(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221004BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20221004BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20221004BHJP
【FI】
H04N1/00 C
G06F3/16 630
G06F3/16 620
G06F3/16 610
G06F3/16 660
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2018230043
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 国大
(72)【発明者】
【氏名】石黒 和宏
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-271047(JP,A)
【文献】特開2018-042152(JP,A)
【文献】特開2010-287176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/16
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取ジョブを実行して原稿画像を読み取る画像読取装置であって、
読取ジョブの実行指示を音声入力で受け付ける第1受付手段と、
読取ジョブの実行に必要な設定項目のうち、音声入力による指示がなかった設定項目を補足する補足手段であり、指示がなかった設定項目に複数の選択可能な値が存在する場合、第1選択値を設定して実行した読取ジョブで得られるべき第1画像データと、第2選択値を設定して実行した読取ジョブで得られるべき第2画像データとについて、第1画像データから第2画像データが復元可であるがその逆が不可になる関係があるとき、指示がなかった設定項目に前記第1選択値を設定する補足手段と、
前記補足後、読取ジョブを実行するジョブ実行手段と、
読取ジョブで読み取られた画像データを、前記第2選択値の設定で読取ジョブを行った場合に得られるべき画像データに変換するか否かの指示を受け付ける第2受付手段と、
前記変換の指示が受け付けられると、前記変換を行う変換手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第2受付手段は、
読取ジョブが前記第1選択値を設定して実行された旨を表示または音声でユーザーに通知する通知部を有し、前記通知後に前記指示を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記変換手段は、
前記変換の指示が受け付けられると、変換後の画像データを出力先に出力し、前記変換を行わない指示が受け付けられると、読取ジョブで得られた画像データをそのまま出力先に出力する出力部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
さらに、前記出力部から出力される画像データの画像を出力前にプレビュー表示する表示部を有することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記補足手段は、
音声入力による指示がなかった設定項目がデフォルト値からの変更が禁止されている設定項目である場合には、デフォルト値から前記第1選択値への設定を行わないことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記設定項目には、原稿を読み取る際の異なる大きさ解像度のうちの一つを選択値として設定するための解像度の設定項目が含まれ、
前記解像度の設定項目における前記第1選択値は、第1の大きさの第1解像度であり、前記第2選択値は、前記第1解像度よりも小さい第2解像度であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記設定項目には、原稿の第1面と第2面の一方のみを読み取って片面データを生成する片面読取と、両方を読み取って第1面と第2面の画像データの両方を生成する両面読取とのうちの一つを選択値として設定するための読取方法の設定項目が含まれ、
前記読取方法の設定項目における前記第1選択値は、両面読取であり、前記第2選択値は、片面読取であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記設定項目には、原稿を読み取って、異なる色のそれぞれの画像データを生成するカラー読取と、前記異なる色に含まれる1色のみの画像データを生成するモノクロ読取とのうちの一つを選択値として設定するための出力色の設定項目が含まれ、
前記出力色の設定項目における前記第1選択値は、カラー読取であり、前記第2選択値は、モノクロ読取であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記設定項目には、原稿を読み取る際のデータサイズを異なる大きさのいずれかから選択可能な場合に、異なるデータサイズのうちの一つの選択値として設定するためのデータサイズの設定項目が含まれ、
前記データサイズの設定項目における前記第1選択値は、第1の大きさのデータサイズであり、前記第2選択値は、前記第1の大きさも小さい第2の大きさのデータサイズであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記設定項目には、
画像データの階調値を補正するためのゲイン調整を行うか否かを選択値として設定するためのゲイン調整の設定項目が含まれ、
前記ゲイン調整の設定項目における前記第1選択値は、前記ゲイン調整を行わないことであり、前記第2選択値は、前記ゲイン調整を行うことであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取るスキャナーなどの画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置では、ユーザーが原稿画像の読取ジョブを実行するのに際し、例えばカラーとモノクロのいずれの画像データを生成するか、読取解像度を高、中、小のいずれにするかなど各種の設定項目を設定入力できるようになっている。
【0003】
各設定項目には、通常、デフォルト値、例えばモノクロ、中解像度などが装置の製造工場出荷時に設定され、ユーザーのオフィス等に設置された後、管理者等により別の選択値への変更が可能になっている。例えば、利用頻度が高い値を事前にデフォルト値に設定することで、ユーザーは、ジョブ毎にデフォルト値とは別の値に変更したい設定項目を再設定すれば良くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、ユーザーの音声で入力を受け付ける方法が用いられるようになってきている。例えば、原稿をセットした後、スキャンなどというように音声でジョブの指示を行えば、操作パネル上の表示画面を見ながら入力ボタンを押下する操作よりも、ユーザーにとって簡易になる。
【0006】
一方で、音声入力方法は、ユーザーが思いついた設定項目や知っている設定項目のみ音声で指示することが多くなる。上記のスキャンという指示の例では、ジョブ名がスキャンという情報しかないので、音声で指示されていないカラーとモノクロ、解像度などの設定項目については、デフォルト値が適用されて読取ジョブが実行されることになる。
【0007】
例えば、解像度のデフォルト値が中解像度であれば、スキャナーの移動速度を高解像度のときよりも速くしたり、高解像度で読み取った画像データから画素を間引きしたりして、中解像度の画像データを生成することが行われる。
【0008】
ところが、もし、ユーザーが高解像度を希望していたのにも関わらず、うっかり解像度の指示を忘れると、中解像度の画像データが生成されることになり、読み取り後にユーザーの希望する画像データを得られないことになる。
【0009】
ユーザーは、別途、「スキャン、高解像度」という音声指示を行うこともできるが、これではジョブのやり直しになってしまう。一方で、中解像度の画像データを高解像度に復元できれば、スキャナーによる原稿画像の読取ジョブをやり直す必要はなくなるが、復元できないものであれば、再度の読取ジョブが必要になる。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、読取ジョブをやり直すことなく、ユーザーの希望に沿った画像データを得ることが可能な画像読取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像読取装置は、読取ジョブを実行して原稿画像を読み取る画像読取装置であって、読取ジョブの実行指示を音声入力で受け付ける第1受付手段と、読取ジョブの実行に必要な設定項目のうち、音声入力による指示がなかった設定項目を補足する補足手段であり、指示がなかった設定項目に複数の選択可能な値が存在する場合、第1選択値を設定して実行した読取ジョブで得られるべき第1画像データと、第2選択値を設定して実行した読取ジョブで得られるべき第2画像データとについて、第1画像データから第2画像データが復元可であるがその逆が不可になる関係があるとき、指示がなかった設定項目に前記第1選択値を設定する補足手段と、前記補足後、読取ジョブを実行するジョブ実行手段と、読取ジョブで読み取られた画像データを、前記第2選択値の設定で読取ジョブを行った場合に得られるべき画像データに変換するか否かの指示を受け付ける第2受付手段と、前記変換の指示が受け付けられると、前記変換を行う変換手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記第2受付手段は、読取ジョブが前記第1選択値を設定して実行された旨を表示または音声でユーザーに通知する通知部を有し、前記通知後に前記指示を受け付けるとしても良い。
【0013】
さらに、前記変換手段は、前記変換の指示が受け付けられると、変換後の画像データを出力先に出力し、前記変換を行わない指示が受け付けられると、読取ジョブで得られた画像データをそのまま出力先に出力する出力部を有するとしても良い。
【0014】
さらに、前記出力部から出力される画像データの画像を出力前にプレビュー表示する表示部を有するとしても良い。
【0015】
また、前記補足手段は、音声入力による指示がなかった設定項目がデフォルト値からの変更が禁止されている設定項目である場合には、デフォルト値から前記第1選択値への設定を行わないとしても良い。
【0016】
さらに、前記設定項目には、原稿を読み取る際の異なる大きさ解像度のうちの一つを選択値として設定するための解像度の設定項目が含まれ、前記解像度の設定項目における前記第1選択値は、第1の大きさの第1解像度であり、前記第2選択値は、前記第1解像度よりも小さい第2解像度であるとしても良い。
【0017】
また、前記設定項目には、原稿の第1面と第2面の一方のみを読み取って片面データを生成する片面読取と、両方を読み取って第1面と第2面の画像データの両方を生成する両面読取とのうちの一つを選択値として設定するための読取方法の設定項目が含まれ、前記読取方法の設定項目における前記第1選択値は、両面読取であり、前記第2選択値は、片面読取であるとしても良い。
【0018】
さらに、前記設定項目には、原稿を読み取って、異なる色のそれぞれの画像データを生成するカラー読取と、前記異なる色に含まれる1色のみの画像データを生成するモノクロ読取とのうちの一つを選択値として設定するための出力色の設定項目が含まれ、前記出力色の設定項目における前記第1選択値は、カラー読取であり、前記第2選択値は、モノクロ読取であるとしても良い。
【0019】
また、前記設定項目には、原稿を読み取る際のデータサイズを異なる大きさのいずれかから選択可能な場合に、異なるデータサイズのうちの一つの選択値として設定するためのデータサイズの設定項目が含まれ、前記データサイズの設定項目における前記第1選択値は、第1の大きさのデータサイズであり、前記第2選択値は、前記第1の大きさも小さい第2の大きさのデータサイズであるとしても良い。
【0020】
さらに、前記設定項目には、画像データの階調値を補正するためのゲイン調整を行うか否かを選択値として設定するためのゲイン調整の設定項目が含まれ、前記ゲイン調整の設定項目における前記第1選択値は、前記ゲイン調整を行わないことであり、前記第2選択値は、前記ゲイン調整を行うことであるとしても良い。
【発明の効果】
【0021】
上記の構成により、読取ジョブをやり直すことなく、ユーザーの希望に沿った画像データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態に係るMFPの全体の構成を示す斜視図である。
【
図2】画像読取部のスキャナー本体とADFの概略構成を示す図である。
【
図3】画像読取部に設けられている全体制御部の構成を示すブロック図である。
【
図6】(a)と(b)は、ジョブ管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図7】(a)と(b)は、確認要求画面の表示例を示す図である。
【
図8】画像データ変換部の構成を示すブロック図である。
【
図9】音声入力によるジョブ実行動作の制御内容を示すフローチャートである。
【
図10】原稿読取動作のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【
図11】変形例に係るジョブ実行動作の制御内容の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る画像読取装置の実施の形態をカラー複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)を例にして説明する。
【0024】
【0025】
同図に示すようにMFP1は、画像読取部2と、画像読取部2よりも下であり空間9を隔てて配されたプリント部3を備え、スキャナー、コピーおよびプリンターの機能を併せ持つ多機能複合機である。
【0026】
画像読取部2は、スキャナー本体21と、自動原稿搬送装置(auto document feeder:ADF)22と、操作パネル23と、全体制御部24(
図2)を備え、ADF22により搬送される原稿の第1面(表面)と第2面(裏面)の画像を固定光学系の一つである公知のシートスルー方式と、原稿の第1面の画像を移動光学系の一つであるスキャナー移動方式により読み取りが可能なように構成されている。
【0027】
図2は、画像読取部2のスキャナー本体21とADF22の概略構成を示す図である。
【0028】
同図に示すようにADF22は、シートスルー方式で原稿画像を読み取る場合には、給紙トレイ22aにセットされた原稿Dを1枚ずつ、駆動モーター22jにより回転駆動される各搬送ローラーにより原稿搬送路22zに沿って搬送させて、スキャナー本体21の読取位置に配されたガラス22b上を通過させた後、排出トレイ22cに排出させる。
【0029】
スキャナー本体21は、ADF22により搬送される原稿Dがガラス22b上を通過する際にその原稿Dの第1面(表面)の画像を読み取る。具体的には、ガラス22bの直下位置に静止した第1スライダー21bに配されたランプ21aを点灯させ、ガラス22b上を通過する原稿Dの第1面に光Lを照射させる。原稿Dの第1面からの反射光が第1ミラー21c、第2スライダー21fの第2ミラー21dと第3ミラー21eにより光路変更され、集光レンズ21hによってCCD(Charge Coupled Device)センサー21s(第1読取素子)の受光面で結像される。CCDセンサー21sは、受光した光を光電変換により原稿Dの第1面の画像に対応したカラーの画像信号を出力する。
【0030】
原稿Dの第2面の画像は、原稿搬送路22zを搬送中の原稿Dがガラス22b上を通過後、原稿搬送路22zの近傍に配された密着イメージセンサー(CIS:Contact Image Sensor)22s(第2読取素子)を通過する際に読み取られる。密着イメージセンサー22sにより、原稿Dの第2面の画像に対応したカラーの画像信号が出力される。
【0031】
出力された第1面、第2面に対応するカラーの画像信号は、コピージョブの場合、全体制御部24によりプリント用のカラーまたはモノクロの画像データ(後述)に変換され、変換後の画像データがプリント部3に送られてプリント(印刷)に供せられる。スキャンジョブの場合、カラーの画像信号は、所定の形式の画像データに変換後、不図示の記憶部に記憶され、これ以降、ユーザーの利用のために必要に応じて読み出される。
【0032】
一方、スキャナー移動方式で原稿画像を読み取る場合には、ユーザーによりADF22が上方に開放され、プラテンガラス21n上に原稿が載置された状態で、ランプ21aを点灯させつつ第1スライダー21bを同図の右方向に移動させる。
【0033】
第1スライダー21bの移動の際、第2スライダー21fが第1スライダー21bと同方向であって第1スライダー21bの移動速度の半分の速度で移動するようになっている。これにより、プラテンガラス21n上に載置された原稿から集光レンズ21hまでの距離(光路長)が常に一定に保たれた状態で、当該原稿の反射光がCCDセンサー21sの受光面で結像される。
【0034】
図1に戻って操作パネル23は、画像読取部2の前面でありユーザーが操作し易い位置に配置されており、タッチパネル31とハードキー群32とマイク33を備える。
【0035】
タッチパネル31は、液晶ディスプレイ311とタッチパッド312を有する。液晶ディスプレイ311には、コピージョブなどのジョブを実行するための各種の画面や確認要求画面(後述)などが表示される。タッチパッド312は、液晶ディスプレイ311の表示画面内に表示されているボタン、ここでは図示していないが、例えばユーザーから実行すべきジョブの選択を受け付けるためのボタンなどのタッチ入力を検出する。
【0036】
ハードキー群32には、ユーザーからジョブの実行開始を受け付けるスタートキーやジョブの停止の指示を受けるストップキーなどが含まれる。
【0037】
マイク33は、ハードキー群32の横に配され、ユーザーの音声を入力して音声データを生成する。音声入力は、例えばユーザーが操作パネル23の前に立って、液晶ディスプレイ311に表示されているマイクボタン(不図示)をタッチして音声入力を有効にした上で、マイク33に向かって「コピー1部」などの音声で指示して行うことができる。
【0038】
本実施の形態では、ユーザーは、タッチパネル31とハードキー群32のボタンをタッチ入力や押下したりマイク33に対して音声を発したりすることで、実行するジョブを選択したりジョブの実行を指示したりすることができるようになっている。
【0039】
全体制御部24は、タッチ入力、ボタン押下、音声による指示に基づく処理、例えばコピーやスキャンなどのジョブの実行や液晶ディスプレイ311の表示画面の切り換えなどを行う。
【0040】
プリント部3は、カラーとモノクロの画像形成を切り換えて可能な例えばタンデム型のカラー画像形成装置であり、カラー画像は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーにより形成され、モノクロ画像は、K(ブラック)色のみのトナーにより形成される。
【0041】
コピージョブの場合、複数段の給紙カセット3aのいずれかから給送した記録シートに、画像読取部2で生成された画像データに基づくカラー画像またはモノクロ画像を形成し、画像形成後の記録シートを出力して、排紙トレイ8に収容させる。
【0042】
プリントジョブの場合、外部の端末装置(不図示)からネットワークを介して送られて来る画像データに基づきカラー画像またはモノクロ画像を記録シートに形成した後、排紙トレイ8に収容させる。
【0043】
図3は、全体制御部24の構成を示すブロック図である。
【0044】
同図に示すように全体制御部24は、第1制御部241と第2制御部242を有する。
【0045】
第1制御部241は、タッチパネル31のタッチ入力とハードキー32の押下に基づき、スキャナー本体21とADF22を制御して、原稿画像の読取動作を実行する。
【0046】
第2制御部242は、マイク34からの音声データに基づき、スキャナー本体21とADF22を制御して、原稿画像の読取動作を実行する。第1制御部241による読取動作は公知の構成と同じであるので、ここでは説明を省略し、以下、第2制御部242による読取動作について具体的に説明する。
【0047】
図4は、第2制御部242の構成を示すブロック図である。
【0048】
同図に示すように第2制御部242の音声データ入力部51は、接続されるマイク34を介して音声データを受け付ける。音声指示認識部52は、音声データ入力部51からの音声データを音声認識処理によってテキストデータに変換し、変換したテキストデータを解析することによって、ユーザーがどのような指示をしたのかを認識する。
【0049】
具体的には、ノイズリダクションアルゴリズムを用いて音声データのノイズレベルを低減してから、音声データの周波数特性を用いて音声データを音素単位、例えばコピーの「コ」、「ピー」などをモデル化した音響モデル、単語ごとに当該単語を構成する音素を定義した発音辞書、および単語のつながり易さを規定した言語モデルの三つの確率モデルの積が最大になる単語列を求めることによって、テキストデータを生成する。
【0050】
生成されたテキストデータが、予め登録されているジョブや各種機能の名称(コピー、スキャン、カラー、両面など)のいずれと一致するかを判断し、一致すると判断した名称をユーザーが音声で指示したジョブ名や機能名と認識する。音声認識の方法が上記の方法に限られないことはいうまでもなく、他の方法を用いるとしても良い。
【0051】
ジョブ判断部53は、音声指示認識部52の認識結果からユーザーが指示したジョブ名を判断する。例えば、「コピー」と認識された場合、コピージョブと判断する。
【0052】
必要設定項目判断部54は、判断テーブル541とジョブ管理テーブル542を有し、判断したジョブ、例えばコピージョブを実行するのに必要な設定項目を、予め登録されている判断テーブル541を参照して判断する。
【0053】
図5は、コピージョブに対する判断テーブル541の内容例を示す図である。
【0054】
同図に示すように判断テーブル541は、設定項目と、これに対応して設けられた選択値とデフォルト値とデータ変換の各欄を有する。
【0055】
設定項目欄には、実行可能な機能、ここでは出力色、読取方法、解像度、データサイズ、部数が書き込まれており、設定項目欄の各設定項目がコピージョブの実行に必要な設定項目になる。従って、必要設定項目判断部54は、判断テーブル541の設定項目欄から、コピージョブの実行に必要な設定項目として出力色~部数の5つがあることを判断できる。
【0056】
選択値欄には、対応する設定項目でユーザーが選択可能な値が書き込まれており、例えば設定項目「出力色」に対して、カラーとモノクロのいずれかを選択できることを示している。
【0057】
デフォルト値欄には、各選択値のうち、事前に管理者などからデフォルト値として指示された値が書き込まれている。同図の例では、デフォルト値として、モノクロ、片面、中解像度、A4サイズ、1部が書き込まれている。
【0058】
データ変換欄には、複数の選択値のうち、一つの選択値の設定に基づき読取動作を実行した場合に生成されるべき画像データを、他の選択値の設定に基づき読取動作を実行した場合に生成されるべき画像データに復元可能な否かを示す情報が書き込まれている。
【0059】
具体的に、選択値がモノクロの場合、モノクロの設定で読取動作により得られる画像データは、K色のみの画像データ(モノクロデータ)になる。一方、選択値がカラーの場合、カラーの設定で読取動作により得られる画像データは、Y、M、C、K色の画像データ(カラーデータ)になる。
【0060】
カラーデータは、K色の画像データを含むので、カラーデータを生成すれば、その後、Y、M、C色の画像データを削除することで、モノクロデータへの変換が可能である。これに対し、モノクロデータは、Y、M、C色の画像データを含まないので、モノクロデータが生成されてしまうと、その後、カラーデータへの変換は不可になる。同図のデータ変換欄では、変換可能な場合を(可)、変換不可な場合を(不可)で示している。
【0061】
読取方法は、原稿の片面(第1面)のみの読み取りと両面(第1面と第2面)の読み取りのいずれかを選択値として選択できることを示している。
【0062】
片面と両面でのデータ変換は、次のようになる。すなわち、選択値が片面の場合、読取動作により得られる画像データは、原稿の第1面のみの画像データ(片面データ)になり、選択値が両面の場合、原稿の第1面と第2面の両方の画像データ(両面データ)になる。両面データは、原稿の第2面の画像データを含むので、両面データを生成すれば、その後、第2面の画像データを削除することで、片面データへの変換が可能である。これに対し、片面データは、第2面の画像データを含まないので、片面データが生成されると、もはや、両面データへの変換は不可になる。
【0063】
解像度は、原稿の読み取り解像度を、高(例えば600dpi)と中(例えば300dpi)と低(例えば100dpi)のいずれかから選択値として選択できることを示している。ここで、dpiは、dot per inchの略である。
【0064】
解像度が変わるときのデータ変換は、次のようになる。すなわち、選択値が中又は低の場合、読取動作による画像データは、解像度が中又は低の画像データになり、選択値が高の場合、高解像度の画像データになる。高解像度の画像データは、例えば画素を間引くことで、中または低解像度の画像データへの変換が可能である。これに対し、低または中解像度の画像データは、高解像度の画像データに復元できないので、高解像度の画像データへの変換は不可になる。つまり、解像度の高低で高い方から低い方への画像データの変換は可であるが、低い方から高い方への画像データの変換は不可になる。
【0065】
データサイズは、読取画像のデータサイズをA3、B4、A4、B5サイズのいずれから選択値として選択できることを示している。読取画像のデータサイズは、実質、記録シートのサイズと同じである。
【0066】
データサイズのデータ変換は、次のようになる。例えば、A4サイズの本を開いたA3サイズ相当の大きさの原稿にしてプラテンガラス21n上に載置された状態で、見開きのNページ目と(N+1)ページ目とを読み取る読取動作を行う場合、データサイズの選択値がA3であれば、A3サイズの大きさの原稿に対する読取動作が実行されるので、A4サイズのNページ目と(N+1)ページ目の画像が横に並んだようなA3サイズの画像データが生成される。このA3サイズの画像データは、Nページ目と(N+1)ページ目の2つの画像データを含んだものになる。
【0067】
従って、読取動作後にユーザーが、例えばNページ目を残し、(N+1)ページ目を削除したい場合、読み取って得られたA3サイズの画像データにおいて、(N+1)ページ目に相当するA4サイズの大きさのデータ部分を削除することで、データサイズがA4サイズになり、Nページ目のA4サイズの画像データに加工することが可能になる。また、縮小処理を施せば、読取動作後にA3よりもサイズが小さいB4やA4サイズの画像データへの変換も可能である。
【0068】
一方、選択値がA4の場合、A4サイズの大きさの原稿に対する読取動作が実行され、A4サイズの大きさの画像データが得られる。仮に、ユーザーがA4サイズの選択になっていることを知らずに、A4サイズの本を開いたA3サイズ相当の原稿の読み取りを行えば、Nページ目と(N+1)ページ目の一方しか読み取りを行えず、一方のページの画像データを他方のページの画像データに変換することはできない。A3サイズの画像データの中から画素を間引いてA4サイズの画像データに縮小するような場合も同様である。
【0069】
つまり、大サイズから小サイズの画像データへの変換は可能であるが、小サイズから大サイズへの画像データの変換は不可になる。
【0070】
部数は、1から99までのいずれかの数値を選択可能であることを示しているが、部数の選択値が変わったところでデータ変換が可/不可のいずれかになることはないので、データ変換欄には何も情報が登録されていない。
【0071】
必要設定項目判断部54は、判断した1以上の設定項目をジョブ管理テーブル542に書き込む。
図6(a)は、ジョブ管理テーブル542の構成例を示す図である。
【0072】
同図に示すようにジョブ管理テーブル542は、ジョブ番号とジョブ種類と設定項目と設定値の各欄を有する。ジョブ番号は、実行すべきジョブを識別する番号を示し、ジョブ種類は、コピー、スキャン等のジョブ名称を示す。
【0073】
設定項目の欄は、必要設定項目判断部54により判断された設定項目が書き込まれる欄であり、ここでは上記の出力色~部数の5つが書き込まれている例を示している。設定値の欄は、次に説明する設定部55により設定値が書き込まれるようになっている。
【0074】
図4に戻って、設定部55は、指示値設定部551とデフォルト値設定部552を有する。指示値設定部551は、必要設定項目判断部54で判断された1以上の設定項目のうち、音声指示認識部52でユーザーの指示があったと認識された設定項目に対してその指示内容をジョブ管理テーブル542に書き込む(設定する)。
【0075】
デフォルト値設定部552は、判断テーブル541のデフォルト値欄に、管理者等から指示された選択値を書き込む。なお、デフォルト値は、MFP1が製造工場から出荷時に設定登録されるとしても良い。また、出荷後、管理者がタッチパネル31を用いて希望の値に変更する指示を行えるとしても良い。この場合、変更を指示された値がデフォルト値設定部552によりジョブ管理テーブル542のデフォルト値欄に書き込まれる。
【0076】
図6(a)に示すジョブ管理テーブル542の例では、5つの設定項目のうち、出力色とデータサイズと部数についてユーザーの指示の内容が設定され、読取方法と解像度についてデフォルト値が設定されている様子を示している。デフォルト値は、
図5に示すデフォルト値欄において読取方法と解像度の各項目に書き込まれている値が参照される。
図6(a)の設定例は、音声認識結果が「カラーコピー、A4サイズ、1部」であった場合が想定される。ユーザーの指示の内容が設定された設定項目を設定項目A、デフォルト値が設定された設定項目を設定項目Bとして区別する場合がある。
【0077】
図4に戻ってデータ変換可否判断部56は、ジョブ管理テーブル542に登録されているジョブ、例えばジョブ番号0001のコピージョブについて設定項目B、上記の例では読取方法と解像度についてデータ変換が可能か否かを判断する。
【0078】
この判断は、設定項目Bごとに、デフォルト値の設定に基づき読取動作を実行したときに生成されるべき画像データ(以下、画像データαという。)を、デフォルト値以外の選択値の設定に基づき読取動作を実行したときに生成されるべき画像データ(以下、画像データβという。)に変換可能な否かを、
図5に示す判断テーブル541のデータ変換欄を参照することにより行われる。
【0079】
すなわち、判断テーブル541において、読取方法に対応するデータ変換欄を見ると、片面データから両面データへの変換が不可になっており、両面データから片面データへの変換が可になっている。解像度については、中/低解像度から高解像度への画像データの変換が不可になっており、高解像度から中/低解像度および中解像度から低解像度への画像データの変換が可になっている。
【0080】
ジョブ番号が0001のコピージョブの例では、読取方法のデフォルト値が片面読取、解像度のデフォルト値が中解像度になっており、デフォルト値に対応する画像データαは、中解像度の片面データになり、デフォルト値以外の選択値(例えば、両面、高解像度)に対応する画像データβに変換(復元)できないので、読取方法と解像度の両方ともデータ変換が不可と判断される。他の設定項目の出力色、データサイズについても同様に判断できる。
【0081】
図4に戻って、設定項目補足部57は、ユーザーから音声で指示がなかった設定項目Bの設定を補足するものであり、具体的にはジョブ管理テーブル542において、設定項目Bのうち、データ変換可否判断部56がデータ変換を不可と判断した設定項目の設定値をデフォルト値に代えてデータ変換が可能な選択値に設定変更する。この設定変更された設定項目を設定項目Cとして区別する場合がある。
【0082】
ジョブ番号が0001のコピージョブの例では、読取方法と解像度の両方が不可と判断されたので、
図6(b)に示すように読取方法と解像度のそれぞれについて設定値が両面と高解像度にそれぞれ設定変更される。
【0083】
読取方法が「両面」に設定変更されたのは、両面は、読取動作により得られた両面データから片面データ(デフォルト値である片面の設定で読み取って得られるべき画像データ)への変換が可能な選択値であるからである。同様に、解像度が「高」に設定変更されたのは、高解像度は、読取動作により得られた高解像度の画像データから中解像度(デフォルト値)の画像データへの変換が可能な選択値であるからである。
【0084】
つまり、設定項目Cは、異なる複数の選択値のうち、第1選択値(例えば、両面、高解像度)を設定して実行した読取動作(読取ジョブ)で得られるべき第1画像データと、第2選択値(例えば、片面、中/低解像度)を設定して実行した読取動作で得られるべき第2画像データとについて、第1画像データから第2画像データが復元可であるがその逆が不可になる関係がある設定項目といえる。設定項目補足部57は、設定項目Cについてデフォルト値(片面、中または低解像度)が上記の第2選択値に属する場合に、デフォルト値に代えて第1選択値(両面、高解像度)を設定する。
【0085】
読取実行部58は、設定項目補足部57による設定値の設定変更が終了すると、ジョブ管理テーブル542を参照し、登録されている未実行の読取ジョブを実行する。ここでは、ジョブ番号0001のコピージョブが実行されるとする。
【0086】
読取実行部58は、ジョブ番号0001のコピージョブの実行に際し、ジョブ管理テーブル542の設定値欄に設定されている「カラー」、「両面読取」、「高解像度」、「A4サイズ」を読み出して、読み出した各設定値に基づき原稿読取動作をスキャナー本体21とADF22を制御して実行させる。具体的な処理内容については、後述する。
【0087】
画像メモリ59には、読取動作によって得られた画像データが格納される。
【0088】
設定項目確認要求部60は、ユーザーに対して設定項目Cの設定値の確認を要求する確認要求画面601(
図7(a))をタッチパネル31に表示させる。これは、設定項目Cについて、ユーザーからの音声指示がなかったという理由からデフォルト値に代えて選択値を自動で再設定して読取動作を実行したが、この自動再設定による設定値がユーザーの希望するものか否かをユーザーに確認するためである。
【0089】
図7(a)に示すように確認要求画面601は、メッセージ表示欄610と確認項目欄611が設けられている。メッセージ表示欄610には、ユーザーが実行を指示したジョブ、ここではコピージョブについてユーザーからの音声入力の際に未指示の設定項目があった旨を示すメッセージが表示される。
【0090】
確認項目欄611には、未指示の設定項目の名称と現在の設定値とが表示される。未指示の設定項目は、設定項目補足部57で設定変更された設定項目Cであり、現在の設定値は、
図6(b)に示すジョブ管理テーブル542に登録されている設定項目Cに対応する設定値に等しい。設定項目確認要求部60は、ジョブ管理テーブル542から設定項目Cの名称と設定値を読み出して、読み出した設定項目Cの名称と設定値を確認項目欄611に表示させる。
【0091】
ユーザーは、確認要求画面601の確認項目欄611を目視して、現在の設定値(両面、高解像度)で良ければ、終了ボタン613をタッチ入力することができ、変更を希望する場合には、変更ボタン612をタッチ入力することができる。設定項目確認要求部60は、終了ボタン613がタッチ入力された場合、画像データを変換しない旨の第1指示情報を
図4に示す画像データ変換部61に送り、変更ボタン612がタッチ入力された場合、
図7(b)に示す設定変更受付画面602を切り換え表示させる。
【0092】
設定変更受付画面602には、未指示項目ごとに選択可能な値をタッチ入力できるチェックボックス欄621、622が設けられている。ユーザーは、未指示項目ごとにチェックボックス欄621、622に表示されている選択値の中からいずれかの選択値に対するチェックボックスへのタッチ入力でチェックを表示させることで、希望の設定値を選択入力することができる。
【0093】
チェックボックス欄621、622に表示されている選択値は、データ変換が可能な選択値になる。具体的には、設定項目Cの読取方法は、現在の設定値が両面であり、両面からデータ変更が可能な片面が選択値として表示され、解像度は、現在の設定値が高解像度であり、これからデータ変更が可能な中解像度と低解像度が選択値として表示される。
【0094】
つまり、設定項目Cに対し、デフォルト値から設定変更された選択値、例えば両面、高解像度(第1選択値)が現在の設定値になり、第1選択値からデータ変換可能な選択値、例えば片面、中/低解像度がチェックボックス欄621、622に表示すべき選択値(第2選択値)になる。第2選択値は、判断テーブル541のデータ変換欄を参照することにより判断される。
【0095】
なお、同図の表示には、未指示項目として読取方法と解像度しか含まれていないが、他の設定項目が未指示であった場合には、未指示の設定項目に対するチェックボックス欄と対応する選択値とが表示される。例えば、出力形態ではモノクロが選択値になり、データサイズでは、デフォルト値よりも小さい各サイズが選択値になる。
【0096】
設定項目確認要求部60は、確定ボタン623がタッチ入力された場合、チェック表示されている設定値が確定したとして、確定した設定値への画像データの変換を指示する第2指示情報を画像データ変換部61に送る。
【0097】
画像データ変換部61は、
図8に示すようにスイッチ部91と、変換処理部92と、出力部93を有する。
【0098】
スイッチ部91は、画像メモリ59からの画像データの出力先を切り換えるものであり、設定項目確認要求部60の指示情報がユーザーによる画像データを変換しない旨の第1指示情報である場合には出力先を出力部93に切り換え、画像データの変換を指示する第2指示情報の場合には、出力先を変換処理部92に切り換える。
【0099】
変換処理部92は、画像メモリ59からスイッチ部91を介して受信した画像データに、ユーザーの指示に基づく変換処理を施した後、変換後の画像データを出力部93に送るものであり、Y、M、C色データ削除部92aと、裏面データ削除部92bと、低解像度変換部92cと、縮小加工部92dを有する。
【0100】
Y、M、C色データ削除部92aは、受信した画像データがカラーデータであり、設定項目確認要求部60からの指示情報がユーザーによるモノクロへの変更指示である場合には、カラーデータに含まれるY、M、C色の画像データを削除して、K色の画像データのみを残す処理を行う。
【0101】
裏面データ削除部92bは、受信した画像データが両面データであり、設定項目確認要求部60からの指示情報がユーザーによる片面の変更指示である場合には、両面データに含まれる第2面の画像データを削除して、第1面の画像データのみを残す処理を行う。
【0102】
低解像度変換部92cは、設定項目確認要求部60からの指示情報がユーザーによる解像度の変更指示である場合には、受信した画像データの解像度を、指示された中解像度または低解像度に落とす低解像度変換処理を行う。この低解像度変換処理は、上記のように画素を間引くことで行われる。
【0103】
縮小加工部92dは、設定項目確認要求部60からの指示情報がユーザーによるデータサイズの変更指示である場合には、受信した画像データを、指示されたサイズに画像データの一部を切り取る加工処理または縮小する処理を行う。
【0104】
このように変換処理部92は、設定項目確認要求部60からの第2指示情報に基づき、Y、M、C色データ削除部92a~縮小加工部92dのいずれかを動作させるが、例えば、両面から片面への変換と低解像度への変換の2つを行う場合には、まず裏面データ削除部92bを動作させ、次に低解像度変換部92cを動作させることで、2つの変換を行う。他の変換の組み合わせも予め実行順序が決められる。
【0105】
出力部63は、画像メモリ59からスイッチ部91を介して受信した画像データ(未変換のもの)と変換処理部92から受信した画像データ(変換後のもの)に、当該コピージョブの設定項目としてジョブ管理テーブル542に登録されている各設定値(サイズや部数を含む)を示すジョブ情報を付加したものを、プリント部3に送る。
【0106】
プリント部3は、出力部63から受信したジョブ情報から実行すべきジョブがカラー、A4サイズ、部数が1部のコピージョブであることが判り、指示されたサイズの記録シートを給送して、受信した画像データに基づく画像をその記録シートにプリントする動作を行う。これにより、ジョブ番号0001のコピージョブが終了する。
【0107】
図9は、音声入力によるジョブ実行動作の制御内容を示すフローチャートであり、当該制御は、不図示のメインルーチンから一定間隔でコールされる度に第2制御部242により実行される。
【0108】
同図に示すように音声入力を受け付けると(ステップS1で「Yes」)、ユーザーによる音声指示を認識する(ステップS2)。音声入力の受け付けは、音声データ入力部51が担当し、音声指示の認識は、音声指示認識部52が担当する。
【0109】
音声指示の認識結果からユーザーが指示したジョブ名を判断する(ステップS3)。このジョブ判断は、ジョブ判断部53が担当する。
【0110】
判断されたジョブを実行するのに必要な設定項目をジョブ管理テーブル542に登録する(ステップS4)。この登録は、必要設定項目判断部54が担当する。
【0111】
続いて、ジョブ管理テーブル542において、ユーザーから音声指示があったと認識された設定項目Aに指示値を設定する(ステップS5)。この設定は、設定部55が担当する。次に、ユーザーから指示がなかった各設定項目Bについてデータ変換が可能か否かを判断する(ステップS6)。この判断は、データ変換可否判断部56が担当し、デフォルト値に対応する画像データαを、これ以外の選択値に対応する画像データβに変換可能か否かをジョブ管理テーブル542のデータ変換欄を参照することにより行われる。
【0112】
上記のコピージョブの例では、
図5に示す判断テーブル541においてモノクロ、片面、中解像度、A4サイズがそれぞれデフォルト値に設定されている。仮に、出力色が設定項目Bであった場合、モノクロデータが画像データαになり、カラーデータが画像データβになるので、データ変換が不可と判断される。これに代わって、例えばカラーがデフォルト値に設定されていれば、カラーデータが画像データαになり、モノクロデータが画像データβになるので、データ変換が可と判断される。
【0113】
同様に、データサイズが設定項目Bであった場合、A4サイズの画像データが画像データαになり、これ以外のサイズ、例えばA3サイズの画像データが画像データβになれば、データ変換が不可と判断される。これに代わって、例えばA3サイズがデフォルト値に設定されていれば、A3サイズの画像データが画像データαになり、これよりも小さいB4以下のサイズの画像データが画像データβになるので、データ変換が可と判断される。読み取り方法と解像度についても同様である。
【0114】
データ変換が不可と判断されると(ステップS6で「No」)、設定項目Bの設定値をデフォルト値からデータ変換が可能な選択値に設定変更して(ステップS7)、ステップS8に進む。この設定変更は、設定項目補足部57が担当する。
【0115】
一方、データ変換が可能と判断されると(ステップS6で「Yes」)、ステップS7をスキップして(実行せずに)、ステップS8に進む。データ変換が可能と判断されるのは、設定項目Bにおいてデフォルト値がカラー、両面、高解像度、データサイズA3の場合になる。ステップS8の原稿読取動作では、現在の各設定項目の設定値に基づき原稿読取動作を行う。
【0116】
図10は、原稿読取動作のサブルーチンの内容を示すフローチャートであり、原稿読取動作は、読取実行部58が担当する。例えば、ジョブ番号0001のコピージョブにおいて設定値の変更があった場合、
図6(b)に示すジョブ管理テーブル542の設定値欄に設定されている「カラー」、「両面読取」、「高解像度」、「A4サイズ」を読み出して、読み出した各設定値に基づく読取動作をスキャナー本体21とADF22を制御して実行させる。
【0117】
具体的には、
図10に示すように給紙トレイ22aにセットされている原稿Dを1枚ずつ搬送する(ステップS21)。
【0118】
次に、片面読み取りであるか否かを判断する(ステップS22)。この判断は、ジョブ管理テーブル542の設定値欄に書き込まれている読取方法の設定値を参照することにより行われる。
【0119】
片面読み取りと判断すると(ステップS22で「Yes」)、CCDセンサー21sと密着イメージセンサー(CIS)22sのうちCCDセンサー21sのみ駆動する(ステップS23)。そして、モノクロの読み取りであるか否かを判断する(ステップS24)。この判断は、ジョブ管理テーブル542の設定値欄に書き込まれている出力色の設定値を参照することにより行われる。
【0120】
モノクロと判断すると(ステップS24で「Yes」)、搬送されている原稿DがCCDセンサー21sの読取位置を通過した際にCCDセンサー21sにより読み取られ、CCDセンサー21sから出力された原稿Dの画像信号に基づきK色の画像データのみ生成して(ステップS25)、ステップS26に進む。一方、カラーと判断すると(ステップS24で「No」)、CCDセンサー21sからの出力信号に基づきY、M、C、K色の画像データを生成して(ステップS29)、ステップS26に進む。
【0121】
ステップS26では、解像度変換が必要か否かを判断する。この判断は、ジョブ管理テーブル542の設定値欄に書き込まれている解像度の大きさを参照することにより行われる。ここでは、CCDセンサー21sの読取解像度は固定であるので、生成されたY~K色の画像データは高解像度で読み取られたものになり、設定値欄に書き込まれている解像度が高であれば、解像度変換が不要と判断される。設定値欄に書き込まれている解像度が中や低であれば、高解像度の画像データを中または低の解像度に相当する画像データに変換が必要と判断される。
【0122】
解像度変換が必要と判断されると(ステップS26で「Yes」)、生成されたY~K色の画像データまたはK色の画像データを、中または低の解像度に相当する画像データに画素を間引くなどして解像度を変換し(ステップS27)、解像度変換後の画像データを画像メモリ59に記憶させて(ステップS28)、リターンする。一方、解像度変換が不要と判断されると(ステップS26で「No」)、ステップS27をスキップして、生成されたY~K色の画像データまたはK色の画像データを解像度変換することなく、画像メモリ59に記憶させて(ステップS28)、リターンする。
【0123】
ステップS22で両面読み取りであることを判断すると(ステップS22で「No」)、CCDセンサー21sとCIS22sの両方を駆動する(ステップS30)。そして、モノクロの読み取りであるか否かを判断する(ステップS31)。この判断は、ステップS24と同じ方法により行われる。
【0124】
モノクロと判断すると(ステップS31で「Yes」)、搬送されている原稿DがCCDセンサー21sの読取位置を通過した際にCCDセンサー21sにより読み取られた原稿Dの第1面の画像信号に基づき第1面のK色の画像データを生成するとともに、CIS22sの読取位置を通過した際にCIS22sにより読み取られた原稿Dの第2面の画像信号に基づき第2面のK色の画像データを生成して(ステップS32)、ステップS26に進む。
【0125】
一方、カラーと判断すると(ステップS31で「No」)、CCDセンサー21sにより読み取られた原稿Dの第1面の画像信号に基づき第1面のY~K色の画像データを生成するとともに、CIS22sにより読み取られた原稿Dの第2面の画像信号に基づき第2面のY~K色の画像データを生成して(ステップS33)、ステップS26に進む。ステップS26以降の処理は、片面読み取りの場合と同様である。
【0126】
図9に戻って、ステップS9では、ステップS7の設定変換を行ったか否かを判断する。設定変更を行ったことを判断すると(ステップS9で「Yes」)、確認要求画面601(
図7(a))をタッチパネル31に表示させ、ユーザーから設定項目Bの現在の設定値に対して変更するかしないかの指示を受け付ける(ステップS10)。確認要求画面601の表示とユーザーの指示を受け付けは、設定項目確認要求部が担当する。なお、確認要求画面601に代えて、例えば音声入力でユーザーから設定値を変更するかしないかの指示を受け付ける構成をとることもできる。
【0127】
ユーザーから変更指示(第2指示)があったことを判断すると(ステップS11で「Yes」)、画像メモリ59の画像データを、ユーザーが指示した選択値に基づく画像データに変換する(ステップS12)。この画像データの変換は、画像データ変換部61が担当する。そして、変換後の画像データを出力先、例えばコピージョブの場合にはプリント部3に出力して(ステップS13)、リターンする。プリント部3に送られた画像データが記録シートへの画像のプリントに供される。
【0128】
一方、ユーザーから変更しない旨の指示(第1指示)があったことを判断すると(ステップS11で「No」)、ステップS12をスキップして、ステップS13に進む。この場合、変換されていない画像データが出力先に出力される。また、設定変更を行わなかったことを判断すると(ステップS9で「No」)、ステップS13に進む。
【0129】
ここで、画像データのプリント部3への出力前に、画像データの画像を液晶ディスプレイ311にプレビュー表示する構成をとることもできる。ユーザーは、プレビュー表示を見て、プリント出力物の仕上がり状態をプリント前に確認することができる。この場合、ユーザーからプレビュー表示を終了させる旨の指示を受け付けると、画像データがプリント部3に出力される。
【0130】
プレビュー表示とともに、プリント中止を指示するための中止ボタン(不図示)が設けられていれば、ユーザーがプレビュー表示を見た結果、プリントを中止したい場合にその中止ボタンでプリント中止を指示することもできる。
【0131】
なお、画像データの出力先をコピージョブの場合にプリント部3としたが、例えばスキャンジョブの場合に、読み取られた画像データを保管する記憶領域、いわゆるBOXが設けられたハードディスク等を有する記憶装置が指定されている場合には、その記憶装置を出力先とすることができる。また、ファクシミリ送信ジョブの実行機能を有している場合、電話回線などを含むネットワークを介して相手先に画像をファクシミリ送信するファクシミリ送信部を出力先とすることもできる。
【0132】
以上説明したように本実施の形態では、ユーザーが実行指示を音声入力で行ったジョブごとに、ユーザーの指示がなかった設定項目Bについては、デフォルト値を、読取動作後にデータ変換(復元)可能な選択値に自動で設定変更した上で読取動作を開始する。
【0133】
これにより、ユーザーが例えばコピージョブの実行指示を音声入力で行った際、原稿の両面を別々の記録シートにコピーする両面読取片面コピーを指示すべきところ、うっかり単なる「コピー」と発音してしまった場合に、原稿の片面のみを読み取る片面読取がデフォルト値に設定されていても、読取動作の開始前に、片面データへの変換が可能な両面データを生成する両面読取の設定に自動で切り換えた上で、両面読取の動作が実行される。
【0134】
そして、両面読取の終了後には、両面読取に代えてデフォルト値の片面読取に変換するかの確認を要求する確認要求画面601が表示される。ユーザーは、確認要求画面601から、自動で設定された両面読取に基づく画像データのままにするか、これに代えて、デフォルト値の片面読取に基づく画像データに変換するかの選択を行うことができる。
【0135】
従って、ユーザーは、音声入力の際にうっかり両面読取の指示を忘れてしまっても、実際には両面読取が実行されるので、ジョブ実行後に両面読取のジョブをやり直す必要はなくなる。一方で、片面読取がデフォルト値であるからこそ、あえて音声で指示しなかったユーザーにとっては、両面読取で生成された画像データを片面読取による画像データに変換させる指示を行えるので、希望する片面読取による画像データに基づくコピージョブを実行することができる。
【0136】
本発明は、画像読取装置に限られず、原稿画像の読取方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD-ROM、DVD-RAM、CD-ROM、CD-R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。また、上記の実施の形態における処理がソフトウェアにより行なわれる構成であっても良いし、ハードウェア回路を用いて行なれる構成であっても良い。
【0137】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
【0138】
(1)上記実施の形態では、設定項目にカラー/モノクロ、片面/両面などが含まれる例を説明したが、これに限られない。ゲイン調整を含むとしても良い。
【0139】
ゲイン調整は、原稿画像の色をユーザーの指示に応じて、例えば赤色をより濃く再現したり薄目に再現したりするように画像データの階調値を補正する公知の処理である。ユーザーは、補正の強度を例えば数値で指定できる。具体的には、例えば100を基準に数値を上げることでより濃くし、下げることでより薄目にするといった具合である。
【0140】
ゲイン調整を行えば、ゲイン調整前の階調値に復元できないことが通常である。これにより、ゲイン調整は、ゲイン調整をしないという設定にして実行した読取ジョブで得られるべき画像データ(第1画像データ)から、ゲイン調整を行うという設定にして実行した読取ジョブで得られるべき画像データ(第2画像データ)に復元可であるがその逆が不可になる関係を有する設定項目になる。
【0141】
従って、ユーザーからの音声指示にゲイン調整が含まれておらず、デフォルト値がゲイン調整を行う設定になっている場合、ゲイン調整をしない設定に自動的に切り換えた上で読取動作を実行し、その後にユーザーから確認選択画面601を通じてゲイン調整の数値の指定を受け付けると、指定された数値に対するゲイン調整を読取動作で得られた画像データに施すことで、ユーザーが希望する画像データを得ることが可能になる。なお、設定項目は、1以上の設定項目が設けられるとしても良い。
【0142】
(2)上記実施の形態では、設定項目Cに対してデフォルト値に代えて選択値を自動で設定した旨の通知を、
図7(a)に示す確認要求画面601による画面表示で行うとしたが、これに限られない。例えば、その設定の旨を示す音声をスピーカーなどから出力する音声出力の構成をとることもできる。
【0143】
(3)上記実施の形態では、設定項目のうち出力色(カラー/モノクロ)がユーザーの音声指示がなかった設定項目Bに属し、デフォルト値にモノクロが設定されていた場合、自動的にカラーに設定し直した上で読取動作を実行するとしたが、これに限られない。
【0144】
例えば、MFP1の管理者によりカラー出力が原則、禁止されているような環境では、管理者によるカラー出力の禁止を優先して、設定項目Bである出力色に対して、モノクロからカラーへの設定変更を行わない(禁止する)構成をとるとしても良い。
【0145】
図11は、本変形例に係る禁止処理の内容を示すフローチャートであり、
図9に示すフローチャートからの変更部分のみを示している。
図11に示すように設定項目Bがデータ変換不可と判断されると(ステップS6で「No」)、この設定項目Bが選択値の設定変更が禁止されている設定項目Bであるか否かを判断する(ステップS51)。
【0146】
この判断は、第2制御部242の記憶部(不図示)に記憶されている禁止情報を参照することにより行われる。この禁止情報は、設定項目Bごとに選択値の設定変更について禁止か否かを示す情報であり、予め管理者等によって登録される。ここでは、各設定項目のうち、出力色(カラー/モノクロ)のみが禁止されているものとする。
【0147】
設定変更が禁止されていない設定項目Bと判断すると(ステップS51で「No」)、ステップS7に進む。この場合、上記実施の形態と同じ処理になる。一方、設定変更が禁止されている設定項目Bと判断すると(ステップS51で「Yes」)、原稿読取動作(ステップS52)を実行する。この原稿読取動作は、
図10に示す原稿読取動作と基本的に同じ動作であるが、カラー読取が実行されない。
【0148】
原稿読取動作(ステップS52)の実行後、ステップ7~S12をスキップして、ステップS13に進む。カラーへの設定変更が禁止されているので、ステップS10の確認選択画面601の表示によりユーザーからの変換指示を受け付ける処理を行うことなく、画像データを出力するものである。
【0149】
このように設定項目(出力色)に設定変更を行わない条件(禁止)を付けておけば、一般ユーザーからカラーへの変換を受け付けることがなくなり、カラープリントを原則禁止する管理者の指示の通りの管理が可能になる。
【0150】
上記では、コスト面からカラーコピーを禁止する意味で、各設定項目のうち出力色(カラー/モノクロ)が禁止対象になったが、これに限られず、他の設定項目が禁止対象になっても良い。
【0151】
(4)上記実施の形態では、本発明に係る画像読取装置を原稿の両面読取かつカラー読取が可能なスキャナーに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。原稿の片面のみの画像を読み取り可能な構成やモノクロのみで読み取り可能な構成にも適用できる。
【0152】
また、画像読取部2とプリント部3を備えるMFP1の構成例を説明したが、画像読取部2のみの構成にも適用できる。画像読取部2のみの場合、いわゆるスキャナー単体ということになり、読取ジョブで得られた画像データを自己の記憶部に出力して記憶させたりネットワークを介して他の端末装置に出力して記憶させたりすることができる。
【0153】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容を可能な限り組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、原稿画像を読み取るスキャナーなどの画像読取装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0155】
1 MFP
2 画像読取部
3 プリント部
21 スキャナー本体
21s CCDセンサー
22 ADF
22s 密着イメージセンサー
23 操作パネル
31 タッチパネル
33 マイク
51 音声データ入力部
52 音声指示認識部
53 ジョブ判断部
54 必要設定項目判断部
55 設定部
56 データ変換可否判断部
57 設定項目補足部(補足手段)
58 読取実行部
59 画像メモリ
60 設定項目確認要求部
61 画像データ変換部
91 スイッチ部
92 変換処理部
93 出力部
242 第2制御部
311 液晶ディスプレイ
312 タッチパッド
541 判断テーブル
542 ジョブ管理テーブル
552 デフォルト値設定部
601、602 確認選択画面