(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-05
(45)【発行日】2022-10-14
(54)【発明の名称】キャップユニット及びキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 39/04 20060101AFI20221006BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20221006BHJP
A47J 41/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B65D39/04
A47J41/00 304A
A47J41/02 104A
(21)【出願番号】P 2021098703
(22)【出願日】2021-06-14
(62)【分割の表示】P 2017119679の分割
【原出願日】2017-06-19
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 高広
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第5544545(JP,B2)
【文献】特開2014-162544(JP,A)
【文献】登録実用新案第3171801(JP,U)
【文献】特開2014-162518(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00885988(GB,A)
【文献】米国特許第04488660(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/04
A47J 41/00
A47J 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられることによって、前記容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニットであって、
前記容器本体の口頸部を覆う外筒と、
前記容器本体の上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記外筒に対して前記中栓を着脱自在に取り付ける第1の脱着機構とを備え、
前記外筒は、互いに同心円状に配置された内周リング部材及び外周リング部材と、前記外周リング部材に対して前記内周リング部材を着脱自在に取り付ける第2の脱着機構とを有し、
前記第1の脱着機構は、前記内周リング部材と前記中栓との何れか一方に設けられた第1の係止部と、何れか他方に設けられた第1の被係止部とを有し、
前記第1の被係止部に前記第1の係止部が係止されることによって、前記外筒に対して前記中栓が取り付けられ、
前記内周リング部材は、その上端を軸線方向に切り欠く一対の第1のスリットの間に設けられた第1の弾性片を有し、
前記第1の弾性片の先端側に前記第1の係止部又は前記第1の被係止部が設けられていることを特徴とするキャップユニット。
【請求項2】
上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられることによって、前記容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニットであって、
前記容器本体の口頸部を覆う外筒と、
前記容器本体の上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記外筒に対して前記中栓を着脱自在に取り付ける第1の脱着機構とを備え、
前記外筒は、互いに同心円状に配置された内周リング部材及び外周リング部材と、前記外周リング部材に対して前記内周リング部材を着脱自在に取り付ける第2の脱着機構とを有し、
前記第1の脱着機構は、前記外周リング部材と前記中栓との何れか一方に設けられた位置決め凹部と、何れか他方に設けられた位置決め凸部とを有し、
前記位置決め凹部に前記位置決め凸部が係合されることによって、前記外筒に対して前記中栓が回り止めされることを特徴とす
るキャップユニット。
【請求項3】
前記容器本体に対して前記外筒又は前記中栓が螺合により取り付けられることを特徴とする請求項1
又は2に記載のキャップユニット。
【請求項4】
前記中栓に取り付けられた状態で、前記容器本体の内側と前記中栓との間を密閉するシール部材を備えることを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップユニット及びキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けることによって、容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニット(栓体)を備えたキャップ付き容器がある(例えば、特許文献1~3を参照。)。
【0003】
このようなキャップユニットは、容器本体の口頸部を覆う外筒と、上部開口部から容器本体の内側に嵌め込まれる中栓とを有して、キャップ本体に対して外筒又は中栓が螺合により取り付けられる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5544545号公報
【文献】特開2015-221087号公報
【文献】特開2014-162518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したキャップ付き容器では、キャップユニットを洗浄する際に、外筒と中栓との間が非常に洗いづらくなっている。このため、キャップユニットでは、外筒と中栓とに分割可能な構造を採用して、清掃性を高めることが行われている。
【0006】
しかしながら、従来のキャップユニットでは、外筒と中栓とに分割可能な構造とした場合、外筒に対して中栓を取り付けるための構造(脱着機構)が複雑となってしまうといった問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、外筒に対して中栓を取り付ける構造を簡素化し、これら外筒及び中栓の清掃性を高めることを可能としたキャップユニット、並びにそのようなキャップユニットを備えることによって、更なる使い勝手の向上を可能としたキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられることによって、前記容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニットであって、
前記容器本体の口頸部を覆う外筒と、
前記容器本体の上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記外筒に対して前記中栓を着脱自在に取り付ける第1の脱着機構とを備え、
前記外筒は、互いに同心円状に配置された内周リング部材及び外周リング部材と、前記外周リング部材に対して前記内周リング部材を着脱自在に取り付ける第2の脱着機構とを有し、
前記第1の脱着機構は、前記内周リング部材と前記中栓との何れか一方に設けられた第1の係止部と、何れか他方に設けられた第1の被係止部とを有し、
前記第1の被係止部に前記第1の係止部が係止されることによって、前記外筒に対して前記中栓が取り付けられ、
前記内周リング部材は、その上端を軸線方向に切り欠く一対の第1のスリットの間に設けられた第1の弾性片を有し、
前記第1の弾性片の先端側に前記第1の係止部又は前記第1の被係止部が設けられていることを特徴とするキャップユニット。
〔2〕 上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられることによって、前記容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニットであって、
前記容器本体の口頸部を覆う外筒と、
前記容器本体の上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記外筒に対して前記中栓を着脱自在に取り付ける第1の脱着機構とを備え、
前記外筒は、互いに同心円状に配置された内周リング部材及び外周リング部材と、前記外周リング部材に対して前記内周リング部材を着脱自在に取り付ける第2の脱着機構とを有し、
前記第1の脱着機構は、前記外周リング部材と前記中栓との何れか一方に設けられた位置決め凹部と、何れか他方に設けられた位置決め凸部とを有し、
前記位置決め凹部に前記位置決め凸部が係合されることによって、前記外筒に対して前記中栓が回り止めされることを特徴とするキャップユニット。
〔3〕 前記容器本体に対して前記外筒又は前記中栓が螺合により取り付けられることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のキャップユニット。
〔4〕 前記中栓に取り付けられた状態で、前記容器本体の内側と前記中栓との間を密閉するシール部材を備えることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔5〕 前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、外筒に対して中栓を取り付ける構造を簡素化し、これら外筒及び中栓の清掃性を高めることを可能としたキャップユニット、並びにそのようなキャップユニットを備えることによって、更なる使い勝手の向上を可能としたキャップ付き容器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すキャップユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1に示すキャップユニットの構成を示す上面図である。
【
図4】
図3中に示す線分A-Aによるキャップユニットの断面図である。
【
図5】
図3中に示す線分B-Bによるキャップユニットの断面図である。
【
図6】
図1に示すキャップユニットが備える外筒の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図6に示すキャップユニット1を備えたキャップ付き容器100について説明する。
【0012】
なお、
図1は、キャップユニット1を備えたキャップ付き容器100の外観を示す斜視図である。
図2は、キャップユニット1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、キャップユニット1の構成を示す上面図である。
図4は、
図3中に示す線分A-Aによるキャップユニット1の断面図である。
図5は、
図3中に示す線分B-Bによるキャップユニット1の断面図である。
図6は、キャップユニット1が備える外筒8の構成を示す斜視図である。
【0013】
本実施形態のキャップ付き容器100は、本実施形態のキャップユニット1と、このキャップユニット1が着脱自在に取り付けられる容器本体2とを備えている。キャップ付き容器100は、真空断熱構造を有する容器本体2によって、この容器本体2に収容された飲料(内容物)を保温又は保冷することが可能な飲料用容器である。
【0014】
具体的に、この容器本体2は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器3及び内容器4を有し、外容器3の内側に内容器4を収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。また、外容器3と内容器4との間には、真空断熱層5が設けられている。真空断熱層5は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器3の底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。
【0015】
容器本体2は、略円形状の底面部2aと、底面部2aの外周から略円筒状に起立した胴部2bと、胴部2bの上部側において縮径された略円筒状の口頸部2cとを有している。また、口頸部2cの上端部は、容器本体2の上部開口部2dとして、円形状に開口している。
【0016】
口頸部2cの内周面は、胴部2bの内周面よりも縮径されている。また、口頸部2cの内周面には、雌ネジ部6が設けられている。雌ネジ部6は、口頸部2cの上端側から下方に向けて螺旋状に突出したネジ山から構成されている。さらに、雌ネジ部6の下方には、リング状の張出部7が容器本体2の内周面から全周に亘って突出して設けられている。
【0017】
なお、本実施形態のキャップ付き容器100は、全体として略円筒状の外観形状を有しているが、キャップ付き容器100の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0018】
本実施形態のキャップユニットは、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する栓体を構成するものである。具体的に、このキャップユニット1は、容器本体2の口頸部2cを覆う外筒8と、容器本体2の上部開口部2dから容器本体2の内側に嵌め込まれる中栓9と、外筒8に対して中栓9を着脱自在に取り付ける第1の脱着機構10とを備えている。
【0019】
外筒8は、互いに同心円状に配置された内周リング部材11及び外周リング部材12と、外周リング部材12に対して内周リング部材11を着脱自在に取り付ける第2の脱着機構13とを有している。
【0020】
内周リング部材11は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂からなり、全体として略円筒状に形成されている。外周リング部材12は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂からなり、容器本体2の胴部2bと面一となるように、全体として略円筒状に形成されると共に、内周リング部材11の外径よりも僅かに大きい内径を有している。
【0021】
中栓9は、例えばポリプロピレン等の耐熱性樹脂からなる。中栓9は、天面を形成する略円形状の上側栓部材14と、底面及び周面を形成する有底略円筒状の下側栓部材15とを有して、上側栓部材14の下面に下側栓部材15が超音波溶着や高周波溶着等により一体に取り付けられた構成となっている。なお、中栓9の内部は、断熱層となる空気に限らず、断熱材Sを配置した構成としてもよい。
【0022】
上側栓部材14の天面は、外筒8に中栓9が取り付けられた状態において、外筒8の上面を覆っている。下側栓部材15は、外筒8に中栓9が取り付けられた状態において、外筒8の内側に同心円状に配置されている。
【0023】
中栓9の外周面には、雄ネジ部16が設けられている。雄ネジ部16は、中栓9の下端側から上方に向けて螺旋状に突出したネジ山から構成されている。これにより、キャップユニット1は、雌ネジ部6と雄ネジ部16とを構成するネジ山同士の螺合によって、容器本体2に対して着脱自在に取り付けられている。
【0024】
なお、キャップユニット1は、上述した容器本体2側に設けられた雌ネジ部6と、中栓9側に設けられた雄ネジ部16との螺合によって、容器本体2に着脱自在に取り付けられる構成となっているが、口頸部2cの外周面(容器本体2側)に設けられた雄ネジ部と、内周リング部材11の内周面(外筒8側)に設けられた雌ネジ部との螺合によって、容器本体2に対して着脱自在に取り付けられる構成としてもよい。
【0025】
中栓9の下端部には、止水パッキン17が着脱自在に取り付けられている。止水パッキン17は、リング状のシール部材であり、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。一方、中栓9の下端部には、フランジ部9aが拡径方向に突出して設けられている。止水パッキン17は、このフランジ部9aに全周に亘って嵌め付けられている。
【0026】
止水パッキン17は、容器本体2の口頸部2cに中栓9が取り付けられた際に、弾性変形しながら、容器本体2の張出部7に全周に亘って密着した状態となる。これにより、張出部7(容器本体2)と中栓9との間を密閉することが可能となっている。なお、止水パッキン17の張出部7に密着させるための形状等については、特に限定されるものではなく、その形状等について適宜変更を加えることが可能である。
【0027】
一方、止水パッキン17は、それ自体を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、フランジ部9aから取り外すことが可能である。これにより、止水パッキン17と中栓9とをそれぞれ別々に洗浄することができ、止水パッキン17とフランジ部9aとの間を衛生的に保つことができる。
【0028】
第1の脱着機構10は、内周リング部材11と中栓9との何れか一方(本実施形態では内周リング部材11)に設けられた第1の係止部18と、何れか他方(本実施形態では中栓9)に設けられた第1の被係止部19とを有している。
【0029】
第1の係止部18は、内周リング部材11に周方向において等間隔に並ぶ複数(本実施形態では2つ)の第1の弾性片11aの先端側に設けられている。具体的に、これら2つの第1の弾性片11aは、内周リング部材11の相対(対向)する位置に配置されている。各第1の弾性片11aは、それぞれ内周リング部材11の上端を軸線方向に切り欠く一対の第1のスリット11bの間から上方に向かって延長して設けられている。また、各第1の弾性片11aは、その先端側が拡径方向に弾性変形可能となっている。第1の係止部18は、この第1の弾性片11aの先端側の内周面から縮径方向に突出して設けられた爪部18aからなる。
【0030】
第1の被係止部19は、中栓9の外周面において周方向に等間隔に並ぶ複数(本実施形態では2つ)の凹部19aからなる。すなわち、これら2つの凹部19aは、中栓9の相対(対向)する位置において、各爪部18a(第1の係止部18)に対応して設けられている。
【0031】
第1の脱着機構10では、内周リング部材11(外筒8)の内側に中栓9を上方側から嵌入させることによって、各第1の弾性片11aが拡径方向に弾性変形しながら、爪部18a(第1の係止部18)が凹部19a(第1の被係止部19)に係止された状態となる。これにより、外筒8に対して中栓9を取り付けることが可能である。
【0032】
一方、第1の脱着機構10では、外筒8から中栓9を取り外す際に、中栓9を押し上げることによって、各第1の弾性片11aを拡径方向に弾性変形させながら、凹部19a(第1の被係止部19)に対する爪部18a(第1の係止部18)の係止状態を解除することが可能である。
【0033】
なお、本実施形態では、上述した第1の弾性片11a(内周リング部材11)側に第1の係止部18を設け、中栓9側に第1の被係止部19を設けた構成となっているが、それとは逆の構成、すなわち、中栓9側に第1の係止部18を設け、第1の弾性片11a(内周リング部材11)側に第1の被係止部19を設けた構成とすることも可能である。また、第1の係止部18と第1の被係止部19とは、上述した爪部18aが凹部19aに係止される構成に限らず、互いの係止構造を適宜変更することが可能である。
【0034】
第1の脱着機構10は、外周リング部材12と中栓9との何れか一方(本実施形態では外周リング部材12)に設けられた位置決め凹部20と、何れか他方(本実施形態では中栓9)に設けられた位置決め凸部21とを有している。
【0035】
位置決め凹部20は、外周リング部材12の上端から縮径方向に突出された上部リブ壁12aの一部を切り欠く複数(本実施形態では2つ)の凹部からなる。すなわち、これら2つの位置決め凹部20は、上部リブ壁12aにおける相対(対向)する位置において、上部リブ壁12aの一部を位置決め凸部21の形状に対応して切り欠くことにより形成されている。
【0036】
位置決め凸部21は、位置決め凹部20に各々対応して、中栓9の外周面から拡径方向と突出された複数(本実施形態では2つ)の凸部からなる。すなわち、これら2つの位置決め凸部21は、下側栓部材15の上端における相対(対向)する位置から、互いに同一の高さで拡径方向に突出して設けられると共に、互いに同一の長さで周方向に亘って突出して設けられている。凹部19aは、この位置決め凸部21の内側に設けられている。
【0037】
第1の脱着機構10では、内周リング部材11(外筒8)の内側に中栓9が嵌入された状態において、位置決め凹部20に位置決め凸部21が係合された状態となる。これにより、外筒8に対して中栓9が中心軸回りに移動(回転)することを規制(回り止め)することが可能である。
【0038】
第2の脱着機構13は、内周リング部材11と外周リング部材12との何れか一方(本実施形態では外周リング部材12)に設けられた第2の係止部22と、何れか他方(本実施形態では内周リング部材11)に設けられた第2の被係止部23とを有している。
【0039】
第2の係止部22は、外周リング部材12の内周面において周方向に等間隔に並ぶ複数(本実施形態では2つ)の凸部22aからなる。すなわち、これら2つの凸部22aは、外周リング部材12の内周面における相対(対向)する位置から、互いに同一の高さで縮径方向に突出して設けられると共に、互いに同一の長さで周方向に亘って突出して設けられている。
【0040】
第2の被係止部23は、内周リング部材11に周方向において等間隔に並ぶ複数(本実施形態では2つ)の第2の弾性片11cの先端側に設けられている。具体的に、これら2つの第2の弾性片11cは、内周リング部材11の第1の弾性片11aが設けられた位置の各間に相対(対向)して配置されている。各第2の弾性片11cは、それぞれ内周リング部材11の上端を軸線方向に切り欠く一対の第2のスリット11dの間から上方に向かって延長して設けられている。また、各第2の弾性片11cは、その先端側が縮径方向に弾性変形可能となっている。第2の被係止部23は、この第2の弾性片11cの先端側に設けられた孔部23aからなる。
【0041】
第2の脱着機構13では、外周リング部材12の内側に内周リング部材11を下方側から嵌入させることによって、各第2の弾性片11cが縮径方向に弾性変形しながら、凸部22a(第2の係止部22)が孔部23a(第2の被係止部23)に係止された状態となる。これにより、外周リング部材12に対して内周リング部材11を取り付けることが可能である。
【0042】
一方、第2の脱着機構13では、各第2の弾性片11cを縮径方向に弾性変形させながら、孔部23a(第2の被係止部23)に対する凸部22a(第2の係止部22)の係止状態を解除することによって、外周リング部材12から内周リング部材11を取り外すことが可能である。
【0043】
なお、本実施形態では、上述した外周リング部材12側に第2の係止部22を設け、第2の弾性片11c(内周リング部材11)側に第2の被係止部23を設けた構成となっているが、それとは逆の構成、すなわち、第2の弾性片11c(内周リング部材11)側に第2の係止部22を設け、外周リング部材12側に第2の被係止部23を設けた構成とすることも可能である。また、第2の係止部22と第2の被係止部23とは、上述した凸部22aが孔部23aに係止される構成に限らず、互いの係止構造を適宜変更することが可能である。
【0044】
また、第2の脱着機構13は、第1のスリット11bに各々対応して、外周リング部材12の内周面から軸線方向に亘って突出された複数(本実施形態では4つ)の第1のリブ壁24を有している。
【0045】
第2の脱着機構13では、外周リング部材12の内側に内周リング部材11が嵌入された状態において、第1のスリット11bに第1のリブ壁24が係合された状態となる。これにより、外周リング部材12に対して内周リング部材11が中心軸回りに移動(回転)することを規制(回り止め)することが可能である。また、第1のスリット11bの幅と第2のスリット11dの幅とを不一致とし、さらに、第1のスリット11bの間隔と第2のスリット11dの間隔とを不一致にすることで、誤って組み立てることができないようにしている。
【0046】
また、第2の脱着機構13は、内周リング部材11の外周面から軸線方向に亘って突出された複数(本実施形態では4つ)の第2のリブ壁25を有している。第2のリブ壁25は、内周リング部材11の外周面において、第1の弾性片11aと第2の弾性片11cとの各間から突出して設けられている。
【0047】
第2の脱着機構13では、外周リング部材12の内側に内周リング部材11が嵌入された状態において、第2のリブ壁25が外周リング部材12の内周面に当接した状態となる。これにより、内周リング部材11と外周リング部材12との間の間隔を周方向に亘って均一に保つことが可能である。
【0048】
以上のような構造を有する本実施形態のキャップユニット1では、上述した第1の脱着機構10によって外筒8に対して中栓9を取り付ける構造を簡素化し、第2の脱着機構13によって外周リング部材12に対して内周リング部材11を取り付ける構造を簡素化することが可能である。
【0049】
また、本実施形態のキャップユニット1では、外筒8から中栓9を取り外し、外周リング部材12から内周リング部材11を取り外すことによって、外筒8(内周リング部材11及び外周リング部材12)と中栓9とをそれぞれ別々に洗浄することができ、これら外筒8(内周リング部材11及び外周リング部材12)と中栓9との間を衛生的に保つことが可能である。したがって、このようなキャップユニット1を備えるキャップ付き容器100では、使い勝手の更なる向上を図ることが可能である。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、上記実施形態では、上述した真空断熱構造を有する容器本体2によって保温・保冷機能を持たせたキャップ付き容器100に本発明を適用した場合を例示しているが、このような真空断熱構造を有する容器本体2を備えたものに必ずしも限定されるものではない。すなわち、本発明は、キャップユニットが容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップ付き容器に対して幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…キャップユニット 2…容器本体 3…外容器 4…内容器 5…真空断熱層 6…雌ネジ部 7…張出部 8…外筒 9…中栓 10…第1の脱着機構 11…内周リング部材 11a…第1の弾性片 11b…第1のスリット 11c…第2の弾性片 11d…第2のスリット 12…外周リング部材 13…第2の脱着機構 14…上側栓部材 15…下側栓部材 16…雄ネジ部 17…止水パッキン(シール部材) 18…第1の係止部 19…第1の被係止部 20…位置決め凹部 21…位置決め凸部 22…第2の係止部 23…第2の被係止部 24…第1のリブ壁 25…第2のリブ壁 100…キャップ付き容器