IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-商品販売データ処理装置 図1
  • 特許-商品販売データ処理装置 図2
  • 特許-商品販売データ処理装置 図3
  • 特許-商品販売データ処理装置 図4
  • 特許-商品販売データ処理装置 図5
  • 特許-商品販売データ処理装置 図6
  • 特許-商品販売データ処理装置 図7
  • 特許-商品販売データ処理装置 図8
  • 特許-商品販売データ処理装置 図9
  • 特許-商品販売データ処理装置 図10
  • 特許-商品販売データ処理装置 図11
  • 特許-商品販売データ処理装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220927BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020185313
(22)【出願日】2020-11-05
(62)【分割の表示】P 2019116035の分割
【原出願日】2015-09-14
(65)【公開番号】P2021015639
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2020-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】宮川 大地
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-165076(JP,A)
【文献】特開2009-086919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売商品の代金を決済する商品販売データ処理装置において、
入金された現金により販売商品の代金を決済する現金決済手段と、
現金による決済により釣り銭が発生した場合に、前記釣り銭に応じた金銭価値を電子マネーにチャージする際に、当該電子マネーにチャージ可能な上限が設定されている場合には、前記上限内にチャージ可能な分の前記釣り銭の一部を前記電子マネーにチャージし、前記電子マネーにチャージしない前記釣り銭の残りが紙幣のみまたは硬貨のみとなるように調整するチャージ金額調整手段と、
前記チャージ金額調整手段により調整された前記釣り銭の一部を前記電子マネーにチャージするチャージ手段と、
前記チャージ手段により前記電子マネーにチャージされなかった前記釣り銭の残りの紙幣のみまたは硬貨のみを現金として排出する現金排出制御手段
を有する商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記チャージ手段は、複数種の電子マネーから選択された何れかの電子マネーにチャージする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
現金による決済により釣り銭が発生する場合に、前記釣り銭を現金払いとするか、あるいは前記電子マネーにチャージするかを選択する選択手段をさらに有し、
前記チャージ手段は、前記選択手段により前記電子マネーにチャージすることが選択された場合に、金銭価値を電子マネーにチャージする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記チャージ手段は、前記釣り銭の金額のうち、予め決められた単位分の金額の金銭価値を電子マネーにチャージする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケットなどの店舗には、販売対象とする商品の代金について決済するためのチェックアウトシステムが設置されている。チェックアウトシステムには、例えばPOS(Point of Sales)レジと称される、店員(キャッシャー)の操作により商品の登録と決済を実行する装置が設置されていることが多い。さらに、近年では、商品の登録をする登録機と、登録機により登録された商品についての決済をする会計機とを設置し、登録機をキャッシャーが操作し、会計機を買物客が操作するセミセルフタイプのチェックアウトシステムや、商品の登録と決済のための操作を買物客が全て行うセルフタイプのチェックアウトシステムが知られている。
【0003】
買物客が会計処理の操作をする場合には、代金の支払い方法として、現金の他、クレジットカード、電子マネーなど、複数の選択肢から何れかを任意に選択することができる。支払い方法として現金を選択した場合、買物客は、支払代金以上の金額の紙幣あるいは硬貨を釣り銭機に投入した後に決済処理を指示する。この決済処理において釣り銭がある場合には、釣り銭機から釣り銭が排出される。
【0004】
従来、買物客の操作により現金により支払いがされた場合、釣り銭については買物客自ら釣り銭機から取り出さなければならない。このため、買物客が釣り銭の排出時に他の作業をしていたりすると、釣り銭を取り忘れてしまうことがあった。また、買物客は、釣り銭機から排出された釣り銭を取り出した後、財布にしまう作業をしなければならない。すなわち、会計機における決済処理が完了しているにも関わらず、釣り銭を財布にしまう作業が完了しなければ会計機が空かないため、次の買物客のための会計処理を開始することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-26125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、買物客の操作により現金により支払いがされた場合に、買物客の作業時間を短縮すると共に、釣り銭の取り忘れを防止することが可能な商品販売データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、販売商品の代金を決済する商品販売データ処理装置は、現金決済手段、チャージ金額調整手段、チャージ手段、現金排出制御手段とを有する。現金決済手段は、入金された現金により販売商品の代金を決済する。チャージ金額調整手段は、現金による決済により釣り銭が発生した場合に、前記釣り銭に応じた金銭価値を電子マネーにチャージする際に、当該電子マネーにチャージ可能な上限が設定されている場合には、前記上限内にチャージ可能な分の前記釣り銭の一部を前記電子マネーにチャージし、前記電子マネーにチャージしない前記釣り銭の残りが紙幣のみまたは硬貨のみとなるように調整する。チャージ手段は、前記チャージ金額調整手段により調整された前記釣り銭の一部を電子マネーにチャージする。現金排出制御手段は、前記チャージ手段により前記電子マネーにチャージされなかった前記釣り銭の残りの紙幣のみまたは硬貨のみを現金として排出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態におけるチェックアウトシステム(商品販売データ処理システム)の構成を示すブロック図。
図2】本実施形態における登録機の構成を示すブロック図。
図3】本実施形態における会計機の構成を示すブロック図。
図4】本実施形態における会計機の動作を説明するためのフローチャート。
図5】本実施形態における会計機の動作を説明するためのフローチャート。
図6】本実施形態における会員カードの利用を確認するための操作画面の一例を示す図。
図7】本実施形態における支払い方法選択画面の一例を示す図。
図8】本実施形態における現金投入を買物客に促すための操作画面の一例を示す図。
図9】本実施形態におけるチャージ確認画面の一例を示す図。
図10】本実施形態におけるチャージ先選択画面の一例を示す図。
図11】本実施形態における決済(精算)実行の確認画面の一例を示す図。
図12】本実施形態におけるカードタッチ画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の商品販売データ処理システムは、例えばスーパーマーケットなどの店舗に設置される、セミセルフタイプのチェックアウトシステムとして実現される。チェックアウトシステム(商品販売データ処理システム)は、少なくとも1台の登録機と、複数台の会計機と、登録機及び会計機とネットワークを介して接続されるストアコンピュータ(店舗サーバ)とを含む。登録機と会計機とは、商品販売データ処理装置を構成する。
【0010】
図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステム(商品販売データ処理システム8)の構成を示すブロック図である。
図1に示す例では、複数台(m台)の登録機10-1,…,10-mと、複数台(n台)の会計機12-1,…,12-nが設けられた例を示している。登録機10-1,…,10-m、会計機12-1,…,12-n、及びストアコンピュータ(サーバ)14は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク16を介して接続され、相互にデータを送受信することができる。
【0011】
商品販売データ処理システム8は、例えば1台の登録機10(商品登録レジ)と2台の会計機12(会計レジ)とを組み合わせて設置される。なお、1台の登録機10に対して3台以上の会計機12を配置しても良い。また、登録機10と会計機12との組み合わせを不特定としても良い。すなわち、複数の登録機10によりそれぞれ生成された登録情報について、複数の会計機12の何れにおいても会計処理をできるようにしても良い。
【0012】
登録機10は、買物客が購入しようとする商品の情報を登録して登録情報を生成するための装置である。登録機10は、チェッカーと呼ばれる従業員によって商品の登録操作がされる。なお、登録機10は、登録情報に基づいて、チェッカーの操作により会計機12と同様の会計処理をする機能を設けることも可能である。
【0013】
会計機12は、登録機10により生成された登録情報を受信し、この登録情報に基づく会計処理(販売商品の代金の決済)をするための装置である。会計機12は、買物客により操作される。なお、会計機12は、チェッカーにより操作される場合もある。会計機12では、複数の支払い方法を買物客が任意に選択することができる。例えば、支払い方法には、現金、クレジットカード、電子マネーなどがある。本実施形態における会計機12は、支払い方法として現金が選択された場合に、入金された現金により販売商品の代金を決済する機能、現金による決済により釣り銭が発生した場合に、釣り銭に応じた金銭価値を電子マネーにチャージする機能を有する。
【0014】
ストアコンピュータ14は、チェックアウトシステムに含まれる全ての登録機10及び会計機1を管理する。ストアコンピュータ14は、登録機10(10-1,…,10-m)により生成された登録情報を受信し、会計処理が実行される会計機12(12-1,…,12-n2)の何れかに送信する。
【0015】
サーバ18は、商品販売データ処理システム8(会計機12-1,…,12-n)における会計処理に用いられる電子マネー(サーバ型電子マネー)を管理するサーバである。
【0016】
図2は、本実施形態における登録機10(10-1,…,10-m)の構成を示すブロック図である。
登録機10は、CPU(central processing unit)20、ROM(read-only memory)21、RAM(random-access memory)22、ハードディスク装置(HDD(Hard disk drive))23、I/F(インタフェース)ユニット24、スキャナ25、キーボード26、タッチパネル27、通信部28、プリンタ29、及びカードリーダライタ30を含む。
【0017】
CPU20は、ROM21及びRAM22に記録されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、登録機10としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
【0018】
ROM21及びRAM22は、CPU20により実行される各種プログラムの他、CPU20が各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。RAM22には、商品の情報を登録する処理が実行される場合、買物客4による商品の購入(取引)に対して発行された取引IDと、各商品から読み取った情報をもとにした登録情報とを対応づけた登録情報リストが記録される。
【0019】
CPU20により実行されるプログラムには、商品の情報(商品コード等)を入力する処理、商品の情報に応じた会計処理に用いられる登録情報を生成する処理、1つの取引(通常、一人の買物客4による商品の購入)を識別するための識別情報(取引ID)を決定する処理、登録情報をもとにした会計処理、登録情報をストアコンピュータ14に送信して記録させる処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。
【0020】
HDD23は、コンピュータの補助記録部分に相当する。HDD23は、CPU20が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU20での処理によって生成されたデータを保存する。なお、HDD23に代えて、例えばSSD(solid state drive)などを使用することもできる。
【0021】
I/F(インタフェース)ユニット24は、CPU20、ROM21、RAM22、HDD23、スキャナ25、通信部28、タッチパネル27、プリンタ29、及びカードリーダライタ30の間で授受されるデータを伝送する。I/Fユニット24は、例えば、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0022】
スキャナ25は、光学的スキャンにより商品の情報を読み取って、商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ25は、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ25は、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
【0023】
キーボード26は、金額を入力するための数字キー、小計及び合計等の演算を実行させるための演算キー、各種コマンド入力用のキー、複数の商品を割り当てることができる商品キーなどが設けられており、各キーに対する操作に応じたコマンドを出力する。
【0024】
タッチパネル27は、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、購入対象として登録された商品に関する登録情報(商品名、金額など)の一覧リスト、小計金額、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU20へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0025】
通信部28は、LAN13を介して、ストアコンピュータ14及び会計機12との通信を行う。
【0026】
プリンタ29は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(2次元コードなど)などを印刷することにより、レシート等を発行する。
【0027】
カードリーダライタ30は、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの会計処理に関わる情報を記録する各種のカードを含む。カードリーダライタ30は、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
なお、登録機10には、買物客4に各種情報を提供するためのディスプレイ(例えばLCD)を設けることも可能である。
【0028】
図3は、本実施形態における会計機12(12-1,…,12-n)の構成を示すブロック図である。
会計機12は、CPU40、ROM41、RAM42、HDD43、I/F(インタフェース)ユニット44、スキャナ45、タッチパネル46、釣り銭機47、通信部48、プリンタ49、及びカードリーダライタ50を含む。
【0029】
CPU40は、ROM41及びRAM42に記録されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、会計機12としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
【0030】
ROM41及びRAM42は、各種プログラムの他、CPU40が各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。
【0031】
CPU40により実行されるプログラムには、各種処理を実行するための制御プログラムが含まれる。各種処理には、例えば登録機10における登録処理により生成された登録情報を受信して、この登録情報に基づいた買物客4の操作による会計処理がある。本実施形態における会計処理は、登録機10における登録処理が完了する前に開始することができる。
【0032】
HDD43は、コンピュータの補助記録部分に相当する。HDD43は、CPU40が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU40での処理によって生成されたデータを保存する。なお、HDD43に代えて、例えばSSDなどを使用することもできる。
【0033】
I/F(インタフェース)ユニット44は、CPU40、ROM41、RAM42、HDD43、スキャナ45、タッチパネル46、釣り銭機47、通信部48、プリンタ49、カードリーダライタ50の間で授受されるデータを伝送する。I/F(インタフェース)ユニット44は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0034】
スキャナ45は、光学的スキャンにより情報を読み取って、コードを入力する。例えば、スキャナ45は、登録機10のプリンタ29によって印刷されたレシートのコード(例えば、2次元コード)を読み取るために使用される。レシートには、登録機10において発行される、1つの取引(一人の買物客)を識別するための識別情報(取引ID)を示すコードが印刷される。スキャナ25は、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ25は、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
【0035】
タッチパネル46は、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、購入対象として登録された商品に関する登録情報(商品名、金額など)の一覧リスト、小計金額、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU40へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0036】
釣り銭機47は、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また釣り銭機47は、釣銭とする硬貨及び紙幣を排出する。
【0037】
通信部48は、LAN13を介して、ストアコンピュータ14及び登録機10との通信を行う。
【0038】
プリンタ49は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシート等を発行する。
【0039】
カードリーダライタ50は、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードまたはポイントカードなどの会計処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。カードリーダライタ50は、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
【0040】
次に、本実施形態における商品販売データ処理システムの動作について説明する。
まず、登録機10における登録処理について説明する。
登録機10のCPU20は、チェッカーのスキャン操作によりスキャナ25により商品の情報(商品コード)が読み取られると、商品コードに対応する商品に関するデータ(商品名、定価、その他のデータ)をストアコンピュータ14から受信して、会計処理の対象とする登録情報を生成する。
【0041】
CPU20は、購入対象として登録された商品に関する登録情報(商品名、金額など)及び小計金額などを、タッチパネル27に表示する一覧リストに追加する。また、CPU20は、取引IDと対応づけた登録情報をストアコンピュータ14に送信して、ストアコンピュータ14において記録させる。
【0042】
チェッカーは、買い物カゴ7に入れられた購入対象とする各商品について、前述と同様にして、スキャン操作を繰り返して実行する。CPU20は、各商品についての登録情報を生成して、順次、ストアコンピュータ14に送信する。
【0043】
チェッカーは、全ての商品についてスキャン操作が終了すると、キーボード26あるいはタッチパネル27に対する操作(例えば、締めキーに対する操作)により登録操作の完了を指示する。CPU20は、チェッカーからの登録操作の完了が指示されると、ストアコンピュータ14に対して登録処理の完了を通知する。
【0044】
次に、会計機12における処理について説明する。
図4及び図5は、本実施形態における会計機12の動作を説明するためのフローチャートである。本実施形態における会計機12は、商品の代金支払いを現金により決済する際に釣り銭が発生した場合、釣り銭を現金で排出するのではなく、電子マネーにチャージすることができる。本実施形態における会計機12は、複数種類の電子マネーにチャージすることができる。複数種類の電子マネーには、例えば、ICカード型電子マネーとサーバ型電子マネーとを含む。ICカード型電子マネーは、ICチップが実装され、このICチップに金銭価値を示すデータを記録する。サーバ型電子マネーは、カードに記録されたIDデータと対応づけて、ネットワークを介して接続されたサーバ18において金銭価値を示すデータを記録する。
【0045】
まず、会計機12は、登録機10において発行された取引IDが入力されることで、登録機10において登録された商品の登録情報について会計処理を実行することができる。会計機12は、会計処理が可能な状態となると、例えば、会員カードの利用を確認するための操作画面をタッチパネル46に表示させる。
【0046】
図6は、本実施形態における会員カードの利用を確認するための操作画面60の一例を示す図である。
操作画面60には、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70(「会員カードを利用しますか?」)と、複数種類の会員カードA,B,Cの何れかを選択するためのボタン71A,71B,71Cが表示される。複数種類の会員カードA,B,Cには、例えば会員固有のIDデータのみが記録されたカードや、電子マネー機能やクレジットカード機能が実装されたカードなどがある。
【0047】
さらに、操作画面60には、登録機10において登録された会計処理の対象とする商品の点数と合計金額(支払い金額)を表示するための合計表示領域72と、会員カードを利用しないことを指示するためのボタン73が設けられている。また、合計表示領域72には、登録機10において登録された商品の情報を、一覧リスト(明細)により表示させるための明細ボタン72Bが設けられている。
【0048】
ここで、買物客によりボタン71A,71B,71Cの何れかを選択する操作がされた場合、CPU40は、選択されたボタンに対応する会員カードの読み取り状態となる。買物客によりカードリーダライタ50に会員カードを読み取らせる操作がされると(Act11、Yes)、CPU40は、カードリーダライタ50を通じて会員カードに記録されたIDデータなどの会員データを入力する(Act12)。会員データを入力することにより、CPU40は、例えば会員に対して予め決められた特典、例えば支払代金の割引き(5%引きなど)や、ポイント付与などの処理を実行することができる。
【0049】
例えば、買物客は、商品の代金支払いを現金により決済することを意図している場合であっても、前述した特典を得るために会員カードを利用することがある。なお、電子マネー機能やクレジットカード機能が実装された会員カードを利用して代金支払いをする場合には、当然ながら釣り銭は発生しない。
【0050】
CPU40は、会員カードの読み取りが完了した後、あるいは操作画面60のボタン73の操作により会員カードを利用しないことが指示された場合に、支払い方法選択処理を実行し、支払い方法を買物客により選択させるための支払い方法選択画面をタッチパネル46に表示させる(Act13)。
【0051】
図7は、本実施形態における支払い方法選択画面61の一例を示す図である。支払い方法選択画面61には、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70(「お支払い方法を選択して下さい」)と、支払い方法として、例えば、現金、クレジットカード、電子マネーの何れかを選択するためのボタン75A,75B,75Cが表示される。なお、支払い方法は、前述した以外の方法があっても良い。支払い方法選択画面61には、操作画面60と同様に合計表示領域72が設けられている。
【0052】
ここで、支払い方法としてクレジットあるいは電子マネーを指示するためのボタン75B,75Cが買物客により操作された場合(Act14、No)、CPU40は、ボタン75B,75Cにより指示された支払い方法に応じた決済処理を実行する。クレジットあるいは電子マネーにより支払いが決済される際の詳細については省略する。
【0053】
一方、支払い方法として現金を指示するためのボタン75Aが買物客により操作された場合(Act14、Yes)、CPU40は、買物客に現金投入を促すための操作画面をタッチパネル46に表示させる。
【0054】
図8は、本実施形態における会計機12のタッチパネル46に表示される、現金投入を買物客4に促すための操作画面62の一例を示す図である。操作画面62には、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70、買物客4に対する操作方法を説明するための操作ガイド80、支払い方法選択画面61が表示された処理状態に戻すための戻るボタン81が表示される。また、操作画面62には、購入対象として登録された商品の合計金額77、釣り銭機47に買物客の操作に投入された紙幣及び硬貨の合計を示す投入金額78、現在の合計金額と投入金額の差を表す不足金額を示す残額79が表示される。残額79は、買物客が釣り銭機47に現金を投入することにより更新される。買物客は、残額79を参照することにより、さらに投入する必要がある金額を認識することができる。
【0055】
CPU40は、戻るボタン81が操作されたことを検出した場合(Act16、No)、それまでに投入された紙幣及び硬貨を釣り銭機47から排出させると共に、支払い方法選択画面61を表示して、再度、買物客により支払いを選択させる処理状態に戻す。
【0056】
一方、CPU40は、支払いに必要な合計金額を越える現金の投入(入金)があり(Act16、Yes)、入力された現金により釣り銭が発生した場合には(Act17、Yes)、買物客に釣り銭を電子マネーにチャージするか確認するためのチャージ確認画面をタッチパネル46に表示させる(Act18)。
【0057】
図9は、本実施形態におけるチャージ確認画面63の一例を示す図である。
チャージ確認画面63では、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70として「おつりを電子マネーにチャージしますか?」が表示されている。チャージ確認画面63には、合計金額77、投入金額78、お釣りの金額82が表示される他、釣り銭を現金払いとするか、あるいは電子マネーにチャージするかを、買物客により指示させるためのボタン83A,83Bが設けられている。ボタン(「はい」)83Aは、電子マネーにチャージすることを指示するためのもので、ボタン(「いいえ」)83Bは、釣り銭を現金払いとすることを指示するためのものである。
【0058】
ここで、ボタン83A(「はい」)が操作されたことを検出した場合(Act19、Yes)、CPU40は、買物客にチャージ先とする電子マネーを選択させるためのチャージ先選択画面をタッチパネル46に表示させる(Act20)。
【0059】
図10は、本実施形態におけるチャージ先選択画面64の一例を示す図である。
チャージ先選択画面64では、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70として「チャージ先の電子マネーを選択してください」が表示されている。また、チャージ先選択画面64には、複数種類の電子マネーA,B,Cの何れかを選択するためのボタン84A,84B,84Cが表示される。電子マネーA,B,Cには、ICカード型電子マネー、サーバ型電子マネーを含む。また、電子マネー機能が実装された会員カードを含む。また、チャージ先選択画面64には、チャージ確認画面63が表示された処理状態に戻すための戻るボタン85が表示される。
【0060】
ここで、戻るボタン85が操作されたことを検出した場合(Act21、No)、CPU40は、チャージ確認画面63が表示された処理状態に戻り、再度、お釣りを電子マネーにチャージするか買物客に選択させる。
【0061】
また、チャージ先選択画面64において買物客によりボタン84A,84B,84Cの何れかを選択する操作がされた場合(Act21、Yes)、CPU40は、選択されたボタンに対応する電子マネーをお釣りのチャージ先として設定し、決済(精算)実行の確認画面をタッチパネル46に表示させる。なお、図9に示すチャージ確認画面63においてボタン83B(「いいえ」)が操作されたことを検出した場合、CPU40は、チャージ先選択画面64を表示せずに、決済(精算)実行の確認画面をタッチパネル46に表示させる。
【0062】
図11は、本実施形態における決済(精算)実行の確認画面65の一例を示す図である。
確認画面65では、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70として「よろしければ[精算]ボタンを押して下さい」が表示されている。また、確認画面65には、合計金額77、投入金額78、お釣りの金額82が表示される他、決済(精算)の実行を指示するための精算ボタン86が設けられている。なお、確認画面65では、お釣りをチャージする設定がされている場合には、「おつりは電子マネーにチャージされます」などのメッセージを表示するようにしても良い。
【0063】
ここで、買物客の精算ボタン86への操作を検出すると(Act22)、CPU40は、商品代金とする合計額と買物客により釣り銭機47に投入された紙幣及び硬貨の投入金額をもとに決済処理を実行する(Act23)。ここで、CPU40は、電子マネーへのお釣りのチャージが必要な場合(Act24、Yes)、買物客により電子マネーの機能が実装されたカードのカードリーダライタ50への読み取り操作が必要であるか判別する。
【0064】
例えば、チャージ先選択画面64において選択された電子マネーの種類が、サーバ型電子マネーの機能が実装された会員カードであって、Act12において、予め会員カードに記録されたIDデータなどの会員データが入力済みである場合、CPU40は、カードリーダライタ50への読み取り操作が不要であると判別する(Act25、No)。この場合、CPU40は、入力済みのIDデータなどの会員データをもとに電子マネーを管理するサーバ18に通知して、決済により発生した釣り銭分の金銭価値を電子マネーにチャージする(Act27)。
【0065】
また、チャージ先選択画面64において選択された電子マネーの種類が、IC型電子マネーである場合(Act25、Yes)、CPU40は、買物客に電子マネーをカードリーダライタ50により読み取らせる操作をさせるためのカードタッチ画面をタッチパネル46に表示させる(Act26)。
【0066】
図12は、本実施形態におけるカードタッチ画面66の一例を示す図である。
【0067】
カードタッチ画面66では、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ70として「電子マネーカードAを読取部にタッチして下さい」が表示されている。また、カードタッチ画面65には、買物客4に対する読取部にカードをタッチさせる操作方法を説明するための操作ガイド80が表示されている。さらに、カードタッチ画面66には、チャージ金額88と釣り銭のチャージ先電子マネーとする電子マネー名89が表示される。
【0068】
ここで、買物客によりカードリーダライタ50に電子マネーカードをタッチさせる操作がされた場合(Act28、Yes)、カードリーダライタ50は、電子マネーカード(ICチップ)に、決済により発生した釣り銭分の金銭価値をチャージする(Act29)。
【0069】
なお、チャージ先選択画面64においてサーバ型電子マネーの機能が実装された会員カード以外の電子マネーが選択されている場合、CPU40は、前述と同様にして、カードタッチ画面66を表示して、電子マネーカードをタッチさせる。そして、カードリーダライタ50を通じて読み取られる電子マネーカードに記録されたIDデータをもとに、サーバ18にアクセスして、決済により発生した釣り銭分の金銭価値を電子マネーにチャージする。
【0070】
こうして、決済により発生した釣り銭を電子マネーにチャージした場合、釣り銭の排出が不要となるため(Act30、No)、CPU40は、決済処理の内容をプリンタ49によりレシート紙に印刷させ、排出させることで会計処理を終了する(Act32)。なお、CPU40は、レシート紙に対して、一般的に印刷される購入した商品の商品名、金額、合計額(支払額)などのデータの他、お釣りを電子マネーにチャージしたことを通知するメッセージや、電子マネーへのチャージ金額(釣り銭額)、チャージ先の電子マネーの名称などを印刷させる。これにより、買物客は、レシート紙の印刷内容から釣り銭の電子マネーのチャージを確認することができる。
【0071】
一方、チャージ確認画面63においてお釣りを電子マネーにチャージしないことが選択されている場合(Act19、No)、CPU40は、電子マネーへのチャージを不要と判別する(Act24、No)。この場合、CPU40は、決済により釣り銭が発生してれば釣り銭の排出が必要と判別し(Act30、Yes)、釣り銭機47により紙幣釣り銭を排出する(Act31)。CPU40は、レシートを排出して会計処理を終了する(Act32)。
【0072】
なお、前述した説明では、決済により発生した釣り銭の全額を電子マネーにチャージしているが、釣り銭の金額に応じて、釣り銭の一部を電子マネーにチャージするようにしても良い。
【0073】
例えば、CPU40は、釣り銭を現金により排出すると、硬貨を排出する必要がある場合に、硬貨分の金額分のみを電子マネーにチャージする。例えば、図11の確認画面65に示すように、釣り銭の金額が「4002円」の場合には「2円」分のみを電子マネーにチャージする。これにより、釣り銭として釣り銭機47から排出される現金が紙幣のみとなる。
【0074】
この場合、CPU40は、Act30において釣り銭の排出が必要と判別し、釣り銭の一部である紙幣(「4000円」)を釣り銭機47から排出させる。従って、買物客は、釣り銭機47から紙幣のみを取り出せば良いため、釣り銭の取り出しが容易となり、また釣り銭を財布にしまう作業も簡単になり、硬貨と合わせて排出される場合より作業時間を短縮することができる。
【0075】
また、CPU40は、釣り銭の金額のうち、予め決められた単位分の金額分を電子マネーにチャージするようにしても良い。例えば、電子マネーに対して「1000円」単位でのチャージが可能とする場合、「1000円」単位分の釣り銭額を電子マネーにチャージする。図11の確認画面65に示すように、釣り銭の金額が「4002円」の場合には「4000円」分のみを電子マネーにチャージする。これにより、釣り銭として釣り銭機47から排出される現金が硬貨のみとなる。従って、買物客は、釣り銭機47から硬貨のみを取り出せば良いため、釣り銭の取り出しが容易となり、また釣り銭を財布にしまう作業も簡単になり、紙幣と合わせて排出される場合より作業時間を短縮することができる。
【0076】
また、CPU40は、電子マネーにチャージ可能な上限が設定されている場合に、電子マネーのチャージ上限内にチャージ可能な分の釣り銭の一部をチャージし、残りを現金により排出するようにしても良い。この際、CPU40は、前述したように、現金による排出を紙幣のみ、あるいは硬貨のみとなるように、電子マネーにチャージする金額を調整することも可能である。
【0077】
前述したように、釣り銭の金額に応じて、釣り銭の一部を電子マネーにチャージする場合、何れの方法によりチャージするか予め会計機12において設定されていても良いし、買物客により選択が可能に操作画面を表示し、買物客からの指示に応じて設定するようにしても良い。
【0078】
このようにして、本実施形態における会計機12では、買物客の操作により現金により支払いがされた場合に、電子マネーに釣り銭をチャージすることができるので、買物客が釣り銭を取り出して、財布にしまう作業を不要とすることができるので、作業時間を短縮することが可能となる。従って、会計機12における決済処理が完了した後、直ちに会計機12を解放することでき、次の買物客のための会計処理を開始することができる。また、釣り銭を現金により排出しないことで、買物客による釣り銭の取り忘れが発生しない。また、前述したように、釣り銭の一部を電子マネーにチャージし、一部を現金により排出する場合であっても、紙幣のみ、あるいは硬貨のみを排出するので、釣り銭の取り忘れの可能性を低減できる。
【0079】
なお、前述した説明では、セミセルフタイプのチェックアウトシステム(商品販売データ処理システム8)の会計機12を対象としているが、セルフタイプのチェックアウトシステムに設置される会計機、あるいは店員が商品の登録と会計ための操作を実行する対面式のPOS(Point of Sales)端末など、代金の支払いをするための会計処理を実行可能な商品販売データ処理装置を対象とすることが可能である。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
8…商品販売データ処理システム、10(10-1,…,10-m)…登録機、12(12-1,…,12-n)…会計機、14…ストアコンピュータ、16…ネットワーク、20,40…CPU、21,41…ROM、22,42…RAM、23,43…ハードディスク装置(HDD)、24,44…I/F(インタフェース)ユニット、25,45…スキャナ、26…キーボード、27,46…タッチパネル、28,48…通信部、29,49…プリンタ、30,50…カードリーダライタ、31,47…釣り銭機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12