(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-20
(45)【発行日】2022-09-29
(54)【発明の名称】作業車両の協調走行システム及び作業車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/14 20060101AFI20220921BHJP
B60Q 1/24 20060101ALI20220921BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
B60Q1/14 H
B60Q1/24 C
A01B69/00 303Z
A01B69/00 301
(21)【出願番号】P 2019109099
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄也
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-114927(JP,A)
【文献】特開2017-199107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/14
B60Q 1/24
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1照明灯及び前記第1照明灯を制御する第1制御装置を有する第1作業車両と、第2照明灯及び前記第2照明灯を制御する第2制御装置を有する第2作業車両と
が協調して走行を行う作業車両の協調走行システムであって、
前記第1作業車両の第1進行方向を検出する第1測位装置と、
前記第2作業車両の第2進行方向を検出する第2測位装置と、
を備え、
前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とに基づいて、前記第2照明灯の制御を行う作業車両の協調走行システム。
【請求項2】
前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが向き合う場合に、前記第2照明灯の減光を行う請求項1に記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項3】
前記第2照明灯は、前記第2作業車両の前部に設けられた前照灯を含み、
前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向と
が同じ場合には
、前記前照灯の減光は行わず、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが向き合う場合には、前記前照灯の減光を行う請求項2に記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項4】
前記第2照明灯は、後部に設けられた作業灯を含み、
前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが向き合って前記第1作業車両と前記第2作業車両とがすれ違う場合に、前記作業灯を点灯する請求項1
又は3に記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項5】
前記第1作業車両及び前記第2作業車両の車体位置を表示する表示装置を備え、
前記表示装置は、前記第2照明灯の減光及び/又は点滅するタイミングを設定可能である請求項2~4のいずれかに記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項6】
前記表示装置は、前記タイミングとして前記第1作業車両と前記第2作業車両の相対する距離を入力する距離入力部を有している請求項5に記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項7】
前記表示装置は、前記タイミングとして前記第1作業車両と前記第2作業車両のすれ違うまでの時間を入力する時間入力部を有している請求項5に記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項8】
前記第1作業車両は有人作業車両であり、且つ前記第2作業車両は無人作業車両である請求項1~7に記載の作業車両の協調走行システム。
【請求項9】
請求項1~8の作業車両の協調走行システムを搭載する作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の協調走行システム及び作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車協調システムとして特許文献1が知られている。特許文献1の作業車協調システムは、親作業車と親作業車に追従する無人操縦式の子作業車とにより対地作業を行う作業車協調システムであって、親作業車の位置を検出する親位置検出モジュールと、子作業車の位置を検出する子位置検出モジュールと、親作業車の位置から親作業車の走行軌跡を算定する親走行軌跡算定部と、子作業車の切り返し走行開始点と切り返し走行完了点とを算定する切り返し走行目標算定部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業車協調システムでは、親作業車に追随して子作業車を走行させることができる。ここで、親作業車に設けられた照明灯によって子作業車を照らしたり、子作業車に設けられた照明灯によって親作業車を照らすことがあり、互いに及ぼす照明について考慮する必要がある。特に、親作業車は有人で操作されることから、子作業車の照明が親作業車に向く場合には、子作業車の照明についてコントロールすることが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、少なくとも2台の作業車両が協調して走行を行う場合に適正な照明を行うことができる作業車両の協調走行システム及び作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
作業車両の協調走行システムは、第1照明灯及び前記第1照明灯を制御する第1制御装置を有する第1作業車両と、第2照明灯及び前記第2照明灯を制御する第2制御装置を有する第2作業車両とが協調して走行を行う作業車両の協調走行システムであって、前記第1作業車両の第1進行方向を検出する第1測位装置と、前記第2作業車両の第2進行方向を検出する第2測位装置と、を備え、前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とに基づいて、前記第2照明灯の制御を行う。
【0007】
前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが向き合う場合に、前記第2照明灯の減光を行う。
前記第2照明灯は、前記第2作業車両の前部に設けられた前照灯を含み、前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが同じ場合には、前記前照灯の減光は行わず、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが向き合う場合には、前記前照灯の減光を行う。
【0008】
前記第2照明灯は、後部に設けられた作業灯を含み、前記第2制御装置は、前記第1進行方向と前記第2進行方向とが向き合って前記第1作業車両と前記第2作業車両とがすれ違う場合に、前記作業灯を点灯する。
作業車両は、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の車体位置を表示する表示装置を備え、前記表示装置は、前記第2照明灯の減光及び/又は点滅するタイミングを設定可能である。
【0009】
前記表示装置は、前記タイミングとして前記第1作業車両と前記第2作業車両の相対する距離を入力する距離入力部を有している。
前記表示装置は、前記タイミングとして前記第1作業車両と前記第2作業車両のすれ違うまでの時間を入力する時間入力部を有している。
前記第1作業車両は有人作業車両であり、且つ前記第2作業車両は無人作業車両である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少なくとも2台の作業車両が協調して走行を行う場合に適正な照明を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】作業車両の協調走行システムを示す図である。
【
図5】有人作業車両及び無人作業車両が協調して走行する一例を示す図である。
【
図6A】有人進行方向X1と無人進行方向X2とが同一方向に向いている場合の一例を示す図である。
【
図6B】有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っている場合の一例を示す図である。
【
図7】協調作業を行っている場合のトラクタの第2照明灯に関する制御の一例を示す図である。
【
図8】協調作業を行っている場合のトラクタの第1照明灯及び第2照明灯に関する制御の一例を示す図である。
【
図9】表示装置の設定画面M15の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、作業車両の協調走行システムを示す図である。作業車両の協調走行システムは、第1作業車両1Aと第2作業車両1Bとを協調して走行を行う協調走行システムである。この実施形態では、第1作業車両1Aは、運転者によって運転を行う有人作業車両であり、第2作業車両1Bは、無人で運転を行う無人作業車両である。なお、第1作業車両1Aと第2作業車両1Bとにおいて、どちらが有人又は無人であってもよいし、両方が有人であっても、両方が無人であってもよい。
【0013】
本実施形態の場合、有人作業車両1A及び無人作業車両1Bはトラクタである。但し、作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよい。
有人作業車両1Aと無人作業車両1Bとの共通の構成について、有人作業車両1A及び無人作業車両1Bは、トラクタであるとして説明を進める。
【0014】
図10は、トラクタ1の側面図を示している。以下、トラクタ(作業車両)1の運転席10に着座した運転者の前側を前方、運転者の後側を後方、運転者の左側を左方、運転者の右側を右方として説明する。また、作業車両1の前後方向に直交する方向である水平方向を車体幅方向として説明する。
図10に示すように、トラクタ1A、1Bは、走行装置7を有する車体(走行車体)3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等である。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。車体3にはキャビン9が設けられ、当該キャビン9内には運転席10が設けられている。
【0015】
また、車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部(昇降装置)8が設けられている。連結部8には、作業装置2が着脱可能である。作業装置2を連結部8に連結することによって、車体3によって作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。なお、
図10では、作業装置2として耕耘装置を取り付けた例を示している。
【0016】
図2に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケースに回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
【0017】
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1A、1Bの前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置に接続されている。後輪デフ装置は、後輪7Rが取り付けられた後車軸29Rを回転自在に支持している。
【0018】
PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸14と、PTOクラッチ15とを有している。PTO推進軸14は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸14は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ15は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達しない状態とに切り換わる。
【0019】
また、トラクタ1A、1Bは、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、ハンドル(ステアリングホイール)11aと、ハンドル11aの回転に伴って回転するステアリングシャフト(回転軸)11bと、ハンドル11aの操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)11cと、を有している。補助機構11cは、油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21から吐出した作動油が供給される制御弁22と、制御弁22により作動するステアリングシリンダ23とを含んでいる。制御弁22は、制御信号に基づいて作動する電磁弁である。制御弁22は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁22は、ステアリングシャフト11bの操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ23は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)に接続されている。
【0020】
したがって、運転者がハンドル11aを操作すれば、当該ハンドル11aに応じて制御弁22の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁22の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ23が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。つまり、操舵装置11によって、トラクタ1A、1B(車体3)の操舵を手動で行うことができる。
【0021】
さて、少なくともトラクタ1B(車体3)においては、自動で操舵を行うことが可能である。
図2に示すように、トラクタ1Bの操舵装置11は、自動操舵機構25を有している。自動操舵機構25は、車体3の自動操舵を行う機構であって、車体3の位置(車体位置)と、予め設定された走行予定ラインに基づいて車体3を自動操舵する。自動操舵機構25は、ステアリングモータ26と、ギア機構27と、を備えている。ステアリングモータ26は、現在位置に基づいて、回転方向、回転速度、回転角度等が制御可能なモータである。ギア機構27は、ステアリングシャフト11bに設けられ且つ当該ステアリングシャフト11bと供回りするギアと、ステアリングモータ26の回転軸に設けられ且つ当該回転軸と供回りするギアとを含んでいる。ステアリングモータ26の回転軸が回転すると、ギア機構27を介して、ステアリングシャフト11bが自動的に回転(回動)し、車体位置が走行予定ラインに一致するように、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵装置11は一例であり、上述した構成に限定されない。なお、トラクタ1Aの操舵装置11においても自動操舵機構25を備えていてもよい。
【0022】
トラクタ1A、1Bは、通信装置18と、測位装置40とを備えている。通信装置18は、近距離の通信装置、或いは、携帯電話通信網、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う通信装置であり、少なくともトラクタ1A、1Bの両者間で通信を行うことが可能である。通信装置18の通信方式は限定されず、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズ、通信規格IEEE802.11シリーズであってもよいし、その他の通信方式であってもよい。
【0023】
測位装置40は、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置40は、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて、車体位置(例えば、緯度、経度)を検出する。測位装置40は、車体3、即ち、車体3に設けられたキャビン9のルーフ等に取り付けられている。測位装置40は、受信装置41と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)42と、を有している。受信装置41は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置である。
【0024】
慣性計測装置42は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。慣性計測装置42によって、車体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。また、測位装置40は、緯度、経度などの車体位置、加速度、角速度などによって、車体3の方位(進行方向)を検出することが可能である。なお、測位装置40の取付場所は、車体3に搭載されていればよく、上述した例に限定されない。
【0025】
図2、3に示すように、トラクタ1A、1Bは、それぞれ複数の照明灯36を備えている。複数の照明灯36は、車体3に設けられている。複数の照明灯36は、夫々異なる方向を照らす。複数の照明灯36は、前照灯37と作業灯38とを含む。
前照灯37は、車体3の前部に設けられている。前照灯37は、第1前照灯37Lと第2前照灯37Rとを含む。第1前照灯37Lは、ボンネット24の前部の左側に配置されており、車体3の前方左側を照らすことができる。第2前照灯37Rは、ボンネット24の前部の右側に配置されており、車体3の前方右側を照らすことができる。前照灯37(第1前照灯37L、第2前照灯37R)は、車体3(ボンネット24)に対して照射方向が変更可能である。
図4に示すように、前照灯37(第1前照灯37L、第2前照灯37R)は、LEDランプ、HIDランプ等の発光する複数の光源33を含んでいる。光源33は、ハイビーム用の光源33aと、ロービーム用の光源33b含んでいる。なお、トラクタ1A、1Bには、照明切換スイッチ69が設けられている。照明切換スイッチ69によって、ハイビーム又はロービームに切り換えることが可能であり、ハイビームに切り換えられた場合には光源33aが点灯し、ロービームに切り換えられた場合は光源33bが点灯する。
【0026】
作業灯38は、キャビン9の上部を構成するルーフ9aに固定されている。作業灯38は、第1作業灯38L、第2作業灯38Rを含む。第1作業灯38Lは、ルーフ12aの前部の左側に配置されており、ボンネット24の後部側から車体3の左斜め前方を照らすことができる。第2作業灯38Rは、ルーフ6aの前部の右側に配置されており、ボンネット24の後部側から車体3の右斜め前方を照らすことができる。
【0027】
図1に示すように、トラクタ1A、1Bは、表示装置45と、制御装置60とを備えている。表示装置45は、トラクタ1A、1Bに関する様々な情報を表示可能な装置であって、少なくともトラクタ1A、1Bの運転情報を表示可能である。表示装置45は、運転席10の前方に設けられている。
トラクタ1A、1Bは、それぞれ制御装置60を備えている。制御装置60は、トラクタ1A、1Bの様々な制御、例えば、トラクタ1A、1Bのそれぞれが協調して走行するための制御等を行う。以下、説明の便宜上、有人作業車両(トラクタ)1Aが有する制御装置60のことを「第1制御装置60A」、無人作業車両(トラクタ)1Bが有する制御装置60のことを「第2制御装置60B」という。また、トラクタ1Aが有する測位装置(第1測位装置)40のことを「有人測位装置40A」、トラクタ1Bが有する測位装置(第2測位装置)40のことを「無人測位装置40B」という。
【0028】
図5は、有人作業車両1Aと無人作業車両1Bとを協調して走行する場合、即ち、協調作業を行う場合の走行ルートL1a、L1bの一例を示している。
図5に示すように、協調作業においては、例えば、無人作業車両(トラクタ)1Bが先行して走行しながら作業を行い、有人作業車両(トラクタ)1Aがトラクタ1Bを追随して走行しながら作業を行う。協調作業において、トラクタ1A及びトラクタ1Bは、枕地などのターンエリアA1で旋回等を行い、作業エリアA2で直進走行を繰り返し行う。走行ルートL1a、L1bは、予めサーバ、パーソナルコンピュータ等の外部機器で生成したり、表示装置45に所定の情報を入力することにより生成することができる。なお、協調作業において、走行を開始する前に、表示装置45による操作、或いは、運転席10の周囲に配置した操作具の操作等によって、トラクタ1Aに対して有人であることを設定し、トラクタ1Bに対して無人であることを設定することができる。或いは、タブレット、スマートフォン等の携帯端末から、トラクタ1A及びトラクタ1Bに対して有人又は無人の設定を送信することにより、有人、無人の設定を行ってもよい。
【0029】
第2制御装置60Bは、トラクタ1Bに対応して設定された走行ルートL1bに沿うように、操舵装置11の自動操舵機構25を制御する。第2制御装置60Bは、例えば、無人測位装置40Bで検出した車体位置(無人車体位置)と走行ルートL1bとの偏差が最小となるように、自動操舵機構25により操舵方向及び操舵角を設定しながら操舵を行う。また、第2制御装置60Bは、走行ルートL1bに対応して設定された走行速度(車速)となるように原動機4の回転数、変速装置5の変速段等を制御する。また、第2制御装置60Bは、無人車体位置を参照し、トラクタ1Bが作業エリアA2に居る場合には昇降装置8を下降させることにより、作業装置2による作業を行い、トラクタ1BがターンエリアA1に居る場合には昇降装置8を上昇させることにより、作業装置2による作業を一時的に停止する。即ち、第2制御装置60Bは、トラクタ1Bが走行ルートL1bに沿って走行しながら作業を行うように、当該トラクタ1Bの自動走行等の制御を実行する。なお、トラクタ1Bが走行した場合の稼働情報、例えば、無人車体位置、操舵角、車速、原動機の回転数、作業装置2で作業した作業幅などは、通信装置18からトラクタ1Aに送信される。
【0030】
第1制御装置60Aは、運転者の操作に基づいて、トラクタ1Aの制御を行う。運転者が昇降装置8を上昇させる操作(昇降スイッチ61を上昇させる方向に操作)を行った場合には昇降装置8を上昇させ、昇降装置8を下降させる操作(昇降スイッチ61を下降させる方向に操作)を行った場合には昇降装置8を下降させる。また、第1制御装置60Aは、アクセルを操作した場合は、アクセル操作に応じて原動機4の回転数を増減させ、変速装置5の変速段を設定する変速段操作部材を操作した場合には、変速段操作部材の操作に応じて変速装置5の変速段等を制御する。即ち、第1制御装置60Aは、トラクタ1Aに設けられた昇降スイッチ61等の作業系の操作部材の操作、アクセル、変速段操作部材等の操作系の操作部材の操作に基づいて、トラクタ1Aの制御を実行する。トラクタ1Aが走行した場合の稼働情報、例えば、有人測位装置40Aで検出した車体位置(有人車体位置)、操舵角、車速、原動機の回転数、作業装置2で作業した作業幅などは、通信装置18からトラクタ1Bに送信される。
【0031】
なお、走行ルートL1a、L1bは、トラクタ1A及びトラクタ1Bの稼働情報に基づいて修正を行ってもよい。第1制御装置60A及び第2制御装置60Bは、例えば、トラクタ1Aにおいて作業を行った作業跡と、トラクタ1Bにおいて作業を行った作業跡とが重なるように、走行ルートL1a、L1bを修正する。走行ルートL1a、L1bの修正は、第1制御装置60Aが行って、修正後の走行ルートL1bを、トラクタ1Aからトラクタ1Bに送信してもよい。また、トラクタ1A、1Bにおける制御及び走行ルートL1a、L1bの補正及び生成等は一例であり、限定されない。
【0032】
第1制御装置60A及び第2制御装置60Bには、それぞれON又はOFFに切換可能な照明スイッチ65,66が接続されている。照明スイッチ65は、前照灯37の点灯/消灯をするスイッチであり、照明スイッチ66は、作業灯38の点灯/消灯をするスイッチである。なお、照明スイッチ65は、運転席10の周囲に設けられたハードウェアスイッチであっても、表示装置45に表示されたソフトウェアスイッチであってもよい。
【0033】
第1制御装置60A及び第2制御装置60Bは、照明スイッチ65をONにした場合、前照灯37(第1前照灯37L、第2前照灯37R)を点灯させ、OFFにした場合、前照灯37(第1前照灯37L、第2前照灯37R)を消灯させる。
また、第1制御装置60A及び第2制御装置60Bは、照明スイッチ66をONにした場合、作業灯38(第1作業灯38L、第2作業灯38R)を点灯させ、OFFにした場合、作業灯38(第1作業灯38L、第2作業灯38R)を消灯させる。
【0034】
さて、トラクタ1Aとトラクタ1Bとが協調作業を行う場合において、
図6Aに示すように、トラクタ1Aの第1進行方向(有人進行方向)X1と、トラクタ1Bの第2進行方向(無人進行方向)X2とが同一方向に向く場合と、
図6Bに示すように、トラクタ1Aの有人進行方向X1と、トラクタ1Bの無人進行方向X2とが互いに向かい合う場合とがある。トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、有人進行方向X1と無人進行方向X2とに基づいて、トラクタ1Bの照明灯36を制御する。説明の便宜上、トラクタ1Aの照明灯36のことを「第1照明灯36A」、トラクタ1Bの照明灯36のことを「第2照明灯36B」ということがある。
【0035】
図6Aに示すように、トクタ1Bの第2照明灯36Bを点灯している状況下において、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが同一方向である場合、第2制御装置60Bは、第2照明灯36Bの減光は行わず、
図6Bに示すように、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合った場合は、第2照明灯36Bの減光を行う。第2照明灯36Bの減光とは、当該第2照明灯36Bが眩しくない処理のことで、ハイビームで点灯している場合はロービームに変更したり、ロービームである場合には照度を低下させる。
【0036】
図7は、協調作業を行っている場合のトラクタ1Bの第2照明灯36Bに関する制御の一例である。
まず、協調作業において、トラクタ1A,1Bにおいて、トラクタ1Aの第1照明灯36Aの前照灯37及びトラクタ1Bの第2照明灯36Bの前照灯37を点灯して協調作業を開始しているとする。
【0037】
図7に示すように、協調作業が開始されると、トラクタ1Aから少なくとも有人測位装置40Aで検出した有人進行方向X1がトラクタ1Aの通信装置18を介してトラクタ1Bに送信される(S1)。また、トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、トラクタ1Bの通信装置18が有人進行方向X1を受信後、有人進行方向X1と無人測位装置40Bで検出した無人進行方向X2とが向き合っているか否かを判断する(S2)。
【0038】
トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っている場合(S2、Yes)、減光処理を行う(S3)。減光処理では、第2照明灯36Bの前照灯37がハイビームである場合、照明切換スイッチ69がハイビーム側であっても、ロービームに切り換える。或いは、減光処理では、第2照明灯36Bの前照灯37がロービームである場合、前照灯37の照度を予め設定された値(デフォルト値)よりも低下させる。トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っていない場合(S2、No)、即ち、有人進行方向X1と無人進行方向X2とは同じ場合には減光処理は行わない。
【0039】
トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、減光処理を行われている状況下で、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っているか否かを判断し(S4)、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合わなくなった場合(S4、No)、減光処理を終了する(S5)。トラクタ1Bの第2制御装置60Bは、減光処理において、ハイビームからロービームに切り換えた場合はロービームに戻し、ロービームの照度を低下させている場合は照度をデフォルト値に戻す。
【0040】
なお、協調作業を行っている場合のトラクタ1Aの第1照明灯36Aの制御を行ってもよい。
図8は、協調作業を行っている場合のトラクタ1A及びトラクタ1Bの第1照明灯36A及び第2照明灯36Bに関する制御の一例である。
図8に示すように、協調作業が開始されると、トラクタ1Aから有人車体位置及び有人進行方向X1がトラクタ1Aの通信装置18を介してトラクタ1Bに送信される(S10)。トラクタ1Bから無人車体位置P12及び無人進行方向X2がトラクタ1Bの通信装置18を介してトラクタ1Aに送信される(S11)。トラクタ1Aの第1制御装置60Aは、トラクタ1Aの通信装置18が無人車体位置P12及び無人進行方向X2を受信後、トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違いをするか否かを判断する(S12)。例えば、第1制御装置60Aは、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合い向き合っているか否かを判断し、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っている場合に、
図6Bに示すように、有人車体位置P11と無人車体位置P12の距離(進行方向の距離)SD1を演算し、距離SD1が予め定められた距離SD2以下(閾値以下)になった場合に、トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違いをすると判断する。
【0041】
トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違いをすると判断した場合(S12、Yes)、第1制御装置60Aは、トラクタ1Bの前方を照明する前方照明処理を実行する(S13)。前方照明処理では、第1制御装置60Aは、トラクタ1Aの後部に設けた作業灯38(第1作業灯38L、第2作業灯38R)を点灯する。
一方、トラクタ1Bの通信装置18が有人車体位置P11及び有人進行方向X1を受信後、トラクタ1Bの第2制御装置60Bも、第1制御装置60Aと同様に、トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違いをするか否かを判断する(S21)。即ち、第2制御装置60Bは、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っているか否かを判断し、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合っている場合に、有人車体位置P11と無人車体位置P12の距離(進行方向の距離)SD1を演算し、距離SD1が予め定められた距離SD2以下(閾値以下)になった場合に、トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違いをすると判断する。
【0042】
トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違いをすると判断した場合(S21、Yes)、第2制御装置60Bは、上述した同様に減光処理を行う(S22)と共に、トラクタ1Aの前方を照明する前方照明処理を実行する(S23)。前方照明処理では、第2制御装置60Bは、トラクタ1Bの後部に設けた作業灯38(第1作業灯38L、第2作業灯38R)を点灯する。
【0043】
以上のように、トラクタ1A、1Bにおいて、すれ違いを行うときに、トラクタ1A、1Bの後部の作業灯38(第1作業灯38L、第2作業灯38R)を点灯することによって、相手方の前方を照らすことができ、視界性をよくすることができる。上述した実施形態では、トラクタ1A、1Bの両方が前方照明処理を行っていたが、無人側のトラクタ1Bのみが前方照明処理を行うとしてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、トラクタ1Aとトラクタ1Bとの距離SD1が距離SD2以下になった場合にすれ違いであると判断しているがこれに代えて、有人進行方向X1と無人進行方向X2とが向き合ってからの経過時間が所定時間(すれ違い判定時間)に達したときに、すれ違いと判断してもよい。
なお、少なくともトラクタ1A及びトラクタ1Bのいずれかに設けた表示装置45は、トラクタ1A及びトラクタ1Bの車体位置を表示してもよい。
【0045】
表示装置45は、少なくとも第2照明灯36Bの減光するタイミングを設定可能である。表示装置45に対して所定の操作を行うと、
図9に示すように、設定画面M15を表示する。設定画面M15は、トラクタ1Aを示す第1車体表示部301と、トラクタ1Bを示す第2車体表示部302とを含んでいる。また、設定画面M15は、距離入力部303と、時間入力部304とを含んでいる。距離入力部303は、トラクタ1Aとトラクタ1Bとの距離(相対する距離)SD2を入力する部分である。時間入力部304は、トラクタ1Aとトラクタ1Bとがすれ違うまでの時間(すれ違い判定時間)を入力する部分である。
【0046】
距離入力部303に距離SD2を入力する値を変更することにより、トラクタ1Aとトラクタ1Bとが向き合った場合において、第2照明灯36Bの減光処理を開始するタイミングを変更することができる。また、時間入力部304に入力したすれ違い判定時間を変更することにより、トラクタ1Aとトラクタ1Bとが向き合った場合において、向き合ってから第2照明灯36Bの減光処理を開始するタイミングを変更することができる。
【0047】
なお、表示装置45は、距離入力部303及び時間入力部304のいずれかを設定画面M15に表示してもよい。また、上述した実施形態では、距離入力部303及び時間入力部304は、第2照明灯36Bの減光処理の開始を行うタイミングを設定する項目であったが、第2照明灯36Bの点滅を行うタイミングであってもよい。この場合、トラクタ1Aとトラクタ1Bとの距離SD1が距離SD2以下になった場合に、第2照明灯36Bを減光処理に加えて点滅させることができる。また、トラクタ1Aとトラクタ1Bとが向き合ってからの経過時間が、すれ違い判定時間になった場合に、第2照明灯36Bを減光処理に加えて点滅させることができる。
【0048】
なお、第1進行方向X1と第2進行方向X2とが交差するように走行経路が重なる場合でも上述した減光処理などの全ての内容について適用することができる。
作業車両の協調走行システムは、第1照明灯36A及び前記第1照明灯36Aを制御する第1制御装置60Aを有する第1作業車両1Aと、第2照明灯36B及び前記第2照明灯36Bを制御する第2制御装置60Bを有する第2作業車両1Bとを協調して走行を行う作業車両の協調走行システムであって、第1作業車両1Aの第1進行方向を検出する第1測位装置40Aと、第2作業車両1Bの第2進行方向X2を検出する第2測位装置40Bと、を備え、第2制御装置60Bは、第1進行方向X1と第2進行方向X2とに基づいて、第2照明灯36Bの制御を行う。これによれば、例えば、第1進行方向X1と第2進行方向X2とが向き合った場合には、第2照明灯36Bの減光をしたり、第2照明灯36Bによって第1作業車両1Aの前方を照らすことによって、第1作業車両1Aが運転しやすいようにすることができる。
【0049】
第2制御装置60Bは、第1進行方向X1と第2進行方向X2とが向き合う場合に、第2照明灯36Bの減光を行う。これによれば、第2作業車両1Bの第2照明灯36Bが照射した光が、第1作業車両1Aの運転者の視線に入って眩しく感じることを抑制することができ、協調して走行する場合に第1作業車両1Aの運転を向上させることができる。
第2照明灯36Bは、第2作業車両1Bの前部に設けられた前照灯を含み、第2制御装置60Bは、第1進行方向X1と第2進行方向X2とは同じ場合には前照灯の減光は行わず、第1進行方向X1と第2進行方向X2とが向き合う場合には、前照灯の減光を行う。これによれば、第2作業車両1Bの第2照明灯36Bから照射した光が第1作業車両1Aの運転者の目線に入りやすいときに適切に減光することができる。
【0050】
第2照明灯36Bは、後部に設けられた作業灯38を含み、第2制御装置60Bは、第1進行方向X1と第2進行方向X2とが向き合って第1作業車両1Aと第2作業車両1Bとがすれ違う場合に、作業灯38を点灯する。これによれば、第1作業車両1Aと第2作業車両1Bとがすれ違う場合に、第1作業車両1Aの前方を照らすことができ、第1作業車両1Aの前方の視界を第2作業車両1Bの作業灯38によって補うことができる。
【0051】
作業車両の協調走行システムは、第1作業車両1A及び第2作業車両1Bの車体位置を表示する表示装置45を備え、表示装置45は、第2照明灯36Bの減光及び/又は点滅するタイミングを設定可能である。これによれば、作業状態や圃場状態などに応じて、任意に第2照明灯36Bの減光及び/又は点滅するタイミングを変更することができ、作業性を向上させることができる。
【0052】
表示装置45は、タイミングとして第1作業車両1Aと第2作業車両1Bの相対する距離SD2を入力する距離入力部303を有している。これによれば、作業状態、圃場状態、作業車両の大きさ、第2照明灯36Bの仕様等に応じて、距離SD2を入力することができる。
表示装置45は、タイミングとして第1作業車両1Aと第2作業車両1Bのすれ違うまでの時間((すれ違い判定時間)を入力する時間入力部304を有している。これによれば、作業状態、圃場状態、作業車両の大きさ、第2照明灯36Bの仕様等に応じて、すれ違い判定時間を入力することができる。
【0053】
第1作業車両1Aは有人作業車両であり、且つ第2作業車両1Bは無人作業車両である。これによれば、第1作業車両1Aが有人で運転している場合の眩しさを軽減することができる。
作業車両(第1作業車両1A、第2作業車両1Bは、作業車両の協調走行システムを搭載している。即ち、作業車両の協調走行システムとして、第1作業車両1Aは、第1照明灯36A、第1制御装置60A及び第1測位装置40Aを備え、第2作業車両1Bは、第2照明灯36B、第2制御装置60B及び第2測位装置40Bを備えている。そのため、少なくとも2台の作業車両が協調して走行を行う場合に適正な照明を行うことができる。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1A:第1作業車両
1B:第2作業車両
36A:第1照明灯
36B:第2照明灯
38: 作業灯
45:表示装置
40A:第1測位装置
40B:第2測位装置
60A:第1制御装置
60B:第2制御装置
X1:第1進行方向
X2:第2進行方向
303:距離入力部
304:時間入力部