(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20220913BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220913BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20220913BHJP
G10L 15/02 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
G06F3/16 630
G06F3/16 640
G06F3/16 650
H04N1/00 Z
G10L17/00 200C
G10L15/02 300J
(21)【出願番号】P 2018238033
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】楊 笑影
(72)【発明者】
【氏名】大竹 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康孝
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-172273(JP,A)
【文献】特開2007ー58589(JP,A)
【文献】特開2015-53635(JP,A)
【文献】特開2010-218089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
H04N 1/00
G10L 17/00
G10L 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を入力する音声入力手段と、
音声操作を行うユーザーを特定するユーザー特定手段と、
前記ユーザー特定手段で特定されたユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、当該音声操作を反映させたジョブの設定処理を行う音声操作反映手段と、
前記ユーザー特定手段によって第1のユーザーが特定されている状態のときに所定の条件が成立したか否かを判定する条件判定手段と、
を備え、
前記音声操作反映手段は、前記条件判定手段によって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザー特定手段は、音声入力手段に入力される音声に基づいて声紋認証を行うことにより音声操作を行うユーザーを特定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記条件判定手段は、前記第1のユーザーによる音声操作に基づいて前記設定処理が行われているときに、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出した場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記音声入力手段に入力される音声を判別するための音声判別情報を記憶する記憶手段と、
前記音声判別情報に基づいて前記音声入力手段に入力される音声を判別する音声判別手段と、
を更に備え、
前記条件判定手段は、前記音声判別手段によって前記音声入力手段に入力された音声が所定の音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記条件判定手段は、前記音声判別手段によって、前記第1のユーザーにより入力された音声が前記第2のユーザーに音声操作の継続操作を依頼する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件判定手段は、前記音声判別手段によって、さらに前記第2のユーザーにより入力された音声が音声操作の継続操作を承諾する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記条件判定手段は、所定の手動操作を検知した場合に前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の手動操作は、設定引継ぎボタンに対する操作であることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記音声操作反映手段は、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始することに伴い、前記第1のユーザーによる音声操作の受け付けを終了することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記音声操作反映手段は、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲が前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲よりも広い場合、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始するときに、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を継続的に適用することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記設定処理によって設定された設定値を適用してジョブの実行を制御するジョブ制御手段、
を更に備え、
前記音声操作反映手段は、前記ジョブ制御手段によってジョブの実行が行われた後に、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を解除し、前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を適用することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記音声操作反映手段は、前記条件判定手段によって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザー及び前記第2のユーザーのそれぞれによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作をとして受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記音声操作反映手段は、前記設定処理を継続させる場合、前記第1のユーザーによる音声操作と前記第2のユーザーによる音声操作とを同じジョブに対する音声操作として受け付けることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記音声操作反映手段による前記設定処理が行われているときに前記音声入力手段に対して前記ユーザー特定手段で特定されたユーザーによる音声の入力が所定時間以上検知されない場合に前記設定処理によって設定された設定値をリセットするオートリセット手段、
を更に備え、
前記オートリセット手段は、前記条件判定手段によって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記設定処理によって設定された設定値をリセットするまでの時間を延長することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
音声を入力する音声入力手段を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置に、
音声操作を行うユーザーを特定するユーザー特定ステップと、
前記ユーザー特定ステップで特定されたユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、当該音声操作を反映させたジョブの設定処理を行う音声操作反映ステップと、
前記ユーザー特定ステップによって第1のユーザーが特定されている状態のときに所定の条件が成立したか否かを判定する条件判定ステップと、
を実行させ、
前記音声操作反映ステップは、前記条件判定ステップによって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
前記ユーザー特定ステップは、音声入力手段に入力される音声に基づいて声紋認証を行うことにより音声操作を行うユーザーを特定することを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記条件判定ステップは、前記第1のユーザーによる音声操作に基づいて前記設定処理が行われているときに、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出した場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする請求項15又は16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記情報処理装置に、
前記音声入力手段に入力される音声を判別するための音声判別情報を取得するステップと、
前記音声判別情報に基づいて前記音声入力手段に入力される音声を判別する音声判別ステップと、
を更に実行させ、
前記条件判定ステップは、前記音声判別ステップによって前記音声入力手段に入力された音声が所定の音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記条件判定ステップは、前記音声判別ステップによって、前記第1のユーザーにより入力された音声が前記第2のユーザーに音声操作の継続操作を依頼する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記条件判定ステップは、前記音声判別ステップによって、さらに前記第2のユーザーにより入力された音声が音声操作の継続操作を承諾する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを特徴とする請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記条件判定ステップは、所定の手動操作を検知した場合に前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載のプログラム。
【請求項22】
前記所定の手動操作は、設定引継ぎボタンに対する操作であることを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記音声操作反映ステップは、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始することに伴い、前記第1のユーザーによる音声操作の受け付けを終了することを特徴とする請求項15乃至22のいずれかに記載のプログラム。
【請求項24】
前記音声操作反映ステップは、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲が前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲よりも広い場合、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始するときに、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を継続的に適用することを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記情報処理装置に、
前記設定処理によって設定された設定値を適用してジョブの実行を制御するジョブ制御ステップ、
を更に実行させ、
前記音声操作反映ステップは、前記ジョブ制御ステップによってジョブの実行が行われた後に、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を解除し、前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を適用することを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
【請求項26】
前記音声操作反映ステップは、前記条件判定ステップによって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザー及び前記第2のユーザーのそれぞれによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作をとして受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする請求項15乃至22のいずれかに記載のプログラム。
【請求項27】
前記音声操作反映ステップは、前記設定処理を継続させる場合、前記第1のユーザーによる音声操作と前記第2のユーザーによる音声操作とを同じジョブに対する音声操作として受け付けることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
【請求項28】
前記情報処理装置に、
前記音声操作反映ステップによる前記設定処理が行われているときに前記音声入力手段に対して前記ユーザー特定手段で特定されたユーザーによる音声の入力が所定時間以上検知されない場合に前記設定処理によって設定された設定値をリセットするオートリセットステップ、
を更に実行させ、
前記オートリセットステップは、前記条件判定ステップによって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記設定処理によって設定された設定値をリセットするまでの時間を延長することを特徴とする請求項15乃至27のいずれかに記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関し、特に音声操作に基づく設定処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスに設置されるMFP(Multifunction Peripherals)などの情報処理装置を含む情報処理システムとして、特定のユーザーが行うべきプリント出力を他のユーザーが代行して行った場合に、特定のユーザーに対する課金処理を行うようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1)。この従来技術では、特定のユーザーが印刷データを予め情報処理装置に登録しておくことにより、特定のユーザーによって指定された代行ユーザーが情報処理装置に対して所定の情報を入力してログインすれば、特定のユーザーによって登録された印刷データに基づくプリント出力を代行して行うことができるようになっている。
【0003】
また従来、情報処理装置の操作パネルに表示される操作画面に対し、ユーザーが音声を発することによって音声操作を行えるようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このようなシステムを用いれば、ユーザーは情報処理装置を使用するとき、操作パネルに対する手動操作だけでなく、音声操作も行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-45324号公報
【文献】特開2011-49705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MFPなどの情報処理装置を音声操作する場合、ユーザーは情報処理装置にログインすることが必要である。すなわち、情報処理装置は、音声を入力する度に声紋認証を行ってログインユーザーが発した音声であるか否かを判定し、ログインユーザーが発した音声であれば有効な音声操作として受け付けて各種の設定処理を行うのである。これにより、情報処理装置は、周囲で発せられる雑音やログインユーザーとは異なるユーザーによって発せられる音声によって誤動作してしまうことを防止することができる。
【0006】
ところで、情報処理装置にログインして音声操作を行っているログインユーザーに急用が生じ、情報処理装置から離れなければならない事態が起こり得る。そのような場合、ログインユーザーは、別のユーザーに音声操作を引き継がせて印刷出力などのジョブを代行して行ってもらうことができないという問題がある。なぜなら、ログインユーザーとは異なるユーザーが音声操作を引き継ごうとすると、声紋認証によってログインユーザーとは異なるユーザーであると判定されてしまい、有効な音声操作として受け付けられないからである。そのため、音声操作を引き継ぐユーザーは、自身で情報処理装置にログインし、先のログインユーザーが音声操作で行った設定と同じ設定を再び始めから繰り返して行わなければならす、利便性が悪いという問題がある。
【0007】
また、情報処理装置にログインして音声操作を行っているログインユーザーと別のユーザーとが音声操作を共同して行おうとしても、従来の情報処理装置は、ログインユーザーによって発せられた音声のみを有効な音声操作として取り扱うため、別のユーザーが発した音声で設定処理を進めることができないという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、周囲の雑音などによる誤動作を防止しつつ、音声操作を行っているユーザーとは異なるユーザーが音声操作を行えるようにすることで従来よりも利便性を向上させることができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、情報処理装置であって、音声を入力する音声入力手段と、音声操作を行うユーザーを特定するユーザー特定手段と、前記ユーザー特定手段で特定されたユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、当該音声操作を反映させたジョブの設定処理を行う音声操作反映手段と、前記ユーザー特定手段によって第1のユーザーが特定されている状態のときに所定の条件が成立したか否かを判定する条件判定手段と、を備え、前記音声操作反映手段は、前記条件判定手段によって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の情報処理装置において、前記ユーザー特定手段は、音声入力手段に入力される音声に基づいて声紋認証を行うことにより音声操作を行うユーザーを特定することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2の情報処理装置において、前記条件判定手段は、前記第1のユーザーによる音声操作に基づいて前記設定処理が行われているときに、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出した場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3の情報処理装置において、前記音声入力手段に入力される音声を判別するための音声判別情報を記憶する記憶手段と、前記音声判別情報に基づいて前記音声入力手段に入力される音声を判別する音声判別手段と、を更に備え、前記条件判定手段は、前記音声判別手段によって前記音声入力手段に入力された音声が所定の音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4の情報処理装置において、前記条件判定手段は、前記音声判別手段によって、前記第1のユーザーにより入力された音声が前記第2のユーザーに音声操作の継続操作を依頼する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5の情報処理装置において、前記条件判定手段は、前記音声判別手段によって、さらに前記第2のユーザーにより入力された音声が音声操作の継続操作を承諾する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置において、前記条件判定手段は、所定の手動操作を検知した場合に前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記所定の手動操作は、設定引継ぎボタンに対する操作であることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかの情報処理装置において、前記音声操作反映手段は、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始することに伴い、前記第1のユーザーによる音声操作の受け付けを終了することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項9の情報処理装置において、前記音声操作反映手段は、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲が前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲よりも広い場合、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始するときに、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を継続的に適用することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項10の情報処理装置において、前記設定処理によって設定された設定値を適用してジョブの実行を制御するジョブ制御手段、を更に備え、前記音声操作反映手段は、前記ジョブ制御手段によってジョブの実行が行われた後に、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を解除し、前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を適用することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかの情報処理装置において、前記音声操作反映手段は、前記条件判定手段によって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザー及び前記第2のユーザーのそれぞれによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作をとして受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13に係る発明は、請求項12の情報処理装置において、前記音声操作反映手段は、前記設定処理を継続させる場合、前記第1のユーザーによる音声操作と前記第2のユーザーによる音声操作とを同じジョブに対する音声操作として受け付けることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項14に係る発明は、請求項1乃至13のいずれかの情報処理装置において、前記音声操作反映手段による前記設定処理が行われているときに前記音声入力手段に対して前記ユーザー特定手段で特定されたユーザーによる音声の入力が所定時間以上検知されない場合に前記設定処理によって設定された設定値をリセットするオートリセット手段、を更に備え、前記オートリセット手段は、前記条件判定手段によって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記設定処理によって設定された設定値をリセットするまでの時間を延長することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項15に係る発明は、音声を入力する音声入力手段を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置に、音声操作を行うユーザーを特定するユーザー特定ステップと、前記ユーザー特定ステップで特定されたユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、当該音声操作を反映させたジョブの設定処理を行う音声操作反映ステップと、前記ユーザー特定ステップによって第1のユーザーが特定されている状態のときに所定の条件が成立したか否かを判定する条件判定ステップと、を備え、前記音声操作反映ステップは、前記条件判定ステップによって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作として受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする構成である。
【0024】
請求項16に係る発明は、請求項15のプログラムにおいて、前記ユーザー特定ステップは、音声入力手段に入力される音声に基づいて声紋認証を行うことにより音声操作を行うユーザーを特定することを特徴とする構成である。
【0025】
請求項17に係る発明は、請求項15又は16のプログラムにおいて、前記条件判定ステップは、前記第1のユーザーによる音声操作に基づいて前記設定処理が行われているときに、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出した場合に、前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする構成である。
【0026】
請求項18に係る発明は、請求項17のプログラムにおいて、前記情報処理装置に、前記音声入力手段に入力される音声を判別するための音声判別情報を取得するステップと、前記音声判別情報に基づいて前記音声入力手段に入力される音声を判別する音声判別ステップと、を更に実行させ、前記条件判定ステップは、前記音声判別ステップによって前記音声入力手段に入力された音声が所定の音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする構成である。
【0027】
請求項19に係る発明は、請求項18のプログラムにおいて、前記条件判定ステップは、前記音声判別ステップによって、前記第1のユーザーにより入力された音声が前記第2のユーザーに音声操作の継続操作を依頼する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを検出することを特徴とする構成である。
【0028】
請求項20に係る発明は、請求項19のプログラムにおいて、前記条件判定ステップは、前記音声判別ステップによって、さらに前記第2のユーザーにより入力された音声が音声操作の継続操作を承諾する音声であると判定された場合に、前記第2のユーザーが前記設定処理に関与することを特徴とする構成である。
【0029】
請求項21に係る発明は、請求項21のプログラムにおいて、前記条件判定ステップは、所定の手動操作を検知した場合に前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする構成である。
【0030】
請求項22に係る発明は、請求項21のプログラムにおいて、前記所定の手動操作は、設定引継ぎボタンに対する操作であることを特徴とする構成である。
【0031】
請求項23に係る発明は、請求項15乃至22のいずれかのプログラムにおいて、前記音声操作反映ステップは、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始することに伴い、前記第1のユーザーによる音声操作の受け付けを終了することを特徴とする構成である。
【0032】
請求項24に係る発明は、請求項23のプログラムにおいて、前記音声操作反映ステップは、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲が前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲よりも広い場合、前記第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始するときに、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を継続的に適用することを特徴とする構成である。
【0033】
請求項25に係る発明は、請求項24のプログラムにおいて、前記情報処理装置に、前記設定処理によって設定された設定値を適用してジョブの実行を制御するジョブ制御ステップ、を更に実行させ、前記音声操作反映ステップは、前記ジョブ制御ステップによってジョブの実行が行われた後に、前記第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を解除し、前記第2のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を適用することを特徴とする構成である。
【0034】
請求項26に係る発明は、請求項15乃至22のいずれかのプログラムにおいて、前記音声操作反映ステップは、前記条件判定ステップによって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記第1のユーザー及び前記第2のユーザーのそれぞれによって前記音声入力手段に入力される音声を音声操作をとして受け付け、前記設定処理を継続させることを特徴とする構成である。
【0035】
請求項27に係る発明は、請求項26のプログラムにおいて、前記音声操作反映ステップは、前記設定処理を継続させる場合、前記第1のユーザーによる音声操作と前記第2のユーザーによる音声操作とを同じジョブに対する音声操作として受け付けることを特徴とする構成である。
【0036】
請求項28に係る発明は、請求項15乃至27のいずれかのプログラムにおいて、前記情報処理装置に、前記音声操作反映ステップによる前記設定処理が行われているときに前記音声入力手段に対して前記ユーザー特定手段で特定されたユーザーによる音声の入力が所定時間以上検知されない場合に前記設定処理によって設定された設定値をリセットするオートリセットステップ、を更に実行させ、前記オートリセットステップは、前記条件判定ステップによって前記所定の条件が成立したと判定された場合、前記設定処理によって設定された設定値をリセットするまでの時間を延長することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、周囲の雑音などによる誤動作を防止しつつ、音声操作を行っているユーザーとは異なるユーザーが音声操作を行うことができるようになり、従来よりも利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図2】情報処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ユーザー情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】異なるユーザーの権限情報の例を示す図である。
【
図6】情報処理装置が代行モードへ移行する動作の一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置が共同作業モードへ移行する動作の一例を示す図である。
【
図8】情報処理装置において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】条件判定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】オートリセット処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態である情報処理装置1のハードウェア構成の例を示す図である。情報処理装置1は、例えばMFPなどの画像処理装置によって構成される。この情報処理装置1は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、FAX機能などの複数の機能を備えており、ユーザーによって選択された機能を動作させてジョブを実行する。情報処理装置1は、ユーザーによる手動操作だけでなく、音声操作も受け付けることが可能であり、ユーザーによる音声操作に基づいて各種の設定処理を行ってジョブを実行することができる。
【0041】
図1に示すように、情報処理装置1は、そのハードウェア構成として、制御部10と、記憶部11と、操作パネル12と、音声入力部13と、音声出力部14と、通信インタフェース15と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、FAX部18とを備えている。
【0042】
制御部10は、各部の動作を統括的に制御するものである。制御部10は、CPU10aと、メモリ10bとを備えている。CPU10aは、記憶部11に記憶されているプログラム20を読み出して実行する演算処理ユニットである。メモリ10bは、CPU10aがプログラム20を実行することに伴って発生する一時的なデータなどを記憶するためのメモリであり、CPU10aのワークエリアとして機能するものである。
【0043】
記憶部11は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶手段である。記憶部11には、CPU10aによって実行されるプログラム20が予め記憶されている。また、記憶部11には、ユーザー情報21と、音声判別情報22とが予め記憶される。
【0044】
操作パネル12は、ユーザーが情報処理装置1を操作する際のユーザーインタフェースとなるものである。操作パネル12は、ユーザーが操作可能な操作画面を表示する表示部12aと、ユーザーによる手動操作を受け付ける操作部12bとを備えている。表示部12aは、例えばカラー液晶ディスプレイによって構成される。操作部12bは、例えば表示部12aの表示画面上に配置されるタッチパネルキーや、表示部12aの表示画面の周囲に配置される押しボタンキーなどによって構成される。
【0045】
音声入力部13は、例えば操作パネル12の近傍位置に配置されるマイクロフォンによって構成される。音声入力部13は、情報処理装置1の周囲で発せられる音声を入力するデバイスである。音声入力部13は、音声を入力すると、その音声に基づく音声信号を生成して制御部10へ出力する。
【0046】
音声出力部14は、例えば操作パネル12の近傍位置に配置されるスピーカーによって構成される。音声出力部14は、音声や警告音などを発することによって、周囲のユーザーに対して様々な報知を行う。
【0047】
通信インタフェース15は、情報処理装置1をLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続するインタフェースである。制御部10は、この通信インタフェース15を介してネットワークに接続されている他の外部機器と通信を行うことができる。例えば、情報処理装置1は、通信インタフェース15を介して外部機器から印刷データを受信することができるし、また、通信インタフェース15を介して画像データなどを外部機器へ送信することもできる。
【0048】
スキャナ部16は、ユーザーによってセットされる原稿を光学的に読み取って画像データを生成するものである。プリンタ部17は、印刷データや画像データに基づいて印刷用紙などのシート材に画像形成を行って印刷出力を行うものである。FAX部18は、図示を省略する公衆電話網を介してFAXデータの送受信を行うものである。
【0049】
上記のようなハードウェア構成を備える情報処理装置1は、ユーザーによる手動操作又は音声操作を受け付けて各種の設定処理を行うとき、手動操作又は音声操作を行うユーザーを特定し、その特定したユーザーをログインユーザーとして情報処理装置1の動作状態をログアウト状態からログイン状態へ移行させる。そして情報処理装置1は、ログイン状態においてログインユーザーによって行われる手動操作又は音声操作に基づき各種の設定処理を行う。また、情報処理装置1は、ログインユーザーによってジョブの実行指示が与えられると、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。
【0050】
特に本実施形態の情報処理装置1は、ログインユーザーによって音声操作が行われているとき、音声操作を他のユーザーに引き継いで行ってもらいたいログインユーザーの意思、又は、音声操作を他のユーザーに手伝ってもらいたいログインユーザーの意思を確認すると、他のユーザーの音声操作の受け付けを開始すると共に、他のユーザーの音声操作に基づいて設定処理を継続させるように構成される。このような処理は、主として情報処理装置1の制御部10によって行われる。以下、制御部10の詳細について説明する。
【0051】
図2は、情報処理装置1における制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。この
図2は、主として音声操作に基づく処理を行う機能構成例を示している。制御部10のCPU10aは、記憶部11からプログラム20を読み出して実行することにより、制御部10を、ユーザー特定部30、オートリセット部32、音声判別部33、条件判定部34、音声操作反映部36、及び、ジョブ制御部38として機能させる。
【0052】
ユーザー特定部30は、情報処理装置1に対する操作を行おうとしているユーザーを特定する処理部である。ユーザー特定部30は、音声入力部13に音声が入力された場合に、その音声の音声信号に基づきユーザーを特定する。このとき、ユーザー特定部30は、記憶部11に記憶されているユーザー情報21を参照し、ユーザー情報21に基づいてユーザーを特定する。
【0053】
図3は、ユーザー情報21のデータ構造の一例を示す図である。ユーザー情報21は、情報処理装置1を使用することが許可されたユーザーに関する情報を登録しておくための情報である。ユーザー情報21には、ユーザーごとに、ユーザーID21aと、パスワード21bと、ユーザー名21cと、権限情報21dと、声紋情報21eとが予め登録される。ユーザーID21aは、ユーザーに対して個別に付与される識別情報である。パスワード21bは、ユーザーが設定したセキュリティ用のパスワードであり、任意の文字列によって構成される。ユーザー名21cは、各ユーザーの氏名である。権限情報21dは、ユーザーごとの使用権限が定義された情報である。各ユーザーは、自己の権限情報21dにおいて予め定義された権限の範囲内において情報処理装置1を使用することができる。声紋情報21eは、ユーザーごとの声紋の特徴を記録した情報であり、音声入力部13に対して音声が入力された場合にその音声を発生したユーザーを特定するために参照される情報である。
【0054】
上記のようなユーザー情報21において権限情報21dに登録される情報は、ユーザーごとに異なる情報となる。
図4は、異なるユーザーの権限情報21dの例を示す図である。尚、
図4において「YES」は、ユーザーに対して設定することが許可された設定項目を示しており、「NO」は、ユーザーに対して設定することが禁止された設定項目を示している。
【0055】
まず、
図4(a)は、ユーザーAの権限情報21dを示している。
図4(a)に示すように、ユーザーAは、カラー出力及びモノクロ出力の双方を行うことが許可されたユーザーである。また、ユーザーAは、宛先として、「宛先X」、「宛先Y」及び「宛先Z」を指定することが許可されたユーザーである。
【0056】
これに対し、
図4(b)は、ユーザーBの権限情報21dを示している。
図4(b)に示すように、ユーザーBは、モノクロ出力を行うことが許可されたユーザーである。しかし、ユーザーBは、権限情報21dにおいてカラー出力を行うことが禁止されている。また、ユーザーAは、宛先として、「宛先Z」を指定することが許可されているが、「宛先X」及び「宛先Y」を指定することが禁止されている。
【0057】
このように権限情報21dには、各ユーザーが使用することができる権限が予め定義されている。
図4の例では、ユーザーAの使用権限がユーザーBの使用権限よりも広くなっている。
【0058】
ユーザー特定部30は、上記のようなユーザー情報21を参照することにより、情報処理装置1を使用しようとするユーザーを特定する。例えば、ユーザーが操作パネル12を手動操作することによってユーザーIDとパスワードとを入力した場合、ユーザー特定部30は、ユーザー情報21のユーザーID21aとパスワード21bとを参照し、ユーザーによって入力されたユーザーIDとパスワードの組み合わせに一致する情報がユーザー情報21に登録されているか否かを判断する。その結果、ユーザーによって入力されたユーザーIDとパスワードの組み合わせに一致する情報がユーザー情報21に登録されていれば、ユーザー特定部30は、ユーザーID21aとパスワード21bとに基づき、ユーザーを特定することができる。
【0059】
また、ユーザーが音声入力部13に対して音声を入力した場合、ユーザー特定部30は、声紋認証を行う。そのため、ユーザー特定部30は、声紋認証部31を備えている。声紋認証部31は、ユーザー情報21の声紋情報21eを参照し、ユーザーによって音声入力部13に入力された音声の声紋の特徴と、ユーザー情報21に登録されている声紋の特徴とが一致するか否かを判断する。その結果、ユーザーによって入力された音声の声紋の特徴がユーザー情報21に登録されているいずれかのユーザーの声紋情報21eの特徴と一致すれば、声紋認証部31は、その声紋情報21eに基づき、ユーザーを特定することができる。このようにユーザー特定部30は、音声入力部13に音声が入力されると、声紋認証部31による声紋認証を行うことによってユーザーを特定する。
【0060】
ユーザー特定部30は、ログアウト状態において情報処理装置1を使用しようとするユーザーを特定することができると、その特定したユーザーをログインユーザーとして情報処理装置1の動作状態をログアウト状態からログイン状態へ移行させる。ログイン状態は、ログインユーザーが各種ジョブの設定操作を手動操作又は音声操作で行うことができる状態であり、情報処理装置1にジョブを実行させることができる状態である。
【0061】
また、ユーザー特定部30は、動作状態をログイン状態へ移行させた後、音声入力部13に音声が入力される度に、声紋認証部31を機能させ、音声入力部13に入力された音声がログインユーザーの発した音声であるか否かを判定する。そしてログインユーザーの発した音声である場合、ユーザー特定部30は、その音声を、音声操作のための有効な音声として判断する。これに対し、ログインユーザーの発した音声ではない場合、ユーザー特定部30は、その音声を、音声操作のための有効な音声ではなく、周囲の雑音として判断する。ただし、後述するように、ログインユーザーによって発せられた音声が音声操作の継続操作を他のユーザーに依頼する音声であることが検知された場合、ユーザー特定部30は、それに引き続いて入力される音声がログインユーザーの発した音声ではなくても、雑音として取り扱わず、音声判別部33による音声判別処理を行わせる。
【0062】
ユーザー特定部30は、情報処理装置1の動作状態をログイン状態へ移行させると、オートリセット部32、音声判別部33、条件判定部34、音声操作反映部36及びジョブ制御部38を機能させる。
【0063】
オートリセット部32は、ログイン状態においてログインユーザーによる有効な操作が行われていない状態が所定時間以上継続すると、それまでの設定状態をリセットして初期状態に戻すオートリセット処理を行う。また、オートリセット部32は、ログインユーザーによる有効な操作が行われていない状態が所定時間以上継続した場合、それまでの設定状態をリセットするだけでなく、情報処理装置1の動作状態をログイン状態から自動的にログアウト状態へ戻すことも可能である。
【0064】
例えば、オートリセット部32は、ログイン状態へ移行すると、所定時間を計測するためのカウンタを作動させる。そしてログインユーザーによる有効な手動操作又は音声操作が検知されると、そのカウンタをリセットする。つまり、カウンタのカウント値を0に初期化するのである。一方、ログインユーザーによる有効な手動操作又は音声操作が検知されない状態のとき、オートリセット部32は、カウント動作を継続させ、そのカウント値が所定の上限値(所定時間)を超えると、オートリセット処理を開始する。尚、オートリセット部32は、ログイン状態において、音声入力部13にログインユーザーの音声とは異なる音声の入力が検知された場合であっても、そのような音声を有効な音声操作のための音声と扱わず、オートリセットのためのカウント動作を継続する。
【0065】
音声判別部33は、ログイン状態において音声入力部13に有効な音声操作のための音声が入力された場合にその音声を判別する処理部である。音声判別部33は、音声解析を行うことにより、音声入力部13に入力された音声をテキストに変換する。そして音声判別部33は、音声判別情報22を参照してログインユーザーによって発せられた音声がどのような音声であるかを判別する。
【0066】
図5は、音声判別情報22の一例を示す図である。
図5に示すように、音声判別情報22は、ユーザーが発する可能性のあるワードやセンテンスが多数登録された情報である。音声判別情報22には、音声操作判別ワード23と、操作依頼判別ワード24と、依頼承諾判別ワード25との3つのグループが設けられており、それぞれのグループごとに異なるワードやセンテンスが登録されている。
【0067】
音声操作判別ワード23は、ジョブの設定処理や実行を命令する音声を判別するためのワードやセンテンスが予め登録されるグループである。例えば、音声操作判別ワード23には、ログインユーザーがコピー機能を選択するためのワードとして「コピー」が登録されている。また、ログインユーザーがジョブの実行を指示するためのワードとして「ジョブスタート」が登録されている。したがって、音声判別部33は、テキストに変換された音声を、音声操作判別ワード23に登録されているワードやセンテンスにマッチングさせることにより、ログインユーザーによる音声操作の内容を特定することができる。
【0068】
操作依頼判別ワード24は、ログインユーザーが他のユーザーに対して音声操作の継続操作を依頼する音声を判別するためのワードやセンテンスが予め登録されるグループである。このグループには、ログインユーザーの意思として、他のユーザーに音声操作の継続操作を依頼する意思があるか否かを判定することができるワードやセンテンスが登録される。ここで、ログインユーザーが他のユーザーに音声操作の継続操作を依頼するときには、その後の音声操作を全て他のユーザーに任せることを希望するケースと、その後の音声操作をログインユーザーと他のユーザーとの共同作業として進めることを希望するケースとの2つのケースが存在する。そのため、操作依頼判別ワード24は、代行モード判別ワード24aと、共同作業モード判別ワード24bとの2つのサブグループが設けられている。
【0069】
代行モード判別ワード24aは、ログインユーザーの意思として、その後の音声操作を他のユーザーに全て任せる意思を判別するためのワードやセンテンスが予め登録されるサブグループである。例えば、代行モード判別ワード24aには、「この後の処理をお願いします」や「ジョブを実行しておいてもらえますか」といったセンテンスが登録されている。したがって、音声判別部33は、テキストに変換された音声を、代行モード判別ワード24aに登録されているワードやセンテンスにマッチングさせることにより、ログインユーザーが他のユーザーに対してその後の音声操作を任せようとする意思の確認を行うことができる。
【0070】
共同作業モード判別ワード24bは、ログインユーザーの意思として、その後の音声操作を他のユーザーとの共同作業として進めたい意思を判別するためのワードやセンテンスが予め登録されるサブグループである。例えば、共同作業モード判別ワード24bには、「操作を教えてもらっていいですか」や「手伝ってもらえませんか」といったセンテンスが登録されている。したがって、音声判別部33は、テキストに変換された音声を、共同作業モード判別ワード24bに登録されているワードやセンテンスにマッチングさせることにより、ログインユーザーがその後の音声操作を他のユーザーとの共同作業によって進めていきたい意思の確認を行うことができる。
【0071】
音声判別部33は、ログインユーザーによって入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致すると判定した場合、次に音声入力部13に入力される音声が依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致するか否かを判別する。
【0072】
依頼承諾判別ワード25は、ログインユーザーとは異なる他のユーザーによって発せられる音声を判別するためのワードやセンテンスが登録されるグループである。すなわち、依頼承諾判別ワード25は、ログインユーザーによって音声操作を依頼された他のユーザーの意思を確認するためのワードやセンテンスが予め登録されるグループである。例えば、依頼承諾判別ワード25には、「わかりました」や「承知しました」などのセンテンスが登録されている。したがって、音声判別部33は、テキストに変換された音声を、依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスにマッチングさせることにより、他のユーザーがその後の音声操作を行う意思の確認を行うことができる。
【0073】
このように音声判別部33は、ログイン状態において音声入力部13に入力される音声を判別することにより、どのような音声が入力されたかを特定することができる。そして音声判別部33は、音声入力部13に入力された音声を判別すると、その判別結果を条件判定部34及び音声操作反映部36へ出力する。
【0074】
条件判定部34は、ログインユーザーとは異なる他のユーザーによって入力される音声を音声操作として受け付ける動作を開始するための条件(所定の条件)が成立したか否かを判定する処理部である。例えば、条件判定部34は、ログインユーザー(第1のユーザー)による音声操作に基づいて設定処理が行われているときに、ログインユーザーとは異なる他のユーザー(第2のユーザー)がその設定処理に関与しようとしていることを検出すると、他のユーザー(第2のユーザー)によって入力される音声を音声操作として受け付ける動作を開始するための条件が成立したと判定する。ログインユーザーとは異なる他のユーザー(第2のユーザー)がその設定処理に関与しようとしているか否かは、音声入力部13に入力される音声に基づいて判断することができる。そのため、条件判定部34は、音声判別部33によって音声入力部13に入力された音声が所定の音声であると判定された場合に、ログインユーザーとは異なる他のユーザーが設定処理に関与しようとしていることを検出し、上述した条件が成立したと判定する。
【0075】
例えば、ログインユーザーにより入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致する音声である場合、音声判別部33は、その入力された音声を、ログインユーザーが他のユーザーに音声操作の継続操作を依頼する音声であると判定する。この場合、条件判定部34は、音声判別部33の判別結果に基づいて、ログインユーザー(第1のユーザー)とは異なる他のユーザー(第2のユーザー)がログインユーザーによって行われている設定処理に関与しようとしていることを検出することができる。
【0076】
ただし、ログインユーザーが他のユーザーに音声操作を依頼しようとしているだけでは、その後に他のユーザーが設定処理に関与するとは限らない。なぜなら、ログインユーザーが他のユーザーに音声操作を依頼したとしても、他のユーザーに断られてしまうことがあるからである。そのため、条件判定部34は、ログインユーザーにより入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致すると判定された場合であっても、それだけでは上述した条件が成立したと判定しないことが好ましい。言い換えると、条件判定部34は、ログインユーザーによって入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致すると判定された後、それに引き続いて音声入力部13に入力される音声が依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致すると判定された場合に、上述した条件が成立したと判定することが好ましい。つまり、条件判定部34は、ログインユーザーが他のユーザーに対して設定途中からの音声操作を依頼し、且つ、他のユーザーがその依頼を承諾した場合に、他のユーザーが設定処理に関与することを検出し、上述した条件が成立したと判定するのである。
【0077】
条件判定部34は、モード判定部35を備えている。モード判定部35は、条件判定部34によって、ログインユーザーとは異なる他のユーザーによって入力される音声を音声操作として受け付ける動作を開始するための条件が成立したと判定された場合、代行モードと、共同作業モードとの何れのモードに移行させるかを判定する処理部である。代行モードは、ログインユーザー(第1のユーザー)とは異なる他のユーザー(第2のユーザー)がログインユーザーに代わってその後の音声操作を一人で行うための動作モードである。また、共同作業モードは、ログインユーザー(第1のユーザー)と他のユーザー(第2のユーザー)とが互いに協力しながらその後の音声操作を共同作業で行うための動作モードである。音声判別部33によってログインユーザーの発した音声が操作依頼判別ワード24のうちの代行モード判別ワード24aに登録されているワードやセンテンスに一致すると判定された場合、モード判定部35は、代行モードへ移行させることを決定する。これに対し、音声判別部33によってログインユーザーの発した音声が操作依頼判別ワード24のうちの共同作業モード判別ワード24bに登録されているワードやセンテンスに一致すると判定された場合、モード判定部35は、共同作業モードへ移行させることを決定する。
【0078】
モード判定部35によって代行モードへ移行させることが決定されると、情報処理装置1は、その後、代行モードで動作することになる。情報処理装置1が代行モードへ移行すると、ユーザー特定部30によってログインユーザーの入れ替えが行われる。すなわち、ユーザー特定部30は、代行モードへ移行すると、依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致する音声を入力した第2のユーザーを特定する。そしてユーザー特定部30は、それまでのログインユーザー(第1のユーザー)をログアウトさせると共に、第2のユーザーをログインユーザーとする。このとき、情報処理装置1のログイン状態は継続される。したがって、代行モードへ移行すると、第2のユーザーは、第1のユーザーが行っていた音声操作を途中から引き継いで情報処理装置1に対する設定操作を継続的に行うことができるようになる。尚、先のログインユーザー(第1のユーザー)は、情報処理装置1からログアウトした状態となり、それ以降は情報処理装置1に対する音声操作を行うことができなくなる。
【0079】
これに対し、モード判定部35によって共同作業モードへ移行させることが決定されると、情報処理装置1は、その後、共同作業モードで動作することになる。情報処理装置1が共同作業モードへ移行すると、ユーザー特定部30によって第2のユーザーがログインユーザーに追加される。すなわち、ユーザー特定部30は、共同作業モードへ移行すると、依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致する音声を入力した第2のユーザーを特定する。そしてユーザー特定部30は、それまでのログインユーザー(第1のユーザー)がログインした状態のままで、第2のユーザーをログインユーザーとして追加する。このときも、情報処理装置1のログイン状態は継続される。したがって、共同作業モードへ移行すると、第2のユーザーは、第1のユーザーと共に音声操作を行い、情報処理装置1に対する設定操作を継続的に行うことができるようになる。
【0080】
音声操作反映部36は、ログイン状態において、ログインユーザーにより入力される音声が音声操作判別ワード23に登録されているワードやセンテンスに一致した場合に、その音声に基づく音声操作を情報処理装置1に反映させる処理部である。音声操作反映部36は、設定処理部37を備えている。設定処理部37は、ログインユーザーによる音声操作に基づいてジョブの設定処理を行う。このとき、設定処理部37は、ログインユーザーの権限情報21dを読み出し、その権限情報21dに基づいてログインユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲を特定する。そして設定処理部37は、ログインユーザーが設定可能な権限の範囲内で音声操作に基づく設定処理を行う。例えば権限情報21dにおいてログインユーザーによるカラー出力が許可されている場合、設定処理部37は、音声判別部33によってカラー出力を指示する音声が検出されることに伴い、カラー出力の設定項目をオンにする設定処理を行う。これに対し、権限情報21dにおいてログインユーザーによるカラー出力が禁止されている場合、設定処理部37は、音声判別部33によってカラー出力を指示する音声が検出されたとしても、カラー出力の設定項目をオンにするための設定処理を行わない。
【0081】
また、情報処理装置1が代行モードへ移行すると、設定処理部37は、先のログインユーザーである第1のユーザーによる音声操作に基づいて設定処理を行う状態から、第2のユーザーによる音声操作に基づいて設定処理を行う状態へと移行する。このとき、設定処理部37は、代行モードへの移行前の設定状態を保持したまま、第2のユーザーによる音声操作に基づいて設定処理を行う状態へと移行する。したがって、第2のユーザーは、第1のユーザーが行った設定状態を引き継いで設定処理を継続させることができる。
【0082】
また、情報処理装置1が代行モードへ移行すると、設定処理部37は、それ以降に音声操作を行う第2のユーザーの権限情報21dを読み出す。そして設定処理部37は、それまで音声操作を行っていた第1のユーザーの権限情報21dと、第2のユーザーの権限情報21dとを比較し、第1のユーザーが音声操作で設定可能な権限の範囲が第2のユーザーの権限の範囲よりも広いか否かを判断する。第1のユーザーの権限の範囲が第2のユーザーの権限の範囲よりも広い場合、代行モードへ移行したときに、第2のユーザーの権限の範囲を適用してしまうと、第1のユーザーが設定していた設定項目が無効になる可能性があり、第1のユーザーが意図していたジョブを実行することができなくなる。そのため、設定処理部37は、第1のユーザーの権限の範囲が第2のユーザーの権限の範囲よりも広い場合、代行モードへ移行するときに、第1のユーザーの権限の範囲を継続適用する。つまり、設定処理部37は、先にログインしていた第1のユーザーの権限の範囲を適用して第2のユーザーによる設定処理を継続させるのである。これにより、第2のユーザーは、自身の権限の範囲を超えて第1のユーザーの権限の範囲内で設定操作を行うことができるようになり、第1のユーザーが行おうとしていたジョブの設定操作を継続して行うことが可能である。
【0083】
これに対し、第1のユーザーの権限の範囲が第2のユーザーの権限の範囲よりも狭い場合、設定処理部37は、代行モードへ移行することに伴い、第2のユーザーの権限の範囲を適用するようにしても良い。これにより、第2のユーザーは、第1のユーザーの権限の範囲に制限されることなく、自身の権限の範囲内で設定操作を行うことができるという利点がある。
【0084】
また、情報処理装置1が共同作業モードへ移行すると、設定処理部37は、先のログインユーザーである第1のユーザーによる音声操作に基づいてジョブの設定処理を行うだけでなく、第2のユーザーによる音声操作に基づいて同じジョブの設定処理を行う。このときも、設定処理部37は、共同作業モードへの移行前の設定状態を保持したままで設定処理を継続する。したがって、第2のユーザーは、第1のユーザーと共に、それまでに第1のユーザーが行った設定状態を引き継いで同じジョブに対する設定処理を進めることができる。
【0085】
尚、共同作業モードへ移行した場合、設定処理部37は、第1のユーザーの権限の範囲を引き続き適用するようにしても良い。ただし、これに限らず、設定処理部37は、共同作業モードへ移行することに伴い、第2のユーザーの権限の範囲を適用するようにしても良い。これにより、例えば、第1のユーザーがカラー出力を行うことができない場合に、第2のユーザーに共同作業を依頼することによってカラー出力を行うことができるようになる、という利点がある。
【0086】
ところで、ログインユーザーによって音声操作を依頼された第2のユーザーは、ログインユーザーによる設定処理がどの程度まで進行しているのかを直ぐ把握することができない。そのため、第2のユーザーは、現在の設定状態を確認するために時間を要し、直ぐに音声操作のための音声を発することができないことがある。そのような場合に、オートリセット部32によるカウント動作が継続され、それまでの設定状態がリセットされてしまうと、第2のユーザーは、再び同じ設定操作を始めから行わなければならず、利便性が低下する。そこで、オートリセット部32は、第1のユーザーによって依頼された第2のユーザーが音声操作を行うことができる状態に移行すると、それまでの設定状態をリセットするまでの時間を延長する。これにより、第2のユーザーが現在の設定状態を確認している期間中にオートリセット処理が作動してそれまでの設定値がリセットされてしまうことを防止することができる。
【0087】
そして音声操作反映部36は、ログインユーザーによってジョブの実行が指示されることに伴い、ジョブ制御部38を機能させる。このとき、音声操作反映部36は、設定処理部37によって設定されたジョブの設定値をジョブ制御部38へ出力する。
【0088】
ジョブ制御部38は、スキャナ部16、プリンタ部17及びFAX部18を選択的に動作させ、ログインユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する。このとき、ジョブ制御部38は、音声操作反映部36から出力されるジョブの設定値に基づき、スキャナ部16、プリンタ部17及びFAX部18のそれぞれを駆動する。したがって、情報処理装置1は、ログインユーザーによって指定された設定値を反映させた状態でジョブを実行する。
【0089】
次に、上記のように構成される情報処理装置1が代行モード又は共同作業モードへ移行する動作の例について説明する。まず
図6は、情報処理装置1が代行モードへ移行する動作の一例を示す図である。
図6に示すように、ユーザーAは、情報処理装置1を使用しようとするとき、情報処理装置1の近傍位置へ移動し、ログインのための音声100を発する。情報処理装置1は、ユーザーAの音声100を入力すると、ユーザー特定部30を機能させ、声紋認証を行うことによってユーザーAであることを特定する。そして情報処理装置1は、ユーザーAをログインユーザーとしてログイン状態へ移行する(プロセスP1)。
【0090】
情報処理装置1がログイン状態へ移行すると、ユーザーAは、音声操作のための音声101を発する。情報処理装置1は、その音声101を入力すると、音声101に基づく設定処理を行う(プロセスP2)。つまり、情報処理装置1は、ユーザーAによって発せられる音声を音声操作として受け付け、その音声操作を反映させるための設定処理を行うのである。
【0091】
ユーザーAの音声に基づく設定処理が進行しているとき、ユーザーAに急用などが生じて情報処理装置1から離れなければならない事態が発生すると、ユーザーAは、他のユーザーBに対して音声操作の代行を依頼する音声102を発する。この音声102は、情報処理装置1の音声入力部13によって検知される。情報処理装置1は、ユーザーAの音声102を入力すると、その音声102に基づいて操作依頼判定を行う(プロセスP3)。すなわち、情報処理装置1は、音声102が代行モード判別ワード24aに登録されているワード又はセンテンスに一致するか否かを判定するのである。その結果、音声102が代行モード判別ワード24aに登録されているワード又はセンテンスに一致した場合、情報処理装置1は、次の音声の入力を待機する状態となる。
【0092】
続いてユーザーBによって音声103が発せられると、情報処理装置1は、その音声103に基づいて承諾判定を行う(プロセスP4)。すなわち、情報処理装置1は、音声103が依頼承諾判別ワード25に登録されているワード又はセンテンスに一致するか否かを判定するのである。その結果、ユーザーBによって発せられた音声103が依頼承諾判別ワード25に登録されているワード又はセンテンスに一致した場合、情報処理装置1は、代行モードへと移行させる。すなわち、情報処理装置1は、代行モードへ移行させることに伴い、ユーザーBをログインユーザーとしてログインさせ(プロセスP5)、さらにユーザーAをログアウトさせるのである(プロセスP6)。これにより、ユーザーBがユーザーAに代わってログインユーザーとなる。
【0093】
その後、ユーザーBによって音声操作のための音声104が発せられると、情報処理装置1は、ユーザーAが行っていた設定状態を引き継いだ状態のままで音声104に基づく設定処理を行う(プロセスP7)。したがって、ユーザーBは、ユーザーAが行っていた設定操作の続きから設定操作を継続させることができる。そしてユーザーBによってジョブの実行を指示する音声105が発せられると、情報処理装置1は、その音声105に基づき、ジョブの実行を開始する(プロセスP8)。したがって、ユーザーBは、ユーザーAに代わって情報処理装置1にジョブを実行させることができる。
【0094】
次に
図7は、情報処理装置1が共同作業モードへ移行する動作の一例を示す図である。情報処理装置1は、
図6と同様の動作を行うことにより、ユーザーAをログインユーザーとしてログイン状態へ移行させ(プロセスP1)、ユーザーAの音声101に基づいて設定処理を行う(プロセスP2)。
【0095】
例えばユーザーAにとって音声操作をどのように進めれば良いのかわからない事態が発生すると、ユーザーAは、他のユーザーBに対して音声操作の共同作業を依頼する音声111を発する。この音声111は、情報処理装置1の音声入力部13によって検知される。情報処理装置1は、ユーザーAの音声111を入力すると、その音声111に基づいて操作依頼判定を行う(プロセスP10)。すなわち、情報処理装置1は、音声111が共同作業モード判別ワード24bに登録されているワード又はセンテンスに一致するか否かを判定するのである。その結果、音声111が共同作業モード判別ワード24bに登録されているワード又はセンテンスに一致した場合、情報処理装置1は、次の音声の入力を待機する状態となる。
【0096】
続いてユーザーBによって音声112が発せられると、情報処理装置1は、その音声112に基づいて承諾判定を行う(プロセスP11)。すなわち、情報処理装置1は、音声112が依頼承諾判別ワード25に登録されているワード又はセンテンスに一致するか否かを判定するのである。その結果、ユーザーBによって発せられた音声112が依頼承諾判別ワード25に登録されているワード又はセンテンスに一致した場合、情報処理装置1は、共同作業モードへと移行させる。すなわち、情報処理装置1は、共同作業モードへ移行させることに伴い、ユーザーBを新たなログインユーザーとして追加ログインさせるのである(プロセスP12)。これにより、ユーザーAとユーザーBとの双方が情報処理装置1にログインした状態となる。
【0097】
その後、ユーザーBによって音声操作のための音声113が発せられると、情報処理装置1は、それまでユーザーAが行っていた設定状態を引き継いだ状態のままで音声113に基づく設定処理を行う(プロセスP13)。また、ユーザーAによって音声操作のための音声114が発せられた場合も同様に、情報処理装置1は、それまでユーザーAが行っていた設定状態を引き継いだ状態のままで音声114に基づく設定処理を行う(プロセスP14)。したがって、ユーザーBは、ユーザーAと共に、それまでの設定操作の続きから設定操作を継続させることができる。そしてユーザーA又はBによってジョブの実行を指示する音声115が発せられると、情報処理装置1は、その音声115に基づき、ジョブの実行を開始する(プロセスP15)。したがって、ユーザーAは、ユーザーBに手伝ってもらいながら情報処理装置1にジョブを実行させることができる。
【0098】
次に情報処理装置1において行われる具体的な処理手順の一例について説明する。
図8乃至
図10は、情報処理装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部10のCPU10aがプログラム20を実行することによって繰り返し行われる処理である。情報処理装置1は、この処理を開始すると、ログアウト状態において音声入力が行われたか否かを判断する(ステップS10)。音声入力が行われていない場合(ステップS10でNO)、情報処理装置1による処理が終了する。これに対し、音声入力が行われている場合(ステップS10でYES)、情報処理装置1は、声紋認証を行い(ステップS11)、音声入力を行ったユーザーを特定することができたか否かを判断する(ステップS12)。すなわち、情報処理装置1は、音声入力を行ったユーザーがユーザー情報21に予め登録されているユーザーであるか否かを判断するのである。音声入力を行ったユーザーを特定することができなかった場合(ステップS12でNO)、情報処理装置1による処理が終了する。一方、音声入力を行ったユーザーを特定することができた場合(ステップS12でYES)、情報処理装置1は、特定したユーザーをログインユーザーとし、動作状態をログアウト状態からログイン状態へと移行させる(ステップS13)。
【0099】
情報処理装置1は、ログイン状態へ移行させると、オートリセット処理のために所定時間を計測するためのカウンタを作動させる(ステップS14)。また、情報処理装置1は、ログイン状態へ移行させることに伴い、ログインユーザーの権限情報21dに基づくジョブチケットを生成する。このジョブチケットは、ログインユーザーに予め許可された権限の範囲が記録される。ジョブチケットを生成すると、情報処理装置1は、そのジョブチケットをメモリ10bに格納する。そして情報処理装置1は、音声操作に基づく設定処理を行うときにはジョブチケットに記録されている権限の範囲内で設定処理を行う。
【0100】
情報処理装置1は、音声入力が行われたか否かを判断する(ステップS16)。音声入力が行われた場合(ステップS16)、情報処理装置1は、声紋認証を行い(ステップS17)、ログインユーザーによる音声であるか否かを判断する(ステップS18)。その結果、ログインユーザーによる音声である場合(ステップS18でYES)、情報処理装置1は、音声判別処理を行い(ステップS19)、ログインユーザーの発した音声が音声操作のための音声であるか否かを判断する(ステップS20)。音声操作のための音声であった場合(ステップS20でYES)、情報処理装置1は、オートリセット処理のために計測中であるカウンタをリセットし、カウント値を初期化する(ステップS21)。そして情報処理装置1は、設定操作のための音声であるか否かを判断し(ステップS22)、設定操作のための音声であれば(ステップS22でYES)、その音声に基づく設定処理を行う(ステップS23)。尚、設定操作のための音声でなかった場合(ステップS22でNO)、ステップS23の処理はスキップする。次に、情報処理装置1は、ジョブの実行を指示する音声であるか否かを判断し(ステップS24)、ジョブの実行を指示する音声であれば(ステップS24でYES)、その音声に基づいてジョブの実行を開始する(ステップS25)。尚、ジョブの実行を指示する音声でなかった場合(ステップS24でNO)、ステップS25の処理はスキップする。
【0101】
その後、情報処理装置1は、ログアウト状態へ移行させるか否かを判断する(ステップS26)。例えば、ログインユーザーによってログアウト状態への移行が指示されていれる場合、情報処理装置1は、ログアウト状態へ移行させると判断する。また、この他にも、例えば、後述するオートリセット処理によって自動ログアウトが設定されている場合、情報処理装置1は、ログアウト状態へ移行させると判断する。ログアウト状態へ移行させないと判断した場合(ステップS26でNO)、情報処理装置1による処理はステップS16へ戻る。したがって、上述した処理が繰り返し実行される。これに対し、ログアウト状態へ移行させると判断すると(ステップS26でYES)、情報処理装置1は、ログイン状態からログアウト状態へ移行させる処理を行う(ステップS27)。
【0102】
一方、ログイン状態において入力された音声が音声操作のための音声でなかった場合(ステップS20でNO)、情報処理装置1は、条件判定処理を実行する(ステップS28)。この条件判定処理では、代行モード又は共同作業モードへ移行させる条件が成立したか否かが判定され、条件が成立していれば、代行モード又は共同作業モードへ移行させる処理が行われる。
【0103】
図9は、その条件判定処理(ステップS28)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1は、条件判定処理を開始すると、ログインユーザーによって入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致する音声であるか否かを判断する(ステップS30)。その結果、ログインユーザーによって入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致しない場合(ステップS30でNO)、条件判定処理が終了する。
【0104】
これに対し、ログインユーザーによって入力された音声が操作依頼判別ワード24に登録されているワードやセンテンスに一致する場合(ステップS30でYES)、情報処理装置1は、次の音声入力を待機する状態となる(ステップS31)。そして次の音声入力を検知すると(ステップS31でYES)、情報処理装置1は、声紋認証を行い(ステップS32)、音声入力を行ったユーザーを特定することができたか否かを判断する(ステップS33)。音声入力を行ったユーザーを特定することができなかった場合(ステップS33でNO)、条件判定処理が終了する。尚、ステップS31で検知した音声入力を行ったユーザーが現在のログインユーザーであった場合も同様に、条件判定処理を終了する。
【0105】
音声入力を行ったユーザーとして、ログインユーザー以外のユーザーを特定することができた場合(ステップS33でYES)、情報処理装置1は、音声判別処理を行い(ステップS34)、ユーザーの発した音声が依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致するか否かを判断する(ステップS35)。その結果、依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致しない場合(ステップS35でNO)、条件判定処理が終了する。これに対し、依頼承諾判別ワード25に登録されているワードやセンテンスに一致した場合(ステップS35でYES)、情報処理装置1は、代行モードに移行させるか否かを判断する(ステップS36)。すなわち、情報処理装置1は、ログインユーザーによって入力された音声が代行モード判別ワード24aに登録されているワードやセンテンスに一致するのであれば代行モードに移行させると判断する。また、情報処理装置1は、ログインユーザーによって入力された音声が共同作業モード判別ワード24bに登録されているワードやセンテンスに一致するのであれば共同作業モードに移行させると判断する。
【0106】
代行モードへ移行させる場合(ステップS36でYES)、情報処理装置1は、ログイン状態における動作モードを代行モードへ移行させ(ステップS37)、ログインユーザーを変更する処理を行う(ステップS38)。すなわち、情報処理装置1は、先のログインユーザーをログアウトさせ、ステップS33で特定したユーザーを新たなログインユーザーとして認定するのである。このとき、情報処理装置1は、ログイン状態を継続させる。そして情報処理装置1は、メモリ10bに格納されているジョブチケットを新たなログインユーザーがそのまま使用することができるようにジョブチケットを更新する。これにより、新たなログインユーザーは、先のログインユーザーと同じ権限の範囲で設定処理を継続させることができる。尚、新たなログインユーザーの権限の範囲が先のログインユーザーの権限の範囲よりも広い場合、情報処理装置1は、新たなログインユーザーの権限情報21dに基づいてジョブチケットを更新するようにしても良い。その後、情報処理装置1は、オートリセット処理のために計測中であるカウンタの動作を一時停止させる(ステップS40)。
【0107】
また、共同作業モードへ移行させる場合(ステップS36でNO)、情報処理装置1は、ログイン状態における動作モードを共同作業モードへ移行させ(ステップS41)、追加ログイン処理を行う(ステップS42)。すなわち、情報処理装置1は、ステップS33で特定したユーザーを新たなログインユーザーとして追加する処理を行うのである。このときも、情報処理装置1は、ログイン状態を継続させる。したがって、共同作業モードへ移行すると、先のログインユーザーと追加されたログインユーザーとが共同して情報処理装置1に対する音声操作を行うことができるようになる。その後、情報処理装置1は、オートリセット処理のために計測中であるカウンタの動作を一時停止させる(ステップS43)。
【0108】
以上で、条件判定処理が終了する。尚、代行モードへ移行させるときに、新たなログインユーザーが先のログインユーザーのジョブチケットをそのまま使用することができるようにジョブチケットを更新した場合、情報処理装置1は、ジョブ制御部38によるジョブの実行が行われた後に、そのジョブチケットを削除し、新たなログインユーザーの権限情報21dに基づく新たなジョブチケットを生成することが好ましい。すなわち、情報処理装置1は、ジョブの実行が行われた後に、先のログインユーザー(第1のユーザー)が音声操作で設定可能な権限の範囲を解除し、新たなログインユーザー(第2のユーザー)が音声操作で設定可能な権限の範囲を適用するのである。これにより、新たなログインユーザーの権限の範囲を超えるジョブが繰り返し実行されてしまうことを防止することができる。
【0109】
また、
図8のフローチャートにおいて、ログイン状態であるときに音声入力が検知されなかった場合(ステップS16でNO)、或いは、検知された音声がログインユーザーによる音声ではなかった場合(ステップS18でNO)、情報処理装置1は、オートリセット処理を実行する(ステップS29)。このオートリセット処理では、ログインユーザーによる有効な音声操作が検知されない状態が所定時間以上継続すると、それまでの設定状態をリセットして初期状態に戻すオートリセット処理が行われる。
【0110】
図10は、そのオートリセット処理(ステップS29)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1は、オートリセット処理を開始すると、オートリセット処理のためのカウンタが一時停止中であるか否かを判断する(ステップS50)。カウンタが一時停止中である場合(ステップS50でYES)、情報処理装置1は、カウンタを一時停止させてから所定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS51)。カウンタを一時停止させてから所定時間が経過している場合(ステップS51でYES)、情報処理装置1は、カウンタの一時停止を解除し、オートリセット処理のためのカウント動作を再開させる(ステップS52)。また、カウンタを一時停止させてから所定時間が経過していない場合(ステップS51でNO)、情報処理装置1は、カウンタの一時停止状態を継続させる。したがって、カウンタを一時停止させてから少なくとも所定時間が経過するまでの期間中はオートリセット処理が行われないため、音声操作を途中から引き継いで行うユーザーは現在の設定状態を確認するための時間を確保することができる。
【0111】
一方、カウンタが一時停止中でなかった場合(ステップS50でNO)、情報処理装置1は、カウンタのカウント値が所定の上限値に達しているか否かを判断する(ステップS53)。その結果、カウント値が上限値に満たない場合(ステップS53でNO)、オートリセット処理が終了する。これに対し、カウント値が上限値に達している場合(ステップS53でYES)、情報処理装置1は、ログイン状態においてデフォルト値から変更された設定値を全てリセットし、初期状態へ戻す(ステップS54)。そして情報処理装置1は、自動ログアウトさせるか否かを判断し(ステップS55)、自動ログアウトさせる場合には(ステップS55でYES)、自動ログアウトを設定する(ステップS56)。尚、自動ログアウトさせない場合(ステップS55でNO)、ステップS56の処理は行われない。以上で、オートリセット処理が終了する。
【0112】
情報処理装置1において上記のような処理が行われることにより、例えばログインユーザーが音声操作の途中で情報処理装置1から離れなければならなくなると、その後の音声操作を他のユーザーに代行して行ってもらうことができる。また、例えばログインユーザーが音声操作の途中で操作の進め方がわからなくなると、その後の音声操作を他のユーザーに協力してもらいながら進めることができる。つまり、本実施形態の情報処理装置1は、周囲の雑音などによる誤動作を防止しつつ、所定の条件が成立したと判定すれば、音声操作を行っているユーザーとは異なるユーザーが音声操作を行える構成であるので、従来よりも利便性を向上させることができる。
【0113】
以上説明したように本実施形態の情報処理装置1は、音声操作を行うユーザーをログインユーザーとして特定し、ログインユーザーによって音声入力部13に入力される音声を音声操作として受け付け、その音声操作を反映させた設定処理を行う。そして、情報処理装置1は、第1のユーザーがログインユーザーとして特定されている状態のときに所定の条件が成立したか否かを判定し、所定の条件が成立したと判定すると、第1のユーザーとは異なる第2のユーザーによって音声入力部13に入力される音声を音声操作として受け付け、第1のユーザーによって行われていた設定処理を継続させるようにしている。このような情報処理装置1によれば、第1のユーザーによって行われた音声操作の途中から、第2のユーザーが音声操作を継続して行うことができるようになる。
【0114】
また、本実施形態の情報処理装置1は、第1のユーザーによる音声操作に基づく設定処理を行っているときに、第2のユーザーがその設定処理に関与することを検出した場合に、所定の条件が成立したと判定する。言い換えると、情報処理装置1は、第2のユーザーが設定処理に関与することを検出しない場合には、第2のユーザーの音声を周囲の雑音と同様に取り扱う。そのため、情報処理装置1は、第2のユーザーが設定処理に関与しない場合には、第2のユーザーが発する音声による誤動作を防止することができる。
【0115】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0116】
例えば上記実施形態では、情報処理装置1がMFPなどの画像処理装置によって構成される場合を例示した。しかし、情報処理装置1は、MFPなどの画像処理装置に限られるものではなく、画像処理装置以外の他の装置であっても構わない。例えば、情報処理装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォンなどの装置であっても構わない。また、情報処理装置1は、いわゆるAIスピーカーであっても構わない。
【0117】
また、上記実施形態では、情報処理装置1が第2のユーザーによる音声操作の受け付けを開始すると、オートリセット処理のためのカウント動作を一時停止させることにより、オートリセット処理が開始されるまでの時間を延長する例を説明した。しかし、これに限られるものではなく、例えばオートリセット処理のためにカウントされるカウンタの上限値を変更することにより、オートリセット処理が開始されるまでの時間を延長するものであっても構わない。
【0118】
また、上記実施形態では、主として音声操作の場合を例示したが、情報処理装置1がログイン状態であるときには、ログインユーザーによる音声操作だけでなく、ログインユーザーによる手動操作も受け付け可能であることは勿論である。そのため、条件判定部34は、音声入力部13に入力される音声が所定の音声である場合に所定の条件が成立したと判定するものに限られず、例えば操作パネル12に対して所定の手動操作が行われた場合に所定の条件が成立したと判定するものであっても構わない。この場合の一例を挙げると、表示部12aに設定引継ぎボタンが表示されており、その設定引継ぎボタンがログインユーザーによって手動操作されたことが検知された場合に、条件判定部34は、所定の条件が成立したと判定するようにしても良い。
【0119】
また、上記実施形態では特に言及しなかったが、情報処理装置1は、代行モード又は共同作業モードへ移行させるとき、例えば音声出力部14や操作パネル12の表示部12aを介して代行モード又は共同作業モードへ移行させることを報知するようにしても良い。これにより、第2のユーザーは、いずれのモードで音声操作を行うことができるのかを把握することができるようになる。
【0120】
また、上記実施形態では特に言及しなかったが、情報処理装置は、代行モードへ移行させるとき、音声出力部14を介して現在の設定状態を音声で案内するようにしても良い。例えば、音声操作反映部36が現在の設定状態に基づく音声データを生成し、その音声データを音声出力部14へ出力することによって、音声案内を行うのである。これにより、第2のユーザーが現在の設定状態を速やかに把握することができるようになる。
【0121】
さらに、上記実施形態では、制御部10のCPU10aによって実行されるプログラム20が予め記憶部11に格納されている場合を例示した。しかし、プログラム20は、例えば通信インタフェース15などを介して情報処理装置1にインストールされるものであっても構わない。この場合、プログラム20は、インターネットなどを介してダウンロード可能な態様で提供される。また、これに限らず、プログラム20は、CD-ROMやUSBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された態様で提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0122】
1 情報処理装置
10 制御部
11 記憶部(記憶手段)
13 音声入力部(音声入力手段)
20 プログラム
21 ユーザー情報
22 音声判別情報
30 ユーザー特定部(ユーザー特定手段)
31 声紋認証部
32 オートリセット部(オートリセット手段)
33 音声判別部(音声判別手段)
34 条件判定部(条件判定手段)
36 音声操作反映部(音声操作反映手段)
38 ジョブ制御部(ジョブ制御手段)