(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷装置
(51)【国際特許分類】
D06B 23/04 20060101AFI20221004BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20221004BHJP
D06B 11/00 20060101ALI20221004BHJP
D06H 3/08 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
D06B23/04 102
B41J2/01 109
B41J2/01 401
B41J2/01 451
D06B11/00 Z
D06H3/08
(21)【出願番号】P 2018123349
(22)【出願日】2018-06-28
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】小林 壯行
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202679(JP,A)
【文献】特開2010-179544(JP,A)
【文献】特開2013-023777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06B 1/00-23/30
D06H 1/00- 7/24
B41J 2/01,
11/00-11/70
B05D 1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる液体を吐出して印刷対象に印刷を行う少なくとも2つの印刷装置と、
前記印刷対象を保持して前記2つの印刷装置の一方の印刷装置に装着し、当該一方の印刷装置で印刷された前記印刷対象を保持したまま、他方の印刷装置に装着可能な印刷対象保持部材と、を含み、
前記印刷対象保持部材は1又は複数の記憶手段を有し、
前記記憶手段には、前記印刷対象保持部材を前記2つの印刷装置にそれぞれ装着したときの2つの姿勢情報又は前記2つの姿勢情報の差分情報が記憶され、
前記他方の印刷装置は、前記印刷対象保持部材の前記記憶手段に記憶された前記2つの姿勢情報又は前記差分情報に基づいて前記印刷動作の制御を行
い、
前記印刷対象保持部材には、第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向に延びる姿勢検出用の十字マークが設けられ、
前記記憶手段には、前記姿勢情報又は差分情報として、前記十字マークの前記第1方向の両端部及び前記第2方向の両端部の各位置情報又は各位置の差分情報が記憶され、
前記他方の印刷装置は、前記十字マークの前記第1方向の両端部及び前記第2方向の両端部の各位置情報又は各位置の差分情報から回転方向のずれ量を検出して、前記回転方向のずれ量を補正した前記印刷動作の制御を行う
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記記憶手段には、前記印刷対象保持部材が前記一方の印刷装置に装着されたことを示す履歴情報が記憶される
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記2つの姿勢情報又は前記差分情報は、前記印刷対象保持部材の前記印刷対象を保持する保持面を複数に分割した領域毎に記憶される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記他方の印刷装置は、前記2つの姿勢情報又は前記差分情報に基づいて、液体を吐出するタイミングを補正する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項5】
印刷対象を保持して少なくとも2つの印刷装置の一方の印刷装置に装着し、当該一方の印刷装置で印刷された前記印刷対象を保持したまま、他方の印刷装置に装着可能であり、
前記2つの印刷装置にそれぞれ装着したときの2つの姿勢情報又は前記2つの姿勢情報の差分情報が記憶される記憶手段を備える印刷対象保持部材を装着可能であり、
前記印刷対象保持部材には、第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向に延びる姿勢検出用の十字マークが設けられて、
前記記憶手段には、前記姿勢情報又は差分情報として、前記十字マークの前記第1方向の両端部及び前記第2方向の両端部の各位置情報又は各位置の差分情報が記憶されており、
前記印刷対象保持部材の前記記憶手段に記憶された、
前記十字マークの前記第1方向の両端部及び前記第2方向の両端部の各位置情報又は各位置の差分情報から回転方向のずれ量を検出して、前記回転方向のずれ量を補正した前記印刷動作の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記2つの姿勢情報又は前記差分情報は、前記印刷対象保持部材の前記印刷対象を保持する保持面を複数に分割した各領域毎に記憶され、
前記領域毎の前記2つの姿勢情報又は前記差分情報に基づいて、各領域における液体を吐出するタイミングを補正する
ことを特徴とする請求項
5に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、印刷対象としての布地に印刷を行う装置として、布地を保持したままで、布地に印刷する装置と布地を加熱する装置との両方に共用される印刷対象保持部材を使用して印刷を行うものが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、同じ機体の同じキャリッジの傾斜による吐出ヘッドの高さ位置ずれを抑えるために、印刷媒体に対して着弾位置ズレ調整パターンを印刷して、パターンの読み取り結果に基づいて吐出タイミングを制御するものが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-202681号公報
【文献】特許第5383267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、同じ印刷対象に異なる印刷装置によって異なる液体を使用して印刷(これを「重ね印刷」という。)しようとすると、印刷位置ずれが発生するという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、重ね印刷するときの印刷位置ずれを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る印刷システムは、
異なる液体を吐出して印刷対象に印刷を行う少なくとも2つの印刷装置と、
前記印刷対象を保持して前記2つの印刷装置の一方の印刷装置に装着し、当該一方の印刷装置で印刷された前記印刷対象を保持したまま、他方の印刷装置に装着可能な印刷対象保持部材と、を含み、
前記印刷対象保持部材は1又は複数の記憶手段を有し、
前記記憶手段には、前記印刷対象保持部材を前記2つの印刷装置にそれぞれ装着したときの2つの姿勢情報又は前記2つの姿勢情報の差分情報が記憶され、
前記他方の印刷装置は、前記印刷対象保持部材の前記記憶手段に記憶された前記2つの姿勢情報又は前記差分情報に基づいて前記印刷動作の制御を行い、
前記印刷対象保持部材には、第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向に延びる姿勢検出用の十字マークが設けられ、
前記記憶手段には、前記姿勢情報又は差分情報として、前記十字マークの前記第1方向の両端部及び前記第2方向の両端部の各位置情報又は各位置の差分情報が記憶され、
前記他方の印刷装置は、前記十字マークの前記第1方向の両端部及び前記第2方向の両端部の各位置情報又は各位置の差分情報から回転方向のずれ量を検出して、前記回転方向のずれ量を補正した前記印刷動作の制御を行う
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重ね印刷するときの印刷位置ずれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る印刷システムの外観斜視説明図である。
【
図2】同じく印刷対象を保持した印刷対象保持部材を第1印刷装置に装着した状態の外観斜視説明図である。
【
図3】印刷装置の一例の機構部の全体構成を説明する斜視説明図である。
【
図4】同じく
図3と異なる方向から見た斜視説明図である。
【
図6】同じくカセットの外周カバーを開いた状態の斜視説明図である。
【
図7】同じく
図6の面S1における断面に相当するカセットの長手方向に沿う概略断面説明図である。
【
図8】カセットの記憶手段及び印刷装置の読み取り/書込み手段の説明に供する斜視説明図である。
【
図9】印刷装置のカセットの姿勢検出に係る構成の説明に供する模式的正面説明図である。
【
図12】第1印刷装置におけるカセットの姿勢と第2印刷装置におけるカセットの姿勢の位置ずれの一例の説明に供する平面説明図である。
【
図13】本発明の第2実施形態におけるカセットの姿勢情報の説明に供する平面説明図である。
【
図14】同じく印刷画像の一例を説明する説明図である。
【
図15】本発明の第3実施形態におけるカセットの姿勢情報の説明に供する説明図である。
【
図16】同実施形態におけるカセットを含む印刷装置の機構部の斜視説明図である。
【
図17】本発明の第4実施形態におけるカセットの姿勢情報の説明に供する説明図である。
【
図18】姿勢検出動作及び吐出制御に係る制御手段の説明に供するブロック説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は同実施形態に係る印刷システムの外観斜視説明図、
図2は同じく印刷対象を保持した印刷対象保持部材を第1印刷装置に装着した状態の外観斜視説明図である。
【0011】
印刷システム1000は、印刷対象保持手段としてのカセット200と、少なくとも2つの印刷装置1(以下、区別するときには、第1印刷装置1A、第2印刷装置1Bという。)を備えている。なお、3つ以上の印刷装置1を含む構成とすることもでき、また、カセット200をそのまま出し入れ可能な加熱装置を備えることもできる。
【0012】
印刷装置1は、カセット200が着脱自在に装着可能で、カセット200に保持された印刷対象(被印刷部材)でもある布地400に画像を印刷する。
【0013】
本実施形態では、布地400を保持したカセット200を一方の印刷装置である第1印刷装置1Aに装着して布地400に印刷を施した後、カセット200を第1印刷装置1Aから取り出して、当該印刷が施された布地400を保持したまま、カセット200を他方の印刷装置である第2印刷装置1Bに装着して、当該布地400に重ねて印刷を施すことができる。
【0014】
このとき、カセット200に備える記憶手段には2つの印刷装置1にそれぞれ装着したときの2つの姿勢情報、又は、その2つの姿勢情報の差分情報が記憶され、加えて第1印刷装置1Aに装着されたことを示す履歴情報も記憶される。
【0015】
そこで、他方の印刷装置である第2印刷装置1Bは、カセット200の記憶手段に記憶されている2つの姿勢情報又は差分情報に基づいて重ね合わせ印刷の印刷動作の制御を行うことで、カセット200の姿勢のずれに伴う印刷対象の位置ずれを補正して印刷を行う。
【0016】
つまり、例えば印刷対象の素材や素材色に対して、発色性の向上、洗濯堅牢性の向上、印刷品質の向上などを目的として、カラーインクを吐出してカラー画像を印刷する前に、前処理液やカラーベースコートとしての白インクを予め印刷(塗布)することが知られている。
【0017】
この場合、前処理液は、カラー印刷を行う前に、加熱処理にて液体を印刷対象に定着させる必要があることが知られている。また、白インクを予め塗布した後カラーインクを塗布するときには、白インクにて形成した画像位置に合わせて、カラーインクを吐出するために吐出位置精度を向上する必要がある。
【0018】
また、前処理液や白インクは、カラーインクと比べて取り扱いが困難なものが多い。例えば、酢酸など酸性の前処理液などは、ケミカルアタック性が高く、他のインクと混同したときに液体粘度の上昇や固着を生じさせるなどする。また、白インクなどは白顔料成分である酸化チタンなどが経時と共に沈降し、インク成分が分離し易く、乾燥性が高く、固着し易い。そのため、前処理液や白インクを使用する装置では、メンテナンス頻度が高く、ダウンタイムを発生させる可能性が高くなる。
【0019】
そこで、本実施形態では、第1印刷装置1Aで前処理液或いは白インクを吐出して印刷対象である布地400に印刷を行い、当該布地400を保持したまま、カセット200を第2印刷装置1Bに装着して、第2印刷装置1Bでカラー画像印刷する。
【0020】
これにより、第1印刷装置1Aでのメンテナンスが発生した場合でも、第2印刷装置1Bは継続しようすることができ、ダウンタイムを低減することができる。
【0021】
次に、印刷装置の一例について
図3及び
図4を参照して説明する。
図3は同印刷装置の機構部の全体構成を説明する斜視説明図、
図4は同じく
図3と異なる方向から見た斜視説明図である。
【0022】
印刷装置1は、装置本体100内に、布地400を保持するカセット200を着脱可能に保持して進退移動する受け部材であるステージ111と、ステージ111で保持されたカセット200に保持されている布地400に印刷する印刷手段112とを備えている。
【0023】
ここで、布地400としては、ハンカチ、タオルなどの一枚の布地で形成されるものだけではなく、Tシャツ、トレーナーなどの衣服として加工された布地、トートバック等の製品の一部となっている布地も用いることができる。
【0024】
ステージ111は、装置本体100に対して矢印Y方向(送り方向)に移動可能に保持された搬送構造体113上に設けられている。
【0025】
ここでは、装置本体100の底部筐体部114に矢印Y方向に沿って搬送ガイド部材115が配置され、搬送構造体113のスライダ部116が搬送ガイド部材115によって移動可能に保持されている。
【0026】
印刷手段112は、ステージ111に対して矢印X方向(主走査方向)に移動するキャリッジ121と、キャリッジ121に搭載されたヘッド122とを備えている。
【0027】
キャリッジ121は、矢印X方向に沿って配置されたガイド部材123で移動可能に保持され、駆動モータ124によってタイミングベルト125などの走査機構部を介して矢印X方向に往復移動される。ヘッド122は液体吐出ヘッドを用いて、インクを布地表面に吐出して画像の形成を行っているが、これに限るものではない。
【0028】
この印刷装置1においては、カセット200のプラテン部材300に布地400をセットした状態で、装置本体100内のステージ111にカセット200を装着して保持する。そして、ステージ111の矢印Y方向への移動とヘッド122の矢印X方向への往復移動を繰り返すことで、布地400に所要の画像を印刷する。
【0029】
この場合、ステージ111は矢印Z方向にも昇降可能とし、布地400の厚さに応じてステージ111を昇降させることで、布地400とヘッド122とのギャップを所定のギャップに調整可能としている。なお、印刷手段112を昇降可能とすることもできる。
【0030】
次に、カセットの一例について
図5ないし
図7も参照して説明する。
図5は同カセットの斜視説明図、
図6は同じくカセットの外周カバーを開いた状態の斜視説明図、
図7は同じく
図6の面S1における断面に相当するカセットの長手方向に沿う概略断面説明図である。
【0031】
カセット200は、ベース部材201と、布地400の印刷が施される部分を平坦な状態で保持するプラテン部材300とを有している。
【0032】
プラテン部材300は、プラテン構造体302と、布地400を平坦な状態で保持する面を構成する断熱部材301とで構成されている。断熱部材301は、加熱装置500による加熱に対して耐熱性を有する。
【0033】
そして、ベース部材201には、外周カバー部材202の一端部がヒンジ203で回転可能に取り付けられ、外周カバー部材202はベース部材201に対して矢印方向に開閉可能に設けられている。
【0034】
外周カバー部材202は、プラテン部材300に対応する部分に開口部202aを有する枠部202bを備え、枠部202bとプラテン部材300の外周部分のフランジ部300aとの間で布地400を押さえる。
【0035】
プラテン部材300はベース部材201に対して支持部311で支持して、プラテン部材300とベース部材201との間には布地400の余剰部分400aを収容できる収容空間312を形成している。余剰部分400aは、例えばTシャツの前面に印刷を行う場合においては、両袖や襟口、すそ等が該当する。
【0036】
ここで、プラテン部材300はベース部材201から着脱可能であり交換可能に形成されている。これによりプラテン部材300を複数用意し、印刷動作中に別のプラテン部材300に衣類を巻き付けておくことができ、印刷、定着終了後にプラテン部材300を交換するだけで速やかに次の布地の印刷を開始することができる。
【0037】
このカセット200に布地400をセットするときには、
図6に示すように、外周カバー部材202を開いて、プラテン部材300上に布地400をセット(保持)する。このとき、布地400の余分な部分(余剰部分)400aを
図7に示すように、収容空間312内に収容した状態で、
図5に示すように、外周カバー部材202を閉じる。
【0038】
そして、布地400に印刷するときには、布地400をセットしたカセット200を印刷装置1の装置本体100のステージ111上に装着する(セットする)。
【0039】
このように、カセット200は装置本体100から全体を取り出した状態にして印刷対象である布地400をプラテン部材300上にセットすることができるので、プラテン部材300への布地400のセット作業が容易になる。
【0040】
このようなカセット200は印刷装置1で印刷が完了した後、布地400を保持したまま、加熱装置500にセットし(移して)、画像が印刷された布地400を加熱して定着する。
【0041】
また、このカセット200において、プラテン部材300を支持する支持部311は、ベース部材201側の中空支柱部231と、中空支柱部231に移動可能に嵌め合わされたプラテン部材300側の中空支柱部331と、中空支柱部231と中空支柱部331との間に配置した圧縮スプリング313とを備えている。
【0042】
これにより、プラテン部材300はベース部材であるベース部材201に対して変位可能に支持される。
【0043】
また、外周カバー部材202にロック爪部材204aを備えている。ロック爪部材204aは、外周カバー部材202のヒンジ203でベース部材201に対して開閉可能に保持された側と反対側に配置されている。
【0044】
一方、ベース部材201にはロック爪部材204aを保持し、あるいは、ロック爪部材204aの保持を解除するロック爪保持部材204bを備えている。
【0045】
これらのロック爪部材204aとロック爪保持部材204bでプラテン部材300の周縁部を覆う外周カバー部材202のベース部材201に対する高さを規制するロック手段204を構成している。
【0046】
このように構成したので、布地400の厚みが変化したときにプラテン部材300がスプリング313の復元力に抗して下降してベース部材201との間隔が変化し、異なる厚みの布地400にも対応することができる。
【0047】
そして、プラテン部材300は常に外周カバー部材202に一定の力で押し付けられることになるので、カセット200を持ち運びしたときでも布地400のずれが起き難い。
【0048】
また、布地400の厚みが変わった場合でも、プラテン部材300が下がることで、プラテン部材300と外周カバー部材202の隙間を確保するため、布地400の厚みを変えても外周カバー部材202のベース部材201に対する高さは変わらない。
【0049】
次に、カセットの記憶手段及び印刷装置の読み取り/書込み手段について
図8を参照して説明する。
図8は同説明に供する斜視説明図である。
【0050】
図7も参照して、カセット200の背面には、情報記憶手段290を設けている。一方、印刷装置1には、例えばステージ111に、装着されたカセット200の情報記憶手段290に対する情報の書き込み及び情報の読み取りを行う書込み/読み取り手段190を設けている。
【0051】
これにより、カセット200の情報記憶手段290に、カセット200を第1印刷装置1Aに装着したことを示す履歴情報と、カセット200を第1印刷装置1Aに装着したときの姿勢情報、カセット200を第2印刷装置1Bに装着したときの姿勢情報という2つの姿勢情報、又は、2つの姿勢情報の差分情報とを記憶することができる。
【0052】
そして、第2印刷装置1Bで印刷を行うときは、カセット200の情報記憶手段290に記憶されている履歴情報を読み出し、既に第1印刷装置1Aに装着されているか否かを判別する。ここで、第2印刷装置1Bに装着されたカセット200が既に第1印刷装置1Aに装着されているときには、重ね印刷と判断する。
【0053】
そこで、第2印刷装置1Bは、カセット200の情報記憶手段290に記憶されている2つの姿勢情報又は差分情報に読み出して、読み出した2つの姿勢情報又は差分情報に基づいて印刷動作を制御する。例えば、第1印刷装置1Aで印刷したときの着弾位置に対する第2印刷装置1Bで印刷したときの着弾位置のずれ量が補正されるように、吐出タイミングを補正して、カセット200の姿勢のずれによる画像のずれを補正して印刷する。
【0054】
なお、情報記憶手段290及び書込み/読み取り手段190は、接触式、非接触式のいずれであってもよい。
【0055】
次に、印刷装置のカセットの姿勢検出に係る構成について
図9ないし
図11も参照して説明する。
図9は印刷装置の模式的正面説明図、
図10は同じく模式的側面説明図、
図11は同じく模式的平面説明図である。
【0056】
まず、前述した
図4及び
図5も参照して、カセット200のプラテン部材300の印刷対象を保持する保持面(表面)303には、姿勢検出用マークとしての十字マーク340を設けている。十字マーク340は、X方向の軸線340aと、Y方向の軸線340bとで構成されている。
【0057】
この十字マーク340は、プラテン部材300の保持面303への印刷、あるいは、プラテン部材300の保持面303への彫り込みによる凹部などで形成することができる。また、姿勢検出用のマークは十字マーク340に限るものではない。
【0058】
一方、印刷装置1には、キャリッジ121の側面に十字マーク340を読み取る読取り手段である光センサなど読取りセンサ128を備えている。また、印刷装置1には、カセット200が所定の高さになったことを検知する高さ検知手段としてのレーザー光を射出する発光手段151と受光手段152に構成される高さ検知センサ150を備えている。
【0059】
次に、カセットの姿勢検出動作について説明する。
【0060】
まず、第1印刷装置1Aにカセット200をセットして、ステージ111をY方向に移動させ、カセット200を、姿勢を検出する姿勢検出位置に移動させる。カセット200の姿勢検出位置は、キャリッジ121の読み取りセンサ128でカセット200の十字マーク340を読取れる位置とする。
【0061】
一方、カセット200をZ方向に上昇させて、高さ検知センサ150にてカセット200のプラテン部材300の表面を検知した位置を高さ方向における姿勢検出位置として記憶する。高さ検知センサ150にて検知した高さ位置は、キャリッジ121に搭載した吐出ヘッド122の吐出面に対して所定のギャップを有する所定の高さとなる。
【0062】
このようにして、カセット200のプラテン部材300の表面の高さを所定の高さにし、読取りセンサ128で十字マーク340を読み取り可能な位置する。
【0063】
そして、キャリッジ121をX方向に移動走査して読取りセンサ128で十字マーク340を読み取って十字マーク340のX方向位置の情報を得るとともに、ステージ111をY方向に移動して走査して読取りセンサ128で十字マーク340を読み取って十字マーク340のY方向位置の情報を取得する姿勢検出動作を行う。
【0064】
なお、キャリッジ121の位置及び移動量(X方向の位置及び移動量)は、X方向に配置したエンコーダスケールとこれを読み取るエンコーダセンサで構成されるリニアエンコーダによって検出する。また、ステージ111の位置及び距離(Y方向の位置及び移動量)は、Y方向に配置したエンコーダスケールとこれを読み取るエンコーダセンサで構成されるリニアエンコーダによって検出する。なお、リニアエンコーダに代えて、駆動源の回転を検出するロータリエンコーダを使用することもできる。
【0065】
第1印刷装置1Aは、取得した十字マーク340のX方向位置及びY方向位置をカセット200の姿勢情報として、書込み/読取り手段190によってカセット200の情報記憶手段290に書き込んで記憶する。この場合、当該記憶する姿勢情報には第1印刷装置1Aの姿勢情報であることを示す情報を付加することができる。
【0066】
なお、例えば取得した姿勢情報を
図1の操作部(操作パネル)160の表示部に表示し、使用者に第1印刷装置1Aでの姿勢情報を報知するようにしてもよい。
【0067】
次いで、第1印刷装置1Aからカセット200を取り出し、当該カセット200を第2印刷装置1Bにセットする。
【0068】
第2印刷装置1Bでは、上述した第1印刷装置1Aで実施したと同様の姿勢検出動作を行い、カセット200の十字マーク340を読み取って、十字マーク340のX方向位置及びY方向位置をカセット200の姿勢情報として得る。
【0069】
そして、第2印刷装置1Bは、取得したカセット200の姿勢情報を書込み/読取り手段190によってカセット200の情報記憶手段290に書き込んで記憶する。この場合、当該記憶する姿勢情報には第2印刷装置1Bの姿勢情報であることを示す情報を付加することができる。
【0070】
なお、例えば取得した姿勢情報を
図1の操作部(操作パネル)160の表示部に表示し、使用者に第2印刷装置1Bでの姿勢情報を報知するようにしてもよい。
【0071】
また、第2印刷装置1Bは、カセット200の情報記憶手段290に記憶されている第1印刷装置1Aにおけるカセット200の姿勢情報を読み出して、第2印刷装置1Bにおけるカセット200の姿勢情報との差分情報を算出し、差分情報を書込み/読取り手段190によってカセット200の情報記憶手段290に書き込んで記憶する構成とすることもできる。なお、差分情報は、差分(距離)と方向の情報となる。
【0072】
また、第1印刷装置1Aにおけるカセット200の姿勢情報、第2印刷装置1Bにおけるカセット200の姿勢情報を操作部(操作パネル)160に表示して使用者に報知する場合、使用者が例えば第2印刷装置1Bの操作部(操作パネル)160のテンキーなどを使用して差分情報を入力し、入力された差分情報をカセット200の情報記憶手段290に書き込んで記憶する構成とすることもできる。
【0073】
次に、第1印刷装置におけるカセットの姿勢と第2印刷装置におけるカセットの姿勢の位置ずれの一例について
図12を参照して説明する。
図12は同説明に供する平面説明図である。
【0074】
図12では、第1印刷装置1Aにおけるカセット200の姿勢の検出結果を破線で、第2印刷装置1Bにおけるカセット200の姿勢の検出結果を実線でそれぞれ示している。
【0075】
この例では、第1印刷装置1Aにおけるカセット200の十字マーク340の中心位置Aoと第2印刷装置1Bにおけるカセット200の十字マーク340の中心位置Boとの間には、X方向で差分ΔX1、Y方向で差分ΔY1の位置ずれがある。
【0076】
キャリッジ121のホーム位置を
図9の位置とし、ステージ111のホーム位置をカセット200を装着する位置と反対側の位置としたとき、差分ΔX1はホーム位置から離れる側、差分ΔY1はホーム位置に近づく側の差分となる。
【0077】
そこで、第1印刷装置1Aによって例えば白インクで印刷したのち、第2印刷装置1Bによって印刷するときに、X方向の差分ΔX1と、Y方向の差分ΔY1の着弾位置をずらす補正を加えて印刷する。着弾位置をずらすには吐出タイミングを補正する。
【0078】
これにより、第1印刷装置1Aでのカセット200の姿勢と第2印刷装置1Bでもカセット200の姿勢との位置ズレによる印刷位置ズレを起こすことなく、白画像とカラー画像の画像位置を正確に重ねて(揃えて)印刷することができる。
【0079】
なお、カセットの姿勢検出は、例えば、次に説明する他の第1例及び第2例のようにして行うこともできる。
【0080】
<姿勢検出の他の第1例>
カセット200に布地400、或いは、媒体、透明フィルムなどの印刷対象をセットし、第1印刷装置1Aに当該カセット200を装着して前述したような姿勢検出用の十字マーク340を印刷対象に印刷する。そして、キャリッジ121に搭載した読み取りセンサ128で印刷したマーク340を読取って姿勢情報を取得する。
【0081】
その後、マーク340が印刷された印刷対象を保持しているカセット200を第1印刷装置1Aから取り出して、第2印刷装置1Bに装着し、第2印刷装置1Bのキャリッジ121に搭載した読み取りセンサ128で印刷したマーク340を読取って姿勢情報を取得する。
【0082】
この場合、第1実施形態で説明したように、これらの2つの姿勢情報、或いは、その差分情報は、カセット200の情報記憶手段290に記憶される。
【0083】
<姿勢検出の他の第2例>
上記他の第1例で説明したように印刷対象に印刷されたマーク340をキャリッジ121に搭載した読み取りセンサ128ではなく、使用者が印刷結果からX方向の差分ΔX1、Y方向の差分ΔY1を実際に測定して算出する。
【0084】
そして、使用者は、操作パネル160のテンキーなどを使用して、第2印刷装置1Bにおける差分に対応する吐出位置(着弾位置)の補正値(吐出タイミングの補正値)を入力する。
【0085】
次に、本発明の第2実施形態について
図13及び
図14を参照して説明する。
図13は同実施形態におけるカセットの姿勢情報の説明に供する平面説明図、
図14は同じく印刷画像の一例を説明する説明図である。
【0086】
本実施形態では、カセット200の姿勢検出用の十字マーク340は、X方向及びY方向の略端部まで設けられている。
【0087】
ここで、カセット200のY方向の前端側はカセット200をステージ111に着脱する側とし、Y方向の後端側はカセット200をステージ111に着脱する側と反対側とする。また、カセット200のX方向の右端側はキャリッジ121のホーム位置側とし、X方向の左端側はキャリッジ121のホーム位置と反対側とする。
【0088】
そこで、第1印刷装置1Aにおけるカセット200の姿勢情報と第2印刷装置1Bにおけるカセット200の姿勢情報として、Y方向の前端側におけるX方向位置、Y方向の後端側におけるX方向位置、X方向の右端側におけるY方向位置、X方向の左端側におけるY方向位置を取得する。
【0089】
このとき、仮に十字マーク340の中心位置にずれがないと仮定すると、X方向前端側差分ΔX2、X方向後端側差分ΔX3、Y方向右端側差分ΔY2、Y方向左端側差分ΔY2から、カセット200の回転方向の位置ずれを検出することができる。なお、十字マーク340の中心位置がX方向、Y方向ですれているときには、当該X方向、Y方向ですれ量で差分ΔX2、ΔX2、ΔY2、ΔY3を補正して、回転方向のずれ量を算出すればよい。
【0090】
そして、カセット200の姿勢情報の差分に応じた補正を行うことで、
図14(a)に示すように、補正を行わないときには位置ずれを生じている第1印刷装置1Aでの印刷画像704と第2印刷装置1Bでの印刷画像705とを、
図14(b)に示すように、重ね合わせることができる。
【0091】
次に、本発明の第3実施形態について
図15及び
図16を参照して説明する。
図15は同実施形態におけるカセットの姿勢情報の説明に供する説明図、
図16は同実施形態におけるカセットを含む印刷装置の機構部の斜視説明図である。
【0092】
本実施形態では、カセット200のプラテン部材300を、Y方向において、複数の領域、例えば3つの領域341(341A~341C)に分割し、分割した各領域341に姿勢検出用の十字マーク340(340A~340C)を付している。
【0093】
そして、各領域341A~341Cでカセット200を所定高さに合わせて十字マーク340A~340Cを読み取って第1印刷装置1A及び第2印刷装置1Bにおける姿勢情報を取得するようにしている。
【0094】
これにより、特にカセット200の印刷領域内で、高い品質が求められる領域に印刷する画像を精度良く位置合わせし、高品質な印刷画像を得ることができる。
【0095】
次に、本発明の第4実施形態について
図17を参照して説明する。
図17は同実施形態におけるカセットの姿勢情報の説明に供する説明図である。
【0096】
本実施形態では、上記第3実施形態と同様に、カセット200には、Y方向において複数の領域、例えば3つの領域に分割し、更に、X方向において複数の領域、例えば3つの領域に分割して、9つの領域341(341A~341I)に分割している。分割した各領域341に姿勢検出用の十字マーク340(340A~340I)を付している。
【0097】
そして、Y方向における分割領域毎にカセット200を所定高さに合わせ、X方向で3分割された各領域毎に十字マーク340を読み取って姿勢情報を取得するようにしている。
【0098】
そして、第2印刷装置1Bで印刷を行うときには、例えば、
図17の領域341B,341Iに画像706が配置されているとしたとき、領域341Bの画像706を印刷するときには領域341Bの姿勢情報又は差分情報に基づいて吐出タイミングを制御し、領域341Iの画像707を印刷するときには領域341Iの姿勢情報又は差分情報に基づいて吐出タイミングを制御する。
【0099】
このように、複数の領域に分割して姿勢情報又は差分情報を記憶して吐出タイミングの補正などを行うことにより、より位置ずれのない画像を印刷することができる。
【0100】
この場合、カセット200の姿勢情報として高さ情報も取得しておき、分割された各領域341で印刷を行うときには高さも補正するようにすることもできる。
【0101】
例えば、
図17の例では、第2印刷装置1Bによって領域341Bの画像706を印刷するときには、記憶している高さに領域341Bの高さを合わせた後、2つの姿勢情報又は差分情報に基づいて吐出タイミングの補正などを行って印刷する。
【0102】
また、第2印刷装置1Bによって領域341Iの画像707を印刷するときには、記憶している高さに領域341Iの高さを合わせた後、2つの姿勢情報又は差分情報に基づいて吐出タイミングの補正などを行って印刷する。
【0103】
これによって、各分割された領域での画像に合わせたX、Y、X方向のカセット200の姿勢のズレ分を補正して高精度で印刷位置ズレのない画像を印刷することができる。
【0104】
次に、上記実施形態における姿勢検出動作及び印刷動作に係る制御手段の一例について
図18のブロック説明図を参照して説明する。
【0105】
制御手段800は、姿勢情報取得手段801と、吐出制御手段802と、吐出タイミング補正手段803とを備えている。
【0106】
姿勢情報取得手段801は、キャリッジ121を往復移動させるキャリッジ移動手段811と、ステージ111を往復移動させるステージ移動手段812と、ステージ111を上下移動させるステージ昇降手段813とを駆動制御する。
【0107】
姿勢情報取得手段801は、キャリッジ121のX方向位置を検出するキャリッジ位置検出手段821と、ステージ111のY方向位置を検出するステージ位置検出手段822と、カセット200の高さを検出するカセット高さ検出手段823の検出信号をそれぞれ入力する。キャリッジ位置検出手段821、ステージ位置検出手段822は、例えば前述したリニアエンコーダを含んでいる。カセット高さ検出手段823は、高さ検知センサ150を含んでいる。
【0108】
姿勢情報取得手段801は、キャリッジ121に搭載された十字マーク340を読取る読取り手段324によるマーク340の読み取り結果を入力する。読取り手段324は読み取りセンサ128を含んでいる。
【0109】
そして、姿勢情報取得手段801は、前述したように、ステージ昇降手段813によってステージ111を上昇させ、カセット高さ検出手段823によってカセット200が所定の高さになったことが検知されるまでカセット200を上昇させる。
【0110】
そして、キャリッジ121のX方向への移動、ステージ111の移動によるカセット200のY方向への移動を行いながら、読取り手段824でマーク340を読取り、キャリッジ位置検出手段821、ステージ位置検出手段822で、マーク340の位置を検出して、カセット200の姿勢情報を取得する。
【0111】
姿勢情報取得手段801は、取得したカセット200の姿勢情報を書込み/読取り手段190を駆動制御して、カセット200の情報記憶手段290に記憶させる。なお、第2印刷装置1Bにおけるカセット200の姿勢情報を取得したときには、例えば、2つの姿勢情報の差分情報をカセット200の情報記憶手段290に記憶させる。
【0112】
ここでは、姿勢情報取得手段801及び読取り手段824で姿勢検出手段を構成している。
【0113】
吐出制御手段802は、吐出データに従ってヘッド122を駆動制御して液体を吐出させる。
【0114】
ここで、第2印刷装置1Bの吐出制御手段802は、書込み/読取り手段190を駆動制御して、カセット200の情報記憶手段290に記憶されている2つの姿勢情報又は差分情報を読み込む。
【0115】
そsて、吐出制御手段802は、カセット200から読み出した2つの姿勢情報又は差分情報に対応する吐出タイミングの補正値情報を吐出タイミング補正手段803から読み出し、読み出した補正値情報に従ってヘッド122からの液体の吐出タイミングを制御しながらヘッド122を駆動する。
【0116】
ここでいう吐出タイミングの補正には、吐出データをそのままにして吐出信号を出力するタイミングを補正すること、吐出データそのものを補正値に従って書き換えることのいずれも含まれる。
【0117】
なお、カセットなどの印刷対象保持部材は、印刷装置に着脱できる構成を備えていれば、形状等は上記実施形態のカセットのような箱状の形態に限られるものではない。具体的には、一枚の板状のプラテン部材であってもよい。
【0118】
また、より作業性を向上するために、このような印刷対象保持部材に対し、印刷時に作業者が毎回布地(Tシャツ等)をトレイにセットする工程をなくすために、布地(Tシャツ等)をセット済みの印刷対象保持部材を利用することもできる。この場合、使用後の印刷対象保持部材は回収され、再び布地がセットされた状態で供給される。
【0119】
さらに、同様の効果を奏するために、印刷対象保持部材に着脱可能に形成されたプラテン部材に布地(Tシャツ等)をセットした布地セット済みのプラテン部材を利用することもできる。使用する場合は、この布地セット済みのプラテン部材をそのまま印刷対象保持部材に装着し、印刷、定着が完了したあとに、印刷対象保持部材からプラテン部材を取り外し、次の布地セット済みのプラテン部材を印刷対象保持部材に装着し、印刷、定着が行われる。この場合、使用後のプラテン部材は回収され、再び布地がセットされた状態で供給される。
【0120】
このようにすることで、作業者が毎回布地(Tシャツ等)をセットする必要がなく、複数枚の連続処理が容易になり、複数枚の連続処理を自動化することも可能となる。
【0121】
また、上記実施形態では、印刷対象が布地である場合について説明しているが、これに限るものではない。布地以外の印刷対象を印刷対象保持部材にセットして異なる印刷装置で印刷する構成にも本発明を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 印刷装置
1A 第1印刷装置
1B 第2印刷装置
100 印刷装置の装置本体
111 ステージ(受け部材)
112 印刷手段
200 カセット(印刷対象保持部材)
300 プラテン部材
340 十字マーク
400 布地(印刷対象)