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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-29
(45)【発行日】2022-10-07
(54)【発明の名称】車両用排気ガス低減装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20220930BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20220930BHJP
   F01N 3/30 20060101ALI20220930BHJP
   F01N 3/36 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
F01N3/20 D
F01N3/20 L
F01N3/24 L
F01N3/24 N
F01N3/30 C
F01N3/36 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020552877
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2018007991
(87)【国際公開番号】W WO2019194366
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2018-0038860
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507095312
【氏名又は名称】ファイバー テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イ セヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウ ゾンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム デヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ タクホン
(72)【発明者】
【氏名】イ ドクウイ
【審査官】稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0146939(US,A1)
【文献】特開平8-49528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンで発生する排気ガスが排出される排気ガス排出路が一側に形成された排気ガス排出ユニットと、前記排気ガスが排出される方向に沿って前記排気ガス排出ユニットの後端に連結され、触媒を用いて前記排気ガス中の有害成分を除去する触媒コンバータと、前記排気ガス排出ユニットの一側に結合され、前記排気ガスが触媒の活性化温度以上に加熱されて前記触媒コンバータに到達されるように前記排気ガス排出ユニットの内部を加熱する表面燃焼ユニットと、を含み、
前記表面燃焼ユニットは、燃料を媒介とした火炎の熱により前記排気ガス排出ユニットの内部を加熱させる燃料式表面燃焼ユニットであり前記排気ガス排出ユニットは、パイプ(pipe)状を有し、前記燃料式表面燃焼ユニットが結合される場所を形成する排出ハウジング部と、前記排出ハウジング部の一側に結合され、前記エンジン側に連結されるエンジン連結部と、をみ、
前記燃料式表面燃焼ユニットは、前記排出ハウジング部の開放された部分で前記排出ハウジング部をくるむように結合され、内部が空いた空間部を形成するユニットボディ部と、前記燃料が供給される燃料供給部、及び前記燃料に混合されるべき空気(air)が供給される空気供給部を備え、前記ユニットボディ部に結合されて前記ユニットボディ部内の空間部に前記燃料と前記空気を供給する供給用コネクタと、を含み、
前記燃料式表面燃焼ユニットは、前記ユニットボディ部内の空間部に設けられ、前記空間部に向かう前記燃料と前記空気を分配してガイドする少なくとも1つの分配用ガイドと、前記排出ハウジング部と接する前記ユニットボディ部の開口部に配置される表面燃焼用マットと、前記ユニットボディ部の一側に設けられ、前記表面燃焼用マットが点火されるようにする点火モジュールと、を含み、
前記供給用コネクタは、前記ユニットボディ部の前記空間部の、前記排気ガスが排出される方向における中間部の位置で、前記ユニットボディ部に結合されており、
前記分配用ガイドは、前記ユニットボディ部の前記空間部内において、前記ユニットボディ部の外壁と前記排出ハウジング部の外壁とから半径方向に離隔する中間部に、前記排出ハウジング部をくるむように配設されており、前記分配用ガイドは、断面視において前記排気ガスが排出される方向に延びる板形状を有し、
前記ユニットボディ部の前記空間部へ供給される前記燃料と前記空気は、前記分配用ガイドによって、前記排気ガスが排出される方向へ分配されることを特徴とする、車両用排気ガス低減装置。
【請求項2】
前記排気ガス排出ユニットは、前記排出ハウジング部との離隔間隔を挟んで前記排出ハウジング部内の半径方向内側に配置されるパイプ状の内部隔壁部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用排気ガス低減装置。
【請求項3】
前記排気ガス排出ユニットは、前記排出ハウジング部の他側に結合され、前記触媒コンバータ側に連結されており、前記排気ガスと前記火炎による熱が混合される混合ダクト部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用排気ガス低減装置。
【請求項4】
前記エンジンの始動有無を検知するエンジン始動有無検知器と、前記エンジン始動有無検知器の検知信号に基づいて、前記表面燃焼ユニットの動作をコントロールするコントローラと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用排気ガス低減装置。
【請求項5】
前記コントローラと連結され、前記表面燃焼ユニットの動作時間を設定するタイマをさらに含み、前記燃料は、メタン、ブタン、プロパン、自己燃料から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の車両用排気ガス低減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用排気ガス低減装置に関し、より詳細には、従来の電気加熱方式と違って、触媒の活性化温度到達時間を著しく減少させることで、始動初期における排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるだけでなく、排気ガス排出ユニット自体でも排気ガスを直接燃焼させて排気ガス中の有害成分及び煤煙の一定量を予め低減させてから触媒コンバータに移動させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させることができる車両用排気ガス低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都心における車両が増加するに伴い、車両のエンジンから発生した排気ガスが大気汚染の主原因となっていると報告されている。
【0003】
特に、車両エンジン(以下、エンジンという)から排出される排気ガス中には、人体に有害なCO、HC、及びNOxなどの有害成分が多量で含有されているため、それをそのまま放出する場合、大気汚染を誘発する。
【0004】
そこで、近年、車両の排気管の一側に触媒コンバータを設け、排気ガス中の有害成分を除去するための技術が提案されている状況である。
【0005】
触媒コンバータが適用された車両で、触媒が本来の機能、すなわち、排気ガス中の有害成分を除去する機能を果たすためには、触媒が活性化されていなければならない。触媒の活性化温度は、約300~400℃以上であると知られている。
【0006】
一方、車両が運行中である場合には、排気ガスの温度が上述の触媒の活性化温度よりも遥かに高いため、触媒による排気ガスの有害成分の除去作業が円滑に行われることができる。
【0007】
しかし、エンジンの始動初期、いわゆる冷間状態では、排気ガスの温度が低いだけでなく、シリンダーヘッドと排気マニホールドも冷却されているため、排出される排気ガスにより触媒が加熱され、その活性化温度に達するまでは一定時間がかかるしかない。この時間中には、触媒による排気ガスの有害成分の除去作業が全く行われないため、有害成分を含有する排気ガスがそのまま大気中に排出されるしかない。実際に、始動初期には、95%以上の炭化水素化合物が排出されると報告されている。
【0008】
そこで、かかる問題を解決するために、図1のような電気加熱式触媒コンバータが制限されている。
【0009】
図1の触媒加熱式触媒コンバータは、触媒2の周辺に電熱板6、7を適用し、触媒2が予め加熱されるようにしたものである。電熱板6、7は、電気により発熱しつつ触媒2が予め加熱されるようにする。
【0010】
ところが、かかる方式は、電熱板6、7を触媒2の周辺に配置して電気により加熱する方式であるため、触媒2の加熱にかかる加熱時間があまり短縮されにくく、車両の電気容量の限界によって、実質的な効果があまり高くない。このような点を考慮すると、従来に知られていない新しい概念の車両用排気ガス低減装置についての技術開発が必要となっていることが現状である。
【0011】
本発明の技術分野に関連した先行文献としては、韓国特許出願第10-1997-0062345号、第10-2003-0070728号、実用新案出願第20-1993-0028110号、第20-2002-0008298号などが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来の電気加熱方式と違って、触媒の活性化温度到達時間を著しく減少させることで、始動初期における排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるだけでなく、排気ガス排出ユニット自体でも排気ガスを直接燃焼させて排気ガス中の有害成分及び煤煙の一定量を予め低減させてから触媒コンバータに移動させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させることができる車両用排気ガス低減装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、排気ガス中に含まれている有害成分及び煤煙を低減させることができる車両用排気ガス低減装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、車両のエンジンで発生する排気ガスが排出される排気ガス排出路が一側に形成された排気ガス排出ユニットと、前記排気ガスが排出される方向に沿って前記排気ガス排出ユニットの後端に連結され、触媒を用いて前記排気ガス中の有害成分を除去する触媒コンバータと、前記排気ガス排出ユニットの一側に結合され、前記排気ガスが触媒の活性化温度以上に加熱されて前記触媒コンバータに到達されるように前記排気ガス排出ユニットの内部を加熱する表面燃焼ユニットと、を含むことを特徴とする車両用排気ガス低減装置により達成される。
【0015】
前記表面燃焼ユニットは、燃料を媒介とした火炎の熱により前記排気ガス排出ユニットの内部を加熱させる燃料式表面燃焼ユニットであってもよい。
【0016】
前記排気ガス排出ユニットは、パイプ(pipe)状を有し、前記燃料式表面燃焼ユニットが結合される場所を形成する排出ハウジング部と、前記排出ハウジング部の一側に結合され、前記エンジン側に連結されるエンジン連結部と、を含んでもよい。
【0017】
前記排気ガス排出ユニットは、前記排出ハウジング部との離隔間隔を挟んで前記排出ハウジング部内の半径方向内側に配置されるパイプ状の内部隔壁部をさらに含んでもよい。
【0018】
前記排気ガス排出ユニットは、前記排出ハウジング部の他側に結合され、前記触媒コンバータ側に連結されており、前記排気ガスと前記火炎による熱が混合される混合ダクト部をさらに含んでもよい。
【0019】
前記燃料式表面燃焼ユニットは、前記排出ハウジング部の開放された部分で前記排出ハウジング部をくるむように結合され、内部が空いた空間部を形成するユニットボディ部と、前記燃料が供給される燃料供給部、及び前記燃料に混合されるべき空気(air)が供給される空気供給部を備え、前記ユニットボディ部に結合されて前記ユニットボディ部内の空間部に前記燃料と前記空気を供給する供給用コネクタと、を含んでもよい。
【0020】
前記燃料式表面燃焼ユニットは、前記ユニットボディ部内の空間部に設けられ、前記空間部に向かう前記燃料と前記空気を分配してガイドする少なくとも1つの分配用ガイドと、前記排出ハウジング部と接する前記ユニットボディ部の開口部に配置される表面燃焼用マットと、前記ユニットボディ部の一側に設けられ、前記表面燃焼用マットが点火されるようにする点火モジュールと、を含んでもよい。
【0021】
前記エンジンの始動有無を検知するエンジン始動有無検知器と、前記エンジン始動有無検知器の検知信号に基づいて、前記表面燃焼ユニットの動作をコントロールするコントローラと、をさらに含んでもよい。
【0022】
前記コントローラと連結され、前記表面燃焼ユニットの動作時間を設定するタイマをさらに含み、前記燃料は、メタン、ブタン、プロパン、自己燃料から選択されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、従来の電気加熱方式と違って、触媒の活性化温度到達時間を著しく減少させることで、始動初期における排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるだけでなく、排気ガス排出ユニット自体でも排気ガスを直接燃焼させて排気ガス中の有害成分及び煤煙の一定量を予め低減させてから触媒コンバータに移動させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来技術に係るエンジンの冷間始動時における触媒の早期活性化のための触媒加熱式触媒コンバータの構造図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の構造図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4図2の制御ブロック図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の制御ブロック図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面とともに詳細に後述される実施形態を参照すると明確になるであろう。
【0026】
しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態で実現される。
【0027】
本明細書において、本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝達するために提供されるものである。そして、本発明は、請求範囲の範疇によってのみ定義される。
【0028】
よって、いくつかの実施形態において、公知の構成要素、公知の動作、及び公知の技術は、本発明が不明瞭に解釈されることを避けるために具体的に説明されない。
【0029】
明細書の全体において、同一の参照符号は同一の構成要素を指す。そして、本明細書で用いられた(言及された)用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限するためのものではない。
【0030】
本明細書において、単数形は文句で特に言及しない限り、複数形も含む。また、「含む(または、備える)」と言及された構成要素及び動作(作用)は、1つ以上の他の構成要素及び動作の存在または追加を排除しない。
【0031】
別に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に共通的に理解される意味で用いられることができる。
【0032】
また、一般に用いられる辞書に定義されている用語は、別に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0034】
図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の構造図であり、図3図2の要部拡大図であり、また、図4図2の制御ブロック図である。
【0035】
これらの図面を参照すると、本実施形態に係る車両用排気ガス低減装置は、従来の電気加熱方式と違って、触媒の活性化温度到達時間を著しく減少させることで、始動初期における排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させるようにしたものである。
【0036】
かかる効果を提供することができる本実施形態に係る車両用排気ガス低減装置は、排気ガス排出ユニット110と、触媒コンバータ130と、表面燃焼ユニット140と、を含んでもよい。
【0037】
排気ガス排出ユニット110は、車両のエンジンで発生した排気ガスが排出される場所を成す。したがって、排気ガス排出ユニット110には、排気ガスが排出される排気ガス排出路111が形成されている。排気ガス排出ユニット110の一端部は、図2のようにエンジン側に連結されていることができる。
【0038】
排気ガス排出ユニット110は、排出ハウジング部121と、エンジン連結部122と、を含む。排出ハウジング部121とエンジン連結部122は、混合ダクト部125とともに互いにフランジ結合されるため、結合または分解作業が容易になる。したがって、設置及びメンテナンスを容易に行うことができる。
【0039】
排出ハウジング部121はパイプ(pipe)状を有する。排出ハウジング部121は、表面燃焼ユニット140が結合される場所を形成する。表面燃焼ユニット140が結合される排出ハウジング部121の一側は開放されている。
【0040】
排出ハウジング部121の内部には内部隔壁部123が設けられる。内部隔壁部123は、排出ハウジング部121との離隔間隔124を挟んで排出ハウジング部121内の半径方向内側に配置されるパイプ(pipe)状の構造物であって、排気ガスによる火炎を保護する役割を担う。
【0041】
エンジン連結部122は、排出ハウジング部121の一側に結合され、エンジン側に連結される一種のパイプである。エンジン連結部122は、内部隔壁部123の直径よりも大きく形成される。排気ガス排出路111は、エンジン連結部122と内部隔壁部123の内部空間を意味する。
【0042】
本実施形態において、排気ガス排出ユニット110は、混合ダクト部125をさらに含む。混合ダクト部125は、排出ハウジング部121の他側に結合され、触媒コンバータ130側に連結される部分であり、排気ガスと火炎による熱が二次混合された後、触媒コンバータ130に向かうようにする場所を成す。
【0043】
後に詳述するが、本実施形態では、表面燃焼ユニット140により排気ガスが一次昇温されながら混合ダクト部125に向かい、混合ダクト部125で排気ガスが熱によって完全に混合された後、触媒コンバータ130に排出される形態を取るため、初期始動の際にも、排気ガス中の有害成分を効果的に除去することができる。実際に、混合ダクト部125の温度が、触媒の活性化温度である300~400℃以上、すなわち、400℃以上であるため、後端の触媒が活性化されることを大きく助けることができる。
【0044】
触媒コンバータ130は、排気ガスが排出される方向に沿って排気ガス排出ユニット110の後端に連結される装置であり、触媒を用いて排気ガス中の有害成分を除去する役割をする。触媒コンバータ130としては、通常のものをそのまま適用することができる。
【0045】
一方、表面燃焼ユニット140は、排気ガス排出ユニット110の一側に結合されるものであり、排気ガスが触媒コンバータ130に到達する前に触媒の活性化温度以上に加熱されるように、排気ガス排出ユニット110の表面を燃焼させる役割をする。
【0046】
本実施形態において、表面燃焼ユニット140は、燃料を媒介とした火炎の熱により排気ガス排出ユニット110の表面を燃焼させる燃料式表面燃焼ユニット140として適用される。
【0047】
よって、電気加熱方式を利用していた図1の従来技術とは異なり、また、初期始動時に排気ガスを加熱する時間を従来より著しく短縮させることができる。したがって、従来のように、触媒の非活性化により、排気ガスの有害成分がそのまま大気中に放出される現象を予防することができる。
【0048】
かかる燃料式表面燃焼ユニット140は、ユニットボディ部141と、供給用コネクタ143と、を含んでもよい。
【0049】
ユニットボディ部141は、排出ハウジング部121の開放された部分で排出ハウジング部121をくるむように結合された円筒状構造物である。ユニットボディ部141の内部は、空き空間部142を形成する。
【0050】
供給用コネクタ143は、燃料が供給される燃料供給部144と、燃料に混合されるべき空気(air)が供給される空気供給部145と、を備えており、ユニットボディ部141に結合され、ユニットボディ部141内の空間部142に燃料と空気を供給する役割をする。
【0051】
供給用コネクタ143の燃料供給部144によりユニットボディ部141に供給される燃料は、メタン、ブタン、プロパンなどのガス(gas)であってもよいが、かかるガス燃料の供給のために、該当ガスが入っているカートリッジの適用を考慮することも可能である。
【0052】
しかし、自己燃料、例えば、ディーゼル車の場合は、軽油を燃料として使用することもできるが、このような事項は、何れも本発明の権利範囲に属するとすべきである。
【0053】
一方、ユニットボディ部141内には、分配用ガイド146、表面燃焼用マット150、及び点火モジュール147が備えられることができる。
【0054】
分配用ガイド146は、ユニットボディ部141内の空間部142に設けられ、供給用コネクタ143を介して空間部142に向かう燃料と空気を分配してガイドする役割をする。
【0055】
換言すれば、分配用ガイド146により、燃料と空気がユニットボディ部141内の空間部142の全領域に広がりながらガイドされることができる。これにより、広い面積での表面燃焼が可能となり、排気ガスを予め加熱して排出させることを大きく助ける。
【0056】
表面燃焼用マット150は、排出ハウジング部121と接するユニットボディ部141の開口部に配置されるマットであり、実質的に火炎が起きる場所を成す。
【0057】
表面燃焼用マット150が、まるでパイプのように、排出ハウジング部121の周りに沿って配置されており、ここで火炎が発生するため、排出される排気ガスの加熱効率が向上することができる。
【0058】
点火モジュール147は、ユニットボディ部141の一側に設けられ、表面燃焼用マット150が点火されるようにする装置である。遠隔で動作されることができる。
【0059】
一方、本実施形態に係る車両用排気ガス低減装置100には、エンジン始動有無検知器161及びコントローラ180がさらに備えられている。
【0060】
エンジン始動有無検知器161は、エンジンの始動有無を検知する一種のセンサである。そして、コントローラ180は、エンジン始動有無検知器161の検知信号に基づいて燃料式表面燃焼ユニット140の動作をコントロールする。
【0061】
このような役割を果たすコントローラ180は、中央処理装置(CPU)181、メモリ(MEMORY)182、及びサポート回路(SUPPORT CIRCUIT)183を含んでもよい。
【0062】
中央処理装置181は、本実施形態において、エンジン始動有無検知器161の検知信号に基づいて燃料式表面燃焼ユニット140の動作をコントロールするために産業的に適用可能な種々のコンピュータプロセッサのうち1つであってもよい。
【0063】
メモリ(MEMORY)182は、中央処理装置181と連結される。メモリ182は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体としてローカルまたは遠隔地に設置されることができ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ROM、フロッピーディスク、ハードディスク、または任意のデジタル記憶形態のように、容易に利用可能な少なくとも1つ以上のメモリであってもよい。
【0064】
サポート回路(SUPPORT CIRCUIT)183は、中央処理装置181と結合され、プロセッサの典型的な動作を支援する。かかるサポート回路183は、キャッシュ、パワーサプライ、クロック回路、入/出力回路、ザブシステムなどを含んでもよい。
【0065】
本実施形態において、コントローラ180は、エンジン始動有無検知器161の検知信号に基づいて燃料式表面燃焼ユニット140の動作をコントロールするが、このような一連のコントロールプロセスなどは、メモリ182に格納されることができる。典型的には、ソフトウェアルーチンがメモリ182に格納されることができる。ソフトウェアルーチンは、また、他の中央処理装置(不図示)により格納または実行されることができる。
【0066】
本発明に係るプロセスは、ソフトウェアルーチンにより実行されると説明したが、本発明のプロセスのうち少なくとも一部は、ハードウェアにより行われることも可能である。このように、本発明のプロセスは、コンピュータシステムで実行されるソフトウェアにより実現されるか、または集積回路のようなハードウェアにより実現されるか、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実現されることができる。
【0067】
以下、本実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の作用を説明する。
【0068】
運転者がエンジンを始動する。そうすると、エンジン始動有無検知器161がそれを検知してコントローラ180に情報を伝送し、コントローラ180は、燃料式表面燃焼ユニット140が動作するようにコントロールする。
【0069】
コントローラ180のコントロールによって燃料式表面燃焼ユニット140が動作すると、供給用コネクタ143を介して燃料と空気が供給され、点火モジュール147の作用により表面燃焼用マット150に火炎が発生することで、排気ガス排出路111に沿って排出される排気ガスが加熱されることができる。
【0070】
このように燃料式表面燃焼ユニット140により加熱されて昇温された排気ガスが混合ダクト部125に向かうことになり、混合ダクト部125で排気ガスがさらに熱により完全に混合された後、触媒コンバータ130に向かうことになる。これにより、触媒コンバータ130の触媒作用により排気ガス中の有害成分が除去されることができる。特に、初期始動の際にも、排気ガス中の有害成分を効果的に除去することができる。
【0071】
上述のように、触媒は、温度が上昇した際に活性化されて排気ガス中の有害成分を除去することができるが、従来は、触媒を活性化させるまで数十秒以上の時間がかかっていたのに対し、本実施形態では、数秒で十分であるため、排気ガス中の有害成分を除去するに際して優れた効果を提供することができる。
【0072】
特に、本実施形態は、エンジンの始動初期に排気ガス中の有害成分を除去するに際して優れた効果を提供することができる。
【0073】
以上で説明したような構造と作用を有する本実施形態によると、従来の電気加熱方式と違って、触媒の活性化温度到達時間を著しく減少させることで、始動初期における排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるだけでなく、排気ガス排出ユニット110自体でも排気ガスを直接燃焼させて排気ガス中の有害成分及び煤煙の一定量を予め低減させてから触媒コンバータ130に移動させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させることができる。
【0074】
図5は、本発明の第2実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の制御ブロック図である。
【0075】
この図面を参照すると、本実施形態でも、コントローラ280が、エンジン始動有無検知器161の検知信号に基づいて燃料式表面燃焼ユニット140の動作をコントロールする。その動作は上述と同様である。
【0076】
但し、本実施形態では、コントローラ280にタイマ240が取り付けられる。タイマ240は、燃料式表面燃焼ユニット140の動作時間を設定する役割をする。
【0077】
すなわち、燃料式表面燃焼ユニット140は、エンジンの初期始動時にのみ動作すればよく、車両の運行中には動作する必要がないという点を考慮して、例えば、タイマ240を30秒にセットしておくと、エンジンの初期始動時に燃料式表面燃焼ユニット140が30秒間のみ駆動され、その後には自動でオフ(off)になることができる。したがって、不要に燃料式表面燃焼ユニット140が駆動し続けられる現象を防止することができる。
【0078】
本実施形態が適用される場合にも、従来の方式と違って、排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させることができる。
【0079】
図6は、本発明の第3実施形態に係る車両用排気ガス低減装置の要部拡大図である。
【0080】
この図面を参照すると、本実施形態に係る車両用排気ガス低減装置も、排気ガス排出ユニット310と、触媒コンバータ130(図2参照)と、燃料式表面燃焼ユニット140と、を含み、これらの構造と機能は上述の実施形態と同様である。
【0081】
但し、本実施形態では、排気ガス排出ユニット310の一構成である内部隔壁部323に多数の通気孔323aが形成されるが、このように内部隔壁部323に多数の通気孔323aが形成されても、本発明の効果を提供することができる。
【0082】
すなわち、本実施形態が適用される場合にも、従来の方式と違って、排気ガス中の有害成分を効果的に除去して排出させることができるため、大気及び環境汚染の予防に寄与することができ、さらには、コンパクトで且つ効率的な構造を有することで、どのような場所にも容易に適用可能であって、実質的な活用度を大幅に向上させることができる。
【0083】
このように、本発明はこれに記載の実施形態に限定されず、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多様に修正及び変形が可能であることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとって自明である。よって、そのような修正例または変形例は、本発明の請求範囲に属するとすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6