(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】充電制御装置、画像形成装置および充電制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/10 20060101AFI20221012BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20221012BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20221012BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221012BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 M
H02J7/34 C
(21)【出願番号】P 2018222970
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】山下 友主
(72)【発明者】
【氏名】岡田 憲和
(72)【発明者】
【氏名】細谷 隼平
(72)【発明者】
【氏名】平澤 孝明
(72)【発明者】
【氏名】山堀 俊太
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-323177(JP,A)
【文献】特開2010-011594(JP,A)
【文献】特開2009-198694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源からの出力電流を、直流負荷に対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置であって、
前記充電電流を検出する充電電流検出部と、
前記直流電源の出力電流を検出する出力電流検出部と、
前記充電電流が変化する可変充電と前記充電電流が一定である定電流充電とを切り替える充電切替部とを有し、
前記充電切替部は、前記可変充電の実行時に前記充電電流検出部によって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記定電流充電に切り替え
、
前記出力電流は、前記負荷電流と前記充電電流とが合計された電流値であって、
前記可変充電は、前記負荷電流が大きく変化する場合は小さく、小さく変化する場合は大きく変化する充電制御装置。
【請求項2】
前記可変充電は、検出される前記出力電流が前記直流電源の最大供給可能電流を基準として略一定となるように、前記充電電流が変化する請求項1の充電制御装置。
【請求項3】
直流電源からの出力電流を、直流負荷に対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置であって、
前記充電電流を検出する充電電流検出部と、
前記充電電流が変化する可変充電と前記充電電流が一定である定電流充電とを切り替える充電切替部とを有し、
前記充電切替部は、
前記可変充電の実行時に前記充電電流検出部によって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記定電流充電に切り替え、
前記定電流充電に切り替えた後、所定時間経過時に前記二次電池が満充電となっていない場合は、前記可変充電に切り替える充電制御装置。
【請求項4】
直流電源からの出力電流を、直流負荷に対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置であって、
前記充電電流を検出する充電電流検出部と、
前記充電電流が変化する可変充電と前記充電電流が一定である定電流充電とを切り替える充電切替部とを有し、
前記充電切替部は、
前記可変充電の実行時に前記充電電流検出部によって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記定電流充電に切り替え、
前記二次電池が所定の充電残量に達したときに、前記可変充電から前記定電流充電へ切り替え、
前記所定の充電残量は、前記定電流充電における前記充電電流の値において満充電検出に必要な時間に基づき決定される充電制御装置。
【請求項5】
直流電源からの出力電流を、直流負荷に対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置であって、
前記充電電流を検出する充電電流検出部と、
前記充電電流が変化する可変充電と前記充電電流が一定である定電流充電とを切り替える充電切替部と、
前記充電電流検出部により検出された前記充電電流を積算して前記二次電池の残量を算出する残量算出部とを有し、
前記充電切替部は、
前記可変充電の実行時に前記充電電流検出部によって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記定電流充電に切り替え、
前記残量算出部の算出した前記残量が所定値以下の場合には、前記定電流充電に切り替えない充電制御装置。
【請求項6】
直流電源からの出力電流を、直流負荷に対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置であって、
前記充電電流を検出する充電電流検出部と、
前記充電電流が変化する可変充電と前記充電電流が一定である定電流充電とを切り替える充電切替部と、
前記二次電池の出力電圧を検出する出力電圧検出部とを有し、
前記充電切替部は、
前記可変充電の実行時に前記充電電流検出部によって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記定電流充電に切り替え、
前記二次電池の出力電圧が所定値以下の場合には前記定電流充電に切り替えない充電制御装置。
【請求項7】
前記充電制御装置は、前記直流電源の出力電流を検出する出力電流検出部を有し、
前記出力電流は、前記負荷電流と前記充電電流とが合計された電流値であって、
前記可変充電は、検出される前記出力電流が前記直流電源の最大供給可能電流を基準として略一定となるように、前記充電電流が変化する請求項3ないし6のいずれか一項の充電制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか一項の充電制御装置と、前記直流電源と、前記直流負荷を有する画像形成装置。
【請求項9】
直流電源からの出力電流を、直流負荷へに対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置による充電制御方法であって、
前記充電電流が変化する可変充電制御時に、前記充電電流を検出する充電電流検出ステップと、
前記直流電源の出力電流を検出する出力電流検出ステップと、
前記充電電流検出ステップによって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記充電電流が一定である定電流充電に切り替える充電切替ステップを含
み、
前記出力電流は、前記負荷電流と前記充電電流とが合計された電流値であって、
前記可変充電制御時に変化する前記充電電流は、前記負荷電流が大きく変化する場合は小さく、小さく変化する場合は大きく変化するものである充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置、画像形成装置および充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池が内蔵された装置において、装置の駆動と二次電池の充電を同時に行なうための充電制御技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、負荷に流れる消費電流を検出する消費電流検出手段と、二次電池への充電を制御する充電制御手段と、充電制御手段に入力される電流を検出する充電回路入力電流検出手段と、消費電流検出手段と充電回路入力電流検出手段の各検出出力が与えられる演算手段とを備え、充電制御手段は演算手段の演算結果に基づいて二次電池への充電出力を制御し、直流電源の定格内で負荷の駆動と充電を同時に行なうようにした充電制御器が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、精度良く満充電が行える充電制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、直流電源からの出力電流を、直流負荷に対する負荷電流と、二次電池に対する充電電流として出力する充電制御装置であって、前記充電電流を検出する充電電流検出部と、前記直流電源の出力電流を検出する出力電流検出部と、前記充電電流が変化する可変充電と前記充電電流が一定である定電流充電とを切り替える充電切替部とを有し、前記充電切替部は、前記可変充電の実行時に前記充電電流検出部によって検出された前記充電電流が所定値以上の場合は前記定電流充電に切り替え、前記出力電流は、前記負荷電流と前記充電電流とが合計された電流値であって、前記可変充電は、前記負荷電流が大きく変化する場合は小さく、小さく変化する場合は大きく変化する充電制御装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、精度良く満充電が行える充電制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態の画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】第1の実施形態の電力供給構成の説明図である。
【
図4】第1の実施形態の充電制御装置の構成図である。
【
図5】第1の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。
【
図6】満充電までの充電電流、充電残量、電池電圧の変化の説明図である。
【
図7】第2の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。
【
図8】第3の実施形態の充電制御装置の構成図である。
【
図9】第3の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。
【
図10】第4の実施形態の充電制御装置の構成図である。
【
図11】第4の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0009】
図1は、画像形成装置の内部を部分的に透視した側面図である。
【0010】
画像形成装置100は、コピー機能、FAX機能、プリント機能、スキャナ機能、また、入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿や、プリンタ機能あるいはFAX機能により入力された画像)を保存や配信する機能等を複合して有するいわゆるMFP(Multi Function Peripheral/Printer)と称される複合機である。
【0011】
また、画像形成装置100は、PC(Personal Computer)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。なお、本実施形態において、画像形成装置100で処理される「画像」には画像データだけでなく、画像データが含まれていないデータ、つまりテキスト情報のみのデータも含むものとする。
【0012】
画像形成装置100は、帯電された感光体表面が選択的に露光されることにより書き込まれた静電潜像に、トナーを付着させ、付着させたトナーを用紙等の記録媒体に転写する、いわゆる電子写真方式の画像形成装置である。
【0013】
画像形成装置100は、
図1に示されるように、操作パネル1と、起動スイッチ2と、操作パネル1の操作入力等に基づいて画像形成装置100を制御するコントローラ3と、原稿を読み取る読取部4と、読取部4の読取結果に基づき制御信号を生成するエンジン制御部5と、用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成部としてのプリンタユニット6と、記録媒体を収納する給紙カセット7A,7Bと、給紙搬送部としての搬送ユニット8を有する。
【0014】
操作部である操作パネル1は、利用者の操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作を示す情報、画像形成装置100の動作状況を示す情報、画像形成装置100の設定状態を示す情報など)を表示する。操作パネル1は、一例としてタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro-Luminescence)表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。
【0015】
起動スイッチ2は、画像形成装置100の電源がオフの状態でユーザによって押圧されると、画像形成装置100を起動する。また画像形成装置100が起動した状態、つまり電源がオンの状態でユーザによって押下されると、画像形成装置をオフ状態とする。このように起動スイッチ2は、ユーザが押圧することによって画像形成装置100をオン/オフしてもよいがこれに限られず、外部装置から受信した指示に基づき画像形成装置100をオン/オフしてもよい。
【0016】
コントローラ3は、画像形成装置100を統括的に制御する。一例として操作パネル1が受け付けた操作や情報に応じた動作を、画像形成装置100に実行させる。その他の例として、PC(Personal Computer)等の外部機器から画像形成装置100が受け付けた指示等を画像形成装置100に実行させる。さらにその他の例として、特定の条件を検知した場合、例えば起動スイッチ2の押下を検知した場合、さらにその他の例として、画像形成装置100に発生した異常を検知した場合等に、あらかじめ決められた動作を画像形成装置100に実行させる。
【0017】
コントローラ3の具体例としては、画像形成装置100を統括的に制御する回路を搭載したコントローラボードである。この回路には、一例としてCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)が搭載されており、CPUが、RAMを作業領域として、ROMやHDD(Hard Disc Drive)に記憶されたプログラムを実行することによって、画像形成装置100を制御する。
【0018】
読取部4は、ADF(Auto Document Feeder)41とスキャナ部42を有する。ADF41は、ADF41上に置かれた原稿を順次し搬送し光学的に読み取り画像データを生成する。スキャナ部42は、透明な原稿台の上に原稿を固定し、固定された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。
【0019】
エンジン制御部5は、読取部4により生成された画像データに基づき、プリンタユニット6や搬送ユニット8を制御する制御信号を生成する。エンジン制御部5の具体例としては、画像データに基づき制御信号を生成するための回路基板である。
【0020】
画像形成部であるプリンタユニット6は、感光体としての感光体ドラム61と、感光体ドラム61の外表面を帯電させる帯電部材62と、読取部4により読み取られた画像データに基づいて、帯電された感光体ドラム61上を露光して、感光体上に静電潜像を書き込む書込みユニット63と、書き込まれた潜像をトナーで現像する現像部材64と、トナー画像を形成する記録媒体を搬送する搬送ベルト65と、記録媒体上のトナーを記録媒体に定着させる定着部66とを有し、記録媒体上にトナー画像を形成する。
【0021】
給紙カセット7A、7Bは画像形成前の記録媒体を収納する。
図1においては一例として二つの給紙カセットを有し、それぞれにサイズの異なる記録媒体を収納しているが、一つであっても良いし、三つ以上であってもよい。
【0022】
給紙搬送部としての搬送ユニット8は、各種ローラを有し、給紙カセット7A、給紙カセット7Bに収納された記録媒体をプリンタユニット6に搬送する。
【0023】
ここで、コピーモードを例として画像形成装置100での画像形成の流れを説明する。まずユーザが、操作パネル1で機能切替キー等をユーザが操作することにより、画像形成装置100のコピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択し、各機能を動作させることが可能となる。コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリ機能選択時にはファクシミリモードとなる。
【0024】
コピーモードでは、読取部4により、コピーする各原稿の画像情報が読み取られ、画像データが生成される。
【0025】
感光体ドラム61の外周面は、暗中にて帯電部材62により一様に帯電された後、書込みユニット63からの照射光(
図1中に点線矢印Aで示す。)により露光され、その結果、感光体ドラム61の外周面上に静電潜像が形成される。現像部材64は、この静電潜像をトナーにより可視像化する。これにより、感光体ドラム51上にトナー画像が形成される。感光体ドラム61上に形成されたトナー画像は、搬送ベルト65上の記録媒体に転写される。そして定着部66が記録媒体上のトナー画像のトナーを一例としてヒータで加熱溶融して、記録媒体にトナー画像を定着し、記録媒体を画像形成装置100から排出する。
【0026】
なお、プリンタユニット6がモノクロの電子写真方式によって画像を形成する場合を説明したが、カラーの電子写真方式やインクジェット方式などであってもよく、画像形成方式はこれらに限られない。
【0027】
また、上述の操作パネル1は、コントローラ3によって制御されてもよいし、コントローラ3とは別に操作パネル1を制御するための制御回路を7有し、制御されてもよい。その場合、コントローラ3の制御回路と操作パネル1の制御回路は、相互に通信可能に接続され、コントローラ3は操作パネル1を含む画像形成装置100全体を制御する。
【0028】
なお、コントローラ3と、エンジン制御部5と、プリンタユニット6と、給紙カセット7A、7B、搬送ユニット8は画像形成装置100の外装内に設けられているが
図1においては内部を透視して示している。
【0029】
図2は、画像形成装置100内の電力供給構成図である。画像形成装置100が商用電源に接続された状態を示している。
【0030】
画像形成装置100は、AC(Alternating Current)制御部9と、直流電源部10を有する。直流電源部10は、直流電源101と、直流電源102を有する。画像形成装置100はさらに、充電制御装置103と、二次電池104を有する。
【0031】
AC制御部9は、商用電源から入力されたAC電圧を定着部66へ供給する。定着部66は、エンジン制御部5によってAC電圧が供給された定着ヒータのON/OFF等の制御は、エンジン制御部5によって行われる。
【0032】
直流電源部10は、商用電源から入力されたAC電圧を、直流電源101に変換する。直流電源101は、商用電源が入力されると画像形成装置100の起動スイッチ2のON/OFFに関わらず生成される電源である。直流電源101は、充電制御装置103を介して直流負荷としてのコントローラ3、および二次電池104に接続される。
【0033】
直流電源部10はさらに、商用電源から入力されたAC電圧を、直流電源102に変換する。直流電源102は、画像形成装置100の起動スイッチ2がONされると生成される電源であり、エンジン制御部5を介して読取部4、画像形成部6、搬送ユニット8へ供給される電源系統である。
【0034】
直流電源101についてさらに述べる。直流電源101は、直流負荷としてのコントローラ3へ供給される電源系統(以下5VX電源系統と呼ぶことがある)である。直流電源101は、充電制御装置103を介してコントローラ3および二次電池104へ接続される。充電制御装置103は、直流電源101によるコントローラ3への電力供給と、直流電源101による二次電池104への充電を制御する。したがって、充電制御装置103は、コントローラ3への電力供給装置としても機能している。
【0035】
図2に示される電力供給構成による画像形成装置100の動作について説明する。画像形成装置100へ商用電源等の外部電源からの電力供給が通常通り行われているときは、は、直流電源101からの電力は、直流負荷であるコントローラ3へ供給される。ここで、コントローラ3の動作内容によって必要な電力は変わるため、コントローラ3の動作に使用されない電力である余剰電力は、二次電池104へ供給されて、この余剰電力によって二次電池104の充電が行われる。
【0036】
そして災害等によって停電、つまり通常時に供給されていた外部電源からの電力供給がとまったときは、画像形成装置100の5VX電源系統である直流電源101に対して二次電池104から電力供給する。つまり二次電池104は、5VX系統である直流電源101の補助電源として機能する。
【0037】
ここで、直流負荷としてのコントローラ3に操作パネル1の制御やファクシミリの制御機能を持たせることにより、停電時でも、直流負荷105であるコントローラ3が動作し、ファクシミリデータを受信して画像形成装置100のHDD(Hard Disc Drive)等に記憶することができる。そしてAC電源を供給可能なUPS(Uninterruptible Power Supply)による電力供給開始時、もしくは停電からの復旧時には、記憶されたファクシミリデータを印刷出力することが可能である。
【0038】
ここで、
図3を用いて、二次電池への可変電流充電について説明する。
図3は、縦軸が直流電源の出力電流の検出値、横軸が時間の経過を示す。
【0039】
直流負荷に供給される負荷電流の大きさは、直流負荷、一例としてコントローラ3の動作内容によって変動する。つまり、コントローラ3が電流を多く使う動作を行うときは負荷電流が大きく、電流を少なく使う動作を行うときは、負荷電流は小さい。
【0040】
可変電流充電制御は、この負荷電流のレベルの変動に応じて充電電流を変化させる制御である。具体的には、コントローラ3への負荷電流が小さい場合(一例として
図4中のt1)は、その分充電電流を大きく、負荷電流が大きい場合(一例として
図4中のt2)は、その分充電電流を小さくする制御を行う。そうすることで、負荷電流と充電電流の合計値を所定以内に収めることができる。
【0041】
同じ直流電源からの出力を入力とする負荷電流と充電電流の場合、負荷電流と充電電流の検出値の合計値が直流電源の出力電流となる。この合計値を直流電源の最大供給可能電流以内に収まるように、充電電流を可変制御する。
【0042】
このように出力電流検出値が一定のレベルになるように充電電流を可変制御することで、そのレベルの範囲内において充電にまわせる電力を最大化して急速な充電が可能となる。なお、本実施形態では
図3に示されるように、最大許容可能電流に対し少し下のレベルで一定に保つように制御する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態において可変電流充電とは、直流電源101から直流負荷に供給される電力以外の余剰電力分を使用して二次電池104を充電する場合に、直流負荷への出力負荷に応じて充電電流を変動可能な充電である。例えば出力負荷の直流負荷としてコントローラ3の消費電流を検出し、直流電源101の許容する最大供給可能電流との差分値を検出し、その差分値から直流電源101の許容される範囲の最大充電電流を基準として二次電池104を充電する。つまり検出される出力電流が、直流電源の最大供給可能電流を基準として略一定となるように充電電流が制御されている。
【0044】
その結果、直流電源101の電力供給能力を最大限に使い、二次電池104の満充電までの時間を短縮できる。なお以降、可変電流充電を可変充電、可変電流充電を行う制御を、可変充電制御と呼ぶことがある。
【0045】
ここで、定電流制御における二次電池の満充電検出と、可変充電制御における二次電池の満充電検出それぞれの特徴について述べる。
【0046】
まず定電流充電制御における二次電池の満充電検出ついて述べると、充電専用の電源をもち常に大きい充電電流を確保できる場合には、一定の電流値で充電、つまり定電流充電を実施することができる。定電流充電においては、二次電池自体のバッテリー特性の変化、つまり電圧値や温度の特性変化を検出して満充電状態に到達したことを検出し、充電を停止する。
【0047】
なお、定電流充電制御における満充電検出には、充電電流値が小さいと二次電池の電圧や温度変化の特性を検出できないため、ある程度大きな充電電流が必要である。定電流充電制御による満充電検出が可能な充電電流の条件は、二次電池の種類や容量、パック構成により異なる。一例として、ニッケル水素電池の場合は、総容量に対し計算上2Hで充電完了できる充電電流(0.5C)以上が必要となる。
【0048】
なお、画像形成装置100の一例として、5VX電源充電では画像形成装置100のスリープ時に最大で0.1C程度、24V電源充電では画像形成装置100稼働後のスリープ移行前に、0.5~1C充電が可能である。
【0049】
一方可変充電制御は、充電電流を可変制御して充電を実施するため、充電電流変化とともに二次電池の電圧値や温度も急激に変化する。その結果、満充電の誤検出が発生してしまう場合がある。
【0050】
例えばニッケル水素電池の場合、充電末期に発生する温度上昇カーブdT/dt(℃/min)や、電圧ドロップ-△V(mV/セル)を検出して満充電を検出し、充電を停止するが、誤検出により満充電手前で停止してしまう場合がある。
【0051】
またリチウムイオン電池の場合では、CC(Constant Current)CV(Constant Voltage)充電つまり定電流定電圧充電では、充電末期の所定の電圧閾値でCC充電から、CV充電に切り替える。その際、誤検出により早く切り替わってしまい満充電までの時間が大幅に長くなってしまう場合がある。
【0052】
上記誤検出を回避する方法として、二次電池の特性変化による判断はせずに、常時充電電流値を検出して積算することによって満充電を判断する方法がある。しかしこの方法でも、常に変動する電流を検出するため検出誤差が大きくなるということ、二次電池のセルの容量ばらつきや劣化による容量減少などが発生する結果、満充電判断のための閾値である100%閾値の設定値が必ずしも二次電池の実際の100%充電容量とは一致しないこと、等を原因として誤差が生じてしまう。
【0053】
その結果、設定した100%閾値が実際の100%充電容量より大きかった場合には過充電が発生し電池の劣化や安全性への懸念が生じる。一方設定した100%閾値が実際の100%容量より小さかった場合には充電が不足し二次電池の容量を最大限に活用することができない。
【0054】
このように、可変充電制御により直流電源101の供給能力を最大限に活用して充電時間を短縮化することができるが、一方で満充電検出に課題があった。
【0055】
図4を用いて、第1の実施形態に係る充電制御装置103の構成について説明する。
【0056】
まず直流負荷105は、直流電源101にする直流負荷である。一例として、画像形成装置100のコントローラ3である。
【0057】
出力電流検出部113は、直流電源101からの出力電流を検知する。一例として、出力電流検出部113は、直流負荷105の負荷電流と、二次電池104の充電電流の合計値を出力電流として検出する。
【0058】
充電器123は、直流電源101からの電流を入力として充電電流を出力し、二次電池104への充電を行う。
【0059】
充電電流検出部133は、充電器123から出力される充電電流を検出する。
【0060】
充電切替部143は、充電器123による充電制御を切り替える。一例として充電電流が一定である定電流充電制御と、充電電流が変化する可変電流充電制御とを切り替える。
【0061】
充電電流制御部153は、可変電流充電制御における充電電流を制御する。一例として、直流負荷105への負荷電流の変動に応じて充電器123が出力する充電電流を変化させる。より具体的には、出力電流検出部113による検出結果が直流電源101の最大供給可能電流以下となるように、直流負荷105の負荷電流の変動に応じて充電電流を変化させる。
【0062】
満充電検出部163は、二次電池104の満充電を検出する。
【0063】
図4で示される充電制御装置103は、通常時は直流電源101から直流負荷105へ電力を供給しながら、余剰電力を使用して充電器123を介し二次電池104を充電する。二次電池104は、停電等で直流電源101が停止した場合には、補助電源として直流負荷105へと電力供給可能である。
【0064】
図5は、第1の実施形態にかかる充電制御処理フローを示すフローチャート例である。
【0065】
まず本フローは、充電制御装置103が、可変充電制御を開始した状態からスタートするフローである(S101)。充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S102)。そして充電切替部143は、検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S103)。
【0066】
ステップS103の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、充電切替部143は、可変充電制御を終了し(S104)、定電流充電制御を開始する(S105)。充電電流が所定値の場合は、満充電をより精度良く検出できる。そこで可変充電制御中の変化する充電電流が所定値を超えた場合は、定電流制御に切り替えるため、満充電をより精度良く検出して、二次電池104の充電容量に対して過不足なく充電できる。したがってこの場合の充電電流の所定値は、二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。所定値は二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0067】
ステップS105で定電流制御が開始された後は、満充電検出部163が、二次電池104の満充電が検出されたかどうかを判断する(S106)。ステップS106の判断の結果満充電が検出された場合、充電制御装置103は充電を終了し(S107)、本フローは終了する。
【0068】
ステップS103に戻り、ステップS103の判断の結果、充電電流が所定値より少なかった場合(NOの場合)、満充電検出部163は、充電開始から所定時間経過したかを判断する(S108)。
【0069】
この所定時間について説明する。ステップS108の判断を行う時点は、定電流制御に移行していない、つまり可変充電制御を行っている状態のため、精度の良い満充電の判断が行えない。そこで充電開始からカウントして、確実に満充電となる経過時間で満充電となったかを判断する。つまりタイマーによって、満充電によるフロー終了の判断を行う。したがってこの所定時間は、一例として充電制御装置103において最も少ない充電電流によって、充電0%の状態から充電完了するまでの時間を設定すればよい。この所定時間は、二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0070】
ステップS108の判断の結果、所定時間経過している場合(YESの場合)、充電制御装置103は、充電を終了し(S107)、本フローは終了する。
【0071】
一方ステップS108の判断の結果、所定時間経過していない場合(NOの場合)、ステップS102に戻って可変充電制御を継続する。
【0072】
ステップS106に戻り、ステップS106の判断の結果、満充電が検出されなかった場合(NOの場合)、充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S109)。そして充電切替部143は、ステップS109で検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S110)。この場合の所定値は、ステップS103と同様に一例として、本充電制御装置103において二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。
【0073】
ステップS110の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、ステップS106に移行する。一方ステップS110の判断の結果、充電電流が所定値より小さい場合(NOの場合)、充電切替部143は、定電流充電制御を終了して(S111)、ステップS101に戻り可変充電制御を開始する。
【0074】
このように、充電切替部143を有し、充電電流検出値が所定値以上の場合に可変充電制御から定電流充電制御へ切り替える。その結果、バッテリー特性(温度、電圧)を適切にとらえることができる状態である定電流充電制御が行われている状態へと切り替わり、二次電池104の充電を精度良く検知できる。したがって、過充電や充電不足なく二次電池104を満充電にすることが可能となる。
【0075】
なお、定電流充電制御中に、直流負荷105の動作内容が変わって負荷電流が増大し、その結果充電電流が所定値以下になる場合もある。そのため、定電流制御中にも所定値以上であることをチェックし、所定値を下回った場合には定電流充電制御を終了し、可変充電制御に切り替えるなどしてもよい。
【0076】
図6は、満充電までの充電電流、充電残量、電池電圧の変化の説明図である。
【0077】
上から二次電池104の充電電流、電池残量、電池電圧を縦軸に、横軸に時間を示すグラフである。電池残量については左の縦軸が積算充電残量、右の縦軸が実充電残量を示している。太線のグラフは本実施形態の例を示し、点線は比較例を示す。なお、グラフで太線と比点線が重なっている部分については、太線の方を示している。
【0078】
充電電流のグラフに示される「0.5C」は、定電流充電制御において二次電池104の満充電を検出可能な充電電流の例である。また電池残量のグラフに示される「設定100%閾値」は、可変充電制御で二次電池104の満充電を検出する代わりに満充電を判断する閾値を示す。また「電池100%容量」は、二次電池104の実際の電池100%の充電容量を示す。
【0079】
まず
図6に比較例として示された点線について説明する。本比較例は、可変充電制御のみで充電を行う場合である。
【0080】
横軸の時間0から、可変充電制御が開始されると、点線で示されるように充電電流と電池電圧は共に、短い時間間隔で急激な変化が発生している。時間の経過とともに積算充電残量が増えていき、あらかじめ設定した設定100%閾値に到達した時点(時間T3)で、充電を停止している。
【0081】
可変充電制御では満充電を精度良く検出できないため、このように積算していった充電残量が100%閾値に到達するまで可変充電制御しつづける。したがって例えば実際の電池100%容量より100%閾値が大きいところに設定されていると、
図6中にRで示される領域分、過充電が発生する。また、そもそも変動し続ける電流値を検出して積算するため残量の精度も悪い。また
図6は設定100%閾値が実充電容量よりも大きい場合であるが、過充電を防止するために設定100%閾値を低く設定すると、二次電池104が実際に蓄電できる容量よりも少なくしか充電できない。
【0082】
このように比較例の場合は、二次電池104の実際の充電容量に対する過充電や、実際の充電容量に対して少ない容量しか充電できない問題がある。
【0083】
次に
図6中に太線で示された本実施形態について説明する。比較例と同様、横軸の時間ゼロから可変充電制御が開始されると、充電電流と電池電圧は共に、短い時間間隔で急激な変化が発生している。
【0084】
この可変充電制御中に、充電電流が所定の値以上であれば定電流制御へと移行する。満充電検出に必要な所定値が0.5Cであったとすると、
図6においては、充電電流は0.5Cを超えている。したがって、T1で可変充電制御から定電流充電制御へと切替が行われる。充電スピードが速い可変充電制御から、定電流充電制御への変更が行われたことにより、
図6の太線グラフの傾きがはT1を境にゆるやかになっている。なおこのT1は、
図5で説明したフローチャートを例とすると、ステップS103でYESと判断されたタイミングに相当する。
【0085】
そして、定電流充電制御が開始されたT1以降は、充電電流は一定となっている。定電流充電制御においては、電池電圧も急激な変化は発生しないため、充電の程度を示すバッテリー特性変化を適切に把握することができる。したがってT3において発生した、実際の電池100%容量に達したことを示す電池電圧の変化(-△V)を確実にとらえて、充電を停止することが可能となる。なお、
図6のT3は、
図5で説明したフローチャートを例とすると、ステップS106でYESと判断されたタイミングに相当する。
【0086】
以上説明したように、直流負荷105への負荷電流が小さい場合など、満充電検出が可能なレベル(0.5C以上)の比較的大電流での充電が可能な場合に、可変充電をやめ定電流充電を実行する。定電流充電では二次電池104のバッテリー特性(温度、電圧)を適切にとらえることができるので、二次電池104の実際の100%容量により近い満充電検出が可能となる。
【0087】
図7は、第2の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。本第2の実施形態は、第1の実施形態と
図1~
図4については共通の構成であるため説明を省略する。
【0088】
まず本フローは、充電制御装置103が、可変充電制御を開始した状態からスタートするフローである(S201)。充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S202)。そして充電切替部143は、検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S203)。
【0089】
ステップS203の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、充電切替部143は、可変充電制御を終了し(S204)、定電流充電制御を開始する(S205)。充電電流が所定値の場合は、満充電をより精度良く検出できる。そこで可変充電制御中の変化する充電電流が所定値を超えた場合は、定電流制御に切り替えるため、満充電をより精度良く検出して、二次電池104の充電容量に対して過不足なく充電できる。したがってこの場合の充電電流の所定値は、二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。所定値は二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0090】
ステップS205で定電流制御が開始された後は、満充電検出部163が、二次電池104の満充電が検出されたかどうかを判断する(S206)。ステップS106の判断の結果満充電が検出された場合、充電制御装置103は充電を終了し(S207)、本フローは終了する。
【0091】
ステップS203に戻り、ステップS203の判断の結果、充電電流が所定値より少なかった場合(NOの場合)、満充電検出部163は、充電開始から所定時間経過したかを判断する(S208)。
【0092】
この所定時間について説明する。ステップS208の判断を行う時点は、定電流制御に移行していない、つまり可変充電制御を行っている状態のため、精度の良い満充電の判断が行えない。そこで充電開始からカウントして、確実に満充電となる経過時間で満充電となったかを判断する。つまりタイマーによって、満充電によるフロー終了の判断を行う。したがってこの所定時間は、一例として充電制御装置103において最も少ない充電電流によって、充電0%の状態から充電完了するまでの時間を設定すればよい。この所定時間は、二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0093】
ステップS208の判断の結果、所定時間経過している場合(YESの場合)、充電制御装置103は、充電を終了し(S207)、本フローは終了する。
【0094】
一方ステップS208の判断の結果、所定時間経過していない場合(NOの場合)、ステップS202に戻って可変充電制御を継続する。
【0095】
ステップS206に戻り、ステップS206の判断の結果、満充電が検出されなかった場合(NOの場合)、
【0096】
充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S210)。そして充電切替部143は、ステップS210で検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S211)。この場合の所定値は、ステップS203と同様に一例として、本充電制御装置103において二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。
【0097】
ステップS211の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、ステップS206に移行する。一方ステップS211の判断の結果、充電電流が所定値より小さい場合(NOの場合)、充電切替部143は、定電流充電制御を終了して(S212)、ステップS101に戻り可変充電制御を開始する。
【0098】
なお、定電流充電制御中に、直流負荷105の動作内容が変わって負荷電流が増大した結果、充電電流が所定値以下になる場合もある。そのため、定電流制御中にも所定値以上であることをチェックし、所定値を下回った場合には定電流充電制御を終了し、可変充電制御に切り替えるなどしてもよい。
【0099】
以上説明したように
図7に示すフローチャートでは、ステップS210で充電電流を検出する前に、ステップS209として、定電流充電の開始から所定時間経過しているかを判断している。
【0100】
すなわち、充電スピードは可変充電が定電流充電よりも速いため、可変充電制御から定電流充電制御への早い段階で切り替えられると、定電流充電制御の時間が長くなり、満充電までに長い時間かかってしまう可能性がある。そこで本実施形態では、定電流充電制御に切り替えてから所定時間経過しても満充電検出しない場合は、充電スピードの速い可変充電制御に切り替えている。
【0101】
したがって本第2の実施形態は第1の実施形態の効果に加え、より充電時間を短くすることができる。
【0102】
なお、充電スピードは可変充電が定電流充電よりも速いため、満充電までの時間を短くするためには、定電流充電制御を行う時間は満充電を検出するための最小限にし、できる限り長く時間可変充電制御することが望ましい。定電流充電制御への切替タイミングは、定電流充電の充電電流値と二次電池の満充電検出に必要な時間によって決定することができる。
【0103】
例として、充電電流0.5C(二次電池104が充電率0%の状態から計算上2Hで満充電できる電流値)において、定電流制御による満充電検出に必要な時間が10分であった場合、10min/120min×100%=約8.33%、100-8.33=91.67%より、充電残量約91%に達した時点を切替タイミングとすることで定電流充電制御の時間を最小限にできる。
【0104】
次に第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と
図1~
図3については共通の構成のため、説明を省略する。
【0105】
図8は、第3の実施形態の充電制御装置構成の説明図である。
【0106】
本第3の実施形態では、
図4で説明した構成に加え、残量算出部173を有している。残量算出部173は、充電電流検出部133により検出された充電電流を積算して二次電池104の残量を算出する。
【0107】
図9は第3の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。
【0108】
まず本フローは、充電制御装置103が、可変充電制御を開始した状態からスタートするフローである(S301)。充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S302)。そして充電切替部143は、検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S303)。
【0109】
ステップS303の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、充電切替部143は、残量算出部173によって算出された二次電池の残量に基づき、二次電池104の充電残量が所定値以上かを判断する(S304)。
【0110】
ステップS304の判断の結果、充電残量が所定値より小さい場合(NOの場合)は、ステップS302に戻る。
【0111】
一方ステップS304の判断の結果、二次電池104の充電残量が所定値以上の場合(YESの場合)は、充電切替部143は、可変充電制御を終了し(S305)、定電流充電制御を開始する(S306)。充電電流が所定値の場合は、満充電をより精度良く検出できる。そこで可変充電制御中の変化する充電電流が所定値を超えた場合は、定電流制御に切り替えるため、満充電をより精度良く検出して、二次電池104の充電容量に対して過不足なく充電できる。したがってこの場合の充電電流の所定値は、二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。所定値は二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0112】
ステップS306で定電流制御が開始された後は、満充電検出部163が、二次電池104の満充電が検出されたかどうかを判断する(S307)。ステップS307の判断の結果満充電が検出された場合、充電制御装置103は充電を終了し(S308)、本フローは終了する。
【0113】
ステップS303に戻り、ステップS303の判断の結果、充電電流が所定値より少なかった場合(NOの場合)、満充電検出部163は、充電開始から所定時間経過したかを判断する(S309)。
【0114】
この所定時間について説明する。ステップS309の判断を行う時点は、定電流制御に移行していない、つまり可変充電制御を行っている状態のため、精度の良い満充電の判断が行えない。そこで充電開始からカウントして、確実に満充電となる経過時間で満充電となったかを判断する。つまりタイマーによって、満充電によるフロー終了の判断を行う。したがってこの所定時間は、一例として充電制御装置103において最も少ない充電電流によって、充電0%の状態から充電完了するまでの時間を設定すればよい。この所定時間は、二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0115】
ステップS309の判断の結果、所定時間経過している場合(YESの場合)、充電制御装置103は、充電を終了し(S308)、本フローは終了する。
【0116】
一方ステップS309の判断の結果、所定時間経過していない場合(NOの場合)、ステップS302に戻って可変充電制御を継続する。
【0117】
ステップS307に戻り、ステップS307の判断の結果、満充電が検出されなかった場合(NOの場合)、充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S310)。そして充電切替部143は、ステップS310で検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S311)。この場合の所定値は、ステップS303と同様に一例として、本充電制御装置103において二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。
【0118】
ステップS311の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、ステップS307に移行する。一方ステップS311の判断の結果、充電電流が所定値より小さい場合(NOの場合)、充電切替部143は、定電流充電制御を終了して(S312)、ステップS301に戻り可変充電制御を開始する。
【0119】
このように、充電切替部143をもち充電電流検出値が所定値以上の場合に可変充電制御から定電流充電制御へ切り替える。その結果、バッテリー特性(温度、電圧)を適切にとらえることができる状態である定電流充電制御が行われている状態へと切り替わり、二次電池104の充電を精度良く検知できる。したがって、過充電や充電不足なく二次電池104を満充電にすることが可能となる。
【0120】
なお、定電流充電制御中に、直流負荷105の動作内容が変わって負荷電流が増大し、その結果充電電流が所定値以下になる場合もある。そのため、定電流制御中にも所定値以上であることをチェックし、所定値を下回った場合には定電流充電制御を終了し、可変充電制御に切り替えるなどしてもよい。
【0121】
本第3の実施形態では、可変充電制御を終了する前に、ステップS304において、残量算出部173によって算出された二次電池の残量に基づき、二次電池の残量が所定値以上かを判断する(ステップS304)。
【0122】
このように、本実施形態では、充電電流検出結果を積算して二次電池の現在残量を計算する残量算出部173によって、可変充電制御中であっても二次電池104の充電残量を把握できる。そして、充電残量が所定値以下の場合は可変充電制御を継続し、満充電近くである所定値以上となった場合に可変充電制御から定電流充電制御に切り替えることで、充電スピードを最大化することができる。
【0123】
つまり充電スピードは可変充電の方が定電流充電よりも速いため、二次電池104の充電残量が少ない充電初期は可変充電制御を実施することで急速に充電を行い、二次電池104の充電残量が多くなった充電末期は、定電流充電制御に切り替えて満充電検出することにより精度良く100%容量で充電完了できる。
【0124】
次に第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態と
図1~
図3については共通の構成のため、説明を省略する。
【0125】
図10は、第4の実施形態の充電制御装置構成の説明図である。
【0126】
本第4の実施形態では、
図4で説明した構成に加え、出力電圧検出部183を有している。出力電圧検出部183は、二次電池104の出力電圧を検出する。なお二次電池104の出力電圧が所定値以下であれば、二次電池104の残量が少ないことを示す。
【0127】
図10は第4の実施形態の充電制御処理フローを説明するフローチャートである。
【0128】
まず本フローは、充電制御装置103が、可変充電制御を開始した状態からスタートするフローである(S401)。充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S402)。そして充電切替部143は、検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S403)。
【0129】
ステップS403の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、充電切替部143は、出力電圧検出部183によって算出された二次電池の出力電圧に基づき、二次電池104の出力電圧が所定値以下かを判断する(S404)。
【0130】
ステップS404の判断の結果、出力電圧が所定値以下の場合(YESの場合)は、ステップS402に戻る。
【0131】
一方ステップS404の判断の結果、二次電池104の充電残量が所定値以上の場合(YESの場合)は、充電切替部143は、可変充電制御を終了し(S405)、定電流充電制御を開始する(S406)。充電電流が所定値の場合は、満充電をより精度良く検出できる。そこで可変充電制御中の変化する充電電流が所定値を超えた場合は、定電流制御に切り替えるため、満充電をより精度良く検出して、二次電池104の充電容量に対して過不足なく充電できる。したがってこの場合の充電電流の所定値は、二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。所定値は二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0132】
ステップS406で定電流制御が開始された後は、満充電検出部163が、二次電池104の満充電が検出されたかどうかを判断する(S407)。ステップS307の判断の結果満充電が検出された場合、充電制御装置103は充電を終了し(S408)、本フローは終了する。
【0133】
ステップS403に戻り、ステップS403の判断の結果、充電電流が所定値より少なかった場合(NOの場合)、満充電検出部163は、充電開始から所定時間経過したかを判断する(S409)。
【0134】
この所定時間について説明する。ステップS409の判断を行う時点は、定電流制御に移行していない、つまり可変充電制御を行っている状態のため、精度の良い満充電の判断が行えない。そこで充電開始からカウントして、確実に満充電となる経過時間で満充電となったかを判断する。つまりタイマーによって、満充電によるフロー終了の判断を行う。したがってこの所定時間は、一例として充電制御装置103において最も少ない充電電流によって、充電0%の状態から充電完了するまでの時間を設定すればよい。この所定時間は、二次電池104に応じてあらかじめ定められた値を用いてもよいし、別途充電制御装置103と二次電池104により実験を行った結果に基づき決定してもよい。
【0135】
ステップS409の判断の結果、所定時間経過している場合(YESの場合)、充電制御装置103は、充電を終了し(S408)、本フローは終了する。
【0136】
一方ステップS409の判断の結果、所定時間経過していない場合(NOの場合)、ステップS402に戻って可変充電制御を継続する。
【0137】
ステップS407に戻り、ステップS407の判断の結果、満充電が検出されなかった場合(NOの場合)、充電電流検出部133は、充電電流を検出する(S410)。そして充電切替部143は、ステップS410で検出された充電電流が所定値以上であるかを判断する(S411)。この場合の所定値は、ステップS303と同様に一例として、本充電制御装置103において二次電池104の満充電が精度良く検出できる所定値を設定すればよい。
【0138】
ステップS411の判断の結果、充電電流が所定値以上であった場合(YESの場合)、ステップS407に移行する。一方ステップS311の判断の結果、充電電流が所定値より小さい場合(NOの場合)、充電切替部143は、定電流充電制御を終了して(S412)、ステップS401に戻り可変充電制御を開始する。
【0139】
このように、充電切替部143を有し、充電電流検出値が所定値以上の場合に可変充電制御から定電流充電制御へ切り替える。その結果、バッテリー特性(温度、電圧)を適切にとらえることができる状態である定電流充電制御が行われている状態へと切り替わり、二次電池104の充電を精度良く検知できる。したがって、過充電や充電不足なく二次電池104を満充電にすることが可能となる。
【0140】
なお、定電流充電制御中に、直流負荷105の動作内容が変わって負荷電流が増大し、その結果充電電流が所定値以下になる場合もある。そのため、定電流制御中にも所定値以上であることをチェックし、所定値を下回った場合には定電流充電制御を終了し、可変充電制御に切り替えるなどしてもよい。
【0141】
本第4の実施形態では、可変充電制御を終了する前に、ステップS404において、出力電圧検出部183によって検出された二次電池の出力電圧に基づき、二次電池の出力電圧が所定値以下かを判断する。
【0142】
このように、本実施形態では、二次電池の出力電圧検出部183を有し、二次電池104の出力電圧値から充電残量を判断し、出力電圧が所定値以下の場合は可変充電制御を継続し、所定値より大きい場合に可変充電制御から定電流充電制御に切り替えることで充電スピードを最大化することができる。
【0143】
つまり充電スピードは可変充電の方が定電流充電よりも速いため、二次電池104の充電残量が少ない充電初期は可変充電制御を実施することで急速に充電を行い、二次電池104の充電残量が多くなった充電末期は、定電流充電制御に切り替えて満充電検出することにより精度良く100%容量で充電完了できる。また第3の実施形態の効果に加え、充電残量算出のための計算不要となり構成を簡素化することができる。
【0144】
以上、実施形態に係る画像形成装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0145】
100 画像形成装置
101 直流電流
103 充電制御装置
104 二次電池
105 直流負荷
113 出力電流検出部
123 充電器
133 充電電流検出部
143 充電切替部
153 充電電流制御部
163 満充電検出部
173 残量算出部
183 出力電圧検出部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0146】