(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】連続ハニカムコア材、ハニカムコアサンドイッチラミネート板、その製造方法及び設備
(51)【国際特許分類】
B32B 3/12 20060101AFI20220922BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
B32B3/12 B
B32B5/28 A
(21)【出願番号】P 2021569136
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(86)【国際出願番号】 CN2020075505
(87)【国際公開番号】W WO2021147125
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010069763.7
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521507408
【氏名又は名称】江蘇奇一科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU QIYI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】9 Changwan Road West, Danyang, Jiangsu 212314,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】朱 華平
【審査官】大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111267452(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108773112(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107639884(CN,A)
【文献】特開平05-305372(JP,A)
【文献】特開2018-122444(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0264008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続ハニカムコア材であって、
前記連続ハニカムコア材はハニカムコア材を含み、
前記ハニカムコア材は、行に配列された複数のユニットを含み、前記ユニットは側壁に囲まれた六角形柱体であり、側壁は、支持層と、接着層とを含み、支持層及び接着層は異なる材料で作成され、接着層の融点は支持層の軟化点よりも低く、横方向に隣り合う前記ユニットの間は、横方向に設けられる接続壁により接続され、縦方向に隣り合う前記ユニットの隣接側壁は、接着層により互いに貼付され、
隣り合う前記ハニカムコア材の間には連結構造が設けられ、前記連結構造は、第1連結部と、第1連結部に対応する第2連結部とを含み、前記第1連結部及び第2連結部はそれぞれ前記ハニカムコア材の横方向の両側の異なる辺部に位置して連続ハニカムコア材を形成し、1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部とは接続して前記連結構造を形成し、
1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部とは、ずれて配置されて断面形状が四角形又は六角形の連結構造を形成し、或いは
1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部とは、互いに貼付して断面形状が台形の連結構造を形成し、前記第1連結部の断面形状は内八字形であり、前記第2連結部の断面形状は外八字形であり、或いは
1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部とは、互いに貼付して断面形状が十字形の連結構造を形成し、前記第1連結部及び第2連結部の断面形状はいずれもT字形であり、或いは
1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部は、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部に挿入されて断面形状が四角形の連結構造を形成し、前記第1連結部は、前記第2連結部によって形成される凹溝内に係合して隣接する2セグメントの前記ハニカムコア材の間の連結を形成し、前記第1連結部の断面形状は内八字形であり、或いは
1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部は、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部に挿入されて断面形状が五角形の連結構造を形成し、前記第1連結部の断面形状は開口が形成される五角形構造であり、前記第2連結部の断面形状はT字形であり、或いは
前記第1連結部及び前記第2連結部には、それぞれ少なくとも1つの逆鉤構造が設けられ、1セグメントの前記ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記ハニカムコア材の第2連結部との逆鉤構造は、互いに連結して連結構造を形成することを特徴とする、連続ハニカムコア材。
【請求項2】
前記連続ハニカムコア材の第1連結部及び第2連結部は、形状が同じであることを特徴とする、請求項1に記載の連続ハニカムコア材。
【請求項3】
前記連続ハニカムコア材の第1連結部及び第2連結部は、形状が異なることを特徴とする、請求項1に記載の連続ハニカムコア材。
【請求項4】
前記ユニットの側壁は、支持層の両側にそれぞれ1層の接着層が設けられ3層構造であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の連続ハニカムコア材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の連続ハニカムコア材と、連続ハニカムコア材の上、下面にそれぞれ設けられるパネルとを含むハニカムコアサンドイッチラミネート板であって、
前記パネルは、本体層と、界面層とを含み、前記界面層は、連続ハニカムコア材の上、下面にそれぞれ接続される層であり、前記本体層は界面層に設けられ、前記本体層は連続繊維強化熱可塑性材料で作製され、前記界面層は連続繊維強化熱可塑性材料で作製されることを特徴とする、ハニカムコアサンドイッチラミネート板。
【請求項6】
以下のステップS1からS6を含む請求項5に記載のハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造するためのハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造方法であって、
S1:熱可塑性樹脂薄膜を用いて加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を形成し、前記複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分と、隣接する接続部分と、両側の辺部にそれぞれ設けられる第1半連結部分及び第2半連結部分とを含み、
S2:加熱圧接又は超音波加熱溶接プロセスにより、2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分を位置合わせして貼付して接続し、全体として縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を形成し、
S3:一体に接続された縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を、上下に間隔をあけて切断することで上下に間隔をあけかつ部分的に接続される切り口を形成し、切断する際に、一体に接続された縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を完全に切断することではなく、切り口に接続辺が保留されるように切断し、
S4:切り口箇所を折畳み位置とし、切り口での接続辺を折畳み回転軸として、切り口付きのコア板を切り口方向において90度又は-90度で回転させ折畳み、加熱により隣接側壁を熱溶融状態の接着層にし、隣接側壁が互いに貼付接続してハニカムコア材を形成し、
S5:前記ハニカムコア材を所定の長さで横切りし、幅が一定のハニカムコア材のセグメントを作成し、
S6:少なくとも2セグメントの幅が一定のハニカムコア材を連結構造により接続して連結構造を含む連続ハニカムコア材を形成し、連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面及びパネルの界面層を所定の熱溶融温度まで加熱して熱プレスラミネートを行い、さらに冷却成形によりハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成することを特徴とする、製造方法。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂薄膜は、支持層と、接着層とを含み、支持層及び接着層は異なる材料で作製され、接着層の融点は支持層の軟化点よりも低く、ステップS2において、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部を含むコア板の外側は接着層であり、ステップS4において、加熱により折畳まれた後に並んで接続されたユニットの側壁の接着層を加熱溶融接続し、加熱温度は接着層の融点と支持層の軟化点との間であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂薄膜は単層構造であり、ステップS1において、単層熱可塑性樹脂薄膜を支持層とし、熱ラミネートプロセスにより前記支持層の両側にそれぞれ1層の熱可塑性樹脂薄膜を接着層として熱ラミネートし、接着層の融点は支持層の軟化点よりも低く、ステップS4において、加熱により折畳まれた後に並んで接続されたユニットの側壁の接着層を加熱溶融接続し、加熱温度は接着層の融点と支持層である熱可塑性樹脂薄膜の軟化点との間であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ステップS6は以下のステップをさらに含み、
S61:前記パネルの外側には、少なくとも1層の連続繊維強化熱可塑性材料を用いて本体層を形成し、
S62:押出成形又は熱ラミネートプロセスにより前記パネルの内側面に熱溶融接続膜の界面層を作製し、前記熱溶融接続膜の厚さは0.01~0.5mmであり、
S63:少なくとも2セグメントの幅が一定のハニカムコア材を連結構造により接続して前記連結構造を含む連続ハニカムコア材を形成し、前記連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面の貼付面及び前記パネルの界面層を所定の熱溶融温度に加熱し、熱プレスラミネートを行い、さらに冷却成型によりハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成することを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
前記製造方法は、以下のステップをさらに含み、
S7:事前にパネルの製造過程において熱プレスにより装飾層を貼付し、又は冷却成形されたハニカムコアサンドイッチラミネート板の上、下面に2回熱プレスにより装飾層を貼付し、装飾層は、外観装飾特徴又は防火、火傷防止機能を有する熱可塑性樹脂薄膜であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか1項に記載のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造方法を実現するためのハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備であって、
前記製造設備は、第1コンベア装置と、熱可塑成形装置と、第1冷却装置と、切断装置と、目盛ペアローラ装置と、熱溶融装置と、巻き出し機構とを含み、
前記第1コンベア装置は、熱可塑性樹脂薄膜からハニカムコアサンドイッチラミネート板の作成までの各工程間の連続搬送を実現するものであり、
前記熱可塑成形装置は、熱可塑性樹脂薄膜を熱可塑成形するものであり、熱可塑成形装置は、上、下成形金型を含み、2層の熱可塑性樹脂薄膜はそれぞれ上、下成形金型を通過し、加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を形成し、複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分と、隣接する接続部分と、横方向の両側の辺部に設けられる第1半連結部分及び第2半連結部分とを含み、2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造は上、下圧接成形金型の噛合箇所に入り、設定された上、下圧接成形金型噛合箇所の隙間によるペアローラ圧力により2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分を圧接し、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部及び第2連結部を含むコア板を形成し、
前記第1冷却装置は、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を冷却するものであり、
前記切断装置は、第1冷却装置により冷却したコア板を切断して切り口を形成するものであり、切断装置は、第1冷却装置により冷却したコア板に対して上下に間隔をあけて切断することで上下に間隔をあけかつ部分的に接続される切り口を形成し、
前記目盛ペアローラ装置は、切断装置によって切断されたコア板を折畳むものであり、目盛ペアローラ装置は、切り口付きのコア板を折畳んで連続するとともに前後に並んで接続されるユニットを形成し、側壁の接続時に必要な押付力を提供し、
前記熱溶融装置は、目盛ペアローラ装置により折畳まれたコア板を加熱融解するものであり、熱溶融装置は、折畳まれた後に並んで接続されたユニットを加熱し、ユニット間の隣接側壁を加熱溶融接続し、ハニカムコア材を作成し、
前記巻き出し機構は、ロール状の上、下パネルを展開するものであり、前記巻き出し機構は、上パネル巻き出し機構と、下パネル巻き出し機構とを含み、
前記製造設備は、第1切断装置と、輸送機構と、押付機構と、熱プレスラミネート機とをさらに含み、
前記第1切断装置は、ハニカムコア材を所定の長さで横切りするものであり、
前記輸送機構は、第1切断装置により横切りされて形成されたハニカムコア材を所定位置まで整然と輸送するものであり、
前記押付機構は、少なくとも2セグメントの前後に隣接するハニカムコア材を連結構造により緊密に連結するものであり、
前記熱プレスラミネート機は、連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面とパネルを熱プレスラミネートしてハニカムコアサンドイッチラミネート板を形成するものであり、前記熱プレスラミネート機は、加熱装置と、熱プレス積層ローラと、第2冷却装置と、第2コンベア装置とを含むことを特徴とする、製造設備。
【請求項12】
幅が一定又は同じのハニカムコア材のセグメントを積重ね包装するための梱包装置をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の製造設備。
【請求項13】
ハニカムコアサンドイッチラミネート板の縦方向の両側に対して縦方向ばり取りを行うための縦切り装置をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の製造設備。
【請求項14】
ハニカムコアサンドイッチラミネート板を所定の長さで横切りする第2切断装置をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造の技術分野に属し、具体的には連続ハニカムコア材、ハニカムコアサンドイッチラミネート板、その製造方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
軽質、高強度材料を上、下パネルとし、低密度のハニカムコア材を中間体として熱プレスラミネートプロセスによりハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造し、このハニカムコアサンドイッチラミネート板は、軽量で、剛度と質量の比が大きく、耐圧強度が良好な特性を有するため、軽量化が要求される多くの分野(例えば、飛行機のアラミドハニカム、アルミニウムハニカム、交通輸送分野の熱可塑性PPハニカムサンドイッチラミネート板、及び包装分野の紙ハニカム、太陽光発電業界の軽量化部材の基板などのハニカムコアサンドイッチラミネート板)に使用されている。
【0003】
現在、比較的安価で効果的なハニカムコアサンドイッチラミネート板の生産プロセスは、連続生産プロセス技術により幅が狭くて長さ方向に連続したハニカムコア材を製造し、所定の長さで連続ハニカムコア材をオンラインで横切りし、長さが同じであるハニカムコア材のセグメントを作成することである。上記長さが同じのハニカムコア材のセグメントをそれぞれ90度回転させ、その長さをハニカムコアサンドイッチラミネート板に必要なハニカムコア材の幅サイズとし、前後に接続して配置されたパネルと熱ラミネートなどの物理的接着方式又は接着剤塗布などの化学的接着方式により幅が広く、長さが任意のハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成する。
【0004】
現在、連続ハニカムコア材生産プロセス技術には、ベルギーのECONCORE特許CN101084108B、特許CN105835484A及び米国BRADFORD者の特許US8303744B2、US8663523B2、US9550336B2などに開示された技術がある。しかし、これらの特許文献に記載の連続ハニカムコア材生産プロセス技術は、連続ハニカムコア材をオンラインで横切りした後、下流の二次加工プロセスにより幅が広く、長さが任意のハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造する際に、前後に隣接するハニカムコア材のセグメントの横方向間の効果的な接続方法について言及されていない。このような従来技術では、前後に隣接するハニカムコア材のセグメントを横方向に接続する際に材料が断裂しやすく、構造が連続ではないという欠陥を有する。この欠陥は、完成品ハニカムコアサンドイッチラミネート板の長さ方向における曲げ強度を低下させるおそれがある。しかし、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の耐圧強度及び曲げ強度とその面積との比はこの製品の重要な技術性能指標である。
【0005】
本発明は、江蘇奇一科技有限公司の特許ZL201810629486.3に記載の連続ハニカムコア材生産プロセス技術をもとに、ハニカムコア材の構造設計をさらに改良及び最適化し、前後に隣接する各セグメントのハニカムコア材の辺部の間の接続に対して効果的な解決方法を提供する。パネル材料、構造及びラミネート加工プロセスの条件を変更することなく、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の曲げ強度を向上させる。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、連続ハニカムコア材、ハニカムコアサンドイッチラミネート板、その製造方法及び設備を提供する。ハニカムコア材構造の改良及び最適化することにより、第1連結部及び第2連結部を含む連続ハニカムコア材を作成し、前記第1連結部及び第2連結部を含む連続ハニカムコア材を用いてオンラインで横切り工程を行い、幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材を作成する。さらに、横切りされた連続ハニカムコア材のセグメントの長さをハニカムコアサンドイッチラミネート板に必要なハニカムコア材の幅とし、各セグメントのハニカムコア材に含まれる連結構造により前後に隣接する各セグメントの連続ハニカムコア材を効果的に接続し、連結構造を含む連続ハニカムコア材を形成し、その上、下面及びパネルに熱プレスラミネートプロセスにより任意の幅及び長さのハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成する。その特徴は、パネル材料、構造及びラミネート加工プロセスの条件を変更することなくハニカムコアサンドイッチラミネート板の進行方向における曲げ強度を効果的に向上させることである。
【0007】
本発明は、ハニカムコア材を含む連続ハニカムコア材であって、
前記ハニカムコア材は、行に配列された複数のユニットを含み、前記ユニットは側壁に囲まれた六角形柱体であり、側壁は、支持層と、接着層とを含み、支持層及び接着層は異なる材料で作成され、接着層の融点は支持層の軟化点よりも低く、横方向に隣り合う前記ユニットの間は、横方向に設けられる接続壁により接続され、縦方向に隣り合う前記ユニットの隣接側壁は、接着層により互いに接着又は貼付され、
隣り合う前記ハニカムコア材の間には連結構造が設けられ、前記連結構造は、第1連結部と、第1連結部に対応する第2連結部とを含み、前記第1連結部及び第2連結部はそれぞれ前記ハニカムコア材の横方向の両側の異なる辺部に位置して連続ハニカムコア材を形成し、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部とは接続して前記連結構造を形成する連続ハニカムコア材を提供する。
【0008】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部とは、ずれて配置されて断面形状が四角形又は六角形の連結構造を形成する。
【0009】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部とは、互いに貼付して断面形状が台形の連結構造を形成し、前記第1連結部の断面形状は内八字形であり、前記第2連結部の断面形状は外八字形である。
【0010】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部とは、互いに貼付して断面形状が十字形の連結構造を形成し、前記第1連結部及び第2連結部の断面形状はいずれもT字形である。
【0011】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部は、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部に挿入されて断面形状が四角形の連結構造を形成し、前記第1連結部は、前記第2連結部によって形成される凹溝内に係合して隣接する2セグメントの前記連続ハニカムコア材の間の連結を形成し、前記第1連結部の断面形状は内八字形である。
【0012】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部は、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部に挿入されて断面形状が六角形の連結構造を形成し、前記第1連結部は、前記第2連結部によって形成される凹溝内に係合して隣接する2セグメントの前記連続ハニカムコア材の間の連結を形成する。
【0013】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部は、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部に挿入されて断面形状が六角形の連結構造を形成し、前記第1連結部の断面形状は開口が形成される六角形構造であり、前記第2連結部の断面形状はY字形である。
【0014】
さらに、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部は、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部に挿入されて断面形状が五角形の連結構造を形成し、前記第1連結部の断面形状は開口が形成される五角形構造であり、前記第2連結部の断面形状はT字形である。
【0015】
さらに、前記第1連結部及び前記第2連結部には、それぞれ少なくとも1つの逆鉤構造が設けられ、1セグメントの前記連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの前記連続ハニカムコア材の第2連結部との逆鉤構造は、互いに連結して連結構造を形成する。
【0016】
さらに、前記連続ハニカムコア材の第1連結部及び第2連結部は、構造又は形状が同じである。
【0017】
さらに、前記連続ハニカムコア材の第1連結部及び第2連結部は、構造又は形状が異なる。
【0018】
さらに、前記ユニットの側壁は、支持層の両側にそれぞれ1層の接着層が設けられ3層構造である。
【0019】
本発明は、少なくとも2つの上記ハニカムコア材が前記連結構造により連結して形成された連結構造を含む連続ハニカムコア材と、前記連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面にそれぞれ設けられるパネルとを含むハニカムコアサンドイッチラミネート板であって、
前記パネルは、本体層と、界面層とを含み、前記界面層は、前記連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面にそれぞれ接続される層であり、前記本体層は界面層に設けられ、前記本体層は連続繊維強化熱可塑性材料で作製され、前記界面層は連続繊維強化熱可塑性材料又は熱可塑性樹脂膜で作製されるハニカムコアサンドイッチラミネート板をさらに提供する。
【0020】
本発明は、以下のステップS1からS6を含む上記ハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造するためのハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造方法であって、
S1:熱可塑性樹脂薄膜を用いて加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を形成し、前記複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分と、隣接する接続部分と、両側の辺部にそれぞれ設けられる第1半連結部分及び第2半連結部分とを含み、
S2:加熱圧接又は超音波加熱溶接プロセスにより、2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分を位置合わせして貼付して接続し、全体として縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を形成し、
S3:一体に接続された縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を、上下に間隔をあけて切断することで上下に間隔をあけかつ部分的に接続される切り口を形成し、切断する際に、一体に接続された縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を完全に切断することではなく、切り口に接続辺が保留されるように切断し、
S4:切り口箇所を折畳み位置とし、切り口での接続辺を折畳み回転軸として、切り口付きのコア板を切り口方向において90度又は-90度で回転させ折畳み、加熱により隣接側壁を熱溶融状態の接着層にし、隣接側壁が互いに貼付接続して連続ハニカムコア材を形成し、
S5:前記連続ハニカムコア材を所定の長さで横切りし、幅が一定の連続ハニカムコア材のセグメントを作成し、
S6:少なくとも2セグメントの幅が一定の連続ハニカムコア材を連結構造により接続して連結構造を含む連続ハニカムコア材を形成し、連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面及びパネルの界面層を所定の熱溶融温度まで加熱して熱プレスラミネートを行い、さらに冷却成形によりハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成することを特徴とする、製造方法をさらに提供する。1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部との連結は、対向連結、上下挿入連結、水平方向連結、鉛直方向連結を含むが、これらに限定されない。
【0021】
さらに、ユニットの製造に用いる熱可塑性樹脂薄膜は、支持層と、接着層とを含み、支持層及び接着層は異なる材料で作製され、接着層の融点は支持層の軟化点よりも低く、ステップS2において、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部を含むコア板の外側は接着層であり、ステップS4において、加熱により折畳まれた後に並んで接続されたユニットの側壁の接着層を加熱溶融接続し、加熱温度は接着層の融点と支持層の軟化点との間である。
【0022】
さらに、ユニットの製造に用いる熱可塑性樹脂薄膜は単層構造であり、ステップS1において、単層熱可塑性樹脂薄膜を支持層とし、熱ラミネートプロセスにより前記支持層の両側にそれぞれ1層の熱可塑性樹脂薄膜を接着層として熱ラミネートし、接着層の融点は支持層の軟化点よりも低く、ステップS4において、加熱により折畳まれた後に並んで接続されたユニットの側壁の接着層を加熱溶融接続し、加熱温度は接着層の融点と支持層である熱可塑性樹脂薄膜の軟化点との間である。
【0023】
さらに、前記パネルは単体構造であり、前記S6は以下のステップをさらに含み、
S61:前記パネルの外側には、少なくとも1層の連続繊維強化熱可塑性材料を用いて本体層を形成し、前記パネルの内側面には、1層の熱溶融接続膜を界面層として接着し、
S62:押出成形又は熱ラミネートプロセスにより前記パネルの内側面に熱溶融接続膜を作製し、前記熱溶融接続膜の厚さは0.01~0.5mmであり、
S63:少なくとも2セグメントの幅が一定の連続ハニカムコア材を連結構造により接続して前記連結構造を含む連続ハニカムコア材を形成し、前記連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面の貼付面及び前記パネルの界面層を所定の熱溶融温度に加熱し、熱プレスラミネートを行い、さらに冷却成型によりハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成する。
【0024】
前記製造方法は、以下のステップをさらに含み、
S7:事前にパネルの製造過程において熱プレスにより装飾層を貼付し、又は冷却成形されたハニカムコアサンドイッチラミネート板の上、下面に2回熱プレスにより装飾層を貼付し、装飾層は、外観装飾特徴又は防火、火傷防止機能を有する熱可塑性樹脂薄膜である。
【0025】
本発明は、上記ハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造方法を実現するためのハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備であって、
前記製造設備は、第1コンベア装置と、熱可塑成形装置と、第1冷却装置と、切断装置と、目盛ペアローラ装置と、熱溶融装置と、巻き出し機構とを含み、
前記第1コンベア装置は、熱可塑性樹脂薄膜からハニカムコアサンドイッチラミネート板の作成までの各工程間の連続搬送を実現するものであり、
前記熱可塑成形装置は、熱可塑性樹脂薄膜を熱可塑成形するものであり、熱可塑成形装置は、上、下成形金型を含み、2層の熱可塑性樹脂薄膜はそれぞれ上、下成形金型を通過し、加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を形成し、複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分と、隣接する接続部分と、横方向の両側の辺部に設けられる第1半連結部分及び第2半連結部分とを含み、2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造は上、下圧接成形金型の噛合箇所に入り、設定された上、下圧接成形金型噛合箇所の隙間によるペアローラ圧力により2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分を圧接し、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部及び第2連結部を含むコア板を形成し、
前記第1冷却装置は、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部及び第2連結部があるコア板を冷却するものであり、
前記切断装置は、第1冷却装置により冷却したコア板を切断して切り口を形成するものであり、切断装置は、第1冷却装置により冷却したコア板に対して上下に間隔をあけて切断することで上下に間隔をあけかつ部分的に接続される切り口を形成し、
前記目盛ペアローラ装置は、切断装置によって切断されたコア板を折畳むものであり、目盛ペアローラ装置は、切り口付きのコア板を折畳んで連続するとともに前後に並んで接続されるユニットを形成し、側壁の接続時に必要な押付力を提供し、
前記熱溶融装置は、目盛ペアローラ装置により折畳まれたコア板を加熱融解するものであり、熱溶融装置は、折畳まれた後に並んで接続されたユニットを加熱し、ユニット間の隣接側壁を加熱溶融接続し、連続ハニカムコア材を作成し、
前記巻き出し機構は、ロール状の上、下パネルを展開するものであり、前記巻き出し機構は、上パネル巻き出し機構と、下パネル巻き出し機構とを含み、
前記製造設備は、第1切断装置と、輸送機構と、押付機構と、熱プレスラミネート機とをさらに含み、
前記第1切断装置は、連続ハニカムコア材を所定の長さで横切りするものであり、
前記輸送機構は、第1切断装置により横切りされて形成された連続ハニカムコア材を所定位置まで整然と輸送するものであり、
前記押付機構は、少なくとも2セグメントの前後に隣接する連続ハニカムコア材を連結構造により緊密に連結するものであり、
前記熱プレスラミネート機は、連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面とパネルを熱プレスラミネートしてハニカムコアサンドイッチラミネート板を形成するものであり、前記熱プレスラミネート機は、加熱装置と、熱プレス積層ローラと、第2冷却装置と、第2コンベア装置とを含む製造設備をさらに提供する。
【0026】
さらに、前記製造設備は、幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材のセグメントを積重ね包装するための梱包装置をさらに含む。
【0027】
さらに、前記製造設備は、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の縦方向の両側に対して縦方向ばり取りを行うための縦切り装置をさらに含む。
【0028】
さらに、前記製造設備は、ハニカムコアサンドイッチラミネート板を所定の長さで横切りする第2切断装置をさらに含む。
【0029】
上記技術案によれば、本発明は以下の有益な効果を有する。ハニカムコア材の構造に対する最適化及び改良により、パネル材料、構造及びラミネート加工プロセスの条件を変更することなく、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の曲げ強度を向上できる。製造方法が簡単で、少ない材料を用いてより良好な力学的特性が得られ、生産コストが低く、複数のセグメントの幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材により幅が広く、長さが任意のハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施例の連続ハニカムコア材の構造模式図である。
【
図1a】本発明の実施例の連結構造を含む連続ハニカムコア材の構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例のユニット側壁が2層である場合の側壁構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例の交錯連結によって断面形状が四角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例の交錯連結によって断面形状が六角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図4a】
図4のA部分の連結構造の拡大模式図である。
【
図4b】本発明の実施例の交錯連結によって断面形状が六角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材全体の構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例の貼付連結によって断面形状が台形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例の貼付連結によって断面形状が十字形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図6a】
図6のA部分の連結構造の拡大模式図である。
【
図6b】本発明の実施例の貼付連結によって断面形状が十字形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材全体の構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例の挿入連結によって断面形状が四角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図8】本発明の実施例の挿入連結によって断面形状が六角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図8a】
図8のA部分の連結構造の拡大模式図である。
【
図8b】本発明の実施例の挿入連結によって断面形状が六角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材全体の構造模式図である。
【
図9】本発明の実施例の別の挿入連結によって断面形状が六角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図9a】
図9のA部分の連結構造の拡大模式図である。
【
図9b】本発明の実施例の別の挿入連結によって断面形状が六角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材全体の構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例の挿入連結によって断面形状が五角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図10b】本発明の実施例の挿入連結によって断面形状が五角形の連結構造が形成された連続ハニカムコア材全体の構造模式図である。
【
図11】本発明の実施例の逆鉤連結によって逆鉤構造を含む連結構造が形成された連続ハニカムコア材の平面構造模式図である。
【
図11b】本発明の実施例の逆鉤連結によって逆鉤構造を含む連結構造が形成された連続ハニカムコア材全体の構造模式図である。
【
図12】本発明の実施例のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造過程においてコア板を形成する模式図である。
【
図13】本発明の実施例のパネルの構造模式図である。
【
図13a】本発明の実施例の装飾層を含むパネルの構造模式図である。
【
図14】本発明の実施例のハニカムコアサンドイッチラミネート板の構造模式図である。
【
図14a】本発明の実施例のハニカムコアサンドイッチラミネート板の熱ラミネート時の受力模式図である。
【
図15】本発明の実施例の2層構造の熱可塑性樹脂薄膜を用いてハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造する製造方法の模式図である。
【
図16】本発明の実施例の連続ハニカムコア材の製造設備模式図である。
【
図17】本発明の実施例のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備の模式図である。
【符号の説明】
【0031】
1ユニット,110連続ハニカムコア材,111、111a、111b、111c、111d、111e、111f、111g、111h、111i第1連結部,112、112a、112b、112c、112d、112e、112f、112g、112h、112i第2連結部,113、113a、113b、113c、113d、113e、113f、113g、113h、113i連結構造,114逆鉤構造,2側壁,21隣接側壁,211支持層,212接着層,3接続壁,40半六角形ユニット部分,41接続部分,42第1半連結部分,43第2半連結部分,61第1コンベア装置,62熱可塑成形装置,63切断装置,64目盛ペアローラ装置,65熱溶融装置,66押出装置,67圧接装置,68第1冷却装置,69連結構造を含む連続ハニカムコア材,69a連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面,70装飾層,71本体層,72界面層,73パネル,79加熱装置,80熱プレス積層ローラ,81第2冷却装置,82第2コンベア装置,91熱プレスラミネート機,92下パネル巻き出し機構,93上パネル巻き出し機構,94輸送機構,95押付機構,96牽引機構,97縦切り装置,98第2切断装置,99板置き装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、具体的な実施形態により本発明をさらに説明する。以下の実施例は本発明の好適実施形態であるが、本発明の実施形態は以下の実施例に制限されない。
【0033】
実施例1
図1に示すように、連続ハニカムコア材110は、ハニカムコア材を含む。ハニカムコア材は、行に配列された複数のユニット1を含む。ユニット1は、側壁2に囲まれた柱体である。横方向に隣り合うユニット1の間は横方向に設けられる接続壁3によって接続され、縦方向に隣り合うユニット1は隣接する側壁21により互いに貼付又は接着される。本実施例において、ユニット1は六角形柱体であるが、ハニカムコア材のユニットの断面形状は必要に応じて選択することができ、例えば、多角形であってもよく、辺の数が偶数の多角形が好ましい。
【0034】
図1aに示すように、隣り合うハニカムコア材の間には連結構造113が設けられる。連結構造113は、第1連結部111と、第1連結部111に対応する第2連結部112とを含む。第1連結部111及び第2連結部112は、それぞれハニカムコア材の横方向の両側にある異なる辺部に位置して連続ハニカムコア材110を形成する。1セグメントの連続ハニカムコア材110の第1連結部111は、他のセグメントの連続ハニカムコア材110の第2連結部112に接続されて連結構造113を形成する。少なくとも2セグメントの連続ハニカムコア材110は連結構造113を介して接続されて連結構造を含む連続ハニカムコア材69を形成する。
【0035】
図2に示すように、ユニット1の側壁2は2層構造であり、支持層211と接着層212とを含む。内層は支持層211、外層は接着層212である。なお、当業者に理解され得るように、本発明では、側壁2の層数及び分布は特に制限されず、縦方向に隣り合うユニット1の隣接する側壁21が接着層212を介して加熱溶融により接続できればよい。例えば、本発明のユニット1の側壁2は、支持層211の両側にそれぞれ1層の接着層212がある3層構造であってもよい。
【0036】
本実施例において、ユニット1の側壁2における支持層211及び接着層212は異なる材料で作成される。支持層211はポリプロピレン材料を採用し、接着層212は酢酸ビニル(VA)含有量が28のエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)材料を採用する。支持層211の軟化点は130℃、接着層212の融点は60℃である。縦方向に隣り合うユニット1の隣接側壁21を加熱溶融接続する際に、加熱温度を80~100℃に制御することができる。この場合、接着層212は溶融状態であり、加熱溶融接続を達成できる一方、支持層211が受ける熱はまだ軟化点以下であるため、常温での機械的性質を有することにより、支持層211は隣り合うユニット1が折畳み畳んで貼付する際に必要な支持力を提供し、ユニットの幾何形状を効果的に保持するとともに、隣接側壁21間の高貼付強度を確保でき、ハニカムコア材の耐圧強度を大幅に向上させる。接着層は融点温度が40~80℃の材料で作成され、支持層は軟化点温度が150~160℃の材料で作成される。
【0037】
接着層212は、エチレン系共重合体、例えば、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)、EAA(エチレン-アクリレート共重合体)、EMA(エチレン-無水マレイン酸-アクリレート共重合体)で作成される。支持層211は、流延加工可能なポリマー材料、例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などで作成される。支持層は、繊維強化熱可塑性樹脂材料などの変性樹脂材料で作成されてもよい。本発明に適したのは前記繊維強化熱可塑性樹脂材料、例えば、LFT(long fiber thermoplastics)及び位LFT-Dである。適した強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維などを含むが、これらに限定されない。適した繊維強化可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂PP、ポリエステル系樹脂PET、ナイロン系樹脂PA6又はPA66、PC樹脂、PEEK樹脂、PPS樹脂などを含むが、これらに限定されない。繊維強化熱可塑性樹脂の力学的特性により、本体熱可塑性樹脂を交換せず、パネルとハニカムコア材の上、下面との接続界面での加熱溶融接続特性を影響することなく、ハニカムコア材の耐圧強度を向上できる。
【0038】
図12に示すように、縦方向に連続し、横方向が複数の接続される六角形柱体構造であり、かつ横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板は、縦方向に連続し、横方向に複数接続された2枚の半六角形構造を圧接して形成されたものである。複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分40と、隣接する接続部分41と、両側の辺部にそれぞれ設けられる第1半連結部分42及び第2半連結部分43とを含む。
【0039】
図13に示すように、ハニカムコアサンドイッチラミネート板のパネル73は、本体層71と界面層72とを上下に積層し、加熱ラミネートプロセスにより作製される。本体層71はパネル73の外層であり、力学的特性及び融点が比較的高い連続繊維強化熱可塑性材料で製造される。界面層72はパネル73の内層であり、融点が比較的低い連続繊維強化熱可塑性材料又は熱可塑性樹脂膜で製造される。パネル73は、少なくとも1層の連続繊維強化熱可塑性シートを含む。本体層71の熱可塑性樹脂の融点は界面層72の熱可塑性樹脂の融点よりも高く、界面層72の融点は支持層211の融点と同じ又は相溶である。パネル73の本体層71は、各層の材料性能が異なる少なくとも1層の連続繊維強化熱可塑性材料で作製される。パネル73の本体層71は、性能が比較的高い連続繊維強化熱可塑性シートを外層とし、性能が比較的低い連続繊維強化熱可塑性シートを隣接する内層として制造されるか、又は性能が比較的高い連続繊維強化熱可塑性シートと性能が比較的低い連続繊維強化熱可塑性シートとを上下に交互積層することにより製造される。
【0040】
図13aに示すように、パネル73は、装飾層70をさらに含む。装飾層70は本体層71の外側に設けられる。本体層71の内側は界面層72である。装飾層70は熱可塑性樹脂薄膜材料で作成され、1層であってもよく、多層であってもよい。外観装飾特徴又は防火、火傷防止の機能を有する装飾層70を使用することにより、ハニカムコアサンドイッチラミネート板はより美観となる。熱可塑性樹脂薄膜材料は、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどを含むが、これらに限定されない。
【0041】
図14に示すように、ハニカムコアサンドイッチラミネート板は、少なくとも2つの連続ハニカムコア材110を連結構造113により接続してなる連結構造含有の連続ハニカムコア材69と、連結構造含有の連続ハニカムコア材の上、下面69aに設けられるパネル73とを含む。連結構造含有の連続ハニカムコア材の上、下面にそれぞれ上、下パネル73を貼付し、熱プレスラミネートしてハニカムコアサンドイッチラミネート板を形成する。
図14aに示すように、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の上、下パネル73と連結構造含有の連続ハニカムコア材の上、下面69aとを熱ラミネートする際に必要な作用力Fと反作用力Fは、
図17に示されるものであり、又は類似の熱ラミネートプロセスにより高性能ハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造するための主要なプロセス設計パラメータに従うものである。
【0042】
実施例1-1
図3に示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111aと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112aとは、ずれて配置されて断面形状が四角形の連結構造113aを形成する。
【0043】
実施例1-2
図4から
図4bに示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111bと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112bとは、ずれて配置されて断面形状が六角形の連結構造113bを形成する。
【0044】
実施例1-3
図5に示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111cと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112cとは、互いに貼付して断面形状が台形の連結構造113cを形成する。第1連結部111cの断面形状は内八字形であり、第2連結部112cの断面形状は外八字形である。
【0045】
実施例1-4
図6から
図6bに示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111dと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112dとは、互いに貼付して断面形状が十字形の連結構造113dを形成する。第1連結部111d及び第2連結部112dの断面形状はいずれも呈T字形である。
【0046】
実施例1-5
図7に示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111eは、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112eに挿入されて断面形状が四角形の連結構造113eを形成する。第1連結部111eが第2連結部112eによって形成される凹溝内に係合することにより、隣接する2セグメントの連続ハニカムコア材の間の連結が形成される。第1連結部111eの断面形状は内八字形である。
【0047】
実施例1-6
図8から
図8bに示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111fは、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112fに挿入されて断面形状が六角形の連結構造113fを形成する。第1連結部111fが第2連結部112fによって形成される凹溝内に係合することにより、隣接する2セグメントの連続ハニカムコア材の間の連結が形成される。
【0048】
実施例1-7
図9から
図9bに示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111gは、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112gに挿入されて断面形状が六角形の連結構造113gを形成する。第1連結部111gの断面形状は開口が形成される六角形構造である。第2連結部112gの断面形状はY字形である。第1連結部111gが第2連結部112gによって形成される凹溝内に係合することにより、隣接する2セグメントの連続ハニカムコア材の間の連結が形成される。1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111gと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112gとは、上下挿入して連結される。
【0049】
実施例1-8
図10から
図10bに示すように、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111hは、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112hに挿入されて断面形状が五角形の連結構造113hを形成する。第1連結部111hの断面形状は開口が形成される五角形構造である。第2連結部112hの断面形状はT字形である。第1連結部111hが第2連結部112hによって形成される凹溝内に係合することにより、隣接する2セグメントの連続ハニカムコア材の間の連結が形成される。1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111hと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112hとは、上下挿入して連結される。
【0050】
実施例1-9
図11から
図11bに示すように、第1連結部111i及び第2連結部112iにはそれぞれ少なくとも1つの逆鉤構造114が設けられる。1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111iと、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112iにおける逆鉤構造114とは、互いに連結して断面形状が四角形の連結構造113iが形成される。
【0051】
実施例1-1から実施例1-9に示すように、連続ハニカムコア材の第1連結部111及び第2連結部112は、構造又は形状が同じであってもよく、異なってもよい。第1連結部及び第2連結部の断面形状は、四角形、五角形、六角形などの多角形を含むが、これらに限定されない。1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部と、他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部との連結方式は、交錯(ずれ)連結、貼付連結、挿入連結、逆鉤連結などを含むが、これらに限定されない。
【0052】
実施例2
図15に示すように、2層構造を有する熱可塑性樹脂薄膜でハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造する。熱可塑性樹脂薄膜は、異なる材料で作成される支持層211及び接着層212を含む。接着層212の融点は支持層211の軟化点よりも低い。製造方法は以下のステップを含む。
S1:熱可塑性樹脂薄膜を用いて加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を形成する。複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分40と、隣接する接続部分41と、両側の辺部に設けられる第1半連結部分42及び第2半連結部分43とを含む。
S2:加熱圧接又は超音波加熱溶接プロセスにより、2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分41を位置合わせて貼付し、全体として縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部111及び第2連結部112を含む一体のコア板を形成する。このコア板の外側は接着層212、内側は支持層211である。
S3:一体に接続された縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部分がそれぞれ第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板を、上下に間隔をあけて切断することで上下に間隔をあけかつ部分的に接続される切り口を形成する。具体的には、前記コア板に対して間隔をあけて上下交互に切断することで、間隔をあけて上下交互に部分的に接続される切り口を形成する。切断する際に、一体に接続された縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板を完全に切断することではなく、切り口に接続辺を保留する。切断方式は、厚さが異なる連続ハニカムコア材の生産要求を満たすために、必要に応じて従来技術における既知の方法を採用することができる。例えば、金属若しくは非金属ブレード切断、レーザー切断、高圧水切断、ワイヤ切断、抵抗ワイヤ切断又はプラズマ切断のうちの1つにより切断することができる。
S4:切り口を折畳み位置とし、切り口での接続辺を折畳み回転軸として、切り口を有するコア板を各切り口で90度又は-90度で交互に回転して折畳み、折畳まれたコア板における互いに密接する接続部分42は横方向に隣り合うユニット1を接続する接続壁3を構成する。コア板における横方向の両側の辺部にある第1半連結部分42及び第2半連結部分43は互いに貼付して第1連結部111及び第2連結部112を構成する。縦方向に隣り合うユニットの間の隣接側壁21は互いに貼付し、加熱により折畳まれた後の縦方向に隣り合うユニットの隣接側壁21に熱溶融状態の接着層212を形成し、隣接側壁21は互いに貼付して連続ハニカムコア材110を形成する。加熱温度は、接着層212の融点と支持層211の軟化点との間である。これによって、ユニットの幾何形状が効果的に保持されるとともに、隣接側壁間の高い貼付強度が得られ、連続ハニカムコア材の耐圧強度が向上する。
S5:連続ハニカムコア材110を所定の長さで横切りして幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材110のセグメントを作製する。
S6:少なくとも2セグメントの幅が一定の連続ハニカムコア材110を連結構造113により接続して連結構造を含む連続ハニカムコア材69を形成する。連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面69aにはそれぞれ上、下パネル73が貼付され、連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面69a及びパネル73の界面層72の温度が所定の熱溶融温度に達するように加熱し、熱プレスラミネートを行い、さらに冷却成形することにより、ハニカムコアサンドイッチラミネート板を作成する。1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部111と他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部112との連結は、対向連結、上下挿入連結、水平方向連結、鉛直方向連結を含むが、これらに限定されない。
【0053】
一実施形態において、ユニット1の製造に用いる熱可塑性樹脂薄膜は、支持層211及び接着層212を含む。支持層211及び接着層212は異なる材料で作成される。接着層212の融点は支持層211の軟化点よりも低い。ステップS2において、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板の外側は接着層212である。ステップS4において、加熱により折畳まれた後に並んで接続されたユニットの側壁の接着層212を加熱溶融接続する。加熱温度は接着層212の融点と支持層211の軟化点との間である。
【0054】
別の実施形態において、ユニット1の製造に用いる熱可塑性樹脂薄膜は単層構造である。ステップS1において、単層熱可塑性樹脂薄膜を支持層211とし、熱ラミネートプロセスにより支持層211の両側にそれぞれ1層の熱可塑性樹脂薄膜を接着層212として熱ラミネートする。接着層212の融点は、支持層211の軟化点よりも低い。ステップS4において、加熱により折畳まれた後に並んで接続されたユニットの側壁接着層212を加熱溶融接続する。加熱温度は接着層212の融点と、支持層211である熱可塑性樹脂薄膜の軟化点との間である。
【0055】
別の実施形態において、パネル73は単体構造である。単体構造とは、少なくとも1層が同じ連続繊維強化熱可塑性材料からなる複合層構造である。この実施形態において、単体構造は本体層71である。S6は以下のステップをさらに含む。
S61:パネル73の外側において、少なくとも1層の連続繊維強化熱可塑性材料を本体層71とし、パネル73の内側面に1層の熱溶融接続膜を接着して界面層72を形成する。
S62:押出成形又は熱ラミネートプロセスによりパネル73の内側面に熱溶融接続膜を製造し、熱溶融接続膜の厚さは0.01~0.5mmである。
S63:少なくとも2セグメントの幅が一定の連続ハニカムコア材110を連結構造113により接続して連結構造を含む連続ハニカムコア材69を形成し、加熱により連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面69aの貼付面及びパネル73との界面層72の温度を所定の熱溶融温度にし、熱プレスラミネートを行い、冷却成形によりハニカムコアサンドイッチラミネート板を得る。
【0056】
別の実施形態において、この製造方法は、以下のステップをさらに含む。
S7:事前にパネル73の製造過程において熱プレスにより装飾層70を貼付し、又は冷却成形されたハニカムコアサンドイッチラミネート板の上、下面に2回熱プレスにより装飾層70を貼付する。装飾層70は、外観装飾特徴又は防火、火傷防止機能を有する熱可塑性樹脂薄膜である。
【0057】
実施例3
図16及び
図17に示すように、本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備の一実施例において、第1コンベア装置61と、熱可塑成形装置62と、切断装置63と、目盛ペアローラ装置64と、第1冷却装置68と、熱溶融装置65と、熱プレスラミネート機91と、下パネル巻き出し機構92と、上パネル巻き出し機構93と、輸送機構94と、押付機構95と、縦切り装置97と、第2切断装置98とを含む。
【0058】
第1コンベア装置61は、熱可塑性樹脂薄膜からハニカムコアサンドイッチラミネート板の作成までの各工程間の連続搬送を実現するものである。
【0059】
熱可塑成形装置62は、熱可塑性樹脂薄膜を熱可塑成形するものである。熱可塑成形装置62は、上、下成形金型を含み、2層の熱可塑性樹脂薄膜はそれぞれ上、下成形金型を通過し、加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を形成する。複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分40と、隣接する接続部分41と、横方向の両側の辺部に設けられる第1半連結部分42及び第2半連結部分43とを含む。2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造は上、下圧接成形金型の噛合箇所に入り、設定された上、下圧接成形金型噛合箇所の隙間によるペアローラ圧力により2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分42を圧接し、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板を形成する。
【0060】
第1冷却装置68は、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部にそれぞれ第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板を冷却するものである。第1冷却装置68は風冷装置であってもよい。
【0061】
切断装置63は、第1冷却装置により冷却したコア板を切断して切り口を形成するものである。切断装置63は、第1冷却装置68により冷却したコア板に対して間隔をあけて上下交互に切断し、間隔をあけて上下交互に部分的に接続される切り口を形成する。切断装置63は、金属又は非金属ブレード切断、レーザー切断、高圧水切断、ワイヤ切断、抵抗ワイヤ切断又はプラズマ切断などの方式により切割を行う設備であってもよい。
【0062】
目盛ペアローラ装置64は、切断装置63によって切断されたコア板を折畳むものである。目盛ペアローラ装置64は、切り口付きのコア板を折畳んで連続するとともに前後に並んで接続されるユニットを形成し、側壁の接続時に必要な押付力を提供する。目盛ペアローラ装置64は、1群の目盛歯付きのローラを含み、連続ハニカムコア材の厚さを目盛基準として切り口に圧力を加え、目盛ペアローラ装置64上の第1コンベア装置61の速度と目盛ホイールの線速度との差を設定することにより、切り口が形成された後の水平状のユニットを折畳んで約90度回転させ、連続するとともに前後に並んで接続されたユニットを形成する。目盛ペアローラの歯及びペアローラの水平方向及び垂直方向における中心の設定により、異なる切り口間隔及び異なる六角形断面サイズのハニカムコアの目盛折畳要求を満たす。
【0063】
熱溶融装置65は、目盛ペアローラ装置64により折畳まれたコア板を加熱融解するものである。熱溶融装置65は、折畳まれた後に並んで接続されたユニットを加熱し、ユニット間の隣接側壁を加熱溶融接続し、連続ハニカムコア材110を作成する。加熱温度は、側壁の接着層212の融点と支持層211の軟化点との間に制御することができる。これによって、ユニットの幾何形状が効果的に保持されるとともに、隣接側壁の高貼付強度が得られ、連続ハニカムコア材110の耐圧強度が向上する。
【0064】
巻き出し機構は、ロール状の上、下パネル73を展開するためのものである。巻き出し機構は、上パネル巻き出し機構92と、下パネル巻き出し機構93とを含む。
【0065】
この製造設備は、連続ハニカムコア材を所定の長さで横切りするための第1切断装置をさらに含む。この装置は、丸鋸切断、赤外線切断又はレーザー切断などであってもよいが、これらに限定されない。
【0066】
輸送機構94は、第1切断装置により横切りされて形成された連続ハニカムコア材を所定位置まで整然と輸送するものである。
【0067】
押付機構95は、少なくとも2セグメントの前後に隣接する連続ハニカムコア材110を連結構造により緊密に連結するものである。
【0068】
熱プレスラミネート機91は、連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面69aとパネル73とを熱プレスラミネートしてハニカムコアサンドイッチラミネート板を形成するものである。熱プレスラミネート機91は、加熱装置79と、熱プレス積層ローラ80と、第2冷却装置81と、第2コンベア装置82とを含む。
【0069】
第2コンベア装置82は、連結構造を含む連続ハニカムコア材からハニカムコアサンドイッチラミネート板の作成までの各工程間の連続搬送を実現するものであり、耐高温であるとともに、ホットメルト接着剤のブロッキングを防止できる。第2コンベア装置82は、両面スチールベルト又は両面耐高温テフロンベルトであってもよいが、これらに限定されない。
【0070】
加熱装置79は、上、下接触式熱伝導加熱装置を含み、それぞれ上、下パネル73を加熱し、パネル73の外層本体層71を経て、外から内への熱伝達経路を介して熱伝導と熱対流の混合熱伝達方式によりパネル73の界面層72を所定温度に加熱し、熱溶融接続層を形成する。
【0071】
1対又は複数群の熱プレス積層ローラ80は、パネル73の界面層72及び連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面69aを熱プレスラミネートする。
【0072】
第2冷却装置81は、上、下接触式冷却装置を含み、熱プレス積層ローラによって熱プレスされたハニカムコアサンドイッチラミネート板を冷却成形する。
【0073】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材のセグメントを積重ね包装するための梱包装置をさらに含む。
【0074】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の縦方向の両側に対して縦方向ばり取りを行うための縦切り装置97をさらに含む。
【0075】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、ハニカムコアサンドイッチラミネート板を所定の長さで横切りするための第2切断装置98をさらに含む。この装置は、丸鋸切断、赤外線切断又はレーザー切断などであってもよいが、これらに限定されない。
【0076】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、原料として使用される熱可塑性樹脂薄膜を押出形成するために、熱可塑性樹脂薄膜を製造するための押出装置66をさらに含む。
【0077】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、成形された2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造を圧接し、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部及び第2連結部があるコア板を形成するための圧接装置67をさらに含む。
【0078】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、ハニカムコアサンドイッチラミネート板を牽引するための牽引機構96をさらに含む。
【0079】
本発明のハニカムコアサンドイッチラミネート板の製造設備は、縦切り装置97により縦切りしてばり取りされるとともに、第2切断装置98により横切りされたハニカムコアサンドイッチラミネート板を自動的に積み重ねるための板置き装置99をさらに含む。
【0080】
本発明の一実施形態において、本発明の製造設備の動作方式は以下の通りである。
押出装置66の押出により2層構造を有する2つの熱可塑性樹脂薄膜が形成される。熱可塑性樹脂薄膜の2層構造は順に接着層212、支持層211である。接着層212の融点は支持層211の軟化点よりも低い。2層の熱可塑性樹脂薄膜はそれぞれ上、下成形金型を通過し、加熱プレス成形プロセス又は加熱真空成形プロセスにより2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造が形成される。複数接続された半六角形構造は、間隔をあけて分布する半六角形ユニット部分40と、隣接する接続部分41と、横方向の両側の辺部に設けられる第1半連結部分42及び第2半連結部分43とを含む。2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造は上、下圧接成形金型の噛合箇所に入り、上、下圧接成形金型の噛合箇所での隙間による所定ペアローラ圧力により2枚の縦方向に連続し横方向に複数接続された半六角形構造の接続部分41を圧接し、縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板を形成する。縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板は、第1冷却装置68により冷却された後、切断装置63に輸送されて切断される。切断装置63は縦方向に連続し横方向に複数接続された六角形柱体構造であって横方向の両側の辺部が第1連結部111及び第2連結部112を含むコア板を、間隔をあけて上下交互に切断し、間隔をあけて上下交互に部分的に接続される切り口を形成する。切断する際にコア板を完全に切断することではなく、切り口に接続辺が保留されるように切断する。切割後、コア板は第1コンベア装置61により目盛ペアローラ装置64に輸送される。目盛ペアローラ装置64における目盛歯付きのローラは切り口に圧力を加え、切り口箇所を折畳み位置とし、切り口での接続辺を折畳み回転軸として切り口付きのコア板を切り口方向に従って90度又は-90度で交互に回転させてコア板を折畳んで、連続するとともに前後に並んで接続されたユニットを形成する。そして第1コンベア装置61により熱溶融装置65まで輸送される。熱溶融装置65は折畳まれた後に並んで接続され的ユニットを加熱することができる。加熱温度は、接着層212の融点と支持層211の軟化点との間に制御することができる。ユニット間の隣接側壁2を加熱溶融接続し、連続ハニカムコア材110を形成する。連続ハニカムコア材110は、第1切断装置により切断されて、幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材110のセグメントを形成する。下パネル巻き出し機構92は下パネルを引き続き輸送し、上パネル巻き出し機構93は上パネルを引き続き輸送する。上、下パネル73及び幅が一定又は同じの連続ハニカムコア材110は第3コンベア装置に伴って熱プレスラミネート機90に入る。熱プレスラミネート機90に入る前に、少なくとも2つの連続ハニカムコア材110は押付機構95により押し付けられることにより、連結構造を含む連続ハニカムコア材69が形成される。加熱装置79は、それぞれ上、下パネル73を加熱し、パネル73の外層本体層71を経て外から内への熱伝達経路を介して熱伝導と熱対流の混合熱伝達方式により連結構造を含むハニカムコア材の上、下面69a及びパネル73の界面層72を所定温度に加熱した直後、熱プレス工程に入り、即ち、第2コンベア装置82により輸送され、さらに少なくとも1群の熱プレス積層ローラ80により上、下パネル73の界面層72及び連結構造を含む連続ハニカムコア材の上、下面69aを熱プレスラミネートし、さらに第2コンベア装置82により第2冷却装置81まで輸送され、冷却工程を経て、連続プロセスによるハニカムコアサンドイッチラミネート板の生産が完成する。ハニカムコアサンドイッチラミネート板は牽引機構96の牽引により縦切り装置97に入る。縦切り装置97は、ハニカムコアサンドイッチラミネート板を縦方向の両側に対して縦方向ばり取りを行い、そして第2切断装置98に輸送し、第2切断装置98は、所定の長さで横切りして最終的なハニカムコアサンドイッチラミネート板を形成する。
【0081】
以上より、本発明はハニカムコア材の横方向の両側の辺部に第1連結部及び第2連結部を設け、1セグメントの連続ハニカムコア材の第1連結部と他のセグメントの連続ハニカムコア材の第2連結部連結とで連結構造を形成することにより、幅が広く、任意の長さのハニカムコアサンドイッチラミネート板を製造可能であり、ハニカムコアサンドイッチラミネート板の曲げ強度を向上できる。
【0082】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」といった用語は、異なる実体又は操作を区別するためのものに過ぎず、これらの実体又は操作の間にいかなる実際の関係又は順序が存在することを示唆することではない。また、用語「含む」、「含有」又は他の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図しているため、一連の要素を含む物品又は設備はこれらの要素のみならず、明確に示される他の要素を含み、又はこの物品又は設備が固有する要素も含む。
【0083】
以上、本発明の具体的な実施例を説明した。理解できるように、当業者が創造的努力なしに本発明の思想に基づいて種々の修正及び変化を行うことができる。したがって、当業者が本発明の思想及び従来技術に基づいて論理分析、推論、または限られた実験によって得られる技術的手段は、いずれも特許請求の範囲によって決定される保護範囲に含まれるべきである。