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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-27
(45)【発行日】2022-10-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 1/76 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
G01S1/76
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018059230
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019174137
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】武捨 章洋
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】淺井 章弘
(72)【発明者】
【氏名】落合 恭也
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-181108(JP,A)
【文献】特開2017-208666(JP,A)
【文献】国際公開第2014/104284(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0117154(US,A1)
【文献】特開2017-037000(JP,A)
【文献】特開2009-159390(JP,A)
【文献】特開2016-156799(JP,A)
【文献】特開2016-220183(JP,A)
【文献】特開2018-179933(JP,A)
【文献】特開2018-142755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音波を出力する音波出力装置と、前記音波出力装置が出力する音波を取得する端末装置とを含む情報処理システムであって、
前記音波出力装置は、
第1の周波数帯域で第1の識別情報を表す第1の音波と、第2の周波数帯域で第2の識別情報を表す第2の音波と、第3の周波数帯域で第3の識別情報を表す第3の音波と、を1つのスピーカで出力する音波出力部と、
前記第1の音波と前記第2の音波と前記第3の音波とを異なる音波の強度で前記音波出力部に出力させる出力制御部と、
を有し、
前記端末装置が取得した音波に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記第3の識別情報とのうち、3つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第1の領域であると特定し、2つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第2の領域であると特定し、1つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第3の領域であると特定する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記音波出力部は、前記第1の周波数帯域内で前記第1の音波を出力し、前記第1の周波数帯域とは異なる前記第2の周波数帯域内で前記第2の音波を出力する、請求項1に記載の情報処理システム
【請求項3】
前記出力制御部は、前記第1の音波と前記第2の音波とを異なる時間に出力させる、請求項1又は2に記載の情報処理システム
【請求項4】
前記音波出力部は、所定の時間毎に前記第1の識別情報を変更し、
前記出力制御部は、前記所定の時間毎に前記第1の音波の強度を変更する、請求項3に記載の情報処理システム
【請求項5】
前記出力制御部は、前記第1の音波及び前記第2の音波のうち、より周波数が低い音波の強度を他の音波の強度より低く設定する、請求項2に記載の情報処理システム
【請求項6】
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが同じ識別情報である、請求項2に記載の情報処理システム
【請求項7】
記端末装置は、
前記音波出力装置から出力された前記音波に含まれる識別情報解析する音波解析部と、
前記音波解析部が解析した前記識別情報用いて、前記音波を取得した領域を特定する領域特定部と、
を有する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記音波出力装置が複数配置され
第1の音波出力装置が各周波数帯域で音波を出力する領域と、第2の音波出力装置が各周波数帯域で音波を出力する領域とが、同じ周波数帯域で重ならないように、前記第1の音波出力装置、又は前記第2の音波出力装置が出力する音波の出力方法を変更する出力装置制御部を有する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
音波を出力する音波出力装置と、前記音波出力装置が出力する音波を取得する端末装置とを含む情報処理システムにおいて、
前記音波出力装置が、
第1の周波数帯域で第1の識別情報を表す第1の音波と、第2の周波数帯域で第2の識別情報を表す第2の音波と、第3の周波数帯域で第3の識別情報を表す第3の音波と、1つのスピーカで出力する音波出力処理と、
前記第1の音波と前記第2の音波と前記第3の音波とを異なる音波の強度で出力させる出力制御処理と、
を実行し、
前記端末装置が、
前記端末装置が取得した音波に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記第3の識別情報とのうち、3つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第1の領域であると特定し、2つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第2の領域であると特定し、1つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第3の領域であると特定する領域特定処理を実行する、
情報処理方法。
【請求項10】
音波を出力する音波出力装置と、前記音波出力装置が出力する音波を取得する端末装置が実行するプログラムとを含む情報処理システムであって、
前記音波出力装置は、
第1の周波数帯域で第1の識別情報を表す第1の音波と、第2の周波数帯域で第2の識別情報を表す第2の音波と、第3の周波数帯域で第3の識別情報を表す第3の音波と、1つのスピーカで出力する音波出力部と、
前記第1の音波と前記第2の音波と前記第3の音波とを異なる音波の強度で前記音波出力部に出力させる出力制御部と、
有し、
前記プログラムは、
前記端末装置が取得した音波に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記第3の識別情報とのうち、3つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第1の領域であると特定し、2つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第2の領域であると特定し、1つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第3の領域であると特定する領域特定処理を、前記端末装置に実行させる、
情報処理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の識別情報を含む音波を発信する音波出力装置を配置して、音波を取得した端末装置に、端末装置が音波を取得した領域に関する情報を提供する位置情報システムが知られている。
【0003】
また、2つのスピーカを用いて、IDのビット値に基づいて所定の周波数成分の音波強度を変化させた音波を出力し、2つのスピーカの中間に設置されたマイクロフォンで抽出されたIDにより、位置を特定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の位置情報システムでは、基本的に1つのスピーカから出力される音波で1つの領域を形成しているため、詳細な位置情報を提供するためには、より多くのスピーカを設置する必要がある。
【0005】
また、特許文献1に開示された技術により、より詳細な位置情報を提供できる可能性はあるが、2つのスピーカを用いて領域を形成するため、複数の音波出力装置を設置する位置情報システムでは、設置位置の調整や音波強度の制御が困難になる。
【0006】
このように、従来の技術では、1つのスピーカから出力される音波を用いて、互いに異なる複数の領域を形成することができないという問題がある。
【0007】
本発明の実施の形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、1つのスピーカから出力される音波を用いて、互いに異なる複数の領域を形成する情報処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、音波を出力する音波出力装置と、前記音波出力装置が出力する音波を取得する端末装置とを含む情報処理システムであって、前記音波出力装置は、第1の周波数帯域で第1の識別情報を表す第1の音波と、第2の周波数帯域で第2の識別情報を表す第2の音波と、第3の周波数帯域で第3の識別情報を表す第3の音波と、を1つのスピーカで出力する音波出力部と、前記第1の音波と前記第2の音波と前記第3の音波とを異なる音波の強度で前記音波出力部に出力させる出力制御部と、を有し、前記端末装置が取得した音波に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記第3の識別情報とのうち、3つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第1の領域であると特定し、2つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第2の領域であると特定し、1つの識別情報が含まれる場合、前記端末装置が音波を取得した領域が第3の領域であると特定する
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、1つのスピーカから出力される音波を用いて、互いに異なる複数の領域を形成する情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係る識別情報の例について説明するための図である。
図3】一実施形態に係る音波出力装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る音波出力装置が形成する領域の例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る音波、及び領域について説明するための図である。
図8】第2の実施形態に係る音波出力装置が出力する音波の例を示す図である。
図9】第3の実施形態に係る音波、及び領域について説明するための図である。
図10】第4の実施形態に係る音波、及び領域について説明するための図である。
図11】第1、4の実施形態に係る音波出力方法の特徴を説明するための図である。
図12】一実施形態に係る識別情報の抽出方法のイメージを示す図である。
図13】第5の実施形態に係る音波、及び領域について説明するための図である。
図14】第5の実施形態に係る変形例について説明するための図である。
図15】第6の実施形態に係る音波出力装置の制御の例を示す図(1)である。
図16】第6の実施形態に係る音波出力装置の制御の例を示す図(2)である。
図17】第6の実施形態に係る音波出力装置の制御の例を示す図(3)である。
図18】第6の実施形態に係る音波出力装置の制御の例を示す図(4)である。
図19】一実施形態に係る情報システムが提供するサービスの例を示す図(1)である。
図20】一実施形態に係る情報システムが提供するサービスの例を示す図(2)である。
図21】一実施形態に係る情報システムが提供するサービスの例を示す図(3)である。
図22】一実施形態に係る情報処理システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0012】
<システムの構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。情報処理システム100は、例えば、管理サーバ101、複数の音波出力装置102a、102b、102c、・・・、ゲートウェイ103、及び端末装置104等を含む。なお、以下の説明の中で、複数の音波出力装置102a、102b、102c、・・・のうち、任意の音波出力装置を示す場合、「音波出力装置102」を用いる。また、図1に示す音波出力装置102、ゲートウェイ103、及び端末装置104の数は一例である。
【0013】
管理サーバ(情報処理装置)101は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク105に接続された、PC(Personal Computer)等の情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。管理サーバ101は、ネットワーク105、及びゲートウェイ103等を介して複数の音波出力装置102と通信を行い、複数の音波出力装置102による音波の出力を制御する。
【0014】
好ましくは、管理サーバ101は、音波出力装置102が出力した音波を取得した端末装置104から、端末装置104が取得した音波の情報と、端末装置104を識別する識別情報とを受信し、端末装置104の位置情報を管理する機能を有している。また、管理サーバ101は、端末装置104に、端末装置104の位置を示す位置情報、経路情報、周辺の施設の情報等を提供する機能をさらに有していても良い。
【0015】
音波出力装置102は、例えば、施設の天井、壁、床等に設置され、複数の周波数を用いて所定の識別情報を表す音波を、所定の範囲内に出力する。
【0016】
好ましくは、音波出力装置102は、無線通信、又は有線通信でゲートウェイ103に接続され、ゲートウェイ103を介して管理サーバ101と通信可能である。また、音波出力装置102は、管理サーバ101からの制御に応じて、出力する音波に含まれる所定の識別情報、音波の出力方法等を変更する。
【0017】
好ましくは、音波出力装置102は、端末装置104が備えるマイクロフォン(以下、マイクと呼ぶ)で取得可能な音声周波数帯域のうち、16kHz以上の周波数(以下、非可聴音領域と呼ぶ)の音波を用いて、所定の識別情報を表す音波を出力する。音波は、高い周波数ほど指向性が高く、16kHz以上の周波数は人間にはほとんど聞こえないため、非可聴音領域の音波は、所定の範囲に向けて、所定の識別情報を含む音波を出力するために好適である。
【0018】
図2は、一実施形態に係る音波に含まれる識別情報の例について説明するための図である。本実施形態に係る音波出力装置102は、例えば、図2に示すように、所定の周波数帯域201内に、所定の識別情報を表す複数の音波202を出力する。
【0019】
図2の例では、音波出力装置102は、周波数f1、f2、f3~fn(nは、2以上の整数)のn個の周波数を用いて、nビットの識別情報を表している。各周波数は、例えば、周波数f1が第1のビット、周波数f2が第2のビット、周波数f3が第3のビット、・・・、周波数fnが第nのビットと、それぞれ、1つのビットに対応している。また、各ビットは、対応する周波数に音波が出力されているとき、デジタル値の「1」を表し、対応する周波数の音波が出力されていないとき、デジタル値の「0」を表している。
【0020】
一例として、周波数f1、f2、f3~fnは、所定の周波数間隔ΔFで、非可聴音領域における所定の周波数帯域201内に出力される。
【0021】
図1に戻り、情報処理システム100のシステム構成の説明を続ける。
【0022】
ゲートウェイ103は、ネットワーク105を介して管理サーバ101と接続されており、また、複数の音波出力装置102と、無線通信、又は有線通信によるネットワークを形成している。ゲートウェイ103は、音波出力装置102と管理サーバ101との間の通信を中継すると共に、必要に応じて、音波出力装置102と管理サーバ101との間のプロトコル変換を行う。
【0023】
上記の構成により、音波出力装置102は、端末装置104に対して、端末装置104の位置に応じた所定の識別情報を含む音波を出力する。
【0024】
端末装置104は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の情報端末である。端末装置104は、所定のプログラムを実行することにより、内蔵されたマイク等を用いて、音波出力装置102が発信する音波を取得し、取得した音波の情報(例えば、音波に含まれる識別情報、周波数等)を抽出する。
【0025】
また、端末装置104は、抽出した音波の情報と、端末装置104を識別する識別情報とを、管理サーバ101(又は端末装置104の位置情報を管理する位置情報管理サーバ等)に送信する。
【0026】
管理サーバ101は、各領域に出力されている音波の情報を管理しており、端末装置104から受信した情報により、端末装置104の位置を管理することができる。また、管理サーバ101は、端末装置104の位置に対応する情報(例えば、位置情報、経路情報、周辺の施設の情報等)を、端末装置104に提供する。
【0027】
なお、図1に示す情報処理システム100のシステム構成は一例である。例えば、管理サーバ101は、ゲートウェイを介さずに、音波出力装置102と通信を行うものであっても良い。また、管理サーバ101の機能は、ゲートウェイ(情報処理装置の別の一例)103によって実現されるものであっても良い。
【0028】
<ハードウェア構成>
続いて、各装置のハードウェア構成について説明する。
【0029】
(音波出力装置のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る音波出力装置のハードウェア構成の例を示す図である。音波出力装置102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、フラッシュROM(Read Only Memory)303、無線通信部304、音波処理部305、音波出力I/F(Interface)306、スピーカ307、及びバス308等を有する。
【0030】
CPU301は、フラッシュROM303等に格納された音波出力装置102用のプログラムを実行することにより、音波出力装置102の各機能を実現する演算装置である。RAM302は、CPU301のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュROM303は、音波出力装置102用のプログラム、所定の識別情報、及び識別信号の発信周期等の様々な情報を記憶する書き換え可能な不揮発性のメモリである。
【0031】
無線通信部304は、例えば、ゲートウェイ103と通信を行う通信インタフェースの一例である。無線通信部304は、ゲートウェイ103と無線通信を行うための送受信回路、アンテナ、制御回路等を含む。無線通信部304は、例えば、無線LAN、近距離無線通信、及び920MHz帯の特定省電力無線等、各種の無線通信方式の無線部を適用することができる。
【0032】
音波処理部305は、CPU301の制御に従って、例えば、所定の識別情報を含む音波信号を生成する。音波処理部305は、例えば、音波処理用の集積回路等で実現されるものであっても良いし、DSP(Digital Signal Processor)等で実現されるものであっても良い。或いは、音波処理部305は、CPU301で実行されるプログラム等によって実現されるものであっても良い。
【0033】
音波出力I/F306は、CPU301による制御に従って、音波処理部305等が生成した音波信号を、所定の出力レベルに増幅して、スピーカ307に出力する。スピーカ307は、音波出力I/F306から出力される音波信号を音波に変換して出力する。
【0034】
バス308は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0035】
(管理サーバ、及び端末装置のハードウェア構成)
管理サーバ101、及び端末装置104は、例えば、図4に示すような一般的なコンピュータの構成を有する。ここでは、一般的なコンピュータのハードウェア構成について説明する。
【0036】
図4は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ400は、例えば、CPU401、RAM402、ROM403、ストレージ部404、通信I/F405、入力部406、表示部407、及びバス409等を含む。また、コンピュータ400が端末装置104である場合、コンピュータ400には、音声入力部408が含まれる。
【0037】
CPU401は、ROM403やストレージ部404等に格納されたプログラムやデータをRAM402上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ400の各機能を実現する演算装置である。RAM402は、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM403は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
【0038】
ストレージ部404は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスであり、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
【0039】
通信I/F405は、コンピュータ400をネットワーク105に接続するための通信装置である。コンピュータ400は通信I/F405を介して、他の機器と通信を行うことができる。
【0040】
入力部406は、マウス等のポインティングデバイスや、キーボード等、コンピュータ400に各操作信号を入力するために用いられる入力デバイスである。表示部407はディスプレイ等、コンピュータ400による処理結果等を表示する表示デバイスである。
【0041】
音声入力部408は、マイク、増幅回路等を含み、マイクで取得した音波を音波信号、音波データ等に変換して出力する。
【0042】
バス409は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0043】
<機能構成>
続いて、情報処理システム100の機能構成について説明する。
【0044】
図5は、一実施形態に係る情報処理システム100の機能構成の例を示す図である。なお、図5において、音波出力装置102bは、音波出力装置102aと同様の機能構成を有しているものとする。
【0045】
(音波出力装置の機能構成)
音波出力装置102は、例えば、通信部501、音波生成部502、出力制御部503、音波出力部504、及び記憶部505等を有する。音波出力装置102は、例えば、図3のCPU301で所定のプログラムを実行することにより、上記の各機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0046】
通信部501は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及び無線通信部304等によって実現され、ゲートウェイ103を介して管理サーバ101と通信を行う。また、通信部501は、ゲートウェイ103を介して管理サーバ101から受信した情報(例えば、設定情報511、状態情報512等)を記憶部505に記憶する。
【0047】
設定情報511には、例えば、音波出力装置102が出力する各音波に含まれる識別情報、識別情報の生成に用いる周波数の情報、出力する音波の強度の情報等が含まれる。さらに、音波出力装置102が、各音波を時分割で出力する場合には、設定情報511には、各音波を出力するタイミングの情報等が含まれる。
【0048】
状態情報512は、音波出力装置102の状態を示す情報であり、例えば、音波の出力/停止を示す情報等が含まれる。
【0049】
音波生成部502は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及び音波処理部305等によって実現され、図2に示したように、複数の周波数f1、f2、f3、・・・fnを用いて識別情報を表す音波を生成する。例えば、音波生成部502は、記憶部505に記憶した設定情報511に従って、複数の周波数を用いて第1の識別情報(ID1)を表す音波と、別の複数の周波数を用いて第2の識別情報(ID2)を表す第2の音波とを生成する。また、音波生成部502は、さらに別の複数の周波数を用いて第3の識別情報(ID3)を表す第3の音波、第4の識別情報(ID4)を表す第4の音波、・・・を生成することができる。
【0050】
出力制御部503は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラムによって実現され、音波生成部502が生成した音波を、音波出力部504を用いて出力させる。例えば、出力制御部503は、音波生成部502が生成した第1の音波と第2の音波とを、異なる音波の強度(音量)で音波出力部504に出力させる。さらに、出力制御部503は、音波生成部502が生成した第3の音波、第4の音波、・・・を、異なる音波の強度で音波出力部504に出力させる。
【0051】
音波出力部504は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及び音波出力I/F306、スピーカ307等によって実現され、出力制御部503の制御に従って音波を出力する。
【0052】
記憶部505は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム、及びフラッシュROM303、RAM302等によって実現され、設定情報511、状態情報512等の様々な情報を記憶する。
【0053】
(端末装置の機能構成)
端末装置104は、例えば、通信部521、音波取得部522、音波解析部523、領域特定部524、表示入力制御部525、及び記憶部526等を有する。端末装置104は、例えば、図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、上記の各機能構成を実現している。また、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0054】
通信部521は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラム、及び通信I/F405等によって実現され、端末装置104をネットワーク105に接続して、管理サーバ101等と通信を行う。
【0055】
音波取得部522は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラム、及び音声入力部408等によって実現され、音波出力装置102が出力する音波を取得する。
【0056】
音波解析部523は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラムによって実現され、音波取得部522が取得した音波を解析して、音波に含まれる識別情報、音波を取得した周波数帯域の情報、音波を取得したタイミングの情報等を抽出する。
【0057】
領域特定部(特定部)524は、音波解析部523が抽出した音波の情報を用いて、音波取得部522が音波を取得した領域、すなわち、端末装置104の位置を特定する。例えば、領域特定部524は、音波解析部523が抽出した音波の情報と、端末装置104を識別する端末識別情報(以下、端末IDと呼ぶ)とを管理サーバ101に送信し、管理サーバ101から、端末装置104の位置を示す情報(領域名、位置座標等)を取得する。
【0058】
別の一例として、領域特定部524は、各領域で取得される音波の情報(識別情報、帯域情報等)と、各領域の情報(領域名、位置座標等)とを対応付けた対応情報を記憶部526に記憶しておき、この対応情報に基づいて、端末装置104の位置を示す情報を特定するものであっても良い。
【0059】
表示入力制御部525は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラムによって実現され、例えば、領域特定部524が特定した端末装置104の位置を示す情報を用いて、端末装置104の位置情報、経路案内等の表示画面を、表示部407に表示させる。また、表示入力制御部525は、入力部406に対する利用者の入力操作を受け付ける。
【0060】
記憶部526は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラム、及びストレージ部404、RAM402等によって実現され、前述した対応情報等の様々な情報を記憶する。
【0061】
(管理サーバの機能構成)
管理サーバ101は、例えば、通信部531、位置情報管理部532、出力装置制御部533、装置情報管理部534、及び記憶部535等を有する。管理サーバ101は、例えば、図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、上記の各機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0062】
通信部531は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラム、及び通信I/F405等によって実現され、管理サーバ101をネットワーク105に接続して、端末装置104等と通信を行う。また、通信部531は、ネットワーク105、及びゲートウェイ103を介して、音波出力装置102と通信を行う。
【0063】
位置情報管理部532は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラムによって実現される。位置情報管理部532は、端末装置104から送信される音波の情報、及び端末IDを用いて、端末装置104の位置を示す位置情報を特定し、記憶部535に記憶して管理する。
【0064】
例えば、位置情報管理部532は、音波出力装置102が形成する各領域で取得される音波の情報(識別情報、帯域情報等)と、各領域の情報(領域名、位置座標等)とを対応付けた対応情報を記憶部535に記憶して管理する。また、位置情報管理部532は、この対応情報と、端末装置104から送信される音波の情報及び端末IDとを用いて、端末装置104が音波を取得した領域、すなわち、端末装置104の位置を特定する。
【0065】
さらに、位置情報管理部532は、端末装置104の位置を示す情報を端末装置104に送信すると共に、端末装置104の端末IDと、端末装置104の位置を示す情報とを対応付けて、記憶部535に記憶する。なお、位置情報管理部532は、外部の位置情報管理サーバ等が有していても良い。
【0066】
出力装置制御部533は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラムによって実現され、各音波出力装置102が出力する音波の識別情報、周波数、強度、タイミング等を制御する。例えば、出力装置制御部533は、音波出力装置102が出力する音波の識別情報、周波数、強度、タイミング等を記憶した設定情報511を、ゲートウェイ103を介して音波出力装置102に送信する。
【0067】
装置情報管理部534は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラムによって実現され、情報処理システム100に含まれる複数の音波出力装置102の情報を、記憶部535等に記憶して管理する。例えば、装置情報管理部534は、各音波出力装置102が設置されている場所(座標情報)、各音波出力装置が出力している音波の情報(周波数、帯域、強度、タイミング等)を管理する。
【0068】
記憶部535は、例えば、図4のCPU401で実行されるプログラム、及びストレージ部404、RAM402等によって実現され、前述した対応情報、端末装置104の位置を示す情報、音波出力装置102の情報等の様々な情報を記憶する。
【0069】
<領域の形成方法について>
続いて、音波出力装置102による領域の形成方法について、複数の実施形態を例示して説明する。
【0070】
[第1の実施形態]
図6は、第1の実施形態に係る音波出力装置が形成する領域の例を示す図である。図6は、施設の天井611等に設置された音波出力装置102が形成する領域の例を示している。図6の例では、音波出力装置102は、所定の高さhにおいて、図6の上側の図に示すように、領域A601、領域B602、及び領域C603を形成している。
【0071】
図7は、第1の実施形態に係る音波、及び領域について説明するための図である。音波出力装置102は、図7(a)に示すように、帯域a(第1の周波数帯域)内の複数の周波数を用いて、ID1(第1の識別情報)を表す第1の音波を生成し、生成した音波を第1の音量VOL1で、図6の領域A601に出力する。
【0072】
なお、図7(a)において、実線で示される音波701は出力している音波を示しており、破線で示される音波702は出力していない音波を示す。また、図2で説明したように、各周波数で音波が出力されているとき、デジタル値の「1」を表し、各周波数で音波が出力されていないとき、デジタル値の「0」を表す。従って、例えば、図7(a)の例では、ID1は「11010・・・101」を表している。なお、ID1の「11010・・・101」という0/1の並びは一例である。
【0073】
同様に、音波出力装置102は、帯域b(第2の周波数帯域)内の複数の周波数を用いて、ID2(第2の識別情報)を表す第2の音波を生成し、生成した音波をVOL1より大きい第2の音量VOL2で領域A601、領域B602に出力している。さらに、音波出力装置102は、帯域c(第3の周波数帯域)内の複数の周波数を用いて、ID3(第3の識別情報)を表す第3の音波を生成し、生成した音波をVOL2より大きい第3の音量VOL3で領域A601、領域B602、領域C603に出力している。
【0074】
この場合、例えば、端末装置104が図6に示す領域A601において音波を取得すると、取得した音波には、ID1、ID2、及びID3が含まれる。また、端末装置104が図6に示す領域B602において、音波を取得すると、取得した音波にはID2、及びID3が含まれる。同様に、端末装置104が図6に示す領域C603において、音波を取得すると、取得した音波にはID3が含まれる。
【0075】
従って、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、図7(b)に示すような対応情報711を用いて、端末装置104が取得した識別情報に対応する領域を特定することができる。
【0076】
図7(b)の例では、対応情報711には、「取得した識別情報」と「領域」とが対応付けて記憶されている。これにより、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、端末装置104が取得した音波にID1、ID2、及びID3が含まれている場合、端末装置104が音波を取得した領域が「領域A」であると特定することができる。同様に、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、端末装置104が取得した音波にID2、及びID3が含まれている場合、端末装置104が音波を取得した領域が「領域B」であると特定することができる。
【0077】
なお、「領域」は、端末装置104の位置を示す情報の一例である。端末装置104の位置を示す情報は、例えば、座標情報等であっても良い。
【0078】
このように、第1の実施形態に係る音波出力装置102は、互いに異なる周波数帯域内において、複数の周波数を用いて識別情報を表す複数の音波を生成する。また、音波出力装置102は、生成した複数の音波を、互いに異なる音量(音波の強度)で出力することにより、1つのスピーカから出力する音波を用いて複数の領域を形成することができる。
【0079】
なお、図6、7の例では、音波出力装置102は、3つの周波数帯域を用いて3つの領域を形成しているが、音波出力装置102は、2つ以上の任意の数の周波数帯域を用いて、2つ以上の任意の数の領域を形成することができる。
【0080】
なお、図7(a)において、帯域a~帯域cは、前述したように、16kHz以上の非可聴音領域で出力することが望ましい。ただし、非可聴音領域で出力した音波であっても、人によって聞こえてしまう場合がある。従って、図7(a)に示すように、帯域a~帯域cのうち、より周波数が低い帯域aの音波の強度(以下、音量と呼ぶ)を、より小さくなるように設定することが望ましい。
【0081】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る音波出力装置が出力する音波の例を示す図である。第1の実施形態では、音波出力装置102は、ID1~ID3を、それぞれ異なる周波数帯域内で出力することにより、領域A~領域Cを形成していた。
【0082】
ただし、これは好適な一例であり、音波出力装置102は、図8に示すように、同じ周波数帯域(帯域k)内で、互いに異なる複数の周波数を用いて、ID1、ID2、ID3を出力することにより、領域A~領域Cを形成するものであっても良い。
【0083】
例えば、図8の例では、音波出力装置102は、帯域k内の複数の周波数801を用いてID1を表す第1の音波を生成し、生成した音波を第1の音量VOL1で図6の領域A601に出力する。また、音波出力装置102は、帯域k内の別の複数の周波数802を用いてID2を表す第2の音波を生成し、生成した音波をVOL1より大きい第2の音量VOL2で図6の領域A601、領域B602に出力する。さらに、音波出力装置102は、帯域k内のさらに別の複数の周波数803を用いてID3を表す第3の音波を生成し、生成した音波をVOL2より大きい第3の音量VOL3で図6の領域A601、領域B602、及び領域C603に出力する。
【0084】
これにより、第1の実施形態と同様に、端末装置104が図6に示す領域A601において音波を取得すると、取得した音波には、ID1、ID2、及びID3が含まれる。また、端末装置104が図6に示す領域B602において、音波を取得すると、取得した音波にはID2、及びID3が含まれる。同様に、端末装置104が図6に示す領域C603において、音波を取得すると、取得した音波にはID3が含まれる。
【0085】
従って、端末装置104、又は管理サーバ101は、第1の実施形態と同様に、例えば、図7(b)に示すような対応情報711を用いて、端末装置104が取得した識別情報から、対応する領域を特定することができるようになる。
【0086】
このように、第2の実施形態に係る音波出力装置102は、同じ周波数帯域内において、互いに異なる複数の周波数を用いて識別情報を表す複数の音波を生成する。また、音波出力装置102は、生成した複数の音波を、互いに異なる音量(音波の強度)で出力することによって、1つのスピーカから出力する音波を用いて複数の領域を形成する。
【0087】
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係る音波出力装置が出力する音波の例を示す図である。第1の実施形態では、音波出力装置102は、ID1~ID3を、それぞれ異なる周波数帯域内で出力することにより、領域A~領域Cを形成していた。
【0088】
ただし、これは好適な一例であり、音波出力装置102は、図9に(a)、(b)に示すように、同じID1を、それぞれ異なる周波数帯域で出力することにより、領域A~領域Cを形成するものであっても良い。
【0089】
例えば、図9(a)、(b)の例では、音波出力装置102は、帯域a内の複数の周波数を用いて、ID1を表す第1の音波を生成し、生成した音波を第1の音量VOL1で、領域A601に出力している。また、音波出力装置102は、帯域b内の複数の周波数を用いて、ID1を表す第2の音波を生成し、生成した音波をVOL1より大きい第2の音量VOL2で、領域A601、領域B602に出力している。さらに、音波出力装置102は、帯域c内の複数の周波数を用いて、ID1を表す第3の音波を生成し、生成した音波をVOL2より大きい第3の音量VOL3で、領域A601、領域B602、及び領域C603に出力している。
【0090】
これにより、第3の実施形態では、端末装置104が図9(a)に示す領域A601において音波を取得すると、取得した音波の帯域a、帯域b、帯域cには、それぞれID1が含まれる。また、端末装置104が図9(a)に示す領域B602において音波を取得すると、取得した音波の帯域b、帯域cには、それぞれID1が含まれる。さらに、端末装置104が図9(a)に示す領域C603において音波を取得すると、取得した音波の帯域cには、それぞれID1が含まれる。
【0091】
従って、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、図9(c)に示すような対応情報901を用いて、端末装置104が取得した識別情報、及び帯域に対応する領域を特定することができる。
【0092】
図9(c)の例では、対応情報901には、「取得した識別情報」と「取得した帯域」、「領域」とが対応付けて記憶されている。これにより、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、端末装置104が取得した音波の帯域a、帯域b、帯域cに、それぞれID1が含まれている場合、端末装置104が音波を取得した領域が「領域A」であると特定することができる。同様に、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、端末装置104が取得した音波の帯域b、帯域cに、それぞれID1が含まれている場合、端末装置104が音波を取得した領域が「領域B」であると特定することができる。
【0093】
なお、「領域」は、端末装置104の位置を示す情報の一例である。端末装置104の位置を示す情報は、例えば、座標情報等であっても良い。
【0094】
このように、第3の実施形態に係る音波出力装置102は、互いに異なる周波数帯域内において、複数の周波数を用いて同じ識別情報を表す複数の音波を生成する。また、音波出力装置102は、生成した複数の音波を、互いに異なる音量(音波の強度)で出力することにより、1つのスピーカから出力する音波を用いて複数の領域を形成することができる。
【0095】
第3の実施形態によれば、情報処理システム100で管理するIDの数を削減する効果が期待できる。例えば、1つの音波出力装置102が形成する領域毎にIDを付与すると、情報処理システム100で管理するIDの数が増大し、管理が難しくなる。特に大規模なシステムでは、IDをユニークな情報とするために、IDのビット数を増やすことになる。
【0096】
しかし、例えば、16ビットのIDを32ビットに増やすために、IDを2回に分けて送信すると、IDの送信に2倍の時間を要するという問題がある。また、16ビットのIDを32ビットに増やすために、複数の周波数の周波数間隔ΔFを半分にすると、ドップラー効果により、IDを認識できる移動速度が半減してしまうという問題がある。
【0097】
しかし、第3の実施形態に係る音波出力装置102によれば、1つのIDを用いて複数の領域を形成することができるので、IDの増加に伴う副作用を低減させることができる。
【0098】
[第4の実施形態]
図10は、第4の実施形態に係る音波出力装置が出力する音波の例を示す図である。第1の実施形態では、音波出力装置102は、ID1~ID3を含む第1~3の音波を同時に出力していた。
【0099】
ただし、これは一例であり、音波出力装置102は、ID1~ID3を含む第1~3の音波を、異なる時間に順次に送信するものであっても良い。
【0100】
例えば、音波出力装置102は、図10(b)の時間t0からt1までの期間T1において、ID1を表す第1の音波を第1の音量VOL1で、例えば、図6の領域A601に出力する。また、音波出力装置102は、図10(b)の時間t1~t2までの期間T2において、ID2を表す第2の音波を、VOL1より大きい第2の音量VOL2で、例えば、図6の領域A601、及び領域B602に出力する。さらに、音波出力装置102は、図10(b)の時間t2~t3までの期間T3において、ID3を表す第3の音波を、VOL2より大きい第3の音量VOL3で、例えば、図6の領域A601、領域B602、及び領域C603に出力する。
【0101】
これにより、第1の実施形態と同様に、端末装置104が図6に示す領域A601において音波を取得すると、取得した音波には、ID1、ID2、及びID3が含まれる。また、端末装置104が図6に示す領域B602において、音波を取得すると、取得した音波にはID2、及びID3が含まれる。同様に、端末装置104が図6に示す領域C603において、音波を取得すると、取得した音波にはID3が含まれる。
【0102】
従って、端末装置104、又は管理サーバ101は、第1の実施形態と同様に、例えば、図10(b)に示すような対応情報1001を用いて、端末装置104が取得した識別情報から、対応する領域を特定することができるようになる。
【0103】
図11は、第1、4の実施形態に係る音波出力方法の特徴を説明するための図である。図11(a)は、第1の実施形態に係る音波出力装置102の音波の出力方法のイメージを示している。図11(a)は、音波出力装置102が、ID1を含む第1の音波を、帯域a内で一定の音量で出力していることを示している。同様に、音波出力装置102は、ID2を含む第2の音波を、帯域b内で一定の音量で出力すると共に、ID3を含む第3の音波を、帯域c内で一定の音量で出力していることを示している。
【0104】
この方法では、ID1~ID3を含む音波が常時出力されているので、端末装置104は、位置を早く検出することができるというメリットがある。
【0105】
一方、図11(b)は、第4の実施形態に係る音波出力装置102の音波の出力方法のイメージを示している。図11(b)の例では、音波出力装置102の音波生成部502は所定の時間毎に音波に含まれるIDを変更し、出力制御部503は所定の時間毎に音波の強度を変更しながら、順次に帯域d内に音波を出力している。
【0106】
この方法では、帯域を3つに分割する必要がないので、帯域a~帯域cより広い帯域dを用いて、音波を出力することができる。これにより、例えば、図2に示す識別情報の例では、複数の周波数f1~fnの間隔を示すΔFの値を大きくすることができるので、移動速度が速い場合でも、より確実にIDを抽出できるようになるというメリットがある。
【0107】
図12は、一実施形態に係る識別情報の抽出方法のイメージを示す図である。例えば、第1の実施形態に係る音波の出力方法では、図12に示すように、帯域a内における複数の周波数の音波のオン/オフで、ID1を表している。
【0108】
このような音波を取得した端末装置104は、例えば、ID1を表す各周波数において、各周波数の中心周波数から所定の範囲内に音波があるか否かによって、デジタル値の「1」と「0」とを判別している。
【0109】
しかし、端末装置104の移動速度が速くなると、ドップラー効果により音波の周波数のずれが大きくなり、音波の中心周波数から所定の範囲内に入らなくなることにより、音波の有無を正しく判別できなくなる(IDを取得できなくなる)場合がある。
【0110】
これに対して、第4の実施形態では、第1の実施形態に係る帯域a~帯域cより広い帯域dを用いて、音波の有無を判別する所定の範囲を広く設定することができるので、より速い移動速度でも正しくIDを取得することができるようになる。
【0111】
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、第4の実施形態に係る音波の出力方法を利用して、複数の帯域で音波を出力することにより、音波出力装置102が形成する複数の領域をさらに細分化する場合の例について説明する。
【0112】
図13(b)において、音波出力装置102は、期間T1において、帯域aにID1を表す音波を音量VOL11で出力し、帯域bにID4を表す音波を音量VOL12で出力し、帯域cにID7を表す音波を音量VOL13で出力する。
【0113】
また、音波出力装置102は、期間T2において、帯域aにID2を表す音波を音量VOL21で出力し、帯域bにID5を表す音波を音量VOL22で出力し、帯域cにID8を表す音波を音量VOL23で出力する。
【0114】
さらに、音波出力装置102は、期間T3において、帯域aにID3を表す音波を音量VOL31で出力し、帯域bにID6を表す音波を音量VOL32で出力し、帯域cにID9を表す音波を音量VOL33で出力する。
【0115】
これにより、例えば、端末装置104が、図13(c)に示す領域Aにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID1~ID9が含まれる。また、端末装置104が、図13(c)に示す領域Bにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID2~ID9が含まれる。さらに、端末装置104が、図13(c)に示す領域Cにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID3~ID9が含まれる。
【0116】
同様にして、端末装置104が、図13(c)に示す領域Dにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID4~ID9が含まれる。また、端末装置104が、図13(c)に示す領域Eにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID5~ID9が含まれる。さらに、端末装置104が、図13(c)に示す領域Fにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID6~ID9が含まれる。
【0117】
さらに、端末装置104が、図13(c)に示す領域Gにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID7~ID9が含まれる。また、端末装置104が、図13(c)に示す領域Hにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID8、ID9が含まれる。さらに、端末装置104が、図13(c)に示す領域Iにおいて、図13(b)に示すT4の期間、音波を取得すると、取得した音波にはID9が含まれる。
【0118】
従って、端末装置104、又は管理サーバ101は、例えば、図13(d)に示すような対応情報1301を用いて、端末装置104が取得した識別情報から、対応する領域を特定することができるようになる。
【0119】
なお、図13の例では、帯域a~帯域cのそれぞれで、音波に含まれるID、及び音量を切り替えているが、例えば、1つ(又は2つ)の帯域のみで、音波に含まれるID、及び音量の切替を行うものであっても良い。
【0120】
また、音波出力装置102は、例えば、図13(b)期間T1、T2、T3の間にインターバルを空けて、音波を出力するものであっても良い。
【0121】
図14は、第5の実施形態の変形例について説明するための図である。図14(a)は、第5の実施形態に係る音波出力装置102の音波の出力方法を示している。図14(a)の例では、音波出力装置102は、帯域a~帯域cの各々で、音波に含まれるIDと、音量を変えながら順次に音波を出力している。
【0122】
ただし、これに限られず、音波出力装置102は、例えば、図14(b)に示すように、T1~T3の各期間において、少なくとも1つの帯域を用いて音波を出力するものであっても良い。また、図14(b)の例では、T1~T3の各期間において、1つ帯域を用いて音波を出力しているが、音波出力装置102は、T1~T3の各期間において、2つ帯域を用いて音波を出力するものであっても良い。
【0123】
なお、図13、14に示す帯域a~帯域cの数、音量VOL1~VOL3の数、時間間隔等は一例であり、任意に変更可能である。
【0124】
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、音波出力装置102を隣接して複数配置した場合における、音波出力装置102の制御の例について説明する。
【0125】
図15~18は、第6の実施形態に係る音波出力装置の制御の例を示す図である。第1の実施形態で説明したように、音波出力装置102が、帯域a~帯域cを用いて音波を出力する場合、より周波数が低い帯域aの音量を、より小さくなるように設定することが望ましい。
【0126】
しかし、この場合、例えば、図15に示すように、音波出力装置102a(第1の音波出力装置)と音波出力装置102b(第2の音波出力装置)とを隣接して配置すると、帯域cにおいて、音波が重複し、干渉が発生する場合がある。干渉が発生すると、例えば、干渉が発生した領域で音波に含まれるIDを抽出できない、或いはマイクの指向性により、同じ場所でも異なるIDが検出される等の問題が発生する恐れがある。
【0127】
そこで、第6の実施形態に係る情報処理システム100は、音波出力装置102aが出力する音波と、音波出力装置102bが出力する音波とが、同じ周波数帯域で重ならないように制御する出力装置制御部533を有している。
【0128】
一例として、出力装置制御部533は、図16に示すように、隣接する音波出力装置102aが出力する音波と、音波出力装置102bが出力する音波とが、同じ周波数帯域で重ならないように、音波出力装置102bの音波の出力方法を変更する。
【0129】
例えば、出力装置制御部533は、装置情報管理部534が管理する音波出力装置102が設置されている場所の情報を参照し、音波出力装置102aと音波出力装置102bとが隣接して配置されている場合、図17に示すような変更処理を実行する。
【0130】
図17のステップS1701において、出力装置制御部533は、装置情報管理部534から、音波出力装置102aと、音波出力装置102bにおいて、音量が最大の帯域の情報を取得する。
【0131】
例えば、図15の例では、音波出力装置102aにおいて音量が最大の帯域は「帯域c」であり、音波出力装置102bにおいて音量が最大の帯域は「帯域c」である。
【0132】
ステップS1702において、出力装置制御部533は、音波出力装置102a、及び音波出力装置102bにおいて、音量が最大の帯域が一致するか否かを判断する。
【0133】
例えば、図15の例では、音波出力装置102a、及び音波出力装置102bにおいて、音量が最大の帯域が「帯域c」で一致する。
【0134】
音量が最大の帯域が一致しない場合、出力装置制御部533は処理を終了させる。一方、音量が最大の帯域が一致する場合、出力装置制御部533は処理をステップS1703に移行させる。
【0135】
ステップS1703に移行すると、出力装置制御部533は、例えば、音波出力装置102b(又は音波出力装置102a)の音量が最大の帯域を変更する。例えば、図15の例では、出力装置制御部533は、音波出力装置102bの音量が最大の帯域cを、帯域a、又は帯域bに変更する。
【0136】
これにより、例えば、図18に示すように、音波出力装置102aにおける音量が最大の帯域は「帯域c」、音波出力装置102bにおける音量が最大の帯域は「帯域a」となり、音波の干渉を回避することができる。なお、図5に示す機能構成図では、出力装置制御部533は、管理サーバ101に含まれているが、出力装置制御部533は、音波出力装置102に含まれていても良い。
【0137】
本実施形態によれば、音波出力装置102が隣接した配置された際に発生する音波の干渉を低減させることができる。
【0138】
<提供するサービスの例>
続いて、情報処理システム100で提供するサービスの例について説明する。
【0139】
図19~21は、一実施形態に係る情報処理システムが提供するサービスのイメージを示す図である。
【0140】
図19(a)、(b)は、端末装置104を所持する利用者が、音波出力装置102が形成する領域A~領域Cを矢印1901の方向に移動した際に取得されるIDと、領域の情報の一例を示している。
【0141】
この例では、例えば、図19(b)に示すように、端末装置104が、音波出力装置102が形成する領域内にいることだけではなく、領域A~領域Cのいずれにいるのかを特定することができる。従って、情報処理システム100は、端末装置104に、従来の情報処理システムよりも、より詳細な位置情報、経路案内情報を提供することができる。
【0142】
図20(a)、(b)は、例えば、情報処理システム100を、店舗等に来店した利用者にポイントを付与するポイント取得サービスに適用した例を示している。例えば、情報処理システム100は、図20(a)において、領域Aをポイント取得エリアとし、領域Aに入った利用者の端末装置104にポイントを付与するサービスを提供する。
【0143】
例えば、図20(a)において、端末装置104を所持する利用者が矢印2001の方向に進むと、図20(b)に示すように、端末装置104がポイント取得エリアに近づく程、取得IDが数が多くなる。従って、情報処理システム100は、例えば、端末装置104が、音波出力装置102が形成する領域内にいることだけではなく、領域A~領域Cのいずれにいるか、ポイント取得エリアに近づいているか等を示す情報等を提供することができる。
【0144】
従って、情報処理システム100は、端末装置104に、従来の情報処理システムよりも、より詳細な位置情報、経路案内情報を提供することができる。また、図20の例では、領域Aを形成する音波の音量を変化させることにより、ポイント取得エリアの広さを適切な広さに設定することも可能である。
【0145】
また、情報処理システム100は、図21(a)、(b)に示すように、複数の音波出力装置102a、102bを用いて、位置情報、経路案内情報の提供や、ポイント取得サービス等を提供することができる。この場合も、情報処理システム100は、例えば、図21(b)に示すような情報を用いて、端末装置104に、従来の情報処理システムよりも、より詳細な位置情報、経路案内情報を提供することができる。
【0146】
<処理の流れ>
図22は、一実施形態に係る情報処理システムの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、情報処理システム100が、音波出力装置102を用いて、端末装置104の利用者に、位置情報、又は経路情報を示す表示画面を提供する処理の一例を示している。
【0147】
ステップS2201において、管理サーバ101の出力装置制御部533は、例えば、図6に示すような領域A~領域Cを形成するための設定情報を、ゲートウェイ103を介して、音波出力装置102に送信する。
【0148】
例えば、第1の実施形態に係る音波の出力方法で領域A~領域Cを形成する場合、設定情報には、帯域a~帯域cの各帯域で出力する識別情報(ID1~ID3)、各帯域で音波を出力する音量(VOL1~VOL3)等の情報が含まれる。
【0149】
ステップS2202において、音波出力装置102の音波生成部502は、管理サーバ101から受信した設定情報を用いて、第1~3の音波を生成する。
【0150】
例えば、音波生成部502は、図7(a)に示すように、帯域a内において、複数の周波数を用いてID1(第1の識別情報)を表す第1の音波を生成する。同様に、音波生成部502は、帯域b内において、複数の周波数を用いてID2(第2の識別情報)を表す第2の音波を生成し、帯域c内において、複数の周波数を用いてID3(第3の識別情報)を表す第3の音波を生成する。
【0151】
ステップS2203において、音波出力装置102の出力制御部503は、音波生成部502が生成した第1~3の音波を、異なる音波の強度(音量)で音波出力部504に出力させる。
【0152】
例えば、出力制御部503は、音波出力部504を用いて、図7(a)に示すように、ID1を表す第1の音波を帯域aに音量VOL1で出力する。同様に、出力制御部503は、音波出力部504を用いて、ID2を表す第2の音波を帯域bに音量VOL2で出力する共に、ID3を表す第3の音波を帯域cに音量VOL3で出力する。
【0153】
これにより、音波出力装置102は、例えば、図6に示すような領域A601、領域B602、領域C603を形成することができる。
【0154】
ステップS2204において、例えば、端末装置104が音波出力装置102に近づくことにより、音波出力装置102が出力する音波が端末装置104に届くと、ステップS2205以降の処理が実行される。
【0155】
ステップS2205において、端末装置104の音波解析部523は、音波取得部522が取得した音波から、IDを抽出する。
【0156】
これにより、例えば、端末装置104が、図6に示す領域A601にある場合、ID1、ID2、及びID3が抽出される。また、端末装置104が、図6に示す領域B602にある場合、ID2、及びID3が抽出される。さらに、端末装置104が、図6に示す領域C603にある場合、ID3が抽出される。
【0157】
ステップS2206において、端末装置104の領域特定部524は、音波解析部523が抽出したID(ID1、ID2、又はID3)と、端末装置104の端末IDとを含む位置情報の取得要求を、管理サーバ101に送信する。
【0158】
ステップS2207において、管理サーバ101の位置情報管理部532は、位置情報の取得要求に含まれるIDと、図7(b)に示すような対応情報711とを用いて、端末装置104が音波を取得した領域を特定する。
【0159】
例えば、端末装置104から受信した位置情報の取得要求にID1、ID2、及びID3が含まれている場合、位置情報管理部532は、端末装置104が図6の領域A601にあると判断する。また、位置情報管理部532は、位置情報の取得要求にID2、及びID3が含まれている場合、端末装置104が、図6の領域B602にあると判断する。さらに、位置情報管理部532は、位置情報の取得要求にID3が含まれている場合、端末装置104が、図6の領域C603にあると判断する。
【0160】
ステップS2208において、管理サーバ101の位置情報管理部532は、特定した領域を端末装置104の位置情報として、例えば、記憶部535に記憶して管理する。
【0161】
このとき、位置情報管理部532は、装置情報管理部534が管理する音波出力装置102が設置された場所の座標情報と、特定された領域の情報とを用いて、端末装置104の位置を示す位置情報(座標情報等)を算出するものであっても良い。或いは、位置情報管理部532は、特定された領域名(例えば、領域A~領域C)を、端末装置104の位置情報として管理するものであっても良い。
【0162】
ステップS2209において、管理サーバ101の位置情報管理部532は、端末装置104の位置情報を、ゲートウェイ103を介して、端末装置104に送信する。
【0163】
ステップS2210において、端末装置104の表示入力制御部525は、管理サーバ101から受信した位置情報を用いて、例えば、端末装置104の位置を示す位置情報、又は経路情報を示す表示画面を、表示部407に表示させる。
【0164】
このように、本発明の各実施形態の音波出力装置102は、1つのスピーカから出力される音波を用いて、互いに異なる複数の領域を形成することができる。従って、情報処理システム100は、音波出力装置の数の増大を抑制しつつ、端末装置104の位置をより詳細に管理することができるようになる。
【符号の説明】
【0165】
100 情報処理システム
101 管理サーバ
102 音波出力装置
102a 音波出力装置(第1の音波出力装置)
102b 音波出力装置(第2の音波出力装置)
104 端末装置
502 音波生成部
503 出力制御部
504 音波出力部
523 音波解析部
524 領域特定部
533 出力装置制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0166】
【文献】特開2010-134391号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
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図19
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