IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江蘇奇一科技有限公司の特許一覧

特許7145348一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備
<>
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図1
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図1a
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図1b
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図1c
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図2
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図3
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図4
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図5
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図6
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図7
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図8
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図9
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図10
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図11
  • 特許-一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法及び設備
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/54 20060101AFI20220922BHJP
   B29B 15/14 20060101ALI20220922BHJP
   B29C 70/20 20060101ALI20220922BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20220922BHJP
   B29C 48/154 20190101ALI20220922BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20220922BHJP
【FI】
B29C70/54
B29B15/14
B29C70/20
C08J5/04 CES
C08J5/04 CEZ
C08J5/04 CFD
C08J5/04 CFG
B29C48/154
B29C48/305
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021571645
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 CN2020104975
(87)【国際公開番号】W WO2022007037
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】202010662080.2
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521507408
【氏名又は名称】江蘇奇一科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU QIYI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】9 Changwan Road West, Danyang, Jiangsu 212314,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】朱 華平
(72)【発明者】
【氏名】田 宇飛
(72)【発明者】
【氏名】沃 暁剣
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104827645(CN,A)
【文献】中国実用新案第204414414(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105666897(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106827588(CN,A)
【文献】中国実用新案第205631423(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104669647(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111186138(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111745857(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102529196(CN,A)
【文献】特開平06-143276(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109467809(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00-70/88
B29B 15/00-15/14
B29B 11/00-11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ、及び多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置、ロールプレス浸漬塗布装置の前のフラット化装置、及び繊維摩擦帯電装置を含み、
1群の押出設備ダイヘッドは押出の方式によりホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成するものであり、
ホットメルト樹脂塗布ガイドローラは独立して駆動され、その回転速度が独立して設定され、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転により、1群のホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層が一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体に同期的に塗布され、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面の線速度はそのローラ面を通過する繊維体の進行速度よりも遅く、
ホットメルト樹脂と予備融合された一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体は多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置に入り、ホットメルト樹脂と繊維との十分で効率的な融合を実現し、
各品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールにおいて、3群の浸漬塗布ローラが品字状構造に配列され、配列の形態には、正品字状構造と逆品字状構造が含まれ、正品字浸漬塗布ユニットモジュールの頂部浸漬塗布ローラ及び逆品字浸漬塗布ユニットモジュールの底部浸漬塗布ローラの位置を調整することにより、各浸漬塗布ユニットモジュールの3群の浸漬塗布ローラ間の中心距離を調整し、同一の正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールの頂部浸漬塗布ローラと隣接する2群の浸漬塗布ローラのローラ面との隙間、又は同一の逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールの底部浸漬塗布ローラと隣接する2群の浸漬塗布ローラのローラ面との間の隙間の設定範囲は0.1~15mmであり、
フラット化ユニットモジュールは、3群の部材からなり、そのうちの2群は位置が固定した部材であり、1群は位置が調整可能な部材であり、V字型構造に配置され、各群の部材は、糸通し部材及び背部補強部材を含み、V字型構造の底部前記糸通し部材は上下移動することにより3群の部材間の中心距離を調整し、繊維と前記3群の部材のうちそれぞれの部材との接触角を変化させ、繊維の張力を調整することができ、
繊維摩擦帯電装置は、繊維体材料と異なる材料で作製された摩擦部材を含むことを特徴とする、一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項2】
一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の上、下両側には、それぞれ1群のホットメルト樹脂塗布ガイドローラ及び1群の押出設備ダイヘッド装置が設けられ、それぞれ上、下ホットメルト樹脂塗布ガイドローラにより対応する1群の押出設備ダイヘッドによって提供されるホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラに塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成し、
上、下ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転により、それぞれ上、下ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層が一方向に連続的に均一にフラット化された繊維体の上、下両側に塗布され、
上、下両側にそれぞれホットメルト樹脂が塗布された一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体は多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置に入り、ホットメルト樹脂と繊維体との十分で効率的な融合を実現することを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項3】
一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の下部にのみ1群のホットメルト樹脂押出設備ダイヘッド装置が設けられ、
上部ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転により、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラに塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層は一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の上部側に塗布され、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の下部に設けられる1群の押出設備ダイヘッドにより、ホットメルト樹脂は一方向に連続的に均一にフラット化された繊維体の下部側に均一に押し出されて塗布されることを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項4】
押出設備ダイヘッドの出口リップの基準面はホットメルト樹脂塗布ガイドローラの軸線に平行であり、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面を基準とし、押出設備ダイヘッドの出口リップとホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面との間の隙間設定範囲が0.1~10mm、押出設備ダイヘッドと水平面との夾角設定範囲が10~150°であるように押出設備ダイヘッドの位置を設定することを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項5】
浸漬塗布ユニットモジュールの浸漬塗布ローラの中心距離を調整することにより、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体と前記浸漬塗布ローラとの接触角を調整し、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体と正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールの頂部浸漬塗布ローラとの接触角、又は逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールの底部浸漬塗布ローラとの接触角の設定範囲は15~180°であり、
ユニットモジュールの浸漬塗布ローラの中心距離を調整し、ユニットモジュールの浸漬塗布ローラ間の隙間を設定することにより、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体とホットメルト樹脂との効率的な融合に必要な適切な繊維張力、及びホットメルト樹脂が緊密に配列された繊維の間に入る圧力が得られることを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項6】
ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ、及び各段の浸漬塗布ユニットモジュールを構成する各群の浸漬塗布ローラには内蔵加熱構造が設けられ、内蔵加熱構造は浸漬塗布ローラの内部に挿入される管状電気加熱素子、又は浸漬塗布ローラの内蔵通路を通過する液体加熱媒介であることを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項7】
各浸漬塗布ユニットモジュールの正品字状頂部又は逆品字状底部の浸漬塗布ローラの両端にある軸頭回転支持対偶は、それぞれ直線移動可能な直線移動伝動対偶装置に接続されることにより、各群の品字状ユニットモジュールにおける3本の浸漬塗布ローラの中心距離の独立調整が実現され、各群の浸漬塗布ローラは、その伝動側の軸頭がスプロケット又はギアにより回転運動を伝達することを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項8】
多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置の上部及び下部には、それぞれ複数群の放射型加熱装置が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項9】
糸通し部材の背部には補強部材が設けられ、背部に設けられる補強部材に内蔵される押上部材により幾何学的母線の垂直方向における糸通し部材の押上程度を調整してそれを固定し、幾何学的母線の垂直方向における糸通し部材の押上程度を調整し、生産ライン設備のプロセス中線を基準とする設定値の範囲は0.05~5.0mmであり、
少なくとも2群の押上機構がさらに設けられ、前記押上機構は前記補強部材により支持され、糸通し部材の幾何学的曲面の押上程度を調整し、糸通し部材と補強部材とを接続して固定し、
糸通し部材と、複数束の繊維束からなる一列の連続繊維とが一定の接触角で接触する領域の適切な断面の幾何的曲線は、半円形、部分円弧形、完全な円形を含み、
糸通し部材には内蔵加熱素子が設けられ、内蔵加熱素子は、糸通し部材の内部に挿入される管式電気加熱素子、又は液体加熱媒介が糸通し部材の通路を流れることにより加熱を行うものであることを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項10】
前記摩擦部材の材料は、銅、鋼又はアルミニウム合金を含み、セラミック、ナイロン又は硬質ゴムをさらに含み、
前記摩擦部材はアクチュエータにより、一方向に連続的にフラット化された一列の繊維糸の表面に対して繰り返し接触して摩擦運動を行い、摩擦運動により一方向に連続的にフラット化された一列の繊維体における隣接する繊維糸の間に発生する同じ電荷間の斥力により、前記一列の一方向連続繊維糸の均一なフラット化をさらに実施し、
一方向に連続的にフラット化された一列の繊維糸の表面と接触する前記摩擦部材のヘッドの幾何学的構造は、球面体、半球面体、球欠、円柱体、半円柱体又は小半円柱体を含み、
前記アクチュエータは、電気、空気圧又は油圧を動力とする駆動素子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【請求項11】
以下のS1からS6を含む請求項1から10のいずれか1項に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備を用いる製造方法であって、
S1:クリールに配置される各束の繊維束の張力がそれぞれ設定可能な1群の糸掛け回転軸により、複数束の繊維を同期に一方向連続繊維予備カーディング装置に輸送し、オーブンを経て繊維束の嵩高処理を完成させ、
S2:繊維フラット化装置の張力作用により、複数束に配列される連続繊維糸束は糸通し部材に突出する幾何体の表面に沿って均一に展開し、繊維摩擦帯電装置により繊維糸間に発生する同じ電荷間の斥力により複数束に配列される連続繊維糸束をさらに均一にフラット化し、
S3:1群の押出設備ダイヘッドにより押出されたホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成し、
S4:ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転運動により、1群のホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を同期に一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体に塗布し、
S5:ホットメルト樹脂と予備融合した一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体が多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置に入り、ホットメルト樹脂と繊維との効率的な融合を実現し、
S6:ホットメルト樹脂と効果的に融合した後の一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体は、主牽引の駆動力の作用下で連続的に冷却、定型装置を経て巻き取られることで一方向連続繊維強化樹脂複合材料を形成することを特徴とする、製造方法。
【請求項12】
S6において、連続繊維とホットメルト樹脂が効果的に融合した後の繊維体が冷却定型された後に、牽引により縦切断装置を経ることにより、連続繊維とホットメルト樹脂融合ユニットがその幅方向に沿って均一に切断され、そして、横切断装置を経て所定の長さで切断されることにより、一定の長さを有する薄片型一方向繊維強化樹脂体が製造されることを特徴とする、請求項11に記載の一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続繊維強化熱可塑性複合材料の技術分野に属し、一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製品、その製造方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維で強化された樹脂複合材料は、従来の金属材料に取って代わられつつあり、航空機、自動車など軽量化が要求される多くの分野で広く利用されている。
【0003】
繊維強化熱可塑性複合材料の応用の発展に伴い、連続性繊維強化熱可塑性材料含浸ベルトは優れた物理特性と多様な加工成形方法により徐々に普及している。運輸、軍民航空、石油化学、体育器具、建築資材など様々な分野で広く使われている。製品の軽量化、高強度、耐食性、リサイクル性、加工・成形の利便性という目標を達成し、その優れた総合性能により、この業界は飛躍的に発展した。
【0004】
連続繊維強化樹脂複合材料の繊維と樹脂の効率的な融合、連続製品の幅方向における均一な分布、厚さ寸法の安定性は、このような製品の機械的物性を評価する重要な指標である。現在、上記の性能指標を向上させるために、繊維界面との接続強度を高めるために、樹脂層の表面にカップリング剤処理を施すことに加えて、以下の2つの一般的なプロセス設備技術がある。第一は、繊維を熱溶融樹脂室を内蔵した密閉型金型に通すことにより、繊維と樹脂の熱融合を行う。このプロセスには以下の欠点がある。金型に死角があり、溶融熱分解を起こしやすいことである。繊維が破損した後の接合は困難であるため、連続繊維熱可塑性プリプレグテープの繊維含有量に大きな変動が生じる。製品の厚さ調整はダイのギャップの影響を受け、装置の汎用性が低下する。繊維と樹脂の融合効果は生産ラインの速度によって制限され、生産効率は低い。第二は、成形された熱可塑性膜を用いて、加熱により繊維と熱溶融被覆融合を行う。このプロセスには以下の欠点が存在する。熱可塑性膜は加熱過程で寸法収縮を起こすため、製品樹脂の均一な分布を確保することが難しい。樹脂膜を再加熱する二次加工を採用するため、経済性に乏しく、製品の価格対性能比が高くない。上記のプロセスの制限は、押出成形、ホットプレス、射出成形などの二次加工の原料として繊維強化樹脂を使用する場合の製品の機械的特性に直接影響を及ぼし、製品の実用性が不安定になり、早期故障しやすい。
【0005】
米国TICONA社のUS9,233,486.B2,9,289,936.B2などの特許において、ホットメルト樹脂室が内蔵された密閉型金型を用いて繊維と樹脂との熱融合を実施している。「ホットメルト樹脂室が内蔵された密閉型金型」の設計特徴により、金型のホットメルト樹脂室に死角があり、ホットメルト樹脂が堆積しやすく、溶融熱分解が発生し、繊維の切断後の接合は比較的困難であり、連続繊維の熱可塑性プレキャストベルト繊維の含有量の変動が大きい。製品の厚さを調整する際、金型の隙間の影響を受け、設備の汎用性を低下させ、繊維と樹脂の融合効果は生産ラインの速度に制限され、生産効率が低い。
【0006】
陝西天策新素材科学技術有限公司の特許出願CN105346200Aにおいて、硬化した熱可塑性樹脂フィルムを使用して直接連続繊維とホットプレスロールを経て複合化する。この過程で熱可塑性樹脂の流動性が悪く、熱ローラによる熱溶融効果が悪く、熱可塑性樹脂の連続繊維に対する浸潤効果が悪く、直接連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の浸潤効果が良くなく、界面効果が悪く、材料強度が低いという問題が発生する。また、このプロセスは、加熱プロセスによって引き起こされる熱可塑性膜の収縮によって制限され、製品樹脂の均一な分布を確保することは困難である。樹脂膜を再加熱する二次加工を採用しているため経済性に乏しく、製品のコストパフォーマンスが高くない。
【0007】
本発明に係る一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造プロセスにおいて、特殊な幾何学的ローラの張力による糸展開、機械式静電気による糸展開、上、下交互ローラによる樹脂塗布などの設計により、繊維と樹脂が効率的に融合し、連続繊維の分布が均一であり、製品の厚さ寸法が安定する複合材料製品の製造のためにより良好な解決策を提供する。
【発明の概要】
【0008】
上記目的を実現するために、本発明によれば、一方向連続繊維強化樹脂複合材料の製造プロセスが提供される。開放型ホットメルト樹脂と繊維とを熱融合する塗布プロセス設計を採用し、押出機により可塑化して溶融された樹脂を所定のダイヘッドを介して前記ホットメルト樹脂塗布ガイドローラに輸送し、前記ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成し、同期的に前記ホットメルト樹脂塗布ガイドローラが所定の回転運動によりホットメルト樹脂をガイドローラのローラ面に沿って連続的で均一に連続的に進行して展開した繊維体に塗布し、そして前記ホットメルト樹脂が塗布された均一に展開した一列の繊維は前記多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置を経ることでホットメルト樹脂と繊維との効率的な融合が完成する。最後に、前記ホットメルト樹脂と繊維とが効果的に融合した複合体は主牽引の駆動力の作用下で連続的に冷却、定型装置を経て巻取機に到達することにより前記一方向連続繊維強化樹脂複合材料の製造が完成する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。
ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ、及び多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置を含み、1群の押出設備ダイヘッドは塗布の方式により押し出されたホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成するものであり、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転により、1群のホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層が一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体に同期的に塗布される一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料の製造設備。
【0010】
さらに、ホットメルト樹脂と予備融合された一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体は多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置に入り、ホットメルト樹脂と繊維との十分で効率的な融合を実現する。
【0011】
さらに、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ及び1群の押出設備ダイヘッド装置は、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の片側に設けられてもよく、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の上、下両側にそれぞれ1群の前記ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ及び1群の押出設備ダイヘッド装置が設けられてもよい。
【0012】
さらに、それぞれ上、下ホットメルト樹脂塗布ガイドローラにより対応する1群の押出設備ダイヘッドによって提供されるホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラに塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成し、上、下ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転により、それぞれ上、下ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層が一方向に連続的に均一にフラット化された繊維体の上、下両側に塗布される。
【0013】
さらに、一方向に連続的に均一に展開した繊維体の上部に1群のホットメルト樹脂塗布ガイドローラ及び1群の押出設備ダイヘッド装置が設けられ、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の下部に1群のホットメルト樹脂押出設備ダイヘッド装置のみが設けられる。上部ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転により、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層が一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の上部側に塗布される。一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の下部に設けられる1群の押出設備ダイヘッドによりホットメルト樹脂を均一に押し出して一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体の下部側に塗布する。
【0014】
さらに、押出設備のホットメルト樹脂膜押出ダイヘッドの出口リップの基準面はホットメルト樹脂塗布ガイドローラの軸線に平行であり、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面を基準とし、所定の角度及び隙間に応じて押出設備のホットメルト樹脂膜押出ダイヘッドの位置を設定する。押出設備のホットメルト樹脂膜押出ダイヘッドの出口リップとホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面との隙間の設定範囲は0.1~10.0mmである。押出設備のホットメルト樹脂膜押出ダイヘッドと水平面との夾角の設定範囲は10~150°である。
【0015】
さらに、一列のフラット化繊維とホットメルト樹脂塗布ガイドローラとの接触角は15~180°角である。
【0016】
さらに、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラは独立して駆動され、その回転速度は独立して設定することができる。前記ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転速度及び押出設備の押出量を調整することによりガイドローラのローラ面に形成される熱溶融膜層の厚さ、及びホットメルト樹脂ガイドローラの一列の繊維ホットメルト樹脂に対する塗布量を制御することができる。さらに、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面の線速度はそのローラ面を通過する一列のフラット化繊維の進行速度よりも遅い。両者の速度が同じであると、繊維がガイドローラに絡みやすい。速度を遅くすることにより、ローラ面に厚さが均一な熱溶融膜が形成されやすい。
【0017】
さらに、開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置は、複数の品字状構造の浸漬塗布ユニットモジュールが直列で互いに交互に平行配置されることにより構成される。各浸漬塗布ユニットモジュールにおいて、3群の浸漬塗布ローラが品字状構造に配列され、配列の形態には、正品字状構造と逆品字状構造が含まれる。浸漬塗布ユニットモジュールは、正品字状構造及び逆品字状構造で間隔をあけて平行で交互に直列配置される。
【0018】
さらに、正品字浸漬塗布ユニットモジュールの頂部浸漬塗布ローラ及び逆品字浸漬塗布ユニットモジュールの底部浸漬塗布ローラの位置を調整することにより、各浸漬塗布ユニットモジュールの3群の浸漬塗布ローラ間の中心距離を調整する。漬塗布ユニットモジュールの浸漬塗布ローラの中心距離を調整することにより、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体と浸漬塗布ローラとの接触角を設定する。
【0019】
さらに、一列の連続的に進行する繊維と、多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置の各ユニットとの接触角は小さくなる。各ロールプレス浸漬塗布ユニットモジュールを通過した後の張力は段階的に増大する。この力学的特徴はホットメルト樹脂と一列のフラット化繊維が内から外へ段階的に融合するのに必要な融合圧力に一致する。
【0020】
さらに、一列の連続的に進行する繊維と、多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置の各ユニットとの接触角の設定範囲は15~180°である。多段階で平行交互に直列配置された開放型ロールプレス浸漬塗布装置の各群のローラのローラ面の線速度は、そのローラ面を通過する一列のフラット化繊維の進行速度よりも遅い。両者の速度が同じであると、繊維がガイドローラに絡みやすい。
【0021】
さらに、ユニットモジュールの浸漬塗布ローラの中心距離を調整することにより、各前記浸漬塗布ユニットモジュールの3群の浸漬塗布ローラのローラ面間の隙間を調整する。同一の正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールの頂部浸漬塗布ローラと隣接する2群の浸漬塗布ローラのローラ面との隙間、又は同一の逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールの底部浸漬塗布ローラと隣接する2群の浸漬塗布ローラのローラ面との間の隙間の設定範囲は0.1~15mmである。ユニットモジュールの浸漬塗布ローラの中心距離の調整、及びユニットモジュールの浸漬塗布ローラ間の隙間の設定により、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体とホットメルト樹脂とが効果的に融合するのに必要な適切な繊維張力、及びホットメルト樹脂が緊密に配列される繊維束に融合するのに必要な圧力が得られる。
【0022】
さらに、各浸漬塗布ユニットモジュールの正品字状頂部又は逆品字状底部の浸漬塗布ローラの両端にある軸頭回転支持対偶は、それぞれ直線移動可能な直線移動伝動対偶装置に接続されることにより、各群の品字状ユニットモジュールにおける3本の浸漬塗布ローラの中心距離の独立調整が実現され、各群の浸漬塗布ローラは、その伝動側の軸頭がスプロケット又はギアにより回転運動を伝達し、回転速度制御装置により回転速度を制御する。
【0023】
さらに、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ及び塗布装置の各浸漬塗布ユニットモジュールを構成する各群の浸漬塗布ローラには内蔵加熱構造が設けられる。内蔵加熱構造は、電気加熱素子、液体加熱媒介、例えば、熱媒油であってもよく、伝動側の軸頭端部で外部の熱供給源に接続される。
【0024】
さらに、多段階で平行交互に直列配置された品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールからなる開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置の上部と下部には、それぞれ複数群の放射型加熱装置が設けられ、ホットメルト樹脂と一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体が平行交互に直列配置された浸漬塗布ユニットモジュールを通過する過程におけるホットメルト樹脂塗布と一列のフラット化繊維との効率的な融合に必要な熱を提供する。これによって、押出設備ダイヘッドの熱溶融膜押出温度が低減され、ダイヘッドの熱溶融膜押出温度が次の多段階で直列配置された塗布装置の温度に一致し、高すぎる初期温度による樹脂分解が回避される。
【0025】
さらに、フラット化ユニットモジュールをさらに含む。このモジュール装置は複数束の繊維束からなる一列の連続繊維に一定の接触角で接触する糸通し部材及び背部補強部材から構成される。
【0026】
さらに、複数束の繊維束からなる一列の連続繊維のフラット化ユニットモジュールは、3群の部材からなり、そのうちの2群は位置固定糸通し部材であり、1群は位置が調整可能な糸通し部材であり、V字型構造に配置される。
【0027】
さらに、複数束の繊維束からなる一列の連続繊維のフラット化ユニットモジュールのV字型構造の底部の前記糸通しフラット化部材は上下移動することにより3群の部材間の中心距離を調整し、繊維と前記動作ユニット部材との接触角を変化させ、繊維の張力を調整することができる。
【0028】
さらに、背部補強部材には複数群の押上機構が設けられる。押上機構は以補強部材によって支持され、糸通し部材の押上程度を調整し、糸通し部材と補強部材とを接続して固定する。
【0029】
さらに、背部補強部材に内蔵される押上部材により幾何学的母線の垂直方向における糸通し部材の押上程度を調整してそれを固定し、幾何学的母線の垂直方向における糸通し部材の押上程度又は玄高を調整し、生産ライン設備のプロセス中線を基準とする設定値の範囲は0.05~5.0mmであり、
【0030】
さらに、糸通し部材と、複数束の繊維束からなる一列の連続繊維とが一定の接触角で接触する領域の適切な断面の幾何的曲線は、半円形、部分円弧形、完全な円形又はSIGN曲線を含む。
【0031】
さらに、糸通し部材には内蔵加熱構造が設けられる。内蔵加熱構造は、電気加熱素子又は液体加熱媒介であってもよい。例えば、電気加熱は加熱素子である。
【0032】
さらに、繊維摩擦帯電装置をさらに含む。繊維体の材料と異なる材料で作製される摩擦部材を用いて繊維体を摩擦して同じ電荷を発生する帯電装置を使用することができる。摩擦部材の材料は銅、鋼、アルミニウム合金といった金属材料、又はセラミック、ナイロン、硬質ゴムといった非金属材料である。
【0033】
さらに、摩擦部材はアクチュエータにより、一方向に連続的にフラット化された一列の繊維糸の表面に対して繰り返し接触して摩擦運動を行い、摩擦運動により一方向に連続的にフラット化された一列の繊維体における隣接する繊維糸の間に発生する同じ電荷間の斥力により、前記一列の一方向連続繊維糸の均一なフラット化をさらに実施する。
【0034】
さらに、一方向に連続的にフラット化された一列の繊維糸の表面と接触する前記摩擦部材のヘッドの幾何学的構造は、球面体、半球面体、球欠、円柱体、半円柱体、小半円柱体、連続した3次元幾何学的曲面、又は連続した2次元幾何学的曲面を含む。
【0035】
さらに、摩擦部材ユニットを駆動するアクチュエータは、電気、空気圧又は油圧を動力とする駆動素子を含む。
【0036】
本発明は、以下のS1からS6を含む一方向連続繊維強化樹脂複合材料の製造方法をさらに提供する。
S1:クリールに配置される各束の繊維束の張力がそれぞれ設定可能な1群の糸掛け回転軸により、複数束の繊維を同期に一方向連続繊維予備カーディング装置に輸送し、オーブンを経て繊維束の嵩高処理を完成させる。
S2:繊維フラット化装置及び繊維摩擦帯電装置により複数束の連続繊維を均一にフラット化する。
S3:1群の押出設備ダイヘッドにより押出されたホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成する。
S4:ホットメルト樹脂塗布ガイドローラの回転運動により、1群のホットメルト樹脂塗布ガイドローラのローラ面に塗布された厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を同期に一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体に塗布する。
S5:ホットメルト樹脂と予備融合した一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体が多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置に入り、ホットメルト樹脂と繊維との効率的な融合を実現する。
S6:ホットメルト樹脂と効果的に融合した後の一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体は、主牽引の駆動力の作用下で連続的に冷却、定型装置を経て巻き取られることで一方向連続繊維強化樹脂複合材料を形成する。
【0037】
さらに、S6において、連続繊維とホットメルト樹脂が効果的に融合した後の一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体が冷却定型された後に、牽引により縦切断装置を経ることにより、一列の連続繊維とホットメルト樹脂融合ユニットがその幅方向に沿って均一に切断され、そして、横切断装置を経て所定の長さで切断されることにより、一定の長さを有する薄片型一方向繊維強化樹脂体が製造される。
【0038】
本発明の有益な効果は以下の通りである。一方向連続繊維強化樹脂複合材料の繊維と樹脂とが効果的に融合し、連続繊維が均一に分布し、製品の厚さ寸法が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施例における両側に配置されるホットメルト樹脂押出ダイヘッド及びホットメルト樹脂塗布ガイドローラ、多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置からなる構造の模式図である。
図1a】本発明の実施例における片側に1群のホットメルト樹脂押出ダイヘッド及びホットメルト樹脂塗布ガイドローラが配置される構造の模式図である。
図1b】本発明の実施例における上、下にホットメルト樹脂押出ダイヘッドが配置され、下部にホットメルト樹脂塗布ガイドローラが設けられる構造の模式図である。
図1c】本発明の実施例における上、下にホットメルト樹脂押出ダイヘッドが配置され、上部にホットメルト樹脂塗布ガイドローラが配置される構造の模式図である。
図2】本発明の実施例における正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールのローラ構造の模式図である。
図3】本発明の実施例における逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールのローラ構造の模式図である。
図4】本発明の実施例における一方向連続繊維強化樹脂複合材料の製造設備の配置模式図である。
図5】本発明の実施例における繊維がフラット化ローラを経過する前後の張力変化の力学的分析の図である。
図6】本発明の実施例における1群のフラット化ユニットモジュールの正面図である。
図7】本発明の実施例における1群のフラット化ユニットモジュールの側面図である。
図8】本発明の実施例における繊維摩擦帯電装置の正面図である。
図9】本発明の実施例における繊維摩擦帯電装置の上面図である。
図10】本発明の実施例における1群の正品字状構造浸漬ユニットの位置調整の正面図である。
図11】本発明の実施例における1群の正品字状構造浸漬ユニットの位置調整の側面図である。
図12】本発明の実施例における薄片型一方向繊維強化樹脂体の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1、複数束の繊維束からなる一列の連続繊維
2、フラット化ユニット
21、第1群のフラット化ユニットモジュール
22、第2群のフラット化ユニットモジュール
23、第3群のフラット化ユニットモジュール
24、糸通し部材
25、背部補強部材
26、押上機構
3、押出溶融樹脂のダイヘッド
31、連続繊維の下部に設けられる押出溶融樹脂のダイヘッド
4、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ
41、連続繊維の下部に設けられるホットメルト樹脂塗布ガイドローラ
5、正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュール
6、逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュール
7、冷却装置
80、クリール
81、カーディングフレーム
82、オーブン
83、繊維摩擦帯電装置
84、縁切りカッター
85、牽引装置
86、移行ローラ
87、巻取ローラ
88、摩擦部材
89、往復運動機構
90、下部支架
91、直線運動対偶
92、軸受座
93、スプロケット
94、ラック
95、上下調節装置
96、縦切断装置
97、横切断装置。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、具体的な実施形態により本発明を説明する。以下の実施例は本発明の好ましい実施形態であり、本発明の実施形態は以下の実施例に制限されない。
【0042】
実施例1
図4に示すように、複数ロールの連続繊維をクリール80に置き、そして各繊維をカーディングフレーム81に引いて複数の繊維束からなる一列の連続繊維1を形成し、その後、第1群のフラット化ユニットモジュール21と通して繊維を予備的にフラット化し、各本の糸の水平高さを同一水平面に制限する。さらに、複数の繊維束からなる一列の連続繊維1はオーブン82を通して嵩高になるため、さらなる糸展開に有利である。連続繊維1はオーブン82から出た後、第2群のフラット化ユニットモジュール22に入り、続いて繊維摩擦帯電装置83、第3群のフラット化ユニットモジュール23を通過し、このときの連続繊維1のフラット化性は理想的な状態に達し、樹脂との浸潤過程に供される。
【0043】
熱可塑性樹脂は押出機により加熱された後、溶融樹脂を押し出すためのダイヘッド3から押し出されて滝状の薄膜になり、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4にかかる。連続繊維1はガイドローラ4と一定の接触角で接触するようにそれを経過することによりガイドローラに均一に塗布された樹脂に結合され、そして、正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュール5と逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュール6からなる多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置を通して繊維と樹脂が十分に融合した溶融体が得られ、次に冷却装置7を通して冷却され、縁切りカッター84により縁部が取り除かれ、さらに、牽引装置85、移行ローラ86、巻取ローラ87を通して最終的に一方向連続繊維強化熱可塑性プリプレグテープロール製品が得られる。
【0044】
本実施例において、連続繊維は、巨石集団の362CYF 2400TEXの無撚連続繊維を採用し、樹脂の主材料は、ポリプロピレン材料(PP)(メルトフローレート:50~110g/10min)であり、主材料ポリプロピレンの量の10%の相溶化剤が添加される。相溶化剤の作用はポリプロピレン(PP)とガラス繊維との結合強度を増加することである。ガラス繊維の主成分はグラフト化無水マレイン酸であり、0.3%の酸化防止剤が添加される。当業者に理解できるように、本明細書に記載の連続繊維材料には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などが含まれるが、これらに限定されない。それに適合性のある繊維強化熱可塑性樹脂には、ポリプロピレン系樹脂PP、ポリエチレン系樹脂PE、ポリエステル系樹脂PET、ナイロン系樹脂PA6又はPA66、PC樹脂、PEEK樹脂、PPS樹脂などが含まれるが、これらに限定されない。関連する補助剤には、他の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、潤滑助剤などが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
本実施例において、クリール80上の各ロールの繊維のためには、それぞれ張力制御装置が設けられる。それぞれ独立して各ロールの繊維の張力を調整できるとともに、全体として張力の調整を実現することができる。設備の長手方向におけるクリール80の前後の高さは調整することができる。
【0046】
本実施例において、カーディングフレーム81は櫛のような装置である。各繊維は、1つの隙間から通過する。クリールから引き出される繊維はカーディングフレーム81を通過した後に、幅方向における位置が固定される。これによって、複数の繊維束は、一列の均一で規則な連続繊維1を形成する。
【0047】
図6及び図7に示すように、本実施例において、合計3群のフラット化ユニットモジュール21、22、23では、各モジュールは、一定の接触角で連続繊維に接触する3群の糸通し部材24及び対応する背部補強部材25からなる。糸通し部材には加熱構造が設けられる。この加熱構造は電気加熱を加熱素子として使用し、温度が80~110℃に設定される。背部補強部材25には複数の押上機構26が設けられる。これらの押上機構26は、補強部材25を支持として糸通し部材24の押上程度を調整する機能を有するとともに、糸通し部材24と補強部材25とを接続して固定する作用を有する。本実施例において、押上程度、即ち、糸通し部材が押し上げられた後の中間位置のローラ面と補強部材との距離は1mmに調整される。また、3群のユニットのうちの左右2群は位置が固定される糸通し部材24であり、1群は上下移動可能な糸通し部材24であり、V字型に配置される。移動可能な糸通し部材24の移動により、3群の部材の互いの中心距離離の調整が実現され、通過する繊維と上記動作ユニット部材との接触角が変化され、繊維の張力が調整される。張力調整の原理及び調整量は、以下の通り計算する。
【0048】
図5は、繊維がフラット化ローラを通過する前後の繊維張力の変化を示す力の解析の図である。
【0049】
繊維とローラとの接触箇所を点(図におけるX軸とY軸との交点)とみなし、それに対して力学的性能分析を行う。繊維がローラに入る方向の張力をF、ローラから出た後の張力をF、繊維に対するローラの支持力をF、繊維に対するローラの摩擦力をF(方向は図5に示す通りである)、繊維とローラとの接触角の半分をθ(即ち、図における30°に示される角度)として定義する。
【0050】
摩擦力F=μF(μ:摩擦係数) 式(1)
各力をX軸に投影すると、Fcosθ=Fcosθ+Fである 式(2)
各力をY軸に投影すると、Fsinθ+Fsinθ=Fである 式(3)
繊維がローラを通過した後の張力をローラを通過する前のk倍に定義すると、F=kFである 式(4)
【0051】
式(1)から式(4)から下式が得られる。
【0052】
1群のV型ローラには3本のローラがあるため、1群のローラを通過した後の張力はk倍増加する。
【0053】
θを30°、即ち接触角を60°とする。資料によると、ガラス繊維と鋼の摩擦係数は0.2前後であるため、ここで0.2とする。この場合、k=1.26,k=2.0となる。即ち、繊維が各ローラでの接触角がいずれも60°の1群のV型テンションローラを経過した後、張力は約2倍増大する。
【0054】
上記計算から分かるように、繊維の張力は、1群のフラット化ユニットモジュールを経過するたびに約2倍増大することで、3群を経過した後の張力はフラット化ユニットモジュールを経過する前の8倍となり、段階的に展開する原則を満たし、複数群の品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールを用いる次の塗布プロセスにも適用され、張力の増大に伴い、繊維と樹脂の浸潤性は徐々に向上する。
【0055】
本実施例において、オーブン82は赤外線加熱を採用し、複数群のセラミック赤外線ヒーターからなり、全長は約1mであり、幅が繊維が展開された後の合計幅よりも長く、繊維表面との距離が1~10cmであり、最大温度が490℃に設定される。
【0056】
本実施例において、第2群のフラット化ユニットモジュール22と第3群のフラット化ユニットモジュール23との間に摩擦部材88及び往復運動機構89からなる繊維摩擦帯電装置83が設けられる。本実施例において、摩擦部材の材料は銅塊であり、銅塊は一方向に連続的にフラット化された一列の繊維糸の表面を往復して摩擦運動する。その設計原理は、以下の通りである。摩擦により一方向に連続的にフラット化された繊維糸1に同じ電荷を持つため、隣接する繊維糸の間に同じ電荷による斥力が発生し、フラット化された繊維糸の均一分布が向上する。フラット化された繊維糸の表面に接触する上記銅塊のヘッド部分の幾何学的構造は、指先形状に類似する1/4球面形状である。また、往復運動機構の駆動方式はモータ駆動である。
【0057】
図1に示すように、本実施例において、押出機のスクリュー部分からメルトポンプ、ダイヘッドと接続する接続領域を経て押出ダイヘッド3までの温度を190℃~270℃に設定し、温度の増加に伴い、樹脂のメルトフローレートは増大する。メルトフローレートの増大は、繊維と樹脂の浸潤程度に有利であるが、温度が高すぎると、樹脂に黄変、分解、老化などの現象が発生するため、適切な温度選択範囲を確定する必要がある。もちろん、材料によって温度の設定範囲は変化する。例えば、融点が高いPA又はPC材料である場合、190℃のような低温に設定してはならない。押出設備のダイヘッドは押し出されたホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4の表面に塗布し、厚さが均一なホットメルト樹脂膜層を形成し、そして、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4の回転により、樹脂膜層は一方向に連続的に均一にフラット化された繊維体1に同期的に塗布される。ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4の回転は、独立したモータにより制御され、その回転速度は、そのローラ面の線速度が繊維の進行速度よりも低いように設定される。本実施例において、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4のローラ面の線速度は6~10m/minに設定され、繊維の進行速度、即ち牽引速度は15~25m/minに設定される。また、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4に加熱装置が接続される。本実施例において、熱媒油による加熱を採用する。熱媒油の温度は、油温機により制御され、温度が200~250℃に設定される。同様に、樹脂材料によって温度の適用範囲は異なるため、材料に応じて設定温度を調整する必要がある。
【0058】
本実施例において、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4を経過した後にホットメルト樹脂と予備融合した一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体が正品字状構造浸漬塗布ユニットモジュール5及び逆品字状構造浸漬塗布ユニットモジュール6からなる多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置に入り、ホットメルト樹脂と繊維との効率的な融合を完成させる。各品字状構造ユニットモジュールの各ローラは、図10に示されるラック90及び軸受座92によって接続して固定される。各ローラには直線運動対偶91及び図11に示される品字状構造ローラ間の中心距離離を調節する上下調節装置95が接続される。また、各品字状構造浸漬塗布ユニットモジュールは、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラと同様に図11に示されるスプロケット93によって回転速が制御されるモータを有する。本実施例において、ローラ面の線速度を10~15m/minに設定し、熱媒油による加熱を採用する。熱媒油は油温機によって制御され、温度を200~250℃に設定する。同様に、樹脂材料によって温度の適用範囲は異なるため、材料に応じて設定温度を調整する必要がある。展開ユニットモジュール中の繊維が繊維と一定の接触角を有するローラを経過する前後の張力計算から分かるように、連続繊維1が多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置を経過する際の張力は徐々に増大し、浸潤性は徐々に向上する。
【0059】
本実施例において、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体1は、主牽引の駆動力下で樹脂と加熱浸潤した後にさらに連続的に冷却定型装置7、縁切りカッター84を経過した後、牽引装置85を経過し、移行ローラ86に到達し、最後に巻取ローラ87により一方向連続繊維強化熱可塑性複合材料に製造される。冷却定型装置は、冷却水が流れる4対のローラからなる。冷却水は冷水機によって制御され、水温を設定することができる。各対のローラのうちの1本はシリンダの制御によって上下に移動可能である。シリンダにおける気圧を調整することにより冷却時の圧力を調整することができる。一方向に連続的に均一にフラット化された繊維体の速度は牽引速度によって決定される。1本の鋼ローラ及び1本のゴムローラからなり、回転速度がモータによって制御される。巻き取り前の移行ローラは複数のローラからなり、製品をフラット化して横波やシワを防止する作用を有する。本実施例において、巻取機はダブルステーション巻取法を採用し、2つのステーションは反転可能であり、それぞれ独立して定張力又は定トルクモータによって制御される。
【0060】
実施例2
クリール80に掛けられる複数ロールの連続繊維はカーディングフレーム81を経た後、一列の連続繊維1となり、3群のフラット化ユニットモジュール21,22,23、オーブン82及び繊維摩擦帯電装置83を経て一列のフラット化性及び均一性に優れた連続繊維1となり、押出機により押し出された熱可塑性溶融樹脂と共にホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4及び多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置を経て十分に浸潤され、最後に冷却装置7を経て冷却され、縁切りカッター84を経て縁部が除去され、次に牽引装置85、移行ローラ86、巻取ローラ87を経て一方向連続繊維強化熱可塑性プリプレグテープロール製品が得られる。
【0061】
本実施例において、連続繊維は炭素繊維を採用し、樹脂はPA66を採用し、押出機のスクリューから押出ダイヘッドまでの温度を240~310℃に設定し、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4及び多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置の温度を260~300℃に設定し、牽引速度を10~15m/minに設定し、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4のローラ面の線速度を5~7m/minに設定し、多段階で平行交互に直列配置された開放型連続繊維とホットメルト樹脂ロールプレス浸漬塗布装置のローラ面の線速度を7~10m/minに設定し、冷却前の連続繊維に接触する非牽引ローラのローラ面の速度を牽引速度、即ち、繊維の進行速度よりも遅く設定することは、牽引速度以上に設定すると、繊維の切れた小さな毛羽がローラ面に絡まり、どんどん溜まっていき、影響を与える一方、牽引速度より遅い場合、連続繊維の速度がそれと接触するホットローラのローラ面の速度よりも速く、ローラ面と繊維との間に相対運動があるため、毛羽がローラ面に絡まっても、連続繊維は毛羽立ちを素早く取り除くことができ、溜まることがない。
【0062】
図1aに示すように、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体1の下方には、第2のホットメルト樹脂押出ダイヘッド31及びホットメルト樹脂塗布ガイドローラ41が設けられる点で実施例1と相違する。2つのホットメルト樹脂押出ダイヘッド3、31はそれぞれホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4、41に均一に塗布し、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4、41の回転によりホットメルト樹脂が連続繊維1に塗布され、さらなる浸潤に有利である。
【0063】
図1bに示すように、本実施例の別の実施形態において、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体1の下方には第2のホットメルト樹脂押出ダイヘッド31が設けられる。上方ホットメルト樹脂押出ダイヘッド3は、ホットメルト樹脂を連続繊維に均一に塗布し、下方のホットメルト樹脂押出ダイヘッド31は、ホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4に均一に塗布する。ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4の回転により、ホットメルト樹脂が連続繊維に塗布される。
【0064】
図1cに示すように、本実施例の別の実施形態において、一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体1の下方には第2のホットメルト樹脂押出ダイヘッド31が設けられる。上方ホットメルト樹脂押出ダイヘッド3は、ホットメルト樹脂をホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4に均一に塗布し、ホットメルト樹脂塗布ガイドローラ4の回転によりホットメルト樹脂が連続繊維上に塗布される。下方のホットメルト樹脂押出ダイヘッド31は、ホットメルト樹脂を連続繊維1に均一に塗布する。
【0065】
実施例3
一定の長さを有する薄片型一方向繊維強化樹脂体の製造
図12に示すように、実施例1、2と同じ製造方法により、牽引85を経て一方向連続繊維強化樹脂複合材料を得る。上記連続繊維とホットメルト樹脂とを効果的に融合した後の一方向に連続的に均一にフラット化された一列の繊維体は、主牽引85の駆動作用下で連続的に上記縦切断装置96を経て、一列の連続繊維とホットメルト樹脂融合ユニットをその幅方向に沿って均一に切断する。その後、上記横切断装置97により設定された長さで切断し、上記一定の長さを有する薄片型一方向繊維強化樹脂体を製造する。
【0066】
以上、本発明の具体的な実施例を説明した。理解できるように、当業者が創造的努力なしに本発明の思想に基づいて種々の修正及び変化を行うことができる。したがって、当業者が本発明の思想及び従来技術に基づいて論理分析、推論、または限られた実験によって得られる技術的手段は、いずれも特許請求の範囲によって決定される保護範囲に含まれるべきである。
図1
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12