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特許7157371帯電装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】帯電装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20221013BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20221013BHJP
【FI】
G03G15/02 102
G03G15/02 103
G03G21/14
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018117590
(22)【出願日】2018-06-21
(65)【公開番号】P2019219546
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 敬幸
(72)【発明者】
【氏名】工藤 経生
(72)【発明者】
【氏名】桑原 延雄
(72)【発明者】
【氏名】深尾 剛
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-343664(JP,A)
【文献】特開2010-266570(JP,A)
【文献】特開平06-035263(JP,A)
【文献】特開2016-066042(JP,A)
【文献】特開2008-116752(JP,A)
【文献】特開2016-051130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0293330(US,A1)
【文献】特開2005-346028(JP,A)
【文献】特開2002-196568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/02
13/14-13/16
13/34
15/00
15/02
15/14-15/16
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な帯電ローラと、
前記帯電ローラの表面に当接して当該表面を清掃する回転可能なクリーニングローラと、
像担持体を回転駆動する像担持体用駆動モータとは別に設けられて、前記クリーニングローラを回転駆動する駆動モータと、
を備え、
前記クリーニングローラの回転駆動に連動して前記帯電ローラが回転するように構成され、
前記像担持体を帯電する帯電工程時には、前記像担持体用駆動モータを稼働して前記像担持体が回転するようにするとともに、前記駆動モータを稼働停止して前記クリーニングローラを回転停止させた状態として前記帯電ローラが回転しないようにし、
非帯電工程時には、前記像担持体用駆動モータを稼働して前記像担持体を回転させた状態として、前記帯電ローラと前記クリーニングローラとの接触部に線速差を生じさせる ことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
累積プリント枚数が所定枚数に達するたびに、又は、前記像担持体の累積駆動時間が所定時間に達するたびに、非帯電工程時に、前記帯電ローラが回転するようにすることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記帯電ローラが回転した後には、次の帯電工程が開始される前に、前記帯電ローラに印加される帯電バイアスが調整されることを特徴とする請求項2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記帯電ローラは、そのローラ主部が前記像担持体に当接しないことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項5】
前記帯電ローラの回転軸方向両端部にそれぞれ設置されて、前記像担持体の非画像領域に当接するギャップ形成部材を備え、
前記ギャップ形成部材は、帯電工程時に回転しないことを特徴とする請求項4に記載の帯電装置。
【請求項6】
前記帯電ローラは、そのローラ主部が前記像担持体に当接することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項7】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1~請求項6のいずれかに記載の帯電装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の帯電装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、そこに設置される帯電装置と、プロセスカートリッジと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラム(像担持体)を帯電する帯電ローラを設ける技術が広く知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
詳しくは、帯電ローラは、感光体ドラムに対して対向又は接触するように配置されていて、所定の帯電バイアスが印加されることで、感光体ドラムの表面を帯電する。
【0003】
一方、特許文献1には、非接触式の帯電ローラを回転させながら帯電工程をおこなう技術が開示されている。また、特許文献1には、帯電ローラと感光体ドラムとのギャップが所定範囲となるように設定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、接触式の帯電ローラを回転させながら帯電工程をおこなう技術が開示されている。また、特許文献2には、画像形成後に、帯電ローラとともにブラシローラ状の帯電清掃部材を回転させて、帯電ローラの表面を清掃する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、帯電ローラによって帯電される像担持体(感光体ドラム)の表面電位に、帯電ローラの回転周期に対応したムラ(帯電ムラ)が生じてしまっていた。そして、そのような帯電ムラが生じてしまうと、画像に周期的な濃淡(濃度ムラ)が生じてしまうことになる。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、帯電ムラが生じにくい、帯電装置、及び、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における帯電装置は、回転可能な帯電ローラと、前記帯電ローラの表面に当接して当該表面を清掃する回転可能なクリーニングローラと、像担持体を回転駆動する像担持体用駆動モータとは別に設けられて、前記クリーニングローラを回転駆動する駆動モータと、を備え、前記クリーニングローラの回転駆動に連動して前記帯電ローラが回転するように構成され、前記像担持体を帯電する帯電工程時には、前記像担持体用駆動モータを稼働して前記像担持体が回転するようにするとともに、前記駆動モータを稼働停止して前記クリーニングローラを回転停止させた状態として前記帯電ローラが回転しないようにし、非帯電工程時には、前記像担持体用駆動モータを稼働して前記像担持体を回転させた状態として、前記帯電ローラと前記クリーニングローラとの接触部に線速差を生じさせるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、帯電ムラが生じにくい、帯電装置、及び、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】プロセスカートリッジとその近傍とを示す構成図である。
図3】感光体ドラムと帯電ローラとクリーニングローラとを回転軸方向にみた概略図である。
図4】(A)帯電工程時の感光体ドラムと帯電ローラとクリーニングローラとを示す図と、(B)非帯電工程時の感光体ドラムと帯電ローラとクリーニングローラとを示す図と、である。
図5】楕円状に形成された帯電ローラが感光体ドラムに対向した状態を示す図である。
図6】抵抗値が周方向の位置によって異なる帯電ローラが感光体ドラムに対向した状態を示す図である。
図7】変形例1としての、感光体ドラムと帯電ローラとを回転軸方向にみた概略図である。
図8】変形例2としての、(A)帯電工程時の感光体ドラムと帯電ローラとクリーニングローラとを示す図と、(B)非帯電工程時の感光体ドラムと帯電ローラとクリーニングローラとを示す図と、である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1及び図2にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1は、実施の形態における画像形成装置1を示す全体構成図である。図2は、図1の画像形成装置1に設置されたイエロー用のプロセスカートリッジ10Y(作像部)の構成を示す断面図である。
なお、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2ではイエロー用のプロセスカートリッジ10Yのみを代表的に図示する。
【0011】
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は用紙等のシートが収容される給紙部、9はシートの搬送タイミングを調整するレジストローラ、を示す。
また、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成されるプロセスカートリッジ、16は各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト17上に重ねて転写する1次転写ローラ、を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のトナー像をシート上に転写するための2次転写ローラ、19は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、20はシート上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、を示す。
【0012】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
【0013】
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
【0014】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11(像担持体)上に向けて発せられる。
【0015】
一方、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11(図2参照)は、それぞれ、所定の回転方向(反時計方向)に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電ローラ12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位(-900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光Lは、紙面左側から1番目の感光体ドラム11(像担持体)の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12にて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像(-50~100V程度の露光電位が形成される。)が形成される。
【0017】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0018】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程である。)。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアス(-500V程度である。)と、の電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーTが潜像に付着する。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部(1次転写ニップ)に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ16が設置されている。そして、1次転写ローラ16の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0019】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング装置14(クリーニング部)との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニングブレード14aによって感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが機械的に除去されて、除去された未転写トナーがクリーニング装置14内に回収される(クリーニング工程である。)。なお、クリーニング装置14内に回収された未転写トナーは、搬送スクリュ14bによってクリーニング装置14外に搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器の内部に回収される。
その後、感光体ドラム11の表面は、潤滑剤供給装置15、除電装置の位置を順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
他方、感光体ドラム11上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写ローラ18との対向位置(2次転写ニップ)に達する。そして、2次転写ローラ18との対向位置で、シート(用紙)上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部19の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部19に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写ローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送されるシートは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9(タイミングローラ)に導かれる。レジストローラ9に達したシートは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
【0022】
そして、フルカラー画像が転写されたシートは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとのニップにて、カラー画像(トナー)がシート上に定着される。
そして、定着工程後のシートは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセス(画像形成動作)が完了する。
【0023】
次に、図2にて、プロセスカートリッジ10Yについて詳述する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10Yは、像担持体としての感光体ドラム11と、帯電ローラ12(帯電装置40)と、現像装置13と、クリーニング装置14と、潤滑剤供給装置15と、が一体的にユニットとして構成されている。プロセスカートリッジ10Yは、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置されていて、適宜に画像形成装置本体1から取り出されて新品のものに交換されたり修理がされたりすることになる。
【0024】
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、表面層(保護層)が順次積層されている。
感光体ドラム11は、駆動モータ60(図3参照)によって図2の反時計方向に回転駆動される。詳しくは、駆動モータ60の駆動が、ギア列61、62を介して感光体ドラム11に入力される。
【0025】
図2図3を参照して、帯電装置40は、帯電ローラ12、クリーニングローラ30などで構成されている。
帯電ローラ12は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなるローラ部材であって、そのローラ主部12a(弾性層が形成された部分である。)が感光体ドラム11に対して微小な隙間Hをあけて対向するように設置されている。
詳しくは、帯電ローラ12の回転軸方向両端部には、それぞれ、ローラ主部12aよりも外径が大きなギャップ形成部材12b(大径部)が設置されている。そして、制御部70によって制御される帯電用の電源部75から帯電ローラ12に所定の電圧(帯電バイアス)が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。帯電ローラ12に印加する帯電バイアスとしては、DC電圧を用いることもできるし、DC電圧にAC電圧が重畳されたものを用いることもできる。
なお、本実施の形態では、帯電ローラ12として、芯金の外周に弾性層を被覆したものを用いたが、芯金の外周に樹脂層(非弾性層)を被覆したものを用いることもできる。
【0026】
帯電装置40におけるクリーニングローラ30は、軸部上にフェルトや発泡ポリウレタンなどからなる弾性層が形成されたローラ部材であって、帯電ローラ12に当接して帯電ローラ12を清掃する清掃部材として機能するものである。なお、本実施の形態において、クリーニングローラ30は、帯電ローラ12のローラ主部12aを清掃するように構成したが、ギャップ形成部材12bをも清掃できるように構成することもできる。
なお、本実施の形態における帯電装置40の特徴的な構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0027】
現像装置13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13bと、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13bに対向する第2搬送スクリュ13cと、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13dと、で構成される。
現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤Gが担持されることになる。現像装置13内には、キャリアCとトナーTとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像ローラ13aや2つの搬送スクリュ13b、13cは、現像用モータによって図2の矢印方向に回転駆動される。
このように構成された現像装置13によって、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像が現像されて、感光体ドラム11の表面にトナー像が形成されることになる。
【0028】
ここで、画像形成装置本体1に設けられたトナー補給部は、交換可能に構成されたトナーボトル31と、トナーボトル31を保持・回転駆動するとともに現像装置13に新品トナーTを補給するトナーホッパ部32と、で構成されている。また、トナーボトル31内には、新品のトナーT(図2では、イエローのトナーである。)が収容されている。また、トナーボトル31の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
【0029】
なお、トナーボトル31内の新品トナーTは、現像装置13内のトナーT(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像装置13内に適宜に補給されるものである。現像装置13内のトナーTの消費(トナー濃度)は、現像装置13内の現像剤Gのトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)を磁気的に検知するトナー濃度センサ13eによって検知される。
【0030】
クリーニング装置14には、感光体ドラム11の表面に当接して感光体ドラム11の表面をクリーニングするクリーニングブレード14aと、装置内に回収されたトナーを装置外に搬送する搬送スクリュ14bと、が設置されている。
クリーニングブレード14aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー(シートから生じる紙粉、帯電ローラ12による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等の付着物も含むものとする。)が機械的に掻き取られてクリーニング装置14内に回収されることになる。なお、本実施の形態において、クリーニングブレード14aは、感光体ドラム11の回転方向(回転方向)に対してカウンタ方向にて感光体ドラム11に当接している。
【0031】
図2を参照して、潤滑剤供給装置15は、感光体ドラム11に摺接する発泡弾性層が周設されて感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給ローラ15a、潤滑剤供給ローラ15a(発泡弾性層)に摺接する固形潤滑剤15b、潤滑剤供給ローラ15aに対して固形潤滑剤15bを付勢する付勢部材としての圧縮スプリング15c、固形潤滑剤15bや圧縮スプリング15cを収納するホルダ15d、感光体ドラム11に当接して感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化する薄層化ブレード15f、等で構成される。
潤滑剤供給装置15は、クリーニング装置14(クリーニングブレード14a)に対して感光体ドラム11の回転方向下流側であって、帯電ローラ12に対して感光体ドラム11の回転方向上流側に配設されている。また、薄層化ブレード15fは、潤滑剤供給部材としての潤滑剤供給ローラ15aに対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。
そして、潤滑剤供給ローラ15aによって感光体ドラム11の表面に供給された潤滑剤は、薄層化ブレード15fによって、感光体ドラム11の表面に均一かつ適量に薄層化されることになる。
これにより、感光体ドラム11との摺接によってクリーニングブレード14aのエッジ部が摩耗する不具合などが軽減されることになる。
【0032】
ここで、図2を参照して、感光体ドラム11に対向する位置であって、現像装置13の上流側で帯電ローラ12(及び、レーザ光Lの照射位置)の下流側の位置には、感光体ドラム11の表面電位を検知する電位センサ50が設置されている。
また、図1図2を参照して、中間転写ベルト17に対向する位置であって、2次転写ローラ18の上流側で4つの感光体ドラム11の下流側の位置には、通常の画像形成とは異なるタイミングで作像プロセスによって中間転写ベルト17上に形成した各色のパッチパターン(段階的に画像濃度が変化するパターンである。)のトナー付着量(画像濃度)を光学的に検知するトナー付着量センサ55が設置されている。
また、先に図2を用いて説明したように、現像装置13には、現像装置13内の現像剤Gのトナー濃度を検知するトナー濃度センサ13eが設置されている。
そして、電位センサ50やトナー付着量センサ55やトナー濃度センサ13eなどの検知結果に基づいて、適宜に、画像濃度制御(プロセスコントロール)をおこなっている。
【0033】
詳しくは、通常の画像形成プロセスが開始される前のウォーミングアップ時などに、上述した作像プロセスによって感光体ドラム11上にパッチパターンを形成する。そして、そのパッチパターンの静電潜像の電位を電位センサ50で検知する。また、感光体ドラム11上から中間転写ベルト17上に転写されたパッチパターンのトナー付着量(画像濃度)をトナー付着量センサ55によって検知する。さらに、そのときの現像装置13内のトナー濃度をトナー濃度センサ13eで検知する。そして、制御部70の演算部で、それらの各検知結果に基づいて、所望の画像濃度のトナー付着量が所定の目標付着量になるように、帯電バイアス、現像バイアス、露光量(書込み部2に印加される印加電圧又は印加電流)、現像装置13内のトナー濃度、のそれぞれの制御目標値が求められる。そして、この最適な制御目標値(画像濃度条件)に基づいて、その後の画像形成動作時における各装置の印加バイアスやトナー補給量などが制御される。これにより、安定的な画像濃度の画像が形成されることになる。
【0034】
以下、本実施の形態における帯電装置40において、特徴的な構成・動作について説明する。
先に図2図3等を用いて説明したように、本実施の形態における帯電装置40(プロセスカートリッジ10Y)には、回転可能な帯電ローラ12や、帯電ローラ12を清掃する回転可能なクリーニングローラ30(清掃部材)、などが設けられている。
【0035】
帯電ローラ12は、制御部70によって制御される電源部75から帯電バイアスが印加されて、感光体ドラム11(像担持体)の表面を帯電するものである。帯電ローラ12は、帯電装置40(プロセスカートリッジ10Y)の筐体に対して回転可能に保持されている。なお、本実施の形態では、駆動モータ41、60の駆動が帯電ローラ12の軸部に伝達されないように構成されている。
クリーニングローラ30は、軸部上に弾性層が形成されたローラ部材であって、帯電ローラ12の表面に当接している。クリーニングローラ30の軸部には、ギア列42、43を介して駆動モータ41(感光体ドラム11を駆動する駆動モータ60とは別の駆動モータである。)の駆動が伝達されるように構成されている。そして、制御部70による制御によって、駆動モータ41が稼働されるとクリーニングローラ30が図4(B)の矢印方向(反時計方向)に回転して、駆動モータ41が稼働停止されるとクリーニングローラ30が図2図4(A)に示すように回転停止することになる。また、図4(A)、(B)に示すように、クリーニングローラ30の回転駆動に連動して帯電ローラ12が回転することになる。
【0036】
ここで、本実施の形態において、帯電ローラ12は、そのローラ主部12aが感光体ドラム11(像担持体)に当接しないように構成されている。
具体的に、図3を参照して、帯電ローラ12は、そのローラ主部12aが感光体ドラム11に対して隙間Hをあけて対向するように、ローラ主部12aよりも外径が大きなギャップ形成部材12bが回転軸方向両端部にそれぞれ設置されている。ギャップ形成部材12bは、樹脂材料などで形成された略ドーナッツ状の部材であって、その内径部が帯電ローラ12の軸部に圧入されている。したがって、ギャップ形成部材12bとローラ主部12aとの外径差の1/2の値が、帯電ローラ12(ローラ主部12a)と感光体ドラム11との隙間Hの値となる。また、帯電ローラ12の軸部を回転可能に保持する軸受がスプリングによって感光体ドラム11に向けて付勢されており、ギャップ形成部材12bが感光体ドラム11に押し付けられている。
このような構成により、ローラ主部12aが回転すると、ローラ主部12aとともにギャップ形成部材12bもと同じ方向に回転することになる。
【0037】
なお、ギャップ形成部材12bは、感光体ドラム11の非画像領域に当接している。すなわち、ギャップ形成部材12bが設置された回転軸方向(図2の紙面垂直方向であって、図3の左右方向である。)の領域は、画像領域外であって、帯電ローラ12による帯電領域の領域外になる。
これにより、ギャップ形成部材12bが感光体ドラム11に摺動して感光体ドラム11の表面がダメージを受けてしまったとしても、感光体ドラム11の表面に形成される画像に影響が及ぶことはない。
【0038】
ここで、本実施の形態では、図4(A)(及び、図2図3)に示すように、感光体ドラム11を帯電する帯電工程時(「画像形成時」とほぼ同義であって、電源部75から帯電ローラ12に帯電バイアスが印加されるときである。)には、帯電ローラ12が回転しないようにしている。すなわち、帯電工程時に、感光体ドラム11は図4の矢印方向に回転しているものの、ローラ主部12aはギャップ形成部材12bとともに回転しないことになる。
詳しくは、帯電工程時(画像形成時)には、駆動モータ41が稼働停止されて、クリーニングローラ30が回転停止した状態になるように制御される。このように回転停止したクリーニングローラ30(及び、駆動モータ41、ギア列42,43)が負荷(ブレーキ)になって、帯電ローラ12は、感光体ドラム11が回転していても連れ回ることなく、回転停止した状態になる。
【0039】
このように、本実施の形態では、帯電工程時に帯電ローラ12を回転停止させているため、帯電工程時に帯電ローラ12と感光体ドラム11との隙間Hが変化せずにほぼ一定になり、感光体ドラム11の表面電位(帯電電位)にムラ(帯電ムラ)が生じにくくなる。
さらに、帯電工程時に帯電ローラ12を回転停止させているため、帯電工程時に感光体ドラム11に対向する帯電ローラ12の電気抵抗値(体積抵抗値や表面抵抗値である。)が変化せずにほぼ一定になり、感光体ドラム11の表面電位(帯電電位)にムラ(帯電ムラ)が生じにくくなる。
したがって、感光体ドラム11(又は、シート)上に形成される画像に周期的な濃淡(濃度ムラ)が生じにくくなる。
【0040】
すなわち、従来のように、帯電工程時に帯電ローラ12を回転させる場合には、帯電ローラ12と感光体ドラム11との隙間Hや、感光体ドラム11に対向する帯電ローラ12の抵抗値が、帯電ローラ12の回転周期に対応して変化してしまい、帯電ローラ12の回転周期に対応した帯電ムラが生じてしまっていた。そして、そのような帯電ムラが生じてしまうと、画像に周期的な濃淡(濃度ムラ)が生じてしまっていた。特に、小径の帯電ローラ12を用いた場合には、その回転周期が短くなるため、そのような不具合が顕著になる。
【0041】
さらに詳しくは、図5は、帯電ローラ12の断面が真円でなくて楕円(短径W1、長径W2からなる。)である場合であって、帯電工程時に帯電ローラ12を回転させる場合に、帯電ローラ12と感光体ドラム11との隙間Hが変化する例を示すものである。
図5(A)に示すように帯電ローラ12の短径W1の部分が感光体ドラム11に対向した状態のときの隙間H1は、図5(B)に示すように帯電ローラ12の長径W2の部分が感光体ドラム11に対向した状態のときの隙間H2に比べて大きくなる(H1>H2)。非接触式の帯電装置40において、帯電ローラ12によって感光体ドラム11を帯電させるためには、両者の隙間Hの空気層で放電させる必要がある。しかし、放電を生じさせるために必要な電圧は、その隙間Hの大きさによって決まるので、隙間Hが変化してしまうと、放電電位が変化して感光体ドラム11の表面電位(帯電電位)も変化してしまう。すなわち、図5(A)に示す状態での感光体ドラム11の帯電電位と、図5(B)に示す状態での感光体ドラム11の帯電電位と、は異なることになる。そして、帯電ローラ12を回転させる場合には、このような帯電電位の変化が、帯電ローラ12の回転周期に合わせて生じることになる。
これに対して、本実施の形態では、帯電工程時に帯電ローラ12の回転を停止しているため、このような不具合の発生を軽減することができる。
【0042】
また、図6は、帯電ローラ12(ローラ主部12a)の抵抗値が均一でなくて不均一(高抵抗部R1、低抵抗部R2からなる。)である場合であって、帯電工程時に帯電ローラ12を回転させる場合に、感光体ドラム11に対向する帯電ローラ12の部分の抵抗値が変化する例を示すものである。
帯電ローラ12に同じ帯電バイアスを印加しても、図6(A)に示すように帯電ローラ12の高抵抗部R1が感光体ドラム11に対向した状態のときと、図6(B)に示すように帯電ローラ12の低抵抗部R2が感光体ドラム11に対向した状態のときと、では、隙間Hが一定であっても、隙間Hに形成される電界の大きさが変化してしまう。すなわち、図6(A)に示す状態での感光体ドラム11の帯電電位と、図6(B)に示す状態での感光体ドラム11の帯電電位と、は異なることになる。そして、帯電ローラ12を回転させる場合には、このような帯電電位の変化が、帯電ローラ12の回転周期に合わせて生じることになる。
これに対して、本実施の形態では、帯電工程時に帯電ローラ12の回転を停止しているため、このような不具合の発生を軽減することができる。
【0043】
なお、本実施の形態において、ギャップ形成部材12bは、少なくともその表面(摺動面)が、フッ素樹脂材料などの低摩擦材料で形成されている。
これにより、帯電工程時に帯電ローラ12を回転停止させることで、ギャップ形成部材12bが感光体ドラム11に摺接することになっても、その摺動抵抗を軽減することができる。
【0044】
ここで、本実施の形態では、図4(B)に示すように、非帯電工程時(「非画像形成時」とほぼ同義であって、電源部75から帯電ローラ12に帯電バイアスが印加されないときである。)には、帯電ローラ12が回転するようにしている。
詳しくは、非帯電工程時(非画像形成時)に、所定のタイミングで、駆動モータ41が稼働されて、クリーニングローラ30が図4(B)の反時計方向に回転した状態になるように制御される。そして、このように回転したクリーニングローラ30との摩擦抵抗によって、帯電ローラ12が図4(B)の時計方向に連れ回ることになる。すなわち、クリーニングローラ30の回転駆動に連動して帯電ローラ12が回転することになる。
【0045】
このように、帯電工程時には回転停止していた帯電ローラ12を、非帯電工程時に適宜に回転させることで、感光体ドラム11に対向するローラ表面が常に同じ位置ではなく入れ替わることになるので、帯電工程が繰り返しおこなわれることによって帯電ローラ12のローラ表面が局所的に劣化してしまう不具合を軽減することができる。
また、本実施の形態では、クリーニングローラ30を回転駆動することによって帯電ローラ12を回転させているため、帯電ローラ12の表面を適宜に清掃することもできる。すなわち、非帯電工程時(非画像形成時)に、所定のタイミングで、適宜にクリーニングモードが実行されている。これにより、帯電ローラ12の表面がトナーや潤滑剤などで汚れて帯電効率が低下する不具合を抑止することができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、非帯電工程時に帯電ローラ12を回転させるときに、感光体ドラム11が大きな摺動抵抗にならないように、図4(B)に示すように、感光体ドラム11も回転駆動している。ただし、帯電ローラ12を回転させるときに、帯電ローラ12の回転を妨げない程度に感光体ドラム11が僅かに摺動抵抗になることは、かえって、クリーニングローラ30と帯電ローラ12との接触部に線速差を生じさせてクリーニングローラ30による清掃性を高めることになるため好適である。
【0047】
なお、本実施の形態において、非帯電工程時に、常に帯電ローラ12(及び、クリーニングローラ30)を回転させるのではなくて、累積プリント枚数が所定枚数に達するたびに(又は、感光体ドラム11の累積駆動時間が所定時間に達するたびに)、帯電ローラ12(及び、クリーニングローラ30)を回転させるように制御することもできる。例えば、累積プリント枚数が所定枚数に達した後(又は、感光体ドラム11の累積駆動時間が所定時間に達した後)であって、一連のプリント動作が終了した直後に、クリーニングモードを実行することができる。そして、クリーニングモードが実行された後に、その実行の判断基準となる累積プリント枚数(又は、累積稼働時間)はリセットされる。
その場合、上述した所定枚数(又は、所定時間)は、帯電ローラ12のローラ表面が局所的に劣化する不具合や、帯電ローラ12の表面が汚れる不具合、が生じないように設定されることになる。
このように制御することにより、帯電ローラ12(及び、クリーニングローラ30)を無駄に回転させる不具合を防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態において、クリーニングモードが実行されて帯電ローラ12が回転した後には、次の帯電工程が開始される前に、帯電ローラ12に印加される帯電バイアスが調整されることが好ましい。
例えば、クリーニングモードが実行されて、次の画像形成動作が開始される直前におこなわれるウォーミングアップ時に、先に説明した制御目標値の設定(プロセスコントロール)をおこなって、電源部75から帯電ローラ12に印加される帯電バイアスを最適化する。
このように帯電ローラ12が回転されるたびに帯電バイアスを最適化する調整をおこなうことで、先に図5図6を用いて説明したように帯電ローラ12に形状や抵抗値のバラツキがあっても、感光体ドラム11の帯電電位を安定化することができる。
【0049】
<変形例1>
図7は、変形例1としての、感光体ドラム11と帯電ローラ12とを回転軸方向にみた概略図である。
変形例1における帯電装置40は、画像形成時にストッパ部材(回転停止手段)としてのブレーキパッド45を用いて帯電ローラ12の回転を停止している点が、本実施の形態のものと相違する。
図7に示すように、変形例1における帯電装置40には、クリーニングローラ30が設置されておらず、帯電ローラ12のギャップ形成部材12bに対して接離可能なブレーキパッド45(表面が摩擦抵抗の高い材料で形成されている。)が設置されている。
そして、帯電工程時には、ギャップ形成部材12bにブレーキパッド45が当接するように接離機構を制御して、感光体ドラム1が回転駆動していても、帯電ローラ12が連れ回りすることなく回転停止するようにしている。これにより、本実施の形態のものと同様に、感光体ドラム11上に周期的な帯電ムラが生じる不具合を軽減することができる。
また、非帯電工程時には、ギャップ形成部材12bに対してブレーキパッド45が離間するように接離機構を制御して、感光体ドラム1を回転駆動することで、帯電ローラ12が連れ回りするようにしている。これにより、本実施の形態のものと同様に、帯電ローラ12のローラ表面に帯電工程による局所的な劣化が生じる不具合を軽減することができる。
【0050】
<変形例2>
図8(A)は、変形例2としての帯電工程時の感光体ドラム11と帯電ローラ12とクリーニングローラ30とを示す図であって、図8(B)は非帯電工程時の感光体ドラム11と帯電ローラ12とクリーニングローラ30とを示す図であって、それぞれ本実施の形態における図4(A)、(B)に対応する図である。
変形例2における帯電装置40は、感光体ドラムに対してローラ主部12aが当接する接触式の帯電ローラ12が設置されている点が、感光体ドラム11に対してローラ主部12aが隙間をあけて対向する非接触式の帯電ローラ12が設置されている本実施の形態のものと相違する。
図8に示すように、変形例2において、帯電ローラ12は、そのローラ主部12aが感光体ドラム11(像担持体)に当接するように構成されている。したがって、変形例2における帯電装置40には、本実施の形態のもののようにギャップ形成部材12bが設置されていないことになる。
このような接触式の帯電装置40においても、図8(A)に示すように、帯電工程時には帯電ローラ12を回転停止させて、図8(B)に示すように、非回転工程時には帯電ローラ12(及び、クリーニングローラ30)を回転させることで、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、変形例2のように接触式の帯電装置40においては、非接触式のものに比べて、帯電ローラ12が感光体ドラム11に摺接する回転軸方向の範囲が広いため、帯電工程時に帯電ローラ12を回転停止しようとしても、感光体ドラム11との摺接によって連れ回り方向の回転力を受けやすい。そのため、帯電工程時に帯電ローラ12の回転を強制的に停止するような構成(例えば、帯電工程時に帯電ローラ12の軸部に形成した溝に移動部材が嵌合するような構成である。)が好ましい。また、感光体ドラム11との摺動抵抗を低減するために、帯電ローラ12(ローラ主部12a)の表面を低摩擦材料で形成することが好ましい。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態における帯電装置40は、回転可能な帯電ローラ12が設けられている。そして、感光体ドラム11(像担持体)を帯電する帯電工程時には、帯電ローラ12が回転しないようにしている。
これにより、帯電ムラを生じにくくすることができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11や帯電ローラ12(帯電装置40)や現像装置13やクリーニング装置14や潤滑剤供給装置15を一体化してプロセスカートリッジ10Yを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、これらの構成部材を、プロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で画像形成装置本体1に交換可能に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0053】
また、本実施の形態では、帯電ローラ12を清掃するクリーニングローラ30として、軸部上にフェルトや発泡ポリウレタンなどからなる弾性層が形成されたものを用いたが、クリーニングローラはこのようなものに限定されることなく、例えば、軸部上のブラシ毛が周設されたブラシ状のクリーニングローラを用いることもできる。
そして、そのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0054】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
10Y、10M、10C、10BK プロセスカートリッジ、
11 感光体ドラム(像担持体)、
12 帯電ローラ(帯電部材)、
12a ローラ主部、
12b ギャップ形成部材(大径部)、
30 クリーニングローラ(清掃部材)、
40 帯電装置、
41 駆動モータ(クリーニングモータ)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【文献】特許第4420784号公報
【文献】特開2002-196568号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8