(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-06
(45)【発行日】2022-10-17
(54)【発明の名称】テレビ取付具
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20221007BHJP
【FI】
H04N5/64 581A
(21)【出願番号】P 2020556204
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(86)【国際出願番号】 JP2019044981
(87)【国際公開番号】W WO2020101035
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2018214360
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110893
【氏名又は名称】ニチレイマグネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】北口 季伸
(72)【発明者】
【氏名】高濱 賢史
(72)【発明者】
【氏名】川村 伸之
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-334258(JP,A)
【文献】特開2002-128429(JP,A)
【文献】特開2001-312307(JP,A)
【文献】特開平07-094313(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200872(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面にテレビを取り付ける際に使用するテレビ取付具であって、
テレビの裏面、又は、前記テレビの裏面と対向するように前記テレビが取り付けられる板状のブラケットの裏面に対し、貼り付けられる複数の磁性シートを備え、
前記複数の磁性シートは、材料に磁性体が使用された磁性壁に対し、磁力を利用して貼り付け可能であ
り、
前記複数の磁性シートは、前記テレビの裏面又は前記ブラケットの裏面において縦長となるように貼り付けられる縦長シートを少なくとも4枚含み、
前記複数の磁性シートは、前記テレビの裏面又は前記ブラケットの裏面において横長となるように貼り付けられる横長シートをさらに含み、
前記縦長シートの合計面積は、前記横長シートの合計面積より大きい、テレビ取付具。
【請求項2】
壁面にテレビを取り付ける際に使用するテレビ取付具であって、
テレビの裏面、又は、前記テレビの裏面と対向するように前記テレビが取り付けられる板状のブラケットの裏面に対し、貼り付けられる複数の磁性シートを備え、
前記複数の磁性シートは、材料に磁性体が使用された磁性壁に対し、磁力を利用して貼り付け可能であり、
前記複数の磁性シートは、前記テレビの裏面又は前記ブラケットの裏面において縦長となるように貼り付けられる縦長シートを少なくとも4枚含
み、
前記複数の磁性シートは、前記テレビの裏面又は前記ブラケットの裏面において横長となるように貼り付けられる横長シートをさらに含み、
前記縦長シートにおいて縦方向に延びる部分の幅は、前記横長シートにおいて横方向に延びる部分の幅より大きい、テレビ取付具。
【請求項3】
壁面にテレビを取り付ける際に使用するテレビ取付具であって、
テレビの裏面、又は、前記テレビの裏面と対向するように前記テレビが取り付けられる板状のブラケットの裏面に対し、貼り付けられる複数の磁性シートを備え、
前記複数の磁性シートは、材料に磁性体が使用された磁性壁に対し、磁力を利用して貼り付け可能であり、
前記複数の磁性シートは、矩形領域内において互いに重なり合うことなく敷き詰められた状態で包装され、
前記矩形領域は、縦長であり、
前記複数の磁性シートは、前記矩形領域において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートと、前記屈曲シートより縦方向の長さが短く前記矩形領域において縦方向に延びて前記屈曲シートの内側に配置される長板状シートとを含む、テレビ取付具。
【請求項4】
前記矩形領域内における前記複数の磁性シートの各々は、多極着磁がなされており、着磁方向が前記矩形領域の横方向に略平行である、請求項
3に記載のテレビ取付具。
【請求項5】
前記複数の磁性シートの少なくも一部は、当該磁性シートを前記磁性壁に貼り付けるための磁性層と、前記磁性層の片面に直接的に積層された粘着層とを備えている、請求項1乃至
4の何れか1つに記載のテレビ取付具。
【請求項6】
前記複数の磁性シートの少なくも一部は、当該磁性シートを前記磁性壁に貼り付けるための磁性層と、前記磁性層の片面に積層されて振動を吸収するクッション層とを備えている、請求項1乃至
5の何れか1つに記載のテレビ取付具。
【請求項7】
前記複数の磁性シートの少なくも一部は、当該磁性シートを前記磁性壁に貼り付けるための磁性層と、当該磁性シートの厚みを増すために前記磁性層の片面に積層された調節層とを備え、
前記調節層の厚みは、5mm以上である、請求項1乃至
6の何れか1つに記載のテレビ取付具。
【請求項8】
前記複数の磁性シートは、前記磁性層と前記調節層の両方を有するタイプの磁性シートと、前記磁性層と前記調節層のうち前記磁性層のみを有するタイプの磁性シートとを含む、請求項
7に記載のテレビ取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面にテレビを取り付ける際に使用するテレビ取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、磁力を利用して物品を貼り付けることができる壁として、材料に磁性体を使用した磁性壁が知られている。特許文献1には、不燃石膏ボードに磁性シートを貼り付けた防火磁性壁が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、磁力を利用して壁面に貼り付ける物品として、薄型の壁掛けテレビが記載されている。この壁掛けテレビは、強磁性体部材が設けられた壁に対し、永久磁石が内蔵された磁力固定部材を介して吊り下げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-290707号公報
【文献】特開2011-172635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来は、壁面に取り付けた強磁性体部材のフックにテレビが吊り下げられているため、壁面に対してテレビ側の密着性が低く、地震時にテレビが強磁性体部材のフックを支点にして揺れる。そのため、地震によるテレビの位置ずれを防止することが容易ではない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、磁力により壁面にテレビを取り付けるテレビ取付具であって、地震によってテレビの位置ずれが生じにくいテレビ取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、壁面にテレビを取り付ける際に使用するテレビ取付具であって、テレビの裏面、又は、テレビの裏面と対向するようにテレビが取り付けられる板状のブラケットの裏面に対し、貼り付けられる複数の磁性シートを備え、複数の磁性シートは、材料に磁性体が使用された磁性壁に対し、磁力を利用して貼り付け可能である、テレビ取付具である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、複数の磁性シートは、テレビの裏面又はブラケットの裏面において縦長となるように貼り付けられる縦長シートを少なくとも4枚含む。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、複数の磁性シートは、テレビの裏面又はブラケットの裏面において横長となるように貼り付けられる横長シートをさらに含む。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、縦長シートの合計面積は、横長シートの合計面積より大きい。
【0011】
第5の発明は、第3又は第4の発明において、縦長シートにおいて縦方向に延びる部分の幅は、横長シートにおいて横方向に延びる部分の幅より大きい。
【0012】
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、複数の磁性シートは、矩形領域内において互いに重なり合うことなく敷き詰められた状態で包装されている。
【0013】
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、矩形領域は、縦長であり、複数の磁性シートは、矩形領域において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートと、屈曲シートより縦方向の長さが短く矩形領域において縦方向に延びて屈曲シートの内側に配置される長板状シートとを含む。
【0014】
第8の発明は、第6又は第7の発明において、矩形領域内における複数の磁性シートの各々は、多極着磁がなされており、着磁方向が矩形領域の横方向に略平行である。
【0015】
第9の発明は、第1乃至第8の何れか1つの発明において、複数の磁性シートの少なくも一部は、当該磁性シートを磁性壁に貼り付けるための磁性層と、磁性層の片面に直接的に積層された粘着層とを備えている。
【0016】
第10の発明は、第1乃至第8の何れか1つの発明において、複数の磁性シートの少なくも一部は、当該磁性シートを磁性壁に貼り付けるための磁性層と、磁性層の片面に積層されて振動を吸収するクッション層とを備えている。
【0017】
第11の発明は、第1乃至第10の何れか1つの発明において、複数の磁性シートの少なくも一部は、当該磁性シートを磁性壁に貼り付けるための磁性層と、当該磁性シートの厚みを増すために磁性層の片面に積層された調節層とを備え、調節層の厚みは、5mm以上である。
【0018】
第12の発明は、第11の発明において、複数の磁性シートは、磁性層と調節層の両方を有するタイプの磁性シートと、磁性層と調節層のうち磁性層のみを有するタイプの磁性シートとを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、テレビ取付具に含まれる複数の磁性シートが、テレビの裏面、又は、テレビに取り付けられる板状のブラケットの裏面に貼り付けられる。そして、この状態で、磁性壁に対し複数の磁性シートを貼り付けることにより、壁面にテレビを取り付けることができる。本発明によれば、複数の磁性シートを用いることにより、壁面に対してテレビ側(テレビ又はブラケット)の密着性を向上させることができ、地震によってテレビの位置ずれが生じにくいテレビ取付具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るテレビ取付具を用いて壁面に取り付けるテレビ及びブラケット等の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るテレビ取付具の正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るテレビ取付具が貼り付けられたブラケット等の背面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の変形例1に係るテレビ取付具の正面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の変形例1に係るテレビ取付具が貼り付けられたブラケット等の背面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の変形例2に係るテレビ取付具の正面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の変形例2に係るテレビ取付具が貼り付けられたブラケット等の背面図である。
【
図8】
図8は、実施形態2に係るテレビ取付具の正面図である。
【
図9】
図9は、実施形態2に係るテレビ取付具が貼り付けられたブラケットの背面図である。
【
図10】
図10(a)は、実施形態3に係るテレビ取付具について、磁性シート断面図を含むテレビへの取付状態を示す図であり、
図10(b)は、
図10(a)とは磁性シートの断面構造が異なるテレビ取付具のテレビへの取付状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1-
図10を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0022】
実施形態1,2に係るテレビ取付具10について説明を行う前に、実施形態1,2のテレビ取付具10を使用するテレビ5について説明を行う。
図1に示すように、テレビ5は、板状又はシート状の薄型テレビである。テレビ5は、略矩形状に形成されている。テレビ5の表側には、例えば有機ELディスプレイの映像表示面5aが設けられている。なお、テレビ5は、有機ELディスプレイ以外のディスプレイを用いたものであってもよい。
【0023】
テレビ5には、その付属品として、板状のブラケット6が設けられている。ブラケット6は、実施形態1,2に係るテレビ取付具10により、磁力を利用して磁性壁1に貼り付けることができる。
図1では、磁性壁1が、材料に磁性体が使用された磁性ボード1aと、磁性ボード1aに貼り付けられた壁紙1bとで構成されている。なお、ブラケット6は、ネジや釘などの固定具を使用して通常の壁面(磁性体を使用していない壁面)に取り付けることもできる。
【0024】
ブラケット6は、例えば金属製である。
図1に示すブラケット6は、横長の矩形板材に下辺側から矩形の切り欠きを形成した形状をしている。ブラケット6は、左右にそれぞれ設けられた縦長部6aと、左右の縦長部6aの上部を接続する横長部6bとを備えている。
図1では、縦長部6aと横長部6bとの境界を点線で示す。横長部6bでは、上部と下部とにそれぞれ複数の長穴が形成されている。なお、ブラケット6は、
図1に示す形状のものに限定されない。
【0025】
磁性壁1に貼り付けられた状態のブラケット6には、テレビ5の裏面と対向するようにテレビ5が取り付けられる。ブラケット6とテレビ5の取付構造は、例えば、ブラケット6の表側に設けられた係合ピンと、テレビ5の裏面に形成されて係合ピンを引っ掛ける凹部とにより構成することができる(図示省略)。ブラケット6の表側(テレビ5側)では、上側の各角部などに係合ピンを設けることができる。
【0026】
<実施形態1>
本実施形態に係るテレビ取付具10について説明を行う。
図2は、包装袋(図示省略)内のテレビ取付具10を示す。テレビ取付具10は、壁面にテレビ5を取り付ける際に使用されるものであり、矩形領域30を形成するシート上に複数の磁性シート11~13を備えている。複数の磁性シート11~13は、縦長の矩形領域30内において互いに重なり合うことなく敷き詰められた状態で包装されている。複数の磁性シート11~13は、左右対称に配置された複数対のシートで構成されている。なお、矩形領域30における横の長さ:縦の長さは例えば3:5~1:1であり、テレビ取付具10は、陳列や取り扱いがしやすい包装形状となっている。
【0027】
各磁性シート11~13は、磁性体を含有する磁性層と、磁性層の裏面に直接的に積層された粘着層と、粘着層を被覆する剥離シート(例えば剥離紙)とを備えている。各磁性シート11~13は、
図10(a)の磁性シート11aと同じ断面構造である。但し、
図10(a)では剥離シートが剥がされている。各磁性シート11~13は、剥離シートを剥がすことで、磁性層が露出するようにブラケット6の裏面又はテレビ5の裏面に貼り付けることができる。各磁性シート11~13は、後述するクッション層を有しておらず、比較的薄くできる。そのため、テレビ5が壁面から浮いた感じにならず、デザイン性の優れた居室空間にすることができる。なお、各磁性シート11~13に粘着層を設けずに、磁力を利用してブラケット6の裏面などに各磁性シート11~13を貼り付けてもよい。
【0028】
各磁性シート11~13の磁性層は、バインダー内において磁性材料粉が分散した層である。磁性層は、硬質磁性材料粉を用いた硬質磁性層、又は、軟質磁性材料粉を用いた軟質磁性層である。硬質磁性材料粉を用いる場合、磁性層の成形後などに磁化(着磁)を施すことで、磁性層は磁石としての性質が付与される。例えば、異方性磁石のような性質をもった磁性層とすることもできる。硬質磁性層の場合、各磁性シート11~13は、磁性壁1が磁石としての性質を有しなくても磁性壁1に貼りつく。硬質磁性材料粉には、ネオジウムなどの粉体を用いることができる。一方、軟質磁性材料粉を用いる場合、各磁性シート11~13は、磁石としての性質を有する磁性壁1に貼りつく。
【0029】
また、磁性層は多極着磁がなされていて、N極とS極が交互に互いに平行に形成されている。
図2に示す矩形領域30内における各磁性シート11~13では、着磁方向(N極又はS極の延伸方向)が矩形領域30の横方向に略平行である。
図2では、各磁性シート11~13の上部にだけ着磁方向を点線で記載している。なお、各磁性シート11~13について、着磁方向が矩形領域30の縦方向に略平行であってもよい。
【0030】
図3は、
図2に示す各磁性シート11~13をブラケット6の裏面に貼り付けた状態を示す。
図3では、ブラケット6に斜めハッチングを付けている。各磁性シート11~13は、ブラケット6の裏面における平坦な領域に貼り付けられている。ブラケット6において各磁性シート11~13が貼り付けられた領域は、ブラケット6の厚さ方向の位置が同じである。この点は、各磁性シート11~13を直接的にテレビ5の裏面に貼りつける場合も同じである。
【0031】
複数の磁性シート11~13は、左右対称に貼り付けられている。複数の磁性シート11~13は、横方向における縦長部6aの外側に貼り付けられる第1縦長シート11と、横方向における縦長部6aの内側に貼り付けられる第2縦長シート12と、縦長部6aと横長部6bに跨って貼り付けられる横長シート13とを2組ずつ備えている。各縦長シート11,12は、ブラケット6の裏面(又はテレビ5の裏面)において縦長となるように縦方向に略平行に貼り付けられる。各横長シート13は、ブラケット6の裏面(又はテレビ5の裏面)において横長となるように横方向に略平行に貼り付けられる。各横長シート13は、ブラケット6の裏面(又はテレビ5の裏面)の上部に貼り付けられる。
【0032】
各第1縦長シート11は、
図2における外側上部が切り欠かれた略L字状に形成されている。各第1縦長シート11は、矩形領域30において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートに相当する。各第1縦長シート11は、矩形領域30内において最も外側に配置される。
【0033】
また、各第2縦長シート12は、途中で幅が変化する長板状に形成されている。各第2縦長シート12は、屈曲シート11より縦方向の長さが短く矩形領域30において縦方向に延びて屈曲シート11の内側に配置される長板状シートに相当する。各第2縦長シート12は、矩形領域30内において各第1縦長シート11によるL字の内側に配置される。
【0034】
各横長シート13は、途中で幅が変化する長板状に形成されている。各横長シート13は、矩形領域30内において、第1縦長シート11と第2縦長シート12に挟まれた横方向の中心部を縦方向に延びている。
【0035】
<実施形態1の効果等>
本実施形態では、テレビ取付具10に含まれる複数の磁性シート11~13がブラケット6の裏面に貼り付けられる。そして、この状態で、磁性壁1に対し複数の磁性シート11~13を貼り付けることで、磁性壁1の壁面にブラケット6及びテレビ5を取り付けることができる。本実施形態によれば、複数の磁性シート11~13を用いることにより、壁面に対してブラケット6の密着性を向上させることができ、地震によってテレビ5の位置ずれが生じにくいテレビ取付具10を提供することができる。
【0036】
また、本実施形態では、テレビ取付具10が、縦長シート11,12を少なくとも4枚含む。また、テレビ取付具10では、縦長シート11,12の方が横長シート13よりも枚数が多い。また、縦長シート11,12の合計面積は、横長シート13の合計面積より大きい。また、各縦長シート11,12において縦方向に延びる部分の幅W11,W12は、各横長シート13において横方向に延びる部分の幅W13より大きい。そのため、地震時などの縦方向の揺れに抗う力として、磁力に加えて比較的大きな摩擦力が得られるため、地震によってテレビ5の位置ずれがさらに生じにくいテレビ取付具10を提供することができる。
【0037】
<実施形態1の変形例1>
本変形例に係るテレビ取付具10は、
図4及び
図5に示すように、横方向における縦長部6aの外側に貼り付けられる一対の第1縦長シート11と、横方向における縦長部6aの内側に貼り付けられる一対の第2縦長シート12と、横長部6bに貼り付けられる3枚の横長シート13とを備えている。
【0038】
各第1縦長シート11は、矩形領域30において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートに相当する。各第2縦長シート12も、矩形領域30において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートに相当する。本変形例では、大きさが互いに異なる2種類以上の屈曲シート11,12が設けられ、大きい屈曲シート11の内側に小さい屈曲シート12が配置される。
【0039】
また、各横長シート13は、略矩形の長板状に形成されている。各横長シート13は、矩形領域30内において各第2縦長シート12によるL字の内側に配置される。各横長シート13は、ブラケット6の裏面(又はテレビ5の裏面)の上部と下部とにそれぞれ貼り付けられる。
【0040】
本変形例では、テレビ取付具10が、縦長シート11,12を少なくとも4枚含む。また、テレビ取付具10では、縦長シート11,12の方が横長シート13よりも枚数が多い。また、縦長シート11,12の合計面積は、横長シート13の合計面積より大きい。また、各縦長シート11,12において縦方向に延びる部分の幅W11,W12は、各横長シート13において横方向に延びる部分の幅W13より大きい。また、縦長シート11,12と横長シート13とでは、縦長シート11,12の方が、延伸方向の長さが長い。
【0041】
<実施形態1の変形例2>
本変形例に係るテレビ取付具10は、
図6及び
図7に示すように、横方向における縦長部6aの外側に貼り付けられる一対の第1縦長シート11と、横方向における縦長部6aの内側に貼り付けられる一対の第2縦長シート12と、横長部6bに貼り付けられる1枚の横長シート13とを備えている。
【0042】
各第1縦長シート11は、矩形領域30において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートに相当する。各第2縦長シート12も、矩形領域30において縦方向に延びる略L字状の屈曲シートに相当する。本変形例では、大きさが互いに異なる2種類以上の屈曲シート11,12が設けられ、大きい屈曲シート11の内側に小さい屈曲シート12が配置される。
【0043】
また、横長シート13は、略矩形の長板状に形成されている。横長シート13は、矩形領域30内において、第2縦長シート12に挟まれた横方向の中心部を縦方向に延びている。横長シート13は、ブラケット6の横長部6bにおける縦方向の中心部に貼り付けられる。
【0044】
<実施形態2>
本実施形態は、ブラケット6が実施形態1とは異なる。また、本実施形態に係るテレビ取付具10は、
図8及び
図9に示すように、第1矩形領域30aと第2矩形領域30bに分けて、複数の磁性シート11~15が配置されている。第1矩形領域30aに配置された複数の磁性シート11~13は、
図2に示す磁性シート11~13と同じであるため説明は省略する。
【0045】
第2矩形領域30bでは、3組の磁性シート14,15が互いに重なり合うことなく敷き詰められている。各組の磁性シート14,15は、縦長部6aの下部に貼り付けられる2枚の屈曲シート14と、横長部6bの下部に貼り付けられる横長シート15とにより構成されている。
図9に示すように、第2矩形領域30bの磁性シート14,15のうち一組だけがブラケット6の裏面に貼り付けられる。
【0046】
また、本実施形態では、テレビ取付具10が、縦長シート11,12を少なくとも4枚含む。また、テレビ取付具10では、縦長シート11,12の方が横長シート13よりも枚数が多い。また、縦長シート11,12の合計面積は、横長シート13の合計面積より大きい。そのため、縦方向の揺れに対して、磁力だけでなく比較的大きな摩擦力が得られるため、地震によってテレビ5の位置ずれがさらに生じにくいテレビ取付具10を提供することができる。
【0047】
<実施形態3>
本実施形態は、
図10(a)に示すような、テレビ5の裏面において上側部分26に比べ下側部分27が突出している場合のテレビ取付具20である。下側部分27の内部は、制御基板など比較的大きめの制御部品の収納空間となっている。
【0048】
ここで、このようなテレビ5は、下側部分27だけに磁性シート11bを貼り付けて、磁性壁1の壁面にテレビ5を貼り付けたとしても、上側部分26のモーメントにより壁面からテレビ5が外れやすくなる。そのため、上側部分26も壁面に貼り付けることが望ましい。そこで、本実施形態では、
図10(a)に示すように、上側部分26には、下側部分27の磁性シート11bに比べて厚みが大きい磁性シート11aを貼り付けている。
【0049】
具体的に、テレビ取付具20は、複数の磁性シート11が、磁性層21と調節層22の両方を有する第1タイプの磁性シート11aと、磁性層21と調節層22のうち磁性層21のみを有する第2タイプの磁性シート11bにより構成されている。下側部分27に貼り付けられる第2タイプの磁性シート11bは、実施形態1のものと同じ層構成である。
【0050】
第1タイプの磁性シート11aは、磁性層21と、磁性層21の裏面に積層された調節層22と、調節層22の裏面に積層された粘着層23と、粘着層23を被覆する剥離シート(図示省略)とを備えている。磁性層21、粘着層23及び剥離シートについては、実施形態1と同じものを用いることができる。
【0051】
調節層22には、比較的厚みが大きいボード材又はクッション材などを用いることができる。調節層22の材料としては、テレビ5を支持できる強度を有するものを選択する必要があり、また磁性層21の磁気吸着力により支持する重量が小さくなるように軽量のものが望ましい。また、調節層22の厚みは、下側部分27の突出長に基づいて設計し、
図10(a)では下側部分27の突出長に等しい。第1タイプの磁性シート11aの外面と第2タイプの磁性シート11bの外面とは面一となっている。調節層22の厚みは、例えば10mm以上(場合によっては5mm以上)とすることができる。
【0052】
第1タイプの磁性シート11aとしては、
図10(a)の調節層22にボード材又はクッション材を用いる場合以外に、
図10(b)に示すように、調節層22が、ボード材によるボード層22aと、クッション材によるクッション層22bとを備えていてもよい。これにより、地震時におけるテレビ5の振動をクッション層22bに吸収させることができるため、地震によってテレビ5の位置ずれが生じにくいテレビ取付具20を提供することができる。なお、
図10(b)では、ボード層22aとクッション層22bでクッション層22bを磁性層21側に配置しているが、ボード層22aを磁性層21側に配置してもよい。
【0053】
また、実施形態3では、テレビ取付具20が、第1タイプの磁性シート11aと第2タイプの磁性シート11bの両方を有しているが、例えば上側部分26の面積が下側部分27に比べて大きい場合などに、テレビ取付具は、複数の第1タイプの磁性シート11aのみにより構成してもよい。
【0054】
<その他の実施形態>
上記実施形態について、各磁性シート11~15は、振動を吸収するクッション層を有していてもよい。この場合、各磁性シート11~15では、磁性層、クッション層、粘着層、及び剥離シートが、この順番で積層される。クッション層を設けることで、地震時におけるテレビ5の振動がクッション層により吸収されるため、地震によってテレビ5の位置ずれがさらに生じにくいテレビ取付具を提供することができる。
【0055】
上記実施形態では、テレビ5を側壁に取り付けるためにテレビ取付具10,20を使用したが、テレビ5を天井壁に取り付けるためにテレビ取付具10,20を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、壁面にテレビを取り付ける際に使用するテレビ取付具等に適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 磁性壁
5 テレビ
6 ブラケット
10 テレビ取付具
11 第1縦長シート(磁性シート)
12 第2縦長シート(磁性シート)
13 横長シート(磁性シート)
20 テレビ取付具
21 磁性層
22 調節層
22b クッション層
23 粘着層
30 矩形領域