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特許7156658シールデバイス及びシール要素を有する摺動要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】シールデバイス及びシール要素を有する摺動要素
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/23 20060101AFI20221012BHJP
   E06B 7/22 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
E06B7/23 A
E06B7/22 B
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018041131
(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2018159260
(43)【公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-01-12
(31)【優先権主張番号】17162591.6
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518079448
【氏名又は名称】ハワ スライディング ソリューションズ エージ―
【氏名又は名称原語表記】Hawa Sliding Solutions AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ,ユストル
(72)【発明者】
【氏名】ミルタ,シュトレーベル
(72)【発明者】
【氏名】ピーター,エトミュラー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール,ハーブ
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実開平7-10373(JP,U)
【文献】実開昭61-206094(JP,U)
【文献】実開平6-51485(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0260579(US,A1)
【文献】米国特許第3952455(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/22-7/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摺動板(10)及びシールデバイスを有する摺動要素(1)であって、前記シールデバイスは、少なくとも1つのシール要素(2;3)を備え、前記少なくとも1つのシール要素(2;3)は、前記摺動板(10)の後側に配置され、前記摺動板(10)の縁に沿って外周に延在するシールフレームを形成し、前記摺動板(10)は、ベース板(11)及びフランジ板(12)を備え、前記フランジ板(12)は、前記ベース板(11)からオフセットし、前記ベース板(11)にワンピースで接続され、前記フランジ板(12)の縁において、外周アンカー溝(18)によって前記ベース板(11)から分離され、前記外周アンカー溝(18)は、前記少なくとも1つのシール要素(2;3)を保持するために役立ち、前記少なくとも1つのシール要素(2;3)は、接続本体(20;30)によって圧縮部材(22;32)に接続されるアンカー部材(21;31)を備え、前記外周アンカー溝(18)内に保持される前記少なくとも1つのシール要素(2;3)の前記アンカー部材(21)は、前記摺動板(10)に少なくともほぼ平行に整列される、摺動要素(1)。
【請求項2】
第1のシール要素(2)は、前記第1のシール要素(2)のアンカー部材(21)によって、前記摺動板(10)の上側における前記外周アンカー溝(18)の上アンカー溝セクション(181)内に、また、前記摺動板(10)の左側における左アンカー溝セクション(182)内に、また、前記摺動板(10)の右側における前記外周アンカー溝(18)の右アンカー溝セクション(182)内に固定され、第2のシール要素(3)は、前記第2のシール要素(3)のアンカー部材(31)によって、前記摺動板(10)の下側における前記外周アンカー溝(18)の下アンカー溝セクション(183)内に固定される、請求項1に記載の摺動要素(1)。
【請求項3】
前記第1のシール要素(2)の前記圧縮部材(22)は、前記摺動板(10)に垂直に整列する第1の圧縮軸(x)を有する、請求項2に記載の摺動要素(1)。
【請求項4】
前記第1のシール要素(2)の前記圧縮部材(22)は、形態を有し、前記形態は、少なくともほぼ対称であり、2つの接触ゾーン及び前記第1の圧縮軸(x)に対応する対称軸を有するカージオイドの形態に少なくともほぼ対応する、請求項3に記載の摺動要素(1)。
【請求項5】
前記外周アンカー溝(18)内に保持される前記第2のシール要素(3)の前記アンカー部材(31)は、前記摺動板(10)に少なくともほぼ平行に整列し、前記第2のシール要素(3)の前記圧縮部材(32)は、前記摺動板(10)に平行に整列する第2の圧縮軸(y)を有する、請求項2に記載の摺動要素(1)。
【請求項6】
前記第2のシール要素(3)の搭載後に、垂直に配列される前記第2の圧縮軸(y)は、前記第2のシール要素(3)の前記アンカー部材(31)及び前記圧縮部材(32)を横断する、請求項5に記載の摺動要素(1)。
【請求項7】
前記第2のシール要素(3)の前記圧縮部材(32)は、前記第2の圧縮軸(y)に対して傾斜して整列される、1つまたは2つの曲げ褶曲部(323;324)あるいは前記圧縮部材(32)に対して反対側に交互に配置される複数の互いにずれている曲げ褶曲部(323;324)を備える、請求項5に記載の摺動要素(1)。
【請求項8】
前記第2のシール要素(3)の前記圧縮部材(32)は、前記第2の圧縮軸(y)に沿って積重ねて配置される少なくとも2つの圧縮チャンバ(321、322)を備える、請求項に記載の摺動要素(1)。
【請求項9】
1つの前記曲げ褶曲部(323;324)または複数の前記曲げ褶曲部(323;324)のうちの1つの曲げ褶曲部(323;324)は、前記圧縮チャンバ(321、322)の間で前記第2の圧縮軸(y)に交差して配置される、請求項8に記載の摺動要素(1)。
【請求項10】
1つの前記曲げ褶曲部(323;324)または前記2つ以上の曲げ褶曲部(323;324)及び前記圧縮チャンバ(321、322)は、前記第2の圧縮軸(y)に沿って前記第2のシール要素(3)を変位させている間、前記第2のシール要素(3)の前記圧縮部材(32)が折り曲げられ、それにより、前記圧縮チャンバ(321、322)が、本質的に前記第2の圧縮軸(y)に沿って移動するように設計される、請求項8に記載の摺動要素(1)。
【請求項11】
アンカー部材(31)及び圧縮部材(32)を有する請求項1に記載の摺動要素(1)上に搭載されるシールデバイス用のシール要素(3)であって、
a)前記圧縮部材(32)は、関連する圧縮軸(y)に沿って積重ねて配置される少なくとも2つの圧縮チャンバ(321、322)を備え、
b)前記圧縮部材(32)は、前記圧縮部材(32)の対向側に交互に配置される1つまたは2つの曲げ褶曲部(323;324)あるいは複数の互いに変位する曲げ褶曲部(323;324)を備え、
1つの前記曲げ褶曲部(323;324)または前記2つ以上の曲げ褶曲部(323;324)及び前記圧縮チャンバ(321、322)は、前記関連する圧縮軸(y)に沿って前記シール要素(3)を変位させている間、本質的に前記関連する圧縮軸(y)に沿う折り曲げ手順中に、前記圧縮部材(32)は折り曲げ可能であり、前記圧縮チャンバ(321、322)は可動であるように設計される、シール要素(3)。
【請求項12】
1つの前記曲げ褶曲部(323;324)または前記2つ以上の曲げ褶曲部(323;324)は、前記関連する圧縮軸(y)に対して傾斜して整列される、請求項11に記載のシール要素(3)。
【請求項13】
1つの前記曲げ褶曲部(323;324)または複数の前記曲げ褶曲部(323;324)のうちの1つの曲げ褶曲部(323;324)は、前記圧縮チャンバ(321、322)の間で前記関連する圧縮軸(y)に交差して存在する、請求項11に記載のシール要素(3)。
【請求項14】
前記関連する圧縮軸(y)は、前記アンカー部材(31)及び前記圧縮部材(32)を横断する、請求項11に記載のシール要素(3)。
【請求項15】
前記アンカー部材(31)と前記圧縮部材(32)との間に、前記圧縮軸(y)に垂直に配列される肩部材(301)が設けられる、請求項11に記載のシール要素(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動要素に関し、特に、摺動ドアに関し、摺動ドアは、レールに沿って変位可能であり、シールデバイスを備え、摺動ドアによって、部屋開口が閉鎖可能である。本発明は、こうしたシールデバイス用のシール要素に更に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋を分離または分割するため、あるいは、部屋開口または窓開口を閉鎖するため、しばしば、2つのキャリッジによってレールに沿って、通常、誘導される、ガラスまたは木でできた摺動ドア等の摺動要素が使用される。米国特許第9290977号明細書は、レールに沿って可動であるキャリッジを有するデバイスを開示する。デバイスは、摺動要素を、部屋開口の前で、そして最終的に、部屋開口に当てて移動させることであって、それにより、部屋開口をしっかり閉鎖する、移動させることを可能にする。摺動ドアと、部屋開口の縁、例えば、ドアフレームまたはケーシングとの間に、シールが設けられ、シールは、摺動ドアが部屋開口に当たって誘導されるとすぐに、所望の程度だけ圧縮される。シールが光学的に見えることを回避するため、シールは、摺動ドアの前側ではなく、後側に設置される。
【0003】
以下で図2に示す米国特許第9290977号明細書に開示されるシールデバイスは、外周シール要素5が接続されるマルチパート搭載ストリップ6を備える。搭載ストリップ6の異なる要素、真っ直ぐな要素及び角要素は、摺動要素の後側の縁に接近して延びる外周フレームが形成されるように摺動要素の後側に接続される。搭載ストリップ6、すなわち、その要素は、アンカーチャネル60を備え、アンカーチャネル60内で、シール要素5のアンカー部材51が固定されて、シール要素5を留める。アンカー部材51は、2つのチャンバ521、522を有する圧縮要素52を備える。第1のチャンバ521は、側方に外方に方向付けられ、第2のチャンバ522は、下方に方向付けられる。部屋開口の縁に接触すると、第1のチャンバ521は圧縮される。摺動ドアを下げると、第2のチャンバ522は、床に当たって誘導され、圧縮される。
【0004】
したがって、シールデバイスを搭載するため、比較的大きな労力が必要とされる。その理由は、まず、搭載ストリップ6が、摺動要素1’に精密に整列してねじ込まれる必要があり、その後にだけ、シール要素5が挿入され得るからである。シール要素5は、比較的大きな寸法を示す。したがって、材料費及び設置労力は相当なものである。搭載ストリップ6及び減衰要素52の組合せは、同様に、大きな空間を必要とし、それにより、摺動要素1’は、所望の程度に部屋開口に接近して誘導できない。部屋開口の前で駆動される摺動要素1’は、視覚的に容積が大きく見える。比較的大きな寸法であるが、シール要素5は、小さな圧縮経路だけを示し、それにより、摺動ドアの、相応して小さくかつ精密な変位または減衰要素52の大きな寸法が設けられる必要がある。
【0005】
米国特許出願公開第2012/260579号明細書は、従来のT状アンカー部材、ならびに、円形断面及び2つのチャンバを備える圧縮部材を有するシールを開示する。T状アンカー部材は、かなりの変形後にだけ、アンカー部材がその中に挿入され得る、ドアパネル内のT状アンカー溝を必要とする。したがって、アンカー部材は、おそらくはアンカー溝内にかなりの遊びを持った状態で着座し、深刻な摩耗にさらされる。円形断面を有する圧縮本体は、比較的小さな圧縮経路だけを有し、したがって、比較的小さな空気ギャップだけをシールする。
【0006】
独国特許出願公開第4228986号明細書は、ドアの前側に向かって開口するT状アンカー溝内に係合される矢印状アンカー部材を有するドアまたは窓用のシールを開示する。このシールは、有利には、特に摺動ドアの縁で固定できない。
【0007】
欧州特許出願公開第1431501号明細書は、誘導デバイス内に保持される摺動ドア及びシールプロファイルを有するシールデバイスを有する摺動ドアを開示し、シールプロファイルは、床に直接接触するかまたは互いに直接接触し、材料の適切な選択によって低減される分散摩擦をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第9290977号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/260579号明細書
【文献】独国特許出願公開第4228986号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1431501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、シールデバイスならびに改良型シール要素を有する改良型摺動要素を提供するという目的に基づく。
【0010】
シールデバイスは、単純な構成を有するものとし、また、ほとんど労力なしで搭載可能であるものとする。シールデバイスは、出来る限り少ない材料を必要とするものとし、また、低コストで生産可能であるものとする。更に、シールデバイスは、摺動要素、すなわち、摺動ドアが、そこに設けられる部屋開口、すなわち、ドアフレームまたはケーシングに接近して駆動されることを可能にするものとする。美的に有利な印象をもたらすように、スリムな寸法を有するシールデバイスを有する摺動要素を製造することが可能であるものとする。シール要素は、容易に搭載可能であるものとし、比較的小さな寸法であるが、比較的大きな圧縮経路を有するものとし、また、摺動要素と、ドアフレームまたはケーシングとの間のギャップをしっかりシールするものとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題は、請求項1に記載のシールデバイスならびに請求項11に記載のシール要素を有する摺動要素によって解決される。本発明の好ましい実施形態は、更なる請求項において規定される。
【0012】
摺動要素は、摺動板及びシールデバイスを備え、シールデバイスは、少なくとも1つのシール要素を備え、少なくとも1つのシール要素は、前記摺動板の後側に配置され、摺動板の縁に沿って外周に延在するシールフレームを形成する。
【0013】
本発明によれば、摺動板は、ベース板及びフランジ板を備え、フランジ板は、ベース板からオフセットし、ベース板にワンピースで接続され、フランジ板の縁において、外周アンカー溝によってベース板から分離され、アンカー溝は、少なくとも1つのシール要素を保持するために役立ち、少なくとも1つのシール要素は、アンカー溝に挿入され、接続本体によって圧縮部材に接続されるアンカー部材を備える。更に、アンカー溝内に保持される少なくとも1つのシール要素のアンカー部材は、摺動板、すなわち、摺動板の前側または後側に少なくともほぼ平行に整列される。
【0014】
本解決策によって、アンカー溝を備える搭載ストリップの要件が回避され得る。アンカー溝は、有利には、摺動板内に組込まれ、それにより、一方で、部屋開口の前側から目に見えるベース板、及び、他方で、部屋開口の後側から目に見えるフランジ板は、アンカー溝を閉囲する。ベース板及びフランジ板は、逆方向に向く外表面を有し、外表面は、好ましくは、設計が同一であり、ユーザが識別不能である。側方でまた上側で、ベース板の寸法は、好ましくは、フランジ板の寸法よりわずかに大きいため、関連するシール要素の接続本体用の受取り空間が設けられ、受取り空間は、フランジ板に対して後に変位し、ベース板によって支持される。したがって、関連するシール要素は、摺動板内に固定されるだけでなく、摺動板内に一体化され、それにより、シール機能にとって重要であるデバイス部品だけが、摺動板から突出する。しかし、下側で、フランジ板は、ベース板を超えて突出し、ベース板を覆い、摺動板に設けられるシール要素を覆うために役立ち得る。
【0015】
したがって、少なくとも1つのシール要素は、迅速かつ好都合に、アンカー溝内に搭載され、シール機能を最適に果たし、一方、少なくとも1つのシール要素は、光学的に現れない。搭載ストリップを回避するため、シールデバイスを内部に一体化している摺動板は、スリムに作られ、美的に有利であり得る。部屋開口は、本発明の摺動要素、すなわち、本発明の摺動ドアによってしっかり閉鎖され得る。搭載ストリップを回避し、摺動板内にシール要素を一体化することによって、スリムな摺動板が、部屋開口に当接して駆動され、しっかりシール済みの部屋開口の前にだけ、ほとんど空間を必要としない。
【0016】
アンカー溝を有する摺動プレートが機械によって製造され得、シール要素が、例えば同様に設置場所において、アンカー溝に迅速に挿入され得るため、本発明の摺動要素は、最小の労力及び材料コストを用いて安く製造され得る。
【0017】
シール要素、すなわち、シールプロファイルは、ゴムまたはシリコーン等の従来の材料から作られ得る。それにより、一方で、アンカー部材について、また、他方で、圧縮部材について、異なる材料が使用され得、その特性は、アンカー部材または圧縮部材の機能にそれぞれ適合する。アンカー部材は、例えば、圧縮部材より弾性が低い材料から製造され得る。
【0018】
好ましい実施形態において、そのアンカー部材を有する第1のシール要素は、摺動板の上側のアンカー溝の上部材内に、また、摺動板の左及び右側のアンカー溝の左及び右部材内に固定され、そのアンカー部材を有する第2のシール要素は、摺動板の下側のアンカー溝の下部材内に固定される。2つの異なるシール要素によって、割当てられるタスクは、最小の材料要件で、最適に果たされ得る。第1のシール要素によって、部屋開口または部屋開口に搭載されるケーシングの縁によって規定される平面に対する側方結合が行われ得る。すなわち、摺動板は、部屋開口の前で移動され得、その後、部屋開口に当たって駆動され得、それにより、部屋開口は、側方でまた上側で、第1のシール要素によってしっかり閉鎖される。第2のシール要素は、摺動板が床まで下げられた後に残っているギャップを閉鎖するために役立つ。
【0019】
摺動板と第1のシール要素との間の安定した接続、また同時に、摺動板内への第1のシール要素の空間節約的な部分的一体化は、第1のシール要素のアンカー部材が、摺動板に少なくともほぼ平行に整列するアンカー溝内に保持されるため、達成される。しかし、最適なシールは、摺動板に垂直な第1の圧縮軸に対する第1のシール要素の圧縮部材の整列によって生じる。
【0020】
特に信頼性のあるシールは、第1のシール要素の圧縮部材であって、少なくともほぼ対称であり、2つの接触ゾーン及び第1の圧縮軸に対応する対称軸を有するカージオイドの形態を有する、圧縮部材を形成することによって達成される。少なくともほぼカージオイドの形態の実施形態によって、2つの接触ゾーンは、摺動ドアを閉鎖した後に生じ、それは、実質上、2重シールをもたらす。
【0021】
述べたように、好ましい実施形態において、第1のシール要素は、シールフレームを作成するために排他的に使用され得る。すなわち、第1のシール要素は、同様に、摺動板の下側に設けられ得る。
【0022】
更なる好ましい実施形態において、第2のシール要素が設けられ、第2のシール要素のアンカー部材は、アンカー溝内で、摺動板に少なくともほぼ平行に整列し、第2のシール要素の圧縮部材は、摺動板に平行に延在する第2の圧縮軸を有する。したがって、外周アンカー溝は、同様に、ベース板及びフランジ板に平行に整列する。
【0023】
第2のシール要素は、第2のシール要素を搭載した後に垂直に整列する第2の圧縮軸が、第2のシール要素のアンカー部材及び圧縮部材を横断することを可能にすることによって、特にスレンダーになるよう設計され得る。
【0024】
好ましくは、第2のシール要素の圧縮部材は、少なくとも一方の側にまたは両側に、それぞれ少なくとも1つの曲げ褶曲部を備え、曲げ褶曲部は、第2の圧縮軸に好ましくは垂直に傾斜して整列する。複数の曲げ褶曲部が設けられる場合、曲げ褶曲部は、圧縮部材の両側で交互にかつ第2の圧縮軸に沿って互いに変位して配置される。
【0025】
曲げ褶曲部は、第2のシール要素が第2の圧縮軸に沿って変位すると、第2のシール要素の圧縮部材が圧縮され、それにより、圧縮チャンバが、本質的に第2の圧縮軸に沿って移動し、側方にスイベルアウトしないように設計され配置される。したがって、第2のシール要素の本発明の実施形態によって、第2のシール要素の圧縮部材が第2の圧縮軸に沿って圧縮されることが可能になる。したがって、摺動ドアを閉鎖した後、幅広の(broad)シール本体が、摺動ドアの下側に生じ、そのシール本体が関連するドアギャップをしっかり閉鎖する。所望の圧縮を阻止することになる圧縮部材の側方傾斜が回避され得る。第2の圧縮軸に沿う圧縮部材の圧縮によって、比較的幅広のドアギャップは、大きな寸法のシール要素を必要とすることなく確実にシールされ得る。したがって、第2のシール要素がスレンダーな設計であるが、シール機能は、依然として最適に果たされる。
【0026】
好ましい実施形態において、第2のシール要素の圧縮部材は、少なくとも2つの圧縮チャンバを備え、少なくとも2つの圧縮チャンバは、第2の圧縮軸に沿って積重ねて配置され、第2のシール要素が床まで下げられると、本質的に第2の圧縮軸に沿って移動する。中空空間を備える圧縮チャンバによって、完全な音響的かつ熱的なシールに到達する。
【0027】
曲げ褶曲部、すなわち、曲げ褶曲部のうちの少なくとも1つの曲げ褶曲部は、好ましくは、圧縮チャンバの間で第2の圧縮軸に沿って配置される。曲げ褶曲部は、同様に、圧縮チャンバの壁内に組込まれて、任意選択で、折り曲げプロセスと組合せて、圧縮プロセスを容易にし得る。少なくとも1つの曲げ褶曲部は、湾曲、溝、または材料窪みの形態で設けられ得る。
【0028】
シールフレームは、同様に、第2のシール要素によって完全に形成され得る。すなわち、第2のシール要素は、同様に、側方でまた摺動板の上部でアンカー溝に挿入され得る。
【0029】
したがって、シールフレームを形成するため、第1のシール要素または第2のシール要素あるいは第1及び第2のシール要素の組合せが、有利には、使用されてもよい。考えられる全ての代替の実施形態において、圧縮部材の圧縮軸は、好ましくは、本体、すなわち、シールされる必要がある本体表面に常に垂直に整列される。第1のシール要素及び第2のシール要素の圧縮部材の圧縮軸は、関連するシール要素のアンカー部材の軸に対して、平行にまたは傾斜して、好ましくは垂直に整列され得る。したがって、第1及び第2のシール要素は、個々にまたは組合せて、また、異なる実施形態において、シールフレームを形成するために、一般に使用され得る。
【0030】
本発明は、図面を参照して以下で詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1a】摺動要素、すなわち、摺動ドア1を有する摺動システム100を示す図であり、摺動ドア1は、摺動板10及びシールフレームを有するシールデバイスを備え、シールデバイスは、第1のシール要素2であって、摺動板10の上側に沿ってまた側方縁に沿って延びる、第1のシール要素2、及び、摺動板10の下側に沿ってまた側方縁に沿って延びる第2のシール要素3を備える。
図1b図1aの摺動ドア1を示す図であり、摺動ドア1は、キャリッジ91、91’によって、レール9のカバー99なしで、また、ドアフレームまたはケーシング8なしで、レール9、9’に沿って誘導される。
図2】米国特許第9290977号明細書に開示される摺動ドア1’を示す図であり、摺動ドア1’は、シールデバイスを備え、シールデバイスは、摺動ドア1’にねじ込まれる搭載ストリップ6及び外周シール要素5またはループ状シールフレームを備える。
図3a図1bの非対称に設計された摺動板10の左上角を示す図であり、摺動板10は、シールフレーム2、3を保持するために役立つフランジ板12、及び、シール要素2の左側に設けられ、接続デバイス92によって第1のキャリッジ91に接続される縁部材15を備える。
図3b】シールフレーム2を搭載する前の、図3aの非対称に形成された摺動要素1の左上角を示す図である。
図4a】フランジ板12を有する図1bの切断線A-A、B-Bに沿って切断した摺動板10の角ピースを示す図であり、フランジ板12は、シールフレーム2、3を搭載するために役立つアンカー溝18によってベース板10から外周で分離される。
図4b】シールフレーム2、3を保持する、突出するフランジ板12を有する図4aの摺動板10の右縁の角ピースを示す図である。
図5a】搭載済みの第1のシール要素2を有する図4bの摺動板10の上右角ピースを示す図である。
図5b】第2のシール要素3を有する好ましい実施形態における摺動板10の下右角ピースを示す図であり、第2のシール要素3は、この実施形態では、シールフレームの4つ全ての部材のために使用される。
図6a】接続本体30によって互いに接続されるアンカー部材31及び圧縮部材32を有する応力なしの第2のシール要素3の部分断面図である。
図6b】前側からの、図6aの応力なしの第2のシール要素3を示す図である。
図6c】下方に変位したアンカー部材31及び圧縮された圧縮部材32を有する図6bの応力ありの第2のシール要素3を示す図である。
図7a】アンカー部材31の長手方向軸aと圧縮部材32の圧縮軸xが同軸に整列した状態の第1のシール要素2を示す図である。
図7b】アンカー部材31の長手方向軸aと圧縮部材32の圧縮軸yが互いに垂直に整列した状態の第2のシール要素3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1aは、本発明の摺動要素、すなわち、摺動ドア1を有する本発明の摺動システム100を示し、摺動ドア1は、この好ましい実施形態において、部屋開口、すなわち、ドアフレームまたはケーシング8の前の2つのレール9に沿って変位可能である。レール9はベゼル99によって覆われる。代替法として、1つのレールだけが同様に使用され得る。
【0033】
好ましい実施形態において、摺動システム100は、摺動ドア1が、部屋開口の前で水平に移動し得、閉鎖プロセスの最終フェーズで、ケーシング8及び床に当たって移動して、部屋開口を全ての側部でしっかり閉鎖し得る。
【0034】
このため、摺動ドア1は、例えば木材から作られた摺動板10を備え、摺動板10は、この好ましい実施形態では、シールデバイスを備え、シールデバイスは、摺動板10の上方縁及び側方縁に沿って配置される第1のシール要素2、及び、摺動板10の下側に沿って配置される第2のシール要素3を備える。したがって、両方のシール要素2、3は、部分的にまたは好ましくは完全にそれ自体閉鎖される摺動ドアの後側でシールフレームを形成する。摺動ドア1を閉鎖すると、第1のシール要素2はケーシング8に当たって誘導され、第2のシール要素3は、床に当たって誘導され、圧縮され、それにより、最適な音響的かつ熱的なシールを提供する。
【0035】
摺動板10は、ベース板11を前側に、ドアフレームまたはケーシング8に向くフランジ板12を後側に備える。ベース板11とフランジ板12との間にアンカー溝18が設けられ、アンカー溝18は、フレームのようにフランジ板18を囲み、アンカー溝18内に、第1及び第2のシール要素2、3を有するシールフレームが挿入されている。
【0036】
シール要素2の左側かつ外側で、摺動板10は、任意選択で、第1のキャリッジ91に接続される縁部材15を備える。前側で、摺動板10は第2のキャリッジ91’に接続される。米国特許第9290977号明細書で述べるように、2つのキャリッジ91、91’は、好ましくは、別個のレール9、9’上で誘導される。第2のレール9’に沿って、前側の第2のキャリッジ91’は、部屋開口から遠くに完全に駆動され得る。第1のキャリッジ91が第2のレール9’の範囲に入ることを回避するため、第2のレール9’は、摺動ドア1であって、シールデバイスと共に、部屋開口をシールするために使用される、摺動ドア1の範囲に対して変位される。図示する実施形態において、これは、縁部材15を更に備える摺動ドア1の非対称設計によって特に有利である。したがって、キャリッジ91、91’は、有利には、近傍のレール9、9’から外れ得、部屋開口は完全に開口され得る。
【0037】
したがって、ハッチングで示す縁部材15は、任意選択で設けられるだけであり、同様に省略され得る。この縁部材15がない場合、摺動板10の左側は右側と同一であることになり、シールフレーム2、3の要素を同様に設けられることになる。したがって、摺動要素1は、対称または非対称設計を有し得る。
【0038】
図1b(図3aを同様に参照)は、摺動ドア1が、搭載済みのシールデバイスがある状態でも非常にスリムであることを示す。本質的に、シールのために必要とされるシール要素2、3の部品だけが目に見える。シール要素2、3の更なる部品は摺動ドア1内に一体化される。
【0039】
図2は、米国特許第9290977号明細書に開示される摺動ドア1’を示し、摺動ドア1’は、シールデバイスを備え、シールデバイスは、摺動ドア1’にねじ込まれる搭載ストリップ6及び外周シール要素5を備える。シール要素5は、アンカー部材51及び2つの圧縮チャンバ521、522を有する圧縮部材52を備える。アンカー部材51は、搭載ストリップ6内に設けられるアンカーチャネル60内に保持される。
【0040】
図3aは、図1bの非対称設計済みの摺動板10の左上角を示し、摺動板10は、第1のシール要素2のそばで左側に、伸張した縁部材15を備え、縁部材15は、接続デバイス92によって第1のキャリッジ91に接続される。このため、搭載デバイス93は、摺動板10の上側に設けられる搭載チャネル19に挿入されている。
【0041】
図示するシール要素2は、摺動板10の後側に設けられる図1bに示すシールフレームの部材を形成する。シールフレームは、図1b及び図4bに示すように、シールフレームの上部及び側部を形成する第1のシール要素2、ならびに、シールフレームの下部材を形成する第2のシール要素3を備える。シールフレームの形態は、好ましくは、摺動板10の形態、及び/または、部屋開口、すなわち、部屋開口に設けられるドアフレームまたはケーシング8の縁の形態に適合する。
【0042】
図4bは、第1及び第2のシール要素2、3がそれぞれ、接続本体20;30によって互いに接続されるアンカー部材21;31及び圧縮部材22;32を備えることを更に示す。
【0043】
図3aに示す第1のシール要素2は、摺動ドア1内にほぼ完全に一体化される。アンカー部材21は、アンカー溝18内に受取られる。接続本体20は、アンカー溝18に隣接する受取り空間14内に受取られる。しかし、圧縮部材22は、しっかりとした閉鎖を得るように圧縮されるものとするため、好ましくは少なくとも或る程度、受取り空間14から外に突出する。したがって、図3aは、摺動ドア1が最小寸法を持つように設計され得、シールデバイスが、摺動板10内に美的に有利に一体化され得ることを示す。
【0044】
シール要素2、3を有するシールフレームを有利に搭載するため、外周アンカー溝18が、摺動板10の後側に導入される。アンカー溝18は、シール要素2、3を有するシールフレームに対応するアンカーフレームを形成する。摺動板10は、ベース板11を前側に、また、部屋開口に向くフランジ板12を後側に備え、フランジ板は、ベース板11にワンピースで接続され、アンカー溝18及び受取り空間14によってベース板11から外周で分離されるだけである。受取り空間14及びアンカー溝18を導入することによって、フランジ板12は、縁においてくり抜かれる。例えば、第1のプロセスにおいて、受取り空間14がくり抜かれ、第2のプロセスステップにおいて、アンカー溝18がくり抜かれ、両者は、摺動ドア1の近傍側部に接して、ベース板11とフランジ板12との間でベース板11およびフランジ板12に平行に方向付けられる。したがって、受取り空間14及びアンカー溝18を有する、くり抜かれた窪みのプロファイルは、好ましくは、フランジ板12の中央に向かって方向付けられるLプロファイルである。ベース板11およびフランジ板12を有する摺動板10は、好ましくは1つの一体ピースとして作られるため、摺動ドア1の前側及び後側は、ユーザが別の設計を好まない場合、同一の外観を有する。摺動ドア1が閉鎖された後、シールフレーム2、3がケーシング8及び床に隣接し、したがって、目に見えない。例えば前側及び後側において、摺動板10の白色表面または木構造だけが目に見える。
【0045】
摺動板10は、金属またはプラスチックから作られ得る。摺動板10がプラスチックから作られる場合、その内部空間が摺動板10の寸法に対応する鋳型ボックスが、例えば設けられ、Lプロファイルを有する充填材料が、受取り空間14及びアンカー溝18が設けられる場所に位置決めされる。その後、プラスチックが、鋳型ボックス内に注がれる。
【0046】
受取り空間14がシールフレーム2、3の少なくとも一部を受取るため、フランジ板12の寸法は、通常、シールフレーム2、3の寸法に対応する程度だけ、ベース板11の寸法より小さいであろう。
【0047】
図3bは、シールフレーム、すなわち、第1のシール要素2を挿入する前の、非対称に設計済みの摺動板10の左上角を示す。フランジ板12が、フレームの形で延在する、受取り空間14及びアンカー溝18によってベース板11から周辺で分離されることが示される。したがって、摺動板10の後側において、フランジ板12は、ベース板11からオフセットする。フランジ板12及び摺動板10の縁部材15は、好ましくは、平坦表面を形成する。したがって、図3bは、図2の知られている解決策の搭載ストリップ6が、材料、労力、及び空間を節約するために回避され得ることだけでなく、シール機能について必要とされないシールフレーム2、3の部分が、更なる空間を節約するために摺動板10内にめり込まされ得ることも示す。
【0048】
図4aは、図1bの切断線A-Aに沿って切断した摺動板10の上右角ピースの上を、また、図1bの切断線B-Bに沿って切断した摺動板10の下右角ピースの下を示す。補助線によって、2つの角ピースの間の切取られた中間ピースならびに摺動板10の切取って残った部材がシンボル化され、両者は、対称または非対称に設計され得る。フランジ板12が、アンカー溝18によってベース板11から外周で分離されるが、そうでなければ、ベース板11にワンピースで接続されることが示される。アンカー溝18は、上アンカー溝セクション181をフランジ板12の上側に、下アンカー溝セクション183をフランジ板12の下側に、側方アンカー溝セクション182をフランジ板12の右側及び左側に備える。したがって、アンカー溝セクション181、182、183を有するアンカー溝18は、フレームの形態を有し、シールフレーム2、3を受取ることを可能にし、シールフレーム2、3は、好ましくは、閉ループを形成し、図示する実施形態では、長方形形態を有するが、同様に曲線及びバウを組込み得る。
【0049】
図4bは、シールフレームがアンカー溝18に挿入された状態の、図4aの摺動板10の右縁の角ピースを示す。シールフレームは、この好ましい実施形態において、第1のシール要素2及び第2のシール要素3を備え、両者は、異なるように設計され、異なる機能を果たす。第1のシール要素2は、上アンカー溝セクション181及び側方アンカー溝セクション182に挿入され、ケーシング8に当たって摺動板10をシールするために役立つ(図1a参照)。第2のシール要素3は、下アンカー溝セクション183に挿入され、床に当たって、下がった摺動板10をシールするために役立つ。
【0050】
図4b、5、6a、6b、及び6cに示すように、2つのシール要素2、3はそれぞれ、アンカー溝18に挿入され得るアンカー部材21;31、及び、圧縮部材22;32を備え、両者は、接続本体20;30によって互いに接続される。
【0051】
図5aは、木のプロファイルを有する第1のシール要素2のアンカー部材21が、アンカー溝18内で保持され、摺動板10に対して少なくともほぼ平行に整列されること、及び、第1のシール要素2の圧縮部材22が、摺動板10に垂直に整列する第1の圧縮軸xを有することを示す。したがって、アンカー部材21はアンカー溝18内に確実に保持され、一方、接続本体20は、受取り空間14内に受取られ、ベース板11の一部によって支持される。アンカー溝18に隣接して、シール要素2の接続本体20は、肩部材201がフランジ板12上にある状態で着座し、第1のシール要素2のアライメントさえも保証する。
【0052】
第1のシール要素2の圧縮部材22は、少なくともほぼ対称に設計され、2つの接触ゾーン221、222及び対称軸を示す、少なくともほぼカージオイドの形態を有し、対称軸は、圧縮軸xに対応し、部屋開口に垂直に整列する。摺動ドア1を閉鎖すると、2つの接触ゾーン221、222はケーシング8に衝当し、その後、圧縮部材22は、ベース板11に押付けられ、対称性を維持しながら変形する。それにより、2つの接触ゾーン221、222は、2重シールをもたらし、それにより、信頼性のある音響的かつ熱的シールが生じる。
【0053】
図4bは、同様に木の形態を示し、第1のシール要素2のアンカー部材21に本質的に対応する第2のシール要素3のアンカー部材31が、アンカー溝18内で保持され、摺動板10に少なくともほぼ平行に整列すること、及び、第2のシール要素3の圧縮部材32が、摺動板10に少なくともほぼ平行に、また、摺動板10の設置後、床に垂直に整列する第2の圧縮軸yを示すことを示す。
【0054】
この好ましい実施形態において、圧縮軸yは、第2のシール要素3のアンカー部材31及び圧縮部材32をほぼ中央で横断する。第2のシール要素3の接続本体30は、肩部材301がベース板11の短縮部材111上にある状態で着座し、それにより、搭載済みの第2のシール要素3が直線に沿って整列することを保証する。フランジ板12は、ベース板11の短縮部材111を超えて延在し、それにより、接続本体30を覆うためのベゼルとして役立つ。
【0055】
シールフレームが、第1のシール要素2、第2のシール要素3、または両者の組合せを備えることが概説された。シールフレームは、第1のシール要素2だけからなる場合、上の図4bに示すシールフレームの4つ全ての部分(part)を形成する。シールフレームは、しかし、第2のシール要素3だけからなる場合、図5bに示すように、全ての側部からアンカー溝18に挿入され得る。
【0056】
図5bは、この実施形態では、シールフレームの4つ全ての部分を形成する第2のシール要素3を有する、好ましい実施形態における摺動板10の下右角ピースを例として示す。アンカー部材31の長手方向軸及び第2の圧縮軸yは同軸に整列する。
【0057】
図6aは、接続本体3によって互いに接続される、アンカー部材31及び圧縮部材32を有する応力なしの第2のシール要素3の断面を空間図で示す。接続本体30に上側で隣接し、圧縮軸yに沿って整列するアンカー部材31は、木のプロファイルを示し、2対のアンカー要素311を備える。接続本体30は、フランジ要素として役立つ肩部材301を備える。圧縮要素32は、圧縮軸yに沿って積重ねて配置される、小さな第1の圧縮チャンバ321及び大きな第2の圧縮チャンバ322を備える。第1の圧縮チャンバ321の側壁には、第1の曲げ褶曲部323が形成される。2つの中空圧縮チャンバ321と323との間に、第2の曲げ褶曲部324が形成される。第1及び第2の曲げ褶曲部323、324、すなわち、対応する凹凸は、互いに抗して方向付けられ、かつ、圧縮軸yに対して少なくともほぼ対称に形成される。
【0058】
曲げ褶曲部323、324及び圧縮チャンバ321、322は、第2のシール要素3が第2の圧縮軸yに沿って変位されると、すなわち、摺動板10を垂直に下げると、第2のシール要素3の圧縮部材32が、圧縮され、任意選択で、部分的に折り曲げられるように形成される。それにより、圧縮部材32は、本質的に第2の圧縮軸yに沿って下方に変位する。圧縮部材32の圧縮がそれによって失敗することになる圧縮部材32の側方変位が回避されることになる。代わりに、圧縮チャンバ321、322は、圧縮軸yに沿って圧縮され、それにより、しっかりした閉鎖が、摺動板10の下に生じる。
【0059】
図6bは、前側からの、図6aの応力なしの第2のシール要素3を示す。
【0060】
図6cは、図6bの応力ありの第2のシール要素3を示し、アンカー部材31は下方に変位しており、圧縮部材32は圧縮軸yに沿って圧縮されている。
【0061】
図7aは、互いに同軸に整列される、アンカー部材21の長手方向軸a及び圧縮部材22の圧縮軸xを有する第1のシール要素2を示す。したがって、第2のシール要素3の代わりに、第1のシール要素2は、例えば、図4bの摺動板10の下側で、アンカー溝18内に同じように挿入され得る。破線で描く肩部材201は、任意選択で設けられ得る。
【0062】
図7bは、互いに垂直に整列される、アンカー部材31の長手方向軸a及び圧縮部材32の圧縮軸yを有する第2のシール要素3を示す。したがって、第1のシール要素2の代わりに、第2のシール要素3は、例えば、図4bの摺動板10の上側で、アンカー溝18内に同じように挿入され得る。破線で描く肩部材201は、任意選択で設けられる。破線で描く肩部材301は、任意選択で必要に応じて設けられ得る。
【符号の説明】
【0063】
100 摺動システム
1 本発明の摺動要素、摺動ドア
1’ 摺動デバイスを有する、知られている摺動要素
10 摺動板
11 ベース板
111 ベース板11の短縮部材
12 フランジ板
14 受取り空間
15 伸張縁部材
18 アンカー溝
181 上アンカー溝セクション
182 側方アンカー溝セクション
183 下アンカー溝セクション
19 搭載チャネル
2 第1のシール要素
20 第1のシール要素の接続本体
201 接続本体20の肩部材
21 第1のシール要素2のアンカー部材
22 第1のシール要素2の圧縮部材
221 第1の接触ゾーン
222 第1の接触ゾーン
3 第2のシール要素
30 第2のシール要素の接続本体
301 接続本体30の肩部材
31 第2のシール要素3のアンカー部材
311 アンカー要素
32 第2のシール要素3の圧縮部材
321 第1の圧縮チャンバ
322 第2の圧縮チャンバ
323 第1の曲げ褶曲部
324 第2の曲げ褶曲部
5 知られているシール要素
51 知られているシール要素5のアンカー部材
52 知られているシール要素5の圧縮部材
521 側方圧縮チャンバ
522 下圧縮チャンバ
6 搭載ストリップ
60 アンカーチャネル
8 ドアフレーム、ケーシング
9 レール
91 キャリッジ
92 接続デバイス
93 搭載デバイス
99 カバー
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b