(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】置換3-ジアルキルアミノメチル-ピペリジン-4-イル-ベンズアミドならびにその作製方法および使用方法
(51)【国際特許分類】
C07D 211/52 20060101AFI20220930BHJP
C07D 409/06 20060101ALI20220930BHJP
C07D 401/06 20060101ALI20220930BHJP
A61K 31/451 20060101ALI20220930BHJP
A61K 31/4535 20060101ALI20220930BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20220930BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220930BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
C07D211/52 CSP
C07D409/06
C07D401/06
A61K31/451
A61K31/4535
A61K31/4545
A61P25/04
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2019559014
(86)(22)【出願日】2018-01-17
(86)【国際出願番号】 US2018014090
(87)【国際公開番号】W WO2018136546
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-24
(32)【優先日】2017-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519257979
【氏名又は名称】メビアス ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】タウンジ ブレット エイ.
(72)【発明者】
【氏名】バユーマイ シャリフ
(72)【発明者】
【氏名】クオ ローレンス シー.
(72)【発明者】
【氏名】ダックス スコット エル.
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105646332(CN,A)
【文献】国際公開第2015/091939(WO,A1)
【文献】特表2002-524445(JP,A)
【文献】特開2000-344746(JP,A)
【文献】特表2006-522792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0306071(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物:
式中、
Lは-(CZ
1Z
2)-、-(CZ
1Z
2-CZ
1Z
2)-、および-(CZ
1Z
2-CZ
1Z
2-CZ
1Z
2)-からなる群より選択され;
R
1は
からなる群より選択され;
R
2は水素
であり;
R
3は水素
であり;
R
4はメチルおよびエチルからなる群より選択され;
R
5はメチルおよびエチルからなる群より選択され;
R
6はHおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
Z
1およびZ
2はそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、およびメチルからなる群より選択され;
XはS、O、およびN-R
7からなる群より選択され;
Rはそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、アルキニル、置換C
2~C
6アルキニル、フェニル、置換フェニル、-COOR
7、およびカルボキサミドからなる群より選択され;
pはそれぞれの場合で独立して0、1、2、および3からなる群より選択され;
R
7はそれぞれの場合で独立して水素およびC
1~C
6アルキルからなる群より選択される。
【請求項2】
R
4およびR
5がメチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R
6がHおよびメチルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Lがメチレン(-CH
2-)、1,2-エチレン(-CH
2-CH
2-)、および1,3-プロピレン(-CH
2-CH
2-CH
2-)からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R
1がフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R
2およびR
3がHであり、R
4およびR
5がメチルであり、R
6がHおよびメチルからなる群より選択され、Lがメチレン(-CH
2-)、1,2-エチレン(-CH
2-CH
2-)、および1,3-プロピレン(-CH
2-CH
2-CH
2-)からなる群より選択され、R
1がフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
-R
6基および-CH
2NR
4R
5基がsyn相対立体化学配置を示す、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
下記式およびそれらの任意の混合物からなる群より選択される、請求項
7記載の化合物:
。
【請求項9】
3-(-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6);
(+)-Ent-A-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(6)];
(-)-Ent-B-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(6)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(6)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(6)];
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(11)];
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(11)];
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(11)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(11)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b);
(+)-Ent-A-anti-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(9)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(9)];
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13);
3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a);
3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(13)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(13)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(17)];
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(17)];
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(17)];
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(17)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(18)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(18)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15);
3-(3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a);
3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド_(41b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(15)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(15)];
3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(20)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(20)];
3-{1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド(23);
3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a);
3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(23)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(23)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される、
化合物。
【請求項10】
少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、少なくとも1つの請求項1~
9のいずれか一項記載の化合物とを含む、薬学的組成物。
【請求項11】
対象において疼痛を処置および/または予防するための薬学的組成物であって、治療有効量の少なくとも1つの請求項1~
9のいずれか一項記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの化合物が、
3-(-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6);
(+)-Ent-A-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(6)];
(-)-Ent-B-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(6)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(6)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(6)];
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(11)];
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(11)];
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(11)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(11)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b);
(+)-Ent-A-anti-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(9)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(9)];
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13);
3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a);
3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(13)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(13)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(17)];
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(17)];
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(17)];
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(17)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(18)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(18)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15);
3-(3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a);
3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド_(41b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(15)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(15)];
3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(20)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(20)];
3-{1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド(23);
3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a);
3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(23)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(23)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの化合物が、MORアゴニストである、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの化合物が、対象中の環状アデノシン一リン酸(cAMP)レベルを減少させる、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの化合物が、β-アレスチンの動員、β-アレスチンへの結合、またはβ-アレスチンとの会合を著しく誘導することがない、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つの化合物が、タキフィラキシー、呼吸抑制、便秘、悪心、嘔吐、離脱症候、依存症、および嗜癖からなる群より選択される少なくとも1つの副作用を著しく引き起こすことがない、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項17】
疼痛が慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、痛覚過敏、および/またはアロディニアを含む、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項18】
対象が哺乳動物である、請求項
11記載の薬学的組成物。
【請求項19】
哺乳動物がヒトである、請求項
18記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月17日出願の米国仮出願第62/447,197号および2017年12月18日出願の米国仮特許出願第62/599,834号の米国特許法第119条(e)項に基づく優先権を主張し、すべてのこれらの出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
疼痛は、不快な感覚経験および情動経験として定義される。しかし、疼痛は情報源でありかつ有用でありうる。多くの場合、侵害受容性疼痛は傷害(例えば組織損傷)を示し、通常、この疼痛は、ヒトを含む動物において逃避行動または保護行動を誘起する。しかし、傷害または疾患による炎症、細胞損傷および神経細胞損傷、ならびに他のプロセスは慢性病的疼痛状態を引き起こすことがある。痛覚過敏とは、侵害刺激に対する感受性亢進が存在することで疼痛の知覚が増幅される状態のことである。アロディニアとは、通常は非侵害性である刺激が有痛性になる状態のことである。痛覚刺激および/またはアロディニアとして現れる持続疼痛または慢性疼痛は依然として処置が困難である。慢性疼痛の年間医療支出は6000億ドル超に相当し、これはがん、心疾患、および糖尿病の年間支出合計を上回る。神経障害性疼痛は人口の約6~10%が罹患し、生活の質の低下、およびすべての他の慢性疼痛障害を超える社会経済的負担を伴う。多くの患者は既存の治療薬に応答しないか、疼痛がうまく管理されない(すなわち不十分な軽減)か、または十分な期間にわたる軽減を経験しない。
【0003】
疼痛を処置するためのオピオイドの投与は、医療において周知の一般的に使用される治療法である。天然供給源からのμオピオイドは、赤痢および疼痛の軽減を含む多種多様な目的で、数千年にわたってヒトにより使用されている。アヘンアルカロイドは1800年代まで単離されておらず、合成オピオイド、天然前駆体の構造改変体、または新たに設計された分子はずっと後に現れた。μオピオイド受容体(MOR)アゴニストは、ヒトにおいて急性激痛状態を処置するための標準的な鎮痛剤である。さらに、多くの場合、がんにより引き起こされる疼痛などの慢性疼痛状態を管理する上で非オピオイド剤が有効でないことから、急性用途を超えてオピオイド処置期間を延長する以外の選択肢はほとんど残されていない。
【0004】
残念ながら、治療過程中に、オピオイドに対するタキフィラキシーおよび耐性、ならびにオピオイド誘導痛覚過敏がしばしば生じる。そのような患者では、許容されるレベルの疼痛軽減を実現するために、ますます高い用量のオピオイドが必要であり、そうすることで、患者は呼吸抑制、便秘、悪心、および嘔吐を含むさらなる有害副作用および安全性の懸念事項に関するさらに高いリスクにさらされる。慢性疼痛状態を処置するための長期オピオイド治療によって、患者はオピオイド依存症を発生させ、処置の中断時にオピオイド離脱症候を示すことがあり、一部の患者はこれらの薬物を濫用する傾向がより高いことがある。これらの現象は、疼痛の処置に関する重要な臨床的課題を提示する。
【0005】
Gタンパク質共役受容体は、7つの膜貫通ドメイン、細胞外N末端、細胞内ループ、および細胞内C末端を含む、膜結合タンパク質である。GPCRファミリーはヒトゲノムにおける細胞表面受容体の最大のクラスを構成し(約800個の異なるメンバー)、GPCRを調節する小分子は全市販薬の約3分の1を占める。
【0006】
歴史的に、概念的観点から言えば、GPCRはスイッチ(オフ/オン)として挙動すると考えられた。このとき、アゴニスト結合により、Gタンパク質共役を動員する立体構造変化が誘導されることで、細胞機能[例えば極性化(神経細胞)、収縮性(筋細胞)、転写、翻訳など]を改変するcAMPなどのセカンドメッセンジャーが産生される。アンタゴニストは、アゴニストの到達を遮断することで、GPCR活性化を防止する手段を実現し、これは特定のGPCRによっては治療的にも有用である。
【0007】
リガンド結合時に、GPCRは、上記のようにGタンパク質と相互作用するだけでなく、アレスチンファミリーの細胞質タンパク質も動員する。アレスチン動員はGタンパク質受容体キナーゼ(GRK)ファミリーによるリン酸化の結果として生じる。β-アレスチン経路の1つの明らかな役割はシグナル伝達を遮断することであり、これはおそらく、広範な構成的シグナル伝達の有害な効果を回避するための進化論的「ブレーキ」の役割を果たす。β-アレスチンはいくつかのやり方でシグナル終結を達成する。(1) Gタンパク質脱共役は脱感作を引き起こし(シグナル伝達の喪失); (2) セカンドメッセンジャーの分解はシグナル伝達を減弱させ/遮断し; (3) 受容体の内部移行は、受容体が細胞膜上に露出しない/存在しないことから、アゴニスト結合およびシグナル伝達を妨害する。さらに、β-アレスチンにより活性化されうる他のシグナル伝達様式(例えばMAPキナーゼ)が存在する。
【0008】
したがって、Gタンパク質経路またはβ-アレスチン経路のいずれか(ただし両方ではない)を活性化することで「バイアスのかかった」(すなわち「シグナル伝達経路選択的な」)やり方で挙動しうるGPCRリガンドは、有効性を保持するが有害作用のない新規治療薬を開発する機会を提供する。βアレスチン経路は、古典的なμオピオイド薬が引き起こす多くの有害作用の原因である。したがって、Gタンパク質経路を活性化することにバイアスのかかったμオピオイドアゴニストを開発することが求められている。さらに、疼痛を処置しかつ/または痛覚過敏およびアロディニアを減少させるために使用可能な新規化合物および/または組成物が当技術分野において求められている。特定の態様では、本化合物および/または組成物は、疼痛軽減を実現しながら、呼吸抑制、便秘、および/または耐性を著しく誘導することがない(または全く誘導しない)。本発明はこれらの未達の要求に対処する。
【発明の概要】
【0009】
発明の簡単な概要
本発明は、本発明の特定の化合物を提供する。本発明はさらに、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、少なくとも1つの本発明の化合物とを含む、薬学的組成物を含む。本発明はさらに、対象において疼痛を処置および/または予防する方法を提供する。
【0010】
特定の態様では、本方法は、対象に治療有効量の少なくとも1つの本発明の化合物および/または少なくとも1つの本発明の薬学的組成物を投与する段階を含む。
【0011】
特定の態様では、本発明の化合物は、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物である:
式中、Lは-(CZ
1Z
2)-、-(CZ
1Z
2-CZ
1Z
2)-、および-(CZ
1Z
2-CZ
1Z
2-CZ
1Z
2)-からなる群より選択され; R
1は
からなる群より選択され; R
2は水素、C
1~C
6アルキル、および置換C
1~C
6アルキルからなる群より選択され; R
3は水素、メチル、およびエチルからなる群より選択され; R
4はメチルおよびエチルからなる群より選択され; R
5はメチルおよびエチルからなる群より選択され; R
6はHおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され; Z
1およびZ
2はそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、およびメチルからなる群より選択され; XはS、O、およびN-R
7からなる群より選択され; Rはそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、アルキニル、置換C
2~C
6アルキニル、フェニル、置換フェニル、-COOR
7、およびカルボキサミドからなる群より選択され; あるいは、-L-R
1は一緒になってH、C
1~C
6アルキル、または置換C
1~C
6アルキルを形成し; pはそれぞれの場合で独立して0、1、2、および3からなる群より選択され; R
7はそれぞれの場合で独立して水素およびC
1~C
6アルキルからなる群より選択される。
【0012】
特定の態様では、R2およびR3はHである。特定の態様では、R4およびR5はメチルである。特定の態様では、R6はHおよびメチルからなる群より選択される。特定の態様では、Lはメチレン(-CH2-)、1,2-エチレン(-CH2-CH2-)、および1,3-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)からなる群より選択される。特定の態様では、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される。特定の態様では、R2およびR3はHであり、R4およびR5はメチルであり、R6はHおよびメチルからなる群より選択され、Lはメチレン(-CH2-)、1,2-エチレン(-CH2-CH2-)、および1,3-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)からなる群より選択され、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される。特定の態様では、-R6基および-CH2NR4R5基はsyn相対立体化学配置を示す。
【0013】
特定の態様では、化合物は下記式およびそれらの任意の混合物からなる群より選択される:
。
【0014】
特定の態様では、化合物は3-(-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6); (+)-Ent-A-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(6)];(-)-Ent-B-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(6)];(+)-Ent-A-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(6)];(-)-Ent-B-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(6)];3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11); (+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(11)];(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(11)];(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(11)];(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(11)];3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド; 3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a);3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b);(+)-Ent-A-anti-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド; (-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド; 3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9); (+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45a);(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45b);(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(9)];(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(9)];3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13); 3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a);3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b);(+)-Ent-A-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(13)];(-)-Ent-B-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(13)];3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17); (+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(17)];(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(17)];(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(17)];(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(17)];3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18); (+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38a);(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38b);(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(18)];(-)-Ent-B-anti-3-[3-(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(18)];3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15); 3-(3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a);3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41b);(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(15)];(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(15)];3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20); (+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44a);(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44b);(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(20)];(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(20)];3-{1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド(23); 3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a);3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b);(+)-Ent-A-anti-3-[1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(23)];(-)-Ent-B-anti-3-[1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(23)];3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド; 3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a);3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b);(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド; (-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド; 3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド(35); (+)-Ent-A-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(35)];(-)-Ent-B-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(35)];(+)-Ent-A-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(35)];(-)-Ent-B-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(35)];3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(21); rac-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-syn-21);rac-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-anti-21);(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-syn-21);(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-syn-21);(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-anti-21);(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-anti-21);またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0015】
特定の態様では、少なくとも1つの化合物はMORアゴニストである。特定の態様では、少なくとも1つの化合物は対象中の環状アデノシン一リン酸(cAMP)レベルを減少させる。特定の態様では、少なくとも1つの化合物はβ-アレスチンの動員、β-アレスチンへの結合、またはβ-アレスチンとの会合を著しく誘導することがない。特定の態様では、少なくとも1つの化合物は、タキフィラキシー、呼吸抑制、便秘、悪心、嘔吐、離脱症候、依存症、および嗜癖からなる群より選択される少なくとも1つの副作用を著しく引き起こすことがない。特定の態様では、疼痛は慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、痛覚過敏、および/またはアロディニアを含む。特定の態様では、対象は哺乳動物である。特定の態様では、哺乳動物はヒトである。
[本発明1001]
式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物:
式中、
Lは-(CZ
1
Z
2
)-、-(CZ
1
Z
2
-CZ
1
Z
2
)-、および-(CZ
1
Z
2
-CZ
1
Z
2
-CZ
1
Z
2
)-からなる群より選択され;
R
1
は
からなる群より選択され;
R
2
は水素、C
1
~C
6
アルキル、および置換C
1
~C
6
アルキルからなる群より選択され;
R
3
は水素、メチル、およびエチルからなる群より選択され;
R
4
はメチルおよびエチルからなる群より選択され;
R
5
はメチルおよびエチルからなる群より選択され;
R
6
はHおよびC
1
~C
6
アルキルからなる群より選択され;
Z
1
およびZ
2
はそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、およびメチルからなる群より選択され;
XはS、O、およびN-R
7
からなる群より選択され;
Rはそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1
~C
6
アルコキシ、C
1
~C
6
アルキル、置換C
1
~C
6
アルキル、C
2
~C
6
アルケニル、置換C
2
~C
6
アルケニル、アルキニル、置換C
2
~C
6
アルキニル、フェニル、置換フェニル、-COOR
7
、およびカルボキサミドからなる群より選択され;
あるいは、-L-R
1
は一緒になってH、C
1
~C
6
アルキル、または置換C
1
~C
6
アルキルを形成し;
pはそれぞれの場合で独立して0、1、2、および3からなる群より選択され;
R
7
はそれぞれの場合で独立して水素およびC
1
~C
6
アルキルからなる群より選択される。
[本発明1002]
R
2
およびR
3
がHである、本発明1001の化合物。
[本発明1003]
R
4
およびR
5
がメチルである、本発明1001の化合物。
[本発明1004]
R
6
がHおよびメチルからなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1005]
Lがメチレン(-CH
2
-)、1,2-エチレン(-CH
2
-CH
2
-)、および1,3-プロピレン(-CH
2
-CH
2
-CH
2
-)からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1006]
R
1
がフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1007]
R
2
およびR
3
がHであり、R
4
およびR
5
がメチルであり、R
6
がHおよびメチルからなる群より選択され、Lがメチレン(-CH
2
-)、1,2-エチレン(-CH
2
-CH
2
-)、および1,3-プロピレン(-CH
2
-CH
2
-CH
2
-)からなる群より選択され、R
1
がフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1008]
-R
6
基および-CH
2
NR
4
R
5
基がsyn相対立体化学配置を示す、本発明1001の化合物。
[本発明1009]
下記式およびそれらの任意の混合物からなる群より選択される、本発明1008の化合物:
。
[本発明1010]
3-(-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6);
(+)-Ent-A-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(6)];
(-)-Ent-B-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(6)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(6)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(6)];
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(11)];
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(11)];
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(11)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(11)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b);
(+)-Ent-A-anti-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(9)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(9)];
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13);
3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a);
3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(13)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(13)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(17)];
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(17)];
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(17)];
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(17)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(18)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(18)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15);
3-(3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a);
3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド_(41b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(15)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(15)];
3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(20)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(20)];
3-{1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド(23);
3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a);
3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(23)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(23)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド(35);
(+)-Ent-A-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(35)];
(-)-Ent-B-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(35)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(35)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(35)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(21);
rac-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-syn-21);
rac-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-anti-21);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-syn-21);
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-syn-21);
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-anti-21);
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-anti-21);
またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される少なくとも1つである、本発明1001の化合物。
[本発明1011]
少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、少なくとも1つの本発明1001~1010のいずれかの化合物とを含む、薬学的組成物。
[本発明1012]
対象において疼痛を処置および/または予防する方法であって、治療有効量の少なくとも1つの本発明1001~1010のいずれかの化合物および/または少なくとも1つの本発明1011の薬学的組成物を該対象に投与する段階を含む、方法。
[本発明1013]
前記少なくとも1つの化合物が、
3-(-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6);
(+)-Ent-A-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(6)];
(-)-Ent-B-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(6)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(6)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(6)];
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(11)];
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(11)];
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(11)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(11)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b);
(+)-Ent-A-anti-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(9)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(9)];
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13);
3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a);
3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(13)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(13)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(17)];
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(17)];
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(17)];
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(17)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(18)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(18)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15);
3-(3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a);
3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド_(41b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(15)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(15)];
3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20);
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(20)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(20)];
3-{1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド(23);
3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a);
3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(23)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(23)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド(35);
(+)-Ent-A-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(35)];
(-)-Ent-B-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(35)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(35)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(35)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(21);
rac-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-syn-21);
rac-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-anti-21);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-syn-21);
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-syn-21);
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-anti-21);
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-anti-21);
またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
前記少なくとも1つの化合物が、MORアゴニストである、本発明1012の方法。
[本発明1015]
前記少なくとも1つの化合物が、対象中の環状アデノシン一リン酸(cAMP)レベルを減少させる、本発明1012の方法。
[本発明1016]
前記少なくとも1つの化合物が、β-アレスチンの動員、β-アレスチンへの結合、またはβ-アレスチンとの会合を著しく誘導することがない、本発明1012の方法。
[本発明1017]
前記少なくとも1つの化合物が、タキフィラキシー、呼吸抑制、便秘、悪心、嘔吐、離脱症候、依存症、および嗜癖からなる群より選択される少なくとも1つの副作用を著しく引き起こすことがない、本発明1012の方法。
[本発明1018]
疼痛が慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、痛覚過敏、および/またはアロディニアを含む、本発明1012の方法。
[本発明1019]
対象が哺乳動物である、本発明1012の方法。
[本発明1020]
哺乳動物がヒトである、本発明1019の方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明を例示する目的で、本発明の特定の態様を図面に示す。しかし、本発明は、図面に示される態様の正確な配置および手段に限定されない。
【0017】
【
図1】モルヒネおよび例示的化合物(23a)の侵害受容鎮痛試験(ラットテールフリック、76℃、N=8)の結果を示すグラフである。図示されるエラーバー = 平均値の標準誤差。
【
図2】モルヒネおよび例示的化合物(41a)の侵害受容鎮痛試験(ラットテールフリック、76℃、N=8)の結果を示すグラフである。図示されるエラーバー = 平均値の標準誤差。
【
図3】モルヒネおよび例示的化合物(23a)の鎮静作用を評価する試験(ラット加速型ロータロッド、N=8)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図4】モルヒネおよび例示的化合物(41a)の鎮静作用を評価する試験(ラット加速ロータロッド、N=8)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図5】モルヒネおよび例示的化合物(23a)の胃腸運動試験(ラット炭末輸送、N=5)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図6】モルヒネおよび例示的化合物(41a)の胃腸運動試験(ラット炭末輸送、N=5)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図7】O
2分圧により測定されるモルヒネおよび例示的化合物(23a)の呼吸抑制試験(ラット、N=5)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図8】O
2分圧により測定されるモルヒネおよび例示的化合物(41a)の呼吸抑制試験(ラット、N=5)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図9】各区画内の平均時間により測定される、モルヒネ(5mg/kg SC)および例示的化合物(23a)(16.6mg/kg SC)の条件付け場所嗜好性試験(ラット、群当たりN=6~7)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図10】各区画内の平均時間により測定される、モルヒネ(5mg/kg SC)および例示的化合物(41a)(18.2mg/kg SC)の条件付け場所嗜好性試験(ラット、群当たりN=6~7)の結果を示す棒グラフである。*p<0.05。
【
図11】tert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートの(R)-O-アセチル-マンデル酸付加塩である化合物(4b) Ent-B-syn: {(3R,4S)-[1-tert-ブトキシカルボニル-4-(3-シアノフェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-3-イル]メチル-ジメチルアンモニウム}-(R)-2-アセトキシ-2-フェニルアセテートのX線構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
一局面では、本発明は、その必要がある対象において疼痛を処置および/または予防するために使用可能な、化合物、および該化合物を含む組成物に関する。特定の態様では、対象は哺乳動物である。他の態様では、哺乳動物はイヌまたはネコである。さらに他の態様では、哺乳動物はヒトである。
【0019】
特定の態様では、本発明の化合物はμオピオイド受容体(MOR)に結合する。他の態様では、本発明の化合物はμオピオイド受容体を活性化しかつ/またはμオピオイド受容体アゴニストとして作用する。さらに他の態様では、MORに結合するとき、本発明の化合物は、Gタンパク質シグナル伝達およびβ-アレスチンシグナル伝達などであるがそれに限定されない、細胞内応答として現れる特定の二次メッセンジャーシグナル伝達を誘導する。さらに他の態様では、MORに結合するとき、本発明の化合物は環状アデノシン一リン酸(cAMP)レベルを減少させる。
【0020】
特定の態様では、MORに結合するとき、本発明の化合物は、MORを活性化するかまたはMORアゴニストとして挙動し、Gタンパク質シグナル伝達などであるがそれに限定されない細胞内応答を誘導し、cAMPの減少を生じさせる。
【0021】
特定の態様では、本発明の化合物は、β-アレスチンの動員、β-アレスチンへの結合、および/またはβ-アレスチンとの会合などであるがそれに限定されない二次メッセンジャーシグナル伝達を著しく誘導することがない。より具体的には、本発明の化合物は、約1マイクロモルよりも高いβ-アレスチンの最大半量有効濃度(EC50)値を示し(EC50>1μM)、かつ/または、本明細書に記載のアッセイにより規定される、DAMGOとして知られる合成オピオイドペプチド(H-Tyr-D-Ala-Gly-NMe-Phe-Gly-OH; SEQ ID NO:1)により生成される最大応答の20%以下のβ-アレスチン活性を示す。特定の態様では、本発明の化合物は、例えばGiとして知られるタンパク質に関するGタンパク質動員およびGタンパク質結合などの細胞内応答を誘導し、cAMPレベルを減少させ、かつβ-アレスチンの動員、β-アレスチンへの結合、および/またはβ-アレスチンとの会合を著しく誘導することがない。
【0022】
特定の態様では、本発明の化合物は、例えばGiとして知られるタンパク質に関するGタンパク質動員およびGタンパク質結合などの細胞内応答を誘導し、cAMPの減少を生じさせ、かつβ-アレスチンの動員、β-アレスチンへの結合、および/またはβ-アレスチンとの会合を著しく誘導することがない。さらに他の態様では、本発明の化合物はGタンパク質バイアス(すなわちシグナル伝達経路選択的)アゴニストである。
【0023】
特定の態様では、本発明の化合物は対象において疼痛を軽減および/または緩和する。他の態様では、本発明の化合物は、バイアスのかかった(すなわちシグナル伝達経路選択的な)やり方でMORに結合することで、β-アレスチンの動員、β-アレスチンとの会合、および/もしくはβ-アレスチンとの相互作用を最小にしながら、またはそれを伴わずに、cAMPレベルを減少させる。
【0024】
特定の態様では、本発明の化合物は、呼吸抑制、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされる呼吸抑制を生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0025】
特定の態様では、本発明の化合物は、便秘、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされる便秘を生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0026】
特定の態様では、本発明の化合物は、悪心、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされる悪心を生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0027】
特定の態様では、本発明の化合物は、耐性、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされる耐性を著しく(または全く)生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0028】
特定の態様では、本発明の化合物は、タキフィラキシー、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされるタキフィラキシーを著しく(または全く)生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0029】
特定の態様では、本発明の化合物は、嘔吐、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされる嘔吐を生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0030】
特定の態様では、本発明の化合物は、離脱症候に伴う有害作用、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされるそれを生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0031】
特定の態様では、本発明の化合物は、依存症、例えばモルヒネならびに他の周知で広く使用されているオピオイドおよび麻薬により引き起こされる依存症を生じさせることなく疼痛を減少させる。
【0032】
特定の態様では、本発明の化合物は以下の現象のうち1つまたは複数を生じさせることなく疼痛を減少させる: 悪心、嘔吐、便秘、呼吸抑制、傾眠、耐性、タキフィラキシー、依存症、および/または嗜癖。
【0033】
本発明はさらに、本発明の化合物を投与することで疼痛軽減を実現する方法を提供する。特定の態様では、疼痛は慢性疼痛を含む。他の態様では、疼痛は神経障害性疼痛を含む。さらに他の態様では、疼痛は侵害受容性疼痛を含む。さらに他の態様では、疼痛は痛覚過敏を含む。さらに他の態様では、疼痛はアロディニアを含む。
【0034】
β-アレスチン経路に関する現代の理解よりも前に、7回膜貫通型(7-TM)受容体への結合の最適化を追求する多くのGPCRリガンドが開発された。予想通り、多くの広く使用されている治療薬は、乱交雑的であって、Gタンパク質経路およびβ-アレスチン経路の両方に関与することが現在知られている。例えば、古典的なプロトタイプMORアゴニストであるモルヒネは、Gタンパク質シグナル伝達を通じて鎮痛を生じさせる。しかし、この効果は、受容体の内部移行および脱感作を生じさせるβ-アレスチン誘導効果により治療的に「相殺される」ものであり、β-アレスチン誘導効果が生じさせる耐性により、鎮痛効果を維持するために用量の増加が必要になる。さらに、β-アレスチン誘導シグナル伝達は、便秘および呼吸抑制などのさらなるオンターゲット有害作用を生じさせる。
【0035】
β-アレスチン-2を欠くマウスは、野生型に比べて増進しかつ長期化した、耐性をほとんど伴わない鎮痛、ならびに減弱した呼吸抑制および急性便秘を示す。この知見は、Gタンパク質シグナル伝達を選択的に活性化するがβ-アレスチン媒介効果を示さないアゴニストが、古典的な有害作用プロファイルなしでモルヒネ様鎮痛を実現することができることを示唆している。細胞ベースアッセイにおいてGタンパク質シグナル伝達に対して選択的であって(EC50 = 8nM、Emax = モルヒネ比で83%)、β-アレスチン動員がごくわずかである(14% Emax)、バイアスMORアゴニストであるオリセリジン(oliceridine)またはN-[(3-メトキシチオフェン-2-イル)メチル]-2-[(9R)-9-ピリジン-2-イル-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル]エタンアミンは、健康ボランティアにおいてオンターゲット有害作用(例えば悪心、および呼吸ドライブの低下)の減少を示し、バニオン切除術後の患者においてより高レベルの鎮痛を生じさせた。本研究は、有害副作用を除去しながら所望の治療効果を維持し/向上させる、GPCRシグナル伝達に関するバイアスリガンドの力を実証する。
【0036】
特定の態様では、Gタンパク質またはβ-アレスチンを活性化する化合物の能力は、所与の経路のオン/オフスイッチではなく、むしろ継続的機能である。これを捕捉するために、β-アレスチン動員に関連する細胞アッセイおよびGタンパク質シグナル伝達に関連する細胞アッセイにおいて各化合物の活性を測定する。これら2つの測定(EC
50および最大到達応答E
maxの両方を明らかにする)の間で活性を比較することで、相対活性(RA)値を確定する。
【0037】
MORの場合、β-アレスチンの活性化を減少させながらGタンパク質経路の高度な活性化を行うことが望ましい。上記式の場合、これはより低いRA値を意味する。
【0038】
定義
本明細書において使用される以下の各用語は、本節においてそれに関連づけられる意味を有する。
【0039】
別途定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を一般に有する。一般に、本明細書において使用される命名法、ならびに動物薬理学、薬科学、分離科学、および有機化学における実験法は、当技術分野において周知でかつ一般的に使用されるものである。
【0040】
本明細書において使用される「a」および「an」という冠詞は、該冠詞の文法上の対象が1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)であることを意味する。例えば、「ある要素」とは1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0041】
本明細書において使用される「約」という用語は、当業者に理解されているものであり、それが使用される文脈によってある程度変動する。量、持続時間などの測定可能な値に言及する際に本明細書において使用される「約」という用語は、特定の値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらに好ましくは±1%、さらに好ましくは±0.1%の変動を、開示される方法を行う上でそのような変動が適切である場合に包含するように意図されている。
【0042】
一局面では、対象に関連する「同時投与される」および「同時投与」という用語は、本発明の化合物またはその塩を、本明細書において想定される任意の疾患もしくは障害をやはり処置可能な化合物と共に、かつ/または他の医学的状態を処置する上で有用だがそれ自体で本明細書において想定される任意の疾患もしくは障害を引き起こしうるかもしくは促進しうる化合物と共に、対象に投与することを意味する。特定の態様では、同時投与される化合物は、別々に、または単一の治療アプローチの一部として任意の種類の組み合わせで投与される。同時投与される化合物は、種々の固体製剤、ゲル製剤、および液体製剤に基づく固体および液体の混合物として、ならびに溶液として、任意の種類の組み合わせで製剤化されうる。
【0043】
本明細書において使用される「疾患」とは、対象が恒常性を維持することができず、疾患が寛解しなければ対象の健康が悪化し続ける、対象の健康状態のことである。
【0044】
本明細書において使用される、対象における「障害」とは、対象が恒常性を維持可能であるが、対象の健康状態が障害の非存在下の場合よりも好ましくない、健康状態のことである。処置されないままでも、障害は対象の健康状態のさらなる低下を必ずしも引き起こすわけではない。
【0045】
本明細書において使用される「ED50」という用語は、製剤が投与される対象において最大効果の50%を生じさせる該製剤の有効量を意味する。
【0046】
本明細書において使用される、化合物の「有効量」、「治療有効量」、または「薬学的有効量」とは、化合物が投与される対象に有益な効果を与えるために十分な化合物の量のことである。
【0047】
本明細書において使用される「説明用資材」という用語は、キット中の、本発明の組成物および/または化合物の有用性を伝達するために使用可能な刊行物、記録、図表、または任意の他の表現媒体を含む。キットの説明用資材は、例えば本発明の化合物および/または組成物を収容する容器に取り付けることができ、あるいは該化合物および/または組成物を収容する容器と共に輸送することができる。あるいは、説明用資材は、レシピエントが説明用資材および化合物を一体的に使用することを意図して、容器とは別に輸送してもよい。説明用資材の運搬は、例えばキットの有用性を伝達する刊行物または他の表現媒体の物理的運搬によるものでもよく、あるいは、例えばコンピュータによる電子的伝送、例えば電子メール、またはウェブサイトからのダウンロードによって実現してもよい。
【0048】
本明細書において使用される「薬学的組成物」または「組成物」という用語は、本発明の範囲内で有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体との混合物を意味する。薬学的組成物は、対象への化合物の投与を促進する。
【0049】
本明細書において使用される「薬学的に許容される」という用語は、本発明の範囲内で有用である化合物の生物活性または生物特性を抑止せず、相対的に無毒である、担体または希釈剤などの材料を意味し、すなわち、この材料は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、または組成物に含まれるそのいずれかの成分との有害な相互作用を起こすことなく、対象に投与可能である。
【0050】
本明細書において使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、本発明の範囲内で有用な化合物がその所期の機能を果たすことができるようにそれを対象内でまたは対象に運搬または輸送することに関与する、液体または固体の充填剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒、または封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物、または担体を意味する。通常、そのような構築物は1つの臓器または身体の一部分から別の臓器または身体の一部分に運搬または輸送される。各担体は、本発明の範囲内で有用な化合物を含む製剤の他の成分と適合性があって、対象に有害ではないという意味で、「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体の役割を果たしうる材料のいくつかの例としては、乳糖、グルコース、およびショ糖などの糖; コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン; セルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのその誘導体; トラガント末; 麦芽; ゼラチン; タルク; カカオバターおよび坐薬ワックスなどの賦形剤; ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油; プロピレングリコールなどのグリコール; グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール; オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル; 寒天; 水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤; 界面活性剤; アルギン酸; パイロジェンフリー水; 等張食塩水; リンゲル液; エチルアルコール; リン酸緩衝液; ならびに薬学的製剤に使用される他の無毒で適合性のある物質が挙げられる。本明細書において使用される「薬学的に許容される担体」は、本発明の範囲内で有用である化合物の活性と適合性があって、対象に生理学的に許容される、あらゆるコーティング、抗菌剤および抗真菌剤、ならびに吸収遅延剤なども含む。補足的な有効化合物を組成物に組み入れてもよい。「薬学的に許容される担体」は、本発明の範囲内で有用な化合物の薬学的に許容される塩をさらに含みうる。本発明の実施において使用される薬学的組成物に含まれうる他のさらなる成分は、当技術分野において公知であり、例えば参照により本明細書に組み入れられるRemington's Pharmaceutical Sciences (Genaro, Ed., Mack Publishing Co., 1985, Easton, PA)に記載されている。
【0051】
本明細書において使用される「薬学的に許容される塩」という語句は、無機酸、無機塩基、有機酸、有機塩基を含む薬学的に許容される無毒の酸および塩基から調製される投与化合物の塩、その溶媒和物、水和物、およびクラスレートを意味する。
【0052】
本明細書において使用される「予防する」、「予防すること」、または「予防」という用語は、疾患または状態に関連する症状の発症を、剤または化合物の投与を開始する時点では該症状を発生させていない対象において回避するかまたは遅延させることを意味する。本明細書において、疾患、状態、および障害は互換的に使用される。
【0053】
本明細書において使用される「特異的に結合する」という用語は、第1の分子が第2の分子(例えば特定の受容体または酵素)に優先的に結合するが、該第2の分子にのみ結合するわけでは必ずしもないことを意味する。
【0054】
本明細書において使用される「対象」はヒトもしくは非ヒト哺乳動物またはトリでありうる。非ヒト哺乳動物としては例えばヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、およびマウス哺乳動物などの家畜およびペットが挙げられる。特定の態様では、対象はヒトである。
【0055】
本明細書において使用される「処置する」、「処置すること」、または「処置」という用語は、対象が経験する疾患または状態の症状の頻度または重症度を、対象に剤または化合物を投与することで減少させることを意味する。
【0056】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、別途記載がない限り、指定される数の炭素原子を有する(すなわちC1~C10とは1~10個の炭素原子を意味する)直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味し、直鎖、分岐鎖、または環状の置換基を含む。例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、およびシクロプロピルメチルが挙げられる。エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルおよびシクロプロピルメチルなどであるがそれに限定されない(C1~C6)アルキルが最も好ましい。
【0057】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の置換基の一部としての「アルキレン」という用語は、別途記載がない限り、2個の開放結合価を有する、指定される数の炭素原子を有する(すなわちC1~C10とは1~10個の炭素原子を意味する)直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、直鎖、分岐鎖、または環状の置換基を含む。例としてはメチレン、1,2-エチレン、1,1-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、および1,3-プロピレンが挙げられる。
【0058】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の置換基の一部としての「シクロアルキル」という用語は、別途記載がない限り、指定される数の炭素原子を有する(すなわちC3~C6とは、3~6個の炭素原子からなる環基を含む環状基を意味する)環状鎖の炭化水素を意味し、直鎖、分岐鎖、または環状の置換基を含む。例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどであるがそれに限定されない(C3~C6)シクロアルキルが最も好ましい。
【0059】
本明細書において使用される、単独でまたは他の用語との組み合わせで使用される「アルケニル」という用語は、別途記載がない限り、記載される数の炭素原子を有する安定な一不飽和または二不飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。例としてはビニル、プロペニル(またはアリル)、クロチル、イソペンテニル、ブタジエニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。アルケンを表す官能基は-CH2-CH=CH2によって例示される。
【0060】
本明細書において使用される、単独でまたは他の用語との組み合わせで使用される「アルキニル」という用語は、別途記載がない限り、記載される数の炭素原子を有する三重炭素-炭素結合を伴う安定な直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。非限定的な例としてはエチニルおよびプロピニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。「プロパルギル」という用語は、-CH2-C≡CHによって例示される基を意味する。「ホモプロパルギル」という用語は、-CH2CH2-C≡CHによって例示される基を意味する。「置換プロパルギル」という用語は、-CR2-C≡CRによって例示される基を意味し、ここでRはそれぞれの場合で独立してH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、または置換アルケニルであるが、ただし、少なくとも1個のR基は水素ではない。「置換ホモプロパルギル」という用語は、-CR2CR2-C≡CRによって例示される基を意味し、ここでRはそれぞれの場合で独立してH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、または置換アルケニルであるが、ただし、少なくとも1個のR基は水素ではない。
【0061】
本明細書において使用される「置換アルキル」、「置換シクロアルキル」、「置換アルケニル」、または「置換アルキニル」という用語は、ハロゲン、アルコキシ、テトラヒドロ-2-H-ピラニル、-NH2、-N(CH3)2、(1-メチル-イミダゾール-2-イル)、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、-C(=O)OH、トリフルオロメチル、-C≡N、-C(=O)O(C1~C4)アルキル、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(C1~C4)アルキル、-C(=O)N((C1~C4)アルキル)2、-SO2NH2、-C(=NH)NH2、および-NO2からなる群より選択される1個、2個、または3個の置換基で置換され、好ましくは、ハロゲン、-OH、アルコキシ、-NH2、トリフルオロメチル、-N(CH3)2、および-C(=O)OHより選択され、より好ましくはハロゲン、アルコキシ、および-OHより選択される1個または2個の置換基を含む、上記定義のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、またはアルキニルを意味する。置換アルキルの例としては2,2-ジフルオロプロピル、2-カルボキシシクロペンチル、および3-クロロプロピルが挙げられるがそれに限定されない。特定の態様では、置換アルキルはヒドロキシ基で置換されていない。
【0062】
本明細書において使用される、単独でまたは他の用語との組み合わせで使用される「アルコキシ」という用語は、別途記載がない限り、酸素原子によって分子の残りに接続された、指定される数の炭素原子を有する上記定義のアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ(イソプロポキシ)、ならびに高級同族体および異性体を意味する。エトキシおよびメトキシなどであるがそれに限定されない(C1~C3)アルコキシが好ましい。
【0063】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の置換基の一部としての「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、別途記載がない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素、または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を意味する。
【0064】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の用語との組み合わせでの「ヘテロアルキル」という用語は、別途記載がない限り、記載される数の炭素原子とO、N、およびSからなる群より選択される1個または2個のヘテロ原子とからなり、窒素原子および硫黄原子が酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が四級化されていてもよい、安定な直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の残りとヘテロアルキル基が結合している断片との間を含むヘテロアルキル基の任意の位置に配置されうるし、かつ、ヘテロアルキル基の最も遠位の炭素原子に結合しうる。例としては-O-CH2-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、および-CH2CH2-S(=O)-CH3が挙げられる。例えば-CH2-NH-OCH3または-CH2-CH2-S-S-CH3などのように最大2個のヘテロ原子が連続的であってもよい。
【0065】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の用語との組み合わせでの「ヘテロアルケニル」という用語は、別途記載がない限り、記載される数の炭素原子とO、N、およびSからなる群より選択される1個または2個のヘテロ原子とからなり、窒素原子および硫黄原子が酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が四級化されていてもよい、安定な直鎖または分岐鎖の一不飽和または二不飽和のアルキル基を意味する。最大2個のヘテロ原子が連続的に配置されうる。例としては-CH=CH-O-CH3、-CH=CH-CH2-OH、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、および-CH2-CH=CH-CH2-SHが挙げられる。
【0066】
本明細書において使用される「芳香族」という用語は、1個または複数のポリ不飽和環を有しかつ芳香族性を有する、すなわちnが整数である(4n+2)個の非局在化π(パイ)電子を有する、炭素環または複素環を意味する。
【0067】
本明細書において使用される、単独でまたは他の用語との組み合わせで使用される「アリール」という用語は、別途記載がない限り、1個または複数の環(通常は1個、2個、または3個の環)を含む炭素環式芳香族系を意味し、ここで、当該の環はビフェニルのようにペンダント式で一緒に結合してもよければ、ナフタレンのように縮合してもよい。例としてはフェニル、アントラシル、およびナフチルが挙げられる。フェニルおよびナフチルが好ましく、フェニルが最も好ましい。
【0068】
本明細書において使用される「アリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、炭素数1~3のアルキレン鎖がアリール基に結合した官能基、例えば-CH2CH2-フェニルまたは-CH2-フェニル(ベンジル)を意味する。アリール-CH2-およびアリール-CH(CH3)-が好ましい。「置換アリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、アリール基が置換されたアリール-(C1~C3)アルキル官能基を意味する。置換アリール(CH2)-が好ましい。同様に、「ヘテロアリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、炭素数1~3のアルキレン鎖がヘテロアリール基に結合した官能基、例えば-CH2CH2-ピリジルを意味する。ヘテロアリール-(CH2)-が好ましい。「置換ヘテロアリール-(C1~C3)アルキル」という用語は、ヘテロアリール基が置換されたヘテロアリール-(C1~C3)アルキル官能基を意味する。置換ヘテロアリール-(CH2)-が好ましい。
【0069】
本明細書において使用される、単独でのまたは別の置換基の一部としての「複素環」または「ヘテロシクリル」または「複素環式」という用語は、別途記載がない限り、炭素原子とN、O、およびSからなる群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子とからなり、窒素および硫黄ヘテロ原子が酸化されていてもよく、窒素原子が四級化されていてもよい、非置換または置換の安定な単環式または多環式の複素環系を意味する。複素環系は、別途記載がない限り、安定な構造を与える任意のヘテロ原子または炭素原子において結合しうる。複素環は芳香族性または非芳香族性でありうる。特定の態様では、複素環はヘテロアリールである。
【0070】
本明細書において使用される「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」という用語は、芳香族性を有する複素環を意味する。多環式ヘテロアリールは、部分飽和の1個または複数の環を含みうる。例としてはテトラヒドロキノリンおよび2,3-ジヒドロベンゾフリルが挙げられる。
【0071】
非芳香族複素環の例としてはアジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ジオキソラン、スルホラン、2,3-ジヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、1,4-ジヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、2,3-ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、1,3-ジオキセパン、4,7-ジヒドロ-1,3-ジオキセピン、およびヘキサメチレンオキシドなどの単環式基が挙げられる。
【0072】
ヘテロアリール基の例としてはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(2-および4-ピリミジニルなどであるがそれに限定されない)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、ならびに1,3,4-オキサジアゾリルが挙げられる。
【0073】
多環式複素環の例としてはインドリル(3-、4-、5-、6-、および7-インドリルなどであるがそれに限定されない)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(1-および5-イソキノリルなどであるがそれに限定されない)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル(2-および5-キノキサリニルなどであるがそれに限定されない)、キナゾリニル、フタラジニル、1,8-ナフチリジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5-ナフチリジニル、ベンゾフリル(3-、4-、5-、6-、および7-ベンゾフリルなどであるがそれに限定されない)、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,2-ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチエニル(3-、4-、5-、6-、および7-ベンゾチエニルなどであるがそれに限定されない)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(2-ベンゾチアゾリルおよび5-ベンゾチアゾリルなどであるがそれに限定されない)、プリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジジニル、ならびにキノリジジニルが挙げられる。
【0074】
ヘテロシクリル部分およびヘテロアリール部分の上述のリストは、代表的であるように意図されており、限定的であるようには意図されていない。
【0075】
本明細書において使用される「置換された」という用語は、原子または原子群が水素を、別の基に結合した置換基として置き換えたことを意味する。
【0076】
アリール基、アリール-(C1~C3)アルキル基、およびヘテロシクリル基では、これらの基の環に適用される「置換された」という用語は、任意の許容される置換レベル、すなわち一置換、二置換、三置換、四置換、または五置換を意味する。置換基は独立して選択されるものであり、置換は任意の化学的に利用可能な位置に存在しうる。特定の態様では、置換基の数は1個から4個まで変動する。他の態様では、置換基の数は1個から3個まで変動する。さらに他の態様では、置換基の数は1個から2個まで変動する。さらに他の態様では、置換基は独立してC1~6アルキル、-OH、C1~6アルコキシ、ハロ、アミノ、アセトアミド、およびニトロからなる群より選択される。本明細書において使用される置換基がアルキル基またはアルコキシ基である場合、炭素鎖は分岐鎖、直鎖、または環状鎖であることができ、直鎖が好ましい。
【0077】
以下の略語が本明細書において使用される: β-アレスチン: β-アレスチン-2(タンパク質); C: 炭素; cAMP: 環状アデノシン一リン酸; DCM(またはCH2Cl2): 塩化メチレン(ジクロロメタン); DIPEA: N,N-ジイソプロピルエチルアミン; EC50: 最大半量(50%)有効濃度; EMAX: 最大応答; ESI: エレクトロスプレーイオン化; EtOAc: 酢酸エチル; GPCR: Gタンパク質共役受容体; HCl: 塩酸; K2CO3: 炭酸カリウム; KOH: 水酸化カリウム; MeCN(またはCH3CN): アセトニトリル; MHz: メガヘルツ; MOR: μオピオイド受容体; MS: 質量分析; NH4Cl: 塩化アンモニウム; NH4OH: 水酸化アンモニウム(溶液); n-BuLi: n-ブチルリチウム; nc: 計算せず; nd: 行わず(実行せず); NMR: 核磁気共鳴; PE: 石油エーテル; RA: 相対活性; TEA: トリメチルアミン。
【0078】
本開示を通じて、本発明の様々な局面を範囲という形で提示することができる。範囲という形での記述が、単に便宜および簡潔さを目的としており、本発明の範囲に対する硬直的な制限と解釈されるべきではないということを理解すべきである。したがって、範囲に関する記述は、すべての可能な部分範囲、およびその範囲内の個々の数値、ならびに適切であれば範囲内の数値の非整数を具体的に開示したものと見なすべきである。例えば、1~6などの範囲に関する記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6を具体的に開示したものと考えるべきである。このことは範囲の幅に関係なく適用される。
【0079】
化合物および組成物
本発明は、式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含む組成物、またはその塩、溶媒和物、ラセミ体、鏡像異性体、ラセミジアステレオ異性体、単一のジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体を含む:
式中、
Lは-(CZ
1Z
2)-、-(CZ
1Z
2-CZ
1Z
2)-、および-(CZ
1Z
2-CZ
1Z
2-CZ
1Z
2)-(-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CHZ
2-CH
2-、-CH
2-CHZ
2-、-CHZ
2-CHZ
2-、-CZ
1Z
2-CH
2-、-CH
2-CZ
1Z
2-、-CZ
1Z
2-CHZ-、-CHZ
2-CZ
1Z
2-、-CZ
1Z
2-CZ
1Z
2-、-CH
2-CH
2-CH
2、-CHZ
2-CH
2-CH
2、-CH
2-CHZ
2-CH
2、-CH
2-CH
2-CHZ
2-、-CZ
1Z
2-CH
2-CH
2、-CH
2-CZ
1Z
2-CH
2、および/または-CH
2-CH
2-CZ
1Z
2などであるがそれに限定されない)からなる群より選択され;
R
1は
からなる群より選択され;
R
2は水素、C
1~C
6アルキル、および置換C
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
R
3は水素、メチル、およびエチルからなる群より選択され;
R
4はメチルおよびエチルからなる群より選択され;
R
5はメチルおよびエチルからなる群より選択され;
R
6はHおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
Z
1およびZ
2はそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、およびメチルからなる群より選択され;
XはS、O、およびN-R
7からなる群より選択され;
Rはそれぞれの場合で独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、アルキニル、置換C
2~C
6アルキニル、フェニル、置換フェニル、-COOR
7、およびカルボキサミドからなる群より選択され;
あるいは、-L-R
1は一緒になってH、C
1~C
6アルキル、または置換C
1~C
6アルキル(シクロプロピルメチルなどであるがそれに限定されない)を形成し;
pはそれぞれの場合で独立して0、1、2、および3からなる群より選択され;
R
7はそれぞれの場合で独立して水素およびC
1~C
6アルキルからなる群より選択される。
【0080】
特定の態様では、R2およびR3は水素である。
【0081】
特定の態様では、R4およびR5はメチルである。
【0082】
特定の態様では、R6は水素およびメチルからなる群より選択される。他の態様では、R6は水素である。さらに他の態様では、R6はメチルである。
【0083】
特定の態様では、Lはメチレン(-CH2-)および1,2-エチレン(-CH2-CH2-)からなる群より選択される。他の態様では、Lはメチレン(-CH2-)である。さらに他の態様では、Lは1,2-エチレン(-CH2-CH2-)である。さらに他の態様では、Lは1,3-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)である。
【0084】
特定の態様では、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換3-ピリジニルからなる群より選択される。
【0085】
特定の態様では、R2およびR3は水素であり、R4およびR5はメチルであり、R6は水素またはメチルであり、Lはメチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、または1,3-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)であり、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、または置換3-ピリジニルである。
【0086】
特定の態様では、R2およびR3は水素であり、R4およびR5はメチルであり、R6は水素またはメチルであり、Lはエチレン(-CH2-CH2-)であり、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、または置換3-ピリジニルである。
【0087】
特定の態様では、R2およびR3は水素であり、R4およびR5はメチルであり、R6は水素であり、Lは1,2-エチレン(-CH2-CH2-)であり、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、または置換3-ピリジニルである。
【0088】
特定の態様では、R2およびR3は水素であり、R4およびR5はメチルであり、R6は水素またはメチルであり、Lは1,3-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)であり、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、または置換3-ピリジニルである。
【0089】
特定の態様では、R2およびR3は水素であり、R4およびR5はメチルであり、R6は水素であり、Lは1,3-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)であり、R1はフェニル、チエニル、フラニル、3-ピリジニル、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、または置換3-ピリジニルである。
【0090】
特定の態様では、各置換フェニルは独立して、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、-N(R')(R')、-OR'、-COOH、-COO(C1~C6アルキル)、およびカルボキサミドからなる群より選択される少なくとも1個で置換されており、ここでR'はそれぞれの場合で独立してHまたはC1~C6アルキルである。
【0091】
特定の態様では、各置換フェニルは独立して2-クロロ-4-フルオロ-フェニル、4-ヒドロキシ-フェニル、および4-メトキシ-フェニルからなる群より選択される。
【0092】
特定の態様では、各置換3-ピリジニルは5-ハロ-3-ピリジニルである。
【0093】
特定の態様では、チエニル置換基は2-チエニルである。
【0094】
特定の態様では、各置換アルキル、置換アルケニル、および/または置換アルキニルは独立して、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ハロアルコキシ、ハロ、-OR'、フェニル(したがって、非限定的な例では、ベンジルまたは置換ベンジルなどであるがそれに限定されない、置換されていてもよいフェニル-(C1~C3アルキル)を生じさせる)、および-N(R')(R')からなる群より選択される少なくとも1個の置換基で置換されており、ここでR'はそれぞれの場合で独立してHまたはC1~C6アルキルである。
【0095】
本発明の化合物は少なくとも2個の立体中心を有し(ピペリジニル環の3位および4位)、各立体中心は独立して(R)配置または(S)配置で存在しうる。特定の態様では、本発明の化合物は4つのジアステレオ異性体の混合物として存在する。特定の態様では、本発明の化合物は2つのジアステレオ異性体の混合物として存在する。特定の態様では、2つのジアステレオ異性体は互いの鏡像である。特定の態様では、本発明の化合物は2つのジアステレオ異性体のラセミ混合物として存在する。特定の態様では、本発明の化合物は純粋なジアステレオ異性体として存在する。
【0096】
特定の態様では、-O-R6基および-CH2-NR4R5基はピペリジニル環の同じ面に位置する(本明細書においてはsyn配置として知られる)。特定の態様では、-O-R6基および-CH2-NR4R5基はピペリジニル環の反対面に位置する(anti配置として知られる)。本開示では、別途記載がない限り、synおよびantiという用語は、本発明の化合物中の-O-R6基と-CH2-NR4R5基との間の関係性に関する。
【0097】
本発明の化合物のすべてのジアステレオ異性体、ラセミ体、単一のジアステレオ異性体、およびそれらのすべてのありうる混合物が本明細書において想定される。
【0098】
特定の態様では、本化合物は
、またはその塩もしくは溶媒和物である。特定の態様では、本化合物は
、またはその塩もしくは溶媒和物である。特定の態様では、本化合物は
、またはその塩もしくは溶媒和物である。特定の態様では、本化合物は
、またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0099】
本明細書に別途記載がない限り、ジアステレオ異性的に純粋な各化合物はEntと記述される。互いの鏡像であるジアステレオ異性的に純粋な2つの化合物が存在する場合、それらはEnt-AおよびEnt-Bと記述され、ここでEnt-AおよびEnt-Bという用語は任意の絶対立体化学配置を示唆するようには意図されていない。同様に、本明細書に示される特定の構造は、指示される通り、絶対立体化学配置を示唆するようには意図されておらず、むしろ、化合物構造中のキラル中心の相対配置を示すだけである。
【0100】
非限定的な例では、Ent-A-syn-(I)およびEnt-B-syn-(I)である本発明の化合物は、以下の一対の構造により記述され、したがって、Ent-A-syn-(I)は当該構造のうち一方に対応し、Ent-B-syn-(I)は他方に対応する。
【0101】
Ent-A-syn-(I)およびEnt-B-syn-(I)の50:50混合物はrac-synと示される。
【0102】
非限定的な例では、Ent-A-anti-(I)およびEnt-B-anti-(I)である本発明の化合物は、以下の一対の構造により記述され、したがって、Ent-A-anti-(I)は当該構造のうち一方に対応し、Ent-B-anti-(I)は他方に対応する。
【0103】
Ent-A-ant-(I)およびEnt-B-anti-(I)の50:50混合物はrac-antiと示される。
【0104】
本明細書において使用される「(+)」という用語は、本発明の右旋性化合物を記述し、「(-)」という用語は、本発明の左旋性化合物を記述する。
【0105】
特定の態様では、本発明の化合物は、
3-(-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6)
;
(+)-Ent-A-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(6)];
(-)-Ent-B-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(6)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(6)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(6)];
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11)
;
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(11)];
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(11)];
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(11)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[(チオフェン-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(11)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド
;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b);
(+)-Ent-A-anti-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[(5-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9)
;
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(45b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(9)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(9)];
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13)
;
3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a);
3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(13)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)エチル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(13)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17)
;
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(17)];
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(17)];
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(17)];
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(17)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18)
;
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(38b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(18)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(18)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15)
;
3-(3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a);
3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド_(41b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(15)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-[2-(チオフェン-3-イル)エチル]ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(15)];
3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20)
;
(+)-Ent-A-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44a);
(-)-Ent-B-syn-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド(44b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(20)];
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(20)];
3-{1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド(23)
;
3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a);
3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b);
(+)-Ent-A-anti-3-[1-[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル]-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(23)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(23)];
3-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル}ベンズアミド
;
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a);
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b);
(+)-Ent-A-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
(-)-Ent-B-anti-3-[3-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-[3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド;
3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド
;
(+)-Ent-A-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-syn-(35)];
(-)-Ent-B-syn-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-syn-(35)];
(+)-Ent-A-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(+)-Ent-A-anti-(35)];
(-)-Ent-B-anti-3-[1-(シクロプロピルメチル)-3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル]ベンズアミド[(-)-Ent-B-anti-(35)];
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド
;
rac-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-syn-21);
rac-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(rac-anti-21);
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-syn-21);
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-syn-21);
(+)-Ent-A-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((+)-Ent-A-anti-21);
(-)-Ent-B-anti-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド((-)-Ent-B-anti-21);
またはその塩、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および/もしくは互変異性体、ならびにそれらの任意の混合物からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0106】
特定の態様では、本明細書に記載の化合物は光学活性体またはラセミ体として存在する。本明細書に記載の化合物が、本明細書に記載の治療上有用な特性を有するラセミ体、光学活性体、位置異性体、および立体異性体、またはその組み合わせを包含するということを理解すべきである。光学活性体の調製は、再結晶技術によるラセミ体の分割、光学活性出発原料からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフィー分離を非限定的な例として含む任意の好適な様式で実現される。特定の態様では、1つまたは複数の異性体の混合物が、本明細書に記載の治療用化合物として利用される。他の態様では、本明細書に記載の化合物は1個または複数のキラル中心を含む。これらの化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体の混合物の立体選択的合成、エナンチオ選択的合成、および/または分離を含む任意の手段によって調製される。化合物およびその異性体の分割は、化学的プロセス、酵素的プロセス、分別結晶化、蒸留、およびクロマトグラフィーを非限定的な例として含む任意の手段によって実現される。キラル中心を含む所与の化合物のすべてのありうる立体化学配置が想定される。特定の鏡像異性体またはジアステレオ異性体に富んだすべてのありうる混合物が想定される。すべての純粋な個々の鏡像異性体またはジアステレオ異性体が想定される。
【0107】
本明細書に記載の方法および製剤は、本発明の任意の化合物の構造を有する化合物のN-オキシド(適切であれば)、結晶形(多形としても知られる)、溶媒和物、非晶相、および/または薬学的に許容される塩、ならびに同種の活性を示すこれらの化合物の代謝産物および活性代謝産物の使用を含む。溶媒和物としては水、エーテル(例えばテトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル)またはアルコール(例えばエタノール)の溶媒和物や、酢酸エステルなどが挙げられる。特定の態様では、本明細書に記載の化合物は、水およびエタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形で存在する。他の態様では、本明細書に記載の化合物は非溶媒和形で存在する。
【0108】
特定の態様では、本発明の化合物は互変異性体として存在しうる。「互変異性化」は、結合順序の変化、多くの場合では単結合と隣接する二重結合との交換に伴う、プロトンの移動を包含する、異性化の一形態である。互変異性化が可能である場合(例えば溶液中で)、互変異性体の化学平衡に到達することができる。互変異性化の周知の一例は、ケトンとその対応するエノールとの間の互変異性化である。複素環は、ピロリジノンとヒドロキシピロールとの相互変換などの互変異性体を形成しうる。すべての互変異性体は、本明細書において提示される化合物の範囲内に含まれる。
【0109】
特定の態様では、本明細書に記載の化合物はプロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」とは、インビボで親薬物に変換される剤を意味する。特定の態様では、インビボ投与時に、プロドラッグは本化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態に化学変換される。他の態様では、プロドラッグは1つまたは複数の段階またはプロセスによって本化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態に酵素代謝される。
【0110】
特定の態様では、本発明の化合物の例えば芳香環部分上の部位は様々な代謝反応を受けやすい。芳香環構造上に適切な置換基を組み込むことで、この代謝経路を減少させ、最小化し、または排除することができる。特定の態様では、芳香環の代謝反応の受けやすさを減少させるかまたは排除するために適切な置換基は、単なる例として重水素、ハロゲン、またはアルキル基である。
【0111】
本明細書に記載の化合物は、同一の原子数を有するが自然界に通常見られる原子質量または原子質量数とは異なる原子質量または原子質量数を有する原子で1個または複数の原子が置き換えられた、同位体標識化合物も含む。本明細書に記載の化合物に好適に含まれる同位体の例としては2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32P、および35Sが挙げられるがそれに限定されない。特定の態様では、同位体標識化合物は薬物分布試験および/または基質組織分布試験において有用である。他の態様では、重水素などの重同位体による置換によって、代謝安定性の増大(例えばインビボ半減期の増加または所要投与量の減少)が得られる。さらに他の態様では、11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出断層撮影(PET)試験において有用である。同位体標識化合物は、任意の好適な方法によって、または別途使用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用するプロセスによって調製される。
【0112】
特定の態様では、本明細書に記載の化合物は、発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識、または化学発光標識の使用を含むがそれに限定されない他の手段によって標識されている。
【0113】
特定の態様では、本発明の化合物は酸または塩基を形成しうる。特定の態様では、本発明は酸付加塩を想定する。他の態様では、本発明は塩基付加塩を想定する。さらに他の態様では、本発明は薬学的に許容される酸付加塩を想定する。さらに他の態様では、本発明は薬学的に許容される塩基付加塩を想定する。薬学的に許容される塩とは、毒性でないかまたは他の意味で生物学的に望ましくないことがない、塩基または酸の塩を意味する。
【0114】
好適な薬学的に許容される酸付加塩は無機酸または有機酸から調製可能である。無機酸の例としては塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸(硫酸塩および硫酸水素塩を含む)、ならびにリン酸(リン酸水素塩およびリン酸二水素塩を含む)が挙げられる。適切な有機酸は脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環、カルボン酸、およびスルホン酸クラスの有機酸より選択可能であり、その例としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、マロン酸、サッカリン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸、およびガラクツロン酸が挙げられる。
【0115】
例えば、本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩基付加塩としては、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、銅塩、鉄塩、および亜鉛塩などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、および遷移金属塩を含む金属塩が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩としては、例えばN,N'-ジベンジルエチレン-ジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、およびプロカインなどの塩基性アミンから作製される有機塩も挙げられる。すべてのこれらの塩は、対応する化合物から、例えば適切な酸または塩基と該化合物とを反応させることで調製可能である。
【0116】
本明細書に記載の化合物、および異なる置換基を有する他の関連化合物は、本明細書に記載の技術および材料を使用して、かつFieser & Fieser's Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991); Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989); Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991)、Larock's Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)、March, Advanced Organic Chemistry 4th Ed., (Wiley 1992); Carey & Sundberg, Advanced Organic Chemistry 4th Ed., Vols. A and B (Plenum 2000,2001)およびGreen & Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Ed., (Wiley 1999)(いずれもその開示が参照により組み入れられる)に例えば記載のように合成される。本明細書に記載の化合物の調製のための一般的方法は、本明細書に示される式に見られる様々な部分を導入するために、適切な試薬および条件の使用によって修正される。
【0117】
本明細書に記載の化合物は、商業的供給源から入手可能な化合物から出発する任意の好適な手順を使用して合成されるか、または本明細書に記載の手順を使用して調製される。
【0118】
特定の態様では、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、チオ基、またはカルボキシ基などの反応性官能基が、反応に対するそれらの望ましくない関与を回避するために保護される。保護基は、一部または全部の反応性部分をブロックして、当該の基が化学反応に関与することを保護基が除去されるまで防止するために使用される。他の態様では、各保護基は異なる手段によって除去可能である。完全に異なる反応条件下で開裂する保護基によって、差次的除去の必要性が満たされる。
【0119】
特定の態様では、保護基は酸、塩基、還元条件(例えば水素化分解)、および/または酸化条件によって除去される。トリチル、ジメトキシトリチル、アセタール、およびt-ブチルジメチルシリルなどの基は、酸不安定性であり、また、水素化分解で除去可能なCbz基で保護されたアミノ基、および塩基不安定性のFmoc基で保護されたアミノ基の存在下でカルボキシ反応性部分およびヒドロキシ反応性部分を保護するために使用される。カルボン酸反応性部分およびヒドロキシ反応性部分は、t-ブチルカルバメートなどの酸不安定性基でブロックされたアミンの存在下でメチル、エチル、およびアセチルなどであるがそれに限定されない塩基不安定性基でブロックされるか、または酸安定性かつ塩基安定性であるが加水分解で除去可能なカルバメートでブロックされる。
【0120】
特定の態様では、カルボン酸反応性部分およびヒドロキシ反応性部分はベンジル基などの加水分解で除去可能な保護基でブロックされ、一方、酸との水素結合が可能なアミン基はFmocなどの塩基不安定性基でブロックされる。カルボン酸反応性部分は、アルキルエステルへの変換を含む本明細書に例示される単純エステル化合物への変換によって保護されるか、または2,4-ジメトキシベンジルなどの酸化で除去可能な保護基でブロックされ、一方、同時に存在するアミノ基はフッ化物不安定性シリルカルバメートでブロックされる。
【0121】
アリルブロッキング基は酸保護基および塩基保護基の存在下で有用である。というのも、前者が安定であり、引き続き金属触媒またはπ酸触媒によって除去されるためである。例えば、アリルブロッキングカルボン酸は、酸不安定性t-ブチルカルバメートまたは塩基不安定性アセテートアミン保護基の存在下でパラジウム触媒反応によって脱保護される。保護基のさらに別の形態は、化合物または中間体がそこに結合する樹脂である。残基が樹脂に結合する限り、その官能基はブロックされて反応しない。樹脂から放出されたときに官能基は反応に利用可能になる。
【0122】
通常、ブロッキング基/保護基は以下より選択されうる。
【0123】
他の保護基は、保護基の創製および除去に適用可能な技術の詳細な説明と併せて、その開示が参照により本明細書に組み入れられるGreene & Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, NY, 1999およびKocienski, Protective Groups, Thieme Verlag, New York, NY, 1994に記載されている。
【0124】
特定の態様では、本発明の化合物を以下の一般的スキームに従って調製することができる。図、スキーム、および/または説明において示される化合物名および/または図面が、関心対象の化合物の様々な置換基の相対または絶対立体化学配置を適宜示すということに留意すべきである。別途記載がない限り、化合物の絶対立体化学配置が使用される場合、本明細書に示される化合物名および/またはその構造を通じて示される。化合物の化学構造がそのまま記述される場合、相対立体化学配置のみを表すように示されうるものであり、該化合物の絶対立体化学配置を示すものと解釈されるべきではない。
【0125】
特定の態様では、N-保護ピペリジン-4-オン(A)を第二級アミンおよびホルムアルデヒドと反応させ(マンニッヒ条件下で)、またはジメチルメチレンインモニウムクロリドなどであるがそれに限定されないジアルキルメチレンインモニウム塩と直接反応させることでN-保護3-(ジアルキルアミノ)メチル-ピペリジン-4-オン(B)を得る。これとは別に、3-ヨードベンゾニトリルなどであるがそれに限定されないヨードアリールニトリルと、マグネシウム金属、またはn-ブチルリチウムなどであるがそれに限定されないアルキルリチウム種とを、無水条件および不活性雰囲気下、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどであるがそれに限定されない不活性溶媒中で反応させることで、対応する3-シアノフェニル-マグネシウムブロミドまたは3-シアノ-フェニル-リチウム(C)をそれぞれ生成する。-78℃などであるがそれに限定されない低温でN-保護3-(ジアルキルアミノ)メチル-ピペリジン-4-オン(B)を3-シアノ-フェニル-リチウム(C)に加えることで、N-保護4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン(D)を得る。適切な条件下でanti-ジアルキルアミノ-アルコール生成物(D-anti)よりもsyn-ジアルキルアミノ-アルコール生成物(D-syn)の方をジアステレオ異性的に富化することができる。N-保護基の除去、例えばそれぞれ酸加水分解もしくは塩基加水分解または水素付加によるtert-ブチルオキシカルボニル(N-BOC)またはベンジル(N-Bn)の開裂によって4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン(E)を得る。ピペリジンN-HのN-アルキル化を好適なアミン塩基の存在下でのハロゲン化ベンジルまたはフェネチルとの反応により達成することで、対応するN-ベンジル-またはN-フェネチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン(F)を得ることができる。あるいは、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下でのベンズアルデヒドまたはアリール-アセトアルデヒドとの反応による還元的アルキル化により、4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン(E)をN-アルキル化することもできる。例えば水酸化物との反応によるN-ベンジル-またはN-フェネチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン(F)の塩基加水分解によりニトリル官能基をカルボキサミドに変換することで3-(1-ベンジルまたはフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(G)を生成する。塩酸などであるがそれに限定されない強酸との反応により、3-(1-ベンジルまたはフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(Ga)などであるがそれに限定されない対応する酸付加塩を得る(スキーム1)。
【0126】
【0127】
特定の態様では、rac-syn-(D)およびrac-anti-(D)などのラセミsyn-アミノ-アルコールおよびanti-アミノ-アルコールジアステレオ異性体生成物の混合物を形成し、キラル酸付加塩の結晶化、クロマトグラフィー、または分割などであるがそれに限定されない分離方法を使用して精製することで、純粋なラセミジアステレオ異性体rac-syn-(D)を得る(スキーム2)。
【0128】
特定の態様では、rac-syn-(D)およびrac-anti-(D)などのラセミsyn-アミノ-アルコールおよびanti-アミノ-アルコールジアステレオ異性体生成物の混合物を形成し、キラル酸付加塩(ent-A-anti-(D)およびent-B-anti-(D))の結晶化、クロマトグラフィー、または分割などであるがそれに限定されない分離方法を使用して精製することで、純粋なラセミジアステレオ異性体rac-anti-(D)を得る。
【0129】
特定の態様では、rac-(G)などのラセミジアステレオ異性体生成物を得て、キラル酸付加塩の結晶化、クロマトグラフィー、または分割などであるがそれに限定されない分離方法により精製することで、純粋な単一のジアステレオ異性体ent-A-syn-(G)またはent-B-syn-(G)を得る(スキーム3)。
【0130】
【0131】
【0132】
投与/投与量/製剤
本発明はまた、薬学的組成物およびそれらの使用方法を包含する。これらの薬学的組成物は、有効成分(1つもしくは複数の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩でありうる)を、場合によっては1つまたは複数の薬学的に許容される剤との組み合わせで含みうる。本明細書に記載の組成物は、単独で使用してもよく、相加効果、相補効果、または相乗効果を生じさせるためにさらなる化合物との組み合わせで使用してもよい。
【0133】
投与レジメンは、何が有効量を構成するかに影響することがある。治療用製剤を対象に本明細書において想定される疾患または障害の発症の前に投与してもよく、後に投与してもよい。さらに、いくつかの分割投与量および時差投与量を毎日または順次投与してもよく、あるいは、用量を持続注入してもよく、用量をボーラス注射してもよい。さらに、治療用製剤の投与量を、治療状況または予防状況による必要性に応じて比例的に増加または減少させることができる。
【0134】
患者、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに対する本発明の組成物の投与を、公知の手順を使用して、本明細書において想定される疾患または障害を処置するために有効な投与量および期間で行うことができる。治療効果を実現するために必要な治療用化合物の有効量は、患者における疾患または障害の現状; 患者の年齢、性別、および体重; ならびに本明細書において想定される疾患または障害を処置する治療用化合物の能力などの要因に従って変動しうる。最適な治療応答を実現するように投与レジメンを調整することができる。例えば、いくつかの分割用量を毎日投与してもよく、治療状況による必要性に応じて用量を比例的に減少させてもよい。本発明の治療用化合物の有効量範囲の非限定的な例は約1~5,000mg/kg体重/日である。当業者は、関連性のある要因を検討して、過度の実験なしに治療用化合物の有効量に関する決定を行うことができるであろう。
【0135】
本発明の薬学的組成物中の有効成分の実際の投与量レベルを、特定の患者に対する所望の治療応答、所望の組成、および所望の投与様式を実現するために有効であって、該患者に毒性を示すことのない、有効成分の量を得るために変動させることができる。
【0136】
特に、選択される投与量レベルは、使用される特定の化合物の活性、投与時間、該化合物の排出速度、処置の持続時間、該化合物との組み合わせで使用される他の薬物、化合物、または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、体調、全身的健康、および前病歴、ならびに医学分野において周知である同様の要因を含む種々の要因に依存する。
【0137】
当技術分野において通常の技能を有する医師、例えば内科医または獣医は、所要の薬学的組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、内科医または獣医は、薬学的組成物中で使用される本発明の化合物の用量を所望の治療効果を得るために必要なレベルよりも低いレベルで開始し、所望の効果が得られるまで投与量を徐々に増加させることができる。
【0138】
特定の態様では、投与が容易でかつ投与量が均一であることから、単位剤形で本化合物を製剤化することが特に有利である。本明細書において使用される単位剤形とは、処置される患者用の単位剤形として適した物理的に別々の単位を意味し、各単位は、所望の治療効果を生成するように計算された所定量の治療用化合物を、所要の薬学的ビヒクルとの組み合わせで含む。本発明の単位剤形は(a) 治療用化合物の独自の特徴、および実現すべき特定の治療効果、ならびに(b) 本明細書において想定される疾患または障害の処置用に該治療用化合物を調合/製剤化する分野に内在する限界により決定づけられ、かつそれに直接依存する。
【0139】
特定の態様では、本発明の組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体を使用して製剤化される。特定の態様では、本発明の薬学的組成物は、治療有効量の本発明の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む。
【0140】
担体は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセリン、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、その好適な混合物、ならびに植物油を例えば含む溶媒または分散媒でありうる。適当な流動性を、例えばレシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合は所要の粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の阻止を様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって実現することができる。多くの場合、等張化剤、例えば糖、塩化ナトリウム、またはマンニトールおよびソルビトールなどの多価アルコールを本組成物に含めることが好ましい。注射用組成物の長期吸収を、組成物中に吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを含めることでもたらすことができる。
【0141】
特定の態様では、本発明の組成物は、1日当たり1~5回またはそれ以上の回数の範囲の投与頻度で患者に投与される。他の態様では、本発明の組成物は、1日1回、2日に1回、3日に1回~週1回、および2週間に1回を含むがそれに限定されない範囲の投与頻度で患者に投与される。当業者には、本発明の様々な組み合わせ組成物の投与頻度が、年齢、処置すべき疾患または障害、性別、全身的健康、および他の要因を含むがそれに限定されない多くの要因に応じて個体毎に異なるということは自明である。したがって、本発明は、任意の特定の投与レジームに限定されると解釈されるべきではなく、任意の患者に投与される正確な投与頻度および組成物は、主治医が患者に関するすべての他の要因を考慮に入れて決定する。
【0142】
投与用の本発明の化合物は、約1μg~約10,000mg、約20μg~約9,500mg、約40μg~約9,000mg、約75μg~約8,500mg、約150μg~約7,500mg、約200μg~約7,000mg、約350μg~約6,000mg、約500μg~約5,000mg、約750μg~約4,000mg、約1mg~約3,000mg、約10mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約25mg~約1,500mg、約30mg~約1,000mg、約40mg~約900mg、約50mg~約800mg、約60mg~約750mg、約70mg~約600mg、約80mg~約500mg、およびそれらの間のあらゆる整数単位または非整数単位の範囲でありうる。
【0143】
特定の態様では、本発明の化合物の用量は約1mg~約2,500mgである。他の態様では、本明細書に記載の組成物に使用される本発明の化合物の用量は約10,000mg未満、または約8,000mg未満、または約6,000mg未満、または約5,000mg未満、または約3,000mg未満、または約2,000mg未満、または約1,000mg未満、または約500mg未満、または約200mg未満、または約50mg未満である。同様に、他の態様では、本明細書に記載の第2の化合物の用量は約1,000mg未満、または約800mg未満、または約600mg未満、または約500mg未満、または約400mg未満、または約300mg未満、または約200mg未満、または約100mg未満、または約50mg未満、または約40mg未満、または約30mg未満、または約25mg未満、または約20mg未満、または約15mg未満、または約10mg未満、または約5mg未満、または約2mg未満、または約1mg未満、または約0.5mg未満、およびそれらの間のあらゆる整数単位もしくは非整数単位である。
【0144】
特定の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を単独でまたは第2の薬剤との組み合わせで保持する容器と、本明細書において想定される疾患または障害の1つまたは複数の症状を処置する、予防する、または減少させるために該化合物を使用するための説明書とを含む、包装された薬学的組成物に関する。
【0145】
製剤は、経口、非経口、経鼻、静脈内、皮下、経腸、または当技術分野において公知である任意の他の好適な投与様式に好適な、通常の賦形剤、すなわち薬学的に許容される有機または無機担体物質との混合物として使用することができる。薬学的調製物は滅菌されていてもよく、所望であれば、補助剤、例えば潤滑剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、着色物質、香味物質、および/または芳香物質などと混合されていてもよい。所望であれば、それらを他の有効な剤、例えば他の鎮痛剤と組み合わせてもよい。
【0146】
本発明の任意の組成物の投与経路としては経口、経鼻、直腸、膣内、非経口、頬側、舌下、または局所が挙げられる。本発明において使用される化合物は、任意の好適な経路による投与用に、例えば経口または非経口投与、例えば経皮、経粘膜(例えば舌下、舌内、頬側(経頬)、尿道(経尿道)、膣内(例えば経膣および膣周囲)、経鼻(鼻腔内)、ならびに直腸(経直腸))、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、くも膜下腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、ならびに局所投与用に製剤化することができる。
【0147】
好適な組成物および剤形としては例えば錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、ゲルカプセル剤、トローチ剤、分散液剤、懸濁液剤、溶液剤、シロップ剤、顆粒剤、ビーズ剤、経皮パッチ剤、ゲル剤、散剤、ペレット剤、マグマ剤、舐剤、クリーム剤、ペースト剤、プラスター剤、ローション剤、ディスク剤、坐薬、経鼻または経口投与用液体スプレー剤、吸入用乾燥粉末製剤またはエアロゾル製剤、膀胱内投与用組成物および製剤などが挙げられる。本発明において有用であろう製剤および組成物は、本明細書に記載の特定の製剤および組成物に限定されないと理解すべきである。
【0148】
経口投与
経口適用では、錠剤、糖剤、液剤、液滴剤、坐薬、またはカプセル剤、カプレット剤、およびゲルカプセル剤が特に好適である。経口的使用が意図される組成物は、当技術分野において公知である任意の方法に従って調製可能であり、そのような組成物は、錠剤の製造に好適である不活性で無毒の薬学的賦形剤からなる群より選択される1つまたは複数の剤を含みうる。そのような賦形剤としては例えば、乳糖などの不活性希釈剤; コーンスターチなどの造粒剤および崩壊剤; デンプンなどの結合剤; ならびにステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤が挙げられる。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、見栄えを良くするために、または有効成分の放出を遅延させるために、公知の技術によってコーティングされていてもよい。経口用製剤は、有効成分と不活性希釈剤とが混合された硬ゼラチンカプセル剤として提示してもよい。
【0149】
経口投与では、本発明の化合物は、結合剤(例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース); 充填剤(例えばコーンスターチ、乳糖、結晶セルロース、もしくはリン酸カルシウム); 潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、もしくはシリカ); 崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム); または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤によって通常の手段で調製される、錠剤またはカプセル剤の形態でありうる。所望であれば、錠剤を好適な方法およびコーティング材料、例えばペンシルベニア州ウエストポイントのColorconから入手可能なOPADRY(商標)フィルムコーティングシステム(例えばOPADRY(商標)OY型、OYC型、有機腸溶性OY-P型、水性腸溶性OY-A型、OY-PM型、およびOPADRY(商標)White、32K18400)を使用してコーティングすることができる。経口投与用の液体調製物は溶液剤、シロップ剤、または懸濁液剤の形態でありうる。液体調製物は、懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、または硬化食用脂); 乳化剤(例えばレシチンまたはアラビアゴム); 非水性ビヒクル(例えばアーモンド油、油性エステル、またはエチルアルコール); および保存料(例えばp-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤によって通常の手段で調製可能である。
【0150】
有効成分の出発粉末または他の粒子状材料を改質するための造粒技術は薬学分野において周知である。通常、粉末を結合剤材料と混合して、「造粒物」と呼ばれるより大きく恒久的で易流動性の凝集体または顆粒にする。例えば、溶媒を使用する「湿式」造粒プロセスは、粉末を結合剤材料と組み合わせ、かつ、湿式顆粒体を形成させる条件下で水または有機溶媒で湿潤させること、次に顆粒体から溶媒を必ず蒸発させることを一般に特徴とする。
【0151】
一般に、溶融造粒は、添加される水または他の液体溶媒の本質的な非存在下で粉末材料または他の材料の造粒を促進するための、室温で固体または半固体である(すなわち相対的に低い軟化点または融点の範囲を有する)材料の使用に本質がある。低融点固体は、融点範囲の温度に加熱される際に液化して結合剤または造粒ビヒクルとして作用する。液化固体は、それが接触する粉末材料の表面上に拡散し、冷却時に、初期材料が一緒に結合した固体顆粒体を形成する。次に、得られた溶融造粒物を、経口剤形を調製するために、錠剤プレスに供するかまたはカプセル封入することができる。溶融造粒は、固体分散体または固溶体を形成することで有効成分(すなわち薬物)の溶解速度およびバイオアベイラビリティを向上させる。
【0152】
米国特許第5,169,645号では、改善された流動性を有する直接圧縮性ワックス含有顆粒剤が開示されている。顆粒剤は、ワックスを溶融物中で特定の流動性向上添加剤と混合した後、混合物を冷却および造粒する際に得られる。特定の態様では、ワックスと添加剤との溶融組み合わせ中でワックス自体のみが溶融し、他の場合では、ワックスと添加剤との両方が溶融する。
【0153】
本発明はまた、1つまたは複数の本発明の化合物の遅延放出を行う層と、疾患または障害の処置用の薬物の即時放出を行うさらなる層とを含む、多層錠剤を含む。有効成分が封入されることでその遅延放出を確実にする胃不溶性組成物を、ワックス/pH感受性ポリマー混合物を使用して得ることができる。
【0154】
非経口投与
非経口投与では、本発明の化合物を注射もしくは注入、例えば静脈内、筋肉内、もしくは皮下の注射もしくは注入用に、またはボーラス用量での投与、および/もしくは持続注入用に製剤化することができる。懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤などの他の製剤化剤を含んでいてもよい、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中の懸濁液剤、溶液剤、または乳剤を使用することができる。
【0155】
さらなる投与形態
本発明のさらなる剤形としては米国特許第6,340,475号; 第6,488,962号; 第6,451,808号; 第5,972,389号; 第5,582,837号; および第5,007,790号に記載の剤形が挙げられる。本発明のさらなる剤形としては米国特許出願公開第20030147952号; 第20030104062号; 第20030104053号; 第20030044466号; 第20030039688号; および第20020051820号に記載の剤形も挙げられる。本発明のさらなる剤形としてはPCT出願第03/35041号; 第03/35040号; 第03/35029号; 第03/35177号; 第03/35039号; 第02/96404号; 第02/32416号; 第01/97783号; 第01/56544号; 第01/32217号; 第98/55107号; 第98/11879号; 第97/47285号; 第93/18755号; および第90/11757号に記載の剤形も挙げられる。
【0156】
制御放出製剤および薬物送達システム
特定の態様では、本発明の製剤は短期放出製剤、急速放出製剤、ならびに制御放出製剤、例えば持続放出製剤、遅延放出製剤、およびパルス放出製剤でありうるがそれに限定されない。
【0157】
持続放出という用語は、その通常の意味で使用されるものであり、長期間にわたって薬物を徐々に放出し、かつ長期間にわたって実質的に一定の薬物の血中レベルを必ずではないが生じさせうる、薬物製剤を意味する。期間は1ヶ月以上の長さでありうるものであり、ボーラス形態で投与される同じ量の剤よりも長い放出であるべきである。
【0158】
持続放出では、本化合物を、本化合物に持続放出性を与える好適なポリマーまたは疎水性材料を用いて製剤化することができる。したがって、本発明の方法で使用される化合物を、微粒子剤の形態で例えば注射によって、またはオブラート剤もしくはディスク剤の形態で埋め込みによって、投与することができる。
【0159】
特定の態様では、本発明の化合物を、持続放出製剤を使用して、単独でまたは別の薬剤との組み合わせで患者に投与する。
【0160】
遅延放出という用語は、その通常の意味で本明細書において使用されるものであり、薬物投与後の何らかの遅延後に薬物の初期放出を行う薬物製剤を意味し、この遅延は約10分~約12時間の遅延を含みうるが必ずしもそうではない。
【0161】
パルス放出という用語は、その通常の意味で本明細書において使用されるものであり、薬物投与後に薬物のパルス状血漿プロファイルを生成するように薬物の放出を行う薬物製剤を意味する。
【0162】
即時放出という用語は、その通常の意味で使用されるものであり、薬物投与後直ちに薬物の放出を行う薬物製剤を意味する。
【0163】
本明細書において使用される短期とは、約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分、約20分、または約10分、およびそれらの間のあらゆる整数単位または非整数単位までの、任意の期間を意味する。
【0164】
本明細書において使用される急速とは、薬物投与後約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、約1時間、約40分、約20分、または約10分、およびそれらの間のあらゆる整数単位または非整数単位までの、任意の期間を意味する。
【0165】
投与
本発明の化合物の治療有効量または用量は、患者の年齢、性別、および体重、患者の現在の医学的状態、ならびに処置される患者における本明細書において想定される疾患または障害の進行に依存する。当業者は、これらの要因および他の要因に応じて適切な投与量を決定することができる。
【0166】
本発明の化合物の好適な用量は1日当たり約0.01mg~約5,000mg、例えば1日当たり約0.1mg~約1,000mg、例えば約1mg~約500mg、例えば約5mg~約250mgの範囲でありうる。用量は単回投与または複数回投与で、例えば1日当たり1回~4回またはそれ以上の回数で投与可能である。複数回投与を使用する場合、各投与での量は同じでも異なっていてもよい。例えば、用量1日当たり1mgを、2つの0.5mg用量として、両用量間に約12時間の間隔を空けて投与することができる。
【0167】
1日当たりに投与される化合物の量を非限定的な例では毎日、隔日、2日毎、3日毎、4日毎、または5日毎に投与することができるということが理解されよう。例えば、隔日投与では、1日当たり5mgの用量を月曜日に開始し、1日当たり5mgの第1の後続用量を水曜日に投与し、1日当たり5mgの第2の後続用量を金曜日に投与することができる。
【0168】
患者の状態が改善される場合、医師の裁量によって、本発明の阻害剤の投与を持続的に行ってもよく、あるいは、投与される薬物の用量を一定の長さの時間にわたって一時的に減少させるかまたは一時的に中止する(すなわち「休薬日」)。休薬日の長さは2日間~1年間で任意的に変動し、単なる例としては2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間、または365日間が挙げられる。休薬日中の用量減少は10%~100%を含み、単なる例としては10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が挙げられる。
【0169】
患者の状態の改善が生じたとき、必要であれば維持量を投与する。続いて、ウイルス量の関数として、投与量もしくは投与頻度またはその両方を、疾患の改善が保持されるレベルに減少させる。特定の態様では、患者は、症状および/または感染症の任意の再発に対する長期の断続的処置を必要とすることがある。
【0170】
本発明の方法において使用される化合物を単位剤形で製剤化することができる。「単位剤形」という用語は、処置を受ける患者用の単位剤形として好適な物理的に別々の単位を意味し、各単位は、所望の治療効果を生成するように計算された所定量の有効物質を、場合によっては好適な薬学的担体との組み合わせで含む。単位剤形は1日1回の投与用、または1日複数回(例えば1日当たり約1~4回またはそれ以上の回数)の投与のうち1回用でありうる。1日複数回の投与を使用する場合、単位剤形は各投与について同じでも異なっていてもよい。
【0171】
当該の治療レジメンの毒性および治療有効性は、細胞培養液または実験動物中で任意的に確定され、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療上有効な用量)の確定が挙げられるがそれに限定されない。毒性効果と治療効果との間の用量比を治療指数とし、これはLD50とED50との間の比として表される。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータを、ヒトにおける使用のためのある範囲の投与量を製剤化することに使用してもよい。該化合物の投与量は、最小限の毒性を伴うED50を含む、ある循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用する剤形および利用する投与経路に応じて、この範囲内で任意的に変動する。
【0172】
当業者は、本明細書に記載の具体的な手順、態様、請求項、および実施例の数多くの等価物を認識するであろうし、または単なる日常的な実験を使用してそれらを確認することができるであろう。そのような等価物は、本発明の範囲内にあると考えられ、かつ本明細書に添付される特許請求の範囲によって網羅されると考えられる。例えば、反応時間、反応サイズ/体積、および溶媒などの実験試薬、触媒、圧力、雰囲気条件、例えば窒素雰囲気、ならびに還元剤/酸化剤を含むがそれに限定されない反応条件を、当技術分野で認識されている代替物によってかつ単なる日常的な実験を使用して修正することが、本出願の範囲内にあると理解すべきである。
【0173】
本明細書において値および範囲がどこに示されようとも、これらの値および範囲に包含されるすべての値および範囲は本発明の範囲内に包含されるように意図されていると理解すべきである。さらに、これらの範囲内にあるすべての値、および値の範囲の上限または下限も、本出願によって想定される。
【0174】
以下の実施例は本発明の局面をさらに示す。しかし、それらは、本明細書に記載の本発明に関する教示または開示を限定するものでは決してない。
【実施例】
【0175】
実験例
ここで、本発明を以下の実施例を参照して説明する。これらの実施例は例示目的でのみ示されるものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものと決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に示される教示の結果として明らかになるあらゆる変形を包含するものと解釈されるべきである。
【0176】
当業者であれば、さらなる説明なしで、前述の説明および以下の実施例を使用して、本発明の化合物を作製および利用すること、ならびに特許請求される方法を実施することができると考えられる。したがって、以下の実施例は、本発明の具体的態様を示すものであり、本開示の残りを限定するものと決して解釈されるべきではない。
【0177】
材料および方法
鎮痛(テールフリック)、ラット
げっ歯類においては、潜在的に有用な鎮痛剤を検出するためのモデルとして、放射熱へのテールフリック応答が一般的に使用されている。本アッセイは、中枢作用性モルヒネ様鎮痛薬(活性)と非オピオイドまたは末梢作用性抗炎症剤(不活性)とを区別するために有用である。
【0178】
手順的には、体重110±20gのSprague-Dawley(SD)雄ラット8匹の群において、集束放射熱により誘導されるテールフリック応答を誘発するために必要な時間(秒)を疼痛閾値として測定する。試験物質の投与15分後および30分後において、テールフリック応答を誘発するために必要な時間の50パーセント以上(≧50)の延長は、鎮痛活性の可能性を示す。また、ビヒクル対照群と処置群との間の比較のために一元配置分散分析、続いてダネット検定を適用する。D'Amour & Smith, 1941, J. Pharmacol. Exp. Ther. 72:74-79参照。
【0179】
運動(自発活性)、ラット
体重200±20gのSprague-Dawleyラット10匹の群を使用する。試験化合物(3、10、および100mg/kg)をビヒクル(TBD)に溶解させ、静脈内注射する。選択される処置前時間に、動物を個々に25℃の静かな部屋のなかの自発運動活性室(米国Coulbourn Instruments)に入れる。投与後60分にわたる各10分の期間において、赤外格子の割り込みにより測定される個々の運動数(移動距離、移動および垂直立ち上がりに費やす時間)を合計する。次に各処置群の平均値±SEMを計算し、ビヒクル群と処置群との間の比較のためにダネット検定を適用する。p<0.05で差が有意であると見なす。Yamanuchi, et al., 1987, Arzneim.-Forsch./Drug Res. 37(II):157-164参照。
【0180】
胃腸運動、ラット
体重200±20gのWistarラット5匹の群に試験物質(陽性対照はモルヒネである)を皮下投与し、20~24時間にわたって水を自由摂取させながら絶食させた後、試験した。皮下投与の30分後、動物に10%アラビアゴム溶液中5%炭末懸濁液を与え(経口で2ml/動物)、15分後に屠殺した。腸管を取り出し、cm単位での腸の長さ(GL)、およびcm単位での幽門から炭末カラムの開口部までの炭末移動の程度(CP)を測定した。
【0181】
腸管輸送(IT)をIT = (CP/GL)×100%として計算した。ビヒクル対照群に比べて30%以上(≧30)の腸管輸送(IT)の増加または減少を、有意であると見なした。また、試験化合物で処置された動物における値を、ビヒクル対照群との比較で、一元配置分散分析、続いてダネット検定を使用して解析した。P<0.05で差が統計的に有意であると見なす。Omosu, et al., 1988, Arzneim.-Forsch./Drug Res. 38(II):1309-1317参照。
【0182】
呼吸(RR、TV、pH、pCO2、pO2)、ラット
体重250±20gのSprague Dawley(SD)由来雄ラットを使用する。動物の総頸動脈(CCA)にカニューレを挿入し、使用前に16時間絶食させる。体重250±20gのSprague Dawley由来雄ラット5匹の群に試験物質を腹腔内投与する。呼吸数(RR)、一回換気量(TV)、および毎分換気量(MV)をベースライン中(-5~0分)ならびに投与後(経口、50~60分; 静脈内および腹腔内、20~30分)に30秒毎に測定する。試験物質の経口投与の65分後(静脈内および腹腔内投与では35分後)、血液試料0.3mLを頸動脈を通じて採取し、血液ガス分析装置(米国Osmetech)のカセットに直ちに注入することで(20秒未満)、そのpH、pCO2、およびpO2を確定する。各群における処置後の呼吸数、一回換気量、毎分換気量、pH、pCO2、およびpO2の平均値±S.E.M.値を計算し、ビヒクル対照群と処置群との間の比較のために一元配置分散分析、続いてダネット検定を適用する。p<0.05で差が有意であると見なす。
【0183】
条件付け場所嗜好性(自発活性)、ラット
条件付け場所嗜好性パラダイムは、薬物の報酬効果および嫌悪効果を試験するために使用される標準的な前臨床行動モデルである。いくつかの異なる設計および装置が本モデルにおいて使用されるが、本タスクの基本的特徴は、特定の環境と薬物処置との関連付け、続いて異なる環境と薬物の非存在(すなわち薬物のビヒクル)との関連付けを包含する。本設計の一般的変形は3区画の隔室からなり、外側区画は異なる特性(例えば白壁に対して黒壁、マツ寝わらに対してトウモロコシ寝わら、水平格子床に対して交差格子床)を有するように設計されている。中央区画は特別な特性を有しておらず、薬物と対になっておらず、区画間のゲートは、動物がそれらの間を自由に通過できるように開放されうる。訓練中、潜在的な報酬特性および嫌悪特性を有する薬物の注射液を動物(通常はラットまたはマウス)に投与した後、一方の外側区画に数分間配置する。翌日、ラットに薬物のビヒクルを注射した後、反対側の区画に配置する。一般に、これらの毎日のセッションを薬物とビヒクルとの間で交互に各2日間または3日間行う。その後、動物を中央区画に配置し、次に両外側区画に対してゲートを開放した後、動物がセッション中に各外側区画において費やす時間を記録することからなる、試験セッションを行う。動物が、ビヒクルと対になった区画に比べて薬物と対になった区画において有意に多くの時間を費やす場合、条件付け場所嗜好性(CPP)が発見される。他方、動物が、薬物と対になった区画に比べてビヒクルと対になった区画において有意に多くの時間を費やす場合、これは条件付け場所嫌悪性(CPA)と見なされる。通常、コカインなどの濫用薬はCPPを生じさせ、塩化リチウムなどの嫌悪効果を誘発する薬物はCPAを生じさせる。
【0184】
特定の態様では、3日間の順応日において任意の嗜好性を評価する。次に、存在する任意の嗜好性に基づいて薬物または生理食塩水に区画を割り当てる。薬物を常に非嗜好側に割り当てる。訓練を開始後、薬物日および生理食塩水日を交互に設け、動物を割当区画に一定期間閉じ込める((41a)では60分間; モルヒネでは45分間)。8日間の訓練日の後を試験日とし、試験日は、両区画に出入可能とし、コンピュータは各区画においてどれくらいの時間が費やされるかをカウントする。Bardo et al., 1995, Neurosci. & Biobehav. Rev. 19(1):39-51参照。
【0185】
実施例1
Gタンパク質アッセイ
Gタンパク質シグナル伝達をセカンドメッセンジャーcAMP調節によって測定した。cAMP調節の検出をPathHunterヒトOPRM1(μ、MOR)アレスチンCHO-K1細胞株中でCisbioのDynamic2 cAMPキットを使用して達成した。化学発光シグナルのEMAX値はすべて、100%と規定されるDAMGOに対して正規化される。
【0186】
実施例2
β-アレスチンアッセイ
DISCOVERX PATHHUNTER(登録商標)β-アレスチンアッセイを使用してβ-アレスチン-2活性を測定する。この技術は、β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)をレポーターとする酵素断片補完(EFC)に基づく。酵素を、細胞中で融合タンパク質として発現される2つの不活性相補部分(EAは酵素受容体、EDは酵素供与体を意味する)に分割する。EAをβ-アレスチン-2に融合し、EDを関心対象のGPCRのC末端に融合する。リガンドが結合してGPCRが活性化される際に、β-アレスチン-2が受容体に動員されることでED/EA補完が生じ、これによりβ-Gal活性が回復される。この活性は化学発光を使用して測定される。本アッセイではPathHunterヒトOPRM1(μ、MOR)アレスチンCHO-K1細胞株を使用した。化学発光シグナルのEMAX値はすべて、100%と規定されるDAMGOに対して正規化された。
【0187】
【0188】
実施例3
3-[1-(2-クロロ-4-フルオロ-ベンジル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(6)(スキーム4参照)
【0189】
(a)tert-ブチル 3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(2)
オーブン乾燥丸底フラスコに1-tert-ブチルオキシ-カルボニル-ピペリド-4-オン(1)(1.50g、7.57mmol)、ジメチル-メチレンインモニウムクロリド(1.05g、11.3mmol)を加え、アルゴンで掃流した。アセトニトリル(25mL)を加え、得られた懸濁液を室温で24時間攪拌し、その間にすべての固体が溶解した。水酸化アンモニウム水溶液(NH4OH 25%(w/v)、10mL)およびブライン溶液(10mL)を加えた。得られた懸濁液をEtOAc(3×30mL)で抽出し、有機抽出物を一緒にし、固体無水Na2SO4で乾燥させた。濾過後、揮発物を回転蒸発により除去して粗生成物tert-ブチル 3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(2)をわずかに黄色の混濁油状物として得て、これを精製せずに次の工程に使用した。ESI-MS (m/z): 257 [M+H]+。
【0190】
(b)tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)
オーブン乾燥丸底フラスコに3-ヨードベンゾニトリル(3)(2.08g、9.07mmol)を加え、アルゴンで掃流した。無水THF(27mL)を加え、得られた溶液を-78℃に冷却した。冷却後、n-BuLi溶液(2.3M、4.40mL、9.67mmol)を滴下し、そのとき混合物は濃橙色および粘稠性になった。tert-ブチル 3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(2)(1.55g、6.05mmol)のTHF(3mL)溶液を滴下した(反応混合物の色は橙色から褐色に変わった)。得られた混合物を-78℃で10分間攪拌し、飽和NH
4Cl(50mL)およびNH
4OH(25%、5mL)溶液の攪拌混合物に注いだ。得られた懸濁液をEtOAc(3×30mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物を固体無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、揮発物を回転蒸発により除去し、残渣をH
2O/MeCN(70:30)からH
2O/MeCN(40:60)までの勾配溶離を使用する逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製してtert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(1.49g(純度80%)、1から2工程で収率55%)をジアステレオ異性体混合物(9:1)として得た。
【0191】
(c)3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(5)
tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(440mg(純度80%)、0.97mmol)のCH
2Cl
2(10mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1.12ml、14.6mmol)を加え、得られた混合物を周囲温度で1時間攪拌した。揮発物を除去し、残渣をMeCN(10mL)に溶解させた。この溶液に、DIPEA(0.67mL、3.88mmol)、続いて2-クロロ-4-フルオロベンジルブロミド(239mg、1.07mmol)を加え、得られた混合物を周囲温度で16時間攪拌した。ブライン溶液(10mL)およびNH
4OH溶液(25%、2mL)を加え、得られた懸濁液をEtOAc(3×15mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を無水固体Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、揮発物を回転蒸発により除去し、残渣をH
2O/MeCN(60:40)からH
2O/MeCN(40:60)までの勾配溶離を使用する逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製して3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(5)(253mg、収率65%)を帯黄色油状物として得た。
【0192】
(d)3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(6)
オーブン乾燥丸底フラスコに3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(5)(100mg、0.25mmol)および粉砕KOH(41mg、0.75mmol)を加え、アルゴンで掃流した。tBuOH(2mL)を加え、反応混合物を80℃で3時間加熱した。冷却後、ブライン溶液(1mL)を加え、得られた懸濁液をEtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を固体無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、揮発物を回転蒸発により除去し、残渣をH
2O/MeCN(80:20)からH
2O/MeCN(40:60)までの溶離液勾配を使用する逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製して3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6)(81mg、収率80%)を白色泡状物として得た。
【0193】
(e)3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(6a)
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(6)(60mg、0.14mmol)のジエチルエーテル/MeOH(10mL/0.5mL)溶液に2M HClジエチルエーテル溶液(70μL、0.14mmol)を加えた。混合物を周囲温度で30分間攪拌し、その間に析出物が形成された。固体を濾過し、ジエチルエーテル(5mL)で洗浄し、P
2O
5によって65℃で24時間減圧乾燥させて3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(6a)(41mg、収率63%)を得た。
【0194】
実施例4
Ent-A-syn-(3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(Ent-A-syn-(6)); および
Ent-B-syn 3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(Ent-B-syn-(6))
個々の立体異性体への分離
上記で得た3-(1-(2-クロロ-4-フルオロベンジル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(6)ジアステレオ異性体の混合物を、Shimadzu LC-20AP上で(Daicel CHIRALPAK(登録商標)AS 250mm×10mm)カラムおよび移動相としてのHex/IPA(7:3)を使用するキラル固定相クロマトグラフィーで分離した: 流量3mL/分でRt立体異性体A = 11.3分、Rt立体異性体B = 16.2分。
【0195】
実施例5
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(9)および対応する塩酸塩(9a)
【0196】
(a)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(8)
tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(250mg(純度80%)、0.56mmol)のCH
2Cl
2(5mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.64ml、8.34mmol)を加え、得られた混合物を周囲温度で1時間攪拌した。揮発物を除去し、残渣をCH
2Cl
2/TEA(5mL/0.2mL)溶液に溶解させた。酢酸(64μL、1.11mmol)、2-フェニルアセトアルデヒド(0.19mL、1.67mmol)、およびNaBH(OAc)
3(590mg、2.78mmol)を加え、得られた懸濁液を周囲温度で16時間攪拌した。この後、ブライン溶液(5mL)およびNH
4OH溶液(25%、1mL)を加え、懸濁液をEtOAc(3×10mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を固体無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、揮発物を回転蒸発により除去し、残渣をH
2O/MeCN(90:10)からH
2O/MeCN(50:50)までの勾配溶離を使用する逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(8)(166mg、収率82%)を帯黄色油状物として得た。
【0197】
(b)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(9)
オーブン乾燥丸底フラスコに3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(8)(100mg、0.28mmol)、粉砕KOH(45mg、0.81mmol)を加え、アルゴンで掃流した。tBuOH(2mL)を加え、懸濁液を80℃で3時間加熱した。冷却後、ブライン(1mL)を加え、得られた懸濁液をEtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を固体無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、揮発物を除去して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(9)(92mg、収率88%)を白色泡状物として得た。
【0198】
(c)3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(9a)
化合物(6a)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(9)(80mg、0.21mmol)をジエチルエーテル/MeOH(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(9a)(61mg、収率70%)を生成した。
【0199】
実施例6
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-チオフェン-3-イルメチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(11)および対応する塩酸塩(11a)
【0200】
(a)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(10)
化合物(8)について記載の手順を使用してtert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(250mg(純度80%)、0.56mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、チオフェン-3-カルボキシアルデヒドと反応させて3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(10)(160mg、収率81%)を得た。
【0201】
(b)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(11)
化合物(9)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(10)(150mg、0.42mmol)をKOH(70mg、1.27mmol)で処理して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(11)(142mg、収率90%)を得た。
【0202】
(c)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(11a)
化合物(6a)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(11)(120mg、0.35mmol)をジエチルエーテル/MeOH(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(チオフェン-3-イルメチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(11a)(55mg、収率38%)を生成した。
【0203】
実施例7
3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13)および対応する塩酸塩(13a)
【0204】
(a)3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(12)
化合物(8)について記載の手順を使用してtert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(180mg、0.50mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)アセトアルデヒドと反応させて3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(12)(125mg、収率60%)を得た。
【0205】
(b)3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13)
化合物(9)について記載の手順を使用して3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(12)(120mg、0.29mmol)をKOHで処理して3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13)(110mg、収率88%)を得た。
【0206】
(c)3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(13a)
化合物(6a)について記載の手順を使用して3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(13)(110mg、0.25mmol)をジエチルエーテル/MeOH(15mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(13a)(98mg、収率82%)を生成した。
【0207】
実施例8
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15)および対応する塩酸塩(15a)
【0208】
(a)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(14)
化合物(8)について記載の手順を使用してtert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(260mg、0.72mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(チオフェン-3-イル)アセトアルデヒドと反応させて3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(14)(55mg、収率21%)を生成した。
【0209】
(b)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15)
化合物(9)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(14)(50mg、0.14mmol)をKOHで処理して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15)(46mg、収率88%)を得た。
【0210】
(c)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(15a)
化合物(9)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(15)(46mg、0.12mmol)をジエチルエーテル/MeOH(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して、エーテルによる洗浄後に3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(15a)(47mg、収率93%)を生成した。
【0211】
実施例9
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17)および対応する塩酸塩(17a)
【0212】
(a)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(16)
化合物(8)について記載の手順を使用してtert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(260mg、0.72mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(4-メトキシフェニル)アセトアルデヒドと反応させて3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(16)(180mg、収率63%)を得た。
【0213】
(b)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17)
化合物(6)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(16)(175mg、0.45mmol)をKOHで処理して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17)(182mg、収率99%)を得た。
【0214】
(c)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(17a)
化合物(6a)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17)(182mg、0.44mmol)をジエチルエーテル/MeOH(15mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(17a)(165mg、収率83%)を生成した。
【0215】
実施例10
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18)および対応する塩酸塩(18a)
【0216】
(a)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18)
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(17)(125mg、0.30mmol)のCH
2Cl
2(7mL)溶液をアルゴンで掃流し、0℃に冷却した。1M BBr
3(3.00mL、3.00mmol)のCH
2Cl
2溶液を加え、得られた溶液を室温で3時間攪拌した。この後、MeOH(10mL)を滴下し、混合物を1時間攪拌した。揮発物を回転蒸発により除去し、残渣をCH
2Cl
2からCH
2Cl
2/MeOH(10:90)までの溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18)(110mg、収率91%)を無色泡状物として得た。
【0217】
(b)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(18a)
化合物(6a)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(18)(105mg、0.26mmol)をジエチルエーテル/MeOH(10mL/5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(18a)(70mg、収率61%)を生成した。
【0218】
実施例11
3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20)および対応する塩酸塩(20a)
【0219】
(a)3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(19)
化合物(8)について記載の手順を使用してtert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(200mg、0.56mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、3-フェニルプロパナールと反応させて3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(19)(138mg、収率66%)を得た。
【0220】
(b)3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20)
化合物(6)について記載の手順を使用して3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(19)(135mg、0.36mmol)をKOHで処理して3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20)(141mg、収率100%)を得た。
【0221】
(c)3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(20a)
化合物(6a)について記載の手順を使用して3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(20)(135mg、0.34mmol)をジエチルエーテル/MeOH(15mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(20a)(132mg、収率90%)を生成した。
【0222】
実施例12
rac-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(rac-syn-21)および対応する塩酸塩(rac-syn-21a)
スキーム5(絶対立体化学配置は示唆されない)
【0223】
(a)rac-syn-tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(rac-syn-4)
オーブン乾燥丸底フラスコに3-ヨードベンゾニトリル(3)(5.00g、21.85mmol)を加え、アルゴンで掃流した。THF(60mL)を加え、得られた溶液を-78℃に冷却した。2.3M n-BuLi溶液(9.28mL、23.21mmol)を滴下した(1.7~2.2mL/分)。次にtert-ブチル-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(2)(3.50g、13.65mmol)のTHF(40mL)溶液を滴下した(2.2~2.5mL/分)。得られた混合物を-78℃で10分間攪拌し、飽和NH4Cl(30mL)およびNH4OH(25%、10mL)の攪拌混合物に注いだ。得られた懸濁液をEtOAc(3×30mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物をNa2SO4で乾燥させた。揮発物を除去し、残渣をCH2Cl2/ジエチルエーテル(99:1)からCH2Cl2/ジエチルエーテル(20:80)までの勾配溶離を使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製してrac-syn-tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(rac-syn-4)(2.22g、収率45%)を鏡像異性体混合物として得た。ESI-MS (m/z): 360 [M+H]+。
【0224】
(b)rac-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(rac-syn-21)
rac-syn-tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(rac-syn-4)(250mg、0.70mmol)に未希釈のトリフルオロ酢酸(801μL、10.43mmol)を加え、混合物を周囲温度で15分間攪拌した。次に揮発物を除去した。残渣をtert-ブタノール(7mL)に溶解させ、KOH(383mg、6.95mmol)を加えた。懸濁液を80℃で2時間加熱した。混合物をCH2CH2/CHCl3(1/1)(6×5mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物をNa2SO4で乾燥させた。揮発物を除去し、残渣をCH2Cl2/メタノール(9:1)からCH2Cl2/メタノール(1:9)までの勾配溶離を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製してrac-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(rac-syn-21)(87mg、収率45%)を得た。ESI-MS (m/z): 278 [M+H]+。
【0225】
(c)rac-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(rac-syn-21a)
(絶対立体化学配置は示唆されない)
化合物7について記載の手順を使用してrac-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(rac-syn-21)(86mg、0.31mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理してrac-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(rac-syn-21a)(85mg、収率87%)を生成した。
【0226】
実施例13
rac-syn-tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)のキラル分割
スキーム6
【0227】
(a)tert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)
rac-syn-tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(rac-syn-4)(4.93g、13.71mmol)を熱MeCN(75mL)に溶解させた。固体(S)-O-アセチル-マンデル酸を加えた。固体を溶解させた後、溶液を冷却し、恒温槽中、+3℃で60時間保持した。形成された析出物を濾取し、少量の冷MeCNで洗浄した。アリコートをキラルアッセイ用に取得した(CH2Cl2 2mLに溶解させ、溶液を飽和NaHCO3溶液(2mL)で洗浄した。アッセイは93% eeを示した)。材料を還流下でMeCN 20mLに溶解させ、冷蔵庫に14時間保持した。形成された析出物を濾取し、少量の冷MeCNで洗浄して(アリコートのキラルアッセイは97+% eeを示す)、{(3S,4R)-[1-tert-ブトキシカルボニル-4-(3-シアノフェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-3-イル]メチル-ジメチルアンモニウム}-(S)-2-アセトキシ-2-フェニルアセテート(tert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートの(S)-O-アセチル-マンデル酸付加塩)を得た。
【0228】
この固体をCH
2Cl
2 120mLに溶解させ、飽和NaHCO
3溶液60mLで洗浄した。水相をCH
2Cl
2 30mLで抽出した。一緒にした有機物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、揮発物を蒸発させてtert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)(1.35g、収率27%)を白色粉末として得た。
【0229】
tert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートの絶対立体化学配置を、以下の鏡像異性体の確定された絶対立体化学配置から推測した。
【0230】
(b)tert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4b)
化合物4aについて記載の手順を使用してrac-syn-tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(rac-syn-4)(1.42g、3.95mmol)を(R)-O-アセチルマンデル酸(767mg、3.95mmol)で処理して{(3R,4S)-[1-tert-ブトキシカルボニル-4-(3-シアノフェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-3-イル]メチル-ジメチルアンモニウム}-(R)-2-アセトキシ-2-フェニルアセテート(tert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートの(R)-O-アセチル-マンデル酸付加塩)を生成し、これを化合物4aについて記載のように塩基で処理してtert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4b)(320mg、収率23%)を得た。
【0231】
結晶性{(3R,4S)-[1-tert-ブトキシカルボニル-4-(3-シアノフェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-3-イル]メチル-ジメチルアンモニウム}-(R)-2-アセトキシ-2-フェニルアセテートをX線回折パターンの確定および解析に供したところ、
図11に示すように絶対立体化学配置が(3R,4S)であることが示された。これらの中間体から誘導される生成物は、絶対立体化学配置を保持すると推測された(ラセミ化は観察されなかった)。
【0232】
実施例14
3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23)および対応する塩酸塩(24)
スキーム7
【0233】
(a)3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(22)
tert-ブチル-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(400mg、1.11mmol)のCH
2Cl
2(10mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1.28mL、16.69mmol)を加え、得られた混合物を周囲温度で1時間攪拌した。揮発物を除去し、残渣をCH
2Cl
2(10mL)に溶解させた。TEA(930μL、6.68mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。酢酸(127μl、2.23mmol)、3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロパナール(415mg、2.23mmol)、およびNaBH(OAc)
3(943mg、4.45mmol)を加え、得られた懸濁液を周囲温度で18時間攪拌した。飽和NaHCO
3溶液(30mL)を加え、懸濁液をCH
2Cl
2(2×20mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を水(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発物を除去し、残渣をCH
2Cl
2/メタノール(99:1)からCH
2Cl
2/メタノール(1:1)までの勾配溶離を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(22)(478mg、収率65%)を得た。
【0234】
(b)3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル))ベンズアミド(23)
rac-syn-3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(22)(310mg、0.72mmol)のtert-ブタノール(10mL)溶液に粉砕KOH(278mg、5.05mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間加熱した。ブライン(5mL)を加え、得られた懸濁液をEtOAc(3×6mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、揮発物を除去してrac-syn-3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル))ベンズアミド(23)(283mg、収率88%)を得た。ESI-MS (m/z): 448、450 [M+H]+。
【0235】
(c)3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル))ベンズアミド塩酸塩(24)
化合物7について記載の手順を使用して3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル))ベンズアミド(23)(12mg、0.027mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル))ベンズアミド塩酸塩(24)(12mg、収率99%)を生成した。
【0236】
実施例15
3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a)および対応する塩酸塩(24a)
【0237】
(a)3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(22a)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)(850mg、2.36mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロパナール(706mg、3.28mmol)と反応させて3-((3S,4R)--(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(22a)(750mg、収率74%)を得た。ESI-MS (m/z): 430、432 [M+H]+。
【0238】
(b)3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(22a)(750mg、1.74mmol)をKOH(673mg、12.21mmol)で処理して3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a)(700mg、収率90%)を得た。ESI-MS (m/z): 448、450 [M+H]+。
【0239】
(c)3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(24a)
化合物7について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23a)(700mg、1.56mmol)をジエチルエーテル/メタノール(20mL/1mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-((3S,4R)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(24a)を生成した。
【0240】
実施例16
3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b)および対応する塩酸塩(24b)
【0241】
(a)3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b)
rac-syn-3-(1-(3-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-プロピル)-3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル))ベンズアミド(23)を、Shimadzu LC-8A上で(Daicel CHIRALPAK(登録商標)ID 250mm×30mm)カラムおよび移動相としてのHex/IPA(9:1) + 0.1% NH2CH2CH2OHを使用するキラル固定相クロマトグラフィーで個々のジアステレオ異性体に分離した: 流量40mL/分でRt立体異性体(+)(23a) = 27分、Rt立体異性体(-)(23b) = 32分。
【0242】
(b)3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン--4-イル)ベンズアミド塩酸塩(24b)
化合物7について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(23b)(150mg、0.33mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-((3R,4S)-1-(3-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)プロピル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(24b)(112mg、収率69%)を生成した。
絶対立体化学配置は上記鏡像異性体(実施例15)から推測される。
【0243】
実施例17
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a)および対応する塩酸塩(27a)
スキーム8
【0244】
(a)3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-(3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(25a)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)(260mg、0.72mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロパナール(133mg、0.87mmol)と反応させて33-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノメチル)-1-(3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(25a)(220mg、収率77%)を得た。ESI-MS (m/z): 397 [M+H]+。
【0245】
(b)3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノメチル)-1-(3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(25a)(215mg、0.54 mmol)をKOH(209mg、3.80mmol)で処理して3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a)(205mg、収率910%)を得た。ESI-MS (m/z): 415 [M+H]+。
【0246】
(c)3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(27a)
化合物7について記載の手順を使用して3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26a)(200mg、0.48mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/3mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(27a)(17mg、収率78%)を生成した。
【0247】
実施例18
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b)および対応する塩酸塩(27b)
【0248】
(a)3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-(3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(25b)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4b)(260mg、0.72mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロパナール(133mg、0.87mmol)と反応させて3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-(3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(25b)(215mg、収率75%)を得た。ESI-MS (m/z): 397 [M+H]+。
【0249】
(b)3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-(3-(5-フルオロピリジン-3-イル)プロピル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(25b)(210mg、0.53mmol)をKOH(204mg、3.70mmol)で処理して3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b)(205mg、収率93%)を得た。ESI-MS (m/z): 415 [M+H]+。
【0250】
(c)3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(27b)
化合物7について記載の手順を使用して3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(26b)(200mg、0.48mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/3mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(27b)(170mg、収率78%)を生成した。
【0251】
実施例19
3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a)および対応する塩酸塩(30a)
スキーム9
【0252】
(a)3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(28a)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)(290mg、0.78mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、5-フルオロニコチンアルデヒド(130μL、1.17mmol)と反応させて3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(28a)(225mg、収率78%)を生成した。ESI-MS (m/z): 369 [M+H]+。
【0253】
(b)3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(28a)(225mg、0.61mmol)をKOH(336mg、6.11mmol)で処理して3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a)(185mg、収率78%)を得た。ESI-MS (m/z): 387 [M+H]+。
【0254】
(c)3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(30a)
(推測される絶対立体化学配置)
化合物7について記載の手順を使用して3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29a)(180mg、0.47mmol)をジエチルエーテル/メタノール(20mL/1.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-[(3S,4R)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(30a)(165mg、収率84%)を生成した。
【0255】
実施例20
3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b)および対応する塩酸塩(30b)
【0256】
(a)3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(28b)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4b)(280mg、0.78mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、5-フルオロニコチンアルデヒド(130μL、1.17mmol)と反応させて3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(28b)(218mg、収率76%)を得た。ESI-MS (m/z): 369 [M+H]+。
【0257】
(b)3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-1-((5-フルオロピリジン-3-イル)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(28b)(215mg、0.58mmol)をKOH(322mg、5.84mmol)で処理して3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b)(180mg、収率80%)を得た。ESI-MS (m/z): 387 [M+H]+。
【0258】
(c)3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(30b)
化合物7について記載の手順を使用して3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(29b)(170mg、0.44mmol)をジエチルエーテル/メタノール(25mL/1.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-[(3R,4S)-3-ジメチルアミノメチル-1-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルメチル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(30b)(156mg、収率84%)を生成した。
【0259】
実施例21
rac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32)および対応する塩酸塩(33)
スキーム10
【0260】
(a)rac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31)
化合物23について記載の手順を使用してrac-syn-tert-ブチル 4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(180mg、0.50mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)アセトアルデヒド(121mg、0.70mmol)と反応させてrac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31)(125mg、収率60%)を生成した。ESI-MS (m/z): 416, 418 [M+H]+。
【0261】
(b)rac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32)
化合物23について記載の手順を使用してrac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31)(120mg、0.29mmol)をKOH(111mg、2.02mmol)で処理してrac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32)(110mg、収率88%)を生成した。ESI-MS (m/z): 434、436 [M+H]+。
【0262】
(c)rac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(33)
化合物7について記載の手順を使用してrac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32)(110mg、0.25mmol)をジエチルエーテル/メタノール(16mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理してrac-syn-3-(1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(33)(98mg、収率82%)を得た。
【0263】
実施例22
3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a)および対応する塩酸塩(33a)
【0264】
(a)3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31a)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)(150mg、0.42mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)アセトアルデヒド(156mg、0.90mmol)と反応させて3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31a)(110mg、収率63%)を生成した。ESI-MS (m/z): 416、418 [M+H]+。
【0265】
(b)3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31a)(105mg、0.25mmol)をKOH(97mg、1.77mmol)で処理して3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a)(74mg、収率68%)を生成した。ESI-MS (m/z): 434、436 [M+H]+。
【0266】
(c)3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(33a)
化合物7について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32a)(72mg、0.17mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-((3S,4R)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(33a)(65mg、収率77%)を生成した。
【0267】
実施例23
3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b)および対応する塩酸塩(33b)
【0268】
(a)3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31b)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4b)(150mg、0.42mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)アセトアルデヒド(144mg、0.83mmol)と反応させて3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31b)(102mg、収率59%)を生成した。ESI-MS (m/z): 416、418 [M+H]+。
【0269】
(b)3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(31b)(100mg、0.24mmol)をKOH(93mg、1.69mmol)で処理して3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b)(66mg、収率63%)を生成した。ESI-MS (m/z): 434、436 [M+H]+。
【0270】
(c)3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(33b)
化合物7について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(32b)(66mg、0.15mmol)をジエチルエーテル/メタノール(10mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-((3R,4S)-1-(2-クロロ-4-フルオロフェネチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(33b)(62mg、収率87%)を生成した。
【0271】
実施例24
3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(35)および対応する塩酸塩(36)
スキーム11
【0272】
(a)3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(34)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル 4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4)(220mg、0.61mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、シクロプロパンカルボアルデヒド(129mg、1.84mmol)と反応させて3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(34)(84mg、収率44%)を生成した。ESI-MS (m/z): 314 [M+H]+。
【0273】
(b)3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(35)
化合物23について記載の手順を使用して3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(34)(80mg、0.26mmol)をKOH(98mg、1.79mmol)で処理して3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(35)(60mg、収率71%)を生成した。ESI-MS (m/z): 332 [M+H]+。
【0274】
(c)3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(36)
化合物7について記載の手順を使用して3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド(35)(50mg、0.15mmol)をジエチルエーテル/メタノール(25mL/1.0mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-(1-(シクロプロピルメチル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(36)(40mg、収率72%)を得た。
【0275】
実施例25
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38a)および対応する塩酸塩(39a);
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38b)および対応する塩酸塩(39b)
スキーム12(絶対立体化学配置は示唆されない)
【0276】
3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(10e)を、Shimadzu LC-8A上でDaicel CHIRALPAK(登録商標)ID(250mm×30mm)カラムおよび移動相としてのHex/IPA(4:1) + 0.1% NH2CH2CH2OHを使用するキラル固定相クロマトグラフィーで立体異性体に分離した: 流量40mL/分でRt立体異性体(+)(37a) = 35分、Rt立体異性体(-)(37b) = 40分。
【0277】
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(39a)
【0278】
(a)(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38a)
(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(37a)(150mg、0.36mmol)のCH2Cl2(8mL)溶液に温度0℃でBBr3溶液(CH2Cl2中1.0M)(3.64mL、3.64mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で3時間攪拌した後、メタノール(10mL)を加え、得られた懸濁液を30分間攪拌した。揮発物を除去し、残渣をCH2Cl2/メタノール(99:1)からCH2Cl2/メタノール(9:1)までの勾配溶離を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38a)(125mg、収率86%)を得た。ESI-MS (m/z): 398 [M+H]+。
【0279】
(b)(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(39a)
化合物7について記載の手順を使用して(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38a)(125mg、0.31mmol)をジエチルエーテル/メタノール(3mL/2mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(39a)(136mg、収率100%)を生成した。
【0280】
(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(39b)
【0281】
(a)(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38b)
化合物38aについて記載の手順を使用して(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェネチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(37b)(160mg、0.39mmol)をBBr3溶液(CH2Cl2中1.0M)で処理して(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38b)(135mg、収率87%)を生成した。ESI-MS (m/z): 398 [M+H]+。
【0282】
(b)(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(39b)
化合物7について記載の手順を使用して(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(38b)(125mg、0.31mmol)をジエチルエーテル/メタノール(3mL/2mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシフェネチル)-ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(39b)(128mg、収率94%)を生成した。
【0283】
実施例26
3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(41a)および対応する塩酸塩(42a)
スキーム13
【0284】
(a)3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(40a)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3S,4R)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4a)(500mg、1.39mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(チオフェン-3-イル)アセトアルデヒド(877mg、6.95mmol)と反応させて3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(40a)(420mg、収率82%)を生成した。
【0285】
(b)3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(40a)(550mg、1.49mmol)をKOH(574mg、10.24mmol)で処理して3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a)(470mg、収率82%)を得た。
【0286】
(c)3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(42a)
化合物7について記載の手順を使用して3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41a)(447mg、1.15mmol)をジエチルエーテル/メタノール(25mL/2mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-((3S,4R)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(42a)(460mg、収率94%)を得た。
【0287】
実施例27
3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41b)および対応する塩酸塩(42b)
【0288】
(a)3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(40b)
化合物23について記載の手順を使用してtert-ブチル (3R,4S)-4-(3-シアノフェニル)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(4b)(260mg、0.72mmol)をトリフルオロ酢酸で処理した後、2-(チオフェン-3-イル)アセトアルデヒド(365 mg、2.89 mmol)と反応させて3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(40b)(175mg、収率66%)を生成した。
【0289】
(b)3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41b)
化合物23について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリル(40b)(170mg、0.46mmol)をKOH(177mg、3.22mmol)で処理して3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41b)(140mg、収率79%)を得た。
【0290】
(c)3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(42b)
化合物7について記載の手順を使用して3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド(41b)(123mg、0.32mmol)をジエチルエーテル/メタノール(12mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して3-((3R,4S)-3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-(2-(チオフェン-3-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(42b)(115mg、収率86%)を生成した。
【0291】
実施例28
(-)-Ent-B-syn 3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(43a)および対応する塩酸塩(44a); ならびに
(+)-Ent-A-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(43b)および対応する塩酸塩(44b)
スキーム14(絶対立体化学配置は示唆されない)
【0292】
rac-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(rac-syn-20)を、Shimadzu LC-8A上で(Daicel CHIRALPAK(登録商標)IC 250mm×10mm)カラムおよび移動相としてのHex/IPA(3:1) + 0.1% NH2CH2CH2OHを使用するキラル固定相クロマトグラフィーで立体異性体に分離した: 流量3mL/分でRt立体異性体(-)(43a) = 45分、Rt立体異性体(+)(43b) = 49分。
【0293】
(-)-Ent-B-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(44a)
化合物7について記載の手順を使用して(-)-Ent-B-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(43a)(120mg、0.30mmol)をジエチルエーテル(20mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して(-)-Ent-B-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(44a)(114mg、収率87%)を生成した。
【0294】
(+)-Ent-A-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(44b)
化合物7について記載の手順を使用して(+)-Ent-A-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド(43b)(120mg、0.30mmol)をジエチルエーテル(20mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して(+)-Ent-A-syn-3-[3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-(3-フェニル-プロピル)-ピペリジン-4-イル]-ベンズアミド塩酸塩(44b)(117mg、収率89%)を生成した。
【0295】
実施例29
(-)-Ent-B-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(45a)および対応する塩酸塩(46a); ならびに
(+)-Ent-A-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(45b)および対応する塩酸塩(46b)
スキーム15(絶対立体化学配置は示唆されない)
【0296】
3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド(rac-syn-9)を、Shimadzu LC-8A上で(Daicel CHIRALPAK(登録商標)ID 250mm×30mm)カラムおよび移動相としてのHex/IPA(85:15) + 0.1% NH2CH2CH2OHを使用するキラル固定相クロマトグラフィーで立体異性体に分離した: 流量15mL/分でRt立体異性体(+)(46b) = 37分、Rt立体異性体(-)(46a) = 43分。
【0297】
(-)-Ent-B-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(46a)
化合物7について記載の手順を使用して(-)-Ent-B-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(45a)(45mg、0.12mmol)をジエチルエーテル/メタノール(20mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して(-)-Ent-B-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(46a)(42mg、収率85%)を生成した。
【0298】
(+)-Ent-A-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(46b)
化合物7について記載の手順を使用して(+)-Ent-A-syn-3-(3-((ジメチルアミノ)メチル)-4-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(45b)(35mg、0.09mmol)をジエチルエーテル/メタノール(20mL/0.5mL)中にて2M HCl(ジエチルエーテル中)で処理して(+)-Ent-A-syn-3-(3-ジメチルアミノメチル-4-ヒドロキシ-1-フェネチル-ピペリジン-4-イル)-ベンズアミド塩酸塩(46b)(34mg、収率89%)を生成した。
【0299】
実施例30
本発明の選択された化合物のバイアス因子
nc = 計算せず
【0300】
実施例31
インビボ試験
インビボラット疼痛モデル実験を、対照薬としてのモルヒネ、または本発明の特定の例示的化合物の皮下(SC)投与を使用して行った。行われた実験は以下を含んだ:
(a) ラットテールフリック侵害受容性疼痛モデルにおいて化合物がモルヒネのED80に到達するために必要な用量;
(b) 加速ロータロッド;
(c) 胃腸運動;
(d) 呼吸抑制(30分時点のO2分圧); および
(e) 条件付け場所嗜好性。
【0301】
選択された結果を本明細書に示す。
【0302】
ラットテールフリック侵害受容性疼痛モデルにおけるモルヒネのED
80にモルヒネ1mg/kgの用量で到達した。本発明の例示的化合物については、(23a)で4.5mg/kg(
図1)、(41a)で5mg/kg(
図2)の用量で同様のED
80が達成された。したがって、すべての以下の試験では1mg/kgのモルヒネ、4.5mg/kgの(23a)、および5mg/kgの(41a)の活性を比較した。
【0303】
加速ロータロッド実験において、モルヒネは1mg/kgで鎮静作用を示さず、5mg/kgで有意な鎮静作用を示した(
図3~
図4)。(23a)は4.5mg/kgまたは18mg/kgで鎮静作用を示さなかった(
図3)。(41a)は5mg/kgまたは20mg/kgで鎮静作用を示さなかった(
図4)。
【0304】
胃腸運動実験において、ラットは、1mg/kgのモルヒネが投与された場合に、ビヒクルに比べてわずかな輸送の減少を示し、5mg/kgのモルヒネが投与された場合に、ビヒクルに比べて有意な輸送の減少を示した(
図5~
図6)。動物は、4.5mg/kgの(23a)が投与された場合に、ビヒクルに比べて有意な輸送の減少を示さず、18mg/kgの(23a)が投与された場合に、ビヒクルに比べてわずかな輸送の減少を示した(
図5)。動物は、5mg/kgまたは20mg/kgの(41a)が投与された場合に、ビヒクルに比べて有意な輸送の減少を示さなかった(
図6)。
【0305】
呼吸抑制試験において、O
2分圧を30分時点で測定した。ビヒクルはこれらの条件下でO
2分圧96mmHgを示した(
図7~
図8)。用量1mg/kgのモルヒネはビヒクルと同じO
2分圧を示し、用量5mg/kgのモルヒネはO
2分圧74mmHgを示した(
図7~
図8)。用量4.5mg/kgまたは18mg/kgの(23a)はビヒクルと同じO
2分圧を示した(
図7)。用量5mg/kgまたは20mg/kgの(41a)はビヒクルと同じO
2分圧を示した(
図8)。
【0306】
条件付け場所嗜好性試験において、動物は、5mg/kgのモルヒネが投与された際に、生理食塩水室との比較でモルヒネ室に対する有意な嗜好性を示した(
図9~
図10)。対照的に、18mg/kgの(23a)が投与された動物は、生理食塩水室との比較で(23a)室に対する嗜好性を示さなかった(
図9)。同様に、20mg/kgの(41a)が投与された動物は、生理食塩水室との比較で(41a)室に対する嗜好性を示さなかった(
図10)。
【0307】
本明細書において引用されるあらゆる特許、特許出願、および刊行物の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0308】
特定の態様を参照して本発明を開示してきたが、当業者が、本発明の真意および範囲を逸脱することなく、本発明の他の態様および変形を考案することができることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、すべてのその態様および同等の変形を含むものと解釈されるように意図されている。
【配列表】