(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】シート給送装置、画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 3/08 20060101AFI20221012BHJP
B65H 3/48 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B65H3/08 342C
B65H3/48 310Z
(21)【出願番号】P 2018147426
(22)【出願日】2018-08-06
【審査請求日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2017224955
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】橋本 正人
(72)【発明者】
【氏名】菅原 達也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/032605(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0163491(US,A1)
【文献】特開2010-254392(JP,A)
【文献】特開2017-210370(JP,A)
【文献】特開2011-162321(JP,A)
【文献】特開2017-202895(JP,A)
【文献】特開平10-059565(JP,A)
【文献】特開2002-255388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載台上に積載されているシート束にエア吹き付け手段によりエアを吹き付けて最上位シートをシート束から浮上させて給送手段によって給送するシート給送装置において、
前記最上位シート近傍のシートに対して前記給送手段から離れる方向へ向かう力が作用するようにエアを吸引するエア吸引手段を備え、
該エア吸引手段は、空気を吸引する吸引ノズルと、負圧を発生する吸引ファンと、前記吸引ノズルと前記吸引ファンとの間を通気させる吸引ダクトとを有し、前記吸引ダクト内の通気の遮断と開放を行う開閉機構を備え、
前記開閉機構による前記吸引ダクト内の遮断と開放を切り替える制御を行う制御手段を備え
、
前記制御手段は、前記エア吹き付け手段によるエアを吹き付けているとき、前記吸引ダクト内の通気を遮断する期間を設けるよう前記開閉機構を制御し、前記エア吹き付け手段によるエアの吹き付けを停止しているとき、前記吸引ダクト内の通気を開放する期間を設けるよう前記開閉機構を制御することを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート給送装置において、
前記制御手段は、前記エア吹き付け手段によるエアの吹き付けを停止してから所定時間経過後に、前記吸引ダクト内の通気を開放するよう前記開閉機構を制御することを特徴とするシート給送装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
前記吸引ノズルは、前記吸引ノズルの先端が高さ方向で前記最上位シート以降に給送する前記シートの先端にあたり、当該シートの給送を規制するよう配置されていることを特徴とするシート給送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
前記吸引ノズルの先端は、前記吸引ノズルが高さ方向で前記最上位シートに近い位置を吸引するよう配置されていることを特徴とするシート給送装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
前記吸引ノズルの高さ方向の位置を調整する調整手段を備えることを特徴とするシート給送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
少なくとも前記吸引ノズルに前記シートがあたる部分には、摩耗低減の表面処理を施すことを特徴とするシート給送装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート給送装置において、
前記シート束の最上位の位置を検知するシート面センサを前記吸引ノズル近傍に配置することを特徴とするシート給送装置。
【請求項8】
シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段へ向けてシートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、
上記給送手段として、請求項1乃至7いずれか一に記載のシート給送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
少なくともシートに画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置と、画像形成装置へ向けてシートを給送するシート給送装置とを備えた画像形成システムにおいて、
上記シート給送装置として、請求項1乃至7いずれか一に記載のシート給送装置を用いたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート給送装置、画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シート積載台上に積載されているシート束にエアを吹き付けて最上位シートをシート束から離間させて給送するシート給送装置が知られている。
この種のシート給送装置として、特許文献1には、シート束にエアを吹き付けて、最上位シートを浮上させ、その最上位シートに対向する給送手段としての吸引ベルトのベルト面に吸着させて給送する装置が記載されている。この装置では、シート束にエアを吹き付けたときに、最上位シートと一緒に他のシートが吸着ベルトに吸着して重送が発生してしまうのを抑制するために、最上位シート近傍のシートに対して下方に向かう吸引力を作用させる吸引ノズルを設けている。最上位シートと一緒に他のシートが吸引ベルトに吸着したとき、シート束に吹き付けたエアは、当該他のシートを吸引ベルト側(最上シート側)へ押しつけるように作用する。特許文献1によれば、吸引ノズルのエア吸引により、当該他のシートを吸引ベルト側(最上位シート側)へ押しつける吹き付けエアの作用を失わせ、吸引ベルトに吸着する最上位シートから当該他のシートを分離させ、重送を抑制できるとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のシート給送装置では、エア吸引が不必要なときにエア吸引を遮断することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、シート積載台上に積載されているシート束にエア吹き付け手段によりエアを吹き付けて最上位シートをシート束から浮上させて給送手段によって給送するシート給送装置において、前記最上位シート近傍のシートに対して前記給送手段から離れる方向へ向かう力が作用するようにエアを吸引するエア吸引手段を備え、該エア吸引手段は、空気を吸引する吸引ノズルと、負圧を発生する吸引ファンと、前記吸引ノズルと前記吸引ファンとの間を通気させる吸引ダクトとを有し、前記吸引ダクト内の通気の遮断と開放を行う開閉機構を備え、前記開閉機構による前記吸引ダクト内の遮断と開放を切り替える制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記エア吹き付け手段によるエアを吹き付けているとき、前記吸引ダクト内の通気を遮断する期間を設けるよう前記開閉機構を制御し、前記エア吹き付け手段によるエアの吹き付けを停止しているとき、前記吸引ダクト内の通気を開放する期間を設けるよう前記開閉機構を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、エア吸引が不必要なときにエア吸引を遮断することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態の画像形成システムの概略構成図。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【
図3】装置本体の側面に設けられる本実施形態のシート給送装置の概略説明図。
【
図10】吸引シャッターの構成を説明する概略斜視図。
【
図11】本実施形態のシート給送装置おける制御系の要部構成の一例を示すブロック図。
【
図12】本実施形態のシート給送装置における給送動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を適用したシート給送装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成システム1の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、シートに画像を形成する画像形成手段としての画像形成装置100と、画像形成装置100にシートを給送するシート給送装置200とを備えている。シート給送装置200は、画像形成装置100本体の側面に設けられている。
【0008】
まず、本実施形態のシート給送装置を適用可能な電子写真式やインクジェット式などの画像形成装置のうち、電子写真方式の画像形成装置を例にしてその画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略構成図である。
この画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のトナーを用いるフルカラープリンタ及び、同等の作像機能を有するフルカラー複写機である。
図2に示すように、装置本体内の上部にそれぞれ各色トナーで作像を行う4つの作像ユニット101Y、101M、101C、101Kを並べて配置している。各作像ユニット101Y、101M、101C、101Kの構成とその動作は実質的に同一であるため、ここでは色を示す符号(Y、M、C、K)を省略して作像ユニットについて説明する。作像ユニット101においては、像担持体としての感光体ドラム102の周囲に、帯電器103、現像装置104、クリーニング装置105等が配置されている。また、感光体ドラム102の上方に位置して、露光手段107が配置されている。
【0009】
4つの作像ユニット101Y、101M、101C、101Kの下方には、複数の支持ローラに掛け回された中間転写ベルト108が配置されている。中間転写ベルト108は、支持ローラの一つが駆動手段によって回転駆動されることにより、矢印A方向に走行駆動される。その中間転写ベルト108を挟んで各作像ユニットの感光体ドラム102に対向するように、一次転写手段としての転写ローラ106が配置されている。
【0010】
各作像ユニット101においては、感光体ドラム102が図中反時計回りに回転駆動され、帯電器103によって感光体表面が所定の極性に均一に帯電される。次いでその帯電面に、露光手段107から出射される光変調されたレーザビームが照射され、これによって感光体ドラム102上に静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像装置104から付与されるトナーによって現像され、トナー像として可視化される。各作像ユニットで形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像は、中間転写ベルト108上に順次重ね合わされて転写される。
【0011】
一方、装置本体の下部には収容トレイ114a及び114bを有する給送部114が設けられており、この給送部114あるいは画像形成装置100に装着される後述するシート給送装置200のいずれかから例えば転写紙などのシートが給送される。給送されたシートは、レジストローラ111に向けて矢印Bの如く搬送される。
【0012】
レジストローラ111に突き当てられて一旦停止されたシートは、中間転写ベルト108上のトナー像とのタイミングを取ってレジストローラ111より送出され、二次転写ローラ109と中間転写ベルト108とが接する二次転写部に送り込まれる。その二次転写ローラ109にトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって中間転写ベルト108上の重ねトナー像(フルカラー画像)がシート上に転写される。トナー像転写後のシートは、搬送ベルト112により定着装置113へ搬送され、定着装置113にて熱と圧力によりトナーがシートに定着される。トナー像定着後のシートは、矢印Cで示すように機外に排出され、排出トレイ上に排出される。
【0013】
なお、片面印刷で裏面排出(フェイスダウン排出)する場合は、シート反転部115を経て矢印Cで示すように機外に排出することで、シートの表裏が逆転される。また、両面印刷の場合は、定着後のシートを両面反転部116を経て再給送路117よりレジストローラ111へと再給送し、シート裏面に中間転写ベルト108よりトナー像が転写される。トナー像転写後のシートは定着装置113で定着が行われ、片面印刷時と同じように定着装置113から矢印Cで示すように、あるいはシート反転部115を経て矢印Cで示すように機外に排出され、排紙トレイ上に排出される。シート搬送方向を切り替えるための切替爪118、119が適宜配置されている。
【0014】
モノクロ印刷の場合は、本例の画像形成装置100では、黒(K)の作像ユニット101Kのみを用いてトナー像を作像し、そのトナー像を中間転写ベルト108を介してシート上に転写する。トナー像定着後のシートの扱いは、フルカラー印刷の場合と同様である。
【0015】
なお、装置本体の上面には、各作像ユニットの現像装置104に供給するトナーを収納した各色トナーボトル121をセットするトナーボトルセット部120が設けられている。また、表示部122及び操作パネル123を有する操作部124も装置本体の上面に設けられている。さらに、装置本体の図において右側の側面には、後述するシート給送装置(
図3参照)からのシート搬入部Dが設けられている。シート搬入部Dにおいては、シートを受け入れる開口125と、シートを搬送する搬送手段126が設けられている。
【0016】
図3は、装置本体の側面に設けられる本実施形態のシート給送装置200の概略説明図である。
図3に示すように、シート給送装置200は、上下2段の収容トレイ10を備える。各収容トレイ10は、シート束Pを積載するシート積載台11を備えている。本実施形態においては、各収容トレイ10は、最大2500枚程度のシートを収納可能となっている。なお、シートとしては、紙、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルム、プリプレグ等を含む。プリプレグは、主に積層板や多層プリント配線板の材料として使用される。例えば、ガラスクロス、紙、不織布、アラミドクロス等の長尺基材にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を主材とする樹脂ワニスを連続的に含浸し、加熱乾燥してから切断することで、シート材に加工したものである。各収容トレイ10の上方には、収容トレイ10に積載されたシートを分離・給送する給送ユニット20がそれぞれ配置されている。この給送ユニット20は、搬送手段である吸着ベルト21及び上方吸引装置23を備えている。
【0017】
下側の収容トレイ10に積載されたシートは、下搬送路82を通って、出口ローラ対80によって、画像形成装置100本体へ搬送される。上側の収容トレイ10に積載されたシートは、上搬送路81を通って、出口ローラ対80によって、画像形成装置100本体へ搬送される。
【0018】
図4は、本実施形態のシート給送装置200の概略側面図である。
図5は、同シート給送装置200の概略正面図である。
図6は、同シート給送装置200の概略斜視図である。
図7は、送風装置及び下方吸引装置の概略斜視図である。
図4に示すように、シート搬送手段としての給送ユニット20の吸着ベルト21は、2本の張架ローラ22a、22bにより張架されており、ベルトのおもて面側から裏面側まで貫通する吸引孔が周方向の全域に設けられている。また、吸着ベルト21の内部には、上方吸引装置23が設けられている。上方吸引装置23は、空気の流路であるエアダクトを通じてエアを吸引する上方吸引ファンに接続されており、上方吸引装置23により下方に負圧を発生させることで、吸着ベルト21の下面にシートを吸着させるように作用する。
【0019】
また、収容トレイ10には、シート束Pの上部に対してエアを吹き付けるエア吹き付け手段としての送風装置24と、シート束Pの上部近傍のエアを吸引するエア吸引手段としての下方吸引装置25を備える。
【0020】
送風装置24は、フロント送風装置26とサイド送風装置27とを有している。フロント送風装置26は、
図4及び
図5に示すように、シート束Pの上部の先端(給送方向下流側端部)に対して空気を送風するものである。このフロント送風装置26には、シート束Pの上部のシートを浮上させる方向にエアを吹き付ける浮上ノズル26a、吸着ベルト21に向けてエアを吹き付けて吸着ベルト21に反射して第1シートとしての最上位のシートとそれ以外のシートを下方に向けるエアを吐出する分離ノズル26bが設けられている。さらに、浮上ノズル26aに連通する浮上エアチェンバー31aと分離ノズル26bとに連通する分離エアチェンバー31bが配置されている。浮上エアチェンバー31aと分離エアチェンバー31bの内部には、浮上エアチェンバー31aと分離エアチェンバー31b内の通気を瞬間的に遮断、開放する浮上/分離シャッター32が設けられている。
【0021】
そして、浮上エアチェンバー31aと分離エアチェンバー31bには空気を送り込む送風ファンがそれぞれ配置されている。また、浮上ノズル26aから図中矢印a1で示す向きに送風される空気をフロント浮上エア、分離ノズル26bから図中矢印a2で示す向きに送風される空気を分離エアと呼ぶ。浮上エア及び分離エアは、シート束Pの上部の先端(給送方向下流側端部)と対向する箇所から吐出され、シート束Pの上部の先端(給送方向下流側端部)に吹き付けられる。
【0022】
また、サイド送風装置27は、
図6に示すように、給送方向と直角方向に相当する幅方向にシートを斜行しない状態に維持されるよう位置決めのための一対のサイドフェンス28に設けられている。シート給送装置200は、2つのサイドフェンス28の両方をシートサイズにあわせて幅方向に移動させるセンター基準である。そして、サイドフェンス28には、シート束Pの上部の幅方向側端部近傍に空気を突き付け、シートの浮上及び捌きを行うためのサイド送風装置27が設けられている。
【0023】
サイド送風装置27には、シート束Pを捌き、浮上させる方向に空気を案内し、かつ、シートの側面における給送方向の前側に対向するよう配置されたサイド浮上ノズル前27aと、シートの側面における給送方向の後ろ側に対向するよう配置されたサイド浮上ノズル後27bとが設けられている。これらのノズルから送風されるエアをサイド浮上エアと呼ぶ。このサイド浮上エアは、各サイドフェンス28のシート束Pの上部と対向する箇所に設けられた吐出口から吐出され、シート束Pの上部の側面に吹き付けられる。フロント送風装置26とサイド送風装置27との各ノズルから吹き付けられた空気により、シート束Pの上部のシートが浮上する。また、収容トレイ10には、
図6に示すように、シート積載台11に積載されたシート束Pの後端を揃えるエンドフェンス29を設けている。
【0024】
下方吸引装置25は、
図4、
図5及び
図7に示すように、シート束Pの上部における先端の近傍の空気を下方に吸引して負圧を発生させ、吸着ベルトから離れる方向へ向かう力を作用させるものである。この下方吸引装置25には、シート束Pの上部における先端の近傍の空気を下方に吸引する下方吸引ノズル25a、その下方吸引ノズル25aと連通する下方吸引エアチェンバー33が配置されている。その下方吸引エアチェンバー3はエアを吸引する吸引手段である下方吸引ファン42を備えている。また、下方吸引エアチェンバー33の内部には、下方吸引エアチェンバー33内の通気の遮断/開放を瞬間的に切り替える開閉機構としての下方吸引シャッター34が設けられている。
【0025】
シート給送装置200は、
図7に示すように、吸着ベルトに対して給送方向の上流側に、最上位シートの上面の高さを検出するためのシート高さ検知手段であるシート上面センサ41を備えている。
【0026】
そして、シート給送装置200では、給送によって枚数が減少する収容トレイ内の最上位シートの上面と吸着ベルトの下面との距離を一定の範囲内とする必要がある。このため、シート上面センサ41によって最上位シートの上面の高さを検出し、このシート上面センサ41の検出信号に基づいて、収容トレイの底板を上下に移動させる昇降機構の駆動源である底板昇降モータの駆動を制御する。これにより、底板の高さを調節し、底板上に載置されたシート束の最上位シートの上面と吸着ベルトの下面との距離が一定の範囲内となるように制御することができる。
【0027】
また、シート上面センサ41で検知しているシート積載台の高さ方向の停止位置の精度を以下の理由で向上させることができる(
図7参照)。つまり、シート積載台を昇降させるときの停止位置の検知をシート上面センサ41とシートの上面で行っており、エアがシート間に入ってシートが浮いていると正確な上面の検知が行えない。そこで、フロント浮上エアと分離エアをシャッターで閉じ、シートを落下させることで、最上位シートの正確な上面高さの検知が可能となる。なお、シート上面センサ41は吸着ベルトに対して給送方向の上流側以外に、給送方向に対し直交する側面側にあってもよく、複数個設けてもよい。
【0028】
図8は、下方吸引装置25のおもて側から見た斜視図である。
図9は、下方吸引装置25の裏側から見た斜視図である。
図10は、下方吸引シャッター34の構成を説明する概略斜視図である。
図8、
図9及び
図10に示すように、下方吸引ノズル25aは下方吸引ファン42により発生された負圧によってシート束の上部における先端の近傍を負圧にするよう当該近傍の空気を下方に吸引する。この下方吸引ノズル25aは、浮上ノズル26aと分離ノズル26bの間に2個配置している。また、下方吸引ノズル25aは、高さ方向で最上位のシート以降に給送するシートの先端にあたってそのシートの給送を規制するよう配置され、2枚目のシート(他のシート)の先端を押さえて1枚目のシート(最上位シート)との重送を抑制する塞ぎ止板としての機能も併せ持っている。2枚目のシートが1枚目のシートと連れ送りそうとなった場合でも、下方吸引ノズル25aの先端が2枚目のシートの先端にあたり重送を抑制することができる。
【0029】
さらに、下方吸引ノズル25aの先端は、高さ方向で最上位のシートに近い位置を吸引するよう配置されている。これにより、最上位シートに近いほうを吸引すると分離効果が高まるので、吸着ベルトとの隙間を比較的小さくしたほうが有効であるが、最上位シートが通る隙間も必要になるため、吸着ベルトとの隙間は1~3[mm]程度が好ましい。その隙間は、調整手段としての取り付けネジで下方吸引ノズル25aの高さで調整する。また、下方吸引ノズル25aの先端は、側面と上面がシートに接触するため摩耗が発生して劣化するおそれがある。そこで、下方吸引ノズル25aの先端における側面や上面には金属メッキ等の摩耗低減の表面処理を施すことで劣化を抑え、製品の寿命を延ばすことができる。
【0030】
下方吸引ノズル25aによる吸引においては、下方吸引シャッター34はソレノイド36の引張シャフトが
図10中矢印b1で示す方向に往復移動することで開放と遮断を切り替える。下方吸引シャッター34は、引張シャフト35を介してソレノイド36と接続しており、後述する制御部60により制御されるソレノイド36のOFF/ONによって、下方吸引エアチェンバー33内の吸引エアの遮断/開放が切り替えられる。詳しくは、下方吸引シャッター34は、ソレノイドが無通電状態でソレノイド吸引力は作用していない状態、すなわちOFF状態では、下方吸引シャッター34がスプリング37で引っ張られている状態となる。その結果、エア吸引方向に対し水平に下方吸引シャッター34が配置されている遮断状態となる。
【0031】
一方、ソレノイド36が通電状態でソレノイド吸引力は作用して完全に吸引した状態、すなわち、ON状態では、下方吸引シャッター34がソレノイド側へスライドして下方吸引ファン42による下方吸引エアが下方吸引エアチェンバー内での通気を開く開放状態となる。この状態で下方吸引ファン42を駆動させることで、下方吸引ノズル25aから
図9中矢印a3で示す向きに下方吸引エアが流れ、
図9中矢印a4で示す方向に排出する。
【0032】
次に、本実施形態の給送制御について説明する。
図11は、本実施形態のシート給送装置200における制御系の要部構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、シート給送装置200の制御手段としての制御部60には、吸着ベルトにシートを吸着するための負圧を発生するベルト吸着ファン61、フロント送風装置及びサイド送風装置のそれぞれに向けて空気を送風する送風ファン62、サイド浮上エア用シャッターを動作させるソレノイド63、フロント浮上エア用シャッターを動作させるソレノイド64、分離エア用シャッターを動作させるソレノイド65、上方吸引シャッターを動作させるソレノイド66、下方吸引シャッターを動作させるソレノイド36、シート束Pの上部近傍の空気を吸引する下方吸引装置の下方吸引ファン42や吸着ベルト21が接続されている。
【0033】
次に、シート給送装置によってシートを1枚ずつ給送する場合の動作について説明する。
図12は、本実施形態のシート給送装置200における給送動作の一例を示すフローチャートである。
画像形成装置の操作部などにより、シート給送装置200の収容トレイ10にセットされたシートを用いた画像形成指示を画像形成装置の上位コントローラが受ける(
図4参照)。すると、シート給送装置200の制御部60に給送指示や、収容トレイのシート積載台に積載されたシートの種類などの情報が、上位コントローラから送信される(
図11参照)。制御部60は、給送指示を受信したら、吸着ベルトを停止した状態で、サイド浮上エア、フロント浮上エア、分離エア、上方吸引エアや下方吸引エアの各シャッターが初期状態であるか確認し、初期状態でないシャッターがあれば、初期状態にする(S1)。サイド浮上エア、フロント浮上エア、分離エア、上方吸引エアの各シャッターの初期状態は「開放(開状態)」であり、一方、下方吸引エアの初期状態は、「閉鎖(閉状態)」である。後述するように、各シャッターを初期状態にしてから、給送動作を終了するので、通常、給送動作開始時は、各シャッターは、初期状態となっている。
【0034】
次に制御部60は、サイド浮上エア、フロント浮上エアや分離エアの各送風ファン、上方吸引エアのベルト吸着ファンや下方吸引エアの下方吸引ファンを動作させる。そして、5秒間の予備サバキ動作を実行する(S2)。本実施形態では、予備サバキ動作は、5秒であるが、これに限られず、装置の構成により適宜設定すればよい。
【0035】
この予備サバキ動作時は、サイド浮上エア、フロント浮上エアの各シャッターが開放されている。よって、シート束Pの上部の両側や先端側にサイド浮上エアやフロント浮上エアが吹き付けられ、シート束Pの上部のうち、最上位シートの1枚目シート、2枚目シート以降の数枚が浮上する。また、予備サバキ動作では、分離エアのシャッターも開放されているため、分離エアにより1枚目シートと2枚目シート以降のシートとが分離される。さらに、予備サバキ動作では、上方吸引エアのシャッターも開放されているので、浮上した一枚目シートが、吸着ベルトに吸着される。
【0036】
予備サバキ動作が終了したら(各ファンの動作を開始して5秒経過したら)、吸着ベルトを回転させて1枚目のシートを給送する。このとき、第2シートとしての2枚目のシートが過剰に浮上したり挙動を乱したりして1枚目のシートに接触すると、1枚目シートとともにシート束から搬送されるおそれがある。そこで、本実施形態では、予備サバキ動作が完了したら、フロント浮上エアと分離エアのシャッターを閉鎖し、浮上している2枚目のシートを落下させて1枚目のシートに接触しないようにして重送を抑制する(S3)。さらに、下方吸引エアのシャッターを開放して下方吸引を開始する(S4)。予備サバキ動作が完了するまでは、下方吸引エアのシャッターを閉じている。これにより、予備サバキ動作において、下方吸引エアによって妨げられることなく1枚目シートを吸着ベルトに良好に吸着させることができる。以上により、2枚目シートの重送が抑制され、かつ、予備サバキ動作において、1枚目シートの浮上や吸着ベルトへの吸着を下方吸引エアによって妨げられることなく良好に一枚目シートを吸着ベルトへ吸着させることができる。そして、給送モータの駆動を開始し、1枚目のシートが吸着した吸着ベルトを回転させることで給送を開始する(S5)。
【0037】
給送開始から所定時間が経過したら(一枚目シートの先端が、吸着ベルト下流の所定の次工程(例えば、搬送ローラ対)へ給送されたら)、上方吸引エアのシャッターを閉鎖し、吸着ベルトに吸着している一枚目シート離す(SS6)。また、給送モータの駆動を止めて吸着ベルトを停止させる(S7)。
【0038】
次に、制御部は、給送するシートがあるか否かを判断する(S8)。給送するシートがある場合(S8のYES)、フロント浮上エアのシャッターを開放して、シート束Pの上部の先端側へのフロント浮上エアの吹き付けを再開するとともに、分離エアのシャッターを開放して、分離エアの吹き付けを再開する(S9)。
【0039】
次に、制御部は、下方吸引エアのシャッターを閉鎖して、下方吸引エアによる次に給送される2枚目シートの浮上の妨げを防止する。次に、上方吸引ファンのシャッターを開放して吸着ベルトへのシート吸着を再開する(S11)。これにより、2枚目シートを、良好に吸着ベルトに吸着させることができる。そして、S3~S8の処理を行い、シートの給送を行なう。
【0040】
S8において、給送するシートが設定枚数に達するまで、S3~S11を繰り返し、給送するシートが設定枚数に達し、次の給送がない場合は(S8のNO)、各シャッターを初期状態(S12)にした後、各ファンの動作を停止して給送動作を終了する。
【0041】
なお、以上の給送動作において、S3においてフロント浮上エアのシャッターと分離エアのシャッターを閉じるのにあわせて、S4において閉じている下方吸引エアのシャッターを開放している。それにより、下方吸引エアにより1枚目シートの前方からエアを吸引して負圧が発生する。その結果、2枚目シートの落下速度を加速させて重送を抑制できる。また、2枚目シートの給送動作として、フロント浮上エアと分離エアを再度吹き付けしてその2枚目シートを浮上させて吸着ベルトで吸着を行うが、生産性を上げるため、予備サバキ動作とは異なり上方吸引エアのシャッター開放後、直ぐに(5秒待たずに)S3以降の動作を実行する。このときに下方吸引エアのシャッターを開放していると、2枚目の再浮上動作に時間がかかり吸着ベルトに良好に吸着されていないまま給送されるおそれがあり、不良給送になるおそれがある。そこで、S10において下方吸引シャッターを閉じて下方吸引エアを停止することで、2枚目シートの再浮上速度を加速させて2枚目シートをすばやく吸着ベルトに良好に吸着させることできる。これにより、上方吸引エアのシャッター開放後、直ぐに(5秒待たずに)S3以降の動作を実行しても、良好に2枚目以降のシートを吸着ベルトに吸着させることができ、2枚目シート以降の給送不良を抑制できる。
【0042】
また、2枚目シートの再浮上動作でフロント浮上エアのシャッターや分離エアのシャッターを開放した直後は、2枚目シートが跳ね上がって搬送中の1枚目シートに接触して連れ送り重送の発生の原因となる。そこで、本実施形態では、S9、S10に示すように、フロント浮上エアのシャッターを開放してから例えば50[ms]~150[ms]経過後に下方吸引エアのシャッターを閉じている。これにより、跳ねあがろうとする2枚目シートを下方吸引エアにより下方へ吸引することができ、その2枚目シートが搬送中の1枚目シートに接触するのを抑制できる。よって、連れ送り重送を抑制することができる。
【0043】
このように、シートを吸着ベルトに吸着させるときは下方吸引エアのシャッターを閉じてそのシートへの吸引力の作用を停止させることで、シートの浮上を良好に行うことができる。したがって、シートの給送不良の発生を抑制することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、切替手段として、ソレノイドを無通電状態又は通電状態に切り替えることでシャッターをスライドさせ、エアの遮断または開放を切り替える機構を例として説明したがこれに限定するものではない。例えばバタフライバルブと呼ばれ、円筒状の通気路の中に通気路内径と等しい径をもつ円板状の弁体を設け、それを直径軸のまわりに軸回転させて通気路内の遮断又は開放を切り替える機構のものでもよい。あるいは、可撓性樹脂等で通気路を形成し、その通気路を外部より押圧して通気路を押し潰すことで通気路内の通気を遮断したり、その押圧を解除して通気路内の通気を開放したりする構成のものでもよい。給送手段として、負圧によりシートを給送ベルトに吸着させる構成を用いたがこれに限定するものではなく、静電気を利用してシートを給送ベルトに静電吸着させる構成のものでもよい。
【0045】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
シート積載台11上に積載されているシート束Pに送風装置24等のエア吹き付け手段によりエアを吹き付けて最上位シートをシート束から離間させて給送ユニット20等の給送手段によって給送するシート給送装置200において、前記最上位シート近傍のシートに対して前記給送手段から離れる方向へ向かう力が作用するようにエアを吸引する下方吸引装置25等のエア吸引手段を備え、該エア吸引手段は、空気を吸引する下方吸引ノズル25a等の吸引ノズルと、負圧を発生する下方吸引ファン42等の吸引ファンと、前記吸引ノズルと前記吸引ファンとの間を通気させる下方吸引エアチェンバー33等の吸引ダクトとを有し、前記吸引ダクト内の通気の遮断と開放を行う下方吸引シャッター34等の開閉機構を備えることを特徴とする。
上述した特許文献1では、エア吸引が不必要なときにエア吸引を遮断することができない。その結果、例えば、以下のような問題が生じるおそれがあった。すなわち、吸引ノズルのエア吸引によって、エアの吹き付けにより最上位シートをシート束から浮上させる際の吹き付けエアの作用も阻害されてしまう。その結果、最上位シートが吸引ベルトに吸着されるまでに時間がかかってシートの給送遅れが生じたり、最上位シートが吸引ベルトに吸着されずにシートの不給送が生じたりするという問題が生じるおそれである。
本態様においては、開閉機構によって吸引ダクト内の通気を遮断することが可能となる。これにより、エア吸引が不必要なときにエア吸引を遮断することができる。よって、例えばエア吹き付け手段によりエアを吹き付けるエア吹き付け期間内に、エア吸引手段によるエア吸引動作が停止するエア吸引停止期間が設けられる。このエア吸引停止期間では、最上位シートをシート束から離間させる吹き付けエアの作用が阻害されない。したがって、エア吸引動作によって阻害されることなく、最上位シートをシート束から離間させることができ、エア吸引動作によるシートの給送遅れやシートの不給送を抑制することができる。
【0046】
(態様B)
(態様A)において、前記開閉機構による前記吸引ダクト内の遮断と開放を切り替える制御を行う制御部60等の制御手段を備え、該制御手段は、前記エア吹き付け手段によるエアを吹き付けているとき、前記吸引ダクト内の通気を遮断する期間を設けるよう前記開閉機構を制御し、前記エア吹き付け手段によるエアの吹き付けを停止しているとき、前記吸引ダクト内の通気を開放する期間を設けるよう前記開閉機構を制御することを特徴とする。
本態様によれば、エア吸引が停止される期間では、最上位シートをシート束から離間させる吹き付けエアの作用が阻害されない。エア吸引を行う期間では、吸引ベルトに吸着する最上位シートから他のシートを分離させ、重送を抑制できる。したがって、エア吸引動作によって阻害されることなく、最上位シートをシート束から離間させることができ、エア吸引動作によるシートの給送遅れやシートの不給送を抑制することができる。
【0047】
(態様C)
(態様B)において、前記制御手段は、前記エア吹き付け手段によるエアの吹き付けを停止してから所定時間経過後に、前記吸引ダクト内の通気を開放するよう前記開閉機構を制御することを特徴とする。
本態様によれば、給送手段から離れる方向へ向かう力の作用の停止を所定時間遅らせることで、過剰に浮上したシートを給送手段から離れる方向へ向かう力の作用によりシート積載台側へ吸引してシートが過剰に浮上するのを確実に抑制し、給送不良の発生を抑制することができる。
【0048】
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)において、前記吸引ノズルは、前記吸引ノズルの先端が高さ方向で最上位シート以降に給送する前記シートの先端に当たり、当該シートの給送を規制するよう配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、シートが吸引ノズルの先端に引っ掛かって給送不良が生じる不具合を軽減することができる。
【0049】
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)において、前記吸引ノズルの先端は、前記吸引ノズルが高さ方向で最上位の前記シートに近い位置を吸引するよう配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、吸引ノズルで最上位シートに近い部分を吸引することで他のシートとの分離の効果が高まる。また、最上位シートに接近した他のシートを早く吸引してそのシートから早く離すことで、重送を短時間に抑制でき、1枚ずつの給送を高速に行うことができる。
【0050】
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記吸引ノズルの高さ方向の位置を調整する調整手段を備えることを特徴とする。
本態様によれば、吸引位置を調整することが可能となり、吸引位置を調整して装置のバラツキを軽減する。
【0051】
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、少なくとも前記吸引ノズルに前記シートがあたる部分には、摩耗低減の表面処理を施すことを特徴とする。
本態様によれば、吸引ノズルの劣化を抑え、装置の寿命を延ばすことができる。
【0052】
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、前記シート束の最上位の位置を検知するシート上面センサ41等のシート面センサを前記吸引ノズル近傍に配置することを特徴とする。
本態様によれば、シート積載台を昇降させるときの停止位置の検知をシート面センサとシートの上面で行っていると、エアがシート間に入ってシートが浮いていると正確な上面の検知が行えない。そこで、吸引ノズルによる吸引力の作用により、シート束の最上位シートをシート束側に落下させることでシート束の最上位シートの上面高さの検知を正確に行うことができる。
【0053】
(態様I)
シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段へ向けてシートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置100において、上記給送手段として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかのシート給送装置を用いたことを特徴とする。
本態様によれば、給送不良の発生を抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【0054】
(態様J)
少なくともシートに画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置100と、画像形成装置へ向けてシートを給送するシート給送装置200とを備えた画像形成システム1において、上記シート給送装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかのシート給送装置を用いたことを特徴とする。
本態様によれば、給送不良の発生を抑制することができる画像形成システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 :画像形成システム
10 :収容トレイ
11 :シート積載台
20 :給送ユニット
21 :吸着ベルト
22a :張架ローラ
22b :張架ローラ
23 :上方吸引装置
24 :送風装置
25 :下方吸引装置
25a :下方吸引ノズル
26 :フロント送風装置
26a :浮上ノズル
26b :分離ノズル
27 :サイド送風装置
27a :サイド浮上ノズル前
27b :サイド浮上ノズル後
28 :サイドフェンス
29 :エンドフェンス
31a :浮上エアチェンバー
31b :分離エアチェンバー
32 :浮上/分離シャッター
33 :下方吸引エアチェンバー
34 :下方吸引シャッター
35 :引張シャフト
36 :ソレノイド
37 :スプリング
41 :シート上面センサ
42 :下方吸引ファン
60 :制御部
61 :ベルト吸着ファン
62 :送風ファン
63 :ソレノイド
64 :ソレノイド
65 :ソレノイド
80 :出口ローラ対
81 :上搬送路
82 :下搬送路
100 :画像形成装置
101 :作像ユニット
101C :作像ユニット
101K :作像ユニット
101M :作像ユニット
101Y :作像ユニット
102 :感光体ドラム
103 :帯電器
104 :現像装置
105 :クリーニング装置
106 :転写ローラ
107 :露光手段
108 :中間転写ベルト
109 :二次転写ローラ
111 :レジストローラ
112 :搬送ベルト
113 :定着装置
114 :給送部
114a :収容トレイ
115 :シート反転部
116 :両面反転部
117 :再給送路
118 :切替爪
119 :切替爪
120 :トナーボトルセット部
121 :色トナーボトル
122 :表示部
123 :操作パネル
124 :操作部
125 :開口
126 :搬送手段
200 :シート給送装置
P :シート束
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】