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特許7151339ヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体を吐出する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20221004BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20221004BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/14 611
B41J2/165 101
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018185629
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020055136
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】時田 寛也
【審査官】亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-279735(JP,A)
【文献】特開2018-083387(JP,A)
【文献】特開2009-000978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと、
前記ヘッドを保持するベース部材と、
前記ヘッドに接続された配線部材と、
前記配線部材に搭載された素子と結合する放熱部材と、
少なくとも前記放熱部材を囲むカバー部材と、を備え、
前記放熱部材と前記カバー部材とで重力方向に沿って気体経路を形成し、
前記カバー部材には前記気体経路に通じる気体取り入れ口が設けられ、
前記気体経路は、前記気体取り入れ口の上方で気体排出口に通じており、
前記放熱部材の前記気体経路側と反対側の面に前記配線部材が接続される中継基板が保持されている
ことを特徴とするヘッドモジュール。
【請求項2】
前記カバー部材の上部には開口部が設けられており、前記開口部を介して外部から前記中継基板に設けられたコネクタにアクセス可能であり、
前記開口部が前記気体経路と通じている
ことを特徴とする請求項に記載のヘッドモジュール。
【請求項3】
前記カバー部材の上部には開口部が設けられ、
前記開口部が前記気体排出口である
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドモジュール。
【請求項4】
ヘッドと、
前記ヘッドを保持するベース部材と、
前記ヘッドに接続された配線部材と、
前記配線部材に搭載された素子と結合する放熱部材と、
少なくとも前記放熱部材を囲むカバー部材と、を備え、
前記放熱部材と前記カバー部材とで重力方向に沿って気体経路を形成し、
前記カバー部材には前記気体経路に通じる気体取り入れ口が設けられ、
前記気体経路は、前記気体取り入れ口の上方で気体排出口に通じており、
前記カバー部材の上部には開口部が設けられ、
前記開口部を覆う着脱可能なキャップ部材を有し、
前記キャップ部材と前記カバー部材との間で、前記気体経路が通じる前記気体排出口を形成している
ことを特徴とするヘッドモジュール。
【請求項5】
ヘッドと、
前記ヘッドを保持するベース部材と、
前記ヘッドに接続された配線部材と、
前記配線部材に搭載された素子と結合する放熱部材と、
少なくとも前記放熱部材を囲むカバー部材と、を備え、
前記放熱部材と前記カバー部材とで重力方向に沿って気体経路を形成し、
前記カバー部材には前記気体経路に通じる気体取り入れ口が設けられ、
前記気体経路は、前記気体取り入れ口の上方で気体排出口に通じており、
前記放熱部材は、重力方向に沿った主面を有する第1板状部と、水平方向に沿った主面を有する第2板状部とを有し、
前記第2板状部に前記配線部材の素子が結合しており、
前記第1板状部の前記主面が前記気体経路を形成し、
前記第2板状部には、前記配線部材が通過する貫通口部を有し、
前記貫通口部の壁面に前記素子が結合されている
ことを特徴とするヘッドモジュール。
【請求項6】
ヘッドと、
前記ヘッドを保持するベース部材と、
前記ヘッドに接続された配線部材と、
前記配線部材に搭載された素子と結合する放熱部材と、
少なくとも前記放熱部材を囲むカバー部材と、を備え、
前記放熱部材と前記カバー部材とで重力方向に沿って気体経路を形成し、
前記カバー部材には前記気体経路に通じる気体取り入れ口が設けられ、
前記気体経路は、前記気体取り入れ口の上方で気体排出口に通じており、
前記カバー部材は、前記気体経路の壁面を形成する第1カバー部材と、前記第1カバー部材で囲む部分以外の部分を囲む第2カバー部材と、を含み、
前記第1カバー部材は、前記第2カバー部材から分離して着脱可能である
ことを特徴とするヘッドモジュール。
【請求項7】
ヘッドと、
前記ヘッドを保持するベース部材と、
前記ヘッドに接続された配線部材と、
前記配線部材に搭載された素子と結合する放熱部材と、
少なくとも前記放熱部材を囲むカバー部材と、を備え、
前記放熱部材と前記カバー部材とで重力方向に沿って気体経路を形成し、
前記カバー部材には前記気体経路に通じる気体取り入れ口が設けられ、
前記気体経路は、前記気体取り入れ口の上方で気体排出口に通じており、
前記カバー部材は、前記気体経路の壁面を形成する第1カバー部材と、前記第1カバー部材で囲む部分以外の部分を囲む第2カバー部材と、を含み、
前記第1カバー部材は、前記第2カバー部材から分離して着脱可能であり、
前記第1カバー部材には、前記第2カバー部材と前記放熱部材との間の開口部を覆うキャップ部が一体に設けられている
ことを特徴とするヘッドモジュール。
【請求項8】
前記放熱部材の前記気体経路側と反対側の面に前記配線部材が接続される中継基板が保持されている
ことを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のヘッドモジュール。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記気体経路の壁面を形成する第1カバー部材と、前記第1カバー部材で囲む部分以外の部分を囲む第2カバー部材と、を含み、
前記第1カバー部材は、前記第2カバー部材から分離して着脱可能である
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のヘッドモジュール。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記気体経路の壁面を形成する第1カバー部材と、前記第1カバー部材で囲む部分以外の部分を囲む第2カバー部材と、を含み、
前記第1カバー部材は、前記第2カバー部材から分離して着脱可能であり、
前記第1カバー部材には、前記第2カバー部材と前記放熱部材との間の開口部を覆うキャップ部が一体に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のヘッドモジュール。
【請求項11】
前記気体取り入れ口が複数設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のヘッドモジュール。
【請求項12】
前記ベース部材には複数の前記ヘッドが保持されている
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のヘッドモジュール。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載のヘッドモジュールを共通ベース部材に複数備えている
ことを特徴とするヘッドユニット。
【請求項14】
請求項1ないし12のいずれかに記載のヘッドモジュール、又は、請求項13に記載のヘッドユニットを備えている
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液体を吐出するヘッドにおいては、駆動に伴って生じる発熱によって温度が上昇することで吐出特性が変動する。
【0003】
従来、インク吐出装置として、放熱部材が貼り付けられた駆動素子が搭載された回路部がケース内部に収容され、ケースには、気体供給口、気体流路、気体排出口が形成され、気体流路内に配置された回路部を気体供給口から供給される空気で冷却するようにしたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-105377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示されているように放熱部材を使用する場合、より高い放熱効率で放熱を行えるようにすることが求められる。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、放熱効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係るヘッドモジュールは、
ヘッドと、
前記ヘッドを保持するベース部材と、
前記ヘッドに接続された配線部材と、
前記配線部材に搭載された素子と結合する放熱部材と、
少なくとも前記放熱部材を囲むカバー部材と、を備え、
前記放熱部材と前記カバー部材とで重力方向に沿って気体経路を形成し、
前記カバー部材には前記気体経路に通じる気体取り入れ口が設けられ、
前記気体経路は、前記気体取り入れ口の上方で気体排出口に通じており、
前記放熱部材の前記気体経路側と反対側の面に前記配線部材が接続される中継基板が保持されている
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放熱効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るヘッドモジュールの外観斜視説明図である。
図2】同じく図1と反対側から見た外観斜視説明図である。
図3】同じく分解斜視説明図である。
図4】同じく模式的断面説明図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図6】本発明の第3実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図7】本発明の第4実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図8】本発明の第5実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図9】本発明の第6実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図10】本発明の第7実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図11】本発明の第8実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
図12】本発明に係る液体を吐出する装置の一例の概略説明図である。
図13】同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は同実施形態に係るヘッドモジュールの外観斜視説明図、図2は同じく図1と反対側から見た外観斜視説明図、図3は同じく分解斜視説明図、図4は同じく模式的断面説明図である。
【0011】
ヘッドモジュール100は、ヘッド1と、ヘッド1に接続されたFPCなどの配線部材2と、配線部材2に搭載された駆動ICなどの素子3で構成されるサブヘッドモジュール101を複数(ここでは4個)備えている。
【0012】
ヘッド1は、本実施形態では、液体を吐出する複数のノズルが配置されたノズル面1aを有する液体吐出ヘッドであるが、これに限るものではない。
【0013】
そして、サブヘッドモジュール101を保持するベース部材102と、サブヘッドモジュール101の配線部材2に搭載された素子3に熱的に結合する放熱部材104と、少なくとも放熱部材104を囲むカバー部材105とを備えている。
【0014】
なお、「結合」とは、素子3と放熱部材104が熱伝導性を有する部材(例.熱伝導テープ)を介して結合している構成、バネなどの弾性部材によって素子3が放熱部材104に押し付けられることで直接接触して結合している構成などが挙げられる。また、素子3を搭載した配線部材2の基材が熱伝導性を有する部材を介して放熱部材104に結合される構成でも良い。
【0015】
ベース部材102の液体吐出側の面にはサブヘッドモジュール101のノズルカバー部材107が取付けられている。また、放熱部材104には配線部材2が接続される中継基板としてのリジッド基板108が取付けられている。
【0016】
ここで、放熱部材104は、熱伝導率が高い金属材料(金属部材)が好ましく、アルミ、銀、銅、金を含む金属を挙げることができる。
【0017】
放熱部材104は、重力方向に沿った主面を有する第1板状部141と、水平方向に沿った主面を有する第2板状部142とを有している。ここで、第1板状部141は、ノズル面1に対し面直方向に沿う方向の板状部であり、第2板状部142は、ノズル面1aの面内方向に沿う板状部である。放熱部材104は、これらの第1板状部141と第2板状部143で略L字形状をなす部材である。
【0018】
放熱部材104の第2板状部142には、配線部材2を通す貫通口部142aが設けられ、貫通口部142aの壁面と配線部材2上の素子3とを結合している。
【0019】
放熱部材104の第1板状部141の一方の主面とカバー部材105とで重力方向に沿って気体経路121を形成している。本実施形態では、金属部材である放熱部材104の第1板状部141の一方の主面とカバー部材105とで、ノズル面1aに対して面直方向に沿って気体経路121を形成していることになる。
【0020】
なお、本明細書において、気体経路121が「重力方向に沿って」、あるいは、「面直方向に沿って」とは、直線経路に限定するものではなく、折り曲げ部、傾斜部、湾曲部などを有する場合でも、気体経路121の入口側が下方で、出口側が入口側より上方にあれば「沿って」いる状態にあるものとする。
【0021】
カバー部材105の下方には気体経路121に通じる気体取り入れ口122が設けられている。本実施形態では、気体取り入れ口122は、図2に示すように、ヘッド1の長手方向に沿って形成された溝状開口部としている。
【0022】
気体経路121の上方は気体排出口123に通じている。本実施形態では、カバー部材105の上部に設けた開口部153の一部によって気体排出口123を形成している。カバー部材105の開口部153は、リジッド基板108に設けたコネクタ181などに対して外部からアクセスできるようにする開口部である。
【0023】
放熱部材104の第2板状部142の他方の主面にはリジッド基板108が固定されている。
【0024】
このように構成したので、ヘッド1の駆動に伴って素子3が発熱すると、素子3の熱が放熱部材104の第2板状部142に伝わり、第1板状部141から放熱される。
【0025】
このとき、放熱部材104の第2板状部142とカバー部材105との間の気体経路121の空気が温められることで、温められた空気は気体経路121内を矢印で示すように上昇して上方の気体排出口123から排出される。それとともに、下方の気体取り入れ口122を通じて外部の温められていない空気が気体経路121に取り込まれて温まった空気と置換される。
【0026】
このように、外部から取り入れた空気で放熱部材104を冷却することにより、放熱部材104に伝わった熱は、気体経路121に放熱されるので、放熱効率を向上することができる。
【0027】
さらに、本実施形態では、気体経路121内には発熱する素子3が配置されていないので、一層効率的な放熱を行うことができる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。図5は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0029】
本実施形態では、カバー部材105に複数(ここでは2個)の気体取り入れ口122を設けている。
【0030】
次に、本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。図6は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0031】
本実施形態では、カバー部材105に多数の小さな気体取り入れ口122を設けている。多数の小さな気体取り入れ口122を設けることでフィルタとして機能し、異物が気体経路121内に混入することを低減できる。
【0032】
次に、本発明の第4実施形態について図7を参照して説明する。図7は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0033】
本実施形態では、ベース部材102に1つのヘッド1を保持している。サブヘッドモジュール101のように複数のヘッド1を搭載しない場合にも本発明は適用できる。
【0034】
次に、本発明の第5実施形態について図8を参照して説明する。図8は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0035】
本実施形態では、カバー部材105は、放熱部材104の第1板状部141との間で気体経路121を形成する第1カバー部材151と、第1カバー部材151で囲まれる部分以外の部分を覆う第2カバー部材152とで構成している。第1カバー部材151は、第2カバー部材152から分離して着脱することができる。
【0036】
これにより、第1カバー部材151を取り外して、第1カバー部材151及び放熱部材104の壁面に付着するミストや埃などの異物を清掃除去することが容易になる。
【0037】
次に、本発明の第6実施形態について図9を参照して説明する。図9は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0038】
本実施形態では、カバー部材105の開口部153を覆うキャップ部材110を着脱可能に備えている。キャップ部材110は、カバー部材105の側面まで延びる延出部110aを有している。このキャップ部材110の延出部110aにより、キャップ部材110に付着した液体がキャップ部材110をつたって開口部153内に侵入することを防止できる。
【0039】
そして、リジッド基板108と外部の回路とを接続する配線部材111はカバー部材105とキャップ部材110との隙間を通じて這い回される。
【0040】
また、キャップ部材110とカバー部材105との間で気体経路121に通じる気体排出口123を形成している。ただし、気体排出口123はカバー部材105に設けることもできる。
【0041】
キャップ部材110を備えることで、カバー部材105の開口部153からのミストなどの混入を防止し、コネクタ181などにミストが付着することを防止できる。
【0042】
次に、本発明の第7実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0043】
本実施形態では、キャップ部材110に気体経路121側とリジッド基板108側とを仕切る仕切り壁部110bを設けている。
【0044】
これにより、気体経路121を通じて排出される温まった空気がリジッド基板108側に侵入することを低減できる。
【0045】
次に、本発明の第8実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態に係るヘッドモジュールの模式的断面説明図である。
【0046】
本実施形態では、カバー部材105を第1カバー部材151と第2カバー部材152とに分割するとともに、第1カバー部材151に開口部153を覆うキャップ部材110を一体に設けている。
【0047】
これにより、キャップ部材110を取り外すことで第1カバー部材151も外れるので、気体経路121内に異物が侵入しても容易に除去することができる。
【0048】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図12及び図13を参照して説明する。図12は同装置の概略説明図、図13は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
【0049】
この液体を吐出する装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
【0050】
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
【0051】
この連続体510は、印刷手段505において、ヘッドユニット550に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が印刷される。
【0052】
ここで、ヘッドユニット550には、図13に示すように、本発明に係る3つのヘッドモジュール100A、100B、100Cを共通ベース部材552に備えている。
【0053】
本願において、ヘッドが液体吐出ヘッドであるとき、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0054】
また、液体を吐出する装置には、ヘッドモジュール、ヘッドユニットなどを備え、ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0055】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0056】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0057】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0058】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0059】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0060】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0061】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0062】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【符号の説明】
【0063】
1 ヘッド
2 配線部材
3 素子
100 ヘッドモジュール
101 サブヘッドモジュール
102 ベース部材
104 放熱部材(金属部材)
105 カバー部材
108 リジッド基板
110 キャップ部材
121 気体経路
122 気体取り入れ口
123 気体排出口
141 第1板状部
142 第2板状部
151 第1カバー部材
152 第2カバー部材
153開口部
500 印刷装置(液体を吐出する装置)
550 ヘッドユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13