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特許7144910独立案内搬送体を使用して製品を同時に生産するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】独立案内搬送体を使用して製品を同時に生産するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/00 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
B67C3/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020542615
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019020891
(87)【国際公開番号】W WO2019173433
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/639,527
(32)【優先日】2018-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】ロイス、ダニエル・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウェイル、ダリル・ジョゼフ・ザ・セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ソーイン、フィリップ・アンドルー
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第92/006419(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/109977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性製品を生産するためのシステムであって、
流動性材料を保持するための複数の容器と、
容器用の複数の搬送体であって、容器は、それぞれの搬送体上に配置されて、容器積載搬送体を形成し、複数の容器積載搬送体が存在している、複数の搬送体と、
容器積載搬送体が推進可能であるワークスペースであって、容器積載搬送体が推進可能である前記ワークスペースのうちの少なくとも一部分はトラックレスである、ワークスペースと、
前記ワークスペース内に配置され、少なくとも1つの容器積載搬送体に対して容器処理操作を実施するように構成された少なくとも1つのユニット操作ステーションであって、
前記複数の容器積載搬送体のうちの少なくともいくつかは、
前記容器のうちの少なくともいくつかに対して容器処理操作を実施するために前記容器のうちの少なくともいくつかを前記少なくとも1つのユニット操作ステーションに配送するように、
制御システムを使用して前記ワークスペースの前記少なくとも一部分を通じて独立にルーティング可能である、少なくとも1つのユニット操作ステーションと備え、
前記制御システムは、前記搬送体のうちの少なくとも1つと通信し、
前記搬送体のうちの前記少なくとも1つは、前記制御システムによって独立に制御され、
前記システムは、前記制御システムによって制御されない少なくとも1つの搬送体を更に備え、
前記制御システムによって制御されない前記搬送体は、前記制御システムによって制御される少なくとも1つの搬送体に連結され、それに従う、システム。
【請求項2】
前記ワークスペースは、前記搬送体のうちの少なくとも1つが走行する少なくとも1つの表面を画定し、
前記表面の少なくとも一部分は、前記搬送体上で輸送されている前記物品を撹拌するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記搬送体のうちの少なくとも1つは経路に沿って走行し、
前記システムは、前記搬送体の移動が前記搬送体上で輸送されている前記物品の撹拌を引き起こすように、前記経路の少なくとも一部分に沿った前記搬送体の移動を制御するように構成されている、請求項1~2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
単一の製造システムにおいて異なる流動性製品を同時に生産するための方法であって、
請求項1に記載のシステムを提供するステップであって、前記搬送体のうちの少なくともいくつかは、前記制御システムを使用して前記ワークスペースの少なくとも一部分を通じて独立にルーティング可能である、ステップと、
複数の空容器を提供するステップであって、前記容器は第1の容器と第2の容器とを含む、ステップと、
複数の搬送体を提供するステップと、
搬送体上に前記第1の空容器を積載して容器積載搬送体を形成するステップと、
搬送体上に前記第2の空容器を積載して容器積載搬送体を形成するステップと、
流動性製品が前記第1の容器の中に分配される充填ユニット操作ステーションに前記容器積載搬送体のうちの1つを送ると同時に、異なる流動性製品が前記第2の容器の中に分配される充填ユニット操作ステーションに前記容器積載搬送体のうちの別の1つを送るステップと、を含む、方法。
【請求項5】
前記ユニット操作ステーションは、少なくとも2つの充填ユニット操作ステーションを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記容器処理操作は、充填操作、装飾操作、及び閉栓操作からなる群から選択される、請求項1~3、5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記装飾操作は、材料の堆積、物品への転写、前記物品の特性の変容、又はこれらの組み合わせによって前記物品を装飾する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記搬送体は可動積荷プラットフォームを備える、請求項1~3、5~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの搬送体が1つ以上のオムニホイールを備える、請求項1~3、5~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
1つ以上のオムニホイールを備える前記少なくとも1つの搬送体は、任意の方向に走行し得る、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは最高100台の搬送体を備え、前記最高100台の搬送体のうちの少なくとも2台が接続されている、請求項1~3、5~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのユニット操作ステーションが、搬送体上に物品を荷積みすること、搬送体から物品を荷下ろしすること、充填すること、閉栓すること、開栓すること、検査すること、装飾すること、混合すること、組み立てること、容器のすべて若しくは一部を形成すること、容器の構成要素を寄せ集めること、メンテナンス、シュリンクラップすること、計量すること、真空適用、真空リチャージ、又はこれらの組み合わせからなるステーションから選択される、請求項1~3、5~11のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
独立誘導搬送体を使用して製品を同時に生産するためのシステム及び方法が本明細書に記載される。
【背景技術】
【0002】
様々な製品を生産するための多数のタイプのシステム及び方法が現在用いられている。多くの現在の製造プロセスのタイプは、単一タイプの大量の製品を1つ以上の製造ライン上で大規模に生産するように設計された大量生産プロセスである。このような製造ラインは一般に、単一のタイプの製品を作製する目的に大いに役立つが、これらの製造ラインは、異なるタイプの製品を作製するには十分に適しておらず、あるいは所与の製品への変更を行うには十分に適していない。消費者に多様な製品ラインを提供するために、製造者は、高価でかつ空間集約的となり得る、多数の異なる高速製造ラインを採用しなければならない。あるいは、製品の変更を行うために、製造業者は、製造ライン上での生産を停止して製造ラインに変更を加えなければならない。そのような切り換えは、多くの場合、関連する機器のダウンタイムが原因で時間と費用を浪費することになる。
【0003】
例えば、高速容器充填システムは周知であり、多くの異なる産業で用いられている。このシステムの多くにおいて、流体は、一連のポンプ、加圧タンク及び流量計、流体充填ノズル、並びに/又はバルブにより充填される容器に供給されて、正確な量の流体が容器に確実に分配されるようになっている。これらの高速容器システムは、典型的には、単に1つのタイプの容器に1つのタイプの流体を充填するように構成される。異なる容器タイプ及び/又は異なる流体がシステムから所望されるとき、システムの構成が変更されなければならず(例えば、異なるノズル、異なる搬送システムなど)、これは、時間が掛かり、コストが掛かり、及びダウンタイムの増加を結果としてもたらし得る。
【0004】
これらの高速容器充填システムはまた、典型的には、異なる容器及びパッケージ内の容器の構成を、容器及び/又はパッケージの手作業なしで提供することができず、これは、時間及び高い頻度で費用が掛かり、かつ頻不正確であり得る。
【0005】
MagneMotion,Inc.(Devens,MA,U.S.A)から入手可能なMAGNEMOVER LITE(登録商標)リニア同期モータシステムなどのトラックシステムが、血液試料の分析など、様々な目的で物品を搬送するためのものとして知られている。MagneMover(登録商標)LITEインテリジェントコンベアシステム及びその構成要素は、米国特許第6,011,508号、米国特許第6,101,952号、米国特許第6,499,701号、米国特許第6,578,495号、米国特許第6,781,524号、米国特許第6,917,136号、米国特許第6,983,701号、米国特許第7,448,327号、米国特許第7,458,454号、及び米国特許第9,032,880号に記載されている。このようなトラックシステムは、物品を独立してかつ異なる速度で搬送し得るという利点を有する。しかしながら、このようなトラックシステムは高価であり、また、搬送されているときに物品がトラック上に留まる必要があり、それらの移動の方向がトラックの構成に限定されるという点で限界がある。
【0006】
在庫品を輸送するためのトラックレスシステムが知られている。そのようなシステムは、米国特許第7,912,574(B2)号、米国特許第8,805,574(B2)号、及び米国特許出願公開第2016/0334799(A1)号に記載されている。しかしながら、はるかに高いレベルの精度が要求されるため、トラックレスシステムを使用して製品を製造しようとする際に問題が生じる。例えば、独立誘導搬送体上のボトルに充填することが望まれる場合、充填ノズルの下方にボトルの口を正確に位置合わせすることが困難となる。米国特許第8,798,787号には、いくつかの種類の製品を組み立てるためのトラックレスシステムが開示されている。しかしながら、流動性製品を生産するためのシステム及び方法の記載はなく、それに伴う固有の問題を解決するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第6,011,508号
【文献】米国特許第6,101,952号
【文献】米国特許第6,499,701号
【文献】米国特許第6,578,495号
【文献】米国特許第6,781,524号
【文献】米国特許第6,917,136号
【文献】米国特許第6,983,701号
【文献】米国特許第7,448,327号
【文献】米国特許第7,458,454号
【文献】米国特許第9,032,880号
【文献】米国特許第7,912,574(B2)号
【文献】米国特許第8,805,574(B2)号
【文献】米国特許出願公開第2016/0334799(A1)号
【文献】米国特許第8,798,787号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、従来の製造ライン上又はトラックシステム上で物品を生産することに限定されない、製品を生産するシステム及び方法を提供することが有利となろう。より多角的な製品を生産すると共に、異なる製品を同時に生産し得るシステム及び方法を提供することが有利となろう。手動の包装を必要とせずに注文をオンデマンドで処理することを可能にするシステム及び方法を提供することもまた有利となろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
独立誘導搬送体を使用して製品を同時に生産するためのシステム及び方法が開示される。
【0010】
本システム及び方法は、任意の好適なタイプの製品を製造するために使用され得る。このような製品は、流動性製品又は組み立て製品を含み得る。流動性製品及び組み立て製品を生産するためのシステム及び方法のいくつかの非限定的な例が以下に要約されている。
【0011】
本システム及び方法は、自動化システムと複数の搬送体を利用するものであり、それらの搬送体のうちの少なくともいくつかは、システム全体にわたって独立にルーティング可能であり得る。少なくとも第1の物品と第2の物品とを含む複数の物品が提供される。第1及び第2の物品は、生産される製品の構成要素を含む。搬送体のうちの少なくともいくつかは、少なくとも2つのユニット操作ステーションのうちの少なくとも1つに第1及び第2の物品を配送するように、システム全体にわたって独立にルーティング可能であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つの物品積載搬送体は、製品の生産における工程が実施されるユニット操作ステーションに送られ、それと同時に、当該物品積載搬送体のうちの別の1つは、異なる製品の生産における工程が実施されるユニット操作ステーションに送られる。
【0013】
いくつかの実施形態では、流動性材料を保持するための複数の容器と、容器用の複数の搬送体と、誘導式容器積載搬送体を独立にルーティングするためのシステムと、を含む、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。本システムはまた、容器積載搬送体の少なくとも1つの容器又はその中身に対する容器処理操作を実施するように構成された少なくとも1つのユニット操作ステーションを備える。複数の容器積載搬送体は、容器のうちの少なくともいくつかに対して容器処理操作を実施するための少なくとも1つのユニット操作ステーションに容器のうちの少なくともいくつかを配送するために、システム全体にわたって独立にルーティング可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の第1の容器と、複数の第2の容器と、システム内に配置された少なくとも2つのユニット操作ステーションと、システム全体にわたって推進可能な複数の搬送体と、を備える、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。複数の第1の容器の各々は、流動性材料を保持するための形状、外観、開口部、及び容積を有する。複数の第2の容器の各々は、流動性材料を保持するための形状、外観、開口部、及び容積を有する。第2の容器の各々の形状、外観、及び容積の1つ以上は、それぞれ第1の容器の各々の形状、外観、及び容積の1つ以上と異なる。第1の容器の1つ以上、及び第2の容器の1つ以上は、それぞれの搬送体上に配置され、1つ以上の第1の容器及び第2の容器は、それぞれの搬送体上に最初に配置されることになるときに空である。複数の搬送体は、第1の容器と第2の容器を異なるユニット操作ステーションに同時に配送することを容易にするように、システム全体にわたってルーティング可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、流動性材料を保持するための少なくとも1つの容器と、複数のユニット操作ステーションと、システム全体にわたって推進可能な複数の搬送体と、を備える、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。容器は、少なくとも1つの開口部を有し、少なくとも1つの蓋が、容器の開口部を選択的に封止するために提供される。システム内にある複数のユニット操作ステーションの1つは、流動性材料を容器の中に分配するように構成されている。各容器は、それぞれの搬送体上に配置され、複数の搬送体は、蓋を容器上に適用するための少なくとも1つのユニット操作ステーションに少なくとも1つの容器及び少なくとも1つの蓋を配送するように、システム全体にわたって独立にルーティング可能である。
【0016】
いくつかの実施形態では、流動性材料を保持するための少なくとも1つの第1の容器及び少なくとも1つの第2の容器と、流動性材料を分配するための少なくとも1つのユニット操作ステーションと、システム全体にわたって推進可能な複数の搬送体と、を備える、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。第1の容器及び第2の容器は、同一又は異なる搬送体上に配置される。各搬送体は、第1の容器及び第2の容器を少なくとも1つのユニット操作ステーションに配送するために、システム全体にわたって独立にルーティング可能である。第1の容器及び第2の容器は、1つ以上の充填ユニット操作ステーションによって分配された1つ以上の流動性材料を受容するものであり、充填ユニット操作ステーションは、第1及び第2の容器内の第1及び第2の流動性組成物が互いに異なるように流動性材料を分配するように構成されている。第1及び第2の流動性組成物は、以下の方式の1つ以上において異なり得る。第1の容器内の流動性組成物の少なくとも1つの成分の存在又はタイプと、第2の容器内の流動性組成物の少なくとも1つの成分の存在又はタイプとの違いが存在してもよい。追加的又は代替的に、第1及び第2の容器内の流動性組成物は、少なくとも1つの共有成分を有し、次の関係、すなわち、(a)2つの流動性組成物中の同一成分の重量パーセントの差が、2つの流動性組成物中により多い量で存在する成分の重量パーセントを2つの流動性組成物中により少ない量で存在する同一成分の重量パーセントで除算することによって決定されたときに約1.1以上である、(b)第1及び第2の容器の両方に共通の成分のうちの少なくとも1つの重量パーセントが少なくとも2%の量で2つの流動性組成物中に存在するとき、2つの流動性組成物中の同一成分の重量パーセントの差が2%以上である、の少なくとも1つが存在する。
【0017】
いくつかの実施形態では、流動性材料を保持するための複数の容器と、システム内に配設された複数のユニット操作ステーションと、システム全体にわたって推進可能な複数の搬送体と、を備える、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。各容器は、搬送体のうちの1つの上に配設され、各搬送体は、容器を少なくとも1つのユニット操作ステーションに配送するためにシステム全体にわたって独立にルーティング可能である。搬送体のうちの少なくともいくつかは、異なる最終製品の同時生産を容易にするために制御システムによって割り当てられた、システム全体にわたって固有のルートと関連付けられている。
【0018】
いくつかの実施形態では、流動性材料を保持するための複数の容器と、容器のための複数の搬送体と、システム内に配設され、少なくとも1つの最終製品を協働して製作するように構成された複数のユニット操作ステーションと、を備える、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。各容器は、搬送体上に配設され、複数の搬送体は、容器のうちの少なくともいくつかを少なくとも1つのユニット操作ステーションに配送するためにシステム全体にわたって独立にルーティング可能である。システムは、1つ以上のコントローラユニットを含む制御システムを更に備え、制御システムは、作製される最終製品に関する要求を受信し、1つ以上のユニット操作ステーションのステータスに基づいて決まる搬送体のルートを決定し、当該要求された最終製品のうちの1つ以上を製作するために、当該決定されたルートに沿って進行するように搬送体を推進させ、荷下ろしステーションに1つ以上の最終製品を配送する。
【0019】
いくつかの実施形態では、単一の生産ライン上で異なる流動性製品を生産する方法が提供される。本方法は、(a)容器積載搬送体が推進可能であるシステムを提供するステップと、(b)第1の容器及び第2の容器を含む複数の空容器を提供するステップと、(c)複数の搬送体を提供するステップと、(d)第1及び第2の空容器を1つ又は2つの搬送体上に積載するステップと、(e)流動性製品が第1の容器の中に分配される充填ユニット操作ステーションに容器積載搬送体のうちの1つを送り、異なる流動性製品が第2の容器の中に同時に分配される充填ユニット操作ステーションに、容器積載搬送体のうちの別の1つを送るステップと、を含む。ステップ(a)~(c)は、任意の適切な順序で起こり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、任意の1つの操作ステーションから任意の他の操作ステーションにルーティングする間の製品の混合又は撹拌を含む、流動性製品を作製するためのシステムが提供される。この混合は、容器を輸送する搬送体の車上に存在する多数の車上混合装置のうちのいずれかによって提供されてもよく、あるいは混合は、1つ以上の容器を運搬する搬送体全体を振盪することによって提供されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、製品が組み付けられるホルダと、構成要素を組み立てて最終製品を製作するように構成された、システム全体にわたって配設された複数のユニット操作ステーションと、システム全体にわたって推進可能な複数の搬送体と、を備える、組み立て製品を作製するためのシステムが提供される。各ホルダは、搬送体のうちの1つの上に配置され、各搬送体は、組み立て操作が実施される少なくとも1つのユニット操作ステーションにホルダを配送するように、システム全体にわたって独立にルーティング可能であり得る。組み立てのための構成要素は、ユニット操作ステーションに外部供給システムによって配送されてもよく、あるいは複数の搬送体のうちの1つによって配送されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、カスタマイズ製品を形成するために第1の物品を運搬する第1の搬送体がルーティング可能となり、大量生産された製品の第2の流れを形成するために、第2の物品を運搬する第2の搬送体が、第1の物品とは別の製品の流れにおいてルーティング可能となるように、第1の物品を運搬する第1の搬送体及び第2の物品を運搬する第2の搬送体がルーティング可能となり得る。
【0023】
本明細書に記載される実施形態又はその特徴のいずれも、任意の好適な様式で、他の実施形態、又はその特徴のうちのいずれかと組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示は、以下の説明文を添付の図面と共に考慮することでより深い理解が得られるものと考えられる。
図1】製品を生産するためのシステムの一実施形態を示す概略平面図である。
図2】製品を生産するためのシステムの代替的な構成の概略平面図である。
図3】システム内の異なる階の間で搬送体を輸送するための、異なる階及び傾斜面を有するシステムの概略斜視図である。
図4】異なる階と、それらの階の間で物品を輸送するためのエレベータと有するシステムの一部分の部分概略図である。
図5】搬送体及び搬送体に関連付けられる容器の一実施形態の分解斜視図である。
図6A】ボトルの形態をなす容器を上に備えた、図5に示す搬送体の斜視図である。
図6B】パッケージ及びパレットを上に備えた、図5に示す搬送体の斜視図である。
図6C】ドラムの形態をなす容器を上に備えた、図5に示す搬送体の斜視図である。
図6D】パウチの形態をなす容器を上に備えた、図5に示す搬送体の斜視図であり、搬送体にはパウチを開放するための機構が設けられている。
図6E】搬送体のトレーンを形成するように互いに接続されたいくつかの搬送体の斜視図である。
図7】充填/閉栓ステーションを示す斜視図である。
図8A】搬送体がユニット操作ステーションの近傍に運ばれたときに搬送体を取得するための機構の一実施形態を示す斜視図である。
図8B】閉鎖位置にある図8Aの搬送体を取得するための機構を示す斜視図である。
図8C】搬送体がユニット操作ステーションの近傍に運ばれたときに搬送体を取得するための機構の別の実施形態を示す斜視図である。
図8D】搬送体がユニット操作ステーションの近傍に運ばれたときに搬送体を取得するための機構の別の実施形態を示す斜視図である。
図9】本明細書に記載されるシステムのための制御システムの概略図である。
図10】制御システムによって実現される制御ルーチンの一実施形態の順位付けフェーズを示すフローチャートである。
図11】制御システムによって実現される制御ルーチンの要求伝播フェーズの一実施形態を示すフローチャートである。
図12】制御システムによって実現される制御ルーチンの有効ルート識別フェーズの一実施形態を示すフローチャートである。
図13A】制御システムによって実現される制御ルーチンのルートランク付けフェーズの一実施形態の各部を示すフローチャートである。
図13B】制御システムによって実現される制御ルーチンのルートランク付けフェーズの一実施形態の各部を示すフローチャートである。
図14】組み立て製品を作製するために使用されるシステムの概略図である。
図15】組み立て製品を運搬する搬送体の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
本明細書で用いられる「物品」という用語は、製品、パッケージ、ラベル、又は前述のいずれかの任意の部分、構成要素、若しくは部分的に形成された部品を指す。流動性製品の場合、物品は容器及び/又はその内容物を含み得る。複数の物品が存在する場合、それらは、第1の物品、第2の物品、第3の物品などと称され得る。
【0026】
本明細書で用いられる「組み立て製品」という用語は、異なる構成要素を組み立てて(すなわち、機械的に接合して)完全な物品を形成することによって形成される製品を指す。本明細書で用いられるとき、容器に流動性製品を充填すること、そのような容器にラベル付けすること、及びそのような容器に蓋を適用することは、構成要素を一緒に機械的に接合することによって流動性製品自体が形成されるわけではないため、流動性製品を「組み立て製品」にすることとは見なされない。
【0027】
本明細書で用いられる「閉栓」という用語は、任意の適切なタイプの蓋を容器に適用することを指し、限定されるものではないが、キャップを容器に適用することを含む。
【0028】
「制約」という用語は、「1つ以上のユニット操作ステーションに到着する上での制約」のように本明細書に使用される際、1つ以上のユニット操作ステーションに到着する搬送体に対する限定又は制限を指す。1つ以上のユニット操作ステーションに到着する上での制約の例としては、満載ではないインフィードキューと、特定のパッケージを形成するために1つ以上の容器が1つ以上の他の容器の前に到着する要件と、が挙げられる。
【0029】
本明細書で用いられる「消費者」という用語は、製品の対象ユーザを指す。
【0030】
本明細書で用いられる「消費者製品」という用語は、消費者によって定期的にかつ頻繁に消費され、補充される必要がある消耗品を含むが、これらに限定されない。消費される頻度がより低い1つ以上の構成要素(カミソリ刃ハンドルなど)と、より頻繁に補充される構成要素(カミソリ刃など)とを含む消費者製品の構成要素は共に、また単独で、消費者製品を構成すると考えられる。用語「消費者製品」は、業界で「日用消費財」(fast moving consumer goods、FMCG)として知られているものを含み得る。用語「消費者製品」は、場合によっては、耐久性のある消費者製品(着用及び再着用されることが意図される靴及び織物製品など)を除外するものとして指定され得る。処方薬は頻繁に消費されているが、場合によっては、用語「消費者製品」は、処方薬を除外するものとして指定され得る。
【0031】
本明細書で用いられる「容器」という用語は、流動性材料等の材料を保持することができる物品を指し、限定されるものではないが、ボトル、単位用量のポッド、パウチ、小袋、箱、パッケージ、缶、及びカートンを含む。容器は、全体又は一部に剛性、可撓弾力性、又は可撓性の構造を有し得る。
【0032】
本明細書で用いられる「容器積載」という用語は、その上に配置された1つ以上の容器を有することを意味する。
【0033】
本明細書で用いられる「容器処理操作」という用語は、次のユニット操作、すなわち、(a)流動性材料を容器内に分配するための充填操作ステーション、(b)装飾操作、及び(c)閉栓操作、のうちの1つ以上を指す。「容器処理操作」という用語は、容器を搬送体に積載する及び/又は搬送体から荷下ろしする操作を含まない。「容器処理操作」という用語が容器積載搬送体上で実施されるように言及されるとき、操作が、必要に応じて、容器及び/又はその中身に対して実施され得ることが理解される。
【0034】
本明細書で用いられる用語「顧客」という用語は、流通業者、又は店舗若しくはチェーン店などの小売業者を指す。
【0035】
本明細書で用いられる「カスタマイズ製品」という用語は、顧客又は消費者によって選択される特性及び/又は特徴を有する物品を指し、その場合(その後に)物品は、顧客又は消費者の特性及び/又は特徴の選択に従って製造される。カスタマイズ製品は、大量生産製品(以下に定義される)と区別可能である。それらの特性又は特徴としては、限定するものではないが、製品のサイズ又は量(ただし、カスタマイズ製品として適格となり、製造業者の通常の大量生産(例えば、量又は総数)による製品提供と製品が区別されるように、少なくとも1つの他の特性又は特徴がサイズ又は数量と組み合わされるべきである);製品のバージョン(例えば、「高強度」、「ドライヘア用」、「オイリーヘア用」など);SKU番号;製品、容器、又はパッケージ上の装飾、ラベル、又は画像;製品及び/又はユーザの名前であり得る、製品、容器、又はパッケージ上に配される名前(例えば、「お父さんの洗濯物」、共通の所与の名前のリストから選択された人の名前など);製品の色が挙げられ、また流動性製品の場合、該当すれば前述のうちのいずれか、並びに、組成、香気、容器のタイプ、容器の形状、容器の色、容器上の装飾、蓋及び/又はディスペンサのタイプが挙げられる。顧客又は消費者にはまた、製品が特定の特性又は特徴を有さないようにする(例えば、香りなし、漂白剤なしなど)選択肢が与えられ得る。特性及び/又は特徴は、製造業者によって提供される既定の(限定された)数のオプション(すなわち、ピックリストから)から選択され得る。代替的に、顧客又は消費者には、(以下に定義される個人化製品を創成するために)実質的に無制限の数の可能な選択肢から特性及び/又は特徴を選択する能力が与えられてもよい。「カスタマイズ製品(複数可)」という用語は、非個人化製品と個人化製品との両方を含む。場合によっては、「カスタマイズ製品」について言及するとき、前述の特性又は特徴のうちの1つ以上(one of more)を除外することが望ましいこともある。
【0036】
本明細書で用いられる「装飾」という用語は、直接適用されるか、物品に転写されるか、若しくは物品の特性を変容させることによるか、又はそれらの組み合わせである、材料付着によって適用される視覚、触覚、又は嗅覚の効果を指す。物品に直接適用される材料付着の例としては、限定されるものではないが、物品にラベルを適用すること(ラベリング)、並びに/又は物品の少なくとも一部分若しくは物品の構成要素に印刷及び/若しくはスプレーコーティングすることが挙げられる。物品の表面に材料を転写せずに物品の特性を変容させることの一例は、レーザによって物品の表面上に画像を付与することである。本明細書で用いられる「装飾」という用語は、装飾を適用する行為を指す。
【0037】
「異なる最終製品」という用語は、流動性製品に関して本明細書で用いられるとき、限定されるものではないが、容器容積、容器形状、容器サイズ、収容される材料の体積若しくは質量、含有成分、収容される流動性製品組成物、容器若しくは蓋の外観、蓋タイプ、容器組成物、蓋組成物、又は他の最終製品属性が異なることを含む。容器(及び蓋)の「外観」は、その色、及び容器(及び蓋)上の任意のラベル又はラベルの内容を含む容器(及び蓋)の任意の装飾を指す。組み立て製品に関して本明細書で用いられるとき、「異なる最終製品」という用語は、限定するものではないが、外観が異なること、特徴の有無(例えば、個人化)若しくは構成要素の有無(例えば、製品にオプションの構成要素が設けられているか否か)、製品を構成する構成要素が異なること(例えば、1つの製品は、構成要素A、B、及びCを有してもよく、別の製品は、構成要素A、B、及びC’を有してもよく、あるいはA、B、及びDを有してもよい)、又は、他の最終製品属性を含む。最終製品が上記に挙げられる特性のうちの1つ以上において互いに異なると説明されるとき、製造公差内のばらつきの結果であるわずかな差以外の、それらの差を含むことを意味する。
【0038】
本明細書で用いられる「異なる流動性製品」という用語は、状態(例えば、液体、固体、又は非ヘッドスペースガス)、流動性製品中の物質のうちの1つ以上の状態の異なる量、成分の差、流動性製品中の1つ以上の成分の異なる量、観察可能な特性(色、香り、粘度等の観察者によって知覚又は測定されるもの)、任意の固体粒子の粒径、及び他の特性等の、少なくとも1つの特性が異なることを意味する。流動性製品が上記に挙げられる特性の1つ以上において互いに異なると説明されるとき、製造公差内のばらつきの結果であるわずかな差以外の、それらの差を含むことを意味する。2つの異なる流動性製品間のそれらのそれぞれの成分に基づく差に関して、それは、2つの流動性製品のうちの1つが他の流動性製品にはない成分を含む場合を意味する。2つの異なる流動性製品中の少なくとも1つの同一成分の異なる量に関して、それは、2つの異なる流動性製品が各々、以下の方法の一方又は両方によって決定される、重量に基づく最小又はより大きい差を有する少なくとも1つの同一成分を含有する場合を意味する。両方の方法は、各流動製品のそのそれぞれの最終製品と関連付けられたそれぞれの容器によって収容された流動性製品の総量の総流動性製品重量の重量パーセントとしての、各々異なる配合中の当該同一成分の割合の知識に依拠する。方法1は、2つの流動性製品中の同一成分の重量パーセントの比率が、2つの流動性製品のうちの大きい方の重量パーセントを、2つの流動性製品のうちの小さい方の重量パーセントで除算することによって決定されるときに、約1.1以上(及び、したがって、約1.25以上)である場合、2つの流動性製品が異なると決定する。方法2は、2つの流動性製品のうちの大きい方の重量パーセントを2つの流動性製品のうちの小さい方の重量パーセントで減算することによって決定されるときに、流動性材料の各々が最小で2%以上(重量パーセントで表現される)、及び2つの流動性製品中の同一成分の重量パーセントの差が約2%以上、又は99%以下の任意の整数%値で、同一成分の重量パーセントが各々存在するときに適用する。異なる流動性製品は、最終製品内に含有された流動性製品(複数可)の重量の和の合計を指し、流動性製品(複数可)は、1つ又は複数の流動性製品収容チャンバ内に収容され得る。非ヘッドスペースガスは、加圧ガスを指し、この例としては、容器に構造支持又は形状定義を提供する封止されたチャンバのための、エアロゾル製品用等のプロペラントガス、及び加圧ガスが挙げられる。
【0039】
「上に配設された」又は「その上に配設された」という用語は、搬送体上の物品(容器積載搬送体上の容器など)に関して本明細書で用いられるとき、保持されること、固定されること、又は別様に着脱可能な様式で連結されることのうちのいずれかを意味する。物品(容器など)が搬送体上に配設されているとして説明されるとき、その物品(複数可)は、搬送体に対して任意の適切な向きであり得、この向きは、限定されるものではないが、搬送体の頂部、搬送体の下、搬送体の側面のうちの1つ以上の近傍、又は(搬送体上に配設された2つ以上の容器が存在する場合)それらの組み合わせを含む。
【0040】
ステーションに関する「高速サイクル」という用語は、計量ステーション、スキャナ(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、RFIDコードなどをスキャンするための)、ビジョンシステム、金属検出器、他のタイプのステーション等の検査ステーションを指し、かかるステーションで実施されるタスクは、少なくともいくつかの他のユニット操作ステーションに対して最短時間で実行される。例えば、高速サイクルステーションのうちのいくつかの場合、搬送体がステーションで停止することなくステーションを越えて移動するときに、そのステーションでタスクが実施され得る。
【0041】
本明細書で用いられる「最終製品」という用語は、顧客又は消費者に配送するためのその最終形態又は状態にある製品を指す。組み立てを必要とする製品(組み立て製品)の場合、そのような製品は完全に組み立てられ、その上に任意の所望の装飾を有することになる。そのような最終組み立て製品は、製品が典型的には小売環境内の顧客の店舗棚上に配置される、任意の1次パッケージを含んでもよい。流動性製品の場合、そのような製品は、以下に定義されるように、最終流動性製品である。
【0042】
本明細書で用いられる「最終流動性製品」という用語は、容器、その中の流動性材料(又は内容物)、容器上の任意の装飾、及び容器上の蓋を含む。最終流動性製品は、一部又は全部が流動可能又は流動性であり得る。
【0043】
本明細書で用いられる「流動性製品」(又は「流動性材料」)という用語は、液体製品、ゲル、スラリー、流動性ペースト、注入可能な固体製品(限定されるものではないが、顆粒状材料、粉体、ビーズ、及びポッドを含む)、及び/又はガス製品(限定されるものではないが、エアロゾルに使用されるものを含む)のうちのいずれかを指す。
【0044】
本明細書で用いられる「インフィードキュー」という用語は、ユニット操作ステーションが搬送体を受け入れることができるようになるまで搬送体が待機する領域を指す。インフィードキューは、この領域内で待機し得る搬送体の数を単位として表され得る。異なるユニット操作ステーションは、同一のインフィードキューの長さ又は異なるインフィードキューの長さのいずれかを有し得る。それゆえに、いくつかのユニット操作ステーションのキュー長さは、他のユニット操作ステーションのキュー長さよりも短いか、又は長い場合がある。インフィードキューは、(いくつかの搬送体が使用される場合)0(所与の搬送体の正面で待機することができる搬送体がない場合)~100台の搬送体の範囲であり得る。いくつかの場合において、キュー長さは、約2~10台の搬送体であり得る。
【0045】
本明細書で用いられる「検査」という用語は、走査すること、計量すること、物品(製品の構成要素、又は、流動性製品の場合、物品は容器であってもよい)の存在若しくは向きを検出すること、欠損若しくは欠陥を検出し、機器及び/若しくは搬送体上の摩耗及び引き裂きを検出すること、又は他の種類の検査のうちのいずれかを含み得る。検査は、計量ステーション、(例えば、バーコード、QRコード、RFIDコードなどを走査するための)スキャナ、ビジョンシステム、金属検出器、及び他のタイプのステーション又は装置によって実施され得る。
【0046】
「混合式」という用語は、生産のシステム及び方法を説明するために本明細書で用いられるとき、ある期間の間に(例えば、同時に)同じシステム内で行われる生産を指す。用語「混合式」生産は、ある期間中に同じシステムを用いて、異なる最終製品、又はそれらの任意の部品若しくは一部を生産することを含む。例えば、混合式生産は、異なる最終製品を構成する製品Aと製品Bとを同じシステムで生産することを含み得る。製品は、同じ仕上げ段階にあってもよく、あるいは生産中の任意の所与の時点における異なる仕上げ段階にあってもよい。任意の所与の時間において、システムは、任意の順序で製品Aと製品Bを製造していてもよく、また任意の順序(例えば、ABA;ABBA;など)でそのような製品のアウトプットを生産していてもよい。混合式生産は、2つの異なる最終製品を生産することに限定されない。混合式生産は、任意の好適な数の異なる製品(例えば、製品A、B、C、Dなど)を、2種類の製品から実質的に無制限の種類の異なる製品を任意の順序(例えば、製品A、B、及びC又は製品A、B、及びG)で作製し得るものである。そのような異なる可能な製品は、個人化される場合、10,000、あるいは最大で1千万以上の数に及び得る。したがって、「混合式」生産という用語は、(1)(同一の製造現場又は異なる製造現場のいずれかの)異なる生産/製造ライン上で異なる最終製品を製造すること、又は(2)1つの製品、製品Aを製造ライン上で作製し、製品Aの生産を停止して製品Bを作製するように、製造ラインを切り換えること(逐次的な切り換え)、を含まない。「混合式」生産を含まないこのような逐次的な切り換えは、そのような切り換えが、数分(例えば、3分)毎よりも短い頻度で発生するものである。
【0047】
本開示をとおして用いられる「接合された」という用語は、要素を他の要素に直接固定することによって、要素が別の要素に直接固設されている構成、要素を中間部材に固定し、次いで、中間部材が他の要素に固定されることによって、要素が他の要素に間接的に固設されている構成、及び1つの要素が別の要素と一体的である、すなわち、1つの要素が本質的に他の要素の一部である構成を包含する。
【0048】
本明細書で用いられる「大量生産」、「大量生産型」などの用語は、少なくとも数百(及び場合によっては数千)の同じ製品が所与の日に生産される自動化又は半自動化プロセスを指す。「大量生産」及び「大量生産型」の定義において用いられるように、「同じ製品」は、製造公差、シリアルコード、又は有効期限における任意の違いを除いて、すべての物質的側面(サイズ、形状、装飾など)において同じである製品のバージョンの複数のコピーを指す。大量生産型製品は、その特定の製品の顧客又は消費者によってではなく、その製品の製造業者又は生産者によって選択される特性を有する。典型的には、大量生産型製品は、顧客又は消費者が注文を選択するか又は発注する前に製造される。
【0049】
本明細書で用いられる「非個人化カスタマイズ製品」という用語は、(以下に定義されるように)個人化製品ではないカスタマイズ製品を指す。したがって、非個人化カスタマイズ製品は、特性及び/又は特徴が、製造業者によって提供される既定数の(限定された)オプションから(すなわち、ピックリストから)から選択され得るものである。
【0050】
「操作」という用語は、ユニット操作ステーションで起こる活動に関して本明細書に使用される際、変容及び検査を含む。
【0051】
本明細書で用いられる「パッケージ」という用語は、消費者製品上又はその周囲に少なくとも部分的に配置される構造又は材料を意味する。「1次パッケージ」は、例えば、流動性製品の場合、消費者製品が直接接触している容器を意味し、その蓋、ポンプ、キャップ、又は他の周辺アイテムを含む。「1次パッケージ」は、例えば、組み立て製品の場合、小売環境において顧客の店舗棚に製品を置くために製品が典型的にその中に提供される、消費者製品と直接接触する箱、ブリスターパック、又は他のパッケージを意味する。「2次パッケージ」は、少なくとも部分的に1次パッケージを取り囲み、収容し、又は接触する、例えば、箱若しくはポリマースリーブのような容器等の、1次パッケージと関連付けられる任意の追加の材料を意味する。
【0052】
本明細書で用いられる「個人化製品」という用語は、独自にカスタマイズされ、実質的に無制限の数の可能なオプションから顧客又は消費者によって選択される特性及び/又は特徴を有する物品を指し、その場合(その後)、物品はその顧客又は消費者の特性及び/又は特徴の選択に従って生産される。したがって、個人化製品は典型的には、顧客又は消費者によって選択された後に製造される(あるいは部分的に製造され、次いで完成される)。個人化製品の特性及び/又は特徴のいくつかの例としては、限定するものではないが、液体製品については、実質的に無制限の小数位(ただし、典型的には約3の小数位)で、0%(例えば、染料なし)から100%未満までの任意の百分率から顧客又は消費者が添加剤の重量パーセントを規定することが可能である、製品に添加される添加剤;全色域の任意の組み合わせから選択される製品又はその一部分の色;任意の所望の量及び組み合わせで香気を混合することによって選択される製品の香気;顧客又は消費者によって供給される装飾を追加すること(顧客又は消費者によって供給される、消費者の壁紙などに一致する写真など);顧客又は消費者のテキスト(例えば、名前又は他の所望の文言)を物品、容器、パッケージ、又はラベルに追加すること;が挙げられる。顧客又は消費者の写真は、限定するものではないが、デジタル式を含めて任意の好適な形式で提供されてよい。場合によっては、「個人化製品」について言及するとき、前述の特性又は特徴のうちの1つ以上を除外することが望ましいこともある。
【0053】
本明細書で用いられる「複数」という用語は、1つよりも多いことを意味する。
【0054】
本明細書で用いられる「流通用に製品を準備する」という語句は、顧客、消費者、又は倉庫に出荷するために、1つ以上の製品をグループ及び/又は容器(例えば、2次パッケージ及び/又は輸送コンテナ)内に配置することを意味する。
【0055】
本明細書で用いられる「製品」という用語は、様々な産業にわたって消費者又は顧客に販売又は提供される任意のタイプの製品を意味する。「製品」という用語は、組み立て製品及び流動性製品を含む。以下の製品は、本明細書に記載又は当該技術分野において既知の任意の製品形態を取り得る。
【0056】
消費者製品の非限定的な例としては、乳児ケア製品(例えば、石鹸、シャンプー、及びローション);人間又は動物の毛髪を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための美容ケア製品(例えば、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、毛髪染料、毛髪着色剤、毛髪補修製品、育毛製品、除毛製品、毛髪減少製品など);人間又は動物の皮膚を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための美容ケア製品(例えば、石鹸、ボディウォッシュ、ボディスクラブ、洗顔料、収斂剤、日焼け止め、日焼け止めローション、リップバーム、化粧品、皮膚コンディショナー、コールドクリーム、皮膚保湿剤、制汗剤、デオドラントなど);人間又は動物の爪を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための美容ケア製品(例えば、マニキュア、マニキュア落としなど);人間の顔の毛を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するための手入れ製品(例えば、剃毛製品、プリシェービング製品、アフターシェービング製品など);人間又は動物の口腔を洗浄、処理、美化、及び/又は装飾するためのヘルスケア製品(例えば、歯磨き粉、マウスウォッシュ、口臭消臭製品、歯垢防止製品、歯白化成品など);人間及び/又は動物の健康状態を処理するためのヘルスケア製品(例えば、薬、薬剤、医薬品、ビタミン、栄養剤、栄養補給品(カルシウム、繊維など)、咳止め製品、風邪薬、のど飴、呼吸及び/又はアレルギー疾患の治療、痛み止め、睡眠薬、胃腸治療製品(胸焼け、胃腸のむかつき、下痢、過敏性腸症候群など)、浄化水、処理水など);動物の給餌及び/又は世話のためのペットケア製品(例えば、ペットフード、ペットビタミン、ペット薬剤、ペットチュー、ペット用スナックなど);布地、衣類、及び/又は洗濯物を洗浄、調整、清涼化、及び/又は処理するための布地ケア製品(例えば、洗濯洗剤、布地コンディショナー、布地染料、布地漂白剤など);家庭用、商用、及び/又は産業用の食器ケア製品(例えば、手洗い及び/又は機械洗浄用の食器用石鹸及びすすぎ助剤);家庭用、商用、及び/又は産業用の洗浄及び/又は脱臭製品(例えば、軟質表面洗浄剤、硬質表面洗浄剤、ガラス洗浄剤、セラミックタイル洗浄剤、カーペット洗浄剤、木洗浄剤、マルチ表面洗浄剤、表面消毒剤、キッチン洗浄剤、お風呂洗浄剤(例えば、シンク、トイレ、バスタブ、及び/又はシャワークリーナー)、電化製品洗浄製品、電化製品処理製品、車洗浄製品、車脱臭製品、空気洗浄剤、空気脱臭剤、空気殺菌剤など)、などが挙げられる。所望により、限定するものではないが、布地ケア製品、食器ケア製品、及びパーソナルケア製品を含む特定のこれらの製品が、任意の好適な目的のために任意の好適な材料からなるビーズを含んでもよい。
【0057】
製品の更なる例としては、家庭用、商用、及び/又は産業用、建物及び/又はグラウンド、構築及び/又は維持の付加的な分野にわたって使用されるように意図されたものが挙げられ、それらは次の製品のうちのいずれか、すなわち、芝生、庭、及び/又はグラウンドを確立、維持、変更、処理、及び/又は改善するための製品(例えば、芝生の種子、野菜種子、植物種子、つぶえ、他の種類の種子、植物栄養素、肥料、土壌養分及び/又は土壌調節剤(例えば、窒素、ホスフェート、カリ、石灰など)、土壌滅菌剤、除草剤、雑草防止剤、農薬、害虫忌避剤、殺虫剤、防虫剤など);造園用の製品(例えば、表土、培養土、汎用土壌、マルチ、木片、樹皮ナゲット、砂、すべての種類の天然石及び/又は岩(例えば、装飾石、豆砂利、砂利など)、石及び岩をベースにした人口組成物(例えば、敷石ベースなど));グリル、炉、暖炉などの火を起こす及び/又は火にくべるための製品(例えば、薪、発火ナゲット、チャコール、ライター燃料、マッチなど);照明製品(例えば、電球及び電灯管、又はすべてのサイズ、形状、及び用途の白熱灯、コンパクト形蛍光灯、蛍光灯、ハロゲン、発光ダイオードを含むすべての種類);建造、維持、再形成、及び/又は装飾用の化学製品(例えば、コンクリート、セメント、モルタル、混合着色剤、コンクリート養生剤/シーラント、コンクリート保護材、グラウト、アスファルトシーラント、クラックフィラー/修理製品、スパックル、接合組成物、プライマー、ペンキ、着色剤、トップコート、シーラント、コーキング、接着剤、エポキシ、排水管洗浄/詰まり除去製品、腐敗処理製品など);化学製品(例えば、シンナー、溶剤、及びアルコール、石油スピリット、テレビン油、亜麻仁油を含む剥離剤/除去剤など);水処理製品(例えば、塩、制菌剤、抗カビ剤といった水軟化製品など);すべての種類の締結具(例えば、木材、金属、プラスチック、コンクリート、コンクリート(concrete, concrete)などに使用するためのねじ、ボルト、ナット、ワッシャ、釘、ステープル、タック、ハンガ、ピン、ペグ、リベット、クリップ、リングなど);などが挙げられる。
【0058】
製品の更なる例としては、食品及び飲料産業にわたって使用されることが意図されるものが挙げられ、それらは次の製品のいずれか、すなわち、基本的原料(例えば、米、麦、トウモロコシ、豆、及びこれらのいずれかから作製される派生的原料などの穀物、並びに、ナッツ、種子、及び豆など)などの食品、料理用の食材(例えば、砂糖、塩及び胡椒などの香辛料、料理用オイル、酢、トマトペースト、天然及び人工甘味料、香料、調味料など)、パン作りの材料(例えば、ベーキングパウダー、デンプン、ショートニング、シロップ、食料着色料、フィリング、ゼラチン、チョコレートチップ、及び他の種類のチップ、糖衣、スプリンクル、トッピングなど)、乳製品(例えば、クリーム、ヨーグルト、サワークリーム、乳清、カゼインなど)、スプレッド(例えば、ジャム、ゼリーなど)、ソース(例えば、バーベキューソース、サラダドレッシング、トマトソースなど)、調味料(例えば、ケチャップ、マスタード、レリッシュ、マヨネーズなど)、加工食品(麺及びパスタ、乾燥シリアル、シリアルミックス、プリメイドミックス、スナックチップス、及びスナック、並びにすべての種類のスナックミックス、プレッツェル、クラッカー、クッキー、キャンディ、すべての種類のチョコレート、マシュマロ、プリンなど);水、牛乳、ジュース、風味付き飲料及び/又は炭酸飲料(例えば、ソーダ)、スポーツドリンク、コーヒー、茶、スピリット、アルコール飲料(例えば、ビール、ワインなど)などの飲料;並びに、飲料を調製又は混合するための原料(例えば、コーヒー豆、挽いたコーヒー、ココア、茶葉、脱水飲料、飲料を調製するための粉末、天然及び人工甘味料、香料など)が挙げられる。更に、調製された食品、フルーツ、野菜、スープ、肉、パスタ、電子レンジ調理可能な及び又は冷凍食品、加えて農産物、玉子、牛乳、及び他の新鮮な食料。
【0059】
製品の更なる例としては、当該技術分野で知られている任意の形態で、次の生成物のいずれかを受容、収容、保管及び/又は分配するための使用を含めて、医療産業の全体にわたって、医薬、医療用装置、及び薬物療法の分野において使用されるように意図されたものが含まれ、それらの生成物としては、人間及び/又は動物の体液(例えば、羊水、房水、硝子体液、胆汁、血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜粥、内リンパ(及び外リンパ)、精液、液状糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻漏及び痰を含む)、膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂(皮膚油脂)、精液、唾液、関節液、涙、汗、膣分泌物、吐瀉物、尿など);代用血液を含む血液ベースの製品、緩衝溶液、液状薬剤(医薬品を含み得る)、非経口栄養配合物(例えば、静脈栄養摂取であり、このような配合物は食塩、グルコース、アミノ酸、脂質、サプリメント、栄養素、及び/又はビタミンを含み得る);任意の好適な投与方法により(例えば、経口)(固体、液体、又はピルの形態で)、局所的に、鼻腔内に、吸息から、又は直腸から、人間又は動物の身体に投与するための他の薬液(例えば、薬、薬剤、栄養素、機能性食品、医薬品など)が挙げられる。
【0060】
製品の更なる例としては、車、トラック、自動車、ボート、航空機などの乗り物及び/又は乗り物のための部品若しくは製品、当該技術分野で知られている任意の形態の次の流動性製品のうちのいずれかを受容、収容、保管、及び/若しくは分配するために有用な容器を含めて、内燃機関を使用するいずれか及びすべての産業(輸送産業、電力施設産業、発電産業など)の全体にわたって使用されるように意図されたものが挙げられ、それらの流動性製品としては、エンジンオイル、エンジンオイル添加物、燃料添加物、ブレーキ液、トランスミッション液、エンジン冷却剤、パワーステアリング液、ウインドシールドワイパー液、乗り物ケアのための製品(例えば、ボディ、タイヤ、ホイール、窓、トリム、室内装飾品などのための製品)、並びに、いずれか及びすべての種類のエンジン、電力設備、及び/若しくは運搬用車両の1つ以上の部品を洗浄し、それらに浸透し、それらを潤滑させ、かつ/又はそれらを保護するように構成された他の流体が挙げられる。
【0061】
本明細書に記載される製品はまた、限定するものではないが、以下のカテゴリーのいずれかにおける非流動性製品(又は組み立て製品)であってもよく、そのカテゴリーとしては、使い捨て着用可能吸収性物品、おむつ、トレーニングパンツ、乳児及び幼児ケアワイプなどを含むベビーケア製品;人間又は動物の毛髪、皮膚、及び/又は爪などに組成物を適用するためのアプリケータなどを含む美容ケア製品;あらゆる種類の洗浄用途などのための、ワイプ及びスクラバなどを含む、ホームケア製品;ウェット又はドライティッシュ、顔用ティッシュ、使い捨てハンカチ、使い捨てタオル、ワイプなどのファミリーケア製品;生理用パッド、失禁用パッド、陰唇間パッド、パンティライナー、ペッサリー、生理用ナプキン、タンポン、タンポンアプリケータ、ワイプなどを含む女性用ケア製品;口腔洗浄装置、デンタルフロス、フロッシング装置、歯ブラシなどの口腔ケア製品などを含むヘルスケア製品;グルーミン補助具、ペットトレーニング補助具、ペット装置、ペットおもちゃなどを含むペットケア製品;電気化学セル、電池、電池電流遮断機、電池テスタ、電池充電器、電池充電モニタリング装置、電池充電/放電率制御装置、「スマート」電池電子機器、懐中電灯などを含む、携帯発電機製品;除毛装置を含む小型家庭用電器製品(例えば、男性用及び女性用の電気ホイルシェーバー、充電及び/又は洗浄ステーション、電気ヘアトリマ、電気髭トリマ、電気脱毛装置、洗浄用流体カートリッジ、剃毛コンディショナーカートリッジ、剃毛ホイル、及びカッターブロック);口腔ケア装置(蓄電機又は電池を備える電気歯ブラシ、交換用ブラシヘッド、歯間洗浄機、舌洗浄機、充電ステーション、電気口腔イリゲーター、及び噴出口のイリゲータークリップ);小型家電製品(例えば、コーヒーメーカ、やかん、ハンドブレンダ、ハンドミキサー、フードプロセッサ、蒸気調理器、ジューサ、柑橘類絞り器、トースタ、コーヒー又は肉挽き機、真空ポンプ、アイロン、アイロンのための蒸気圧力部、及び一般的にそのための非電動取り付け具、ヘアケア装置(例えば、電動ドライヤ、ヘアスタイラ、ヘアカーラ、ストレートヘアアイロン、コードレス気体加熱スタイラ/アイロン、及びそのための気体カートリッジ、並びに気体フィルタ取り付け具);パーソナル診断装置(例えば、血圧モニタ、耳で測る体温計、及びそのためのレンズフィルタを含む);時計装置(clock appliances)及び時計装置(watch appliances)(例えば、アラームクロック、ラジオと組み合わせたトラベルアラームクロック、壁時計、腕時計、及び携帯用計算機)などが挙げられる。
【0062】
場合によっては、「製品」という用語は、上記に列挙した製品又は製品のカテゴリーのうちのいずれか1つ以上を除外するものとして更に指定されてもよい。
【0063】
本明細書で用いられる「推進可能」という用語は、任意の方法で推進されることができることを意味する。搬送体は、例えば、(下り勾配などにおける)重力によって、あるいは、機械的、電気的(例えば、電気モータ)、磁気的、若しくは他の推進形態であり得る推進力によって推進され得る。
【0064】
本明細書で用いられる「ルート」という用語は、物品輸送搬送体が訪問するユニット操作ステーション、及び最終製品を作製するためにそのようなユニット操作ステーションで完了されるべき操作の順序付きリストを指す。
【0065】
本明細書で用いられる「半自律」という用語は、自動操作と手動操作の両方を有するプロセスを指す。例えば、生産システムは、その一方又は両方が手動で行われ得る材料(例えば、空の容器)の送り込み及び/又はパッケージングのための生産ラインからの最終物品の取り出しを除いて、自動化されてもよい。
【0066】
本明細書で用いられる「同時」という用語は、(正確に)同一時間で開始するものを意味するのみならず、正確に同一時間に開始及び/又は終了しない場合があるが、同一時間枠中に行われるものも意味する。以下の1つ以上は、本明細書に説明されるシステム及び方法において同時に起こるように特定され得る:搬送体のルーティング、ユニット操作ステーションへの異なる搬送体の配送、同じユニット操作ステーション又は異なるユニット操作ステーションにおける操作の実行、複数の(同じ又は異なる)最終製品を作製するプロセス(又はプロセスにおける任意の工程)、及び、流動性製品の場合の、同じタイプの容器又は異なるタイプの容器内への流動性組成物の配置。
【0067】
本明細書で用いられる「製品の流れ」という用語は、次々に生産される多くの製品を指す。
【0068】
本明細書で用いられる「システム」という用語は、1つ以上の物品輸送搬送体が、共通の制御システムを使用してその内部で1つ以上のユニット操作へとルーティングされ得る(単一の)ネットワークを指す。これに対して、同一建物若しくは施設内、又は異なる建物若しくは施設内の別個の非接続処理ラインは、システムを構成すると見なされないことになる。したがって、異なる流体で容器を充填するように操作されている同一建物内の2つの非接続充填ラインは、システムを構成すると見なされないことになる。
【0069】
本明細書で用いられる「トラックレス」という用語は、搬送体用の定位置固定経路から独立したワークスペースの少なくとも一部分を指す。したがって、トラックレスシステムは、レールなどの、搬送体を案内する物理的構造を含まない。
【0070】
本明細書で用いられる「変容」という用語は、物品に対する物理的、化学的、及び生物学的変化を含む。変容の例としては、限定されるものではないが、製品の構成要素の組み立て(少なくとも2つの構成要素の接合)、積載、分配、充填、混合、閉栓、封止、装飾、ラベル付け、荷空け、荷下ろし、加熱、冷却、低温殺菌、発酵、滅菌、ラッピング、回転若しくは反転、印刷、切断、分離、機械的定着若しくは機械的分離又は化学反応を可能にする休止、あるいはエッチングが挙げられる。「変容」という用語は、物品の検査を含まない。
【0071】
「固有」という用語は、「ルート」という用語を修飾するために本明細書で用いられるとき、ユニット操作ステーションの数、タイプ、若しくは順番、又はユニット操作ステーションで完了される操作が、別の物品輸送搬送体のものとは異なることを意味する。「固有」という用語は、ユニット操作ステーションの数、タイプ、若しくは順番、又はユニット操作ステーションで完了される操作が、すべての物品輸送搬送体のものとは異なることを求めるものではない。
【0072】
本明細書で用いられる「ユニット操作ステーション」という用語は、変容又は検査であり得る操作を物品が受ける場所を意味する。上に定義された変容のタイプは、各々、別個のユニット操作ステーションで実行されてもよく、あるいは1つ若しくは2つ以上の変容及び/又は検査は、単一ユニット操作ステーションで実行される1つの操作として説明される場合がある。流動性製品に関する後者の1つの非限定的例において、開栓、充填、及び閉栓の変容は、単一の充填/閉栓ユニット操作ステーションで実行され得る。
【0073】
本明細書で用いられる「ワークスペース」という用語は、ユニット操作ステーションが配置され、搬送体がルーティング可能である領域を指す。
【0074】
組成物のすべての百分率及び比率は、別途指示されない限り、総組成物の重量に基づいて計算される。
【0075】
独立誘導搬送体を使用して製品を同時に生産するためのシステム及び方法が開示される。
【0076】
本システム及び方法は、任意の好適なタイプの製品を製造するために使用され得る。このような製品は、流動性製品、組み立て製品、又はこれらの任意の所望の組み合わせを含み得る。流動性製品及び組み立て製品を生産するためのシステム及び方法のいくつかの非限定的な例が以下に提示される。
【0077】
本システム及び方法は、ワークスペースと、複数の搬送体と、複数のユニット操作ステーションとを含む。本システムは、搬送体がトラック上で輸送されることを必要としない(したがって、「トラックレス」である)。ワークスペース全体がトラックレスであってもよい。しかし、ワークスペース全体がトラックレスである必要はない。搬送体の少なくとも一部が独立してルーティング可能であるワークスペースの少なくとも一部分がトラックレスであることが望ましい。搬送体の少なくとも一部は、ワークスペースのトラックレス部分(複数可)を介して少なくとも1つのユニット操作ステーションへと、独立してルーティング可能であってよい。場合によっては、搬送体のうちの少なくとも一部が、ワークスペース内の既定の経路に沿ってルーティング可能であってもよい。いずれの場合も、搬送体の1つ以上(又はすべて)が、少なくとも部分的に「臨機応変」に(又は、第1の点から第2の点への搬送体の走行過程の間に)決定されるワークスペース内の経路に沿ってルーティング可能であってよい。搬送体(又はその搬送体の少なくとも一部)は、一部又はすべての搬送体に略水平(X-Y)平面における(略平面的なワークスペース表面などに沿った)実質的に完全に自由な移動をもたらす制御システム及び/又は誘導システムによって制御されてもよい。搬送体(又はその搬送体の少なくとも一部)はまた、ワークスペースが搬送体を支持するために、バンプ、傾斜面、エレベータなどの非平面的な部分を含む限りにおいて、鉛直(又はZ方向)における移動の自由度を与えられ得る。
【0078】
図1は、独立誘導搬送体を使用して製品を生産するためのシステム10の1つの非限定的な実施形態を示す。図1は、システム10が、ワークスペース12内に配列された14、16、18、及び20などの複数のユニット操作ステーションを備えることを示す。本システムはまた、ワークスペース12内で推進可能な複数の搬送体24を含む。ワークスペース12は、建物の床又は他の構造若しくは施設などの表面上に設置され得る。したがって、ユニット操作ステーション及び独立誘導搬送体が従来の製造ラインに関連付けられることも、搬送体をユニット操作ステーションに送るためのトラックを利用することも必要ではない。
【0079】
ユニット操作ステーションは、(以下に更に記載されるように)任意の好適なタイプであっても、ワークスペース内で任意の好適な配列をなしてもよい。図1では、ユニット操作ステーション14、16、18、及び20は、平行な行及び列(上から見たとき)をなして配列されている。図1のユニット操作ステーションの配列はまた、都市の街路のレイアウトに類似し得るグリッドとして説明され得る。本システムは、X軸及びY軸を有するデカルト座標系によって規定され得、X-Y平面は、搬送体24がその上をあちこちに移動する表面(床など)に対応する。列はX方向に離間しており、行はY方向に離間している。図1は、(14などの同じ数を有する)同じタイプのユニット操作ステーションがそれぞれ単一の列内にある実施形態を示しているが、異なるタイプのユニット操作ステーションが、任意のタイプのユニット操作ステーションが任意の列及び行をなして設置され得る任意の好適な構成をなしてよい。
【0080】
図1に示す搬送体24は、ユニット操作ステーション間の任意の好適な経路に従うことができる。各搬送体がシステム全体にわたって取る経路は、一般に文字Pで表され得る。複数の搬送体が存在する場合、第1の搬送体が取る経路は、第1の経路P1で表され得、第2の搬送体が取る経路は、第2の経路P2で表され得、他も同様である。各搬送体がシステム全体にわたって取る経路は、任意の好適な構成をなし得る。これらの経路は、X方向又はY方向のみの直線運動に限定されない。経路Pに好適な構成は、座標系内の任意の方向における直線部分、曲線部分、及びそれらの任意の好適な組み合わせを含み得る。搬送体のための経路は、(搬送体が点「A」から異なる点「B」まで走行するように)開放されているか、あるいは閉鎖されていてよい(例えば、円形、レーストラックの外形など)。いくつかの搬送体が、他の搬送体と同じ経路を取ってもよい。図1に示すように、少なくともいくつかの搬送体は、他の搬送体とは異なる経路を取り得る。いくつかの搬送体が、他の搬送体によって取られた経路を横断する経路を取ってもよい。任意の所与の時間において、システム全体にわたって異なる経路を取る搬送体が存在し得る。
【0081】
図2は、ユニット操作ステーション14、16、18、及び20の代替的な配列を有するシステムを示す。図2に示す実施形態では、同じタイプのユニット操作ステーションが一緒にグループ化されている。任意の好適な数のユニット操作ステーション(2、3、4、又はそれ以上)が、異なるタイプのユニット操作ステーションと比べて互いにより近接するように、一緒にグループ化されてもよい。これはいくつかの状況において有利となり得る。例えば、原材料供給部が共通のユニット操作ステーションに集中され得るように、ステーションを一緒にグループ化することが有用であり得る。加えて、特別な空気処理を必要とするか、又は分離(酵素など)を必要とするステーションを一緒にグループ化することが有用であり得る。
【0082】
図3は、ユニット操作ステーション14、16、18、及び20が、鉛直又はZ方向における異なる平面内に配置され得る一例を示す。したがって、少なくとも1つのユニット操作ステーションが、別のユニット操作ステーションの上方又は下方に配置され得る。例えば、1つ(又はそれ以上)のユニット操作ステーションが、床又はスタンド上に載置され得る。いくつかの実施形態では、別の上部ユニット操作ステーションが、施設の天井から、又は施設の屋根を支持するトラス若しくは支持しないトラスからなど、上から吊り下げられ得る。他の場合には、図3に示すように、施設は、複数の床76、76A、及び76Bが存在するように異なる階を有してもよく、また上部ユニット操作ステーションは、床上に、あるいは施設の上部の階に載置されてもよい。上部ユニット操作ステーションは、下部ユニット操作ステーションの真上に設置されてもよい。しかしながら、上部ユニット操作ステーションは、下部ユニット操作ステーションの真上にある必要はない。いくつかの実施形態では、ユニット操作ステーションは、部分的にのみ垂直に整列されてもよい。他の実施形態では、ユニット操作ステーションの配列は、それらが異なる階において完全に異なるX-Y位置を有するようなものであってもよい。図4は、異なる階を有するシステムの一部分と、それらの間で物品を輸送するためのエレベータ85とを示す。
【0083】
これらの図に示されるシステムは、ユニット操作ステーションが編成され得る様々な方式の非限定的でかつ概略的な例である。ユニット操作ステーションのタイプ及びそれらの配列は、システムが製造プラントのいずれかの部分として、あるいは製造プラント全体として機能することができるようなものであってもよい。本システムは、任意のユニット操作ステーションから任意の他のユニット操作ステーションに搬送体24をルーティングすることが可能である。いくつかの実施形態では、搬送体24の一部又はすべては、搬送体の少なくとも一部(同じタイプの製品を生産する)がユニット操作ステーション間の同じ経路又は類似の経路に逐次的に従うように、自律的にルーティングされてもよい。他の実施形態では、例えば、長い生産工程が必要とされる場合、1つ以上のタイプの製品を生産するための経路は、多重レーンのハイウェイに似るように平行であってもよい。両方が図1に示されている。
【0084】
搬送体24(又は少なくともいくつかの搬送体)は、独立して誘導され、かつ独立して推進され得る。搬送体24は、自動誘導搬送体(「automated guided vehicle、AGV」)であってもよい。搬送体(又は少なくともいくつかの搬送体)は、車載コントローラを有する。搬送体24(又は少なくともいくつかの搬送体)は、搬送体が互いに衝突しないように位置検出器を備えていてもよい。
【0085】
搬送体24は、搬送体上の個々の推進機構によって、システム内の異なる位置の間(ユニット操作ステーション間など)で推進される。搬送体は、物体を輸送することが可能な任意の好適なタイプの搬送体であり得る。好適なタイプの搬送体としては、限定するものではないが、ホイール自動車、ドローン((高度の変更を行う間を含めて)空間内を飛行するためのプロペラを有し、物体を保持するためのホルダを有するものなど)、及び他のタイプの搬送体が挙げられる。システムは、そのようなタイプの搬送体のうちのいずれかの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム内で使用される搬送体がすべて、同じタイプの搬送体であり得る。他の場合には、異なるタイプの搬送体の任意の好適な組み合わせが所与の時間に使用され得る。
【0086】
搬送体24の一実施形態が図5に示されている。図5に示す搬送体24は、本体26と、本体に接合された複数のホイール30とを備える。本体26は、物品が搬送されているときに、容器38などの物品が直接的にあるいは間接的に載置され得るプラットフォーム28を有する任意の好適な構造体であってよい。プラットフォーム28は、搬送体24の本体26の頂部表面上に設置されてもよい。プラットフォーム28は、任意の適切な構成をなし得る。システム内の異なる搬送体24が、任意の好適な異なるサイズ及びタイプのプラットフォーム、並びに任意の異なるサイズ、数、及びタイプのホイールを有し得る。
【0087】
搬送体24(又は少なくともいくつかの搬送体)は、単一の容器(例えば、ボトル)などの個々の物品を運搬するようにサイズ決め及び構成されたプラットフォーム28を有してもよい。他の搬送体24は、ケース内充填などのための、部分的に又は完全に空のボトルの箱又はケースなどのより大きなアイテム、又は原料又はツールなどのアイテムを運搬するようにサイズ決め及び構成されたプラットフォーム28を有し得る。したがって、トラックシステムは、トラックに適合しかつ/又はトラックによって支持され得る積荷搬送体のサイズ及び/又は重量が制限され得るため、本システムは、トラックシステムよりも柔軟性が高い。
【0088】
搬送体24は、任意の好適な数のホイール30を備えることができる。例えば、場合によっては、搬送体24は、2つのホイールと、簡単な動き及び回転を可能にするキャスタホイールと、を有してもよい。他の場合には、搬送体24は、搬送体のステアリングを可能にする様式で構成されかつ/又は搬送体24に連結される4つのホイール30を有してもよい。場合によっては、ホイールの配列及びタイプは、異なる方向への搬送体の移動を可能にし得る。例えば、オムニホイールは、旋回方向に対して垂直である外周の周りに小さな円板を有する。オムニホイールは、一方向のみにグリップし、他の方向には自由にスリップすることができる。図5に示す実施形態では、搬送体24は、搬送体に連結された4つのオムニホイール30を有する(第4のホイールは、搬送体の本体26の角度が原因で隠れている)。オムニホイール30は、2対の同軸ホイールが存在するように配列される。異なる対のホイールの軸線は、搬送体の中央領域において垂直な角度で交差する。このオムニホイール配列により、搬送体24は任意の方向に走行することが可能となり、また搬送体24はゼロの旋回半径を与えられる。
【0089】
推進機構は、搬送体24の本体26内に設置されても、搬送体の本体の外側に設置されても、部分的に搬送体の本体内にかつ部分的に搬送体の本体の外側に設置されてもよい。推進機構が搬送体24の本体26内に設置され得る場合、その推進機構は、搬送体の本体26の頂部表面の下方に設置されてもよい。搬送体24は、例えば、(下り勾配上などで)重力によって、あるいは、機械的、電気的(例えば、電気モータ)、磁気的、若しくは他の推進形態であり得る推進力によって、推進され得る。電気モータは、電池又はコンデンサによって給電され得る。搬送体24は、任意に、電池又はコンデンサ上に残留する電荷を監視するモニタを上部に有してもよい。所望であれば、制御システムは、残留する電荷が低レベルにあるときに、搬送体24を再充電ステーションに駆動するように誘導することができる。推進力のために磁力を用いるいくつかの非限定的な例としては、例えばドッキングなどを目的として、短い距離だけ搬送体を移動させること;あるいは、搬送体24の上又は中に配置された磁石との組み合わせで機能する、搬送体24がその上で推進可能であるトラックレス表面の下方に位置付けられた磁気コイルを有する線形同期モータシステムの形態が挙げられる。
【0090】
搬送体24はすべて、ワークスペース12の周りで独立して移動可能であり得るが、搬送体24のすべてがワークスペースの周りで独立して移動可能である必要はない。例えば、複数の搬送体24が同じ経路に沿って走行している場合、図6Eに示すように、搬送体を一緒に接続して搬送体のトレーンを形成することが望ましい場合がある。これは、大量生産などのために、同様の製品を生産する際に望ましい場合がある。2つ、3つ、4つなどから最大100以上の搬送体など、任意の好適な数の搬送体が互いに接続され得る。搬送体24は、横方向に旋回するための車の移動を可能にするカプラによって接続され得る。このような場合、トレーンをなす搬送体を推進するための多くの選択肢が存在する。典型的には先頭の搬送体が動力供給され、他の搬送体は動力供給される必要がない。他の搬送体のうちのいずれかは動力供給されてもよく、あるいは動力供給されなくてもよい。例えば、後続の搬送体のうちの1つ以上は、動力供給されなくてもよい。動力供給されない場合、後続の搬送体は、先頭の搬送体と同じタイプであるが、モータを無効化されたものであってもよい。他の場合には、後続搬送体は、モータ及び/又は制御部を有さない簡略化された搬送体であり得る。このような方法で搬送体を接続することにより、搬送体交通管理の複雑性が低減され得る。
【0091】
搬送体24は、様々な任意の機能を備えることができる。例えば、搬送体24はオンボード動力源を有するので、それらの搬送体は、上昇及び下降され得る可動積荷プラットフォーム28を備えてもよい。可動積荷プラットフォーム28は、推進システムに動力供給する同一のオンボード動力源によって、あるいは異なるオンボード動力源によって動力供給され得る。可動積荷プラットフォーム28は、必要に応じて1つ以上のユニット操作ステーションにおいて、搬送体24上の物品を所望の高度まで持ち上げるために使用され得る。
【0092】
搬送体24の位置は、任意の好適な搬送体位置特定システムによって決定され得る。様々な異なるタイプの搬送体位置特定システムが、単独で、あるいは任意の好適な組み合わせで使用され得る。
【0093】
搬送体位置特定システムの1つのタイプは、屋内測位システム(indoor positioning system、IPS)である。屋内測位システムは、電波(例えば、BLUETOOTH(登録商標)無線近距離通信技術)、磁界、音響(例えば、超音波)信号、又は静止若しくはモバイル装置によって収集された他の感覚情報を使用して、建物の内部の物体又は人を位置特定することが可能である。好適な屋内測位システム及びセンサネットワークは、KinexpIndustries GmbH(Munich,Germany)及びDecaWave,Ltd.(Dublin,Ireland)から入手可能である。このような屋内測位システムは、ユニット操作ステーションなどにおいて、搬送体をその目的地に隣接するかあるいは近接する(1インチ(2.5cm)以内など)ようにするために、「粗い」調整システムとして使用され得る。これは、機械装置(図7図8A及び図8Bに示されるような)、カメラ(複数可)(例えば、図8Cに示すような)、磁気(図8Dに示すような金属ストリップと併せて使用される)、又は、ユニット操作ステーションが搬送体24上の物品に対して意図されたユニット操作を実施するために、搬送体が存在しなければならない、ユニット操作ステーション(ノズル下など)に対する正確な位置に搬送体24を届けることが可能な機構などの微細調整機構と併せて使用され得る。
【0094】
別のタイプの搬送体位置特定システムは、カメラシステムである。カメラシステムは、搬送体上の少なくとも1つの特徴を識別することが可能である他の場所で、1つ以上のオーバーヘッドカメラ及び/又はカメラを使用し得る。場合によっては、カメラは、十分な数であってもよく、ワークスペース全体をカバーするような位置にあってもよい。カメラは、高解像度カメラであってもよい。カメラは、任意選択により、(モノクロ画像のみをキャプチャすることが可能であるものとは対照的に)カラーカメラであってもよい。カメラは、プロセッサを備えたものであってもよく、あるいはワークスペース内の長期静止対象物又は「背景領域」を識別することが可能であるプロセッサと通信してもよい。このような背景領域には、床、建造物支持体、ユニット操作ステーション、及び他の静止した対象物が含まれ得る。背景領域は、カメラのプロセッサに手動で入力されてもよく、あるいは、カメラのプロセッサが、(搬送体によって絶対に占有されない領域をある期間にわたって識別することなどによって)背景領域を学習してもよい。ワークスペースに盲点が存在する場合、それらは、搬送体24が走行することを許可されていないゾーンとして構成され得る。カメラのプロセッサは、各搬送体の位置及び向き、並びに搬送体が走行することを許可されていないゾーンをマップに追加することができる。搬送体が自在に走行するスペース又は領域が各搬送体に割り当てられ得る。搬送体上の特徴を検出するカメラの能力に周辺光が干渉しないようにするために、カメラ搬送体位置特定システムが使用される施設において照明を制御することが望まれることもある。場合によっては、モノクロ照明を有することが望ましいこともあり、またカメラが、周辺光の影響を低減するために狭帯域通過フィルタを有することが望ましいこともある。
【0095】
カメラによって検出される搬送体24上の特徴は、次のうちの1つ以上、すなわち、ビーコン、2Dコード、LEDディスプレイ、時限式のストローブ光のシーケンス及び/若しくは持続時間、又は、運動追跡赤外線反射マーカーを含み得る。代替的に、カメラは、搬送体24の各々の上に設置されてもよく、またシステムが設置される施設には、マーカー又は光の形態をなす(in the form or)静的ビーコンが設けられてもよい。
【0096】
搬送体24はまた、衝突回避システムを備えてもよい。衝突回避システムは、搬送体24が物体、他の搬送体、又は人と衝突しないこと、あるいは、それらと接触している場合、ダメージを引き起こさないように十分にゆっくりと移動することを確実にするものである。衝突回避は、共有位置認識によって達成され得る。上述の位置特定システムは、各搬送体の位置を確立することができる。搬送体の移動を誘導する制御システムは、すべての他の搬送体又は他の物体又は人の位置が与えられ得るだけでなく、任意選択により、他のすべての搬送体の予測される将来の位置に関する追加情報をも与えられ得る。このような情報を与えられると、搬送体の移動を誘導する制御システムは、搬送体を別の搬送体、物体、又は人物に向かって推進させないように、搬送体の移動を制限することができる。施設にはまた、人が施設内で作業している場所に搬送体24が進入することができないように、「非運動ゾーン」が設けられてもよい。例えば、システムは、ゾーンに分割されたワークスペース12を含むことができ、ゾーンは、人がそのゾーンに進入すると無効化されてもよく、それにより、無効化されたゾーン内のすべての搬送体が停止される。これは、人によって運搬又は着用されるデバイスによってトリガされ得る。そのようなデバイスは、料金所トランスポンダーの性質を有し得るものであり、制御システムと通信して人の周囲のゾーンを自動的に無効化し得る。他の実施形態では、ヒト又は搬送体ではない他の物体を識別するために3Dビジョンシステムが使用されてよく、ビジョンシステムは、そのような人又は物体を回避するように搬送体に伝えることができる。
【0097】
ワークスペース12は、ゾーンに分割され得る。異なるゾーン内の搬送体を制御するために、ゾーンコントローラが搬送体位置特定システムと併せて使用され得る。ゾーンコントローラは、限定するものではないが、PC、PLC、FPGA、及びカメラプロセッサ(カメラベースの搬送体位置特定システムの場合)を含む任意の好適なタイプのコントローラを備え得る。
【0098】
ゾーンコントローラは、物体及び搬送体が位置する場所を示す、それぞれのゾーンのマップを維持することができる。ゾーンコントローラは、搬送体からの全体的な(すなわち、総合)方向要求を受信することができる。ゾーンコントローラは、搬送体に位置を伝えることができる。固定カメラが搬送体位置を決定するシステムを使用する場合、搬送体は、ゾーンコントローラによってその現在位置を伝えられる必要がある。これは、毎秒10回超で発生し得る。ゾーンコントローラは、異なる搬送体24にスペース所有権を割り当て、搬送体24に運動コマンドを通信することができる。
【0099】
搬送体24は、スペース割り当て時の所与の位置から終点までのラインに沿って、ラインからの逸脱が指定の許容範囲となる状態で走行するように、障害を除かれ得る。ゾーンコントローラは、異物から一定の距離内にある空間に搬送体が割り当てられないことを確実にすることができる。ゾーンコントローラはまた、搬送体が他の搬送体(そのフットプリントはそれらの2Dコードの読み取り値などに基づいて既知である)と衝突する空間に割り当てられないことを確実にすることができる。搬送体24は、比例-積分-微分コントローラ(PID)設定が可能になる程度に高速に走行することができ、またそれによって、搬送体はオーバーシュートを最小限に抑えて所望のエンドポイントで停止する。搬送体24の運動が連続的となり得るように、搬送体24が終点に到達する前に、新しい空間が割り当てられてもよい。上述のように、「微細」モーションコントロールは、ユニット操作ステーションに位置するドッキングステーションにおいて使用され得る。
【0100】
搬送体24は、それらが目的地に到達する前に、いくつかのゾーンを通って走行することができる。ゾーンコントローラは、他のゾーンコントローラへのハンドオフ及び他のゾーンコントローラからのハンドオフを調整することができる。これは、ゾーン間の境界に沿ってスペースを割り当てることを含んでもよい。
【0101】
システムにはまた、様々な任意選択の機構が設けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、ゾーンコントローラは、バッテリレベルの低い搬送体24の走行を優先させ得る。
【0102】
システム及び方法が流動性製品を製造するために使用される実施形態では、容器38が搬送体24上に提供され得る。搬送体24は、容器38に流動性材料を充填すること、並びに/又は容器及び/若しくはその内容物に対して他の操作を実施することを容易にするように、システム内でルーティングされ得る。容器38は、流動性材料を受容及び分配するための少なくとも1つの開口部40を画定し得る。容器が開口部40を有すると言及されるとき、複数の開口部を有する実施形態(例えば、別個の蓋又は単一の蓋を有する複数区画容器、プレスタブベント及びディスペンサ容器など)もまた含まれる。単一搬送体上、又は異なる搬送体上に複数の容器が存在し得る。
【0103】
システム20に複数の容器が存在するとき、容器24はすべて、同一タイプ又は幾何学的形態(つまり、容器が同一サイズ、形状、外観であり、及び同一容積を有する)のものであってもよく、あるいは容器のいずれかが、サイズ、形状、外観、又は容積のうちの1つ以上において他のものと異なってもよい。容器の「形状」に対する参照がなされるとき、当該形状は、容器の外部形状を意味することが理解される。容器の「容積」に対する参照がなされるとき、当該容積は、容器の内部容積を意味することが理解される。複数の容器は、第1、第2、第3などの容器として識別され得る。任意の所与の時間におけるシステムにおいて、3つ以上の容器が異なるものであり、かつ/又は他の容器とは異なる流動性材料を保持してもよい。いくつかの実施形態において、任意の所与の時間にシステム内に配置されている、3、4、5、6、7、8、9、10個若しくはそれよりも多い異なるタイプの容器、又は異なるタイプの容器グループ(容器タイプ及び/又はその中に収容された流動性材料が互いに異なり得る)が存在し得る。(以下に記載される組み立て製品の場合には、同じことが異なるタイプの物品にも当てはまる。)
【0104】
蓋42は、容器から製品を分配することが所望されるまで、開口部40を閉じるように容器に接合され得る(つまり、蓋は、開口部を「選択的に封止する」)。蓋としては、限定されるものではないが、スナップキャップ、ねじ山付きキャップ、ヒンジ及び頂部又は遷移スパウトのような複数部品を含むキャップ、ドレーンバックキャップ、接着キャップ(スパウトを有する一部の洗濯用洗剤容器で使用されているものなど)、口腔リンスキャップ、ポンプ又はトリガ、並びにエアロゾルノズルのような計量機能を提供するキャップ等のキャップが挙げられる。蓋は、形状、サイズ、及び外観を有する。容器と同様に、蓋は、すべて、同一タイプであってもよく、又は蓋のいずれかが、タイプ、形状、サイズ、又は外観の1つ以上において他のものとは異なってもよい。複数の蓋は、第1、第2、第3などの蓋として識別され得る。
【0105】
異なる搬送体24は、上述のように、サイズ及び/又はタイプが同じであっても異なっていてもよい。搬送体24は、物品(容器38など)を保持するためのホルダ32を更に備え得る。ホルダ32は、図6B図6C、及び図7に示されるように、任意の好適なタイプ又は構成のものであってよい。ホルダは、任意の好適なサイズ及び構成の機械的ホルダを含み得る。他の実施形態では、図5を参照して以下に説明するように、搬送体24は、減圧によって動作する固有のホルダを備えることができる。任意の所与の時間におけるシステム内の異なる搬送体24が、サイズ及び/又はタイプにおいて同じホルダ又は異なるホルダを有してもよい。
【0106】
一実施形態において、図5に示すように、容器38は、搬送体24のプラットフォーム28上の真空ポート44を介して、真空ホルダによって搬送体24に着脱可能に固定され得る。かかる実施形態において、容器38が搬送体24のプラットフォーム28上に配置されると、1次ポート46を真空に引くことによって、真空ポート44を真空に引くことができる。容器38が真空ポート44上に提供され、一次ポート46を真空に引くと、その真空によって容器38が搬送体24に固定され得る。1次ポート46は、1次ポート46を真空ポート44から選択的に流体隔離するシュラダーバルブなどのバルブを含み得、それにより、容器38が真空に引かれると、バルブは、後にバルブが作動されるまで、真空が解放されることを防止する。
【0107】
いくつかの実施形態において、搬送体24の本体26の頂部表面は、容器38とプラットフォーム28との間の有効な封止を強化する、エラストマー材料又は他の同様の材料から形成され得る。真空ホルダを備えるこのような搬送体が、2017年9月8日に出願された米国特許出願第15/698,686号及び同第15/698,693号に記載されている。
【0108】
搬送体24のプラットフォーム28は、図面では上向きに示されているが、搬送体のこの部分(容器に対する保持表面を含む)、及び常に上向きに向けられる必要はないことを理解されたい。保持表面は、本体の頂部表面上にある必要はなく、また保持表面は、本明細書に記載されるプロセスの任意の好適な段階において、下向き(上下逆)又は横向きを含む任意の好適な方向に向けられ得る。(当然ながら、その中に流動性材料を有し、その開口部が封止されていない容器は通常、上下逆の状態では搬送されないが、空の容器若しくは閉鎖された容器、又は容器の蓋は、上下逆又は横向きで搬送されてもよい。)
【0109】
いくつかの実施形態では、真空ホルダを有する搬送体24は、真空が容器を固定するのに十分な強度であることを確実にするために、例えば、psig又はkPaの圧力単位で真空の強度を測定するゲージ又はセンサを更に備えてもよい。容器38が搬送体24に十分に固定されていないことを合図するために、目標値外の読み取り値が使用され得るように、その真空強度に対して目標値が設定され得る。真空ホルダは、システムと通信するゲージ又はセンサ間の通信手段を更に備えてもよく、それにより、その搬送体に十分に固定されていないあらゆる容器は遠隔で識別され、検査及び/又は除去ステーションに、あるいは真空がリチャージされ得る真空ステーションにルーティングされ得る。
【0110】
容器は、様々な構成のいずれかをなしてよく、また様々な製品を保持するために様々な産業にわたって使用され得る。例えば、本明細書に説明される容器の任意の実施形態は、当該容器が流動性製品を収容する、消費者製品産業及び工業製品産業にわたって使用され得る。容器は、部分的又は完全な意図される充填の後、最終製品の一部、若しくは複数の成分、又は全成分を収容するために、1つ又は複数の充填操作で充填され得る。
【0111】
容器は、例えば、ポリマー組成物等の種々の適切な材料のいずれかで形成され得る。ポリマー組成物は、容器へと形成され得る(例えば、容器等の様々な物品へと成形されるか、互いに接合されて容器を形成する1つ以上のフィルム片へと形成されるか、あるいは別様に形成される)。
【0112】
いくつかの場合において(ボトルを形成するなど)、組成物は、押出ブロー成形又は射出成形され得る。典型的には、高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)は、押出ブロー成形され、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)は射出延伸ブロー成形される。完全に組み立てられた容器は、限定されるものではないが、容器、蓋、ノズル、ドレインバック機構、及び/又はハンドルを含む1つ以上の要素を備え得る。
【0113】
1つ以上のフィルム片から形成されて軟質容器を形成する容器の例、及びその製造方法が、以下の米国特許出願公開及び出願に記載されている:米国特許出願公開第2013/0292353号、米国特許出願公開第2013/0292415号、米国特許出願公開第2014/0033654号、米国特許出願公開第2015/0122840号、米国特許出願公開第2015/0125099号、米国特許出願公開第2015/0121810号、米国特許出願公開第2016/0325518号、米国特許出願公開第2017/0001782号、及び米国特許出願第15/466,901号(プロクター・アンド・ギャンブル社の軟質膨張式容器の特許公開)。
【0114】
搬送体24は、特定のタイプの物品(容器など)を載せるように構成され得る。したがって、異なるタイプの物品を同時にルーティングすることを可能にするために、異なる搬送体タイプが提供され得る。搬送体24はまた、上述の物品を搬送することに限定されない。いくつかの場合において、搬送体24は、限定されるものではないが、原材料をユニット操作ステーションに配送すること、及び切り換えツールなどのようなツールをシステムの周囲の様々な場所に配送することを含み得る、他の目的のために使用され得る。原材料の例としては、限定するものではないが、パレット又はタンク(それぞれ図6B及び図6Cに示されるような高積載重量の搬送体を利用し得る、流体成分のタンクなど)、蓋(キャップ)で満たされたホッパー、及び軟質パウチ(図6Dにおいて開放機構によって開放されて図示されている)の形態をなす原材料が挙げられる。ツールを運搬するために搬送体が使用される例は、ラベルのロールを交換する前に、装飾ユニット操作ステーションからラベルのロールを除去するツールを運搬するための搬送体の使用である。
【0115】
再び図1を参照すると、搬送体24は、物品に対して操作が実施され得るユニット操作ステーションに物品を運搬している。これらの操作は、一連の物品に対して実施される段階的な一連の操作が存在する従来の製造プロセスにおける典型的な順序とは異なる順序で(あるいは代替的に、非逐次的な様式で)、他の物品に対して実施され得るものであり、また多くの場合は実施されることになる。したがって、システム10は、製造されている物品が単一のコンベアに沿って移動し、コンベアの上流側端部から下流側端部へと連続的に実施される製造工程を有する典型的なコンベアシステムと区別可能である。
【0116】
これらのユニット操作ステーション(複数可)は、「ユニット操作ステーション」の上記の定義(及び本明細書に含まれる「変容」及び「検査」の定義)に記載されているタイプのユニット操作ステーションのうちのいずれかであり得る。任意の適切な数のユニット操作ステーションが存在し得る。概して、2つ以上のユニット操作ステーション(例えば、2、3、4、5~100、又はそれよりも多い)が存在することになる。ユニット操作ステーションは、任意の好適な構成をなし得る。
【0117】
ユニット操作ステーションは、限定するものではないが、搬送体上に物品を積載することと、搬送体から物品又は製品を荷下ろしすることと、充填すること(1つ以上の流動性製品を容器に充填するなど)と、閉栓することと、開栓することと、検査することと、装飾することと、混合することと、組み立てること(物品の構成要素を組み立てることなど)と、容器のすべて又は一部分を形成すること(例えば、フィルムから軟質容器を形成すること)と、容器の構成要素を寄せ集めることと、及び/又は容器蓋の構成要素、メンテナンス(すなわち、搬送体又はシステムの他の構成要素に対してメンテナンスを実施すること)と、シュリンクラップすることと、計量することと、真空の適用又は解放と、を含み得る。所望であれば、任意の2つ以上のユニット操作の機能が、単一ユニット操作ステーションにおいて組み合わされ得る(例えば、充填及び閉栓)。ユニット操作ステーションは、所望のプロセスを実行するのに好適であるかあるいは必要である1つ以上の追加の操作を実施する1つ以上の追加の機構(限定するものではないが、センサを含む)を、任意選択により更に備え得る。加えて、場合によっては、前述のタイプのユニット操作及び/又は機構のうちの1つ以上を除外することが望ましい場合がある。所与のユニット操作ステーションにおける操作が、任意の好適なタイプの機構によって自動的に実行されてもよい。代替的に、所与のユニット操作ステーションにおける任意の操作が手動で実行されてもよい。これらのユニット操作ステーションのうちのいずれかは、実施される特定の操作(例えば、積載ユニット操作ステーション)が先行するユニット操作ステーションとして説明され得る。
【0118】
上述したように、真空を引き込んで物品を真空ホルダ(真空ホルダ搬送体など)に対して保持するための真空適用ステーション(又は単純に「真空ステーション」)が存在し得る。更に、物品を保持する真空の経時的な低減を考慮することが必要な場合、付加的な真空を引き込むための真空リチャージステーションが存在し得る。更に、物品を搬送体から取り外すことができるように、搬送体に対して物品を保持している真空を解放するための真空ディスチャージステーションが存在してもよい。このような真空ディスチャージステーションは、別個のステーションであってもよく、あるいは、限定するものではないが真空ステーションを含む別のステーションの一部であってもよい。
【0119】
図1は、ユニット操作ステーションの配列の1つの非限定的な実施形態を示す。図1に示される実施形態の一変形例において、ユニット操作ステーションは、複数の(容器)積載ステーション14、複数の複合型充填/閉栓ステーション16、複数の装飾ステーション18、及び複数の荷下ろしステーション20(例えば、まとめて「ユニット操作ステーション」)を含み得る。この実施形態では、ユニット操作ステーション14、16、18、20の各々は、上述のように行及び列に配置されている。搬送体24は、複数の容器38内への流動性材料のボトリングを容易にするために、ユニット操作ステーションの間で(また他の実施形態では、組み立て製品の組み立て製造を実施するために、異なるタイプのユニット操作ステーションへと)選択的にルーティングされ得る。
【0120】
例えば、搬送体24が空である(すなわち、容器38がない)とき、搬送体24はまず、空容器38が搬送体24上に積載される積載ステーション14のうちの1つにルーティングされ得る。次いで、搬送体24は、流動性材料の1つ以上の部分が容器に追加される1つ以上の充填ステーションに、空の容器38を輸送することができる。次いで、搬送体24は、容器38を閉栓ステーションに輸送することができる。代替的に、搬送体24は、流動性材料を充填され、蓋40のうちの1つによって封止される、充填/閉栓ステーション16のうちの1つに空容器38をルーティングし得る。搬送体24は、次いで、容器38に装飾を適用する装飾ステーション18のうちの1つ又は複数に容器38をルーティングし得、次いで、パッケージの中に積載するために充填された容器38が搬送体24から取り外され得る荷下ろしステーション20のうちの1つに容器38をルーティングし得る。
【0121】
図1に例示されているものよりもはるかに多い搬送体24がシステム内に存在し得ることが理解されるべきである。また、ユニット操作ステーション14、16、18、20よりもはるかに多い搬送体24が存在し得る。搬送体24の各々は、容器38の少なくともいくつかをユニット操作ステーション14、16、18、20のうちの異なるものに同時に配送することを容易にするために、独立してルーティング可能であってよい。複数の搬送体24は、所望のユニット操作ステーション14、16、18、20への配送を待っている間、定義されたアプローチランウェイに列に並ばされ得る。ルーティングされる搬送体は、インフィードキュー内の最後の搬送体の後ろの位置に移動する。システムは、任意に、優先度のより高い搬送体に関しては、インフィードキューに「割り込む」能力を1つ以上の搬送体24に付与し得る。しかしながら、この任意の特徴は、ユニット操作ステーション間に更なる間隔を必要とする場合がある。
【0122】
このシステム10は、従来のコンベアシステム又はトラックシステムよりも効率的な製品の生産を可能にし得る。以下に更に詳細に説明されるように、制御システム62は、搬送体24の各々のルーティング、及びユニット操作ステーション14、16、18、20の各々の操作を協調させて、最終製品の注文を効率的にかつ効果的に履行し得る。制御システムは、したがって、搬送体24、及びユニット操作ステーション14、16、18、20と通信する。これらの構成要素の動作の調整には、例えば、搬送体の識別、搬送体のスケジューリング、搬送体速度(搬送体をスピードアップ、スローダウン、及びストップさせることを含む任意の好適な様式で変化され得る)、搬送体方向(方向を異なる経路に変更すること、及び方向を逆転させること含む)、衝突回避、ルート選択、故障報告等が含まれ得る。
【0123】
ここで、いくつかの非限定的なタイプのユニット操作ステーションの実施例について、より詳しく説明する。
【0124】
容器積載ステーション(又は単に「積載ステーション」)14は、容器積載ステーション14に位置する搬送体24上への空容器(例えば、38)及び/又はそのための蓋42の積載を容易にするように構成され得る。容器積載ステーション14が、搬送体上への容器及び/又は蓋42の積載を容易にする様々な自動及び/又は手動構成のいずれかを含み得ることが理解されるべきである。積載は、任意のゲートによる重力供給シュート等によって手動で静的に、又は機械運動デバイスによって行われ得る。適切な機械運動装置としては、限定されるものではないが、独立して作動可能な自動アーム、空気圧アーム、ロボット、転写ホイール、及び他の機械運動要素が挙げられる。一実施形態において、容器積載ステーション14は、貯蔵エリアから容器38及び/又は蓋を取り出して、搬送体24上に容器38及び/又は蓋を配置するロボットアームを各々含み得る。容器38及び/又は蓋の把持を容易にするために、各ロボットアームは、ロボット下顎、吸引端、又は容器38及び/又は蓋の把持を可能にする様々な適切な追加若しくは代替の構成のいずれかを有し得る。容器38及び/又は蓋が搬送体24上の定位置に位置すると、図5に示される真空ホルダ搬送体が使用される場合、真空ライン(図示せず)が手動又は自動のいずれかで1次ポート46内に挿入されて、真空ポート44を真空に引き、それによって、容器38及び/又は蓋を搬送体24に一時的に固定し得る。真空ラインは、次いで、1次ポート46から取り外され、それによって、関連付けられたバルブ(図示せず)が閉じることを可能にして、容器38及び/又は蓋に対する真空を維持し得る。上記のような真空ステーションはまた、他の時間に真空をリチャージする目的で、積載ステーション(複数可)及び/又は荷下ろしステーション(複数可)から離れていてもよい。
【0125】
充填ユニット操作ステーションは、容器の少なくともいくつかの中に流動性材料を分配するために使用される。充填ユニット操作ステーションは、容器を任意の特定のレベルまで(例えば、「満杯」レベルまで)充填する必要はない。充填ユニット操作ステーションは、任意の適切な流動性材料を容器内に分配し得る。いくつかの場合において、充填ユニット操作ステーションは、最終製品の成分のすべてを含む組成物を容器内に分配し得る。代替的に、充填ユニット操作ステーションは、ベース組成物を容器内に分配し得、当該容器は、最終製品を形成するために他の成分(又はプレミックス添加物の形態をなすいくつかの他の成分)がそこに添加されるように、1つ以上の他の充填ユニット操作ステーションに送られ得る。他の場合には、別個の成分及び/又はプレミックス添加物が、最初に充填ユニット操作ステーションにおいて容器に添加されてもよく、次いで、それらの成分の残部又はベース組成物がその後、他の充填ユニット操作ステーションで添加されてもよい。したがって、いくつかの充填ユニット操作ステーションは、最終製品組成物の一部のみを分配してもよい。このような一部としては、水、シリコーン(コンディショニング剤などとして使用するためのものなど)、染料、香料、香料マイクロカプセル、酵素、フレーバー、漂白剤、消泡剤、界面活性剤、構造剤、溶媒などの安定剤、抗菌剤、乳白剤、雲母などの美的増強剤などが挙げられるが、これらに限定されない。成分が別々に添加される場合、それらは任意の好適な順序で添加され、任意の好適なユニット操作ステーションで一緒に混合され得る。
【0126】
加えて、いくつかの充填ユニット操作ステーションは、1つのタイプの流動性材料のみを分配するように構成され得るが、充填ユニット操作ステーションは、1つのタイプの流動性材料(例えば、染料の1色など)のみを分配することに限定されない。いくつかの場合において、充填ユニット操作ステーションの1つ以上は、異なる成分を分配するように構成されてもよい(例えば、異なる流動性材料供給源及びノズルを通して)。例えば、同一の充填ユニット操作ステーションは、緑色の最終組成物、青色の最終組成物、及び赤色の最終組成物を分配してもよいか、又は緑色の染料、青色の染料、及び赤色の染料を分配してもよい。かかる場合において、少なくとも2つの異なるタイプの容器(例えば、第1、第2、第3などの容器)が、同一の流動性材料分配ユニット操作ステーション、又は同一タイプの流動性材料分配ユニット操作ステーションから容器の最終組成物に関する成分の1つ以上(又はすべて)を受容してもよい。
【0127】
それゆえに、充填ユニット操作ステーションは、流動性材料を容器内に分配するための複数の独立して制御可能なノズルを含み得る。かかる独立して制御可能なノズルは、いくつかの異なる形態をとり得る。いくつかの場合において、単一ノズルが、1つよりも多い異なる流動性材料を分配するために使用され得る。他の場合において、充填ユニット操作ステーションは、複数のノズルを含む一群のノズルを含み得、ノズルの各々が、同一又は異なる流動性材料を分配するように構成され得る。また他の場合において、1つ以上のノズルが、異なる高さの容器に適合するために上方及び下方に移動可能であってもよい。
【0128】
混合ユニット操作ステーションは、任意の好適な種類の混合装置を含むことができる。好適な種類の混合装置としては、静的ミキサー、オリフィスミキサー、オリフィス及びプレートミキサーなどの静的形状を有するミキサー、パイプ内の乱流又は層流混合、パイプ内の噴射/ジェット混合、液体ホイッスルキャビテーション、ミル/撹拌器などの動的ミキサー、ボトル内混合装置及びノズル内混合装置、並びに他の現場混合装置が挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
好適な種類の現場混合方法は、PCT特許出願第CN2017/087537号(P&G Case AA 1227)に記載されている。この特許出願は、ランプアップ区分及び/又はランプダウン区分により特徴付けられる動的流れプロファイルを用いることにより、2種以上の異なる液体組成物を現場混合するための方法について記載したものである。この現場混合方法では、すなわち、2種以上の液体原材料が、このような製品の出荷及び商品化中、又はこのような製品が販売された後の使用中、最終液体消費者製品を収容するために指定された容器(例えば、ボトル、パウチ等)内で直接混合される、現場での液体混合方法を提供する。この混合方法は、容器を充填するために動的充填プロファイルを採用し、これは、高速充填により引き起こされる容器内部の跳ね、跳ね返り、及び関連する負の効果(エアレーションなど)を低減するのに役立ち得る、及び/又は混合の完全さを向上させて、このように形成された最終液体消費者製品が満足のいく均質性及び安定性を有することを確実にするのに役立ち得る。より重要なことに、制御下での跳ね及び跳ね返りにより、充填速度を更により早くすることができ、それにより、充填時間を著しく短縮し、かつシステムスループットを向上させることが可能である。一態様では、液体組成物で容器を充填する方法は、(A)開口部を有する容器を提供するステップであって、容器の総容積が約100mL~約10Lの範囲である、容器を提供するステップと、(B)第1の液体供給組成物及び第1の液体供給組成物とは異なる第2の液体供給組成物を提供するステップと、(C)容器に第1の液体供給組成物を、容器の全容積の約0.01%~約50%まで部分的に充填するステップと、(D)続いて、容器の残りの容積又はその一部分に第2の液体供給組成物を充填するステップと、を含み、第2の液体供給組成物は、1つ以上の液体ノズルによって容器の中へと頂部開口部を通じて充填され、そのような1つ以上の液体ノズルは、ステップ(D)の中間におけるピーク流速に加えて、ステップ(D)の開始時における流速を増大させること、及び/又は、ステップ(D)の終了時における流速を減少させることを含む、動的流れプロファイルによって特徴付けられる1つ以上の液体流れを発生させるように配置される。
【0130】
容器内の2種類以上の異なる液体組成物を現場で混合するための他の好適なタイプの方法は、PCT特許出願第CN2017/087538(P&G Case AA 1228)に記載されている。この特許出願は、容器の長手方向軸線から1°~50°オフセットされた1つ以上の液体流入を採用する方法について記載している。この現場での液体混合方法において、2種以上の液体原材料が、このような製品の出荷及び商品化中、又は更にはこのような製品が販売された後の使用中、最終液体消費者製品を収容するために指定された容器(例えば、ボトル、パウチ等)内で直接混合される。この方法は、容器の長手方向軸線と整列されているのではなく、そのような長手方向軸線から十分に大きいオフセット角度(α)、例えば、約1°~約50°だけオフセットされた、容器を充填するための1つ以上の液体流入を用いる。そのようなオフセットされた又は角度が付けられた液体流入は、混合結果への利用可能な運動エネルギーの効果を増大させ、次いで、そのように形成された最終液体消費者製品の均質性及び安定性を改善する。一態様において、容器に液体組成物を充填するこの方向は、重心を有する開口部と、支持平面と、開口部の重心を通って延在し、かつそのような支持平面に垂直である長手方向軸線とを有する容器であって、容器の全容積が、10mL~10Lの範囲である、容器を提供するステップと、(B)第1の液体供給組成物及び第1の液体供給組成物とは異なる第2の液体供給組成物を提供するステップと、(C)容器に第1の液体供給組成物を、そのような容器の全容積の約0.01%~約50%まで部分的に充填するステップと、(D)続いて、容器の残りの容積又はその一部分に第2の液体供給組成物を充填するステップと、を含み、ステップ(D)中、第2の液体供給組成物は、開口部の直上に位置付けられるか又は開口部に挿入された1つ以上の液体ノズルによって、開口部を通じて容器の中に充填され、このような1つ以上の液体ノズルは、容器の長手方向軸線から約1°~約50°の範囲のオフセット角度(α)だけオフセットされた1つ以上の液体流入を発生させるように配置される。
【0131】
あるいは、別個の混合ユニット操作ステーションを設ける代わりに(又は混合ユニット操作ステーションに加えて)、システム又はその構成要素には、輸送されている物品の混合又は撹拌に寄与する特徴又は修正形態が設けられ得る。これは、電子部品などの繊細な構成要素を組み立てる際に典型的に望ましいものとは対照的である。しかしながら、流動性製品を作製する際には重要な関心事項となり得る。このような撹拌を提供し得る非限定的な数の特徴又は修正が考えられる。例えば、特定の場合では、搬送体24は、輸送されている物品(容器内の流動性製品など)を保持及び撹拌するために、そこに連結された撹拌機構を有してもよい。撹拌機構は、物品を振盪し、物品を反転させ、かつ/又は物品を回転させるように構成されたタイプのものであり得る。他の場合には、1つ以上の偏心輪を搬送体に設けるなど、撹拌機構が搬送体24のホイール30に設けられてもよい。更に他の場合において、その特徴又は修正形態は、搬送体が横断する表面上に設けられてもよい。すなわち、ワークスペース12の表面の少なくとも一部分の形状が撹拌をもたらし得る。例えば、図1に示されるように、ワークスペース12の床の一部分58は、輸送されている物品が撹拌されるように、十分に段差があるかあるいは起伏があるように作製され得る。代替的にあるいは追加的に、図1に示されるように、ワークスペース12の床の一部分60は、所望の撹拌をもたらすために、搬送体24の積荷を傾けるようにボウル形状にされてもよい。更に他の場合では、1つの点から別の点へと横行する際の搬送体24の運動が撹拌をもたらしてもよい。例えば、図1に示されるように、ボウル形状部分60において、搬送体24は、その経路の少なくとも一部に沿って、円(又は、いくつかの他の形)を描いて回転又は移動して、積荷を撹拌することができる。他の場合には、搬送体24は、積荷の所望の撹拌をもたらすために、その経路に沿って移動するときに、迅速に左右に移動してもよい。
【0132】
複合の充填/閉栓ステーション16は、流動性材料を容器38内に分配するように、また容器38が一度充填されると、蓋を容器38に適用するように構成され得る。複合の充填/閉栓ステーション16の一例が、図7に例示され、充填部92及び閉栓部94を含むように示されている。充填部92は、後退位置(図7)と伸長位置(図示せず)との間で垂直方向に移動し得る、充填アーム96を含み得る。閉栓部94は、退避位置(図示せず)と閉栓位置(図7の右側)との間で垂直方向に移動し得る、閉栓アーム98を含み得る。容器38の充填を開始するために、搬送体24は、充填部92にルーティングされ得、空容器38が充填アーム96の下に配置される。図7は、充填/閉栓ステーションの充填部分92及び閉栓部分94の両方と関連付けられた一対の機械的アームの形態をなす微調整機構80を示す。これらの微調整機構80は、ユニット操作ステーションが搬送体24上の物品に対して意図されたユニット操作を実施するために、搬送体が存在しなければならない、ユニット操作ステーション(ノズル下など)に対する正確な位置に搬送体24を届けることが可能である。充填アーム96は、次いで、後退位置から伸長位置に移動され、容器38の開口部40と係合し得る。充填アーム96は、次いで、流動性材料を容器38に分配し得る。一度、流動性材料が分配されると、充填アーム96は、流体の分配を停止し得、後退位置に戻るように移動し得る。搬送体24は、次いで、閉栓部94にルーティングされ得、蓋42が閉栓アーム98の下に位置決めされる。閉栓アーム98は、次いで、蓋42まで伸長し、蓋42を把持し、次いで、後退位置に戻り得る。搬送体24は、次いで、容器38の開口40を閉栓アーム98の下に移動させ得る。閉栓アーム98は、閉栓位置まで移動し得、蓋42を容器38に螺合させる、ないしは別の方法で取り付けることができる。蓋42は、内容物にアクセスするために消費者によって取り外し可能又は開封可能であり得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、蓋42は、容器38上に輸送され得る。かかる実施形態では、搬送体24が充填/閉栓ステーション16に到着すると、搬送体24は、まず、閉栓部分94にルーティングされ得る。閉栓アーム98は、蓋42を容器38から取り外し得、蓋42を保持しながら後退位置に移動し得る。搬送体24は、次いで、容器38に流体を充填するために充填部92にルーティングされ得る。一度、容器が充填されると、搬送体24は、閉栓ステーション94に戻り得、閉栓アーム98が、蓋42を容器38に固設する。他の実施形態では、蓋42は、容器38と同一搬送体上で(しかし容器上ではない)(例えば、同一搬送体上ではあるが、容器に隣接して)、充填/閉栓ステーション16に輸送され得る。他の実施形態では、蓋42は、容器38を輸送している搬送体とは異なる搬送体(例えば、別個の搬送体)上で、充填/閉栓ステーション16に輸送され得る。蓋42が搬送体24上で輸送されるとき、蓋42は、真空(又はいくつかの他の適切な方法)によって保持され、必要に応じて、最終製品ユニット操作ステーションのいずれかに送られ得る。例えば、蓋を装飾するために、蓋42を装飾ステーションに送ることが望ましい場合がある。更に他の実施形態にでは、蓋42は、空容器38と共に輸送されず、代わりに、閉栓部94に到着した際(すなわち、容器38が流動性材料によって充填された後)に、容器38に提供されてもよい。充填/閉栓ステーション16が、容器の充填及び閉栓を容易にする様々な追加又は代替の自動及び/又は手動構成のいずれかを含み得ることが認識されるべきである。
【0134】
装飾ステーション18は、容器38にラベル付けすること、印刷すること、スプレーコーティングすること(すなわち、スプレー塗装すること)、あるいは別様に装飾すること(及び任意選択的に、同じことをそれらの蓋に対しても行うこと)を容易にするように構成され得る。一実施形態において、装飾ステーション18の少なくとも1つは、容器38に適用するためのラベルを印刷するプリンタ(図示せず)を含み得る。かかる実施形態において、プリンタは、バッキング基板上にあるシール上にラベルを印刷し得る。スプーリングアセンブリ(図示せず)が、シール及びバッキング基板を受けることができ取る。容器38を搬送する搬送体24がスプーリングアセンブリを通過するとき、スプーリングアセンブリを通過する容器38の運動は、容器38へのシールの貼り付けを容易にし得る。
【0135】
他の実施形態において、プリンタは、転写構成要素上にインクを印刷し得、接着剤が、複合構造を形成するためにインク上に塗布され得る。インクと接着剤の複合構造は次いで、転写構成要素から物品(製品若しくはその一部分、又は容器など)上に転写されて、ラベル又は装飾を形成し得る(別個のシールを使用せず)。転写構成要素は軟質であってもよく、様々な凹状及び凸状の表面特徴部にわたって物品に適合することができる軟質シート材料を備えてもよい。場合によっては、接着剤はインクとは別個であってもよく、インクと物品との中間にあってもよい。他の場合には、接着剤はインクと一体であってもよい。加えて、転写構成要素は、転写構成要素と、インクと接着剤との複合体との中間にあり得る剥離コーティングで処理されてもよい。好適な転写プロセスは、The Procter&Gamble Companyに属する次の特許出願、すなわち、米国特許出願第2017/0182756(A1)号、米国特許出願第2017/0182704(A1)号、米国特許出願第2017/0182513(A1)号、米国特許出願第2017/0182705(A1)号、及び米国特許出願第2017/0183124(A1)号に記載されている。
【0136】
他の実施形態では、プリンタは、容器又は物品の周辺部を包囲するシュリンクスリーブなどのスリーブ又はラップ上にインクを印刷することができる。スリーブは次いで、シュリンクスリーブを加熱することなどによって、容器又は物品に少なくとも部分的に適合するようにされ得る。
【0137】
かかる構成は、「オンデマンド」装飾を容易にし得、それによって、異なる装飾(ラベルなど)が、搬送体24によって運搬されている異なるタイプの物品及び/若しくは容器38(並びに/又はそのような容器内の流体)に対して印刷され得る。これらのラベルは、例えば、文字、グラフィック、ブランド、成分、SKU(在庫商品識別番号)情報、又は物品(例えば、容器38)が販売のために展示されるときのための他の視覚要素等の、様々なタイプの装飾及び製品情報を含み得る。必要に応じて、物品(例えば、容器38)は、小売店又は個々の消費者からの注文に関して、及び/又はそれに応えて、カスタマイズされてもよく、更には個別化されてもよい。
【0138】
荷下ろしステーション20は、搬送体24からの充填された物品(充填された容器38など)の取り外しを容易にするように構成され得る。一実施形態において、荷下ろしステーション20の各々は、パッケージ(例えば、店舗陳列又は輸送コンテナ)内への積載のために、各搬送体24から物品(例えば、容器38)を回収するロボットアーム(図示せず)を含み得る。物品(充填された容器38など)の把持を容易にするために、ロボットアームは、ロボット下顎、吸引端、又は容器38の把持を可能にする様々な適切な追加的又は代替的構成のいずれかを有し得る。特定の場合において、搬送体24の少なくとも一部分又は構成要素は、物品/容器と同時に荷下ろしされてもよい。例えば、搬送体は、搬送体24に物品/容器を固定するために、取り外し可能かつ交換可能なパックを備えてもよい。
【0139】
物品(例えば、容器38)が搬送体24から取り除かれると、搬送体24は、再び積載ステーション14へとルーティングされて、充填用の別の物品(空の容器38など)(又は組み立て製品を作製するための物品の構成要素)を受け取ることができる。荷下ろしステーション20が、パッケージ内への容器最終製品の荷下ろしを容易にする、様々な追加的又は代替的な自動及び/又は手動構成のいずれかを含み得ることが理解されるべきである。
【0140】
いくつかの実施形態において、最終製品(例えば、充填された容器38)は、小売主において販売用の最終製品を提示するように設計されているパッケージ内に入れられ得る。かかるパッケージにおいて、最終製品(例えば、最終流動性製品)は、個々に販売用に提供され得るか、又は商品を共に形成する1つ以上の他の製品とパッケージ化され得る。最終製品は、2次パッケージを伴って、又は伴わずに、1次パッケージとして販売用に提供されてもよい。最終製品は、店舗の棚上に横にするか若しくは直立した状態、販売促進陳列内に提示された状態、陳列ハンガ上に吊り掛けられた状態、又は陳列ラック若しくは自動販売機内に装填された状態で、販売用に陳列されるように構成され得る。最終製品が、流動性製品(複数可)を収容する容器38を含むとき、それらは、これらの方式のいずれかで、又は当がい技術分野において既知の任意の他の方式で、意図したとおりに、破損することなく、容器を陳列することを可能にする構造を有して構成され得る。いくつかの実施形態において、荷下ろしステーション20は、従来の操作で頻繁に必要とされる物品の手動の取り扱いを必要とせずに、異なるタイプの製品を同じパッケージ内にパッケージングする(「バンドルする」)ことを容易にし得る。
【0141】
システムは、任意の適切な数及び/又はタイプの検査ステーション(複数可)を含み得る。例えば、システムは、通過する物品(例えば、容器38)を走査するようにそれぞれ構成されている第1及び第2のスキャナを含み得る。スキャナは、システム内の任意の好適な位置にあってよい。例えば、第1のスキャナは、積載ステーション16のうちの1つと充填/閉栓ステーション16との間に位置してもよく、また容器38が存在しているか否かを判定するために通過する各搬送体24をスキャンし得る。第2のスキャナは、装飾ステーション18と荷下ろしステーション20との間に位置してもよく、各通過する搬送体24をスキャンして、その上に配置された物品(例えば、容器38)が荷下ろしステーション20によってパッケージングされる準備ができているか否かを判定し得る。
【0142】
物品(例えば、容器38)が、荷下ろしステーションの1つによってパッケージングされる準備ができていない場合(例えば、内容物及び/又は容器の欠陥に起因して)、物品は、その目的地の荷下ろしステーションで荷下ろしされ得る。他の場合において、その上に物品を有する搬送体は、代替の荷下ろしステーションに送られ得る。目的地又は代替の荷下ろしステーションにおいて、次の行為、すなわち、物品(容器及び/又はその内容物)の欠陥が修復され得ること、容器が空にされ再生利用され得ること、及び/又は物品(容器及び/又はその内容物)が処分され得ること、のうちの1つ以上が行われ得る。物品は、荷下ろしステーションから荷下ろしされ、搬送体は、新しいルート割り当ての準備ができるようになる。
【0143】
第1及び第2のスキャナは、例えば、赤外線スキャナ等の、搬送体24及び/又は物品(例えば、容器38)から情報を取得するための様々なスキャナのいずれかとすることができる。第1及び第2のスキャナはまた、例えば、QRコード、UPCバーコード、又はRFIDタグなど、容器38からの様々なデータの読み取りを容易にするように構成され得る。
【0144】
システム10が、異なるタイプの流動性材料を様々なタイプの異なる容器内に同時に分配することを容易にし得ることが認識されるべきである。(当然ながら、異なる容器内への分配の開始時間及び終了時間は、正確に同時であり得るが、そうである必要はない。異なる容器内への分配は、時間において少なくとも部分的に重なるだけでもよい。)システム10が流動性製品以外の製品を生産するために使用されている場合、システム10は、大量生産製品と混合されたカスタマイズ製品を同時に製造するために使用され得る。流動性製品と同様に、そのような製品の生産及び/又は組み立ての開始及び終了時間は、厳密に一致し得るが、必ずしも一致していなくてもよい。開始時間と終了時間は、時間において少なくとも部分的にのみ重なり得る。
【0145】
加えて、流動性製品の場合、1つ以上の容器は、最終製品を作製するために使用される流動性材料で充填されなくてもよい。例えば、1つ以上の容器は、充填ユニット操作ステーションの1つ以上のノズルから、洗浄されるか又は排出される流動性材料を受容するために使用される場合があり、この流動性材料は、その後、処分又は再生利用され得る。
【0146】
以下に詳細に説明されるように、各搬送体24に提供される特定のタイプの物品(例えば、容器タイプ及び流動性材料)は、特定の生産スケジュールを履行するように制御システム62(図9)によって選択され得、また各搬送体24は、特定の製品を作製すること(例えば、容器38を積載及び充填すること)を容易にするために、ユニット操作ステーション(例えば、14、16、18、20)の中から固有のルートに沿って独立して、かつ同時にルーティングされ得る。各搬送体24に関する固有のルートは、例えば、搬送体タイプ(すなわち、搬送体24が収容するように構成されている容器のタイプ)、他の搬送体24に関して選択された固有のルート、及び/又はパッケージングのための荷下ろしステーション20によって必要とされる最終製品のタイプに少なくとも部分的に基づいて、制御システム62によって選択され得る。システム10が、従来の構成よりも効率的及び有効に、異なるタイプの流体による異なるタイプの容器の充填を容易にし得ることが認識されるべきである。例えば、リニアコンベア又は回転充填ライン等の従来の構成は、典型的には、一度に1つのタイプの容器に1つのタイプの流体を充填することのみを可能にする。したがって、個々のシステムが、各容器及び製造されている流体に関して頻繁に必要とされ、これは、費用及び時間が掛かり得る。加えて、異なる容器及び/又は流体を使用するためにこれらのシステムを改装することもまた、費用及び時間が掛かり得る。それゆえに、システム10は、従来の構成のものよりも安価及び短い時間で異なるタイプの充填された容器の製造を可能にする解決策であり得る。
【0147】
異なるユニット操作ステーションで行う操作は、同じだけの時間をとる場合があるが、多くの場合そうではないことが理解されるべきである。これらの時間間隔は、第1の期間、第2の期間、第3の期間などと呼ばれ得る。第1、第2、第3などの期間は、同じであってもよく、又は1つが他よりも長くてもよい。例えば、いくつかのユニット操作ステーションは、他のユニット操作ステーションと比べて比較的高速である操作を実施し、いくつかのユニット操作ステーションは、比較的低速であり得、いくつかのユニット操作ステーションは、比較的高速であるいくつかの操作とより低速であるいくつかの操作とを実行し得る(例えば、1つの成分を分配することができ、かつ完全な組成物を含むより多い量を分配することができる充填ステーション)。それゆえに、図1は、同数の充填/閉栓ユニット操作ステーション及び装飾ステーションを示すが、これは必須ではない。したがって、システムは、例えば、低速ユニット操作ステーションよりも少ない数の、比較的高速なユニット操作ステーションを有してもよい。
【0148】
異なるタイプの最終製品を開始から終了まで作製するためにかかる時間(スループットタイム)が、異なるタイプの最終製品に関して、同一であってもよく、又は異なってもよいこともまた理解されるべきである。同一タイプの最終製品に関して、最終製品を作製するためにかかる時間もまた、同一であってもよく、又は異なってもよい。空の搬送体が積載ステーションに到着するときに生じる開始点で始まり、最終製品が荷下ろしステーションで荷下ろしされる目的点で終了する、最終製品を作製するために要する時間が測定され得る。
【0149】
図14図15は、組み立て製品を生産するためのシステム及び方法の非限定的な一例を示す。図14は、製品1400がその上で組み立てられるホルダ1410と、構成要素A、B、及びCを組み立てて最終製品を作製するように構成された、システム全体にわたって配設された複数のユニット操作ステーション1484、1486、及び1488と、システム全体にわたって推進可能な複数の搬送体24と、を備える、組み立て製品を作製するためのシステムを示す。各ホルダ1410は、搬送体24のうちの1台の上に配置され、各搬送体24は、組み立て操作が実施される少なくとも1つのユニット操作ステーションにホルダ1410を配送するように、システム全体にわたって独立にルーティング可能である。組み立てのための構成要素(例えば、A、B、及びC)は、ユニット操作ステーション1484、1486、及び1488に、図14に示すような外部供給システムによって供給されてもよく、あるいは複数の搬送体24のうちの1つによって配送されてもよい。最終製品が図15に示されている。システムの大幅に簡略化されたバージョンが図14に示されているが、組み立て製品を生産するためのシステム及び方法は、この説明に含まれるかかるシステムの構成及び特徴のいずれかを利用し得ることを理解されたい。
【0150】
本明細書に記載されるシステム及び方法の多くの代替的な実施形態及び特徴が考えられる。
【0151】
ユニット操作ステーションは、同じ連続的な開放空間内に配置されてもよく、あるいは図1のユニット操作ステーション16のうちの1つの場合に示されるように、それらは、経路Pの開口部又は通過部分によってのみ接続される別々の部屋内に配置されるように、壁75によって分離されてもよい。通過部は、搬送体及び容器/物品の通過が可能となるように、十分大きいものであってよい。通過部は、開放されていてもよく、あるいはゲート又はドアを含んでもよい。通過部は、搬送体が通過していないときに、完全に閉鎖されてもよい。異なる部屋は、異なる条件下で維持されてもよい。例えば、感光性成分を含む組成物の添加は、暗室用に保留されてもよく、あるいは、温度/湿度感受性成分は、温度制御された部屋及び/又は湿度制御された部屋用に保留されてもよい。同様に、酸、塩基、酵素などの人の安全リスクを引き起こし得る組成物の添加は、個人保護手段などの付加的な管理を備えた部屋用に保留されてもよい。
【0152】
The Procter&Gambleの軟質膨張式容器(Flexible Inflatable Container)の特許公報に記載されているものなどの軟質容器を形成する場合、部分的に形成された容器が、個々の容器ブランクの形態で、本明細書に記載されるシステムに供給され得る。個々の容器ブランクは、それらのための適切なホルダを有する搬送体24上で搬送され得る。容器ブランクは次いで、次の操作のうちの1つ以上、すなわち、(例えば、図6Dに示すように)容器ブランクを開放すること、容器ブランクを装飾すること、容器ブランクの製品容積部に流動性製品を充填すること、充填後に製品容積部を閉鎖すること、構造支持容積部を膨張させること、及び膨張した構造支持容積部を封止すること、を実施するために、1つ以上のステーションに搬送され得る。
【0153】
品質保証(QA)ステーションは、所与の物品/パッケージの状態を評価して、様々な仕様(製品/パッケージ/流動性材料の有効性に関する)が特定の目標又は制限内にあることを保証するステーションであり得る。そのような品質保証ステーションは、とりわけ、パッケージ品質(例えば、ボトル上に擦り傷又は液滴がない)又は流動性材料の品質(パッケージ内の均質性、あるいはパッケージ内の充填レベル又は重量)をチェックするための非侵襲的な撮像方法を含み得る。品質保証ステーションはまた、侵襲的検査、すなわち、例えば、微生物試験又は均質性試験のために、容器内の流動性製品の直接サンプリングすることを含み得る。品質保証ステーションはまた、プロセス測定及び制御のために使用され得る。例えば、いくつかの部分がボトルに別々に添加される場合、ボトルは、添加を確認し、将来のボトルのための追加システムに必要な調整を場合によっては行うために、成分添加の間でボトルが計量され得る。
【0154】
物品を計量するためのステーション(すなわち、オートチェッカー)は、搬送体を停止させ、物品を計量することができるが、システムのスループットを増加させるために、物品を運搬する搬送体24が動いているときに物品を計量することがより望ましい。オートチェッカーは、任意の好適なタイプの計量セルを含み得る。計量セルとしては、歪みゲージ及び電磁力復元(electromagnetic force restoration、EMFR)計量セルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施例では、計量セルは、EMFR計量セルである。EMFR計量セルは、精度を失うことなく、(必要に応じて)大きな死荷重を取り扱う能力、及び高速な応答時間を有する。好適なEMFR計量セルは、Wipotec(Roswell,GA,U.S.A.)から入手可能である。
【0155】
所望により、オートチェッカーは、上に搬送体がない状態で定期的に(例えば、5分毎に)それ自体を風袋引きしてもよい。すなわち、「死荷重」の重量は定期的に再確立されてもよい。このことは、例えば、摩耗、「死荷重」の一部の汚染、汚染除去、又は「死荷重」機器の見掛け重量を変化させ得る他の要因によって引き起こされる「死荷重」重量の変化を補償するために有利である。「死荷重」の風袋引きの結果が以前の結果と著しく異なる場合、アラームがオペレータに警告してもよく、また制御システムは、措置が取られるまで更なる計量を阻止してもよい。
【0156】
場合によっては、複数の搬送体24が存在し、各搬送体は風袋重量を有する。搬送体24の風袋重量が十分に類似している場合、本方法は、計量セル上の読み取り値から固定された風袋重量(すべての搬送体の風袋重量に近似する)を減算することを含んでもよい。他の場合には、本方法は、各搬送体に識別呼称を割り当てるステップを更に含んでもよく、計量するステップは、どの搬送体が計量されている物体を運搬しているかを(コントローラを使用することなどによって)識別し、識別された搬送体の風袋重量を計量セル上の読み取り値から減算することを更に含む。後者の場合、摩耗、漏出、又は他の事象が原因で搬送体の風袋重量が変化していないことを確実にするために、時折、定期的に、あるいは継続的に、空の搬送体をオートチェッカーに送って搬送体の風袋重量をチェックすることが望ましくなり得る。また、各タイプの搬送体は、最小及び最大許容風袋重量を有し得る。搬送体の自重測定値がその範囲外である場合、搬送体は、オートチェッカー以外の指定位置(メンテナンスステーションなど)へと誘導されてもよく、ここでオペレータは警告されてもよい。これは、搬送体に問題が生じたときに、オートチェッカーの使用を阻止するのを防止するのに有用である。
【0157】
コントローラはまた、計量セル精度を検証するために、「較正搬送体」(又は「較正車」)をオートチェッカーに定期的に送給することができる。この特定の搬送システムはまた、搬送体識別(搬送体ID)及び割り当てられた風袋重量を、周期的に、あるいは所望により連続的にチェックする能力を提供する。
【0158】
搬送体24は、任意の好適な制御システムによって制御され得る。搬送体24は、様々な異なる制御レベルによって制御され得る。次の制御レベルのうちのいくつかが存在してもよく、すべてが存在してもよく、あるいはいずれも存在しなくてもよく、その制御レベルとは、搬送体の中央制御、搬送体の個々の制御、搬送体のゾーン制御、及びこれらの異なる制御レベルの任意の好適な組み合わせである。ゾーンコントローラは、生産領域の一部について、各搬送体24の2次元空間を割り当てることができる。搬送体24は、それらの経路に沿って出発する前に、ルート全体を計画する必要はない。制御システムは、マクロ的なルート計画を搬送体に提供することができ、例えば、点Aから点Bまでの全体的なルートを決定することができる。制御システムはまた、より低いレベルのルート計画を提供することができる。そのようなより低いレベルの計画又はミクロ的な計画は、搬送体を他の搬送体の前方に移動させたり、搬送体をユニット操作ステーションに対して適所(フィラーの下など)に位置付けたりするために使用され得る。
【0159】
ここで図9を参照すると、制御システム62は、搬送体位置制御コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106、及びシステムコントローラ108を含み、これらは、互いに通信可能に連結され、最終製品を生産することを容易にするように協調し得る。搬送体位置制御コントローラ104は、位置決めモジュール110及び衝突防止モジュール112を含み得る。位置決めモジュール110は、経路Pに沿った指定位置における搬送体24の位置決めを容易にすることができる。搬送体24の各々は、搬送体に関連付けられた固有の識別子を有することができ(固有性はシステム内の他の搬送体に関してのみ必要である)、その識別子を用いて、搬送体位置決めモジュール110は搬送体を識別することができる。以下に更に詳細に説明されるように、搬送体位置コントローラ104は、搬送体24に関して所望される場所の座標をシステムコントローラ108から受信し得る。搬送体位置コントローラ104は、各搬送体24の位置座標に基づいて、経路Pに沿って搬送体24を移動させ得る。
【0160】
ここで、上述のようにシステムコントローラ108によって搬送体位置コントローラ104に提供された座標を参照すると、提供された座標は、搬送体24の既定の中心線が方向付けられるべき指定位置を含む。場合によっては、このような座標は、搬送体24がユニット操作ステーションにおいて操作を受けるようにユニット操作ステーションに移動される必要があるときに、システムコントローラ108によって搬送体位置コントローラ104に提供されてもよい。このような操作は、搬送体24の一部又は搬送体24によって運搬される容器若しくは他の積荷の一部を、ユニット操作ステーションにおいて操作を実行するように設計された機器に対して特定の位置に位置合わせすることを必要とする場合がある。操作のためのこの位置決めの例としては、限定するものではないが、充填ノズルの下にボトル又は他の容器の口の中心点を位置付けること、閉栓装置の下に搬送体24のキャップ搬送機構を位置付けること、又は閉栓装置の下の容器上にキャップの所望の位置の中心点を位置付けること、が挙げられる。これらの操作において、システムコントローラ108は、所望の位置合わせが達成されるようにするため、上述のように、既定の搬送体24の中心線がなければならない位置に対応する座標のセットを搬送体位置コントローラ104に提供しなければならない。そのような位置合わせにより、操作を実施することになる機器に直接的に関連する位置に、既定の搬送体24の中心線を位置付けることが、時には達成されるが、多くの場合は達成されない。多くの場合、このような位置合わせは、搬送体の別の特徴又は搬送体の積荷と、変容を実施することになる機器との位置合わせを達成するために、既定の搬送体24の中心線を異なる位置に位置付け、それによって、典型的には、変容を実施することになる機器の位置からオフセットした位置に、既定の搬送体24の中心線を位置付けることを伴う。前述のオフセットは、位置合わせされる搬送体24上の特徴の位置と、既定の搬送体24の中心線の位置との差に関連する。同じ特定の特徴部(例えば、搬送体24によって運搬される容器の口)を、変容を実行する同じ特定の機器(例えば、フィラーノズル)と整列させる場合であっても、前述のオフセットは、搬送体24の特徴部、搬送体24によって運搬される積荷の特徴部、搬送体24によって運搬される積荷の同じ搬送体24上への位置付け、又はそれらの組み合わせに応じて変動し得ることを理解されたい。
【0161】
前述のオフセットにおける変動の問題を緩和するために、システムコントローラ108は、構成パラメータを記憶するように構成されてもよい。これらの構成パラメータのうちのいくつかは、各ユニット操作ステーションに関連する単一のパラメータを含み得るが、当該単一のパラメータは、搬送体24が操作を受けるようにユニット操作ステーションに誘導されるときに搬送体24のどの副次的特徴部がユニット操作ステーションと位置合わせされるべきかの選択を指定するものである。例えば、特定のユニット操作ステーションの特定のパラメータは、搬送体24が操作を受けるようにユニット操作ステーションに誘導されるときに、容器の充填口の中心が位置合わせされることを指定し得る。更に、追加の構成パラメータが存在してもよい。このような追加の構成パラメータは、搬送体24のタイプの副次的特徴部と既定の搬送体24の中心線との関係に関する情報、又は容器若しくは他の材料の下位構成要素と同じ構成要素の既定の中心線との関係に関する情報を含み得る。容器の下位構成要素と同じ構成要素の既定の中心線との関係の例としては、容器の中心線に対する容器の充填口の位置、又は容器の中心線に対する容器の所望のキャップの位置が挙げられるが、これらに限定されない。あるタイプの搬送体24の副次的特徴部と既定の搬送体24の中心線との関係の例としては、既定の搬送体24の中心線に対する容器の中心線の予想位置、又は既定の搬送体24の中心線に対するキャップ搬送特徴部の予想位置が挙げられるが、これらに限定されない。このような追加の構成パラメータが、システムコントローラ108内に構成されてもよく、あるいは製品スケジューリングコントローラ106内に構成されてもよく、あるいは他の場所に構成されてもよい。追加の構成パラメータが、製品スケジューリングコントローラ106内に構成されている場合、関連する追加の構成パラメータに関する情報は、製品スケジューリングコントローラ106からシステムコントローラ108に通信される各ルートを用いて、システムコントローラ108に通信されてもよい。したがって、前述のオフセットにおける変動の問題は、システムコントローラ108が計算を実施することによって緩和され得るが、その計算は、ユニット操作ステーションの位置にシフトを適用するものであり、そのシフトは、当該ユニット操作ステーションにおいて機器と整列するように搬送体24又はその積荷の所望の副次的特徴部を選択する構成パラメータに基づくものであり、結果として得られるシフトされたユニット操作ステーションの位置は、搬送体24又はその積荷の所望の副次的特徴部がユニット操作ステーションにおいて機器と適切に位置合わせされる位置へ搬送体24を移動させるために、搬送体位置コントローラ104に提供する座標を生成するために使用される。ユニット操作ステーションの位置座標におけるこのような計算されたシフトは、搬送体24のタイプとその様々な可能な積荷のあらゆる可能な組み合わせに関し、ユニット操作ステーション毎に一連の座標を記憶する必要をなくすために有利である。このように、新たなタイプの搬送体24、又は搬送体24によって運搬される新しい可能な積荷を導入する際に必要とされる労力と同様に、システムコントローラ108内に構成されなければならないユニット操作ステーションの位置座標の量が最少化される。ユニット操作ステーションにおける計算されたシフトもまた、追加情報に基づいて計算され得ることを理解されたい。例えば、追加情報は、測定された情報を含んでもよい。特定の例として、追加情報は、搬送体24上の容器の、同じ搬送体24の既定の搬送体24の中心線に対する測定位置を含み得る。
【0162】
制御システム62は、ソフトウェアベースの制御システム又はコンピュータベースの(又はコンピューティングデバイスベースの)制御システムとすることができる。限定するものではないが、カスタムチップ、組込み型処理デバイス、タブレットコンピューティングデバイス、携帯情報端末(personal data assistant、PDA)、デスクトップ、ラップトップ、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、サーバ、メインフレーム、又は任意の他の適切なプログラム可能なデバイスを含めて、当該技術分野で理解されるように、任意の適切なコンピューティングデバイス又はコンピューティングデバイスの組み合わせ(図示せず)が利用され得る。当然ながら、ソフトウェアはそのようなデバイス上で稼働することが理解される。本明細書に開示される様々な実施形態において、所与の機能又は複数の機能を実施するために、単一の構成要素は、複数の構成要素によって置換され得、複数の構成要素は、単一の構成要素によって置換されることができる。かかる置換が動作不可能である場合を除いて、かかる置換は、実施形態の意図される範囲内である。
【0163】
コンピューティングデバイスは、任意の適切なタイプの処理ユニット、とりわけ、例えば、汎用中央演算処理装置(central processing unit、CPU)、縮小命令セットコンピュータ(reduced instruction set computer、RISC)、パイプライン又は複数のコアを有するものを含む複数の処理性能を有するプロセッサ、複合命令セットコンピュータ(complex instruction set computer、CISC)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)とすることができる、プロセッサを含み得る。コンピューティングリソースはまた、分散コンピューティングデバイス、クラウドコンピューティングリソース、及び広くは、仮想コンピューティングリソースを含み得る。
【0164】
コンピューティングデバイスはまた、1つ以上のメモリ、例えば、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、プロセッサと関連付けられたキャッシュメモリ、又はダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、スタティックRAM(static RAM、SRAM)、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、電気的に消去可能なPROM(electrically erasable PROM、EEPROM)、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリカード又はディスク、ソリッドステートドライブなどのような他のメモリも含み得る。コンピューティングデバイスはまた、磁気ディスクドライブ、フロッピードライブ、テープドライブ、ハードドライブ、光ドライブ及びメディア、磁気光学ドライブ及びメディア、コンパクトディスクドライブ、読み出し専用コンパクトディスク(Compact Disk Read Only Memory、ROM)、コンパクトディスクレコーダブル(Compact Disk Recordable、CD-R)、コンパクトディスクリライタブル(Compact Disk Rewriteable、CD-RW)、適切なタイプのデジタル汎用ディスク(Digital Versatile Disk、DVD)又はブルーレイディスクなどのような、複数のモジュールを有するように構成され得る記憶デバイス等の記憶媒体も含み得る。フラッシュドライブ、ソリッドステートハードドライブ、安価なディスクの冗長アレイ(redundant array of individual disks、RAID)、仮想ドライブ、ネットワーク化ドライブ、及びプロセッサ上の記憶媒体を含む他のメモリ手段等の記憶媒体、又はメモリもまた、記憶デバイスとして考えられる。かかるメモリが、開示された実施形態の操作に関して内部又は外部とすることができることが認識され得る。本明細書に説明されるプロセスの一定の部分が、コンピュータシステムにプロセスステップを実施させる、コンピュータ可読媒体又はメディア上に記憶された命令を使用して実施され得ることが認識され得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、本明細書に使用される際、一時的な伝播する信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を含む。
【0165】
ネットワーク及び通信インターフェースは、ネットワークを介して他のコンピューティングデバイスにデータを送信するか、又はそれらからデータを受信するように構成され得る。ネットワーク及び通信インターフェースは、イーサネットインターフェース、無線インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェース、又は任意の他の適切な通信インターフェースとすることができ、受信機、送信機、及び送受信機を含み得る。明瞭性の目的のために、送受信機は、送受信機の入力機能のみ又は出力機能のみについて言及する場合には、受信機又は送信機を意味し得る。通信インターフェースの例としては、イーサネット及びTCP/IP等の有線データ送信リンクが挙げられ得る。通信インターフェースは、プライベート又はパブリックネットワークとインターフェースするための無線プロトコルを含み得る。例えば、ネットワーク及び通信のインターフェース及びプロトコルは、IEEE802.11xファミリーのネットワークの1つであるWiFiネットワーク、又は別の適切な無線ネットワーク等のプライベート無線ネットワークと通信するためのインターフェースを含み得る。ネットワーク及び通信インターフェースは、例えば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)及び汎欧州デジタル移動電話方式(Global System for Mobile Communications、GSM)を含む、セルラーネットワーク提供者によって使用される無線プロトコルを使用して、パブリック無線ネットワークと通信するためのインターフェース及びプロトコルを含み得る。コンピューティングデバイスは、データベース若しくはデータストア、又は1つ以上のサーバ若しくは他のネットワーク化コンピューティングリソース等のハードウェアモジュールと通信するためにネットワーク及び通信インターフェースを使用し得る。データは、暗号化されるか、又は非認証アクセスから保護され得る。
【0166】
様々な構成において、コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの様々な構成要素を相互接続するためのシステムバスを含み得るか、又はコンピューティングデバイスは、プログラマブルロジックデバイス又は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)等の1つ以上のチップ内に集積され得る。システムバスは、メモリコントローラ、ローカルバス、又は入力及び出力デバイスをサポートする周辺バス、及び通信インターフェースを含み得る。入力及び出力デバイスの例としては、キーボード、キーパッド、ジェスチャ又はグラフィカル入力デバイス、運動入力デバイス、タッチスクリーンインターフェース、1つ以上のディスプレイ、音声ユニット、音声認識ユニット、振動デバイス、コンピュータマウス、及び任意の他の適切なユーザインターフェースが挙げられる。
【0167】
プロセッサ及びメモリは、コンピュータ可読命令、データ、データ構造、プログラムモジュール、コード、マイクロコード、及び本明細書に説明された方法論を実行するための他のハードウェア構成要素に関連して非一時的コンピュータ可読媒体にコンピュータ可読命令を記憶するための他のソフトウェア構成要素を記憶するための不揮発性メモリを含み得る。ソフトウェア構成要素は、ソースコード、コンパイルされたコード、インタプリタコード、実行可能なコード、静的コード、動的コード、暗号化コード、あるいは任意の適切な高レベル、低レベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル、若しくはインタプリタ型プログラム言語を使用して実装される任意の他の適切な種類のコード若しくはコンピュータ命令を挙げることができる。
【0168】
再び図9を参照すると、搬送体位置コントローラ104は、経路Pに沿った搬送体24のルーティングを容易にするために、搬送体24の操作を制御し得る。搬送体位置コントローラ104はまた、システム内の搬送体24間の衝突を防止することができる。例えば、搬送体位置コントローラ104は、搬送体24の位置及び/又は速度を追跡し得る。搬送体24が衝突を引き起こし得るやり方で別の搬送体24への接近を開始した場合、搬送体位置コントローラ104は、衝突を防止するために接近する搬送体24及び/又は接近されている搬送体24の速度を調節する(速度を増減させる)ことができる。搬送体位置コントローラ104は、搬送体24上に設置されたオンボードコントローラであってもよいことが理解されよう。
【0169】
制御システム62は、次の様式、すなわち、郵便メール経由、Eメール経由、ウェブサイト経由、スマートフォン上のアプリケーション経由、手動入力経由、及び生産要求ソフトウェア(SAP SEから入手可能なSAPソフトウェアなど)経由のうちの1つ以上で注文を受け取るように構成され得る。
【0170】
製品スケジューリングコントローラ106は、各空搬送体24に関する容器タイプ及び流動性材料タイプ(例えば、最終製品)を割り当てるように構成され得る。製品スケジューリングコントローラ106はまた、割り当てられた最終製品を達成する望ましいルートを割り当てるように構成され得る。システムコントローラ108は、システム22全体にわたって搬送体24をルーティングし、最終製品及び搬送体24に割り当てられたルートに基づいて、ユニット操作ステーション14、16、18、20を操作するように構成され得る。
【0171】
制御システム62は、要求データに基づいて独立したルートを搬送体に予め割り当てる中央割り当て機構として構成され得る。制御システム62は、システムにより作製される最終製品に対する要求を受信し、1つ以上のユニット操作ステーションの状態に基づいて決定される搬送体のルートを決定し、要求された最終製品の1つ以上を作製するために、決定されたルートに沿って進行するように搬送体を推進させ、最終製品を積み下ろしステーションに配送する。作製される最終製品に関する少なくともいくつかの要求が最初に受信される限りにおいて、これらのステップは、上記の順序、又は任意の順序で行われ得ることが理解されるべきである。一般的に、ルーティングされている複数の搬送体が存在する場合、制御システムは、かかるステップを異なる搬送体に対して実施することができる。これらの搬送体は、任意の所与の時間にこれらのステップを経る異なるステージにあり得る(及び制御システムは、任意の所与の時間に様々な搬送体に対してこれらのステップのいずれかを実行している場合がある)。
【0172】
ユニット操作ステーション(複数可)の状態は、(a)ユニット操作ステーションの準備ができている状態(ユニット操作ステーションが機能停止しているか否かにかかわらず)、(b)ユニット操作ステーションの1つ以上の能力(つまり、ユニット操作(複数可)の説明)、(c)1つ以上のユニット操作ステーションで将来完了されることが予測又はスケジュールされた操作に関する情報(他の搬送体のそれらのルートに沿った進行を含む)、(d)ユニット操作ステーションの稼働率に関する情報(つまり、その最大能力に対してその能力のどの程度が使用されているか、又は逆に言えばその最大能力に対してどのくらいの頻度で稼働していないか)、(e)他のユニット操作ステーションの稼働率に関する情報(他のユニット操作ステーション(類似又は非類似)の利用)、(f)ユニット操作ステーションに対する原材料(例えば、流動性材料、ラベルなど)の利用可能性に関する情報、及び(g)ユニット操作ステーションに関与する予測される保守活動に関する情報、を含み得る。
【0173】
決定されたルートは、いくつかの場合において、1つ以上の他の搬送体の前に又は1つ以上の他の搬送体の後に1つ以上のユニット操作ステーションに到着することに関する1つ以上の制約を有し得る。他の場合において、決定されたルートは、1つ以上の他の搬送体の前に又は1つ以上の他の搬送体の後に1つ以上のユニット操作ステーションに到着することに関していかなる制約も有していない場合がある。決定されたルートは、搬送体の状態情報に基づいて決定される。かかる状態情報は、搬送体の容器保持インターフェースタイプ、搬送体の最大速度、搬送体の最大加速度、搬送体に保持され得る最大容器重量、最大容器サイズ、及び搬送体に関する任意の他の関連情報を含み得る。決定されたルートは、すべての考えられるルートのサブセットから選択され得、より具体的には、要求された最終製品を作製することを結果としてもたらすことになるすべての考えられるルートセットから選択される。決定されたルートは、潜在的ルートを比較することによって選択され、かかる比較は、1つ以上のユニット操作ステーションの利用又は能力を考慮し、選択されたルートは、1つ以上の操作ステーションの能力を最良に利用するように選択され得る。
【0174】
決定されたルートは、同様の時間に同様の場所に到達する過剰な搬送体によって引き起こされる混雑を回避し、搬送体が適切な所望される順番で到着するようになることを確実にするために、他の搬送体がそれらの計画されたルートに沿って実際に進行した範囲を含む、他の搬送体24に割り当てられたルートを考慮し得る。
【0175】
決定されたルートは、アルゴリズム(以下のように説明される)を使用して決定され得、アルゴリズムは、アルゴリズムの再帰的方法に対する変更を必要とせずに、広範囲のシステム構成及びユニット操作ステーション構成に適用可能であるように、再帰的方法を含み得る。アルゴリズムは、作製される最終製品に関する要求を受信するステップで特定された最終製品を作製することにユニット操作ステーションが寄与することを可能にするように、ユニット操作ステーションが他のユニット操作ステーションから部分的又は完全な最終製品を要求するシステムを実装し得る。ユニット操作ステーションからの要求は、必要とされる製品、及びこれらの製品が必要とされ得る時間を説明し得る。(しかしながら、積載ユニット操作ステーションは、典型的には、部分的又は完全な最終製品ではなく、搬送体に関する要求を受信する。)ユニット操作ステーションからの要求は、ルート決定アルゴリズムが、ユニット操作ステーションを適切な要求と接続するルートのみを考慮することを可能にし、システム全体にわたって搬送体をルーティングするすべての考えられる方式のメリットを評価するアルゴリズムと比較して、ルートを決定するために必要とされる時間及び処理電力を実質的に低減する。かかるアルゴリズムは、短期間(例えば、1秒未満)又は非常に短期間(いくつかの実施形態において100ミリ秒、50ミリ秒、5ミリ秒未満)で、システム全体にわたって搬送体をルーティングする多くの考えられる方式(いくつかの実施形態において1千億、1兆、又は考えられる更に多くの方式)から最良のルートを決定するという問題を解決し得る。かかるアルゴリズムは、いくつかの実施形態の形態を取り得るが、それらの実施形態のいくつかはまた、ユニット操作ステーションにおいて要求された製品に数量又は優先順位を割り当て、また、それらの実施形態のいくつかは、注文の属性に基づいてそのような優先順位を計算し得る。注文のそのような属性は、選択された出荷方法又は要求された配送時間を含んでもよい。
【0176】
最終製品を作製するために協調する搬送体位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106、及びシステムコントローラ108の一例についてここで説明する。まず、搬送体24が空であるとき(システムの始動、又は荷下ろしステーションで空になったことに起因して)、システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106から、搬送体24に割り当てられることになる次の最終製品をリクエストすることができる。製品スケジューリングコントローラ106は、最終製品を搬送体24に割り当てることができ、最終製品を完成させるために搬送体24がとる所望されるルートを提供することができる。システムコントローラ108は、次いで、搬送体24を容器積載ステーション14の1つにルーティングさせる搬送体位置コントローラ104に座標を提供し得る。搬送体位置コントローラ104は、次いで、搬送体24を容器積載ステーション14にルーティングさせ(指定された座標を介して)、搬送体24がその目的地に到達したときにシステムコントローラ108に通知する。システムコントローラ108は、次いで、容器積載ステーション14の操作を支援し得る。容器38が搬送体24上に積載された後、システムコントローラ108は、搬送体24を充填/閉栓ステーション16の1つにルーティングさせる搬送体位置コントローラ104に座標を提供し得る。搬送体位置コントローラ104は、次いで、搬送体24を充填/閉栓ステーション16にルーティングさせ(指定された座標を介して)、搬送体24がその目的地に到達したときにシステムコントローラ108に通知する。システムコントローラ108は、次いで、充填/閉栓ステーション16の操作を支援し得る。容器38が充填及び閉栓された後、システムコントローラ108は、搬送体24を装飾ステーション18の1つにルーティングさせる搬送体位置コントローラ104に座標を提供し得る。搬送体位置コントローラ104は、次いで、搬送体24を装飾ステーション18にルーティングさせ(指定された座標を介して)、搬送体24がその目的地に到達したときにシステムコントローラ108に通知する。システムコントローラ108は、次いで、装飾ステーション18の操作を支援し得る。容器38が装飾された後、システムコントローラ108は、搬送体24を荷下ろしステーション20の1つにルーティングさせる搬送体位置コントローラ104に座標を提供し得る。搬送体位置コントローラ104は、次いで、搬送体24を荷下ろしステーション20にルーティングさせ(指定された座標を介して)、搬送体24がその目的地に到達したときにシステムコントローラ108に通知する。システムコントローラ108は、次いで、荷下ろしステーション20の操作を支援し得る。容器38が搬送体24から取り外された後、システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106から、搬送体24に割り当てられることになる次の最終製品をリクエストすることができる。
【0177】
いくつかの実施形態において、システムコントローラ108は、渋滞、順番付け違反(順番付けは、以下に説明される)、及び/又は欠陥若しく拒否条件(例えば、ボトル欠品、キャップ欠品、キャップ不整列など)等の特定の問題を克服するために、搬送体24を所望される経路(製品スケジューリングコントローラ106によって割り当てられた)から逸脱させることができる。逸脱される経路は、製品スケジューリングコントローラ106及び/又はシステムコントローラ108によって決定され得る。
【0178】
搬送体位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106、及びシステムコントローラ108は、容器38が生産の様々なステージにあるように、システム10全体にわたる搬送体24の同時ルーティングを容易にし得ることが理解されるべきである。搬送体24の有効かつ効率的な同時ルーティングを容易にするために、搬送体位置コントローラ104、製品スケジューリングコントローラ106、及びシステムコントローラ108は、搬送体24及び/又は容器38に関する情報を共有し得る。例えば、システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106と、搬送体24の位置、各容器38の生産状態、及び/又は任意のルート逸脱を共有し得る。製品スケジューリングコントローラ106は、システムコントローラ108と、最終製品及び搬送体24に対するルート割り当てを共有し得る。
【0179】
上記のように、製品スケジューリングコントローラ106は、システムコントローラ108によって識別された各空搬送体24に関する、容器タイプ、蓋タイプ、流動性材料タイプ、装飾タイプ、及びルートを割り当て得る。本実施形態は、容器タイプ、蓋タイプ、流動性材料タイプ、及び装飾タイプの割り当てについて説明するが、他の実施形態は、他の最終製品属性を指定し得ることが認識されるべきである。他の最終製品属性は、容器若しくはその任意の部分(複数可)の寸法に関する値、最終製品、充填量又はレベルを含む、完成の1つ以上のステージにおける製品の1つ以上の部分の重量に関する値、又は前面ラベルタイプ及び背面ラベルタイプ等の前述若しくは後述のものと同様の追加の属性を含み得る。また更に他の最終製品属性は、前述の最終製品属性又は他の最終製品属性のうちの任意の1つ以上に関する値の目標又は許容範囲を含み得る。更に、他の最終製品属性は、指定された最終製品に対して操作中に使用されるユニット操作ステーションの設定に関するパラメータを含み得る(例えば、ボトル高さは、充填ノズルが調節されることになる高さを示すことになる)。
【0180】
各空搬送体24に関する、容器タイプ、蓋タイプ、流動性材料タイプ、装飾タイプ、及びルートを割り当てる際に製品スケジューリングコントローラ106によって実装される制御ルーチンの一実施形態は、概して、ここで論じられることになる図10図11図12図13A及び図13Bに例示される。製品スケジューリングプロセスは、順番付けフェーズ(図10)、要求伝播フェーズ(図11)、有効ルート識別フェーズ(図12)、及びルートランク付けフェーズ(図13A及び図13B)の4つのフェーズに分割され得る。一般的に、順番付けフェーズ中、生産スケジュールは、各荷下ろしステーション20に割り当てられ得る。要求伝播フェーズ中、各荷下ろしステーション20の生産スケジュールによって指定された最終製品の1つ以上に寄与するように要求を有するか又は要求を有することになるユニット操作ステーションが特定される。有効ルート識別フェーズ中、現在の搬送体24に関する複数の有効ルートが、ユニット操作ステーションの要求情報に基づいて特定される。ルートランク付けフェーズ中、最良のルート及び関連する最終製品が、有効ルート識別フェーズ中に生成される複数の有効ルートから選択され得る。
【0181】
ここで図10を参照し、順位付けフェーズについてここでより詳細に論じる。まず、生産注文が、製品スケジューリングコントローラ106に提供され得る(ステップ200)。生産注文は、所望されるパッケージの数量、及び各パッケージ内に提供されるべき最終製品のタイプを含み得る。更に、生産順序は、ケース又はパレットの単位などの個々のパッケージよりも大きい単位でなされ得る。ケース又はパレットは、同じパッケージを含んでも、異なるパッケージを含んでもよいことが理解される。順序付けフェーズでは、全体的な生産注文に対応するように、特定のパッケージの生産が順序付け及び優先順位付けされ得る。優先順位付けでは、ケース又はパレットを組み立てるために必要とされるパッケージの順序が考慮され得る。加えて、優先順位付けでは、各ユニットの緊急性がより高い順位で考慮され得る。各パッケージは、異なるタイプ及び/又は数量の最終製品を含み得る。パッケージ内に提供される最終製品のタイプを説明する際、生産注文は、追加的に順番付け情報を特定し得る。順番付け情報は、製品の到着の明示的な順番を特定するか、パッケージに関する製品到着の順番が重要ではないことを特定するか、又はそれらの組み合わせ、例えば、1つ以上の第1の製品が1つ以上の第2の製品の前に到着しなければならないが、1つ以上の第3の製品に関しては任意の順番であることを特定するかのいずれかであり得る。一実施形態において、生産注文は、上流コンピュータシステムで受信される(例えば、調達ソフトウェアプログラムから)顧客注文から生成され得る。上流コンピュータシステムは、生産注文を製品スケジューリングコントローラ106に伝達し得、製品スケジューリングコントローラは、次いで、履行のためにパッケージを荷下ろしステーション20に配分し得る(205)。パッケージが、特定の順番で荷下ろしステーション20に割り当てられ、こうして、各荷下ろしステーション20に関する生産スケジュールを確立する。この順番は、各荷下ろしステーション20でのパッケージの生産の順序を特定するが、システム10全体によるパッケージの生産の順番を特定しない。
【0182】
具体例を用いて更に説明するために、生産注文がパッケージ1、2、3、4、5、及び6を説明する場合、パッケージは、2、1、5の順番で第1の荷下ろしステーション20に割り当てられ得、パッケージは、3、6、4の順番で第2の荷下ろしステーション20に割り当てられ得るが、システム10は、順序2、1、3、5、6、4、順序2、3、1、6、5、4、順序3、6、4、2、1、5、又は特定の荷下ろしステーション20のパッケージ順番付けを違反しない任意の他の順序でパッケージを生産し得る。上記の具体例において、パッケージ生産が順番付けされたプロセスとして説明されたとしても、複数のパッケージを供給する最終製品は同時に生産されてもよく、それにより、1つよりも多いパッケージが同時に生産されているプロセスにあり、そのため、説明された順番が、パッケージを生産するプロセスの完了を指し、1つよりも多いパッケージが、ほぼ正確に同一の瞬間に完成され得ることが可能であることが留意されるべきである。
【0183】
荷下ろしステーション20の少なくとも1つがパッケージを割り当てられると、システムコントローラ108は、ルート及びそれと関連付けられた最終製品を割り当てるための搬送体24(現在の搬送体)を選択し得る。搬送体24は、システム10内の複数の搬送体24の中から選択され得るか(例えば、システム10が最初に初期化/開始されたとき)、又は搬送体24が前に割り当てられた最終製品を完成させたときに選択され得る(例えば、荷下ろしステーション20を離れた後)。最も典型的には、選択された搬送体は、空である。しかしながら、いくつかの場合において、搬送体24は、ルート実行中に前のルートを中断している場合があり(例えば、ユニット操作ステーションの故障のため)、そのため、搬送体24は、空ではないとしても、新しいルートの割り当てのために選択される場合がある。一旦搬送体24が選択されると、システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106から、その搬送体24に割り当てられるべきルート及び関連付けられた最終製品をリクエストすることができる。各ルートリクエストは、搬送体のタイプ、及び容器の積載を含んだが容器の積み下ろしを含まなかった事前のルート上でその搬送体上で既に完了した任意の操作を説明する。
【0184】
ここで要求伝播フェーズ(215)についてより詳細に、図10及び他の図面の図を参照して論じる。以後は割り当て時間計算済み要求実施形態と呼ばれる一実施形態において、要求伝播フェーズ(215)は、システムコントローラ108からのルートリクエストを受信して始まる。以後は事前計算済み要求実施形態と呼ばれる別の実施形態において、要求伝播フェーズ(215)は、システムコントローラ108からのルートリクエストを待たずに始まり得、そのため、ルートは、要求伝播フェーズ(215)が既に完了していることになるため、より短い時間でシステムコントローラ108からのルートリクエストに応答して割り当てられ得る。これは、要求伝播フェーズ(215)が、ルート割り当てのための搬送体24が事前に選択されていることに依存しないため可能である。事前計算済み要求実施形態の欠点は、要求伝播フェーズ(215)が必要とされるよりも長い時間実行され得るため、全体的により多くの計算を必要とし得ることである。割り当て時間計算済み要求実施形態及び事前計算済み要求実施形態をトリガするイベントは異なるが、要求計算プロセスは、同一であり、次に、より詳細に説明される。
【0185】
まず、製品スケジューリングコントローラ106は、荷下ろしステーション20の生産スケジュールによって特定された順序で荷下ろしステーション20の生産スケジュールを履行するために、利用可能な(故障していない)荷下ろしステーション20の各々で次に必要とされる最終製品のすべてを識別することができ、それらの製品に対応する要求項目を確立する(300)。これらの要求項目は、各荷下ろしステーション20に現在割り当てられ、次に、生産スケジュールによって定義されたパッケージ全体の順序と干渉せずにパッケージ内に積載され得る最終製品を説明すると理解され得、どの搬送体24も、履行するためのルート及び関連付けられた最終製品をまだ割り当てられていない。要求項目はまた、最終製品を作製するプロセスのステップの、すべてではなく1つ以上を完了している半製品、又は空搬送体(積載ユニット操作ステーションの場合)であり得る。したがって、要求項目300は、最終製品又は半製品であり得る製品の説明を含むことが理解され得る。
【0186】
更に、各要求項目はまた、タイムスパンを説明する。各要求項目によって説明されるタイムスパンは、かかる製品がユニット操作ステーションに到着するべき時間範囲を特定し、この場合、ユニット操作ステーションは荷下ろしステーション20である。この時間範囲は、要求項目が、事前に必要な製品よりも早く、及び事後に必要な製品よりも遅く到着することになる製品の必要性を説明しないことを保証する。以下に説明される追加のプロセスを通して、時間範囲は、より一般的に、説明された製品の到着がいかなるシステム制約も違反しない時間範囲を表すものとして説明され得る。
【0187】
各要求項目は、特定のユニット操作ステーションと更に関連付けられ、それにより、ユニット操作ステーションが1つ以上の要求項目を有するか、又はユニット操作ステーションが要求項目を有していないと言える。各要求項目は、関連付けられたユニット操作ステーションで実施されることになる特定のタイプの操作と更に関連付けられる。製品スケジューリングコントローラ106が、各荷下ろしステーション20に関するすべての適切な要求項目の確立を完了すると、最も下流のユニット操作ステーショングループが、要求伝播に関して選択され、以後は要求計画ユニット操作ステーショングループと呼ばれる。要求計画ユニット操作ステーションと関連付けられた要求項目は、ここで、事前にスケジュールされた搬送体24が、最大能力である要求計画ユニット操作ステーションのインフィードキューを結果としてもたらすように予測される、いかなる時間も含まないように、改良(310)を受け、この改良(310)は、要求項目に変更がないこと;要求項目を、タイムスパン以外、すべてにおいて、その本来の要求項目と同一である、2つ以上の追加の要求項目に分割すること;開始若しくは終了時間の一方若しくは両方を調節することによって関連付けられたタイムスパンを短縮すること;又は要求項目を完全に排除すること、のいずれかを結果としてもたらし得る。次に、要求計画ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションの各々と関連付けられた要求項目の各々が評価される。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、要求計画ユニット操作ステーショングループの上流である最も下流のユニット操作ステーショングループ(すなわち、搬送体24が要求計画ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションに進む直前に遭遇し得るユニット操作ステーション)を識別し得、これは、以下、要求伝播ユニット操作ステーショングループと呼ばれる。
【0188】
各ユニット操作ステーショングループはまた、それらと関連付けられた、存在しないユニット操作ステーション(仮想ユニット操作ステーション)の表現を有し得る。すべての容器がすべてのユニット操作ステーションでの処理を受ける必要はないため、仮想ユニット操作ステーションは単に、容器が1つ以上のユニット操作ステーショングループをバイパスすることを可能にするか、又は容器がかかるユニット操作ステーションによって実施される処理を受けないことを可能にするコンピュータプログラム内の機構である。例えば、システム内に提供された容器が事前にラベル付けされたボトルを含む場合、容器が装飾ステーションでラベル付けされる必要性が存在しないことになる。
【0189】
図1の実施例において、要求項目を有する荷下ろしステーション20の上流である最も下流のユニット操作ステーショングループは、装飾ステーション18であり得る。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、要求伝播ユニット操作ステーショングループから1つのユニット操作ステーションを選択し得、これは以後、要求伝播ユニット操作ステーションと呼ばれる。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、要求伝播ユニット操作ステーションが現在利用可能であるか否か(315)、又はそれが、現在評価されている要求項目によって説明される製品の1つ以上の属性を確立することになる1つ以上の操作をサポートするかどうか(320)を決定し得る。要求伝播ユニット操作ステーションが、現在利用不可能である場合、又はそれが、現在評価されている要求項目によって説明される製品の1つ以上の属性を確立することになる1つ以上の操作をサポートしない場合、要求伝播ユニット操作ステーションによって処理されているこの要求項目の評価が完了する。要求伝播ユニット操作が現在利用可能であり、要求項目によって説明される製品の1つ以上の属性を確立することになる1つ以上の操作をサポートしている場合、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝播ユニット操作ステーションから要求項目に関連付けられたユニット操作ステーションまでの進行時間に加えて、要求伝播ユニット操作ステーションが容器に対するその操作を完了するのにかかる時間(例えば、操作時間)であり得る時間遅延(330)を計算し得る。したがって、上記の時間遅延(330)によってオフセットされた、評価されている要求項目によって特定されたタイムスパンは、操作がユニット操作ステーションで開始し得る時間範囲を意味するようにとられ得る。
【0190】
次いで、新たな要求項目が作成され得るが(340)、その新たな要求項目は、要求伝播ユニット操作ステーションに関連付けられるものであり、また評価されている要求項目の時間スパンから時間遅延(330)を差し引いた時間間隔として指定される時間間隔を有するものである。新たな要求項目について記載された製品は、評価されている要求項目から、要求伝播ユニット操作ステーションで完了される操作によって確立された属性を差し引いたものとして記載される製品である。新しい要求項目のタイムスパンは、次いで、事前にスケジュールされた搬送体24が、最大能力である要求伝播ユニット操作ステーションのインフィードキューを結果としてもたらすように予測される、いかなる時間も含まないように、第1の改良(345)を受け、この第1の改良(345)は、新しい要求項目に変更がないこと;新しい要求項目を、タイムスパン以外、すべてにおいて、新しい要求項目と同一である、2つ以上の追加の要求項目に分割すること;開始若しくは終了時間の一方若しくは両方を調節することによってタイムスパンを短縮すること;又は新しい要求項目を完全に排除すること、のいずれかを結果としてもたらし得る。
【0191】
この第1の改良(345)及び改良(310)は、それらが、要求に合致するように搬送体24に割り当てることが要求伝播ユニット操作ステーションのインフィードキューの能力を超過することを結果としてもたらす時間中、要求を回避することを実現するため、有用である。更に、この第1の改良は、要求に合致するように搬送体24に割り当てることが、搬送体24が要求伝播ユニット操作ステーションのインフィードキューにその能力を超過させることを結果としてもたらす時間中、要求を回避するように、新しい要求項目のタイムスパンを同様に改良し得、かかる能力違反は、その搬送体24の到着によって直接的に、又は事前にスケジュールされているが、後続して到着する他の搬送体24の連鎖的な衝突によって間接的に引き起こされることになり、かかる能力は、要求伝播ユニット操作ステーションと関連付けられた構成パラメータによって表される。
【0192】
第1の改良(345)の完了に際して、一式の任意の残りの新しい要求項目又は追加の要求項目、以下、まとめて残りの要求項目セットと呼ばれるものは、説明された製品に対する操作を開始することがいかなるシステム制約も違反しないタイムスパンを表すように理解され得る。残りの要求項目セットは、再度、タイムシフトされ、この時間は、事前にスケジュールされた搬送体24に従って調節され、そのため、結果として生じるタイムスパンは、要求伝播ユニット操作ステーションインフィードキューでの説明された製品の到着がいかなるシステム制約も違反しないタイムスパンを表し、こうして、搬送体24が操作の開始前に要求伝播ユニット操作ステーションインフィードキューで待つことになる時間を考慮し、この時間は、システムコントローラ108から製品スケジューリングコントローラ106と共有された搬送体24の位置情報と組み合わせて、事前に他の搬送体24に割り当てられたルートに基づいて既知であり得る。残りの要求項目セットに適用されるこのタイムシフトは、要求伝播ユニット操作ステーションによって処理されているこの要求項目の評価の完了を示す。
【0193】
要求伝播ユニット操作ステーションによって処理されているこの要求項目の評価が完了したとき(例えば、要求伝播ユニット操作ステーションが、この要求項目に対して不適切であるか、又は新しい要求項目が作成及び改良されたことのいずれかが見出されたとき)、製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、要求伝播ユニット操作ステーションによって処理されているこの要求項目を評価するために使用されたものと同一のプロセスによって、要求伝播ユニット操作ステーショングループ内の他のユニット操作ステーションの各々によって処理されているこの要求項目を評価するように進み得る。
【0194】
要求伝播ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションの各々によって処理されているこの要求項目の評価が完了したとき、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝播ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションの各々によって処理されている要求計画ユニット操作ステーションと関連付けられた各要求項目を評価することを続けるように進む。
【0195】
要求伝播ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションの各々によって要求計画ユニット操作ステーションと関連付けられた各要求項目の評価が完了したとき、製品スケジューリングコントローラ106は、要求伝播ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションの各々によって処理されている要求計画ユニット操作ステーショングループ内の他のユニット操作ステーションの各々と関連付けられた要求項目の各々を評価する。これが完了したとき、要求計画ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションと関連付けられた要求項目に関する要求伝播が完了し、新しい要求項目が作成されている場合があり、これは、要求伝播ユニット操作ステーショングループ内のユニット操作ステーションと関連付けられている。次に、要求伝播フェーズは、製品スケジューリングコントローラ106が要求伝播ユニット操作ステーショングループを要求計画ユニット操作ステーショングループとして選択することと、要求伝播ユニット操作ステーショングループの上流である最も下流のユニット操作ステーショングループを要求伝播ユニット操作ステーショングループとして選択することと、新しい要求計画ユニット操作ステーショングループと関連付けられた任意の要求項目に関する要求伝播を同様に完了することと、に進む。このプロセスは、最も上流のユニット操作ステーショングループが、要求計画ユニット操作ステーショングループとして選択されることになるまで繰り返し、この時点において、要求伝播フェーズが完了する。
【0196】
要求伝播フェーズの別の実施形態において、追加の要求集約ステップが、各ユニット操作ステーショングループに関する要求の処理の間に実行され得る(例えば、異なるユニット操作ステーションが要求計画ユニット操作ステーショングループとして選択される度に)。要求集約ステップは、新たに選択された要求計画ユニット操作ステーショングループ内の各ユニット操作ステーションと関連付けられた要求項目を調査することになり、上流インターフェース地点からの進行時間の差を考慮した後、この既存の要求項目セットに基づいて新しい要求項目セットを作成し、新しい要求項目セットは、インターフェース地点に到着する製品がいかなるシステム制約も違反しない時間間隔を説明する。新しい要求項目セットの確立において、同様の製品に関する重複タイムスパンが排除され得、隣接する要求項目が併合され、プロセスに対する要求項目の数を減少させる。これは、要求伝播フェーズを完了するために必要とされる処理時間を短縮するために有利である。かかる追加の要求集約ステップが使用されると、新しい要求項目セットが、要求計画ユニット操作ステーショングループと関連付けられた要求項目の代わりに要求伝播ユニット操作ステーショングループに対して計画され、計算された時間遅延330は、インターフェース地点から要求計画ユニット操作ステーションまでの進行時間における因子ではなく、これは、この進行時間が既に検討されていることによる。
【0197】
要求伝播フェーズの更に別の実施形態において、要求項目はまた、説明された製品の数量も特定し得る。これらの量がそれらの関連付けられた要求項目と共に伝播されるとき、追加の要求情報が製品スケジューリングプロセスの後続フェーズに利用可能であり、これは、生産効率をより良好に最適化することを助け得、通常必要とされることになるルート割り当て間の要求伝播フェーズを実行せずに1つよりも多いルートを割り当てるために使用され得る。これは、製品スケジューリングコントローラ106が実施しなければならない算出量を減少させるために有利であり得る。
【0198】
ここで、有効ルート識別フェーズについて、図12を参照してより詳細に論じる。搬送体のタイプ及びアセンブリの状態の説明を含むルートリクエスト400を、システムコントローラ108から受信すると、製品スケジューリングコントローラ106は、有効ルート識別フェーズに入り得る。まず、事前計算済み要求実施形態の場合におけるように要求伝播フェーズが既に完了している場合、要求伝播フェーズは、ここで完了する。計画されたルート時間が、ルートリクエスト400が製品スケジューリングコントローラ106によって受信された時間として確立される。現在の製品タイプが、ルートリクエストによって説明された搬送体及びアセンブリの状態として確立される。最も上流のユニット操作ステーショングループ内の各ユニット操作ステーションに関して、反復ルート識別プロセス405が完了する。
【0199】
反復ルート識別プロセス405は、製品スケジューリングコントローラ106が、潜在的ルートバッファを確立し、及びその中に、事前の潜在的ルートバッファの内容が存在する場合にはそれをコピーすること410によって開始する。反復ルート識別405プロセスは、製品スケジューリングコントローラ106が、上流インターフェース地点から現在のユニット操作ステーションまでの進行にかかる時間を追加することによって、計画されたルート時間を変更することに進む。反復ルート識別プロセスは、現在のユニット操作ステーションが、関連付けられたタイムスパンが計画されたルート時間を含む、現在の製品タイプを説明する要求項目を有するかどうかを製品スケジューリングコントローラ106が決定すること415に進み、かかる要求項目は、以下、関連要求項目と呼ばれる。関連要求項目が存在しない場合、潜在的ルートバッファが削除され420、反復ルート識別プロセス405のこのインスタンスによって、いかなる更なる行為も行われない。関連要求項目が存在する場合、反復ルート識別プロセス405は、現在のユニット操作ステーション及び潜在ルートバッファに対する関連要求項目によって特定された操作を説明する情報を追加すること425によって継続する。
【0200】
現在のユニット操作ステーションが最も下流のユニット操作ステーショングループ430の一部ではない場合、反復ルート識別プロセス405の新しいインスタンスが、現在のユニット操作ステーションが属するユニット操作ステーショングループのすぐ下流のユニット操作ステーショングループ内の各ユニット操作ステーションに関して開始され、反復ルート識別プロセス405の新しいインスタンスは、修正された、計画されたルート時間と共に提供されて、このルートの実行中に搬送体が現在のユニット操作ステーションのインフィードキューで待つことに費やす、事前にスケジュールされた搬送体24及びシステムコントローラ108から共有された情報に基づく時間、搬送体が現在のユニット操作ステーションで関連要求項目によって特定された操作を受けることに費やす時間、並びに現在のユニット操作ステーションから下流インターフェース地点までの進行時間を追加する。同様に、反復ルート識別プロセスの新しいインスタンスは、このインスタンスの潜在的ルートバッファと共に提供されて、それらの新しい潜在的ルートバッファ内にコピーされる。同様に、反復ルート識別プロセスの新しいインスタンスによって考慮される製品タイプは、反復ルート識別プロセスのこのインスタンスによって考慮される製品タイプであるようにとられ、関連要求項目によって特定された操作によって確立された1つ以上の属性を含むように修正される。現在のユニット操作ステーションが最も下流のユニット操作ステーショングループに属する場合、潜在的ルートバッファが有効ルートのリストに追加され435、反復ルート識別プロセス405のこのインスタンスを完了する。
【0201】
反復ルート識別プロセス405の各インスタンスが完了すると、有効ルートのリストは、ルートリクエスト400で特定された搬送体24が割り当てられ得るすべての潜在ルートのリストを含み、これは、いかなるシステム制約も違反せずに、製品を生産注文によって特定されたパッケージに配送することになるすべての潜在的ルートのリストと言える。反復ルート識別プロセス405の各インスタンスが完了すると440、有効ルート識別フェーズが完了し、ルートランク付けフェーズが開始する445。一実施形態において、有効ルート識別フェーズは、有効ルートのリスト内のルートの数が特定の数未満である場合のみ、継続することになる。これは、特定されたルートの数未満を識別する効果を有することになり、これは、有効ルート識別フェーズに関する最悪の場合の処理時間を短縮するために利点があり得るが、この実施形態は、有効ルートとして最良ルートを識別しないリスクを保有する。特定されたルートの数は、定数であってもよく、又は製品スケジューリングコントローラ106のプロセッサ利用に関するパラメータに基づいて計算された数あってもよい。
【0202】
ここで、図13A及び図13Bを参照して、ルートランク付けフェーズについてより詳細に論じる。ルートランク付けフェーズは、まず、ルートメトリック生成サブフェーズ、続いて、ルートソーティングサブフェーズを受けることを含む。
【0203】
ルートメトリック生成サブフェーズが、ここで、より詳細に論じられることになる。まず、製品スケジューリングコントローラ106が、ユニット操作ステーショングループ内の各ユニット操作ステーションの利用に基づいて各ユニット操作ステーショングループに関する重み付け因子(510)を計算し、より少ない未使用の能力を有するユニット操作ステーショングループは、より大きな重み付け因子値を獲得することになる。この重み付け因子は、続いて説明される計算が最も多忙なユニット操作ステーションの稼働率を最適化する優先順位付けを行うことを可能にするため、良好な生産最適化を可能にする。
【0204】
有効ルートのリスト内の各ルートに関して、製品スケジューリングコントローラ106は、キュー長さ(Queue Length、QL)メトリック、未使用ユニット数(Unused Unit Count、UC)メトリック、ほぼ欠乏したユニット数(Nearly Starved Unit Count、NSC)メトリック、スケジュール済み搬送体数(Vehicles Already Scheduled Count、VASC)メトリック、及び非生産時間(Non-Productive Time、NPT)メトリックを識別するために以下の計算を実施することになる。QLメトリックは、現在の有効ルートに沿って、このルートが選択された場合にこの搬送体24が到着することになる時間における各ユニット操作ステーションでのインフィードキュー長さの合計に関連する。UCメトリックは、現在の有効ルートに沿って、このルートが選択された場合にこの搬送体24の到着前の特定期間、休止及び欠乏されていることになるユニット操作ステーションの数に関連する。NSCメトリックは、現在の有効ルートに沿って、この搬送体24によるこのルートの選択及び実行に関するものではない場合に休止することになるユニット操作ステーションの数に関連する。VASCメトリックは、現在の有効ルートに沿ってユニット操作ステーションに将来到着するようにスケジュールされた、事前にスケジュールされた搬送体24の数に関連する。NPTメトリックは、現在の有効ルートに沿って、この搬送体24が進行すること、又はユニット操作ステーションインフィードキューで待つことに費やすことになる時間に関連する。製品スケジューリングコントローラ106は、QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック、及びNPTメトリックの各々にゼロを最初に設定し得る。
【0205】
現在の有効ルートに沿った各ユニット操作ステーションに関して、以下の計算が、そのルートのQLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック、及びNPTメトリックを更新するために実施される。製品スケジューリングコントローラ106は、重み付け因子を、搬送体24がユニット操作ステーションに到着することが予測される時間のインフィードキュー長さと乗算することによってQL値を計算し得る(515)。QL値は、QLメトリックに加算され得る(520)。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、UC値を計算し得る(525)。このユニット操作ステーションが、このユニット操作ステーションにおけるこの搬送体24の予測される到着の直前の特定期間中に操作に関してスケジュールされた他の搬送体24を有していない場合、UC値は、重み付け因子である。そうでなければ、UC値は、ゼロである。UC値は、UCメトリックに加算され得る(530)。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、NSC値を計算し得る(535)。この搬送体の到着及びその後の関連付けられた操作がない場合に、このユニット操作ステーションが休止することになる場合、NSC値は、重み付け因子である。そうでなければ、NSC値は、ゼロである。NSC値は、NSCメトリックに加算され得る(540)。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、重み付け因子を、ユニット操作ステーションに将来到着するようにスケジュールされた、事前にスケジュールされた搬送体24の数で乗算することによってVASC値を計算し得る(545)。VASC値は、VASCメトリックに加算され得る(550)。製品スケジューリングコントローラ106は、次いで、重み付け因子を、1)上流ユニット操作ステーションからこのユニット操作ステーションまでの進行時間と、2)現在の搬送体がこのユニット操作ステーションのインフィードキューで待つことが予測される時間と、の合計で乗算することによってNPT値を計算し得る(555)。NPT値は、NPTメトリックに加算され得る(560)。QLメトリック、UCメトリック、NSCメトリック、VASCメトリック、及びNPTメトリックが有効ルートのリスト内のすべてのルートに関して計算されたとき、ルートメトリック生成サブフェーズが完了し、製品スケジューリングコントローラ106は、ルートソーティングサブフェーズを開始する。
【0206】
図13Bを参照して、ルートソーティングサブフェーズについてここでより詳細に論じる。ルートソーティングサブフェーズは、ルートメトリック生成サブフェーズ中に生成されたメトリックを比較して、有効ルート識別フェーズで識別された有効ルートのリストから現在の搬送体24に関する最良ルートを識別する。有効ルートのリスト内の各ルートは、ルートメトリック生成サブフェーズ中に生成されたメトリックに基づいて、有効ルートのリスト内の他のルートと比較される。より小さいQLメトリックを有するルートは、より良好なルートである585。QLメトリックが同一である場合、より高いUCメトリックを有するルートがより良好なルートである595。QL及びUCメトリックが同一である場合、より高いNSCメトリックを有するルートがより良好なルートである600。QL、UC、及びNSCメトリックが同一である場合、より高いVASCメトリックを有するルートがより良好なルートである605。QL、UC、NSC、及びVASCメトリックが同一である場合、より低いNPTメトリックを有するルートがより良好なルートである610。QL、UC、NSC、VASC、及びNPTメトリックが同一である場合、どのルートも他のルートよりも良好ではなく615、ルートは、任意に選択される。
【0207】
製品スケジューリングコントローラ106が有効ルートのリストから最良ルートを識別すると、ルートの特定がシステムコントローラ108に通信され、それにより、システムコントローラ108が、搬送体24をルートによって特定されたように移動させ、及びルートによって特定されたようにユニット操作ステーションを操作することを可能にする。
【0208】
いくつかの場面では、有効ルート435のリストは、有効ルート識別フェーズの完了時に空であり得ることを理解されたい。これは、限定するものではないが、優れた生産注文がないこと;所与の製品に寄与するために必要とされる1つ以上のユニット操作ステーションが利用可能ではないかあるいは存在しないこと;提案されたルートに、選択された搬送体24が到着するときに、インフィードキューが1つ以上のユニット操作ステーションにおいて満杯になるように計画されていること;最も遠い上流ユニット操作ステーショングループのユニット操作ステーションに関連付けられた要求伝播フェーズから得られる要求項目が存在しないこと;又は、選択された搬送体24が、最も遠い上流ユニット操作ステーショングループのユニット操作ステーションに関連付けられた任意の要求項目と互換性がないこと、を含む多数の理由により生じ得る。このような状況では、選択された搬送体24に現時点で割り当てられ得る有効なルートは存在しない。製品スケジューリングコントローラ106及びシステムコントローラ108は、様々な実施形態における有効ルートの欠如に対処するように構成されてもよく、そのいくつかについて、これからより詳細に論じられ、以下では、利用可能ルート不在の実施形態と称される。
【0209】
第1の利用可能ルート不在の実施形態では、製品スケジューリングコントローラ106は、選択された搬送体24にルートを割り当てないように構成されてもよい。この第1の利用可能ルート不在の実施形態では、選択された搬送体24にルートを関連付けていないシステムコントローラ108は、搬送体24を無期限に静止させることになる。この第1の利用可能ルート不在の実施形態では、製品スケジューリングコントローラは、時間ベースの様式で、あるいはシステムコントローラ108からルートリクエストを繰り返し受信することに基づいて、ルート割り当てフェーズのうちの1つ以上を定期的に再実行してもよい。1つ以上のルート割り当てフェーズのこのような再実行中に、様々な理由により、ルート割り当ての1つ以上のフェーズのこれまでの実行中には識別されなかった1つ以上の有効なルートが識別され得るが、その理由としては、限定するものではないが、新たな生産注文が製品スケジューリングコントローラ106に提供されたこと、これまでは利用不可であったユニット操作ステーションが利用可能になったこと、又は、これまでに割り当てられたルートに沿った他の搬送体24の進行若しくは進行の欠如が、1つ以上のユニット操作ステーションのインフィードキューの充足度の予想を変化させたこと、が挙げられる。
【0210】
第2の利用可能ルート不在の実施形態では、製品スケジューリングコントローラ106は、各ユニット操作ステーショングループの仮想ユニット操作ステーションを訪問している間には操作を実行しないことのみから構成されるルートを作成するように構成されてもよい。このようなルートは、システムコントローラ108に通信され、また、搬送体24が再びルート割り当てのために選択され得るようになる前に、システムコントローラ108が各仮想ユニット操作ステーションに搬送体をルーティングすることになる。この実施形態の一般的な例では、選択された搬送体24は、連続的に移動する様式で経路に沿ってルーティングされる。このように、第1の利用可能ルート不在の実施形態とは異なり、選択された搬送体24は、他の搬送体24の移動を継続的に妨害せず、したがって、特定の時間に特定の搬送体24に有効なルートがない場合に、システムが製品を生産するのを継続的に防止しない。第2の利用可能ルート不在の実施形態の一変形形態では、製品スケジューリングコントローラ106は、仮想ユニット操作ステーションの1つ又はサブセットのみを訪問することを伴うルートを作成するように構成されてもよい。この変形例では、仮想ユニット操作ステーション又は複数の仮想ユニット操作ステーションは、有効なルートが利用可能でない場合に、そのようなルート割り当てをサポートするためにのみ存在してもよく、そのため、仮想ユニット操作ステーション又は複数の仮想ユニット操作ステーションは、ユニット操作ステーショングループに属さず、有効なルートの一部として選択され得ない。この変形例は、搬送体がルート割り当てのために選択されるが、互換性のある有効な経路が存在しない場合に、すべての搬送体24に対して特定のルートを定義することが有利であるときに有用である。第2の利用可能ルート不在の実施形態のいずれかの変形形態では、製品スケジューリングコントローラ106によって生成されたルートは、以下、バイパスルートと称される。
【0211】
第3の利用可能ルート不在の実施形態は、製品スケジューリングコントローラ106が、厳密に、第2の利用可能ルート不在の実施形態に記載されたとおりに構成されることを伴う。この第3の利用可能ルート不在の実施形態では、スケジューリングコントローラ106は、製品スケジューリングコントローラ106によって割り当てられたルートが有効なルートであるか、又はバイパスルートであるかを識別する。割り当てられた経路がバイパスルートである場合、システムコントローラ108は、特定のバイパスルートによって記載されたとおりに搬送体24を誘導するか、あるいは搬送体24を保持領域に誘導するか否かを判定する。この判定は、限定するものではないが、すべてがバイパスルートであった指定数の連続ルートが割り当てられていること、選択された搬送体24と類似した他の搬送体24に既に、すべてがバイパスルートであった指定数の連続ルートが直ちに割り当てられていること、保持領域が利用可能であること、又は、選択された搬送体24若しくは選択された搬送体24に似た搬送体が保持領域にルーティングされるのに適格であると構成パラメータが指示することを含めて、様々な方式で行われ得る。システムコントローラ108が、選択された搬送体24が保持領域に送給されるべきであると判定した場合、システムコントローラ108は次に、保持領域を選択する。このように、関連する構成パラメータが0に設定されている場合、ユニット操作ステーションは、そのユニット操作ステーションが利用不可であっても、保持領域として機能することが不適格となるように構成されてもよい。搬送体24がシステムコントローラ108によって保持領域に方向付けられると、システムコントローラ108は、指定量の時間の後に保持領域を離れるように搬送体24を誘導し、その結果、搬送体は再びルートを割り当てられる選択に適格となり得る。このような指定量の時間は、固定時間、搬送体24若しくは特定の搬送体24に類似した搬送体の構成に依存する固定時間、選択された保持領域に関連する固定時間、直前に割り当てられたルートのどれだけの本数がバイパスルートであったかに基づいた算出時間、搬送体24に類似した搬送体への直前に割り当てられたルートのどれだけの本数がバイパスルートであったかに基づいた算出時間であってもよく、他の手段によって決定されてもよく、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。第3の利用可能ルート不在の実施形態の1つの特に有利な用途では、指定時間は、選択された搬送体24と同様の搬送体に割り当てられたそれぞれの連続するバイパスルートと共に増加するように計算される。例えば、バイパスルートを割り当てられた第1の搬送体24は、30秒間にわたって保持領域に誘導されてもよく、バイパスルートを割り当てられた第1の搬送体24に類似した第2の搬送体24は、60秒間にわたって保持領域に誘導されてもよく、バイパスルートを割り当てられた第1の搬送体24に類似した第3の搬送体24は、90秒間にわたって保持領域に誘導され、同様にして最大300秒間に及び得る。この特に有利な用途は、システム内に異なる種類の搬送体24が存在する場合に特に、搬送体の使用においてシステムを自己最適化することを可能にする。例えば、特定のタイプの搬送体が、現在未解決の生産注文によって記載される製品を生産するのに有用ではない場合、それらの搬送体は、オペレータの介入なしに、自動的に保持領域に誘導される。このことは、製品の生産に現在、関与していない搬送体24が、製品の生産に関与している搬送体を妨げない程度を著しく低減するために有利である。更に、同じ例において、新たな生産注文が以前の非生産用搬送体を利用する場合、搬送体は、ここでもオペレータの介入を必要とせずに、数分内でルート割り当てのために自動的に適格になる。
【0212】
ルートソーティングサブフェーズの多数の代替実施形態が考えられる。ルートソーティングサブフェーズの1つの代替実施形態は、QL、UC、NSC、VASC、及びNPTメトリック、並びに各メトリックに関する重み付け因子の一部又は全部の積の合計として、各ルートに関するルート点数全体を算出し得る。この実施形態は、各メトリックと関連付けられた重み付け因子を修正することによって変更可能な程度に対して各メトリックを考慮に入れることになる。
【0213】
各搬送体の最良ルートを決定するために、ルート決定は、所望の目的点へと走行するために必要とされる予想時間、又は操作を完了するために必要とされる予想時間に関する構成を考慮し得る。システムコントローラは、搬送体の運動の完了を観測したとき、所望の目的地への走行に必要とされる予想時間に関する構成、又は当該時間の変動の程度、例えば、過去に観測された当該時間セットの標準偏差と関連付けられた構成に対して更新を自動的に引き起こし得る。同様に、システムコントローラは、操作の完了を観察したとき、そのユニット操作ステーションとしてのその操作に必要とされる予測された時間に関する構成、又はその時間の変化性の程度、例えば、過去に観察されたその時間セットの標準偏差と関連付けられた構成に対して更新を自動的に引き起こし得る。この様式において、ルートの決定は、自己最適化され得、それにより、ルート決定ステップは、手動労力を必要とせずに各用途により有効となり、手動労力なしで、システム性能又はユニット操作ステーション性能の変化に適合する。
【0214】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される本発明の現行の適用は、搬送体24又はその上に位置するか若しくは別様にそれに結合された構成要素に対して、定期的なメンテナンスタスクを実施することを必要とし得る。そのようなメンテナンスタスクとしては、限定するものではないが、損傷に関して構成要素を検査すること、すべての必要な構成要素が存在することを確認すること、構成要素を洗浄すること、漏れに関してシールをテストすること、などが含まれ得る。各搬送体が異なるタイプのメンテナンスタスクを予定されているとき、手動で追跡する負担を軽減するために、システムコントローラ108は、メンテナンスタスクを説明するパラメータを用いて構成されてもよい。パラメータは、タスクの説明、タスクが実施される場所、及びタスクが各搬送体上で遂行されなければならない頻度を含んでもよい。頻度は、時間、搬送体の走行距離、搬送体によって生産される製品の数、又は別の測定基準若しくは計算値、又はこれらの組み合わせとして記述され得る。パラメータは更に、どのタイプの搬送体24にタスクが適用可能であるかを指定してもよい。このようなパラメータを使用して、システムコントローラ108がルートを割り当てられる搬送体を選択した後、システムコントローラ108は、製品スケジューリングコントローラ106からルートを要求する前に、1つ以上のメンテナンスタスクが選択された搬送体24に予定されているか否かを判定するように構成されてもよい。システムコントローラ108がそのように構成されており、選択された搬送体24が現在1つ以上のメンテナンスタスクを予定されていると判定した場合、スケジューリングコントローラは、製品スケジューリングコントローラからの搬送体のルート割り当てを要求するのではなく、メンテナンスが実施されるように、搬送体24を適切な位置に誘導することができる。メンテナンスのために指定された位置に搬送体24が到着すると、システムコントローラ108は、メンテナンスタスク又はこの搬送体で実施されるタスクの性質を、オペレータ又は自動機器に指示してもよい。このようにして、時間、距離、又は搬送体に対するコンディションベースのメンテナンスをスケジュールする自動化システムが簡単に実現され得る。
【0215】
他の実施形態では、生産の優先順位を顧客又は消費者への最終製品の所望の配送日に基づいたものにすることが望ましい場合がある。
【0216】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、多くの利点を提供することができる。しかしながら、添付の特許請求の範囲におけるシステム及び方法は、特許請求の範囲に具体的に組み込まれない限り、これらの利点のいずれかを提供する必要はないことを理解されたい。
【0217】
本システムは、実質的に無制限のスループットを提供することができる。したがって、追加のユニット操作ステーション及び搬送体を追加して、システムを実質的に無制限のサイズに発展させることができる。本システムは本質的に、1レーントラックを備えるシステムと比べて、より平行な搬送体走行を可能にするため、搬送体が他の搬送体を妨害するリスクが低減され、したがって、計画アルゴリズムがはるかに効率的にスケール調整されるように、他のすべての搬送体の行動を考慮する必要がないように計画され得る。はるかに多数の搬送体及びユニット操作ステーションがなければ(実質的に無限数)、計画アルゴリズムがボトルネックを生じることはない。本システムは、建物内でのより良好な空間利用を可能にし得る。例えば、ユニット操作ステーションは垂直に積み重ねられ得る。搬送体は、傾斜面上で駆動するかあるいはエレベータを使用して、階の間を移動し、そのようなユニット操作ステーションにアクセスすることができる。荷重を支持する能力がより低いトラックではなく、フロアに沿って搬送体が移動するので、システム内の搬送体はまた、トラックシステムと比較して、相当に重い積荷を運搬することができる。
【0218】
本システム及び方法は、より良好なユニット操作ステーションの利用を提供することができる。例えば、本システム及び方法は、生産が製品の注文及び売上とより密接に一致することができるように、より多くのユニット操作ステーションを収容することができる。加えて、1つの製造プラントに複数の従来の製造ラインを有するのではなく、より柔軟性の高いシステムが製造プラント全体に機能することができる。本システム及び方法は、トラックシステム上で様々な製品を製造することと比較して、より単純な制御アルゴリズムによって制御されることが可能となり得る。これは、搬送体がより自律的に制御され得るからであり、また中央による割り振りがより少なくなり得るからである。また、他のやり方では生産中の1つ以上の物品の生産が阻害される状況においても、搬送体がより容易に再ルーティングされ得るため、システムが受ける単一の障害点は、より少数となり得る。
【0219】
搬送体には、車上コントローラが設けられてもよい。更に、搬送体が動力供給されるため、それらの動力供給源は搬送体を推進するために使用することができるだけでなく、搬送体上のアクチュエータに動力供給するために使用されてもよい。
【0220】
トラックレスシステムはまた、搬送体制御システムに関して、トラックシステムに対して多数の利点を提供し得る。トラックレスシステムでは、トラックが必要とされないため、トラックベースのシステムよりもスペースのコストが少ない。スペースは安価であるため、共有リソースが利用可能となるのを待つために待ち行列処理すること、又は、(同じ容器、ケース、パレットなどに置かれるように意図された製品をグループ化することなどのために)関連する製品を運搬する搬送体が到着するのを待つ目的で、搬送体が空間を占有するコストがより低くなる。更に、搬送体は、多くのトラックベースのシステムの単一レーンの制約とは異なり、互いの周りを通過することができる。したがって、ルートを実行する搬送体間の相互作用は、重要性がより低くなり、そのため、単一の統合的な計画ですべての搬送体を慎重に割り振ることの重要性も低くなる。これにより、単一の中央コントローラによって行われる処理をより少なくし、分散ゾーン及び/又は搬送体コントローラによって行われる処理をより多くして、一元的な計画性のより低い制御システムを実装することが可能になる。システムのサイズに比例した数のコントローラ間で処理を分散することによって、大きな処理を必要とする大規模なシステムはまた、当該処理のニーズに適応するために必要とされる多数のプロセッサを含むことになる。更に、システム全体の最大サイズは、単一の中央コントローラの処理電力による制約を受けにくくなる。トラックレスシステムはまた、トラックシステムと比較して搬送体の駐車場のコストを削減することができるが、これは、搬送体が単純にワークスペースの領域内に駐車されてよく、また、搬送体を駐車するための空間を設けるためにトラックの区分が購入される必要がないためである。
【0221】
試験方法
現場での混合法又は他の混合法によって達成される混合の程度は、PCT特許出願第CN2017/087539号(P&G Case AA 1232 F)に記載されているような非均質混合液体製品のデジタル画像における微妙な不規則性の総合的評価のためのデジタル画像処理方法及び装置によって決定され得る。方法は、次のステップを含む。
1.背景領域を除外することによって分析されるデジタル画像から対象領域を抽出するステップ。具体的には、デジタル画像が、液体混合物を部分的に充填された透明又は半透明のボトルの画像である場合、液体混合物を含んだ部分のみが抽出されるべきであり、ボトルの外側の背景領域、並びにボトルのうちの液体混合物を含んでいない部分は除外される必要がある。
2.抽出された関心領域のスケール空間分析を実行して、関心点、すなわち、それぞれが局所的最大値又は最小値を表す極値を検出し、かつ関心点毎に少なくとも強度値及びサイズ又はスケールを提供すること。液体混合物の文脈では、十分に高い強度及び/又は十分に大きいサイズを有するそのような関心点のいずれも、著しい局所的不規則性、すなわち、不十分な混合の証拠を示す。したがって、最小閾値を上回る強度及び/又はスケールを有する極値を選択することによって、不十分な混合を示す著しい局所的不規則性の領域を容易かつ効果的に検出することができる。
3.そのように検出されたすべての局所的不規則性からの寄与を合計することによって、全不規則性スコアを算出すること。液体混合物の文脈において、そのような全不規則性スコアは、液体混合物中の色及び光度変化に関係なく、混合がどの程度良好であるかについての単一の定量的基準として機能する。この単一の定量的基準は、非常に異なる光度条件で異なる色の液体混合物にわたって客観的な比較を可能にする。
【0222】
本開示の実施形態及び実施例の上記の説明は、例示及び説明の目的で示したものである。かかる説明は、包括的であることも、説明された形態に本開示を限定することもその意図するところではない。上記の教示を鑑みることで数多くの改変が可能である。これらの改変のいくつかについては検討したが、他のものが当業者には理解されるであろう。各実施形態は、本開示の原理及び想到される特定の用途に適した異なる実施形態を最も分かりやすく説明するために選択及び記載したものである。本開示の範囲は、無論のこと、本明細書に記載される実施例にも実施形態にも限定されるものではないが、当業者によって任意の数の用途及び等価の装置において用いることができる。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることがその意図するところである。また、特許請求される、及び/又は記載されるいずれの方法についても、その方法がフロー図に関連して説明されているか否かにかかわらず、特にそうでない旨が断られるか又は文脈により必要とされる場合を除き、ある方法を実施する上で行われるステップの明白な又は暗黙のあらゆる順序付けは、これらのステップが示された順序で行われなければならないことを意味するものではなく、これらのステップは、異なる順序で、又は並行して行うことができるものである点は理解されなければならない。
【0223】
本明細書に開示されている寸法及び/又は値は、列挙した正確な数値寸法及び/又は値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、別段の特定のない限り、このような各寸法及び/又は値は、列挙した寸法及び/若しくは値、並びに/又はその寸法及び/若しくは値の近辺の機能的に同等の範囲を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0224】
本明細書の全体をとおして与えられるすべての最大数値限定は、それよりも小さいすべての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体をとおして与えられるすべての最小数値限定は、それよりも高いすべての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体をとおして与えられるすべての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭いすべての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかもすべて本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0225】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用されるすべての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明すべてを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0226】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15