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特許7155817搬送装置、画像形成装置、及び、画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】搬送装置、画像形成装置、及び、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/60 20060101AFI20221012BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20221012BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B65H29/60 C
B65H31/00 Z
G03G15/00 463
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018182512
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020050488
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 勇斗
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-231430(JP,A)
【文献】特開2009-069796(JP,A)
【文献】特開2007-062865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/54 - 29/70
31/00 - 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが積載され収納される収納部と、
前記収納部に積載された複数枚のシートの積載高さを直接的又は間接的に検知する高さ検知手段と、
前記収納部に向けてシートを搬送する第1搬送経路と、
前記収納部の上流部を基準にして前記第1搬送経路に対してシートの厚み方向に離れた方向に離れた位置に配置されて、前記収納部に向けてシートを搬送する第2搬送経路と、
前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを切替える切替手段と、
前記高さ検知手段によって検知される積載高さが所定値に達するまではシートが前記第1搬送経路を介して前記収納部に搬送されるように前記切替手段を制御して、前記高さ検知手段によって検知される積載高さが前記所定値に達してからはシートが前記第2搬送経路を介して前記収納部に搬送されるように前記切替手段を制御する制御部と、
を備え、
前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とは、それぞれ、略垂直方向の上方から下方に向けてシートを搬送するように構成され、
前記収納部は、前記第1搬送経路からシートが排出される位置に対して前記第2搬送経路から離れる方向の位置を上方の起点として、下方に向けて前記第2搬送経路の垂直方向下方の位置を越える位置まで湾曲するガイド部を具備したことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記ガイド部の終点に略垂直方向の上方に向けて起立する壁部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1搬送経路は、画像形成装置本体の画像形成部を通過して画像が形成されたシートを反転して前記画像形成装置本体の外部に排出する反転排出経路の一部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第2搬送経路は、画像形成装置本体の画像形成部を通過して画像が形成されたシートを反転して前記画像形成部に向けて搬送する両面搬送経路の一部であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
前記高さ検知手段は、前記第1搬送経路から前記収納部に搬送されたシートの枚数を検知する枚数検知手段と、前記第1搬送経路から前記収納部に搬送されたシートの厚さを検知する厚さ検知手段と、のそれぞれの検知結果に基づいて積載高さが前記所定値に達した状態を検知することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記収納部に収納されたシートの有無を検知するシート検知手段を備え、
前記シート検知手段によって前記収納部にシートが収納された状態から収納されていない状態への変化が検知されたときに、前記枚数検知手段によって検知されたシートの枚数をリセットすることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記高さ検知手段によって検知される積載高さが前記所定値を超えて所定の閾値に達したときに、前記第2搬送経路から前記収納部への搬送を停止することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
前記高さ検知手段は、前記第2搬送経路から前記収納部に搬送されたシートの枚数を検知する第2枚数検知手段と、前記第2搬送経路から前記収納部に搬送されたシートの厚さを検知する厚さ検知手段と、のそれぞれの検知結果に基づいて積載高さが前記所定の閾値に達した状態を検知することを特徴とする請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記収納部に収納されたシートの有無を検知するシート検知手段を備え、
前記シート検知手段によって前記収納部にシートが収納された状態から収納されていない状態への変化が検知されたときに、前記第2枚数検知手段によって検知されたシートの枚数をリセットすることを特徴とする請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記収納部は、画像形成装置本体に滞留したシートが収納されて、当該収納部に収納されたシートを前記画像形成装置本体の外部に取り出し可能に構成され、
前記切替手段は、前記第1搬送経路の上流部と前記第2搬送経路の上流部とに繋がる上流側搬送経路の下流部に配置された切替爪であることを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれかに記載の搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置と、前記画像形成装置から排出されたシートに後処理を施す後処理装置と、を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シートを搬送する搬送装置と、それを備えた画像形成装置と、画像形成システムと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、紙詰まりなどによって滞留するシート(用紙)を収納部(パージ部)に搬送して積載する搬送装置(用紙搬送装置)を設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における搬送装置は、パージ部(収納部)に搬送した用紙がパージ部に収まりきらないと判断された場合に、それらの用紙の一部をパージ部に接続された別の用紙保持部(収納部)に排出する。そして、パージ部や用紙保持部に排出された用紙が、ユーザーによって画像形成装置から取り除かれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の搬送装置は、シートが積載されて収納される収納部が複数設けられているため、比較的大量のシートを収納することができるものの、装置が大型化、高コスト化してしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、装置が大型化、高コスト化することなく、大量のシートを積載して収納することができる、搬送装置、画像形成装置、及び、画像形成システム、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における搬送装置は、複数枚のシートが積載され収納される収納部と、前記収納部に積載された複数枚のシートの積載高さを直接的又は間接的に検知する高さ検知手段と、前記収納部に向けてシートを搬送する第1搬送経路と、前記収納部の上流部を基準にして前記第1搬送経路に対してシートの厚み方向に離れた方向に離れた位置に配置されて、前記収納部に向けてシートを搬送する第2搬送経路と、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とを切替える切替手段と、前記高さ検知手段によって検知される積載高さが所定値に達するまではシートが前記第1搬送経路を介して前記収納部に搬送されるように前記切替手段を制御して、前記高さ検知手段によって検知される積載高さが前記所定値に達してからはシートが前記第2搬送経路を介して前記収納部に搬送されるように前記切替手段を制御する制御部と、を備え、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路とは、それぞれ、略垂直方向の上方から下方に向けてシートを搬送するように構成され、前記収納部は、前記第1搬送経路からシートが排出される位置に対して前記第2搬送経路から離れる方向の位置を上方の起点として、下方に向けて前記第2搬送経路の垂直方向下方の位置を越える位置まで湾曲するガイド部を具備したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置が大型化、高コスト化することなく、大量のシートを積載して収納することができる、搬送装置、画像形成装置、及び、画像形成システム、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成システムを示す全体構成図である。
図2】搬送装置を示す構成図である。
図3】搬送装置の動作を示す図である。
図4】搬送装置の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成システム100における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態において、画像形成装置1は、後処理装置50が着脱可能に設置されていて、後処理装置50とともに1つの画像形成システム100を構成している。
また、画像形成システム100における画像形成装置1には、画像形成システム100内においてジャム(紙詰り)などにより滞留(搬送停止)したシートPを収納部30(パージ部)に向けて搬送して、滞留したシートPを装置内の搬送経路から一掃(パージ処理)するための搬送装置20が設置されている。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置1の中央上方には、中間転写ベルト8が設置されている。また、中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した感光体ドラム2Y、2M、2C、2K(作像部)が並設されている。さらに、中間転写ベルト8は、その下方で2次転写ローラ15(2次転写ベルト16)に圧接して、画像形成部としての2次転写ニップを形成している。
【0012】
図1に示すように、ブラックに対応した感光体ドラム2Kの周囲には、帯電部3、現像部4、クリーニング部5、除電部などが配置されている。そして、感光体ドラム2K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム2Kの表面にブラック画像が形成されることになる。
【0013】
なお、他の3つの感光体ドラム2Y、2M、2Cの周囲もほぼ同じように構成されていて、それぞれのトナー色に対応した画像が感光体ドラム2Y、2M、2Cの表面に形成される。以下、他の3つの感光体ドラム2Y、2M、2C上の作像プロセスの説明を適宜に省略して、ブラックに対応した作像プロセスのみの説明をおこなうことにする。
【0014】
感光体ドラム2Kは、メインモータによって図1の反時計方向に回転駆動される。そして、帯電部3の位置で、感光体ドラム2Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム2Kの表面は、露光部7から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での幅方向(図1の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってブラックに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
その後、感光体ドラム2Kの表面は、現像部4との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム2Kの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ6の対向位置に達して、この位置で感光体ドラム2Kの表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム2K上には、僅かながら未転写トナーが残留する。
【0016】
その後、感光体ドラム2Kの表面は、クリーニング部5との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム2K上に残留した未転写トナーがクリーニングブレードによってクリーニング部5内に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム2Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム2K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム2K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
なお、上述した作像プロセスは、他の感光体ドラム2Y、2M、2Cの表面でも、ブラックの感光体ドラム2Kと同様におこなわれる。
そして、それぞれの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写されることになる。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0018】
その後、各色のトナー像が重ねて1次転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ15(2次転写ベルト16)との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ9が、2次転写ローラ15との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト16とを挟み込んで2次転写ニップ(画像形成部)を形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に2次転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残留する。
【0019】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に付着した未転写トナーなどの付着物が除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0020】
ここで、図1を参照して、2次転写ニップ(画像形成部)の位置に搬送されるシートPは、画像形成装置1の下方に配設された給紙部10から、給紙ローラ11やレジストローラ12等が配置された搬送経路K1を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部10には、用紙などのシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ11が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが搬送経路K1を経由してレジストローラ12のローラ間に向けて給送される。
【0021】
レジストローラ12に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ12のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ12が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップ(画像形成部)に向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0022】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、2次転写ベルト16によって搬送されて、2次転写ベルト16から分離された後に、搬送ベルト18によって定着部19の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、排出搬送経路K2を経由して、排紙ローラ25によって画像形成装置1の外部へと排出される。
さらに、画像形成装置1から排出されたシートPは、後処理装置50の内部に搬送されて、後処理装置50内でパンチ処理、綴じ処理などの後処理が施される。そして、後処理が施されたシートP(シート束PT)は、排出トレイ59に排出される。なお、後処理装置50の構成・動作については後で詳しく説明する。
こうして、画像形成装置1における、一連の画像形成プロセス(画像形成動作)が完了する。
【0023】
なお、図1に加えて図2をも参照して、シートPの両面(オモテ面とウラ面とである。)へのプリントをおこなう「両面プリントモード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了したシートPは、第1、第2切替爪35、36の動作により、上述した「片面プリントモード」が選択されているときのようにそのまま画像形成装置1から排出されることなく、垂直搬送経路K3に導かれる。そして、垂直搬送経路K3に導かれたシートPは、第3、第4切替爪37、38の動作により、第2搬送経路K5に導かれる。そして、第2搬送経路K5に導かれたシートPは、その搬送方向が第2反転ローラ27の正回転から逆回転の駆動切替によって反転された後に、第3、第4切替爪37、38の動作により、水平搬送経路K6に導かれる。そして、水平搬送経路K6に導かれたシートPは、再び2次転写ニップ(画像形成部)の位置に向けて搬送される。そして、2次転写ニップの位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセス(画像形成動作)によってシートPのウラ面への画像形成がおこなわれ、その後に定着部19での定着工程を経て、排出搬送経路K2を経由して、画像形成装置1から排出される。
すなわち、「両面プリントモード」が選択されている場合には、垂直搬送経路K3、第2搬送経路K5、水平搬送経路K6が両面搬送経路として機能することになる。
【0024】
さらに、シートPのオモテ面とウラ面とを反転させて排出をおこなう「反転排出モード」が選択されている場合には、オモテ面(又は、両面)への定着工程が終了したシートPは、第1、第2切替爪35、36の動作により、そのまま画像形成装置1から排出されることなく、垂直搬送経路K3に導かれる。そして、垂直搬送経路K3に導かれたシートPは、その先端部側が第3、第4切替爪37、38の動作により、第1搬送経路K4に導かれる。そして、第1搬送経路K4に導かれたシートPは、その搬送方向が第1反転ローラ26の正回転から逆回転の駆動切替によって反転された後に、第2切替爪36の動作により、垂直搬送経路K3を経由して排出搬送経路K2に導かれる。そして、反転した状態のシートPが排出搬送経路K2を経由して、画像形成装置1から排出される。
すなわち、「反転排出モード」が選択されている場合には、垂直搬送経路K3、第1搬送経路K4、排出搬送経路K2が反転排出経路として機能することになる。
なお、「片面プリントモード」、「両面プリントモード」、「反転排出モード」は、ユーザーによる操作表示パネル95(画像形成装置1の外装部に設置されている。)の操作によって選択される。
【0025】
以下、後処理装置50について詳述する。
まず、画像形成装置1から排出されたシートPは、入口ローラ51によって後処理装置50の内部に送入(搬送)される。
そして、操作表示パネル95にユーザーによって予め「通常処理モード」が選択されている場合には、切替爪57による搬送経路の切り替えによって、シートPは直線搬送経路K11を経由して排出ローラ58によって排出トレイ59上にそのまま排紙される。
その際、ユーザーによって操作表示パネル95に予め「パンチ処理」が付加的に選択されている場合には、シートPがパンチ処理部70を通過するときに、パンチ処理部70によってシートPにパンチ処理が施される。
また、ユーザーによって操作表示パネル95に予め「ソート処理」が付加的に選択されている場合には、シートPが排出ローラ58によって排出トレイ59上に排出されるときに、ソート処理部として機能する排出ローラ58が、シートPを仕分けるタイミングに合わせて幅方向に移動して、排出トレイ59に排出されるシートPにソート処理が施される。
【0026】
これに対して、画像形成装置1の操作表示パネル95にユーザーによって予め「綴じ処理モード」が選択されている場合には、切替爪57による搬送経路の切り替えによって、シートPは綴じ処理用搬送経路K12を経由して積載部61に向けて搬送される。そして、シート揃え部60によって、積載部61に積載されたシートP(シート束PT)に対して、搬送方向と幅方向との揃え処理が施される。
【0027】
詳しくは、積載部61の載置面上にシートP(シート束PT)が載置されると、そのたびに、その上方に配置された叩きローラ56が回転軸を中心にして退避位置から最上方のシートPに当接する位置に回動して、叩きローラ56が図1の反時計方向に回転駆動されることで、そのシートPがエンドフェンス62に向けて搬送(移動)される。これにより、複数枚のシートP(シート束PT)の後端がエンドフェンス62に突き当たって、複数枚のシートP(シート束PT)の搬送方向の位置が揃えられることになる。
また、本実施の形態では、積載部61の載置面上にシートP(シート束PT)が載置されると、そのたびに、搬送ベルト65のベルト面に保持されたストッパ部64が、搬送ベルト65の図1の時計方向の走行によって、シートPの先端を押動するように移動して、そのシートPがエンドフェンス62に向けて搬送(移動)される。これにより、複数枚のシートP(シート束PT)の後端がエンドフェンス62に突き当たって、複数枚のシートP(シート束PT)の搬送方向の位置が揃えられることになる。
また、このようにシート束PTに対して搬送方向の揃え処理がおこなわれるとき、積載部61の幅方向両端部に設置されたサイドフェンス(ジョガーフェンス)が、積載部61上にシートPが載置されるたびに(又は、所望の枚数のシートPが積載された後に)、シートP(シート束PT)を挟み込むように幅方向(搬送方向に直交する方向であって、図1の紙面垂直方向である。)に移動して、シートP(シート束PT)の幅方向の位置が揃えられることになる。
【0028】
そして、シート揃え装置60によって搬送方向と幅方向とがそれぞれ揃えられたシートP(シート束PT)の後端に対して、ステープラ80によって綴じ処理が施されることになる。
その後、綴じ処理が施されたシートP(シート束PT)は、放出爪としても機能するストッパ部64の排紙方向の移動によって載置面の傾斜に沿って斜め上方に移動して、排出搬送経路K13を通過した後に、排出ローラ58による搬送によって排出トレイ59に排紙される。
なお、綴じ処理モード時においても、ユーザーによって操作表示パネル95に予め「パンチ処理」が付加的に選択されている場合には、シートPがパンチ処理部70を通過するときに、パンチ処理部70によってシートPにパンチ処理が施される。
【0029】
以下、本実施の形態における画像形成装置1(画像形成システム100)において特徴的な、搬送装置20について詳述する。
本実施の形態における画像形成装置1には、給紙部10に隣り合う位置に、画像形成システム100内においてジャム(紙詰り)などにより滞留したシートPを収納部30(パージ部)に向けて搬送するための搬送装置20が設置されている。画像形成装置1の排紙ローラ25の近傍に設置されたジャム検知センサ41や、後処理装置50の入口ローラ51の近傍に設置されたジャム検知センサ54、など、画像形成システム100における搬送経路中の複数箇所に配置したジャム検知センサによってシートPがジャム(紙詰り)した状態が光学的に検知されると、搬送経路中に滞留したすべてのシートPのうち、収納部30までの搬送経路が確保できるシートPがすべて搬送ローラの駆動により収納部30に向けて搬送されることになる。
なお、このような制御モードを、以下、適宜に「パージ処理」と呼ぶ。
【0030】
図1図2等を参照して、搬送装置20は、収納部30(パージ部)、第1搬送経路K4、第2搬送経路K5、切替手段としての切替爪38、高さ検知手段(第1、第2フォトセンサ42、43、操作表示パネル95)、制御部90、などで構成されている。
【0031】
収納部30は、複数枚のシートP(シート束PT)が積載され収納される部分である。詳しくは、収納部30は、画像形成装置本体1に滞留したシートPが収納されて、その収納されたシートP(シート束PT)を画像形成装置本体1の外部に取り出し可能に構成されている。
さらに具体的に、図2を参照して、収納部30には、搬送されたシートPを案内して積載する湾曲した収納ガイド部49(湾曲ガイド板)、収納部30にシートPがあるか否かを検知する第3フォトセンサ44(シート検知手段)、収納ガイド部49上に積載されたシート束PTを揃えるためのストッパ部31(壁部)、などで構成されている。
収納部30に収納されたシートP(シート束PT)は、適宜、ユーザーによって画像形成装置本体1から取り除かれる。詳しくは、収納部30の外装部としても機能する開閉ドア32が開放されて、収納部30が露呈された状態で、収納ガイド部49上に積載された不要なシート束PTが取り出されて、ユーザーによって処分されることになる。
【0032】
ここで、本実施の形態では、収納部30に向けてシートP(滞留して不要なシートPである。)を搬送する2つの搬送経路(第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とである。)が設けられていて、所定のタイミングで、2つの搬送経路のうちの1つが選択され、切替手段によって切替えられるように構成されている。
第1搬送経路K4は、先に図1等を用いて説明したように、画像形成装置本体1の画像形成部(2次転写ニップ)を通過して画像が形成されたシートPを反転して画像形成装置本体1の外部に排出する反転排出経路の一部としても機能する搬送経路である。
また、第2搬送経路K5は、先に図1等を用いて説明したように、画像形成装置本体1の画像形成部(2次転写ニップ)を通過して画像が形成されたシートPを反転して画像形成部(2次転写ニップ)に向けて搬送する両面搬送経路の一部でとしても機能する搬送経路である。
【0033】
ここで、第2搬送経路K5は、収納部30の上流部(図2において一点鎖線で囲んだ領域の上部である。)を基準にして第1搬送経路K4に対してシートPの厚み方向(図2の右方)に離れた位置に配置されている。換言すると、第2搬送経路K5は、収納部30の上流部を基準にして第1搬送経路K4に対して積載高さが高くなる方向に離れた位置に配置されている。
特に、本実施の形態において、第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とは、それぞれ、略垂直方向の上方から下方に向けてシートPを搬送するように構成されている。詳しくは、図2に示すように、第1搬送経路K4は、略垂直方向に延びるガイド板47(対向ガイド板)によって、その搬送経路が形成されている。同様に、第2搬送経路K5も、略垂直方向に延びるガイド板48(対向ガイド板)によって、その搬送経路が形成されている。そして、第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とは、水平方向に並設されている。
【0034】
また、収納部30に設置された収納ガイド部49は、図2に示すように、第1搬送経路K4からシートPが排出される位置(ガイド板47の下端である。)に対して第2搬送経路K5から離れる方向の位置を上方の起点(図2において破線で囲んだ部分である。)として、下方に向けて第2搬送経路K5の垂直方向下方の位置を越える位置まで湾曲するガイド部である。
すなわち、収納ガイド部49は、その上端の位置が第1搬送経路K4のガイド板47の下端の位置よりも左方に位置していて、その位置から下方に略垂直に延びて、その後に下方に向けて右方にカーブするようなガイド面を有している。
そして、その収納ガイド部49の終点(右方下端である。)には、略垂直方向の上方に向けて起立する壁部としてのストッパ部31が設けられている。第1搬送経路K4(又は、第2搬送経路K5)から排出されたシートPは、収納ガイド部49の湾曲したガイド面(又は、ガイド面上のシートP)に沿って下端位置まで滑落して、その先端部がストッパ部31に当接することにより、その搬送方向(滑落方向)の姿勢が定まり揃えられることになる。したがって、ユーザーは、良好に揃え処理がされたシート束PTを収納部30から取り出すことができる。
【0035】
ここで、搬送装置20には、パージ処理時に、第1搬送経路K4と第2搬送経路K5とを切替える切替手段としての切替爪(第4切替爪38である。)が設けられている。
切替手段としての第4切替爪38は、第1搬送経路K4の上流部と第2搬送経路K5の上流部とに繋がる上流側搬送経路(垂直搬送経路K3である。)の下流部に配置されている。そして、パージ処理時に、図3(A)に示すように、制御部90の制御によって第4切替爪38が第2搬送経路K5の上流部を塞ぐように回転すると、垂直搬送経路K3を通過したシートPが第1搬送経路K4を経由して収納部30に搬送されることになる。これに対して、パージ処理時に、図3(B)に示すように、制御部90の制御によって第4切替爪38が第1搬送経路K4の上流部を塞ぐように回転すると、垂直搬送経路K3を通過したシートPが第2搬送経路K5を経由して収納部30に搬送されることになる。
【0036】
また、搬送装置20には、収納部30に積載された複数枚のシートP(シート束PT)の積載高さH(図3参照)を直接的又は間接的に検知する高さ検知手段が設けられている。
なお、本実施の形態では、このような高さ検知手段として、第1搬送経路K4を経由して収納部30に搬送されるシートPの枚数を検知する第1フォトセンサ42(枚数検知手段)や、第2搬送経路K5を経由して収納部30に搬送されるシートPの枚数を検知する第2フォトセンサ43(第2枚数検知手段)や、第1、第2搬送経路K4、K5を経由して収納部30に搬送されるシートPの厚さをユーザーの入力情報から間接的に検知する操作表示パネル95が用いられるが、これについては後で詳しく説明する。
【0037】
そして、本実施の形態では、図3(A)に示すように、高さ検知手段42、43、95によって検知される積載高さHが所定値Aに達するまでは、制御部90によって、シートPが第1搬送経路K4を介して収納部30に搬送されるように第4切替爪38(切替手段)が制御される。これに対して、図3(B)に示すように、高さ検知手段42、43、95によって検知される積載高さHが所定値Aに達してからは、制御部90によって、シートPが第2搬送経路K5を介して収納部30に搬送されるように第4切替爪38(切替手段)が制御される。
【0038】
すなわち、収納ガイド部49上にシートPがまったく載置されていなかったり、収納ガイド部49上に積載されたシート束PTの積載高さH(シート枚数×シート厚)が所定値Aに達していないときには、図3(A)に示すように、シートPがパージ処理により第1搬送経路Kを経由して収納部30に搬送されて、収納ガイド部49上に徐々にシートPが積載されることになる。そして、やがて収納ガイド部49上に積載されたシート束PTの積載高さH(シート枚数×シート厚)が所定値A以上になると、第1搬送経路K4からの搬送は止めて、図3(B)に示すように、シートPがパージ処理により第2搬送経路Kを経由して収納部30に搬送されて、収納ガイド部49上にさらにシートPが積載されることになる。
【0039】
なお、上述した「所定値A」は、後述するように第1搬送経路K4から排出されたシートPが収納ガイド部49上のシート束PTの後端部に衝突しないように定められる値である。具体的に、図3(A)を参照して、第1搬送経路K4から排出されたシートPが垂直方向下方に落下する仮想軌跡に対して、左方の範囲に、収納ガイド部49上のシート束PTの後端部が位置するように、「所定値A」が定められている。
【0040】
このように、収納部30に積載されたシートPの積載高さHに応じて搬送経路を切替えることで、画像形成装置1(搬送装置20)が大型化、高コスト化することなく、パージ処理にともなう大量のシートPを積載して収納することができる。すなわち、1つの搬送経路のみを用いて収納部30にシートPを搬送する場合には、収納ガイド部49に積載されたシート束PTの積載高さHがある程度高くなってしまうと、その後に搬送経路から搬送されたシートPがシート束PTの後端部(図2の破線示す部分である。)にぶつかってしまって、それ以上の積載ができなくなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、第1搬送経路K4とは別に、積載方向にシフトした第2搬送経路K5を設けて、収納ガイド部49に積載されたシート束PTの積載高さHがある程度高くなったときに、収納部30に搬送する搬送経路を第1搬送経路K4から第2搬送経路K5に切り替えているため、そのような不具合が軽減されることになる。したがって、ユーザーが収納部30からシート束PTを取り出す作業を頻繁におこなう手間も軽減されることになる。
【0041】
特に、本実施の形態では、既設の反転排紙経路の一部をパージ処理時用の第1搬送経路K4として用いて、既設の両面搬送経路の一部をパージ処理時用の第2搬送経路K5として用いているため、それらの搬送経路K4、K5を専用に設ける場合に比べて、装置の大型化や高コスト化をさらに抑止することができる。
また、上述したように、収納ガイド部49に積載されたシート束PTの積載高さHがある程度高くなって、搬送経路から搬送されたシートPがシート束PTにぶつかってしまう不具合も軽減されるため、収納ガイド部49に積載されたシート束PTの揃え不良も生じにくくなる。そのため、ユーザーが収納部30からシート束PTを取り出す作業も良好におこなわれることになる。
【0042】
なお、本実施の形態では、収納ガイド部49にシートPが積載されていない状態からシートPの積載を開始するときには第1搬送経路K4を用いて搬送(排出)することになるが、収納ガイド部49にシートPが積載されていない状態からシートPの積載を開始するときに第2搬送経路K5を用いて搬送(排出)してしまうと、シートPが収納ガイド部49のカーブ面に沿って滑落する距離をかせげなくなって、収納ガイド部49に積載されたシート束PTに揃え不良が生じやすくなる。そのため、本実施の形態のように、収納ガイド部49にシートPが積載されていない状態からシートPの積載を開始するときには第1搬送経路K4を用いて搬送することが有用になる。
【0043】
ここで、本実施の形態において、高さ検知手段は、第1搬送経路K4から収納部30に搬送されたシートPの枚数を検知する枚数検知手段(第1枚数検知手段)としての第1フォトセンサ42と、第1搬送経路K4から収納部30に搬送されたシートPの厚さを間接的に検知する厚さ検知手段としての操作表示パネル95と、のそれぞれの検知結果に基づいて積載高さHが所定値Aに達した状態を検知している。
詳しくは、第1フォトセンサ42(枚数検知手段)は、第1搬送経路K4の上流側(ガイド板47において光透過部が設けられた部分である。)に配置されていて、その位置を通過するシートPの枚数をオンオフ信号の変化によって検知する。一方、操作表示パネル95(厚さ検知手段)は、ユーザーが入力したシートPの情報(シート厚や種類に関する情報である。)から第1搬送経路K4を通過するシートPの厚さを間接的に検知(認識)する。そして、制御部90にて、それらの情報が掛け合わせされて(シート枚数×シート厚)、収納ガイド部49上のシート束PTの積載高さHが求められ、予め設定された「所定値A」との大小関係が判断されることになる。
なお、本実施の形態では、シートPの厚さ(シート厚)を操作表示パネル95に入力された情報に基づいて間接的に検知した。これに対して、厚さセンサを第1搬送経路K4に設置するなどして、シートPの厚さを直接的に検知することもできる。
【0044】
ここで、本実施の形態において、制御部90は、高さ検知手段によって検知される積載高さHが「所定値A」を超えて「所定の閾値B」に達したときに、第2搬送経路K5から収納部30への搬送を停止するように構成されている。
すなわち、図3(B)に示すように、パージ処理において、第2搬送経路K5を経由した収納部30への搬送に切り替えられた後、収納ガイド部49に積載されたシート束PTの積載高さHが所定の閾値B(>所定値A)に達した時点で、収納部30における積載高さの上限に達したものとして、収納部30のシート束PTが取り除かれるまでパージ処理を中止する。これにより、収納部30に収納されるシートPが過積載になって詰まってしまう不具合などが防止されることになる。
【0045】
具体的に、本実施の形態において、高さ検知手段は、第2搬送経路K5から収納部30に搬送されたシートPの枚数を検知する第2枚数検知手段としての第2フォトセンサ43と、第2搬送経路K5から収納部30に搬送されたシートPの厚さを間接的に検知する厚さ検知手段としての操作表示パネル95と、のそれぞれの検知結果に基づいて積載高さHが所定の閾値Bに達した状態を検知している。
詳しくは、第2フォトセンサ43(第2枚数検知手段)は、第2搬送経路K5の上流側(ガイド板47において光透過部が設けられた部分である。)に配置されていて、その位置を通過するシートPの枚数をオンオフ信号の変化によって検知する。一方、操作表示パネル95(厚さ検知手段)は、ユーザーが入力したシートPの情報(シート厚や種類に関する情報である。)から第2搬送経路K5を通過するシートPの厚さを間接的に検知(認識)する。そして、制御部90にて、それらの情報が掛け合わせされて(シート枚数×シート厚)、収納ガイド部49上のシート束PTの積載高さH(所定値Aからの加算分である。)が求められ、予め設定された「閾値B」との大小関係が判断されることになる。
なお、本実施の形態では、シートPの厚さ(シート厚)を操作表示パネル95に入力された情報に基づいて間接的に検知した。これに対して、厚さセンサを第2搬送経路K5に設置するなどして、シートPの厚さを直接的に検知することもできる。
【0046】
ここで、本実施の形態における搬送装置20は、収納部30に収納されたシートPの有無を検知するシート検知手段としての第3フォトセンサ44が、収納ガイド部49(光透過部が設けられた部分である。)の下方に設置されている。具体的に、第3フォトセンサ44の出力がオンであるかオフであるかによって、収納ガイド部49上にシートPがあるか否かが判別されることになる。
そして、第3フォトセンサ44(シート検知手段)によって収納部30にシートPが収納された状態から収納されていない状態への変化が検知されたときに、第1フォトセンサ42(枚数検知手段)によって検知されたシートPの枚数(制御部90のカウンタでカウントされた値である。)をリセットするとともに、第2フォトセンサ43(第2枚数検知手段)によって検知されたシートPの枚数(制御部90のカウンタでカウントされた値である。)をリセットしている。
これにより、収納部30に積載・収納されたシート束PTがユーザーによって取り出された後も、高さ検知手段42、43、95に基づいて積載高さHを正確に検知して、第1搬送経路K4から第2搬送経路K5への切替や、収納部30への搬送停止、を最適なタイミングでおこなうことが可能になる。
【0047】
なお、本実施の形態では、収納部30に積載されたシート束PTの積載高さHを検知する高さ検知手段として、第1、第2フォトセンサ42、43と操作表示パネル95とを用いて、シート束PTの積載高さHを間接的に検知した。これに対して、収納部30に積載されたシート束PTの積載高さHを検知する高さ検知手段として、収納ガイド部49の上方に設置した測距センサなどを用いて、シート束PTの積載高さHを直接的に検知しても良い。
そのような高さ検知手段を用いた場合には、収納部30に収納されたシートPの有無を検知するシート検知手段としても兼用することが可能になる。
【0048】
最後に、図4を用いて、パージ処理時の制御について、まとめとして説明する。
まず、画像形成システム100内においてジャムなどが発生してパージ処理が開始されると、高さ検知手段42、43、95によって検知された、収納部30に積載されたシート束PTの積載高さHが所定値A以上であるかが判別される(ステップS1)。
その結果、積載高さHが所定値A以上でないものと判別された場合には、収納部30において後続のシートPが収納ガイド部49上のシート束PTに衝突しないものとして、第1搬送経路K4から収納部30への搬送をおこなう(ステップS2)。
これに対して、ステップS1にて、積載高さHが所定値A以上であるものと判別された場合には、収納部30において後続のシートPが収納ガイド部49上のシート束PTに衝突するものとして、第4切替爪38の回転位置を変更して(ステップS3)、第2搬送経路K5から収納部30への搬送をおこなう(ステップS4)。
そして、高さ検知手段42、43、95によって検知された、収納部30に積載されたシート束PTの積載高さHが所定の閾値B以下であるかが判別される(ステップS5)。その結果、積載高さHが閾値B以下でないものと判別された場合には、収納部30への搬送(パージ処理)を停止する(ステップS6)。
そして、第3フォトセンサ44(シート検知手段)のオンオフ変化の有無によって、収納部30に積載されたシート束PT(シートP)がユーザーによって取り出されたかが判別される(ステップS7)。その結果、シート束PT(シートP)が取り出されていないものと判別された場合には、操作表示パネル95にシートPの取り出しを促す警告を表示する(ステップS8)。これに対して、シート束PT(シートP)が取り出されているものと判別された場合には、第1、第2フォトセンサ42、43によって検知されたシートPの枚数がリセット(カウンタクリア)される(ステップS9)。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態における搬送装置20は、複数枚のシートPが積載され収納される収納部30の上流部を基準にして第1搬送経路K4に対してシートPの厚み方向に離れた方向に離れた位置に、第2搬送経路K5が配置されている。そして、高さ検知手段42、43、95によって検知される収納部30のシートPの積載高さHが所定値Aに達するまではシートPが第1搬送経路K4を介して収納部30に搬送されるように第4切替爪38(切替手段)を制御して、高さ検知手段42、43、95によって検知される積載高さHが所定値Aに達してからはシートPが第2搬送経路K5を介して収納部30に搬送されるように第4切替爪38を制御する。
これにより、搬送装置20(画像形成装置1)が大型化、高コスト化することなく、大量のシートPを積載して収納することができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、カラーの画像形成装置1に設置される搬送装置20に対して本発明を適用したが、モノクロの画像形成装置に設置される搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、後処理装置50と画像形成装置1とが設置された画像形成システム100に設置される搬送装置20に対して本発明を適用したが、後処理装置50が設置されていない画像形成装置1に設置される搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができるし、後処理装置に設置された搬送装置に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される搬送装置20に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷装置などである。)に設置される搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、後処理装置50における後処理機構として、ステープラ80、パンチ処理部70、ソート処理部58、シート揃え部60を設けたが、後処理機構はこれらのものに限定されることなく、折り処理や中折り処理など別の処理をもおこなうように後処理機構を構成することもできるし、上述した複数の処理部のうち別の組み合わせからなるように後処理機構を構成することもできる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0053】
なお、本願明細書等において、「シート」とは、通常の用紙に限定されることなく、シート状の記録媒体のすべて、例えば、コート紙、ラベル紙、OHPシート、金属シート、フィルム、プリプレグ、布、等も含むものと定義する。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成装置、
15 2次転写ローラ(画像形成部)、
20 搬送装置、
26 第1反転ローラ、
27 第2反転ローラ、
30 収納部、
31 ストッパ部(壁部)、
35 第1切替爪、
36 第2切替爪、
37 第3切替爪、
38 第4切替爪(切替手段、切替爪)、
42 第1フォトセンサ(枚数検知手段、高さ検知手段)、
43 第2フォトセンサ(第2枚数検知手段、高さ検知手段)、
44 第3フォトセンサ(シート検知手段)、
47、48 ガイド板、
49 収納ガイド部(ガイド部)、
50 後処理装置、
90 制御部、
95 操作表示パネル(厚さ検知手段、高さ検知手段)、
100 画像形成システム、
K3 垂直搬送経路(上流側搬送経路、反転搬送経路、両面搬送経路)、
K4 第1搬送経路(反転搬送経路)、
K5 第2搬送経路(両面搬送経路)、
K6 水平搬送経路(両面搬送経路)、
P シート、 PT シート束。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【文献】特開2017-88378号公報
図1
図2
図3
図4