(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】無停電電源装置および無停電電源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20220920BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220920BHJP
【FI】
H02J9/06 120
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2022504242
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2021035939
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 宏輝
(72)【発明者】
【氏名】高津 良平
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-273559(JP,A)
【文献】特開2020-202612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/00 - 11/00
H02M 7/42 - 7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状を有する筐体と、
前記筐体内に収容される複数の電気ユニットと、
前記筐体の上面に配置されたファンユニットとを備え、
前記筐体の前記上面には開口部が形成されており、
前記ファンユニットは、
ファンと、
前記筐体の前記上面に前記開口部の外周を囲むように配置され、矩形状の外形形状を有する枠部材と、
前記枠部材に固定された状態で、前記開口部の上方にて前記ファンを支持する支持部材とを含み、
前記枠部材の第1の面の下端と前記筐体の前記上面との間には空隙が形成されており、
前記枠部材の前記第1の面に対して上下方向にスライド可能に接続され、前記筐体の前記上面に当接された状態において前記空隙を塞ぐように構成された第1の塞ぎ部材と、
前記第1の塞ぎ部材が上方向にスライドされて前記空隙が露出された状態において、前記空隙を通じて前記枠部材の内部に挿入されて前記開口部を塞ぐように構成された、少なくとも1つの第2の塞ぎ部材とをさらに備える、無停電電源装置。
【請求項2】
前記支持部材は、締結部材によって前記枠部材に固定される、請求項1に記載の無停電電源装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2の塞ぎ部材は、
前記開口部の少なくとも一部を塞ぐように構成された、平板状の塞ぎ部と、
前記塞ぎ部の延在方向における第1の端部に設けられた持ち手部とを含み、
前記枠部材の内周に設けられ、前記塞ぎ部の延在方向における第2の端部を挟持する係止部材をさらに備える、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2の塞ぎ部材は、複数の第2の塞ぎ部材を含み、
前記複数の第2の塞ぎ部材は、前記空隙の延在方向に沿って並べて配置され、
前記複数の第2の塞ぎ部材の各々は、
前記開口部の一部を塞ぐように構成された、平板状の塞ぎ部と、
前記塞ぎ部の延在方向における第1の端部に設けられたガイド部と、
前記ガイド部に接続された持ち手部とを含み、
前記第1の塞ぎ部材は、
前記枠部材の前記第1の面に対して垂直方向に突出しており、厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成された、平板状のヒレ部と、
前記複数の貫通孔にそれぞれ挿通される複数のガイドネジとを含み、
前記ガイド部には、前記複数のガイドネジを前記空隙の延在方向に案内するためのガイド溝が形成される、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項5】
前記第1の塞ぎ部材には、上下方向に延びるスリットが形成され、
前記第1の塞ぎ部材は、前記スリットに挿通された締結部材によって前記枠部材の前記第1の面に固定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の無停電電源装置。
【請求項6】
交流電源から交流電力が供給される入力端子と、
負荷に対して交流電力を出力する出力端子と、
前記入力端子および前記出力端子の間に並列接続される複数の無停電電源モジュールとを備え、
前記複数の無停電電源モジュールの各々は、請求項1から5のいずれか1項に記載の無停電電源装置を含む、無停電電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無停電電源装置および無停電電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平11-215734号公報(特許文献1)には、筐体内部で発生した熱を外部へ放出するためのファンを備える無停電電源装置が開示されている。特許文献1において、ファンは、筐体から分離可能に構成されたパネルに搭載されている。パネルは、ネジにより筐体に固定される。上記構成において、ファンの交換の際には、パネルを支えながらネジを外すことにより、パネルが筐体から取り外される。その後、交換用のファンがネジによって筐体に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される無停電電源装置においては、ファンを交換する際、パネルが取り外されることによって、筐体の内部が露出される。このような状況においては、パネルから取り外されたネジなどの部品が筐体内部に落下してしまう可能性が懸念される。また、特許文献1では、インバータの運転を継続しながらファンの交換が行われるため、パネルを取り外したときには、筐体内に収容されている配線部材に電圧がかかった状態(活線状態)となっている。そのため、作業者は活線状態の配線部材に近接した状況で作業を行うことが求められる。このような場合、作業者は、配線部材に接触することないように注意を払いながら作業を行う必要が生じるため、作業性の低下を招くことが懸念される。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、筐体内への部品の落下を防ぎつつ、筐体からファンを取り外す作業を容易化することができる無停電電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面によれば、無停電電源装置は、直方体形状を有する筐体と、筐体内に収容される複数の電気ユニットと、筐体の上面に配置されたファンユニットとを備える。筐体の上面には開口部が形成されている。ファンユニットは、ファンと、枠部材と、支持部材とを含む。枠部材は、筐体の上面に開口部の外周を囲むように配置され、矩形状の外形形状を有する。支持部材は、枠部材に固定された状態で、開口部の上方にてファンを支持する。枠部材の第1の面の下端と筐体の上面との間には空隙が形成されている。無停電電源装置は、第1の塞ぎ部材と、少なくとも1つの第2の塞ぎ部材とをさらに備える。第1の塞ぎ部材は、枠部材の第1の面に対して上下方向にスライド可能に接続される。第1の塞ぎ部材は、筐体の上面に当接された状態において空隙を塞ぐように構成される。少なくとも1つの第2の塞ぎ部材は、第1の塞ぎ部材が上方向にスライドされて空隙が露出された状態において、空隙を通じて枠部材の内部に挿入されて開口部を塞ぐように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、筐体内への部品の落下を防ぎつつ、筐体からファンを取り外す作業を容易化することができる無停電電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る無停電電源システムの構成例を示す外観図である。
【
図2】無停電電源システムの構成を示す回路ブロック図である。
【
図3】UPSモジュールおよびバイパスモジュールの構成例を示す回路ブロック図である。
【
図4】UPSモジュールの構成を示す概略的な外観図である。
【
図5】ファンユニットの構成を示す概略的な外観図である。
【
図6】ファンを取り外す方法を説明するための図である。
【
図7】ファンを取り外す方法を説明するための図である。
【
図9】ファンを取り外す方法を説明するための図である。
【
図11】ファンを取り外す方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さない。
【0010】
<無停電電源システムの構成>
図1は、実施の形態に係る無停電電源システムの構成例を示す外観図である。
【0011】
無停電電源システム100は、商用電源などの交流電源(図示せず)および負荷(図示せず)の間に接続される。無停電電源システム100は、通常時(交流電源の正常時)は、交流電源から供給される交流電力により、負荷に電力を供給する。交流電源が停電した場合には、無停電電源システム100は、電力貯蔵装置(図示せず)から供給される直流電力により、負荷に電力を供給する。
【0012】
無停電電源システム100は、モジュール型無停電電源システムであり、複数のUPSモジュール10と、バイパスモジュール20とを備える。UPSモジュール10は「無停電電源装置」の一実施例に対応する。無停電電源システム100は、後述するように、無停電電源システムの容量に応じた台数のUPSモジュール10の並列回路を内部に構築している。無停電電源システム100による電源供給にN台のUPSモジュール10が必要な場合には、(N+1)台のUPSモジュール10を実装して冗長化を図ることにより、電源品質を向上させることができる。
【0013】
複数のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20の各々は、盤形状(直方体形状)の筐体を有している。以下の説明では、筐体を正面側から見たときの左右方向(水平方向)をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。なお、+X方向はX軸方向を右側に進む方向であり、-X方向は+X方向とは反対方向である。+Y方向は無停電電源システム100の正面から背面に向かう方向であり、-Y方向は+Y方向とは反対方向である。+Z方向はZ軸方向を上方に進む方向であり、-Z方向は+Z方向とは反対方向である。
【0014】
図2は、無停電電源システム100の構成を示す回路ブロック図である。
図2に示すように、無停電電源システム100は、入力端子T11、バッテリ端子T12、出力端子T13、複数のUPSモジュール10、バイパスモジュール20、保守バイパス回路30、およびスイッチS7~S9を備える。
【0015】
入力端子T11は交流電源1に接続され、商用交流周波数の交流電力を受ける。出力端子T13は負荷3に接続される。バッテリ端子T12はバッテリ2に接続される。バッテリ2は、電力貯蔵装置の一実施例に対応する。バッテリ端子T12には、バッテリ2の代わりにコンデンサが接続されていてもよい。
【0016】
複数のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20は、入力端子T11および出力端子T13の間に並列接続される。
図3は、UPSモジュール10およびバイパスモジュール20の構成例を示す回路ブロック図である。
【0017】
図3に示すように、UPSモジュール10は、入力端子T1、出力端子T3、バッテリ端子T2、スイッチS1~S4、コンデンサC1~C4、リアクトルL1~L3、コンバータ5、インバータ6、双方向チョッパ7、およびファン62を含む。
【0018】
端子T1,T2,T3は、端子T11,T12,T13にそれぞれ接続される。スイッチS1およびリアクトルL1は、入力端子T1とコンバータ5の入力ノード5aとの間に直列接続される。コンデンサC1は、スイッチS1およびリアクトルL1間のノードと基準電圧のラインとの間に接続される。スイッチS1は、通常時はオンされ、例えばUPSモジュール10の保守点検または故障時にオフされる。コンデンサC1およびリアクトルL1は、交流電源1からの交流電力をコンバータ5に通過させ、コンバータ5で発生するキャリア周波数の信号が交流電源1側に漏れるのを抑制する交流入力フィルタ(低域通過フィルタ)を構成する。
【0019】
コンバータ5は、交流電源1からの交流電力を直流電力に変換する。コンデンサC4は、コンバータ5の出力ノード5bと基準電圧のラインとの間に接続され、コンバータ5の出力電圧を平滑化させる。コンバータ5の出力ノード5bとインバータ6の入力ノード6aと双方向チョッパ7の第1ノード7aとは互いに接続される。インバータ6は、コンバータ5または双方向チョッパ7からの直流電力を商用周波数の交流電力に変換する。
【0020】
リアクトルL2およびスイッチS2は、インバータ6の出力ノード6bと出力端子T3との間に直列接続される。コンデンサC2は、リアクトルL2およびスイッチS2間のノードと基準電圧のラインとの間に接続される。リアクトルL2およびコンデンサC2は、インバータ6からの交流電力を負荷3に通過させ、インバータ6で発生するキャリア周波数の信号が負荷3側に漏れるのを抑制する交流出力フィルタ(低域通過フィルタ)を構成する。
【0021】
スイッチS2は、インバータ6で生成された交流電力を負荷3に供給する「インバータ給電モード」時はオンされ、交流電源1からの交流電力を、バイパスモジュール20を介して負荷3に供給する「バイパス給電モード」時はオフされる。また、スイッチS2は、UPSモジュール10の保守点検時または故障時にオフされる。
【0022】
スイッチS3およびリアクトルL3は、バッテリ端子T2と双方向チョッパ7の第2ノード7bとの間に直列接続される。コンデンサC3は、スイッチS3およびリアクトルL3間のノードと基準電圧のラインとの間に接続される。スイッチS3は、通常時はオンされ、例えばUPSモジュール10またはバッテリ2の保守点検時にオフされる。コンデンサC3およびリアクトルL3は、直流電力を通過させ、双方向チョッパ7で発生するキャリア周波数の信号がバッテリ2側に漏れるのを抑制する低域通過フィルタを構成する。
【0023】
双方向チョッパ7は、交流電源1から交流電力が供給されている通常時は、コンバータ5で生成された直流電力をバッテリ2に供給し、交流電源1からの交流電力の供給が停止された停電時は、バッテリ2の直流電力をインバータ6に供給する。
【0024】
スイッチS4は、出力端子T3およびファン62の間に接続される。スイッチS4は、通常時はオンされ、例えばUPSモジュール10の保守点検時にオフされる。
【0025】
ここで、UPSモジュール10の動作について簡単に説明する。交流電源1から交流電力が供給されている通常時は、交流電力はコンバータ5によって直流電力に変換される。直流電力は、インバータ6によって交流電力に変換されて負荷3に供給されるとともに、双方向チョッパ7によってバッテリ2に蓄えられる。
【0026】
停電が発生して交流電源1からの交流電力の供給が停止されると、コンバータ5の運転が停止され、バッテリ2の直流電力が双方向チョッパ7によってインバータ6に供給され、インバータ6によって交流電力に変換されて負荷3に供給される。したがって、停電が発生した場合でも、バッテリ2に直流電力が蓄えられている期間は、負荷3の運転を継続することができる。
【0027】
バイパスモジュール20は、入力端子T4、出力端子T5、およびスイッチS5を含む。端子T4,T5は、端子T11,T13にそれぞれ接続される。スイッチS5は端子T4,T5間に接続される。スイッチS5は、バイパス給電モード時はオンされ、インバータ給電モード時はオフされる。
【0028】
以上説明したように、無停電電源システム100は、交流電源1および負荷3の間に並列接続された、複数のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20を備える。したがって、負荷3の大きさに応じて、並列接続するUPSモジュール10およびバイパスモジュール20の数を調整することができ、結果的に様々な負荷に容易に対応することができる。
【0029】
スイッチS7は、入力端子T11および入力端子T1,T4の間に接続される。スイッチS8は、バッテリ端子T12およびバッテリ端子T2の間に接続される。スイッチS9は、出力端子T3,T5および出力端子T13の間に接続される。スイッチS7~S9は、通常時はオンされ、例えば無停電電源システム100の保守点検時にオフされる。
【0030】
保守バイパス回路30は、入力端子T6、出力端子T7、およびスイッチS6を含む。端子T6,T7は、端子T11,T13にそれぞれ接続される。スイッチS6は端子T6,T7間に接続される。スイッチS6は、通常時はオフされ、例えば無停電電源システム100の保守点検時にオンされる。なお、保守バイパス回路30は、図示は省略するが、周辺装置として、
図1に示した無停電電源システム100に搭載される。
【0031】
<UPSモジュール20の構成>
次に、
図4を参照して、UPSモジュール10の構成について説明する。
【0032】
図4は、UPSモジュール10の構成を示す概略的な外観図である。
図4に示すように、UPSモジュール10は、盤形状(直方体形状)の筐体50と、複数のバスバー54と、ファンユニット60とを備える。筐体50は、
図3に示した電力変換器、コンデンサ、リアクトルおよび配線部材などの、UPSモジュール10を構成する複数の電気ユニットを収容する。図示は省略するが、一部の電気ユニットは、略直方体の形状を有しており、Z軸方向に互いに間隔をあけて積み重ねられている。
【0033】
複数のバスバー54は、端子T1,T2,T3(
図3)にそれぞれ対応しており、筐体50のX軸方向(左右方向)の側面から筐体50の外部に引き出されている。複数のバスバー54は、他のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20(図示せず)に設けられた複数のバスバー54と電気的に接続される。
【0034】
筐体50の前面には、筐体50の外部の空気を筐体50内に導入するための通気孔52が形成されている。筐体50の上面50Aには、筐体50内の空気を筐体の外部に排出するための開口部(図示せず)が形成されている。
【0035】
ファンユニット60は、筐体50の上面50Aに配置される。ファンユニット60は、ファン62を有している。ファン62は、筐体50の上面50Aに形成された開口部55(
図7参照)を通じて筐体50内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を筐体50の外部に排出するように構成される。これにより、筐体50の前面の通気孔52を通じて筐体50内部に空気が導入され、この導入された空気が各電気ユニットを通過することによって、各電気ユニットの放熱が促進される。複数の電気ユニットを通過することによって温められた空気は、筐体50の上面50Aの開口部55(
図7参照)からファン62を通じて筐体50の外部に排出される。
図4の例では、ファンユニット60は1個のファン62を有するが、ファン62の数は1に限定されない。例えば、複数の小型のファンを、筐体50の上面50Aに並べて配置する構成としてもよい。
【0036】
<ファンユニット60の構成>
上述したUPSモジュール10において、ファン62を保守点検したり、新品に交換するときには、ファン62が筐体50から取り外される。ファンを筐体から取り外す方法として、例えば、特許文献1には、ファンが固定されているパネルを、ネジによって無停電減装置の筐体に固定する構成とし、当該パネルを支えながらネジを取り外すことによって、筐体からパネルを取り外す構成が開示されている。
【0037】
しかしながら、
図4のように、ファンユニット60が筐体50の上面50Aに取り付けられている構造においては、ファンユニット60を取り外す際、ファンユニット60を上面50Aに固定するために用いられていたネジなどの締結部材65が外されると、外された締結部材65が、筐体50の上面50Aに設けられた開口部55(
図7参照)から筐体50の内部に誤って落下してしまうおそれがある。
【0038】
また、ファンユニット60が取り外されることによって、筐体50の上面50Aの開口部55からバスバー54などの電気ユニットが露出された状態となる。そのため、無停電電源システム100の運用中、作業者は、電圧がかかった状態の電気ユニットに接近した状況で作業を行うことが求められる。このような場合、作業者は、電気ユニットに接触することないように注意を払いながら作業を行う必要が生じるため、作業性の低下を招くことが懸念される。
【0039】
なお、筐体50内部への締結部材65の落下への対策としては、筐体50の上面50Aの開口部55をメッシュで覆う構成が考えられる。しかしながら、開口部55をメッシュで覆うことで締結部材65の落下が回避される反面、メッシュによって通気が妨げられ、電気ユニットの冷却性能が低下するおそれが懸念される。
【0040】
ここで、上述したように、無停電電源システム100はモジュール型無停電電源システムであるため、無停電電源システム100の運用中に、一部のUPSモジュール10を解列させて保守点検または交換を行うことが可能である。したがって、ファンユニット60の保守点検または交換の作業中においても、対応するUPSモジュール10を解列させることで、電気ユニットを電圧がかかっていない状態とすることが考えられる。
【0041】
しかしながら、上述したように、バスバー54は、他のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20のバスバーと電気的に接続されているため、バスバー54を電圧がかかっていない状態とするためには、対応するUPSモジュール10に限らず、複数のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20の並列回路全体の運転を停止させる必要が生じる。
【0042】
この場合、複数のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20の並列回路の運転停止期間において、スイッチS7,S9をオフさせるとともに、保守バイパス回路30のスイッチS6をオンさせることにより、無停電電源システム100は、保守バイパス回路30を用いて負荷3への給電を継続することができる。しかしながら、交流電源1からの電力がスイッチS6を経由して直接に負荷3に供給されるため、給電信頼性が一時的に損なわれる可能性が懸念される。
【0043】
本実施の形態では、このような懸念点を解消し得る新規なファンユニット60の構成について説明する。さらに、ファンユニット60におけるファン62の取り外し方法について説明する。
【0044】
図5は、ファンユニット60の構成を示す概略的な外観図である。
図5に示すように、ファンユニット60は、ファン62と、支持部材64と、枠部材66と、端子台ボックス68と、塞ぎ板70とを有している。
【0045】
支持部材64は、平面視にて矩形形状を有する平板状に形成されており、その中央部分に形成された開口部にファン62が固定されている。
【0046】
枠部材66は、平面視にて矩形状の外形形状を有しており、支持部材64の外周部分を支持するように構成されている。支持部材64の四隅は、ネジなどの締結部材65によって枠部材66に締結されている。支持部材64は、枠部材66に固定された状態で、筐体50の上面50Aに形成された開口部55(
図7参照)の上方にてファン62を支持するように構成されている。
【0047】
端子台ボックス68は、ファン62に電源を供給するための端子台を収容する。端子台ボックス68は、枠部材66の外形を構成する4つの面のうちの正面に位置する前面66Aに取り付けられている。前面66Aは「第1の面」の一実施例に対応する。
【0048】
枠部材66は、筐体50の上面50Aに固定されている。枠部材66は、空気の漏れがないように、互いに密接した状態で筐体50の上面50Aに配置されている。ただし、枠部材66の前面66Aと筐体50の上面50Aとの間には、空隙80(
図6参照)が形成されている。空隙80はX軸方向に延在する。
【0049】
塞ぎ板70は、枠部材66の前面66Aと筐体50の上面50Aとの間に形成される空隙80を塞ぐように構成されている。塞ぎ板70は「第1の塞ぎ部材」の一実施例に対応する。具体的には、塞ぎ板70は、長辺がX軸方向に延在する長方形の形状の薄板で構成されている。塞ぎ板70には、Z軸方向(上下方向)に延びるスリット72が形成されている。スリット72の数は単数であっても複数であってもよい。
【0050】
塞ぎ板70は、スリット72が位置する部分において、ネジなどの締結部材(図示せず)によって枠部材66の前面66Aに固定されている。なお、当該締結部材を緩めることによって、塞ぎ板70は、枠部材66の前面66A上をスリット72に沿ってZ軸方向にスライドすることが可能となる。
【0051】
図5には、塞ぎ板70を-Z軸方向(下方向)にスライドさせた状態が示されている。塞ぎ板70の下端が筐体50の上面50Aに当接された状態となることで、空隙80が塞ぎ板70によって塞がされる。反対に、塞ぎ板70を+Z軸方向(上方向)にスライドさせることによって、空隙80が露出される(
図6参照)。通常、空隙80は塞ぎ板70によって塞がされている。後述するように、ファン62を取り外すときには、塞ぎ板70が+Z軸方向にスライドされて空隙80が露出する。
【0052】
塞ぎ板70は、枠部材66の前面66Aに対して垂直方向(-Y軸方向)に突出しているヒレ部74を有している。塞ぎ板70の-Z軸方向における端部が前面66Aに対して直角に折り曲げられることにより、ヒレ部74が形成される。ヒレ部74は、X軸方向(左右方向)に延在する平板である。ヒレ部74には、X軸方向に間隔をあけて複数の貫通孔76が形成されている。各貫通孔76は、平板の厚み方向に貫通する。複数の貫通孔76の各々には、図示は省略するが、ガイドネジが挿通されている。
【0053】
筐体50の上面50Aには、図示しない配線部材を筐体50の内部に引き込むための引き込み口58が形成されている。配線部材は、筐体50の内部に収容される端子と接続される。引き込み口58は、蓋部56で覆われている。配線部材は、蓋部56に形成された貫通孔を通って筐体50内に引き込まれる。なお、筐体50内への粉塵の侵入を抑制するために、貫通孔は、配線部材が貫通した状態で樹脂などによって塞がれる。
図5の例では、引き込み口58は、筐体50の上面50Aにおいて、ファンユニット60よりも前方に配置されている。
【0054】
<ファン62の取り外し方法>
次に、
図5に示したファンユニット60におけるファン62を取り外す方法について説明する。作業者は、
図6、
図7、
図9および
図11に示される処理を順番に実行することによって、枠部材66からファン62を取り外すことができる。なお、ファン62を取り外すのに先立って、対応するUPSモジュール10の運転が停止されるとともに、当該UPSモジュール10内部のスイッチS1~S3をオフすることによって、当該UPSモジュール10が無停電電源システム100から解列される。
【0055】
最初に、
図6を参照して、スリット72に挿通された締結部材(ネジなど)が緩められる。塞ぎ板70は、当該締結部材によって、枠部材66の前面66Aに固定されている。締結部材が緩められることによって、塞ぎ板70は、枠部材66との固定から解放される。この状態で、塞ぎ板70は、スリット72に沿って+Z軸方向(上方向)にスライドされる。これにより、枠部材66の前面66Aと筐体50の上面50Aとの間の空隙80が露出される。
【0056】
次に、
図7に示すように、露出された空隙80を通じて、枠部材66の内部に塞ぎ板90が挿入される。
図7(A)から
図7(C)は、1枚の塞ぎ板90が枠部材66の内部に挿入される手順を示している。
【0057】
なお、実際には、塞ぎ板90の挿入は、ファン62が枠部材66に固定されている状態で行われるが、説明の便宜上、
図7、
図9および
図11では、ファン62の図示が省略されている。さらに、各図において、引き込み口58が図示される一方で、配線部材および蓋部56の図示が省略されている。
【0058】
塞ぎ板90は、筐体50の上面50Aに形成された開口部55を塞ぐための部材である。塞ぎ板90は「第2の塞ぎ部材」の一実施例に対応する。
図8は、塞ぎ板90の構成例を示す外観図である。
図8に示すように、塞ぎ板90は、塞ぎ部92と、ガイド部94と、持ち手部96とを有する。
【0059】
塞ぎ部92は、長方形の形状を有する薄板により形成されている。塞ぎ部92の厚みは、空隙80のZ軸方向(上下方向)における幅よりも短い。
【0060】
ガイド部94は、塞ぎ部92の長手方向における第1の端部92Aに設けられる。ガイド部94には、ガイド溝95が形成されている。ガイド溝95は、後述するように、塞ぎ板70のヒレ部74に挿通されたガイドネジをガイドする機能を有している。ガイド溝95は、塞ぎ部92の延在方向に対して垂直な方向に延びるように形成されている。ガイド部94には、作業者が把持するための持ち手部96が接続されている。
【0061】
図7(A)に戻って、持ち手部96が把持された状態で、塞ぎ板90の塞ぎ部92が空隙80に挿入される。塞ぎ部92は、+Y軸方向(背面に向かう方向)に向かって移動する。
図7(B)に示すように、塞ぎ部92の+Y軸方向への移動は、枠部材66の内周面に設けられた係止部材67によって制限される。これにより、筐体50の上面50Aの開口部55の一部分が塞ぎ部92によって塞がれる。
【0062】
このとき、塞ぎ板90のガイド部94は、塞ぎ板70のヒレ部74と筐体50の上面50Aとによって、Z軸方向(上下方向)に挟持される。ガイド部94に設けられたガイド溝95には、ヒレ部74の貫通孔76に挿通されたガイドネジの軸部分が挿入される。
【0063】
次に、
図7(C)に示すように、持ち手部96が把持された状態で、塞ぎ部92が空隙80の+X軸方向(右方向)における端部に当接するように、塞ぎ板90が+X軸方向に移動される。このとき、塞ぎ板90が移動する方向は、ガイド部94のガイド溝95に挿入されるガイドネジによって、X軸方向に規制される。
【0064】
具体的には、塞ぎ板90を+X軸方向に移動させると、ガイド部94のガイド溝95には、X軸方向に間隔をあけて配置された複数のガイドネジの軸部分が次々に挿入される。各ガイドネジは、ガイド溝95を-X軸方向(左方向)に移動する。したがって、塞ぎ板90の移動方向はX軸方向に規制される。これによると、塞ぎ板90がY軸方向(前後方向)に移動することを抑制することができる。
【0065】
図7(C)において1枚目の塞ぎ板90が空隙80の+X軸方向の端部に当接すると、続いて、空隙80には、2枚目の塞ぎ板90が挿入される。2枚目の塞ぎ板90は、持ち手部96が把持された状態で、塞ぎ部92が1枚目の塞ぎ板90の塞ぎ部92に当接するように、+X軸方向(右方向)に移動される。このとき、1枚目の塞ぎ板90と同様に、2枚目の塞ぎ板90が移動する方向は、X軸方向に規制される。
【0066】
このようにして複数の塞ぎ板90を順番に挿入し、X軸方向に隣り合う塞ぎ板90に当接させることによって、筐体50の上面50Aの開口部55の全体が塞がれる。
図9には、筐体50の上面50Aの開口部55の全体が塞がれている状態が示されている。
図9の例では、3枚の塞ぎ板90がX軸方向に並べて配置されることによって、開口部55が塞がれている。なお、塞ぎ板90の枚数は限定されない。すなわち、塞ぎ板90の枚数は単数であっても複数であってもよい。
【0067】
本実施の形態のように、空隙80の前方に引き込み口58が配置されている構成においては、空隙80の前方には配線部材が存在するため、単一の塞ぎ板を空隙80に挿入して開口部55全体を一度に塞ぐことは難しい。そのため、単一の塞ぎ板を実質的に複数の塞ぎ板90に分割し、分割された塞ぎ板90を順番に空隙80に挿入して、+X軸方向に移動させることにより、複数の塞ぎ板90によって開口部55全体を塞ぐ構成としている。なお、塞ぎ板90の枚数および各塞ぎ板90を移動させる方向は、
図7に示した構成に限られず、引き込み口58の配置位置などに応じて適宜変更可能である。
【0068】
ただし、この構成では、塞ぎ板90をX軸方向(左右方向)に移動させるときに、塞ぎ板90がY軸方向(前後方向)にも移動してしまう可能性がある。その結果、開口部55の一部が塞ぎ板90によって塞がれずに露出してしまうおそれがある。ガイド部94のガイド溝95およびヒレ部74に挿通されたガイドネジは、このような塞ぎ板90のY軸方向の移動を抑制する働きをしている。これにより、開口部55を完全に塞ぐことが可能となる。
【0069】
図10は、枠部材66の内部の様子を示す外観図である。
図10(A)に示すように、枠部材66の内周面には、空隙80に対向するように係止部材67が設けられている。係止部材67は、X軸方向(左右方向)に延在する。係止部材67は、上述したように、塞ぎ部92の+Y軸方向への移動を制限するものである。
【0070】
図10(B)には、係止部材67を含む一部分が拡大して示される。
図10(B)に示すように、係止部材67は、塞ぎ部92の長手方向における第2の端部92Bを覆うように構成されている。塞ぎ部92の第2の端部92Bが係止部材67に係止された状態において、第2の端部92Bは係止部材67によってZ軸方向(上下方向)に挟持される。これにより、塞ぎ部92の第2の端部92Bが浮き上がることを抑制することができる。
【0071】
以上の手順に従って、筐体50の上面50Aの開口部55の全体が複数の塞ぎ板90によって塞がれると、続いて、ファン62を枠部材66から取り外す作業が行われる。この作業では、
図11に示すように、最初に、端子台ボックス68の蓋部68Aが開けられ、ファン62が端子台69から電気的に切り離される。
【0072】
次に、ファン62を支持する支持部材64の四隅に配された締結部材65が、支持部材64から取り外される。これにより、枠部材66に対する支持部材64の固定が解除されて、支持部材64が枠部材66から分離可能となる。これにより、ファン62をファンユニット60から取り外して保守点検または交換を行うことが可能となる。
【0073】
なお、ファン62の保守点検または交換が行われた後には、上述した手順と逆の手順に従って、支持部材64が再び枠部材66に固定されることにより、UPSモジュール10は、
図5に示した元の状態に戻される。具体的には、最初に、支持部材64が締結部材65によって枠部材66に固定されるとともに、ファン62が端子台69に接続される。次に、複数の塞ぎ板90が、
図7に示した手順と逆の手順に従って1枚ずつ空隙80から引き抜かれる。これにより、筐体50の上面50Aの開口部55が再び開放される。最後に、枠部材66の前面66Aに沿って塞ぎ板70が-Z軸方向(下方向)にスライドされることにより、空隙80が塞がれる。
【0074】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る無停電電源システム100の作用効果について説明する。
【0075】
本実施の形態に係る無停電電源システム100によれば、ファン62をファンユニット60から取り外す作業(
図11参照)は、筐体50の上面50Aの開口部55が複数の塞ぎ板90で塞がれた状態で行われる。したがって、支持部材64から取り外された締結部材65などの部品が誤って筐体50の内部に落下することを回避することができる。
【0076】
また、筐体50の上面50Aの開口部55から筐体50内に収容されたバスバー54を含む電気ユニットが露出することがないため、電気ユニットから完全に分離した状態で、ファン62の取り外しおよび取り付けの作業を行うことが可能となる。したがって、作業者にとっては、電気ユニットとの接触に注意を払う必要がなくなるため、ファン62の保守点検および交換の作業を容易化することができる。
【0077】
さらに、バスバー54に電圧がかかった状態(活線状態)であっても、ファン62の取り外しおよび取り付けの作業を行うことができるため、作業中、対応するUPSモジュール10のみを解列し、他のUPSモジュール10による給電を継続することができる。これによると、複数のUPSモジュール10およびバイパスモジュール20の運転を停止させて、保守バイパス回路30を利用して負荷3に電力を供給する構成に比べて、給電信頼性を向上させることが可能となる。
【0078】
<その他の構成例>
(1)上述した実施の形態では、ファンユニット60において、枠部材66の前面66Aと筐体50の上面50Aとの間に空隙80を形成し、筐体50の正面側から塞ぎ板90を空隙80に挿入する構成について説明したが、空隙80が形成される位置はこれに限定されない。例えば、枠部材66の背面と筐体50の上面50Aとの間に空隙80を形成する構成としてもよい。この場合、塞ぎ板70は、枠部材66の背面上に設けられ、空隙80を塞ぐようにZ軸方向(上下方向)にスライド可能に構成される。塞ぎ板90は、筐体50の背面側から空隙80を通じて枠部材66の内部に挿入される。
【0079】
(2)上述した実施の形態では、複数の塞ぎ板90を用いて筐体50の上面50Aの開口部55を塞ぐ構成について説明したが、空隙80の周辺に配線部材などが存在しない構成においては、1枚の塞ぎ板90によって開口部55を一括して塞ぐ構成とすることも可能である。この構成においては、塞ぎ板90をX軸方向(左右方向)に移動させる必要がないため、塞ぎ板90におけるガイド溝95および、塞ぎ板70におけるヒレ部74およびガイドネジを省略することができる。
【0080】
(3)上述した実施の形態では、モジュール型無停電電源システム100において並列に接続される複数のUPSモジュール10の各々に、本開示に係る無停電電源装置を適用する構成について説明したが、本開示の適用はモジュール型無停電電源システムに限定されるものではない。したがって、例えば、単一の筐体からなる無停電電源装置においても本開示に係る無停電電源装置を適用することが可能である。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の技術的範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 交流電源、2 バッテリ、3 負荷、5 コンバータ、6 インバータ、7 走行法チョッパ、10 UPSモジュール、20 バイパスモジュール、30 保守バイパス回路、50 筐体、50A 上面、52 通気孔、54 バスバー、55 開口部、56,68A 蓋部、58 引き込み口、60 ファンユニット、62 ファン、64 支持部材、65 締結部材、66 枠部材、66A 前面、67 係止部材、68 端子台ボックス、69 端子台、70,90 塞ぎ板、72 スリット、74 ヒレ部、76 貫通孔、80 空隙、92 塞ぎ部、94 ガイド部、95 ガイド溝、96 持ち手部、100 無停電電源システム、C1~C4 コンデンサ、L1~L3 リアクトル、S1~S9 スイッチ、T1,T4,T6,T11 入力端子、T2,T12 バッテリ端子、T3,T5,T7,T13 出力端子。
【要約】
ファンユニット(60)は、筐体(50)の上面に配置され、ファンと、枠部材(66)と、支持部材とを含む。枠部材(66)は、筐体(50)の上面(50A)に形成された開口部の外周を囲むように配置される。支持部材は、枠部材(66)に固定された状態で、開口部の上方にてファンを支持する。枠部材(66)の第1の面(66A)の下端と筐体(50)の上面(50A)との間には空隙が形成されている。第1の塞ぎ部材(70)は、枠部材(66)の第1の面(66A)に対して上下方向にスライド可能に接続される。第1の塞ぎ部材(70)は、筐体(50)の上面(50A)に当接された状態において空隙を塞ぐように構成される。少なくとも1つの第2の塞ぎ部材(90)は、空隙が露出された状態において、空隙を通じて枠部材の内部に挿入されて、筐体(50)の上面(50A)の開口部を塞ぐように構成される。