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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】光学装置及び画像投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20221004BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20221004BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 D
H04N5/74 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018212560
(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公開番号】P2020079848
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】松山 敏伸
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060188(JP,A)
【文献】特開2003-149598(JP,A)
【文献】特開2009-276577(JP,A)
【文献】特開2005-099468(JP,A)
【文献】特開2006-292792(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002685(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00-21/10
21/12-21/30
21/56-21/64
33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出力する光源と、
横長の矩形状の画像生成面を有し、前記画像生成面に照射された光を変調して画像を生成する光変調素子と、
台形状の断面を有し、前記光源から出力された光を、輝度分布を均一化して前記画像生成面に照射するライトトンネルと、
を有し、
前記ライトトンネルによる前記画像生成面上における照明領域は、台形状であって、台形状の高さが前記画像生成面の短辺の長さと等しく、底辺及び上辺の長さがそれぞれ前記画像生成面の長辺の長さより小さい光学装置。
【請求項2】
前記照明領域は、前記画像生成面の長辺方向に関して、前記画像生成面の中央に位置する請求項に記載の光学装置。
【請求項3】
前記ライトトンネルと前記光変調素子との間に配置されたリレーレンズを有する請求項1または2いずれか1項に記載の光学装置。
【請求項4】
前記光変調素子により生成された画像を投影する投影部を有する請求項1ないしいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項5】
請求項1ないしいずれか1項に記載の光学装置と、
画像データに基づいて前記光変調素子を制御する画像制御部と、
を有する画像投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置及び画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ランプ等の光源から出力された光を、ライトトンネルを介して光変調素子に照射し、光変調素子により生成された画像を、投影光学系によりスクリーン等に投影するDLP(Digital Light Processor)プロジェクタが知られている。
【0003】
光変調素子としては、例えば、DMD(Digital Micro mirror Device)が用いられる。DMDは、パソコン等の外部機器から入力される画像データに基づいて、ライトトンネルから照射される光を変調することにより画像を生成する。ライトトンネルは、光源から入射した光の輝度分布を均一化して出力するほぼ直方体形状の光学部材であり、矩形状の照明光を光変調素子に照射する。
【0004】
このような画像投影装置において、断面の縦横比が異なる複数のライトトンネルを設け、画像データのアスペクト比に基づいて使用するライトトンネルを切り替えることが提案されている(特許文献1)。
【0005】
外部機器から画像投影装置に入射される画像データは、例えば、アスペクト比(縦横比)が10:16のように、横方向が縦方向よりも長い横長であることが一般的である。このため、特許文献1に記載の複数のライトトンネルは、いずれも断面形状が横長である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、画像投影装置は、スマートフォンのような携帯型表示装置から出力された画像データも受け付けるため、ポートレート画像等の縦長の画像データを処理することが多い。
【0007】
このため、従来の画像投影装置では、横長の光変調素子上に設定される横長の照明領域にライトトンネルが光を照射するので、画像データが縦長である場合には、光変調素子は、照明領域中の両側部の光を投影光学系に導かないように破棄する必要がある。
【0008】
したがって、従来の画像投影装置では、縦長の画像を投影する場合には、照明光の一部を破棄することから、光の利用効率が低い。
【0009】
開示の技術は、上記事情に鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、縦長の画像を投影する場合における光の利用効率の低下を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示の技術は、光を出力する光源と、横長の矩形状の画像生成面を有し、前記画像生成面に照射された光を変調して画像を生成する光変調素子と、台形状の断面を有し、前記光源から出力された光を、輝度分布を均一化して前記画像生成面に照射するライトトンネルと、を有し、前記ライトトンネルによる前記画像生成面上における照明領域は、台形状であって、台形状の高さが前記画像生成面の短辺の長さと等しく、底辺及び上辺の長さがそれぞれ前記画像生成面の長辺の長さより小さい光学装置である。
【発明の効果】
【0011】
縦長の画像を投影する場合における光の利用効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態における画像投影装置を例示する斜視図である。
図2】第1実施形態における画像投影装置の機能構成を例示するブロック図である。
図3】照明光学系ユニットを例示する斜視図である。
図4】ライトトンネルの概略構成を示す斜視図である。
図5】DMDの画像生成面とライトトンネルによる照明領域との関係を示す図である。
図6】従来のプロジェクタにおける画像生成面と照明領域との関係を示す図である。
図7】プロジェクタを斜め上方に向けた姿勢で設置した状態を示す図である。
図8】台形歪み補正について説明する図である。
図9】第1実施形態における画像投影装置に用いられるライトトンネルの概略構成を示す斜視図である。
図10】第2実施形態におけるDMDの画像生成面とライトトンネルによる照明領域との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0014】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係る画像投影装置ついて説明する。
【0015】
[画像投影装置の構成]
図1は、第1実施形態におけるプロジェクタ1を例示する斜視図である。プロジェクタ1は、画像投影装置の一例であり、出射窓3、外部I/F9を有し、投影画像を生成する光学エンジン15(図2参照)が内部に設けられている。プロジェクタ1は、例えば外部I/F9に接続される外部機器から映像信号(画像データ)が入力されると、光学エンジン15が、入力された画像データに基づいて画像Pを生成し、図1に示されるように出射窓3からスクリーンSに投影する。
【0016】
なお、図1において、X方向はプロジェクタ1の幅方向、Y方向はプロジェクタ1の奥行き方向、Z方向はプロジェクタ1の高さ方向である。また、以下では、プロジェクタ1の出射窓3側を上、出射窓3とは反対側を下として説明する場合がある。また、Y方向を横方向、Z方向を縦方向と呼ぶ。
【0017】
本実施形態では、プロジェクタ1に映像信号を入力する外部機器は、例えば、スマートフォンである。また、本実施形態では、スマートフォンは、縦方向の長さが横方向の長さよりも大きい縦長の画像データをプロジェクタ1に入力するとする。映像信号は、静止画データに限られず、動画データであってもよい。
【0018】
図2は、実施形態におけるプロジェクタ1の機能構成を例示するブロック図である。
【0019】
図2に示されるように、プロジェクタ1は、電源4、メインスイッチSW5、操作部7、外部I/F9、システムコントロール部10、ファン20、光学エンジン15を有する。
【0020】
電源4は、商用電源に接続され、システムコントロール部10、ファン20、光学エンジン15等に給電する。
【0021】
メインスイッチSW5は、ユーザによるプロジェクタ1のON/OFF操作に用いられる。メインスイッチSW5がONに操作されると、電源4がプロジェクタ1の各部への給電を開始し、メインスイッチSW5がOFFに操作されると、電源4がプロジェクタ1の各部への給電を停止する。
【0022】
操作部7は、ユーザによる各種操作を受け付けるボタン等であり、例えばプロジェクタ1の上面に設けられている。操作部7は、例えば投影画像Pの大きさ、色調、ピント調整等のユーザによる操作を受け付ける。操作部7が受け付けたユーザ操作は、システムコントロール部10に送られる。
【0023】
外部I/F9は、映像信号を入力するインタフェースであって、D-Subコネクタ等のVGA(Video Graphics Array)入力端子や、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)端子、S-VIDEO端子、RCA端子等のビデオ入力端子である。また、外部I/F9は、有線LAN(Local-Area Network)、無線LAN等の通信部を含む。外部I/F9は、接続された外部機器から映像信号を受信する。
【0024】
システムコントロール部10は、画像制御部11を有する。システムコントロール部10は、例えばCPU,ROM,RAM等を含み、CPUがRAMと協働してROMに記憶されているプログラムを実行することで、各部の機能が実現される。
【0025】
画像制御部11は、外部I/F9から入力される映像信号(画像データ)に基づいて光学エンジン15の画像表示ユニット50に設けられた光変調素子としてのDMD51を制御する。
【0026】
ファン20は、システムコントロール部10に制御されて回転し、光学エンジン15の光源30を冷却する。
【0027】
光学エンジン15は、光源30、照明光学系ユニット40、画像表示ユニット50、投影光学系ユニット60を有する光学装置である。光学エンジン15は、システムコントロール部10に制御されてスクリーンSに画像Pを投影する。
【0028】
光源30は、例えば水銀高圧ランプ、キセノンランプ、LED等であり、システムコントロール部10により制御され、照明光学系ユニット40に光を照射する。
【0029】
照明光学系ユニット40は、カラーホイール401、ライトトンネル402等(図3参照)を有し、光源30から出射された光を、画像表示ユニット50内のDMD51に導く。
【0030】
DMD51は、可動式の複数のマイクロミラーが格子状に配列された画像生成面を有する。各マイクロミラーが1画素に対応する。DMD51の各マイクロミラーは、鏡面がねじれ軸周りに傾動可能に設けられており、画像制御部11から送信される制御信号に基づいてON/OFF駆動される。
【0031】
マイクロミラーは、例えば「ON状態」の場合には、光源30からの光を投影光学系ユニット60に反射するように傾斜角度が制御される。また、マイクロミラーは、例えば「OFF状態」の場合には、光源30からの光をOFF光板に向けて反射する方向に傾斜角度が制御される。
【0032】
このように、DMD51は、画像制御部11から送信される制御信号によって各マイクロミラーの傾斜角度が制御され、照明光学系ユニット40によって導かれた光を変調して画像Pを生成する。
【0033】
投影光学系ユニット60は、複数の投射レンズ、ミラー等を有し、DMD51によって生成される画像Pを拡大してスクリーンSに投影する投影部である。
【0034】
[照明光学系ユニット]
図3は、照明光学系ユニット40を例示する斜視図である。図3に示されるように、照明光学系ユニット40は、カラーホイール401、ライトトンネル402、リレーレンズ403,404、シリンダミラー405、凹面ミラー406を有する。
【0035】
カラーホイール401は、例えば周方向の異なる部分にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色のフィルタが設けられている円盤である。カラーホイール401は、高速回転することで、光源30から照射される光を、RGB各色に時分割する。
【0036】
ライトトンネル402は、入射した光の輝度分布を均一化して出力する照明均一化素子であって、照明光学系ユニット40内に固設されている。ライトトンネル402は、例えば、板ガラス等の貼り合わせによって形成された矩形状の中空を有するほぼ直方体形状の光伝送媒体である。ライトトンネル402は、カラーホイール401を透過したRGB各色の光を、内面で多重反射することで輝度分布を均一化して、リレーレンズ403,404に導く。
【0037】
ライトトンネル402は、照明均一化素子として機能し得るものであればよく、例えば、光インテグレーター、グラスロッド等を用いることも可能である。
【0038】
リレーレンズ403,404は、ライトトンネル402とDMD51との間の光路上に配置されている。リレーレンズ403,404は、ライトトンネル402から出射された光の軸上色収差を補正しつつ集光する。
【0039】
シリンダミラー405及び凹面ミラー406は、リレーレンズ403,404から出射された光を、DMD51に向けて反射する。DMD51は、凹面ミラー406からの反射光を変調して画像Pを生成する。
【0040】
[ライトトンネル]
図4は、ライトトンネル402の概略構成を示す斜視図である。上述のようにライトトンネル402は、ほぼ直方体形状であるので、矩形状の断面402cを有する。ここで、断面402cとは、ライトトンネル402を、その長手方向に直交する方向に切断した面である。
【0041】
断面402cの短辺の長さをa、長辺の長さをbとする。断面402cのアスペクト比(縦横比)は、ポートレート画像のアスペクト比に一致するように設定されており、例えば、「a:b=3:4」である。光入射面402a及び光出射面402bの形状は、断面402cの形状と同一である。
【0042】
光入射面402aには、光源30から出力されてカラーホイール401を透過した光が入射する。光出射面402bから出射した光は、ポートレート画像と同一のアスペクト比a:bを有する矩形状の光であり、リレーレンズ403,404を介して、DMD51の画像生成面上を照射する。
【0043】
図5は、DMD51の画像生成面51aとライトトンネル402による照明領域410との関係を示す図である。図5において、H方向は、横方向(Y方向)に対応する方向である。V方向は、縦方向(Z方向)に対応する方向である。
【0044】
照明領域410は、ライトトンネル402から出射した光が照明される領域であり、ライトトンネル402の断面形状と同一のアスペクト比を有する。すなわち、照明領域410のH方向への長さLHとV方向への長さLVとは、「LH:LV=a:b」の関係を有する。これに対して、画像生成面51aは、矩形状であって、H方向への長さDHがV方向への長さDVよりも大きい。
【0045】
照明領域410は、画像生成面51a内に含まれ、長辺の長さLVが、画像生成面51aの短辺の長さDVに一致するように設定されている。すなわち、照明領域410は、短辺が画像生成面51aの長辺に一致し、かつ、「LV=DV」及び「LH<DH」の関係を満たすように設定されている。また、照明領域410は、画像生成面51aの長辺方向であるH方向に関して、画像生成面51aの中央に位置する。
【0046】
DMD51は、画像生成面51aのうち照明領域410内のマイクロミラーを駆動することにより画像Pを生成する。画像生成面51aの照明領域410以外の領域51bには、光が照明されない。この非照明領域51bについては、マイクロミラーは駆動されなくてもよいが、不用意に入射した光が投影光学系ユニット60に導かれることがないように、OFF状態とすることが好ましい。非照明領域51bは、画像生成使用されない不使用領域である。
【0047】
すなわち、ポートレート画像の投影を行う場合には、照明領域410に照射されるすべての照明光が画像生成に使用されるので、DMD51が照明光の一部を破棄することなく、光の損失が生じないので、輝度の低下が抑制される。
【0048】
[効果]
図6は、従来のプロジェクタにおける画像生成面と照明領域との関係を示す図である。従来のプロジェクタは、断面形状が横長のライトトンネルを有する。DMDは、上記実施形態と同様の形状の画像生成面500を有し、ライトトンネルによる照明領域510は、画像生成面500を覆うように設定される。
【0049】
従来のプロジェクタでは、縦長の画像を投影する場合には、画像生成面500の中央に位置する縦長の領域501内のマイクロミラーを駆動することにより画像を生成する。画像生成面500の領域501以外の領域502は、画像生成使用されない不使用領域であるので、マイクロミラーをOFF状態として照明光を破棄する必要がある。
【0050】
これに対して、本実施形態のプロジェクタ1では、ライトトンネル402の断面402cが、縦長の画像に対応したアスペクト比を有する縦長形状であるので、照明領域410に照射されるすべての照明光が画像生成に使用され、照明光を破棄する必要がないので、光の利用効率の低下を抑制を抑制することができる。
【0051】
従来のプロジェクタでは、投影領域が横長であるので、縦長の画像を投影する場合には、例えば、プロジェクタの向き変えることにより投影領域を縦長にする必要があり、設置場所に制限があった。また、従来のプロジェクタでは、プロジェクタの向き変えない場合には、横長の投影領域の一部に縦長の画像が投影されることになるので、投射レンズを移動させる、いわゆるレンズシフト機能を用いた画像の位置調整が必要となる場合があった。
【0052】
これに対して、本実施形態のプロジェクタ1は、縦長の投影領域に縦長の画像を投影するので、プロジェクタ1の向きを変える等の調整が不要である。
【0053】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態に係る画像投影装置ついて説明する。
【0054】
プロジェクタ1の設置場所が、例えばスクリーンSの近くに限られるなどといった状況によっては、図7に示すように、プロジェクタ1を斜め上方に向けた姿勢で設置せざるを得ない場合がある。このような場合には、図8に示すように、スクリーンSに投影される画像の形状が、符号P1で示すように台形になってしまう。
【0055】
プロジェクタ1は、形状が台形に歪んだ画像を、符号P2で示す矩形に近づけるように画像データを補正する台形歪み補正(キーストン補正)を実行することが可能である。しかし、台形歪み補正は、台形の短辺を基準として、画素を間引くなどの処理によって行われるので、投影画像は、画質及び輝度が低下してしまう。
【0056】
このような台形歪みは、プロジェクタ1の設置状況に限られず、スクリーンSが傾斜している場合にも生じる。
【0057】
図9は、第2実施形態のプロジェクタ1が有するライトトンネル402の概略構成を示す斜視図である。第2実施形態では、ライトトンネル402の断面402cを、プロジェクタ1又はスクリーンSの傾斜に合わせた形状(台形状)とする。具体的には、ライトトンネル402の断面402cにおいて縦方向に対向する2辺(底辺及び上辺)のうち、台形状に歪んだ投影画像の短辺側に対応する辺を長くする。例えば、図7に示すように、プロジェクタ1を斜め上方に向けた姿勢で設置することにより、投影画像Pの下側が狭くなる場合(図8参照)には、ライトトンネル402の断面形状のうち、投影画像Pの下側の辺に対応する辺を長くする。
【0058】
図10は、第2実施形態におけるDMD51の画像生成面51aとライトトンネル402による照明領域410との関係を示す図である。本実施形態では、照明領域410は、ライトトンネル402の断面形状に対応した台形状となる。この台形状の高さLVは、画像生成面51aの短辺の長さDVと等しい。台形の底辺及び上辺の長さは、画像生成面51aの長辺の長さDHより小さい。
【0059】
第1実施形態と同様に、DMD51は、画像生成面51aのうち照明領域410内のマイクロミラーを駆動することにより画像Pを生成する。画像生成面51aの照明領域410以外の領域51bには、光が照明されない。この非照明領域51bについては、マイクロミラーは駆動されなくてもよいが、不用意に入射した光が投影光学系ユニット60に導かれることがないように、OFF状態とすることが好ましい。非照明領域51bは、画像生成使用されない不使用領域である。
【0060】
すなわち、ポートレート画像の投影を行う場合には、照明領域410に照射されるすべての照明光が画像生成に使用されるので、DMD51が照明光の一部を破棄することなく、光の損失が生じないので、輝度の低下が抑制される。
【0061】
また、ライトトンネル402の断面402cを、プロジェクタ1又はスクリーンSの傾斜に合わせた形状とすることにより、投影画像Pが矩形状となる。
【0062】
したがって、第2実施形態では、投影画像Pに台形歪みが生じる設置状況において、画質及び輝度を伴う台形歪み補正(画像処理)を行うことなく、投影画像Pを矩形状に補正することができる。
【0063】
以上の第1及び第2実施形態に係る画像投影装置は、例えば、美術館において絵画を投影するような設置場所が限定され状況下において特に有用である。
【0064】
なお、断面形状の異なるライトトンネル402を、照明光学系ユニット40から交換可能とすることも好ましい。設置状況に応じた断面形状のライトトンネル402を照明光学系ユニット40に装着すればよい。
【0065】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 プロジェクタ(画像投影装置)
11 画像制御部
15 光学エンジン(光学装置)
30 光源
40 照明光学系ユニット
50 画像表示ユニット
51 DMD(光変調素子)
51a 画像生成面
51b 非照明領域
60 投影光学系ユニット(投影部)
401 カラーホイール
402 ライトトンネル
402a 光入射面
402b 光出射面
402c 断面
403,404 リレーレンズ
405 シリンダミラー
406 凹面ミラー
410 照明領域
500 画像生成面
510 照明領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【文献】特開2003-348496号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10