Y1方向に繰り返す。すなわち、用紙の第1面と第2面とでは、180°回転した状態の画像が並行して読み取られることになる。
【0086】
図11(e1)は用紙1枚目第1面P1-1に形成される第1ページ目の画像、
図11(e2)は用紙1枚目第2面P1-2に形成される第2ページ目の画像、である。なお、A3サイズまで画像形成可能な画像形成装置において、A3サイズの画像を形成する場合には、用紙をこの方向にして画像形成せざるをえない。ここで、用紙1枚目第2面P1-2に形成される第2ページ目の画像(
図11(e2))は、用紙1枚目第1面P1-1に形成される第1ページ目の画像(
図11(e1))とに比較して、180°回転された状態で画像形成される。
図11(h)は、表紙を表にした場合に縦長用紙の表紙画像上側(表紙(用紙1枚目第1面P1-1)の画像上側短辺に相当する各用紙の同位置、
図11(h)では左側)d1にて接着やステープル等で綴じられ、上綴じされた用紙束を示す。
図11(c)は用紙1枚目について、出力物読み取り部150での用紙両面読み取りの様子を模式的に示している。用紙1枚目第1面P1-1に形成された画像(実線)については、用紙表側において、主走査X1方向のライン状の読み取りを、用紙搬送に合わせて副走査方向Y1方向に繰り返す。同様に、用紙1枚目第2面P1-2に形成された裏面の画像(破線)については、以上の用紙1枚目第1面P1-1の読み取りと同時に並行して、用紙裏側において、主走査X2方向のライン状の読み取りを、用紙搬送に合わせて副走査方向Y1方向に繰り返す。すなわち、用紙の第1面と第2面とでは、180°回転した状態の画像が並行して読み取られることになる。
【0087】
以下、この第5構成例の動作について、
図12のフローチャートを参照して説明する。なお、
図12のフローチャートにおいて、第1構成例~第4構成例の動作として既に説明した処理ステップと同一な処理ステップについては、同一ステップ番号を付すことで、重複した説明を省略する。
【0088】
画像形成部140による用紙第1面(表面)の画像形成(
図12中のステップS103、S104)に合わせて、参照画像生成部170は用紙第1面の参照画像データを生成する(
図12中のステップS108a)。
第1面の画像形成が済んだ用紙は搬送部107により反転搬送されて再び画像形成部140に再給紙され(
図12中のステップS105aでYES、S105b)、画像形成部140による用紙第2面(表面)の画像形成(
図12中のステップS103、S104)に合わせて、参照画像生成部170は用紙第2面の参照画像データを生成する(
図12中のステップS108bでYES、S108c、S108a)。
【0089】
両面の画像形成が済んだ用紙は搬送部107により出力物読み取り部150に搬送され(
図12中のステップS105d)、出力物読み取り部150により両面の読み取り画像データが生成される(
図12中のステップS106)。
また、上綴じが指定された画像形成であれば(
図12中のステップS109aでYES)、参照画像データの第2面(裏面)が回転処理部177により180°回転された状態に処理される。これにより、参照画像データの方向と読み取り画像データの方向とが一致するようにされ、読み取り画像データと参照画像データとを比較して一致しているかの検査が実行する(
図12中のステップS111)。
【0090】
この結果、参照画像生成部170で生成される参照画像データの表面もしくは裏面のいずれかにおいて、参照画像データの方向と読み取り画像データの方向とが一致しない場合でも、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0091】
なお、以上の
図11では、原稿画像が縦向き(縦長用紙)・上辺(短辺)綴じであって、読み取りと比較の方向が原稿に対し主走査方向を副走査方向に上から下の向き(画像が反転している方向)の場合について、一例として記載している。
ただし、参照画像データについて180°の回転が必要な場合は、必ずしも以上の場合に限らない。原稿画像が横向きで、左綴じ、比較の方向が原稿に対し左から右の向きの場合も、参照画像データに180°の回転が必要となる。
【0092】
また、両面印刷で、印刷物が1枚の場合は、必ずしも綴じる必要がないが、画像の向きや比較の方向が上述したもの同様の場合には、参照画像データについての180°の回転が必要となる。
すなわち、用紙両面の画像の0°と180°の方向(画像上下方向)が、上述した主走査方向と直交し、上述した副走査方向と一致する場合には、そのままの状態では検査部190での比較において読み取り画像データと参照画像データとの向きが一致しないため、参照画像データに180°の回転が必要となる。一方、用紙両面の画像の0°と180°の方向(画像上下方向)が、上述した副走査方向と直交し、上述した主走査方向と一致する場合には、そのままの状態で検査部190での比較において読み取り画像データと参照画像データとの向きが一致するため、参照画像データに180°の回転は必要ない。
【0093】
なお、既に説明したように、以上の各実施形態においては解像度変換の画像処理ではなくサンプリングにより高速に参照画像データを生成しているため、検査部190の比較までに参照画像データ側では時間の余裕が生じている。このため、回転処理部177は、上述した時間の余裕の範囲で、検査部190の比較までに画像の向きの修正を実行することが可能である。
【0094】
〔構成(6)〕
検査装置を含む画像形成装置100の第6構成例の動作を
図13と
図14により詳細に説明する。
制御部101から検査実行の指示を受けた検査部190は、タイミング調整された読み取り画像データと参照画像データとについて、画素同士を比較して一致しているかを検査することが一般的である。
【0095】
この第6構成例では、画像データ端部(外枠)や画像端部(画像輪郭)を特徴点として、画像データにおける特徴点を予め定め、読み取り画像データと参照画像データとで対応する特徴点を抽出し、読み取り画像データと参照画像データとの特徴点の位置又は特徴間の距離を比較して印刷物を検査することにより、高速に検査することが可能になる。
【0096】
例えば、
図13において、画像データ領域の主走査方向の端部s1、画像データ領域中の画像(例えば、白や透明を除いた画素の集合体)Aの主走査方向の開始側端部a1、画像データ領域中の画像Aの主走査方向の終了側端部a2、を特徴点として定める。この場合、検査部190は、タイミング調整された読み取り画像データと参照画像データとについて、同一主走査ライン上の特徴点s1、a1、a2の位置や、それぞれの間隔を比較して一致しているかを検査する。これにより、読み取り画像データと参照画像データとの間で全画素について画素単位の検査が不要になり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0097】
また、例えば、
図14において、画像データ領域の主走査方向の端部s1、画像データ領域中の画像Aの主走査方向の開始側端部a1、画像データ領域中の画像Aの主走査方向の終了側端部a2、画像データ領域中の画像Bの主走査方向の開始側端部b1、画像データ領域中の画像Bの主走査方向の終了側端部b2、を特徴点として定める。この場合、検査部190は、タイミング調整された読み取り画像データと参照画像データとについて、同一主走査ライン上の特徴点s1、a1、a2、b1、b2の位置や、それぞれの間隔を比較して一致しているかを検査する。または、検査部190は、タイミング調整された読み取り画像データと参照画像データとについて、同一主走査ライン上の複数の画像の対応する輪郭位置、例えば、特徴点a1とb1の位置や間隔を比較して一致しているかを検査することが可能である。これにより、検査のデータ処理量を一層削減して、高速化を実現することも可能である。
【0098】
また、この第6構成例においては、画素同士の比較ではなく、位置や距離の比較であるため、検査対象である読み取り画像データと参照画像データとは、同じ解像度である必要はなく、上述した位置や距離の数値に解像度の違いに応じた係数を乗じて計算によって検査を行うことが可能である。なお、計算の際の係数を容易に定めることができるようにするため、読み取り画像データと所定の関係を有する解像度の参照画像データとは、解像度が整数倍や整数分の一とすることが望ましい。
【0099】
なお、特徴点の定め方はここに示した例に限られるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、特定の色や画素値の画素のみを抽出して、その位置や端部からの間隔を検査して、検査のデータ処理量を一層削減して、高速化を実現することも可能である。
〔従来構成と本実施形態構成との比較〕
以下、
図1~
図4に示した本実施形態の構成に対応して、従来の検査装置を含む画像形成装置100’の構成とその動作について、
図15を参照して説明する。
【0100】
なお、
図15は画像形成装置100’に含まれる各装置の各部の機能を示す機能ブロック図である。また、この画像形成装置100’の構成例において、
図1~
図4に示した実施形態の構成例と同一物には同一番号を付すことで重複した説明を省略する。
この
図15の従来構成において、参照画像生成部160は、元画像データを解像度変換して、読み取り画像データと等しい解像度の参照画像データを生成する。すなわち、参照画像生成部160は、元画像データを解像度変換する解像度変換部161と、所定の画像処理を施す画像処理部162とを備えて構成される。
【0101】
ここで、元画像データが600dpiであり、スキャナの読み取り解像度が300dpiである場合、参照画像生成部160で参照画像データを生成する際には、解像度変換部161の解像度変換処理により600dpiの元画像データを300dpiの参照画像データに変換する。
【0102】
この解像度変換の画像処理は、2次元の画像処理であるため、ハードウエアで実行すれば高速であるがコストが掛かる問題があり、一方、ソフトウエアで実行すればコストは満足できるものの処理時間が掛かる問題がある。なお、解像度変換の画像処理は一般的にはソフトウエア処理が多いが、この場合には、解像度変換処理に時間が掛かることにより、参照用画像データの生成が読み取り画像データの生成よりも遅れる。
【0103】
このため、タイミング調整部180’において読み取り画像データを一時的に保存し、参照画像データの生成を待つ。これにより、検査(読み取り画像データと参照用画像データとの比較)をリアルタイムで実現できない問題が生じる。この結果、画像形成中における異常の早期発見が難しくなり、画像形成装置100’を停止させることが遅れ、異常が存在する印刷物が増大する恐れがある。
【0104】
また、検査部190の検査結果で異常が見付かった場合に、印刷物を生成する際の露光や転写などの画像形成部140に問題があるのか、それとも、参照用画像データを生成する参照画像生成部160での解像度変換の画像処理に問題があるのか、その特定(区別)が難しいという問題もある。すなわち、画像形成部140で生成された印刷物には全く問題はないが、参照画像生成部160で解像度変換によって生成された参照画像データに問題があって、検査部190の検査で異常として検出されることがある。そのような場合に画像形成装置100’の動作を停止させると、生産性を無駄に低下させることにもなる。
【0105】
一方、上述した本実施形態では、PWM信号を所定の周期でサンプリングして読み取り画像データの解像度と所定の関係を有する解像度の参照画像データを生成するために、従来の解像度変換の画像処理の場合よりも高速に、読み取り画像データの生成よりも先に参照画像データを生成できる。また、2次元の画像処理とは異なり、2値信号であるPWM信号の単純なサンプリングであり、参照画像データにエラーが含まれることがないため、検査の異常は画像形成の異常であると特定することが可能になる。このため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0106】
また、上述した本実施形態では、PWM信号を所定の周期でサンプリングすることで参照画像データを読み取り画像データよりも早く生成し、参照画像データの検査部190への到達タイミングをタイミング調整部が遅らせ、読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させることで、画像形成後の読み取りに遅れることなく参照画像データを生成して検査できるようになるため、迅速かつ適切に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0107】
また、上述した本実施形態では、PWM信号に基づいて主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して画像が形成され、主走査方向のライン毎に副走査方向に繰り返して印刷物が読み取られて読み取り画像データが生成される場合に、PWM信号を所定の周期でサンプリングすることで参照画像データを読み取り画像データよりも早く生成し、参照画像データの検査部190への到達タイミングをタイミング調整部が遅らせ、読み取り画像データと参照画像データのタイミングを一致させ、検査部190では、主走査方向のライン毎に検査を実行することで、画像形成後の読み取りに遅れることなく参照画像データを生成してリアルタイムで検査できるようになるため、迅速かつ適切に検査して問題点を早期発見して特定することが可能になる。また、本実施形態では、以上の検査については、画像全体をライン単位で検査で検査しても良いし、一部の画像領域のみを着目領域として検査を実行するようにしても良い。
【0108】
そして、以上のようなライン単位の比較による検査を実行することで、1の画像中のいずれかのラインで異常が検出された場合には、その画像について全領域の画像形成や読み取りを完了する前に異常対策を開始することが可能になる。
また、上述した本実施形態では、参照画像データと読み取り画像データとが異なる色表現で構成される場合に、参照画像データの色表現と読み取り画像データの色表現のいずれか一方を他方の色表現に一致させることにより、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を適切に検査して問題点を特定することが可能になる。この場合には、参照画像データの色表現を読み取り画像データの色表現に一致させるように色表現の変換を行うことで、読み取りよりも処理時間に余裕が生じるサンプリングの側で色表現の変換を行うことになり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0109】
また、上述した本実施形態では、印刷物の表面と裏面とで検査を行う際に、表面もしくは裏面のいずれかにおいて、参照画像データの方向と読み取り画像データの方向とが一致しない場合に、参照画像データと読み取り画像データのいずれか一方の方向を他方の方向に一致させるように方向の変換を行うことにより、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を適切に検査して問題点を特定することが可能になる。この場合に、参照画像データの方向を読み取り画像データの方向に一致させるように方向の変換を行うことにより、読み取りよりも処理時間に余裕が生じるサンプリングの側で方向一致の回転処理を行うことになり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0110】
また、上述した本実施形態では、画像データ端部(外枠)や画像端部(画像輪郭)を特徴点として、画像データにおける特徴点を予め定め、読み取り画像データと参照画像データとで対応する特徴点を抽出し、読み取り画像データと参照画像データとの特徴点の位置又は特徴間の距離を比較して印刷物を検査することにより、読み取り画像データと参照画像データとの間で全画素について画素単位の検査が不要になり、読み取り画像データと参照画像データとの一致/不一致を迅速に検査して問題点を特定することが可能になる。
【0111】
〔その他の実施形態〕
以上の説明で示した解像度や階調の数値、あるいはタイミングは一例であり、本実施形態の有効な効果を奏しつつ各種の変形が可能である。
また、以上の実施形態において、参照画像生成部170によるPWM信号に対する所定周期のサンプリングと参照画像データの生成については、PWM信号に対して読み取り画像データが低解像度である具体例を示したがこれに限定されるものではない。すなわち、参照画像生成部170が低解像度のPWM信号をオーバーサンプリングして、高解像度の読み取り画像データに一致させることも可能である。この場合も本実施形態によって従来例に比較して良好な効果を奏することができる。
【0112】
また、バリアブル印刷のように特定の領域に用紙1枚毎に異なる文字や画像を形成する印刷形式の場合には、その特定の領域に含まれる数ラインについて、読み取り画像データと参照画像データとを比較して、印刷物を検査する。このようにすることで、バリアブル印刷物の検査を迅速に実行し、異常印刷物を特定することが可能になり、良好な結果が得られる。
【符号の説明】
【0113】
100 画像形成装置
101 制御部
102 クロック生成部
103 操作表示部
104 記憶部
105 給紙部
107 搬送部
110 画像データ記憶部
120 解像度変換部
130 PWM処理部
140 画像形成部
150 出力物読取部
170 参照画像生成部
180 タイミング調整部
190 検査部