IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7143668遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム
<>
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図1
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図2
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図3
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図4
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図5
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図6
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図7
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図8
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図9
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図10
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図11
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図12
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図13
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図14
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図15
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図16
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図17
  • 特許-遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/025 20220101AFI20220921BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220921BHJP
   H04L 43/04 20220101ALI20220921BHJP
   H04L 67/56 20220101ALI20220921BHJP
【FI】
H04L67/025
H04N1/00 002C
H04N1/00 127Z
H04L43/04
H04L67/56
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018144474
(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公開番号】P2020021284
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松島 弘幸
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143140(JP,A)
【文献】特開2015-179521(JP,A)
【文献】特開2016-110410(JP,A)
【文献】特開2018-077888(JP,A)
【文献】特開2011-130251(JP,A)
【文献】特開2018-032970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/025
H04L 67/56
H04N 1/00
H04L 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔機器管理装置と、前記遠隔機器管理装置によって遠隔管理される管理対象機器とを備えた遠隔管理システム用の遠隔管理仲介装置であって、
前記遠隔機器管理装置から前記管理対象機器に向けて発せられた、要求データを受信する要求データ受信部と、
前記管理対象機器に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置を特定するデバイス仲介装置特定部と、
前記デバイス仲介装置特定部によって特定された前記デバイス仲介装置に対して、前記要求データ受信部によって受信された前記要求データを転送する要求データ転送部と、
前記遠隔機器管理装置から登録要求を受信したことに応じて登録番号を発行する発行部であって、前記デバイス仲介装置を識別する第1識別情報が当該登録要求に含まれる場合は当該第1識別情報に関連付けて登録番号を発行する発行部と、
前記デバイス仲介装置から前記登録番号を含む通知を受信する受信部と、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられていない場合、前記通知に応じて、当該通知に含まれる第1識別情報と前記登録番号とを関連付けた関連情報を登録する登録部と、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられている場合、前記通知に応じて、前記通知に含まれる登録番号に関連付けられた識別情報に対応するデバイス仲介装置に設定されていた遠隔管理のための設定情報を取得し、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に供給することにより、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に再設定する設定情報供給部と
を備えることを特徴とする遠隔管理仲介装置。
【請求項2】
前記遠隔機器管理装置から設定情報を受信した場合、当該設定情報を前記デバイス仲介装置に送信する送信部
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項3】
前記設定情報は、
前記管理対象機器との通信の実行スケジュールが定義されたスケジュール実行情報、前記管理対象機器に関する通信設定情報が設定された管理対象機器情報、および、前記管理対象機器に対応する通信方式の定義がなされた通信方式定義情報の少なくともいずれか一つを含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項4】
前記要求データに応じて前記管理対象機器から出力された応答データを、前記デバイス仲介装置を介して取得し、前記デバイス仲介装置と前記遠隔機器管理装置との関連付けがなされている第2の関連情報において、前記応答データの送信元の前記デバイス仲介装置に関連付けられている前記遠隔機器管理装置に対して、前記応答データを転送する応答データ転送部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項5】
前記デバイス仲介装置が新たに設けられる際に、前記遠隔機器管理装置からの要求に応じて、新たに設けられる前記デバイス仲介装置の前記第2の関連情報の識別番号を発行し、その後、新たに設けられる前記デバイス仲介装置から入力された識別番号と、発行された前記識別番号とが一致した場合、新たに設けられる前記デバイス仲介装置と、要求元の前記遠隔機器管理装置とを関連付ける前記第2の関連情報を、管理テーブルに登録する関連情報登録部をさらに備える
ことを特徴とする請求項に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項6】
前記関連情報登録部は、
前記デバイス仲介装置の交換がなされた際に、前記交換前のデバイス仲介装置に関する前記第2の関連情報と同内容の前記第2の関連情報を、前記交換後のデバイス仲介装置に関する前記第2の関連情報として、前記管理テーブルに再登録する
ことを特徴とする請求項に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項7】
前記要求データ受信部は、
前記遠隔機器管理装置から前記デバイス仲介装置向けの要求データを受信し、
前記要求データ転送部は、
前記デバイス仲介装置に対して、前記デバイス仲介装置向けの要求データを転送し、
前記応答データ転送部は、
前記デバイス仲介装置向けの要求データに応じて前記デバイス仲介装置から出力された応答データを、前記第2の関連情報において当該応答データの送信元の前記デバイス仲介装置に関連付けられている前記遠隔機器管理装置に対して転送する
ことを特徴とする請求項に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項8】
前記応答データ転送部は、
前記管理対象機器から送信され、且つ前記デバイス仲介装置から転送された通知データを、前記第2の関連情報において当該通知データの送信元の前記デバイス仲介装置に関連付けられている前記遠隔機器管理装置に対して転送する
ことを特徴とする請求項に記載の遠隔管理仲介装置。
【請求項9】
遠隔機器管理装置と、前記遠隔機器管理装置によって遠隔管理される管理対象機器とを備えた遠隔管理システムであって、
前記遠隔機器管理装置から前記管理対象機器に向けて発せられた、要求データを受信する要求データ受信部と、
前記管理対象機器に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置を特定するデバイス仲介装置特定部と、
前記デバイス仲介装置特定部によって特定された前記デバイス仲介装置に対して、前記要求データ受信部によって受信された前記要求データを転送する要求データ転送部と、
前記遠隔機器管理装置から登録要求を受信したことに応じて登録番号を発行する発行部であって、前記デバイス仲介装置を識別する第1識別情報が当該登録要求に含まれる場合は当該第1識別情報に関連付けて登録番号を発行する発行部と、
前記デバイス仲介装置から前記登録番号を含む通知を受信する受信部と、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられていない場合、前記通知に応じて、当該通知に含まれる第1識別情報と前記登録番号とを関連付けた関連情報を登録する登録部と、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられている場合、前記通知に応じて、前記通知に含まれる登録番号に関連付けられた識別情報に対応するデバイス仲介装置に設定されていた遠隔管理のための設定情報を取得し、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に供給することにより、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に再設定する設定情報供給部と
を備えることを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項10】
遠隔機器管理装置と、前記遠隔機器管理装置によって管理される管理対象機器とを備えた遠隔管理システム用の遠隔管理方法であって、
前記遠隔機器管理装置から前記管理対象機器に向けて発せられた、要求データを受信する要求データ受信工程と、
前記管理対象機器に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置を特定するデバイス仲介装置特定工程と、
前記デバイス仲介装置特定工程にて特定された前記デバイス仲介装置に対して、前記要求データ受信工程にて受信された前記要求データを転送する要求データ転送工程と、
前記遠隔機器管理装置から登録要求を受信したことに応じて登録番号を発行する発行工程であって、前記デバイス仲介装置を識別する第1識別情報が当該登録要求に含まれる場合は当該第1識別情報に関連付けて登録番号を発行する発行工程と、
前記デバイス仲介装置から前記登録番号を含む通知を受信する受信工程と、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられていない場合、前記通知に応じて、当該通知に含まれる第1識別情報と前記登録番号とを関連付けた関連情報を登録する登録工程と、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられている場合、前記通知に応じて、前記通知に含まれる登録番号に関連付けられた識別情報に対応する前記デバイス仲介装置に設定されていた遠隔管理のための設定情報を取得し、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に供給することにより、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に再設定する設定情報供給工程と
を含むことを特徴とする遠隔管理方法。
【請求項11】
遠隔機器管理装置と、前記遠隔機器管理装置によって管理される管理対象機器とを備えた遠隔管理システム用のプログラムであって、
コンピュータを、
前記遠隔機器管理装置から前記管理対象機器に向けて発せられた、要求データを受信する要求データ受信部、
前記管理対象機器に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置を特定するデバイス仲介装置特定部、
前記デバイス仲介装置特定部によって特定された前記デバイス仲介装置に対して、前記要求データ受信部によって受信された前記要求データを転送する要求データ転送部、
前記遠隔機器管理装置から登録要求を受信したことに応じて登録番号を発行する発行部であって、前記デバイス仲介装置を識別する第1識別情報が当該登録要求に含まれる場合は当該第1識別情報に関連付けて登録番号を発行する発行部、
前記デバイス仲介装置から前記登録番号を含む通知を受信する受信部、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられていない場合、前記通知に応じて、当該通知に含まれる第1識別情報と前記登録番号とを関連付けた関連情報を登録する登録部、および、
前記登録番号に前記第1識別情報が関連付けられている場合、前記通知に応じて、前記通知に含まれる登録番号に関連付けられた識別情報に対応する前記デバイス仲介装置に設定されていた遠隔管理のための設定情報を取得し、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に供給することにより、当該設定情報を前記通知の送信元の前記デバイス仲介装置に再設定する設定情報供給部
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔管理仲介装置、遠隔管理システム、遠隔管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続された各種電子機器を管理対象機器として遠隔管理することができるようになされた遠隔管理システムが知られている。また、従来、このような遠隔管理システムにおいて、ファイアウォール内の電子機器を、ファイアウォール外から遠隔管理するために、ファイアウォール内に仲介装置を設置するようにした技術が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、ファイアウォールが設けられているローカルエリアネットワーク内に仲介装置を設け、当該仲介装置によって、管理装置から送信される管理コマンドを、ファイアウォールを経由して受信し、当該管理コマンドに応じて画像形成装置から取得した状態データを、インターネットを介して管理装置へ送信する技術が開示されている。この技術によれば、管理装置から、ファイアウォールが設けられたローカルエリア内の画像形成装置の遠隔管理を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、遠隔管理システムがサポートしていない通信方式により通信を行う電子機器を管理対象機器として追加する場合には、この電子機器を遠隔管理システムがサポートしている通信方式に対応させる必要があり、作業に手間や時間がかかる。このため、従来、電子機器を、管理対象機器として容易に追加することができないといった課題が生じていた。また、管理対象機器を仲介装置によって管理するためには、仲介装置に管理のための設定情報を設定する必要があるが、例えば、仲介装置を故障などの理由により交換する場合、新たな仲介装置に対してその設定情報を設定し直す必要があり、手間や時間がかかる虞がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、電子機器を、管理対象機器として容易に追加することができ、且つ、設定情報の再設定を容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の遠隔管理仲介装置は、遠隔機器管理装置から管理対象機器に向けて発せられた、要求データを受信する要求データ受信部と、管理対象機器に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置を特定するデバイス仲介装置特定部と、デバイス仲介装置特定部によって特定されたデバイス仲介装置に対して、要求データ受信部によって受信された要求データを転送する要求データ転送部と、デバイス仲介装置の交換がなされた際に、交換前のデバイス仲介装置に設定されていた遠隔管理のための設定情報を取得し、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置に供給することにより、当該設定情報を交換後の仲介装置に再設定する設定情報供給部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器を、管理対象機器として容易に追加することができ、且つ、設定情報の再設定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける各装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける各装置の機能構成を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによる遠隔管理処理の手順を示すシーケンス図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによるデバイス仲介装置設定処理の手順を示すシーケンス図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける関連情報記憶部に記憶されている第2の関連情報(登録番号管理テーブル)の一例を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによる管理対象機器追加処理の手順を示すシーケンス図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける関連情報記憶部に記憶されている第1の関連情報の一例を示す図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける通信方式定義情報記憶部に記憶されている通信方式定義情報のデータ構造の一例を示す図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける管理対象機器情報記憶部に記憶されている管理対象機器情報のデータ構造の一例を示す図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによるスケジュール実行処理の手順を示すシーケンス図である。
図12】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによるデバイス仲介装置の再起動処理の手順を示すシーケンス図である。
図13】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける関連情報記憶部に記憶されている要求管理テーブルの一例を示す図である。
図14】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによる管理対象機器の異常通知処理の手順を示すシーケンス図である。
図15】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによる登録番号再発行処理の手順を示すシーケンス図である。
図16】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムにおける関連情報記憶部に記憶されている第2の関連情報(登録番号管理テーブル)の一例を示す図である。
図17】本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによるデバイス仲介装置に対する再設定処理の手順を示すシーケンス図である。
図18】本発明の第2実施形態に係る産業機械管理システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
【0010】
(遠隔管理システム10の全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10の全体構成を示す図である。図1に示す遠隔管理システム10は、複数の設置環境A~Cに設置されている複数の管理対象機器14を、遠隔機器管理装置11からインターネット15およびファイアウォール16を介して遠隔管理することができるようになされたシステムである。
【0011】
図1に示すように、遠隔管理システム10は、複数の遠隔機器管理装置11、遠隔管理仲介装置12、複数のデバイス仲介装置13、および複数の管理対象機器14を備えて構成されている。なお、管理対象機器14'は、管理対象機器14に対し、デバイス仲介装置13と同様の機能を追加したものである。
【0012】
遠隔機器管理装置11は、遠隔機器管理者によって操作され、管理対象機器14を遠隔地から監視したり操作したりすることができる装置である。遠隔機器管理装置11は、管理対象とする管理対象機器14に関する機器情報や、当該遠隔機器管理装置11によって提供されるサービスに関するサービス定義情報を保持する。
【0013】
例えば、サービス定義情報は、定期的な死活監視イベント、定期情報収集イベントなどのイベント情報や、イベント発生するための頻度情報、管理対象機器14から取得したい情報定義等を含んでいる。また、サービス定義情報は、デバイス仲介装置13が管理対象機器14と通信するための通信方式定義情報等を含んでいる。
【0014】
遠隔機器管理装置11にて提供されるサービスとしては、例えば、リモートメンテナンスのための機器状態表示、異常状態表示、機器設定値更新、機器の利用量のレポート、機器開発者向けの機器のログ情報取得、機器のリモートファームアップデート、オフィス内の空調や照明を管理するオフィス管理等が挙げられる。なお、遠隔機器管理装置11は、他のWebサービスと連携をしたサービスを提供することも可能である。
【0015】
遠隔管理仲介装置12は、遠隔機器管理装置11とデバイス仲介装置13との間で、通信データを仲介する役割を担う。例えば、遠隔管理仲介装置12は、遠隔機器管理装置11から管理対象機器14向けに発せられた要求データを取得して、当該要求データを、管理対象機器14と通信可能に接続されているデバイス仲介装置13へ転送する機能を有する。また、遠隔管理仲介装置12は、管理対象機器14から出力された応答データを、デバイス仲介装置13から受信して、遠隔機器管理装置11へ転送する機能を有する。
【0016】
本実施形態では、遠隔管理仲介装置12と遠隔機器管理装置11との間の通信、および、遠隔管理仲介装置12とデバイス仲介装置13との間の通信には、HTTPプロトコルが用いられている。但し、これに限らず、これらの通信に利用可能なプロトコルであれば、その他の通信プロトコル(例えば、WebSocket、MQTT等)を用いてもよい。
【0017】
デバイス仲介装置13は、当該デバイス仲介装置13に接続された管理対象機器14と同じローカルエリアネットワーク内に設置される。デバイス仲介装置13は、遠隔管理仲介装置12からインターネット15およびファイアウォール16を介して転送されてきた要求データを受信したことに応じて、管理対象機器14に対応する通信方式により、管理対象機器14と通信する。
【0018】
これにより、デバイス仲介装置13は、遠隔機器管理装置11からの各種要求データ(例えば、設定値変更、ファーム更新、電源ON、電源OFF等の操作指示、管理対象機器14の状態、設定値情報、ログ情報等の情報取得要求)を管理対象機器14へ送信したり、管理対象機器14からの各種応答データを管理対象機器14から取得したりする。
【0019】
例えば、デバイス仲介装置13は、HTTP、WebSocket、またはHTTP2等の通信プロトコルにより、遠隔管理仲介装置12との通信接続を確立する。なお、デバイス仲介装置13は、専用の装置によって実現されるものに限らず、例えば、他の装置(例えば、サーバ、BOX装置、管理対象機器14等)に導入されたソフトウェアによって、実現されるものであってもよい。
【0020】
また、デバイス仲介装置13による、遠隔管理仲介装置12との通信は、インターネット15を経由するものに限らず、例えば、3GやLTEなどの公衆無線回線を使用しても良い。この場合、通信キャリアのアクセスポイントからVPN(Virtual Private Network)で接続するようにしてもよい。
【0021】
なお、デバイス仲介装置13には、管理対象機器14が新たに追加された際に、当該管理対象機器14に対応する通信方式に関する通信方式定義情報と、当該管理対象機器14に関する通信設定情報が設定された管理対象機器情報とが、動的に設定および登録されようになっている。これにより、デバイス仲介装置13は、この通信方式定義情報および管理対象機器情報を参照することにより、新たに追加された管理対象機器14との通信を行うことができるようになっている。
【0022】
管理対象機器14は、遠隔機器管理装置11による管理対象とされる、通信機能を備えた電子機器である。管理対象機器14としては、例えば、画像形成装置(プリンタ、FAX装置、デジタル複合機、スキャナ装置)、ネットワーク家電、オフィス機器(プロジェクタ、電子ホワイトボード)、自動販売機、医療機器、電源装置、空調機器、ガス・水道・電気等の計量機器等が挙げられる。管理対象機器14は、そのデバイスの種類に応じて、HTTP、SNMP、ICMP、MQTT等、特定の通信プロトコルによる通信機能を備えている。
【0023】
(遠隔管理システム10における各装置のハードウェア構成)
図2は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における各装置のハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、遠隔機器管理装置11、遠隔管理仲介装置12、デバイス仲介装置13、および管理対象機器14は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶部204、入力部205、表示部206、および通信部207を備える。各ハードウェアは、バスを介して相互に接続されている。
【0024】
CPU201は、ROM202または記憶部204に記憶されている各種プログラムを実行する。ROM202は、不揮発性メモリである。例えば、ROM202は、CPU201により実行される各種プログラム、CPU201が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM203は、DRAM203(Dynamic Random Access Memory)やSRAM203(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。例えば、RAM203は、CPU201が各種プログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。
【0025】
記憶部204は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部204は、CPU201により実行される各種プログラム、CPU201が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。入力部205は、操作者(例えば、機器管理者、オペレータ等)が各種指示を入力するためのインタフェースである。表示部206は、各種情報(例えば、遠隔機器管理装置11における各種遠隔管理画面)を表示する表示装置である。通信部207は、ネットワークを介して、他の装置との通信を行うインタフェースである。
【0026】
なお、遠隔管理仲介装置12、デバイス仲介装置13、および管理対象機器14は、入力部205および表示部206を備えていなくともよい。但し、遠隔管理仲介装置12、デバイス仲介装置13、および管理対象機器14は、その機能に応じて操作者が各種指示を入力することができるように、入力部205および表示部206を備えてもよい。
【0027】
(遠隔管理システム10における各装置の機能構成)
図3は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における各装置の機能構成を示す図である。
【0028】
(遠隔機器管理装置11の機能)
図3に示すように、遠隔機器管理装置11は、通信方式定義情報記憶部310、要求データ送信部311、応答データ受信部312、および遠隔機器管理制御部313を備えている。
【0029】
通信方式定義情報記憶部310は、デバイス仲介装置13と管理対象機器14との間の通信に利用される通信方式(例えば、通信プロトコル、通信ポート等)の定義がなされた通信方式定義情報を記憶する。通信方式定義情報の具体的については、図9を用いて後述する。
【0030】
要求データ送信部311は、管理対象機器14向けの要求データを、遠隔管理仲介装置12へ送信する。応答データ受信部312は、遠隔管理仲介装置12から転送されてきた、管理対象機器14からの応答データを受信する。
【0031】
遠隔機器管理制御部313は、遠隔機器管理装置11による遠隔管理の全体を制御する。例えば、遠隔機器管理制御部313は、オペレータから遠隔機器管理装置11に対し、ある管理対象機器14に対する指示が入力されると、その管理対象機器14向けの要求データの送信を、要求データ送信部311に行わせる。また、遠隔機器管理制御部313は、応答データ受信部312が管理対象機器14からの応答データを受信すると、この応答データに基づいて、所定の応答対応処理(例えば、エラー検知処理、エラー発生時の機器制御処理等)を行ったりする。
【0032】
また、遠隔機器管理制御部313は、予め遠隔機器管理装置11に設定されているサービス定義情報に基づいて、管理対象機器14から情報を取得するように制御する。例えば、サービス定義情報には、情報の取得先の管理対象機器14の識別情報、取得対象とする情報、取得頻度等が設定されている。また、遠隔機器管理制御部313は、遠隔機器管理装置11が管理する複数の管理対象機器14に関する各種一覧(例えば、異常の発生した管理対象機器14の一覧、特定の顧客が使用する管理対象機器14の一覧等)を生成して表示することもできる。
【0033】
(遠隔管理仲介装置12の機能)
図3に示すように、遠隔管理仲介装置12は、関連情報記憶部320、要求データ受信部321、デバイス仲介装置特定部322、要求データ転送部323、応答データ受信部324、応答データ転送部325、関連情報登録部326、および設定情報供給部327を備えている。
【0034】
関連情報記憶部320は、管理対象機器14とデバイス仲介装置13(管理対象機器14に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13)との関連付けがなされている関連情報(第1の関連情報)を記憶する。第1の関連情報の具体例については、図8を用いて後述する。また、関連情報記憶部320は、遠隔機器管理装置11とデバイス仲介装置13との関連付けがなされている関連情報(第2の関連情報)を記憶する。第2の関連情報の具体例については、図6を用いて後述する。
【0035】
要求データ受信部321は、遠隔機器管理装置11から送信されてきた、管理対象機器14向けの要求データを受信する。
【0036】
デバイス仲介装置特定部322は、管理対象機器14に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13を特定する。具体的には、デバイス仲介装置特定部322は、関連情報記憶部320に記憶されている第1の関連情報を参照し、当該第1の関連情報において、要求データの宛先の管理対象機器14に関連付けられているデバイス仲介装置13を、管理対象機器14に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13として特定する。
【0037】
要求データ転送部323は、デバイス仲介装置特定部322によって特定されたデバイス仲介装置13へ、要求データ受信部321によって受信された要求データを転送する。
【0038】
応答データ受信部324は、デバイス仲介装置13から送信されてきた、管理対象機器14からの応答データを受信する。
【0039】
応答データ転送部325は、応答データ受信部324によって受信された応答データを、遠隔機器管理装置11へ送信する。この際、応答データ転送部325は、関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報を参照し、当該第2の関連情報において、応答データの送信元のデバイス仲介装置13に関連付けられている遠隔機器管理装置11を、応答データの送信先の遠隔機器管理装置11として特定する。
【0040】
関連情報登録部326は、新たに管理対象機器14が追加された際に、関連情報記憶部320に記憶されている第1の関連情報に対し、新たに追加された管理対象機器14と、当該管理対象機器14との通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13との関連付けを追加する。
【0041】
設定情報供給部327は、デバイス仲介装置13の交換がなされた際に、交換前のデバイス仲介装置13に設定されていた遠隔管理のための設定情報(本実施形態では、スケジュール実行情報、管理対象機器情報、および通信方式定義情報)を取得し、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置13に供給することにより、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置13に再設定する。
【0042】
(デバイス仲介装置13の機能)
図3に示すように、デバイス仲介装置13は、管理対象機器情報記憶部330、対遠隔管理仲介装置通信部331、通信方式特定部332、対管理対象機器通信部333、管理対象機器情報登録部334、通信方式定義情報設定部335、スケジュール情報登録部336、スケジュール情報記憶部337、制御部338、および通知データ転送部339を備える。
【0043】
管理対象機器情報記憶部330は、当該デバイス仲介装置13が管理している管理対象機器14に関する通信設定情報が設定された管理対象機器情報を記憶する。管理対象機器情報の具体的については、図10を用いて後述する。
【0044】
対遠隔管理仲介装置通信部331は、遠隔管理仲介装置12との通信を行う。これにより、対遠隔管理仲介装置通信部331は、遠隔管理仲介装置12から送信された要求データを受信する。また、対遠隔管理仲介装置通信部331は、対管理対象機器通信部333によって受信された管理対象機器14からの応答データを、遠隔管理仲介装置12へ送信する。本実施形態では、対遠隔管理仲介装置通信部331による遠隔管理仲介装置12との通信には、HTTPプロトコルが用いられている。但し、これに限らず、その他の通信プロトコル(例えば、WebSocket、HTTP2等)を用いてもよい。
【0045】
通信方式特定部332は、管理対象機器14との通信に利用する通信方式および通信設定を特定する。具体的には、通信方式特定部332は、通信方式定義情報設定部335によってデバイス仲介装置13に設定された通信方式定義情報と、管理対象機器情報登録部334によって管理対象機器情報記憶部330に登録された管理対象機器情報とに基づいて、管理対象機器14との通信に利用する通信方式および通信設定を特定する。
【0046】
対管理対象機器通信部333は、通信方式特定部332によって特定された通信方式および通信設定により、管理対象機器14との通信を行う。これにより、対管理対象機器通信部333は、対遠隔管理仲介装置通信部331によって受信された要求データを、管理対象機器14へ送信する。また、対管理対象機器通信部333は、管理対象機器14から出力された応答データを受信する。
【0047】
管理対象機器情報登録部334は、新たに管理対象機器14が追加された際に、遠隔機器管理装置11からの要求に応じて、管理対象機器情報記憶部330に対し、新たに追加された管理対象機器14に関する管理対象機器情報を追加登録する。
【0048】
通信方式定義情報設定部335は、新たに管理対象機器14が追加された際に、遠隔機器管理装置11からの要求に応じて、デバイス仲介装置13に対し、新たに追加された管理対象機器14に関する通信方式定義情報を設定する。
【0049】
スケジュール情報登録部336は、スケジュール情報記憶部337に対してスケジュール実行情報を登録する。スケジュール情報記憶部337は、スケジュール情報登録部336によって登録されたスケジュール実行情報を記憶する。具体的には、デバイス仲介装置13が、遠隔機器管理装置11からスケジュール実行情報の登録要求を受信すると、そのデバイス仲介装置13のスケジュール情報登録部336は、スケジュール情報記憶部337に対してスケジュール情報を登録する。
【0050】
スケジュール実行情報には、例えば、以下の情報が設定される。
【0051】
・スケジュール実行:有効/無効
・スケジュール実行動作定義:情報収集、死活監視等
・スケジュール実行タイミング:1日1回/週1回/月1回/一定間隔
・スケジュール実行時刻(「スケジュール実行タイミング」が1日1回/週1回/月1回の場合)
・スケジュール実行間隔(「スケジュール実行タイミング」が一定間隔の場合)
【0052】
例えば、「スケジュール実行」に「有効」が設定されている場合において、「スケジュール実行タイミング」、「スケジュール実行時刻」、および「スケジュール実行間隔」によって特定されるスケジュール実行タイミングが到来したとする。この場合、まず、通信方式特定部332が、管理対象機器14との通信に利用する通信方式および通信設定を特定する。そして、対管理対象機器通信部333が、通信方式特定部332によって特定された通信方式および通信設定により、管理対象機器14との通信を行う。この通信により、対管理対象機器通信部333は、管理対象機器14に対して、「スケジュール実行動作定義」に設定されている処理(例えば、情報収集、死活監視等)を行う。そして、対管理対象機器通信部333が、管理対象機器14から処理結果を受信すると、対遠隔管理仲介装置通信部331が、その処理結果を、遠隔管理仲介装置12を介して、遠隔機器管理装置11へ送信する。
【0053】
デバイス仲介装置13は、このような一連の処理を、「スケジュール実行タイミング」、「スケジュール実行時刻」、および「スケジュール実行間隔」によって特定されるスケジュール実行タイミングが到来する毎に実行する。これにより、遠隔機器管理装置11は、スケジュール実行情報をデバイス仲介装置13に登録することで、それ以降、定期的に、管理対象機器14に関する情報を取得することができる。
【0054】
制御部338は、デバイス仲介装置13の各種制御を行う。例えば、制御部338は、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された再起動要求を受信すると、当該デバイス仲介装置13を再起動する。
【0055】
通知データ転送部339は、管理対象機器14の通知データ送信部344によって通知データ(例えば、管理対象機器14において異常が発生したことを通知するための通知データ)が送信された場合、当該通知データを、遠隔管理仲介装置12へ転送する。
【0056】
(管理対象機器14の機能)
図3に示すように、管理対象機器14は、要求受付部341、処理部342、応答出力部343、および通知データ送信部344を備える。
【0057】
要求受付部341は、デバイス仲介装置13から送信された要求データを受信することにより、遠隔機器管理装置11からの要求を受け付ける。
【0058】
処理部342は、要求受付部341が受け付けた遠隔機器管理装置11からの要求に応じて、各種処理を行う。例えば、処理部342は、自身の操作を行う処理(例えば、設定値変更、ファーム更新、電源ON、電源OFF等)、各種情報を出力する処理(例えば、管理対象機器14の状態、設定値情報、ログ情報等を出力する処理)を行う。
【0059】
応答出力部343は、処理部342による処理結果に応じた応答データを、デバイス仲介装置13へ出力する。
【0060】
通知データ送信部344は、デバイス仲介装置13へ通知データを送信する。例えば、通知データ送信部344は、管理対象機器14において異常が発生した場合、当該異常が発生したことを通知するための通知データを、デバイス仲介装置13へ送信する。
【0061】
なお、上記した遠隔管理システム10の各機能は、遠隔機器管理装置11、遠隔管理仲介装置12、デバイス仲介装置13、または管理対象機器14が備える各種ハードウェア(図2参照)によって実現される。具体的には、通信方式定義情報記憶部310、関連情報記憶部320、および管理対象機器情報記憶部330は、記憶部204によって実現される。また、その他の各機能は、ROM202または記憶部204に記憶されたプログラムを、CPU201が実行することにより実現される。
【0062】
このプログラムは、予め遠隔機器管理装置11、遠隔管理仲介装置12、デバイス仲介装置13、または管理対象機器14に導入された状態で提供されてもよく、外部から提供されて遠隔機器管理装置11、遠隔管理仲介装置12、デバイス仲介装置13、または管理対象機器14に導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD-ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
【0063】
(遠隔管理システム10による遠隔管理処理の手順)
図4は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10による遠隔管理処理の手順を示すシーケンス図である。図4に示す処理は、例えば、機器管理者によって遠隔機器管理装置11に対し、ある管理対象機器14に対する指示が入力されたタイミングで、開始される。または、図4に示す処理は、例えば、遠隔機器管理装置11に設定されているサービス定義情報に基づいて、定期的に開始される。
【0064】
なお、図4では、一例として、遠隔機器管理装置11aが、管理対象機器14aに対して情報取得要求(要求データの一例)を送信することにより、管理対象機器14aから特定の情報を取得する例について説明する。
【0065】
但し、通信方式定義情報記憶部310に記憶されている通信方式定義情報において、管理対象機器14aに対応する通信方式として、「SNMPプロトコル」が定義されているものとする。また、関連情報記憶部320に記憶されている第1の関連情報において、管理対象機器14aに対応するデバイス仲介装置13として、「デバイス仲介装置13a」が設定されているものとする。また、関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報において、デバイス仲介装置13aに対応する遠隔機器管理装置11として、「遠隔機器管理装置11a」が設定されているものとする。
【0066】
まず、遠隔機器管理装置11aにおいて、要求データ送信部311が、遠隔管理仲介装置12に対して、管理対象機器14aに対する情報取得要求を送信する(ステップS401)。
【0067】
遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が、遠隔機器管理装置11aから送信された情報取得要求を受信すると、デバイス仲介装置特定部322が、関連情報記憶部320に記憶されている第1の関連情報に基づいて、管理対象機器14aに対応するデバイス仲介装置13を特定する(ステップS402)。図4の例では、管理対象機器14aに対応するデバイス仲介装置13として、「デバイス仲介装置13a」が特定される。
【0068】
そして、要求データ転送部323が、デバイス仲介装置13aへ、情報取得要求を転送する(ステップS403)。
【0069】
デバイス仲介装置13aでは、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された情報取得要求を受信すると、通信方式特定部332が、この情報取得要求に示されている管理対象機器14aの識別情報に基づいて、管理対象機器14aを情報の取得先として特定する(ステップS404)。そして、通信方式特定部332が、管理対象機器14aの識別情報と、通信方式定義情報と、管理対象機器情報とに基づいて、管理対象機器14aとの通信に利用する通信方式および通信設定を特定する(ステップS405)。
【0070】
図4の例では、管理対象機器14aとの通信に利用する通信方式として、「SNMPプロトコル」が特定される。さらに、対管理対象機器通信部333が、ステップS404で特定された通信方式(「SNMPプロトコル」)および通信設定による管理対象機器14aとの通信を行うことにより、管理対象機器14aに対して、情報取得要求を送信する(ステップS406)。
【0071】
管理対象機器14aでは、要求受付部341が、デバイス仲介装置13aから送信された情報取得要求を受信すると、処理部342が、この情報取得要求に応じた情報をメモリ等から抽出する処理を行って、応答出力部343が、この情報を含む応答データを、デバイス仲介装置13aへ出力する(ステップS407)。
【0072】
そして、デバイス仲介装置13aでは、対管理対象機器通信部333が、管理対象機器14aから出力された応答データを受信すると、対遠隔管理仲介装置通信部331が、この応答データを、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS408)。
【0073】
遠隔管理仲介装置12では、応答データ受信部324が、デバイス仲介装置13aから送信された応答データを受信すると、応答データ転送部325が、この応答データに示されているデバイス仲介装置13aの識別情報と、関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報とに基づいて、この応答データの転送先として、遠隔機器管理装置11aを特定する(ステップS409)。
【0074】
そして、応答データ転送部325が、この応答データを遠隔機器管理装置11aへ転送する(ステップS410)。そして、遠隔機器管理装置11aにおいて、応答データ受信部312が、遠隔管理仲介装置12から送信された応答データを受信すると、遠隔管理システム10は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0075】
なお、遠隔機器管理装置11aは、受信した応答データに含まれている情報(すなわち、管理対象機器14aにおいて抽出された情報)を、表示、記憶、演算、分析、送信、印刷等、当該情報の取得目的に応じた多様な処理を行うことができる。
【0076】
(遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置設定処理の手順)
次に、図5および図6を参照して、遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置設定処理の手順を説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置設定処理の手順を示すシーケンス図である。図6は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報(登録番号管理テーブル)の一例を示す図である。ここでは、遠隔機器管理装置11a(機器管理アプリ)とデバイス仲介装置13aとの関連付けを行い、当該関連付けがなされた第2の関連情報を、遠隔管理仲介装置12の関連情報記憶部320(登録番号管理テーブル)に登録する例を説明する。
【0077】
まず、図6を参照して、関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報(登録番号管理テーブル)について説明する。
【0078】
図6に示すように、関連情報記憶部320には、登録番号管理テーブルが記憶されており、当該登録番号管理テーブルには、複数の第2の関連情報が登録されている。第2の関連情報は、遠隔機器管理装置11とデバイス仲介装置13とを関連付ける情報である。登録番号管理テーブル(第2の関連情報)は、データ項目として、「登録番号」、「アプリID」、「仲介装置ID」、および「使用済み」を含んでいる。「登録番号」は、第2の関連情報を一意に識別するための識別情報であり、第2の関連情報が登録される際に発行される。「アプリID」は、遠隔機器管理装置11aの識別子である。「仲介装置ID」は、デバイス仲介装置13aの識別子である。「使用済み」は、登録番号が使用済み(すなわち、仲介装置IDが登録済み)である場合「〇(使用済みフラグ)」が設定される。
【0079】
図6に示す登録番号管理テーブルは、遠隔管理仲介装置12の応答データ転送部325により、デバイス仲介装置13から受信した応答データの転送先の遠隔機器管理装置11を特定する際に、参照される。例えば、応答データの送信元のデバイス仲介装置13の仲介装置IDが「Gateway12345」である場合、応答データ転送部325は、図6に示す登録番号管理テーブルに基づいて、応答データの転送先の遠隔機器管理装置11として、アプリIDが「Application_a」である遠隔機器管理装置11を特定する。
【0080】
次に、図5および図6を参照して、遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置設定処理の手順を説明する。なお、図6(a)は、以下に説明するデバイス仲介装置設定処理による第2の関連情報の登録前の登録番号管理テーブルを表しており、図6(b)および図6(c)は、以下に説明するデバイス仲介装置設定処理による第2の関連情報の登録後の登録番号管理テーブルを表している。
【0081】
まず、機器管理者17が、遠隔機器管理装置11aに対し、登録番号の発行を行うための指示を入力する(ステップS501)。この入力に応じて、遠隔機器管理装置11aの要求データ送信部311が、登録番号の発行要求を、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS502)。
【0082】
遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が、登録番号の発行要求を受信すると、関連情報登録部326が、登録番号を発行する(ステップS503)。そして、関連情報登録部326が、ステップS503で発行された登録番号と、遠隔機器管理装置11aとの関連付けを行う(ステップS504)。例えば、ステップS503において、登録番号として「112233」が発行されたとする。また、遠隔機器管理装置11a(機器管理アプリ)の識別子であるアプリIDが、「Application_a」であるとする。この場合、ステップS504において、関連情報登録部326は、図6(b)に示すように、登録番号「112233」と、アプリID「Application_a」とを対応付けて、遠隔管理仲介装置12の関連情報記憶部320(登録番号管理テーブル)に登録する。
【0083】
その後、遠隔管理仲介装置12では、応答データ転送部325が、ステップS503で発行された登録番号「112233」を、遠隔機器管理装置11aに通知する(ステップS505)。遠隔機器管理装置11aでは、応答データ受信部312が、遠隔管理仲介装置12から送信された登録番号を受信すると、発行された登録番号「112233」が、機器管理者17に通知される(ステップS506)。
【0084】
次に、機器管理者17が、デバイス仲介装置13aに対し、登録番号「112233」を入力する(ステップS511)。この入力に応じて、デバイス仲介装置13aは、入力された登録番号「112233」と、当該デバイス仲介装置13aの識別子とを、遠隔管理仲介装置12に通知する(ステップS512)。
【0085】
遠隔管理仲介装置12は、この通知を受けると、関連情報登録部326が、通知された登録番号「112233」に関連付けられている遠隔機器管理装置11aの識別子と、通知されたデバイス仲介装置13aの識別子との関連付けを行い、当該関連付けがなされた第2の関連情報を、遠隔管理仲介装置12の関連情報記憶部320(登録番号管理テーブル)に登録する(ステップS513)。例えば、デバイス仲介装置13aの識別子である仲介装置IDが「Gateway12347」である場合、ステップS513において、関連情報登録部326は、図6(c)に示すように、ステップS504で登録番号管理テーブルに登録された、登録番号「112233」とアプリID「Application_a」との関連付けがなされた第2の関連情報に対して、仲介装置ID「Gateway12347」をさらに対応付けた後、データ項目「使用済み」に「〇(使用済みフラグ)」を設定する。
【0086】
その後、遠隔管理仲介装置12は、第2の関連情報の登録完了通知を、デバイス仲介装置13aに対して送信する(ステップS514)。さらに、デバイス仲介装置13aは、第2の関連情報の登録結果を、遠隔機器管理装置11aに通知する(ステップS515)。なお、遠隔管理仲介装置12は、デバイス仲介装置13aから通知された登録番号が使用済みであった場合、ステップS514において、デバイス仲介装置13aに対してエラーを返す。
【0087】
例えば、デバイス仲介装置13は、工場や倉庫から利用者に直接出荷される場合が多く、出荷前にデバイス仲介装置13と遠隔機器管理装置11とを関連付けておくことができない場合がある。このような場合、利用者が、デバイス仲介装置13を設置する際に、関連付けのための処理を行う必要がある。図5に示す処理は、このような場合において、登録番号を用いた仕組みにより、簡単かつ安全に関連付けを行うことができる。
【0088】
(遠隔管理システム10による管理対象機器追加処理の手順)
図7は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10による管理対象機器追加処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、管理対象機器14aが新たに追加されたことに応じて、デバイス仲介装置13aに対し、管理対象機器14aに関する通信方式定義情報および管理対象機器情報を追加する例について説明する。
【0089】
まず、遠隔機器管理装置11a(要求データ送信部311)が、管理対象機器14aに関する通信方式定義情報の設定要求を、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS601)。遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が、遠隔機器管理装置11aから送信された、管理対象機器14aに関する通信方式定義情報の設定要求を受信すると、要求データ転送部323が、当該設定要求を、デバイス仲介装置13aへ転送する(ステップS602)。
【0090】
デバイス仲介装置13aでは、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された、管理対象機器14aに関する通信方式定義情報の設定要求を受信すると、通信方式定義情報設定部335が、デバイス仲介装置13aに対し、管理対象機器14aに関する通信方式定義情報を設定する(ステップS603)。
【0091】
次に、遠隔機器管理装置11a(要求データ送信部311)が、管理対象機器14aに関する管理対象機器情報の追加要求を、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS611)。遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が、遠隔機器管理装置11aから送信された、管理対象機器14aに関する管理対象機器情報の追加要求を受信すると、要求データ転送部323が、当該追加要求を、デバイス仲介装置13aへ転送する(ステップS612)。
【0092】
デバイス仲介装置13aでは、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された、管理対象機器14aに関する管理対象機器情報の追加要求を受信すると、管理対象機器情報登録部334が、管理対象機器情報記憶部330に対し、管理対象機器14aに関する管理対象機器情報を追加登録する(ステップS613)。そして、デバイス仲介装置13a(対遠隔管理仲介装置通信部331)は、管理対象機器情報の追加の完了通知を、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS614)。遠隔管理仲介装置12では、応答データ受信部324が、デバイス仲介装置13から送信された完了通知を受信すると、関連情報登録部326が、関連情報記憶部320に記憶されている第1の関連情報に対し、管理対象機器14aとデバイス仲介装置13aとの関連付けを追加する(ステップS615)。
【0093】
(第1の関連情報の一例)
図8は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における関連情報記憶部320に記憶されている第1の関連情報の一例を示す図である。図8に示すように、第1の関連情報においては、管理対象機器14とデバイス仲介装置13(管理対象機器14に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13)との関連付けがなされている。
【0094】
この第1の関連情報は、遠隔管理仲介装置12の関連情報記憶部320に記憶されている。そして、この第1の関連情報は、遠隔管理仲介装置12のデバイス仲介装置特定部322により、管理対象機器14との通信に利用するデバイス仲介装置13を特定する際に、参照される。例えば、要求データの宛先の管理対象機器14の識別子が「Device333333」である場合、デバイス仲介装置特定部322は、図8に示す第1の関連情報に基づいて、この管理対象機器14との通信に利用するデバイス仲介装置13として、識別子が「Gateway12345」であるデバイス仲介装置13を特定する。
【0095】
(通信方式定義情報のデータ構造)
図9は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における通信方式定義情報記憶部310に記憶されている通信方式定義情報のデータ構造の一例を示す図である。この通信方式定義情報は、管理対象機器14に対応する通信方式の定義がなされたものである。
【0096】
図9に示す例では、通信方式定義情報は、そのデータ項目として、「通信プロトコル種別」、「利用可能なデバイスタイプ」、「通信ポート」、および「通信プロトコル詳細定義」を含んで構成されている。
【0097】
「通信プロトコル種別」は、HTTP、SNMP、ICMP、MQTT等、管理対象機器14が利用可能な通信プロトコルを特定するための情報が設定される。「利用可能なデバイスタイプ」は、当該通信方式を利用可能な管理対象機器14の種別が設定される。「通信ポート」は、例えば「80/tcp」等、管理対象機器14との通信に利用される通信ポート情報が設定される。「通信プロトコル詳細定義」は、通信プロトコル毎の詳細定義が設定される。
【0098】
このようなデータ構造を有する通信方式定義情報は、例えば、新たに管理対象機器14が追加された際に、遠隔機器管理装置11からの要求により、新たに追加された管理対象機器14との通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13に対して設定される。これにより、デバイス仲介装置13は、管理対象機器14との通信を行う際に使用する通信方式を特定することができる。
【0099】
(管理対象機器情報のデータ構造)
図10は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における管理対象機器情報記憶部330に記憶されている管理対象機器情報のデータ構造の一例を示す図である。この管理対象機器情報は、管理対象機器14に関する通信設定情報が設定されたものである。
【0100】
図10に示す例では、管理対象機器情報は、そのデータ項目として、「デバイス識別子」、「デバイスタイプ」、「IPアドレス」、および「付加情報」を含んで構成されている。
【0101】
「デバイス識別子」は、管理対象機器14を一意に識別するための識別情報が設定される。この識別情報として、例えば、MACアドレス等を用いることができる。「デバイスタイプ」は、管理対象機器14の種別を表す情報が設定される。この情報は、管理対象機器14と通信方式定義情報とを対応させるために使用される。「IPアドレス」は、管理対象機器14のIPアドレスが設定される。「付加情報」は、監視間隔、通信で利用するネットワークIF等が設定される。
【0102】
このようなデータ構造を有する管理対象機器情報は、例えば、新たに管理対象機器14が追加された際に、遠隔機器管理装置11からの要求により、新たに追加された管理対象機器14との通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13の管理対象機器情報記憶部330に追加登録される。これにより、デバイス仲介装置13は、管理対象機器14との通信を行う際に使用する通信設定を特定することができる。
【0103】
(遠隔管理システム10によるスケジュール実行処理の手順)
図11は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システムによるスケジュール実行処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、遠隔機器管理装置11aから、デバイス仲介装置13aに対してスケジュール実行情報を登録し、デバイス仲介装置13aが、管理対象機器14aに関する情報を定期的に取得して遠隔機器管理装置11aに提供する例を説明する。
【0104】
まず、遠隔機器管理装置11a(要求データ送信部311)が、スケジュール実行情報の登録要求を、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS1101)。このスケジュール実行情報は、例えば、機器管理者17(図5参照)によって、遠隔機器管理装置11aに対して入力されるものである。
【0105】
遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が、遠隔機器管理装置11aから送信された、スケジュール実行情報の登録要求を受信すると、要求データ転送部323が、当該登録要求を、デバイス仲介装置13aへ転送する(ステップS1102)。
【0106】
デバイス仲介装置13aでは、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された、スケジュール実行情報の登録要求を受信すると、スケジュール情報登録部336が、このスケジュール実行情報を、スケジュール情報記憶部337に登録する(ステップS1103)。
【0107】
その後、デバイス仲介装置13aは、スケジュール実行情報に設定されているスケジュール実行タイミングが到来したことを検知すると(ステップS1104)、通信方式特定部332が、スケジュール実行情報に設定されている管理対象機器14の識別情報に基づいて、情報の取得先の処理対象の管理対象機器14(ここでは、管理対象機器14a)を特定する(ステップS1105)。そして、通信方式特定部332が、管理対象機器14aの識別情報と、通信方式定義情報と、管理対象機器情報とに基づいて、管理対象機器14aとの通信に利用する通信方式および通信設定を特定する(ステップS1106)。図11の例では、管理対象機器14aとの通信に利用する通信方式として、「SNMPプロトコル」が特定される。
【0108】
そして、対管理対象機器通信部333が、ステップS1106で特定された通信方式および通信設定による管理対象機器14aとの通信を行うことにより、管理対象機器14aに対して、情報取得要求を送信する(ステップS1107)。
【0109】
管理対象機器14aでは、要求受付部341が、デバイス仲介装置13aから送信された情報取得要求を受信すると、処理部342が、この情報取得要求に応じた情報をメモリ等から抽出する処理を行って、応答出力部343が、この情報を含む応答データを、デバイス仲介装置13aへ出力する(ステップS1108)。
【0110】
そして、デバイス仲介装置13aでは、対管理対象機器通信部333が、管理対象機器14aから出力された応答データを受信すると、対遠隔管理仲介装置通信部331が、この応答データを、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS1109)。
【0111】
遠隔管理仲介装置12では、応答データ受信部324が、デバイス仲介装置13aから送信された応答データを受信すると、応答データ転送部325が、この応答データに示されているデバイス仲介装置13aの識別情報と、関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報とに基づいて、この応答データの転送先として、遠隔機器管理装置11aを特定する(ステップS1110)。
【0112】
そして、応答データ転送部325が、この応答データを遠隔機器管理装置11aへ転送する(ステップS1111)。そして、遠隔機器管理装置11aにおいて、応答データ受信部312が、遠隔管理仲介装置12から送信された応答データを受信すると、遠隔管理システム10は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0113】
遠隔機器管理装置11aは、受信した応答データに含まれている情報(すなわち、管理対象機器14aにおいて抽出された情報)を、表示、記憶、演算、分析、送信、印刷等、当該情報の取得目的に応じた多様な処理を行うことができる。
【0114】
なお、遠隔管理システム10は、上記したステップS1104~S1111の処理を、スケジュール実行情報に設定されているスケジュール実行タイミングが到来する毎に実行する。これにより、遠隔機器管理装置11aは、情報取得要求を送信しなくとも、定期的に、管理対象機器14aに関する情報を取得することができる。
【0115】
(遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13の再起動処理の手順)
次に、図12および図13を参照して、遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13の再起動処理の手順を説明する。図12は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13の再起動処理の手順を示すシーケンス図である。図13は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における関連情報記憶部320に記憶されている要求管理テーブルの一例を示す図である。ここでは、図4に示す遠隔管理処理の一具体例として、遠隔機器管理装置11からデバイス仲介装置13を再起動する例について説明する。
【0116】
まず、遠隔機器管理装置11において、要求データ送信部311が、遠隔管理仲介装置12に対して、デバイス仲介装置13の再起動要求を送信する(ステップS1201)。
【0117】
遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が再起動要求を受信すると、関連情報登録部326が、当該再起動要求を一意に識別するための要求IDを発行する(ステップS1202)。そして、関連情報登録部326が、ステップS1202で発行された要求IDを、関連情報記憶部320に記憶されている要求管理テーブルに登録する(ステップS1203)。
【0118】
例えば、関連情報登録部326は、図13に示すように、要求IDと、再起動要求元の遠隔機器管理装置11のアプリIDと、再起動要求先のデバイス仲介装置13の仲介装置IDとを対応付けて、要求管理テーブルに登録する。
【0119】
また、遠隔管理仲介装置12では、要求データ転送部323が、デバイス仲介装置13へ、要求IDとともに再起動要求を転送する(ステップS1204)。また、応答データ転送部325が、遠隔機器管理装置11に対して、ステップS1202で発行された要求IDを送信する(ステップS1205)。
【0120】
デバイス仲介装置13では、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された要求IDおよび再起動要求を受信すると、制御部338が、当該デバイス仲介装置13を再起動する(ステップS1206)。そして、対遠隔管理仲介装置通信部331が、この再起動結果を、要求IDとともに遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS1207)。
【0121】
遠隔管理仲介装置12では、応答データ受信部324が、デバイス仲介装置13から送信された要求IDおよび再起動結果を受信すると、応答データ転送部325が、この要求IDおよび再起動結果を遠隔機器管理装置11へ転送する(ステップS1208)。
【0122】
この際、応答データ転送部325は、要求管理テーブルを参照することにより、要求IDに対応付けられている遠隔機器管理装置11を、再起動要求元の遠隔機器管理装置11として特定し、当該遠隔機器管理装置11に対して、要求IDおよび再起動結果を転送する。
【0123】
そして、遠隔機器管理装置11において、応答データ受信部312が、この要求IDおよび再起動結果を受信すると、遠隔管理システム10は、図12に示す一連の処理を終了する。
【0124】
なお、遠隔管理システム10では、図12と同様の処理手順により、遠隔機器管理装置11からの要求により、デバイス仲介装置13に対してその他の処理(例えば、デバイス仲介装置13のログを取得する処理、デバイス仲介装置13のファームウェアを更新する処理等)を行わせることができる。
【0125】
(遠隔管理システム10による管理対象機器14の異常通知処理の手順)
図14は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10による管理対象機器14の異常通知処理の手順を示すシーケンス図である。
【0126】
まず、管理対象機器14において異常が発生し、管理対象機器14がこの異常を検知すると(ステップS1401)、通知データ送信部344が、この異常を通知するための通知データを、管理対象機器14の識別子とともにデバイス仲介装置13へ送信する(ステップS1402)。
【0127】
デバイス仲介装置13では、通知データ転送部339が、管理対象機器14から送信された通知データおよび管理対象機器14の識別子を受信すると、当該通知データおよび管理対象機器14の識別子を、遠隔管理仲介装置12へ転送する(ステップS1403)。
【0128】
遠隔管理仲介装置12では、応答データ受信部324が、管理対象機器14から送信された通知データおよび管理対象機器14の識別子を受信すると、応答データ転送部325が、当該通知データおよび管理対象機器14の識別子を、遠隔機器管理装置11へ転送する(ステップS1404)。
【0129】
この際、応答データ転送部325は、登録番号管理テーブル(図6参照)を参照することにより、デバイス仲介装置13に対応付けられている遠隔機器管理装置11を、通知データの送信先の遠隔機器管理装置11として特定し、当該遠隔機器管理装置11に対して、通知データおよび管理対象機器14の識別子を転送する。
【0130】
遠隔機器管理装置11では、応答データ受信部312が、遠隔管理仲介装置12から送信された通知データおよび管理対象機器14の識別子を受信すると、当該通知データおよび管理対象機器14の識別子に応じた所定の処理(例えば、管理対象機器14において異常が発生した旨のアラート表示)を実行する。
【0131】
なお、遠隔管理システム10では、図14と同様の処理手順により、管理対象機器14から遠隔機器管理装置11に対して、その他の各種通知(例えば、消耗品の残量または期限の警告、マイクから音声入力されたことの通知等)を行うことができる。
【0132】
(遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13の再設置時の処理)
次に、図15図17を参照して、遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13の再設置時の処理について説明する。
【0133】
例えば、デバイス仲介装置13が故障した場合、新たなデバイス仲介装置13に置き換える必要がある。このとき、新たなデバイス仲介装置13に関する各種設定(例えば、遠隔機器管理装置11との対応付け)を、新規登録時と同じ手順で行った場合、手間や時間がかかり、お客様に提供するサービスのダウンタイムが長時間化する虞がある。そこで、本実施形態の遠隔管理システム10は、このような事態の発生を回避できるように、新たなデバイス仲介装置13に関する各種設定を、容易且つ短時間で行うことができるようになっている。
【0134】
まず、図15および図16を参照して、遠隔管理システム10による登録番号再発行処理の手順を説明する。図15は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10による登録番号再発行処理の手順を示すシーケンス図である。図16は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10における関連情報記憶部320に記憶されている第2の関連情報(登録番号管理テーブル)の一例を示す図である。
【0135】
図16に示す登録番号管理テーブルは、図6に示す登録番号管理テーブルと同様である。但し、図16に示す登録番号管理テーブルは、図15および図17で説明する処理により、第2の関連情報が追加されている点で、図6に示す登録番号管理テーブルと異なる。
【0136】
まず、遠隔機器管理装置11において、要求データ送信部311が、遠隔管理仲介装置12に対して、登録番号発行要求を送信する(ステップS1501)。登録番号発行要求は、遠隔機器管理装置11のアプリIDと、遠隔管理仲介装置12の仲介装置IDとを含む。
【0137】
遠隔管理仲介装置12では、要求データ受信部321が、登録番号発行要求を受信すると、関連情報登録部326が、新たな登録番号を発行する(ステップS1502)。そして、関連情報登録部326が、ステップS1502で発行された登録番号と、遠隔機器管理装置11のアプリIDと、遠隔管理仲介装置12の仲介装置IDとを対応付けて、遠隔管理仲介装置12の関連情報記憶部320(登録番号管理テーブル)に登録する(ステップS1503)。
【0138】
例えば、ステップS1502において、登録番号として「112234」が発行されたとする。また、遠隔機器管理装置11a(機器管理アプリ)の識別子であるアプリIDが、「Application_a」であるとする。また、デバイス仲介装置13の仲介装置IDが「Gateway12347」であるとする。この場合、ステップS1503において、関連情報登録部326は、図16(a)に示すように、登録番号「112234」と、アプリID「Application_a」と、仲介装置ID「Gateway12347」とを対応付けて、遠隔管理仲介装置12の関連情報記憶部320(登録番号管理テーブル)に登録する。
【0139】
さらに、遠隔管理仲介装置12では、応答データ転送部325が、ステップS1502で発行された登録番号を、遠隔機器管理装置11へ送信する(ステップS1504)。
【0140】
遠隔機器管理装置11において、応答データ受信部312が、遠隔管理仲介装置12から送信された登録番号を受信すると、図15に示す一連の処理が終了する。
【0141】
次に、図16および図17を参照して、遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13に対する再設定処理の手順を説明する。図17は、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10によるデバイス仲介装置13に対する再設定処理の手順を示すシーケンス図である。
【0142】
まず、機器管理者17が、新たに設置されたデバイス仲介装置13に対して、図15の処理で当該デバイス仲介装置13に対して発行された登録番号を入力する(ステップS1701)。この入力に応じて、デバイス仲介装置13では、対遠隔管理仲介装置通信部331が、入力された登録番号を含む登録番号確認要求を、遠隔管理仲介装置12へ送信する(ステップS1702)。
【0143】
遠隔管理仲介装置12では、応答データ受信部324が、デバイス仲介装置13から送信された登録番号確認要求を受信すると、設定情報供給部327が、当該登録番号確認要求に含まれている登録番号(すなわち、デバイス仲介装置13に対して発行された登録番号)の確認を行う(ステップS1703)。具体的には、設定情報供給部327は、登録番号確認要求に含まれている登録番号が、登録番号管理テーブル(図16参照)に登録されており、且つ、デバイス仲介装置13(仲介装置ID)と対応付けられているかを確認する。
【0144】
そして、設定情報供給部327は、登録番号確認要求に含まれている登録番号が、登録番号管理テーブルに登録されており、且つ、デバイス仲介装置13と対応付けられている場合、そのデバイス仲介装置13(交換前のデバイス仲介装置13)に設定されていた各種設定情報(通信方式定義情報、管理対象機器情報、およびスケジュール情報)を取得する。
【0145】
例えば、交換前のデバイス仲介装置13の各種設定情報を、予め記憶手段に記憶させておくことにより、設定情報供給部327は、この各種設定情報を記憶手段から取得することができる。この場合、記憶手段は、デバイス仲介装置13が備えるものであってもよく、デバイス仲介装置13の外部に設けられたものであってもよい。
【0146】
そして、設定情報供給部327は、当該各種設定情報を、デバイス仲介装置13(交換後のデバイス仲介装置13)へ送信する(ステップS1704)。
【0147】
但し、設定情報供給部327は、以下のいずれかに該当する場合、デバイス仲介装置13に対して、エラーを返す。
【0148】
・登録番号が登録番号管理テーブルに登録されていない場合
・データ項目「使用済み」に「〇(使用済みフラグ)」が設定されている登録番号である場合
・登録番号に関連付けられているデバイス仲介装置13とは異なるデバイス仲介装置13から登録番号確認要求を受信した場合
【0149】
デバイス仲介装置13では、対遠隔管理仲介装置通信部331が、遠隔管理仲介装置12から送信された各種設定情報を受信すると、通信方式定義情報設定部335が、受信された通信方式定義情報を、当該デバイス仲介装置13に対して再設定する(ステップS1705)。また、管理対象機器情報登録部334が、受信された管理対象機器情報を、当該デバイス仲介装置13の管理対象機器情報記憶部330に対して再登録する(ステップS1706)。また、スケジュール情報登録部336が、受信されたスケジュール情報を、当該デバイス仲介装置13のスケジュール情報記憶部337に対して再登録する(ステップS1707)。
【0150】
その後、デバイス仲介装置13の対遠隔管理仲介装置通信部331が、各種設定情報の再設定および再登録結果を、機器管理者17に通知する(ステップS1708)。そして、遠隔管理システム10は、図17に示す一連の処理を終了する。
【0151】
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る遠隔管理システム10では、遠隔管理仲介装置12により、管理対象機器14に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13を特定し、特定されたデバイス仲介装置13に対して、遠隔機器管理装置11からの要求データを転送するようにしている。このため、遠隔管理システム10では、新たな電子機器を管理対象機器14として追加する場合、この管理対象機器14と通信可能なデバイス仲介装置13を遠隔管理仲介装置12が特定できるように設定するだけで、この管理対象機器14を遠隔管理することができるようになる。したがって、遠隔管理システム10によれば、通信方式が様々である多様な電子機器を、管理対象機器として容易に追加することができる。
【0152】
特に、遠隔管理システム10では、管理対象機器14とデバイス仲介装置13との関連付けがなされている第1の関連情報を参照することにより、管理対象機器14との通信を行うことが可能なデバイス仲介装置13を特定するようにしている。このため、遠隔管理システム10によれば、新たな電子機器を管理対象機器14として追加する場合、第1の関連情報にこの管理対象機器14とデバイス仲介装置13との関連付けを追加するといった簡単な設定を行うだけで、この管理対象機器14を遠隔管理することができるようになる。
【0153】
また、遠隔管理システム10では、遠隔管理仲介装置12により、デバイス仲介装置13と遠隔機器管理装置11との関連付けがなされている第2の関連情報を参照し、当該第2の関連情報において、応答データの送信元のデバイス仲介装置13に関連付けられている遠隔機器管理装置11を、応答データの転送先の遠隔機器管理装置11として特定するようにしている。このため、遠隔管理システム10によれば、遠隔機器管理装置11が複数設けられている場合であっても、管理対象機器14から出力された応答データを、どの管理対象機器14へ転送すればよいかを容易かつ確実に特定することができる。
【0154】
また、遠隔管理システム10では、デバイス仲介装置13において、通信方式定義情報を参照することにより、管理対象機器14に対応する通信方式を特定し、特定された通信方式により、管理対象機器14との通信を行うようにしている。このため、遠隔管理システム10によれば、新たな電子機器を管理対象機器14として追加する場合、その管理対象機器14に対応する通信方式を通信方式定義情報に設定しておくだけで、デバイス仲介装置13が、適切な通信方式で、管理対象機器14と通信を行うことができるようになる。
【0155】
また、遠隔管理システム10では、管理対象機器14が新たに追加された際に、当該管理対象機器14に関する通信方式定義情報と、当該管理対象機器に関する通信設定情報が設定された管理対象機器情報とが、デバイス仲介装置に対して動的に設定および登録されようにしている。このため、遠隔管理システム10によれば、システム管理者がデバイス仲介装置13に対する通信方式定義情報および管理対象機器情報の設定を手作業で行わなくとも、デバイス仲介装置13による、通信方式定義情報および管理対象機器情報の利用が可能となる。
【0156】
また、遠隔管理システム10では、デバイス仲介装置13の交換がなされた際に、交換前のデバイス仲介装置13に設定されていた遠隔管理のための設定情報(スケジュール実行情報、管理対象機器情報、および通信方式定義情報)を取得し、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置13に供給することにより、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置13に再設定するようにしている。このため、遠隔管理システム10によれば、電子機器を、管理対象機器14として容易に追加することができ、且つ、デバイス仲介装置13に対する各種設定情報の再設定を容易に行うことができる。
【0157】
また、遠隔管理システム10では、デバイス仲介装置13の交換がなされた際に、交換前のデバイス仲介装置に関する第2の関連情報(デバイス仲介装置13と遠隔機器管理装置11との関連付けがなされている第2の関連情報)と同内容の第2の関連情報を、交換後のデバイス仲介装置に関する第2の関連情報として再登録するようにしている。このため、遠隔管理システム10によれば、電子機器を、管理対象機器14として容易に追加することができ、且つ、デバイス仲介装置13に対する各種設定情報の再設定を容易に行うことができる。
【0158】
なお、上記第1実施形態において、遠隔管理仲介装置12が備える機能は、物理的に1台の装置によって実現されてもよく、物理的に複数台の装置によって実現されてもよい。例えば、遠隔管理仲介装置12が備える機能の一部を、遠隔管理仲介装置12の外部の装置に設けるようにしてもよい。
【0159】
同様に、上記第1実施形態において、デバイス仲介装置13が備える機能は、物理的に1台の装置によって実現されてもよく、物理的に複数台の装置によって実現されてもよい。例えば、デバイス仲介装置13が備える機能の一部を、デバイス仲介装置13の外部の装置に設けるようにしてもよい。
【0160】
〔第2実施形態〕
以下、図18を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、本発明を産業機械管理システムに適用する例を説明する。図18は、本発明の第2実施形態に係る産業機械管理システム20の全体構成を示す図である。この産業機械管理システム20は、特許請求の範囲に記載の「遠隔管理システム」の一例である。
【0161】
図18に示すように、第2の実施形態の産業機械管理システム20は、顧客システム60a、顧客システム60b、顧客システム60c、および管理システム70を備えて構成されている。顧客システム60a、60b、60cおよび管理システム70は、いずれも、インターネット15に接続されている。特に、顧客システム60a、60b、60cは、いずれも、当該システム内に設けられたファイアウォール16を介して、インターネット15に接続されている。
【0162】
顧客システム60aは、顧客先に設置されているシステムである。顧客システム60aは、管理仲介装置13'、管理対象システム30、およびファイアウォール16を備えて構成されている。管理対象システム30は、管理システム70による遠隔管理の対象のシステムである。
【0163】
図18の例では、管理対象システム30は、産業機械31aおよびセンサ31bを備えている。産業機械31aおよびセンサ31bは、特許請求の範囲に記載の「管理対象機器」の一例であり、第1実施形態の管理対象機器14と同様の機能を有している。産業機械31aは、例えば、加工機、搬送機、検査機等である。センサ31bは、例えば、撮像装置、集音装置等である。
【0164】
管理仲介装置13'は、特許請求の範囲に記載の「デバイス仲介装置」の一例であり、第1実施形態のデバイス仲介装置13と同様の機能を有するものである。管理仲介装置13'は、LAN(local area network)により、管理対象システム30と、ファイアウォール16とに接続されている。管理仲介装置13'は、産業機械31aおよびセンサ31bに設けられているファームウェアを、インターネット接続を利用して更新するファームウェア更新機能を備えている。
【0165】
顧客システム60bは、他の顧客先に設置されているシステムである。顧客システム60bは、管理仲介機能付機器33およびファイアウォール16を備えて構成されている。管理仲介機能付機器33は、管理システム70による遠隔管理の対象の機器である。管理仲介機能付機器33は、特許請求の範囲に記載の「管理対象機器」および「デバイス仲介装置」の一例であり、第1実施形態の管理対象機器14およびデバイス仲介装置13と同様の機能を有するものである。
【0166】
管理仲介機能付機器33は、例えば、産業機械(例えば、加工機、搬送機、検査機等)、センサ(例えば、撮像装置、集音装置等)等である。管理仲介機能付機器33は、LANにより、ファイアウォール16と接続されている。管理仲介機能付機器33は、当該管理仲介機能付機器33に設けられているファームウェアを、インターネット接続を利用して更新するファームウェア更新機能を備えている。
【0167】
顧客システム60cは、さらなる他の顧客先に設置されているシステムである。顧客システム60cは、管理仲介装置13'、複数の管理対象システム30、およびファイアウォール16を備えて構成されている。各管理対象システム30は、管理システム70による管理対象のシステムである。
【0168】
図18の例では、一つの管理対象システム30は、産業機械31a、センサ31b、および管理仲介装置32を備えている。産業機械31aおよびセンサ31bは、特許請求の範囲に記載の「管理対象機器」の一例であり、第1実施形態の管理対象機器14と同様の機能を有している。産業機械31aは、例えば、加工機、搬送機、検査機等である。センサ31bは、例えば、撮像装置、集音装置等である。
【0169】
管理仲介装置13',32は、特許請求の範囲に記載の「デバイス仲介装置」の一例であり、第1実施形態のデバイス仲介装置13と同様の機能を有するものである。管理仲介装置13',32は、LANにより、複数の管理対象システム30と、ファイアウォール16とに接続されている。管理仲介装置13',32は、産業機械31aおよびセンサ31bに設けられているファームウェアを、インターネット接続を利用して更新するファームウェア更新機能を備えている。
【0170】
この顧客システム60cでは、管理仲介装置13'だけでは負荷が大きくなるため、管理仲介装置32をさらに設けている。そして、この管理仲介装置32により、管理対象システム30内の産業機械31aおよびセンサ31bのファームウェアを更新するようにしている。一方、管理システム70とのインターネット接続を利用した、複数の管理対象システム30の遠隔管理を集中的に行う機能については、管理仲介装置13'にて行うようにしている。
【0171】
管理システム70は、インターネット15を介して、各顧客システム60a、60b、60cの各管理対象機器(産業機械31a、センサ31b、管理仲介機能付機器33)を遠隔管理するためのシステムである。図18に示す例では、管理システム70は、遠隔機器管理装置11'および遠隔管理仲介装置12'を備えている。
【0172】
遠隔機器管理装置11'は、第1実施形態で説明した遠隔機器管理装置11と同様の機能を有する。遠隔管理仲介装置12は、第1実施形態で説明した遠隔管理仲介装置12と同様の機能を有する。例えば、管理システム70は、各顧客システム60a、60b、60cの各管理対象機器に対して、各種操作指示(例えば、設定値変更、ファーム更新、電源ON、電源OFF等)を行ったり、各顧客システム60a、60b、60cの各管理対象機器から各種情報(状態情報、設定値情報、ログ情報等)を取得したりする。
【0173】
なお、上記産業機械管理システム20において、遠隔機器管理装置11'、遠隔管理仲介装置12'、管理仲介装置13'、管理仲介装置32、および管理仲介機能付機器33は、一般的なコンピュータ要素を含んで構成されている。すなわち、これらの装置は、図2に示したハードウェア構成と同様に、少なくとも、各種プログラムを実行するCPUと、このCPUがプログラム処理に用いるROM、RAM、および記憶部と、モデムやネットワークインタフェース等の通信部とを備えて構成されている。
【0174】
このように構成された産業機械管理システム20では、第1実施形態の遠隔管理システム10と同様に、管理システム70の遠隔管理仲介装置12'により、管理対象機器(産業機械31a、センサ31b、または管理仲介機能付機器33)に対応する通信方式による通信を行うことが可能なデバイス仲介装置(管理仲介装置13'、管理仲介装置32、または管理仲介機能付機器33)を特定し、特定されたデバイス仲介装置に対して、管理システム70の遠隔機器管理装置11'からの要求データを転送するようにしている。
【0175】
このため、産業機械管理システム20では、新たな電子機器を管理対象機器として追加する場合、この管理対象機器と通信可能なデバイス仲介装置を遠隔管理仲介装置12'が特定できるように設定するだけで、この管理対象機器を遠隔管理することができるようになる。したがって、産業機械管理システム20によれば、通信方式が様々である多様な電子機器を、管理対象機器として容易に追加することができる。
【0176】
また、産業機械管理システム20では、第1実施形態の遠隔管理システム10と同様に、デバイス仲介装置(管理仲介装置13'、管理仲介装置32、または管理仲介機能付機器33)の交換がなされた際に、交換前のデバイス仲介装置に設定されていた遠隔管理のための設定情報(スケジュール実行情報、管理対象機器情報、および通信方式定義情報)を取得し、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置に供給することにより、当該設定情報を交換後のデバイス仲介装置に再設定することができる。このため、産業機械管理システム20によれば、産業機械31aおよびセンサ31b(電子機器)を、管理対象機器として容易に追加することができ、且つ、デバイス仲介装置に対する各種設定情報の再設定を容易に行うことができる。
【0177】
また、産業機械管理システム20では、第1実施形態の遠隔管理システム10と同様に、デバイス仲介装置(管理仲介装置13'、管理仲介装置32、または管理仲介機能付機器33)の交換がなされた際に、交換前のデバイス仲介装置に関する第2の関連情報(デバイス仲介装置と遠隔機器管理装置11'との関連付けがなされている第2の関連情報)と同内容の第2の関連情報を、交換後のデバイス仲介装置に関する第2の関連情報として再登録することができる。このため、産業機械管理システム20によれば、産業機械31aおよびセンサ31b(電子機器)を、管理対象機器として容易に追加することができ、且つ、デバイス仲介装置に対する各種設定情報の再設定を容易に行うことができる。
【0178】
なお、本発明の遠隔管理システムが遠隔管理の対象とする管理対象機器は、画像形成装置に限らず、ネットワーク家電、自動販売機、医療機器、産業機械、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システム等に通信機能を持たせた機器等であってもよい。また、管理対象機器は、上記したいずれかの機器の周辺に設置され、その機器の状態を検出するための各種検出装置(例えば、撮像装置、集音装置等)であってもよい。
【0179】
例えば、産業機械としては、加工装置、検査装置、搬送装置、ピッキング装置等が挙げられる。産業機械を管理対象機器とする場合、当該産業機械は、応答データとして、当該機器の識別情報、当該機器の稼働状況や異常動作の有無、消耗品の交換時期に関する情報、当該機器による検査結果等を、データ形式又は画像形式等の種々の情報伝達手段を用いて管理システム70に送信するようにしてもよい。
【0180】
また、例えば、医療機器としては、眼底検査装置、X線検査装置、血圧計、体脂肪計、視力計、ペースメーカ等が挙げられる。医療機器を管理対象機器とする場合、当該医療機器は、応答データとして、当該機器の識別情報、当該機器の稼働状況や異常動作の有無、当該機器による測定結果等を、データ形式又は画像形式等の種々の情報伝達手段を用いて管理システム70に送信するようにしてもよい。
【0181】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0182】
10 遠隔管理システム
11 遠隔機器管理装置
12 遠隔管理仲介装置
13 デバイス仲介装置
14 管理対象機器
15 インターネット
16 ファイアウォール
310 通信方式定義情報記憶部
311 要求データ送信部
312 応答データ受信部
313 遠隔機器管理制御部
320 関連情報記憶部
321 要求データ受信部
322 デバイス仲介装置特定部
323 要求データ転送部
324 応答データ受信部
325 応答データ転送部
326 関連情報登録部
327 設定情報供給部
330 管理対象機器情報記憶部
331 対遠隔管理仲介装置通信部
332 通信方式特定部
333 対管理対象機器通信部
334 管理対象機器情報登録部
335 通信方式定義情報設定部
336 スケジュール情報登録部
337 スケジュール情報記憶部
338 制御部
339 通知データ転送部
341 要求受付部
342 処理部
343 応答出力部
344 通知データ送信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0183】
【文献】特開2009-32277号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18