(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】制御装置および検出装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20221012BHJP
B62M 6/50 20100101ALI20221012BHJP
B62M 25/08 20060101ALI20221012BHJP
B62J 99/00 20200101ALI20221012BHJP
B62J 1/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M6/50
B62M25/08
B62J99/00
B62J1/00 C
(21)【出願番号】P 2018204690
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】増田 慎子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】中坊 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】中島 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】沼田 史英
(72)【発明者】
【氏名】藤田 寛司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 賢司
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-011608(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212742(JP,U)
【文献】特開2015-036271(JP,A)
【文献】特開2016-147669(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10242447(DE,A1)
【文献】特開2008-044565(JP,A)
【文献】特開2015-199428(JP,A)
【文献】特開2011-230529(JP,A)
【文献】特開2011-011607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45
B62M 6/50
B62M 25/08
B62J 99/00
B62J 45/40
B62J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車を運転する運転者と前記運転者とは異なる同乗者とが同時に搭乗可能な前記人力駆動車のコンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記同乗者に関する同乗者情報に応じて前記コンポーネントを制御し、
前記人力駆動車は、前記同乗者が着座可能なシートを含み、
前記シートは、前記人力駆動車のサドルに対して前方に設けられる第1シート、および、前記サドルに対して後方に設けられる第2シー
トを含み、
前記同乗者情報は、前記第1シートに着座する第1同乗者に関する情報、および、前記第2シートに着座する第2同乗者に関する情報の少なくとも1つを含み、
前記制御部は、前記第1シートにおける前記第1同乗者の着座状態および前記第2シートにおける前記第2同乗者の着座状態に応じて、前記コンポーネントを制御し、
前記コンポーネントは、変速装置、サスペンション、および、制動装置の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項2】
前記コンポーネントは、前記変速装置を含み、
前記制御部は、
前記同乗者情報に応じて、前記人力駆動車の発進時の変速比を規定する指定変速比を設定し、
前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記変速装置を制御し、
前記第1同乗者が前記第1シートに着座せず、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合、前記第1同乗者が前記第1シートに着座し、前記第2同乗者が前記第2シートに着座しない場合よりも前記発進時の変速比が小さくなるように前記指定変速比を設定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記コンポーネントは、前記変速装置を含み、
前記制御部は、
前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記変速装置を制御し、
前記同乗者情報に応じて、前記人力駆動車の発進時の変速比を規定する指定変速比を設定し、
前記第1同乗者が前記第1シートに着座し、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合、前記第1同乗者が前記第1シートに着座せず、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合よりも前記人力駆動車の前記発進時の変速比が小さくなるように前記指定変速比を設定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記コンポーネントは、前記制動装置を含み、
前記制動装置は、第1操作に応じて前記人力駆動車の前輪を制動する第1制動装置、および、第2操作に応じて前記人力駆動車の後輪を制動する第2制動装置を含み、
前記制御部は、
前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記制動装置を制御し、
前記同乗者情報に応じて、前記第1操作の操作量と前記第1制動装置の制動力との第1比率と、前記第2操作の操作量と前記第2制動装置の制動力との第2比率と、の関係が変化するように前記制動装置を制御し、
前記第1同乗者が前記第1シートに着座し、前記第2同乗者が前記第2シートに着座しない場合、前記第2比率が前記第1比率に対して大きくなるように前記制動装置を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記コンポーネントは、前記制動装置を含み、
前記制動装置は、第1操作に応じて前記人力駆動車の前輪を制動する第1制動装置、および、第2操作に応じて前記人力駆動車の後輪を制動する第2制動装置を含み、
前記制御部は、
前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記制動装置を制御し、
前記同乗者情報に応じて、前記第1操作の操作量と前記第1制動装置の制動力との第1比率と、前記第2操作の操作量と前記第2制動装置の制動力との第2比率と、の関係が変化するように前記制動装置を制御し、
前記第1同乗者が前記第1シートに着座せず、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合、前記第1比率が前記第2比率に対して大きくなるように前記制動装置を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記コンポーネントは、前記制動装置を含み、
前記制動装置は、第1操作に応じて前記人力駆動車の前輪を制動する第1制動装置、および、第2操作に応じて前記人力駆動車の後輪を制動する第2制動装置を含み、
前記制御部は、
前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記制動装置を制御し、
前記同乗者情報に応じて、前記第1操作の操作量と前記第1制動装置の制動力との第1比率と、前記第2操作の操作量と前記第2制動装置の制動力との第2比率と、の関係が変化するように前記制動装置を制御し、
前記同乗者が前記第1シートおよび前記第2シートの両方に着座する場合、前記第1比率および前記第2比率が基準比率よりも大きくなるように前記制動装置を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、
前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の睡眠に関する情報を含み、
前記制御部は、前記同乗者の睡眠に応じて前記コンポーネントの動作を制限する、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記コンポーネントは、前記変速装置および電動補助ユニットの少なくとも1つを含み、
前記制御部は、前記変速装置による変速が抑制されるように、前記人力駆動車の変速比が小さくなるように、または、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が減少するように、前記コンポーネントの動作を制限する、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
人力駆動車を運転する運転者と前記運転者とは異なる同乗者とが同時に搭乗可能な前記人力駆動車のコンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記同乗者に関する同乗者情報に応じて前記コンポーネントを制御し、
前記コンポーネントは、制動装置を含み、
前記制動装置は、第1操作に応じて前記人力駆動車の前輪を制動する第1制動装置、および、第2操作に応じて前記人力駆動車の後輪を制動する第2制動装置を含み、
前記制御部は、前記同乗者情報に応じて、前記第1操作の操作量と前記第1制動装置の制動力との第1比率と、前記第2操作の操作量と前記第2制動装置の制動力との第2比率と、の関係が変化するように前記制動装置を制御する、制御装置。
【請求項10】
前記コンポーネントは、変速装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット
、および、表示装置の少なくとも1つを
さらに含む、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
人力駆動車を運転する運転者と前記運転者とは異なる同乗者とが同時に搭乗可能な前記人力駆動車のコンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記同乗者に関する同乗者情報に応じて前記コンポーネントを制御し、
前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、
前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の睡眠に関する情報を含み、
前記制御部は、前記人力駆動車の車速を低下させることによって前記人力駆動車を安定して走行させることができるように、前記同乗者の睡眠に応じて前記コンポーネントの動作を制限する、制御装置。
【請求項12】
前記コンポーネントは、変速装置
および電動補助ユニッ
トの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記変速装置による変速が抑制されるように、前記人力駆動車の変速比が小さくなるように、または、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が減少するように、前記コンポーネントの動作を制限する、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記コンポーネントは
、制動装置を
さらに含み、
前記制動装置は、第1操作に応じて前記人力駆動車の前輪を制動する第1制動装置、および、第2操作に応じて前記人力駆動車の後輪を制動する第2制動装置を含み、
前記制御部は、前記同乗者情報に応じて、前記第1操作の操作量と前記第1制動装置の制動力との第1比率と、前記第2操作の操作量と前記第2制動装置の制動力との第2比率と、の関係が変化するように前記制動装置を制御する、請求項12または13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記人力駆動車は、前記同乗者が着座可能なシートを含み、
前記制御部は、前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記制動装置を制御する、請求項9、10および14のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
前記シートは、前記人力駆動車のサドルに対して前方に設けられる第1シート、および、前記サドルに対して後方に設けられる第2シートの少なくとも1つを含み、
前記同乗者情報は、前記第1シートに着座する第1同乗者に関する情報、および、前記第2シートに着座する第2同乗者に関する情報の少なくとも1つを含む、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記第1同乗者が前記第1シートに着座し、前記第2同乗者が前記第2シートに着座しない場合、前記第2比率が前記第1比率に対して大きくなるように前記制動装置を制御する、請求項16に記載の制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第1同乗者が前記第1シートに着座せず、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合、前記第1比率が前記第2比率に対して大きくなるように前記制動装置を制御する、請求項16または17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記コンポーネントは、前記変速装置を含み、
前記制御部は、前記同乗者情報に応じて、前記人力駆動車の発進時の変速比を規定する指定変速比を設定する、請求項4から8、10、12、13および14のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項20】
人力駆動車を運転する運転者と前記運転者とは異なる同乗者とが同時に搭乗可能な前記人力駆動車のコンポーネントを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記同乗者に関する同乗者情報に応じて前記コンポーネントを制御し、
前記コンポーネントは、変速装置を含み、
前記制御部は、前記同乗者情報に応じて、前記人力駆動車の発進時の変速比を規定する指定変速比を設定する、制御装置。
【請求項21】
前記コンポーネントは
、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット、制動装置、および、表示装置の少なくとも1つを
さらに含む、請求項20に記載の制御装置。
【請求項22】
前記人力駆動車は、前記同乗者が着座可能なシートを含み、
前記制御部は、前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記変速装置を制御する、請求項19から21のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項23】
前記シートは、前記人力駆動車のサドルに対して前方に設けられる第1シート、および、前記サドルに対して後方に設けられる第2シートの少なくとも1つを含み、
前記同乗者情報は、前記第1シートに着座する第1同乗者に関する情報、および、前記第2シートに着座する第2同乗者に関する情報の少なくとも1つを含む、請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
前記コンポーネントは、前記電動補助ユニットを含み、
前記制御部は、前記同乗者の重量が第1重量以上の場合、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が大きくなるように前記電動補助ユニットを制御する、請求項8、10、12、13、14および21のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項25】
前記コンポーネントは、前記電動補助ユニットを含み、
前記制御部は、前記同乗者の重量が第2重量未満の場合、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が小さくなるように前記電動補助ユニットを制御する、請求項8、10、12、13、14および21のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項26】
前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、
前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の挙動に関する情報を含み、
前記制御部は、前記同乗者の挙動が所定挙動以上の場合、前記コンポーネントの動作を制限する、請求項1から25のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項27】
前記制御部は、前記同乗者情報に応じて前記コンポーネントの制御態様を変更する、請求項1から26のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項28】
前記同乗者情報は、前記同乗者の有無に関する情報、前記同乗者の重量に関する情報、および、前記同乗者の状態に関する情報の少なくとも1つを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項29】
前記コンポーネントは、表示装置を含み、
前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、
前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の睡眠に関する情報を含み、
前記制御部は、前記同乗者の睡眠に関する情報を前記表示装置に表示させる、請求項1から28のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項30】
前記制御部は、前記同乗者情報と前記運転者に関する情報とに応じて前記コンポーネントを制御する、請求項1から29のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項31】
前記人力駆動車は、前記同乗者情報を検出する検出装置を含み、
前記制御部は、前記検出装置の検出結果に応じて前記コンポーネントを制御する、請求項1から30のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項32】
前記検出装置は、前記人力駆動車のサドルに対して後方に設けられるシートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報を検出するように前記サドルに設けられる、請求項31に記載の制御装置。
【請求項33】
前記検出装置は、前記人力駆動車のサドルのうちの後方に設けられる、請求項31または32に記載の制御装置。
【請求項34】
前記検出装置は、カメラを含む、請求項31から33のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車のコンポーネントを制御する制御装置が知られている。コンポーネントは、例えば変速装置を含む。従来の制御装置は、人力駆動車のクランクの回転数および閾値に基づいて規定される変速条件に応じて、クランクの回転数が所定の範囲内に維持されるように変速装置を制御する。特許文献1は、従来の制御装置の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車を運転する運転者が快適に走行できることが望ましい。
本発明の目的は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる制御装置および検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車を運転する運転者と前記運転者とは異なる同乗者とが同時に搭乗可能な前記人力駆動車のコンポーネントを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記同乗者に関する同乗者情報に応じて前記コンポーネントを制御する。
上記第1側面の制御装置によれば、人力駆動車の運転に影響を与える同乗者情報に応じてコンポーネントが制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記同乗者情報に応じて前記コンポーネントの制御態様を変更する。
上記第2側面の制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記コンポーネントは、変速装置、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、電動補助ユニット、制動装置、および、表示装置の少なくとも1つを含む。
上記第3側面の制御装置によれば、同乗者情報に応じて各種のコンポーネントが制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0008】
前記第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記同乗者情報は、前記同乗者の有無に関する情報、前記同乗者の重量に関する情報、および、前記同乗者の状態に関する情報の少なくとも1つを含む。
上記第4側面の制御装置によれば、同乗者情報に含まれる各種の情報に応じてコンポーネントが制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0009】
前記第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記同乗者が着座可能なシートを含み、前記制御部は、前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記コンポーネントを制御する。
上記第5側面の制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0010】
前記第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記シートは、前記人力駆動車のサドルに対して前方に設けられる第1シート、および、前記サドルに対して後方に設けられる第2シートの少なくとも1つを含み、前記同乗者情報は、前記第1シートに着座する第1同乗者に関する情報、および、前記第2シートに着座する第2同乗者に関する情報の少なくとも1つを含む。
上記第6側面の制御装置によれば、第1同乗者に関する情報および第2同乗者に関する情報の少なくとも1つが同乗者情報に含まれるため、同乗者情報に応じてコンポーネントを好適に制御できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0011】
前記第1から第4側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記コンポーネントは、変速装置を含み、前記制御部は、前記同乗者情報に応じて、前記人力駆動車の発進時の変速比を規定する指定変速比を設定する。
上記第7側面の制御装置によれば、同乗者情報に応じて指定変速比が設定されるため、運転者が人力駆動車を安定して発進させることができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記同乗者が着座可能なシートを含み、前記制御部は、前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記変速装置を制御する。
上記第8側面の制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0013】
前記第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記シートは、前記人力駆動車のサドルに対して前方に設けられる第1シート、および、前記サドルに対して後方に設けられる第2シートの少なくとも1つを含み、前記同乗者情報は、前記第1シートに着座する第1同乗者に関する情報、および、前記第2シートに着座する第2同乗者に関する情報の少なくとも1つを含む。
上記第9側面の制御装置によれば、第1同乗者に関する情報および第2同乗者に関する情報の少なくとも1つが同乗者情報に含まれるため、同乗者情報に応じて変速装置を好適に制御できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0014】
前記第9側面に従う第10側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1同乗者が前記第1シートに着座せず、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合、前記第1同乗者が前記第1シートに着座し、前記第2同乗者が前記第2シートに着座しない場合よりも前記発進時の変速比が小さくなるように前記指定変速比を設定する。
上記第10側面の制御装置によれば、運転者が同乗者の重量を感じやすい第2同乗者の有無に応じて指定変速比が設定されるため、運転者が人力駆動車を安定して発進させることができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0015】
前記第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記コンポーネントは、制動装置を含み、前記制動装置は、第1操作に応じて前記人力駆動車の前輪を制動する第1制動装置、および、第2操作に応じて前記人力駆動車の後輪を制動する第2制動装置を含み、前記制御部は、前記同乗者情報に応じて、前記第1操作の操作量と前記第1制動装置の制動力との第1比率と、前記第2操作の操作量と前記第2制動装置の制動力との第2比率と、の関係が変化するように前記制動装置を制御する。
上記第11側面の制御装置によれば、同乗者情報に応じて第1比率と第2比率との関係が変化するように制動装置が制御されるため、運転者が人力駆動車を安定して制動することができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0016】
前記第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記同乗者が着座可能なシートを含み、前記制御部は、前記シートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報に応じて前記制動装置を制御する。
上記第12側面の制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0017】
前記第12側面に従う第13側面の制御装置において、前記シートは、前記人力駆動車のサドルに対して前方に設けられる第1シート、および、前記サドルに対して後方に設けられる第2シートの少なくとも1つを含み、前記同乗者情報は、前記第1シートに着座する第1同乗者に関する情報、および、前記第2シートに着座する第2同乗者に関する情報の少なくとも1つを含む。
上記第13側面の制御装置によれば、第1同乗者に関する情報および第2同乗者に関する情報の少なくとも1つが同乗者情報に含まれるため、同乗者情報に応じて制動装置を好適に制御できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1同乗者が前記第1シートに着座し、前記第2同乗者が前記第2シートに着座しない場合、前記第2比率が前記第1比率に対して大きくなるように前記制動装置を制御する。
上記第14側面の制御装置によれば、第1同乗者が存在する場合に第2比率が第1比率に対して大きくなるように制動装置が制御されるため、運転者が人力駆動車を安定して制動することができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0019】
前記第13または第14側面に従う第15側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1同乗者が前記第1シートに着座せず、前記第2同乗者が前記第2シートに着座する場合、前記第1比率が前記第2比率に対して大きくなるように前記制動装置を制御する。
上記第15側面の制御装置によれば、第2同乗者が存在する場合に第1比率が第2比率に対して大きくなるように制動装置が制御されるため、運転者が人力駆動車を安定して制動することができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0020】
前記第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の制御装置において、前記コンポーネントは、電動補助ユニットを含み、前記制御部は、前記同乗者の重量が第1重量以上の場合、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が大きくなるように前記電動補助ユニットを制御する。
上記第16側面の制御装置によれば、同乗者の重量に応じたアシスト力となるように電動補助ユニットが制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0021】
前記第1から第16側面のいずれか1つに従う第17側面の制御装置において、前記コンポーネントは、電動補助ユニットを含み、前記制御部は、前記同乗者の重量が第2重量未満の場合、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が小さくなるように前記電動補助ユニットを制御する。
上記第17側面の制御装置によれば、同乗者の重量に応じたアシスト力となるように電動補助ユニットが制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0022】
前記第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の挙動に関する情報を含み、前記制御部は、前記同乗者の挙動が所定挙動以上の場合、前記コンポーネントの動作を制限する。
上記第18側面の制御装置によれば、同乗者の挙動に応じてコンポーネントの動作が制限されるため、人力駆動車の車速が低下し、運転者が人力駆動車を安定して走行させることができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0023】
前記第1から第18側面のいずれか1つに従う第19側面の制御装置において、前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の睡眠に関する情報を含み、前記制御部は、前記同乗者の睡眠に応じて前記コンポーネントの動作を制限する。
上記第19側面の制御装置によれば、同乗者の睡眠に応じてコンポーネントの動作が制限されるため、人力駆動車の車速が低下し、運転者が人力駆動車を安定して走行させることができる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0024】
前記第18または第19側面に従う第20側面の制御装置において、前記コンポーネントは、変速装置および電動補助ユニットの少なくとも1つを含み、前記制御部は、前記変速装置による変速が抑制されるように、前記人力駆動車の変速比が小さくなるように、または、前記人力駆動車の推進をアシストするアシスト力が減少するように、前記コンポーネントの動作を制限する。
上記第20側面の制御装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0025】
前記第1から第20側面のいずれか1つに従う第21側面の制御装置において、前記コンポーネントは、表示装置を含み、前記同乗者情報は、前記同乗者の状態に関する情報を含み、前記同乗者の状態に関する情報は、前記同乗者の睡眠に関する情報を含み、前記制御部は、前記同乗者の睡眠に関する情報を前記表示装置に表示させる。
上記第21側面の制御装置によれば、同乗者の睡眠に関する情報が表示装置に表示されるため、運転者が同乗者の睡眠を把握できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0026】
前記第1から第21側面のいずれか1つに従う第22側面の制御装置において、前記制御部は、前記同乗者情報と前記運転者に関する情報とに応じて前記コンポーネントを制御する。
上記第22側面の制御装置によれば、運転者および同乗者に関する情報に応じてコンポーネントが制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0027】
前記第1から第22側面のいずれか1つに従う第23側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記同乗者情報を検出する検出装置を含み、前記制御部は、前記検出装置の検出結果に応じて前記コンポーネントを制御する。
上記第23側面の制御装置によれば、同乗者情報が好適に検出されるため、同乗者情報に応じてコンポーネントを好適に制御できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0028】
本発明の第24側面に従う検出装置は、人力駆動車を運転する運転者と前記運転者とは異なる同乗者とが同時に搭乗可能な人力駆動車に搭載され、前記同乗者に関する同乗者情報を検出する。
上記第24側面の検出装置によれば、人力駆動車の運転に影響を与える同乗者情報が検出されるため、同乗者情報に応じた制御に貢献できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0029】
前記第24側面に従う第25側面の検出装置において、前記検出装置は、前記人力駆動車のサドルに対して後方に設けられるシートに着座する前記同乗者に関する前記同乗者情報を検出するように前記サドルに設けられる。
上記第25側面の検出装置によれば、運転者の視覚外に存在する同乗者に関する同乗者情報が検出されるため、同乗者情報に応じた制御によって人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0030】
前記第24または第25側面に従う第26側面の検出装置において、前記検出装置は、前記人力駆動車のサドルの後方に設けられる。
上記第26側面の検出装置によれば、同乗者情報を好適に検出できる。
【0031】
前記第24から第26側面のいずれか1つに従う第27側面の検出装置において、前記検出装置は、カメラを含む。
上記第27側面の検出装置によれば、同乗者情報を好適に検出できる。
【0032】
本発明の第28側面に従う制御装置は、人力駆動車の変速装置を変速条件に応じて自動的に制御する制御部を備え、前記制御部は、前記人力駆動車に牽引される被牽引車に関する情報に応じて前記変速条件を変更する。
上記第28側面の制御装置によれば、被牽引車に関する情報に応じて変速条件が変更されるため、変速装置を変速条件に応じて好適に制御できる。このため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【0033】
前記第28側面に従う第29側面の制御装置において、前記被牽引車に関する情報は、前記被牽引車の有無に関する情報、および、前記被牽引車に搭乗する搭乗者に関する情報の少なくとも1つを含む。
上記第29側面の制御装置によれば、被牽引車に関する情報に応じた変速条件に応じて変速装置が制御されるため、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の制御装置および検出装置によれば、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第1実施形態の制御装置を含む人力駆動車の側面図。
【
図2】運転者および同乗者が搭乗した状態を示す人力駆動車の側面図。
【
図3】
図1の制御装置と各種の要素との電気的な接続関係を示すブロック図。
【
図5】
図1の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図6】第2実施形態の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図7】第3実施形態の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図8】第4実施形態の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図9】第5実施形態の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図10】第6実施形態の制御装置を含み、被牽引車を牽引する人力駆動車の側面図。
【
図11】
図10の制御装置と各種の要素との接続関係を示すブロック図。
【
図12】
図10の変速装置の制御に用いられる変速条件の一例を示すマップ。
【
図13】
図10の制御装置が実行する制御の一例を示すフローチャート。
【
図14】変形例の制御装置を含む人力駆動車の側面図。
【
図15】変形例の制御装置を含む人力駆動車の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<第1実施形態>
図1を参照して、制御装置10を含む人力駆動車Aについて説明する。
ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転に免許を要しない車両が想定される。図示される人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進を補助する電動補助ユニットEを含む自転車である。具体的には、図示される人力駆動車Aは、シティサイクルである。人力駆動車Aは、フレームA1、フロントフォークA2、車輪W、ハンドルH、および、ドライブトレインBをさらに含む。車輪Wは、前輪WFおよび後輪WRを含む。
【0037】
ドライブトレインBは、例えばチェーンドライブタイプである。ドライブトレインBは、クランクC、フロントスプロケットD1、リアスプロケットD2、および、チェーンD3を含む。クランクCは、フレームA1に回転可能に支持されるクランク軸C1、および、クランク軸C1の両端部のそれぞれに設けられる一対のクランクアームC2を含む。各クランクアームC2の先端には、ペダルPDが回転可能に取り付けられる。ドライブトレインBは、任意のタイプから選択でき、ベルトドライブタイプ、または、シャフトドライブタイプであってもよい。
【0038】
フロントスプロケットD1は、クランク軸C1と一体に回転するようにクランクCに設けられる。リアスプロケットD2は、後輪WRのハブHRに設けられる。チェーンD3は、フロントスプロケットD1およびリアスプロケットD2に巻き掛けられる。人力駆動車Aを運転する運転者DR(
図2参照)によってペダルPDに加えられる人力駆動力は、フロントスプロケットD1、チェーンD3、および、リアスプロケットD2を介して後輪WRに伝達される。
【0039】
人力駆動車Aは、コンポーネントCOをさらに含む。コンポーネントCOは、人力駆動車Aに搭載される操作装置への入力に応じて電気的に動作する被操作装置と、表示装置SCとを含む。コンポーネントCOに含まれる被操作装置は、人力駆動車Aに搭載されるバッテリBTから供給される電力、または、個々のコンポーネントCOに搭載される専用の電源から供給される電力等によって動作する。一例では、コンポーネントCOは、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、電動補助ユニットE、制動装置BD、および、表示装置SCの少なくとも1つを含む。本明細書に記載される「少なくとも1つ」という表現を含む文章は、次のように理解できる。該当する文章に示される選択肢が2つの場合、その文章は、選択肢の1つのみ、または、選択肢の2つを含むことを意味する。該当する文章に示される選択肢が3つ以上の場合、その文章は、選択肢の1つのみ、または、2つ以上の任意の選択肢の組合せを含むことを意味する。本実施形態では、コンポーネントCOは、変速装置Tを含む。コンポーネントCOに含まれない被操作装置は、操作装置への入力に応じて機械的に動作するように構成されてもよい。コンポーネントCOに含まれない要素は、人力駆動車Aから省略されてもよい。
【0040】
変速装置Tは、外装変速機を含む。一例では、変速装置Tは、フロントディレーラTFおよびリアディレーラTRの少なくとも1つを含む。フロントディレーラTFは、フロントスプロケットD1付近に設けられる。フロントディレーラTFの駆動に伴って、チェーンD3が巻き掛けられるフロントスプロケットD1が変更され、人力駆動車Aの変速比が変更される。人力駆動車Aの変速比は、フロントスプロケットD1の歯数とリアスプロケットD2の歯数との関係に基づいて規定される。一例では、人力駆動車Aの変速比は、フロントスプロケットD1の回転速度に対するリアスプロケットD2の回転速度の割合で定義される。すなわち、人力駆動車Aの変速比は、リアスプロケットD2の歯数に対するフロントスプロケットD1の歯数の割合で定義される。リアディレーラTRは、フレームA1のリアエンドA3に設けられる。リアディレーラTRの駆動に伴って、チェーンD3が巻き掛けられるリアスプロケットD2が変更され、人力駆動車Aの変速比が変更される。一例では、変速操作装置の操作に応じて、対応する変速装置Tが機械的または電気的に駆動される。変速装置Tは、外装変速機に代えて、内装変速機または無段変速機を含んでいてもよい。
【0041】
サスペンションSUは、フロントサスペンションSFおよびリアサスペンションの少なくとも1つを含む。フロントサスペンションSFは、前輪WFが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。リアサスペンションは、後輪WRが地面から受ける衝撃が緩和されるように動作する。一例では、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUが機械的または電気的に駆動される。具体的には、サスペンション操作装置の操作に応じて、対応するサスペンションSUの変位状態、トラベル量、減衰力、および、反発力の少なくとも1つが変更される。
【0042】
アジャスタブルシートポストASPは、フレームA1に対するサドルSDの高さが変更されるように動作する。一例では、アジャスタブルシートポスト操作装置の操作に応じて、アジャスタブルシートポストASPが機械的または電気的に駆動される。
【0043】
電動補助ユニットEは、人力駆動車Aの推進力がアシストされるように動作する。電動補助ユニットEは、例えばペダルPDに加えられる人力駆動力に応じて動作する。電動補助ユニットEは、例えば電気モータE1を含む。一例では、電動補助操作装置の操作に応じて、電動補助ユニットEが電気的に駆動される。
【0044】
制動装置BDは、車輪Wの数に対応する制動装置BDを含む。本実施形態では、制動装置BDは、第1操作に応じて人力駆動車Aの前輪WFを制動する第1制動装置BD1、および、第2操作に応じて人力駆動車Aの後輪WRを制動する第2制動装置BD2を含む。2つの制動装置BD1、BD2は、互いに同様の構成を有する。制動装置BD1、BD2は、例えば人力駆動車AのリムRを制動するリムブレーキ装置である。制動装置BD1、BD2は、人力駆動車Aに搭載されるディスクブレーキロータを制動するディスクブレーキ装置であってもよい。
【0045】
第1操作は、例えば一方の制動操作装置BLによる操作である。一方の制動操作装置BLは、ハンドルHの右側に設けられる。一例では、第1操作に応じて第1制動装置BD1が機械的または電気的に駆動される。第2操作は、例えば他方の制動操作装置による操作である。他方の制動操作装置は、ハンドルHの左側に設けられる。一例では、第2操作に応じて第2制動装置BD2が機械的または電気的に駆動される。
【0046】
表示装置SCは、例えばハンドルHに設けられる。一例では、表示装置SCは、サイクルコンピュータを含む。表示装置SCは、人力駆動車Aに搭載されるスマートデバイスを含んでいてもよい。スマートデバイスは、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、スマートフォン、および、タブレットコンピュータの少なくとも1つを含む。
【0047】
図2に示されるように、本実施形態の人力駆動車Aは、人力駆動車Aを運転する運転者DRと、運転者DRとは異なる同乗者PAとが同時に搭乗可能に構成される。運転者DRは、例えばサドルSDに着座した状態で人力駆動車Aを運転する。人力駆動車Aは、同乗者PAが着座可能なシートCSを含む。シートCSは、人力駆動車AのサドルSDに対して前方に設けられる第1シートCS1、および、サドルSDに対して後方に設けられる第2シートCS2の少なくとも1つを含む。
【0048】
人力駆動車Aに搭乗可能な同乗者PAの人数は、人力駆動車Aに搭載されるシートCSの数に準ずる。本実施形態では、同乗者PAの人数は、2人である。具体的には、同乗者PAは、第1シートCS1に着座する第1同乗者PA1と、第2シートCS2に着座する第2同乗者PA2とを含む。第1シートCS1は、第1同乗者PA1が搭乗可能に構成される。第1シートCS1は、例えば人力駆動車AのハンドルHまわりに着脱可能に設けられる。一例では、第1シートCS1は、人力駆動車Aの前後方向において、第1同乗者PA1がハンドルHとサドルSDとの間に搭乗可能に構成される。本実施形態では、第1シートCS1は、チャイルドシートである。第2シートCS2は、第2同乗者PA2が搭乗可能に構成される。第2シートCS2は、例えば人力駆動車AのキャリアCRに着脱可能に設けられる。本実施形態では、第2シートCS2は、チャイルドシートである。
【0049】
図3を参照して、制御装置10の構成について説明する。
制御装置10は、バッテリBTから供給される電力によって動作する。制御装置10は、例えば電動補助ユニットEのハウジングE2内に収容される(
図1参照)。制御装置10は、人力駆動車Aを運転する運転者DRと運転者DRとは異なる同乗者PAとが同時に搭乗可能な人力駆動車AのコンポーネントCOを制御する制御部12を備える。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)である。制御装置10は、各種の情報を記憶する記憶部14をさらに備える。記憶部14は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部14は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。
【0050】
制御部12は、同乗者PAに関する同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOを制御する。一例では、制御部12は、シートCSに着座する同乗者PAに関する同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOを制御する。同乗者情報IPは、第1シートCS1に着座する第1同乗者PA1に関する情報、および、第2シートCS2に着座する第2同乗者PA2に関する情報の少なくとも1つを含む。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1に関する情報、および、第2同乗者PA2に関する情報の両方に応じて変速装置Tを制御する。制御部12は、同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOの制御態様を変更する。本実施形態では、制御部12は、同乗者情報IPに応じて変速装置Tの制御態様を変更する。制御部12は、人力駆動車Aに搭載される操作装置への入力に応じて、被操作装置を制御してもよい。
【0051】
同乗者情報IPは、同乗者PAの有無に関する情報、同乗者PAの重量に関する情報、および、同乗者PAの状態に関する情報の少なくとも1つを含む。同乗者PAの有無に関する情報は、第1同乗者PA1の有無に関する情報、および、第2同乗者PA2の有無に関する情報の少なくとも1つを含む。同乗者PAの重量に関する情報は、第1同乗者PA1の重量に関する情報、および、第2同乗者PA2の重量に関する情報の少なくとも1つを含む。同乗者PAの重量に関する情報は、例えばシートCSに作用する重量に関する情報を含む。一例では、同乗者PAの重量に関する情報は、第1シートCS1に作用する重量に関する情報、第2シートCS2に作用する重量に関する情報、および、第1シートCS1に作用する重量と第2シートCS2に作用する重量との和に関する情報の少なくとも1つを含む。同乗者PAの状態に関する情報は、第1同乗者PA1の状態に関する情報、および、第2同乗者PA2の状態に関する情報の少なくとも1つを含む。
【0052】
制御部12は、同乗者情報IPに応じて、人力駆動車Aの発進時の変速比を規定する指定変速比を設定する。一例では、制御部12は、同乗者PAの有無に関する情報に応じて、人力駆動車Aの発進時の変速比を規定する指定変速比を設定する。人力駆動車Aの発進時の変速比は、人力駆動車Aを運転する運転者DRがペダルPDを漕ぎ始めたときの人力駆動車Aの変速比である。換言すれば、人力駆動車Aの発進時の変速比は、人力駆動車AのクランクCが回転し始めたときの人力駆動車Aの変速比である。別例では、人力駆動車Aの発進時の変速比は、人力駆動車Aが走行し始めたときの人力駆動車Aの変速比である。一例では、制御部12は、同乗者PAがシートCSに着座しない場合、または、人力駆動車AにシートCSが搭載されない場合、人力駆動車Aの発進時の変速比が基準変速比となるように指定変速比を設定する。基準変速比は、例えば運転者DRが人力駆動車Aを安定して発進させることが可能な変速比に基づいて予め設定される。本実施形態では、制御部12は、人力駆動車Aの発進時の変速比が指定変速比となるように、人力駆動車Aの変速装置Tを制御する。
【0053】
制御部12は、例えば第1所定条件が成立すると、人力駆動車Aの発進時の変速比が小さくなるように指定変速比を設定する。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合、第1所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合、人力駆動車Aの発進時の変速比が小さくなるように指定変速比を設定する。本実施形態では、制御部12は、第1所定条件が成立すると、人力駆動車Aの発進時の変速比が第1変速比GR1となるように指定変速比を設定する。第1変速比GR1は、基準変速比よりも小さい。第1変速比GR1は、基準変速比と同じであってもよい。
【0054】
制御部12は、例えば第2所定条件が成立すると、第1所定条件が成立する場合よりも人力駆動車Aの発進時の変速比が小さくなるように指定変速比を設定する。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第2所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合よりも人力駆動車Aの発進時の変速比が小さくなるように指定変速比を設定する。本実施形態では、制御部12は、第2所定条件が成立すると、人力駆動車Aの発進時の変速比が第2変速比GR2となるように指定変速比を設定する。第2変速比GR2は、第1変速比GR1よりも小さい。
【0055】
制御部12は、例えば第3所定条件が成立すると、第2所定条件が成立する場合よりも人力駆動車Aの発進時の変速比が小さくなるように指定変速比を設定する。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第3所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合よりも人力駆動車Aの発進時の変速比が小さくなるように指定変速比を設定する。本実施形態では、制御部12は、第3所定条件が成立すると、人力駆動車Aの発進時の変速比が第3変速比GR3となるように指定変速比を設定する。第3変速比GR3は、第2変速比GR2よりも小さい。第3変速比GR3は、第2変速比GR2と同じであってもよい。
【0056】
人力駆動車Aは、各種の情報を検出する検出装置DDをさらに含む。一例では、検出装置DDは、人力駆動車Aを運転する運転者DRと運転者DRとは異なる同乗者PAとが同時に搭乗可能な人力駆動車Aに搭載され、同乗者PAに関する同乗者情報IPを検出する。検出装置DDは、検出した各種の情報を制御部12に出力する。制御部12は、検出装置DDの検出結果に応じてコンポーネントCOを制御する。
【0057】
検出装置DDは、第1検出装置DD1、第2検出装置DD2、第3検出装置DD3、および、第4検出装置DD4の少なくとも1つを含む。第1検出装置DD1は、第1同乗者PA1の重量に関する情報を検出するように構成される。第1検出装置DD1は、例えば重量センサを含む。一例では、第1検出装置DD1は、第1同乗者PA1が着座する第1シートCS1に設けられる。制御部12は、第1検出装置DD1から検出された情報に基づいて、第1同乗者PA1の有無に関する情報、および、第1同乗者PA1の重量に関する情報を取得する。
【0058】
第2検出装置DD2は、第1同乗者PA1の状態に関する情報を検出するように構成される。第2検出装置DD2は、例えば第1シートCS1に着座する第1同乗者PA1の上半身を撮影可能なカメラを含む。一例では、第2検出装置DD2は、ハンドルHまたは第1シートCS1に設けられる。制御部12は、第2検出装置DD2から検出された情報に基づいて、第1同乗者PA1の有無に関する情報、および、第1同乗者PA1の状態に関する情報を取得する。
【0059】
第3検出装置DD3は、第2同乗者PA2の重量に関する情報を検出するように構成される。第3検出装置DD3は、例えば重量センサを含む。一例では、第3検出装置DD3は、第2同乗者PA2が着座する第2シートCS2に設けられる。制御部12は、第3検出装置DD3から検出された情報に基づいて、第2同乗者PA2の有無に関する情報、および、第2同乗者PA2の重量に関する情報を取得する。
【0060】
図4に示されるように、第4検出装置DD4は、人力駆動車AのサドルSDに対して後方に設けられるシートCSに着座する同乗者PAに関する同乗者情報IPを検出するようにサドルSDに設けられる。第4検出装置DD4は、例えば第2同乗者PA2の状態に関する情報を検出するように構成される。第4検出装置DD4は、カメラを含む。一例では、カメラは、第2シートCS2に着座する第2同乗者PA2の上半身を撮影可能に構成される。第4検出装置DD4は、人力駆動車AのサドルSDの後方に設けられる。一例では、第4検出装置DD4は、サドルSDの後面SD1に設けられる。
図4に示される例では、第4検出装置DD4は、サドルSDの後面SD1において、人力駆動車Aの左右方向における中央に設けられる。制御部12は、第4検出装置DD4から検出された情報に基づいて、第2同乗者PA2の有無に関する情報、および、第2同乗者PA2の状態に関する情報を取得する。第4検出装置DD4は、第2同乗者PA2が着座する第2シートCS2に設けられてもよい。人力駆動車Aは、検出装置DDに含まれる各種のセンサにおいて、コンポーネントCOの制御に用いられないセンサを省略してもよい。本実施形態では、人力駆動車Aは、第1検出装置DD1および第2検出装置DD2のうちの1つを省略してもよく、第3検出装置DD3および第4検出装置DD4のうちの1つを省略してもよい。
【0061】
図5を参照して、制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、ステップS11において、検出装置DDから同乗者情報IPを取得する。具体的には、制御部12は、検出装置DDから同乗者PAの有無に関する情報を取得する。制御部12は、ステップS12において、第1所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS12において、第1所定条件が成立すると判定した場合、ステップS13の処理に移行する。制御部12は、ステップS13において、人力駆動車Aの発進時の変速比が第1変速比GR1となるように指定変速比を設定する。
【0062】
制御部12は、ステップS12において、第1所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS14の処理に移行する。制御部12は、ステップS14において、第2所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS14において、第2所定条件が成立すると判定した場合、ステップS15の処理に移行する。制御部12は、ステップS15において、人力駆動車Aの発進時の変速比が第2変速比GR2となるように指定変速比を設定する。
【0063】
制御部12は、ステップS14において、第2所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS16の処理に移行する。制御部12は、ステップS16において、第3所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS16において、第3所定条件が成立しないと判定した場合、本制御に関する処理を終了する。制御部12は、ステップS16において、第3所定条件が成立すると判定した場合、ステップS17の処理に移行する。制御部12は、ステップS17において、人力駆動車Aの発進時の変速比が第3変速比GR3となるように指定変速比を設定する。
【0064】
以上の処理を経て、ステップS11からステップS17の処理を終了する。制御部12は、例えばステップS11からステップS17の処理を繰り返し実行してもよく、人力駆動車Aが発進するタイミングにおいてステップS11からステップS17の処理を実行してもよい。
図5に示されるステップS11からステップS17の処理において、ステップS12およびステップS13の処理、ステップS14およびステップS15の処理、ならびに、ステップS16およびステップS17の処理の1つまたは2つの組合せを省略してもよい。
【0065】
人力駆動車Aを運転する運転者DRとは異なる同乗者PAが人力駆動車Aに搭乗すると、運転者DRの運転能力が低下する。これは、人力駆動車Aに作用する重量が大きくなること、および、人力駆動車Aの重心が同乗者PAによって変化すること等が関係している。人力駆動車Aを運転する運転者DRが快適に走行するためには、人力駆動車AのコンポーネントCOの好適な制御が望まれる。本実施形態の制御装置10によれば、人力駆動車Aの運転に影響を与える同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOが制御されるため、人力駆動車Aの快適な走行に貢献できる。
【0066】
<第2実施形態>
図6を参照して、第2実施形態の制御装置10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
制御部12は、同乗者PAに関する同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOを制御する。本実施形態では、コンポーネントCOは、制動装置BDを含む。具体的には、コンポーネントCOは、制動装置BDに加えて、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、電動補助ユニットE、および、表示装置SCの少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。一例では、制御部12は、各種の同乗者情報IPに応じて制動装置BDを制御する。本実施形態では、制御部12は、同乗者情報IPに応じて制動装置BDの制御態様を変更する。
【0068】
制御部12は、同乗者情報IPに応じて、第1操作の操作量と第1制動装置BD1の制動力との第1比率BR1と、第2操作の操作量と第2制動装置BD2の制動力との第2比率BR2と、の関係が変化するように制動装置BDを制御する。一例では、制御部12は、同乗者PAの有無に関する情報に応じて、第1比率BR1と第2比率BR2との関係が変化するように制動装置BDを制御する。第1比率BR1は、第1操作の操作量に対する第1制動装置BD1の制動力の比率を規定する。第1比率BR1が大きくなると、第1操作の操作量に対して前輪WFに作用する制動力が大きくなる。第1比率BR1が小さくなると、第1操作の操作量に対して前輪WFに作用する制動力が小さくなる。第2比率BR2は、第2操作の操作量に対する第2制動装置BD2の制動力の比率を規定する。第2比率BR2が大きくなると、第2操作の操作量に対して後輪WRに作用する制動力が大きくなる。第2比率BR2が小さくなると、第2操作の操作量に対して後輪WRに作用する制動力が小さくなる。一例では、制御部12は、同乗者PAがシートCSに着座しない場合、または、人力駆動車AにシートCSが搭載されない場合、第1比率BR1および第2比率BR2が基準比率となるように制動装置BDを制御する。基準比率は、例えば運転者DRが人力駆動車Aを安定して制動させることが可能な比率に基づいて予め設定される。
【0069】
制御部12は、例えば第1所定条件が成立すると、第2比率BR2が第1比率BR1に対して大きくなるように制動装置BDを制御する。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合、第1所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合、第2比率BR2が第1比率BR1に対して大きくなるように制動装置BDを制御する。具体的には、制御部12は、第1比率BR1を基準比率に維持し、第2比率BR2が基準比率よりも大きくなるように制動装置BDを制御してもよく、第2比率BR2を基準比率に維持し、第1比率BR1が基準比率よりも小さくなるように制動装置BDを制御してもよい。
【0070】
制御部12は、例えば第2所定条件が成立すると、第1比率BR1が第2比率BR2に対して大きくなるように制動装置BDを制御する。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第2所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1比率BR1が第2比率BR2に対して大きくなるように制動装置BDを制御する。具体的には、制御部12は、第2比率BR2を基準比率に維持し、第1比率BR1が基準比率よりも大きくなるように制動装置BDを制御してもよく、第1比率BR1を基準比率に維持し、第2比率BR2が基準比率よりも小さくなるように制動装置BDを制御してもよい。
【0071】
制御部12は、例えば第3所定条件が成立すると、第1比率BR1および第2比率BR2が基準比率に対して互いに大きくなるように制動装置BDを制御する。一例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第3所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1比率BR1および第2比率BR2が基準比率に対して互いに大きくなるように制動装置BDを制御する。
【0072】
図6を参照して、制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、ステップS21において、検出装置DDから同乗者情報IPを取得する。具体的には、制御部12は、検出装置DDから同乗者PAの有無に関する情報を取得する。制御部12は、ステップS22において、第1所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS22において、第1所定条件が成立すると判定した場合、ステップS23の処理に移行する。制御部12は、ステップS23において、第2比率BR2が第1比率BR1に対して大きくなるように制動装置BDを制御する。
【0073】
制御部12は、ステップS22において、第1所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS24の処理に移行する。制御部12は、ステップS24において、第2所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS24において、第2所定条件が成立すると判定した場合、ステップS25の処理に移行する。制御部12は、ステップS25において、第1比率BR1が第2比率BR2に対して大きくなるように制動装置BDを制御する。
【0074】
制御部12は、ステップS24において、第2所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS26の処理に移行する。制御部12は、ステップS26において、第3所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS26において、第3所定条件が成立しないと判定した場合、本制御に関する処理を終了する。制御部12は、ステップS26において、第3所定条件が成立すると判定した場合、ステップS27の処理に移行する。制御部12は、ステップS27において、第1比率BR1および第2比率BR2が基準比率に対して互いに大きくなるように制動装置BDを制御する。
【0075】
以上の処理を経て、ステップS21からステップS27の処理を終了する。制御部12は、例えばステップS21からステップS27の処理を繰り返し実行してもよく、人力駆動車Aが発進するタイミングにおいてステップS21からステップS27の処理を実行してもよい。
図6に示されるステップS21からステップS27の処理において、ステップS22およびステップS23の処理、ステップS24およびステップS25の処理、ならびに、ステップS26およびステップS27の処理の1つまたは2つの組合せを省略してもよい。
【0076】
<第3実施形態>
図7を参照して、第3実施形態の制御装置10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0077】
制御部12は、同乗者PAに関する同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOを制御する。本実施形態では、コンポーネントCOは、電動補助ユニットEを含む。具体的には、コンポーネントCOは、電動補助ユニットEに加えて、変速装置T、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、制動装置BD、および、表示装置SCの少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。一例では、制御部12は、各種の同乗者情報IPに応じて電動補助ユニットEを制御する。本実施形態では、制御部12は、同乗者情報IPに応じて電動補助ユニットEの制御態様を変更する。
【0078】
制御部12は、同乗者情報IPに応じて、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が変化するように電動補助ユニットEを制御する。一例では、制御部12は、同乗者PAの重量に関する情報に応じて、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が変化するように電動補助ユニットEを制御する。制御部12は、同乗者PAの有無に関する情報に応じて、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が変化するように電動補助ユニットEを制御してもよい。アシスト力は、電動補助ユニットEの電気モータE1の出力である。一例では、制御部12は、同乗者PAがシートCSに着座しない場合、または、人力駆動車AにシートCSが搭載されない場合、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が、人力駆動力に応じた基準アシスト力となるように電動補助ユニットEを制御する。基準アシスト力は、例えば運転者DRが人力駆動車Aを安定して走行させることが可能なアシスト力に基づいて予め設定される。制御部12は、同乗者情報IPに応じて、人力駆動車Aのアシスト比が変化するように電動補助ユニットEを制御してもよい。アシスト比は、人力駆動力と電気モータE1の出力との比率である。
【0079】
制御部12は、例えば第4所定条件が成立すると、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。一例では、制御部12は、同乗者PAの重量が第1重量PW1以上の場合、第4所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、同乗者PAの重量が第1重量PW1以上の場合、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。具体的には、制御部12は、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が基準アシスト力よりも大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。第4所定条件に用いられる同乗者PAの重量は、例えば第1シートCS1に作用する重量と第2シートCS2に作用する重量との和である。
【0080】
制御部12は、例えば第5所定条件が成立すると、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。一例では、制御部12は、同乗者PAの重量が第2重量PW2未満の場合、第5所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、同乗者PAの重量が第2重量PW2未満の場合、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。具体的には、制御部12は、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が基準アシスト力となるように、または、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が基準アシスト力よりも大きく、かつ、同乗者PAの重量が第1重量PW1以上の場合のアシスト力よりも小さくなるように、電動補助ユニットEを制御する。第2重量PW2は、第1重量PW1以下である。第5所定条件に用いられる同乗者PAの重量は、例えば第1シートCS1に作用する重量と第2シートCS2に作用する重量との和である。
【0081】
図7を参照して、制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、ステップS31において、検出装置DDから同乗者情報IPを取得する。具体的には、制御部12は、検出装置DDから同乗者PAの重量に関する情報を取得する。制御部12は、ステップS32において、第4所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS32において、第4所定条件が成立すると判定した場合、ステップS33の処理に移行する。制御部12は、ステップS33において、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。
【0082】
制御部12は、ステップS32において、第4所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS34の処理に移行する。制御部12は、ステップS34において、第5所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS34において、第5所定条件が成立しないと判定した場合、本制御に関する処理を終了する。制御部12は、ステップS34において、第5所定条件が成立すると判定した場合、ステップS35の処理に移行する。制御部12は、ステップS35において、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。
【0083】
以上の処理を経て、ステップS31からステップS35の処理を終了する。制御部12は、例えばステップS31からステップS35の処理を繰り返し実行してもよく、人力駆動車Aが発進するタイミングにおいてステップS31からステップS35の処理を実行してもよい。
図7に示されるステップS31からステップS35の処理において、ステップS32およびステップS33の処理、ならびに、ステップS34およびステップS35の処理の1つの組合せを省略してもよい。
【0084】
<第4実施形態>
図8を参照して、第4実施形態の制御装置10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0085】
制御部12は、同乗者PAに関する同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOを制御する。本実施形態では、コンポーネントCOは、変速装置T、電動補助ユニットE、および、表示装置SCの少なくとも1つを含む。具体的には、コンポーネントCOは、変速装置Tおよび電動補助ユニットEの少なくとも1つに加えて、サスペンションSU、アジャスタブルシートポストASP、および、制動装置BDの少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。一例では、制御部12は、各種の同乗者情報IPに応じて変速装置T、電動補助ユニットE、および、表示装置SCの少なくとも1つを制御する。本実施形態では、制御部12は、同乗者情報IPに応じて変速装置T、電動補助ユニットE、および、表示装置SCの少なくとも1つの制御態様を変更する。
【0086】
コンポーネントCOは、変速装置Tおよび電動補助ユニットEの少なくとも1つを含む。制御部12は、同乗者情報IPに応じて、コンポーネントCOの動作を制限する。同乗者情報IPは、同乗者PAの状態に関する情報を含む。一例では、制御部12は、同乗者PAの状態に関する情報に応じて、コンポーネントCOの動作を制限する。コンポーネントCOの動作の制限には、変速装置Tによる変速の抑制、人力駆動車Aの変速比の低下、および、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力の減少等が含まれる。変速装置Tによる変速の抑制は、変速装置Tによる変速頻度の低下を示す。本実施形態では、制御部12は、変速装置Tによる変速が抑制されるように、人力駆動車Aの変速比が小さくなるように、または、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が減少するように、コンポーネントCOの動作を制限する。
【0087】
制御部12は、第6所定条件が成立すると、コンポーネントCOの動作を制限する。第6所定条件に用いられる同乗者PAの状態に関する情報は、同乗者PAの挙動に関する情報を含む。一例では、制御部12は、同乗者PAの挙動が所定挙動以上の場合、第6所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、同乗者PAの挙動が所定挙動以上の場合、コンポーネントCOの動作を制限する。同乗者PAの挙動が所定挙動以上の場合、例えばシートCSに着座する同乗者PAの挙動が大きいことを示す。一例では、同乗者PAの挙動が所定挙動以上の場合、検出装置DD2、DD4のカメラによって撮像される同乗者PAの頭の位置に関する単位時間あたりの移動量が第1移動量以上であることを示す。制御部12は、第6所定条件の成立後に第6所定条件が不成立となった場合、コンポーネントCOの動作の制限が解除されるようにコンポーネントCOを制御してもよい。
【0088】
制御部12は、第7所定条件が成立すると、コンポーネントCOの動作を制限する。第7所定条件に用いられる同乗者PAの状態に関する情報は、同乗者PAの睡眠に関する情報を含む。一例では、制御部12は、同乗者PAがシートCSに着座した状態で睡眠する場合、第7所定条件が成立すると判定する。換言すれば、制御部12は、同乗者PAの睡眠に応じてコンポーネントCOの動作を制限する。同乗者PAが睡眠する場合、例えばシートCSに着座する同乗者PAの挙動が小さいことを示す。一例では、同乗者PAが睡眠する場合、検出装置DD2、DD4のカメラによって撮像される同乗者PAの頭の位置に関する単位時間あたりの移動量が第2移動量未満であることを示す。第2移動量は、第1移動量よりも小さい。制御部12は、第7所定条件の成立後に第7所定条件が不成立となった場合、コンポーネントCOの動作の制限が解除されるようにコンポーネントCOを制御してもよい。
【0089】
コンポーネントCOは、表示装置SCを含む。制御部12は、同乗者情報IPに応じて、表示装置SCを制御する。同乗者情報IPは、同乗者PAの状態に関する情報を含む。同乗者PAの状態に関する情報は、同乗者PAの睡眠に関する情報を含む。一例では、制御部12は、同乗者PAの睡眠に関する情報を表示装置SCに表示させる。同乗者PAの睡眠に関する情報は、同乗者PAの覚醒を示す情報、および、同乗者PAの睡眠を示す情報の少なくとも1つを含む。制御部12は、同乗者PAの睡眠に関する情報を同乗者PAの睡眠に応じて表示装置SCに表示させてもよく、同乗者PAの睡眠に関する情報を表示装置SCに適宜表示させてもよい。本実施形態では、制御部12は、第7所定条件が成立すると、同乗者PAの睡眠に関する情報を表示装置SCに表示させる。換言すれば、制御部12は、第7所定条件が成立すると、同乗者PAの睡眠を示す情報を表示装置SCに表示させる。
【0090】
図8を参照して、制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、ステップS41において、検出装置DDから同乗者情報IPを取得する。具体的には、制御部12は、検出装置DDから同乗者PAの状態に関する情報を取得する。制御部12は、ステップS42において、第6所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS42において、第6所定条件が成立すると判定した場合、ステップS45の処理に移行する。制御部12は、ステップS42において、第6所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS43の処理に移行する。
【0091】
制御部12は、ステップS43において、第7所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS43において、第7所定条件が成立しないと判定した場合、本制御に関する処理を終了する。制御部12は、ステップS43において、第7所定条件が成立すると判定した場合、ステップS44の処理に移行する。制御部12は、ステップS44において、同乗者PAの睡眠に関する情報を表示装置SCに表示させる。制御部12は、ステップS45において、コンポーネントCOの動作を制限する。
【0092】
以上の処理を経て、ステップS41からステップS45の処理を終了する。制御部12は、例えばステップS41からステップS45の処理を繰り返し実行する。
図8に示されるステップS41からステップS45の処理において、ステップS42からステップS45の処理の1つ、2つ、または、3つの処理を、矛盾が生じない範囲で適宜省略してもよい。
【0093】
<第5実施形態>
図9を参照して、第5実施形態の制御装置10について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0094】
制御部12は、同乗者情報IPと運転者DRに関する情報とに応じてコンポーネントCOを制御する。運転者DRに関する情報は、運転者DRの重量、性別、および、生体情報等の少なくとも1つを含む。生体情報は、心拍数、筋電位、発汗量、および、体温の少なくとも1つを含む。制御部12は、例えば人力駆動車Aに搭載される各種のセンサ、または、表示装置SCへの入力等によって運転者DRに関する情報を取得する。
【0095】
制御部12は、例えば第8所定条件が成立すると、同乗者情報IPに応じてコンポーネントCOを制御する。一例では、制御部12は、運転者DRの運動能力が所定能力以下であることが推定される場合、第8所定条件が成立すると判定する。具体的には、制御部12は、第1条件から第6条件の少なくとも1つが成立する場合、第8所定条件が成立すると判定する。制御部12は、運転者DRの重量が第3重量以上の場合、第1条件が成立すると判定する。制御部12は、運転者DRの性別が女性の場合、第2条件が成立すると判定する。制御部12は、運転者DRの心拍数が所定心拍数以上の場合、第3条件が成立すると判定する。制御部12は、運転者DRの筋電位が所定筋電位以上の場合、第4条件が成立すると判定する。制御部12は、運転者DRの発汗量が所定発汗量以上の場合、第5条件が成立すると判定する。制御部12は、運転者DRの体温が所定体温以上の場合、第6条件が成立すると判定する。制御部12は、第8所定条件の成立の有無に基づいて、同乗者情報IPに応じたコンポーネントCOの制御態様を変更してもよい。
【0096】
図9を参照して、制御装置10が実行する制御の一例について説明する。
制御部12は、ステップS51において、各種の情報を取得する。具体的には、制御部12は、同乗者情報IPおよび運転者DRに関する情報を取得する。制御部12は、ステップS52において、第8所定条件が成立するか否かを判定する。制御部12は、ステップS52において、第8所定条件が成立していないと判定した場合、ステップS51に処理を戻す。制御部12は、第8所定条件が成立すると判定した場合、ステップS53の処理に移行する。制御部12は、例えばステップS53からステップS58の処理において、
図5に示されるステップS12からステップS17の処理と同様の処理を実行する。
【0097】
以上の処理を経て、ステップS51からステップS58の処理を終了する。制御部12は、例えばステップS51からステップS58の処理を繰り返し実行してもよく、人力駆動車Aが発進するタイミングにおいてステップS51からステップS58の処理を実行してもよい。第5実施形態の制御装置10が実行するステップS51およびステップS52の処理は、第2実施形態から第4実施形態においても適用できる。
【0098】
<第6実施形態>
図10から
図13を参照して、第6実施形態の制御装置20について説明する。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0099】
図10を参照して、制御装置20を含む人力駆動車Aについて説明する。
本実施形態の人力駆動車Aは、被牽引車TTを牽引可能に構成される。被牽引車TTは、例えば人力駆動車AのアジャスタブルシートポストASP、フレームA1のうちのアジャスタブルシートポストASPを支持する部分、または、人力駆動車AのキャリアCRに連結される。
図10に示される例では、被牽引車TTは、フレームA1のうちのアジャスタブルシートポストASPを支持する部分に連結される。
図10に示される人力駆動車Aは、
図1に示される人力駆動車AからシートCSが省略されている。人力駆動車Aは、第1同乗者PA1が着座可能な第1シートCS1を含んでいてもよい。
【0100】
被牽引車TTは、例えば人力駆動車Aの後方に配置されるように人力駆動車Aに連結される。被牽引車TTは、本体TT1、荷台TT2、車輪TT3、および、連結部TT4を含む。本体TT1は、人および荷物の少なくとも1つを積載可能に構成される。本体TT1の最大積載量は、本体TT1の大きさを基準に設定される。荷台TT2は、荷物を積載可能に構成される。荷台TT2は、本体TT1と連続するように設けられる。車輪TT3は、本体TT1に設けられる。車輪TT3の数は、2輪以上が好ましい。連結部TT4は、例えば荷台TT2から延び、人力駆動車Aに連結される。被牽引車TTは、人力駆動車Aの側方に配置されるように人力駆動車Aに連結されてもよい。被牽引車TTは、荷台TT2を省略して構成されてもよい。
【0101】
図11を参照して、制御装置20の構成について説明する。
制御装置20は、バッテリBTから供給される電力によって動作する。制御装置20は、例えば電動補助ユニットEのハウジングE2内に収容される(
図10参照)。制御装置20は、人力駆動車Aの変速装置Tを変速条件に応じて自動的に制御する制御部22を備える。制御部22は、CPUまたはMPUである。制御部22は、人力駆動車Aに搭載される操作装置への入力に応じて、被操作装置を制御してもよい。制御装置20は、各種の情報を記憶する記憶部24をさらに備える。記憶部24は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部24は、例えば制御のための各種プログラム、および、予め設定される情報等を記憶する。
【0102】
図12に示されるように、変速条件は、参照値RVおよび閾値THに基づいて規定される。参照値RVは、例えば人力駆動車Aの走行状態に関する走行情報を含む。走行情報は、ケイデンス、人力駆動車AのクランクCに作用するトルク、車速、加速度、および、パワーの少なくとも1つを含む。パワーは、ケイデンスとトルクとの積である。参照値RVは、例えば人力駆動車Aに搭載される各種のセンサによって検出される。一例では、参照値RVは、ケイデンスを含む。
【0103】
閾値THは、第1閾値TH1および第2閾値TH2を含む。制御部22は、参照値RVと第1閾値TH1との関係に応じて人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御し、参照値RVと第2閾値TH2との関係に応じて人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。第1閾値TH1は、第2閾値TH2とは異なる。本実施形態では、第1閾値TH1は、第2閾値TH2よりも大きい。一例では、制御部22は、参照値RVが第1閾値TH1を上回ると人力駆動車Aの変速比が大きくなるように変速装置Tを制御し、参照値RVが第2閾値TH2を下回ると人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御する。制御部22は、人力駆動車Aの変速比が最大変速比である場合、参照値RVが第1閾値TH1を上回っても、人力駆動車Aの変速比が維持されるように変速装置Tを制御しない。最大変速比は、フロントスプロケットD1とリアスプロケットD2との関係に基づく最大の変速比である。制御部22は、人力駆動車Aの変速比が最小変速比である場合、参照値RVが第2閾値TH2を下回っても、人力駆動車Aの変速比が維持されるように変速装置Tを制御しない。
【0104】
制御部22は、人力駆動車Aに牽引される被牽引車TTに関する情報に応じて変速条件を変更する。一例では、制御部22は、被牽引車TTに関する情報に応じて閾値THを変更する。具体的には、制御部22は、被牽引車TTに関する情報に応じて第1閾値TH1および第2閾値TH2の少なくとも1つを変更する。被牽引車TTに関する情報は、被牽引車TTの有無に関する情報、および、被牽引車TTに搭乗する搭乗者に関する情報の少なくとも1つを含む。被牽引車TTに搭乗する搭乗者に関する情報は、搭乗者の有無に関する情報、搭乗者の人数に関する情報、および、搭乗者の重量に関する情報の少なくとも1つを含む。搭乗者の重量に関する情報は、被牽引車TTの本体TT1に作用する重量に関する情報を含む。被牽引車TTに関する情報は、被牽引車TTに積載される荷物の重量に関する情報を含んでいてもよい。制御部22は、人力駆動車Aに牽引される被牽引車TTに関する情報に応じて、人力駆動車Aの変速比が小さくなるように変速装置Tを制御してもよい。
【0105】
制御部22は、例えば第9所定条件が成立すると、変速条件を規定する第2閾値TH2が大きくなるように変速条件を変更する。換言すれば、制御部22は、第9所定条件が成立すると、第2閾値TH2が第1閾値TH1に近づくように変速条件を変更する。一例では、制御部22は、被牽引車TTが人力駆動車Aに連結され、かつ、人および荷物の少なくとも1つが被牽引車TTに積載されない場合、第9所定条件が成立すると判定する。本実施形態では、制御部22は、第9所定条件が成立すると、変速条件を規定する第2閾値TH2が第1変更閾値TC1となるように変速条件を変更する。
図12に示される一点鎖線は、第1変更閾値TC1を示している。
【0106】
制御部22は、例えば第10所定条件が成立すると、変速条件を規定する第2閾値TH2が、第9所定条件が成立する場合よりもさらに大きくなるように変速条件を変更する。換言すれば、制御部22は、第10所定条件が成立すると、第2閾値TH2が第1閾値TH1にさらに近づくように変速条件を変更する。一例では、制御部22は、第7条件から第10条件の少なくとも1つが成立する場合、第10所定条件が成立すると判定する。制御部22は、搭乗者が被牽引車TTに搭乗する場合、第7条件が成立すると判定する。制御部22は、被牽引車TTに搭乗する搭乗者の人数が所定人数以上の場合、第8条件が成立すると判定する。制御部22は、被牽引車TTに搭乗する搭乗者の重量の和が第4重量以上の場合、第9条件が成立すると判定する。制御部22は、被牽引車TTに搭載される荷物の重量が第5重量以上の場合、第10条件が成立すると判定する。一例では、制御部22は、第10所定条件が成立すると、変速条件を規定する第2閾値TH2が第2変更閾値TC2となるように変速条件を変更する。第2変更閾値TC2は、第1変更閾値TC1よりも大きい。
図12に示される二点鎖線は、第2変更閾値TC2を示している。
【0107】
図11に示されるように、人力駆動車Aは、被牽引車TTに関する情報を検出する検出装置DDをさらに含む。検出装置DDは、検出した各種の情報を制御部22に出力する。制御部22は、検出装置DDの検出結果に応じて変速条件を変更する。
【0108】
検出装置DDは、第5検出装置DD5および第6検出装置DD6の少なくとも1つを含む。第5検出装置DD5は、被牽引車TTに搭乗する搭乗者の重量に関する情報を検出するように構成される。第5検出装置DD5は、例えば重量センサを含む。一例では、第5検出装置DD5は、搭乗者が搭乗する被牽引車TTの本体TT1に設けられる。制御部22は、第5検出装置DD5から検出された情報に基づいて、搭乗者の有無に関する情報、搭乗者の重量に関する情報、および、被牽引車TTに積載される荷物の重量に関する情報を取得する。
【0109】
第6検出装置DD6は、被牽引車TTに搭乗する搭乗者の人数に関する情報を検出するように構成される。第6検出装置DD6は、例えば被牽引車TTに搭乗する搭乗者を撮影可能なカメラを含む。一例では、第6検出装置DD6は、被牽引車TTの荷台TT2、被牽引車TTの連結部TT4、または、人力駆動車AのキャリアCR等に設けられる。制御部22は、第6検出装置DD6から検出された情報に基づいて、搭乗者の有無に関する情報、および、搭乗者の人数に関する情報を取得する。人力駆動車Aは、検出装置DDに含まれる各種のセンサにおいて、変速条件の変更に関する制御に用いられないセンサを省略してもよい。
【0110】
図13を参照して、制御装置20が実行する制御の一例について説明する。
制御部22は、ステップS61において、検出装置DDから被牽引車TTに関する情報を取得する。制御部22は、ステップS62において、第9所定条件が成立するか否かを判定する。制御部22は、ステップS62において、第9所定条件が成立すると判定した場合、ステップS63の処理に移行する。制御部22は、ステップS63において、第2閾値TH2が第1変更閾値TC1となるように変速条件を変更する。
【0111】
制御部22は、ステップS62において、第9所定条件が成立しないと判定した場合、ステップS64の処理に移行する。制御部22は、ステップS64において、第10所定条件が成立するか否かを判定する。制御部22は、ステップS64において、第10所定条件が成立しないと判定した場合、本制御に関する処理を終了する。制御部22は、ステップS64において、第10所定条件が成立すると判定した場合、ステップS65の処理に移行する。制御部22は、ステップS65において、第2閾値TH2が第2変更閾値TC2となるように変速条件を変更する。
【0112】
以上の処理を経て、ステップS61からステップS65の処理を終了する。制御部
22は、例えばステップS61からステップS65の処理を繰り返し実行してもよく、人力駆動車Aが発進するタイミングにおいてステップS61からステップS65の処理を実行してもよい。
図13に示されるステップS61からステップS65の処理において、ステップS62およびステップS63の処理、ならびに、ステップS64およびステップS65の処理の1つの組合せを省略してもよい。
【0113】
<変形例>
上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う制御装置および検出装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う制御装置および検出装置は、例えば以下に示される上記各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0114】
・第1実施形態から第5実施形態において、人力駆動車Aに搭載されるシートCSの構成は、任意に変更可能である。第1例では、
図14に示されるように、シートCSは、人力駆動車AのサドルSDに対して前方に設けられる第1シートCS1のみを含む。この場合、制御部12は、第1シートCS1に着座する第1同乗者PA1に関する情報に応じてコンポーネントCOを制御する。第2例では、
図15に示されるように、シートCSは、人力駆動車AのサドルSDに対して後方に設けられる第2シートCS2のみを含む。この場合、制御部12は、第2シートCS2に着座する第2同乗者PA2に関する情報に応じてコンポーネントCOを制御する。第3例では、シートCSは、第1シートCS1に代えてまたは加えて、第2シートCS2に対して前方または後方に設けられる第3シートをさらに含む。第3シートは、第3同乗者が搭乗可能に構成される。第3シートは、第2シートと一体に構成されてもよく、第2シートとは別体で構成されてもよい。第3シートは、人力駆動車AのキャリアCRに着脱可能に設けられる。第3シートは、チャイルドシートである。同乗者情報IPは、第1シートCS1に着座する第1同乗者PA1に関する情報に代えてまたは加えて、第3シートに着座する第3同乗者に関する情報をさらに含む。
【0115】
第4例では、シートCSは、第1シートCS1および第2シートCS2の少なくとも1つに代えてまたは加えて、人力駆動車Aの前後方向においてハンドルHと前輪WFとの間に設けられる第4シートを含む。人力駆動車Aに第4シートを搭載する場合、人力駆動車Aの前後方向において、第4シートを配置するための空間がハンドルHと前輪WFとの間に設けられる。第4シートは、第4同乗者が搭乗可能に構成される。第4シートは、ハンドルHと前輪WFとを繋ぐフレームに着脱可能に設けられる。第4シートは、チャイルドシートである。第4シートに搭乗可能な第4同乗者の数は、1人または複数人である。第4同乗者の数が複数人である場合、複数の前輪WFが人力駆動車Aに搭載されることが好ましい。同乗者情報IPは、第1シートCS1に着座する第1同乗者PA1に関する情報、および、第2シートCS2に着座する第2同乗者PA2に関する情報に代えてまたは加えて、第4シートに着座する第4同乗者に関する情報を含む。一対の前輪WFが人力駆動車Aに搭載される場合、第4シートは、一対の前輪WFに挟まれるように前輪WF上に設けられてもよい。第5例では、シートCSは、一般的な大人である同乗者PAが搭乗可能に構成される。この場合、シートCSは、人力駆動車AのサドルSDに対して後方に設けられてもよく、人力駆動車Aの側方に設けられてもよい。
【0116】
・第1実施形態、第2実施形態、および、第5実施形態において、検出装置DDの構成は、任意に変更可能である。第1例では、検出装置DDは、第1検出装置DD1および第2検出装置DD2に代えて第7検出装置を含む。第7検出装置は、第1同乗者PA1の有無に関する情報を検出するように構成される。第7検出装置は、例えば人感センサを含む。一例では、第7検出装置は、第1同乗者PA1が着座する第1シートCS1に設けられる。制御部12は、第7検出装置から検出された情報に基づいて、第1同乗者PA1の有無に関する情報を取得する。第7検出装置は、例えば第1シートCS1に設けられるシートベルトに関するシートベルトセンサを含んでいてもよい。この場合、シートベルトセンサは、シートベルトのロック・アンロック状態、および、シートベルト長さの少なくとも1つを検出する。第7検出装置は、例えば第1シートCS1の形状が可変である場合において、第1シートCS1の形状に関する形状センサを含んでいてもよい。この場合、形状センサは、第1シートCS1の形状が第1同乗者PA1の搭乗に適した状態か否かを検出する。
【0117】
第2例では、検出装置DDは、第3検出装置DD3および第4検出装置DD4に代えて第8検出装置を含む。第8検出装置は、第2同乗者PA2の有無に関する情報を検出するように構成される。第8検出装置は、例えば人感センサを含む。一例では、第8検出装置は、第2同乗者PA2が着座する第2シートCS2に設けられる。制御部12は、第8検出装置から検出された情報に基づいて、第2同乗者PA2の有無に関する情報を取得する。第8検出装置は、例えば第2シートCS2に設けられるシートベルトに関するシートベルトセンサを含んでいてもよい。この場合、シートベルトセンサは、シートベルトのロック・アンロック状態、および、シートベルト長さの少なくとも1つを検出する。第8検出装置は、例えば第2シートCS2の形状が可変である場合において、第2シートCS2の形状に関する形状センサを含んでいてもよい。この場合、形状センサは、第2シートCS2の形状が第2同乗者PA2の搭乗に適した状態か否かを検出する。
【0118】
・第1実施形態から第5実施形態において、制御部12の制御対象は、任意に変更可能である。第1例では、コンポーネントCOは、サスペンションSUを含む。具体的には、コンポーネントCOは、サスペンションSUに加えて、変速装置T、アジャスタブルシートポストASP、電動補助ユニットE、制動装置BD、および、表示装置SCの少なくとも1つをさらに含む。一例では、制御部12は、各種の同乗者情報IPに応じてサスペンションSUを制御する。制御部12は、同乗者情報IPに応じてサスペンションSUの制御態様を変更する。
【0119】
制御部12は、例えば第1所定条件が成立すると、前輪WFが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにフロントサスペンションSFを制御する。具体的には、制御部12は、第1所定条件が成立すると、フロントサスペンションSFの変位状態がロック状態からアンロック状態となるように、または、フロントサスペンションSFのトラベル量が大きくなるようにフロントサスペンションSFを制御する。フロントサスペンションSFのロック状態では、フレームA1に対する前輪WFの相対移動が規制される。フロントサスペンションSFのアンロック状態では、前輪WFがフレームA1に対して相対移動する。制御部12は、例えば第2所定条件が成立すると、後輪WRが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにリアサスペンションを制御する。具体的には、制御部12は、第2所定条件が成立すると、リアサスペンションの変位状態がロック状態からアンロック状態となるように、または、リアサスペンションのトラベル量が大きくなるようにリアサスペンションを制御する。リアサスペンションのロック状態では、フレームA1に対する後輪WRの相対移動が規制される。リアサスペンションのアンロック状態では、後輪WRがフレームA1に対して相対移動する。制御部12は、例えば第3所定条件が成立すると、車輪Wが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるようにサスペンションSUを制御する。具体的には、制御部12は、第3所定条件が成立すると、前輪WFおよび後輪WRが地面から受ける衝撃の緩和性が大きくなるように、フロントサスペンションSFおよびリアサスペンションを制御する。
【0120】
第2例では、コンポーネントCOは、アジャスタブルシートポストASPを含む。具体的には、コンポーネントCOは、アジャスタブルシートポストASPに加えて、変速装置T、サスペンションSU、電動補助ユニットE、制動装置BD、および、表示装置SCの少なくとも1つをさらに含む。一例では、制御部12は、各種の同乗者情報IPに応じてアジャスタブルシートポストASPを制御する。制御部12は、同乗者情報IPに応じてアジャスタブルシートポストASPの制御態様を変更する。制御部12は、同乗者PAがシートCSに着座しない場合、または、人力駆動車AにシートCSが搭載されない場合、フレームA1に対するサドルSDの高さが基準高さとなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。基準高さは、例えば運転者DRが人力駆動車Aを安定して走行させることが可能なサドルSDの高さに基づいて予め設定される。
【0121】
制御部12は、例えば第4所定条件が成立すると、フレームA1に対するサドルSDの高さが高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。具体的には、制御部12は、フレームA1に対するサドルSDの高さが基準高さよりも高くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。制御部12は、例えば第5所定条件が成立すると、フレームA1に対するサドルSDの高さが低くなるようにアジャスタブルシートポストASPを制御する。具体的には、制御部12は、フレームA1に対するサドルSDの高さが基準高さとなるように、または、フレームA1に対するサドルSDの高さが基準高さよりも高く、かつ、同乗者PAの重量が第1重量PW1以上の場合のサドルSDの高さよりも低くなるように、アジャスタブルシートポストASPを制御する。
【0122】
・第1実施形態から第5実施形態において、制御部12の制御内容は、任意に変更可能である。第1例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合、人力駆動車Aの発進時の変速比が大きくなるように指定変速比を設定する。第2例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合よりも人力駆動車Aの発進時の変速比が大きくなるように指定変速比を設定する。第3例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合よりも人力駆動車Aの発進時の変速比が大きくなるように指定変速比を設定する。
【0123】
第4例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座しない場合、第2比率BR2が第1比率BR1に対して小さくなるように制動装置BDを制御する。第5例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座せず、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1比率BR1が第2比率BR2に対して小さくなるように制動装置BDを制御する。第6例では、制御部12は、第1同乗者PA1が第1シートCS1に着座し、第2同乗者PA2が第2シートCS2に着座する場合、第1比率BR1および第2比率BR2が基準比率に対して互いに小さくなるように制動装置BDを制御する。
【0124】
第7例では、制御部12は、同乗者PAの重量が第1重量PW1以上の場合、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が小さくなるように電動補助ユニットEを制御する。第8例では、制御部12は、同乗者PAの重量が第2重量PW2未満の場合、人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト力が大きくなるように電動補助ユニットEを制御する。第9例では、制御部12は、人力駆動車Aのバランスが崩れた場合、または、人力駆動車Aのバランスが崩れることが想定される場合、ハンドルHの回転を制限する。ハンドルHの回転の制限には、ハンドルHの回転のロックが含まれる。一例では、制御部12は、人力駆動車Aのバランスが崩れた場合、または、人力駆動車Aのバランスが崩れることが想定される場合、ハンドルHの回転をロックする。
【0125】
・人力駆動車Aの種類は、任意に変更可能である。第1例では、人力駆動車Aは、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、トレッキングバイク、カーゴバイク、または、リカンベントである。第2例では、人力駆動車Aは、キックスケータである。
【符号の説明】
【0126】
10…制御装置、12…制御部、20…制御装置、22…制御部、A…人力駆動車、ASP…アジャスタブルシートポスト、BD…制動装置、BD1…第1制動装置、BD2…第2制動装置、BR1…第1比率、BR2…第2比率、CO…コンポーネント、CS…シート、CS1…第1シート、CS2…第2シート、DD…検出装置、DD4…第4検出装置(検出装置)、DR…運転者、E…電動補助ユニット、IP…同乗者情報、PA…同乗者、PA1…第1同乗者、PA2…第2同乗者、PW1…第1重量、PW2…第2重量、SC…表示装置、SD…サドル、SU…サスペンション、T…変速装置、TT…被牽引車、WF…前輪、WR…後輪。