(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】コンセントの取り付け構造および天板付き家具
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220916BHJP
【FI】
A47B13/00 B
(21)【出願番号】P 2018197623
(22)【出願日】2018-10-19
【審査請求日】2021-09-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年7月26日、SENTIR展示会にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】森本 祐介
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-124457(JP,A)
【文献】特開平3-252073(JP,A)
【文献】特開平11-318577(JP,A)
【文献】特開2009-123626(JP,A)
【文献】特開2012-174364(JP,A)
【文献】実開平7-17136(JP,U)
【文献】特開平8-112144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 17/00
A47B 21/00
H01R 27/00
H01R 13/10-13/433
H01R 13/74
H01R 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板およびこれを支持する支持構造体を備える天板付き家具に、コンセントを取り付ける取り付け構造であって、
前記天板に設けられた配線開口と、
前記配線開口に配置される、コンセントが配設されたコンセント付きカバーと、
を備え、
前記支持構造体が、その一部が前記配線開口に露出するように配設されるとともに、前記配線開口に露出する部分に設けられた被係止部を備え、
前記コンセント付きカバーが、前記被係止部と対応する位置に設けられた係止部を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止されることによって、前記コンセント付きカバーが前記配線開口に取り付けられる、
ことを特徴とする、コンセントの取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコンセントの取り付け構造であって、
前記被係止部が開口であり、
前記係止部が、前記コンセント付きカバーの下面から突出する第1部分と、前記第1部分の端部に連なる第2部分と、を備え、
前記係止部が前記被係止部に差し込まれた状態で前記コンセント付きカバーが前記被係止部に沿ってスライドされることによって、前記係止部の前記第2部分が前記被係止部の周囲に係止される、
ことを特徴とする、コンセントの取り付け構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンセントの取り付け構造であって、
前記コンセント付きカバーが、
前記配線開口の幅以下の幅を有する直方体状であって、下面側に前記係止部が設けられたカバー本体部と、
前記配線開口の幅よりも長尺であって、その長尺方向を前記カバー本体部の幅方向に沿わせるようにして前記カバー本体部の下面側に配置された、カバー支持部と、
を備え、
前記カバー本体部が前記配線開口に配置されて前記係止部が前記被係止部に係止された状態において、前記カバー支持部の長尺方向の各端部が前記天板の下面側に配置されるとともに、該端部が前記天板の下面に対して固定される、
ことを特徴とする、コンセントの取り付け構造。
【請求項4】
請求項3に記載のコンセントの取り付け構造であって、
前記カバー本体部の下面側に設けられた補助係止部と、
前記カバー支持部の上面側であって、前記補助係止部と対応する位置に設けられた補助被係止部と
を備え、
前記補助係止部が前記補助被係止部に係止されることによって、前記カバー支持部が前記カバー本体部に取り付けられる、
ことを特徴とする、コンセントの取り付け構造。
【請求項5】
請求項4に記載のコンセントの取り付け構造であって、
前記補助被係止部が、開口であり、
前記補助係止部が、前記カバー本体部の下面から突出する第1部分と、前記第1部分の端部に連なる第2部分と、を備え、
前記補助係止部が前記補助被係止部に差し込まれた状態で前記カバー本体部が前記補助被係止部に沿ってスライドされることによって、前記補助係止部の前記第2部分が前記補助被係止部の周囲に係止される、
ことを特徴とする、コンセントの取り付け構造。
【請求項6】
請求項5に記載のコンセントの取り付け構造であって、
前記被係止部が、開口であり、
前記係止部が、前記補助係止部と同形状かつ逆向きのフック状であり、
前記係止部が前記被係止部に差し込まれた状態で前記コンセント付きカバーが前記被係止部に沿ってスライドされることによって、前記係止部の第2部分が前記被係止部の周囲に係止される、
ことを特徴とする、コンセントの取り付け構造。
【請求項7】
天板と、
前記天板を支持する支持構造体と、
前記天板に設けられた配線開口と、
前記配線開口に配置される、コンセントが配設されたコンセント付きカバーと、
を備え、
前記支持構造体が、その一部が前記配線開口に露出するように配設されるとともに、前記配線開口に露出する部分に設けられた被係止部を備え、
前記コンセント付きカバーが、前記被係止部と対応する位置に設けられた係止部を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止されることによって、前記コンセント付きカバーが前記配線開口に取り付けられている、
ことを特徴とする、天板付き家具。
【請求項8】
請求項7に記載の天板付き家具であって、
前記天板が、前記配線開口となる間隙を設けつつ配置された一対の天板パーツを備え、
前記支持構造体が、前記一対の天板パーツの間に架け渡されて前記配線開口を横断するように設けられた横フレームを備え、
前記横フレームに前記被係止部が形成されている、
ことを特徴とする、天板付き家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付き家具の本体部にコンセントを取り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天板付き家具の使用態様として、天板上にパーソナルコンピュータや照明器具等の各種の機器を載置してこれを使用するというものが一般的となってきており、天板上に載置される機器からのびる配線の取り回しを容易にするために、電源供給用あるいは情報通信用のコンセントが天板に設けられることが多くなってきている。
【0003】
天板にコンセントが設けられた天板付き家具は、例えば特許文献1に開示されている。ここでは、天板に対するコンセントの取り付けは、次のようにしてなされている。すなわち、まず、天板の後端面に、断面H字型のリブを備える縁材を固着することによって、該後端面に係合溝を形成する。また、天板の後方に、前端面に係合溝が設けられた水平竿を、天板との間に隙間を設けつつ、配設する。ここでは、天板と水平竿の間に形成されたこの隙間が、配線孔を形成する。続いて、この配線孔にコンセントを配置し、これを上下から挟むようにして取付板と挟持板を設けて、コンセントと挟持板をネジによって締着するとともに、挟持板と取付板をネジによって締着し、さらに、取付板の各端部に設けられた嵌合片を、天板の後端面および水平竿の前端面に各々設けられた係合溝に嵌合する。これによって、コンセントが天板に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成によると、コンセントの取り付けに必要な部品点数および必要な工程数が多いため、製造コストが嵩んでしまう。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、天板付き家具の本体部に対するコンセントの取り付けに必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、
天板およびこれを支持する支持構造体を備える天板付き家具に、コンセントを取り付ける取り付け構造であって、
前記天板に設けられた配線開口と、
前記配線開口に配置される、コンセントが配設されたコンセント付きカバーと、
を備え、
前記支持構造体が、その一部が前記配線開口に露出するように配設されるとともに、前記配線開口に露出する部分に設けられた被係止部を備え、
前記コンセント付きカバーが、前記被係止部と対応する位置に設けられた係止部を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止されることによって、前記コンセント付きカバーが前記配線開口に取り付けられる、
ことを特徴とする。
【0009】
この構成によると、天板を支持する支持構造体に設けられた被係止部を利用してコンセント付きカバーを取り付けるので、コンセントの取り付けに必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる。
【0010】
好ましくは、前記コンセントの取り付け構造において、
前記被係止部が開口であり、
前記係止部が、前記コンセント付きカバーの下面から突出する第1部分と、前記第1部分の端部に連なる第2部分と、を備え、
前記係止部が前記被係止部に差し込まれた状態で前記コンセント付きカバーが前記被係止部に沿ってスライドされることによって、前記係止部の前記第2部分が前記被係止部の周囲に係止される、
ことを特徴とする。
【0011】
この構成によると、係止部および被係止部の形状が単純であるので、製造が容易である。また、係止部が被係止部に対して所定の位置に配置されることにより係合状態が形成されるので、コンセント付きカバーが、天板付き家具の本体部に対して、容易かつ精確に位置決めされる。
【0012】
好ましくは、前記コンセントの取り付け構造において、
前記コンセント付きカバーが、
前記配線開口の幅以下の幅を有する直方体状であって、下面側に前記係止部が設けられたカバー本体部と、
前記配線開口の幅よりも長尺であって、その長尺方向を前記カバー本体部の幅方向に沿わせるようにして前記カバー本体部の下面側に配置された、カバー支持部と、
を備え、
前記カバー本体部が前記配線開口に配置されて前記係止部が前記被係止部に係止された状態において、前記カバー支持部の長尺方向の各端部が前記天板の下面側に配置されるとともに、該端部が前記天板の下面に対して固定される、
ことを特徴とする。
【0013】
この構成によると、コンセント付きカバーが、カバー本体部に設けられた係止部において支持構造体に設けられた被係止部に係合されるとともに、カバー支持部の各端部において天板の下面に対して固定される。したがって、コンセント付きカバーの取り付けの強度を十分に高いものとすることができる。
【0014】
好ましくは、前記コンセントの取り付け構造において、
前記カバー本体部の下面側に設けられた補助係止部と、
前記カバー支持部の上面側であって、前記補助係止部と対応する位置に設けられた補助被係止部と
を備え、
前記補助係止部が前記補助被係止部に係止されることによって、前記カバー支持部が前記カバー本体部に取り付けられる、
ことを特徴とする。
【0015】
この構成によると、カバー支持部をカバー本体部へ取り付けるにあたって必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる。
【0016】
好ましくは、前記コンセントの取り付け構造において、
前記補助被係止部が、開口であり、
前記補助係止部が、前記カバー本体部の下面から突出する第1部分と、前記第1部分の端部に連なる第2部分と、を備え、
前記補助係止部が前記補助被係止部に差し込まれた状態で前記カバー本体部が前記補助被係止部に沿ってスライドされることによって、前記補助係止部の前記第2部分が前記補助被係止部の周囲に係止される、
ことを特徴とする。
【0017】
この構成によると、補助係止部および補助被係止部の形状が単純であるので、製造が容易である。また、補助係止部が補助被係止部に対して所定の位置に配置されることにより係合状態が形成されるので、カバー本体部が、カバー支持部に対して、容易かつ精確に位置決めされる。
【0018】
好ましくは、前記コンセントの取り付け構造において、
前記被係止部が、開口であり、
前記係止部が、前記補助係止部と同形状かつ逆向きのフック状であり、
前記係止部が前記被係止部に差し込まれた状態で前記コンセント付きカバーが前記被係止部に沿ってスライドされることによって、前記係止部の第2部分が前記被係止部の周囲に係止される、
ことを特徴とする。
【0019】
この構成によると、補助係止部と係止部とが、互いに逆向きのフック状であるので、配線開口に取り付けられたカバー本体部にこれをスライドさせるような外力がかかった場合でも、カバー本体部はどちらの方向にも位置ずれを起こしにくい。
【0020】
また、本発明は、天板付き家具も対象としている。
すなわち、本発明に係る天板付き家具は、
天板と、
前記天板を支持する支持構造体と、
前記天板に設けられた配線開口と、
前記配線開口に配置される、コンセントが配設されたコンセント付きカバーと、
を備え、
前記支持構造体が、その一部が前記配線開口に露出するように配設されるとともに、前記配線開口に露出する部分に設けられた被係止部を備え、
前記コンセント付きカバーが、前記被係止部と対応する位置に設けられた係止部を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止されることによって、前記コンセント付きカバーが前記配線開口に取り付けられている、
ことを特徴とする。
【0021】
この構成によると、天板を支持する支持構造体に設けられた被係止部を利用してコンセント付きカバーを取り付けるので、コンセントの取り付けに必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる。ひいては、天板付きの製造コストを低減することができる。
【0022】
好ましくは、前記天板付き家具において、
前記天板が、前記配線開口となる間隙を設けつつ配置された一対の天板パーツを備え、
前記支持構造体が、前記一対の天板パーツの間に架け渡されて前記配線開口を横断するように設けられた横フレームを備え、
前記横フレームに前記被係止部が形成されている、
ことを特徴とする。
【0023】
この構成によると、一対の天板パーツの間に配線開口が設けられてここにコンセント付きカバーが取り付けられるので、一方の天板パーツの使用端および他方の天板の使用端のどちらからもコンセントを使用しやすい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、天板付き家具にコンセントを取り付けるにあたって必要な部品点数および工程数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る天板付き家具の斜視図。
【
図6】カバー本体部にカバー支持部を取り付ける態様を説明するための図。
【
図7】取り付けに係る工程1における天板付き家具の本体部とコンセント付きカバーの位置関係を示す斜視図。
【
図8】取り付けに係る工程2~3における該位置関係を示す斜視図。
【
図9】コンセント付きカバーが取り付けられた状態における該位置関係を示す斜視図。
【
図10】取り付けに係る工程1~4における該位置関係を示す側断面図。
【
図11】取り付けに係る工程2~3における天板付き家具の本体部とコンセント付きカバーを、天板の下方側から見た図。
【
図12】天板付き家具にモニターアームが取り付けられた状態を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
<1.全体構成>
実施形態に係る天板付き家具の全体構成について、
図1、
図2を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る天板付き家具TBの斜視図である。
図2は、天板付き家具TBの分解斜視図である。
【0028】
天板付き家具TBは、例えば、いわゆるフリーアドレスが導入されているオフィス等において好適に用いられる大型テーブルであり、天板1と、脚フレーム2と、一対のコンセント付きカバー3,3と、配線カバー4とを備える。
【0029】
天板1は、一対の天板パーツ11,11を備える。各天板パーツ11は、平面視において長方形状であり、長尺方向が平行となるような姿勢で、互いの間に隙間を設けつつ配設される。この隙間は、配線等を挿通させるための配線開口12を形成する。配線開口12には、その両端に一対のコンセント付きカバー3,3が配置されるとともに、これらの間に配線カバー4が配置される。一対のコンセント付きカバー3,3および配線カバー4によって、配線開口12のほぼ全体が塞がれる。
【0030】
脚フレーム2は、天板1を支持するための支持構造体である。脚フレーム2は、一対の脚ユニット21,21と、これらの上端を連結する一対のビーム22,22とを備える。具体的には、各脚ユニット21は、一対の脚本体211,211と、各脚本体211の上端を連結する横フレーム212とを備えており、全体として門型を呈している。一対の脚ユニット21,21は、横フレーム212が互いに平行となるような姿勢で配置され、各脚ユニット21の各脚本体211の上端同士がビーム22によって連結される。脚フレーム2が備える各要素211,212,22は、いずれも中空の筒状部材であり、具体的には例えば角パイプ等により構成される。
【0031】
天板1は、脚フレーム2上に固定されてこれに支持される。具体的には、まず、各天板パーツ11が、長辺がビーム22と平行となるような姿勢で、脚フレーム2上に配置される。ここで、一方の天板パーツ11が一方のビーム22の側に、他方の天板パーツ11が他方のビーム22の側にそれぞれ配置されることにより、各天板パーツ11の間に平面視にて長方形状の隙間(配線開口)12が形成されるようになっている。したがって、一対の横フレーム212,212の各々は、一対の天板パーツ11,11の間に架け渡して設けられて、配線開口12を横断するように配設されることになる。つまり、脚フレーム2は、その一部が配線開口12に露出するように配設される。該露出した部分、すなわち、各横フレーム212における配線開口12を横断する部分には、配線開口12に臨むように、一対の第1被係止部2121,2121が設けられる。第1被係止部2121は、具体的には、横フレーム212の上面に設けられたスリット状の開口であり、横フレーム212の延在方向と直交して延在する(
図7等参照)。
【0032】
各天板パーツ11が脚フレーム2上に配置されると、ボルト等を用いて、各天板パーツ11がビーム22および横フレーム212に対して固定される。これにより、天板1が脚フレーム2上に支持された状態となり、天板付き家具TBの本体部が得られる。天板付き家具TBの本体部において、天板パーツ11の間に設けられた配線開口12に、配線カバー4およびコンセント付きカバー3が取り付けられることによって、天板付き家具TBが得られることになる。
【0033】
一対のコンセント付きカバー3,3は、互いに同じ構成を備えており、配線開口12内であってその長尺方向の両端部に各々配置される。各コンセント付きカバー3には、電源供給用あるいは情報通信用のコンセント30が設けられており、天板1上で使用される各種の機器等からのびる配線のプラグ等を接続できるようになっている。コンセント付きカバー3については、後に詳細に説明する。
【0034】
配線カバー4は、平面視において長尺矩形の板状部材であり、配線開口12内であって、その長尺方向のほぼ中央に配置される。すなわち、配線カバー4は、一対のコンセント付きカバー3,3の間に、これらと隣接して配置される。配線カバー4は、その主面が略水平となる閉姿勢と、その長辺の側に起立する開姿勢との間で姿勢変更できるように構成されている。また、配線カバー4は、その幅が配線開口12の幅よりも僅かに小さいものとされており、配線カバー4が閉姿勢とされている状態において、配線カバー4の各長辺と天板パーツ11の長辺との間に僅かな隙間121が形成されるようになっている。この隙間121は、配線コード等を挿通させるための挿通開口としての役割を担う。
【0035】
<2.コンセント付きカバー>
コンセント付きカバー3の構成について、
図3~
図6を参照しながら説明する。
図3は、コンセント付きカバー3の斜視図である。
図4は、コンセント付きカバー3の側面図である。
図5は、コンセント付きカバー3の分解斜視図である。
図6は、カバー本体部31にカバー支持部32を取り付ける態様を説明するための斜視図である。
【0036】
コンセント付きカバー3は、カバー本体部31と、カバー支持部32と、一対の第1係止部33,33と、一対の第2係止部34,34と、を備える。
【0037】
カバー本体部31は、底面側が開口した直方体箱状の部材であり、矩形枠状の周壁311と、その上側の開口を塞ぐ矩形状の上板312とを備える。上板312の略中央には、略矩形の窓部が形成されており、この窓部を塞ぐようにコンセント30が配設される。カバー本体部31の短尺方向の長さ、すなわちカバー本体部31の幅は、天板1に設けられた配線開口12の幅以下、好ましくは、配線開口12の幅とほぼ同一か該幅より僅かに小さいものとされる。また、周壁311の高さ、すなわちカバー本体部31の厚みは、好ましくは、天板1の厚みとほぼ同一とされる。
【0038】
カバー支持部32は、長尺部材であり、底面側および長尺方向の端面側が開口した断面コ字型を呈している。カバー支持部32は、その長尺方向をカバー本体部31の幅方向に沿わせるようにして、カバー本体部31の下面側に配置されてこれに取り付けられる。ただし、カバー支持部32の長尺方向の長さは、配線開口12の幅よりも十分に大きなものとされており、カバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー支持部32の長尺方向の各端部がカバー本体部31からはみ出して配置される。カバー支持部32における、該カバー本体部31からはみ出した部分には、ボルト挿通孔321が形成される。また、カバー支持部32における、カバー本体部31の周壁311と対応する位置には、第2被係止部322が形成される。第2被係止部322は、具体的には、カバー支持部32の上面に設けられたスリット状の開口であり、カバー支持部32の延在方向と直交して延在する。
【0039】
一対の第1係止部33,33は、横フレーム212に設けられた一対の第1被係止部2121,2121と対応する位置に形成されており、各第1係止部33が各第1被係止部2121に係止されることによって、コンセント付きカバー3が脚フレーム2に係止されて配線開口12に取り付けられる。一対の第1係止部33,33は、カバー本体部31の下面側において、カバー本体部31の長さ方向について同じ位置(すなわち、幅方向に対向するような位置)に設けられる。各第1係止部33は、フック状、具体的には、L字フック状であり、周壁311の下端面から下方に突出する第1部分33aと、その端部からほぼ直角に折れ曲がって連なり、カバー本体部31の長辺に沿って延在する第2部分33bと、を備える。第2部分33bの長さは、第1被係止部2121の長さ(すなわち、開口の延在方向の長さ)よりも短いものとされており、第2部分33bの厚みは、第1被係止部2121の幅(すなわち、開口の幅)よりも小さいものとされている。また、第2部分33bの長さは、横フレーム212の肉厚よりも長いものとされている。
【0040】
一対の第2係止部34,34は、カバー支持部32に設けられた一対の第2被係止部322,322と対応する位置に形成されており、各第2係止部34が各第2被係止部322に係止されることによって、カバー支持部32がカバー本体部31に取り付けられる。一対の第2係止部34,34は、一対の第1係止部33,33と同様、カバー本体部31の下面側において、カバー本体部31の長さ方向について同じ位置(すなわち、幅方向に対向するような位置)に設けられる。各第2係止部34は、第1係止部33と同形状である。すなわち、各第2係止部34は、フック状、具体的には、L字フック状であり、周壁311の下端面から下方に突出する第1部分34aと、その端部からほぼ直角に折れ曲がって連なり、カバー本体部31の長辺に沿って延在する第2部分34bと、を備える。第2部分34bの長さは、第2被係止部322の長さ(すなわち、開口の延在方向の長さ)よりも短いものとされており、第2部分34bの厚みは、第2被係止部322の幅(すなわち、開口の幅)よりも小さいものとされている。また、第1部分34aの長さは、カバー支持部32の肉厚よりも長いものとされている。
【0041】
ただし、第2係止部34と第1係止部33は、互いに逆向きとされる。すなわち、第1係止部33の第2部分33bは、第2係止部34から離れる方向に折れ曲がって延在し、第2係止部34の第2部分34bは、第1係止部33から離れる方向に折れ曲がって延在する。
【0042】
ここで、カバー支持部32をカバー本体部31に取り付ける態様について、
図6を参照しながら説明する。カバー支持部32の取り付けにあたっては、まず、カバー本体部31の下面側と、カバー支持部32の上面側とが、互いにほぼ平行な姿勢のままで、相対的に近づけられる(
図6(a)の矢印AR1)。上記の通り、第2係止部34の第2部分34bの長さおよび厚みは第2被係止部322の長さおよび幅よりも小さい。したがって、両部材31,32が近づくと、各第2係止部34が対応する第2被係止部322に差し込まれていく。各第2係止部34が各第2被係止部322に完全に差し込まれた状態(すなわち、第2部分34bがカバー支持部32の下面側に配置されるとともに第1部分34aが第2被係止部322内に挿通された状態)となると、続いて、カバー本体部31が、第2被係止部322に沿って、第2部分34bの折れ曲がり方向にスライドされる(矢印AR2)。いうまでもなく、このスライドは相対的なものであればよく、カバー本体部31がカバー支持部32に対して、第2部分34bの折れ曲がり方向にスライドされてもよいし、カバー支持部32がカバー本体部31に対して、第2部分34bの折れ曲がり方向と逆方向にスライドされてもよい。これにより、各第2係止部34の第2部分34bが、各第2被係止部322の周囲に係止される。このようにして各第2係止部34と各第2被係止部322との間に係合状態が形成されることによって、カバー支持部32がカバー本体部31に取り付けられる。
【0043】
<3.コンセント付きカバーの取り付け>
コンセント付きカバー3を天板付き家具TBの本体部に取り付ける態様について、
図7~
図11を参照しながら説明する。
図7は、コンセント付きカバー3の取り付けに係る工程1における、天板付き家具TBの本体部とコンセント付きカバー3の位置関係を示す斜視図である。
図8は、該取り付けに係る工程2~3における、該位置関係を示す斜視図である。
図9は、コンセント付きカバー3が取り付けられた状態における該位置関係を示す斜視図である。
図10は、取り付けに係る工程1~4における該位置関係を示す側断面図である。
図11は、取り付けに係る工程2~3における天板付き家具TBの本体部とコンセント付きカバー3を、天板1の下方側から見た図である。ただし、
図8、
図10においては、説明の便宜上、手前側にある天板パーツ11の図示が省略されている。
【0044】
工程1:コンセント付きカバー3の取り付けにあたっては、まず、コンセント付きカバー3が、その幅方向を配線開口12の幅方向に沿わせつつ、天板1の下方側から、配線開口12内に配置される。ここでは、コンセント付きカバー3は、水平面に対して傾斜した姿勢、具体的には、カバー本体部31におけるカバー支持部32が設けられている側が、天板1の下方に配置されるとともに、他方の側が、配線開口12を横断するように配設されている横フレーム212の上方に配置されるように傾斜した姿勢とされる(
図7の一点鎖線、
図10(a))。上記の通り、横フレーム212における配線開口12を横断する部分には、一対の第1被係止部2121,2121が設けられており、この状態において、カバー本体部31に設けられた一対の第1係止部33,33が、該一対の第1被係止部2121,2121の上方に配置された状態となる。
【0045】
工程2:続いて、コンセント付きカバー3が、カバー支持部32のまわりで回動される(
図10の矢印AR11)。上記の通り、第1係止部33の第2部分33bの長さおよび厚みは第1被係止部2121の長さおよび幅よりも小さい。したがって、コンセント付きカバー3の回動が進んで、第1係止部33が横フレーム212に近づくと、各第1係止部33が対応する第1被係止部2121に差し込まれていく。そして、カバー本体部31が水平姿勢となったときに、各第1係止部33が、各第1被係止部2121に完全に差し込まれた状態(すなわち、第2部分33bが横フレーム212の筒内部に配置されるとともに、第1部分33aが第1被係止部2121内に挿通された状態)となる(
図8(a)、
図10(b)、
図11(a))。
【0046】
工程3:続いて、コンセント付きカバー3が、第1被係止部2121に沿って、第1係止部33の第2部分33bの折れ曲がり方向に相対的にスライドされる(矢印AR12)。これにより、各第1係止部33の第2部分33bが、各第1被係止部2121の周囲に係止される。このようにして各第1係止部33と各第1被係止部2121の間に係合状態が形成されることによって、カバー本体部31が横フレーム212に係止されて配線開口12に取り付けられる(
図8(b)、
図10(c)、
図11(b))。上記の通り、カバー支持部32の長尺方向の長さは、配線開口12の幅よりも大きい。したがって、カバー本体部31が配線開口12に取り付けられたこの状態において、カバー支持部32の長尺方向の各端部が各天板パーツ11の下面側に配置されることになる。
【0047】
上述した工程3において、カバー本体部31は、第1係止部33の第1部分33aが第1被係止部2121の端部に当接するような位置までスライドされる(
図10(c))。このとき、カバー本体部31は、定められた取り付け位置、すなわち、その短辺が天板1の側端縁とほぼ同一直線上にくるような位置に配置されるようになっている。一方、カバー支持部32をカバー本体部31に取り付ける際にも、カバー支持部32は、第2係止部34の第1部分34aが第2被係止部322の端部に当接するような位置までスライドされ、これによって、カバー本体部31に対して定められた取り付け位置に配置されるようになっている。そして、カバー支持部32がカバー本体部31に対して定められた取り付け位置に配置されるとともに、カバー本体部31が天板付き家具TBの本体部に対して定められた取り付け位置に配置されたときに、カバー支持部32に設けられた各ボルト挿通孔321が、各天板パーツ11に設けられたボルト孔111と重なるようになっている(
図8、
図10、
図11)。
【0048】
工程4:工程3において、カバー本体部31およびカバー支持部32が、各々の定められた取り付け位置に配置されると、続いて、各ボルト挿通孔321にボルトBTが挿通され、該ボルトBTがボルト孔111に螺合されつつ締め込まれる。これによって、カバー支持部32と各天板パーツ11が締結され、コンセント付きカバー3が、カバー支持部32において天板1に対して固定される(
図9、
図10(d))。つまり、コンセント付きカバー3は、カバー本体部31において脚フレーム2に係止されるとともに、カバー支持部32において天板1に固定されることによって、配線開口12に取り付けられる。
【0049】
以上によって、コンセント付きカバー3の天板付き家具TBの本体部への取り付けが完了する。
【0050】
<4.効果>
上記の実施形態に係るコンセント30の取り付け構造においては、天板1に設けられた配線開口12に、コンセント30が配設されたコンセント付きカバー3が配置される。ここで、天板1を支持する脚フレーム(支持構造体)2が、その一部が配線開口12に露出するように配設される横フレーム212を備え、該横フレーム212における配線開口12に露出する部分に、第1被係止部(被係止部)2121が設けられる。また、コンセント付きカバー3における、第1被係止部2121と対応する位置に、第1係止部(係止部)33が設けられる。そして、第1係止部33が第1被係止部2121に係止されることによって、コンセント付きカバー3が配線開口12に取り付けられる。この構成によると、天板1を支持する脚フレーム2に設けられた第1被係止部2121を利用してコンセント付きカバー3を取り付けるので、コンセント30の取り付けに必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる。
【0051】
また、上記の実施形態に係るコンセント30の取り付け構造においては、第1被係止部2121が開口、具体的にはスリット状の開口である。また、第1係止部33が、コンセント付きカバー3の下面から突出する第1部分33aと、第1部分33aの端部に連なる第2部分33bとを備える。そして、第1係止部33が第1被係止部2121に差し込まれた状態でコンセント付きカバー3が第1被係止部2121に沿ってスライドされることによって、第1係止部33の第2部分33bが第1被係止部2121の周囲に係止される。この構成によると、第1係止部33および第1被係止部2121の形状が単純であるので、製造が容易である。また、第1係止部33が第1被係止部2121に対して所定の位置に配置されることにより係合状態が形成されるので、コンセント付きカバー3が、天板付き家具TBの本体部に対して、容易かつ精確に位置決めされる。
【0052】
また、上記の実施形態に係るコンセント30の取り付け構造においては、コンセント付きカバー3が、カバー本体部31とカバー支持部32とを備える。カバー本体部31は、配線開口12の幅以下の幅を有する直方体状であって、下面側に第1係止部33が設けられる。また、カバー支持部32は、配線開口12の幅よりも長尺であって、その長尺方向をカバー本体部31の幅方向に沿わせるようにしてカバー本体部31の下面側に配置される。そして、カバー本体部31が配線開口12に配置されて第1係止部33が第1被係止部2121に係止された状態において、カバー支持部32の長尺方向の各端部が天板1の下面側に配置されるとともに、該端部が天板1の下面に対して固定される。この構成によると、コンセント付きカバー3が、カバー本体部31に設けられた第1係止部33において脚フレーム2に設けられた第1被係止部2121に係合されるとともに、カバー支持部32の各端部において天板1の下面に対して固定されるので、コンセント付きカバー3の取り付けの強度を十分に高いものとすることができる。
【0053】
また、上記の実施形態に係るコンセント30の取り付け構造においては、カバー本体部31の下面側に設けられた第2係止部(補助係止部)34と、カバー支持部32の上面側であって、第2係止部34と対応する位置に設けられた第2被係止部(補助被係止部)322とを備える。そして、第2係止部34が第2被係止部322に係止されることによって、カバー支持部32がカバー本体部31に取り付けられる。この構成によると、カバー支持部32をカバー本体部31へ取り付けるにあたって必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる。
【0054】
また、上記の実施形態に係るコンセント30の取り付け構造においては、第2被係止部322が、開口、具体的にはスリット状の開口である。また、第2係止部34が、カバー本体部31の下面から突出する第1部分34aと、第1部分34aの端部に連なる第2部分34bとを備える。そして、第2係止部34が第2被係止部322に差し込まれた状態でカバー本体部31が第2被係止部322に沿ってスライドされることによって、第2係止部34の第2部分34bが第2被係止部322の周囲に係止される。この構成によると、第2係止部34および第2被係止部322の形状が単純であるので、製造が容易である。また、第2係止部34が第2被係止部322に対して所定の位置に配置されることにより係合状態が形成されるので、カバー本体部31が、カバー支持部32に対して、容易かつ精確に位置決めされる。
【0055】
また、上記の実施形態に係るコンセント30の取り付け構造においては、第1係止部33と第2係止部34が、同形状かつ逆向きのフック状である。この構成によると、配線開口12に取り付けられたカバー本体部31にこれをスライドさせるような外力がかかった場合でも、カバー本体部31はどちらの方向にも位置ずれを起こしにくい。
【0056】
また、上記の実施形態に係る天板付き家具TBは、天板1と、天板1を支持する脚フレーム2と、天板1に設けられた配線開口12と、配線開口12に配置される、コンセント30が配設されたコンセント付きカバー3と、を備える。また、脚フレーム2が、その一部が配線開口12に露出するように配設されるとともに、配線開口12に臨むように設けられた第1被係止部2121を備える。さらに、コンセント付きカバー3が、第1被係止部2121と対応する位置に設けられた第1係止部33を備える。そして、第1係止部33が第1被係止部2121に係止されることによって、コンセント付きカバー3が配線開口12に取り付けられている。この構成によると、天板1を支持する脚フレーム2に設けられた第1被係止部2121を利用してコンセント付きカバー3を取り付けるので、コンセント30の取り付けに必要な部品点数および必要な工程数を削減することができる。ひいては、天板付き家具TBの製造コストを低減することができる。
【0057】
また、上記の実施形態に係る天板付き家具TBにおいては、天板1が、配線開口12となる間隙を設けつつ配置された一対の天板パーツ11,11を備える。また、脚フレーム2が、一対の天板パーツ11,11の間に架け渡されて配線開口12を横断するように設けられた横フレーム212を備える。そして、この横フレーム212に、第1被係止部2121が形成されている。この構成によると、一対の天板パーツ11,11の間に配線開口12が設けられてここにコンセント付きカバー3が取り付けられるので、一方の天板パーツ11の使用端および他方の天板パーツ11の使用端のどちらからもコンセント30を使用しやすい。
【0058】
<5.変形例>
上記の実施形態においては、コンセント付きカバー3は、カバー本体部31において脚フレーム2に係止されるとともに、カバー支持部32において天板1にボルト固定されることによって、配線開口12に取り付けられていたが、カバー支持部32は必須の要素ではない。カバー支持部32を設けない場合、例えば、カバー本体部31と天板1とがボルト等で互いに固定されるものとしてもよい。具体的には例えば、カバー本体部31の周壁311と天板1の側面とがボルトで締結されるものとしてもよいし、カバー本体部31に設けられたベロ状の突出片等と横フレーム212とがボルトで締結されるものとしてもよい。あるいは例えば、カバー本体部31と脚フレーム2との係合だけで、コンセント付きカバー3が配線開口12に取り付けられるものとしてもよい。
【0059】
また、上記の実施形態において、第1係止部33および第2係止部34の形状は、必ずしもフック状でなくともよい。また、第1被係止部2121と第2被係止部322は、必ずしもスリット状の開口でなくともよい。例えば、各被係止部2121,322を、小径部と大径部が連なった形状の開口(いわゆるダルマ孔)とし、各係止部33,34を、該小径部よりも小さい径を有する軸部と該小径部よりも大きく且つ該大径部より小さい径を有するフランジ部とを備えるものとしてもよい。あるいは例えば、被係止部2121,322が、溝が形成されたレール状であって、係止部33,34が該レールの溝に嵌まり合う形状の凸部であってもよい。あるいは例えば、係止部33,34がスリット状の開口であって、被係止部2121,322がフック状であってもよい。
【0060】
また、上記の実施形態において、第1係止部33の個数は必ずしも2個でなくともよいし、その配置は幅方向に対向するものでなくともよい。例えば、カバー本体部31の長さ方向に、2個以上の第1係止部33を設けてもよい。また、カバー本体部31の幅方向に対向する一対の第1係止部33,33を、カバー本体部31の長さ方向に2組以上設けてもよい。逆に、第1係止部33を1個のみ設けるものとしてもよい。いうまでもなく、これらの各場合、第1係止部33と対応する各位置に、第1被係止部2121を設けることになる。第2係止部34および第2被係止部322についても同様である。
【0061】
また、上記の実施形態において、第1被係止部2121は、横フレーム212に直接に設けられるものとしたが、横フレーム212にベロ状の突出片等を設けて、これに第1被係止部2121を形成してもよい。
【0062】
また、上記の実施形態においては、カバー本体部31に設けられた第2係止部34がカバー支持部32に設けられた第2被係止部322に係止されることによって、カバー支持部32がカバー本体部31に取り付けられていたが、カバー支持部32をカバー本体部31に取り付ける態様はこれに限るものではなく、例えば溶接により取り付けられてもよい。
【0063】
また、上記の実施形態において、天板1は一対の天板パーツ11,11を備え、これらの間に設けられた間隙が配線開口12を形成したが、天板1に配線開口12を形成する構成はこれに限らない。例えば、1枚の平板板状の天板の側縁に矩形状の切り欠きを設ける、あるいは、天板の略中央に矩形状の開口を設ける等して、該切り欠きあるいは該開口が、配線開口12を形成するものとしてもよい。
【0064】
また、上記の実施形態において、脚フレーム2は、一対の天板パーツ11,11の間に架け渡されて配線開口12を横断するように設けられた横フレーム212を備えるものとしたが、脚フレーム2は、必ずしもその一部分が配線開口12を横断するように設けられている必要はなく、少なくともその一部分が配線開口12に露出していればよい。別の言い方をすると、配線開口12は、必ずしもこれを脚フレーム2の一部分が横断するような位置に設ける必要はなく、脚フレーム2の一部分が露出するような位置に設けられればよい。
【0065】
また、上記の実施形態に係る天板付き家具TBにおいては、配線カバー4が閉姿勢とされている状態において、配線カバー4の各長辺と天板パーツ11の長辺との間に、配線コード等を挿通させるための挿通開口121が形成される(
図1参照)。ここに、モニターを支持するためのモニターアームを取り付けることができる。
【0066】
図12には、天板付き家具TBに取り付けられるモニターアーム6の構成例が示されている。ここに示されるように、モニターアーム6は、取付金具であるクランプ部61と、モニターMを支持するアーム部62と、を備える。ただしここでいうモニターMには、例えば、パーソナルコンピュータの表示装置として用いられるモニターに限るものではなくタブレット端末のように表示機能を備える各種の機器が含まれる。
【0067】
クランプ部61は、天板パーツ11における、挿通開口121に臨む側端縁における任意の位置に取り付けられる。クランプ部61は、具体的には、断面コ字状の挟持部材611と、ネジ軸612とを備える。挟持部材611は、天板パーツ11の該側端縁を上下から挟みこむようにしてこれに取り付けられて、挟持部材611の上側の板状部分および側壁をなす板状部分が、天板パーツ11の上面および側面にそれぞれ当接するような位置に配置される。そして、挟持部材611の下側の板状部分に設けられたネジ孔6111に螺合されつつこれに挿通されたネジ軸612が、その先端が天板パーツ11の下面に圧接するような位置までねじ込まれる。これにより、クランプ部61が天板パーツ11に対して固定される。なお、天板1の下面側に、配線開口12を下方から覆うような樋状の配線受け部122が設けられる場合、この配線受け部122には、ネジ軸612を挿通させるとともにこれをねじ込むために用いる工具等を挿通させるための開口1221が形成される。
【0068】
アーム部62は、一列に並ぶ3個の腕部分621a,621b,621cが、関節622を介して、互いに回動自在に接続された構成を備えている。上側に配置された腕部分621aの上端には、モニターMを支持するための支持部623が設けられており、これにモニターMを支持させるとともに、各腕部分621a,621b,621cを各関節622の回りで回動させることにより、モニターMが支持される高さおよび姿勢を自由に変更することができる。下側に配置された腕部分621cの下端には、凹状の受け部624が設けられており、ここに、挟持部材611における上側の板状部分に設けられた凸状の支持部6112が嵌め入れられることによって、アーム部62の端部クランプ部61に固定される。すなわち、アーム部62がクランプ部61を介して天板1に取り付けられる。
【0069】
このモニターアーム6によると、配線コード等を挿通させるための挿通開口121を利用して天板1に取り付けられるクランプ部61を備える。そして、モニターMを支持するアーム部62が、該クランプ部61を介して天板1に取り付けられる。したがって、天板1の上面にモニターMの設置領域を確保する必要がなく、天板1の上面を広く使うことができる。
【0070】
また、各部の具体的な形状、仕様、その他の詳細な構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、実施形態および各変形例に係る構成を適宜に組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0071】
1 天板
11 天板パーツ
12 配線開口
2 支持構造体(脚フレーム)
21 脚ユニット
211 脚本体
212 横フレーム
2121 被係止部(第1被係止部)
22 ビーム
3 コンセント付きカバー
30 コンセント
31 カバー本体部
32 カバー支持部
321 ボルト挿通孔
322 補助被係止部(第2被係止部)
33 係止部(第1係止部)
33a 第1係止部の第1部分
33b 第1係止部の第2部分
34 補助係止部(第2係止部)
34a 第2係止部の第1部分
34b 第2係止部の第2部分
4 配線カバー
6 モニターアーム
61 クランプ部
62 アーム部
TB 天板付き家具
BT ボルト