(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
B60L 53/68 20190101AFI20221004BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221004BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20221004BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20221004BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20221004BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20221004BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20221004BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20221004BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20221004BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B60L53/68
H02J7/00 P
H02J13/00 301A
G07B15/00 L
E04H6/00 A
B60L53/67
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
E04H6/42 Z
(21)【出願番号】P 2021112447
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2021-07-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521297093
【氏名又は名称】株式会社マイプランニング
(74)【代理人】
【識別番号】100136928
【氏名又は名称】高宮 章
(72)【発明者】
【氏名】雪見 美智男
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-103721(JP,A)
【文献】特開2013-081271(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093118(WO,A1)
【文献】特開2013-161107(JP,A)
【文献】特開2005-316771(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106627233(CN,A)
【文献】特開2013-122676(JP,A)
【文献】特開2020-170307(JP,A)
【文献】特開2014-082842(JP,A)
【文献】特開2001-312772(JP,A)
【文献】特開2011-043041(JP,A)
【文献】特開2015-042056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/00 - 53/80
E04H 6/42
H02J 7/00
H02J 13/00
G07B 15/00
E04H 6/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が駐車される駐車スペースと、
該駐車スペースに車両が駐車しているか否かを検知する車両センサと、
該駐車スペースに対応して設置され外部電源から電力供給を受けて該駐車スペースに駐車した電気自動車を充電しうる充電装置と、
該車両センサに接続される料金精算装置と、
該車両センサと該充電装置と該外部電源とのそれぞれに接続され該車両センサが車両を検知した状態で該外部電源から該充電装置に電力を供給し、かつ該車両センサが車両を検知していない状態では該外部電源から該充電装置への電力の供給を停止する電力供給制御装置と、
該充電装置、該料金精算装置、該電力供給制御装置の少なくともいずれか一つ及び駐車場の利用者の携帯端末機器と通信回線を介して通信可能な管理サーバと、を備え、
所定条件で該充電装置による電気自動車への充電を停止する充電管理部を有しており、
該管理サーバは、
利用者の携帯端末機器の識別子が入力される入力部と、
該入力部で入力された携帯端末機器の識別子を記憶する記憶部と、
該充電管理部が電気自動車への充電を停止する前記所定条件に対応して、該記憶部に記憶された識別子の携帯端末機器へ充電停止情報を通知する通知部と、を有し、
該駐車スペース又は該駐車スペースに隣接した位置に
該充電装置とは別構成で設置される警告ランプであり、該通知部が該携帯端末機器へ充電停止情報を通知した後で該車両センサが車両を検知している状態で警告表示する警告ランプをさらに備えたことを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
車両が駐車される駐車スペースと、
該駐車スペースに車両が駐車しているか否かを検知する車両センサと、
該駐車スペースに対応して設置され外部電源から電力供給を受けて該駐車スペースに駐車した電気自動車を充電しうる充電装置と、
該車両センサに接続される料金精算装置と、
該車両センサと該充電装置と該外部電源とのそれぞれに接続され該車両センサが車両を検知した状態で該外部電源から該充電装置に電力を供給し、かつ該車両センサが車両を検知していない状態では該外部電源から該充電装置への電力の供給を停止する電力供給制御装置と、
該充電装置、該料金精算装置、該電力供給制御装置の少なくともいずれか一つ及び駐車場の利用者の携帯端末機器と通信回線を介して通信可能な管理サーバと、を備え、
所定条件で該充電装置による電気自動車への充電を停止する充電管理部を有しており、
該管理サーバは、
利用者の携帯端末機器の識別子が入力される入力部と、
該入力部で入力された携帯端末機器の識別子を記憶する記憶部と、
該充電管理部が電気自動車への充電を停止する前記所定条件に対応して、該記憶部に記憶された識別子の携帯端末機器へ充電停止情報を通知する通知部と、を有し、
該通知部が該携帯端末機器への充電停止情報の通知を完了した際と、該通知部が該携帯端末機器へ充電停止情報を通知する前に該料金精算装置で精算処理が行われて料金精算が完了した際に、記憶部に記憶された該携帯端末機器の識別子及び該識別子に関連付けして登録されている情報を消去する消去処理部を有することを特徴とする駐車場システム。
【請求項3】
該料金精算装置は、該コード収納状態検知手段と接続されるとともに、該コード収納状態検知手段からの検知信号に基づいて前記所定のコード収納位置に該充電コードがないと判断した場合には料金精算処理を不可とすることを特徴とする
請求項1又は2記載の駐車場システム。
【請求項4】
看板又は該充電装置等に表示されて該管理サーバにアクセスするための二次元コードを有しており、
該携帯端末機器は、該二次元コードを読み取るカメラを備え、該二次元コードをカメラで読み取ることで、管理サーバにアクセスして所定の情報を入力、記憶させうることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項5】
該充電管理部は、前記所定条件として予め設定された初期設定時間を経過した後に充電を停止するように設定され、
該通知部は、該初期設定時間に基づいて該携帯端末機器に充電停止情報を通知することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項6】
該入力部は、該携帯端末機器から利用者が決定した利用者設定時間を入力可能であり、
該記憶部には、該携帯端末機器の識別子と関連付けして該利用者設定時間が記憶され、
該通知部は、該利用者設定時間に基づいて該携帯端末機器に充電停止情報を通知し、
さらに、該充電管理部は、該記憶部の利用者設定時間を経過した後に充電を停止することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項7】
該充電装置による電気自動車の充電量を検知する充電量検知部を有し、
該充電管理部の前記所定条件として所定の充電量が設定され、該充電量検知部からの充電量が所定の充電量となった際に充電を停止するとともに充電停止信号を管理サーバへ送信し、
該通知部は、該充電管理部からの充電停止信号に基づいて該携帯端末機器へ充電停止情報を通知することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項8】
該駐車スペースが複数設置されるとともに、
それらの複数の駐車スペースのうち一部の駐車スペースにのみ充電装置が対応して設置され、
該料金精算装置は、該充電装置に対応した駐車スペースへの駐車料金が、該充電装置とは対応していない駐車スペースへの駐車料金に比較して高い料金で設定されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の駐車場システム。
【請求項9】
該駐車スペースの車両を監視する監視カメラをさらに備え、
該記憶部は、該監視カメラで監視している車両の情報を記憶するとともに、
該管理サーバは、該料金精算装置で精算処理する前に該駐車スペースから車両が不正に退去した際には、該記憶部の車両の情報を外部へ報知する不正車両報知部をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車を駐車して充電できる充電装置を備えた駐車場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの自動車とは異なり、走行時に二酸化炭素や窒素酸化物といった環境汚染物質の排出がなく環境にやさしいことから、社会的にも注目されている。電気自動車を利用するためには、電気自動車を充電するための所定の充電規格の充電装置が必須である。電気自動車の利用者自身の各一般家庭や会社等に充電スタンドが設置される一方で、近時では電気自動車の普及拡大に向けて、外出の際に誰でも電気自動車を充電できるような充電装置が設置されるケースも増えてきている。電気自動車の充電装置等を備えた時間貸し駐車場に関する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、電気自動車の充電電圧を自動的に100Vと200Vに切り替え可能とした駐車場の充電装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電気自動車の充電装置を備えた時間貸し駐車場では、充電装置による充電料金と駐車料金が別々のシステムで設定や精算管理されたものが多く、充電装置専用のカードや、事前の登録や事前予約等が必要であったりして煩雑なものであり、利用者は使い勝手が悪いものであった。また、充電料金と駐車料金を一つの料金精算機で精算できる駐車場も一部に提供されているが、200Vや400V等の高い電圧の規格の充電装置と100V電圧で稼働する料金精算機とを連携させるために各メーカ独自の煩雑な技術が利用され同一メーカの充電装置と料金精算機の組み合わせでしか利用できず、導入コストも高くなる問題があった。
【0005】
また、未だ充電装置を備えた駐車場の数も少ないこともあいまって、充電可能な駐車スペースに駐車している車両が充電を完了しても長時間占有している場合には、他の利用者が電気自動車を充電できないといった問題も生じている。また、電気自動車を充電した利用した利用者が充電後に充電コードを元に戻さないといった問題も生じている。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、充電可能な駐車スペースについて一部の利用者による長時間の駐車を防止し、当該充電可能な駐車スペースを多くの利用者が効率良く有効に利用することが可能な駐車場システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、車両が駐車される駐車スペース2(25)と、該駐車スペース2(25)に車両が駐車しているか否かを検知する車両センサ3と、該駐車スペース2(25)に対応して設置され外部電源から電力供給を受けて該駐車スペース2(25)に駐車した電気自動車を充電しうる充電装置4と、該車両センサ3に接続される料金精算装置5と、該車両センサ3と該充電装置4と該外部電源とのそれぞれに接続され該車両センサ3が車両を検知した状態で該外部電源から該充電装置4に電力を供給し、かつ該車両センサ3が車両を検知していない状態では該外部電源から該充電装置4への電力の供給を停止する電力供給制御装置6と、該充電装置4、該料金精算装置5、該電力供給制御装置6の少なくともいずれか一つ及び駐車場の利用者の携帯端末機器9と通信回線8を介して通信可能な管理サーバ7と、を備え、所定条件で該充電装置4による電気自動車への充電を停止する充電管理部42を有しており、該管理サーバ7は、利用者の携帯端末機器9の識別子が入力される入力部と、該入力部で入力された携帯端末機器9の識別子を記憶する記憶部73と、該充電管理部42が電気自動車への充電を停止する前記所定条件に対応して、該記憶部73に記憶された識別子の携帯端末機器9へ充電停止情報を通知する通知部74と、を有し、該駐車スペース2(25)又は該駐車スペース2(25)に隣接した位置に該充電装置4とは別構成で設置される警告ランプ12であり、該通知部74が該携帯端末機器9へ充電停止情報を通知した後で該車両センサ3が車両を検知している状態で警告表示する警告ランプ12をさらに備えた駐車場システム1から構成される。
【0008】
また、本発明は、車両が駐車される駐車スペース2(25)と、該駐車スペース2(25)に車両が駐車しているか否かを検知する車両センサ3と、該駐車スペース2(25)に対応して設置され外部電源から電力供給を受けて該駐車スペース2(25)に駐車した電気自動車を充電しうる充電装置4と、該車両センサ3に接続される料金精算装置5と、該車両センサ3と該充電装置4と該外部電源とのそれぞれに接続され該車両センサ3が車両を検知した状態で該外部電源から該充電装置4に電力を供給し、かつ該車両センサ3が車両を検知していない状態では該外部電源から該充電装置4への電力の供給を停止する電力供給制御装置6と、該充電装置4、該料金精算装置5、該電力供給制御装置6の少なくともいずれか一つ及び駐車場の利用者の携帯端末機器9と通信回線8を介して通信可能な管理サーバ7と、を備え、所定条件で該充電装置4による電気自動車への充電を停止する充電管理部42を有しており、該管理サーバ7は、利用者の携帯端末機器9の識別子が入力される入力部と、該入力部で入力された携帯端末機器9の識別子を記憶する記憶部73と、該充電管理部42が電気自動車への充電を停止する前記所定条件に対応して、該記憶部73に記憶された識別子の携帯端末機器9へ充電停止情報を通知する通知部74と、を有し、該通知部74が該携帯端末機器9への充電停止情報の通知を完了した際と、該通知部74が該携帯端末機器9へ充電停止情報を通知する前に該料金精算装置5で精算処理が行われて料金精算が完了した際に、記憶部73に記憶された該携帯端末機器9の識別子及び該識別子に関連付けして登録されている情報を消去する消去処理部75を有する駐車場システム1から構成される。
【0009】
また、該料金精算装置5は、該コード収納状態検知手段11と接続されるとともに、該コード収納状態検知手段11からの検知信号に基づいて前記所定のコード収納位置に該充電コード41がないと判断した場合には料金精算処理を不可とすることとしてもよい。
【0010】
また、該管理サーバ7にアクセスするために表示される二次元コードを有しており、該携帯端末機器9は、該二次元コードを読み取るカメラを備え、該二次元コードをカメラで読み取ることで、管理サーバ7にアクセスして所定の情報を入力、記憶させうることとしてもよい。
【0011】
また、該充電管理部42は、前記所定条件として予め設定された初期設定時間を経過した後に充電を停止するように設定され、該通知部74は、該初期設定時間に基づいて該携帯端末機器に充電停止情報を通知することとしてもよい。
【0012】
また、該入力部72は、該携帯端末機器9から利用者が決定した利用者設定時間を入力可能であり、該記憶部73には、該携帯端末機器9の識別子と関連付けして該利用者設定時間が記憶され、該通知部74は、該利用者設定時間に基づいて該携帯端末機器9に充電停止情報を通知し、さらに、該充電管理部42は、該記憶部73の利用者設定時間を経過した後に充電を停止することとしてもよい。
【0013】
また、該充電装置4による電気自動車の充電量を検知する充電量検知部43を有し、該充電管理部42の前記所定条件として所定の充電量が設定され、該充電量検知部43からの充電量が所定の充電量となった際に充電を停止するとともに充電停止信号を管理サーバへ送信し、該通知部74は、該充電管理部42からの充電停止信号に基づいて該携帯端末機器9へ充電停止情報を通知することとしてもよい。
【0014】
また、該駐車スペース2が複数設置されるとともに、それらの複数の駐車スペースのうち一部の駐車スペース2(25)にのみ充電装置4が対応して設置され、該料金精算装置5は、該充電装置4に対応した駐車スペース2への駐車料金が、該充電装置とは対応していない駐車スペースへの駐車料金に比較して高い料金で設定されることとしてもよい。
【0015】
また、該駐車スペース2の車両を監視する監視カメラ10をさらに備え、該記憶部73は、該監視カメラ10で監視している車両の情報を記憶するとともに、該管理サーバ7は、該料金精算装置5で精算処理する前に該駐車スペース2から車両が不正に退去した際には、該記憶部73の車両の情報を外部へ報知する不正車両報知部76をさらに備えたこととしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
駐車場の電力供給制御装置によれば、電気自動車用充電装置を有する駐車場用の電力供給制御装置であり、駐車場に設置された駐車スペースに車両が駐車されているか否かを検知しかつ料金精算装置に接続された車両センサと、電気自動車の充電装置と、外部電源と、にそれぞれに接続され、該車両センサが車両を検知している状態では、該外部電源から該充電装置へ電力を供給し該充電装置が電気自動車を充電可能とさせるとともに、該車両センサが車両を検知していない状態では、該外部電源から該充電装置への電力の供給を停止するように制御する構成であるから、例えば、車両センサ、料金精算装置、充電装置のメーカを問わず連携して、現金等で充電料金及び駐車料金を同一の料金精算機で精算処理可能とした充電装置を備えた駐車場サービスを比較的低コストで実現することができる。
【0017】
さらに、本発明の駐車場システムによれば、車両が駐車される駐車スペースと、該駐車スペースに車両が駐車しているか否かを検知する車両センサと、該駐車スペースに対応して設置され外部電源から電力供給を受けて該駐車スペースに駐車した電気自動車を充電しうる充電装置と、該車両センサに接続される料金精算装置と、該車両センサと該充電装置と該外部電源とのそれぞれに接続され該車両センサが車両を検知した状態で該外部電源から該充電装置に電力を供給し、かつ該車両センサが車両を検知していない状態では該外部電源から該充電装置への電力の供給を停止する電力供給制御装置と、該充電装置、該料金精算装置、該電力供給制御装置の少なくともいずれか一つ及び駐車場の利用者の携帯端末機器と通信回線を介して通信可能な管理サーバと、を備え、所定条件で該充電装置による電気自動車への充電を停止する充電管理部を有しており、該管理サーバは、利用者の携帯端末機器の識別子が入力される入力部と、該入力部で入力された携帯端末機器の識別子を記憶する記憶部と、該充電管理部が電気自動車への充電を停止する前記所定条件に対応して、該記憶部に記憶された識別子の携帯端末機器へ充電停止情報を通知する通知部と、を有する構成であるから、充電可能な駐車スペースについて一部の利用者による長時間の駐車を防止することができる。同時に利用者も充電が停止される時間を容易に把握で、充電が停止された後でも充電料金が加算された高い駐車料金が加算され続ける状態での駐車を抑えながら駐車場を利用することができる。その結果、充電可能な駐車スペースを多くの利用者が効率良く有効に利用することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車場システムの概略図である。
【
図2】
図1の駐車場システムの電力供給装置の概略ブロック図である。
【
図3】
図1の駐車場システムの管理サーバの概略ブロック図である。
【
図4】
図1の駐車場システムの動作の概略を説明するフローチャートである。
【
図5】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである。
【
図6】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである
【
図7】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである。
【
図8】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである
【
図9】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである。
【
図10】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである
【
図11】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである。
【
図12】
図1の駐車場システムの動作を説明するフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面を参照しつつ本発明の駐車場システムの実施形態について説明する。本発明に係る駐車場システムは、例えば、電気自動車の充電装置を備えた時間貸し駐車場である。
図1ないし
図12は、本発明の駐車場システムの一実施形態を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る駐車場システム1は、駐車スペース2と、車両センサ3と、電気自動車の充電装置4と、料金精算装置5と、電力供給制御装置6と、管理サーバ7と、を備えている。管理サーバ7は、通信回線8を介して駐車場システム1の利用者の携帯端末機器9と通信可能となっている。
【0020】
駐車スペース2は、車両を一台ずつ駐車できるように枠線で区画された駐車室(車室)である。
図1に示すように、本実施形態では、駐車スペース2は、例えば、複数(
図1上では、5つ)のスペース21~25が並んで設けられている。駐車スペース2に隣接して通路2aが設けられている。駐車スペース2の枠内には、車止め2bが固設されている。例えば、5つの駐車スペースのうち1つの駐車スペース2(25)のみが充電可能な駐車スペースとしている。なお、駐車場システム1の駐車スペース2は1つ又は任意の複数個設置することとしてもよい。また、充電可能な駐車スペースも複数設定することとしてもよい。
【0021】
車両センサ3は、駐車スペース2に車両が駐車しているか否かを検知する車両検知手段である。本実施形態では、車両センサ3は、例えば、コイルをループ状に巻いて形成されたループコイルセンサからなり、駐車スペース2の枠内に埋設されている。車両センサ2は、駐車スペース2内に車両が入庫して駐車された際に、検知信号を送る。車両センサ2は、駐車スペース2から車両が出庫した際には、検知信号を停止する。なお、車両センサ2は、例えば、電波や光、カメラ等で車両を検知するタイプや等、その他任意のセンサでもよい。
【0022】
なお、本実施形態では、駐車スペース2には、車両のロック装置等は設けられていないが、ロック装置を設けることとしてもよい。
【0023】
充電装置4は、1つの駐車スペース2に対応して1つ設置され、図示しない外部電源から電力供給を受けて駐車スペース2に駐車した電気自動車を充電しうる充電手段である。充電装置4は、駐車スペース2(25)と1対1に対応して設置され、本実施形態では、5つの駐車スペース2のうち1つの駐車スペース25のみに対応して1台設置されている。充電装置4は、例えば、従来周知の充電装置が利用され、外部電源から電力供給を受けて、充電コード41を介して電気自動車に接続されて電気自動車を充電する。さらに、充電装置4は、電力供給制御装置6によって後述のように電力供給制御が行われる。なお、充電コード41は、予め充電装置4に接続されていてもよいし、利用者が所持したものを使用することとしてもよい
【0024】
充電装置4は、所定条件で電気自動車への充電を停止する充電管理部42を有する。本実施形態では、充電管理部42は、充電を停止する所定条件が後述のように設定された時間と電気自動車の充電量を元に設定されている。例えば、充電管理部42は、予め設定された時間(初期設定時間或いは利用者設定時間)を経過した後に充電を停止する。さらに、充電管理部42は、別の条件として、電気自動車が所定の充電量(例えば100%充電)に充電された際に充電を停止する。すなわち、駐車場システム1は、充電装置4による電気自動車の充電量を検知する充電量検知部43を有している。充電量検知部43は、例えば、充電装置4の出力側の電流を検知して充電量を検知する。充電量検知部43は、例えば、電力供給制御装置6に設けられているが、充電装置4に設置することとしてもよい。
【0025】
充電コード41は充電しない状態では所定のコード収納位置に収納される。充電装置4には、充電コード41が所定のコード収納位置にあるかどうかを検知するコード収納状態検知手段11が並設されている。コード収納状態検知手段11は、例えば、コードの重量を検知するものや、マグネットスイッチ、その他任意のセンサやスイッチ等でもよい。また、コード収納状態検知手段11は、コードを収納する開閉扉付きの収納ボックスにマイクロスイッチ等を備えた構成で実現してもよい。コード収納状態検知手段11は、充電コード41がコード収納位置に戻されていない状態で信号をオン(又はオフ)し、充電コード41がコード収納位置に戻されている状態で信号をオフ(又はオン)するようになっている。なお、充電装置4自身にコード収納状態検知手段11を設けることとしてもよい。
【0026】
料金精算装置5は、車両センサ3に有線(又は無線)で接続されており、車両センサ3により車両を検知している時間を計るとともに、該車両を検知している時間(駐車時間)に対応した料金を計算し、硬貨や紙幣等の現金による料金精算処理を行う料金精算手段である。料金精算装置5は、従来周知の料金精算機を利用したものが利用でき、例えば、内部プログラムに従って駐車スペースごとの料金精算処理を制御処理する制御手段を備えたコンピュータを有する。料金精算装置5は、内部プログラムの設定により、時間単位の料金設定や駐車位置による料金設定の変更等を行えるようになっている。本実施形態では、料金精算装置5は、駐車スペースに車両が駐車された際に車両センサが検知することで、その駐車スペースの番号に対応して、時間の計測および時間に応じた料金を課金していく。料金精算装置5は、例えば、押しボタンやタッチパネル等の操作により、駐車した駐車スペースを選択することで、課金を停止し、料金を算出する。料金精算装置5は、算出した料金の支払いが完了したら、当該駐車スペースにおける料金精算処理を終了する。
【0027】
本実施形態では、料金精算装置5は、駐車スペース2に応じて異なる料金設定となっている。例えば、料金精算装置5は、充電装置4に対応していない通常の駐車スペース21~24の駐車料金を通常料金とし、充電装置4と対応している充電可能な駐車スペース25の駐車料金を充電兼駐車料金とすると、該通常料金より充電兼駐車料金が高い料金として設定されている。これらの通常料金、充電兼駐車料金は、駐車場施設内に設置した看板等に明確に表示しておくとよい。すなわち、充電可能な駐車スペース25は、充電装置による充電利用とは無関係に駐車時間によって充電兼駐車料金がかかるように設定されている。これにより、1つの料金精算装置5で、充電料金と駐車料金を同時に精算できるようになっている。
【0028】
さらに、料金精算装置5は、利用者による料金精算が正常に行われる前に駐車スペースの車両センサ3が出庫を検知した場合には、不正に出庫されたとしてその不正検知信号を管理サーバ7に送信する。
【0029】
さらに、料金精算装置5は、コード収納検知手段11と接続されている。料金精算装置5は、内部プログラム等の設定により、コード収納検知手段11により充電コードがコード収納位置に戻されていないという信号を受けている状態では料金精算ができないように設定されている。例えば、料金精算装置5は、充電コードが収納位置に戻されていない場合には、プログラム等により料金表示に「コード」等の表示をして利用者に充電コードを収納位置に戻すように促すようにしてもよい。
【0030】
電力供給制御装置6は、料金精算装置5と接続されている車両センサ3と、電気自動車の充電装置4と、該充電装置4に電力供給する外部電源と、のそれぞれに接続されており、車両センサ3の車両検知状態に対応して充電装置4の電力供給状態を制御する充電装置の制御手段である。電力供給制御装置6は、車両センサ3が駐車スペースに車両を検知した状態で外部電源から充電装置4に電力を供給し該充電装置4を充電可能状態とする。さらに電力供給制御装置6は、車両センサ3が駐車スペースに車両を検知していない状態では外部電源から充電装置4への電力の供給を停止する。この電力供給制御装置6により、簡単に駐車料金と充電料金を一つの料金精算装置5で精算可能としている。
【0031】
具体的には、
図2に示すように、電力供給制御装置6は、例えば、基板上に、車両センサ3と電気的に接続されるリレー61と、商用交流電源等の外部電源から電源供給を受けて必要な出力電力に変換するパワーサプライ等の電力変換回路62と、充電装置4に接続される電磁開閉器63と、漏電ブレーカ64と、を備えボックス等に収納されている。電源供給制御装置6は、車両センサ3が車両を検知するとリレー61により、電磁開閉器63を閉回路して、電力変換回路62からの電力を充電装置4に出力する。
【0032】
電気供給制御装置6の電力変換回路62からの電力供給を受けて駆動する通信部65を有している。通信部65は、充電管理部42に接続されており、充電を停止した際や所定の充電量を検知した場合等に通信回線8を介して管理サーバ7へ情報を送信する。さらに通信部65は、料金精算装置5からの所定の情報を管理サーバ7に送信する。
【0033】
電源供給制御装置6の通信部65には、駐車スペース2(21~25)の車両を監視する監視カメラ10が接続されている。監視カメラ10の映像信号は、通信部65を介して管理サーバ7に送信される。なお、管理サーバと通信可能とするための通信部は、充電装置4、料金精算装置5に設けられていてもよい。
【0034】
管理サーバ7は、所定の設定条件で充電停止したことを利用者の携帯端末機器9に通知するように管理する手段である。
図3に示すように、管理サーバ7は、例えば、CPU、メモリやハードディスク等の記憶装置、通信回線8に接続されてデータを送受信させる送受信装置等を備えたコンピュータからなり、予め所定のアルゴリズムを実行するように設定されたプログラムをコンピュータ上で実行することにより、各機能を実現させている。なお、管理サーバ7は、一台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数のコンピュータを組み合わせて構成されていてもよいし、コンピュータと電子回路の組み合わせで構成されていてもよい。管理サーバ7は、電力供給制御装置6の通信部65と通信回線8を介して通信可能となっている。
【0035】
本実施形態では、管理サーバ7は、制御部71と、入力部72と、記憶部73と、通知部74と、消去処理部75と、不正車両報知部76と、を有する。制御部71は、所定のプログラムによる制御によって通信制御、時間の計測をそれぞれ実行するとともに、入力部72、記憶部73、通知部74等の制御及びその他の制御を行う制御手段である。
【0036】
入力部72は、利用者の携帯端末機器9からの入力を受け付ける入力手段である。入力部72を介して、携帯端末機器9からその携帯端末機器9の電話番号等の識別子を自動的又は手動で入力できる。また入力部72を介して携帯端末機器9から、利用者が任意に充電を停止するまでの時間すなわち通知部74により通知される設定時間を入力することができる。さらに、入力部72は、監視カメラ10からの映像信号の入力を受け付ける。
【0037】
記憶部73は、入力部72を介して入力された携帯端末機器9の電話番号を識別子として記憶する記憶手段である。記憶部73には、運営業者が予め設定した初期設定時間が記録されている。さらに、記憶部73には、入力部72を介して入力された利用者設定時間が携帯端末機器9の識別子と関連付けして記憶される。また、記憶部73には、監視カメラ10からの監視映像が記憶される。記憶部73には、監視カメラ10からの監視映像を携帯端末機器9の識別子と関連付けして記憶することとしてもよい。
【0038】
通知部74は、充電装置の充電管理部が電気自動車への充電を停止する前記所定条件に対応して、記憶部73に記憶された識別子の携帯端末機器へ充電停止情報を通知する通知手段である。充電停止情報は、例えば、文字(文章)データや音声データ、画像データ等の任意のデータからなり、ショートメッセージサービスやマルチメディアメッセージングサービス等のサービスを利用して送信される。本実施形態は、通知部74は、3つの設定条件を元に利用者の携帯端末機器9に充電が停止される(停止された)旨の充電停止情報を通知するように設定されている。第1の設定では、通知部74は、初期設定時間を経過した際に、携帯端末機器9に充電停止情報を通知するように設定される。第2の設定では、通知部74は、利用者が任意に設定した利用者設定時間を経過した際に携帯端末機器9に充電停止情報を通知するように設定される。第3の設定では、通知部74は、充電装置4による電気自動車の充電量が所定の値、例えば、100%(満充電)に達した際に、該携帯端末機器へ充電停止情報を通知するように設定される。充電量の所定の値は、例えば、80%、90%等の任意の値でもよい。第1~第3の設定は、いずれか一つの設定で通知することとしてもよいし、それらの2つ又は3つ全てを組み合わせた設定で通知することとしてもよい。
【0039】
消去処理部75は、通知部74が携帯端末機器9へ充電停止情報の通知を完了した際に、記憶部73に記憶されている携帯端末機器9の電話番号等の識別子や、識別子に関連付けして登録されている利用者設定時間や車両情報等の情報を消去する。これにより、利用者の携帯端末機器9等の個人情報を確実に保護できる。消去処理部75は、例えば、通知部74により通知がなされた後すぐに情報を消去するように設定されている。なお、消去処理部75は、通知部74により携帯端末機器9に充電停止情報を通知する前に料金精算装置5で料金精算処理が行われた場合には、料金精算が完了した際に上記識別子等の情報を消去する。
【0040】
不正車両報知部76は、料金精算装置5からの情報を元に、料金を精算処理する前に駐車スペースから車両が不正に出庫した場合に、その車両情報を、例えば、管理者(運営者)等がいる管理センター又は管理者等の携帯端末機器等に不正出庫が行われたこと及び、その車両の情報を通知する通知手段である。これにより、不正に出庫した車両情報を警察に届けたり、携帯端末機器に通知したりして、不正を防止できる。
【0041】
図1に示すように、通信回線8は、例えば、インターネット回線等の公衆通信回線網からなる。携帯端末機器9は、例えば、携帯電話、スマートフォン等からなり、ショートメッセージサービス等により文字情報を受信可能なものが利用される。さらに携帯端末機器9は、カメラを有しており、所定のアプリケーションソフトウェアをダウンロードして起動できるものが利用される。例えば、駐車場の看板や充電装置等に表示されたQRコード(登録商標)等の二次元コードをカメラで読み取ることで、管理サーバ7に簡単にアクセスして、所定の情報を入力、登録することができる。
【0042】
図1に示すように、駐車スペース2(25)に隣接した位置には、警告表示器12が設置されている。警告表示器12は、電力供給制御装置6の通信部65に接続され、管理サーバ7と通信可能となっている。警告表示器12は、管理サーバ7の通知部74が該携帯端末機器9へ充電停止情報を通知した後で、かつ車両センサ3が車両を検知している状態で、充電が停止されている状態での駐車であること又は駐車時間が長時間であること等を警告するために表示する表示手段である。警告表示器12は、例えば、光を点灯するランプ装置等からなり、ランプを点灯又は点滅させて警告表示を行い、駐車場利用者へ注意喚起し出庫を促せるようになっている。なお、警告表示器12は、光を点灯させる態様に限らず、文字表示や色表示で警告表示するものとしてもよい。また、警告表示器12は、駐車スペース2内や充電装置4の近傍に設置してもよい。
【0043】
次に
図4ないし
図12を参照しつつ本実施形態の駐車場システム1の運用の一例について説明する。駐車場システム1を利用する前に利用者の携帯端末装置9に所定のアプリケーションソフトウェアをダウンロードして導入しておいてもよい。
図4は、駐車場システムの概略のフローチャートである。
図4に示すように、まずステップS10で電気自動車を充電しようとして充電可能な駐車スペース2(25)に車両を駐車する際に、車両センサ等により駐車スペースへの車両の入庫処理が行われる。充電可能な駐車スペースに駐車した電気自動車は、充電装置4により充電コードを介して接続されて充電される。次に、ステップS20では、駐車スペース及び充電装置の利用料として駐車料金と充電料金を併せて設定された充電兼駐車料金にて時間課金処理が行われる。また、ステップS20と平行して、ステップS30では、所定条件に応じて充電装置による充電が停止した旨の充電停止情報を利用者の携帯端末機器に通知する通知処理が行われる。ステップS30で携帯端末機器に通知した後も駐車スペースに車両が駐車を続ける場合にはステップS31で警告表示器12により警告表示が行われる。必要に応じて、ステップS40では、充電装置の充電コードが所定の収納位置に戻されているかどうかをコード収納位置検知手段で検知して管理する。ステップS50では、ステップS20での料金精算処理が終了した後に、電気自動車が車庫から退出するに伴って車両センサ3による検知が終了することにより該車両の出庫処理が行われる。また、ステップS60では、ステップS20での料金精算処理で、時間課金の途中で精算せずに駐車スペースから車両が退出した場合には、不正な行為が行われたことを管理者等に報知する不正車両報知処理が行われる。これらのステップS10~S60を繰り返しながら駐車場システム1が利用される。
【0044】
次に、各ステップS10~S60の詳細について説明する。
図5は、車両が駐車スペースに入庫する際の入庫処理を概略説明したフローチャートである。ステップS101では、駐車スペース2(25)に車両が入庫した際に車両センサ3が検知して検知信号を電力供給制御装置に送る。ステップS102では、車両センサ3からの検知信号に基づいてリレーが作動される。次にステップS103では、リレーの作動に応じて電磁開閉器がオンとなる。これによりステップS104では、充電装置に電力供給制御装置を介して外部電源から電力が供給され、電気自動車を充電できる状態となる。なお、ステップS101で車両センサが車両を検知した信号は、
図6に示すように料金精算装置に渡され、時間経過によって加算される料金精算処理が行われる。
【0045】
図6は、料金精算処理を概略説明したフローチャートである。車両センサが車両を検知することで(ステップS101)、ステップS201で時間の計測を開始する。さらにステップS202で監視カメラ10を起動して駐車スペースの車両を監視し、その映像信号を通信部を介して管理サーバ7へ所定時間間隔で送信する。ステップS203では、充電料金と駐車料金とを合わせた充電兼駐車料金で時間経過に応じて課金していく。なお、充電可能でない通常の駐車スペース(21~24)においては、駐車料金のみが時間経過に応じて課金される。ステップS204でも示すように、常に車両センサは駐車スペースに車両が駐車してあるかどうかを検知する。もし精算処理が完了する前に車両が駐車スペースから退出し車両センサの検知がオフとなる場合(No)には、ステップS60の不正車両報知処理へ進む。車両センサで車両の駐車状態を検知している場合(Yes)、利用者が出庫する際にはステップS205に進み、例えば、料金精算装置のボタン操作やタッチパネル操作により駐車スペースを選択して料金精算処理を開始する。この際、後述のステップS40での処理により得られる結果に基づいてステップS206で、充電コードが所定の収納位置に戻された否かを判定する。充電コードが所定の収納位置に戻されていないと判定した場合(No)には、ステップS207に進み、その信号を料金精算装置に送信されることで該料金精算装置は、コード収納が必要である旨の表示(例えば、「コード」等の表示)を行いまだ精算処理をできないようにして、コード収納を促すようになっている。一方、ステップS206で、充電コードが所定の収納位置に戻されていると判定した場合(Yes)には、ステップS208に進み、時間に応じた充電兼駐車料金の計算を行う。そしてステップS209で充電兼駐車料金の課金を停止し、ステップS210では、前記算出した料金の支払いが行われると精算処理が完了される。料金精算処理が終了すると、車両が出庫する際の処理(ステップS50)が行われる。
【0046】
図7、
図8、
図9は、所定条件に応じて充電装置による充電が停止した旨の充電停止情報を利用者の携帯端末機器に通知する通知処理を概略説明したフローチャートである。
図7、
図8,
図9はそれぞれ異なる所定条件で通知されるように設定されており、それぞれの例について説明する。本実施形態では、それぞれ異なる二次元コードに対応して、各条件内容で管理サーバにアクセスされるようになっている。よって、通知処理の所定条件を選択する場合には、利用者が各所定条件に対応して二次元コードを選択して携帯端末機器のカメラで読み取って管理サーバにアクセスすることにより、該所定条件で通知処理を行えるようになっている。
【0047】
図7のフローチャートでは、通知するための所定条件が予め管理者によって設定された初期設定時間を元に設定される例を説明している。
図7では、ステップS10で車両センサに基づく入庫処理が行われた後、ステップS301では、管理サーバで時間が計測される。ステップS302で、利用者が二次元コードを携帯端末機器のカメラで読み取って管理サーバにアクセスし、該携帯端末機器の電話番号を識別子として、管理サーバの記憶部に記憶される。ステップS303では、充電コードを介して充電装置に車両を接続して充電する。ステップS304では、充電装置の充電量検知部により検知した電気自動車の充電量が所定の充電量(例えば、100%)に達したかどうか判定する。ステップS304で充電量が所定の充電量でない場合(No)には、ステップS305で計測時間が初期設定時間を経過しているかどうかを判定する。ステップS305で計測時間が初期設定時間を経過していない場合(No)には、ステップS304に戻る。一方、ステップS305で計測時間が初期設定時間を経過している場合(Yes)には、ステップS306に進み、通知部により利用者の携帯端末装置に充電が停止された(停止される)旨の充電停止情報を通知する。さらに、ステップS304で、充電量が所定の充電量に達した場合(Yes)には、充電装置は管理サーバへ充電停止した旨の信号を送信し、ステップS305を経ずにステップS306に進んで通知部により携帯端末機器へ充電停止情報を通知する。ステップS307では、充電装置による充電を停止する。なお、ステップS305、S306の順序は逆に行うこととしても、同時に行うこととしてもよい。ステップS307で充電が停止された後は、ステップS308で、管理サーバでは携帯端末機器の電話番号、監視カメラの映像信号等の記憶された登録情報を消去する。
【0048】
図8のフローチャートでは、通知するための所定条件が利用者が任意に設定した利用者設定時間を元に設定される例を説明している。
図8に示すように、ステップS10で車両センサに基づく入庫処理が行われた後、ステップS311では、管理サーバで時間が計測される。ステップS312で、利用者が二次元コードを携帯端末機器のカメラで読み取って管理サーバにアクセスし操作等を行うと、管理サーバの記憶部に該携帯端末機器の電話番号が識別子として記憶される。さらにステップ313では、同管理サーバにアクセスした状態で、携帯端末機器を操作して利用者が希望する通知までの時間を入力して該利用者設定時間を該識別子に関連付けさせて記憶部に記憶して登録する。ステップS314では、充電コードを介して充電装置に車両を接続して充電する。ステップS315では、充電装置の充電量検知部により検知した電気自動車の充電量が所定の充電量(例えば、100%)に達したかどうか判定する。ステップS315で充電量が所定の充電量でない場合(No)には、ステップS316で計測時間が利用者設定時間を経過しているかどうかを判定する。ステップS316で計測時間が利用者設定時間を経過していない場合(No)には、ステップS315に戻る。一方、ステップS316で計測時間が利用者設定時間を経過している場合(Yes)には、ステップS317に進み、通知部により利用者の携帯端末装置に充電が停止された(停止される)旨の充電停止情報を通知する。さらに、ステップS315で、充電量が所定の充電量に達した場合(Yes)には、充電装置は管理サーバへ充電停止した旨の信号を送信し、ステップS316を経ずにステップS317に進んで通知部により携帯端末機器へ充電停止情報を通知する。ステップS318では、充電装置による充電を停止する。なお、ステップS316、S317の順序は逆に行うこととしても、同時に行うこととしてもよい。ステップS318で充電が停止された後は、ステップS319で、管理サーバでは携帯端末機器の電話番号等の識別子、及び利用者設定時間、監視カメラの映像信号等の記憶された登録情報を消去する。
【0049】
図9のフローチャートでは、通知するための所定条件が電気自動車の充電量を元に設定される例を説明している。
図9に示すように、ステップS10で車両センサに基づく入庫処理が行われた後、ステップS321で、利用者が二次元コードを携帯端末機器のカメラで読み取って管理サーバにアクセスし、該携帯端末機器の電話番号を識別子として、管理サーバの記憶部に記憶される。ステップS322では、充電コードを介して充電装置に車両を接続して充電が開始される。ステップS323では、充電装置の充電量検知部により検知した電気自動車の充電量が所定の充電量(例えば、100%)に達したかどうか判定する。ステップS323で充電量が所定の充電量でない場合(No)には、ステップS323を繰り返す。さらに、ステップS323で、充電量が所定の充電量に達した場合(Yes)には、充電装置は管理サーバへ充電停止した旨の信号を送信し、S324に進んで管理サーバの通知部により携帯端末機器へ充電停止情報を通知する。ステップS325では、充電装置による充電を停止する。なお、ステップS324、S325の順序は逆に行うこととしても、同時に行うこととしてもよい。ステップS307で充電が停止された後は、ステップS326で、管理サーバでは携帯端末機器の電話番号や監視カメラの映像信号等の記憶された登録情報を消去する。
【0050】
次に
図10のフローチャートは、充電コードが所定の収納位置に戻されているかどうかを判定する概略の流れを説明している。ステップS401では、例えば、電気自動車に充電コードが接続されている場合には、該充電コードを電気自動車から外す。ステップS402では、利用者が充電コードを元に戻したかどうか、コード収納位置検知手段を介して判定が行われる。ステップS402で、例えば所定のセンサ等により構成されたコード収納位置手段が、充電コードが所定の収納位置に戻されていると判定した場合(Yes)には、ステップS403に進み、コードが収納位置に戻されているとしてオン信号を料金精算装置に送信する。一方、コード収納位置手段が、充電コードが所定の収納位置に戻されていないと判定した場合(No)には、ステップS403に進み、コードが収納位置に戻されていないとしてコード非所定信号としてオフ信号を料金精算装置に送信するか、もしくは信号無しとする。これらの充電コードの収納位置に基づくオン信号又はオフ信号を料金精算装置に送信し、前述のステップS206以降の処理が行われる。これにより、利用者が充電コードを収納しないことにより、邪魔になったり、汚損したりするのを良好に防止できる。
【0051】
図11は、車両が駐車スペースから出庫する際の出庫処理を概略説明したフローチャートである。ステップS20での料金精算処理の後に行われる出庫処理では、まずステップS501で、駐車スペース2(25)に車両が出庫することで車両センサ3が検知しなくなり、検知信号を停止する。ステップS502では、車両センサ3からの検知信号オフに伴ってリレーが切断される。次にステップS503では、リレーの切断に応じて電磁開閉器がオフとなる。これによりステップS504では、充電装置への外部電源から電力の供給が停止される。なお、車両が駐車スペースから出庫する場合には、通知部による充電停止情報が通知される前の段階となることもある。この場合、管理サーバに携帯端末機器の電話番号等の識別子等の情報が記憶されたままであるかどうかを判定し(ステップS505)、登録情報が記憶されている場合(Yes)には、ステップS506で消去処理される。ステップS506の後、又はステップS505で登録情報が記憶されていない場合(No)には、スタートに戻り、駐車スペースに再び電気自動車が入庫してきたらステップS10から同様の処理を行う。
【0052】
図12は、車両が駐車スペースから料金精算する前に不正に出庫した際に不正を報知する処理を概略説明したフローチャートである。
図12に示すように、前記したステップS204における料金精算装置での料金精算前に車両センサが車両を検知しなくなった際には、不正な出庫が行われたとして管理サーバは、管理人に不正が発生した旨を報知する(ステップS601)。このステップS601では、駐車スペースの車両を監視する監視カメラが撮影し記憶部に記憶された該カメラの映像信号をともに管理者へ送ることとしてもよい。また、管理サーバに携帯端末機器の電話番号等が記憶されていれば、一緒に管理者へ送信することとしてもよい。ステップS602では、管理サーバに登録されている情報を消去処理し、スタートに戻って、前記同様のステップS10からの処理を行う。
【0053】
以上説明した本発明の駐車場システムは、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の駐車場システムは、例えば、電気自動車の充電装置を備えた時間貸し駐車場の運用に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 駐車場システム
2 駐車スペース
3 車両センサ
4 充電装置
5 料金精算装置
6 電力供給制御装置
7 管理サーバ
8 通信回線
9 携帯端末機器
10 監視カメラ
11 コード収納検知手段
12 警告表示器
41 充電コード
42 充電管理部
43 充電量検知部
72 入力部
73 記憶部
74 通知部
75 消去処理部
76 不正車両報知部
【要約】
【課題】充電可能な駐車スペースについて一部の利用者による長時間の駐車を防止し、当該充電可能な駐車スペースを多くの利用者が効率良く有効に利用することが可能な駐車場システムを提供する。
【解決手段】駐車スペース2と、車両センサ3と、電気自動車を充電しうる充電装置4と、該車両センサ3に接続される料金精算装置5と、該車両センサ3が車両を検知した状態で該外部電源から該充電装置4に電力を供給する電力供給制御装置6と、駐車場の利用者の携帯端末機器9と通信回線8を介して通信可能な管理サーバ7と、を備え、所定条件で該充電装置4による電気自動車への充電を停止する充電管理部42を有しており、該管理サーバ7は、利用者の携帯端末機器9の識別子が入力される入力部と、該入力部で入力された携帯端末機器9の識別子を記憶する記憶部73と、携帯端末機器9へ充電停止情報を通知する通知部74と、を有する。
【選択図】
図1