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特許7149333一時的な速度制限標識に応答するように構成された自律車両システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-28
(45)【発行日】2022-10-06
(54)【発明の名称】一時的な速度制限標識に応答するように構成された自律車両システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20220929BHJP
   B60W 40/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G08G1/09 D
B60W40/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020534271
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018062603
(87)【国際公開番号】W WO2019133162
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-08-12
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】15/857,952
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】シルバー,デイビッド ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】チャウダーリ,パンカジ
(72)【発明者】
【氏名】カーショウ,カール
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-326730(JP,A)
【文献】特開2013-254443(JP,A)
【文献】特開2007-309670(JP,A)
【文献】特開2003-030777(JP,A)
【文献】特開2017-062700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G06T 1/00- 1/40
G06T 3/00- 5/50
G06T 9/00- 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、自律車両の環境内の速度制限標識を識別することと、
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記速度制限標識位置および設置角度を識別することと、
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記識別された速度制限標識の前記位置および設置角度が、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された設置角度に対応するかどうかを決定することと、
前記位置および設置角度が前記予め記憶された位置および前記予め記憶された設置角度に対応していないとき、前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記識別された速度制限標識の前記位置および設置角度、ならび前記識別された速度制限標識より前または後の他の検出された対象物に基づいて、前記識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することと、
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記識別された速度制限標識の前記決定された影響ゾーンに基づいて前記自律車両の動作を決定することと、
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記決定された動作に基づいて前記自律車両を制御することと、を含む方法。
【請求項2】
前記識別された速度制限標識の前記影響ゾーンを決定することは、前記影響ゾーンの開始点および終了点を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開始点は、前記位置より前の所定の距離にある道路のある地点であると決定され、前記終了点は、別の速度制限標識の位置より前の所定の距離にある前記道路のある地点であると決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記開始点は、速度変更位置が始まる道路の第1の点であると決定され、前記終了点は、前記速度変更位置が終了する前記道路の第2の点であると決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記自律車両の環境内の複数の車両を検出することと、
前記1つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記自律車両の環境内の前記複数の車両の各々の速度を決定することと、をさらに含み、
前記自律車両の前記動作を決定することは、前記複数の車両の各々の前記決定された速度にも基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
システムであって、
検出された位置において自律車両の環境内の対象物を検出するように構成された知覚システム
地図情報を記憶するメモリと、
1つ以上のコンピューティングデバイスであって、
前記自律車両の環境内の速度制限標識を識別し、
前記識別された速度制限標識位置および設置角度を識別し、
前記識別された速度制限標識の前記位置および設置角度が、前記地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された設置角度に対応するかどうかを決定し、
前記位置および設置角度が、前記予め記憶された速度制限標識の前記予め記憶された位置および前記予め記憶された設置角度に対応していないとき、前記識別された速度制限標識の前記位置および設置角度、ならび前記識別された速度制限標識より前または後の他の検出された対象物に基づいて、前記識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定し、
前記識別された速度制限標識の前記決定された影響ゾーンに基づいて前記自律車両の動作を決定し、
前記決定された動作に基づいて前記自律車両を制御する、ように構成された1つ以上のコンピューティングデバイスと、を含む、システム。
【請求項7】
前記識別された速度制限標識の前記影響ゾーンを決定することは、前記影響ゾーンの開始点および終了点を決定することを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記開始点は、前記識別された速度制限標識の前記位置より前の所定の距離にある道路のある地点であると決定され、前記終了点は、別の速度制限標識の位置より前の所定の距離にある前記道路のある地点であると決定される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記開始点は、速度変更位置が始まる道路の第1の点であると決定され、前記終了点は、前記速度変更位置が終了する前記道路の第2の点であると決定される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のコンピューティングデバイスは、
前記自律車両の環境内の複数の車両を検出し、
前記自律車両の環境内の前記複数の車両の各々の速度を決定する、ようにさらに構成されており、
前記自律車両の前記決定された動作は、前記複数の車両の各々の前記決定された速度にも基づく、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記自律車両をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
プログラムのコンピュータ可読命令が記憶されている非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行されたときに、前記1つ以上のコンピューティングデバイスに、方法を実行させ、前記方法は、
自律車両の環境内の速度制限標識を識別することと、
前記識別された速度制限標識位置および設置角度を識別することと、
前記識別された速度制限標識の前記位置および設置角度が、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された設置角度に対応するかどうかを決定することと、
前記位置および設置角度が、前記予め記憶された速度制限標識の前記予め記憶された位置および予め記憶された設置角度に対応していないとき、前記識別された速度制限標識の前記位置および設置角度、ならび前記識別された速度制限標識より前または後の他の検出された対象物に基づいて、前記識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することと、
前記識別された速度制限標識の前記決定された影響ゾーンに基づいて前記自律車両の動作を決定することと、
前記決定された動作に基づいて前記自律車両を制御することと、を含む、媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月29日に出願された、米国特許出願第15/857,952号の継続出願であり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ある位置から別の位置への乗客または物品の輸送を支援するために、自律運転モードで操作するとき、人間の運転手を必要としない車両などの自律車両を使用することができる。自律車両の重要なコンポーネントは、カメラ、レーダー、センサー、および他の同様のデバイスを使用して車両がその周囲を知覚し、解釈することを可能にする知覚システムである。知覚システムは、加速、減速、停止、方向転換など、自律車両が動いている間に、多数の決定を実行する。自律車両は、カメラ、センサー、および全地球測位デバイスを使用して、例えば、駐車中の乗用車、樹木、建物など、その周囲の環境に関する画像およびセンサーデータの収集および解釈も行い得る。
【0003】
知覚システムからの情報は、車両のコンピュータが様々な環境で車両を安全に操縦できるようにするために、非常に詳細な地図情報と組み合わされ得る。この非常に詳細な地図情報は、道路の形状および位置、交通信号、他の対象物など、車両の環境の予想される状態を記載し得る。この点について、知覚システムからの情報および詳細な地図情報は、車両のコンピュータが交差点および交通信号を伴う運転決定を行うのを支援するために使用され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、コンピュータ実装方法を提供する。この方法は、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して、車両の環境内の速度制限標識を識別し、速度制限標識に対応する位置および向きを識別することを含む。この方法は、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して、識別された速度制限標識の位置および向きが、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応するかどうかを決定し、位置および向きが予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応していないとき、識別された速度制限標識の位置および向き、ならびに周囲エリアの特性、または識別された速度制限標識より前または後の他の検出された対象物に基づいて、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することも含む。加えて、この方法は、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して、識別された速度制限標識の決定された影響ゾーンに基づいて車両の応答を決定し、決定された応答に基づいて車両を制御することを含む。
【0005】
例示的な一実装形態では、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することは、影響ゾーンの開始点および終了点を決定することを含む。この実装形態では、開始点は、任意選択で、位置より前の所定の距離にある道路のある地点であると決定され、終了点は、任意選択で、別の速度制限標識の位置より前の所定の距離にある道路のある地点であると決定される。この実装形態の代替として、開始点は、速度変更位置が始まる道路の第1の点であると決定され、終了点は、速度変更位置が終了する道路の第2の点であると決定される。
【0006】
追加の例では、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することは、識別された速度制限標識上の速度制限が道路のある地点に適用されるかどうかの信頼レベルを決定することを含む。この例では、信頼レベルは、任意選択で、識別された速度制限標識以降、および別の速度制限標識より前の道路の地点の方が、識別された速度制限標識より前の地点よりも高く、一時的な速度変更位置における道路の地点の方が、一時的な速度変更位置外の道路の地点よりも高く、識別された速度制限標識より前の道路の地点の速度の今後の変更に関連する文字または記号を有する第1の検出された標識以降の道路上の地点の方が高く、かつ影響ゾーンの終了に関連する文字または記号を有する第2の検出された標識以降の道路の地点の方が低い、と決定される。追加で、または代替として、この例では、信頼レベルを第1の信頼しきい値および第2の信頼しきい値と比較することにより、影響ゾーンが決定される。道路の第1の地点が第1の信頼しきい値を超える第1の信頼レベルを有するとき、道路の第1の地点は、影響ゾーンの開始点であると決定され、道路の第2の地点が第2の信頼しきい値を下回る第2の信頼レベルを有するとき、道路の第2の地点は、影響ゾーンの終了点であると決定される。
【0007】
この方法は、さらなる例では、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して、車両の環境内の複数の車両を検出し、車両の環境内の複数の車両の各々の速度を決定することも含む。この例では、車両の応答を決定することは、複数の車両の各々の決定された速度にも基づく。
【0008】
本開示の他の態様は、システムを提供する。システムは、検出された位置において車両の環境内の対象物を検出するように構成された知覚システムと、地図情報を記憶するメモリと、1つ以上のコンピューティングデバイスとを含む。1つ以上のコンピューティングデバイスは、車両の環境内の速度制限標識を識別し、識別された速度制限標識に対応する位置および向きを識別するように構成される。加えて、1つ以上のコンピューティングデバイスは、識別された速度制限標識の位置および向きが、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応するかどうかを決定し、位置および向きが、予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応していないとき、識別された速度制限標識の位置および向き、ならびに周囲エリアの特性、または識別された速度制限標識より前または後の他の検出された対象物に基づいて、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定するように構成される。1つ以上のコンピューティングデバイスは、識別された速度制限標識の決定された影響ゾーンに基づいて車両の応答を決定し、決定された応答に基づいて車両を制御するようにさらに構成される。
【0009】
例示的な一実装形態では、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することは、影響ゾーンの開始点および終了点を決定することを含む。この実装形態では、開始点は、任意選択で、識別された速度制限標識の位置より前の所定の距離にある道路のある地点であると決定され、終了点は、任意選択で、別の速度制限標識の位置より前の所定の距離にある道路のある地点であると決定される。代替として、開始点は、速度変更位置が始まる道路の第1の点であると決定され、終了点は、速度変更位置が終了する道路の第2の点であると決定される。
【0010】
別の例では、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することは、識別された速度制限標識上の速度制限が道路のある地点に適用されるかどうかの信頼レベルを決定することを含む。この例の信頼レベルは、任意選択で、識別された速度制限標識以降、および別の速度制限標識より前の道路の地点の方が、識別された速度制限標識より前の地点よりも高く、一時的な速度変更位置における道路の地点の方が、一時的な速度変更位置外の道路の地点よりも高く、速度の今後の変更に関連する文字または記号を有する第1の検出された標識以降の道路上の地点の方が高く、かつ影響ゾーンの終了に関連する文字または記号を有する第2の検出された標識以降の道路の地点の方が低い、と決定される。追加で、または代替として、この例では、信頼レベルを第1の信頼しきい値および第2の信頼しきい値と比較することにより、影響ゾーンが決定される。道路の第1の地点が第1の信頼しきい値を超える第1の信頼レベルを有するとき、道路の第1の地点は、影響ゾーンの開始点であると決定され、道路の第2の地点が第2の信頼しきい値を下回る第2の信頼レベルを有するとき、道路の第2の地点は、影響ゾーンの終了点であると決定される。
【0011】
1つ以上のコンピューティングデバイスは、さらなる例では、車両の環境内の複数の車両を検出し、車両の環境内の複数の車両の各々の速度を決定するように構成される。このさらなる例では、車両の応答を決定することは、複数の車両の各々の決定された速度にも基づく。また別の実装形態では、システムは、車両も含む。
【0012】
本開示のさらなる態様は、プログラムのコンピュータ可読命令が記憶されている非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行されたときに、1つ以上のコンピューティングデバイスに方法を実行させる。この方法は、車両の環境内の速度制限標識を識別し、識別された速度制限標識に対応する位置および向きを識別することを含む。この方法はまた、識別された速度制限標識の位置および向きが、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応するかどうかを決定し、位置および向きが、予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応していないとき、識別された速度制限標識の位置および向き、ならびに周囲エリアの特性、または識別された速度制限標識より前または後の他の検出された対象物に基づいて、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することも含む。加えて、この方法は、識別された速度制限標識の決定された影響ゾーンに基づいて車両の応答を決定し、決定された応答に基づいて車両を制御することも含む。
【0013】
例示的な実装形態では、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することは、識別された速度制限標識上の速度制限が道路のある地点に適用されるかどうかの信頼レベルを決定することを含む。この例の信頼レベルは、識別された速度制限標識以降、および別の速度制限標識より前の道路の地点の方が、識別された速度制限標識より前の地点よりも高く、一時的な速度変更位置における道路の地点の方が、一時的な速度変更位置外の道路の地点よりも高く、速度の今後の変更に関連する文字または記号を有する第1の検出された標識以降の道路上の地点の方が高く、かつ影響ゾーンの終了に関連する文字または記号を有する第2の検出された標識以降の道路の地点の方が低い、と決定される。
【0014】
加えて、または代替として、識別された速度制限標識の影響ゾーンを決定することは、信頼レベルを第1の信頼しきい値および第2の信頼しきい値と比較することによって、識別された速度制限標識上の速度制限が道路のある地点に適用されるかどうかの信頼レベルを決定することを含む。この実装形態では、道路の第1の地点が第1の信頼しきい値を超える第1の信頼レベルを有するとき、道路の第1の地点は、影響ゾーンの開始点であると決定され、道路の第2の地点が第2の信頼しきい値を下回る第2の信頼レベルを有するとき、道路の第2の地点は、影響ゾーンの終了点であると決定される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の態様に係る自律車両100の機能図である。
図2】本開示の態様に係る自律車両の内装を示す図である。
図3】本開示の態様に係る詳細な地図情報300の一例である。
図4】本開示の態様に係る例示的なシナリオおよび道路のセクションの例示的な図である。
図5】本開示の態様に係る例示的なシナリオおよび道路の別のセクションの例示的な図である。
図6】本開示の態様に係る例示的なシナリオおよび道路のまた別のセクションの例示的な図である。
図7】本開示の態様に係る例示的なシナリオおよび道路のさらなるセクションの例示的な図である。
図8】本開示の態様に係る例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概要
この技術は、一時的な速度制限標識に対する自律車両の応答を決定することに関する。車両の知覚システムが対象物を検出すると、車両のコンピューティングデバイスは、対象物の位置を決定し、対象物が速度制限標識であるかどうかを識別し得る。対象物が速度制限標識として分類または決定されると、車両のコンピューティングデバイスは、予め記憶された詳細な地図情報および他の要因に基づいて、速度制限標識が一般的な影響を有する永続的なものであるか、局所的な影響を有する永続的なものであるか、一時的なものであるかを決定し得る。
【0017】
次に、車両のコンピューティングデバイスは、一般的な影響を有する永続的なもの、局所的な影響を有する永続的なもの、または一時的な速度制限標識の影響ゾーンを決定し得る。影響ゾーンは、速度制限標識の速度制限が適用される道路のセクションである。一般的な影響を有する永続的な速度制限標識の場合、影響ゾーンの開始点は、速度制限標識の位置、または速度制限標識より前の所定の距離にある道路の地点であり得る。局所的な影響を有する永続的な速度制限標識の場合、影響ゾーンの開始点は、局所的な影響を有する永続的な速度制限標識に関連付けられた速度変更位置の開始点であり、影響ゾーンの終了点は、速度変更位置の終了点であり得る。一時的な速度制限標識の場合、一時的な速度制限標識上の速度制限が道路に沿った様々な地点に適用されるかどうかを示す信頼レベルを使用して、影響ゾーンの開始点および影響ゾーンの終了点が決定され得る。信頼レベルが高いほど、速度制限が道路の所与の地点に適用される可能性が高く、したがって、影響ゾーンの一部である可能性が高いことを示し得る。
【0018】
信頼レベルは、速度制限標識の位置、周辺のエリアの特性、および速度制限標識より前および後の検出された標識に基づいて決定され得る。一例として、速度制限標識以降、および別の速度制限標識より前の道路の地点は、より高い信頼レベルを有し得る。速度制限標識より前の所定の距離内の道路の地点は、より遠くの道路の地点、または速度制限標識より前の所定の距離外の道路の地点よりも高い信頼レベルを有し得る。周囲エリアの特性に基づいて信頼レベルを決定するために、例えば、一時的な速度変更位置にある道路の地点も、道路の他の地点よりも高い信頼レベルを有している場合がある。他の検出された標識にも基づいて信頼レベルを決定するために、例えば、車両のコンピューティングデバイスは、検出された標識から文字または記号を抽出し得る。速度制限または周辺エリアの変更が前方にあることを示す標識が検出されたとき、検出された標識より後の道路の地点の信頼レベルが高くなり得る。信頼レベルは、示されている期間内または示されている距離で増加し、示されている期間または距離外では減少し得る。影響ゾーンの終了を示す標識が検出されたとき、検出された標識より後の道路の地点での信頼レベルは、検出された標識より前よりも低くなる可能性がある。
【0019】
検出された速度制限標識の影響ゾーンが決定されると、車両のコンピューティングデバイスは、車両がどのように応答すべきかを決定し得る。この決定は、影響ゾーンまたは影響ゾーンの信頼レベルに基づき得る。いくつかの例では、決定された応答は、周囲の交通の検出された流れに基づいていてもよい。次に、車両のコンピューティングデバイスは、決定された応答に基づいて車両を制御し得る。車両を制御することは、例えば、ブレーキをかけることによる減速またはアクセルへの入力の付加による加速を伴い得る。
【0020】
本明細書に記載されている特徴により、自律車両は、異なるタイプの速度制限標識に適切に反応することができ得る。その結果、自律車両のユーザは、次に、速度制限標識に応答するために手動操作に切り替える必要がなくなる。記載されている特徴により、自律車両は、一般的な影響を有する永続的な速度制限標識、局所的な影響を有する永続的な速度制限標識、および一時的な速度制限を区別することができる。次に、自律車両は、そのタイプに基づいて適切な量を減速または加速し得る。そのような自律車両のユーザは、異なる速度制限標識のあるエリアをナビゲートするために、自律操作を一時停止する必要なしに、よりスムーズな乗り心地を体験し得る。
【0021】
例示的システム
図1に示されるように、本開示の一態様による車両100は、様々な構成要素を含む。本開示のいくつかの態様は、特定のタイプの車両との接続に特に有用であるが、車両は、それに限定されないが、乗用車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、レクリエーション用車両、遊園地車両、農機具、建設機械、トラム、ゴルフカート、電車、トロリーを含む、任意のタイプの車両であってもよい。車両は、1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他のコンポーネントを含む、1つ以上のコンピューティングデバイス110を有し得る。
【0022】
メモリ130は、1つ以上のプロセッサ120によってアクセス可能である情報を記憶し、その情報には、プロセッサ120によって実行または別様に使用され得るデータ132および命令134が含まれる。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能である情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスク、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリなどの電子デバイスを使って読み取ることができるデータを記憶する他の媒体が含まれる。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。
【0023】
データ132は、命令132に従ってプロセッサ120によって検索、記憶、または修正されてもよい。例えば、特許請求の範囲の主題は、いかなる特定のデータ構造にも限定されないが、データは、コンピューティングデバイスレジスタ内に、すなわち、複数の異なるフィールドおよびレコードを有する表、XMLドキュメント、またはフラットファイルとしてリレーショナルデータベース内に記憶されてもよい。データはまた、任意のコンピューティングデバイス可読形式でフォーマットされてもよい。
【0024】
命令134は、プロセッサにより直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の一連の命令であってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、区別なく使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためのオブジェクトコード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトもしくはコレクションを含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。
【0025】
1つ以上のプロセッサ120は、市販されているCPUなど任意の従来のプロセッサであってもよい。代替として、1つ以上のプロセッサは、ASICなどの専用デバイスまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの他のハードウェアベースプロセッサであってもよい。図1は、プロセッサ、メモリ、および車両のコンピューティングデバイス110の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい、複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。例えば、メモリは、ハードドライブ、または車両のコンピューティングデバイス110の筐体とは異なる筐体内に設置された他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並行に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことを理解されたい。
【0026】
車両のコンピューティングデバイス110は、上述したプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザ入力デバイス150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、および/またはマイクロフォン)、様々な電子ディスプレイ(例えば、スクリーンを有するモニタ、小型LCDタッチスクリーン、または情報を表示するように動作可能である任意の他の電気デバイス)、オーディオ出力(スピーカー152など)、および無線ネットワーク接続154など、コンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべてのコンポーネントを有し得る。この例では、車両は内部の電子ディスプレイ156を含む。この点について、内部の電子ディスプレイ156は、車両100の車内に位置付けられてもよく、車両のコンピューティングデバイス110によって使用されて、車両100内の乗客に情報を提供してもよい。
【0027】
一例では、車両のコンピューティングデバイス110は、車両100に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであってもよい。自律運転コンピューティングシステムは、完全自律運転モード(運転手からの入力なし)および半自律運転モード(運転手からの何らかの入力)で車両を制御するために、必要に応じて車両の様々なコンポーネントと通信することが可能であり得る。
【0028】
一例として、図2は、自律、半自律、および手動(運転手からの連続入力)運転モードを有する車両の内部設計を示す。この点について、自律車両は、例えば、ステアリングホイール210などのステアリング装置、(電子ディスプレイ156の一部であり得る)ナビゲーションディスプレイ215などのナビゲーションディスプレイ装置、およびギアシフタ220などのギアセレクタ装置など、非自律車両の特徴のすべてを含み得る。車両は、上記に加えて、1つ以上の自律運転モードをアクティブ化または非アクティブ化するため、および運転手または乗客290がナビゲーション目的地などの情報を車両のコンピューティングデバイス110に提供できるようにするためのタッチスクリーン217(この場合も、電子ディスプレイ156の一部であり得る)またはボタン入力219など、様々なユーザ入力デバイス150も有し得る。
【0029】
図1に戻ると、従事しているとき、車両のコンピューティングデバイス110は、車両100のこれらの機能の一部またはすべてを制御し、したがって、完全にまたは部分的に自律であり得る。様々なシステムおよび車両のコンピューティングデバイス110が車両100内に示されているが、これらの要素は、車両100の外部にあってもよく、または物理的に遠く離れていてもよいことが理解されよう。
【0030】
この点について、車両のコンピューティングデバイス110は、1つ以上のシステムが一緒に動作して、メモリ130に記憶された命令134に従って車両100の動き、速度、方向などを制御できるように、減速システム160、加速システム162、ステアリングシステム164、シグナリングシステム166、ナビゲーションシステム168、測位システム170、および知覚システム172など、車両100の様々なシステムと通信することができる。これらのシステムは、車両のコンピューティングデバイス110の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムもまた、車両100を制御するための自律運転コンピューティングシステムとして再度、車両のコンピューティングデバイス110の中に組み込まれてもよい。
【0031】
一例として、車両のコンピューティングデバイス110は、車両の速度を制御するために、減速システム160および加速システム162と相互作用してもよい。同様に、ステアリングシステム164は、車両100の方向を制御するために、車両のコンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、車両100が自動車またはトラックなどの道路上で使用するように構成されている場合、ステアリングシステムは、車両を転回するためにホイールの角度を制御するための構成要素を含み得る。シグナリングシステム166は、例えば、必要に応じて方向指示器またはブレーキライトを点灯させることによって、車両の意図を他の運転手または車両に知らせるために、車両のコンピューティングデバイス110によって使用され得る。
【0032】
ナビゲーションシステム168は、ある位置までのルートを決定し、それをたどるために、車両のコンピューティングデバイス110によって使用され得る。この点について、ナビゲーションシステム168および/またはデータ132は、例えば、道路の形状および標高、車線境界線、交差点、横断歩道、速度制限、交通信号、建物、標識、リアルタイム交通情報、植生、または他のそのような対象物および情報を識別する高精密地図などの地図情報を記憶し得る。地図情報は、道路のセクションやゾーンの速度制限だけでなく、速度制限標識の位置を記載する情報も含み得る。
【0033】
図3は、道路のセクションについての詳細な地図情報300の一例である。この例では、詳細な地図情報300は、速度制限標識310、312、車線320、322、車線境界線330、および縁石340、342の形状、位置、および他の特性を識別する情報を含む。速度制限標識310、312は、特定のタイプの速度制限標識であると示され得る。この場合、速度制限標識310、312の各々は、一般的な影響を有する永続的な速度制限標識であると示され得る。詳細な地図情報300はまた、建物350と、建物350に関連する速度変更位置360とを含む。速度変更位置は、法律によって、安全のために、または乗客の快適性のために、車両がその速度を調整すべきエリアである。例えば、速度変更位置は、スクールゾーン、道路のカーブ、道路の第2のしきい値距離内に住宅がある道路のセクション、橋、スロープ、砂利道、ブラインドターン、または閉塞エリアを含む。建物350は、詳細な地図情報300において、あるタイプの建物であると示され得る。この例では、建物350は校舎であり、速度変更位置360はスクールゾーンである。
【0034】
測位システム170は、地図上または地球上の車両の相対的または絶対的位置を判定するために、車両のコンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、測位システム170は、デバイスの緯度、経度、および/または標高の位置を判定するためのGPS受信機を含むことができる。レーザベースの位置決めシステム、慣性支援GPS、またはカメラベースの位置決めなどの他の位置特定システムもまた、車両の位置を特定するために使用することができる。車両の位置は、緯度、経度、および標高などの絶対的な地理的位置だけでなく、多くの場合、より少ないノイズでその絶対的な地理的位置を判定することができる、車両のすぐ周りにある他の自動車に対する位置などの相対的な位置情報を含むことができる。
【0035】
測位システム170はまた、車両の方向および速度、またはそれらの変化を決定するための加速度計、ジャイロスコープ、または別の方向/速度検出デバイスなど、車両のコンピューティングデバイス110と通信する他のデバイスを含んでいてもよい。単なる例として、加速デバイスは、重力の方向、または重力に対して垂直な平面に対する車両の縦揺れ、偏揺れ、または横揺れ(またはそれらの変化)を判定することができる。このデバイスはまた、速度の増減、およびそのような変化の方向を追跡することもできる。本明細書で説明したように、位置および向きのデータのデバイスの提供は、車両のコンピューティングデバイス110、他のコンピューティングデバイス、および上記の組み合わせに自動的に提供され得る。
【0036】
知覚システム172はまた、他の車両、道路内の障害物、交通信号、標識、樹木などの車両の外部にある対象物を検出し、その分析を実行するために1つ以上のコンポーネントを含む。例えば、知覚システム172は、レーザ、ソナー、レーダー、1つ以上のカメラ、または車両のコンピューティングデバイス110が処理することができるデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。車両が自動車などの小型乗用車である場合、自動車は、車両のコンピューティングデバイスにセンサーデータを提供する複数のセンサーを含み得る。このセンサーデータは、車両の環境内の検出された対象物の形状および地理的位置の座標を記載し得る。
【0037】
車両のコンピューティングデバイス110は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御してもよい。例として、車両が完全に自律的に動作している場合、車両のコンピューティングデバイス110は、詳細な地図情報およびナビゲーションシステム168からのデータを使用して、車両をある位置までナビゲートしてもよい。車両のコンピューティングデバイス110は、測位システム170を使用して車両の位置を判定し、知覚システム172を使用して、対象物を検出し、その位置に安全に到着するために必要である場合、対象物に対応することができる。そうするために、車両のコンピューティングデバイス110は、車両を、(例えば、加速システム162により、エンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって)加速させ、(例えば、エンジンに供給される燃料を低減させ、または減速システム160によりブレーキをかけることによって)減速させ、(例えば、ステアリングシステム164により、車両100の前輪または後輪の向きを変えることによって)方向を変更させ、(例えば、シグナリングシステム166の方向指示器を点灯することによって)係る変更を伝えさせてもよい。
【0038】
車両が運転されている間に外部対象物をよりよく検出するために、知覚システム172の様々なコンポーネントが車両100上またはその中に配置されてもよい。この点について、レーザ距離計など複数のセンサーが車両に配置または搭載されてもよい。一例として、車両のコンピューティングデバイス110は、例えばそれを180度回転させることによって、レーザ距離計を制御し得る。加えて、知覚システムは、環境に関する様々な画像を受信し、分析するために、車両100のフロントガラスに内部に取り付けられた1つ以上のカメラを含んでいてもよい。レーザ距離計が知覚システム172の上部に配置されていること、およびフロントガラスに内部に取り付けられている1つ以上のカメラに加えて、ソナー、レーダー、GPSなど、他の検出デバイスも同様に配置されてもよい。
【0039】
車両のコンピューティングデバイス110は、1つ以上のデバイスが他のデバイスとの間で情報を送受信することを可能にする送信機および受信機などの特徴も含み得る。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイスは、速度制限標識の位置に関する情報、ならびに速度変更位置に関する情報を決定することができる。1つ以上のコンピューティングデバイスは、この情報を他の車両に関連する他のコンピューティングデバイスに送信し得る。
【0040】
例示的な方法
車両100がその環境を移動するにつれて、知覚システム172は、車両の環境内の様々な対象物を検出し、識別する。車両100の知覚システム172が対象物を検出すると、車両のコンピューティングデバイス110は、対象物の位置および/または向きを決定し、対象物が速度制限標識であるかどうかを識別し得る。対象物が速度制限標識であるかどうかを決定するために、対象物上の文字が決定され得る。対象物上の文字に、「速度制限」、「mph」、「kph」、数字などが含まれているとき、対象物は、速度制限標識として分類され得る。例えば、車両100が図3の詳細な地図情報300に対応する道路のセクションを移動する図4の例示的なシナリオに示されるように、車両100の知覚システム172は、道路400のセクションを下って車両100の右側に2つの対象物410、412を検出する。車両のコンピューティングデバイス110は、第1の対象物410上の単語「速度制限」および数字「45」ならびに第2の対象物412上の単語「速度制限」および数字「55」を検出することにより、検出された対象物を速度制限標識として識別する。
【0041】
検出された対象物が速度制限標識として識別されると、車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識が一般的な影響を有する永続的なものであるか、局所的な影響を有する永続的なものであるか、または一時的なものであるかを、予め記憶された詳細な地図情報および他の要因に基づいて決定し得る。これらの決定の各々の例について、以下で順に説明する。
【0042】
速度制限標識は、識別された速度制限標識の位置が、予め記憶された詳細な地図情報内の速度制限標識の予め記憶された位置に対応するとき、一般的な影響を有する永続的なものである(すなわち一時的なものではない)と決定され得る。いくつかの例では、識別された速度制限標識の位置と向きの両方が、予め記憶された詳細な地図情報内の速度制限標識の予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応しているときに決定が行われ得る。図4に示される例では、車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識を含む道路400のセクション内の対象物を検出し、識別し得る。この例では、検出された対象物のいくつかは、速度制限標識410、車線420、422、車線境界線430、縁石440、442、建物450、および速度変更位置460として識別される。車両の環境内の検出された対象物のうちの1つ以上は、対象物の形状、位置、向き、および他の特性を識別する他の情報も記憶し得る詳細な地図情報300に示されるように、詳細な地図情報に記憶された対象物に対応していてもよい。車両のコンピューティングデバイス110は、識別された速度制限標識の位置および向きが、詳細な地図情報における速度制限標識310の位置および向きに対応するかどうかに基づいて、識別された速度制限標識410が、一般的な影響を有する永続的な速度制限標識であると決定し得る。図3および図4の例のように、位置が一致するとき、識別された速度制限標識410は、一般的な影響を有する永続的な速度制限標識である、速度制限標識310と同じタイプの速度制限標識であると決定される。これらの位置は、例えば約5フィートなど、互いに所定の距離内にあるときに対応すると決定されてもよい。向きは、約10度など、互いに所定の角度内にあるときに対応すると決定されてもよい。所定の距離は、詳細な地図情報の精度に基づいていてもよく、所定の距離は、より高い精度を有する地図情報ではより小さく、より低い精度を有する地図情報ではより大きくなる。同じまたは同様の方法で、速度制限標識412はまた、予め記憶された詳細な地図情報内の速度制限標識312に対応すると決定されてもよく、一般的な影響を有する永続的な速度制限標識であると決定され得る。
【0043】
加えて、速度制限標識上の速度制限が、速度制限標識の位置および/または向きを含む道路のセクションについて予め記憶された詳細な地図情報内の速度制限に対応するとき、速度制限標識は、一般的な影響を有する永続的なものであると決定され得る。道路のセクションは、予め記憶された詳細な地図情報内のスクールゾーンなどの速度変更位置として識別され得る。図5の例示的なシナリオに示されるように、車両のコンピューティングデバイス110は、スクールゾーンの近くに位置する速度制限標識を含む道路500のセクション内の対象物を検出し、識別し得る。この例では、検出された対象物のいくつかは、速度制限標識510、車線520、522、車線境界線530、縁石540、542、建物550、および速度変更位置560として識別される。この場合も、検出された対象物のうちの1つ以上は、対象物の形状、位置、向き、および他の特性を識別する他の情報も記憶し得る詳細な地図情報に記憶された対象物に対応し得る。詳細な地図情報において、建物550は、学校の建物であると示され得、速度変更位置560は、スクールゾーンであると示され得る。速度変更位置560はまた、詳細な地図情報において45mphの速度制限を有するように示され得る。いくつかの実装形態では、速度制限標識が一般的な影響を有する永続的なものであるという決定は、予め記憶された位置および予め記憶された向きに対応する位置および/または向き、ならびに予め記憶された速度制限に対応する速度制限に基づき得る。
【0044】
車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識の位置が速度変更位置に近接し、速度制限標識上の数字が速度変更位置の速度制限に一致するとき、速度制限標識510が一般的な影響を有する永続的な速度制限標識であると決定し得る。図5に示される例では、車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識510が、予め記憶された詳細な地図情報300において速度変更位置560であると示される道路のセクションから設定距離内に位置すると決定する。設定距離は、例えば、50フィート、100フィート、または別の距離であり得る。車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識上の数字が45mphであると決定し、その数字が詳細な地図情報における速度変更位置560の速度制限と一致すると決定し得る。その結果、速度制限標識510上の速度制限は、速度変更位置560において一般的な影響を有する永続的な速度制限標識であると決定される。
【0045】
代替として、速度変更位置が詳細な地図情報内で識別されないとき、車両のコンピューティングデバイス110は、速度変更位置が、法律によって、安全のために、または乗客の快適性のために、速度変更に関連付けられたあるタイプの建物に隣接する道路のセクションに沿って存在すると決定し得る。建物550が詳細な地図情報内で学校の建物であると示されているとき、車両のコンピューティングデバイス110は、建物550に隣接する道路のセクションが速度変更位置であると決定し得る。
【0046】
例えば、識別された位置が、縁石から約3フィートなど、道路から第1のしきい値距離であり、また速度変更位置に対応する特性を有する道路のセクションに沿っているなど、速度制限標識の識別された位置が、特定の特性に対応するとき、識別された速度制限標識は、局所的な影響を有する永続的なものである(すなわち、一時的なものでもない)と決定され得る。
【0047】
図6に示される例では、車両のコンピューティングデバイス110は、スクールゾーンの近くに位置する速度制限標識を含む道路600のセクション内の対象物および特性を検出し、識別し得る。検出された対象物のいくつかは、速度制限標識610、車線620、622、車線境界線630、および縁石640、642として識別される。検出された対象物のうちの1つ以上は、対象物の形状、位置、向き、および他の特性を識別する他の情報も記憶し得る詳細な地図情報に記憶された対象物に対応し得る。加えて、道路600のセクションの検出された特性は、道路の曲率または曲線を含み得る。いくつかの実装形態では、道路600のセクションの検出された特性も、詳細な地図情報に予め記憶されてもよい。
【0048】
車両のコンピューティングデバイス110は、道路600のセクションで検出された道路の曲率に基づいて、道路600のセクションが速度変更位置であると決定し得る。速度変更位置のこの決定は、例えば、しきい値曲率より大きな曲率の量、曲線または速度変更を示す1つ以上の他の標識、または詳細な地図情報に予め記憶されている指示に基づき得る。
【0049】
車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識610が、速度変更位置に近接する速度制限標識の位置に基づいて、局所的な影響を有する永続的な速度制限標識であることを決定し得る。図6に示される例では、車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識610が、速度変更位置に関連する特性を有する道路のセクションから設定距離内に位置することを決定する。設定距離は、例えば、50フィート、100フィート、または別の距離であり得る。その結果、30mphである速度制限標識610上の速度制限は、速度変更位置において局所的な影響を有すると決定される。
【0050】
識別された速度制限標識は、(i)速度制限標識が上記のように永続的なものであると決定されない、(ii)速度制限標識の位置が一時的な位置である、(iii)速度制限標識に、一時的な速度制限標識に関連付けられた1つ以上の特性がある、または(iv)速度制限標識が一時的な速度変更位置に近接して配置されているとき、一時的なものであると決定され得る。一時的な位置は、道路から第1のしきい値の距離内にある位置、または道路自体にある位置を含む。一時的な速度制限標識に関連する特性は、しきい値の高さよりも低い高さ、車輪を有するベース、色のタイプ、標識の角度、ベースの角度または形状、または他の一時的な標識との近さを含む。
【0051】
図7に示される例では、車両のコンピューティングデバイス110は、地理的エリア750に対応する一時的な速度変更位置の近くに位置する速度制限標識を含む道路700のセクション内の対象物および特性を検出し、識別し得る。検出された対象物のいくつかは、速度制限標識710、712、車線720、722、車線境界線730、および縁石740、742として識別される。検出された対象物のうちの1つ以上は、対象物の形状、位置、向き、および他の特性を識別する他の情報も記憶し得る詳細な地図情報に記憶された対象物に対応し得る。
【0052】
速度制限標識710の場合、車両のコンピューティングデバイス110は、(i)速度制限標識710の位置が、予め記憶された詳細な地図情報における速度制限標識の位置に対応していない、および(ii)速度制限標識710上の速度制限は、検出された位置を含む道路のセクションについて、予め記憶された詳細な地図情報における速度制限に対応していないので、速度制限標識710が一時的な速度制限標識であると決定し得る。代替として、車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識710の位置が、1フィートなど、縁石740から第1のしきい値距離内にある、および/または、速度制限標識710の高さ(地面から速度制限標識の底部まで)が、7フィートなど、しきい値高さよりも低いことに基づいて、速度制限標識710が一時的な速度制限標識であると決定し得る。
【0053】
速度制限標識712の場合、車両のコンピューティングデバイス110は、一時的な速度変更位置に近接する速度制限標識712の位置に基づいて、速度制限標識712が一時的な速度制限標識であることを決定し得る。車両のコンピューティングデバイス110は、一時的な速度変更に関連するゾーンが地理的エリア750などのエリア内で検出される一時的な速度変更位置が存在すると決定し得る。地理的エリア750内で、車両のコンピューティングデバイス110は、道路のセクションに隣接する地理的エリア内のスクールゾーンまたは建設ゾーンなど、一時的な速度変更位置に関連する1つ以上の対象物を検出し得る。スクールゾーンに関連付けられている1つ以上の対象物は、例えば、校舎、踏切、または速度変更を示す別の標識を含み得る。建設ゾーンに関連付けられている1つ以上の対象物は、例えば、トラフィックコーン、建設車両、一時的なバリア、建設作業員、または別の一時的な標識を含み得る。図7に示されるシナリオでは、建設ゾーンに関連付けられている複数の対象物が地理的エリア750で検出され得る。したがって、地理的エリア750は、建設ゾーンであると決定され得る。
【0054】
地理的エリア750が一時的な速度変更位置であると決定されると、車両のコンピューティングデバイス110は、地理的エリア750に隣接する道路の地点が一時的な速度変更位置760などの一時的な速度変更位置であると決定し得る。代替として、詳細な地図情報内の内の道路のセクションは、詳細な地図情報において一時的な速度変更位置として示され得る。車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識712の位置が地理的エリア750内の一時的な速度変更位置から設定距離内にあり、速度制限標識712が一時的な速度制限標識であると決定し得る。設定距離は、例えば、50フィート、100フィート、または別の距離であり得る。
【0055】
次に、車両のコンピューティングデバイス110は、一般的な影響を有する永続的なもの、局所的な影響を有する永続的なもの、または一時的な速度制限標識の影響ゾーンを決定し得る。影響ゾーンは、速度制限標識の速度制限が適用される道路のセクションである。一般的な影響を有する永続的な速度制限標識の場合、影響ゾーンの開始点は、速度制限標識の位置、または速度制限標識より前の所定の距離にある道路の地点であり得る。所定の距離は、速度制限標識の位置を含む地理的エリアで適用される法律に基づいて決定されてもよい。
【0056】
いくつかの地理的エリア、例えば、図4に示される地理的エリアでは、一般的な影響を有する永続的なものであると決定された速度制限標識410の影響ゾーンは、速度制限標識410の位置の約50フィート先の開始点から開始してもよい。一般的な影響を有する永続的な速度制限標識の影響ゾーンの終了点は、道路に沿った別の速度制限標識の開始点である場合がある。速度制限標識410の場合、終了点は、速度制限標識412の開始点であってもよく、これは、速度制限標識412の位置の約50フィート先であってもよい。図5の例などの他の例では、一般的な影響を有する永続的なものであると決定された速度制限標識510の開始点および終了点は、速度変更位置560など、予め記憶された詳細な地図情報内で識別されたゾーンの開始点および終了点であり得る。
【0057】
局所的な影響を有する永続的な速度制限標識の場合、影響ゾーンの開始点は、局所的な影響を有する永続的な速度制限標識に関連付けられた速度変更位置の開始点であり、影響ゾーンの終了点は、速度変更位置の終了点であり得る。例えば、図6に関して上記で論じたように、速度変更位置は、道路600のセクションの曲線などの道路の曲線であり、影響ゾーンは道路の曲線であり得る。したがって、速度制限標識610の影響ゾーンは、道路600のセクションの開始と道路600のセクションの終了との間にあり得る。他の例では、開始点および終了点は、一般的な影響を有する永続的な速度制限標識に関して上述したように決定されてもよい。
【0058】
図7に示される速度制限標識710、712などの一時的な速度制限標識の場合、一時的な速度制限標識上の速度制限が道路に沿った様々な地点に適用されるかどうかを示す信頼レベルを使用して、影響ゾーンの開始点および影響ゾーンの終了点が決定され得る。信頼レベルの値は、パーセンテージ、スケール上の数値、または信頼レベルを示すために使用され得る他のタイプの数量詞であり得る。信頼レベルが高いほど、速度制限が道路の所与の地点に適用される可能性が高く、したがって、影響ゾーンの一部である可能性が高いことを示し得る。一例として、約70%など、第1または上限の信頼しきい値を超える信頼レベルを有する道路の第1の地点は、影響ゾーンの開始点として決定され得る。約30%など、第2または下限の信頼しきい値を下回る信頼レベルを有する道路の第1の地点からさらに下流の道路の第2の地点は、影響ゾーンの終了点として決定され得る。他の実装形態では、より高い信頼しきい値およびより低い信頼しきい値は、約50%など、同じであってもよい。
【0059】
信頼レベルは、速度制限標識の位置、周辺のエリアの特性、速度制限標識より前および後の検出された標識、および道路上の検出された車両に基づいて決定され得る。一例として、速度制限標識以降、および次の速度制限標識より前の道路の地点は、次の速度制限標識以降、または速度制限標識より前よりも高い信頼レベルを有し得る。速度制限標識より前の、例えば、50フィート、100フィート、または別の距離など、所定の距離内の道路の地点は、速度制限標識より前の、より遠くの、または所定の距離外の道路の地点よりも、速度制限標識の信頼レベルが高い可能性がある。同様に、次の速度制限標識より前の所定の距離内の道路の地点は、次の速度制限標識から所定の距離外の道路の地点よりも速度制限標識の信頼レベルが低い可能性がある。
【0060】
図7の例を参照すると、速度制限標識710と712との間の道路の地点は、速度制限標識712より後および速度制限標識710より前の道路の地点よりも高い信頼レベルを有し得る。速度制限標識710の50フィート前方以内の道路の地点は、速度制限標識710の50フィート前方を超える道路の地点よりも、速度制限標識710の信頼レベルが高い可能性がある。加えて、速度制限標識712の50フィート前方以内の道路の地点は、速度制限標識712の50フィート前方を超える道路の地点よりも、速度制限標識710の信頼レベルが低い可能性がある。速度制限標識710の信頼レベルは、速度制限標識710の約50フィート前方から開始する道路の地点の上限信頼しきい値を超える可能性がある。加えて、速度制限標識710の信頼レベルは、速度制限標識712の約50フィート前方の道路の地点の下限信頼しきい値を下回る可能性がある。したがって、速度制限標識710の影響ゾーンは、速度制限標識710の約50フィート前方と速度制限標識712の約50フィート前方との間であり得る。
【0061】
周囲エリアの特性に基づいて信頼レベルを決定するために、例えば、一時的な速度変更位置にある道路の地点はまた、一時的な速度変更位置から設定距離内にある速度制限標識について、道路の他の地点よりも高い信頼レベルを有し得る。一時的な速度変更位置より後の道路の地点は、一時的な速度変更位置から設定距離内にある速度制限標識について信頼レベルが低い可能性がある。設定距離は、50フィート、100フィート、または他の距離でもよい。加えて、一時的な速度変更位置の終了より後の道路のある地点で追加のトラフィックコーンが検出されたとき、一時的な速度変更位置の終了と道路のその地点との間の道路の地点は、より高い信頼レベルを有し得る。道路をさらに進んだ道路の地点で追加のトラフィックコーンが検出されないとき、速度制限標識についての信頼レベルは低くなる可能性がある。図7の地理的エリア750に関して上述したように、一時的な速度変更位置は、予め記憶された詳細な地図情報で識別され、他の一時的な速度変更位置は、車両100が近接しているとき、知覚システム172を使用して車両のコンピューティングデバイス110によって検出され得る。速度制限標識712の場合、一時的な速度変更位置760内の道路の地点は、道路の他の地点よりも高い信頼レベルを有する。一時的な速度変更位置760より後の道路の地点は、一時的な速度変更位置760内または速度制限標識712の近くの道路の地点よりも低い信頼レベルを有し得る。速度制限標識712の影響ゾーンは、速度制限標識712の約50フィート前方と、一時的な速度変更位置760の終了との間にあり得る。
【0062】
他の検出された標識にも基づいて信頼レベルを決定するために、例えば、車両のコンピューティングデバイス110は、検出された標識から文字または記号を抽出し得る。速度制限や周辺エリアの変更が前方にあることを示す標識には、「低速前進」、「建設中」、「工事中」などの文字があり得る。速度制限または周辺エリアの変更が前方にあることを示す標識が検出されたとき、検出された標識より後の道路の地点の信頼レベルが高くなり得る。他の検出された標識は、速度制限の変更または周囲エリアの変更が始まる、または終了する可能性のある期間または距離も示し得る。例えば、検出された標識の文字には、「1000フィートのところに建設現場」、「8月15日から午後7時~午前6時まで車線閉鎖」、「子供がいるとき速度制限」などと記載されている場合がある。信頼レベルは、示された時間内または示された距離において、上限信頼しきい値を超えるように増加し、示された期間外または距離外で、上限または下限の信頼しきい値を下回るように減少し得る。加えて、他の検出された標識は、「道路工事の終了」または「建設の終了」を示す標識など、影響ゾーンがいつ終了するかを示し得る。影響ゾーンの終了を示す標識が検出されたとき、検出された標識より後の道路の地点での信頼レベルは、検出された標識より前よりも低く、下限信頼しきい値を下回る可能性がある。
【0063】
コンピューティングデバイスは、知覚システム172によって検出された他の車両に基づいて信頼レベルを決定することもできる。例えば、車両のコンピューティングデバイス110は、1つ以上の検出された車両が道路の同じまたは同様の地点で速度を変え始めたことを検出する。1つ以上の検出された車両は、加速または減速するように検出され得る。道路の地点が一時的な速度制限標識より前にあるとき、道路の地点と一時的な速度制限標識の位置との間の信頼レベルが高くなる可能性がある。道路の地点が一時的な速度制限標識以降であるとき、一時的な速度制限標識の位置と道路のその地点との間の信頼レベルが低下する可能性がある。いくつかの例では、一般的または局所的な影響を有する永続的速度制限標識の開始点および終了点はまた、1つ以上の検出された車両が速度を変え始める道路の地点に基づいて決定されてもよい。
【0064】
信頼レベルを使用することに加えて、またはその代替として、一般的または局所的な影響を有する永続的な速度制限標識に関して上述したのと同じまたは同様の方法を使用して、一時的な速度制限標識について、影響ゾーンの開始点および影響ゾーンの終了点が決定され得る。例えば、開始点は、速度制限標識710などの一時的な速度制限標識の位置の約50フィート前方であってもよい。終了点は、速度制限標識712の位置の約50フィート前方など、道路に沿った別の速度制限標識の開始点であってもよい。別の実装形態では、開始点は、一時的な速度制限標識712に関連付けられた一時的な速度変更位置760など、一時的な速度制限標識に関連付けられた一時的な速度変更位置の開始点であり得る。この実装形態における一時的な速度制限標識の終了点は、一時的な速度変更位置の終了点であり得る。
【0065】
影響ゾーンの決定は、数秒ごとまたは数ヤードごとなど、定期的に、および/または新しい対象物が検出されたときに更新され得る。一時的な速度制限標識の場合、道路の各地点での信頼レベルは、新しく検出された対象物に基づいて更新され得る。例えば、影響ゾーンの決定された終了よりも道路をさらに進んだ道路のある地点で、トラフィックコーンが新たに検出されたとき、影響ゾーンの終了は、新たに検出されたトラフィックコーンの位置になるように更新され得る。
【0066】
検出された速度制限標識の影響ゾーンが決定されると、車両のコンピューティングデバイス110は、車両100がどのように応答すべきかを決定し得る。この決定は、影響ゾーンまたは影響ゾーンの信頼レベルに基づき得る。車両のコンピューティングデバイス110は、速度制限標識の影響ゾーンの開始点、またはその少し後に、速度制限標識上の速度制限内になるように車両の速度をいつ調整するかを決定し得る。車両のコンピューティングデバイス110はまた、速度制限標識の影響ゾーンの終了点、またはその少し後に、以前の速度制限を再開するように、または次の速度制限標識上の速度制限内になるように車両の速度をいつ調整するかも決定し得る。一時的な速度制限標識を伴う例では、車両の速度は、道路のある地点での影響ゾーンの信頼レベルに基づいて調整され得る。信頼レベルが上がると、車両の速度は、速度制限標識の速度制限に近づくように調整され得る。
【0067】
いくつかの例では、決定された応答は、周囲の交通の検出された流れに基づいていてもよい。車両の知覚システム172は、周囲の車両およびそれらの速度を検出してもよい。道路の所与の地点または道路の所与のセクションの影響ゾーン信頼レベルが上限信頼しきい値を下回るとき、車両のコンピューティングデバイス110は、周囲の車両の速度を検出された速度制限と比較して、車両が道路の所与の地点またはセクションで検出された速度制限標識上の速度制限に基づいて動作するかどうかを決定し得る。30%など周囲の車両のパーセンテージが決定された速度制限内で操作されているとき、車両のコンピューティングデバイス110は、検出された速度制限標識の速度制限に基づいて車両が動作すべきであると決定し得る。
【0068】
任意の所与の時点における他の車両の速度を観察してそれらの相対速度を決定するのではなく、コンピューティングデバイス110は、知覚システム172からの情報を使用して交通の「流れ」に関する決定を行うことができる。例えば、すべての車両が停止している場合、コンピューティングデバイス110は、そのような流れがない、または測定する流れがないと決定し得る。しかし、1つ以上の他の車両が一時停止標識に近づきつつあるときに減速している場合、コンピューティングデバイス110は、交通の流れが減速し、一時停止標識で停止しつつあると決定し得る。コンピューティングデバイスはまた、これらの1つ以上の他の車両が一時停止標識を通過した後にどのように挙動するか、またはむしろ、これらの1つ以上の他の車両が一時停止標識後に加速する新しい速度を観察することもできる。これらの観察を組み合わせて、一時停止標識のために減速し、停止し、その後、新しい速度まで加速するなど、一時停止標識より前および後の交通の流れを識別し得る。別の例として、交通量の多い状態で、永続的であるか、一時的であるかどうかに関係なく、一時停止標識より前および後の両方で、例えば、すべての車両が速度制限を下回るなど、ゆっくりと移動している場合がある。したがって、そのような車両の流れを決定することは、より困難であるが、依然として可能であり得る。
【0069】
次に、車両のコンピューティングデバイス110は、決定された応答または交通の流れに基づいて車両100を制御し得る。車両100を制御することは、車両が道路の所与の地点の速度制限に応じた速度で走行しているように、減速システム160を使用して減速すること、または加速システム162を使用して加速することを伴い得る。
【0070】
図8では、フロー図800は、上述の開示の態様に従って車両100を制御する方法を示している。この方法は、車両のコンピューティングデバイス110によって実行され得る。図8は、特定の順序でブロックを示しているが、順序は変更されてもよく、その多数の動作が同時に実行されてもよい。また、動作が追加または省略されてもよい。
【0071】
ブロック802において、車両の環境内の検出された対象物は、車両のコンピューティングデバイス110によって、例えば、速度制限標識410、412、510、610、710、または712のうちの1つなど、速度制限標識として識別または分類され得る。識別された速度制限標識は、検出された位置で検出され、検出された向きを有していてもよい。分類は、上記のように、検出された対象物上で検出された単語または数字に基づいてもよい。
【0072】
ブロック804において、車両のコンピューティングデバイス110は、識別された速度制限標識の検出された位置が、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置に対応するかどうかを決定し得る。例えば、速度制限標識410、412の検出された位置は、例えば、詳細な地図情報300における速度制限標識310、312の予め記憶された位置に対応する。速度制限標識510、610、710、および712の検出された位置は、詳細な地図情報内の任意の速度制限標識の予め記憶された位置に対応していない場合がある。いくつかの例では、車両のコンピューティングデバイス110はまた、識別された速度制限標識の検出された向きが、地図情報に予め記憶された速度制限標識の予め記憶された向きに対応するかどうかも決定し得る。例えば、速度制限標識410、412の検出された向きは、例えば、詳細な地図情報300内の速度制限標識310、312の予め記憶された向きに対応する。速度制限標識510、610、710、および712の検出された向きは、詳細な地図情報内の任意の速度制限標識の予め記憶された向きに対応していない場合がある。
【0073】
ブロック806において、識別された速度制限標識が予め記憶された速度制限標識の予め記憶された位置および/または予め記憶された向きに対応していないとき、識別された速度制限標識の影響ゾーンが決定され得る。影響ゾーンは、検出された速度制限標識の検出された位置、周辺エリアの特性、および速度制限標識より前または後の少なくとも1つの他の検出された対象物に基づいて決定され得る。速度制限標識510の場合、例えば、影響ゾーンは、周囲エリアで検出または識別される速度変更位置560内にあると決定され得る。速度制限標識610の場合、影響ゾーンは、道路600のセクションの曲率特性に基づいて道路600のセクション内にあると決定され得る。速度制限標識710の場合、影響ゾーンは、速度制限標識710、712の検出された位置に基づいて、速度制限標識710の約50フィート前方と速度制限標識712の約50フィート前方との間に決定され得る。速度制限標識712の場合、影響ゾーンは、速度制限標識712の検出された位置、地理的エリア750の特性および一時的な速度変更位置760に基づいて、速度制限標識712の約50フィート前方と一時的な速度変更位置760の終了との間にあると決定され得る。
【0074】
ブロック808において、車両のコンピューティングデバイス110は、検出された速度制限標識の決定された影響ゾーンに基づいて、車両100の応答を決定し得る。車両のコンピューティングデバイス110は、道路の各地点またはセクションで車両100を操作する速度制限を決定し得る。ブロック810において、車両100は、決定された応答に基づいて車両のコンピューティングデバイス110によって制御され得る。
【0075】
特段の記述がない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施することができる。上述した特徴のこれらおよび他の変形ならびに組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱せずに利用され得るため、前述の実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義された主題を限定するものとしてではなく、例示するものとしてみなされるべきである。加えて、本明細書に説明された実施例、ならびに「など」、「含む」などとして表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、それらの例は、多くの可能性のある実施形態のうちの単なる1つを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を識別することができる。
図1
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図7
図8