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  • 特許-電子機器ホルダー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-12
(45)【発行日】2022-10-20
(54)【発明の名称】電子機器ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20221013BHJP
【FI】
A45C11/00 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2016194813
(22)【出願日】2016-09-12
(65)【公開番号】P2018042960
(43)【公開日】2018-03-22
【審査請求日】2019-09-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】594018463
【氏名又は名称】佐藤 典一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 典一
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】関口 哲生
【審判官】熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-201513(JP,A)
【文献】特開2004-65491(JP,A)
【文献】特開2003-79418(JP,A)
【文献】特開2009-147992(JP,A)
【文献】特開2003-198698(JP,A)
【文献】特開2000-277932(JP,A)
【文献】特開2007-117693(JP,A)
【文献】登録実用新案第3062727(JP,U)
【文献】登録実用新案第3077327(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の胴体の左右方向にのび且つ電子機器の胴体の外周に圧着して装着される、伸縮性を有する材料を使用した複数個のリングを有し、更に両端を繋いで形成されるリング部である身体と結ぶための上端部を有すると共に電子機器の胴体の上下方向にのび且つ前記リングに連結する連結部材を設け、前記リングと前記連結部材とを重なり合う箇所で互いに固着させて一体なものにし、前記連結部材の下端部を前記胴体の下面を通って上方に折り返して前記リングに連結したことを特徴とする電子機器ホルダー。
【請求項3】
伸縮性のある材料を用い、前記リング及び前記連結部材を固着して一体としたものに代えて、前記リング及び前記連結部材を一体形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話、音楽プレイヤーなどの電子機器に装着して使用するホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などを、ズボン・シャツのポケットやバックなどから取り出して使用する場合がある。しかし取り出すのに時間が掛かるのを省くため、特許文献1のように、ピン金具つきの携帯電話装着ホルダーを衣服に留める例がある。
また、特許文献2に記載されているものは、携帯電話を片手だけでも操作可能にするために伸縮性の材料を電子機器の側面に取付けた例である。
【先行技術文献】
【0003】
【文献】特許 第5457586号
【文献】特許公開 2015-23564
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記にあげた特許文献1のものは、機器を使用中に人体の胸部にピンが刺さる可能性があり危険である。また振動(歩行時など)が加わると携帯電話とそのホルダーがぶつかり合い機器が損傷することも考えられる。使用者が前かがみの動作をした時に機器が落下するかもしれない。
【0005】
また特許文献2の「携帯機器用落下防止ホルダー」の場合は、バックなどから機器を取り出すとき、落としたりすることがある。あるいは、機器を使用中に、人や物にぶつかり落とすという問題点がある。
ところで、機器の背面に装着するバックカバーや機器の両面を覆うフリップカバーなるものが市中で販売されているが、これらを機器に付けると全体の厚さが増すことになりポケットなどへの挿入、取り出しを困難にする。
【0006】
本発明の電子機器ホルダーは、ポケットやズボンの中に機器を入れといても安全であり、機器を擁する電子機器ホルダーは、身体と結ばれているため、落下の心配もなく使用でき、また機器の背面と伸縮性の材料の間に指を挿入して片手だけでも機器を操作できる機器ホルダーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の電子機器ホルダーは、請求項1に記したように、電子機器の胴体の左右方向にのび且つ電子機器の胴体の外周に圧着して装着される、伸縮性を有する材料を使用した複数個のリングを有し、更に両端を繋いで形成されるリング部である身体と結ぶための上端部を有すると共に電子機器の胴体の上下方向にのび且つ前記リングに連結する連結部材を設け、前記リングと前記連結部材とを重なり合う箇所で互いに固着させて一体なものにし、前記連結部材の下端部を前記胴体の下面を通って上方に折り返して前記リングに連結したことを特徴とするものである。
【0008】
次に、請求項2に記載する発明にあっては、前記複数個のリングに連結する前記連結部材が伸縮性のある材料から成り、前記連結部材と電子機器背面との間に指挿通部形成されることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、伸縮性のある材料を用い、前記リング及び前記連結部材を固着して一体としたものに代えて、前記リング及び前記連結部材を一体形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子機器ホルダーによれば、ワイシャツ・ブラウス・ズボンのポケットの中に機器を入れといても安全であり、機器を擁する電子機器ホルダーは、身体と結ばれているため、落下の心配もなく使用できる。
また、電子機器使用者の両手が使えない時に、機器の背面と連結部材の間に指を挿入して片手で機器を保持しつつ、それを容易に操作できる。更に、機器を擁する機器ホルダーの厚みを、従来のカバー、ホルダーに比して小さくできる。
また、機器のサイズは各々異なるが、リング、連結部材には伸縮性のある材料を使用しているので、その違いにより機器の胴体への圧着力が、僅かしか変化しない特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】 本発明の第1の実施形態に係る電子機器ホルダーの正面図である。
図2図1の右側面図である。
図3】 本発明の第2の実施形態に係る電子機器ホルダーの正面図である。
図4図3の右側面図である。
図5】 本発明の第3の実施形態に係る電子機器ホルダーの正面図である。
図6図5の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は第1の実施形態を示す正面図であり、図2は、その右側面図である。
【0013】
図1において、1は本発明の第1の実施形態に係わる電子機器ホルダーを示している。
図1で、Dは電子機器を表しており、上下2個のリング2が、電子機器D(例えばスマートフォン)の胴体の左右方向にのび且つ装着されている。リング2は、伸縮性のある材料(例えば「ゴムひも」など)を使用しており、機器Dの胴体圧着している。機器Dの表面、背面、側面などには、液晶画面、電源スイッチ、受話口、カメラ窓 などがあり、それらに被さらない位置にリング2を配置することになる。
【0014】
図1、2の如くリング2と連結する連結部材3が、機器Dの上下方向にのび且つ配置される。
図2に示すように、連結部材3の一端が、まず上方位置から、上部リング2の内側と機器Dの背面の間を通り、下方に向かい下部リング2の内側を行き、機器Dの下面を通り、上方に向かい下部リング2の上面で折り返し、下方から右方に行き折り返し、リング2外側を通り上方向に行き、始めの上方の位置に戻る。
【0015】
このように連結部材3を、下部リング2及び機器Dで折り返して絡めることにより、機器ホルダー1が略式の網状になり、下記の第2の実施形態の機器ホルダー6に比して、機器Dが機器ホルダー1よりズリ落ち難くなる。
【0016】
尚、図1,2においてリング2と連結部材3との重なり合う箇所は、接着・溶着・縫合などの少なくとも1つ以上の方法で固着し、リング2と連結部材3が一体となった電子機器ホルダー1にする。
【0017】
また、図1、2では連結部材3の両端を繋いでリング部4(身体と結ぶための上端部)を形成している。
ところで、図示していないが、上記の連結部材3の両端面を重ね合わせて、その上方に下記[0018]に説明している「衣服用クリップ付のゴムひも」などを括りつける留め穴(図5の7と同様なもの)を明けても良い。
【0018】
リング部4を設ける事により「機器Dを装着した電子機器ホルダー」10を、首に掛けられる。
また、「衣服用クリップ付のゴムひも」などを使い、リング部4に該ゴムひもを括り、該クリップを、例えばワイシャツのポケットの縁に付けることにより、上記の首に掛ける例と同じように「機器Dを装着した電子機器ホルダー」10の落下を防止でき、機器Dの損傷を免れる事ができる。
【0019】
更に、機器を擁する機器ホルダー10の厚みは、薄い材料(例えば0.8mm)を使っているので、従来の機器の背面に装着するバックカバーや機器の両面を覆うフリップカバー、ホルダーに比して少なく、ポケットなどへの挿入、取り出しが容易である。
尚、リング2、連結部材3を色付きにしたカラフルなものにして、他人のものとの区別ができる様にしても良い。
【0020】
ところで、リング2の機器Dへの圧着力を調整する方法としては、リング2の一箇所を切断し、リング両表面にベルクロなどを付けてリングの長さを調整可能にする。
また別の方法として、いわゆるベルト式にして調整できるようにする事も考えられる。
ただ両方法とも図示してないが、リング調整部またはベルト部の厚さが大きくなり、出っ張りが生ずる欠点がある。
【0021】
図2における指挿部5は、連結部材3と機器D背面とのすき間を表している。このすき間は、上下リング2の中間あたりの2本重なっている連結部材3と機器Dの背面との間に指を挿入してできる。
電子機器使用者が両手を使えない時に、指挿部5に指を挿入し、片手で機器を保持しつつ、それを親指などで容易に操作することができる。
【0022】
次に、本発明の第2の実施形態を、図面に基づき詳細に説明する。
図3は第2の実施形態を示す正面図であり、図4は、その右側面図である。
11は「機器Dを装着した電子機器ホルダー」を表している。
第1の実施形態と異なる点は、連結部材3が下部のリング2の下面だけで折り返していることである。この場合は、機器Dと電子機器ホルダー6は、互いの摩擦力だけでズリ落ちないようにしている。リング2の圧着力が弱いと、機器Dがホルダー6より落ちる危険性がある。落ちないように圧着力を強くして使えば問題は無くなる。
【0023】
図5は第3の実施形態を示す正面図であり、図6は、その右側面図である。
12は「機器Dを装着した電子機器ホルダー」を表している。
第1,2の実施形態では、リング2と連結部材3を固着して作られて一体となった電子機器ホルダー1,6であったが、同等の機能を有するように、伸縮性の材料、例えばゴムなどを金型に流し込んで成型した電子機器ホルダー8である。
また3Dプリンターを使い同様なものを作ることも可能であるが、この方法だと製作費が嵩む欠点がある。
図5、6は電子機器ホルダー1を第3の実施形態の例にしたものである。
【0024】
図5では連結部材3の上方部に、留め穴7を設けた例が示されているが、首に掛けられるように図2のリング部4の様にしても良い。
【符号の説明】
【0025】
1 電子機器ホルダー 10 機器Dを装着した電子機器ホルダー
2 リング 11 機器Dを装着した電子機器ホルダー
3 連結部材 12 機器Dを装着した電子機器ホルダー
4 リング部
5 指挿通部
6 電子機器ホルダー
7 留め穴
8 電子機器ホルダー
D 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6